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科学と疑似科学とを判別する

160diamonds8888x:2018/09/02(日) 08:25:19 ID:y9yGvaEo
>>158
 物理化学以外の分野でなら、コペルニクス的転回を受けている理論はあるのでしょうか? 最も目立つのは歴史分野のように思えます。その例は以下の本で見られます。なお、最初の本は歴史以外での変化も書かれていて、なかなかおもしろいです。

  ・現代教育調査班(編集)『こんなに変わった!小中高・教科書の新常識 (青春新書プレイブックス)』青春出版社(2018/01/20)
  ・河合敦『もうすぐ変わる日本史の教科書: “常識”を塗りかえる新しい定説が続々―― (KAWADE夢文庫)』河出書房新社(2017/09/20)
  ・山本博文(監修)『こんなに変わった! 日本史教科書』宝島社(2017/05/20)
  ・高橋秀樹,三谷芳幸,村瀬信一『ここまで変わった日本史教科書』吉川弘文館(2016/08/25)
  ・山本博文『こんなに変わった歴史教科書 (新潮文庫)』新潮社(2011/09/28)

 歴史分野だと確かに、従来と180度違う記述になっているものも多数見られます。それは歴史の一部でもある古人類の進化史でも同様ですし、恐竜など個々の系統の進化史でも終始見直しが入っています。

 しかしこれらの広い意味での歴史分野の事例は、理論の転回というよりは事実の見直しの事例がほとんどに見えます。それは一言で言えば、過去の事実を明らかにする手段が進歩したからと言えると思います。それは例えば考古学的遺物や古文書の調査に進歩した自然科学技術を使うといったわかりやすい例から、方法論の進歩などといった専門外の人からはわかりにくい例などもあるでしょう。

 そしてこれらの分野でも、新しく正しいとされた事実は、従来の事実よりも根拠となる理論や新事実がより多く確かなものであると考えられます。それもまた知識の積み上げの一環であり、新しく正しいとされた事実は従来の事実よりも覆されにくくなっているのではないでしょうか。我々は巨人の肩の上にいるので、その巨人を全否定したら落っこちてしまうのです(*1)。

 天文分野でも「従来の常識を覆す天体」というものは結構見つかっているようです。こちらはまさしく観測技術の進歩によるところが大でしょう。太陽系外惑星の探査が好例で、21世紀に入ってから新発見の連続で「どんな惑星が一般的か?」という点に関しては二転三転で専門家も興奮状態みたいですね(^_^) 冥王星の準惑星への降格事件は一部の人達にとってはコペルニクス的転回に思えたかも知れませんが、冷静に考えれば、今まで見えなかった天体が多数見つかることで惑星の分類が見直されたということです。

 天文分野には【従来の理論では説明できない観測事実】の好例があります。それはダークマターです。その正体については未だに様々な理論が乱立状態ですが、ダークマターなどというとんでもないものの存在を仮定するか、さもなくば重力理論を大幅に修正するかしないと説明できない観測事実の存在だけは、すべての天文学者が認めています。トンデモ系の著書の決まり文句のような「常識と権威にとらわれて事実を無視する頭の固い既存の科学者」なんて人はいません。


 もっとも、上記にあげた教科書変化本も含めて非専門家相手の啓蒙書では「常識が変わった」という点を強調する表現は多いし、「自分以外のプロは常識にとらわれている」みたいな書き方の本も、特に歴史など文系の啓蒙書には多いような気はします。

 (続く)
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*1) 乗っかる巨人を間違えるとあらぬ方向に連れていかれるのでご用心(^_^)


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