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科学と疑似科学とを判別する

494diamonds8888x:2019/09/08(日) 06:12:04 ID:DiMR4NG6
>>493
 アイザック・ニュートンが『プリンキピア(1687)』で発表した運動の法則と万有引力仮説はケプラーの法則(これは天球上の惑星運動を整理したもので万有引力仮説に比べれば観測事実ともみなせる)をピッタリと予測し、地上の落体運動も正確に予測し、19世紀に入っては海王星の予測というすさまじい威力を発揮したのですが、「"なぜ"引力なんてものが働くのか?」もっと正確には「引力の働くメカニズムは何か?」という問いには答えられませんでした。それらの批判に答えたとされる有名な言葉が「我は仮説を作らず」という言葉です。

 批判者が"引力の働くメカニズム"、別名"引力の正体"が必要だと考えた理由は、万有引力が"遠隔作用"だったからです。"近接作用"つまり直接接触した物体同士で力が伝わることは理解できる("説明"する必要がない)けれども、離れた物体同士に力が働くことには"説明"が必要だと考えたのです。

 こうして提案された重力理論の数々は日本版wikiでは「重力を説明する古典力学的理論」、英語版wikiでは「Mechanical_explanations_of_gravitation」に載っています。その多くでエーテルが使われていて"重力エーテル(gravitational aether)"とよばれており"光を伝えるエーテル(Luminiferous aether)"とは区別されています。これらの重力理論はいずれも科学的検証に耐えることができず、結局は"重力の説明"などされずに「質量は重力を産むのだ」という"現象論的事実"で満足してるというのがその後の経緯であり、現代の多くの人々の感覚です。"遠隔作用"は実際に観測されているでしょ。すなわち万有引力は磁力や静電気力と同様に"遠隔作用"として"実在"してるでしょ。それが何か? てことですね。

 そして磁力や静電気力を"実在する"と認めてしまえば、"場"とは"遠隔作用"が作用している場所を命名したものに過ぎずそれ以上"説明"する必要はありません。そしてマクスウェルが"場"が変化する法則を定量的に明らかにした時点で、実はそれ以上の"説明"は必要なかったのです。

 ふー、ちょっと舌足らずかなあ。ま、不明点があればどうぞ。


 なお重力エーテルの歴史的経緯の一部はアイザック博士が『次元がいっぱい(科学エッセイ8)』の中の「絶対真空 (The Rigid Vacuum)」で書いていますね。で、「災い転じて福となる(The Light that Failed)」ではやはり「プランクとアインシュタインの研究は、光が場合によっては粒子のようにふるまうものであり、ゆえに光が真空中を進むためにはエーテルが必要とされないことを証明したのである。」と書いてありますから、遺憾ながら博士もこの"説明"で満足しているみたいです。なにせ "Asimov's Guide to Science" でも、ニュートンの絶対空間の枠組みを否定したという特殊相対性理論の意義の一番大事な点を、エーテル説否定の次の2番目に持ってきてますからねえ。


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