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科学と疑似科学とを判別する

798 diamonds8888x:2021/01/01(金) 13:45:12 ID:Qix9q/lA
>>795,(>>796,>>797)

 では、マクロ熱力学でも統計熱力学でも、「"エントロピー減少の禁止則"は遠い過去には成立しないかも知れない」という条件は入っているということを説明します。正確にはどちらの理論も「"エントロピー減少の禁止則"の適用範囲としてあらゆるすべての世界を想定していることはない」ということです。

 要は[>>782]の以下の認識がポイントです。
>今の第2法則は、それが成立することに何の条件もつけていません。よって、遠い過去だろうがビッグバン以前だろうが成立する、という法則になってるからです。

 こんな硬直した解釈は普通の人の会話でも、科学者による法則の解釈でもやりません。この解釈がなされるとすれば数学か純粋論理の世界か法律の解釈くらいじゃないでしょうか? 数学においてならこれが正しい解釈ではあります。それも文脈によっては必ずしも正しいとも限りませんが。

 自然科学の法則というのはひとつの仮定だというのは現代では常識と言ってもよい世界中の科学者の共通認識です。多くの法則はひとまず適用範囲の制限など付けないで提唱されます。つまりあらゆる範囲で、というか可能な限り広い範囲で適用できるという形で提唱されます。けれどもちろん、何らかの適用範囲はあるかも知れないというのも常識的な共通認識であり、それを確認するためにさま様な検証実験や研究が行われているのです。重力や静電気力の逆2乗則なども現在でも検証が行われていて、近距離ではどうだとか遠距離ではどうだとか、はては宇宙史的時間では重力定数が変化しているのではないかとか、適用範囲の確認が考えられているのです。

 以上の例はkenさんの認識では「(ある条件下では)間違っているか否かの検証」であって基準05違反にはならないということなのでしょう。それは私も同意します。

 またその理論の範囲では基準05違反の矛盾はなく、観測事実も説明できている複数の理論を組み合わせると整合性がなくなるという場合もあります。例えば量子力学と一般相対性理論とを統一した量子重力理論の構築は未だなされていません。これは両理論が働く領域では、両理論またはどちらかの理論が修正されざるをえないことを示しています。
 しかしこのことをもって、量子力学や一般相対性理論に基準05違反の矛盾があると解釈する科学者はいません。量子力学と一般相対性理論とは相矛盾する、くらいの表現はするでしょうけれど。

 起源問題というのは、"エントロピー減少の禁止則"や"エントロピー減生物の自然発生の禁止則"が「エントロピー最小状態や最初の生物以前にも時間は続いていた」という理論と整合性がないという問題なのです。この場合、あまりにはっきりとわかりやすいので、素人でもすぐに思いつくというのが、量子力学と一般相対性理論とが相矛盾するという問題との違いにはなります。

 これでわかりましたか? この状況を「熱力学の第2法則(を掲げた理論)そのものが基準05違反の矛盾を含む」と認識する科学者はいません。

 なお、>>770の、A理論、B理論、との違いは御自分で考えてみてください。ヒントは起源問題をP∧¬Pの形式で表現してみることですね。A理論とB理論はそのままP∧¬Pの形式だから基準05違反は明らかなのですけどね。

余談) 数学や記号論理学では∀xというのはまさしくあらゆるxを指しますが、実はその前に対象とする全体集合を設定します。例えば実数の集合とか論理式の集合とかです。対象とする全体集合が実数であるときには∀xと書かれていてもxに複素数は含まれません。
 自然科学では数学ほど明示的に全体集合を示しませんし、そもそも定まっているわけでもありません。科学の進歩による観測事実の集積により、理論が適用される全体集合そのものが広がったり限定されたりするものです。


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