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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

1名無しは星を見ていたい:2016/01/31(日) 23:55:26
短編、単発のミッションなどにお使いください。
長編やシリーズものの予定でしたら、自分のスレで行うことをお勧めします。

2『手に汗握る』:2016/02/04(木) 00:27:55



財産は滅び、身内の者は死に絶え、自分もやがては死ぬ。だが決して滅びぬのが、自らの得た名声だ。


                                        ―――――――――――『オーディンの箴言』より

3『手に汗握る』:2016/02/04(木) 00:28:46

ある日のことである。

キミは……『牡丹』は、とある喫茶店で穏やかな午後を過ごしていた。
個人経営の小さな、しかし良い店だ。
シックな雰囲気、暗めの照明。
主張しすぎない小さめのBGM……

『牡丹』はこの喫茶店でおよそ『1000円ほど』の注文をした(何を頼んだかは、当然キミの自由だ)。
客の数はまばらだ。
『牡丹』を含めても右手で数えられる程度。
特筆するのであれば、カウンター席に座る『牡丹』の隣に『神経質そうな眼鏡の男』が座っているというぐらいか。
とはいえ、さほど広くも無い店内だ。そこまで違和感に感じることでもないだろう…………


(『外見』『所持品』『能力』などの提示とレスの開始をお願いします)

4牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/04(木) 22:17:17
>>3

 商店街にもご近所付き合いというものは当然存在する。
 むしろ利潤に直結する分、市井のそれと比べて濃密であることが多い。
 店の貴賎はなく、看板を背負っている自分が顔を出すことで保てる関係がある。

 ……というのは建前も建前で。

 恥ずかしいので周りには黙っているが、女の例に漏れず、自分も甘味には目がないのだ。
 頼んだのは『紅茶とケーキのセット』。

(たまにゃこうして、『大人っぽさ』を味わうのも悪くないね。)

 大人しく座って、店主の手際をぼんやりと眺める。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『外見』
 艶のある黒髪。高身長。顔つきは精悍。体格は良く、発育も極めて良し。
 外行き用のコート。赤のセーター。ジーンズ。春牡丹のかんざし。

『所持品』
 財布。香水。化粧品。手鏡。櫛。

『スタンド』
 『蝋』を生み出し、加工して『蝋細工』にする。
 また、自身の生命力を『燈火』として分け与えることで、
 生ける『蝋人形』として使役することができる。

 『ウェイト・アンティル・ダーク』
 破壊力:C〜E スピード:A 射程距離:E
 持続力:D 精密動作性:C(A) 成長性:B
 【能力詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/16-17】

5『手に汗握る』:2016/02/04(木) 23:02:42
>>4

店主は四十代の男性……十年ほど前に夫婦で店を開いた人物だ。
牡丹の『車屋』ともそこそこに親交がある。夫婦共に物静かながら、穏やかな笑顔が印象的だった。
腕の方も折り紙付き。

【店主】「……どうぞ」

牡丹が頼んだ『紅茶とケーキのセット』はそうメニューが豊富と言うわけでも無いこの店の、それでも目玉と言えるメニュー。
甘いケーキと香り豊かな紅茶の組み合わせは、定番故に店主の腕の良さを如実に表している。
なお、水も美味い。どこぞの『雪解け水』を使っているのだとかなんとか。
どうやら隣に座っている『眼鏡の男』も、同じものを注文したらしい。男の前にもケーキと紅茶が置かれている。
しばし、穏やかな時間が流れる……


 …………………………………

    ………………………

       ……………


―――――さて。
紅茶を飲み、ケーキを食べ、『牡丹』は穏やかな時間を過ごした。
過去形だ。つまり、完食した。
他に用があるわけでもなく、そろそろ支払いをするか……そう『牡丹』が思った時、隣の『眼鏡の男』が声をかけてくる。

【眼鏡の男】「おや、お帰りですかお嬢さん?
        でしたら……ふふ、どうでしょう。ひとつつまらない提案があるのですが……」

見れば男の方も、頼んだケーキと紅茶を平らげた後のようだ。
ともあれ、男はおしぼりで手を拭きながら顔を『牡丹』の方に向け――――


【眼鏡の男】「――――――俺と『ポーカー』で勝負をしませんか?」


……『勝負』を、持ち掛けてきた。

6牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/04(木) 23:16:18
>>5


    カチャ…
                      カチャ……
      コト


「はぁ……」

 完食して、一息。膨れた腹と、伸びきった気持ち。
 たまにはこういうのも悪くない。
 支払いを済ませようと、財布を取り出したところで……


「な、なに? 言っとくけどアタシ、お嬢さんって柄じゃあないよ」

 困惑気味に、話しかけてきた男に応じる。

「ポーカー……って、あれだろ? 賭け事の。
 あんた、そりゃあちょっと『野暮』ってもんじゃない?」

「店の風情に合ってないよ」

 突き放すようにではなく、諭すように返してみる……。

7『手に汗握る』:2016/02/04(木) 23:43:50
>>6

諭すように返す『牡丹』。
まぁ、当たり前だ。この静かな喫茶店で、『賭け事』というのはあまりにもそぐわない……

【眼鏡の男】「果たして本当にそうでしょうか?」

……いや、男は食い下がってくる。

【眼鏡の男】「賭け事と言えば盛り場で『酒』を片手に……
        ええ、古典的なイメージですが、それだけに正しい『ギャンブル』の姿です。
        しかしそれは、『酒』が人の判断力を鈍らせることを期待した胴元の工作の一環に過ぎない。
        熱狂と錯乱はプレイヤーの実力を損なう『不純物』でしかないのです」

表情こそ微笑を浮かべているが、眼鏡の奥の瞳は真剣だ。
逆に『牡丹』を諭すように、静かに男の演説が続く。

【眼鏡の男】「だから、俺から言わせてもらえば、『こういう店』だからこそイイんですよ。
        酒の席なんて言語道断。騒がしい場所もベストとは言い難い。
        『不純物』の無いこの静かな店だからこそ……『真剣勝負』ができると、そうは思いませんか?」


【眼鏡の男】「とはいえ―――――無理強いは致しません。
        俺がしたいのは『勝負』……手弱女を無理に引き摺り込んで負かしても、虚しいだけです。
        プライドを賭けてこその『勝負』ですから……『種銭』が無いのでは、ねぇ?」

――――かと思えば、最後には『挑発』だ。
『プライド』があるなら乗ってこい、と……もちろん、ただの戯言と無視することも『牡丹』の自由だ。

8牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/05(金) 00:11:55
>>7

「……言うじゃあないか、アンタ」

 そもそも『場違い』というなら、自分自身のことでもある。
 車屋牡丹という女が、元々勝負やら賭博と言った熱狂を好むのだ。
 男の語りに、財布を取り出す手を止め、興味深げに耳を傾ける。

「アタシゃ丁半みたいに、純粋に『運』だけで勝負する賭けの方が好きだが……
 そうじゃあなく『駆け引き』で勝負する賭けなら、確かに『不純物』が無い方が良いのかもね」

    「そしてッ」

           ズイィィ―――ッ


 男の隣に腰をかけ、詰め寄る。

「『真剣勝負』の出来ない手弱女だって? 言ってくれんじゃないか!
 アタシはすぐに挑発に乗るような『安い女』と思われるのには何とも思わないが、
 一人じゃ喧嘩もできないような『か弱い女』と思われることだけは我慢ならない!」

「その勝負、乗った! 何を賭けるんだい?」

9『手に汗握る』:2016/02/05(金) 00:38:01
>>8

【眼鏡の男】「グッドッ!」

男がしたりと笑う。

【眼鏡の男】「フフ、イイ啖呵でした……だからこそ! 『勝負』のし甲斐があるというもの」

そう言うと、男はポケットから『トランプ』を一束取り出した。

            ダララララララッ

男は改めておしぼりで手を拭いてから、『トランプ』を扇状に並べる。
各スート13枚ずつに加え、ジョーカー二枚で『54枚』。

【眼鏡の男】「賭けるのは……ベタですが『支払い』でどうでしょう?
        我々の『支払い』は同じく『1000円』ほど……これを『100円』単位で『チップ』とし、賭けるってのは?」

当たり前だが、両者の注文は同じ『紅茶とケーキのセット』なのだから、支払いの額も同一だ。
それを『100円』の単位で『チップ』にする……つまり、お互い『10枚』のチップがあることになる。

【眼鏡の男】「すぐ終わっちゃ面白くありません。
        降りるなら『100円』、勝負なら『200円』……おっと、『ポーカー』のルールは大丈夫でしょうか?」

              グイッ

【眼鏡の男】「それともちろん――――『プライド』も賭けるとしましょうか。
        こういうのは勝てば楽しいもんですが、負ければ惨めなもんですからねぇ。
        といっても、たかだか『1000円』ではありますが……フフフ、もちろん結果がどうなっても恨みっこは無しです」

                 カラン

男がコップの水をひと口飲み、静かにテーブルの上に置く。
コップの中の氷が音を立てて転がった。



なお、参考までにwikipediaでポーカーのルールを掲示しておく。
【ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC】

10牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/05(金) 23:41:44
>>9

  「本場のカジノにゃ行ったことないからね。
   大丈夫だとは思うけど…一口にルールったって、色々あるし」

  「出来りゃ、最初にルールを教えておいてほしいかな」
  「ドローの回数とかさ。一回練習を挟むとかでもいいし」

 一般的なポーカーのルールを思い出す……
 小学生時分から、職場のオッサンどもに仕込まれた記憶。

 しかし今回は、いつものお遊びとは違って金がかかっている。
 商人として、金のかかる場面で半端はできない。


  「1000円……まぁ、行きずりの勝負なら妥当かね」

    「しかし、『プライド』を賭けるって言ったって……
     言葉にするには簡単だけど、実際に何かペナルティはあるのかい?」

 シャッフルの手際を見ながら尋ねる。

11『手に汗握る』:2016/02/06(土) 00:05:01
>>10

【眼鏡の男】「いいでしょう、ではひとまず『1回』……説明がてら」

男は紅茶とケーキの皿を脇に避け、おしぼりで軽く手を拭ってから、慣れた手つきで改めて山札をシャッフルし始める。
流石に淀みが無い……とはいえ、特別素早いというわけでも無いが。

    シャッ
          シャッ
               シャッ

         トントン

【眼鏡の男】「まずは『シャッフル』ですが、『公平』を期するために『順番』で行きましょう。
        俺が混ぜ、次に貴女が混ぜる。最後に俺が山札を『カット』する。
        『ディーラー』がいない以上、これが一番『公平』ですからね」

そして男は山札の形を軽く整えると、『牡丹』に差し出した。
『混ぜろ』、ということだろう。

【眼鏡の男】「なに、『プライド』を賭けたからって何かペナルティがかかるってわけじゃあありません。
        ですが、『プライド』を賭けたという事実……その上で『敗北する』という結果こそが、最大のペナルティなのではないでしょうか?
        逆に『プライド』を賭けた戦いで相手を『打ち負かした』という事実……これは立派な『戦利品』と言えるでしょう」

眼鏡の奥で、男の瞳が闘志の炎を燃やす。

【眼鏡の男】「まっ! よーするに『真剣勝負』しようってだけの話ですよ。
        たかだか『ゲーム』ですが、そうでなくてはつまらない」

12牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/06(土) 00:45:13
>>11

「ふーん……分かった。『真剣勝負』ね」
「後になってから「いやこれ遊びだし、ムキになってないし」のような言い訳はできない、と」

 山札を受け取り、自分もシャッフルする。
 互いの間に置き、示す。

「さっ、終わったよ。もう引いていいのかい?」

13『手に汗握る』:2016/02/06(土) 01:02:53
>>12

【眼鏡の男】「グッド……ご理解が早くて助かります」

男が最後に山札に手を伸ばし……山札の真ん中あたりで二つの束に分け、上下を入れ替えた。
これで、準備は完了だ。

【眼鏡の男】「ええ、では順に引くとしましょうか。まずは『5枚』ずつ……」

男が山札からカードを5枚引く。
同時に、『牡丹』も山札から5枚……『牡丹』が引いたのは、

『ダイヤの10』
『クローバーの10』
『クローバーの8』
『ダイヤの7』
『ハートの6』

……の、5枚だ。
このままでも『10のワンペア』が成立するし、『ストレート』も十分に狙えるだろう。
もちろん、他の役を狙うのもアリだ。

【眼鏡の男】「手札の交換は『二回まで』……これも順に。俺からやらせて頂きましょうかね」

そう言うと、男は手札を2枚……『スペードの5』と『クローバーのQ』を捨て、二枚引いた。

14牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/06(土) 01:14:54
>>13

 最初から大博打を狙うのは好みじゃあない。
 相手は『クローバーのQ』を捨てた…
 これだけで、もう想定しうるストレートの形が1つ潰れている。

「じゃあ、アタシは―――」

 『クローバーの8』『ダイヤの7』『ハートの6』を捨てる。
 ワンペアを残して保険を張り、スリーカードやツーペア、フルハウスを狙いに行く算段だ…

15『手に汗握る』:2016/02/06(土) 01:29:16
>>14

堅実に、確実に手札をそろえようとする『牡丹』。
果たして、引いたカードは……

『ダイヤの6』
『ハートの10』
『ハートのJ』

――――見事、『10のスリーカード』が成立した。

【眼鏡の男】「……では俺は、もう二枚交換しましょう」

男が捨てたのは、『ダイヤの5』と『スペードのJ』。
果たして手札にはどんなカードがあるのか……男の表情に変化は見受けられない。

【眼鏡の男】「そして貴女が引いた後、改めて『降りる(フォール)』か、『乗る(レイズ)』か宣言するわけですが……
       ま、今回は練習ですから、お互い『乗る』としましょうか」

男は手札を重ねて裏向きでテーブルに置き、開示の時を待つ……。

【眼鏡の男】「……おっと、言い忘れていましたが、『ジョーカー』は当然『ワイルドカード』……
       ただし、同じ役がかち合った場合は『ジョーカー』を含める方が弱いものとする、ということで悪しからず。
       ジョーカーを二枚入れるなんてのは滅多にありませんが、『ブタ』で勝負が流れちゃ面白くありませんからね」

16牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/06(土) 01:38:32
>>15

(まあ、堅実なところがそろったね)

 一応『ダイヤの6』『ハートのJ』を捨て、新しいカードを引く。
 男の言葉通り、その結果によらず『乗る』。
 最低でもスリーカード。運がよければフルハウスかフォーカード。無難だ。

17牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/06(土) 01:39:32
>>15

「ああ、分かったよ」

 男の説明するルールにも、ちゃんと頷いて返し、了承の意を示しておく。

18『手に汗握る』:2016/02/06(土) 01:53:54
>>16

次に『牡丹』が引いたのは――――

『ダイヤのQ』
『ダイヤの4』

――――流石に、そううまくは行かないか。『スリーカード』だ。
ともあれ、練習故に『伸るか反るか』の駆け引きはここには無い。
『牡丹』が出したのは『10のスリーカード』。
対して男が擦り付けるようにカードを広げ、一枚一枚表に向けて出した役は――――

『ハートの10』
『ダイヤの2』
『スペードの2』
『ダイヤの3』
『クローバーの3』

――――『2と3のツーペア』。
この勝負は、『牡丹の勝ち』だ。

【眼鏡の男】「ン〜〜ッ! 残念、残念……負けてしまいました。
       とはいえ本番はこれから。では、改めてゲームを始めましょうか」

とはいえ、男は悔しがる素振りも見せない。
当たり前だ。まだ練習……ゲームは始まってもいないのだ。
男は素早くカードを回収し、山札をシャッフルし始める。

    シャッ
          シャッ
               シャッ

         トントン

【眼鏡の男】「どうぞ」

         グイッ

そして山札を『牡丹』に渡し、余裕しゃくしゃくという表情でコップの水を口に含んだ。

19牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/06(土) 02:05:22
>>18

「うしッ 上々!」

 男の札と比べ、声を上げる。

「おかげさまで、流れはなんとなく分かったよ。
 次からはここにチップが乗るってわけだね」

 男から山札を受け取り、混ぜ、再び二人の間において、カードを引く。


「……練習一回やっただけだってのに、アタシも緊張してきたな」
「こっちにも、水を一杯もらおうかしら」

 主人に水を注文する。

20『手に汗握る』:2016/02/06(土) 02:18:59
>>19

『牡丹』が山札を混ぜ、中央に置いた時……

       ガッ

          カタンッ

【眼鏡の男】「っとッ!」

山札をカットしようと手を伸ばした男の腕が『コップ』にぶつかってしまい、倒れて中身がこぼれてしまった。
幸いにしてそこまで多くの量が入っていたわけではないが、テーブルの上に水が広がっていく。

【眼鏡の男】「ああーっ! 申し訳ない、少々不注意でした!」

           バッ

男は素早く山札を手に取って浸水から避け、もう片方の手でおしぼりを手に取って水を拭く。
……とはいえ、おしぼりは台拭きではない。元より濡れているのだから水を吸う能力は低く、あまり水が拭えていない。
むしろ水が広がっているだけとすら言えるかもしれない。

【眼鏡の男】「……マスター、失礼ですが台拭きをひとつ。
        それと私も、水をもう一杯」
【店主】「…………かしこまりました」

水二杯はすぐに出され、そしてテーブルの上の水は店主が直々に拭き取ってくれるのであった。
男は恥ずかしそうに肩を竦め、手に持っていた山札を再度『牡丹』に差し出した。

【眼鏡の男】「いや失敬……本当に。申し訳ありませんが、もう一度混ぜて貰っても?」

21牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/06(土) 02:31:27
>>20

「おおっと!」

 椅子から立ち上がって水を避け、自分の分のおしぼりで、自分の側の水を拭き取る。

「だ、大丈夫? トランプが濡れちまったらもったいないよ」
「アンタ、水かかってない?」

 気遣いつつ、山札を受け取って、混ぜる。
 あとは、今までと同じだ。

22『手に汗握る』:2016/02/06(土) 02:43:02
>>21

そこそこの量を既に飲んでいたため、こぼれた水の量もそう多くは無い。
おかげで水がテーブルからこぼれたり、人にかかったりと言うことはないようだ。
……ただ、男が濡れたコップに触った直後だったからか、おしぼりから浸みだした水が手についたのか、トランプは少し濡れていたが。
まぁ、それも『少し』だ。ふやけてしまうほどではない。テーブルも少し濡れてしまったが、同じくふやけるほどではない。

【眼鏡の男】「いやはや……お恥ずかしい話ですが、『あがり屋』と言いますか……
       割と緊張に弱い方でしてねぇ。『手汗』はかくし、こういった『不注意』も少なくはありません」

ともあれ『牡丹』が山札を切り、中央に置き、男がカットして、カードを引く……

【眼鏡の男】「まぁ……その『緊張』が嫌いではないのですが」

『牡丹』の手札は――――結論から言おう。『7のフォーカード』だ。
『ダイヤの7』『スペードの7』『ハートの7』『ハートの2』、そして『ジョーカー』。
これより強い役となると、『ストレートフラッシュ』しかない。
あるいはジョーカーを含むから、相手が『フォーカード』でも負けてしまうが……それでも、強力な手札には間違いあるまい。
男の方はと言えば、

【眼鏡の男】「ふむ……チェンジ無し、で」

……手札をテーブルに置き、悠々とおしぼりで手を拭っている。

23牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/06(土) 02:53:32
>>22

「アンタあれだね。現場仕事や客商売は向かないね」
「『注意不足』か、それとも『不器用』か、ってとこかい?
 神経質そうに見えて、ちょっとかわいいところあるじゃないか」

 からからと笑う。
 アクシデントで、逆に緊張がほぐれたといったところだろうか。

 さて、カードを引くが……


「……!!」

(ふ、フォーカード……しかもジョーカー引き! こいつは幸先が良い…)

 顔に出ないように、冷静に努める。

「あ……アタシも、チェンジは無しでいいよ」

24『手に汗握る』:2016/02/06(土) 03:02:40
>>23

【眼鏡の男】「フフ、返す言葉もございません」

雑談を交わしながら、互いに『チェンジ無し』の宣言。

【眼鏡の男】「……ふむ。
        『チェンジ無し』は強気の証……お互い自分の手札によほど自信があるようですねぇ。
        あるいは『ハッタリ』という可能性もありますが。
        さて乗るべきか、降りるべきか……」

男は改めて自分の手札を手に取り、一通り眺め……

【眼鏡の男】「……いや、お互い『自信アリ』なら降りちゃあ面白くない……『レイズ』です」

――――『レイズ』を宣言した。
このまま『乗る(コール)』か? それとも『降りる(フォール)』か?
『牡丹』に選択権が移る。

25牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/06(土) 03:17:02
>>24

「……そいつはお互い様ってやつじゃない?」

 相手も、ノーチェンジで乗ってきた。
 ってことは、同じく相当良い札が揃っているか、それとも『ハッタリ』か……


  「……そもそもアタシは『降りる』ってあんま好きじゃないんだよねェ。
   負けるのが怖いなら最初っから挑まなければ良いって思わないかい?」

           「手札がどれだけブタだったとしてもさ」

      「そういうワケで、当然『乗る』」


 手札を明かす。

26『手に汗握る』:2016/02/06(土) 03:27:00
>>25

【眼鏡の男】「グッドッ!」

これで、お互い『200円』ずつをベットする。
ここから先は金のかかった真剣勝負……開示される、『牡丹のフォーカード』。

【眼鏡の男】「『フォーカード』! なるほど、自信も納得の手札だ……」

         「で」

                「す」

                       「が」

男の手札が開示される。
『クローバーの10』『クローバーのJ』『クローバーのQ』『クローバーのK』。


そして―――――――――――『クローバーのA』。


【眼鏡の男】「―――――『ロイヤルストレートフラッシュ』」


『イカサマ』か? それとも『剛運』か?
男の手の中には――――確かにッ! 最強の手札『ロイヤルストレートフラッシュ』が並んでいるッ!

【眼鏡の男】「……まずは、俺の勝ちですね?」

27牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/06(土) 03:35:20
>>26

「うげっ…」

 男の手札に、思わず呻く。

「あ、アンタ……凄まじい運の『ツキ』具合してるね……
 本番になった途端に、一回目からその役を持ってくるなんて……」

「天性の勝負師ってやつ?」

 最初の200円を男の方に寄せる……
 とはいえ、一回だけなら『無い』話じゃあない。
 それに、勝負はまだ始まったばかりだ。

「さぁさ、とっとと次の勝負!」

 負けは引きずらない。特に、運で負けた勝負は。
 それも勝負を楽しむコツだ。

28『手に汗握る』:2016/02/06(土) 03:53:19
>>27

【眼鏡の男】「フフ、そうですね。では……」

男が素早くカードを回収する。
お互いの手札である10枚のカードを山札に戻し……

         トントン

【眼鏡の男】「――――『ゲームを続けましょう』」

            ズ
               ギ
                 ャ  ン

――――『牡丹』は気づくだろう。
男の肩に……『青白い燕』がとまっていることに!
ただの『燕』ではない、これは『スタンド』だッ!
そしてそのことに『牡丹』が反応するよりも早く!

 ・ .・ .・ ・ .・ .・ .・ ・ .・ .・ ・ ・ ・ ・
『ゲームを続けなければならない』という意志を押し付けられたかのように、ムンムンと湧き出て来る!


         ド  ド    ド   ド      ド

          ド    ド    ド    ド   ド   ド ド  

【眼鏡の男】「まだまだ『200円』ばかしですからねぇ……
        そちらは『800円』。俺は『1200円』。大した差じゃあありません。フフフ……」

       ド      ド      ド    ド

                ド   ド  ド  ドド   ド ドド

29牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/06(土) 09:40:01
>>28

    「な、――――――――」


         ド  ド    ド   ド      ド

          ド    ド    ド    ド   ド   ド ド 


   続く言葉を飲み込む。
   『スタンド使い』……この町では、けっして珍しくはない。問題は、


     「……そうね、勝負はまだ始まったばっかりだ。
      一回の勝ちで調子に乗られちゃあ困るよ、お兄さん!」


    この、ジャブジャブと湧き出るギャンブルへの射幸心!
    『勝つこと』よりも『ゲームを続けること』が目的になったような……

    『青白い燕』のスタンド……何かをされたのだろうか?

    だが今はそんなことはどうでもいい、重要なことじゃない。
    一刻も早く賭け、札を引き、勝負がしたい!


  男のシャッフルを待ち、山札を受け取る用意をする……。

30『手に汗握る』:2016/02/07(日) 03:19:09
>>29

男は山札をシャッフルし……

    シャッ
          シャッ
               シャッ

         トントン

……『牡丹』に山札を差し出した。
相手がスタンドを使っていると分かってもなお、『ゲームをやめよう』という気にはまったくならない……
……これが『押し付けられたものである』という自覚と違和感は、ある。
なんらかのスタンド攻撃を受け、相手の要求を『押し付けられた』実感はある、が……『ゲームはやめられない』。
それだけは絶対的な『タブー』であるように、今の『牡丹』は認識してしまっている。

【眼鏡の男】「フフ……威勢のいいことです」

男はニヤニヤ笑いながら、手汗をおしぼりで拭っている……その肩には、いまだ『燕』が。

31牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/07(日) 11:13:22
>>30

 山札を受け取り、シャッフルする……。


             シャッ
                   シャッ
                        シャッ


  (……アタシの今の状態があの『スタンド』によるものだということは分かる。
   『止められない』……ただそれだけの能力か? ギャンブルを続けさせるためだけの?)


    トントン
              グイッ


   「アンタぁ知らないかもしれないけど、こう見えても商店街の一角の看板娘さ。
     威勢がなくっちゃあ、商売なんてやってらんないの! ほらほら、次は負けないよ」


     山札を差し出す。男が札を引いたら、倣ってこちらも引く。

    、、、、、、、、、、
  (『アタシが気付いた』ことに気付かれちゃいけない……
   話に出すのも、目で追いすぎるのもダメ……
   『ウェイト・アンティル・ダーク』のは問題外……
   知らないフリで様子を観察して、ボロを出させるしか光明はない!)

32牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/07(日) 11:16:41
>>31

⇒『ウェイト・アンティル・ダーク』を『使う』のは問題外……

33『手に汗握る』:2016/02/08(月) 00:00:41
>>31-32

僅かに濡れた山札をかき混ぜる『牡丹』。
男の肩の上にいる『燕』を意識しないように注意しつつ、山札を相手に差し出す。
男は山札を受け取り、カットしてから5枚引く……無論、『牡丹』もだ。
『牡丹の手札』は、『ダイヤの3』『ダイヤの4』『ダイヤの5』『ダイヤのQ』『スペードのJ』。
『ストレート』でも『フラッシュ』でも狙っていける、良い手札だが……

【眼鏡の男】「さて、では俺は『ノーチェンジ』で」

……男は、再び『ノーチェンジ』を宣言した。

          ド  ド    ド   ド      ド
      ド    ド     ド      ド
         ド    ド   ド   ド  ド 

【眼鏡の男】「……貴女はどうします?」

コップの水を飲みながら、プレッシャーをかけて来る……カラン、とコップの中の氷が音を立てた。

34牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/08(月) 00:27:48
>>33


    ストレートはあまり良い線じゃあない。
    二枚を捨てた後、『54分の1(自分と相手の札を抜かない場合)』を
    二回も引き当てなければならない……

    一方で、フラッシュは『4分の1(同上)』を一回だ。


   「……アタシは『チェンジ』だ」
                       「『スペードのJ』を捨てる」


   そして、捨てる前に自分のグラスに口を付ける……
   この男、都度に水を飲んでいるのが気になる。
                          、、、、、、、、、、
   そして、こちらが『水を頼んだ時』に、『大げさに水を零した』。

   この男が極度の緊張しいだという可能性もあるかもしれないが、
   『水』が何かしらのキーになっている。ような、気がする。
   水を飲んだら、改めて札を捨て、山札から一枚引く……。

35『手に汗握る』:2016/02/08(月) 00:45:35
>>34

水を飲みながら『スペードのJ』を捨てる『牡丹』……引いたのは、『ハートのJ』だ。

【眼鏡の男】「当然二度目の交換権も『破棄』。
        そのままでも、もう一度交換でも、お好きなように」

男は余裕の表情で、結露してコップの表面に浮かんだ『水滴』を手慰みに拭っている……
……『牡丹』は男の能力の鍵を『水』と睨んだ。
確かに、あの『水をこぼした』こともそうだし、しきりに『おしぼり』で手を拭ったり、『コップの水』を頻繁に飲んだりしている。
が、どれも『緊張している人間』ならば納得できる行動でもある。
『水によるイカサマ』か、それとも『水による精神干渉』か、あるいは『両方』か、はたまた『どちらも関係ない』のか……

36牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/08(月) 01:08:16
>>35

 今引いたカードを捨て、『フラッシュ』狙いで新しく山札から一枚引く。
 展開を進めて、情報をもう少し集めなければ……

37『手に汗握る』:2016/02/08(月) 22:41:36
>>36

次に『牡丹』が引いたのは……『ダイヤの8』。
これで『フラッシュ』が成立した。が……

【眼鏡の男】「では無論、俺は『レイズ』で。
       二度目の勝負と行きましょうか。降りても構いやしませんがね」

……この余裕しゃくしゃくの男の手札は、一体何なのか?
汚れでも取っているのか、あるいは水滴でも拭っているのか、指で手札を撫でながら、男は『レイズ』と宣言した。
無論、一度目の快勝を下敷きにした『ハッタリ』の可能性もあるのだが……

38牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/08(月) 23:11:55
>>37

  「さっきも言ったけど」
                                       、 、
    「アタシは一度始めた勝負を途中で『降りる』ような真似はイヤだ。
     この勝負が『プライド』も賭けてるってんなら、尚更。……『レイズ』だ」

   こっちの引きは、けっして悪くない。
   むしろイイ。すごくイイ。
   いつもなら、一切の躊躇なく乗るほどに。


    「……ダイヤの『フラッシュ』だ、どう?」

     先に役を見せて、それから水を飲む。

39『手に汗握る』:2016/02/08(月) 23:56:56
>>38

【眼鏡の男】「ほほー、貴女も『強運』をお持ちのようだ。
       『フォーカード』に続き『フラッシュ』とは……」


【眼鏡の男】「しかし俺の勝ちです」


男の手札が開示される。
『クローバーの10』『クローバーのJ』『クローバーのQ』『クローバーのK』。
先ほどとまったく『同一』……!
一枚の狂いもなくまったく同じ、『ロイヤルストレートフラッシュ』ッ!
有り得ない!
何らかの『イカサマ』でもしない限り、二回連続でまったく同じカードを最初に引くなどということは!
これで『牡丹』の資金はさらに『200円』失われ……二人の差は『600』対『1400』となった。倍以上だ。
あと三回負ければ……全ての支払いは『牡丹』となり、決定的な『敗北』となる。思わず冷や汗も流れるところだろう。

【眼鏡の男】「ところで――――」

男が素早くカードを回収しながら、口を開く。『燕』の瞳が『牡丹』を見つめる。

【眼鏡の男】「このお店のケーキはとても美味しいんですが、大の男ともなると量が足りなくってねぇ。
       かといって追加注文すると支払いが嵩んでしまうし、そこを残念に思っていたのですが……どうでしょう?
       『このまま俺が完勝したら、追加で注文したケーキの支払いも貴女が持つ』というのは」

男が仕掛けてきたのはバカげた提案。
『このまま完勝したら』という自信のほどもそうだが、そもそも賭けるものを追加するというのが有り得ない。
そしてこんな提案を『牡丹』が受け入れる必要性はどこにもなく、普通に考えてバカげている―――――


―――――――そのはずなのに、『牡丹』はこの要求を『断れない』。


先ほどと同じだ……『断ろう』と思っても、それを本能が『拒絶』してしまう!
新たな要求を押し付けられているッ! 押し退けることができないのだッ!

40牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/09(火) 00:55:48
>>39


   こ、コイツ……!!


     「―――ああ、いいよ。分かる分かる、ケーキ一個じゃあ足りないもんね」
     「アンタが勝ったら、追加のケーキもアタシが払ったげる」


   復唱する。
   考えるよりも先に、口が動く。
   元から頭を使うタイプではなかったが……
   『何も考えずに承諾した』というのは、我が事ながら不自然すぎる。

   手札にしてもそうだ。一度だけの強運ならまだいい。
   けれども『まったく同じ手札が二度続いた』。

     コイツはイカサマ師だ。『スタンド』を使って、何かをしている。
     じゃあ勝負を降りるか? 答えはNOだ。


     「ただ、」

                      バ ン ッ !!!!


   男の回収を阻むように、カード手で押さえ付ける。


        「……調子に乗りすぎて火傷すんじゃないよ、坊ちゃん」


   額に青筋を浮かべ、牙を剥くように笑む。
   先ほどまでの余裕はない。
   焦りや苛立ちを隠しもしない、本気の挑発だ。



   ……カードに触れたら、手の感覚で確認する。
   先ほど、コップの水をこぼしたとき、少しだけ濡れたカードがあったはずだ。
   触れたカードは、湿気てはいないだろうか。

   また、その如何に関わらず、触れたカードに『自分の手汗』を押し付けてみる。
   そのままカードを回収し、こちらから山札を切りたい。

41『手に汗握る』:2016/02/09(火) 01:22:53
>>40

【眼鏡の男】「グッド……フフ、ありがたい。もちろん、俺がパーフェクトゲームを成立させたらの話ですが……」

白々しくほくそ笑みながら、男はカードを回収……

>                      バ ン ッ !!!!

          ビクッ

……を、『牡丹』に阻まれる。
男は肩を震わせ、目を見開いて驚愕しているようだった。
この男が『イカサマ』をしているのは、間違いない。
ならばその『カラクリ』を暴き、決定的な証拠を叩きつけることが、『牡丹』の勝利への道だろう。
どの道、『もうゲームは降りられない』のだ。既にその要求を押し付けられている『牡丹』にとっては。
もちろん、それでなくてもここまでコケにされて引くわけには行かないのだろうが。

【眼鏡の男】「……ふ、ふふ、まぁそんなカッカしなさんな……まだ貴女には半分以上『チップ』が残ってるわけですし」

ともあれ、男は気を取り直し……否、まだ『動揺』している。
せわしなく視線を動かし、おしぼりを見たり、コップを見たり、『牡丹』の動きを見たりしている。

【眼鏡の男】「カ、カードがどうかしましたか? ごくありふれた、市販のカードですが……」

……男の言葉通り、カードは普通のものだ。
だが……やはり、少しだけ『濡れて』いる。男が出した『5枚』のカード全てだ。『水滴』が多少ついている、というレベルだが。
そこに『手汗』をつけて見ても……特に反応は無い。
山札をシャッフルするなら、そちらも特に問題なく行われるだろう……男は冷や汗を流しながら、おしぼりで手を拭っていた。

42牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/09(火) 21:14:07
>>41

           、
   「半分以上『も』残ってるって?」
    「悪いけど、アタシ勝負事にはムキになるタイプでね……」

     ゲームで使った十二枚のカード。
     それを手元に寄せ、一般的な『手札』を作るように扇状に広げて持つ。


   「ハッキリ言って、アンタが『イカサマ』をしてんじゃあないかと疑ってる。
    大人げない言い訳だって思う? そこはアンタ、もっとお淑やかな女を選ぶべきだったね」

     そのマークや柄を一枚一枚念入りに調べるように、自分の指を這わせて、
     カードにイカサマをしていないかのチェックをする―――『フリ』をする。

     その指に重ねるように『ウェイト・アンティル・ダーク』を発現。
     ちょうど手札の陰に指が隠れ、相手から見えなくなるように、だ。


      「半分も『残ってる』んじゃあない、二回も『負けた』んだ!
       これはプライドを賭ける勝負……アンタ、最初に言ったよね。
       プライド賭けた勝負に負けて、ヘラヘラ笑っていられるかッ……!」


     (……あの『スタンド』の能力。きっと濡らしたものを呼ぶ『呼び水』みたいなもんだ。
      このカードの『水滴』を拭ってやれば、もしかしたらそれで解決するのかもしれない)

    けれど、それだけじゃあダメだ。
    それで解決したとしても、鼻を明かすことは出来ない。
    真の勝利は、相手に敗北を認めさせることだという。
    イカサマの証拠を、コイツ自身から引き出してやらなきゃいけない。

    手札で隠した『ウェイト・アンティル・ダーク』の指で、トランプの柄を上から『塗り替える』。
    絵具代わりの蝋を出して、スパチュラで薄く広げ、『本物のカードの表面のように』。
    このカードが紙なら紙、プラスチックならプラスチックの質感を完全に再現する。

    塗り替えるのは、『クローバーのQ』と『ダイヤのQ』だ。
    絵札は絵柄がほとんど同じなので、色とスートだけちょちょっと変えてやればいい。
    予測が正しければ、次の勝負。コイツの手札に来るのは『ダイヤのQ(に扮した『クローバーのQ』)』のはず。

    ……塗り替えたら何食わぬ顔で、回収したカードを山札に戻し、シャッフルして、手渡す。

43『手に汗握る』:2016/02/09(火) 23:09:22
>>42

【眼鏡の男】「『イカサマ』ァ? 『イカサマ』ですって?」

【眼鏡の男】「バカを言って貰っちゃあ困ります! なにせ貴女……証拠が無いのですからね。
         もちろん疑うのは自由ですが……」

額の汗を拭いつつ、緊張をほぐすようにコップの水に口をつける『眼鏡の男』。
明らかに『動揺』しているが……それでもこいつから『真の勝利』をもぎ取るなら、決定的な『イカサマの証拠』を突き付けてやる必要があるだろう。

指先から『ウェイト・アンティル・ダーク』の指を発現し、『牡丹』はこっそりとカードを『書き換える』……
プラスチック製のカードに、質感を完全に再現した『蝋』を塗り込んで『クローバーのQ』を『ダイヤのQ』に『書き換えた』。
そのままカードを山札に戻し、よく混ぜてから男に渡す。
男はおしぼりで手を拭って汗を落としてから山札を受け取り、シャッフルを始める。

       シャッ

              シャッ

【眼鏡の男】「まっ、『イカサマ』の証拠なんてどこからも見つからないと――――」

                     ―――ピタッ

――――そのシャッフルの手が、『止まった』。
男の表情が硬直する。が、それも一瞬だ。すぐにシャッフルが再開された。

【眼鏡の男】「――――思いますがね、ええ……」

    シャッ

             シャッ

                       シャッ

      シャッ

               シャッ

                         シャッ

……随分念入りにシャッフルしている。
何度も、何度も、やり過ぎなんじゃないかってぐらい念入りだ。

             トントン

それでしばらく混ぜてから……男は『牡丹』に山札を差し出した。カットしてカードを引け、ということだろう。

44牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/09(火) 23:30:27
>>43

「どうかした?」

 手を止めた男に尋ねる。
 山札を受け取り、シャッフルし、カードを引く。

 ……『蝋細工』の位置は、大まかにだが、把握できる。
 シャッフル中、もしくはシャッフル後、『蝋(のついたカード)』が移動したような感覚はあるだろうか。
 混ぜている間はもちろんだが、混ぜた後。アタシが引く時、男が引く時……。

45『手に汗握る』:2016/02/09(火) 23:49:25
>>44

男が手を止めた瞬間、『蝋』の反応が『奇妙』なことになったことに『牡丹』は気づく。
大まかにだが位置を把握できる『蝋細工』……その位置が……『よくわからなくなった』。
座標は概ね『眼鏡の男の体内』だとは思うのだが、なんというか、溶け込んでしまっているというか、反応が薄い。
男が気を取り直したようにシャッフルを再開すると、再び『山札』に反応は戻ったのだが……
……その後も男が山札を混ぜた時、一瞬だけ同じ反応を示すことが時折あった。

【眼鏡の男】「いえ……なんでもありません」

『牡丹』がカードを引き、男もカードを引く。
『蝋』反応は『山札』の中……『牡丹』が引いたのは『ハートの8』『ダイヤの8』『ハートの3』『ダイヤの3』『ハートの9』だ。

【眼鏡の男】「ま……勝負を続けましょう。チェンジは?」

引いた順番的に、今回は『牡丹』からだ。
男は手札をテーブルに伏せ、手をおしぼりで拭っている……

46牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/10(水) 00:31:52
>>45

(あっ)

 『体内』に移動した……ちょっぴり焦る。
 無事排出されてひと安心。いや、そのうち解除されるし、人体に影響とかはないだろうが。

「『ハートの9』を捨てる」


――――――――――――――――――――――――――――――――
『質問』

 蝋細工は合計で『二つ(クローバーのQ⇔ダイヤのQ)』作りましたが、
 男の『体内』に移動したのはどちらの蝋細工か分かりますか?

47『手に汗握る』:2016/02/10(水) 00:40:53
>>46

『牡丹』が引いたのは……『ハートの2』。
対して男の方は……

【眼鏡の男】「―――――――――――『ノーチェンジ』で」

―――――依然、手札を変えず……!

   ド      ドド ド    ド ド ド 
      ド  ド  ド ド ドド ド ド   ドド 


――――――――――――――――――――――――――――――――
『回答』

失敬、最初に『体内』に移動したのは『ダイヤのQ(に扮した『クローバーのQ』)』。
ただしその後に何度か『クローバーのQ(に扮した『ダイヤのQ』)』も一瞬だけ体内に取り込まれている。
これについては『ダイヤのQ(に扮した『クローバーのQ』)』も同じく、一瞬だけ体内に取り込まれた気配が何度かあった。

48牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/10(水) 18:43:11
>>47

「……さて、どうしようかね」

 先程の要領で、手札で隠しながら『ウェイト・アンティル・ダーク』の指を発現。
 今度は手札にあるカード全ての無地の部分に、
 それぞれ全く同じ色・質感の『蝋』を僅かに塗りつける。マーキングだ。

「『ハートの2』を捨てる」

 そして引く。

――――――――――――――――――――――――――――――――
『質問』

 今も、『蝋』はどちらとも山札の中にありますか?

49『手に汗握る』:2016/02/10(水) 22:17:06
>>48

手札に『マーキング』をしつつ、『ハートの2』を捨てる『牡丹』。
引いたのは……『ジョーカー』だ。『フルハウス』がこれで成立する。

【眼鏡の男】「さ……それじゃあとっとと『勝負』と行きましょうか。
        まさかこの期に及んで『降りる』なんて言わないでしょう? お互いね」

男がテーブルに伏せた手札に手をかけた。
『牡丹』が『勝負』と言えば、即座にカードを捲るだろう。


――――――――――――――――――――――――――――――――
『回答』

 肯定。どちらのカードも『山札』の中にある。

50牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/10(水) 22:48:29
>>49

「もちろん、『降りる』くらいなら『負ける』方がマシさね……」

 こちらに出来た役は、けれどもそれほど重要じゃあない。
 問題は、今、相手が何を引いたのか、だ……。

 少なくとも、先ほどまでの『クローバーのロイヤルストレートフラッシュ』はあり得ない。
 それだけは断言できる。

 なんたって、二枚の『クローバーのQ』はどちらも、山札の中なのだから……


「『勝負』だよ」 「『フルハウス』!」

 カードをめくってみせる。

51『手に汗握る』:2016/02/10(水) 23:09:55
>>50

『牡丹』が『フルハウス』を開示する。
対して男がめくり上げたのは―――――

【眼鏡の男】「――――『スペードのロイヤルストレートフラッシュ』ッ!」

『スペードの10』『スペードのJ』『スペードのQ』『スペードのK』『スペードのA』。
三連続の『ロイヤルストレートフラッシュ』ッ!

そしてッ!

【眼鏡の男】「ところで『今後シャッフルは俺がさっさとやらせていただきます』よォォーッ!」

三度『要求』を『押し通される』ッ!
男が素早く札を回収し、シャッフルを開始するッ! その動きを止めることができないッ!
『牡丹』の残金は『400円』――――あと『2回』だ。最短あと『2回』でゲームは終わるッ!

52牡丹:2016/02/11(木) 00:30:38
>>51

   「な、」
            「にィ〜〜〜〜〜〜ッ!?」


     別の役を揃えてきやがったッ!
     スートの中でも一番強いとされる『スペード』を使った『ロイヤルストレートフラッシュ』!


  「もっと強くなってんじゃあないかッ!」
  「ああ、まあでもシャッフルはさっさとしたいよねー。ウン」

    そして逆らえない……
    いや、今は確認すべきことを確認しなければ。


    まず、先ほどの男の出した五枚のカードは、それぞれ濡れていただろうか?
    そして今、二枚の『クローバーのQ』を含め、七つの『蝋細工』が山札にある。
    それらもまた、シャッフルの間に『男の体内』に溶け込んだような感覚があるだろうか?


    加えて、机の下で『ウェイト・アンティル・ダーク』の手を発現。
    『ミツバチ』の『蝋細工』を作成(ス精AA)し、『燈火』を与えて『蝋人形』にする……

       『ミツバチ』は、自身の飛び方で仲間に信号を送る昆虫だ。
       男のやや後ろ/上に、羽音が聞こえない程度に距離を離して飛ばせておく。
       つまり、『男の引いた手札が見える距離に』だ。∞の字飛行で待機させる。


    それから。


  (……こういう場で『手荒』な真似は、したくなかったけど)

    シャッフル終わりに、男がおしぼりに手を伸ばしたら。
    手を拭うより先にお絞りを払いのけ、逆の手で掌を見たい。

53牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/11(木) 00:31:33
>>52

54『手に汗握る』:2016/02/11(木) 01:07:41
>>52

【眼鏡の男】「フフ……あと『二回』……多くて『四回』ですが、譲りませんとも……」

          トントン

     シャッ
           シャッ
                 シャッ

山札の形を整えてからシャッフルする男を尻目に、観察を行う『牡丹』。

まず、男の出したカードは、やはり『濡れていた』。
まぁ『牡丹』のカードにも多少水滴はついていたのだが……というより、男が濡れた手で触っているからか、山札全体が多少濡れているようだ。

次に『七つの蝋細工』だが、これも先ほどと同じく時折『男の体内』に溶け込んでいる。
……が、全てではない。溶け込んだのは最初に何度かだけで、それ以降のシャッフルでは全て『山札』の中だ。

そのような観察を行いつつ、『牡丹』はテーブルの下で『ミツバチ』を生み出し、男の背後に向けて飛ばした。
仮に羽音に気づいても、精々『蠅』が入って来たかと思う程度だろう。『ミツバチ』は男の背後で飛行している。

――――さて、男がシャッフルを終え、既にお決まりとなった動作を繰り返す。
山札を『牡丹』の前に置いて、自分の手を『おしぼり』で……

       パシッ
               ガシィッ

【眼鏡の男】「えっ」

……それを、遮断する。
おしぼりを払いのけ、男の『右手』を掴む『牡丹』。

【眼鏡の男】「な、なんです? 手相占いでも始めようってんですか?」

困惑する男の掌は……『濡れている』。おしぼりなどから出た『水滴』と、あとは『手汗』だろう。
それ以外、特におかしな点は見当たらない。せいぜいちょっと手が硬いというぐらいだ。肉が少ないのだろう。

55牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/13(土) 21:09:12
>>54

   「いや……何かこの手に秘密があるんじゃあないかと思って……
    イカサマの手際か、もしくは馬鹿ヅキを生み出す運命線みたいな……」

      濡れた手を自分の指でゴシゴシやったり、じっくり観察するが……
      何もないので、離す。
      誤魔化し半分、本音半分。
      やたら手を拭うから、何かあるのかとも思ったが……

      少なくとも、今この場で見出せる類のものではなさそうだ。


  (そう、『あと二回』……
   そして、アタシはまだ『何をされているのか』分かっていない。
    次の一回もそのための『探り』に費やさなきゃあいけないってことは、)


      山札を見つめる。

      思いついたものは、例え奇策でも、試さなければ。


   (ここで見つけられなきゃ、負けたも同然ってことだ……)


      手に取り、山札を混ぜ、差し出す。

      男が真っ先に札を引く素振りを見せるなら、それを制止して自分が引く心算で。
      逆に男がこちらに札を引くことを進めて来たら、一番上の五枚の札を男に配る。

      蜂は『待機』。手札が見える距離で、∞の字飛行を継続。

      男が山札を切っているときに、何か細工をしたのは分かった。
      ならば、役が完成したのは『山札』の時点か、それとも『手札』の時点か。
      それを見極めなければ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・質問
 >>54で、『全てのカードがまんべんなく濡れている』とのことですが、
 >>41の時点では、男の持っていた『5枚』だけが濡れているようでした。
 これは、勝負中にいつの間にか他のカードも濡れていたということでしょうか?

 それとも、>>20の時点で既に全てのカードが水を被っており、
 >>41で確認できたのが、男のカードの5枚だけだった、ということでしょうか?

