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科学と疑似科学とを判別する

758diamonds8888x:2020/11/29(日) 17:15:19 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。

 ニュートン力学以来、科学理論は仮説演繹法で証明ないし検証されることが多くなり、演繹部分における数学の比重が大きくなりました。そのため、数式こそ科学理論の本質だと勘違いする論を目にすることも多いのですが、んなわけないよ。

 仮説演繹法は大きく、仮説、推論、結論、の3つのステップからなります。そして結論の正しさを観測により検証し、その観測事実を証拠として仮説は正しいと結論するのです。ここで推論の正しさは数学で証明済みの定理のみが使われていることで示します。つまり言うなれば、推論部分の正しさを示すのは数学の役割であり、科学の領域ではありません。

 仮説演繹法による検証を反映して、ニュートン以来の科学理論そのものも3つの部分から成り立つものがほとんどとなりました。万有引力の法則を例に取れば、
  仮説 2つの物体間にはF=G*m1*m2/r^2 の力が働く
  推論 ある条件、例えば太陽の周りを地球が公転している場合の軌道計算
  結論 太陽を焦点のひとつとする周期1年の楕円軌道を描く

 この場合だと多くの人は仮説の部分だけが万有引力理論であり、推論と結論の部分は「理論から予想される現象の予測であり、理論そのものではない」と認識するかも知れませんし、まあそれが、ある意味では正論です。
 しかしこれが量子力学や熱力学となると、推論部分で結構高度な数学を長々と使わねばならないため、教科書でも数式を使う推論部分が非常に分厚くなります。なので「推論部分も理論の一部である、いや大部分である。多くの部分を占めるのだから核心部分である」と考えたくもなろうというものです。しかしいかに長かろうと多くの部分を占めていようと、推論部分の正しさを示すのは数学の役割であり、科学の領域ではありません。その意味では、理論の一部と言うならともかく、核心部分ではありません。

 では具体的に、水素原子核の周囲の電子の運動の理論を見てみましょう。
  仮説0 電子の状態は存在確率(観測される確率)の平方根である波動関数で示される 
  仮説 電子の波動関数φは、ih(d/dt)φ=H(φ) を満たす
       (若干不正確な表記で失礼)
  推論 水素原子核の周囲の電子の波動関数の計算
  結論 s,p,d,f,等の軌道となる (いわゆる球面波動関数です)

 並べれば万有引力の法則との対応は明らかですが、色々と実際的な違いもあってこの明らかさが見えにくいのも確かです。その色々と実際的な違いをいくつか挙げれば。

 ・仮説0が日常感覚とかけ離れていて理解しにくい。
 ・各段階ひとつひとつが、万有引力の法則と比べて、ともかく長くてややこしい。
 ・実はここの結論は、そのまま観測事実として確かめることはできない。
   電子スペクトルとか様々な現象から推論する。換言すれば、
   上記結論を仮説においての仮説演繹法で実際の現象を導くことが必要


 ひとまず、ここまで


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