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科学と疑似科学とを判別する

530Ken:2019/10/30(水) 19:55:28 ID:1yFDELF.
いろいろな種類の波が昔から知られていました。水を伝わる波、弦を伝わる波、大気を伝わる音・・・・

それらの波と多くの特徴を共有する電磁波だから、波の本質というべき媒質も共有するはずと考えられたのは、diamonds8888xさんが重視される史実だと思いますが、史実がどうであれ、正しい科学の基準に従えば、電磁波の媒質は形而上学的なもので、なければないでよいと考えるべきだった、と主張されておられると読みました。

やはりそうなると「場」というものを考えねばならないようです。

先の投稿で述べましたが、19世紀の人にとって「場」とは、電荷の影響が近傍に現れる現象を表現するための方便でした。例えば、

*電荷が静止していると、近傍にはクーロン力のみがはたらく(電場)
*電荷が運動すると、ローレンツ力がはたらく(電場と磁場)
*電荷の運動が単振動の場合には電磁波を生じる
>>529で言及された複雑な振動も、必ず単振動の合成で、個別の単振動がその周波数の電磁波を生じるのが、重ね合わせの原理です)

つまり、電磁波と電場・磁場とは、電荷のせいで空間に生じる影響の形を並べたものであり、そのような影響がなぜ離れたところに伝わるのかという疑問も共有しているのです。言い換えれば、電磁波に媒質が必要なら「場」にも媒質が必要、ということです。いわば電磁波と「場」は、物理現象の理解という点では同じレベルの「水平的」な関係にあり、一方の(例えば電磁波の)しくみを他方が(例えば電磁場が)説明するという「垂直的」な関係にはありません。

以前にペストの原因の話をしましたよね。最初は沼の瘴気が原因と思われたのが、やがて瘴気に含まれるP菌に注目が移り、さらにP菌の中の化合物Xが、さらにXの中の官能基Yが、という形で原因の掘り下げが進む・・・「説明する」とは、このような垂直的掘り下げを行うことで、同じレベルの例をいくら水平に並べても、説明にはならないと私は思います。

別の例を挙げれば、遺伝のしくみを研究する人が、メンデルのようにマメの世代を観察して、法則を見つけたとします。別の研究者がマメ以外の植物や動物を観察して、同じ法則を確認しても、それはメンデルの正しさを追認したことになっても、メンデルの法則を説明したことにはなりません。メンデルの法則を説明するには、親から子に形質が遺伝する仕組みを明らかにせねばなりません。私たちが知ってる歴史では、DNAの分子構造、染色体の分割と複製、塩基配列がアミノ酸合成に影響する仕組み等が解明されたことで、メンデルの法則が説明されました。これが垂直的掘り下げというものでしょう。

その意味では、電磁波や「場」が伝わる仕組みは何か、なぜ物質的な媒質が必要ないのか、という垂直的掘り下げ行われたのは、やはり量子力学が登場したとき、つまり20世紀であり、19世紀にはエーテル否定の実験事実と、媒質がなくてはならない理論との間に、矛盾があったとしか、私には思えません。


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