56『手に汗握る』:2016/02/15(月) 01:04:44
>>55

【眼鏡の男】「ハハ……『緊張屋』なもんですから、少しばかり『手汗』が多いだけですよぉ」

       パッ

男は焦ったように手を離し、『おしぼり』で手を拭き始める。
一度こぼした『水』を拭った『おしぼり』なのだから、拭えば拭うほど手が濡れてしまうのだが……

ともあれ、気を取り直して山札を手に取り、シャッフルを行う『牡丹』。
シャッフルが終わると、男が山札を一度カットし、そのまま5枚――――

――――引くところで、それを制して『牡丹』が先に5枚引く。

【眼鏡の男】「っと……まぁ順番なんてどちらでもいいんですが」

男が焦る様子は……特にない。
そのまま何事もなかったかのように、5枚のカードを引く。
『牡丹』が引いたのは、『ダイヤの2』『ハートのK』『クローバーの9』『クローバーの6』、そして『ジョーカー』。

【眼鏡の男】「さっ、そして俺は『ノーチェンジ』です」

『水』を手に取り、飲もうとする……が、既に男が飲んでいた『水』は大分減ってしまっている。
カランと氷が転がる音がするが、中身は既に無くなっているようだ。

【眼鏡の男】「おっと……まぁいい。さて、貴女は? 手札を変えますか?」

だが男はそれも意に介さず、コップの結露した『水滴』を指で掬いながらニヤニヤと笑っている……


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(回答)
>>20でこぼした水はトランプにほぼかからなかったが、少なくとも>>41時点で大半のカードは濡れていた。
>>41で確認したのは男のカードのみであったが、>>22時点でトランプ全体が多少濡れていることを『牡丹』は認識している。
恐らく『眼鏡の男』が濡れた手で触っていたためと推測される。

57牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/15(月) 23:21:54
>>56


  まただ。
  また水に触れている……

  『手が濡れていること』か、『カードが濡れていること』か、
  少なくともそれに順ずる条件が鍵になっていることは分かっている。

     だが、それが『分かっている』だけでは打ち破れない。
     指摘しても知らんふりを通されてしまえば、
     こちらは向こうの提案に逆らえないのだから。

  相手が『細工をした瞬間』を押さえる。
  イカサマを証明するのには、それぐらい決定的な証拠が必要だ。
  もしくは、イカサマが出来ない環境を作ってやるか。
  手口それ自体は、分かったところで意味を為さない。


  「チェンジだ……
   この『ダイヤの2』と『ハートのK』を捨てる」

   ジョーカーがある分、捨て札も強気に出られるが…
   相手の札が『ロイヤルストレートフラッシュ』で確定している以上、意味のない行為だ。

   だから、これは『時間稼ぎ』。

   捨てて交換する間に、背後の『蜜蜂』に視線を送る。

   蜜蜂は―――飛び方の軌道で、仲間に信号を送る生き物だ。
   そして、『黒いものに襲い掛かる』など、色を判断できる目を持つ。
   役は、引いた時点で完成していたのか、それとも引いてから細工をしたのか……
   その判別だ。

   蜂から見て、男の手札が引いてから『変化した』のなら、軌道を8の字へ変更。
   『変化していない』のなら、∞の字飛行を継続させる。

58『手に汗握る』:2016/02/16(火) 00:04:00
>>57

そう、必要なのは『決定的瞬間』だ。
相手が能力を使って『イカサマ』をしているという、確固たる『瞬間』。
常に手を濡らし、カードを濡らし、『ロイヤルストレートフラッシュ』を出し続けるこの男から、『決定的な瞬間』を。
『眼鏡の男』は現在、再び余裕を取り戻している。
一時は随分取り乱していたが、すっかり『楽勝ムード』というところか。その肩の上の『燕』は相変わらず見ているだけだが……

ともあれ『牡丹』は二枚のカードを捨て……新たに『スペードの4』『スペードの9』を引いた。

【眼鏡の男】「もちろん次もノーチェンジ、と」

男は手札を持ち替え、濡れた右手で手札を保持する。
そして、一枚一枚確認するように手札を親指でスライドさせている。
……そんなことをすればカードが大分濡れてしまうはずだが。

それを見張る、『蜂』の挙動は……

        ヴヴヴ    ヴヴヴ
       ヴ    ヴ ヴ    ヴ
      ヴ      ヴ      ヴ
       ヴ    ヴ ヴ    ヴ
        ヴヴヴ    ヴヴヴ

『∞の軌道』から……

        ヴヴヴ
       ヴ    ヴ
      ヴ      ヴ
       ヴ    ヴ
        ヴヴヴ
       ヴ    ヴ
      ヴ      ヴ
       ヴ    ヴ
        ヴヴヴ

『8の軌道』に変わった……!
男の手札が、『変化』している証拠……ッ!

59牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/16(火) 23:34:39
>>58


  蜜蜂が飛び方を変えた!


   「……『スペードの4』を捨てるよ」


  が、仕掛けるのは今ではない。
  勝負を続けながら、

   テーブルの下で、『ウェイト・アンティル・ダーク』の手を発動。
   『蝋細工』を加工して『アゲハ蝶の蝋人形』を作成。

   ……その際に、『翅の模様』に仕込みをする。
   いわゆる一般的な蝶の模様ではなく……文章を仕込む。

   白地の翅に、黒抜きの文字。『アゲハ蝶のメッセージカード』だ。

   それを、こっそりと飛ばす。                     . . . : :  /{
   宛先は、『カフェの店主』のもと。             . : r 、   . : : : /   |
                                   . . : :|   \ : : ,'
                                   . : : :|    \/    }
                                  . . : :人       ヽ  / ,
                                     : `>     } //
                                   . . : :〃     _∨⌒
                                . . . : : : }      厂{_/
                                . . : : /ヽ/⌒´
                                .  . : }
                              .  . : :
                          .  .  .


   物静かで、穏やかな夫婦。
   自分とも、そこそこ親交がある。

   迷い込んだ蝶を無碍に扱うような、無粋な人たちじゃあないはずだ。

   目に留まるように周囲を飛び回らせ、
   夫婦のどちらかが気付いたら、近くに留まらせて、メッセージを読ませたい。

60牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/16(火) 23:34:56
>>58

  手札の変更は、『アゲハ蝶』が止まるまでの時間を稼ぐ目的もある。
  次に相手がカードを引く前に、準備が完了するかどうか。

   『イカサマ』を破るための仕込み。
   それは『第三者による証言』。

   イカサマの瞬間を、手口を、目撃した本人から報告させる。





              ,..._
           ,-‐ く:::::::::ヽ
           ,'::::::::r 、ヾ(ヾ:`、
             ;:::::::::::゙ニ:::::\::::`、
             !:::::::::::゙.、)::::::::゙、:::::゙、
             i::::::::::::::へ::::::::::゙、::::゙、
           l: マスターへ::::゙,:::::',
             i::::::::::::::!、 ヾ::::::::::::',::::',
            ,':イカサマされてる',::::',
           ,':::::::::::::::゙;.、、,,!:::::::::::::::',:::',
            !::カードを向こうから ',:::'.
          _,{::::::::::::::::/`丶、{::::::::::::::::',:::!     }
.       ,し':: みはってて下さい :::!::!    /
      ,r'::::::;}::::::::::;:;:;:;:;:;i'`'''ー{::::::::::::::::::!:!  / ,}
    ,. -'::::;;}:::::::;:;:;:;:;:;:;:;:;;f   `r::::::::::::::!l  / /
    {:::::::;;}:::: どうぞ ごひいきに  :::::::l{,,_i'"
 r-''::::,}:::::::::::::::::;: -'´ ,...   ぼたん。:::ソ彡゙ ()}
ヾ::::::::,ノ::::::::::::∠....-:::'"::::;;;;:::- ''',r‐''"   ,、 Fヘ
 `┐:::::::::::::::::;: -'''{"´ ̄,.. --ー'^ヾノ`:''" ト'  \
    ̄ ̄ ̄      ̄         |   {  ̄\`
                    |   !   \_
                      ,ノ    ヽ

61『手に汗握る』:2016/02/17(水) 00:22:08
>>59-60

『スペードの4』を捨て……『クローバーの5』を引く『牡丹』。
できた役はジョーカーを絡めた『9のスリーカード』だが、役は問題ではない。

【眼鏡の男】「では……勝負と行きましょうか。無論、俺は『レイズ』! ……と叫ばせていただきますがね」

男は余裕の態度……まぁ当然か。
それを尻目に、二つ目の『蝋人形』――――『アゲハチョウ』を生み出す『牡丹』。
命という『熱』を与えられたそれは、ヒラヒラと羽ばたいてテーブルの下から巣立っていく……

        ヒラヒラ

【眼鏡の男】「……ん、蝶?」

               ヒラヒラ

……男がそれに気づいた!
素早く小さい『ミツバチ』ならともかく、大きく動きも緩慢な『アゲハチョウ』は隠しようがない。
――――とはいえ、まだそれが『スタンド』によるものとは考えていないようだ。
怪訝そうな顔で『アゲハチョウ』の動きを目で追うが、すぐに興味を無くしたように視線をテーブルと『牡丹』に戻す。
その間にも『アゲハチョウ』は『店主』の方へと飛んでいき……

         ヒラヒラ

【店主の妻】「……あら」

奥の厨房にいた店主の妻が、それに気づいた。

【店主の妻】「見てあなた、『アゲハチョウ』だわ。どこから入って来たのかしら……」
【店主】「……おや、本当だ。まいったな。コップ、コップ……」

連鎖して店主も気づく。
とりあえず『コップ』の中に入れて、外に出してやるつもりのようだ。

             スッ…

……その傍に、『アゲハチョウ』が止まる。

【店主】「よし、よし、いい子だ。すぐに出してあげるからね……」
【店主の妻】「それにしても不思議な模様の子ね…………っ、待ってあなた、これ……!」
【店主】「どうした? ……って、これは……」

―――――そして、気づいたようだ。
無事に、その『メッセージ』は届いたらしい。
ちらと視線が『牡丹』を向き……

【店主】「……うん、大分弱っているみたいだけど、飛べていたようだし、問題ないだろう。さ、外に出してやろう。一瞬だけ店を頼むよ」

……すぐにコップの中に『アゲハチョウ』を入れて、店主が外に出る。
その間の『見張り』は、妻がやってくれるようだ。

62牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/17(水) 01:01:00
>>61

「え? 蝶々?」

 視線に、大きく一度瞬きをして返す。

「……まあ、今は勝負の方が先だ。アタシも『レイズ』」

 『スリーカード』の手札を明かす。


 一方で、『蜜蜂』『アゲハ蝶』は適当にその辺りの壁で待機。

 ゲームとしての勝負では、『勝てない』。
 だからこそ次の、最後のチャンスを。
 そこで『引いた』瞬間を、目撃させ、証言してもらう。

63『手に汗握る』:2016/02/17(水) 02:39:01
>>62

とぼけつつも、『牡丹』は『9のスリーカード』を出す。
対して男が出すのは、当然のように『スペードのロイヤルストレートフラッシュ』。

【眼鏡の男】「フフフ……さて、後が無くなりましたね」

これで『牡丹』の残金は『200円』……次の勝負で負けてしまえば、おしまいだ。
男はニヤニヤと笑いながらカードを回収し――――

【眼鏡の男】「さて、ところで先ほど食事中に『紅茶』をちょいと服に零してしまいましてねぇ……
        『このまま私が完勝したら『クリーニング代』も出してくれる』ってのはどうです?
        まっ、そんなことはそうそうないでしょうが、完勝したら何かご褒美でも欲しいものですからねぇ」

――――そしてやはり、要求を『押し通される』。
些細な要求ではあるが、決して断ることはできない……そういう妙な『圧力』がある。

【眼鏡の男】「さぁ、ゲームを続けましょう」

   シャッ
           シャッ
                   シャッ

男がシャッフルを行う……
……その横で、『店主』が外から帰って来た。
ついでと言わんばかりに、他のテーブルを拭いている……が、視線は不自然でない程度に『眼鏡の男』に注がれている。
『蜂』は壁に止まっている。『アゲハチョウ』は『店主』が外に出してしまったようだ。

【眼鏡の男】「最後のシャッフルになるかもしれませんし、念入りにどうぞ?」

そして男がシャッフルを終え、山札を『牡丹』に差し出した。

64牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/17(水) 20:03:23
>>63

  「『クリーニング代』ィ〜〜?」

    「……分かった。払うよ。アンタが完勝できたらね」


       シャッ
               シャッ
                       シャッ


 男から受け取ったカードを、言葉通り、念入りに切る。


     「『ところで』」


  「アタシからも一つ、聞いておきたいことがある。
   もしも『イカサマ』をやっていた時は、どうなる?」

     「そのゲームをやり直すのか、やった側の負けとするのか、
      或いは、『イカサマ』だとしてもゲームは続けるのか……」


 山札を置いて、店主に目配せをする。

65『手に汗握る』:2016/02/17(水) 23:27:00
>>64

【眼鏡の男】「『イカサマ』ァァ〜?」

『牡丹』の言葉に、男は「なにを言い出すのやら」といわんばかりの態度で答える。

【眼鏡の男】「そりゃあ『イカサマ』なんてのがバレたら『負け』でしょう。
         『決定的な証拠』ってのが割れたらね……『バレなきゃイカサマじゃない』ってぇことは、『バレたらイカサマ』なんですから」

男は濡れたおしぼりで手を拭ってから、山札をカットする。
そしてカードを『5枚』引き、一枚一枚確認するように親指でスライドし――――

【店主】「―――――――お客様」
【眼鏡の男】「っ……ど、どうしました?」

             スッ

『店主』が、その背後から声をかけた。
『眼鏡の男』は一瞬肩を震わせ、手札を隠すようにテーブルの上に置く……指で押さえつけるように。

【店主】「お客様のやり取りに口を挟むことはしないつもりでしたが――――流石に、『イカサマ賭博』は困ります」
【眼鏡の男】「なっ……」

……穏やかで丁寧な『店主』の言葉は、それだけに妙な迫力があった。
男は一瞬絶句し……誤魔化すように笑顔を作る。手をカードから離して、おしぼりで拭いながら。

【眼鏡の男】「は、ははっ、なにを言い出すかと思えば……『イカサマ賭博』ゥ? この俺が?
         いやですねぇマスター、一体何を言い出すんです? ははは……」
【店主】「しかし今、貴方の手札の中で確かにカードの絵柄がスペードに……」

【眼鏡の男】「おいおいおいおい困りますよォォォ〜〜……そんな『難癖』つけられちゃあたまりませんねぇ!
        俺の手札が? どうなったって言うんです? 見間違いじゃあないんですか?」

……男は、シラを切りとおすつもりのようだ。
もう少し、もう少しで切り崩してやれそうなのだが……

66牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/19(金) 23:07:50
>>65

「えェ――ッ そりゃあほんとうかいマスター!」

 棒読みだ。
 イカサマしていることも、そのタイミングも既に知っているので、
 そりゃあ驚きの気持ちは入らないというものだ。

 しかし、まだ足りない。
 証言は重要な証拠になる。
 ただし、人は『ウソ』をつける。『間違い』も犯す。そういうことだ。
 『言葉』だけでは、人を罰せられない。重要なのは、他の証拠。

 では、どうするべきか。

 力尽くで本人に認めさせるか。出来なくはないだろう。しかし根本的な解決じゃあない。
 論理で打ち破るか。そんな出来た頭脳はない(断言)。情けない話だが。

 では、新しい物的証拠を持ってくるのはどうだろう?
 しかし何度も確認したが、濡れている以外におかしな点はなかった。
 もう最後のゲームだというのに、今まで見つけられなかったものを、果たして見つけられるだろうか。


「教えてちょうだい、マスター」

 ……だから、証拠は『でっち上げる』!

      、、、、、、
「一体、『何のカード』が『スペードの何』に変わったんだい?
 アタシの見立てじゃあ、五枚全部変わってると思うんだけど」

 マスターから聞く間に、手早く男の手札を回収したい。
 壁に止まらせておいた『蜜蜂』をけしかけ、男が動揺した隙にカードを手元に寄せる。

「いやぁ〜〜アヤシイとは思ってたんだよねェー」
「そういうわけで、ちょっと改めさせてもらうよ」

 これは、最後の手段だった。
 残りのゲームがあるうちは、強引な手には出られなかった。
 もしイカサマが立証できなければ、自分が勝手にイチャモンをつけ、勝負を中断してご破算にしたことになる。
 当然、負い目が出来る。無条件で負けを言い渡されても仕方ない。

 しかし今なら、後顧の憂いはない。どのみちこのままでは負けるからだ。

                    、 、 、、 、 、 、
(……アタシは職人だ。無いものは『作る』ッ)

67『手に汗握る』:2016/02/20(土) 00:40:10
>>66

【眼鏡の男】「貴様ァ……!」

         ギロッ

『牡丹』の棒読みに、『ハメられた』ことに気づいたようだ。
その表情が苦々しく染まる。

【店主】「はい。『ハートの2』『ハートの3』『ハートの5』『ハートの9』『ダイヤの3』が、『スペードの10からA』に。
     つまり、『スペードのロイヤルストレートフラッシュ』に変わるのを、確かに見ました」

仕事がらの『記憶力』と『注意力』によるものか、克明に男の手札を述べて見せる『店主』。
その間に『眼鏡の男』は手札を押さえつけるように保持し――――

         ヴヴ
            ヴヴ
               ヴヴ
                  ヴヴ
                     ヴヴ
                        ッ!

【眼鏡の男】「うおっ、蠅……『蜂』かッ!?」

              シュッ

【眼鏡の男】「あっ」

咄嗟に飛んできた『ミツバチ』に気を取られ、その隙に『牡丹』は『手札』を奪い取るッ!
『牡丹』の目に飛び込んで来た『手札』は――――――

『ハートの2』
『ハートの3』
『ハートの5』
『ハートの9』
『ダイヤの3』

―――――――『変わる前』の手札――――ッ!?

        ニヤァ

【眼鏡の男】「困りますよォーッ! そういう『いちゃもん』はぁ……一体俺の手札が、なにに変わったって言うんですかぁ〜?」
【店主】「そ、そんなッ! 確かに私は貴方の手札が変わるのを……」
【眼鏡の男】「だぁから『見間違い』じゃないんですかぁ?
        大体『手札が変わる』なんて有り得ませんよぉ、『イカサマ』にしても!
        ほらお姉さんも見せてやってくださいよ、俺の『潔白』をねぇッ!」

男は勝ち誇った表情を浮かべ、『おしぼり』で手を拭っているッ!

68牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/20(土) 01:03:13
>>67


 「その前に、もう一度『確認』させておくれ」


  男と、『店主』。両方に話しかけ、確認を取る。


  これは、賭けだ。

  金銭を乗せたポーカーであるという意味以上に、もう一つ。
  自分の仕込みが、どこまで通用するかの賭け。

  あとは出たとこ勝負。
  火を点けてみなければ、花火の良し悪しが分からないように。


 「……アンタが今回引いたのは、

     『ハートの2』『ハートの3』『ハートの5』『ハートの9』『ダイヤの3』

                          ……これで、間違いないんだね?」


  男のものだった手札を扇状に広げ、

  その陰に『ウェイト・アンティル・ダーク』の指を発現。

69『手に汗握る』:2016/02/20(土) 01:39:00
>>68

【眼鏡の男】「ええそうです! 『ハートの2』『ハートの3』『ハートの5』『ハートの9』『ダイヤの3』ッ!
        それで間違いはございませんし……実際そうでしょう?」

『おしぼり』で手を拭き、男が不敵に応える。

【店主】「は、はい……最初に引いたのは、確かに」

店主も、力強く頷いた。
実際その通り、『牡丹』の手の中にはその手札が。
濡れたカードを前にして、『ウェイト・アンティル・ダーク』の指先が密かに現れる……


        ………………………………………………


       (勝ったな)

『眼鏡の男』――――『鳥羽 三光(とば・みつあき)』は、勝利を確信していた。

     (俺の『ペデストリアン・アット・ベスト』……『タネ』も『仕掛け』も『弱点』もあるが、『敗北』は無い)

        (既にこの女は俺の術中にハマっているし……『手札』は『回収済み』だ。
         なにをやったってもう『イカサマ』がバレるわけがない。『勝利は我が手の中に』ってわけだ。ふふ……)

この状況から『鳥羽がイカサマをした証拠』は出し得ない。
そう確信し、男は『おしぼり』で手を拭った。

       (さ、次は何を『押し付けて』やろうか……『もう一品』か、あるいは別のなにか……
        ……そうだ、『ネクタイ』でも買ってもらうとするかな。
        これなれさしてデカい『要求』でもない。どんな柄のものを買ってもらうとするかね……)

既に彼の中では、勝利後の算段までつけ始めている。
捕らぬ狸の皮算用、と笑うことなかれ。それだけの自信が彼にはあった。
さて、なにやら目の前の女は『悪あがき』をしているようだが、この『牙城』を崩せるものか……

70牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/20(土) 02:03:45
>>69


  「……じゃあ、こいつはどういうことだ?」


   『スペードのロイヤルストレートフラッシュ』は、既に見ている。
   その色、数字の書体、絵の柄、意匠。

   それを、『模倣』する。―――ただし、本物よりも本物らしく!


       『ハートの2』を、『スペードの10』へ!

       『ハートの3』を、『スペードのJ』へ!

       『ハートの5』を、『スペードのQ』へ!

       『ハートの9』を、『スペードのK』へ!

       『ダイヤの3』を、『スペードのA』へ!


   カードの上に、新たなカードの柄を、『蝋』に乗せて再現。
   それを、テーブルに広げる。


   「マスターの言った通りだったみたいだね……
    アンタは確かに、『ハートの2』〜『ダイヤの3』を引いたと言った。自分の口で」

     「そしてマスターは、アンタがその手札を
      『スペードのロイヤルストレートフラッシュ』に変えたと言った……
       今、この場にそれが揃っている。
        おっと、こいつはマズイね。イカサマの『証言』と『証拠』が揃ってるじゃないか」



   男が、どういう手口でカードを変えているかは分からない―――


   ので、イカサマをしていた『ことにする』。


   第三者の証言と、物的証拠。


   合わされば、冤罪だって罪になる。



             「 ア ン タ 、 『 イ カ サ マ 』 し た ね ? 」


   ……当然、男には『自分が何かを仕組んだ』ことがバレているだろう。
   では、それをどうやって証明するか? ……男の反応を待つ。

71『手に汗握る』:2016/02/20(土) 02:25:29
>>70

【眼鏡の男】「はぁ? 何を言って―――――」

       シュバババババッ

      ズ    ラ    ッ

『スペードの10』ッ!

『スペードのJ』ッ!

『スペードのQ』ッ!

『スペードのK』ッ!

『スペードのA』ッ!

        バァァァァ―――――――ンッ

【眼鏡の男】「――――にゃにィィィィィッ!?」

現れたのは、『スペードのロイヤルストレートフラッシュ』ッ!
男は『おしぼり』を取り落とし、『カード』を凝視するが……『ウェイト・アンティル・ダーク』の『職人芸』は、そうそう見破られるものではない。

【眼鏡の男】「きっ、貴様ァッ! 何をした!? どうやってこのカードを出したッ!?」

【眼鏡の男】「有り得ないッ! 『スペードのロイヤルストレートフラッシュ』は確かに『俺の手の中』に――――」


【眼鏡の男】「――――――ハッ!」


――――そして、崩された『牙城』は脆い。
取り乱した男は、『イカサマの自白』をしてしまうッ!

72牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/20(土) 02:50:54
>>71


    「………っっっ、ふぃーーーーッ」

      安堵の息を漏らす。

      この結果は手際や策謀ではなく、ただの幸運の産物だ。


  もう隠す必要はない。

      「『ウェイト・アンティル・ダーク』」

          身体に重ねる、しなやかな女性型のヴィジョン。


   「アンタ、一体何回『ロイヤルストレートフラッシュ』を作った?
    手口が絶対にバレないって自信の表れだったのかもしれないけど」

     「そいつは『手抜き』だよ、お兄さん。
      ……アタシは、『イカサマ』することについては煩く言わないさ。
       相手を騙そうとしたり、それを見破ろうとするのだって勝負の華だ」


     「だけど、『手抜き』だけは見逃せない。
      アンタ、自分の技に胡坐かいて、騙す相手を見てなかったのさ」

    「考えなかったのかい? 相手も『スタンド使い』かもしれない、って」


     ……と、説教をかましつつ、『蝋』の細工を解く。


     「勝負は終わりだね」

     「まあ、アタシもアンタの『イカサマ』を見破るために
      似たような『細工』しちまったんだが。この場合はどうなるの?」

73『手に汗握る』:2016/02/20(土) 03:16:50
>>72

【眼鏡の男】「あ……あ……」

姿を現す『ウェイト・アンティル・ダーク』。
細工を解かれた『男の手札』。
全てを理解した男が、呆けたように声を漏らし――――

【眼鏡の男】「ま……まだだぁッ!」

――――吠えるように、叫ぶ。

【眼鏡の男】「そう! 俺は『俺の手の中にそんなカードは無かった』と言おうとしたんだッ!」

【眼鏡の男】「証拠に、見ろッ!」

         バッ

【眼鏡の男】「俺の手に、『トランプ』なんてどこにもありゃしないじゃないかッ!」

捲し立てるように叫びながら、両手を突き出す。
その手は汗と水で『びしょ濡れ』だが、確かに『トランプ』は見当たらない。

【眼鏡の男】「そうだ、俺は『イカサマ』なんかしちゃいないッ!」

最後の醜い『悪あがき』――――だが、確かに、カードはどこに?
びしょ濡れの『手』。
常にその『濡れた状態』を保っていた『男』。
途中でカードを『牡丹』がひったくったとき、ひどく焦っていたこと。

――――『牡丹』は一度答えにたどり着いているはずだ。
切り捨てたその答え。
『カードを濡らすことで何かをしている』のなら、その『解除条件』は?
たった今、『カードが消えた先』は? 男は先ほど何を言いかけた?
途中、『マーキング』したカードは一体どこに消えていた?
『何をすれば、男が隠したカードを表に出すことができるのか?』
男の手は、震えながらも『牡丹』の前に突き出されている。

74牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/20(土) 13:07:35
>>73

      「往生際が、悪いッ!!!」


           パ   シ  ッ


   「ダメじゃないか……手品師が、客にタネを確かめさせちゃあ」

     『ウェイト・アンティル・ダーク』の手で、男の腕を掴む(パス精CAC)。
     力は同等でも、人間とスタンド。そうそう抜け出せまい。
     スタンドによる拘束というのはそういうものだ。


   「アンタの手を見ることが、どうして証拠になるってんだい?
    『今』アンタの手札に『トランプ』がないのなんて、分かりきっていることじゃあないか。
    そりゃアンタ、自分で『証拠を隠してました』って言ってるようなもんだよ」

      山札を手に取り、表を上にして、机の上に一列で広げる……『スプレッド』という技法だ。
      プラスチックのカードなら、さほど難しくはないと思う。
      その中に、『スペードのロイヤルストレートフラッシュ』の役となるカードを探す。
      ……それが見つからないことを期待しながら、だ。

      カードは男の体内に消えた。
      逆算的だが、『蝋』の細工によってその答えは先に分かっている。

      『濡れさせる』ことが条件なら、解除条件は『濡れさせないこと』だ。
      言葉遊びのようだが、つまり『解除条件を満たす』というよりも『発現条件を満たさない』状態。
      男の手は固定し、カードは広げた状態で維持する。
      自然乾燥で遅ければ、テーブルにおいてあるであろう紙ナプキンで拭ってやるのでもいい。

      確信はない。
      これが正解なのかというより、『これによって何が起こるのか』。
      まだ自分の中で情報がぶつ切りで、一つに繋がらない。
      しかし、この男の隠したものを暴くには、現状ではこの解法が一番だと信じている。

75『手に汗握る』:2016/02/21(日) 03:04:56
>>74

           パ   シ  ッ

【眼鏡の男】「ヒッ」

淀みなく、男の手を掴む『ウェイト・アンティル・ダーク』。
必死に引きはがそうとするが、肉体の構造上、座っている体勢の人間は全力を発揮できない。
当然抑え込む力の方が強くなるのは自明の理であり、男が抜け出すことなどできようはずもない。
ダラダラと大量の汗を流しながら、男が無駄な抵抗を続けている。

     ズ ラ ァ ッ

その間に、トランプを広げる『牡丹』。
読み通り――――『スペードのロイヤルストレートフラッシュ』を構成するカードは、そこには無い。
ならばどこに?

『牡丹』は紙ナプキンを手に取り、カードに付着した水を丁寧に拭い取った。
―――――――何も変化はない。

続いて、『眼鏡の男』の手を紙ナプキンで――――

【眼鏡の男】「やっ、やめろォ! 離せッ! こんなッ! クソッ! やめろォッ!!」


――――――――『拭う』。


       ポロッ
           ポロポロッ

【眼鏡の男】「あ、ああっ……!」

途端に、男の手から『トランプ』が滑り落ちる。
男の掌から、『浸み出す』ように。
あるいは『水分』を失った男の掌から逃げ出すように、五枚のカード――――『スペードのロイヤルストレートフラッシュ』が。


【眼鏡の男】「――――かっ……ァッ……ッゥッ……」

            フラ…

極度の『緊張』によるものか。
それとも、汗をかきすぎて『脱水症状』でも起こしたか。
男が、糸が切れた人形のようにフラリとバランスを崩す――――――

76牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2016/02/21(日) 19:01:15
>>75


  「うわっ! ……とっとっと」
   「こりゃまた、スゴイ隠し方を……」


    ポロポロ零れてくる『トランプ』に驚きながらも、ソレを回収する。
    傍から見たら本当に「そういう手品」のようだ。


    「……もう一度言うよ、『勝負は終わり』」

      カロン


  『ウェイト・アンティル・ダーク』で、男の肩を支えつつ。
  自分のコップにまだ水が残っているなら、それを男に手渡す。


    「……コイツを果たして『勝利』と言っていいのか分からない。
      けどアンタの言ったとおり『プライド』をかけた勝負だったからこそ、
       本気でどうしたら打開できるのかを考えた……
        『運』だけのギャンブルじゃ、きっと味わえないタイプの『本気』だった」


          「だから、『楽しかった』よ」


   イカサマも含めて、と付け足して、マスターの元へ。
   手荷物と、自分の分だけの伝票を持って。

   自信を持って『勝利』といえる結末ではない。
   しかし、相手のイカサマは打ち破った。
   それでもなお『敗北』を主張するなら、相手の面目を潰すことになる。


   だから、言い方は『勝負は終わり』。


       「マスター、迷惑かけてゴメンねェ!
        お店には、今度またゆっくり来るから……」


   きっかり『1000円』を払い、店を後にする。

77『手に汗握る』:2016/02/22(月) 01:24:03

     ハシッ

【眼鏡の男】「……」

男が『ウェイト・アンティル・ダーク』に支えられる。
水は……受け取ったが、飲む気力が残っていないようだ。
焦点の合っていない目で、『牡丹』を見る。

【眼鏡の男】「………………」

【眼鏡の男】「……は、ははっ……」

【眼鏡の男】「『負けました』よ……完全にね……」

肩の上の『燕』が、静かに姿を消した。
去りゆく『牡丹』に、『店主』が一礼する。


【店主】「いえ――――――またの、お越しを」


          カラン
             カラン

78『手に汗握る』:2016/02/22(月) 01:28:27

青白い燕の象徴ヴィジョン。
『圧力』を加えることで、『濡れているもの』に別のものを『浸み込ませる』能力。
『財布』は壁に押し付けることで姿を消し、『コップ』も板で押し潰せば跡形もなく消え去る、『イカサマ』の能力。

どちらがどちらに『浸み込む』かは物体の体積によって決まり、常に『体積が大きい方』に『体積が小さい方』が『浸み込む』。
ただし、体積が同じ場合はどちらを『浸み込ませる』か本体が選択できる。
『浸み込んだ』物体は完全に姿を消し、外からは判別不能。受け入れた物体の機能を阻害することも無い。
受け入れた物体に圧力を加えることで、『浸み込んだ』ものの委譲も可能。
本体は自分自身に『浸み込んだ』物体に限り、その物体がどういうものであるのか把握できる。

能力発動の条件は二つ。
ひとつ。本体によって『圧力』を加える事。
ふたつ。『受け入れる』側の物体の表面が『濡れている』こと。
『浸み込んでいる』ものの表面が乾ききってしまった場合、能力は解除される。
なお、『浸み込ませる』物体は本体が片手で持ち上げられる程度の物に限る。

『ペデストリアン・アット・ベスト』
破壊力:なし スピード:なし 射程距離:A
持続力:水分が乾くまで! 精密動作性:なし 成長性:B

ところで、精神的に敗北を喫した人間の心は『冷や汗だらだらで泣きを見た』状態と言える。
そんな『しみったれた心』にちょいと『圧力』を加えてやることで、無茶な要求を相手に『押し込む』こともできる。
その場合でも、『大きすぎる要求』は『押し込む』ことはできない。

79『手に汗握る』:2016/02/22(月) 01:34:32

――――後日、『牡丹』の家に『茶封筒』が投函されていた。
中には金と、『スペードのロイヤルストレートフラッシュ』と、『勝者に』とサインペンで書かれた『ジョーカー』が。


牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』⇒『勝利!』『10万円GET』

『眼鏡の男』――鳥羽三光『ペデストリアン・アット・ベスト』⇒『精神的敗北』『再起可能』

80『きらきら星を追え!』:2016/06/06(月) 23:22:35



 星が輝いているのは、いつか誰もがみんな自分の星を見つけられるようにするためなんじゃないかな。


 ――――フランス作家 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ の言葉より

81『きらきら星を追え!』:2016/06/06(月) 23:51:53

 その日、貴方……『小石川文子』は、昼下がりに一つの小さな飲食店にいた。
本日は土曜であり学生らしき人や休憩時間を利用してる勤務者らしき人達も
チラホラ見受けられる。その時、ふと声がした。

 「うぅん、コレについては私も余り把握してないんですよ。ある程度
情報通の人を頼るほうが良いんでは?」

 「そう言われたのは、これで五回目ですよ。いい加減たらい回しにされるのは
御免ですっ! もう良いです! あとは自分でこの件に関しては調査しますんでっ」

 余り穏やか、とは言えない声で話してたのは。クールビズな風体で顔をハンケチで
拭いつつ少々困った顔をした30半ばの男性と、そしてプリプリと明らかに機嫌悪く
むっつりとした様子で、テーブルを使い幾つかの束の書類らしきものをトントンと
縦に整える、いかにもライターと言った感じの眼鏡をかけた二十代半ばの女性だった。
 他に目を引くと言えば、拳大の布で出来た袋が通路側にテーブルに置かれてたぐらい。

 其の二人の内、男性は居心地悪そうにして軽い謝罪後にすぐ店を出る。

女性はと言うと、入れ替わりに現れたウェイトレスの出したコーヒーを飲みつつ
イライラとした様子でボールペン片手に周囲に構わず貴方にも聞こえる程の声量で
独り言を呟いていた。

 「まったく……上も上だわ。黄金町、不思議発掘! 幻とも言われる
金平糖の生産地を探れ、だなんて。なーにが不思議よ!
 んなもんで読者が釣られるわけないってのに」

 苛々は女性のピークに達してるのか、少し荒々しくテーブルに置いてた袋を取って
封を開く。すると、彼女の感情に比例した故か勢いよく

 パァンッ!

 「あーもうっ さい あくっ!」

 ……『金平糖』が宙へと四方八方に投げ出された。その散らばった幾つかの内は
貴方のほうまでコロコロと転がり、そして貴方の足元で 止まった。
 貴方と彼女を導こうと『引力』が生じたように。

散らばる金平糖を手探りで拾うその彼女は、貴方のほうへと目線を向けた。

 (『外見』『所持品』『能力』などの提示とレスの開始をお願いします。
また、これは進行上で仮に許可して頂けるのならば、と言う前提の上での話ですが。
 そちらのPCの設定における『最愛の故人』の設定を、こちら側で使用する事が
もし問題なければ、その人物の簡潔な特徴を追記で記して頂ければ、と思います。
 無論、その設定をミッションで使用する事に対し反感ある場合、通常通りの
参加者が楽しめる意向に沿ったミッションを考えての進行させて頂きます。)

82小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/08(水) 01:05:59
>>81
その日の午後少し前に、心の中に朧気な『自殺欲求』が芽生えるのを感じた私は、それを抑えるために街へと足を運んだ。
自分にとっての『精神安定剤』――『自傷行為』に頼らなければならない程でもなかったが、一度芽吹いてしまった以上は、それが大きくならない内に摘み取っておく必要があった。
死に別れた『彼』に会えるという甘い囁きで自分を招こうとする『死の世界』とは真逆の、『彼』との約束を守ることができる『生の世界』に身を置いていることで、心に生じた小さな『欲求』は自然と抑制されることになるだろう。
幸いにも、この店に入って軽い食事を取り、食後に運ばれてきたハーブティーを飲み終える頃には、胸の内にあった背徳的かつ魅力的な『欲求』は、ほぼ鳴りを潜めていた。
空になったティーカップをソーサーの上に置くと、そっと目を閉じて、人知れず胸を撫で下ろす。
男女の話し声が聞こえてきたのは、そんな時だっただろうか。

          ――『金平糖』……。そう、この町の名産品だったかしら……。その取材をしている方のようね……。

星見町名物の『金平糖』は、自分も何度か口にしたことがある。
初めて見た時は、その種類の豊富さに驚かされたものだ。
それらは、単に色を変えただけのバリエーションの水増しなどではなく、味の再現度も見事なものだったと記憶している。
つい最近食べた『イナゴの佃煮味』などは、色合いや味は勿論のこと、あの独特のシャリシャリとした歯ごたえのある食感までも鮮明に伝わってくるようで、思わず懐かしい『母の味』が脳裏に浮かんだ程だった。

しかし――その生産地が幻とされているというのは初耳だった。
それが本当だとすれば、確かに不思議なことだろう。
普通なら、そういった情報は公開されていて当たり前だ。
まして、それが町の名産品であるなら、なおさら積極的にアピールする方が自然だろう。
おそらくは雑誌記者らしき女性に話を聞かれていた所を見ると、今しがた退出していった男性は、少なくとも『金平糖』と何らかの繋がりを持つ人物である可能性が高いと思えるのだが……。
しかも、話を聞くのは既に五人目だという。
もしかすると意図的に隠しているのだろうか?そうだとしたら何のために?
今まで特に気に留めることもなかったが、こうして改めて考えてみれば、単なる名菓に見える『星見町名物・金平糖』は、謎と神秘のベールに包まれた未知の存在と言えるのかもしれない……。

                 コロロロロ……
                              「――あら……」

                                               スッ

頬に片手をやり、しばしぼんやりと考えを巡らせていると、ふと足下に『金平糖』が転がってくる。
それを見下ろし、顔を上げた所で、女性と目が合った。
状況を察して静かに席を立つと、膝を折って身を屈め、手の平に置いたハンカチの上に、それらを拾い集めていく。
それが済んだら、女性の下へ歩み寄り、拾い集めた『金平糖』を、ハンカチの上に乗せた状態で差し出す。

「――はい、どうぞ……。これで全部かしら?見落としていないといいのだけど……」

優しくも憂いを含んだ微笑みを浮かべながら、穏やかな口調で語りかける。

83小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/08(水) 01:35:43
『外見』
洋装の喪服姿。黒いつば広の帽子。
細身の体型。身長はすらりと高い。
穏やかで人当たりはいいが憂いを帯びた顔つき。
長い黒髪をヘアゴムでうなじの部分でまとめたアップヘア。
両手の薬指に同じデザインの指輪。

『所持品』
財布。携帯電話。化粧品。
コンパクトミラー。ハンカチ。
自傷用の果物ナイフ。自傷した際の止血用ガーゼとテープ不要の包帯。

『スタンド』
己の部位を『切り離す』事で、それを遠隔操作できるナイフ。
解除時に切り離されたままの部位は崩れ、切断面から元通り『生え代わる』。

『スーサイド・ライフ』
破壊力:C スピード:B 射程距離:D(2m)
持続力:C 精密動作性:B 成長性:C

『部位』
破壊力:D スピード:C 射程距離:B(10m)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:―
 【能力詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463235536/19】

『追記:最愛の故人について』
名前は『治生(はるお)』。
年齢は少し年上で三十歳ほど。身長は約180cm程度。髪の色は黒で長さは程々。
全体的な雰囲気を一言で言うと『人が良さそう』。
文系理系体育会系で分類するなら文系に当たる。
先天的な奇形の多指症であり、右手の指が『六本』あった。

84『きらきら星を追え!』:2016/06/08(水) 09:02:48
>>82-83(提示有難う御座います)

「あっ…! ど、どうもっすみません。私ってば機嫌悪くなると
つい手元が雑になって」

 顔を赤らめ恥ずかし気に笑う女性は、丁寧に貴方へとお礼を告げ
そして席に戻ろうと背筋を戻す。

 だが、ふとジャーナリストとしての直感か。この、ささやかな金平糖が
齎した縁に何かを思ったのか。座席へと向けてた踝(くびす)の向きを
貴方へと戻し、そして真顔でこう告げた。

 「ねぇ…少し、良ければお時間を頂いても宜しいかしら?」

 ……  ……。

彼女……名刺と共に自己紹介をした『興味 有菜(こしみ ありな)』。
黄金町の一つの出版社に勤める自称敏腕ライターと軽く自分の身を
告げた彼女は、貴方の自己紹介も聞き終えると幾つかの先ほど散らばった内の
テーブルへと落ちずに生き残った金平糖達を指で摘まみつつ話し始めた。

 「黄金町の名産品と言えば、スターフルーツ、干しぶどうって言うのは地元の
人間なら誰しもが知ってるし、場所もある程度そらで言えると思うわ。
 そして、三つめがコレ ね。正式名称って特筆して明記されてないけど
よく聞くのは……星の数ほど金平糖、とか。星屑金平糖とか、そんなところね。
 まぁ名前は今は置いといていいわ! 
私や、他のこの町に住む人達なら一度は口にしてるコレだけど……よくよく考えて見て?
 フルーツやら、まぁ一般のスナックの味を模すのなら、ちょっとはコストもかかるでしょうけど
まだ普通よね。けど、よ……」

 そこで有菜はヒョイっと。白い透き通った金平糖を口に放り込み。ガリ ガリと咀嚼音を
小さく響かせた後に、ふーっと少し長めに息を吐いて続きを話始めた。

 「……今食べたのとか『アフリカキリマンジャロの5万年前の雪どけ水』味だったんだけど。
――有り得ないと思わない?
 食べた瞬間に、鮮明に食べた元である物体の情景や食感まで感じ起こさせる。
けど不思議な事に違和感もなく自然と、あぁ成る程、確かにこの味だとしっくり来る。
勿論、この金平糖一つだけじゃなく、全て、一個一個が一流の職人レベルの味で合成されてる。
こんなの『人間業ではない』わね。ほぼ間違いなく何か秘密が隠れてると見るべきよ!
 けどね……。
金平糖委託の運送会社から小売業者やら色々と当たって調べて見たんだけど。
 金平糖の製作に関してちーーっとも把握してないって言うだらしない結果でねぇ……。
もう、こうなると直接作ってる場所に突撃するべきだと思うんだけど。電話しても
『申し訳ありませんが、当社では金平糖の製作に関しては社長から秘匿厳守を
命じられており、何も申す事は出来ません』……って言うのよっっ!」

 カンッ! と段々と話すに内につれ苦い体験の回想によるヒートで
コーヒーカップの底面が強くテーブルを叩いた。

 我に返り有菜はバツの悪そうな顔で小休止に一回カップに口をつけると。
意を決した様子で貴方へと頼み込んできた。

 「ねぇ、小石川さん……宜しければ私と一緒に工場へと直接赴いて
手伝いをして貰ってもいいかしら!?
 本当っっお願い!! いま社内で、この件に関して手伝ってくれる人手の余裕ないし
何より私見たいな、もろ新聞社からネタを仕入れにきましたーって感じの恰好と雰囲気の
女が一人で乗り込んでも門前払いで終わっちゃうだけよー!
 一人より二人のほうが絶対に心強いし、ほんのちょっと工場にいる人の注意を惹いたら
あとは私が全部調査一任するから!! 礼金も弾むし、この通りっ!」

 パンッと両手を軽く叩き合掌して、そのままの状態で上体だけ頭を下げる
彼女は少し軽い感じが見受けられるものの、貴方に対し心から頼んでる。

85小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/08(水) 23:06:17
>>84
                         ――やっぱり……彼女も私と同じなのね……。

熱っぽく語られる有菜の話は、極めて説得力があるものだった。
なぜなら、件の金平糖を食べた時、自分も彼女の言う不思議な感覚を覚えていたからだ。
さっき思い出した『イナゴの佃煮味』をはじめ、『ざざ虫の素揚げ味』や『蜂の子の蒸し焼き味』などを食べた時も、
幼少期に味わっていた実物と変わらないリアルな食感と、郷里にも似た自然あふれる日本の原風景が、まるでフラッシュバックのような鮮明さで頭に浮かんできた。
今まで見過ごしてきたが、この一見なんの変哲もない金平糖は、どこかしら特別な力が加わっているような雰囲気を感じさせる。
そして、やはり金平糖の製作に関わる情報は、意図的に遮断されているようだ。
それも、電話での対応の仕方を見ると、蟻の入る隙間もないくらい徹底的に秘密主義を貫いているらしい。
偽物や類似品の出現を防ぐために製法が外部に漏れないようにする――それ自体は、よくある話だし、もっともな理由だ。
だが、『金平糖側』の頑なな態度は、一般的な範疇を少しばかり越えているように思える。
そこまで神経を尖らせている背後には、単に製法の流出を防ぐということ以外に、もっと大きな秘密が隠されているのかもしれない……。

                   「――そう……。あなたのお話は良く分かったわ。興味さん……」

ほんの少し前に知り合ったばかりの彼女が頭を下げてくるのを見て、軽く目を伏せる。
思い直してみれば、随分と急な話だ。
十分な謝礼を出すと言われても、大抵の人が承知するのを躊躇う提案だろう。
仮に、これを断ったとしても非難されるいわれはない。
しかし――。

       「――もしかしたら……これも何かの縁かもしれないわね……。一緒に行きましょう。私でよければ……」

伏せていた目線を上げて、正面に座る有菜の姿を見据え、この頼み事を承諾する意思を告げた。
最愛の人間を事故で失い、心に深い傷を負ってからというもの、その大小に関わらず、他人が抱えている問題や悩みにも、それまで以上に共感を覚えるようになったと思う。
そして今、目の前に困っている人がいて、真剣に助力を求めているのだ。
第三者からすれば大げさな見方かもしれないが、それが自分にできることならば、迷うことなく手を差し伸べたい。
それは自分にとって、意識せずとも呼吸をしているのと同じように、ごく自然な心の成り行きだった。

86『きらきら星を追え!』:2016/06/09(木) 00:00:34
>>85
>一緒に行きましょう。私でよければ
パァァ―…!
「ありがとーう! 正直、断られても仕方がないと思ったけれど。嬉しいわー!
 そうと決まれば善は急げよ!」
グッ! パチンッ
 「さっそく行きましょう!」
立ち上がり、片手をグッと握りウインクする興味は。つむじ風のように
会計を手早く貴方の分まで済ませて駐車していた車へと乗りこみ
貴方と共に工場へと向かう。忙しないと思えるが、その熱意と迅速な
行動と決断力が彼女なりの魅力なのかも知れない。
 「アポはしてないけれど、まぁ電話で拒否られてるからね。
直接乗り込んで強引にでも中を見させて貰うわ。
ジャーナリスト魂を舐めるなよ! ってね!!」
 そう鼻息荒く、ハンドルを切る彼女は運転中ずっと気炎を昇らせていた。


……昼下がりとなり、貴方たち二人は『H湖』近くにある一つの煙突が昇る
平均的な学舎の体育館程度の大きさある工場へと車は着いた。

「ホームページに記載してるのが正しいのなら、此処が工場地の筈よ。
星屑金平糖の魅力の一つは、天然の自然水である澄み切ったH湖の水を
利用して氷砂糖と組み合わせ生成してます……って説明書きが載ってたけど
それだけで何万種類もある味の表現の秘密の答えには、なっちゃいないものねぇ」

 話しつつ興味は車から降りる。そして鉄柵のついた入口へと彼女は近づく。
「いよいよね……今更だけど緊張してきたわ」
 金平糖工場の入口の柵には錠やチェーンなどで縛られてもせず。力を押せば
どうやら簡単に開きそうである。

「どうする、子石川さん? 私が先に入っていこうかしら」

 無理に手伝いを頼んだ遠慮もあってか、興味は無理に貴方を中に一緒に
連れていく方策を除いた上で、そう告げた。

87小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/09(木) 22:22:31
>>86
――私の想像とは……少し違ったようね……。

被っている帽子のつばを片手で少し持ち上げて、意外にも簡単に入ることができそうな鉄柵を見つめ、
うっすらと目を細めて考えを巡らせる。
頑丈な南京錠で施錠された上に、太いチェーンがグルグルと何重にも巻かれ、
屈強な警備員が昼夜問わず目を光らせている。
有菜の話からは、そんな光景をイメージしていたのだ。
そして――ここで一つの疑問が浮かぶ。
相手は徹底した秘匿厳守を方針にしている会社だ。
それなのに、部外者が簡単に敷地内に入れるようになっているのは、いささか妙だ。
果たして、このまま素直に足を踏み入れてもいいものか……。
少しでも不安な要素があるからには、あらかじめ探りを入れておき、
それを取り除いておく必要がある。
自らの考えをまとめると、一人で行くことを提案する有菜に向き直り、それに答える。

  「いえ……。私が先に調べてみるわ。ただし――中には入らずに……ね……。
  そうね……ここで少し待っていてもらえないかしら?車の中に『道具』を置いてきてしまったものだから……」

そう告げて、いったん車の傍らに戻ると、その陰になるように立つ。

     スラァァァァァ―――z____

そして、利き手である左手を軽く握ることで、
『自殺衝動』を持つ自身の精神を象徴する『スーサイド・ライフ』を発現させる。
その刃に視線を落とすと、使い慣れて手に馴染んだ万年筆で『ペン回し』をするかのように、
鮮やかな手つきで回転させ、普段通りのコンディションであることを確認する。

     スパァァァンッ!
             
