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科学と疑似科学とを判別する

667diamonds8888x:2020/08/10(月) 19:42:44 ID:Qix9q/lA
>>663
 さて第2の場合は、プランクが理論的解明を行った黒体輻射のスペクトル分布という観測事実です。これは大きさの決まった箱の中に光を閉じ込めたときのスペクトル分布を理論的に説明しようとすると、「決まった波長λを持つ光はhλという決まった量のエネルギーの整数倍の値しか取れない」と仮定することにより、観測される分布が正確に計算できたという事実です。「ある量の整数倍の値しか取れない」という状態を「量子化されている」と呼びます。

 均一な粒子の集団、例えば同一速度の粒子の集団の全運動エネルギーは、ニュートン力学では1/2mv^2の整数倍になりますから、「全エネルギーが、ある量の整数倍の値しか取れない」という性質はまさしく粒子の性質のひとつです。もちろん逆は必ずしも真ならずであり、この性質は「まごうことなき粒子としての特徴」ではありませんし、プランクもそんなことは考えてはいませんでした。


 第1の場合と第2の場合との違いですが。第1の場合では、はっきりと粒子として観測されるものが、つまりある時刻にはある位置の1点として観測されるものが、観測されずに移動しているときには波の特徴である干渉性を示します。第2の場合では、波として観測されるものが粒子の特徴のひとつである、最小単位の有限なエネルギーを持つという性質を持つと考えられたのです。

 もっともよく考えると、光(短波長の電磁波)が「波として観測される」と言えるのかどうかは検討が必要です。が、そこはおいておきましょう。これが電波であれば確かに「波として観測される」と言えるのでしょうが。そもそも光がそう簡単に「波として観測される」のであれば粒子説が生まれるはずもありません。そして確かに「波として観測される」長波長の電磁波では、量子仮説によるプランクの式でも、波として求めたレイリー・ジーンズの式も一致するのです。例えばマイクロ波より長い波長の電磁波では、粒子の特徴を明確に捉えた観測事実はないと思います。核磁気共鳴分光(NMR)のマルチバルスによる実験のあるものは量子力学でないと説明できない、なんていうのが一応「量子としては捉えた」と言えるのでしょうけれど。


 このようにいくつかの違うタイプの観測事実があるのですが、波と粒子の二重性に関しては、ひとまず一番最初の、「観測されるときには粒子、移動していて観測されていないときには波」の場合を考えれば十分でしょうから、他の場合についてはこれ以上は触れません。


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