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科学と疑似科学とを判別する

781diamonds8888x:2020/12/26(土) 07:44:06 ID:Qix9q/lA
>>778
 さて生物の自然発生説の否定も典型的な対立仮説の転回ですが、これはネズミなどでの否定、蛆虫などでの否定、微生物での否定、と段階的に進んだので、急激なコペルニクス的転回という印象は受けないかもしれません。しかしwikipediakの「自然発生説」の記事に概説してあるように、やはり直感的な観察からの理論があった第1期から第2期、第3期へと進んでいます。

 ところが自然発生の否定は、生物の存在自体と矛盾します。生物が親からしか生まれないのならば、最初の生物はどうやって生まれたのかという問題が出てくるのです。生物に関しては、この起源問題にはラマルクがうまい理論を提唱しました。つまり、最初の最も原始的生物は自然発生し、それ以降は親から子が生まれつつ複雑な生物へと進化してきたという理論です。この理論は現在でも認められていて、無機物からの生命誕生の具体的過程を知るべく多くの研究が行われています。

 この場合、自然発生するのは、まさに生命と非生命との境界物といえるような「自己複製体」とでもいうべきものと考えられていて、パスツールが実験的に証明したような微生物の自然発生の否定は今でも覆ってはいません。自然発生できるような生命にはいまだ未知の条件があり、現在のほとんどすべての生物はその条件には合致せず自然発生できないのです。

 まとめると、以下の2つの理論は互いに対立するものでもなく、どちらかが基準05に違反しているのでもありません。
  ・現在の生物には自然発生するものはいない
  ・過去には未だ未知の生物の自然発生が起きた

 同様に、以下の2つの理論は互いに対立するものでもなく、どちらかが基準05に違反しているのでもありません。
  ・現在の世界では熱力学第2法則は正しい
     (熱力学第2法則に反する現象は観測されていない)
  ・遠い過去には熱力学第2法則が破れたことがある
     (熱力学第2法則に反する現象が起きた)


 さてKenさんの「熱力学第2法則は基準05に違反」という疑いには、理論・観測事実・正しい・矛盾、という概念の混乱が見られるように思えますので、その点を次のコメントでまとめてみようと思います。実は上記の私の文でも「正しい」「矛盾する」「理論」などの言葉を多義的に使っているのですが、そこは文脈で意味が通ると思っています。ただ文脈を判断する基準が違う人には誤解を与えることもあるでしょうが、そこまで気を使うのも難しいですのでご容赦を。


【続く】


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