軽いウォーミングアップが済んだら、まずは『左耳』を根本から一気に削ぎ落とす。

     ザグゥッ! 
            スゥゥゥゥゥ―――z____ッ
                                スパッ

続いて『左目』を抉るように切除し、外科手術のような精密さで摘出する。
わざわざ車の横に移動したのは、いくら出血がないとはいえ少々グロテスクな場面になる『自傷』を、
有菜の前で見せて驚かせてしまうのを控えたためだ。
さらに、帽子を左側に傾けて目深に被り直すことで『左目』と『左耳』を切除した痕跡を隠し、
念のために左の瞼は常に閉じておく。
そして、切り離して自分の側に浮遊させておいた『左耳』と『左目』を右手の中に隠し持ち、
また有菜の下へ戻る。
左手には抜き身の『スーサイド・ライフ』があるが、彼女が一般人ならば見えないだろうし、
スタンド使いだとしたら説明すれば理解してくれるだろうから、特に問題はないだろう。

  「――待っていてくれてありがとう……。『道具』を取ってきたから、今から少し様子を確認してみるわ。
……少し離れていてもらえるかしら?」

一声かけて、彼女に少し下がるように頼む。
離れていれば、仮に『左耳』と『左目』が見えても、それが実物だとは思わないだろう。
有菜が離れたのを確認したら、鉄柵には触れずに、
その隙間から『左耳』と『左目』を低空で浮遊させて送り込む。
こうして切り離されていても、それらの感覚は通常通りに自分に伝わる。
いわば『盗聴機』と『監視カメラ』だ。
最初の5mは浮遊して進ませ、残りの5mは地面に下ろして更に進ませ続け、
射程限界の10mまで到達させたい。
その位置から、『左耳』と『左目』をぐるりと回転させ、周囲の様子を探らせる。
何が見えるのか、あるいは何が聞こえるのか。
もし人の気配がしたなら、そのことを有菜に知らせると共に、
『左耳』と『左目』を目立たない位置に退避させて隠したい。

88『きらきら星を追え!』:2016/06/10(金) 22:12:15
>>87(レス遅れ失礼しました)

「『道具』? あらっ、用意いいのねー小石川さんっ。
うん、どうぞどうぞー。私もちょっと軽くメイク直しするから」

 貴方の言葉に、興味は快諾しつつ、命じられる必要なく明後日の方向
を向いて携帯してたバッグから軽く目元を整え始めた。
 上記の行動も特に周囲を気にする必要もなく無事に『左目』と『左耳』の
切除、そして手元へと隠す。

 「よし、こんなもので良いかな……あれ? 帽子の向き変えたの?
個人的には私、さっきの角度のほうが見た目も映えると思うけどー」

あっけらかんと、貴方を見ても特にリアクションない興味。金平糖の件を
話していた時にも、『奇妙』な金平糖の味に対し『スタンド』を連想するような
言い方もなかった故に、やはり彼女は正真正銘の一般人のようだ。

「うん、離れればいいのね? ……それにしても普通の工場と何ら
変わんないわよねぇー。此処、本当に特別な金平糖を生成してるのかしら……」

 そう、ぼやきながら興味は遠巻きに工場の外観を見上げる。
貴方は気取られる事なく鉄柵の下から耳と目を低空飛行させ滑り込んだ。

 

 『耳』と『目』がグルリと一回転する。

そこから見えた光景は工場と、そして其れを取り巻く茂み。
 右目のほうからも見える工場と連結してるのだろう電柱と電線。
貴方の立つ場所からでも視認出来たが、工場とは約『50m』程の距離があり
その入口近くには三台ほど輸送で使用するのだろうトラックが近くに駐車しており。
 いまは作業中なのか入口の所で作業してるのだろう作業着を着た人影が
まばらながら遠目でも観測する事が出来た。ここまでは何処にでもある
仕事場の風景、と言った所だ。

 そして『此処』から貴方は『奇妙』なものを目撃する。


         ――シュッ

   ―タンッ

                       ―シュッ


 もし、普通に立ったままの状態で工場を見てるだけなら気づかなかったかも知れない。

低空で浮遊をしていた『左耳』と『左目』。
 それは何か小さな虫のようなものが跳ねたり、そしてすばしっこく駆ける音を捉える。
貴方がもし耳だけを浮遊していただけなら、H湖と言う自然の巣窟の近くでもあり
何か小さなバッタなり何かが通ったのだろうと思うだけで終えたかも知れない。
 だが……。


        ――ヨシ タイリョウダ


 その『左目』と『左耳』は……。

 どう見ても、目を凝らしても虫や、小動物の類ではない。
小さく、小さくも 確かに

ブーツのような靴

逆三角形の魔女帽子

サンタクロースのような背丈半分ほどの白い袋。

 それらを纏う、本当に小さな……   『小人』。


そんな『二体』の人影が一つの茂みへと、一言呟いて一瞬にして走り去っていくのを
貴方は目撃した。

89小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/10(金) 23:37:46
>>88
質問です。

工場を取り巻く茂みの大きさは?
人間が身を隠せる程の大きさがあるでしょうか?

また、現在地から手近な茂みまでの大体の距離は?
そして、その茂みから入り口までの距離は、およそどのくらいでしょうか?

入り口近くにいる作業員の人数は?
こちらが鉄柵を開けて敷地内に入ったとして、それを見られそうな様子はあるでしょうか?

90『きらきら星を追え!』:2016/06/10(金) 23:54:20
>>89

>工場を取り巻く茂みの大きさは?
大人の膝丈がが隠れる程度。子供が屈んでも少しはみでる程度の大きさ。

>現在地から手近な茂みまでの大体の距離は?
約『5m』 入口までの距離も同等

>入り口近くにいる作業員の人数は?
 約2〜3人程度。
昼下がりで稼働としては忙しい時間帯とも思える。こちらから意図的に
とても大きなアクションを起こさない限り鉄柵の出入り口まで気にしないと思われる。

91小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/11(土) 00:04:12
>>90
トラックの近くに作業員はいるでしょうか?
あるいは、今はいなくても来そうな気配はあるでしょうか?

92『きらきら星を追え!』:2016/06/11(土) 00:12:16
>>91

>トラックの近くに作業員はいるでしょうか?
いない。周囲にも人影は見られず直ぐにエンジンも切られてる状態のようなので
直ぐに戻ってきて出すと言う感じにも見えなさそうだ。

93小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/11(土) 11:02:22
>>88
  「――『あれ』は……?」

一瞬にして現れ、瞬く間に走り去った『小人』を目撃した瞬間、思わず声が出てしまった。
新手の『スタンド』――奇妙な『小人』の存在から、その可能性が頭を掠める。
自分の『スーサイド・ライフ』は人型ではないが、『スタンド』という超自然的能力を持つ者ならば、
誰もが真っ先に思い至る直感的な発想だ。
工場側に属する存在なのか、もしくは自分達と同じ外部の者なのか――
その正体や目的は気にかかるが、今は放っておくしかない。
今から追いかけるのは無理だろうし、そもそも自分達は工場の調査に来ているのだ。
『小人』の存在を記憶に留めつつ、再び工場に視線を移し、本来の目的に意識を戻す。
用心して鉄柵の外から探ってみたものの、この場所からでは距離があり過ぎて、
大した情報は得られそうにない。
やはり、目の前にある鉄柵を開けて、工場の敷地内に踏み込む他なさそうだ。
しかし、いくら人の数がまばらだといっても、いきなり入口から堂々と中に入っていくのは無謀だろう。
工場を取り巻く茂みは、大人が姿を隠せる程の大きさはない。
あと利用できそうなものは入口付近に駐車されているトラックぐらいだろうか。
一通りの思案を終えると、有菜に言葉をかける。

  「入口の前に止まっている三台のトラック……。ひとまず、そこまで行ってみましょう。
   私の『道具』は10mくらい先の様子を見たり聞いたりできるわ。
   もっと近付けば、工場の中の様子も分かると思うから……。
   そうね……。入口に一番近いトラックの陰にしておきましょう……」

有菜に声をかけたら、彼女と共に敷地内に入り、移動を開始する。
念のために二手に分かれた方がいいかもしれないとも思ったが、そこまで警戒する必要もなさそうだ。
作業員達の視界から逃れるため、入口の正面に立つことを避け、回り込むようにして目的地まで移動したい。
待機させておいた『目』と『耳』は自分達の後ろからついてこさせる。
一応、それらが有菜の目には触れないようにしておこう。
無事にトラックの陰にたどり着けたら、小さな声で有菜に呼びかけて、調査を再開する旨を伝える。

  「――じゃあ、もっと詳しく様子を調べてみるわ……」

後ろから追ってきた『目』と『耳』を、トラックの下を経由して、
入口から中へ送り込み、先程と同じ要領で射程限界まで移動させる。
ただし、数は少ないとはいえ入口付近には人がいるし、中にも何人いるか分からない。
『目』と『耳』が彼らに見つからないように、時折物陰に潜ませるようにしながら、
できるだけ注意して進ませたい。
それができたら、『目』と『耳』を再び一回転させて、周囲を調査する。
内部の構造や配置されている物、人の数や位置、機械の音や話し声。
それらを把握することに集中する。

94『きらきら星を追え!』:2016/06/11(土) 21:08:46
>>93

ギィ ィ……。

鉄柵は如何にも年代的な軋みを醸し出しながら開く。
 決して小さい音とは言えなかったものの工場入口のほうで色々
動いてる作業員らしき幾人かの人影がこちらに気づいてアクションする様子はない。

「潜入捜査ねっ。大丈夫っ、心得てるわ」

 興味も貴方の背後につくようにして、ある程度足音を殺し慎重に二人は
トラックの陰に身を潜める事に成功した。


 以下、『耳』と『目』の情報

参考画像→ttp://www.sasakiseika.co.jp/fs/sasakiseika/conpeito

工場内部で、まず忍び込ませた『目』が捉えたのは、工場入口を前から見て
左側の奥にある大きな銅鑼(どら)だった。幾つかのザラメを攪拌する専用の
窯が数十は置かれており、そして糖蜜をかける器具なども付随して設置してる。
入り口側には金平糖作りの核でもあるザラメが積まれており。作業員の5〜6名は
そのザラメの入った袋を取り出す作業をしている。
 廃棄、と書かれた。恐らくは形や品質がそぐわない金平糖を捨てる為であろう
焼却炉も見えた。工場の煙突の煙の正体は十中八九これだろう。
右手にはトタンで仕切られた、機械を入れてるのか何かしら収納ペースのある仕切りのある
部屋らしきものがあったが、閉まっており其れ以上の事は解らない。
 機械の稼働音はなく、また金平糖を作る様子も見えない。
本日はどうやら既に仕上がったが休みのようだ……。
作業員も、包装を解いてる人達以外には貴方の目と耳からは
これ以外の誰かがいるようには思えなかった。数人は談笑しつつ仕事をしてる。
 『最近子供が一緒に風呂に入るのを嫌がってねぇ』
 『ははっ。うちの子も反抗期ですよ』
そんな感じの世間話だ……今の所、貴方の耳と目に気づく様子も全くなく
特筆して異常は見えなかった。

95小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/11(土) 23:16:36
>>94
右手にある部屋らしいものというのは、そこまで行ったとしたら、中を覗いたり入ることはできそうでしょうか?
入口にカギなどがかかっている様子はあるでしょうか?

96『きらきら星を追え!』:2016/06/11(土) 23:23:34
>>95
 描写としてはトタンで構成された小型の車が入れる程度の大きさの
部屋らしきものの中心にアルミ戸が存在してる。
 ドアノブの中心に鍵穴があるタイプのようで、恐らく施錠されてると思われる。

97小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/11(土) 23:46:29
>>96
廃棄と書かれた袋は口が縛ってあったりするでしょうか?
その中身を見ることは可能そうでしょうか?

98小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/11(土) 23:58:08
>>97
廃棄と書かれているのは焼却炉ですね。
申し訳ありません、見間違いでした。

というわけで>>97は粉微塵になって消えました。

99小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/12(日) 00:04:42
>>96
焼却炉は現在も使用中でしょうか?
また、廃棄の金平糖は残っていないでしょうか?
その周囲にでも、何粒か落ちていたりしないでしょうか?

100『きらきら星を追え!』:2016/06/12(日) 00:17:13
>>99
 現在は工場から上がる煙も徐々に細くなり、どうやら使用を終えた様子。
焼却炉近くに廃棄用の金平糖を入れる箱がある。その周囲に幾つかの
欠けた金平糖が『左目』で視認出来る為、ある程度は入ってるものと見受けられる。

101小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/12(日) 00:33:36
>>100
現在地(トラックの陰)から廃棄用の箱までの距離はどれくらいでしょう?

102『きらきら星を追え!』:2016/06/12(日) 10:04:31
>>101
 約『30m』程

103小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/13(月) 22:26:58
>>94

――『普通』……。そう、『普通』ね……。

眼前に広がる何の変哲もない『普通』の光景――これが他の工場ならば、それで何も問題はない。
しかし、ここで製造されている金平糖は、普通とは言えない代物なのだ。
『普通の工場』で『普通ではない商品』が出来上がるというのは、やはり矛盾しているように思える。
そこで、考え方を変えてみることにした。
『あの金平糖は、本当にこの工場で製造されたものなのだろうか?』と。
馬鹿げた発想かもしれないが、会社のホームページに記載してあるからといって、
それだけでここが製造地だと断言する根拠になるとは限らない。
もしかすると、それさえもカモフラージュの一つであるという可能性も否定できなくはない。
仮に、ここで製造されている金平糖が普通の金平糖だとしたら、とりあえず矛盾はなくなる。
『普通の工場』で『普通の金平糖』が製造されているというのは当たり前だからだ。
その場合、では『例の金平糖』はどこで製造されているのかという謎は残るが、
ひとまずこの仮説を確かめてみたい。
それを確かめる方法は簡単だ。
ここで製造されている金平糖を食べてみればいい。
幸い、廃棄用の金平糖が入っているらしい箱が、送り込んだ『目』を通して見える。
多少見た目が悪かったり、品質が劣っていたりしても、
原材料や製造方法が同じである以上、それは根本的には同じもののはずだ。
もし、それを入手することができれば、疑問を一つ解消することができるだろう。

「興味さん……。私が確認した限り、工場の中は『ごく普通』で、変わった所はなかったわ。
ただ……廃棄用の金平糖が置かれているようなのだけど……。
  それを調べてみれば、『あの金平糖』が本当にここで作られたものかどうかが分かると思うの……。
  それで……一つ考えがあるのだけど……」

そこで、自分が見聞きしてきた内容を有菜に伝えると共に、自分の案を彼女に提示したい。
まず、自分が天文台への道を聞きに立ち寄ったという体裁で、工場に踏み込む。
そして、合図をしたら、その後で有菜に出てきてもらい、取材の申し込みをして欲しいというものだ。
いきなり道を聞きに来れば怪しまれるかもしれないが、
そのすぐ後でマスコミ関係の人間である有菜が出てくれば、相対的にこちらへの注意は薄れるだろう。
民間人の自分と、ライターである有菜を、すぐに結びつけて考える可能性も低いはずだ。
そのチャンスに行動を起こし、廃棄されるであろう金平糖を少しだけ頂きたい……。

  「――そうね……。私が『この辺りの土地には不慣れなもので……』と言ったら、
   出てきてもらいたいのだけど……。そして工場の方達をできるだけ引き留めておいていただけると、
   とても助かるわ……。それから――もしも取材させてもらえることになったら、
   右側にある部屋のことを聞いておいていただけないかしら……?」

こちらの案は、これで終わりだ。
もし、有菜に他の提案や意見があるなら、それを聞いておこう。
なければ、行動に移る準備をしておく。
まず、持ち物の中から、ハンカチと化粧品の口紅を取り出して、
バッグのすぐ取り出せる場所に入れ替えておく。
そして、右手の薬指にしている指輪をそっと外し、バッグの中のポケットに大事にしまう。
続いて、有菜からは見えないようにして、何気ない動作で『右手』を手首から切り落とす。
そのまま体から離さずに、浮遊させた状態を保つことで、
切断した部分が袖の部分で隠れて分からないようにしたい。

104『きらきら星を追え!』:2016/06/14(火) 09:57:47
>>103

思考に耽る貴方。確かに、あの特殊な金平糖が普通の工場で作られてるものなのか?
もしかすれば、ホームページ自体も全て偽装してるものであり。真実の工場は別に
あるのではないか。そう思えてくる。
 だが貴方は二つの事実も思い出してくるだろう。
興味が告げた事が全てが真実である前提であるならば、わざわざコストの掛からない
天然の自然水であるH湖より余程離れた場所に、その特殊な金平糖を作る工場を隠す。
 となると天然水を輸送するなりの方法は必須となり、もし今までそのような隠された
ルートを使っていたのならば誰かが既にその秘密の工場を知る確率が高いであろう事。
 確かにホームページの内容全てが嘘でH湖以外での何処かしらの水源なり何なりを
利用して別の工場で金平糖を作ってる可能性もあるだろう。だが、興味曰く
ジャーナリストとしての勘と、全てが虚偽でまみれた企業と言うのは必ずしも尻尾が出て
暴露されるものだが。真実と嘘を織り交ぜたものと言うのは長々と悟られぬもの、と言う具合だ。

 そして貴方は上記の作戦を決行する。

「あんれまぁ、どうしたんだい。お嬢さん?」

「天文台? そりゃあんた此処とは逆方向になるよ。ちょっと××くん
この娘の為に地図、車から持ってきてや」

突如工場に来訪した貴方に、ザラメを開封していた中年程の業者達は
少々吃驚しつつも、道を迷ったと言う小石川の為に快く応じてくれた。

 少しして貴方は頃合いと感じるタイミングが訪れ。そしてキーワードである
『この辺りの土地には不慣れなもので……』と告げる。

 シュバッ!

「どーも、良いお日柄で! ××社の記者である興味 有菜と言います。
実は今日は、連絡も寄越さず申し訳ありませんが、この工場の取材をと!」

 勢いよく躍り出て取材を強請る興味へ、業者達は鳩が豆鉄砲を食らった顔を
暫し浮かべてから、苦虫を噛んだ顔へと変わる。

 「いや、わざわざ遠い所からお越し頂いてすまんけどね。
この工場は取材は断ってて」

 「そこを何とか! 安心して下さい。写真の掲載せず文面だけのインタビュー
だけで良いんですっ」

 「そうは言ってもねぇ……」

ワイワイと興味のほうへと周囲の関心は集まる。貴方に対しての注意は
完全に消え失せていた。

 既に貴方の『右手』は廃棄される金平糖が入った箱の射程圏内だ……。

105小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/14(火) 23:07:59
>>104

  ――予想はしていたけれど……。取材させていただくことは、やはり無理のようね……。

有菜と作業員達のやりとりをちらりと一瞥する。
取材させてもらえるかどうかという点に関しては、どうにも期待できそうにないが、
あの分ならこちらに注意が向くことはないだろう。
行動を起こすのは今だ。
まず、『目』を先行させて、箱の中身を確認する。
そして、あらかじめ『右手』に持たせたハンカチを風呂敷のようにして金平糖を包み、それを『右手』に持たせる。
もし、ハンカチを持たせていなければ、直接『右手』で一掴みほど握って失敬したい。
そして、作業員達の目がこちらに向いていないのなら、
『右手』を体で隠すようにして、彼らの見えない所で自分の下まで戻す。
その際に、金平糖入りのハンカチまたは金平糖は、手早くバッグの中にしまってしまう。
もし、一人でもこちらを見ているようなら、『右手』は目立たない物陰にでも潜ませておき、
『右手』のない右腕はバッグの陰になるように隠しておく。

  ――これで、ひとまずは終えたわ。後は……。

一連の作業を済んだら、有菜と作業員達の様子を確認しておく。
まだ彼らのやりとりが続くようなら、自分自身の目と切り離した『目』の両方を使って、
時間の許す限り改めて工場内を見渡しておこう。
既に工場内に入っているのだから、少なくとも外から見ていた時よりは、詳しいことが分かるはずだ。
念のため、銅鑼や糖密をかける器具の内側も見ておきたい。
できるだけ本体自身は動かず、切り離してある『目』を通して、それらを確認する。
もし射程外にあるのなら、射程内に入るように、少し近付くことで調整する。
そして、射程内かつ作業員達に見られるおそれがないなら、
『右手』を閉じられた部屋の前まで移動させ、ドアノブをひねってみる。
その際は、できるだけ音がしないように注意する。
もし射程外なら、物珍しそうに近付くといった感じで歩み寄り、射程内に収めてから行いたい。
やはり鍵がかかっているようなら、とりあえずは諦めよう。
すぐ分かるような所に鍵が置いてあるとも思えないし、誰かが持っている可能性もあるが……。
一応、どこかに鍵らしきものが見当たらないかどうかも確認しておく。
有菜は粘ってくれているが、彼女の時間稼ぎにも限度がある。
以上の行動は可能な限り素早く行いたい。
それも終わったら、右手を袖口まで戻してくっつけ直す。
あとは、作業員達にお礼を言って退出するだけだが、その前に、
用意しておいた口紅をこっそり工場の床の上を転がして、銅鑼などの物陰に隠れるようにしておく。
落とし物をしたという理由で、再び訪問するきっかけになる。
万一の時の保険だ。

  「――お仕事中に突然お邪魔してご迷惑をおかけしました……。
   ご親切にありがとうございます。お陰様で大変助かりました……」

指を伸ばした両手を体の前で揃え、深々と頭を下げて、感謝の言葉を述べる。
そして、一足先に工場の外へ出ていく。
その内、有菜も出てくるだろう。
ふと――視線が一つの茂みへ向いた。
気になることといえば、もう一つある。
工場に入る前に見た『小人』の存在だ。
少なくとも工場と無関係ではないだろう。
あの『小人』の向かった先に、工場の秘密を知る手がかりがあるのかもしれない。
茂みを見つめながら、漠然とした思いが頭をよぎるのを感じた。

106『きらきら星を追え!』:2016/06/15(水) 18:04:39
>>105

 「だから! ほんの少しでいいんですって! 秘訣と言うか核心に
迫る部分で良いんですから!!」

 「それ、もう全部言ってくれ言うてるのと同じでしょう……。はぁ
私らも、そんな別に特別な事してる気はないんですがね。
 しいて言うなら金平糖を輸送した後に別ん所で味付けでも
やってるんでしょう。それ位しか私らは言う事ありませんよ」

 話をはぐらかしてるのか、もしくは本当に彼らは特別な生成を
知らないのか、真顔で興味に対し応対している。

 興味の話術の冴えのお陰か、貴方は『目』で確認した通り、不揃いで
見た目も余り宜しくないだろうと思える金平糖を幾つかハンカチで失敬する。
 貴方の行いに業者達が気づいた様子は全く見受けられなかった。
 
 そして普通の目で確認した限りでは、銅鑼や糖蜜の器具類には特に
不審な部分は見つける事はなかった。貴方がこう言う器具類の知識が浅いと
言う部分を除いても、この器具が特別に金平糖を作る上で不思議な味付けを
可能に出来るとは思えなかった……。

 以下『目』の情報。

 捕捉に少しなってしまうが、この金平糖工場は当たり前ながら大量の
発注を想定する上で大きな銅鑼が幾つも並列に置かれている。

 隙間なく並べられたその銅鑼の下の空間と言えば、到底『人間では』
入る事も不可能と思え。後ろ側を人力で覗こうとしようとするなら
歩いて少し時間をかけて窓から入りこんで覗くのが一番早いだろうと言える具合。

 だが、貴方の『スーサイド・ライフ』はそんな面倒な行動を起こすまでもなく
一部分を分離させ、その人体の機能を損なわず移動させられる能力ならば
その裏側を確認させる事など容易な事であった。 そして『目』は移動する。

 ス スス……。


    〜〜♪    ガリガリ ガリガリ♬


 ――居た。

 銅鑼を斜めに固定させる台。その台にちょっとだけ出っ張った恐らく
錆なのだろう部分を椅子のようにしながら、座り。
 金平糖なのだろう。綺麗な色合いをした半分割れた形の金平糖を
その小さな体と手では両手で持つのがしっくり来るようで、そう言った風に
金平糖を持ってガリガリといった感じで咀嚼して、ほっぺが落ちそうといった
表情でご機嫌そうに、足をぶらぶらさせて食べる  ……『小人』。

 それを、見つけた。

(※小人を見つけた時点で、何らかのアクションを行いたいならレスはこの部分で
止まらせ次の行動レスを行うのも良し。もしノーリアクションで工場を出たければ
それでも良い。会話の内容から工場の業者達も、そろそろ仕事を終えて帰宅する
であろう事が伺えそう。小人は食事をゆっくり楽しんでる様子なので工場から
出ても、ある程度は暫く目で確認した場所に居そうだと見受けられる)

107小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/16(木) 20:12:16
>>106

  「――ふぅ……」

作業員達からは情報を誤魔化しているような雰囲気は感じられない。
どうやら彼らは本当に何も知らないようだ。
興味と作業員達のやりとりを見て、そう判断してもいいと思った。
それでも、この工場で例の金平糖が作られていることは確かなようだ。
だが、やはり不思議な金平糖が出来上がるような場所とは思えない。
あるいは、他の場所で別の処置をしているのではないかという作業員の言葉が当たっているのかもしれない。
そうだとすれば、この場所にはもう有力な手がかりはないことになる。
あとは金平糖を輸送するトラックの行き先を突き止めることくらいだろうか。
しかし、それも既に終わっているようなので、少なくとも今日中に確認するのは無理そうだ。
とりあえず廃棄品を入手するという当初の目的は達した。
ざっと工場内を見渡したら、一足先に退出することにしよう。
そう思っていた時だった。

  「……あら……?」

『目』の操作中に意外なものを見つけて思わず声が漏れる。
おそらくは――いや、間違いなく工場に入る前に見た『小人』と同質の存在だろう。
そして、この場所にいるということは、この工場と繋がりを持っているという説が濃厚になる。
さらに言えば、例の不思議な金平糖に、彼が何らかの形で関わっているとすれば、
この件の大半に納得がいく。
『普通の工場』で『普通ではない金平糖』は作れない。
しかし、そこに『普通でないもの』――つまり『小人』がいて、意図的かどうかは別として、
製造された金平糖に何かをしているとしたら、『普通ではない金平糖』になったとしてもおかしくはないからだ。
いずれにせよ、この『小人』からは、何かしら手がかりを得られることが期待できる。
もしかすると、それは核心に近いものかもしれない。
先程は工場の調査を優先したために見逃したが、これには当たってみるべきだろう。
問題はアプローチの方法だ。
工場に入る前に見た動きからすると、『小人』は見た目のイメージ通りのすばしっこさを持っている。
下手に刺激すると、話を聞く前に逃げられてしまう可能性もある。

  ――『口』を切り離して会話を……。いえ……。それよりは……。

おもむろに携帯電話を取り出し、メール画面を開いたのち、以下の文章を打ち込む。

  『はじめまして。お食事中に失礼します。
   あなたの前にいる手と目と耳は、あなたの後ろにいる私の一部です。
   私は、ある方に頼まれて、この工場を調べるために来ています。
   よろしければ、この場所の外で、少しお話をさせていただけないでしょうか?』

そして、切り離した『右手』に携帯を持たせ、銅鑼の下を通して『小人』の下へ送り込む。
彼の話に、文字通り耳を傾けるため、『耳』も同じように送っておく。
これで上手くいけばいいが……。
『小人』の前に携帯の画面を見せて、『筆談』による対話を試みる。

108『きらきら星を追え!』:2016/06/16(木) 21:16:24
>>107(進行速度は気にしてませんので、お気になさらず)


 貴方は携帯を『右手』に持たせると、『耳』と共に銅鑼の隙間へと送り込み
浮遊し続ける目と同じ位置へと送り込んだ。

 
 ガリガリ♬ …? キョトン    ビクッΣ


 携帯から発される光もあってか、金平糖を咀嚼していた『小人』は
不思議そうに顔を上げて貴方の送り込んだ手達のほうへと顔を向け
 そして体全体を一瞬震わせ、まだ食べてた金平糖を落として凝視する。

ワタワタ! ワタワタ! ピョンッ……。

そして我に返ったとばかりに、座ってた錆部分から飛び降り。決してその
サイズでは低いとは言えない高さの地面に何事もなく着地すると、柱の陰に
急いで隠れ、恐々と顔だけ伺う。
 数秒だけ、貴方の手が掲げる携帯の画面を見つめ。そしてソロソロと小人は
全体像を再度柱の陰から出した。

 『小人』は絵本に出てくるような茶色っぽいブーツ。そして緑っぽい服を纏い
ナイトキャップを着ている。正しく外見は妖精だった。
 顔は普通の人間と大差なくも、つぶらな目と口元は男でなく年少の女の子
らしいと見受けられた。そして耳元は妖精らしく尖ってる。

 その『小人』はまじまじと貴方の手や傍に控えてる耳にも視線を向け。
少ししてから、澄んだ鈴のような音が混じったような声が唇から出た。

 『アナタ  ゴースト?』

そう、貴方の一部分である肉体を指さしつつ呟く。

『私 ゴーストって、工場にいる あの人以外いないと思ってた。
けど 他にもいるのね。
 お話し?
お話しは 大好きよ。でも お兄ちゃん達が帰ってくるまで
ここで待て って言ってるの。
 ちょっとの間だけなら、大丈夫かも知れないけど。けど ちょっとだけ だよ?
お兄ちゃん 怒ると ガウーって とっても怖い顔を するわ』

 そう、小人の少女は貴方へと鈴のように声を鳴らし告げてきた。
どうやら彼女以外にも仲間がいるらしい。

 そして、小石川の通常の視界の中でも。そろそろ業者達が車に
乗り込み帰り支度を行い始めてる。
 帰る時は閂だけかけてくれなぁと、貴方と興味へ告げる。

興味は、まだ取材しようと粘っているが。あとちょっとで、諦めて
貴方に対し自分達も帰ろうと誘うだろう。

109小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/17(金) 21:14:05
>>108

  ――『ゴースト』……?

   【Ghost(ゴースト)】
  1.亡霊、怨霊、妖怪
  2.影、幻、面影
  3.少々、極小、微塵

この場合、『目』の前にいる『妖精』が発した『ゴースト』という言葉は、『1番』を意味していると考えられる。
普通の人間(彼女は人間ではないが)が、
切り離された『目』や『耳』や『手』だけが宙に浮いているという奇怪な光景を見て、
それを『ゴースト』と表現したとしても何ら不思議なことではないだろう。
なにはともあれ、話は通じたようだ。
まずはそのことに対して胸を撫で下ろした。
そして、人知れず思考を進める。
工場にいるらしい『あの人』というのも気になるが、それは後回しにしておこう。
そして、彼女の言う『お兄ちゃん達』というのは、
おそらく工場に入る前に見た二体の『小人』のことではないだろうか。
はっきりした証拠はないが、同じ場所に同じような『小人』がいたという状況から考えると、
その考えが一番妥当に思える。
じきに帰ってくるらしい彼らも、この『妖精』の彼女と同じように、こちらの話を聞いてくれればいいのだが……。
ひとまずは『妖精』の彼女から話を聞いてみよう。
送り込んだ『手』を操作して、携帯の画面に新たな文章を打ち込んでいく。

  『ありがとう。では、ここでお話しましょう。私のせいで、あなたが叱られてしまっては悪いから。
   もし教えてもらえるなら、少しあなたのことを聞かせてちょうだい。
   あなたはどなた?いつからここにいるの?ここで何をしているの?』

出来上がった文章を『妖精』に見せて、彼女の答えを待つ。
そして、視界の片隅で、作業員達が帰宅の準備を始めている様子が見えた。

  「――はい、承知しました……。
   本日は、お仕事中に突然お邪魔してしまったにも関わらず、ご親切にしていただいて、
   どうもありがとうございました。どうかお気をつけてお帰りになって下さい……」

彼らの方を向いて、改めてお礼を言い、深々と頭を下げる。
あの様子からすると、もはや彼らは完全に無関係だろう。
最初から、何も知らされていなかったのだろうと思う。
そうなると、彼らから話を聞いたとしても、それらしい情報は何も出なかったということだろうか。
しかし、それに諦めずに食い下がる有菜の熱意には、どこか圧倒されるものを感じずにはいられなかった。
さすがは記者といったところだろうか。
そのエネルギッシュな性格の彼女とは対照的に、
自分はいつも心のどこかで死を意識している人間だということもあり、
情熱にあふれる有菜の姿が余計と際立って見える気がした。
しかし、当の作業員達が全員引き上げてしまっては、さすがにお手上げだろう。
もし、有菜が自分達も帰ろうと声をかけてきたら、少し待ってもらうように頼むつもりだ。
もしかすると、この工場の謎が解けるかもしれないと言えば、彼女も納得してくれるだろうと思う。

110『きらきら星を追え!』:2016/06/17(金) 23:59:11
>>109

 ブロロロォ…。

トラックへと乗り込み帰っていく業者達。
溜息と肩を落とし、興味は仕方がないかと、貴方の予期する通り
帰還の意を告げ。そして其の言葉に対し予め考えていた回答をする。

 「うん、もう少しここで調べるの?
……私から強引に誘ったのに。小石川さんってば義理堅いのね。
ありがとう! 私も犯罪にならない程度に、ここの周囲をちょっと見てくるわ!
 もしかしすれば何か発見もあるかもだし!」

好意的に有菜は解釈して、笑顔で有菜は工場周囲を散策するべく離れる。
多少の時間は戻ってこないと考えて良い。


…………。

「わたし?
わたし 『ロポポ』
 いつから?
今日はおにーちゃん達と一緒に、お昼を食べた後に、お外に出てきたの。
本当はお外のここまで出るのはいけないって言われてるけど。おにーちゃんと
ヨポロが、今日咲く花の蜜を獲りに行くから付いてきたけど
外まで出るのは危ないから、ここでちょっと待っててって言われてるから」

 そう小人は、少し舌っ足らずな声ながらも要約するとこのような事を話し終えた。

その小さな少女の小人が話し終えた、丁度その頃合いだった。

 『ロボポ!』

それは、貴方が工場入口で視認した二人の小人。
 その少女の小人よりも数ミリは少し長身に見える、少女とほぼ同じ格好を
した二人の男の子らしき小人。その二人は驚いた表情と共に銅鑼の陰から
颯爽と現れ。そして少女の小人が貴方の浮遊する手達と一緒にいるのを
見たのと同時に持ってた白い袋を投げ出し爪楊枝のようなものを片手に
構え、残像が見えるスピード(スB)で少女の小人を庇うように立った。

 『ロポポ! 危ないから下がってるんだ!』

 「っ! おにーちゃん、ヨポロ。大丈夫だよ……このゴースト
危ないものじゃないよ……」

 『わかるもんかっ! や、やいっ。ロポポに何かする気なら
おいらが相手になるぞ!』

 そう、兄である小人は貴方の手達を威嚇する……。

111小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/18(土) 22:54:00
>>110

  ――『ロポポ』……『お兄ちゃん』……『外に出てきた』『ヨポロ』……『花の蜜』……。

少女の話した内容を頭の中で反芻する。
それらは、いくつかの示唆を与えるものではあったが、まだ核心に至るものではない。
この一件の全貌を知るためには、彼女の仲間達から話を聞く必要があるようだ。
そう考えていた矢先に、二人の『小人』が飛び出してきた。
見るのは二度目だが、改めて見ても素早い動きだ。
自分が『スーサイド・ライフ』を振るう速度と同じくらいのスピードだろうか?
彼女の言う『お兄ちゃん達』というのは、やはり彼らのことだったらしい。
会話の内容から考えると、どうやら『ロポポ』は真ん中に当たるのではないかと思った。
そして、『ロポポ』の言葉からある程度は想像していたが、二人の『小人』は警戒心を露わにしているようだ。
今のままでは、話を聞くどころではない。
まずは、彼らの警戒を解いておくべきだと考える。
携帯を握る『手』を操作して、新たな内容を打ち込む。

  『驚かせてしまってごめんなさい。私は、この工場を調べるために来た者です。
   あなた達に何かをするつもりはありません。
   できるなら、向こうの方で少しお話を聞かせてもらえませんか?どうか、お願いします』

携帯の画面を見せて、『小人』達の反応をうかがう。
それと共に、切り離した『パーツ』を、彼らから遠ざかるようにして、徐々に移動させていく。
本体のいる場所に誘導するためだ。
切り離した『パーツ』を通して話すよりも、直接顔を合わせている方が、話もスムーズに進むだろう。
いずれにしても、この狭い場所では、少々話もしづらい。
もう少し広い工場内中央付近で話をしたい。
そこまで考えて、左手の中にある『スーサイド・ライフ』に気付いた。
なにしろ形が形だけに、それが彼らの警戒心を煽ってしまう恐れがある。
彼らが来る前に左手は背中側に回して見えなくしておく。
彼らが警戒して来てくれないようなら、『パーツ』を途中で静止させて、来てくれるまで待つことにする。
彼らがやって来てくれたのを確認したら、まず切り離した『パーツ』を再接合する。
そののちに、『スーサイド・ライフ』を解除しておこう。

  「――自己紹介が遅れてしまったわね……。私は小石川文子。どうぞ、よろしく……」

もし、彼らがこちらの申し出に応じてくれたら、笑顔でそう言うつもりだ。
そして、その笑顔は、内面の葛藤を完全には隠し切ることのできない、陰のある微笑みとなっているだろう。
果たして、彼らは応じてくれるだろうか……。

112『きらきら星を追え!』:2016/06/19(日) 00:10:16
>>111

貴方が携帯を打ち込む挙動に、兄である小人のほうは威嚇した様子ながらも
恐々と様子を伺い、妹のほうは涙目で兄の衣服の端を引っ張り、その友人は
武器らしきものを構えつつ目を細めて貴方の動きを注意深く見つめる。

そして携帯の画面を見せると、兄のほうは武器を下げて呟く。

「……本当に何もする気はないのか?」

「んー……『ラポポ』、とりあえず言う通り、いや文字通り付いても
良いだろうさ。何もゴーストは小人をとって食うような奴じゃないだろう。
現にロポポも怪我一つなかったんだし」

「うん! ロポポ、何も怖い事されてないよ。お話ししようって言われただけ」

「……んー」

 友達の小人と妹の小人に促され、兄の小人は酷く悩んだ様子を見せる。

だが、十秒程の後。まだ眉はハの字ながらも上下に顔は頷いて呟いた。

「わかったよ。けど、ロポポにもヨポロにも何もしないでくれよ」

 貴方は彼らの返事を聞き、そして手を背中に隠して待つ。

数秒して、肉眼で右手が戻ってきた通路から。残像が残るような速さと
共に小さな影が飛び出てきた。

 『うん、ゴーストは何処に?』

 『! み、見るんだラポポ、ロポポ!!』

 小石川文子。そう貴方たちを見下ろし名乗る人間である貴方。

そして、ゴーストと思い対応していた小人達。かくして貴方が
ゴーストでなく人間である事を、名乗った事からしても時間をかけて気づき……。


 『巨人! ゴーストは巨人だったのか!?』

そう、目を皿のようにして驚く小人達は次の瞬間……。


 『なーんだ! 巨人なら恐がる必要ないなっっ!!』


――そう、一転して驚きから安堵の表情で三人で顔を見合わせ
笑顔になった。

 これは果たして小人と言う種族故の楽観的な発想なのか。
もしくは、彼ら小人が巨人(人間)を友好的なものと見ているのか……。

それは、これから交友しない限り解らない。

113小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/19(日) 20:19:48
>>112

  ――どうやら分かってもらえたようね……。

三人の小人達の反応から、そう判断し、同時に安堵した。
現状で分かっていることは、彼らの名前と関係性だ。
てっきり三人兄弟なのかと思っていたが、彼らのやりとりを見ていて、実際は二人と一人らしいと直感した。
そして、彼らは人間である自分――彼らの言うところの巨人を警戒していない。
しかし、先程の『パーツ』――あるいは『ゴースト』だろうか?――に対しては、明らかに強い警戒心を示していた。
このことから、彼らは単に楽観的な性格であるというよりは、
人間を味方あるいはそれに近いものと見なしているらしいことが推測できる。
もしそうだとすれば、その根拠は何なのだろうか?
この工場が、彼らにとって何らかの利益となるものを与えているからというのが、真っ先に思い浮かぶ理由だ。
そう考えるなら、工場側が彼らに利益を与える代わりに、不思議な金平糖が出来上がるような何かを、
彼らから得ているのではないかという仮説も成り立つのだが……。

  「出てきてくれてありがとう。そうね……いくつか聞かせていただきたいことがあるのだけど構わないかしら?
   さっきも少しロポポに聞いたのだけど……この工場には、よく来ているの?
   この辺りで何をしているの?なぜ、ここに来ているの?」

どこかに座れるような場所があるだろうか。
あれば、そこに腰掛ける。
なければ、三人の少し前でしゃがみ、できるだけ目線を合わせよう。
そういえば、廃棄品の金平糖を忘れていた。
一粒だけ摘み出して食べてみる。
今となっては、あまり意味があるとも思えないが、一応確認しておこう。

  「――ところで……ロポポ。さっき言っていた『ゴースト』というのは誰なの……?
   その人は、ここにいるのかしら……」

この『ゴースト』に関しては、工場にいるらしいということ以外、まだ何も分かっていない。
それは何者なのだろうか?
ロポポの話しぶりからして、少なくとも悪意ある存在ではなさそうだが……。
その『ゴースト』も、この一件に関わっているのだろうか?
これも確かめておく必要があるだろう。
しかし、『妖精』や『ゴースト』が関係しているとすれば、
仮に真相を知ったとしても記事にはできないだろうと考えると、有菜が気の毒にも思った。

114『きらきら星を追え!』:2016/06/21(火) 20:08:05
>>113(レス遅くなりました)

>この工場には、よく来ているの?この辺りで何をしているの?なぜ、ここに来ているの?

その言葉に、笑い合い安堵していた小人の三人は貴方へと向き直り顔を向けた。

「こっちの工場かい? まぁ偶に来るよ。毎日同じ金平糖ばかりより
スパイスやら何も『込めてない』モノのほうも食べたくなるしな」

そう、兄である『ラポポ』が一番最初の質問に腕を頭の上で組んで告げ。

「あぁ、開花したばかりの花蜜さ。『込める』材料にもなるし、何よりそのまま
舐めてもイケる。小人にとってのセンセーショナルな食べ物さ。
 他に必要なものは特になかったから今日はそれだけ。まぁ時々
仕事で他の人達が来る事もあると思うよ」

と、兄の友人『ヨポロ』が耳を弄りつつ返す。

最後の言葉に妹の『ロポポ』は。生来から引っ込み思案と言うか
大多数の仲間がいると緊張する気性なのだろう。おずおずと答えた。

「えっとね、えっとね。何処でも良かったけど。今日は『込め日』じゃなくて
お休みなの。だからね、此処に来る人たちいないから、私達だけでこっそり来たの。
 普段は、こっちなんかに来るような真似なんてしないの! 家のほうでちゃんと
大人になってお仕事する為の勉強しなさい! ……ってお母さんが言うから」

「な! 本当に喧しいよなっ、母ちゃんってば」

「ラポポのお母さんは真面目だもんなぁ〜」

 そう妹の言葉に賛同しで口々に色々と喋り出す小人達だ。その後も
何やら早口で呟くも。三人で一斉に言い合う為に小石川には正確には聞き取れない。
だが、至極私事的な内容で自分の得になる内容とは思えなかった。

 >『ゴースト』というのは誰なの……?

 その質問に対し、和気藹々と喋る小人達の口が一斉に噤んだ。

怖がってる、と言う顔でもない。しいて言うなら雑談してる時に急に話題で
大嫌いな先生の話題が出た、と言う表情のようにも見えたし。ロポポの顔は
どう言えば良いのかと言う、複雑な顔つきで両の手を頬に添えていた。

「えっとね、うーんとね。『ゴースト』はね、ゴーストだよ。
あのね、巨人さん見たいにね。手も飛ばせるし目も飛ばせるよ。お顔も
足も離れさせる事出来るんじゃないかな……?」

 「ふんっ! 『ゴースト』が頭やら手足やら飛ばせるから何だってんだ!
おいらは、あいつの事をベトベトキャラメルと同じぐらい好かないね!
 いっつも、目元も口元も。あいつは石で出来た見たいに動かさない!
きっと、『ゴースト』は毎日石を食ってるんだぜ! だから、あんなに固まった顔なんだ!」

「ラポポ! そんな酷い言い方ないだろっ。確かに。『ゴースト』を舐めたらきっと
一週間、日向に置き忘れたレモンパイ見たいな味はすると思うけどさっ。
 うん? 『ゴースト』が此処にいるかって?
『ゴースト』は、こっちへ来る事はないよ。少なくとも、『こっち側』に行くのを僕たちは見た事ないな。
 いっつも、みんなの事を見下ろして。見飽きたら別の所に通り透けて行く。
お喋りするのは好きじゃなさそうだし、まるで澄ました薔薇見たいに何時も偉ぶってる感じなんだ!
 きっと、多分薔薇紅茶の風呂を浴びて、薔薇を齧って心もバラバラになってるのさっ。きっとね!」

 ワイワイと小人達は好き勝手に『ゴースト』についての各感想を言い合う。
それは控えめにも良い印象では無さそうだった。

115『きらきら星を追え!』:2016/06/21(火) 20:26:03
>>113

 貴方は取り出した金平糖を一口齧った。

 味の評価は……『微妙』の、一言だった。

具体的なイメージも思い浮かばない、舌で砂糖と染色されていたハッカだか
何かの、何処にでも置いてありそうな市販の金平糖と同じ味が微かに口に残る。
 物凄く不味い、とも感じなければ、途轍もない美味しさ。とも言えない
どう考えても『奇妙』な金平糖と言えないのは確かである。

「うん? それ『込めてない』モノね。どんな、お味? 
私も良かったら食べたい」

 「ロポポ、もう十分食べたろ? そんなに一杯食べたら
帰って母さんの料理、食べれなくなるぞ!
 料理を残すぐらいガリガリ食べてたら。まん丸になって
ゴーストがお前の事を一口でガリガリって齧るぞ!」

「っ! そ、そんなに食べないもん!
 それにゴーストは私なんて食べないもん! お兄ちゃんの馬鹿ばか!」

 貴方が金平糖を齧るのを見て。兄妹は喧嘩を始めた……。
ヨポロは肩を竦めて首を振って見守っている。

116小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/22(水) 21:09:55
>>115

  ――『小人と靴屋』……。グリム童話にそんなお話があったわね……。
     この場合は『妖精と金平糖』……かしら……。

『込めてない』、『込める』、『込め日』――彼らの話の中で特に強く印象に残ったのは、それらの言葉だった。
やはり小人達が金平糖に何かをしており、それによって不思議な金平糖に仕上がっていることは間違いない。
彼らの話を総合すると、『込めていない』普通の金平糖に、
『花の蜜か花の蜜を材料にした何か』を『込める』と、不思議な金平糖が出来上がるようなのだが……。
そして、こうして会って話をすることはできたものの、まだ彼らの正体も明らかになっているわけではない。
ファンタジーやメルヘンではないのだから、いくら外見が小人や妖精に近いからといって、
本当におとぎ話の住人だとは思えない。
もし、そんなものが存在したとすれば、その背後にはスタンドの力が働いているはずだ。
仮に彼らがスタンドだとすれば、今まで本体らしい人間を全く見ていないということは、
かなり射程距離が長いタイプなのだろう。
さらに、これまでの彼らの言動を観察していると、本体が操作しているようにも見えないことから、
独立した意志を持っていると考えられる。
あるいは、彼らの言う『家』に本体がいて、この一件の中核を担っているのだろうか?
それも気になるが、今は不思議な金平糖の出来上がる過程について知ることに集中しておこう。
彼らがスタンドだとして、その本体を知るのは後回しだ。
『右手』を切り離した際に外していた指輪をバッグから取り出し、それを再びはめ直しながら思索を巡らせる。

  「――そうね……もう少し聞いてもいい?『込める』というのは、どういう風にしているの?
   『込め日』というのは誰が決めているの?他にはどんな場所に行っているの?
   あなた達が『込めている』のは、お仕事……だからかしら?
        それから……あなた達のおうちはどこにあるの?」

質問した後に、金平糖を食べてみる。
やはりというか、思った通り普通の金平糖だ。
少なくとも例の不思議な金平糖と同じ製品とは思えない。
ロポポが言うには『込めていない』ものらしい。
不思議な金平糖の方は『込めている』ものなのだろう。
一体どんなことをすれば、こうまで違ったものになるのかが、それが不思議だ。

  「そう……その『ゴースト』というのは、私と同じような姿をしているのね?
   『ゴースト』が『こちら側』へ来ないというのは……どういう意味なのかしら?
   さっきロポポから『ゴースト』は工場にいると聞いたのだけど……。
   『こちら側』というのは工場という意味ではないの?
   その『ゴースト』は、色んな場所に出てくるの?
   たとえば……あなた達と同じ場所にいることが多いのかしら?」

彼らの話を聞く限り、『ゴースト』というのは何もしない無害な存在らしいが、
小人達からは好かれていないらしい。
しかし、この『ゴースト』が小人達と繋がりを持っている可能性も捨て切れない。
つまり、『ゴースト』が小人達の本体なのではないかという仮説だ。
本体が既に死んでいるというのは、それを見たことがない自分にとって、あくまで想像の範囲でしかない。
しかし、可能性はあるかもしれない。
これが間違いでも、消去方によって候補を絞っていけば、いずれは正しい答えに行き着くだろう。

117『きらきら星を追え!』:2016/06/22(水) 23:15:57
>>116

貴方は思考する。この『小人』達がスタンドであるとするならば
想定する通り、自動操縦型、それでいて群体であると言う。極めて
特殊且つ、異常に自由が利いている能力となるだろう。

 貴方は右手の指輪を嵌めなおし、再び彼らへと質問する……。

然し、だ。ここで貴方にとっては今まで思い思いの個人的感想
交じりとは言え素直に質問に答えてくれた妖精達であったが。
 兄妹であるラポポとロポポは先程の金平糖を巡っての太ってるか
太ってないかの口喧嘩がヒートし、妹は涙目で兄へ言い返し。
兄のほうも兄のほうで意地を張って幼稚な悪口を返してた。
 とどのつまり、貴方の質問を聞く余裕を兄妹は持ち合わせていなかった。

 それを溜息と共に、彼らの良き友人であるらしき『ヨポロ』は尖った耳を
弄りつつ見つつ。そして貴方に向き直って面倒そうな表情と口振りで告げた。

 「うーん……そんなに一杯言われても正直、困るけどさ」


             


    「――実際に 僕らと一緒に来て見に行こうよ? その方がずっと早いしさ」



   ……ゴゴゴゴゴ

 静けさが保つ工場の空気が 微かに貴方には。今この時 そのヨポロの
言葉で自分が今。大事な局面に置かれてる事が周りの空気が変わったと
感じると共に理解出来る筈。

 彼らの言葉に応じれば、貴方はきっと 『未知の世界』に誘われるだろう。

ただし、もし断るとしても彼らはきっと失望する事も怒る事もない。貴方の
言葉に理解を示し、元の場所に戻るだけだろう。

 ここは、きっと分かれ道だ。

118小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/23(木) 20:27:01
>>117

  「――あら……。ごめんなさい。なんだか質問責めにしてしまったようね……」

そのことに気付き、頭を下げて三人に――今は一人しか聞いていないかもしれないが――謝罪する。
今回の件に関わってから、知らず知らずの内に、有菜の熱意に感化されていたのかもしれない。
しかし、幸いなことに、ヨポロが最良であろう案を提示してくれた。
彼らと行動を共にして、いかにして彼らが不思議な金平糖を作り上げているのかという過程を、
自らの目で確認する。
そうすれば、おそらく全ての真相を知ることができるだろう。
まさしく最良であり、これ以上の提案はない。

     ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ・・・・・・

その時――この場の空気が僅かながら変化したのが、確かに感じられた。
この感覚は、今までとは違う『奇妙な世界の入り口』が、目の前に開いていることを予感させるものだ。
そして、この誘いに応じることは、本当の意味での日常から非日常への変化となるだろう。

     スッ

  ――『治生』さん……。

無意識の内に、両手の薬指にはまった指輪を見下ろしていた。
これを手にしたのが、まるで昨日のことのように思える。
実際そんなに時間は立っていないのだが、そう考えると、遠い昔のようにも思えるのが不思議だった。
右手に六本の指を持っていた彼は、それを隠そうともせず、
左手が利き手だったにも関わらず、いつも右手で握手をしていた。
自分が初めて彼と握手した時も、そうだったように思う。
そんな彼が――そんな彼だからこそ好きだった。
少し前の自分なら、この『奇妙な世界への招待状』を受け取らなかったかもしれない。
きっと、この町に来る前の自分は、こんな話は信じられなかったに違いない。
しかし、この町――星見町に来てから、自分自身にも変化が訪れた。
今の自分には『スーサイド・ライフ』がある。
この町で『奇妙な能力』を得たせいか、目の前に差し出された『奇妙な誘い』には、
どこか心惹かれるものを感じていた。
指輪から視線を離すと、ゆっくりと顔を上げる。

「ええ、お願いするわ。私も、一緒に連れていって。何があるのか知りたいの」

はっきりした口調でヨポロの言葉に応じる意志を示した。
果たして、この先には何が待っているのだろうか?
それは、これから明らかになるだろう……。

119『きらきら星を追え!』:2016/06/23(木) 22:37:52
>>118

「よしっ、わかったよ! ほらっラポポにロポポも
喧嘩は止めなよ。巨人が僕たちの居る場所まで来たいってさ!」

 ヨポロは貴方の言葉に鷹揚に頷くと、口喧嘩し続ける兄妹を小突き諫めた。
二人はその言葉に一旦悪口の応酬を止める。目をキラキラさせてロポポは
貴方を見て嬉しそうに叫んだ。

 「貴方も一緒に来てくれるの? 嬉しい!」

万歳して喜びを表現する妹の傍らで、兄のラポポはどちらかと言えば
難しい顔つきで鼻を擦り、ヨポロに目を遣りつつ呟く。

「でもさ、おいら達の場所までどうやって巨人を連れてくんだ?
 でっかすぎて、おいら達の通り道じゃ頭がつっかえちゃうぜ」

「そんなの簡単だろ? ちょーーーっと大き目に『広げて描くんだ』
三人でやれば直ぐさっ。そうすれば巨人だって入れる」

「あぁ! それもそうだなっ。それじゃさっさと取り掛かろう!」

 と、貴方には気になる会話を行った。疑問が頭にもたげる合間にも
彼ら小人は、その俊敏さに伴った素早さと共に行動しだした。

 三人の小人は一斉に素早い速さ(スB)で屈んでいた貴方を横切り駆ける。

『こっちだよー!』

 見失いそうな貴方だったが、心配する必要もないままロポポであるだろう
小さな影は飛び跳ねつつ誘導し……工場にあった>>96あのトタンで仕切られた
小型車が入れる程度の屋内へ案内した。

「別に此処でなくても通り道は出来るんだけど。おいら達が通り道を作る際には
頑丈な場所に描けて、それでいて、あんまり人目のない場所が良いんだ。
 あぁ、でも巨人は別だよ! おいら達と喋れる特別な巨人はね」

 ラポポが言葉と共にトタンの仕切りにある、本当に小さな小指程度の亀裂の穴へ
先に入った二人の仲間達と共に入り、そして数秒後ガチャッと中の
ドアノブのカギが解除された音が響いた……。

120『きらきら星を追え!』:2016/06/23(木) 22:53:34
>>119続き

貴方がドアノブを回し、中へと開くと目に最初に飛び込んだのは
平均の大人の男性より一回りか二回りはある、カプセルトイのような
機械が鎮座していた。その台の上のガラス張りの球形の中には
幾多もの金平糖が置いてある。

 「アレさ。僕らも気になってゴーストに聞いた事あるんだけど。
しつこい詮索屋が何度も探りに来た時には、コレを見せて
『これが我が社の金平糖作成の企業秘密の正体です』って告げる為の
ダミーだ……って言うんだ。何だか僕にはさっぱり解らないけど
ゴーストは答える時、あんまり楽しそうな感じじゃなかったな。
 まぁ、ゴーストが嬉しそうだったり楽しそうな時なんて見た事ないけどね!」

 ヨポロが、そう貴方の疑問を氷解させる。それと共に小人三名は
奥の何の変哲もない銀色の壁の前に立つと、その緑色の服の腰元から
何か小さな筆のようなペンのようなものを取り出すと共に

 『〜♪

  〜〜♬  🎶  ♪!

