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科学と疑似科学とを判別する

164diamonds8888x:2018/09/09(日) 08:32:30 ID:u4p17aRc
>>163
 進化を説明するためにデザイナーを仮定する理論は、エーテル仮説やダーママター仮説と同様に科学的仮説と言えるのでしょうか? いずれも「未だ観測されていない何か」の存在を仮定している点では同じに見えます。しかし既に述べたように、その何かの性質を示し、それによって原理的に観測可能な事実は何かが示されなければ、科学的検討の対象になりません。私は寡聞にしてID論者が提案したそのような性質を知りません。ここでは、そのようなデザイナーの性質として考えうるものを検討してみます。

 基本的にデザイナーの性質として仮定されているのは以下のようなものだと思われます。
  1.進化に介入しようという意図を持ち、介入を実行する能力がある。
  2.実際に地球上の進化に介入してきた。

 1だけではデザイナー自身以外には観測は不可能です。何も行動していない人の頭の中身を観測するようなものですから。そこで2を観測できるかどうか、ですが、これだけでは具体性に欠けるでしょう。具体的に、どの生物のいつの時期の進化に、どのように介入したのかという仮説を示さなければ、科学的に検討することができないでしょう。

 私の知る限りID論側の示しているのは次のような事例です。ただし具体例として示したのは、単に私が例としただけで、実際にID論側からの提案にあるかどうかは知りませんので、誤解なきよう。
  ・ある進化の事実、例えばアウストラロピテクスからホモ・エレクトスへの進化は
   自然選択説では説明できない。ゆえに上記1、2の性質を持つ者の存在を仮定すべき
   である。

 仮定するのはいいですが、これだけではやはりいかなる観測事実を求めて検討すべきかが不明です。
  ・どのように介入したのか?
  ・その場合、どのようなことが観測可能なのか?(どんな痕跡が残るのか?)

 こんなことが示されれば初めて科学的検討ができます。その点ではKenさん提案の「実際に行われている人による品種改良と同じ方法を使った」という理論なら原理的に検討できる可能性があります。

 繰り返しますが、エーテル仮説やニュートリノ仮説、ブラックマター仮説では、原理的に観測可能な現象を予測できるような、未知の何かの性質が仮定されていましたから、科学的検討ができたのです。それは過去や現在の活発な議論が示しています。

 とはいえ、デザイナー仮説を科学的に検討可能な理論へと進展させる仕事は提唱する側の仕事です。現在の定説側の科学者にそれを求めるのは無理です。なぜなら私も含めて定説側では、そもそもアウストラロピテクスからホモ・エレクトスへの進化は自然選択説で説明可能と考えているからです。ベータ崩壊で明らかにエネルギー保存則が破れていた状況とは全く異なります。

 本当に自然選択説で説明不可能な進化が観察されているならともかく、そうではないのにわざわざややこしい仮説を導入する意義は感じられないというのが、定説側の多くの人々の考えです。まさしく「そんな仮定をしてもよい理由はないはず」なのです。まずは本当に自然選択説で説明不可能な進化が観察されているのかどうかを確認するのが先決であり、その時点では余計な仮説など使う必要はありません。

 さらに自然選択説がだめだったとしても、替わりの仮説はデザイナー仮説だけとは限りません。これが天動説vs地動説の場合なら明らかに二者択一ですから一方の否定は自動的他方の肯定になりますが、自然選択説vsデザイナー仮説ではそうではありません。自然選択説の否定は、デザイナー仮説や定向進化説や、その他もろもろの仮説を提案する理由にはなりますが、その中で特にデザイナー仮説だけを優先的に取り上げる理由にはなりません。


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