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科学と疑似科学とを判別する

799 diamonds8888x:2021/01/01(金) 13:59:56 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。

 ニュートン力学や相対性理論は1人の人がほぼ全てを作り上げたので誕生の歴史も一言で済むほどにわかりやすいのですが、熱力学や量子力学は何人もの科学者が長期間にわたって少しずつ作り上げたものなので、歴史も複雑ですし理論の全貌もいくつものバージョンが重なり理解が難しくなっている面があります。

 統計熱力学の内容も含めた歴史については以下が適切なようです。
 [〜tp://www.amsd.mech.tohoku.ac.jp/Thermoacoustics/contents04.html]
  富永昭氏による「誕生と変遷にまなぶ平衡系の熱力学」
   『誕生と変遷にまなぶ熱力学の基礎』内田老鶴圃(2003/11/01)
 各章の終りに「まとめ」という節がありますので、それだけ読めば大まかな流れがわかると思います。

 wikipediaの次の項が参考になります。
 「熱力学の年表」 事項だけなので、その意味がわかっていないと使いづらいかも
 「カロリック説」 熱学から熱力学の歴史が詳しい
 「熱」 統計力学ではない熱力学の概要

 さて統計力学は確率論という数学を使っていますが、他の科学理論同様に、ある数学を使えるためにはいくつかの仮定をおいています。その一番基本的なものが「衝突する分子の位置と速度の間には相関がない」つまりは「分子運動はランダムである」という仮定でwikiの「分子的混沌」の記事に記載されています。ここからボルツマンのH定理が証明されますが、これは統計力学における熱力学第2法則そのものです。wikiの「H定理」の記事参照。またエルゴード仮説というものもあります。wikiの「エルゴード理論」の記事参照。
 初期の統計力学は気体分子運動論の試みであり、これは気体分子集団の熱力学的振る舞いをニュートン力学から誘導しようという試みだったのですが、そこにランダム性の仮定を取り入れて確率論を適用することにより、個々の運動を追跡するなどという超多体系では無茶な方法を使わなくても済むようになったわけです。

 御承知の人も多いでしょうが、ニュートン力学も量子力学も時間反転対称性があり時間の向きを区別できません。にもかかわらず、分子の超多体系にニュートン力学を適用している統計熱力学でエントロピー非減少則を導けるのは、上記の「分子的混沌」の仮説を使っているからです。これまでに人類が観測できている熱現象などからは、仮説演繹法により「分子的混沌」の仮説は正しいと考えられるのですが、ニュートン力学や量子力学からは導くことはできていませんし、たぶんならかの条件を入れて時間反転対称性を破らない限り導くことはできないでしょう。kenさん流に言えば、「の第2法則はニュートン力学と矛盾するから基準05違反だ」ということになりましょうかねえ。

 起源問題なんぞよりも、こちらの時間の矢の問題のほうが、よほど重要な問題なのです。


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