♬  ♫  ♪🎵!!』


 ……彼らはその壁に大人が屈んで入れる程度、そのサイズの円形を唄い描き終えた。


  キラキラ
            キラキラ

 気の所為でなければ、貴方の目にはその美しい円形の筋は光輝いてるように見える。
 「さぁ巨人 一緒に行こう!」

 「息を止めて! 怖がらないで!」

 「私達と一緒に 小人達の世界へ!」

 彼ら小人は貴方の肩へ飛び移り、その体を揺すって期待する声と目で
そう促す。……壁に描かれたホールは、貴方がその中に入るのを
待ち受けるように輝いている……。

121小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/24(金) 21:49:57
>>120

  「このドアの向こう側……。気にはなっていたけど……。そう……中はこうなっていたのね……」

最初に来た時から思っていたが、この工場の中で内部を確認できない場所といえば、ここぐらいしかない。
まず真っ先に疑われる場所であり、だからこそ真相を覆い隠すためのダミーとして使われているという言葉は、
信憑性が高いと感じられた。
そして、見せかけの偽りの中に本当の秘密を隠すという手法が、この会社の方策なのだろう。
全てを虚偽で固めるやり方はいずれ暴かれるが、偽りと真実を織り交ぜたやり方は、
長く見抜かれることがない。
ふと有菜の言葉が脳裏を横切る。
確かに彼女の言う通りだったようだ。
しかし、そのことを『ゴースト』に聞いたという点が引っかかった。
この『ゴースト』は一体何者なのだろうか?
『ゴースト』の正体に関する謎は、ここにきて更に深まったような気がする……。

「――これは……『入口』ということかしら?」

目の前で小人達が描き上げた『輝く円』を前にして、誰ともなしに呟いた。
彼らが言うように、それはまさしく別世界――小人の世界へ通じる『入口』なのだろう。
『不思議の国のアリス』の冒頭に出てくる『ラビット・ホール』が思い起こされる。

「ふう……。まるで『アリス』になったような気分ね。『小人の国のアリス』なんてあったかしら……」

斜めに傾けて被っていた帽子のツバを、両手で軽く持ち上げて、角度が水平になるように整える。
気持ちを整えるための準備運動だ。
不思議な輝きを放つ『ホール』を正面に見据えて、静かに深呼吸する。
先程は『メルヘンやファンタジーではない』と自分に言い聞かせたものの、
こうして小人達を肩に乗せていると、本当は『メルヘンかファンタジーなのではないか』という錯覚すら覚える。
どこかの遊園地の新しいアトラクションだと言われても納得するだろう。
ただし、この先に待っているのは空想ではなく現実だ。
そして――少々大げさかもしれないが、決心はついた。
小人達の言葉に応えるために、その一歩を踏み出す。
そして、そのまま『ホール』の中に進んでいく……。

122『きらきら星を追え!』:2016/06/24(金) 23:39:18
>>121

トタン壁に構成された、小さな光の粒子を放つ円。
貴方は深呼吸を一度行い、帽子のツバを整え身繕いを行い
 意を決すると同時に其の円へと身を乗り出した。


       パ  ァ   ァ  ア  ァ・・・


 ……貴方の体が円の中へと接触した瞬間。その視界は瞬く間に
真っ白に染まり、思わず目を瞑る。
 そして、瞼の裏でも光の残像が残るのを感じつつ次に瞼を開くと
風景は完全に一変していた。

   ―ピチピチ   ピチピチ 

                    ンモォオ〜・・・

      メェェー・・・

 それは『のどかな牧場』
(参考画像→ttp://www.rokkosan.net/cms/resource/themes/rokkosan_net/images/gallery/images/view/pic06_l.jpg)

 ミニチュアサイズの飼育舎が置かれ、爪楊枝サイズの柵が立ち並ぶ。

柵の中には、牛や羊 その他にも牧羊犬と思わしき動物などもチラホラ見られる。
 だが全て、小人と同じミニチュアサイズだ。貴方はアリスと言うよりも自分が
ガリバー旅行記のガリバーになったような錯覚を覚える事だろう。

 屈んでいても、大人な貴方には十分小人には高い視点の先を小さな影が横切る。
それは鳥だ。貴方の出現に驚いたように一際高くピー! と鳴き声を上げると
共に、地面に映えるミニチュアサイズの森林の中へと下降し姿を消した……。

 「よし、無事に帰ってきたね!」

 「ようこそ! 僕らのワンダーランドに!」

 肩の上で、楽し気に小人達が騒ぐ声が耳へと入っていく。

貴方はその風景を見続ける内に、気づく点が三つ程出てくる。

 まず一つは、その小人の国と言うか世界と思われる場所。その場所は
貴方が立ち上がってよくよく見渡せば正方形の部屋状で構成されてる。
 美しい青空や雲も、眺めて手を伸ばして見るが。それは自然なものでなく
何と言うか人工的で、作り物染みた感じであると言う事。
 そして部屋の壁際部分だが。人が一人立って其の全体を眺める為に
意図的に何も置いてないように、芝や草も何もなかった。貴方の立つ場所もそうだ。

 二つ目は、その森林や動物。これは作り物でなく肉感があり本当に現実にある
生き物が小型化したようにも見える。それでも何処か本当の生き物とは微妙に
何かが違うように感じる。謂わば『スタンド物質』と言った感じだ。

最後に

 貴方はその区切られた一室に。貴方が立つ場所から見て三つの壁には
ドアが置かれてるのが見えた。そのドアの真ん中にはプレートが飾っており
左手が『A通路』 真ん中が『砂漠』 右手が『小人居住区』と書かれていた……。

 「右の居住区へ行こうよ! 僕らの家族を紹介するよっ」

 「うんっ! 貴方に私達のお母さんとお父さんに会って欲しいな」

 肩の上で、ロポポとラポポがそう言うのを貴方は聞いた。

123小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/25(土) 21:45:42
>>122

  「……え……?あっ……。そう、もう着いたのね……」

光の奔流に飲み込まれてから数瞬後――しばらくの間、瞬きすることさえ忘れて、
その場に立ち尽くしていた。
どのような場所か想像はしていたが、こうして実際に来てみると、
やはり驚きの方が上回っている。
小人の国に上陸したガリバーも、今の自分と同じような気分を味わっていたに違いない。
一度瞼を閉じて心を落ち着け、ゆっくりと呼吸を整えてから再び目を開き、
気を取り直して周囲を隈なく見渡す。
眼下に映る牧場と森と動物達――本当に何もかもが小型化しているようだ。
金平糖を作っている作業員達も、少なくとも表向きは普通の施設にしか見えない工場が、
こんな所へ通じていようとは夢にも思わないだろう。
ここに不思議な金平糖の秘密が隠されている。
そう思うと、今までは朧気な輪郭しか見えていなかった真実に、
少しずつ近づきつつあるという実感が湧いてきた。
ここまで来た以上は、最初に話を持ちかけてきた有菜のためにも、そこにたどり着きたい。

  「――もしかして……。ここは部屋の中……なのかしら……。どうやら……そのようね……」

やがて、のどかな風景を眺めている内に、ここが屋外ではなく屋内らしいことに気付いた。
たとえるなら巨大かつ超リアルなジオラマのようなものだろうか?
空や雲もそうだが、壁際に設けられたスペースの存在が、
この牧場が意図的に作られた人工的な空間であることを、特に強く物語っているように思える。
だからこそ、足下に広がる森林や動物達から感じ取れる生々しさが、
より一層際立って見えるのかもしれない。
おそらくは、小人を生み出しているであろうスタンドと同一の能力によるものと考えるのが妥当だろう。
それらの違う点といえば、今まさに耳元で歓声を上げているような小人達は、
現実にはいないということくらいか。
そして、それぞれの行き先が記された三つのプレートを見て、改めて考えを巡らせる。
牧場や小人達がスタンドだとして、この場所自体がスタンド能力で作られた空間なのか、
それとも現実に存在する場所が先程までの工場と繋がっていたと考えるべきだろうか……。
今の段階では、まだどちらとも言えない。

  「ええ、そうね……。それじゃあ、ご挨拶に伺おうかしら。
   あなた達と同じように仲良くなれるといいのだけど……」

真ん中の『砂漠』には、その名の通りミニチュアサイズの砂漠が広がっていることが予想できる。
個人的には、左側に位置する『A通路』というのが気になった。
もし外が見えるような場所に出ることができれば、ここがどこなのか分かるかもしれない。
しかし、ここへ連れてきてくれた彼らの誘いを無碍に断るのも悪い。
ここは素直に『小人居住区』へ向かうことにした。
右手側のドアを抜けて、その先へ進む。

124『きらきら星を追え!』:2016/06/26(日) 09:43:42
>>123

 貴方は右手の『小人居住区』へと進む。
もし、貴方がこの奇妙な小人達との邂逅をする以前なら。小人が住まう
世界とはどのような光景だろう? と聞かれたらどうイメージしただろうか。
 野鳥や小動物の古巣を使ったり、木の割れ目や古びた建造物を拝借して暮らす?
または花畑のある場所で、虫達と共同するように生活するイメージ。
 様々な想像は織なされるものの、貴方がドアを開いて目に飛び込んだものは
原始的な小人の暮らしとは全く真逆の想像裏切られる光景だった。

 ……『星見町』だ。

そこにあったのは『星見町』そのものだった。建造物から自然公園に
病院などから全て、星見町を象った『ジオラマ』だ。もっとも、普通のジオラマと
違い、その中では縦横無尽に、現実と同じように小人が星見町の人間と
似たような服装やら乗り物に乗っているのが印象的だった。

 『ガヤガヤ…… ガヤガヤ・・・』

 ……! ブンブンッ

 何千、いや何万かも知れない小人、小人の群れ。それが住まう町の規模も
大きく、そしてそのジオラマを収める部屋の大きさも、先ほどの牧場の数倍は
大きなスペースを確保してる。徒歩で部屋の端から一周するとなれば早くても
二分は掛かりそうな大きさをしていた。

 そして、その圧倒する大きさと同じく貴方が気づくのは。部屋に入った時点での
ジオラマでリアルな生活模様をしている小人達が貴方に対し気づいた反応だ。
 普通ならば自分よりも巨大な生物に対峙すれば恐慌するなりの怖れがある筈だが
最初に出会ったロポポ達と同様に、貴方が人間であると視認すると手を振ったりして
歓迎するアピールをしたり、他の事に意識を向けていて貴方に関心なく動いてる小人達などを
除き、貴方と言う人間を小人達が恐れる様子は全く見当たらない。
 むしろ『慣れている』感が見受けられた。

 「お母さん、いま何処だろう?」

 「うーん、多分『自然公園』付近だろう。今日はフキの佃煮を晩御飯に
するって朝に言ってたしな」

 そんな現実味のある会話が貴方の肩の上でなされた。……ジオラマの
『自然公園』のある場所までは、此処から少し十秒程度歩けば辿り着ける。

125小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/26(日) 22:25:37
>>124

  「……え……?ここ……は……?」

目の前に現出した予想外の光景――それに圧倒されて思わず言葉を失う。
プレートに記された『小人居住区』という名前から、小人達の住む木造の家が何軒か並んでいるような、
質素で慎ましい山中の小村のようなものを想像していた。
ところが実際には、自分が考えていたよりも、遙かに規模の大きな場所だったようだ。
これは、ささやかな小村どころではない。
ただ一つサイズの違いという点を除けば、完全に現代の町そのものだ。
しかも、この町は自分が暮らしている『星見町』に他ならない。
先程までの牧場も、確かに現実的ではあるが、それでも小人達には似つかわしい場所だった。
しかし、この『ミニチュア版星見町』は、妖精のような姿の小人達に似合う場所とは思えない。
リアルな町とファンタスティックな小人達――対照的な両者の織りなすミスマッチさが、
まるで『沖縄の海辺で開催される札幌雪祭り』のように、
何とも言えない奇妙な雰囲気を醸し出しているように感じられる。

  「――どうもありがとう……。仲良くできるかどうかという心配は……必要なかったみたいね……。」

こちらに向かって手を振る小人達に気付き、自分も軽く手を振り返して、それに応じる。
やはり、ロポポ達の時と同様に、彼らは人間を恐れていない。
小人達にとって、人間は見慣れた存在であると同時に、歓迎すべき対象だと認識されているようだ。
巨人を恐れない小人――その背景には、どんな理由があるのだろうか?
この小人達と直接の繋がりを持つ可能性のある人間といえば、まず金平糖会社の人間しかいないだろう。
彼らが小人達の世界を作り、保護あるいは管理していると考えるのが、最も自然な発想だ。
そうなると、小人達にとって人間というのは、自分達を援助してくれる存在ということになる。
それならば、小人達が人間を恐れたりせず、むしろ友好的に接してくるのも何ら不思議ではない。
まだ会社側の人間と接触しておらず、彼らと小人達の間にある事実関係を確認できていない現段階では、
あくまで推測の範囲を出ていないのだが……。

  「……『自然公園』ね?じゃあ、ちょっと行ってみましょう」

そこには何度か足を運んだことがある。
町の中とは一味違う穏やかな時間が流れる憩いの場だ。
ふと、そこで出会った『綺麗な桜色の瞳を持つ少女』のことを思い出した。
さて――まずは彼らの家族を見つけることにしよう。
『自然公園』を目指して、ゆっくりと歩き出す。
その最中に、ヨポロの言葉が脳裏を掠めた。
彼は、『ゴースト』が『こっち側』に来ることはないと言っていた。
『こっち側』というのは、先程の工場のことだろう。
そうなると、『ゴースト』がいるのは『向こう側』――つまり『ここ』ということになる。
肩の上にいるロポポ達に聞いてみようかとも思ったが、少し前の反応から見て、
彼らの前で『ゴースト』の話題を出すのは、あまり好ましくないようだ。
もし、『ゴースト』が同じ場所にいるとすれば、いずれ対面する機会もあるだろう。
今は、ラポポとロポポの母親を捜すことに専念することにした。

126『きらきら星を追え!』:2016/06/27(月) 20:37:40
>>125

 「と、それじゃあ先に僕は家に戻ってるよ。何か用事があれば
家にある電話へかけてくれよな、巨人にあんまり迷惑をかけるなよラポポ!」

「何でおいらだけに注意するんだよっ」

 貴方がジオラマの『自然公園』のある部分まで到着すると、そう『ヨポロ』は
肩から飛び降りて貴方とラポロ、ロポポに一度手を振り立ち去る。
 電話、と言う言葉からも。どうやら彼らの文明と言うか通信手段に関しても
特別なスタンド能力を介して、ではなく。ミニチュアと言う特殊なのを除けば
現代のと遜色ない器具を利用してるようだ……。
 すぐに彼も他の歩いていく小人達に紛れ込み、自然公園の緑の陰に去っていった。

「! ラポポにロポポっ」

 そして、貴方はヨポロと入れ替わりに自分の肩の上に腰下す兄妹達へ
大声と共にピョンと大きく跳ねて、自然公園の大樹の一つに飛び乗った
割烹着姿の年長に見える女性の小人が姿を現したのに気付ける。

 「……貴方たち、家から出て行ったの。ヨポロ君のお家に遊びに行った
だけって言っていたのに……っ」


 心なし、語気は震えており。肩の上で、ラポポの呻く声も同時に上がっている。
どうやらロポポが工場の方で黙って抜け出したと言ったのは事実だったようだ。

 「――また、あっちへ行ったのね!? おまけに巨人さんにわざわざ送って貰って!!?
わざわざご迷惑をかけてこっちまで来て貰った、そう言う事よね!!??」

 貴方と自然公園のジオラマ付近まで少し距離あるに関わらず
カン高い声ははっきりと其の怒声の内容を理解させる。

 至極、怒ってる事が理解された。


 「やばいよ、母ちゃんのあの怒声。あぁ、どうしよう。何とか巨人は
説得出来るかな? それとも、こっから逃げちゃう?? おいら、ほとぼりが
冷めるまで巨人と一緒に付いて行くけど……」

 ラポポとロポポ達は『いまアッチに降りたら絶対に地獄を見る』と言う
蒼褪めた顔で、貴方へ顔を向けた……。

127小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/28(火) 22:32:52
>>126

  「今日は色々とありがとう……。さようなら。もし縁があったら……その時は、また会いましょう……」

自分の家に帰ることを告げるヨポロに、感謝の言葉と別れの挨拶を贈り、手を振ってその後ろ姿を見送る。
だが、やはり『電話』という言葉には、少し違和感があった。
童話の世界から飛び出してきたようなメルヘンチックな小人達には、
『手紙』辺りが似合っているような気がしたからだ。
しかし、人間の子供のような彼らのやりとりを見ていると昔の記憶を思い出す。
自分の少女時代も、同じような内容の言葉を、友人と交わし合った経験があった。
なんとなく微笑ましい気持ちになり、ふっと笑みが浮かんだ。
それはともかくラポポとロポポの母親を見つけなければ。
彼らの話では、ここにいるはずだが……。
しかし――どうやら捜す必要はなかったようだ。

  「――あら……」

突如として響き渡る怒鳴り声が耳に届き、思わず軽く目を見開く。
声の主がラポポ達の『真面目な母親』であり、
その怒りが子供達から恐れられているらしいことは一目で分かった。
不安げなラポポ達の顔を見返して、『できる限りのことをする』という意味のアイコンタクトを送る。
無断で外出したことがバレて叱られる――さっきは懐かしい気分だったが、
これもある種のノスタルジーと言える。
ラポポの言うように、『逃げる』というのも一つの選択肢ではあるが、この場合あまり適切とは言えないだろう。
そういった問題の先延ばしは、得てして自分の首を絞めることに繋がるものだ。
それに――責任の一端は自分にもある。
自分がここに来たのは、こちらが頼んだからであり、
連れてこられたのではないし、それによって迷惑を被った訳でもない。
少なくとも、この点では彼らに非がないことを明らかにしておかなければ、
自分の頼みを承諾してくれた二人に申し訳ない。

  「はじめまして……。
   差し出がましいことを言うようですが、お子さんを心配するあなたのお気持ちは、よく分かります。
   ですが、私がここに来たのは、私が二人に案内を頼んだからなんです。
   だから……部外者の私が口を出すことではないと承知していますが、
   そのことでは二人を責めないであげてもらえませんか?」

それだけを言って、言葉を切った。
自分が果たすべき責任としては、もう十分だ。
むしろ、これ以上は口を挟むべきではない。
あとは家族の問題であり、他人が口出しするのは失礼に当たる。
しかし――。

  「それから――図々しいお願いで大変恐縮ですが……
   私に免じて、今回だけは二人を許していただけないでしょうか……?」

最後まで言い切ると、二人の母親に向かって頭を下げた。
家族の問題に対して、部外者が口を出すべきではない。
それは確かに理解している。
しかし、自分は二人に『恩』があるのだ。
だからこそ、その『恩』に報いるために、どうしても一言口添えしておきたかった。

128『きらきら星を追え!』:2016/06/28(火) 23:24:54
>>127(お気になさらず)


 「……」

ラポポとロポポの母親は、怒鳴り声を上げていたが。貴方が
謝罪と、そして真摯な対応と言葉を心掛けると口を噤む。
 吊り上がっていた眉は未だ完全には下がらずも、次に口開いた時に
貴方へ向ける表情と声は落ち着いていた。

 「……まぁまぁ、巨人さんがそう畏まる必要ありませんのに。
貴方は、私が今まで出会った巨人や他の方たちの中で、随分礼儀がありますのね」

 そう、貴方を彼女は称賛する。

「……ロポポっ、ラポポ。けど、ソレはソレ! コレはコレ! よっ。
貴方達には『お仕置き』を命じますよ!」

 「うぇぇ!? そりゃないよ母ちゃん! おいら……」

「――その方の為に、私達の工場をちゃんと! 案内して上げなさいっ」

 「へ?」

「礼儀正しい巨人さんに頼まれたんですもの。ならば小人の誇りにかけて
しっかりと、最後までちゃんと遣り遂げなさいっ。いいわね! ロポポもよっ」

「うんっ! 有難う、お母さんっ。……そう言えば、お父さんは……?」

「あの人なら、『砂漠』で採取をしてると思うわ。夜には帰ってくるわよ」

 
 そのような会話をして、ラポポ達の母親は貴方への案内を命じた。
きっと、このしっかり者の母親の子供たち二人は。貴方の為に工場内を
出来る限り、これから案内してくれる。それは確信に近いものだった。

 「よしっ、有難う巨人! 母さんも許してくれたし、これから何処に向かう?
『砂漠』では、父ちゃんが色々珍しい石を探してるだろうし……うちの父ちゃん
少し抜けてる所があるけど、物知りなんだ。
 『通路』へ向かうなら、おいら達がしっかり案内するよっ」

 ラポポは力強く胸を張りつつ貴方に告げる…通路側に行けば工場の
核心へと、また近づける気がする。少々寄り道をして事前に直接確認する
前に聞き込みをしたいのなら。彼らの父親のいる『砂漠』へ向かうのも
一つの手なのかも知れない……。

129小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/29(水) 20:20:29
>>128

  「……ありがとうございます」

こちらの話に耳を傾けてくれたことと、温かい心遣いをしてくれたことに対して、心から感謝の言葉を述べる。
『どんな相手であろうと話せば必ず分かり合える』などと言うつもりはない。
この世界には、様々な立場や考えを持つ者がいて、話し合いが通じないこともあるのが現実だ。
しかし、たとえ全く別の存在だとしても、こうして腹を割って話すことで、お互いに理解し合うこともできる。
それを実感できたことが素直に嬉しかった。
星見町で暮らすようになってから、この町がどんな場所なのかを、自らの肌で感じてきたつもりだ。
だからこそ、なんとなく分かるような気がした。
大きさは違えど、ここは紛れもなく『星見町』なのだと。
そこに住む人々は、『体の大きさ』が小さくても、『心の大きさ』は変わらない。
まだ出会ってから短い時間しか経っていないが、彼らとの関わりの中で、そんな思いを感じていた。

  「そうね……。じゃあ、まず『砂漠』の方へ行ってみましょう。
   せっかくだから、あなた達のお父さんにも一言ご挨拶しておきたいし……」

自分の目的は金平糖の秘密について知ることだ。
それは有菜のためでもあり、また自分のためでもある。
しかし、今は特に急ぐ必要もないだろう。
『スタンド』という奇妙な能力を持つ者としての『引力』のせいか、
不思議と心惹かれるものを感じる『小人達の世界(ワンダーランド)』を、
可能な限り見ておきたいという意識もあった。
少し寄り道して、『通路』に行く前に砂漠へ向かうことにする。

  「――あなた達の気持ちも分かるけど、お母さんも二人を心配しているのよ。
   それだけは分かってあげてね……。
   だから、これからは黙って外へ行くのは出来るだけ控えて欲しいの……。
   そのことを、今度は私と約束してくれないかしら?これは、私からあなた達へのお願いよ」

『砂漠』へ向かう道すがら、肩の上にいる二人に、優しく諭すような口調で言葉をかける。
帽子の下にある表情――穏やかな微笑みを浮かべる瞳の奥には陰が差していた。
愛する者を案ずる母親の気持ちは痛い程に分かる。
自分は、それを失ってしまったから。
だからこそ彼らには、そんなことが起きて欲しくないと切に思う。

130『きらきら星を追え!』:2016/06/30(木) 10:59:04
>>129

小人であろうと母は強し、と言ったところだろうか。
 美味しいフキの佃煮を作って待ってるわよ。と、貴方達を自然公園の
大樹の上に飛び乗ったまま貴方達が牧場の中へ入り扉を閉めるまで小人の母は見送った。
 
 小石川の言葉に、ラポポは少し決まり悪そうに、ロポポは素直に首を縦に振る。

「うん、母ちゃんが心配するのも分かってるよ。巨人にも、そうお願いされちゃったら
仕方がないな! おいらもこれからは、もうちょっと母ちゃんに胸張って心配かけず
出掛けられるように成長して見せるよ」

「うん、有難うね巨人。私も、泣き虫を治してお兄ちゃんに負けないぐらい
しっかりものになって、お母さん見たいに立派になるわ」

「いや、ロポポが母ちゃん見たいにはなって欲しくないけど」

二人は貴方と約束した。彼らは貴方のお願いをきっと忘れる事はない。

 『砂漠』への扉を開く。だが、『小人居住区』と違い扉を開けたが直ぐに
部屋の中には入れず、もう一つの扉が貴方の目に映った。

「あぁ、御免ね巨人。説明してなかったけど『砂漠』って言うのはデリケートで
巨人がぐるっと周囲を見て回るのを大人しくする程に出来た奴じゃないんだよ」

「うん、そうなの。だから此処を開いたら直ぐに扉を閉めて欲しいの……
ほらっ。あそこにも書いてる」

 ラポポとロポポは、そう言ってもう一つの砂漠の為に設置されたドアの真ん中に
人間用に書かれたらしい掲げられた文字を同時に指した。

『注意:こちらから小さな物と人の為の砂漠です。
勝手に人の足で砂漠内を踏み荒らさないで下さい。
ドアは開放したままにしないで下さい。
長時間ドアの前で眺める場合は、夜は厚着を、昼の場合はこまめな水分をお願いします。』

 ……等の、注意書きかなされていた。

貴方が、扉を開き直ぐドアを閉じて部屋の中に入る。
 一面に見えるのは部屋の隅から隅までドア周辺の部分を除いて一面に
敷かれた砂と小石。少し離れた付近にはオアシスらしき小さな木々と水が
置かれており。また少し離れた場所にはミニチュアのラクダらしき生き物など
ちょっとした小人達が砂漠で宿泊する為のテントらしきものも見える。
 この部屋に関しては居住区や牧場と違い。空気は完全に乾燥しており
天井にある光源も普通のよりも明らかに強い光源を出している。
 部屋自体の広さは普通の人間で部屋の隅から隅まで徒歩2分かかる程度の広さ。
人間には大した事なくも小人には十分大きい広さだ。

 そして、他にも目を惹く光景があった。


 ブゥゥゥゥン……ッ      ニョワー……ッ


 貴方から四メートル程度の離れた場所で、人の腕程の長さの砂が縦に小刻みに揺れてる。
『砂竜巻』だ。そして、その中から頂点にかけて小さな影が踊るようにして竜巻の上を
浮遊してるのが見えた……。

 「……あ、あれっお父さんじゃない!?」

 「はは、まさかそんな……い、いやっあれ父ちゃんだ!
何でまた竜巻に呑まれてるんだ。助けないとっ!」

 ラポポとロポポは父親らしき竜巻の呑まれた小人を
助けようと肩から立ち上がる。だが、あの砂の竜巻に二人掛かりで挑んでも
ミイラ取りがミイラになる可能性が高い……だが、貴方が普通に徒歩で砂漠を
進んで小人を助けても。砂漠は小人達専用の場所らしい……砂漠の足跡を後で
何とか掃いて証拠を消しても、造り主が気づけば良い顔をしないのは確かだろう。

131小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/01(金) 00:01:20
>>130

  「ありがとう。二人は良い子ね……。あら……?」

肩の上の二人に語りかけながらドアを開けるが、そこには『砂漠』はなく、もう一つのドアが設置されていた。
掲げられた注意書きを見て理由を理解し、再びドアを開けようと手を伸ばす。
それにしても、ここには何人くらいの人間が、どれくらいの頻度で出入りしているのだろう。
ここに来る人間――それが会社の人間であることは間違いないだろうが、
もしかしたら小人の世界を管理する担当者のような役職でもあるのかもしれない。
彼らは、自分のような外部の人間が入り込んでいることに、もう気付いているのだろうか?
そして、そのことに対して、どのような対応を取るのだろうか……。
もっとも、小人(スタンド)が関わっているなどと報道できるわけがないのだから、
この場所の存在を知られたとしても問題はないとも言える。
そのことは、ラポポ達が自分をここに招いたという事実が裏付けている。
頭の中で考えをまとめ、ドアを抜けた。

  「――ここは……『日差し』が強いわね……」

ドアの向こうへ足を踏み入れた直後、明るい室内が視界に広がり、眩しそうに目を細めた。
帽子のツバを片手で少し持ち上げて、部屋の様子を観察する。
そこには、おおかた予想していた通りの光景が広がっていた。
それにしても、この『砂漠』という場所は、何のために用意されているのだろうか。
最初に見た『牧場』は何となく分かるのだが……。
ラポポ達の父親が、ここで珍しい石を探していると聞いたが、それと関係しているのかもしれない。
考えながら視線を移し、巻き上がる『砂竜巻』と、その中に捕らわれた『人影』を目撃した。
どうやら、それが彼らの父親らしい。
急いで助けなければならないが……。

  「……二人が行くのは危険だし、私が入っていくこともできない……。
  そう……『どちらもダメ』なのね……。それなら『何も問題はない』わ」

そう言うが早いか、左手の中に『スーサイド・ライフ』を発現する。
さながら食材に包丁を入れる料理人のように、手早くかつ精確な無駄のない動作で、
『右手』を手首から切り落とす。
そうして切り離した『右手』を遠隔操作で『砂竜巻』の方へ向かわせる。
見た感じでは、内部に侵入できるのは一ヶ所しかないだろう。
すなわち『砂竜巻』の真上から内部に侵入を試み、『クレーンゲーム』のように、
彼の体を摘み上げて救出したい。
それが済み次第、速やかに『砂竜巻』から脱出しよう。
『右手』をこちらに戻したら、ラポポ達の父親を地上に下ろそう。
その後は『右手』を接合する。
もう必要ないので、『スーサイド・ライフ』は解除しておく。

132『きらきら星を追え!』:2016/07/01(金) 19:22:43
>>131

 ―ザシュゥ…!

貴方は『スーサイド・ライフ』を発現すると、手早く右手を切り落とした。
 呆気にとられるラポポやロポポを後目に素早く右手は動くと
未だに気の抜ける悲鳴を上げながら竜巻の乱気流の中でもみくちゃになる
小人を貴方の手は……見事に掴む! そして、貴方の目の置ける場所で
その小人は乾いた砂の上に置かれ、そして貴方の手も接合された。

砂漠の砂へと置かれた小人の恰好は、ターバンに砂漠に合わせた熱射を防ぐ
厚着をしていて、眼鏡をかけている。もっとも、その眼鏡は竜巻の影響で
大きくずれていたが、吹き飛ばなかっただけ幸運だろう。

 「お〜あいたた……いやはや、有難う御座いますゴーストさん。
お手数をかけてしまって……おや?
 こりゃ、驚いたっ。ゴーストさんじゃなく巨人さんだったのか!
いや〜、面目ない。お見苦しい所を見せてしまったぁ」

 ラポポとロポポの母親と同じぐらいの背丈。それでいて少しずれた
眼鏡を掛けなおしつつ、貴方を見て驚くのは。ちょっと頼りなさ気だが
優しそうな感じな顔つきの男性小人だ。

 「お父さんっ。もうっ、砂竜巻に呑まれるなんて……巨人さんが
いてくれて良かったけど、そうじゃなきゃ大変だったわよっ」

ロポポは涙目で父親に声かける。

「おーロポポかっ。まぁ、いや何……抜け出せなくて確かに困ってたが
日が暮れれば竜巻も収まっただろうし、大丈夫だよ。お父さんは見た目より
頑丈だからねっ っあいたた……腰が」

 「大丈夫かよ、父ちゃん本当に。しかし何でまた竜巻なんかに呑まれる
ようなドジな事してたんだよ?」

グッと格好つけようとして、小さく鳴る腰を押さえる父親に、呆れた様子でラポポは尋ねる。

 「いたたた。いや、別に竜巻に好きで呑まれた訳でもなさい。実はね。
コレを見つける為に躍起になっていたら。竜巻にも気づかなったんだよ」

 そう言って、小人の父親はポケットから何かを取り出した。貴方の目には
小さすぎて、何か石のような粒に見える。
 
 「父ちゃん、ソレは?」

 「これは『砂漠の薔薇』だよ。砂漠にある化合物の結晶でね
天然ものは貴重なものだよ。これを基に金平糖へ『注ぐ』事になれば
今までにない味のものが仕上がるかも知れない」

 そう鼻を擦る父親の顔は、中々自慢気な様子だった。

「っと、まぁ私の今日の仕事はこれを見つけた事だし、ようやく完了と
いったところだ。これから何日かは家でゆっくり、ロポポとラポポと
一緒に過ごせるぞぉ」

 『そりゃあ良いっ(それは素敵っ)』

 父親の言葉に兄妹は手を叩き喜ぶ。話の限り、この家族は母親は主に
家事をして居住区で生計を。父親は工場内にある別の部屋で何か採掘したり
などして人間のような生活をしているようだ……。

暫く雑談した後に、ラポポやロポポが貴方を案内してる事を聞いた父親は
訳知り顔で頷くと、貴方へ訪ねた。

 「……ふむ、助けて貰った手前。私が知る限りの事は何なりと
答えましょうともっ」

 貴方の前で、ゆっくりターバンを下して深々と頭を下げる父親。

この工場内を探索するに伴い、貴方が今知りたい限りの事を彼は
きっと正しい助言をしてくれるに違いない……。

133小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/02(土) 20:38:04
>>132

  「――いえ……。私がしたくてしたことです。ご無事で何よりでした……」

静かに言葉を返しつつ、取り出された『砂漠の薔薇』を観察する。
はっきりとは思い出せないが、何かの結晶だというような話を、どこかで聞いたことがあった。
小さくてよく見えないものの、どこか神秘的な雰囲気を漂わせているという印象を、
おぼろげながら感じ取れるような気がする。
しかし――どう見ても食用に適したものには見えない。
どちらかといえば鑑賞用だろう。
花の蜜ならまだしも、どうすれば『これ』を金平糖の味付けに使えるというのだろうか?
確かに『今までにはない味』にはなることは間違いない。
その製造の様子は気になるところだ。
それも確かに聞いてみたいことではあるが……。

  「そう……ですね……。
   ここ(小人の世界)には普段から『何人』くらいの巨人が、
   どの程度の『ペース』で出入りし、主に『どんなこと』をしているのでしょう?
   それから、その中で一番『偉い立場』にいるのは、どんな人か分かりますか?」

不思議な金平糖の出来上がるプロセスも確かに気になる。
しかし、それは実際に工場を見せてもらった方が早い。
そう考えた結果、ここは『自分以外の巨人』について聞いておくべきだという結論に至った。
会社の人間と接触する前に、少しは彼らのことを知っておく方が、よりスムーズに話が進められるだろう。
ここを管理している『責任者』が誰か――特に、それについて知っておきたい。
そして、聞いておきたいことは、もう一つある――。

  「――ちょっと失礼……。それから……できれば『ゴースト』について教えていただけますか?
   それは一体どういう存在なのでしょう……?」

おもむろに父親の前で膝を折って屈み、やや声のトーンを落として、彼だけに聞こえるように問いかける。
人間でいうところの『内緒話』をするような状態だ。
もっとも、自分と相手のサイズが相当かけ離れているため、上手くいくかどうかは分からないが……。
ただ、同じ質問をラポポとロポポに尋ねても、あまり正確な答えが返ってこないばかりか、
彼らの機嫌を損ねてしまうことは既に分かっている。
しかし、年長者であろう父親なら、彼らよりは落ち着いた対応をしてくれるはずだ。
少なくとも、二人に聞くよりは、客観的な情報を得られる可能性が高いだろう。
この『小人達の世界(ワンダーランド)』に来てから、小人達に関しては、ある程度のことが分かってきた。
だが、この『ゴースト』に関しては、未だに謎だらけだ。
これで多少なりとも、『ゴースト』に関する手がかりを掴めることに期待したい。

134『きらきら星を追え!』:2016/07/02(土) 21:38:37
>>133

 「ふむ、そうだね」

貴方の質問に、鷹揚に小人の父親は頷くと。2、3回飛び跳ねて貴方の耳元
付近まで近づき、そして答えは始めた。

 「まず、この工場に出入りする巨人……まぁ、謂わば貴方のような
人間さん方の事ですな。
 まぁ、本日 目にする巨人さんは貴方が初めてですよ、私に限っては。
 そんなに定期的、とも言えませんが。月に何人かは皆さん私共の部屋を
見学したり、時々は私達小人にプレゼントもしてくれとりますね。皆さん
大したものじゃない、と言いますが。私ともからすれば、そりゃもう
大きな代物ですからねぇ。一度で良いから山見たいなケーキにかぶりつきたいって
言う願いを、貴方がた人間さんは叶えてくれるんですから、はははは」

 と、失敬。話が逸れましたな、と咳払いして彼は続ける。

「まぁ、この工場に来てくれる方がする事は、大抵は『警備』です。あとは
それを兼ねて遊びに来てくれてる、と言うのが正しいかな? まぁ、私達は
巨人さんがたが来てくれるだけで大喜びですとも! 私の腰が良ければ直ぐにでも
歓迎パーティーを開くと言うのにっ! っとと、また話が逸れてしまった。
 ……まぁ『警備』以外ではゴーストさんに色々と、我々が仕上げる『金平糖』
事に関して売り上げやら何やら時々話してる見たいですが……私共は、その
巨人さんがたの、お金のやりとりに関しては全くの無知でしてねぇ。
『偉い方』ですか?
 うーん、偉い方、偉い方……私が目にした巨人さん方は大抵は、そちらのように
若かったりたまに変わった装飾の人を目にしますが。
 特別、際立って偉い人、と言うのは目にした事ありませんなぁ。俗に言う
社長さん、とか言う方ですか? そう言うのは目にした事ないですね。
 まぁ、大したお話しは出来ませんが、そんな感じです、はい」

 照れ笑いしつつ、父親は最初の質問にあらかた答えると。次の貴方の
尋ねた事に対し顔を真顔へと変えた。

 「ふむ……『ゴースト』について、ですか……」

 失礼、と貴方の耳へ小人の父親は飛びつき。そして囁くように告げる。

「ゴーストは、そうですね。外見あ貴方に似ております。眼鏡をかけてなかった
私が見間違う程度には。
 そして私が知る限り。『彼女』は私が生まれる以前からずっとこの工場に住んでおり。
私達の傍に当たり前のように存在しており、そして私達も彼女の傍で当たり前のように
今までの暮らしをしています。
 あの人は……捉えどころのない人です。手を伸ばしてもすり抜けてしまうような
儚さをもっており、それでいて華奢ですねぇ。
 余り感情を出さず、初対面の方は不愛想で余り好かない印象の人ですけど。
私は知ってますとも、あの人の霞のような中に詰まった大きな愛情をね。
 いま彼女が何処に居るかは私はさっぱりですが、それでも貴方が彼女を
求めるなら、彼女もまた貴方の望みに応じるでしょうとも」

 とまぁ、これが私から言える全てです。と、父親は貴方の耳から離れて
ジャンプして砂漠の砂に着地した。

 「私はテントへ戻り、家へ帰る荷造りでもしております。ラポポにロポポ!
申し訳ないが巨人さんの案内は任せるよ! 私は一足先に家でお前たちの
事を待ってるからね。楽しく過ごして、その話を後で聞かせておくれっ」

 腰を軽く抑えつつ、小人の父親はそう言って砂漠のミニチュアテントへと
去っていく……道案内を彼にして貰う妙案もあるだろうが。腰を痛めた彼に
これから工場を見学するにあたって仕事をさせるのも酷だろう……。

135小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/03(日) 19:06:18
>>134

  「――そう……ですか……。よく分かりました……」

どうやら、小人に対する巨人の態度は、随分と気さくなものらしい。
話を聞く限りでは、仕事で来ているというよりも、
まるで仕事の息抜きをするために来ているような感じさえする。
小人達と会社の関係は、自分が考えていたよりも、もっと家族的なものかもしれない。
『社長』は来なくても、警備に当たる人間をまとめる代表者――
言うなれば『班長』のような人物がいる可能性を考えていた。
しかし、『そんなに定期的ではない』という言葉から察すると、
厳密な配置や日程が決まっているわけでもなさそうだ。
今まで一度も会社の人間に出会っていないことから考えても、
警備といっても、厳重に固めているというような感じではないらしい。
『小人』と『会社』が関係を持つに至った経緯は不明なままだが、
これで『巨人』のことについては、おおかた判明してきた。
しかし、何よりも気になるのは、やはり『ゴースト』だ。
『巨人』と『ゴースト』が会話していたということから、
金平糖会社と明確な繋がりを持っていることだけは確かだと思うのだが、それが何なのかが分からない。

  ――幻影(ゴースト)の輪郭(シルエット)は見えてきたけど……。
     でも、その『核心』に触れるためには……。
     やっぱり直接対面しなければならないようね……。

『ゴースト』に関する情報――それを頭の中で何度も繰り返し、悩ましげな表情を浮かべて思案に耽る。
今回の一件において最も重要な位置を占めているのは、
金平糖を作っている『小人』でもなければ、それを警備している『巨人』でもない。
父親の話を聞いたことで、『ゴースト』こそが謎の中央に立つ存在なのだということを、
改めて確信することができた。
それに『ゴースト』が自分と似ているというのも気にかかる点だ。
今まで何度か似ているということを言われてきたが、それはあくまで『小人から見ると』という意味であり、
たとえるなら、欧米人から見るとアジア人が同じ顔をしているように見えるのと同じようなものだと思ってきた。
しかし、話の内容から判断すると、『本当の意味で』似ているということらしい。
自分と似た姿の『ゴースト』――『彼女』は何故ここにいるのだろう。
『ゴースト』が文字通りの『幽霊』だったとして、『彼女』を引き留めている何かが、ここにあるというのだろうか?
心の中にあった『彼女』に対する関心が今まで以上に強くなり、会ってみたいという思いに変化するのを感じる。

  「ありがとうございました……。
   どうぞ、お大事に。
   二人とも……次は『通路』の方へ行ってみたいのだけど……」

ラポポ達の父親を見送ってから、『通路』に向かうドアを指し示す。
二人の同意が得られたら、ドアを開けて先へ進みたい。
果たして、この向こうで不思議な金平糖が作られているのだろうか……。

136『きらきら星を追え!』:2016/07/04(月) 22:19:47
>>135(すみません、PCの修理の為にレス遅れました)

「うん、案内するよ。けど、おいらも余り『A通路』の場所を隅々まで
歩き回ってるって訳じゃないんだ。だから、そんなに頼りになるって
訳じゃないけど、精一杯巨人の手伝いをするよ」

「うんっ! 大丈夫、怖いものが出てくる事はないと思うわ」

 ラポポとロポポの言葉が肩で唱えられつつ、貴方は『A通路』の扉を開いた。

 
 ―キィー

 ……視界にまず飛び込んできたのは、壁 白い壁だ。
そして左右を見渡すと10メートル程度の間隔で、『扉』があるのが
確認出来た。それは貴方が背にしてる白い壁、そして向こう端の壁も
同様に双方が合わさらない形で扉が置かれてるのが目に出来た。
 そして100メートル程先には左右とも突き当りにT字路の道がある。
貴方から見て左側の通路奥には『過去←  →この先整備中』
右側の通路奥には『倉庫←  →人間用娯楽向け』
……と、大きく壁に書かれてるのが見えた。

 床はと言えばタイルと言った感じで、材質は大理石のような石で出来て堅い。
天井には等間隔で周囲が暗くならないように蛍光灯が設置されており、工場
と言うよりは何処か研究所的な雰囲気が周囲を満たしてるように見えた。

 そして、人気はない……貴方と、貴方の肩にいる小人を除き通路側には
小人や普通の人間が出歩いてる様子は見えない。

 「今日は静かなもんだよ。けど、何時もなら僕ら以外の仲間も行きかったりしてるよ
そう言う時は、本当に巨人の足場もないぐらいに通路でいっぱい皆が駆けまわるんだ」

「えっとね……巨人さんから見て、直ぐ左側の扉が『グルメ』の部屋、直ぐ右側が『山脈』。
そして左斜めが『魔法』ね……右斜めのお部屋は、私、入った事ないの……御免ね」

 貴方の耳へ、二人はそう声を掛ける。

ロポポの言葉は、色々と貴方に対し興味と想像を掻き立てる語句であるかも知れない。
だが、今までの体験を顧みると。山脈は、文字通り小人達からすれば巨大な
山のジオラマが設置された部屋である事は想像に難くない。
 『グルメ』に関しては恐らくながら『金平糖』の生成の核心に触れそうな予感がする。
そして『魔法』に関しては、まだ色々と想像の範疇にしかならない。だが貴方が
一歩を踏み出せば、自ずとその答えの中に踏み込める筈だ。

137小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/05(火) 21:29:55
>>136

  「――どこまでも果てしなく続いているワケではない……とはいっても……。
   私が考えていたよりも広いようね……。主だった場所は回りきれるといいけど……」

外の様子が分かる窓でもあればいいと思ったが、どうやらなさそうだ。
あくまで直感だが、この建物自体はスタンド能力の産物ではなく、現実に存在している場所のような気がする。
未だ確たる根拠はないのだが、従業員達が仕事の息抜きに立ち寄っているような印象から、
人間達と小人達が同じ建物の中で働いていると考える方が自然に思えた。
しかし、当たり前といえば当たり前だが、進めば進む程に新しい場所が増えてくる。
ドアを抜けてすぐに『金平糖』へたどり着けるとは思っていなかったが、それ以外にも色々とありそうだ。
この建物がどれくらいの広さがあるのか分からないが、
『A通路』があるのなら『B通路』もあるだろうし、思った以上に広いのかもしれない。

  「『過去』……?もしかしたら本当に……?
   でも……そんなことが……。
   そう……きっと他の何か……。まさか……ね……」

壁に書かれた意味ありげな文句の中に、特に注意を引かれる単語を見つけて、物憂げな表情で呟く。
左側にあるのが『過去』だとしたら、ちょうど自分が立っている位置が『現在』であり、
右側の整備中というのは『未来』だろうか。
そして、最も気にかかるのは、これが何を意味するかということだ。
たとえば、昔の記録などが置かれている場所のことを、比喩的に『過去』と表現している可能性もある。
そうだとすれば、それほど不思議な事とは言えない。
だが、もしかすると違うかもしれない。
つまり、本当に『過去』や『未来』と繋がっているとも考えられる。
もちろん普通なら有り得ない話だ。
それでも、この一件にスタンドが絡んでいる以上、絶対に有り得ないとも言い切れない。
もし『過去』に戻ることができたら――つい、そんなことを考えてしまいそうになる。
横道に逸れそうになる意識を本来の目的に向け直すため、そっと目を閉じて、静かに深呼吸する。
そうすることで気を取り直し、四つのドアが並んだ左右の壁に視線を移す。

  「――そうね……。それじゃあ、順番に確認していきましょう。
   最初は右の部屋から始めましょうか……」

ロポポの言葉を聞いて、まずは山のジオラマが設置されているであろう『山脈』の部屋に入ってみることにした。
しかし、大体の予想はついている。
入ると言っても、時間をかけるつもりはなく、ざっと室内に目を通すだけだ。
その際、何か変わったものでもあれば記憶に留めておこう。
特に何もなければ『山脈』の部屋を出る。
自分の予想と合っているかどうかが確認できればそれでいい。
それが済んだら、次は『グルメ』の部屋に向かいたい。
『魔法』の部屋も気になるところだが、今はどちらかというと、『金平糖』の謎を先に解いておきたかった。
神秘のベールに包まれた『金平糖』の秘密――遂に、それを知ることができるのだろうか……?

