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科学と疑似科学とを判別する

778diamonds8888x:2020/12/25(金) 05:55:35 ID:Qix9q/lA
>>755,>>776
迂遠に見えるかも知れませんが、以下の話から始めます。

 天動説から地動説への転回のようなコペルニクス的転回が起きたのだから、現在正しいとされている科学理論も将来はひっくり返るかも知れない、という考えがあります。しかし実際のところは、現在の基本的な科学理論が根本的に否定されるなどということを本気で信じている科学者はいないでしょう。もちろんニュートン力学が相対性理論となったような改善や進歩はありえます。また量子力学はマクロの物理学の常識を覆してはいますが、マクロ現象に古典的物理学が適用できることを否定してはいません。「現在正しいとされている科学理論も将来はひっくり返る」というのは実際はありえないのですが、その理由をきちんと説明してみましょう。
  (今回、考えてみて、そうだったのかと思いついたものです)

 まずコペルニクス以降のコペルニクス的転回と言えそうな例をいくつか挙げてみます。

 進化論: 生物種は普遍=>生物は進化する
 大陸移動説: 地質時代的時間では大陸は移動し分裂し合体する
 星雲遠方説: 星雲は銀河系内=>星雲は銀河系外の遥か遠くに

 いずれも科学的視点から(科学者の視点から)見れば、実は次の3段階の経緯をたどっています。2つの対立仮説をAとBとします。
 第1期 仮説Aが信じられていて仮説Bは思いつかれてもいない。
 第2期 仮説Bが提唱され、どちらかに決めるには観測事実が不足し、両説での論争が続く
 第3期 観測事実が十分に得られ、仮説Bが正しいと決定される

 天動説vs地動説の場合、原始時代は第1期で直感的に大地は動かず天体は動くと考えられていましたが、早くも古代ギリシャで地動説が提唱されました。wikipediakの「進化論」の記事によれば、地動説と同じくらい古くから生物種が変化するという考えは生まれていたようです。ゆえに第2期も長いのですが、天文学とは異なりほとんど観測事実というものが得られませんでしたから、まともな論争というのはやはり西洋近代に始まると見てもいいでしょう。星雲遠方説の場合は、前提として星々が太陽と同じ恒星だとわかっていなくてはなりません。そしてこの時代では当初から近い可能性もも遠い可能性も可能であることは天文学者たちにはわかっていたでしょうから、第1期というものはなかったと考えていいでしょう。

 いずれの場合でも第3期では十分な観測事実の集積により仮説Bが正しく仮説Aでは観測事実の集積に矛盾することが判明しているのですから、それが覆るにはこの「十分な観測事実の集積」が実は間違いだった場合にしかあり得ないのです。

 こうして第3期の仮説Bが覆ることはあり得ないのですが、さらに精密な観測事実、または新たな領域での観測事実が得られた場合に、仮説Bが修正されて仮説B’が登場することはよくあります。この場合、仮説Bはより正確な仮説B’の近似という位置づけになります。

 ニュートン力学は相対性理論により否定されたのではなく、相対速度が光速より十分に遅い場合には十分に正確な近似理論となりました。マクロの古典力学は量子力学により否定されたのではなく、大きさや質量が大きい場合の近似理論となったのです。言い換えると、光速に近い速度の世界や非常に小さく軽い粒子の世界へと観測の範囲が広がり、そこでは従来の理論は成り立たないことがわかったということです。すなわち、従来の理論(ニュートン力学や古典力学)はこれまで観測されてきた世界では観測事実と一致する正しい理論だが、新しく見えてきた世界では観測事実と一致しない理論であるとわかってきたのです。

 また進化論や大陸移動説の場合は、非常にゆっくりと進行する現象についての観測が困難であり、長期間の変化の世界が知られていなかったために仮説Aがなんとなく信じられていたけれど、それが次第にわかってきて仮説Bが正しいとわかってきたのです。

【続く】


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