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科学と疑似科学とを判別する

214diamonds8888x:2018/11/18(日) 06:17:13 ID:t1agDYyU
>>213
 kenさんの目標は「世間一般で言われるところの正しいアプローチなるものの正体」を明らかにすることでしたね[>>112]。つまり、kenさんが自分では「合理的」「科学的」と思っている考え方が「世間一般で言われるところの正しいアプローチなるもの」に照らして否定されることがあると認識していて、その理由がよくわからない、ということですよね。

 物事には両面があり、「世間一般で言われるところの正しいアプローチ」を取っている私(たぶんミケさんやゲジゲジさんも)から見ると、どうしてkenさんがごく普通の考え方(と我々は思い込んでいる)から、いつのまにかずれてしまうのかが理解できなかったのです。しかも「合理的」「科学的」「論理的」なアプローチを重んじる点では一致していて、どんな考え方が「合理的」「科学的」「論理的」であるかという点でも多くの面では共通しています。

 なので一体どこからずれてしまうのかがわかりにくいのです。これは双方から見ても互いにそうだと思うのです。その違いの一端がようやくはっきりしそうで喜ばしい限りです。


 では理論AとA1の違いに関するテーマです。いま議論の対象とする理論(公理系・理論体系)は合理的なものも非合理的なものも含めてあらゆる可能な理論を対象としています。なぜなら、ある理論が反証不可能で非科学的なものなのか否かを区別することがテーマだからです。合理的な理論だけを選んで対象にしていたら、その中に非合理的なものは含まれないに決まっているではありませんか。

 kenさんは理論A2「外の世界はない」は論理的に無理があると判断しました。判断することは構いません(その判断にも私は同意しませんが)。しかしそれなら、論理的結論は次のようになるはずです。

  ・理論A2は非論理的であり科学的理論ではない
  ・理論A1は論理的であり科学的理論と言える
  ・理論Aの段階ではA1もA2も可能性があるのでどちらとも言えない。
   理論Aを科学的な理論にするためには、公理「外の世界がある」を付け加える必要がある
   すなわち理論A自体は未だ科学的理論ではない

 すなわち理論Aのみでは科学的理論とするには公理が不足している、ということになります。理論Aと理論A1が同じとみなすのは急ぎ過ぎです。


 以上でひとつの結論ですが、もう少し補足します。kenさんが急ぎ過ぎたのは、論理的な理論を作ろうとして、論理的な公理ゆえにすべての理論には必須であると考える公理を新たに付け加えようとしたからです。

 例えば、「いかなる事象にも必ず原因がある、という基本認識[>>213」」を認めない理論体系も可能です。むろん普通に我々の使う体系では因果律はほぼ当然と見なしてはいますが、ほぼ当然に見えることもひとまず置いておくのが科学哲学の基本的態度です。

 因果律についてさらに補足すれば、これは過去の原因から現在の結果が生じるということですから時間経過があることを暗黙の前提にしています。しかしながら時間に最初の時点というものがあるならば、つまりt=0以前の時間の存在を否定する理論であれば、t=0における結果を生じる原因は存在できません。言い換えると、t=0という特異点では因果律が破れます。

 実のところビックバン理論においても、現在の膨張宇宙を素直に過去に外挿すれば時間的特異点が生じることは自明でした。しかし理論物理学者たちは特異点がきらいなので、例えばある時点から過去では実は収縮していたとか、ホーキングの提唱した虚数時間とか、特異点を回避する理論を色々と提案してきたのです。

 そしてもちろん、これらの特異点回避理論のいずれも、t=0での特異点の存在する単純な理論とは別物です。もちろんここで「特異点など非論理的だからダメ」と判断するのは自由ですが、理論の存在自体がなくなるということではありません。
 

 繰り返しますが、いま対象としているのは非合理的理論も含めた可能な理論すべてなのです。


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