138『きらきら星を追え!』:2016/07/05(火) 23:17:21
>>137

 貴方は通路奥の文字を心の中に止め、そしてロポポの言葉を吟味した上で
まず『山脈』と明記されたドアを開いた。
 小石川が予想した通り。そこは牧場や小人居住区がそうであったように
中心に大きな山のジオラマが建てられており、そして周囲を人間が閲覧出来るように
一人分の通り道がある。この山や周囲にある山林も、何処か現実味がある。

 「えっと、この山はね……思い出したっ。『キリマンジャロ』だよ!」

肩の上でラポポの声が一際高く出る。
 そして其の言葉に、貴方は有菜と出る間際に彼女が説明中に食べた
金平糖の味がキリマンジャロの雪解け水味であった事も、思い出すかも知れない……。

 「一番上のほうにある雪になるにつれ、甘味や水の透き通りも増すんだよ」

 ロポポの声が耳に流れてくる。貴方にとって印象的になる部分と言えば
このやりとりであっただろう。

 それ以外では、山脈を重装備で昇る小人が幾つか見た以外特筆した部分なく。
そして、貴方は扉を再度出て通路に戻り『グルメ』のドアを開いた……


 まず、扉を開放して一番強く衝撃を受けたのは ――匂い。
色んな香辛料、焼きあがった肉、魚、揚げ物にデザート。
 お茶の香りもあれば当然コーヒーや、それ以外の飲料水特有の香りも漂う。
余りに多くの刺激のある匂いを受けると、人間気分が悪くなるとも言うが。不思議と
この部屋から漂う匂いに関しては、貴方の鼻腔を苦しませる事なく逆に匂い同士が
邪魔をしないかのように順番に、貴方の鼻の中を料理の匂いが通り過ぎていく。

 そして、次に目の中に飛び込んだのは……小人と、そしてキッチンだ。

数えるには、とてもじゃないが多くの小人が広間程度の大きな部屋の空間に
小さなミニチュアサイズのキッチンを平行に並ばせ、そのキッチン一つ一つに
コック帽を被った小人が熱心に多種多様な料理を作ったり仕込みを行っている。

 そして、完成したのであろうトレーを運んでる小人は。そのキッチンの並ぶ空間の中心にいる…
一番立派な髭をして
一番大きなお腹をして、体格も小人の中では一番立派にまん丸
一番高いコック帽を被った小人へと、せっせと出来立て料理を運んでいた。
 
「あれ、コック長の『コルボ』って言う奴さ。偉そう、って言うか実際に偉いんだけどさ」

「うん、料理に関しては小人の中でも一番だと思うよ……私は、苦手だけど」

 彼らラポポとロポポだが、今までの部屋では貴方の肩の上で
足を揺らして自然体で兄妹で軽く談笑したりなどして過ごしていたが。

 このグルメの部屋では。始めて貴方の首筋のほうに移動し、そのうなじ部分に
二人して移動した。貴方の首部分に少しだけくすぐったいような感触が過る。

 その間にも、グルメ部屋にいる真ん中のまんまるコックの小人、コルポは
他の小人の運ぶ料理を、まるで王様のように少し大きめの柔らかい感じの
小人に合う、猪口に柔らかい布を敷いたような椅子に座り、素手で料理を一口食べ
そして空いてる手で○と×が書かれた棒を、料理を一口味わってから直ぐにどちらか
上げるのを延々と続けるのが見て取れた。

 ○が上げられると、行列をなして味見をして貰った小人は安堵した顔で自分のキッチンに戻り。
そして×の上げられた小人は、泣きそうな表情、もしくは本当に涙目で料理を持って帰る。

 だが、その行動にも変化が起きた。貴方がグルメの部屋に入ったのを少し遅れてから
コック達が気づいたのだ。
 貴方に気づき小人が顔を向け、調理やトレーを運ぶ動きを止める。
それがドミノ式に続き、そしてソレがコック長のコルボの食べる料理のほうまで続き。
ついに自分が食べるものが運ばれない事に不審がり、周囲を見渡す。
 そこでようやく、コルボ含めグルメ部屋の小人一同が貴方に一斉に注意を注いだ。

 「……これは これは! 巨人様の謁見だ!」

バリトン声の、コック長のコルボの声が部屋に響く。小人とは思えぬ声量だ。

「……それで! わざわざ我ら小人の、グルメの探求を邪魔してまで
此処に訪れたのは、それ相応の理由があってだろうね?」

 蓄えた、おおきな髭を撫でるぷっくりと丸い小人は貴方へと
決して歓迎とは言えぬ声色で訪ねてくる。

 今までの人間に対し優しかった小人とは違う。このコルボは
どうやら中々の曲者だと、貴方は感じる。だが、不思議な金平糖の生成を
知るのは、もう一歩の筈だ。

139小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/06(水) 23:23:46
>>138

  「『キリマンジャロの雪解け水』味――ここが『原産地』だったようね……」

ラポポの説明を聞いて、有菜と交わしたやりとりを思い出し、そう結論付けた。
あの味の元になったのが、この『ジオラマ版キリマンジャロ』で採取された『雪解け水』であったことは、
想像に難くない。
やはり他の場所と同じように、大きさこそミニサイズだが、その中身は限りなく本物に近いようだ。
もしかすると、本物と比較してみれば、両者の違いが分かるのかもしれない。
しかし、それを判定するのは困難を極めるだろう。
本物の『キリマンジャロの雪解け水』を口にした経験はないが、ここで採取されている『材料』が、
それこそ超越的な味覚のスタンド能力でも持っていない限り、
見分けがつかないレベルの精巧さを持っていることは確かだ。
少なくとも、『虫料理』味に関しては、本物と同等だったと自信を持って断言することができる。
とはいえ――ここにいても、これ以上の手がかりは得られそうにない。
『山脈』を出て、『グルメ』のドアを開ける……。

  「……!?」

ドアを開けた途端に流れ込んできた『匂いの奔流』に驚いて、思わず足を止める。
たとえるなら、香りで構成されたパレードを見ているようだった。
そして、それに酔いしれる間もなく、その匂いの源が視界に飛び込んできた。
ズラリと並べられた無数のキッチンで、数え切れない程のコック達が忙しく働いている様子は、
まるで巨大なレストランの厨房のようだ。
いくら小人に合わせたサイズとはいえ、巨人である自分から見ても、そこが大規模であることは理解できた。
もし、これが人間サイズだったとしたら、調理場としては並外れた大きさになることは間違いない。
自分が食べた『虫料理』味のように、
『金平糖』には料理の味も――もちろん大部分を占めるのは一般的な料理なのだろうが――存在する。
おそらくは、ここで作られている料理も『材料』の一部であり、
各種の料理を元にした味の『原産地』が、この部屋だと考えられる。
ふと――うなじの辺りにくすぐったい感触を覚えて、軽く身をよじるが、
居住まいを正して部屋の様子を観察することに集中する。
重要人物であろうコルボという名のコック長――彼の動きを見ていると、
出来上がった料理の良し悪しを決める審査員のような役割を担っていることが分かる。
そんなことを考えていると、小人らしからぬボリュームの中低音が響き渡り、
部屋の視線が自分に集中していることに気付いた。
コルボに向き直り、向けられた問いに答えるべく、おもむろに口を開く。

  「――お仕事の邪魔をしてしまい、大変申し訳ありません……。
   私は、あなた方の作る金平糖を愛する者です。あの金平糖の味は、他では決して味わえません。
   それが作られる過程を是非とも知りたいと思い、失礼ながらここまでやって来ました。
   どうか、この部屋を少し拝見させていただくというお許しを、いただけないでしょうか……?」

コルボの対応は、明らかに、部外者である自分を遠回しに非難する言葉だった。
しかし、そのこと自体には、あまり驚きは感じなかった。
むしろ、こういった言葉は、もっと早い段階で聞くことになると思っていたからだ。
なにはともあれ、今の状況を客観的に見ると、彼の言葉は正しい。
だからこそ、まずは自分の非を認め、その上で自分の意志を相手に示したい。
ただ、自信家らしいコルボに合わせるため、ほんの少し『脚色』はしているが……。
しかし、決して『嘘』ではない。
あの金平糖が他では食べられないことは確かだし、自分としてもあの金平糖は好きな方であり、
その生成法に興味があるのも事実なのだ。

もし、この申し出が却下されてしまったら――『その時はその時(ケースバイケース)』だ。

140『きらきら星を追え!』:2016/07/07(木) 19:01:37
>>139
 貴方は非が自分にあると考え丁重な詫びと共にコルボへ金平糖に不思議な
味付けをする様の閲覧を願う。
 だが、然しながら。この工場が部屋の区切りごとに人間が見れる造りがあり
尚且つ常に人の出入り可能に開放されてるドアを考えれば…だ。
 コルボ自身が『非』の範疇に据えられる立場なのかも知れない。
「ほぅ ほぅ!我らが技術の結晶であり、小人の術の極みとも言えし
金平糖へと我らが施す魔術の様を見たいとっ!! それは感激だっ!」
 芝居かかった口調でコルボは髭を撫でつつ高らかに声を上げる。周囲の
小人達は、眉を顰めその壇上にいる役者を見る。言葉こそ喜んでるように見えるが
それが皮肉であり、如何にも意地の悪い顔つきに変わったコルボを見ればこその反応だ。
 
 「ふむ、其方はどうやらゴーストが正式に招いた者ではないな。
だが、然様 然様……我ことコルボはひじょーに寛大なるコックの王なのである。
 そうだな……うむっ このコルボは決めたぞ!」

 ビシッ。

 「――其方、その手に嵌められてる指輪! ソレを私に献上すると
言うのであれば、金平糖への秘儀をお披露目しようではないかっ!」

 ギョッと、コルボの周りに居る小人達は貴方の心を代弁するかのように
驚きを浮かべコルボを注視する。恐らくながら、このコルボと言うのがいま
要求したのは、もしかすれば、正しく巨人が小人と付き合うのには
『度が過ぎる真似』をしたのかも知れない。そうでなくも、貴方にとって大切な指輪である。

「或いは……そうだなっ! このコルボを吃驚させるような余興を
見せてくれると言うのであればっ。金平糖への魔法のような味付けを
見せてくれようではないかっ。へッ へッ へッ! どうだっ、良い条件ではないか?」

 コックの王と言うのを名乗る、不届きな小人のコルボ。彼は貴方へと
最も命の次に大切であろう『指輪』を差し出せと。事情を知らないまでも
貴方が一番傷つく真似をしてきた。
 そして、それをしたくないのであれば吃驚させるショーを見せろとまで言ってくる。
これは、一度この傲慢をまん丸なお腹に詰め込んだ小人を少し懲らしめて
やる必要があるかも知れない。無論、あまりに暴力的な真似は他の小人の
巨人に対する心象を悪化させる事になるだろう……。

141小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/08(金) 20:41:37
>>140

  「二人とも――悪いけど、少し離れていてもらえないかしら?
   それと……この『帽子』……ちょっとの間だけ預かっていて欲しいの……。
   『汚れるといけない』から」

ラポポとロポポに一度肩から降りるよう促すと、今まで被っていた帽子を脱ぎ、それを二人に手渡す。
重いものではないとはいえ、人間サイズの帽子は一人では持ちにくいかもしれないが、
二人がかりなら問題ないだろう。
そして、これまでと変わらない優しい口調の裏側に、二人は『静かな熱情』のようなものを感じるかもしれない。

傲慢なる小王――コルボを正面に見据えて、おもむろに左手をバッグに突っ込む。

       ス ラ ァ ァ ァ ァ ァ ―――z____

そして、その中で『スーサイド・ライフ』を発現し、引っ張り出す。
傍から見ると、バッグの中から『ナイフ』を取り出したように見えるだろう。

   クルクルッ
         フォンフォンフォンフォン……
                       グルグルグルグルグル

続けて、手にした『スーサイド・ライフ』を、『プロフェッショナルのナイフ捌き』で回転させる。
見る者によっては、これが『余興』かと思うかもしれないが、それは間違いだ。
料理で言えば『オードブル』――『メインディッシュ』に入る前の軽い『前菜』に過ぎない。
この行動の目的は、『スーサイド・ライフ』のスピードを見せることによって、
万が一の可能性で起こる『不慮の事故』を、未然に防ぐことにある。
こちらの『スーサイド・ライフ』が、小人達と同等のスピードを持っていることが分かれば、
自然と思慮深い態度にならざるを得ない。
こうしておけば、コルボが迂闊な行動に出た結果、偶然『スーサイド・ライフ』と接触してしまい、
しなくてもいい怪我をするということもなくなるだろう。
滑らかな回転を継続したまま、コルボの下まで歩み寄っていく。
心なしか、その全身から気迫のようなものが滲み出ているのが感じられるかもしれない。
コルボの正面に来たところで唐突に回転を止め、『スーサイド・ライフ』を握り直す。

  「……あなたは――『死』を目の当たりにしたことはおありかしら……?」

その表情と口調は、あくまでも穏やかであり、決して感情を剥き出しにしたりはしていない。
しかし、問いかけの内容は不穏な気配を漂わせるものだった。
聞く側にとっては、そのアンバランスさが不気味に思えるかもしれない。

  ギ ラ リ ッ
            スゥゥゥゥゥゥ……
                        シュパァァァァァンッ!!

冷たい金属質の輝きを放つ『スーサイド・ライフ』――それが、ゆっくりと振り上げられ、直後に振り抜かれた。
もちろん相手はコルボではない。
一切の躊躇いもなく、自らの首を『はねて』切り落とす。
普通なら、大量の血が噴水のように勢いよく吹き出すところだが、
『スーサイド・ライフ』の能力によって、凄惨な場面が作られることはない。
もっとも、それを差し引いても、かなりショッキングな光景になることは確かだ。
ラポポとロポポにも見せてしまうことが気の毒だが、
彼らには『スーサイド・ライフ』の能力を既に見せているので、驚きは少なくて済むだろうと思う。

  「――さっきの質問の答えですが……私はあります……。
   そして、この『指輪』は『彼』との『絆の証』であり、お渡しする訳にはいきません。
   ですので……『これ』で了承していただきたいと思います……」

あえて浮遊させず、床の上に転がったままにしておいた『首』が、繋がっている時と同じように言葉を発する。
今まで通りの丁寧さを崩してはいないが、その言葉の奥には、有無を言わせない響きが篭っていた。
この一連の光景は、まず不穏な台詞と共に『ナイフ』を振り上げ、
続いて自分の首を切り落としたことと合わせて、コルボに『三重の驚き』を与えることになるだろう。
これで『余興』は終わりだ。
コルボの様子を確かめたら、『首』を浮遊させ、本体の近くに戻したい。
空いている方の手で、断面に降ろした『首』の位置を調整し、接合する。
手の中にある『スーサイド・ライフ』は、発現した時と同じような動作で、
バッグの中にしまうようにして解除しておく。

  「――ありがとう」

全てが済んだら、ラポポとロポポに預けていた帽子を受け取り、元通り被り直す。

142『きらきら星を追え!』:2016/07/08(金) 22:10:23
>>141

 フォンフォンフォンフォン……  グルグルグルグルグル

 「むぅ!? ふむっ 中々のナイフ回しではあるが。ふんっ!
その程度でこのコルボが満足するとでも……」

 傲慢なる小王のコルボは、最初こそ貴方が取り出したナイフ、そして其の
回転に対し少しだけ感心見せつつも鼻で笑う。

 ギ ラ リ ッ

「ほ ほぇっ!? お、おい巨人よっ い 一体全体なな何」

 スゥゥゥゥゥゥ……

「っ!? お、おい止めっ」

 シュパァァァァァンッ!!

「きょええええええぇぇぇ〜〜〜〜!!!!??」

 効果覿面っ!!

一瞬鈍く光るナイフ、そして不穏な台詞と共に貴方の首に向けられたナイフ。
 それに次の行動を予測したコルボは制止しようと声を荒げようとしたものの
自分の偉さを笠に、小人としての俊敏な動きを半ば忘れてグルメの審査だけしてきた
彼に貴方を力ずくで止める術など無い。そしてポロっと転がり落ちた貴方の首を見て
素っ頓狂なソプラノの悲鳴を上げる。周囲の小人はいま起きた現実が整理出来ず固まったままだ。

さて、そんな『三重の驚き』を披露した貴方。そして其の後のグルメの自称小人王であるコルボであるが。

ブクブク……。

「あらまぁ、コック長ってば泡を吹いて気絶してるよ」

「仕方がない、山脈のほうにでも連れてって適当に凄く冷たい雪解け水でも掛けてやれ。
今まで散々偉ぶってたんだから良い薬さ。
 ――巨人よ有難うっ! 我ら小人のコック! 貴方に最大限の賛辞を!」

『貴方に賛辞をっ!』

 何人かの給仕服の小人が、よろめきつつ気絶したコルボを担いで隅のほうにいき
貴方を工場に連れて行ったヨポロ達の時と同じく、壁にキラキラ光る入口を作ると
その光の輪っかへ入り、そして瞬く間に消えた。どうやら小人達は独自で最短で
工場内を移動する事が出来るようだ。
 そして、小人達は我に返ると一斉に貴方へと礼を告げてきた。コルボへと強い
衝撃を与えた貴方に気分を害した様子は見られず、羨望の眼差しがチラホラと見れる。
 きっと、これ以降はコルボも威張る性も大人しくなり、小人としての役割を実直に勤め上げる事だろう。

 「――さて、貴方は金平糖に対する味付けを知りに来たのですよね?
コルボはあぁも勿体ぶっておりましたが。我ら小人にとって、その技巧は
さして労力を厭わぬもので御座います。
 口で説明するよりも、見せるほうが良いでしょうね。よしっ、それじゃあ早速だ!」

 パンパン!

一人の、コック長の次ほどに立場が上なのだろう。コルボより少しだけ短いコック帽を
被った小人の手拍子と共に、給仕服の小人の数人が何処からか忽ち『金平糖』を
二つ運んできた。そして貴方の近くに置く。

 「まず、これは『込めてない』金平糖なのですっ!
普通に、貴方がた巨人の作る金平糖で御座います。このままでも確かに純粋な
ザラメや氷砂糖が合わさった菓子は美味しいかと思いますが。我ら小人はこれに
更に『想い』を込めるのですっ! 実際に、ご照覧あれっ!」

 コック帽の小人は、近くにあったワゴンから『イナゴの佃煮』のミニチュアに
手を伸ばし、目を閉じてパクッと味わった。
 そして、咀嚼して食べ終わると。少しだけ力強い目つきになり両手を上げてモゴモゴと何か唱える。
すると、どうであろう! その小さな両手には僅かながら発光が産まれ、その淡い光の粒子は
徐々に強まっていく。光が最大まで高まったと思えると同時に、掲げた両手を小人は振り下ろす。
 
 チチンプイプイ!!     ―――ぺかーーっ!!

 「……よしっ、どうぞ食べて見てくださいっ!」

そう言って貴方へと小人は金平糖を運び手渡しする。

 貴方は促されるままに金平糖を口に運び、そして噛むと同時に思い起こされるだろう。
イナゴの食感、そして佃煮としての風味、それ等は貴方が前に食べたイナゴの佃煮風味の
金平糖と、また少し微妙に精密な部分で違いを感じたものの。
 この今、コックの小人が見せた行動こそが不思議な金平糖を作る為の工程だろう貴方は知る事が出来た。

143『きらきら星を追え!』:2016/07/08(金) 22:34:48
>>142続き

 ゴホンッと咳払いしつつコックの小人は説明を続ける。

「我々はグルメの探求者。この部屋では古今東西のグルメを作り
そして完成された品を我々が食べて、その食べた『想い』を金平糖に注ぐのです。
 因みに、これは中々の曲者で。例えば、普通の主婦の小人が作ったカレーライスを
居住区内で食べて、そこで金平糖を注ぐとなれば『家庭的な味』として巨人である
貴方がたにも味わって頂けるかと思いますっ。『想い』はとても取り扱いが難しいもの!
環境や、その他の要因で直ぐ変わってしまいます! ですが我々はグルメの探求者!
 自然の風味である芝生味や木の根っこ味、それに食べ過ぎるといけないジャンクフード
などではない、最高の! 職人による職人が手掛けた『グルメ』の『想い』を
金平糖へ込める為に、日夜我らグルメの小人は料理の腕を磨いてると言うわけです。
 無論、失敗した料理や残った料理は何処かに捨てるなんて行儀の悪い事はしません。
料理の残りは他の場所にいる仲間に届けますし。失敗料理は失敗料理としての味の金平糖として
役立ちますからねっ。我らはグルメの小人、グルメは誇りなのでありますっ」

 鼻高々に演説をした小人。これで、おおかたの『不思議な金平糖』の工程は理解出来た。
だが……まだ謎はある。
 この、殆ど人間くさい『小人達』が、一体どのような能力によって形成されてるのか?
また、この工場自体は本当に現実に存在しうるものなのか? 肝心のゴーストの正体も残ってる。

 「……とっ、これはすみませんっ。このように長々と自慢話に付き合わせてしまい。
宜しければ、ここで他の料理も味見しますか? お時間があるのなら。
 むろん他に見たいものがあるのなら引き留めはいたしませんっ! 我らはグルメの小人!
 何時でも、貴方様を歓迎いたしますっ!」

『歓迎いたしますっ!』

 グルメの小人達は、すっかり貴方を歓迎に値する賓客として扱ってる。
このまま長居して、他の貴方の気になる疑問について尋ねれば快く答えてくれるだろう。
 とは言うものの、グルメ専門の彼らが貴方の疑問を氷解する答えを持ってるかは未知だ。
ラポポとロポポは、貴方が首を切った時も帽子の鍔をもって驚きは少ししたものの
砂漠での父親を助けた時の挙動を目撃した事や、有菜といた金平糖工場での手や目を動かしてた
事からも、そこまでショックを受けてはいない。また貴方の肩に気づけば足を揺らし座ってる。

「巨人はどうする? おいらは、ゴースト探しをこのまま手伝うぜっ。
『魔法』部屋は、おいら達が巨人のいる側で役立つ品々を作ってる所だから
興味があれば行こうよ。知り合いも一人いるしね」

 「私は、まだ行ってない右斜めの部屋をちょっと見たいかな……、
あっ、別に後回していいよ? ちょっと、どう言う場所が気になるだけだから……」

ラポポは『魔法』部屋の説明を軽くした上で次の行動への手伝いを示し。
ロポポは未だ探索してない右斜めの部屋に消極的に行く事を希望した。

 どちらかを選ぶのは貴方の自由であり、それ以外の行動を選ぶのも有りだ。

144小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/09(土) 20:59:17
>>143

  「どうもありがとう……。
   でも、今は他にすることがあるから、
   また近くまで来ることがあったら、その時は立ち寄らせてもらいます。
   それから……『イナゴの佃煮』味は、是非これからも作り続けて下さい……」

自分が愛好する『虫料理』味――栄養が乏しかった時代に、
貴重なタンパク源として食べられていた『慎ましさ』が感じられるのが好きな理由だ――が、
どれほど売れているのかは知らないが、世間的にはポピュラーな料理ではないだろうし、
人気がないという理由で『販売中止』にならないかが少し心配だった。
ともあれ――それは今すぐに考えなければならないことでもない。
小さなコック達にお礼を言って、彼らの今後に思いを馳せつつ、『グルメ』の部屋を出る。

  ――さて……これで一つは分かったけど……。問題はこれからね……。

本来の目的である金平糖の作り方を知ったことで、第一の目的は達したことになる。
だが――まだ謎は幾らでも残っているのだ。
それらの解明は後回しにしていたが、これからは他の謎に取りかかることにしよう。
まず、今まで出会ってきた小人達が、何かしらのスタンド能力の産物であることは間違いない。
しかし、この工場に入る前も入った後も、その本体らしき存在が一向に見当たらないことが気にかかる。
おそらくは工場内の何処かにいると思ってきたが、このスタンドの射程距離が分からない以上、
工場の外にいる可能性も否定できない。
そもそも、この工場の所在も不明なままだ。
先程は、工場自体は現実に存在する場所に思えるという答えを出したが、
それは金平糖の調査を優先するために結論を保留にしただけに過ぎない。
この点も心に留めておく必要があるだろう。
そして、最大の謎が『ゴースト』だ。
小人達や工場に関しては、まだ謎が残っているものの、こうして実際に自分の目で目撃してきた。
だが、『ゴースト』については、そういった存在がいるという話を聞いただけで、まだ出会ってすらいない。
このままでは文字通りの『幻影(ゴースト)』だ。
ともかく、一度でも『ゴースト』と接触してみないことには話が進まない。
あるいは、『ゴースト』に繋がる手がかりを、今後の探索で得られることに期待したい。
そして、まだ仮説の段階だが、ゴーストの正体が掴めれば、
小人達や工場の謎も、同時に解くことができるような気がする。
もし、小人達と工場が同一のスタンドによって生み出され存在であり、
その本体が『ゴースト』だとすれば、辻褄は合う。
つまり、これらは三つの謎ではなく、一つの大きな謎ではないかと思えるのだ。

  「――そう……ね……。まずは『魔法』の部屋に行きましょう。
   もう一つの部屋にも後で行きましょうね……」

ここは調査をしやすそうな場所から進めていくのが効率的だろう。
そこにラポポの知り合いがいるというなら、コミュニケーションもスムーズに進みそうだ。
少なくとも、コルボの時のように、相手にゴネられることもないだろうと思う。
コルボといえば、彼も一つ気になることを言っていた。
『ゴーストが正式に招いた者ではない』――
つまり、普通は『ゴーストが招いた者』だけがここに来られるということなのだろうか?
そんなことを考えながらドアを開き、室内へ足を踏み入れる……。

145『きらきら星を追え!』:2016/07/10(日) 21:13:31
>>144

 貴方は『魔法』の扉を開く。

その部屋は、今までのどの部屋とも違っていた。居住区や牧場に山脈などの
見学するような造りでもない。また砂漠のように人の足を踏み入れないものでもない。
 かと言ってグルメ部屋のように実用的に金平糖の為の部屋でもない。

その部屋は壁一面に子供が描いた落書きのようなものから芸術に近いものまで
風景画らしきものが四方に背景として浮かび、その壁からは現実のものらしき
木々の枝が生えている。生えている枝の中には鳥の巣らしきものもある。
 
 地面に置いてあるものも、また奇妙な品々ばかりだ。統一性のない実験器具のような
ものから現実には見た事のない幻想めいた花が咲く鉢植え。
 全て観察しても目的性が見えず、どう言う意図があって作られた部屋なのか考えても分からない。
強いて言うならば、人の頭の空想の一部を部屋として表現するとしたら、こんな
部屋になるのかも知れない。と言った空間が其処には広がっていた。

 ――ポンッ。

 「……ごほんっごほんっ!! うんんっ! またよろしくないらしい!!
何がいけなかったじゃろう?? ぷるんっと言う音色? 大好きな人への眼差しの光量??
それとも何か足りないものがあるのじゃろうか……」

 部屋の景観が貴方の頭にある程度入る頃に、また一つ小さな爆発音。
そして一つのピンク色とレモン色の小さな一筋の煙が昇ったフラスコの影から
白衣を着た如何にも博士といった風貌の小人が明るい煤を被りブツブツ呟きつつ現れた。

 「アレが、おいらの知り合いの『ポポノ』博士だよ。物凄く頭がいいんだ
まぁ、それ以上に凄く変わってもいるけど。……ポポノ博士っ!」

ラポポの呼びかけ、それに年季が入った小人は反応して貴方のほうを見やる。
 突然の巨人の来訪にも全く動じる事ない。いや、動じてないと言うより
貴方と言う存在が意識に入ってないように見えた。

 「……うーん、ドキドキのリズムをもう少々上げてみるべきか。
ん? おぉ! こりゃあラポコ君か。今日はどうしたんじゃい」

「おいらはラポポだよ、博士。今日は友達になった巨人を……」

「いや、待てよっ? 潤みを、もう少し夜明けの花の滴で増させるのはどうじゃろう?
 焦がれた瞳と相似するには、その方法が一番……ブツブツ」

貴方の肩でラポポは紹介しようとするものの、小人の博士は明後日の方向を見つつ
何事かを呟いている。ラポポは溜息をつき、ロポポは少々困った様子で博士を見る。

「……ポポノ博士、実験が上手くいってない見たいね」

「あーなると、かなり長いんだよなぁ。
 巨人、博士は物凄く頭がいいけど。それ以上に魔法の実験に傾倒していて
それに集中してる時は周囲の事を全く気にしないんだよ」

ラポポは貴方に、そう説明した。
 部屋の中で動くのは、その博士と助手らしき幾人かの白衣らしきものを
纏った小人も忙しなく動いている。かなり忙しそうで、貴方の話に対応
してくれそうなのは、そんな何かの実験に憑りつかれたような博士一人だ。

 ある程度、貴方の質問にも答えてくれるかも知れないが。深く込み入った話や
細々とした質問には、先ほどのラポポの対応と同じく途中で自分の世界に入ってしまうかも知れない。

146小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/11(月) 20:47:21
>>145

  「――すごいわね……。なんというか……うまく言葉にできないけれど……。
   とにかく『スゴい』わ……」

室内を埋め尽くす『奇妙』の山――まるで『前衛アートの展覧会』のような様相を見て、
無意識の内に溜め息が出る。
この工場で色々なものを見てきたお陰で、もう驚くことには慣れたつもりだったし、
『魔法』という名前やラポポの説明から、これまで以上に不思議なものが待っているという覚悟はしていた。
それでも、実際に目の当たりにすると、少なからず衝撃は受けるものだ。
気を取り直して全体を観察するが、そこには統一感の欠片も見当たらない。
あえて挙げるとすれば、『奇妙』であることだけが共通点だろうか?
間違いなく、今まで見てきた中で、一番『奇妙』な場所だと言えるだろう。
そんな時、小さな爆発音の後に、ポポノ博士の姿が視界に入った。
この『魔法』の部屋では、コミュニケーションはスムーズに進むと思っていたが、
どうやら一筋縄ではいかないようだ。
ここの主であろう博士は、コルボとは違う意味で、なかなか難しい人物らしい。

  「はじめまして……。ところで――今は何の実験をなさっているのですか?」

挨拶もそこそこに最初の質問に入る。
ラポポとのやりとりを見ると、この研究熱心な博士は、すぐ話が横道に逸れてしまう癖があるようだ。
質問するにしても、できるだけ余計な言葉を省いて、可能な限り手短に済ませる必要があると感じた。
そして、先程の彼の台詞――それらは一見すると支離滅裂ではあるものの、
何となく関連性があるようにも思える。
これは推測だが、『愛』とか『恋』とか、そういったものに関係した何かではないだろうか。
もしかすると『惚れ薬』の類でも作っているのかもしれない。
仮にそうだとしたら、何故そんなものを作るのかという疑問はないでもないが……。
しかし、これだけ奇妙な品々が溢れているのだから、そんなことを聞くのは無意味なことだろう。
おそらくは、明確な使用目的がある訳ではなく、
彼自身の好奇心や探求心を満たすために作っているのではないかと思われるからだ。

  「――それから『ゴースト』について何かご存じでしょうか……?」

博士の様子を観察し、話しかけられそうなタイミングを見計らって、もう一つの質問を投げかける。
この部屋で何か手がかりが見つかるといいが、そこまで期待している訳ではない。
とりあえず、これで有力な情報が得られなければ、また他の場所へ移動するつもりだ。

147『きらきら星を追え!』:2016/07/11(月) 22:55:46
>>146

 小石川の問いかけ。それに少し別の方向に旅立っていた目に力が戻ってくる。

「ん? 何の実験じゃと??
そりゃ、お前さん決まっておる。『愛するものどうしのキス』の『味』を作る為じゃい。
 これが完成すれば、注がれた金平糖を食べた者は、一口齧った瞬間に
自分の愛する者と口付けする瞬間を体感する。ヨボヨボで恋や愛が褪せた者も
若き頃と同じようなドキドキが味わえる。恋も愛も知らぬような子供には
母親や父親にキスされた時、或いはそれに近い時の事が体感できる。
 齧るだけで『恋』が、若しくは『愛』が味わえる。正に『魔法』じゃ。
 だが、まだ成分が足りんのか上手くいかん。一体何が足りん…何が」

 そこでポポノ博士は自分の世界へと帰っていった。
貴方が声を掛けると、結構長く天使が通った後に顔を上げる。

「……ん、ゴーストじゃと?
お前さんがゴーストじゃろ? んっ ラポコ君、この人は巨人だとな?
まぁゴーストでも巨人でもフラダンスする風船でも何でもいいんじゃが
ゴーストが何であるかなど決まっておるじゃろう。
 ――この工場の一番最初の『住人』じゃよ。
……いや、生きてないのじゃから『住霊』と言うべきなのか?? まぁ
ともかく、彼女は工場の事を一番熟知しておるじゃろう。
 おぉ、そうじゃ。あの人にも今度、まだ試作運転中ながらも稼働出来るアノ
マシーンを扱って……記憶、合成、甘い思い出……その相乗のリズムを……ブツブツ」

 そこで、また自分の世界へと旅立った。
全ての情報を掌握した訳ではないが、どうやら『ゴースト』が比喩や何かの能力の
産物とかでなく、実際の幽霊らしいと言うのは話を総合してみると一番有力そうだ……。

148小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/12(火) 21:02:04
>>147

  「――そんな『味』も……あるのね……」

ポポノ博士の説明を聞いて得心が行った。
この部屋の奇抜さに圧倒されて、ここが金平糖工場の一部だということを忘れていた。
それなら、この部屋でも新しい味の開発が行われていたとしても不思議はない。

     スッ

知らず知らずの内に、そっと指先を伸ばして自分の唇に触れる。
愛する者との口付けの体感――もし、それが実現できたとしたら、どんなに素敵なことだろう。
今は上手くいっていないようだが、是非とも完成させて欲しいと、心から思った。
しかし――そうなると、この部屋に置かれている奇妙な品々も、そういった研究の結果なのだろうか。
だとすれば、それらは一体どんな味を目指して作られたものなのだろう?
その点に関しての疑問は尽きないが、ひとまず頭の片隅に追いやることにした。

  ――この『工場』の『最初』の『住人』……。

博士の言葉から、『ゴースト』がスタンドの本体であるという仮説は、より信憑性を増してきたように思える。
やはり、『彼女』に出会うことができれば、一連の謎を氷解させられる可能性は高い。
問題は、『ゴースト』の居場所だが、こればかりは自力で探すしかなさそうだ。
そして、ここにきて、また同じ言葉を聞かされてしまった。
こうも間違えられるということは、自分と『ゴースト』の容姿は、よほど似通っているのだろう。
何度も言われていると、まだ一度も出会ったことがないにも関わらず、奇妙な親近感を覚える。
そして、気になることは、もう一つあった。
『ゴースト』が文字通りの意味で『幽霊』であることは、博士の話で既に確定している。
また、ラポポ達の父親は、『彼女の中には大きな愛情が詰まっている』と言っていた。
そうなると、『ゴースト』である『彼女』が工場に留まっている理由は、『愛』なのだろうか……。
もし、この仮定が正しいとするなら、とても他人とは思えない。
『彼女』に会ってみたい――その思いが、自分の中で一段と強くなるのを感じた。

  「――ありがとうございました。この研究の成功をお祈りします……。
   二人とも……もう一つの部屋に行くことにしましょう」

収穫としては十分だ。
あとは二人も行ったことがないという部屋を調べてみよう。
『魔法』の部屋を出て、残った部屋へ向かいたい。
ラポポ達の父親は、『求めたならば彼女は望みに応じるでしょう』とも言っていた。
彼の言葉を信じるならば、自分は少しずつ『ゴースト』に近付けているのだろうか?

     ドクン ドクン ドクン ドクン

ひそかな期待を込めて、最後の部屋の扉を開く……。

149『きらきら星を追え!』:2016/07/12(火) 22:54:26
>>148

 その扉は……今までのように何か説明書きがされてる事もない、白い扉だった。

「お兄ちゃん、この部屋。何の部屋かわかる?」

「いや、おいらも良くこの部屋の事は知らないな……。ポポノ博士が
確かこの部屋のほうに行ってたのは見かけた事あるけど。
 詳しい事は教えて貰ってないし……あぁ、そうだ。そう言えばゴーストは
この部屋によく入ってたんだよ。だから、あんまり近づく気にならなかったんだ」

兄妹の声を聞きながら、貴方は扉を開く。

 
 ――真っ白だ。

四方全体が白い。縦も横も大体五メートル程度だろうか? 狭くはないが
そんなに広い訳でもない。そして、部屋には余計なもの何一つない

 「あれ? 何も置かれてないな……何もないし、ただの空き部屋か?」

「うぅん、お兄ちゃん。よく見て……真ん中に何か描かれてる」

 ロポポが指した場所。その部屋の真ん中には目を凝らすと
何か紋章のようなものが描かれてるのか見て取れた。
 描かれてるものの近くにも、ミミズのようなのたくった文字らしきものもある。

 ……近づかないと、正確に何を書いてるのが解らない。




(※確認ですが、小石川PCの旦那様の呼び方は『文子』でしょうか?
また、よく二人で一緒に過ごしてた場所を大雑把でも構いませんし
星見町の細かい場所でも良いので、申訳ありませんが
 教えて頂けるとありがたいです)

150小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/13(水) 21:19:55
>>149

     スゥッ

この白い扉が明らかに異質であることは、最初に見た時から理解できた。
だからこそ真っ先に調べるという選択もできたが、あえて最後にしておいたのは、
できるだけ多くの情報を集めた後で入りたかったからだ。
おそらくは重要な場所であろうし、何も知らないで入るよりは、
事前に知識を得た状態で入った方が、大事なことを見落とさずに済むだろうと思えた。

     カチャ

『ゴーストがよく入っていた』という言葉は、心の中にある期待を強めるには、十分すぎる裏付けだった。
もしかすると、今も室内にいる可能性もある。
この工場で最も謎に満ちた存在である『ゴースト』――『彼女』と対面した時、
自分はどのように声をかけるべきだろうか。

     キィィィ……

  「……何もない部屋ね……。それに、誰もいない……」

だが、にわかに高まる期待に反して、部屋は無人の状態だった。
しかし、まだ諦めるのは早い。
この部屋の中に『ゴースト』の手がかりが残されているかもしれない。
そんなことを考えていると、ロポポの言葉が耳に入った。
よく見ると、確かに何かが描かれているようだ。
紋章らしきものの傍らにあるのは、文字……だろうか?

  「――これは……?」

ゆっくりと近付いていく。
これが手がかりになってくれるといいのだが……。
その内容に目を走らせ、静かに黙読する。





【※備考】

・呼び方について
その認識で構いません。

・よく二人で過ごした場所
『彼』と出会った場所でもある『Heads or Tails(ヘッズ・オア・テイルズ)』というカフェとバー兼業の店。
白と黒のモノトーンで統一された落ち着いた内装で、昼はカフェ、夜はバーを経営している。
マスターは無口で物静かだが愛想はいい。
以前に住んでいた町(星見町近辺の町)で営業していたため、星見町にはなかった。
しかし、最近になって星見町に店舗が移転しており、自分もそのことを最近知った。

151『きらきら星を追え!』:2016/07/14(木) 09:44:26
>>150

 ソレは、不可思議な形をした印章だった。
貴方の記憶の、どの国や地図などに載ってる記号にも当てはまらない不思議な形。
 だが、その形は今この場ではそこまで重要ではないだろう。
下には、小さな文字でこう書かれていた。

    
          決して色褪せぬ光は すぐ傍に すぐ此処に
                
                Twinkle, Twinkle,Little Star


 その文章が目に留まると同時に。

 「み 見て……!」

 「紋章が光り始めたぞっ!?」

 貴方が何かを止める間もなく、行動を起こすよりも早く
その地面に刻まれた紋章は、最初青白く、そして瞬く間に赤と黄を
入り混じったようになり、そして真っ白な光へと変化する。

        そして


    ――ペ     カーーーーーーーーーッッ!!!


 そして、室内全体を瞬く間に発光が満たした。

 貴方も、小人達もその眩さに目を閉じてしまう。

 僅かな時間ながらも強烈な奔流となった光の圧力に、瞼を閉じるその間。

 〜〜〜♬

 貴方は、音楽が耳の中を通り過ぎるのを聞いた。

 この音楽を、貴方は良く知っている。よく理解している。

コレは……『Heads or Tails(ヘッズ・オア・テイルズ)』で良く流れる伴奏だ。

152『きらきら星を追え!』:2016/07/14(木) 10:02:27
>>151続き
〜〜〜♬

 伴奏が流れている。曲はピアノのスローJジャズだ。

貴方はバーのカウンターの丁度手前に立っている。周囲は薄暗い中に
淡く輝くオレンジのライトを見るに時間帯は夜だろう。
 
 「うわぁ……綺麗な場所」

 「へぇ、大人の巨人達ってこんな洒落た場所に来るんだなぁ」

肩のほうから声がした。無論、貴方にずっと付き従ってるラポポにロポポだ。
 真っ白な室内に居た筈が、貴方にとって思い出深い場所である
Heads or Tails(ヘッズ・オア・テイルズへと、小人と共に貴方はいる。
 カウンターでは、丁度貴方の知り合いであるマスターが黙々とグラスを拭いている。
わざとか、それとも気づいてないのか。貴方に対して何か反応して干渉する様子はなかった。
 これはスタンドによる幻覚なのか、それとも本当の瞬間転移なのか。そう言った
疑問も貴方には生まれてくるかもしれない。だが、それは次に後ろから聞こえた
言葉によって、全て芽吹こうとしていた疑問は終ぞ流されてしまう事であろう。


            「――文子」


 ……それは、貴方がもっとも忘れずにいた人の声であった。
 
   それは、貴方のことをきっと誰よりも知るものの声だった。
   
   それは、貴方にとって、何モノにも替え難い、もう一度聞きたい声であった。

   
 貴方が振り向けば、其処には。

 右手の指は『六本』。身長は180程の長身ながらも全体的な雰囲気から優しさが滲み出ている。

 たった一言の名前の呼びかけ。それだけにも関わらず慈愛と貴方を想う気持ちが
溢れ出ていて、そして其の顔と眼差しは全てを貴方に委ねる事を認知している。


 貴方の愛する者   ――『小石川 治生』
 
 その彼が……貴方へと微笑みかけ佇んでいた。

153小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/14(木) 21:10:58
>>152

  「……『きらきら星』……?……ッ!?」

紋章の下に記された文章――謎めいたメッセージが視界に入る。
しかし、そこに込められた意味を理解することはできなかった。
より正確に言えば、理解している『時間』がなかった。
紋章から放たれた強烈な光は、瞬時に室内を満たす。
咄嗟に後ずさろうとするが、それさえも間に合わない。
為す術もなく、まばゆい光の中に飲み込まれていくのを感じた。
自分にできることといえば、ただ瞼を閉じることだけだ。
だからこそ、余計に耳の感覚が鋭敏になっていたのかもしれない。
聞き覚えのあるピアノ曲が聞こえた時には、そこは既に『白い部屋』ではなかった。

  「――こ……『ここ』は……!」

     ゴ   ゴ   ゴ   ゴ   ゴ   ゴ   ゴ

初めて工場に来た時と同じような瞬間的な移動(ワープ)――それから僅かに遅れて状況を理解し、
驚きの声を上げる。
自分にとって思い出深い場所を見間違えるはずがない。
ここは確かに『Heads or Tails(ヘッズ・オア・テイルズ)』の店内だ。
昼のカフェと夜のバーという異なる姿を持つ様を、コインの表と裏になぞらえた名前は、
愛する者と出会った場所として、記憶の中に強く残っている。
白と黒のモノトーンで統一された内装も、穏やかに流れる情感豊かな音楽も、
それらが一体となって織り成す雰囲気も、何もかもが同じだった。
ご丁寧にも、カウンターの向こう側には、顔見知りである初老のマスターまで立っている。
いよいよもって、完全に本物と同様だ。
果たして、これは現実なのだろうか?
マスターがこちらに対して何か反応を示していれば、
――もともと客に対して不要な干渉はしない人物なので分かりにくいというのはあるが――
ある程度は区別できたかもしれない。
だが、次の瞬間――そんな考えは、まるで最初からなかったかのように、忽然と頭から消え去っていた。

     ド   ド   ド   ド   ド   ド   ド

それは、もう一度聞きたいと願っていた声だった。
同時に、もう二度と聞くことのできない声でもあった。
反射的に振り向いた顔は、工場で数々の秘密と対面した時とは比べものにならない程の驚愕に彩られ、
両方の瞳を大きく見開いたまま硬直していた。

  「あ……」

息が詰まり、一筋の涙が頬を伝う。
『彼』が、ここにいるはずがない。
再会できるわけがない。

  「は――」

だって、彼は。
彼は、もう。
――『死んでしまった』のだから。

  「――『治生さん』ッ!!」

そんなことを考えている余裕など、あるはずがなかった。
片時も忘れたことのなかった『彼』の名前を呼び、照明を反射して煌めく涙の粒を散らしながら、
その胸に飛び込むために駆け出す。

今の自分にあるのは、ただ『それだけ』だった。

154『きらきら星を追え!』:2016/07/15(金) 00:41:19
>>153

 貴方、小石川は。最愛の相手の胸に飛び込まんと駆け出した。

これが、ただの幻想であり。もしかすれば今の風景や、その相手すらも
ホログラムのような脆いものかも知れない。
 そう言う、悲しい現実も存在していた可能性はあった。だが、この工場は
この部屋は……『夢を抱くもの』を、裏切る事はないのだ。

 
 ―ガシッ

胸板の中に納まるように、貴方の体は『治生』へ預けられる。すり抜けたりもせず
彼の体は死者のように冷たく作り物めいたものではない。
 長く共に居た貴方ならば実感できる。密着した際に聞こえる鼓動も、その体温も
その背中に回される、泣きたい程に優しい腕の感触も全てリアルで。これがチャチな
幻覚の産物である等と、疑う余地はないだろう。

 夢だろうとマヤカシであろうと構わない。 この時間が永遠に続けばいい。

時間にしては一分も満たなかったかも知れない。だけど、貴方が望むよりも
無常に、貴方を取り巻く時間は貴方の意思に関係なく前に進んでいく。

 「――文子   忘れないで欲しいんだ」

抱きすくめた彼は、貴方の両肩に手を置き、お互いの顔が見えるように
少しだけ密着した体に距離を置いて、そう言葉が紡がれた。
 貴方の目元に流れる涙を、その六本指の人指し指の腹が拭い
ゆっくりと、耳に染み込ませるように声はピアノジャズに交じるように発せられる。

 「僕の言葉を 僕が君と歩んだ道のりを」

「文子   君が覚えてくれる限り、僕はいなくならないよ 決して
目に見えなくても、瞼を閉じれば。すぐ傍に    僕はいるよ」

「君を愛してる   ――文子」

 
 其の言葉と共に、『治生』の体から、淡い白い光の粒子が昇る。
感覚的に、貴方は直感で『終わり』が近いのだと予感した。
 
 足先から、頭のてっぺんまで彼の体を白い優しい光が包み込む。
『Heads or Tails(ヘッズ・オア・テイルズ)』の中、すべても気づけば
白い粒子へと包まれていく。

 あとは、一瞬だった。

 また再び、白い奔流が貴方達を襲い。目を開いた時には
白い何もない壁が貴方を迎え入れる。
 先ほどの邂逅が、ただの短い夢であったように。彼の痕跡も全てない。
……いや。
 貴方は覚えてる。肌と肌をあわせ感じた優しい体温を。目元を拭った
その感触を、覚えている。

 光がすべてを包み込む前に、何もかも知り抜いてるかのように
包み込む微笑みを投げかけた治生の表情を、想いを。


 ……ガチャ。

 ふと、背後から扉を開く音が聞こえた。……この工場で
人間用サイズの扉が開く音は自分の手を除いて聞いた事はない。

第三の人間か、或いは貴方が会いたいと望んだ意中の相手か。
 振り向けば、相対する事だろう。

155小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/15(金) 22:17:05
>>154

  「あぁ……!私も……私も愛しています……!!治生さん……!」

これは夢?それとも幻覚なのだろう?
しかし、そんなことはどちらでも良かった。
再び『彼』と出会えるなら、たとえ残酷な悪魔の戯れであろうと、一向に構わない。

  「――これからも私は生きます……!
   この世界で生き続けます!
  あなたとの約束を必ず果たします……!」

『彼』の『言葉』――それは今でも昨日のように思い出せる。
あの日、『彼』は『自分の分まで生きて欲しい』と言い残し、すすり泣く自分の前で息を引き取った。
それが『彼』の『遺言』だった。
その『遺言』を全うすることこそが、『彼』に対して自分がすることのできる最大の手向けであり、
『真実の愛の証明』なのだ。
自らの命を絶つことで、『彼』の下へ旅立ちたいという欲望に苦しめられたとしても、
『死の誘惑』に負けることは許されない。
その決意を、今この場で改めて、強く胸の内に刻み込む。

