さて、アインシュタインの論文ですが、マイケルソンの実験がエーテルを否定した後で、それなら電磁波はどういう仕組みで伝わるのかが書かれているか、という視点で読んでみました。そして、私が理解した限りでは、それは全体の半分あたり、英訳では「Even without delving into〜」で始まり、「〜P2 are essentially inverse processes」まで続く箇所ではないかと思われます。
ここで言っていることは、光波動説(英訳では「oscillation theory」)では、媒質問題以外にも、説明できない事実が多く、光粒子説(同じく「emission theory」)の方が真実に近い、ということでしょう。とりわけ「Consider the laws governing〜」で始まる、X線が金属板に当たると電子線が飛び出すという一節は光電効果の話ですし、電磁波の粒子的性質が電磁波が伝わる仕組みを説明するなら、アジモフやウィキペディア記事と同じです。つまりこれは量子論の話なのです。