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*)wikipedia「タイムトラベル#タイムトラベル物語の起源#過去へのタイムトラベル」参照
ピエール・ブアタール『人類以前のパリ(Paris avant les hommes)』(1861年)
マーク・トゥエインの『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』(1889年)
H・G・ウェルズ『タイム・マシン(The Time Machine)』(1895年)
【記憶と現実と?】
もしかしてKenさんは、「記憶とは別に、(記憶とは異なるけれども)過去の事実が存在していた」という想定で考えていませんか? 原文にある通り、「かりに過去が存在しなかったとしても(even if no past had existed)」ですからね。
全人類の記憶が間違っている可能性は受け入れることができても、過去が存在しない(言い換えると世界は0秒前に始まった)という可能性は考えることすらできない、という呪縛にとらわれているのでなければよいのですが。
>russell-j.com/cool/16T-0901.HTM
>There is no logical impossibility in the hypothesis that the world sprang into being five minutes ago, exactly as it then was, with a population that "remembered" a wholly unreal past.
Moreover, in another paper published the same month in 1905, Einstein made several observations on a then-thorny problem, the photoelectric effect. In this work he demonstrated that light can be considered as particles that have a "wave-like nature". Particles obviously do not need a medium to travel, and thus, neither did light. This was the first step that would lead to the full development of quantum mechanics, in which the wave-like nature and the particle-like nature of light are both considered as valid descriptions of light. A summary of Einstein's thinking about the aether hypothesis, relativity and light quanta may be found in his 1909 (originally German) lecture "The Development of Our Views on the Composition and Essence of Radiation"
>>490
まず英語版wikiの"Particles obviously do not need a medium to travel, and thus, neither did light." についてですが、ソースとされているアインシュタインのレクチャー(1909)では、その理由でエーテルが不要になったとの考えは述べられていないことを指摘しておきます。ドイツ語でのレクチャーの英訳はウィキソース[tps://en.wikisource.org/?curid=53013]に置いてあります。
全体の趣旨は、特殊相対性理論とプランクの光量子仮説(light-quanta hypothesis)から光が粒子と波の2重性を持つと考えざるを得ないという結論を示そうとしているようです。つまりこれは光の2重性("quantum structure")が明確に打ち出された歴史上最初の提案らしいですね。これが後のド・ブロイの物質波仮説(1924)につながるのでしょう。ウィキソースの冒頭の解説には「a concept that may have led de Broglie to the "pilot wave" idea」と書かれていましたが。
アインシュタインの主旨では、マクスウェル理論とマイケルソン・モーリーの実験と特殊相対性理論とによりエーテル仮説は必要がなくなったというのが、光量子像の話へのいわゆる前置きです。
御紹介のアイザック博士(サー・アイザックと同名で嬉しいとの主旨の本人談もあるのでこう呼びます)の文の前大半は良く知られた史実で、最後の「This has been made to seem a paradox 〜could now be buried」が比喩を交えた博士自身の解説です。「粒子でもあるから媒質はなくてもいい」とする"説明"が有効だと考えていたらしいことはわかりますが、この部分はきちんとした"理論"の紹介にはなっていません。
なお重力エーテルの歴史的経緯の一部はアイザック博士が『次元がいっぱい(科学エッセイ8)』の中の「絶対真空 (The Rigid Vacuum)」で書いていますね。で、「災い転じて福となる(The Light that Failed)」ではやはり「プランクとアインシュタインの研究は、光が場合によっては粒子のようにふるまうものであり、ゆえに光が真空中を進むためにはエーテルが必要とされないことを証明したのである。」と書いてありますから、遺憾ながら博士もこの"説明"で満足しているみたいです。なにせ "Asimov's Guide to Science" でも、ニュートンの絶対空間の枠組みを否定したという特殊相対性理論の意義の一番大事な点を、エーテル説否定の次の2番目に持ってきてますからねえ。
さて、アインシュタインの論文ですが、マイケルソンの実験がエーテルを否定した後で、それなら電磁波はどういう仕組みで伝わるのかが書かれているか、という視点で読んでみました。そして、私が理解した限りでは、それは全体の半分あたり、英訳では「Even without delving into〜」で始まり、「〜P2 are essentially inverse processes」まで続く箇所ではないかと思われます。
ここで言っていることは、光波動説(英訳では「oscillation theory」)では、媒質問題以外にも、説明できない事実が多く、光粒子説(同じく「emission theory」)の方が真実に近い、ということでしょう。とりわけ「Consider the laws governing〜」で始まる、X線が金属板に当たると電子線が飛び出すという一節は光電効果の話ですし、電磁波の粒子的性質が電磁波が伝わる仕組みを説明するなら、アジモフやウィキペディア記事と同じです。つまりこれは量子論の話なのです。
"ponderable matter" というキーワードは"想定可能物質"とでもいうか、直接観測できない仮想的物質(エーテルやダークマターやニュートリノや電子や)の反対語を示しているようです。
ニュートンの"action at a distance"ないし"distant forces"を"contact forces"として説明するためのエーテル理論の話も冒頭に出てますね。
ただし私自身は、エーテルを不要にしたのは、あくまでも量子論だったと考えています。この点はアジモフの文章を紹介しましたが、もう1つ、2000年頃シカゴ郊外の書店で購入した「Way Science Works」(科学ライターのMarek Walisiewiczが編集責任者)の中の「Action at a distance」という項目からの抜粋を転記します。
Forces seem to be able to act across empty space, almost as if interacting particles were "aware" of each other. It is now thought that each of the four fundamental forces is transmitted by a messenger particle. This flies between two particles, carrying the force which acts on the recipient particle, just as a catcher recoils with the momentum of a thrown ball. Protons and neutrons influence each other via strong nuclear force, carried by gluons. Two negatively charged electrons repel one another via the electromagnetic force, carried by short-lived photons.