「だから――どうか私を見守っていてください……!」

心の中では、この時間が永遠に続いて欲しいと願っているが、
それが叶わない望みであることも分かっている。
それでも、終わりが訪れる前に、この一言だけは伝えておきたかった。
光の粒子に包まれた空間の中で、最後の瞬間まで目を離すことなく『彼』と向き合ったまま、
白い奔流に押し流されていく――。

やがて――目の前にある白い壁を見て、戻ってきたことが分かった。
だが、しばらくの間は動くことができず、呆然と立ち尽くしていた。
まだ夢の中にいるような気分だった。
しかし、それは決して夢ではない。
あの思い出深い場所で、死に別れたはずの『彼』と再会し、確かに触れ合ったという感触が、
そのことを裏付けている。
『彼』がいなくなった後の空白を埋めるには、余りにも短い時間ではあったが、
『彼』と想いを伝え合えたことを実感できただけでも十分だった。
そっと胸に手を当てて、静かに深呼吸する。
未だ深い底に沈んでいる意識が、現実の世界に引き戻される。
背後から音が聞こえたのは、その直後だった。

それは、自分と同じように工場に迷い込んだ第三者なのか。
それとも工場を管理している金平糖会社の人間なのだろうか。
あるいは――この工場の最初の住人である『彼女』なのかもしれない。

     ゴ   ゴ   ゴ   ゴ   ゴ   ゴ   ゴ

その正体を確かめるために、ゆっくりと振り向いた……。

156『きらきら星を追え!』:2016/07/16(土) 19:12:03
>>155

 白い奔流が、彼の姿を覆い隠す前に。小石川が告げた言葉
それを、しっかりと力強い微笑を交え頷く『治生』の姿を、貴方は目に焼き付けた。

 深呼吸、それと同時に背後から聞こえる音。 貴方はゆっくりと振り向いた……。


 ┣¨ド┣¨ド┣¨ド┣¨ド┣¨ド┣¨ドド┣¨

               『――……』


 ……その開いた扉に佇んでいたのは  女性だ。
背格好は中肉中背、貴方と似た体形をしてる。だが背丈は少し小さいように見える。
 うなじは余裕をもって隠れ、自然に下げた腕の肘さき程度まである長髪。
 髪の色はおそらく黒、だが……『透き通っている』。そう、その女性は全体像を
見る限り、向こう側が見えると言う程の透明度ではなくも、ガラスめいた透明さを帯びてる。
 着ている服などはチェスターコートで、年代を感じさせない。恐らくは現実の服らしきものを
身に着けてるようだが、露出してる顔や手などが服により其れを一段と際立たせていた。
 それと、次に注目されたのは『雰囲気』だ。
女性は……何処か『儚げ』な空気を身にまとっていた。
 貴方を見る顔に、不法侵入さに対する憤り及び意外なる歓迎の色など
持ってはおらず、彫刻めいた無機質さが少しあるものの、何処か哀愁が漂っていた。
 推測なるが、この『哀愁』めいた気配が。貴方と、ゴーストを小人が
見間違える要因なりえたのだろう。

 『……此処はね』

その容姿は十代後半のようにも妙齢の女性にも見える
年齢感じさせぬ顔ながら、発せられた声は歳月を長く帯びてるように思える。

『追憶……そう名付ける予定だったんだ。この部屋はね』

 女性は、普通の人間の足音よりも幾分軽い反響と共に貴方に距離を狭める。
部屋の中へと溶ける言葉は、勝手に工場に入った貴方を咎めないし非難してる
様子もない。ただ、ただ何かを想い偲ぶように、切ない感じを秘めている。
 白い壁に手をつけ、ゴーストの女性は淡々と語り続ける。

 『とは、言うものの……この部屋をずっと稼働させるべきか悩んでもいる。
余りに辛い傷は、余りにも辛く心が頷けない出来事を、人は時間が
癒してくれるまで、その胸のなかに収め続ける。いつか其の痛々しい光も
星となって還るまでね……それは、定めでも苦しい事には変わりない』

 女性は、貴方がこの部屋で何を見聞きし、何を感じたのかを理解してるようだった。

暫く、どちらも何も言えない空気が続いてから、女性は貴方に顔を向けた。

 『……私はゴースト。貴方は私に
聞きたい事 知りたい事が沢山あるだろうね』

 そう、透き通った瞳の色は貴方の姿へと染めて言葉を待つ。

157小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/17(日) 19:45:19
>>156

  ――この女性(ヒト)が……『ゴースト』……。

     ドクンッ

背後にいる者の正体を確認し、思わず息を飲む。
その透明感を帯びた姿を一目見ただけで、『彼女』が自ら名乗る前から、それが誰なのかは理解できた。
初めて存在を知った時から、会ってみたいと思っていた『ゴースト』――その『彼女』が、
自分の目の前に立っているのだ。
こうして相対してみると、彼女からは確かに自分と似たものを感じる。
それは外見の共通点というよりも、むしろ内面から滲み出る雰囲気によるものだ。
そのことに気付いた時、小人達が自分と『彼女』を見間違えていた理由も納得できた。
そして、また新たな疑問も生じる。
『彼女』が身に纏う『哀愁』は、どこからくるものなのだろう?
愛する者を失った自分と同じように、『彼女』にも何か背負っているものがあるのだろうか……。

  「――初対面でこんなことを言うのは失礼かもしれませんが……
   私はあなたに『不思議な親近感』を覚えています。
   あなたに近付いていく度に、その思いは強くなっていきました……。
   あなたという人が他人とは思えないのです」

こちらに向けられた文字通り透き通るような『彼女』の瞳を見つめて口を開く。
向かい合っていると、まるで鏡を見ているような気分だ。
しかし、改めて考えてみると、不思議な道のりだった。
最初は、取材に行き詰まっていた有菜を手助けするためだった。
だが、思いがけず小人達と出会ったことで、少しずつ奇妙な世界に引き込まれていった。
そして、最後には自分の意志で、工場を司る『ゴースト』に会いたいと強く思うようになっていた。
こうして、もう一人の自分とも思える『彼女』に巡り会ったことは、果たして偶然なのだろうか。
最初に足下に転がってきた金平糖(リトルスター)――その導きに従った自分がここまで来たのは、
もしかすると『運命』だったのかもしれない。
今の自分は、そんな心持ちだった。

  「ですから――教えて下さい。あなたのことを。そして、この場所のことを。
   もし、あなたが話したくないなら、全てを教えて欲しいとは言いません。
   ですが……できる限りのことを話してもらいたいのです」

もし――これが『運命』だというのなら、自分は受け入れよう。
だからこそ、自分が知ることのできる全てを知っておきたい。
自分の意志を伝え、静かに『彼女』の返事を待つ……。

158『きらきら星を追え!』:2016/07/17(日) 23:23:32
>>157

 『    ……    』

『私が何者か   か……』

『……もう永く  此処で過ごし続けた。もう永い間……記憶を背負う事を
億劫と感じる程に。……私が何者か か……』

 『   ……忘れて …………しまったよ。
しいて言えば 私はゴースト。この工場の管理人……それでいいじゃないか』

暫く、女性は眼を閉じ 瞑想するような表情で白い壁に額を突き合わせるように沈黙を守っていた。
 そして、掛けられた貴方の言葉に。静かにだが良く通る声で室内の白に溶かすように答えた。
ゴーストは自身の事を、貴方に独白する事はしない。それが文面通りにすべての過去を過去と割り切り
工場の外へ出してしまったが為か……若しくは彼女も貴方と同じく誰かに伝えるには苦しい過去を
背負う者の一人なのかも知れない。一つだけ事実なのは、これ以上彼女は自分自身について
深く内情を洗いざらい言う事はない。少なくとも『今』はまだ……。


また暫く鎖された口、そして時。だが次に後に開いた瞳は。
 透明な中に何かしら強い一点の光を携え。貴方を見て告げる。

 『少し   歩こうか』

 ……貴方はゴーストに連れたって歩き始めた。肩には居心地悪そうなラポポに
少し緊張した感じでロポポが座り、ゴーストの背を見つめてる。
 歩く方向は、あの廊下の突き当りの過去←→この先整備中 の方角だ。
 
 床を叩く一定の音と共に、ゴーストは流れるように貴方へ告げる。
『……この工場は、謂わば現実に近くも、かなり遠い場所にある。
謂わば【異空間】と称すべきなんだろうな。其処に、此処はある』

 彼女が何て事のないように話し始めたのは、貴方にとっては
衝撃的に感じられるかも知れない内容が幾つか含まれていた。

 曰く、この『工場』は現実とは異なる空間に存在する。
この『工場』を行き来する手段としては、一番自由に出入り出来るのは
『小人』であり、次に『小人』が許したものが工場に入る事が出来る、との事だった。

『だが、これも意外とね。中々安易なものではない』

『小人は一度気が許したものに対しては寛容だし、犬猫のように人懐っこいのが大部分だが。
反面……危害を加えようとする行動や意思には頗る敏感だ。
 だから危険だと思える生物には直ぐに自分達から離れていく……その性質が
長らく彼らが他の、スタンド使いと言われる者たちからも暴露されてない理由だろう。
 例外としては私が何かしら小人が見える存在を連れて来てくれるようにするとか、そう言う
指示をしてたりなどすれば別かも知れないが……そう言った部分も含めて
突然の招かざる客であるが、貴方を強引に追い出さない訳でもある……最も
工場を、小人達を傷つけようとする素振りが少しでもあれば……私も何かしら手段を講じたか』

 「! おいっ、巨人は何もおいら達にひどい事をしてないぞっ。
おいらにロポポも母ちゃんから守ってくれたし父ちゃんも助けた。
意地悪なコルボだって驚かせただけだったし、それに それにっ」

『……』

穏やかでない言葉に。ラポポは向きになって言い返す。だが、それを
暫し無表情で見つめてから。フッとゴーストは軽く、その時はじめて柔らかと
思える表情を作り上げた。

 『大丈夫だよ……君らの友達を傷つける気はない。
むしろ……あの部屋に入って苦しんだのは、彼女のほうだろうから』

 「それは どうして?』

ロポポが次にゴーストへ首を傾げ聞く。ゴーストは、少しだけ瞼を伏せて呟いた。

『……追憶の間は、去りし日々の、一番思い出深い時を再現してくれる。
それは、とても焦がれた時であり、願ってもない光景だろうけど。
 だけど自由の利くものじゃない。すべては過去の自身の記憶のリプレイでしかない。
だから、どんなに再現をしても。自分の最も会いたいと思える人の姿は
記憶の産物の再現にしか鳴り得ない……そう気づけば、更に深く傷は増すばかりさ』

 「……え? ん??」

ロポポは、ゴーストの言葉を聞いて困惑と疑問を織り交ぜた顔で貴方と
ゴーストを交互に見比べた。……確かに今の内容は少し何か齟齬がある気がする。

 ゴーストは整備中の道に曲がるようだ……まだ何点かの質問に答えてくれるだろう。

159小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/18(月) 19:54:54
>>158

  「――そう……ですか……」

『彼女』は本当に忘れてしまっているのだろうか。
それとも、言いたくないという意味なのかもしれない。
いずれにせよ、『彼女』に話す気がないというのなら、これ以上の追及はできないだろう。
だが、それでもいい。
もともと無理に聞き出すつもりはなかった。
全てを知りたいという気持ちはあるが、それよりも『彼女』の意志を尊重したいと思う。

     コクッ……

『彼女』の言葉を聞いて黙って頷き、その後に続いて廊下を歩く。
向かう先は、初めて見た時にも不思議に感じた場所だ。
あるいは、自分の質問に対する『彼女』の答えが、この先に待っているのだろうか。

  ――この場所そのものが能力の産物……?

この工場の所在に関しては、決め手になるような手がかりが得られなかった。
しかし、『彼女』の話によると、この工場自体がスタンド能力で作り出された空間だと考えた方が良さそうだ。
今までは確証がなかったが、管理人である『彼女』の言葉によって、それが裏付けられたことになる。

  「――もし違ったのならごめんなさい……。『ご存じ』だったのですか?私の行動を……」

そして、『彼女』は『傷つけようとする素振りが少しでもあれば』と言った。
つまり、工場に来てからの自分の行動は、最初から把握されていたということだろうか。
そう考えると、『追憶』の部屋で自分が現実に帰還した直後に、
まるで見計らったかのように『彼女』が姿を現したことの説明にもなるように思えた。

  ――記憶の再現……。やっぱり、そう考えるのが一番……。でも、あれは……。

柔らかな表情の後に続く言葉――分かってはいたものの、率直に言われると、
それを受け入れるのには勇気がいる。
確かに、冷静に考えれば、『彼』と出会えることなど有り得ない。
『彼女』の言うように、部屋に入った人間の記憶の再現だというのが、最も理にかなった解釈だろう。
しかし、あのリアルな感覚は、単なる幻想だったとは思えない。
現実と見間違う程の実体感を持った幻とも言えるかもしれないが……。
実際に体験した自分としては、とてもそうとは思えなかった。
それに、あの部屋で自分は苦しみなど受けなかったし、むしろ感謝しているくらいなのだ。
安っぽい表現ではあるが、そこで何かの奇跡が起こって『彼』と出会えたのだと、自分は信じていたい。
これだけは、誰に何を言われようとも、譲りたくなかった。

  「スタンド使い……。先程あなたはその言葉を使っていました。
   既にご存知でしょうが……私もスタンド使いです。
   あなたも……そうなのですか?
   この工場や住人達は、あなたの能力が関わっているものだと……?」

一瞬だけ『スーサイド・ライフ』を発現してみせ、すぐに解除する。
『彼女』が工場や小人達の本体だというのは、もはや疑いようがないようにも思えるが、
念のために確認しておきたい。
万に一つという可能性もないではない。

  「この工場に来る他の人達もスタンド使いなのですか?
   会社の方達のようですが……。
   あなたとは、どういった繋がりがあるのでしょう……?」

これも気になる点だ。
『彼女』の方から――または小人の方から――会社と接触したのか、それとも逆なのだろうか。
ここが『異世界』であることを考慮すると、前者の方が妥当に思えるが……。

160『きらきら星を追え!』:2016/07/18(月) 23:34:39
>>159

>『ご存じ』だったのですか?私の行動を
>この工場や住人達は、あなたの能力が関わっているものだと……?

『あぁ、そうとも。だからこそ工場内で起きてる事は全て私は理解出来る……
と、言えれば良いんだがね』

フゥー…

ゴーストは、長く細い溜息をはき。少し顔を俯かせてから気怠く
天井へと仰いだ。

『……最初に貴方が訪れたのは牧場……だったかな。一応、例外を除き
殆どの場所には小人達が各々の働きをしている。その内の幾つかには私が
頼んで……知らない人間が訪れたら私に報せる。そう役目を課した。
 本当に、そんな何て事のない理由なんだ。』

『……単純に、この工場が私の力の産物。と答えられればいいんだがね。
正直……本当に正直に言わせて貰えれば
   私には解らないんだ。
 私が、私と言う肉体から離れた時。私はそう、幽霊と言う存在になっていた。
今の世間一般の幽霊と言うものがどうかは知らないが。
 その当時、私は酷く脆かった。小さな鳥、いや強めの風に運ばれた枯れ葉が
体に当たっても私は千切れ千切れになって何処かに野晒しになっていただろう。
 君が考えるよりずっと、私は脆弱で、幼子よりも希薄だ。
もっとも、今では何とか現実の服を羽織れるぐらいの固さはあるが……』

『話を戻すが。私は死人だ、其れはこの透き通った体からも明白な事だ。
 そして、私は私と言う存在の壊れ易さに恐怖していた時、ふと、気づけばだ。
狭く、暗い場所に気づけば私は一人、そこに居た。
 ――それが工場だ。
 私と言う存在が、人でもない、スタンドと言う精神的なエネルギーの塊でもないからこそ
工場は私を管理人として認めてくれて、此処の管理人に仕立て上げたか。
 それとも私の恐怖が発端となり、この工場が生まれたのか……私には今もその理由を
推し量る事は出来ない。そして、解明出来なくても別に構わないんだよ。
 試してはいなくとも、私は君たちのいる場所まで……この身で出ようと思えないんでね』

そう、ゴーストは錆び付いたような微笑を浮かべ告げた。

>この工場に来る他の人達もスタンド使いなのですか?会社の方達のようですが……。
   あなたとは、どういった繋がりがあるのでしょう……?

『あぁ……ソレか』

ゴーストは、その問いに軽く息を吐きだす。重たく、長い過去を
掘り出すかのように、大きく息を吸い目を閉じる。

 そして、目を開くと答えはじめた……。

161『きらきら星を追え!』:2016/07/18(月) 23:35:25
>>160続き

『……話が戻る事になるが。私はこの工場の管理人となった。随分と昔になる。
 私は、最初こそ生まれてきた小人……君の肩にいる子達と話したりする事でも
満ち足りていた……だが、私は結局の所、死因が何であれ人恋しかったんだろう。
 私は、私の事を見れる小人以外の誰かと会いたいと願った。そしてソレを口にした。
……彼らは、私の願いに答えてくれたよ。長くなるし、そこまで細かく言う事ではないから
簡潔に言うがね。
 ある日、その希望を叶え来てくれた人間は、私と言う存在に驚きつつも……元から
頭の回る人だったんだ。この工場と、そして私を取り巻く小人達の力を把握出来る人だった。
 だから、それで現実の世界と強固な繋がりを作らないかと提案した。
アレは、私のゴースト人生の中でも、かなり衝撃的な出来事だったろうな。
あれやこれやと、気づけば私は小人達の力で不思議な金平糖を作る工場の工場長と言う
立場になっていた……と、これが真相だよ。
 招かれる人間は、小人が見えると言う資格がない以外で工場に来るのは困難だろうからね。
結果的に、スタンド使い。そう言う事になる……私がスタンド使いと言う単語を知ったのも
小人達が人間を招いてくれたからこそ知った事だ。
 彼らはまぁ、この工場と言う存在自体に関心もっていたり、私と言う存在が危険がどうかと
言うのに懸念を抱いてたり様々だが……私としては、小人達が常に幸せでいてくれさえいれば
何も望まないよ……彼らは私の大事な星(リトルスター)なんだから』
 
 言い切る彼女の顔は。多少正直に話してる事で恥じらいに近い感情が見えつつも
嘘や何か白を切る様子はなかった。彼女の小人達に対する感情が真実だと
悟ったからか、ラポポも軽く照れた様子でそっぽを向いてるし、ロポポも頬を軽くピンクに
染めて笑顔を浮かべていた……。

 ――――――――――――――――――――――――

『整備中』の通路を入っていくと、その空間は随分と歪と化していた。
 通路部分は湾曲となり、部屋と言える部屋らしき扉がない。
前方への道が段々と全てに曲線の線と線と言う部分らしきものが
なくなっていくと言う、見るだけで段々気分が変になってくる状態になっている。

『……此処は、まだ作られてないんだ。【想い』が多分、不完全なんだろう』

『それでも、この先を進まなくちゃいけない。気分が悪くなったら
私の背中だけをじっと見続けなさい』

 ゴーストは、そう言葉を掛けて先導して歩いていく。
道と言うものが形成しえない中で、貴方は彼女と共に前へ進んでいく。
 これから何処に行くのか? その外にもまだ聞きたい事があれば
彼女は歩きがてら目的の地に着くまで良識の範囲で答えてくれるだろう……。

162小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/19(火) 20:44:17
>>161

  「――よく……分かりました……」

『彼女』の話によって、ほとんどの謎は解けたことになる。
それでも、まだ明らかになっていない部分も幾つかある。
その一つが、工場と『彼女』の繋がりだ。
『彼女』が死後にスタンドに目覚めたのかもしれないし、
本体がいない状態で一人歩きしていたスタンドが、『彼女』を本体と認めた可能性もある。
先に存在したのは『彼女』か、それともスタンドか。
それは、まるで『卵と鶏のどちらが先か』という議論のように掴み所がなく、結論の出しにくい問題だと言える。
なにしろ当の『彼女』自身にも分からないというのだから、その点はどうしようもない。
しかし、それも悪くはない。
謎は謎のまま――それも一つの結論だと思う。

     フラッ

それにしても、このトリックアートを思わせる奇妙な通路は、
『魔法』の部屋に勝るとも劣らない異様な雰囲気を発している。
今も足下がおぼつかなくなっているが、ずっと見続けていると、
自分が立っている場所すら分からなくなりそうだ。
気分を落ち着かせるという意味も兼ねて、再び『彼女』に質問を投げかける。

  「ところで……この工場の部屋というのは、自然に作られるものなのでしょうか?
   あなたが作っているというわけでは……なさそうですね……。
   よければ、その『想い』について聞かせてもらえませんか?
   金平糖の作り方を説明していただいた際にも、同じ言葉を聞きましたが……」

『グルメ』の部屋で出会った小さなコック達――彼らは、
『想い』を込めることで不思議な金平糖を作り上げていた。
その『想い』こそが、工場内に新たな部屋を生み出す源にもなっているのだろうか。
どうやら『想い』という言葉は、金平糖だけではなく、この工場全体に関わるキーワードのようだ。

  「それから……差し支えなければ教えていただきたいのですが――
   『向こう』には何があるのですか?」

そう言って、こちらから見て反対側に位置する『過去』の方を振り返る。
自分達が進んでいるのは『整備中』だが、向こうは既に完成していることが伺える。
その意味ありげな名前が意味するものは一体なんなのだろう。

  「――そう……言い忘れていたことがあります。『ありがとうございました』……。
   私は追憶の部屋で、私にとってはとても……とても貴重な経験をさせていただきました……。
   あなたは、私のことを気遣って下さいましたが……。
   どのような形であれ……私は、もう一度愛する人と言葉を交わし合い、
   そして触れ合えたことに感謝しています……」

ただ少し不思議なのは、『自分と治生の邂逅』を、『彼女』が知っているらしいということだ。
さっき聞いたように、『彼女』自身が工場内を把握できる能力を持たないというのなら、
部屋の外にいながら中の様子を確認できたとは思えない。
また、小人であるラポポやロポポが、自分が気付かない間に『彼女』に教えたということも考えられない。
そういえば、先程のロポポと『彼女』のやりとりにも、少々引っかかるものを感じた。
なぜ『彼女』は、私が『苦しんだ』と考えているのだろうか。
それは『所詮は一時の幻だから』という意味なのかもしれない。
それなら、単にお互いの感覚の違いということになる。
しかし――本当にそれだけだろうか。
なぜかは分からないが、何か気になった――。

163『きらきら星を追え!』:2016/07/20(水) 15:56:10
>>162

 >この工場の部屋というのは、自然に作られるものなのでしょうか?
その『想い』について聞かせてもらえませんか?
>『向こう』には何があるのですか?

『……』

小石川の問いかけに、ゴーストは暫し無言で歩だけを進めた。
 無視、と言う形に結果的になるが。彼女は貴方の質問に故意に返答
するのを拒否してる訳でなく、その不定形になりつつある工場の奥に
進む事に集中してるようだった。

 周囲は今や完全に道と言う道というものを形成し得ないものと変わっていた。
視界に映るものは白っぽい周囲の色合い以外では踏みしめてる地面と思しきものも
グニャグニャと不安定に揺れており、縦横上下共々、手を伸ばしても硬い感触が反って
こないと思ってしまう、無重力に似た不安定さが寄り集まっている。
 「うぇぇ……周りが全部ぐにゃぐにゃのゼリーで出来た見たいになってる。
此処に長くいたら、きっと体の中身まで上も下もごちゃ混ぜになりそうだ
流石に、おいらも気持ち悪くなってきたぞ」
 「おにーちゃん……私も気分が悪くなってきたぁ」

肩の小人も青い顔でグロッキー寸前だ。
 
『此処を左……前に……右……さらに右……真っすぐ、少し斜めに……よし』

 その方角という概念が全て歪んでる場所を、ゴーストは淀みなくしっかりと
歩を進んでいる。船酔いにも似た、その平衡感覚が可笑しくなりそうな状態は
ゴーストの背だけをしっかり見る事で何とか貴方は歩みを保てる筈だ。

『この道程を乗り越えられるのは……私のような存在、若しくは特殊な能力を
持った使い手か、または鍛えぬいた小人だけだろう』
 
 重々しくゴーストは、告げる。そして、少し立ち止まって、貴方の歩みが
続いてるのを確認すると、こう告げて更に何歩が進んだ。

 『大きく息を吸い込んで、そして腰に力を入れて前に倒れないようにして。
怪我はしないと思うが……それでもだ』

   カツ   コツ  カツ


    ギュ       ゥーーーーーーッンッ!!!

言われるがままに数歩の先を行くと、突如視界の中が急激に変化した。
 今まで平衡感覚が狂うような三次元を超えた湾曲で出来た周囲一帯か
ゴーストと同じ地点まで貴方が進むと、急激に空間全体が貴方のいる地場まで
空間全体が吸い込まれるように、両方の目に白い壁が貴方より少し離れた所に
納まり、そして目の中に、小さな黒い点のように感じる遠距離にあった物体が
新幹線並みの速さで迫り、そして数メートル先に『黒い扉』として確立されるのを、見た。
 貴方は、ある程度のスピードで電車が急停止した時に受けた時と同じ慣性が体に
走るのを感じたが、ゴーストのアドバイスを聞いたのなら踏鞴を踏んでも、前方に
転ぶような事は起きないだろう。

 『……着いた』



     ――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


 ゴーストが見つめる、黒い扉にはプレートが掛けられ、其処には
はっきりとした字で、こう飾られている。


               『心臓部』

164『きらきら星を追え!』:2016/07/20(水) 16:19:52
>>163続き

「『整備中』の区画は、文字通りまだ小人達の手と工場の『成長』が
加わらない場所であり……それでいて『近道』でもある。
 もっとも、このルートを使えるのは。かなり少人数だが」

「この『部屋』に、貴方が知りたい『全て』が在ると言っても良い。
この『工場』の根幹を、その能力の本質を知りたければドアを開くだけで良い」

「『過去』……か。あそこには数十年前、或いはそれより最も古い場所。
人の記憶で出来る限りの再現された『山脈』に『星見町』、他にも幾つかの
建造物が小人のサイズで各部屋に設置されてる。……何故そんな場所を作るかと言えば
懐郷……言うなれば過去に埋もれ、すでに味わえなくなった味を、せめて金平糖を齧る
一瞬だけでも再現する為だな……無論、限界もあるだろうが」

 『過去』の区画も『金平糖』の味への素材。そうゴーストは説明する。

だが、次の貴方の質問。その質問には初めてゴーストは滑らかに動かしていた口を止めた。

>どのような形であれ……私は、もう一度愛する人と言葉を交わし合い、
>そして触れ合えたことに感謝しています……


           「――何?」

 ゴーストは、その時初めて。ぎこちない微笑みや、造りめいた徒労の表情など以外で
初めて……『驚き』と思しき顔を露わにした。
 目を大きく開き、その透明な視線は貴方に固定され、そして肩への小人に移る。

 「……本当に? 本当に、触れ合って望みの言葉を
『追憶の間』で想い人が告げたと?」

「うん。巨人は嘘を言ってないよ、ゴースト。
あのねっ、あったかそうな空気を羽織った巨人がね。こっちの巨人と
一緒に抱きしめあって、涙も拭ってたよ。本当だよ」

 「…………」

ロポポの答えに『ゴースト』は、小さな驚愕を顔に秘めたまま貴方を数秒じっと見つめる。
そして、大きく息をついてから。再び彫刻に近く無の表情へ顔を固めた。

 「……一先ず、だ」

口火を切る。貴方が追憶の間で体験した事柄に関しては、少し後回しになるが
この本題を終わらせてから『ゴースト』が回答してくれるだろう。

「貴方には選択がある。扉を開くか……それとも元の場所に戻るか。
決して中のものが恐ろしいものとかではないが……この工場の秘密を
知ると言う事は……小さな確立かもしれない。けれど、この『工場』を
掌握しようと邪念を抱いてるかも知れないものがいれば、その危険を
貴方も背負う事を意味してる。その些細かも知れないリスクを負いたくなれば
このまま扉を開けず、帰る事も一つの道だと私は告げる。
 そうするなら、私は貴方を元の場所まで送り届けよう。
さぁ……     選んで欲しい」

 『ゴースト』は、貴方に選択をなした。

このまま『心臓部』のある黒い扉を開くか。

または……あるかも知れない危うい未来を考慮して、このまま幾らか
目にした工場の秘密を胸に秘めて現実世界に戻るか……だ。

165小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/20(水) 21:52:09
>>164

  ――……きっと、今の質問の答えは、私達の進む先にあるのね……。

『彼女』が無言を貫いたのは、答えたくないのではなく、答える必要がないということなのだろう。
ならば、あえて聞き返す必要もない。
そのように解釈し、こちらも沈黙を守ったまま、『彼女』の背中を追って歩き続ける。

     グ ラ ァ ッ

軽い目眩を覚えて、額を手で押さえて俯き、その場に立ち止まる。
顔を上げると、近くにあるはずの『彼女』の背中が、遙か遠くにあるように見える。
いったん目を閉じて心を静め、再び目を開けて気持ちを落ち着かせ、また歩きだす。
それにしても、この異様な光景は、一体どこまで続いているのだろうか?
今すぐ意識を失うということはないが、一歩ずつ歩みを進めるごとに、
確実に神経を消耗していることが分かる。
この状態が長く続くようだと、本当に倒れてしまいかねない。

  「……分かり……ました……」

精神の限界が近付くにつれて、徐々に気が遠くなりかけていたが、
『彼女』から声をかけられて踏みとどまり、その指示に従う。
そのお陰で、急激な慣性を体に受けながらも何とか持ちこたえ、転倒するようなことは避けられた。
空間が安定したことによって、不安定になっていた神経も正常な状態を取り戻し、
扉に綴られた文字も問題なく読むことができる。

  「――『心臓部』……!ここが……『工場』の『中枢』……!」

     ゴ   ゴ   ゴ   ゴ   ゴ   ゴ   ゴ

この工場に来てから、これまでも数々の秘密と対面してきた。
しかし、それらはあくまで一部であり、核心に至るものではない。
『彼女』の言うように、この先に全ての答えがあるのだと思うと、自然と緊張が高まってくる。

  「え……?」

返ってきた予想外の反応に、逆にこちらが驚かされた。
『過去の間』に対する答えには、なんら疑問はない。
しかし、『追憶の間』に対する『彼女』の反応は、明らかに不可解だった。
『彼女』の表情から読み取れるのは、あの部屋で自分が体験した出来事と、
『彼女』の予想していた内容が違っていたらしいということだ。
『そんなことはありえない』――まるで、そう言っているかのような態度だった。
それが意味するものとは何なのだろう。

もしかすると――ある予感が頭をよぎる。
いや、それを確かめるのは後回しにしよう。
今は目の前の問題に集中しなければ。

  ――治生さん……。

死に別れた『彼』の分まで生きると決めた自分にとって、何よりも大切なのは、この命だ。
だからこそ、身を危険にさらすようなことをする訳にはいかない。
このまま元の世界に帰れば、その心配をする必要はなくなるだろう。

  「私は――」

肩の上に乗るラポポとロポポを見る。
ここまで行動を共にして、工場を案内してくれた彼らは、今や立派な友人達なのだ。
そして――決心は固まった。

  「この扉の先に行きます」

     ド   ド   ド   ド   ド   ド   ド

もし、この工場を狙う者がいたとしたら、そこにいる『彼女』や小人達も危険になる。
そうなった時は、彼らを救う助けになりたい。
どこか共感を覚える『ゴースト』と友人である小人達――手助けする理由としては、それだけでも十分だ。
彼らに危険が及ぶ可能性を無視して、自分だけ無関係な場所にいることはできない。
そして、そのためには、この先へ進まなくてはならない。
その結果、自分が危機に陥ったとしても、問題はない。
もし自分に危険が迫ったならば、その時は自らの努力で切り抜ければいい。
自分の命と工場の住人達――自分が守りたいのは、どちらか片方ではなく、その両方なのだ。
静かな決意を胸に秘めて、黒い扉に手をかける……。

166『きらきら星を追え!』:2016/07/22(金) 18:11:03
>>165(あと数レスで『終了』になると思います。
希望あれば、少しだけ『エピローグ』を追加する所存です)

        >この扉の先に行きます

ゴーストは、貴方の答えと、毅然とした様を見て口を開く。

 「……私は 貴方の選択を最良とも、愚かとも告げる事はない」

「だが、私は思う。いま、貴方の胸の中に きっと一つの星明りが点いた と」

 貴方は選択した。殻に篭るでもない、亡き夫と約束した時と同じく
気高い信念を胸に秘めてた。貴方はドアノブを開く。


  ――開かれた先に闇が広がる。

 ドアを開くと、見渡す限りは光のない黒一色だった。内部からは物音もせず
耳が痛い程の静寂だけが内包されている。然し、それ以外では危険が貴方を
待ち伏せてるような予兆は見当たらない……。

 「それじゃあ、足を踏み出そう」

 ゴーストは、貴方の選択に頷き先導して中に入る。付いてくるのも
来ないのも自由とばかりに、その歩みは一定の速度で。そして歩いて
約三十程した距離で立ち止まった。

 「――『想い』とは、一体何であろうか。考えてみた事はあるだろうか」

誰に告げようとしてるのか。貴方か? 小人か? 自分自身か。いや
実際に誰に聞かせる訳で唱えた口上でないかも知れない。ゴーストは謳う。

 「かつて……この地球が生まれる以前。全ては真っ白な存在であり、一点の
黒のみが世界の在り方だった。それが、今の黒の海に白い輝きがちりばめられる
状態に至ったのをアメリカ天文学者エドウィン・ハップルによって
観測された宇宙の動き、イギリス天文学者のフレッド・ホイル等を始め。
その黒い点が超膨張して、今の宇宙になったのを『ビッグ・バン』と名付けた」

「『想い』とは何であろうか? 何故、人はある日突然に、今まで関心薄いと
思っていた異性に対し、恋を実らせるのか。永久の愛を誓おうと決意するのか。
 何故、人は真実、突き詰めれば只の文字の羅列であるものを耳にして
喜怒哀楽を抱き、黒よりも昏い憎悪や、白銀より鋭い使命感を抱くのか。
 
 人は、学ぶ過程の中で突如稲妻が走るように真理に目覚め、心で理解するのは
何故であろうか? それは本当に脳細胞の偶然の合致だけで済むだろうか。
 人は、何故死を屈服しようと探求するのか? 死にたくないと、生きたいと
強く 強く願うのは 大切な人の生を背負おうとするのは何故なのか
  それは生存本能と言う。種の繁栄と存続と言う生理的な行動であると言えるのか?

 私は、そう思えない。私は、そんな学者めいた論理(ロジック)で終わらせたくない。
 『想い』とは、それこそ
        ――人が唯一無二で抱く 『光』であり『魔法』だ   」


     パァァ      ァ   ァ・・・

167『きらきら星を追え!』:2016/07/22(金) 18:15:35
>>166続き

 ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆ ★ ☆ ★  ☆  ★  ☆ ★ ☆
 
★ ☆  ★  ☆ ★ ☆  ★ ☆ ★ ☆  ★ ☆  ★  ☆ ★ ☆  
 ☆ ★ ☆ ★ ☆  ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
    

 ゴーストの謳い文句が終わると共に、無数の『星』が室内を満たした。

全方位の空間を満たすプラネタリウムのように、大小は細かいながらも少し
あるも無数の輝きが室内に漂う。手を差し伸べ触れようとすれば、その光を
貴方の手の中を透け抜けて、流れ星のごとく部屋の中より遠くの向こう側へ行く。


    「   ――Twinkle, twinkle, little star(きらきら星)
 そう私は、この工場を名付けた。小人達を、そしてこの小さな宇宙を詰めた部屋に
星見町にいるであろう人々から産まれる『想い』を『星』へと変えて、この工場全てに
行き届き、小人や他の自然物、人工者、はたまた小さな生き物達へと変えていく。
 
 私は、永くこの工場『世界』で生き続けた。
突然、真っ暗な一つだけの個室に。神の悪戯か何かが
 星が降り注ぎ、そしてソレは幾つもの形へ成した。悪とも良しともならぬ
善悪区別なく輝く光を、私は時間をかけ、ソレは現実の人の想いだろうと
何となく、本当に何の根拠もなくも、何故か気づけば理解していた。
 理解が深まるにつれ、工場は段々と大きく、そして幾つもの部屋を造り上げた。
小人達が人間を招けば、工場自体が彼らの意思に応じるように人の為の席を工場内に設けた。

        『想い』とは『魔法』であり『全て』だ。この工場の中では
私は、私がゴースト足りえる理由がある限り、星見町に生き続ける人が『想い』を
持ち続ける限り。生きとし生ける全ての者が『光』ある限り……。
 この『工場(Twinkle, twinkle, little star)』を輝かせ続ける  永遠に」


 ……室内に満ちる光の大半が、飛び去って行く。辺り全体の煌きは徐々に減り
部屋全体の明度も比例して消えていく。

 フゥー…

 ゴーストは、一つの流星の軌跡を眺め終えると、小さく細い溜息と共に。
弱弱しくも感じる錆び付いた微笑みを、貴方に向けた。

 「……これで、私が言える事は、ほぼ告げた」

「これから、どうする? 外へ戻る手段は……その肩にいる貴方の
大切な友人達が心得てるね。
 この部屋は『心臓部』だから……すぐに貴方の傍の二人が入口を作れば
元の通った現実の場所まで戻れるだろう。
 それとも……居直り強盗でもしてみるかい? この工場の防犯設備を
試してみたいとかなら……それも一興かも知れないが」

ゴーストは貴方に、そう冗談気味で口上を止めた。小人達二人はゴーストが
冗談を言った事に驚いた様子をしている。

 「……私と違って、帰りを待ってる人が貴方にはいるんじゃないかい?
大切な人、と言う特定の者ではないよ……貴方が思う以上に、きっと貴方を
必要とする人は、今でなくも、今の先に……いる筈だからね」
 
 貴方はゴーストの言葉に、頭の中にチラリと『興味 有菜』の姿が浮かんだであろう。

そろそろ、帰らなければきっと心配する

168小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/23(土) 18:19:28
>>167

  「……ええ。行きましょう」

黒一色で覆われた闇の中を、『ゴースト』に続いて歩き始める。
本当の意味で何もない空間――今しがた通ってきた通路とは異なるが、これはこれで奇妙な光景だ。
しかし、先程のような不安感は感じられず、心なしか奇妙な安心感さえ感じていた。

『想い』とは何か――厳かな静寂に包まれた中で、『彼女』の言葉に耳を傾けながら、
自身の過去を回想する。
私は『彼』を愛し、『彼』も私を愛してくれた。
だからこそ、『彼』の後を追って自らの命を断つことが、愛の証であると思っていた。
しかし、『彼』の言葉を守るために思いとどまり、今日まで生き続けてきた。
たとえ辛い道だとしても、それこそが自分のするべき愛の証明なのだ。
今では、そう思えるようになった。
それも『想い』の一つだ。
そして、その『光』がある限り、今日も明日も、自分は生きていくことができる。

そんな気持ちを心に抱いていた時、周囲が『光』に満たされていくのを感じた――。

  「――凄い……。これが……『想い』……。
   こんなに綺麗なものは見たことがないわ……」

部屋全体を覆い尽くす星々の美しさに、思わずため息が出る。
どんなに規模の大きなプラネタリウムでも、これほどのものは見られないだろう。
ここにあるのは、まさしく『小さな宇宙』だ。
室内に瞬く星達が、人々の『想い』の結晶ならば、そこには自分の『想い』もあるのだろうか。
そして、『彼』の『想い』も、星となって存在し続けているのだろうか?
ふと、そんな考えが脳裏を掠めた。
『想い』とは『魔法』であり『全て』――『彼女』の言葉が胸に響く。
『想い』こそが、この『工場(きらきら星)』の本質なのだ。
飛び去っていく星々の煌めきを目に焼き付けながら、それを悟った。

  「せっかくですが……今は遠慮しておきます。今日は下見のつもりですから……。
   また日を改めてお伺いします」

丁寧な口調ではあるが、こちらも少し砕けた調子の返事を返す。
なぜだか分からないが、今は冗談の一つでも言いたくなるような晴れやかな気分だった。
それは、『工場(きらきら星)』の真相を目の当たりにしたせいかもしれない。
そういえば、あれからどれくらいの時間が経っているのだろうか。
ここにいたのは長いような短いような――何とも言えない不思議な感覚だった。
しかし、それなりの時間が経過していることは予想できる。
『表の工場』にいる有菜は、まだ調査を続けているのだろうか?
そして、彼女に対して、自分はどのような説明をすべきなのだろう。
それはともかく――『ゴースト』の言葉通り、そろそろ元の世界に帰還した方が良さそうだ。

  「――それでは……私はお暇します。二人とも、また入口を作ってもらえるかしら?
   ここに来て、あなたに会えて良かった。そう思います……」

肩の上の二人に声をかけた後、再び『ゴースト』に向き直り、そう告げた。
ここでの経験は、自分にとって大きな収穫になった。
特に、『追憶の間』での出来事は、自分の心に深く残っている。

あれは、本当に記憶(メモリー)の再現(リプレイ)だったのだろうか。
それとも――。
ただ一つ言えることは、それがどちらであったとしても、自分は確かに勇気づけられたということだ。

169『きらきら星を追え!』:2016/07/23(土) 19:56:04
>>168

 「うん、任せて!」

「もう一仕事だねっ! お兄ちゃんっ」

 〜〜♬  ♪

小人二人が独特のステップとリズムを奏でる。
 その傍らで、ゴーストは貴方にゆっくり近づき。そして暫し
言葉を選ぶように目を閉じ、そして開くと告げた。

 「私は、貴方の想い人がどう言う人物か知らない」

「あの追憶の間はね。そんなに昔に工場が産み出したものではない。
人恋しさを、覚え。私が私である存在に至ったよりも前を懐かしみ始めた頃……
部屋は産まれ、そして私が最も切望してた過去を映し出した……大切な人、ソレが
目の前にいた……けど、結局のところ『追憶』は追憶だったんだ。

 人の手でも小人でも、幽霊でも……過去に触れる事は出来ない。そして放たれる
言葉も全て、リプレイでしかなかった。最初こそ私は満たされた気になってたけど
何度も脆い浅瀬を続ける内に、段々と同じ動作しかしない大切な人に悲しくなってしまった。
全て、自分の中に残る脆い記憶の再生でしかない。決して、いま私がもっとも欲しい言葉も
暖かい手で握る事は叶わない……そう考えると、あれ程の残酷な部屋もない」

 説明する彼女は、風雨に晒されてもびくともしない岩のように顔は変化せずも
何処か泣きそうに気の所為でなくば見える。

 「だから……その……。私は 思うんだ 貴方が出会った人は『本物』だったと」

「……此処は 現実の世界ではない。夢と光で包まれてる場所だから。たぶん、『天国』が
あるとすれば、其処に近い場所だと私は思うから……。
 だから、こんな言葉もどうかと思うけど。貴方が『想い』を抱き続けてたからこそ
神様が、奇跡を贈ってくれたんじゃないかっ て……」

 そこで、顔をゴーストは伏せた。次に顔を上げた時にその包む空気は
静かで元の状態へと至っていた。

「……なんて、ね。もしかすれば工場の部屋の誤作動かも知れないんだ。
私の言葉は、深く気に留めないでくれ……」
 
 >また日を改めてお伺いします
>ここに来て、あなたに会えて良かった。そう思います

その言葉に、僅かにだが貴方とゴーストを包む空気に。この部屋は温度と言う
温度はないのだけれども、暖かい風が流れるような気がした。

    「……あぁ  また会おう。私が愛する 小さな星」

貴方が光のゲートを通る瞬間、ゴーストの優しい声が背中に当たった。

 そして、再び光の奔流が襲う。

瞼を強く瞑っても、その強い強い光の波は貴方の目の奥へと流れ込んでいく。

 今度の光は、最初に工場へ入った時よりも長く長く続いたような気がした。

――愛している 永遠に

 刹那、光の切れ目に貴方は見かけた気がした。大切な人を 最も強く想う人を
その人が貴方の耳に そう伝えたような感触を最後に。


      パ    ァ   ァ……

170『きらきら星を追え!』:2016/07/23(土) 20:09:15
>>169続き

光は納まり……貴方はトタンで構成された一室に気づけば立っていた。

 バタン!

 『小石川さーん!! ……あー! 居たぁ!』

そして、貴方の声を呼ぶ女性の声と共に足音荒くトタンの部屋の中心に
置いてるオブジェを迂回して駆け寄る『興味 有菜』が少し涙目で現れた。

 「もーうっ! 小石川さんってば心配したのよ!?
近くに実は隠された金平糖造りの秘密の部屋でもあるんじゃないかって
工場の外を5分程度探して、けど結局何もなかったから戻ってきたら
小石川さんってば居ないんだもんっ! 車に戻っても居ないし、ここら辺りに
野犬とかいないとも限らないから、襲われたんじゃないかって、てっきり……
もぅ! つまり本当に心配してたのよ!」

 そう、少しだけ指をタクトのように振って貴方を叱る興味。
だが直ぐに喜色を顔中に満たして、貴方に怒涛の勢いで告げる。

 「けどけど! 大スクープよぉ小石川さん!!!
貴方もどうやら発見してたようだけど、この巨大なガチャガチャ見たいな機械!
 タグを見たら『秘密の味注入の機械、精密機械により手を触れず!』って
書いてるじゃなーい! フフフ!! これを写真に収めて、そして工場の上の人に
直接、洗いざらいこの機械について白状してもらえば、私も一躍トップ記者ね……」

そう、怪しい笑いをする興味は。どうやら貴方が心配せずとも自分で自分だけの
スクープを手に入れたようだ……。

 そして、気づけばロポポにラポポも肩の上はおろか見渡しても何処にも
いなかった……。見えずとも有菜と言う存在を警戒して遠くに隠れたか
 若しくは、そのまま あの工場の中で貴方を見送ったのだろうか?

 「それじゃー帰りましょう! お家、何処ら辺だっけ?
本当なら一杯おごって今回の手柄を一緒に分かち合いたいけど、すぐに
今回撮ったの現像したり何なりしないといけないのよーっ。祝勝会は
また今度にしましょうねぇー」

 と、本当に残念そうに貴方と少し一緒にお酒でも飲みたいのを心残りにして
興味は貴方を家へ送り返す……。

 (※お家は一軒家で問題なし?)

171小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/24(日) 19:05:56
>>170

  「……ありがとうございます。あなたの優しさに、心から感謝します。
   『ゴースト』のあなたに対して、こんな言い方をするのはおかしなことかもしれませんが――
   『いつまでもお元気で』……」

思案するような態度、どこか悲しそうな顔、そして自分に対する気遣い――
それらを目の当たりにして、ラポポとロポポの父親の言葉を思い出す。
確かに、彼女の霞のような体の中には、とても大きな愛情が詰まっていた。
感謝の思いを込めて『ゴースト』に頭を下げ、光のゲートへ進んでいく。

  「あなた達も、ありがとう。あなた達と会えて、とても楽しかったわ……。
   お友達のヨポロにも『よろしく』と伝えておいて……。縁があれば、また会いましょう」

ゲートに入る前に、今まで助けてくれたラポポとロポポにも声をかける。
もし、彼らと出会わなければ、ここまで来ることもできなかった。
そして――数多くの『想い』を胸に、ゲートの中に踏み込んだ。
眼前に迸る強烈な光を受けて、溜まらず目を瞑る。
しかし、不意に聞き慣れた声が聞こえ、うっすらと目を開ける。
その瞬間、確かに見えたのだ。

  ――いつか私もあなたの下へ行きます。
     それは五十年後か、それとも六十年後か、いつになるかは分からないけれど。
     この命を全うして、寿命が尽きたら、あなたに会いに行きます。
     だから、それまで待っていて下さい。私の愛する大切な人――。

光の中で最後に見聞きした愛おしい姿と忘れられない声――
それに応じ、こちらの『想い』を伝えるべく、心の中で強く思った。
光の渦を潜り抜け、やがて気付けば、元通りの場所に立っている。
目の前に置かれた『大きな機械』を見て、こちら側の世界に帰ってきたことが実感できた。

  「……心配かけてしまってごめんなさい。でも、大丈夫。
   私は、見かけほど弱くはないつもりだから……」

最初に比べると、いくらか明るさが増した微笑みと共に、有菜に向かい合う。
大げさに言うつもりはないが、今回の一件で、ほんの少しだけ精神的に強くなれたと思う。
そのきっかけを与えてくれた彼女には感謝している。

  「――そう……ね……。そうかもしれないわね……。
   それじゃあ、帰りましょうか……」

手放しで喜ぶ有菜の姿を見て、明るい笑みにも少々陰りが差した。
「しつこい詮索屋が探りに来た時に、
『これが我が社の金平糖作成の企業秘密の正体です』と告げるためのダミーだ」――
そんなヨポロの言葉が思い起こされる。
これから先、彼女が気付くかどうかはともかく、少なくとも今のところは、
ダミーは無事に役目を果たしたようだ……。



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     ガチャ

  「『ただいま』」

この家で、自分を待っている人間は誰もいない。
それが分かっていても、つい挨拶をしてしまう癖は、今でも抜けていない。
静まり返ったリビングに入り、電気を点けようとして途中で止め、
ソファに腰を下ろして、手元のスタンドライトを点けた。
新婚旅行から帰ってきたら、この星見町の新居に引っ越して、二人で住む予定だった。
しかし、旅行先で事故が起きて、帰ってきたのは自分だけだった。
しばらくは気持ちの整理がつかず、ずっと前の町を離れずにいたのだが、
ようやく踏ん切りがついて、最近この家に移ってきた。
『彼』のいない空っぽの家――でも、今夜は何故だか満たされたような気持ちだった。
今でも自分の傍らに『彼』がいてくれるような気がしていた。

「目に見えなくても瞼を閉じれば僕は傍にいるよ」――
『彼』が伝えてくれた忘れえぬ言葉を胸に抱きながら、いつの間にか眠りに就いていた……。

(※問題なしです)

172『きらきら星を追え!』:2016/07/25(月) 19:16:31
>>171


  ……あれから数日程の日数が過ぎた。
その晩、貴方は確かに愛する人の面影が自分の傍らに、直ぐ近くにあるのを
感じながら眠りについた。それはきっと安息の眠りであっただろう。

 そして、数日経過した或る日だ。買い物か、または何かの用事で外に
出かけた貴方は家に戻ると、その郵便受けに一冊のタウン誌が挟まってるのに気づく。
 一枚の付箋が挟まった、その雑誌を捲ると二ページ程使い、こんな題名のものが記載されてた。
『興味 有菜が送る、星見町の、この場所あの場所興味津々特集!
今回の不思議スポットは、彼の人々を魅了して止まない魅惑な味付けがされた
金平糖の生成の秘密を暴くべく、興味は或る人物と共謀を果たし、数々の危険と隣り合わせの
修羅場を潜り抜け、ついに我々は金平糖工場への中心に……』
 と、かなり大幅な脚色がなされてるものの、金平糖工場に置いていたダミー機械の写真に
後日インタビューしたのだろう金平糖工場の役員らしき人物の黒線でぼかされた人物の
当たり障りないコメントなどが載っていた。
 色々貴方には思うところがあるかも知れないが、記事と一緒に一枚のメモ用紙で
『これで私も一流ライターよ! 有難うね小石川さんっ。暇な時にでも一緒に飲みましょう! 
交換した電話番号に連絡頂戴ね!』と書かれてるのを見るに。彼女は彼女で奇妙な体験せずとも
良い思いをしたのは間違いないだろう……。

 そして、貴方はドアノブを回し玄関へと足を踏み込み、気づく。


……?   ……何だか、何者かの気配がする気がする……。

173小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/26(火) 12:45:29
>>172

ある日の夕暮れ――商店街で数軒の店を回り、夕食の買い物を済ませて家路に就いた。
ここ数日は落ち着いた精神状態を保っているので、『発作』を抑えるための『鎮静剤』に頼る必要もない。
これも、あの一件のお陰だ。
しかし、この穏やかな状態が永遠に続いてくれるとは思えない。
時が経つにつれて、いずれは『発作』も再発することになるだろう。
それでも、あの場所で得た『想い』がある限り、決して自分に負けることはないと信じている。

「――?」

投函された雑誌を見つけて手に取り、付箋の貼られたページを開いて、その部分に目を通す。
予想した通り、そこには有菜の書いた記事が掲載されていた。
真偽はともかく――読む人に活力を与える豪快で勢いのある内容であることは間違いない。

――そう……これでいいのよね……。

おそらくは、これが最善の結末なのだと思いたい。
少なくとも、誰も傷ついてはいないのだから。
きっと、あの『工場』の秘密は、これからも守られていくのだろう……。

クスッ

思わず笑いが漏れた。
メモ用紙を通してでさえ、彼女の明るい顔が容易に想像できる。
こうして新しい友人と知り合えたことは、自分にとっても有り難いことだ。

――……?誰かが訪ねてくるという話は聞いていなかったと思うけど……。

家の中に気配を感じて、首を傾げる。
鍵は掛かっていたし、合い鍵を持っている人間もいない。
奇妙なことだと思った。
けれど、不思議と恐怖は感じなかった。
雑誌と買い物袋を抱えて部屋に入っていく。

そこには誰がいるのだろうか――?

