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科学と疑似科学とを判別する

837Ken:2021/02/13(土) 20:01:34 ID:l3c2r2bk
では、仮想世界の話をします。今回は、すべての文章を完成させてから投稿することにしました。

これまでの私の説明の多くがそうだったように、初歩の初歩から冗長な話し方をします。特にコンピュータ・プログラミングは、本スレッドで扱ったことがないので、読み手に最低限の基礎知識があることも前提にはしません。中学生を相手にするような説明がいくつもあるでしょうが、忍耐をお願いします。


まず、コンピュータで行なうシミュレーションは、私たちが認識する現実世界と、条件を同じにする場合としない場合があります。

例えば、私たちは地球上では約9.81m/s²の重力加速度が働くことを知ってます。よって物体の落下をシミュレートする時、地球上の条件で行なうなら、その重力が物体に働くようにプログラムします。大雑把な計算でもよいなら10m/s²と値を丸めることもあるでしょう。またシミュレーションは、条件を変えても行なえます。もしも地球の重力が半分になったら? その条件でやるなら、重力加速度を5m/s²にします。

ここで、注意を要するのは、私たちが認識する現実の地球で重力が半分になれば、物体の落下に影響する他の因子も変わるだろうことです。すぐに思いつくのは、大気密度が大きく変わるので、落下の空気抵抗も変わることでしょう。実際に、そういう影響まで含めて半重力環境での落下をシミュレートすることもあるのでしょうが、より単純に、重力以外の条件は同じにするプログラムも可能で、後者の場合には、

1.重力の値が現実世界と異なる
2.重力と大気密度の関係が現実世界と異なる

という、現実世界との2つの相違が生じます。ここで注意を払うべきは、1と2は性質が異なることです。

1は環境条件が地球と異なるだけですが、2は物理法則自体を変えているのです。地球の大気組成や太陽の輻射等、他の条件が同じで重力が半分になれば、私たちが知る物理法則では、大気密度は確実に変わりますが、それが変わらないという仮想の条件を設定します。それでもシミュレーションは走りますし、たとえば百メートルの高さから落下する物体が、何秒後に地上に達するかの答えも出します。

以上の例から、シミュレーションが作る仮想世界は、現実世界とは、重力加速度のような物理量が異なるのみならず、物理法則自体も異なり得ることが分かります。


はじめにこの話をした目的は察しがつくことでしょう。

私たちが認識する現実の物理法則では、同じ物体が同時に複数の場所に存在するのは、量子でもないかぎり不可能です。同じ条件をシミュレーションで再現するなら、シミュレーション内でも不可能と制約をつけるべきですが、その制約を外すことを禁じる法はありません。ゆえに、制約を外した条件で動作するプログラムを作れるのなら、作ればよいわけで、問題は、「作れるのか?」という点になります。


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