なお重力エーテルの歴史的経緯の一部はアイザック博士が『次元がいっぱい(科学エッセイ8)』の中の「絶対真空 (The Rigid Vacuum)」で書いていますね。で、「災い転じて福となる(The Light that Failed)」ではやはり「プランクとアインシュタインの研究は、光が場合によっては粒子のようにふるまうものであり、ゆえに光が真空中を進むためにはエーテルが必要とされないことを証明したのである。」と書いてありますから、遺憾ながら博士もこの"説明"で満足しているみたいです。なにせ "Asimov's Guide to Science" でも、ニュートンの絶対空間の枠組みを否定したという特殊相対性理論の意義の一番大事な点を、エーテル説否定の次の2番目に持ってきてますからねえ。