174『きらきら星を追え!』:2016/07/27(水) 19:20:00
>>173(レス遅れ失礼しました)

 ガヤガヤガヤガヤ   ガヤガヤガヤガヤ
      タッタッタッタッ
               タッタッタッタッ

貴方は玄関に入り靴を脱ぎ、恐れる事なくリムジン方面まで歩けば
 小さいながらも、多数の結構な話し声や駆け足が聞こえた。
泥棒でも留守の家人の中を、こんな風に動く事はない。消し忘れた
テレビの音声だとしても生々しい。そして……これは貴方にとって
まだ忘れるには早すぎる、『馴染みある』物音だと伺い知れる。

   ガチャ

 『コック達、整列―――! 点呼!』 『1! 2! 3! 4!……』

 『まったく、何故このコックの王が雑用もどきの事をせにゃならんのだ ブツブツ……』

『くさってないで、シャキッと飾り付けをなさいっ! 小人は速さあってこそなのに
貴方は食べる事ばっかり集中してるから、そんなノロノロしてるのよ。
 小人としての誇りをもっと持ちなさい! ほらほらっ! ずれてるわよ!』

『母さん、そんなきつく言ってやらないであげなよ。さて、この葉っぱは
このコップに置こうかな……よっ うっ!? あたたっまた腰が!』

 『薄幸を消すには虹の根の煌きを注ぎ、イルカの涙が必要なんじゃ!
よしよしっ、最良の幸福。その味が見えてきたわい!!』

『へーいっ! ラポポっ、そっちの金平糖をパス パス!』

 『よっしゃー! おいらの剛速球を受けてみろー!』

『お兄ちゃんに、ヨポロも、危ないし、金平糖が割れたら大変だよぉ……あっ!!』

 
        『――お帰りなさいっ  巨人』

 リムジンには あのコルボが、グルメ部屋のコック達が。
 あの小人兄妹の父と母が、ポポノ博士が。
ラポポの親友であるヨポロが。そしてラポポにヨポロ。
貴方が出会った小人達が、貴方がこの前に幾つもの扉を開いて部屋に入ったのを
思い起こさせるように、出迎えた。
リムジンには、彼らが持ってきたのだろう小さくも輝く色合いの飾りつけが
机の上や壁にも点けられ、ささやかながらも部屋を輝かせている。

 そして、机の上には一枚封筒。それと、お皿に
色合いが異なる数種類の金平糖が十数ほどキラキラしながら乗っていた。

 「やぁ巨人! お邪魔してるよ。へへっ……ゴーストがさ
私の代わりに、君たちで親愛なる彼女に遅くながらお土産を渡してくれってさ!
 それと封筒はさ。金平糖を提供してる巨人達からなんだ。
言伝で、ないとは思うが貴方が体験した事は極力口外は止めて頂く
少ないながらも、これは我々からの気持ちです……ってさ」

ヨポロが耳を弄りつつ、告げる。

 「おぉ、巨人君! 遂に完成したんじゃよ! 君が、あの部屋で
涙を落した事によってな! さぁさぁ! 巨人の試食第一号じゃ! 
齧ってみなされ! ほれっ ガリ! っと!!」

 「言ったでしょ? 歓迎パーティーを開く  って!!
 貴方の助けで欠損する事なく手に入れた『砂漠の薔薇』、そうです!
あの素材で面白い味が出来上がりましたよ。ずばり『思い出起こし味』です!」

 「佃煮も作りましたよ! 好きだってグルメのコック達から聞きましたのでね!
イナゴを始め、私の得意のフキのもね!」


 めぐるましく、小人達は思い思いに貴方へ喋り金平糖を指す。

175『きらきら星を追え!』:2016/07/27(水) 19:42:32
>>173続き



 貴方は、その数種類の味を食べれば、鮮明に脳裏に浮かぶ筈。

彼ら、小人の母親の指した金平糖二つを拾い上げ食べれば、頭の中に
かつての母が作ったのと、ほぼ同じ。イナゴ、そして柔らかなフキの佃煮の
味がした……。
 小人の父の指した金平糖を齧る。
すると、頭の中に過ったのは。かつて貴方が『綺麗な桜色の瞳の少女』との出会い
若しくは、近しい知人に至った人々との最初の邂逅などが浮かぶ。
 最後に、博士の味を齧ってみれば。

貴方は、彼を 『治生』の姿を目の奥底で感じ、そして見た。
 追憶の間の時と同じく、リアルに感じる唇の温度が、自分の唇に触れあうのを。
 背中に触れる、暖かい腕の感触。密着した事で溶け合うかと錯覚するような両方の鼓動
それ等の愛する人の温もり、感触を貴方は短い時ながら生なましく感じる事が出来たであろう。

 「母さんの想いの味は、全部で『15』個! 父さんのは、結構砂漠の薔薇は
貴重なものだったから……『5』個!」

「あとは、グルメの人たちの渾身の出来栄えだって自慢の、料理の味が『8』個。
あっ、それでね……博士の作った愛する人同士のキスの味は、涙の量もだけど
かなり合成が難しかった見たいで、『3』個しか作れなかったみたい……ごめんね」

そう言って、試食分を除いた『31』個……ひと月分の金平糖が
違う色合いで、どの味が判明出来るように一つのラッピングされた袋で
皿の隣にちょこんと気づけば置かれてる。
 封筒に入ってたのは7,8程度の諭吉だ……興味が雑誌と一緒に同封した
礼金と合わせれば、丁度これで『十万』と言った額だろう。

 「あとね、お土産って言うのは金平糖だけじゃないんだぜ!
ゴーストがさ。たまには、巨人の家に遊びに行っても良いって
おいら達が巨人にもう一度会いたいって言ったら、許可してくれたんだ!
 そう毎日って訳にはいかないかも知れないけどさ……けど、巨人が
迷惑じゃなかったらさ、これって素敵なアイデアじゃないかっ?」

「巨人! 私たち、いつでも時間が許せば巨人に会いに行くよっ。ヨポロも、お兄ちゃんも
コックのヨポロに、お父さんやお母さん、グルメの皆に博士。
 だって、だってね…… 巨人は、私たちの大切な ――友達だもんっ!」
 
 ヨポロとラポポは、貴方を見上げて自信に満ち溢れた笑みと共に両手を広げ告げた。

これに……貴方がその提案にyesともnoとも告げるのも、貴方にはどちらの選択にするのも
貴方の『想い』が決める事だ。

176小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/28(木) 20:38:02
>>175

  ――もしかすると……。

その話し声や走る音は、数日前の『奇妙な出来事』を喚起させるものだった。
ドアを開けてリビングに踏み込み、自分の想像が当たっていたことを知る。
彼らならば、鍵が掛かっていたのに入ってこれたことも納得だ。

  「――これは……。ふふふ……。
   あなた達には、いつも驚かされるのね。
   でも、すごく……すごく嬉しいわ……。本当に……ありがとう」

この突然のサプライズパーティーには確かに驚いた。
しかし、それ以上に喜びの方が大きい。
彼らの『想い』を受け止めて、急速に胸の内が熱くなり、また涙が出そうになった。
実際には、少し泣いていたのかもしれない。
この家に、こんなにたくさんの友人達を招いたことはなかった。
いや、これだけの人数が自分のために集まってくれるというのは、生まれて初めてだ。
これまで自分は幸が薄いと思われることが多かった。
しかし、こんなにも大勢の友人に囲まれて、心の籠もったもてなしを受けている。
これで『自分は不幸だ』などと言っていては、罰が当たってしまう。

     カリッ……

第三者から見ればささやかなものかもしれないが、自分にとっては大きな幸福を噛みしめながら、
彼らが用意してくれた金平糖を順番に味わう。
最初は『佃煮味』だ。
懐かしさと素朴さの入り交じった感慨深い味が口の中に広がる。

続いて『思い出起こし味』をかじった。
眼前に現れたのは、スカイモールで出会ったココロと、自然公園で知り合った恋姫の姿だ。
それから、よく買い物をする商店街の人々の顔が、次々と脳裏に浮かぶ。

最後の一粒である『愛する者同士のキスの味』は特に鮮烈だった。
お互いの唇が触れ合う繊細な感覚、優しく包み込むような腕の感触、
重なって一つになる鼓動と体温――それら全てが『彼』の存在を身近に感じさせてくれる。
金平糖が溶けてなくなってしまった後も、その余韻が心の中に強く残っている程だ。

机の上に乗っていた封筒はバッグの中にしまっておき、金平糖の入った袋を手に取った。
見た目も綺麗な金平糖は、舌だけではなく目でも楽しませてくれる。
色とりどりの『想い』の込められた金平糖(きらきら星)――これは大切に食べることにしよう。

  「――ありがとう。もちろんいいわよ。でも……『二つ』お願いしたいことがあるの」

金平糖の袋を胸に抱いて、ラポポとロポポに向かって柔らかく笑う。
その微笑みに陰はない。
なぜなら、今の自分は、とても幸せだから。

  「次に来る時は、あらかじめ教えておいてくれないかしら。
   今度は、私がご馳走してあげたいから……。
   コックのみんなには、かなわないかもしれないけど……」

リビングにいる全員の顔をぐるりと見渡して、工場での出来事を思い返す。
彼ら『小人』や『ゴースト』との出会いは不可思議で刺激的な体験だった。
そして同時に温かく優しい経験だったと思う。

  「それから……私のことは『文子(アヤコ)』って呼んで欲しいの。
  『友達になった印』に……ね……。それでもいい?」

この町に来て良かった。
生きることを選んで良かった。
少なくとも、この瞬間は――心から、そう感じている。

177『きらきら星を追え!』:2016/07/28(木) 22:08:26
>>176

 貴方は小人達と『約束』した……。

小石川……いや、『文子(アヤコ)』の願いに、小人達は迷うことなく快諾する。
 時間が許す限り、貴方が目覚める朝に花弁を小人達の誰かが訪れ机の上に
花弁を置き。それを庭などに埋めてくれれば、その翌日にでも皆で訪れると
小人流の合図を、貴方と作り上げる。

 Twinkle, twinkle, little star

貴方は、これからも生き続ける。また、唐突に『発作』が起きる事も
あるかも知れない。同じぐらいの悲しみと不運にも巡り合う事もあるかも知れない。

それでも 『想い』は貴方の中に受け継がれている。貴方は一番の光が
自分の胸のなかにあるのを、知っているのだから。

 Like a diamond in the sky.(空に輝くダイヤのような)
Twinkle, twinkle, little star,(きらきら星)

 
 夜になれば、見上げる夜空には無数の星が輝く。
ある人は、星とは無数の旅たった人達の命の輝きなのだと謡った。
 だが、貴方は『奇妙な邂逅』を経て、この夜空に輝く無数の輝きは。
幾多もの、産まれてきた者達が抱いた『想い』の跡だと知る事が出来る。

 貴方は、これからも歩き続ける。その無数の『想い』に囲まれ いだいて……



小石川 文子『スーサイド・ライフ』→『十万』get!
                  『星の数ほど味金平糖一月分』get!

ゴースト『Twinkle・twinkle・little star』→『信じあう友』を得る 
        『little star(小人達)』→『貴方と言う友』を得る

178『きらきら星を追え!』:2016/07/28(木) 22:32:58

 気づけば、どんどんと拡大し 様々な部屋(空間)を作る『不可思議な工場』のヴィジョン

『異空間』に設立されており、現実(星見町)に生きとし生ける人々の『想い』に呼応し
その『想い』を無数の『星』に変え、工場内に必要とすべき物体に、変化する。
 変化した『想い』は、工場内でしか確立出来ない不安定なものであるが
唯一『小人』と、小人が持つものだけは『例外』である……。
 いま現在、その本体は『ゴースト』となっている……が、これが本当にゴースト自身の
産み出したものか、或いは死と生の中間となった存在であるが故に据えられたのが
ゴーストであるのか……それは『きらきら星』だけのみぞ知る。

 『Twinkle, twinkle, little star(きらきら星)』
破壊力:想い次第 スピード:なし 射程距離:星見町全般
持続力:想いある限り 精密動作性:なし 成長性:輝きある限り
 
 『little star(小人)』
破壊力:E スピード:B 射程距離:星見町全般
持続力:想い次第 精密動作性:B 成長性:想い次第

179『忍んだケーキ』:2016/08/20(土) 18:41:35


キーンコーンカンコーン キーンコンカーンコーン…


  ――ある平日!    此処は『私立清月学園』!!
清く正しい月のような信念やどす生徒等がいる学び舎である!!!

 終鈴が鳴り響き、終わったーと学生達は部活動や下校をする時間帯!!

『貴方』も同じく、授業を終えると。部活動やら下校して帰宅するなり
遊ぶなりの思いを馳せて廊下を歩く!!

 だがっっ!!  そんな折にだ!!!   『ソレ』は起きた!!!!




その惨劇は! 事件は!!  『調理実習室』で起きた!!!

  
            『―――GYyoooooooООООО!!!!』

 
 偶然、通りかがった『調理実習室』からっ!!
怪獣めいた咆哮と女子生徒の絹を裂くような気が抜けるような
悲鳴が轟いている!!  『貴方』は、余りのその衝撃的な事態に!!

 歩みを止めた!!!  さぁ!! 何かが『調理実習室』で起こっている!!!

 (『外見』『所持品』『能力』などの提示とレスの開始をお願いします)

180烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/20(土) 19:05:20
「あー…終わったー!」
レイはちょっと退屈だった学校の授業の終わりを知らせるチャイムを聞き、
解放された気分に浸っていた。

「明日は休み(週末と設定)だから…
 取り溜めしてた特撮イッキ見しようかな…」
レイは帰宅部である。
理由は部活をやるよりも、特撮を見たいからである。

そんな折、帰りのルートの途中にある『調理実習室』にて…

  
            『―――GYyoooooooООООО!!!!』

恐ろしい方向が響いたのだ!
「ぬあっ!?なになに!?」
驚いたレイは調理実習室の扉の前に立つ!

「か、怪人!?怪人が現れたの?!」
勢い良く扉を開ける!

そこにあったのは……?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜↓参加者情報〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050739/11

『外見』
髪の毛は首のあたりまでのショートヘア。前髪が少々ハネている。
稲妻の髪留めを前髪につけている。スタイルよし。
顔立ちは美人系。
私立清月学園の指定学生服着用。


『所持品』
学生鞄、勉強道具一式、首には赤い炎のようなヒーローマフラー。

『スタンド』
『仮面』と共に発現する『纏うタイプ』のヴィジョン。
脱いだ『仮面』を被せた場所に『頭部』を生やす。

『頭部』の受信した『視聴覚』は本体と共有され、
中でも『観察眼』は頭部の数に比例し、『強化』される。

『グレゴール・ザムザ』
破壊力:B スピード:B 射程距離:E
持続力:C 精密動作性:C 成長性:A
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/

181『忍んだケーキ』:2016/08/20(土) 19:27:21
>>180

 清月学園中学三年生  烏丸 レイ!
だが、彼女の正体は星見街に蔓延るであろう怪人たちを倒す
正義のヒーロー『レイヴン・ゼロ』でもあるのである!!

 休みをヒーロー研究兼趣味の為に早朝にやっている特撮ヒーロー番組の
溜め撮りを見るべく、心浮きたち廊下を歩く貴方の耳に轟く謎の咆哮!!

 すわ! 怪人の襲撃か!!? と貴方はガラッと勢いよく扉を開く!!
その目に飛び込んでくる、恐ろしき光景を露とも知らずに!!







城生:「ぎゃあああおおおおおぉぉ〜〜〜!!(限りなき低音ボイス)」

江南(以後、エッチャン詳記)「むぁ〜んっ!! けぇ、ケーキがぁ゛ ケーキがぁ゛〜!!」

海霧(以後、ムーさん詳記)「……(無心に、無表情で水晶玉とワンカップケーキのお手玉してる)」

そこに飛び込んだのは恐ろしい光景だった!!

 高等部二年生ぐらいであろう、女子生徒が今年目玉とも言える
某怪獣と思しき鳴き声と恰好で、背景におどろおどろしいオーラ―を
宿し、啼いて(泣いて?)いるのと!

 空っぽの銀製の盆を持ちつつ、涙をぼよんぼよんと垂らしつつ
バレリーナ―の如く回る、黄色い髪の背丈は貴方と同程度の女子!

そして最後に茶髪で大人っぽい高等部の女子学生は、鉄仮面な
顔つきで、少し呆然とした気配を背負いつつ異色なジャグリングを行っていた!!!

 正にカオス(恐ろしい)な光景!! この『調理実習室』で
一体何が起きたと言うのか!!?

 

 調理実習室は、こんな感じ↓(参考画像であり、完全に同じではないです)
   ttp://www.seat-sakana.net/img/course6.jpg

画像と違う点と言えば、壁の隅に清掃用具が入ってるであろう
人が一人入れる大型ロッカー。それと壁には、生徒達が書いたと思える
部活動勧誘などや、調理実習中の写真、それと風林火山と
書体で書かれたポスターが貼られています。

182烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/20(土) 19:37:00
>>181
「大丈夫で……」
そのわけわからん……もといおぞましい光景に
レイの思考は一瞬停止する。

「……………………?」
首を傾げてその妙な光景を見回してみる。

「あー、えっと…」
ようやく口を開いたレイは、とりあえず

「こんにちはー!」
挨拶は大事だ。挨拶をするのであった。

「何があったんですかこれ…」
レイの顔はちょっとひいてる風に見える。
だが、この光景を見てしまった以上は
黙って立ち去る訳にはいかない。
せめて何事かを聴いておくのが筋だろう。……と彼女は考えていた。

183『忍んだケーキ』:2016/08/20(土) 20:08:55
>>182

>こんにちはー!

 その大きな挨拶の言葉に三者三様に、一度は硬直した。

城生:「ぎゃ… ぎゃぁぁぁ〜〜おおおぉ〜〜〜!!!」

 だが、一人は尚も暴走を続け!!(若干顔が俯いてるようにも見える!)

残る二人は烏丸へと顔を向けた! どうやら、こっちは未だ比較的冷静さを
保ててるようにも見える!

エッ子:「うん? おぉー! その制服はまさに清月学園の中等部制服!
―って事は後輩だーー!! こんにちはー!!」

 タタッと黄色い髪の女の子は駆けよる! そして……。

エッ子「こにこに🎵 にこにこ♬! こにゃんこ♫ ちわちわわっ♪!!」

 グネックネ グルリ〜ン  パチン☆!!

 ――両手で猫耳を象るようにして、腰をふりふりさせ、
一回転と共に、ネコッぽいポーズと共にウインクをしてきた!! 意図は不明だ! 知りたくもないっ!

 ムーさん「……何があった? 逆に聞こう……何があったと思う?」

 そして、最後に。すごーく黒いものを背負う濁った眼で。
170はある長身の女性が貴方に聞いてきた。
 質問を質問で返すなーっ! と思うかもしれないが。どうやら
この『調理実習室』で、この三名に対し酷く悲しい出来事が起きたのは間違いではない!!



尚、長机に手作りらしきお菓子があるが。メインとなる大き目の皿には
何も置いてない。食べ終わった形跡はある

184烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/20(土) 20:41:17
>>183
「あーえっと…」
怪獣じみた声を発する先輩に
ちょっとアレな雰囲気を感じながら

「あ、えっと…先輩の方ですねー?
 改めてコンニチハ…
 えっと…はい…」
(よかったー。
 会話はできるみたいだ。)
心の中で無礼なことを考えながら、
とりあえず、話が通じたことに感謝していた。

「えーっと……はい。」
やけにアイドルじみたその動きにまたしても首を傾げる。
しかし、

「何があったか…ですか?」
妙に妖しいオーラを放つムーさんの様子を見て、
そして、何かの痕跡が残るお皿と、お菓子がおいてある皿を交互に見る。

「これはつまり…」
(…あそこにおいてあったのはメインのお菓子…?
 なら、別においてあるのはサイドメニュー…なんてことは…)
…しばらく考えてから…


「誰かにお菓子を食べられた…とかですか?」
思いついた答えを聞いてみるのであった

185『忍んだケーキ』:2016/08/20(土) 21:30:36
>>184

エッ子「YES! I AM!」 チッチッチッ!

ドヤ顔の黄色い女子生徒と対称に、やる気ない表情でもう一人の
茶髪の大人っぽい女子生徒は口開く。

 「あれは…事の始まりは5秒21…そしてこうなったのは数日前の…出来事」

 ―――――――――――――――――――――――――

「はぁ…」

 休み時間の教室。
和気藹々の生徒の中で、一人だけ少し憂いた顔で外を見る女子生徒がいる。

エッ子「のり…最近元気がないねぇ」

ムーさん「うーむ…良くないな」

エッ子「うん… ! よし、こう言う時は…アレだよっムーさんっ」

ムーさん「うん?」

―――――――――――――――――――――――――

エッ子「…と、言うわけで。サプライズ! のりーを甘いもので
元気付けようパーティーを開催しようとしたら。メインの
ケーキが、ちょっとだけ残して全部食べられてたんだよ!
楽しみにしてたのにっ、誰が食べたんだ〜!  ヽ(#`Д´)ノ」

ムーさん「しかも…あれは料理同好会…家庭科部、美術部、茶道部
野球部、匂いフェチ部合作の『スターケーキ』…ほっぺたが落ちる事請け合い
…二日前から甘いもの断食してたのに…超がっくし…っ
ガリガリポリポリポリ…」

 エッ子は、両手を振り上げて怒りのポーズを決めて、ムーさんは
言い切ると共に、激辛地獄の惑星、と銘柄の星の味金平糖を取り出し
無表情で食べ始めた。二人とも、主賓である背景で某新作怪獣の如く
怒りの咆哮を上げる生徒をBGМに、思い思いに怒りを顕わにしてる。

このまま、事情だけ聞いて帰っても別に問題なさそうだが。
事件を颯爽と解決したら、貴方のヒーロー度も上がりそうだ!

186烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/20(土) 21:41:20
>>185
「正解…したのねー。」
と、彼女の言葉を聞いて
軽く頭を掻いた。

そして……
なんでこんな状況に陥ったのかを
ひとまず聴いてみることにした。

……………
つまり、ようやくすればこういうことだろう。

「なるほど…元気がなさそうな友達…
 のために、美味しいケーキを作って
 パーティをしようと思った…というわけですか。」
だいたいわかった。とでも言うようにうなずいた。

(大したことなさそう…
 とは思うけど…)
このまま帰っても良さそうに思うが

(この騒ぎ……
 放っておくにはちょっと…)
なんだかんだで、レイはこういったトラブルは放っておけないのであった。

「…じゃあその、食べた犯人を見つけ出す…?
 いや、それともお菓子作り…?
 とにかく協力しましょうか?」

187『忍んだケーキ』:2016/08/20(土) 21:47:46
>>186

>じゃあその、食べた犯人を見つけ出す…?いや、それともお菓子作り…?
 >とにかく協力しましょうか?

エッ子「! おぉ〜犯人捜しに協力してくれるのかい!? 
くぅー! 何て私は良い後輩に恵まれたんだ。ありがとうなのだ、にぱー☆」

ムーさん「私の水晶占いの結果が正しいならば…
犯人は…すぐ近くに…いる筈なんだが…」

 諸手を挙げてエッ子は喜び、ムーさんは首を捻りつつ水晶玉を
凝視している。因みに、水晶玉は何の変哲もない代物であると明言しておく。


 
 
 …ガタッ


 と、騒ぐ三人の傍ら。清掃用具ロッカーが少し揺れるのを
目の端で貴方は視認する事が出来た。

188烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/20(土) 21:59:58
>>187
「ええ、もちろん!
 犯人探しならこの私がすぐにでも!」
ヒーローっぽい感じの依頼を聴いて
何だか彼女もノリノリになってきたようだ。

「すぐ近くにいる?
 …なんで分かるんでしょうね……」
(スタンド使い?…なわけ無いかな)
と思って首を傾げる。
が、

ガタッ…

「ん…?」
目の端でロッカーが動いたのを、レイは気づいた。

「今ロッカーが動いたような…?
 あそこに誰か居るんじゃないですか?」
そう言ってロッカーの前に向けて歩き始めた

189『忍んだケーキ』:2016/08/20(土) 22:10:07
>>188

>今ロッカーが動いたような…? あそこに誰か居るんじゃないですか?

エッ子「うん…?」

ムーさん「ロッカー……」

 三人はロッカーへ歩く。そんな大した距離もないので五秒かそこらで
到着した。エッ子が最初にノックしてもしもーし! と言った具合で
軽くロッカーを叩く。すると…

 トントン

 「……誰もいないっスよー」

 『……』

エッ子とムーさんは、聞こえた声に暫し顔を見合わせた。そして……


        ゴガギーン
             ドッカン
         m    ドッカン
  =====) ))         ☆
      ∧_∧ | |         /          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     (   )| |_____    ∧_∧   <  おらっ!出てこい!
     「 ⌒ ̄ |   |    ||   (´Д` )    \___________
     |   /  ̄   |    |/    「    \
     |   | |    |    ||    ||   /\\
     |    | |    |    |  へ//|  |  | |
     |    | |    ロ|ロ   |/,へ \|  |  | |
     | ∧ | |    |    |/  \  / ( )
     | | | |〈    |    |     | |
     / / / / |  /  |    〈|     | |
    / /  / / |    |    ||      | |
   / / / / =-----=--------     | |


 思いっきりロッカーを揺さぶり始めた!(※叩いてるように見えるが、比喩である)

すると……。

 「ぐあぁ〜〜!!?」

 ドデンッッ!

 ロッカーから転げるようにして、一人の女子生徒が出てきた。
中等部の制服だ…それに、何だか凄くパワフルな雰囲気が見え隠れする。

 「……こ、  こんにちわっス!」

 そう、三者にシュタッと元気よく返事をしてきた。

 ……どうする?

190烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/20(土) 22:28:01
>>189
>誰も居ないっスよー

「…居るじゃないですか」
ため息を付いてロッカーに目を向けた。

「私もちょっと失礼」
軽くロッカーを揺らしに掛かる…

すると……。

>「ぐあぁ〜〜!!?」

>ドデンッッ!

「わっと…!?」
突然飛び出したのは女子生徒…

恐らく自分と同年代の女子だろう。

「あーえっと…
 とりあえず…」
犯人かはまだ言わないでおこうと考える。

「なんでそんなところに隠れてたんでしょうか?」

191『忍んだケーキ』:2016/08/20(土) 22:51:16
>>190

 >なんでそんなところに隠れてたんでしょうか?」

?「あ、そ、それは…」

 エッ子「お前か〜〜!! 私のケーキを食べたのはー!! ヽ(#`Д´)ノ」

パワフルっぽい少女は、何か言い募ろうとするが、その前に
エッ子は怒りの炎を背負い、両手を挙げて叫ぶ。

?「うわっ! ち、違うっス! 私は食べてないっス! 誓って本当なんっス!
悪の首領は決して嘘をつかないっス! 本当っス!!」

 ムーさん「ほぉ? ならば何故そのロッカーに隠れていた! 言えっ!」
と、ムーさんが続けて凶器を持って乗り込んだメロスを断罪する王の如く詰問してきた。

?「じ、実はっス…」

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 
…自分は数日程まえ、調理実習室に行ってたっス。無論、自分も
とある理由から、お菓子作りの修行をしようとしてたんっス。
 すると…っス。どうやら高等部の先輩がたが何やら両手一杯のケーキを
作ってたのを目撃したっス。
 勿論、食べたいとも思ったっスよ。でも、人のものを食べるのは泥棒っス。
この悪の首領…ごほんごほんっ! 『朝山 佐生』は、食べたい欲求を我慢しつつ
自分も別の時間で独自でお菓子を作る練習をしてたっス。
 そして、今日も練習の為に放課後真っ先に来たんっスよ…そしたら
 ―――――――――――――――――――――――――――――

朝山:「…そしたら、既にケーキは食べられた跡だったんっスよ!
自分こそ吃驚して何がなんだか解らないっス! これを分りやすく言うと…

  ググググ…!

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

 おれは ケーキを調理室で作ろうとしてたと
思ったら いつのまにかケーキが食べられていた
 な…何を言っているのか わからねーと思うが
おれも 何をされたのか わからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねぇ
もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ… って感じなんっス。
そしたら足音が複数走ってきたので、これは自分が犯人にされると思って
思わずロッカーに逃げ込んだんっス! 信じて欲しいっス!!」

エッ子「そんなマヤカシが通じると思ってるのかー! (゜д゜メ) 」

ムーさん「ペロッ…この味は…何かを隠してる味だぜ…」

朝山「うわぁ! 頼むっス! 本当なんっス! 
私はケーキを食べてないんっス! 真犯人は別にいるっスよ!!」

 高等部の先輩二人に拷問(弄られ?)されかける中等部女子生徒。
傍から見れば、これで事件は解決したように思える。
 だが、中等部の子の顔は嘘をついてるようにも思えない気がする…。
既に高等部先輩二人は、彼女が犯人であると断定しかかっているようだ。

192烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/20(土) 23:06:46
>>191
「…んー、とりあえず
 彼女の言い分を聴いてみてもいいんじゃないでしょうか」
そう言って彼女の顔をじっくりと見てみる。
ひとまず事情を聞かないことには何もわからないのだ。

………

とりあえず彼女の言い分をじっくりと聴いてみたが

「ん、悪の首領…
 朝……山?…まさかねー…」
色々と、以前聴いたようなふうな気分を感じながらも
とりあえず彼女の言い分をさらにじっくり聴いてみた。


「ちょっと皆さん待ってください!」
先輩たちが色々と
後輩に何かやらかしそうなのを見て
慌てて止めに入る。

「な〜んとなくですけど、この人が犯人とは思えないんですよ!
 (なんか悪の首領とか言ってた気がするけれど)
 多分犯人は別にいるんですよ!」
ぐっと、言いたくなる言葉を飲み込んで
彼女の弁護に入る。

「…真犯人、探してみましょうよこうなったら!」
なんとなく、だが彼女は感じていた。
何だか、彼女とは初めて会った気がしない。と。

193『忍んだケーキ』:2016/08/20(土) 23:23:21
>>192

>ちょっと皆さん待ってください!
>多分犯人は別にいるんですよ! …真犯人、探してみましょうよこうなったら

ピタ、と其の言葉に。朝山を可愛がりしていた二人の動きは止まる。

朝山:「う、うお〜〜! し、信じてくれるっスかっ!!
何て慈悲深くて優しい先輩なんっス! 世はまだ捨てたもんじゃないっス!」

エッ子「んー…でも、この子以外で調理実習室に人は居ないよねぇ?
他に隠れられそうな場所なんてあったかなぁ……?」

ムーさん「ふーむ…。一応、捕捉の説明をするが。
この『調理実習室』は、高等部と中等部だと。中等部のほうが比較的に距離が近い。
私達三人は、終鈴が鳴ってから此処に来るまでに、高等部の生徒で私達より
早く来れる人は全速力で走ったりしない限り居ないだろう。そして、そんな
生徒がいれば、かなり目立って教師に注意されるなりする筈だ。
 だから、いま生徒で居るのは。高等部の自分、エッ子と、のり。
そして中等部では、そちら二人だな。それと、このケーキを作ったのを
生徒で知っていたのは、高等部の私達と他の部活のクラスメイト。それを
除けば、いま捕獲してる彼女だけだ。これは記憶に留めておいてくれ」

 と、ムーさんから親切に説明が入った。

ヒーローである貴方は、これを基に真犯人を探し出さねばならない…。
まだヒントとなるものは、この調理実習室に。そして今いる自分を除く
生徒五人の情報が抱えてるであろう。

194烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/20(土) 23:36:48
>>193
「いやー、それほどでも…」
なんとなく放っておけずに、
彼女を擁護した所で、
自分が犯人探しをする必要が出てきたことに気づいた。

「なるほど…隠れられそうな場所…」
とりあえず彼女はあたりを見回し、
人が潜り込めそうな場所を確認してみることにした。

そして
「なるほど…高等部の人が大急ぎで行くことは出来ない…
 となると…前もってここに隠れて…?
 …んー…」
だが、もしチャイムが鳴るまでの間に隠れてる、
などということがあれば早退扱いになっていそうだが…?

「とりあえず…皆さんにそのことが発覚した時、
 と、その前後どうしてたかでも…聴いてみますかね…」
この場にいる5人に事情聴取をしてみることにする。
情報は大事である。
一人ひとりに聞くことだ。

195『忍んだケーキ』:2016/08/21(日) 00:04:51
>>194(雑談チャットで、管理人に五万授与の代わりに
場スレに限った演出用スタンドの提供の許可降りましたが、烏丸PCは
普通の賞与か、スタンドアイテムの授与。どちらを希望するでしょうか?
回答は性急しませんので、何度目かのレスでも宜しければどちらか
選択して答えて頂けると有り難いです)


 貴方は五人へと事情聴取をする事にした。

ムーさん「アリバイの証明か…よし、とりあえず、のりを覚醒させよう。
ハァ〜〜〜…コォ――!! 『ゴジラ止めツボ』! 」 グサッ!

城生「gya ぐわぁ゛!!??」

 未だに吼えていた城生は点穴を突き刺され一時的にもとに戻った。
もしかすれば、最初の怪獣めいた変貌も。ムーさんが黒幕なのかも知れないが
真実は彼女以外解らない…。

 城生「あ、はい…私は。エッ子とムーさんに。調理実習室に来て欲しいって
言われて。今日はじめてパーティーがあるのを道すがら聞きました。
嬉しかったのと、ケーキが食べられてた悲しみと。その後、行き成り
ムーさんが気を静めるツボを押してあげようと言われてから、何だか
意識が途切れてるけど…うっ、思い出そうとすると頭が……っ」

エッ子「私は、ムーさんと一緒にクラスの料理上手な皆を誘って
合作ケーキを作ったんだ。他にも、お菓子作りの試食をしたり結構
色々としてたよ。そして、間違いなく昼休みまでは完成したケーキは
あったんだ。勿論、私は食べてないよっ!
 うん、ケーキ以外でお菓子は何を作ったかって?
 …ふふんっ! 世の中にはねっ! 得意不得意があるんだよっ!」

ムーさん「同じく、私もケーキ作りを手伝った。ケーキ以外でも
クッキーとか、そう言う菓子も作って、あとお茶も用意してね……。
 他のお菓子は、どうやら無事だけどケーキがほぼ食べられてたのは
ショックだったね。……けど、のりの為に、一生懸命みんなケーキを
作ってたんだ。それなのに、のりに食べさせる前にケーキを食べるような
不埒な輩は、私のクラスメイトには居ないと思うのは間違いないと思うな…」

朝山「私は、中等部のクラスから真っすぐ廊下を通ってこの調理実習室に
入ったっス。その間に、他の生徒らしき人影が通った形跡は見てないっス。
……あぁ、でも。調理実習室は包丁とかそう言うのも用意されてるし。
普通なら授業が終わったら閉まってても可笑しくないっス。
 けど、私が入る時は鍵がかかってなかったっス。……何だか変っス」

 そう、四人のアリバイが提供された。

一人は主賓であり、今までケーキの存在すら知らなかった。
もう二人は、このケーキの作成に関わっており…つまみ食いする時間は
あったものの、動機が無い。

残る容疑者は、アリバイと言える確証はなくも。自分以外に見た人物はなく
そして重要な事…『調理実習室の扉は開いてた』

 これ等の情報が、ケーキ殺害の真犯人を割り出す貴方の頭にインプットされる…。

196烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/21(日) 00:50:38
>>195
「ふむふむ…」
四人の意見を聞いてウンウンとうなずいた

「まずお二人さんですが…
 この人達は互いが互いのアリバイを証明する形となりますから…
 共犯でもない限りは犯行は不可能ですね。
 でも入る前の様子からして、それはありえないです。」
よってこの三人が犯人、ということはないだろうと考え、
そして朝山にも顔を向ける。

「このままでは朝山さんが犯人ですが…大事なのは鍵…ですねー
 部室の鍵がかかってなかったというのが気になります
 そもそも鍵を開けてもらう…のは部室の担当の人…ですよねー。」
と考えてからふと考える。

「えーっと…後一人は…」

197『忍んだケーキ』:2016/08/21(日) 17:48:00
>>196

 烏丸は、残る一人を探す。その時…
世界は刹那、セピア色へとなり目に映る全ての人物の動きが止まり
そして自分自身の耳元へと天の声が聞こえた。


 『御免なさい、五人じゃなく四人の間違いでした。
謝罪として、五万+スタンドアイテムの授与にしたいと思います。

あと、>>181に大きなヒントが隠れてます』

 ……声が途絶えた。烏丸はいま聞こえた天の声の記憶は
なくなり、事情聴取を終えたと言う結果だけが調理実習室に残った!

 
 >開けてもらう…のは部室の担当の人…ですよね

その言葉に、エッ子とムーさんは烏丸のほうを向いて反応する。

エッ子「調理実習室の鍵かぁ…確かに、それは盲点だったねー。
鍵が開いていた。となれば誰かが既に入ってたと言う事だ!
 けど…入って、どうやって私達が来るまでに居なくなったんだろう?
窓もしっかり閉じられてるようだし、瞬間移動でもした、とか??」

ムーさん「鍵…携行しても不自然でない者…生徒ではない…となると。
 ……ふむ、私の占いによると。もっと、この部屋をくまなく注意深く
それも人間を超えた視覚があれば、ほぼ答えに行きつける…と言う
気がするんだが……」

 エッ子と、そしてムーさんのメタに近い占いの回答。

城生は、窓が本当に全部閉まってたのかのチェックをして、全部
完全に閉じてると貴方にサインを送る。朝山も同じく食器などが入った
人間が到底はいれない棚の中を見て、誰もいないっス。と回答を寄越した。

 これは、烏丸の真の力を発揮する時かも知れない。

198烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/21(日) 18:06:29
>>197
//お騒がせしました。

「んー…
 今何か…?」
天の声っぽいのを一瞬聞いた気がしたが、
あたりを見ても特に変わりない…
ように見える。

「むむっ…
 まぁ確かに…瞬間移動なら…」
一瞬スタンド使いならありそう
なんて思ってしまったが、今は首をふる。

「人間を超えた視覚?
 …なるほど…それなら私に…任せて!」
ふと、スタンド能力、という点でひらめいた。
そして彼女は、

「ちょっと離れてね」
ここにいる3人に支持を出してから

「今こそ…」
ポーズをぐっと決めて
     変    身
「『グレゴール・ザムザ』ッ!!」

キュイーン!
           バシュウウウ!!
スタンドを発動させ、仮面のヒーローに変身!

「…っと、おまたせ」
…とおもいきや、その格好は
可愛らしい形の眼鏡にメイド服…アニメキャラっぽいのになっていた。

「お菓子が出てるならやっぱり…雰囲気に合わせないとねー」
といって彼女は眼鏡をはずす。どんどん外して、4つの眼鏡を用意した。

「えーっと…ちょっといいですか?
 部活の募集のポスターとか…はともかく…
 あのポスターですけど…」
そう言って「風林火山」のポスターを見る

「あれって誰が書いたものなんです?」

199『忍んだケーキ』:2016/08/21(日) 18:45:46
>>198

   変    身
「『グレゴール・ザムザ』ッ!!」

キュイーン!
           バシュウウウ!!

そして、貴方は華麗なるメイドっ娘に変身した!
 一般人が大半の調理実習室だが、ご安心あれ! シリアスなんて
全く欠片もない、この場で気にする人間は誰もいないのだっ!

エッ子「うわぁー! 魔法少女だー!」
ムーさん「フッ…普段なら動揺するが、いま、この空間は
半ばギャグで汚染されてる…他愛なし」
城生「ムーさん、それ…身も蓋もないよ」
朝山「うーむ、私も変身する時の掛け声を考えておくべきっスね」

 十人十色に、口々に感想唱える。被せられそうなものであるが…此処は
調理実習室である。適当に眼鏡が被せられそうな計量カップなり何なりが
すぐ見つかるだろう!

 >あれって誰が書いたものなんです?

そして、貴方は適当なものに眼鏡を被せ、能力の『精査』!
それにより、じっくりと『風林火山ポスター』を見て…『異常』を感知した!!

調理実習の写真や、部活動広告には。ちょっとした画鋲の刺した跡や
書き損じを二重で塗って誤魔化したと言うような事以外は何の変哲もなかった!

だが、その『風林火山ポスター』だけは!
長い間貼ってるならば、通常ありえるシミや汚れもない! それどころか
何か三次元的な立体的なものが、大人一人をすっぽり覆い隠すように壁を
長方形に囲んでるのを! 貴方は機械の如く感知で理解出来た!!

エッ子「あのポスター…そう言えば、アレは今まで…なかった!
そうだ、貼ってなかった!」


    ドドドドドド ドドドドドド

城生「えぇっと、あぁ言うポスターが好きなのは。
確か、あの人の名前は。こう…こうが」


        

        『――にーーーん  忍(にん)忍忍っ!!』

             『気づかれたらば致し方なし!!』

直後! 調理実習室に謎の声が響き渡る!!

 その声の音源は、予想通りではあるが『風林火山ポスター』から出てる気がする。

200烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/21(日) 19:07:39
>>199
「何だかよくわからないけど、
 みんな気にしてないから良し!」
そう言ってお折り合えず計量カップやらなんやらに
続々と眼鏡をかぶせていき、

ギュイーン
「ん、見える…見える…何かが!」
『精査』の効果によって彼女には普段見えないモノが見え始めたのだ。

調理実習の写真、部活動の広告…
これは何の変哲もないとわかるが

…風林火山のポスターだけは
まるでついさっき貼り付けたかのように綺麗なのだ!
更に何かが囲んでいるように見えるのも感じる…!

「やはりあのポスターこそが怪しい…
 そこには…!」

と、ポスターの向こうから何だか忍者っぽい声が聞こえてきた!

「そこにいるものは誰だ!
 出てくるんだ!!」
そう言って勢い良くポスターの前まで駆け出していく!
スピードBなのであっという間に違いない

201『忍んだケーキ』:2016/08/21(日) 19:28:43
>>200

   >そこにいるものは誰だ! 出てくるんだ!!

 貴方は俊敏に、風の如くそのポスターの前に辿り着きポスターの端を
がしっと指でつまむ! 指と指の間に挟まる感触は画用紙とかでなく
もっと何だか布っぽい感触だった! そして、中から出てきたのは……!







 へ  へ
 の  の
   も      >残念でござったな! 変わり身でござる!
   へ


 な…何と出てきたのは人形だった! へのへのもへじの顔のついた
大型の人形が直立不動で立っている。
 そんな衝撃を受ける間もなく、あーっ! と大きなエッ子の声が
背後から聞こえ、そして振り向くと調理台の上を指してた。


     其処に居たのは……。


  演出BGМ↓
 ttps://www.youtube.com/watch?v=Q0NXiOz6tRg

 バンッ!

赤い角を肩に生やし!

 黒い忍び装束で全身を包む!

 二の腕を胸の前で組んだ、どう考えて見ても『忍者』な恰好の
二十代後半ていどの女性が、風もないのに忍び装束をはためかせて
堂々と立っていた。

???『にーん 忍忍ッ! 中々の速さで御座るが、それでは
忍びを捉える事など、霞を捕らえるよりも至難と心得よ!!」

 そして、もしかすれば烏丸はこの人物の顔を見たら思い出すかも知れない。

黒い忍び装束から、はみでる顔を見てエッ子は唖然とした顔と共に
腕を伸ばして、指して口開く!
エッ子「あ、まさか…そんな、貴方は…!」

 エッ子・ムーさん・城生『好学乃一(こうがく・のいち)先生っ!!』

 朝山「・・・だ、誰っすか??」

一人だけ正体を知らないようだが、高等部の生徒である彼女たちは
把握してるようだ。そして、呼ばれた教職員と思われる忍びは目を細め告げる。

好学「……フンッ、その名で呼ばれるのは二時限前振り…だが
今の拙者は、ただの一陣の闇を切る苦無でしか御座らんよ」

 何か恰好つけてる。その口の端にはケーキのクリームっぽいのが付いてる。

202烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/21(日) 19:33:28
>>201
「んっ…これは間違いなく…
 偽のポスター!」
そう言って勢い良く画用紙を抜き取ると…

「ニセモノ!」
適当な顔がついた
大がなに人形が立っていた…

と、思いきや振り返ってみれば

「うわー、すごい!
 忍者じゃないですか!」
何だか楽しそうにその顔を見れば…

「って…えっと…
 くのいち先生?」
よくわからない顔をしながら
その先生…をじっと見れば

「ってそれ、ケーキを食べた痕跡がついてる!
 間違いなくこの忍者が犯人ですよ!」
とってもわかりやすい動かぬ証拠を発見した!

203『忍んだケーキ』:2016/08/21(日) 19:56:43
>>202

ムーさん「先生…何故なんですかっ
 ――何でケーキを食べたんですか…先生ぃ゛!」

エッ子「そうですっ…先生は…先生はっ! 私達と一緒に調理実習室で
火の危険とかないように、暖かく見守ってたじゃないですかぁ! 
あの…あの楽しかったケーキの調理の時の先生の様子は…全部偽物だったんですかぁ!」

 城生「えっと…御免、ちょっとそのノリにはついていけない」

 ギャグにしっかりと染まったエッ子とムーさんは、涙を目に浮かべ
迫真の怒りと悲しみを交えた劇画口調で事情を聞きだす。
 のりさんは、この展開に追いつけなくなっていた。どうやらギャグ耐性が低いらしい

 >くのいち先生?

好学「くのいち先生じゃない! のいち先生だ!!」
物凄い憤怒の顔つきで烏丸にビシッと訂正する。そこまで怒る理由は不明だ。

好学「……楽しかった。


 ――楽しかったさ…日々、仲間と共に謳歌し切磋琢磨をする。そして悲しみの坩堝に浸る
友を支えるべく、同じ草が支え合う。昔の、私が里で過ごしてた頃を
調理実習をしてる度に、数日前もお前達を見守りながら懐かしんで
…楽しんでいたさ。本当に、楽しいケーキ作りだったんだ」

 朝山「お…おぅ」

行き成り、良い話になりそうな空気が出てきた事に。悪の首領も
曖昧に相槌をうつしかない。忍者の凄さの一つである。

好学「だが、私は……許せなかったのだ。
友の心を汲むべく甘露を作るに勤しむ。有無、素晴らしき哉と
教職員であるならば、そう取るだろう。
 だが、この数か月の。この私を、この流派不明の伝説なる忍びが背負う
業を知らずに、お前達のする所業…それ故に私は…私は裁いたのだっ!!」

城生「え…えっと、何が、どう言う業が…」

 


  好学「        ――私はダイエット中だったんだ!
                 それなのに、あんな美味しそうなもの我慢出来る筈なかろう!!」


                 バンッッ!!

『最低だ! この先生!!?』

 恥も外聞も、この忍者にはないらしい。素直な感想を異口同音に叫ぶ
生徒へと、チャキンッ! と、細長い定規を懐から抜きつつ忍者は告げる!

