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科学と疑似科学とを判別する

492名無しさん:2019/09/08(日) 06:04:27 ID:DiMR4NG6
>>490
 まず英語版wikiの"Particles obviously do not need a medium to travel, and thus, neither did light." についてですが、ソースとされているアインシュタインのレクチャー(1909)では、その理由でエーテルが不要になったとの考えは述べられていないことを指摘しておきます。ドイツ語でのレクチャーの英訳はウィキソース[tps://en.wikisource.org/?curid=53013]に置いてあります。

 全体の趣旨は、特殊相対性理論とプランクの光量子仮説(light-quanta hypothesis)から光が粒子と波の2重性を持つと考えざるを得ないという結論を示そうとしているようです。つまりこれは光の2重性("quantum structure")が明確に打ち出された歴史上最初の提案らしいですね。これが後のド・ブロイの物質波仮説(1924)につながるのでしょう。ウィキソースの冒頭の解説には「a concept that may have led de Broglie to the "pilot wave" idea」と書かれていましたが。
 アインシュタインの主旨では、マクスウェル理論とマイケルソン・モーリーの実験と特殊相対性理論とによりエーテル仮説は必要がなくなったというのが、光量子像の話へのいわゆる前置きです。

 御紹介のアイザック博士(サー・アイザックと同名で嬉しいとの主旨の本人談もあるのでこう呼びます)の文の前大半は良く知られた史実で、最後の「This has been made to seem a paradox 〜could now be buried」が比喩を交えた博士自身の解説です。「粒子でもあるから媒質はなくてもいい」とする"説明"が有効だと考えていたらしいことはわかりますが、この部分はきちんとした"理論"の紹介にはなっていません。

 このあたりはまさに科学哲学では大きなテーマのひとつである「"説明"とは何か?」という話が絡んできていますので、ブログでしっかり書いた方がよさそうですが、まずは素描をしてみましょう。 >>>次の発言へ[>>493]


【補足】"Asimov's Guide to Science" (1960, 1965, 1972 Basic Bookd Inc.) は、初版は "The Intelligent Man's Guide to Science" (1960) で最新版が "Asimov's New Guide to Science" (1984) と版によるタイトルの微変更がありますが、御紹介の巻に関しては初版と同じとみてよいような気がします。残念ながらどの版にも邦訳はないようです。


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