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科学と疑似科学とを判別する

558diamonds8888x:2020/01/04(土) 05:54:42 ID:xIWucngE
>>555,>>556
 [>>556]の「(3番目だけはちと怪しいけど、Kenさんの認識がたぶん間違い)」と書いたことの説明です。言いたのは19世紀には光が「まごうことなき粒子としての特徴」を持つという認識はなかったということ。ゆえに矛盾に見えることさえなかったということです。このパラドックス的な理論は20世紀のものです。ですので「19世紀の人にとって」と言われても困ります。
 まあ「とりあえずdiamonds8888xさんのお考えを述べられて、混乱を生じるか試したらどうでしょうか?[>>525]」への回答にもなるでしょう。

 波と粒子の2重性は難しいですよと忠告したのですが、避けて通れないようです[>>524,>>525]。量子力学のひとつのポイントではありますから考えてみるのは悪くはありません。
  [>>532]論点4:波と粒子の2重性は現在では"説明できる"のか?

 では波と粒子の両者の属性が共存しうるという考えはどのように発展したのかを振り返りましょう。つまりは量子力学発展の歴史です。以下の参考の中でも特に4)が内容にも踏み込んでいてわかりやすいと思います。

 参考:歴史
  1)「場・波・粒子-3.1-まず粒子(2019/12/05)」の年表
  2) wikipedia「量子力学の年表」
  3) wikipedia「量子力学 7.歴史」
  4)「場・波・粒子-3.2- 3種の波(2019/12/09)」の*2)[大阪医科大学・医学部・総合教育講座・化学教室・林秀行による量子力学の歴史]

 参考:量子力学の教科書
  5)「場・波・粒子-3.4-二重スリット(2019/12/30)」のRef-1b[前野昌弘『量子力学入門』(2002/02/16)]

 [>>541]では光電効果の発見によって光が粒子であることが見出され矛盾が生じたかのような書き方ですが、これは史実ではありません。光電効果の謎は放出電子の運動エネルギーは光の振動数に依存し、電子の数は光の強度(振幅)に依存していたことで、これを説明できたのがアインシュタインの光量子仮説(1905)です。19世紀の間は「まごうことなき粒子としての特徴[>>549,>>546,>>541]」というものは見出されていません。Kenさんが粒子としての特徴だと考えていた「電磁波は横波なのに電子が進行方向に押される[>>510]」という現象は[>>554]の通りマクスウェルの電磁波理論で説明できます。

 またwikipedia英語版[Photoelectric effect 2.History]によれば、上記の波動説では説明しにくい特徴「(放出電子の運動エネルギーは光の振動数に依存し、電子の数は光の強度(振幅)に依存」が明らかになったのは1886-1902 と19世紀も末のことで、光電効果で放出される粒子が陰極線と同じ粒子と確実になったのもトムソン(1899)です。ま、本筋にはあまり関係ありませんが。

 そして黒体輻射のスペクトル分布がすっきりと説明できないことはわかっていましたが、それが「まごうことなき粒子としての特徴」などという理論を出した人はいません。1900年末というまさに19世紀最後に(それとも20世紀最初に)発表のプランクのエネルギーの量子仮説でさえも、電磁波のエネルギーはhνの整数倍しか取らないと仮定するとスペクトル分布が正確に計算できると示しただけであり、それを粒子性だなどとは言ってはいません。

 光が粒子性(量子性)を持つと明確に述べたのはアインシュタインが光電効果の理論として提唱した光量子仮説(1905)です。この時まで「波と粒子の2重性」という知見も知識も存在しませんでした。またこのときに粒子性とされた属性とは「運動エネルギーがhνという塊で移動する」というものだけであり、例えば大きさとか硬さとか1組の位置と時刻とか言った属性は含まれていません。この辺の事情は私のブログの以下に書きました。
  「場・波・粒子-3.1-まず粒子(2019/12/05)」
  「場・波・粒子-3.4-二重スリット(2019/12/30)」

 まとめると光電効果での光の振動数や強度と放出電子のエネルギーと個数との関係が確実になったのが19世紀末〜1902年くらい、それが量子性を持つとの理論で説明できるとされたのが1905年です。光が粒子性を持つという認識は20世紀のものであり19世紀の知見には囚われませんから、矛盾が生じたことはありません。


 なんて論理は変ですよね? だから[>>555]の問いを発したのです。

>>549
>それを避けるには1〜3の少なくともどれか1つを否定せねばなりません。もちろん現実の歴史では、20世紀の量子論で3が否定されました。でも19世紀には3点のどれも否定できず、

 アインシュタインによる1905年の3の否定は非論理的ではないのですか?
 ないとしらその理由は? もう20世紀だったからなんですか?

 これは[>>520>>524]でも行った議論ですが、私の意図が十分には伝えられていなかったと思います。


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