少なくとも冒頭では理論ではないと書いてありますよ。アインシュタインの発想だったとは初耳でしたが、 [Naturwissenschaften. 23 (48): 807–812]でシュレジンガー本人が書いているのでしょうかね?
「Schrödinger's cat is a thought experiment, sometimes described as a paradox, devised by Austrian physicist Erwin Schrödinger in 1935, though the idea originated from Albert Einstein.[1]」
理論だと明示している文章を指摘してください。
要するに粒子と波動は、その動作が直接観察され、何よりも数式で表現されていたのです。波動の基礎となる単振動は先に書いたように「x = A cos ωt」の形をとりますが、粒子の移動は等速運動なら「x = vt」、等加速度運動なら「x = at²/2」と全く異なる形で、同じものが両方の形をとるのは不可能です。
やはり光は粒子なのです。ただし量子サイズの粒子なので不確定性原理が働き、粒子の位置を特定できません。ただし特定できないといってもランダムではなく、どの位置にどれだけの確率で存在するかは、厳密な法則に従うのです。第1節(38–1 Probability wave amplitudes)の3つ目の段落に登場する式が、量子の存在確率を表現します。
機械工学科の出身なのでフーリエ変換は教わったはずですが、30年もたつと教授の顔すら思い出せません。現在の知識はファインマンで読んだものです。フーリエ変換は25章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_25.html)の2節で初登場しますが、最も重要な級数展開は50章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_50.html)の2節「50–2 The Fourier series」で説明されています。このような教科書で書かれていることなら理解しているつもりですが、仕事で使う機会はありませんでした。(社会人になって数年で情報部門に転じました)
Using this vector, our wave can be written as cos (ωt - k⋅r), or as cos(ωt - kxx - kyy - kzz). What is the significance of a component of k, say kx? Clearly, kx is the rate of change of phase with respect to x.
なお光源の相対運動による光の変化が初めて観測されたのは「1842年,オーストリアの物理学者クリスティアン・ヨハン・ドップラーが二重星の観測をしていて光の色が変化するのを発見したのが最初」とのことです。ドップラーは同時期に、音のドップラー効果も含めて定量的な式を誘導して理論的な説明をしたとのことです。
h ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C
h ttps://kotobank.jp/word/%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C-105421
h ttp://spaceinfo.jaxa.jp/ja/christian_doppler.html
h ttp://www15.wind.ne.jp/~Glauben_leben/Buturi/History3.htm
1) 波数の定義は式(34.19)の【直前に】に登場していること。直後ではない。
「Now it turns out to be very convenient to define a vector k, which is called the wave vector, which has a magnitude equal to the wave number, 2π/λ, and is pointed in the direction of propagation of the waves: 」
それでも量子は抽象的な数式で表現するのだ、とファインマンが主張してるのが、例えば37章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_37.html)の5節です。「37–5 The interference of electron waves」の最後から4つ目の「Yet, surprisingly」で始まる段落で、量子の数式は水の波と同じであると。原文の「The mathematics is the same as that we had for the water waves!」に注目してください。mathematicsを斜字体にして文末に「!」を付けることで、力を込めてこの点を強調しています。なぜ量子は波なのか? それは波と同じ数式に従うからです。それ以外の、日常的な言語を用いての説明は、さすがのファインマンにもできるとは思えません。
からです。ファインマンが46章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_46.html)の5節で問題にしているのも、その初期状態であったはずの「秩序」つまり\エントロピーが小さい状態だと思います。以下は「46–5 Order and entropy」の4つ目の段落からの抜粋です。
Then where does irreversibility come from? It comes from order going to disorder, but we do not understand this until we know the origin of the order.
(訳)では不可逆性の本質は何か? それは秩序が無秩序に変わることだが、秩序の起源を知らずに、それを理解することはできない。
(原文)
Then where does irreversibility come from? It comes from order going to disorder, but we do not understand this until we know the origin of the order.
いずれも角度という物理量を時間という物理量で割ったものであり、違いは分子である角度の単位だけです。そして特に2)のラジアン単位で表現したものを角周波数と呼びます。
なお 3)に出てくるHz以外の単位は、cps(cycles per second), rps(rounds per second)です。rpm(rounds per minute)はrpsよりもよく使われるようです。