好学「えぇい、喧しい!! ケーキを食べた事…このまま黙るならば…この刃を収めよう
もしも…教頭にばらすと言うのならば……っ」

 『言うのならば…?(ごくっ)』

好学「次の家庭科の内申点を、1にする」

『最悪だ!! この人(っス)!!』

 追記、忍者はおろか人間としても駄目である。この教師

好学「えぇい! うるさいうるさーい!! かくなる上は、物理的手段!!
忍びの里で培った、記憶すら短期的に忘れさせる、我が忍びの手刀で!
 お前達全員、十数分前の記憶全部忘れさせるで御座る! 忍にんっ!」

 
 忍者! 好学がケーキの真犯人として躍り出てきた!
さぁ、ヒーローとして戦うべき時が烏丸にやってきた!!

204烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/21(日) 20:07:29
>>203
「はぁ…の、のいち先生…」
何故か厳重に注意されてしまった。
そこまで重要な事なのだろうか。


「あーえっと…
 泣いてるし顔もすごいことになってるし…
 まったくもってどういう…」

で、彼女の言い分を聴いてみると
「…何らかの事情がありそうな…」
…一応レイも真剣に聞いていたのだ。
何だか深い理由がありそうみたいな感じで

で、
最後まで聞いてみたが…

「…ダメだこの先生…」
そう言って頭を抱えるダテメガネのメイド服ヒーロー
で、随分とひどい脅しも加えてきたのだ。

「こらぁー!!
 それでも教師かお前はぁ!!」
そう言って躍り出たのは烏丸レイ!

「色々と難しい試験受けて教育免許とったなら
 悪いことをしたことを潔く認めて罪を償え!
 とりあえず…!」
そう言って彼女はくのいち…じゃなくてのいち先生に向けてダッシュ!
相手のスピードは『精査』によって容易に図ることができる。
そして酒盗のパワーとスピード、動きも見て取れるのだ!

「そっちが物理的に行くならこっちも
 物理的に取り押さえて…!」
そして拳を軽く握ると

「やーるー!!」
一応手加減しつつ、額に向けてバシッと一発食らわせに行った!
パワーはCくらいだ。多分。

205『忍んだケーキ』:2016/08/21(日) 20:32:14
>>204

 烏丸はヒーローの心を抱え、颯爽と(スB)意地汚い忍者へと
躍り出て、そのヒーローパンチを食らわせにかかる!

 好学「忍ニンニーン! ―甘いで候(そうろう)!」

 甲賀忍者、ならぬ好学先生忍者はパッと何やら懐から取り出し手に挟む。
―『花札』だ! そして、物凄い精査が出来る烏丸のヒーローアイには
両手に挟まれた花札に『藤』『菖蒲』『萩』『桐』が写り込んでいた。

好学「忍ニン! 忍法『立三本(たてさんぼん)』!!」

             ――ドロンッッ!!

 な、何と!

 好学忍者に、拳が触れるか触れないかの寸前。その忍び装束の体が
ぶれたかと思うと、その忍者は忽然と姿を消し、そして次の瞬間には
好学が居た場所に、人より一回り大きな煙が発生した! 吸い込んでも
無害だが、一瞬だけ面食らう隙が出来る。

 好学「忍ニンニーン! 我が忍法『HANAHUDA』
これを今まで打ち破れたものは御座らぬよ。諦めてここで起きた事を
口外守秘にするで御座るっ!!」

 と、余裕な声が大型ロッカーの方角から聞こえた。首をそちらに向ければ
二の腕を組んで、堂々とした雰囲気で忍者は貴方を見据えている。

 どうやら、真向からの物理攻撃をすんなり通してくれる訳にはいかないようだ。

206烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/21(日) 20:47:58
>>205
(花札…?)
両手に持った花札の役が細かく理解できたが…
その瞬間に


「おわっ…と…!?」
ドロン!と上がった煙に目をくらませる。
いつの間にか姿が消えていたのだ。

「いつの間にあっちに?!
 いや…これは…」
こんなことができるとすれば忍術…いや…

(スタンド能力…?)
それしかありえないと考える。
一体どんな手を使ったのだろうか…?

「ふう…
 瞬間移動に…手刀みたいなものに…?
 なんとも妙な動きをしてくれますねー、先生」
うーむ、と困った顔で先生…のいる方向に視線を向ける。

「どんな手を使ったのか見せて欲しいんですけどねー。」
話を聞かせて欲しいという感じである。
『精査』しながら先生の動きを注意する。

(種のない瞬間移動なんてありえない……!
 たとえスタンドだとしても…!)
そもそもそのまま逃げられそうな気もする。
そんなことを考えながら観察を始めた。

207『忍んだケーキ』:2016/08/21(日) 21:04:22
>>206

>どんな手を使ったのか見せて欲しいんですけどね

好学「ニーン忍ニンニンッ! どんな手と言われ、はいそうですかと
見せるような忍者は御座らん。だが…小童ごときに、わが忍術『力』は
破る事天通あらず!」

 ズズズゥン!

と、懐から『花札』を好学先生忍者は取り出してきた! 一般人である
城生たちも、花札? と怪訝そうに呟くのを見るに。実体化してるスタンド物質だ!

 好学「忍ニンッ! 立三本(たてさんぼん)は忍術の基礎火術
人為の襲撃から逃れし為の、煙逃れの術で候!
 そして、『赤』の役は風景に同化する『偽装の術』
赤短(あかたん)ならば『変わり身』の術が使えるで御座る! 
 役に総じて、千差万別なる忍びの術が使えし我が力『HANAHUDA』
そして、我が忍びとしての体術。お主に打ち破る術など御座らぬ!」

 バンッ! と大見得をきる忍者!
どうやら、あの中々のスピード(ス精BB)で花札を揃えて力を発揮
するのを防ぐなり何なりしなければ、あの忍者をどうにか出来ないようだ…。

エッ子「……」

ムーさん「……」

城生「……」

朝山「……」

 と、目の端で四人が何やらジリジリと移動してるのが見えた。
……何が作戦でもあるのだろうか?

208烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/21(日) 21:24:00
>>207
「…見えてるみたいねー…」
花札の様子はしっかりと見極めれば
自分にも読めるだろう…が、

「むう…
 たしかにあのスピード…
 あっちの方が、先に出してくる…」
見たところスピードは同等なのが分かる。
パワーも…どの程度かは分からないが自分よりは弱いかもしれない。
だが距離が問題だ。明らかにあっちが花札を抜くのが早いだろう。
まず捕まえるのは難しいが…
「うーむ…
 そんなに堂々と使い方を明かすなんて…
 よほど地震があるんでしょうか…?」
たしかに今の自分には手がないのは事実だが

(……?)
ふと、他の四人がどこかに移動しようとしているのが見えた。
『精査』のおかげでじっくり見なくても動きはだいたい分かる。
何をしようとしているのだろうか?

209『忍んだケーキ』:2016/08/21(日) 21:37:52
>>208

 好学「ニン忍ニーンッ! 考えてる所
申し訳ござらぬが ―隙だらけで御座る! トゥッ!」

シュパッ! と忍者は花札を切ると共に再度手の指に花札を挟む。

両手の指には『三組の同じ札』が挟まれている!

 好学「忍法『喰付(くっつき)』別称『追尾手裏剣』 てやぁ!!」

 シュババババババッッ!!

 何と! 好学忍者は、服の袖から三角定規らしきものを複数
手裏剣のようにして、烏丸目がけ投げてきた(スC精?)

 直線的で、烏丸の今のスピードと精度なら難なく横に
飛び退けば、真っすぐ飛んでいきそうだが……?

210烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/21(日) 21:49:20
>>209
「三角定規?
 …まだそんな妙なものが…!」
彼女の言葉を聞いて少し嫌な予感を感じた。

(追尾手裏剣と言ってたけど…
 逃げても追いかけてくる…?)
スピードを見れば難なく避けられるのは間違いない。
ならば…

「…その程度!」
ひとまずは横に飛び退いて様子を見ようと考える。
念の為に目の端で四人も見つつ、彼女らに攻撃が向けば
即座に動けるように注意もしている。
妙な動きをすれば気づける…恐らく。

211『忍んだケーキ』:2016/08/21(日) 21:57:28
>>210

>その程度!

好学「忍ニーンッ!! 馬鹿めっ! で、御座る!!
その手裏剣は『追尾手裏剣』! どんなに逃げても逃げても追いかける
魔性の手裏剣っ! さぁ、追いかける追いかけるで御座るよぉ!」

 と、ドヤ顔で好学忍者は宣っているが……。

 シュンシュンシュン……。

――遅い。 いや、普通の人間には十分脅威な速さなのかも知れないが。
スピードにパワーも普通の人間以上のスペックを兼ね備えている烏丸には
追いかけてくる手裏剣達は、結構余裕で回避出来るスピードだった。
 と言うか、もしかしたら叩き落すほうが楽ちんだと思える感じだ。

ムーさん「いいか? 私の合図で……」

朝山・エッ子「了解っス      うん。手筈通りに……」

城生「烏丸さんが頑張って注意を惹いてるんだもん、絶対成功させよう」

 四人は、調理台の下で屈んで。何やら秘策を打とうとしてる。
もう、あと1レス程度の時間はいりそうだ……。

212烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/21(日) 22:10:22
>>211
「まぁやっぱり追いかけてくるか…
 でもこれくらいなんとも…」
追尾するのは当然だ。
でもいい加減追尾されるのも飽きる。

(なら叩き落とすか…)
と思っていたが、
視線の端には、
何かをやろうとしてるらしい四人の姿が見えた。

どうやら彼女たちは何かをやろうとしているらしい。
(なら…)
自動追尾でもない限り
追尾するからには手裏剣に集中しなければ出来ないはずだ。。
注意はこちらに向くだろう。
ぎりぎりまで引き付けながら躱す。

(どうしかけるの…?)

213『忍んだケーキ』:2016/08/21(日) 22:36:35
>>212

 烏丸は、忍者の手裏剣を叩き落すでもなく、奇妙ながらも
この調理実習室で出来た縁のある四人の行おうとする作戦を信じ
追いかけてくる手裏剣を避け続ける。

 予想した通り、忍術、と言うぐらいであり。その能力の応用の幅は
広い故に、完全に自動操縦は難しいのか好学忍者は貴方の姿を目で追う。

 好学「ニーン忍ニンニンッ! 逃げるばかりじゃ、その手裏剣は
追い続けるばかりよ! どれ、駄目押しに更なる役を」

 エッ子「それまでだー!」

 好学「ぬぅっ!?」

それは、奇襲であった。スタンド使いがこの場では烏丸しかいないと
慢心しきっていた忍び失格の油断。それが、好学の運命を分ける。

 エッ子「えぇいっ!」

 パシャッ!!

好学「ぬんっ!!? この液体は……毒? いや…メープルシロップ!?」

 そう、それはお菓子作りで使うメープルシロップであった! 
『手を濡らし』体にも幾分かかったシロップを怪訝そうに見る好学。それに更に!

 ムーさん「余所見とは良い度胸だ…」
 城生「まだ私達がいるっ!」

 そう左右から攻め込むようにして、二人が思いっきりシロップの入った
カップを投げる。だが、流石に忍者をやってるだけあるのか、そこは
余裕で上体を軽く反らしシロップは交差して投げた両者の近くの調理台に転がった。

 好学「忍ニーン忍ニンッ! 何を企んでるか知らぬが
これしきの攻撃で我が屈すると…」
 
 朝山「最後に私っスゥー!」

 そう言って、石鹸の匂いがするバケツをパワフルに持って一直線に
好学先生忍者目がけ朝山が走っていく。

 好学「やれやれ…その程度、我が忍術で瞬時に回避でき……っ!?」

 ――パシャンっ

 好学「……っ…!?」

 ……結果として、好学は能力を『発動出来なかった』
何とか持ち前の身体能力の高さで、間一髪で石鹸水らしきものが入った
バケツの水を頭から被るのは防いだものの、何やら狼狽した感じで震えてる。

 ……ポトポト。

 その手から、シロップの滴が地面に落ちていく…。

214烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/21(日) 22:49:52
>>213
「っと、逃げたわけじゃないですけどね!
 先生!」
うまく仕掛けたのを見て、
レイは改めて視線を向ける。

それは完璧な連携だった。
メイプルシロップをぶっかけられ、
石鹸水をかけられるも

…間一髪交わしたらしいが
どうやら能力を発動できないらしい。


そして、
彼女が忍術を発動できないのを見て、

「能力は…
 その手が滑るから使えない…か、
 濡れたから使えないのか…
 わからないですけど…」
そう言って彼女は一気に駆け出していく。

「スタンド使いなら、容赦なしで…
 こうだ!!」
そう言って彼女は
ヒーローパンチを彼女の額に改めて打ち込んだ!!

…気絶させる程度のやつを

215『忍んだケーキ』:2016/08/22(月) 19:25:35
>>214

 甲賀くノ一 ならぬ、好学乃一は。焦りに焦っていた。

 自身は、優秀なる忍びの草(隠密)である。
 自身は、有能なる忍びの草(斥候)である。

その修練の最中に培った、手の印の動作に関しては忍びの『技術』により
獣と同等の速さ、そして達人の域の精密さ(精スBB)を手に入れる事が出来た。

然しながら、これには弱点があった! 

 手がヌルっと滑ると、この手の印を組む動作は全く乱れてしまうのだ!! 
 故に花札を素早く取り出して構えるにしても、すっぽぬける危険がある。
ちゃんとした『役』を揃えずに能力を発動すれば、暴発して何が起きるのか
解らぬのが、この恐ろしき力と術を秘める『HANAHUDA』の力成り・・・

だが、ここで負ければどうなる?

ここで気絶したら、ケーキを食べた事が学校中に知れ渡るだろう。

そしたら拙者は     ――拙者はっ!

 「みとめる ものか…」

    「認めるものかぁーーーーー!!!
       忍びにとって、秘密を握られる事は死と同義!!
生徒のケーキを食べた事が知られる位なら、ここで辞表を出すついでに
お前にも無理やり忍びの禁術で退学届けを出させてやるぅ――!!」

 『せこいっΣ!!』

 生徒の突っ込みがさえわたる中、忍者は火事場の馬鹿力と共に
その場で跳躍した。だが、一直線に跳躍してるだけで着地する際が
かなり無防備である事は言うまでもない。

 「うおおおおぉぉぉ――!!  忍法 猪鹿蝶―――!!」

 破れかぶれとばかりに、ぬるっとした手で何とか花札を構えようとする。
だが……貴方のスピードに、いまの乱れた忍びの心で…太刀打ちできるのか。

 それは、次レスでの行動のみが知っている。

216烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/22(月) 19:37:12
>>215
「ふん、素早いですが…
 そこまでですね!」
レイは火事場の馬鹿力での先生の跳躍を目で追った。
『精査』によって得られた感覚(精密A)は
スピードBの相手も余裕で追いかけられる。

そして悪あがきのような先生のセリフ。
だがそれでも彼女は屈しない。
「やれるものなら…
 やってみろ!!」
一喝。ぐっと先生を正面に見据えて立つ。

「ヒーローの条件は…
 そんな脅しに屈しないこと…
 そして」
彼女は一気に先生の着地点へと走る。

「悪役の条件は…
 そういう…
 無様な悪あがきを…
 
 す る こ と だああああああああああああ!!」
そして先生が着地するその刹那。

「必殺…!」
ダンッ
軽い跳躍、そして…

ギュイイイイイイイイイン!
「レイヴン…

      ストラアアアアアアアアアイク!!!」
バシュウウウウウウウウ!!

ヒーローの如き飛び蹴りを、先生の顔面へと喰らわせに向かうのであった!!

…先生へのダメージ?まぁきにしない。
スタンド使いって頑丈だから。

217『忍んだケーキ』:2016/08/22(月) 20:06:21
>>216

 かつて、ある人は言った!!

「悪」とはてめー自身のためだけに
  弱者を利用しふみつけるやつのことだ!!! と!!!

好学・乃一は! ただ自分の強欲を満たすのみの為だけに
教職員としての権限をつかい、授業が終わった間に悠々と
友の為に渾身の仲間の想いのつまったケーキを! 食べつくした!!
挙句の果てに、彼女は低学年の生徒すらも(本位ではなかったが)利用し
『スタンド能力』でポスターを生成し潜伏し、難を逃れようとした!

 そして、ある人は続けてこうも言った!!

『スタンド』は被害者自身にも法律にも見えねえしわからねえ
 … だから おれが裁く!!  と!!

その黄金の精神を! 奇しくも『烏丸 レイ』も、備えている!!

>ヒーローの条件は…  脅しに屈しないこと…
 
>悪役の条件は… そういう… 無様な悪あがきを…
 >す る こ と だああああああああああああ!!

      ―――レイヴン ストラアアアアアアアアアイク!!!


 好学「   ぐ
             あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ―――――!!!??  」


 グシャ    パリィ―――ンッッ   ドシュゥン!!

 決まった!!

ヒーローの レイヴン・ストライク。変身ヒーローならば常套である
必殺ジャンプキックは、見事に悪の忍者の顔を捉え…
窓ガラスを突き破って忍者は吹き飛ぶ。吹き飛ぶ最中に花札も散らばるのが
能力によって良く見える目で確認する事が出来る!!

好学「 し   忍び  は   死に絶える事はな  い…
あ  悪も 同じ…候……    
  か   烏丸  レイ。お  お前が  その信念を何処まで 突き通せるか
じ  地獄で…見届けるで  ご  ござる!!!  ど  ドロン――!!」

      ボガァァァァン!!

…悪は爆散した。

…突き破った窓から、陽の光が差し込む。

エッ子「…スゲーッ爽やかな気分だぜ
新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のよーに、ねっ!」

朝山「のり! 権三郎! ムーさん! …終わったよっス!」

ムーさん「勝手に殺すな(ペシッ)」

爆散した外の方を見つめつつ、二人はまっしぐらにボケつつ
ムーさんは軽く朝山の頭を叩き、城生は空笑いを浮かべ見つめるに留まる。

 …悪は去ったんだ。

 

 

(エピローグに移っていいで御座ろうか?)

218烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/22(月) 20:25:11
>>217
必殺キックは、悪の忍者を蹴り飛ばしたのであった!

「ふん…言われるまでもなく…
 貫き通しますよ!
 あ、後まだ地獄には行かないでね…」
すごく心配そうにドロンと去っていった先生に向けて
決めポーズをしたのであった。

いかにも悪の怪人っぽい爆発をしたせいで
余計に心配になったが

「っしゃぁ!!
 悪い忍者は…
 今やっつけましたよぉ!!」

そう言って4人に向けて一気に駆け寄って微笑んだ。
かくして戦いは終わり…
この部室にも平和が訪れる…

(エピローグに行ってよろしいのでござるよ)

219『忍んだケーキ』:2016/08/22(月) 20:40:56
>>218

 後日…。

烏丸 レイは、死闘の経験と。記憶に拭い難い敵の末路を見届け
その死に様に何秒間が苦悩し、そして、まぁギャグだし良いよねと
納得した後に、撮り溜めしていたヒーロー番組を休みの間に満喫した。

 そして、学校への登校後。貴方は衝撃的な光景を目にする事になる。



『先生、おはようございまーす!』

 「うん、お早うで御座る」


       

何か普通に、校門前で。教師好学が無傷のままに、学校に来る生徒達に
挨拶をしていた。確かにヒーローキックは決めた筈なのだが…。


 「んっ? おぉ! 烏丸よ、お早うで御座る。
ちょいと、こっちにこいこい、こいこい」

 そう、貴方に手招きしてきた。

220烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/22(月) 20:49:23
>>219
後日

おもいっきり蹴り飛ばしてよかったんだろうか
窓ガラスの弁償とかしなきゃダメだろうか
まだギャグだから良いか
……そんな感じで一気に休みの日にヒーロー番組を楽しんだのであった

さて、更に後日…

「あー……
 また来週までかー…」
頭をポリポリ掻きながら登校時間の憂鬱を感じつつ
学校の校門を目指して歩いていた…そんな時

「あれ…」
たしかおもいっきり蹴り飛ばしたような…
あのくのいち…じゃなくて、のいち先生がすごく元気そうに
挨拶をしていたのだった。

「え、あ…」
自分に手招きする先生の姿を見て
ちょっとビビった。

(どうしようどうしよう…
 あんな事凄んでいっちゃったけど退学とか家庭科の評価点1点とか
 やっぱりすっごく嫌なんだけどぉォォォォ!!)

「え、あの…
 何でしょうか?
 あのー…せめてガラスの修理ですませて……」
あの時の仕返しされるかもしれないと思いながら
レイはしょんぼり気味で近寄っていった

221『忍んだケーキ』:2016/08/22(月) 21:11:43
>>220

>何でしょうか? あのー…せめてガラスの修理ですませて

「あぁー、大丈夫で御座るよ。
元より拙者が悪いで御座るでな。と言うより、これで修理代を請求したら自分
清月学園の教頭やら校長にばれたら、物理的に首切りで御座る」

 と、手をヒラヒラさせて、のほほんと忍者は答えた。忍者は懐も寛大だった!

「まぁ、それに。ある程度金銭はあるんで御座る。
自分、昔は『アリーナ』とやらの武闘の場にも出ていたり、何なり。
 意外と血腥い事にも慣れてるんで御座るよ。
だが修羅道より、拙者には教師の道が好きなんで御座る。あぁ言う風に
馬鹿騒ぎするのも大好きで御座る故。顔を蹴られたのは、痛かったけど
忍者なんで鍛えてるし、世の中には大金さえ支払えば直ぐに治してくれる
施設もある故…と、話が逸れてしまったで御座るな」

 と、好学忍者は。懐からゴソゴソと何やら手でまさぐり。

「はい、これ。上げるで御座る」

と、葉っぱを乗せた狸の彫り物らしきものを烏丸に渡してきた。

「これ、我が故郷の彫り物師が作った代物で御座る。まだ修練中だけれども
中々良い腕してるで御座る。よく質屋で売ったら五万円ぐらいで買って
貰えるから。飲み会なり女子会で散財した時に、よく助かってるんで御座る。忍ニン」

 駄目忍者は、もの凄く駄目な事を言った。そして続けて聞いてきた。

「ところで、烏丸殿。他に一つ謎かけするで御座る。
一つは煙を使った吃驚な術
一つは音を使った目立つ術
一つはくノ一、女ならではの術

 この三つの内、どれが好きで御座ろうか?」

と、謎かけしてきた。
(※煙のは、単純に場スレで一度かぎりスモックのようなものが焚ける。
音のは、場スレで一度限り変身するなり登場する時にBGMが流せる。
女の奴は、一度限り場スレで何だか凄く魅惑があるように周りに見えるようになる。
※↑第四部の『シンデレラ』を疑似的に摸した感じ。

な、スタンドアイテムを選択できます。じっくり考えて、好みのを選んでください)

222烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/22(月) 21:38:36
>>221
「あ、はぁー…そうなんですか…
 どうもありがとうございますぅ…」
頭を軽く下げて、返事を返した。
ヒーローな時の彼女とは正反対である。

「アリーナ?
 …噂では聴いたことがありますけど…
 何だかやばそうな感じのところですね…
 というか…忍者って便利ですね…
 と…そんなマジックみたいな施設もあるんですか?」
いろいろな話を聞いて目を白黒させる。
驚きを隠せないでいるようだ。
この街の知らない一面、わずかに垣間見たような気がする…

「おっ…と?」
手にとったのは狸の彫り物。
ちょっと可愛らしいような気もするが…

「ああその…売り物なんですねこれ…
 まぁ出来は良いですけど、確かに…」
と、首を傾げながら見る。

「謎かけ…?」
忍者先生が問いかけてきたのは
謎のなぞかけであった……


「ふむ……
 自分が好きなのは…」
と考えて目を閉じる…

(煙…ヒーローっぽい演出だけど
 ちょっと見えづらいのが難点ね…
 女ならではの術…
 私そういうのをやる気もないし…)
と、しばらく考えてから応える。

「音を使った目立つ術かな!
 やっぱりほら…ヒーローって
 音があったほうがかっこよくできると思いますし!」
と顔を上げて答えた。
なんとも彼女らしい答え…と言えるかもしれない。

223『忍んだケーキ』:2016/08/22(月) 22:16:34
>>222

 >音を使った目立つ術

「では、これを渡すで御座る。ほかの、あの実習室にいた子達も
他のものに自主的に言わなかったで御座る。感謝で御座る
 お主はスタンド使いゆえ、特別にこう言う品で拙者の気持ちを表すで御座る。

   『藤に不如帰』

「これを指で挟み、念じる事で。自分の頭で描いたものを周りで奏でるで御座る。
でも、そんなに長くは無理で御座る。大体数十秒あるかどうかで御座る(※場1スレのみ)
よくよく使いどころを見誤らないで欲しいで御座る。多分、争い事や特別でない
場所でのほうが、ちゃんと能力が発揮できる気がするで御座るよ」

 そう、アドバイスを忍者はした。

その時、貴方の横を数人の人影が通り過ぎて行った。
 エッ子・ムーさん・城生 乗・朝山 佐生の四人だ。
……貴方に振り向き、軽く手を振って挨拶したものの直ぐに学校の中に入っていく。

 「…あぁ〜、それと。これは言いにくいので御座るか。
スタンドの事を深く知るのは一般人には危険なので御座る。だから、あの時
調理実習室で起きた事を、少しだけ我が忍術で訂正しておいたで御座る。
 そんなに強い改正ではなく、主に『スタンド』を使ったと言う部分は
あの四人の記憶の中には消えたで御座る。

 不満はあるかも知れぬで御座るが、けど、いずれ。
烏丸殿が星見街で真のヒーローとして大活躍して、堂々と街を闊歩する時が来た時に
今日の事を話してみるで御座るよ。さすれば、数日前に起きた、あの出来事も
懐かしき出来事として、鮮明に全員思い出し楽しく話咲かせられると、約束するで御座る。
 …それでは、自分も学園の中に戻るで御座る。 ドロンッ!」


 こうして、一人のくノ一は言いたい事だけいって、学校の中に消えた。
忍者っぽい教師として、彼女はこれからも時々小さな事件を学校で起こしては
誰かに諫められるのを繰り返すのだろう。

 烏丸は、他の四人との思い出を忘れる事はない。花札や彫り物を
使ったり売って思い出の象徴がなくなったとしても、あの日起きた出来事を。

 だって、貴方は『ヒーロー』だから。


 烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』→『五万相当の彫り物』get!
          スタンドアイテム『藤に不如帰の花札』get!

佐々木 江南(エッ子)『一般人』→調理実習の思い出をget!
     スタンドの事は忘れたけど、烏丸と言う後輩とずっと友達!

比嘉 海霧(ムーさん)『一般人』→同じく調理実習の思い出get!
     後日、悪の首領とやらに勧誘され、暇があれば参加すると
     連れの友達と共に返答した。

城生 乗『一般人』→調理実習の思い出get!
     結局、何だか最初から最後まで少し影が自分、薄かったなぁと
     落ち込みがあった。再起可能

朝山 佐生『ザ・ハイヤー』→調理実習の思い出get!
あの後、結局ケーキ以外のお菓子をちょっとつまみ食いした事がばれて
結局、くすぐりの刑を行使される事になりドタバタと逃げ惑う事になった。
 裏の顔の悪の首領として。後日他三人を幹部として勧誘する事にした!


好学 乃一『ハナフダ』→『再起不能』…からの治療により『復活』
本当に、忍者の『技術』を受け継いでる家系。その特性を活かし
『星見町』でも、ある程度危険な仕事も一時請け負っていたが、最終的に
教師の道が自分に合ってると理解して、裏家業をすっぱり切り教師となった。
忍者っぽい先生として生徒からは人気があるが、忍者であると指摘すると怒る。
 特技は忍術による派手な死んだふり

224『忍んだケーキ』:2016/08/22(月) 22:25:04

『実体化』している四十八枚の『花札』のヴィジョン。

この『花札』は一枚だけでは、その秘めたる力は手品程度の演出しか出来ないが
『役』を揃える事で、類まれなる『術(能力)』を発揮出来る。

『役』によって出来上がる『術』は、まさに忍術の如く効果は様々。

 その名は…『HANAHUDA』

 
 『HANAHUDA(花札)』

破壊力:D スピード:なし 射程距離:D
持続力:B 精密動作性:なし 成長性:C

225烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2016/08/22(月) 22:48:34
>>223
「おっ…これがそうなんですか…
 なるほど…何だか楽しそうですね…
 ヒーローっぽい音楽が流れるかな〜…
 楽しみ楽しみ…」
その『藤に不如帰』の花札を手に取り、
レイは嬉しそうに微笑んだ。

「…ふむ、普通の場所で使うのが最適…
 ってことですね?
 了解です。」
ちょっと残念に思いながらもとりあえず了承する。
いつ使おうか…なんてことを返す。

「あ、おはよー」
と、あの時一緒に居た四人を見て手を振る。

「…スタンドは他人に知られないほうが良い…か。
 それもまた良しですよ。
 ヒーローは人知れず悪を倒すもの…
 だとすれば、私は陰ながらみんなを守ることにします。」

そう言って向けた視線は、あの時と一緒、
力強いヒーローの顔だった。

「いずれは、学園だけじゃなくて…
 この街も…なんて…ちょっと大げさすぎるかな?」
と、照れくさそうにしながら、去っていった先生の視線を見送っていった。

これはほんの泡沫の夢のような楽しい一幕だったと思う。
日常の中の非日常。先生はそんな存在だった。

『ヒーロー』としてはまだまだ未熟だが、
それでも彼女はこの日常と、思い出…
得難いものを手にできたのだろう。

…こうして今日も学校へ向かい、一日は過ぎていく…

(…悪く無いかな〜…
 部活の人といるってのも…)

 烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』→『五万相当の彫り物』get!
          スタンドアイテム『藤に不如帰の花札』get!
          調理実習の思い出もずっと…

226『そらの異邦』:2016/09/10(土) 09:42:34



 私たちの中にある動を感知する器官を研究したり、
 なぜ私たちがこういう姿や形をして地球上に生きているかを研究するためには、
 動のない世界、宇宙に行って調べなければならない。




                    ―――――――――――向井千秋

227『そらの異邦』:2016/09/10(土) 10:19:44

 『ビッグクランチ』と言う、開放的な飲食店が星見町には存在する。

そこに『貴方』と依頼主はいた。
依頼主は、ベンダブラックのような天井から放たれる照明にも全く輝かない
黒髪に、ラメが何かで点々と輝かせ星空を被ってるような不思議な髪をしてる。
黒い燕尾服を着こなし、髪と同じく綺麗な星空の外観した酒が入ったグラスを掲げた。
 顔からは年齢が解らない……謎めいた微笑みを口に宿してる。

「コスモ・ブラック・マンディ、と言いましてね。
これを飲むと、自分が宇宙を掌握して味わうかのような奇妙な征服感を味わいます。
貴方も一杯どうですか? ……失敬、今から仕事ですものね。下手に緊張してるのであれば
景気付けに一杯と思ったものでして。
 本題に入らせて貰いましょう。
『常陽町』 彗星が良い角度から見えるのと、コーラの味では少々有名な町。
穏やかで良い場所ですよ。
 其処には『曰く』のある『廃ビル』がありましてね。そこに『ある物』が
置いてある筈なんです。あぁ、犯罪とかではありませんのでご安心を。
 それを持ち帰ってきて欲しいんです。細やかな指示は……携帯はありますね?
常陽町に降りたら、私から連絡を致します。
 ……ご質問は何かあります?」

 女性は、グラスを傾けて星空色の液体を口に含む。

(『外見』『所持品』『能力』などの提示とレスの開始をお願いします)

228蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/11(日) 00:08:02
>>227

「お酒は気分じゃないかな」

女性の言葉に返答する。
黒い髪。ポニーテールにまとめたそれを揺らす。

「美人さんと飲むのは好きなんだけどね」

目の前の相手を観察しよう。思い出そう。
名前とか思い出そう。服装を観よう。ボディーラインを観察しよう。
それと出会った経緯とか色々思い出そう。

「それと、コーラの味で有名ってどういうこと?」

外見(頭):黒髪のポニーテール。釣り目気味の目。凛々しそう。
外見(服):黒いカッターシャツ。ワインレッドのスラックス。深い紫のネクタイ。右手首に革の腕輪。黒革靴

所持品:財布。スマホ。ウイスキー(小瓶)。古本

能力

一本の和槍のヴィジョンのスタンド。
本体の周囲の無生物を『竜鱗』で覆う。
このスタンドの穂先は『竜鱗』を容易く貫く。

『ドラゴノート』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E(1m)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:B

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/43

229『そらの異邦』:2016/09/11(日) 00:38:10
>>228(蛇喰)

「ははは、美人さんなんて。やはり貴方は人の自尊心をくすぐるのが上手い。
月並みな台詞だが、その月並みがあるからこそ空は冴える、そう思えいませんか?」

女性は、言葉に軽やかに笑いつつ。照れた様子は一片なく度数が高そうなブラック・マンディを
平然と水のように飲み干すと、指を鳴らし新たに店員から掲げた杯に液体を満たした。

貴方は彼女との初めての邂逅を思い出そうとした。
 そして、貴方は彼女とこうして出会うのは『二度目』である事を思い出す。
貴方は、深夜の酒場にいた。店の名前は貴方のほうが良く知ってるだろう。
 そこで少し強めの酒を飲んでる貴方の隣に、気づけば居たのが目の前にいる
『依頼主』であった事に、貴方は思い当たる。服装も今と同じ黒いタキシードで
背丈は貴方より少し低く、すらっとしたモデル染みた体系である事を回想と今の姿から
照合して同一人物である事を知る事が出来る。同じ銘柄の酒を飲んでおり、そこから
趣味なり何なりの話をして、少しだけ話が弾み笑いかけた『依頼主』は饒舌にこう告げた。
 ――ちょっとした、仕事があるんだ。受けてみる気はないかな?
もし、少しでもその気があるなら。明後日の昼にでもビッグクランチに来てくれ。

それが、貴方と『依頼主』の関係だ。
 名前に関しては……あの時酔ってた所為なのかも知れない。『思い出せなかった』

 >コーラの味で有名ってどういうこと

「あぁ、貴方は知りませんか。
そうですね、オーヴェルニャ・コーラ。この名をご存知でしょうか?
 そのコーラはゲンチアナと言うリンドウの一種が含んでまして、その苦味が
何とも言えないと好む人がいます。
 それと同じように、常陽町のコーラはトコヒ・コーラと言いまして……ははは
陳腐だと口にして私は思いますが、けど分りやすいネーミングでしょう? 
 そのコーラは、独特の苦みと甘味がありましてね。オーヴェルニャと同じように
植物を混ぜ合わせて生成してるようですが……すみません、どのような草かは忘れました」

 と、そこで締めくくりコスモ・ブラック・マンディを口に含み、燕尾服の
ポケットから二枚の乗車券のチケットを出した。常陽町と星見町の行きと帰りの名前が書かれてる。

 机に滑らすようにして、チケットを貴方の手元へと移動させる。

「これで、電車に乗って行くと良いですよ。まだ、何かご質問はあります?」

 女性はグラスを攪拌させながら、貴方に笑いかける……。

230蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/11(日) 00:53:59
>>229

「ははは。僕は難しいことは苦手なんだけど」

「月並みどころか、月のように美しい女性だからそういっているだけだよ」

水を飲み、目の前の相手を見る。
きざというか、気取った仕草だなと思った。
回想が終われば現実に戻る。

(名前が思い出せないな。名前は便利だ)

覚えておいて損はない。

「君、名前なんだっけ」

ここはストレートに聞いておこう。

「ふーん」

なるほど、とうなずく。
半分ぐらい聞き逃してしまいそうなものだがまぁいい。
なにかに使えるかもしれない。

「アブサンかな?」

「まぁ、いいや。行ってくるよ」

231『そらの異邦』:2016/09/11(日) 10:45:34
>>230

「ははは、月のように美しい、ですか」

 「月は確かに美しい。ですが、月は幼いのですよ。
私は誰が見ても目立つ輝きより、二等星ほどの輝きが好きですね。はい」

 女性は、星空の液体を照明で反射させながら貴方の瞳をじっと見据える。
女性の瞳の色は、黒だった。カラコンでも入れてるのか、瞳が時々星空色に
きらきらと反射してる気がした。

>名前なんだっけ

 「ははは、名前、ですか。申し訳ない、教えていなかったかも知れない。
ですが、私個人の感想ですが。名前と言うのは余りにも不確定な代物、そう思うのです。
 いえ、戯言でしたかね。吉岡、そう貴方の前に会った人の名前がそうです。
吉岡と言う名を覚えておいてくださいな」

 笑いつつ、貴方へ名を彼女は告げる。そして、切符と共に
2、3枚の福沢を貴方に差し出してきた。

「今から行くとなると、行きと帰り、仕事を含めるとなると五時間程度は
掛かるでしょう。何か食べたり飲んだりするのならば、これを使ってくださいな。
遠慮はしないでください、必要経費なんですから、これもね」

 彼女は、あははと軽い笑い声を立てながら貴方が駅へ向かい
常陽町行きまでの電車に乗るのを見送る。


 ――――――――――――――――――――――――――

貴方は電車に降り立ち、常陽町を告げるアナウンスを聞いて降り立った。
 電車の中で敵スタンド使いが襲ってきた、等と言う漫画のようなハプニングはない
段々と変わっていく街並みの景色と、少人数の乗客の時折聞こえる小さな咳や
トイレへ立つ音などを除けば平和な時間だった……退屈で少し眠気すら覚えたかも知れない。

駅を出ると、開けた噴水のある広場。そこからずらっと住宅街の街並みが
見える。『廃ビル』が何処にあるかは、この降り立った場所からの風景からでは
貴方には解らなかった。だが、知る手段はいくらでもある。

 〜〜♪

 すると、スマホから着信音が鳴った。

232『そらの異邦』:2016/09/11(日) 10:55:27
 駅にある地図案内表には、大まかなこの常陽町の地理が表記されてる…。



★…現在地点 ☆…住宅街  ○…工場(コーラ) #…常陽神社


――――――――――――――――――――――――――――  
山          #   山
山             山
山  ○          山
山    文  ☆     山
山          ◎  山 
        ★
        駅

233蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/11(日) 23:43:54
>>231-232

「まぁ、僕はなんだってかまわないけれど」

「綺麗な人はなんにたとえようと綺麗だ」

そういって軽く笑った。
むうと内心思う。よくわからない相手だなと。
考え方に哲学というか一定の美学的なものはあるのだろうが、それが分からない。
もしくはないのか。あっても理解できるものではないように思えるが。

「あぁ違うよ。下の名前だ。姓名の名のほう」

それはよく使う手であった。
名前を聞くときはこうするといい、と蛇喰は教わった。

「えぇ……女性からこんな風にお金をもらうなんて、まるでヒモにでもなった気分だ」

「なんだか悪いなぁ……」

言いつつもそれをもらっておく。
そもそもヒモになったではなく、もともとヒモっぽい生活をしている。

「ふーん」

常陽町にたどり着いた蛇喰。
廃ビルは見えない。まぁ吉岡から連絡があるだろう。
依頼主が場所を知らない、教えないとは言うまいて。
とりあえずスマホを確認しよう。

234『そらの異邦』:2016/09/12(月) 09:12:03
>>233

>下の名前だ。姓名の名のほう

その尋ね方に、キラキラと目を輝かせ女性は額を軽く手で撫ぜつつ笑う。

「ははは、これは一本取られましたかね。素直に降参いたしましょう
何でしたら、犬のように臍を出して仰向けになりましょうか?
 ははは、冗談ですよ。して、名前のほうでしたね。
でしたら星羅とお呼びください。セッちゃん、とちゃん付けも構いませんがね。
まぁ、戯れ言ですよ。全てが 戯れ言なのです」

 軽口を交え、静かな笑みを維持したまま三杯目のブラック・マンディを
彼女が空にするのを貴方は見届けた。
 
 そして、駅に降り立った所へと場面は舞い戻る。
貴方こと蛇喰正義はスマホを確認した。非通知ではあるが、会話の件からも
コールの相手は把握してる。通話ボタンを押して耳に当てれば、予想通り
真意が伺い知れぬ数時間前に会話した女性の声が流れてきた。

 「どうです、何事もなかったですか? いえ、愚問でしたかね。
怠惰、と言う語句ですが。移動手段の中で手持無沙汰に電車の中を
座ってる時こそ、その語句が一番似つかわしい時だと私は思えますね。
ははは、戯言でしたね。では、案内を始めさせて頂きます。
 『廃ビル』ですが、人に聞いて確実性を高めるのも良い方法と思えますが
貴方は直ぐにでも目的地を把握したいでしょうね、当然ながら。
 ははは、お喋りが多くて申し訳ない。場所は『コーラ工場』より北
地図上で見れば、上の方角にあります。
 ですが、一つだけ忠言しておく事があります、よくお聞きください。
当然ながら『廃ビル』ですので老朽化が進み、車が入れぬ程の柵や立て札が
設けてるかと思います。人の出入りは問題ないと思いますが。
 ですが、無断で入るのも。幾ら日が落ちる前には出て行く町とは言え
心象悪いのは避けえない。そう思いませんか?
 良ければ『市役所』へと向かってください。地図記号は常陽町の案内表記に
載ってますね? そこで、許可を貰う事が一番かと思いますよ。
 では、貴方の旅空に星が流れん事を。

 ……あぁ、質問が何かあれば、可能な限りお答えしますよ」

 まだ通話は継続してる。何か疑問があれば聞く事が出来る

235蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/12(月) 22:54:52
>>234

「セッちゃんね。オーケーオーケー」

覚えられるだろうか。
目で覚え、耳で覚え、匂いで覚え、手で覚え、そして最後に味で覚える。
それが蛇喰にとっての人の覚え方だった。

電話に耳を傾ける蛇喰。

「市役所ねぇ……面倒だけど、そっちのが確実?」

「あと、廃ビルにあるものって時間たちすぎると駄目になっちゃう?」

とりあえず聞いてみる。
時間があるならコーラ工場でも見に行こうと思ったが難しそうなら市役所に行こう。

236『そらの異邦』:2016/09/13(火) 05:58:09
>>235(レス遅れ大変失礼しました)
 

 ははは、と言う笑い声が電話から軽やかに奏でられる。

「いえ、貴方のご自由に行動なさりなさい。私は、舞台の端から
やじを飛ばす観衆なのですから。主役は貴方です、そうでありませんか?
 正しい筋書きなど、到底あるわけないのです。この演目にはね。
引き取りにいくものには、ご心配なく。今日一日過ぎようと明日になろうと
腐ったり壊れたりするような代物では御座いませんよ。
 どう言う品物かは、お節介ですが貴方にも少し楽しみを覚えて欲しいと言う
私の余計な世話心です。今は言いませんがご容赦を

……あぁ、それと。渡した三万はまだ手元にありますね?
 ご忠告、まではいきませんが。もし大金が提示される時があるならば
是非その時にお使いなさい。娯楽などで使うのも別に構いませんが
貴方の舞台を盛り立てるには、それが一番良いかと思うのですよ。
ではでは 夜空に一筋の星流れん事を」

 pi

 通話は切れる。気障な言葉を贈られたが、要約すれば自由にこの町を
探索すれば良いとの事だ。それと、お金の使い道に関して意味深な事が言われた…

237蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/14(水) 00:08:10
>>236

「つまり好きにしろと」

(よくわかんない子だなぁ)

ははっと声にならない笑いが口元に描かれる。
どうしたものか。

「はいはい。お金は大事に使うよ」

この金は最悪使ったといってもらうのもいいなと思った。
とりあえずコーラ工場にでも行ってみよう。
コーラでも買って飲んで、それから廃ビルにいけばいい。
住宅街を通って向かおう。

238『そらの異邦』:2016/09/14(水) 00:20:27
>>237

 貴方は、コーラ工場に向けて進み始めた。
全く知らない場所ながらも、その足取りに迷いは生じない。不慣れな町
であろうと、どんな町にも目立つ場所であるなら案内図などはあるし
最悪わからなければ近くに建っているコンビニで聞けば、快く店員は教えてくれるだろう。
 貴方が最初に目を付いたのは『常陽学校』だ。
小・中学の学び舎が並列してる、中々大きい学校。それがこの町を語る一角として立てられてる。
 今日は、確か平日だった筈だ。時間的にも、まだ下校時間には少し早い。遠目ながら生徒や先生が
出て行く様子も見えない。時折体育などで元気な生徒の声がまばらに聞こえる。
 そんな日常の静けさを感じて、貴方は『コーラ工場』へ辿り着く。


『コーラ工場』は大きかった。
 この町の名所と言うのは伊達ではないのだろう。通りすがった常陽学校よりも
大きく、機械の作動音が貴方の耳に響いてくる。
 いまも絶賛稼働中、と言う感じだ。案内してくれる親切な人がいるかは不明だが
中に入っていけば、そう言う役目の人間もいるだろう。



     『―……』


 ?

 ふと、その入口近くで貴方は少しだけ奇妙なものを目撃した。
いや、ものではない。『人』だ。綺麗に塗装された壁には不似合いな汚れた服が目立つ
人らしき物体が、壁に凭れ掛かるように足を投げ出して座り込んでる。
 顔は俯いて、年齢や性別は推し量れない……。眠ってるのかも知れない、放っておくのも良いだろう

239蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/14(水) 23:38:57
>>238

(なんだあいつ)

人か。なにをしているのか。
それともなにもしていないことをしているのか。
蛇喰は自分には関係ないと思い先を進むことにした。
ただ相手の姿はよく見ておこう、体つきや服装、顔もだ。
工場の関係者なら、工場の中の人間に聞けばわかる。
分からなければ部外者だ。

240『そらの異邦』:2016/09/14(水) 23:48:26
>>239

 貴方は、壁に凭れ掛かっているような姿勢の人間を
工場の中に入りがてら観察した。

服装は……ボロい。ホームレスと遜色ない色褪せたコートと解れ目立つズボン
靴も黒ずんでいて、顔は50か60らしい年老いた男だ。

 「……※※※※※」

 男は、何処か上の空な顔つきで小さく何かを呪文のように発していた。
貴方に対し気づいた様子はなく、脱力した状態を維持しており不気味であった。


 『ん? あぁ、こんにちは! 見学の方でしょうか!?』

工場に入ると、最初に受け付けらしい体格の良い日焼けした男性が
笑顔で歯を光らせて貴方に応対を始めた。

 『工場の見学ですが!? どうぞっ、見学者用のパンフもありますので
是非ともじっくり見て下さい』

 カウンターの日焼けした男は、そうスマイルを維持しつつ貴方に
工場の良い所などを時々挙げつつ営業的な説明をしている……。
 首に提げたネームプレートには窪田と書かれていた。

241蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/15(木) 23:55:02
>>240

「……」

放っておこう。
近づかない方がいいということもある。

「見学ですがっちゅうか」

「まぁ軽く見せてもらえれば僕はいいけど」

パンフレットでも受け取って確認しよう。
中になにがあるとかある程度分かるだろう。

242 『そらの異邦』:2016/09/16(金) 00:26:37
>>241

 「えぇ、どうぞどうぞ!」

窪田は、貴方へとパンフレットを手渡すと饒舌に貴方へとコーラの
製造ライン、昭和の何年から工場が出来てるか等の常陽町とコーラの
密接な関係を、白いよく磨かれた歯を時折り見せながら説明してくれた。
 彼の少し暑苦しいフォーム以外で、特にコーラの説明や工場内部の
コーラが作られる流れを見ても何か可笑しな様子は見られない。
試飲として差し出された紙コップのコーラも出てきたが、それを含んでも
貴方が今まで口にしてきた炭酸飲料と別段何も変わった気はしなかった。
 「……と! これがいま現在のトコヒ・コーラの歴史となるんですよっ。
あっ ところで。
 入口のところにいる、ホームレスっぽい人がいたかと思うんですけど……
もしかして、何かされたり言われたりしませんでした?」
 
 いままで爽やかな笑顔でコーラの説明していた男は、そこで初めて心配そうに
貴方へと問いかけてきた。

 「あっ、いえ! 何でもないんですがねっ。
もし何か言われていても、それは全くの下らない吹聴ですからっ!
トコヒ・コーラは誰からも愛される炭酸飲料ですよっ」

 と、直ぐに爽やかな笑顔へと顔を戻して、念を押すように貴方へ告げた……。

243蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/16(金) 01:21:12
>>242

(ふーん)

この男の暑苦しさに目をつぶれば悪くないなと蛇喰は思った。
嫌いではないが工場見学でこういうタイプと相対するとは思っていなかった。

「なるほど」

男の解説にニ三度うなずく。
それからまた口を開いて。

「ホームレス? あぁ会ったけど。別に特には」

「にしてもらしくないんじゃない? 昭和から今までさすがに老舗というのははばかられるけれど」

「それでも歴史あるトコヒ・コーラ。誰からも愛されるトコヒ・コーラ」

「それを作る君たちは立派な人達じゃあないか」

笑っておこう。
笑いがこらえきれなくなる前に。

「なにをホームレス相手を気にする必要がある?」

「まぁ、僕ら余所モンからすれば工場前にそういう人間がいるっていうのは多少なりともショックだったりするけど」

「気にすることじゃあないんでしょう?」

244 『そらの異邦』:2016/09/16(金) 22:36:38
>>243

>なにをホームレス相手を気にする必要がある?

 「あぁ、うん。ホームレス……ですよねぇ」

窪田は、その言葉に笑顔で応答するでもなく歯切れ悪く呟く。
 貴方が、それに疑問を生ずるでもなく直ぐにこう告げてきた。

「あの人、『こうらさん』って言う方でね。まぁ実際ホームレス見たいな成りで
やってる事も大体ホームレス見たいなもんなんですけど。あの人、あんなでも
元『此処の社員』だったんですよ。だから、ちょっと絡まれるような事があっても
暴力沙汰は止めて下さい、お願いします」

 そう、頭を下げて、お願いしてきたのだ。

「いや、ね? 俺…私が働く前、学生時代からも常陽町で住んでる人なら大体
知ってる有名な話なんですけど。以前、この工場で働いてた人がちょっとした事故
に巻き込まれて……此処の部分をやられたって話でね」

 頭を指しつつ窪田は話し続ける。

「新聞にも載ってないけど、こうらさんが其の事故の当人だってのが
もっぱらの噂だったんですよ当時は。だから、あんまり邪険にも出来なくてねぇ。
 まぁ、こっちからしつこく話しかけたりしない限りは特に害ないんです。
小学生とかには、うちの上が贈ってるものなのか、よくコーラを振る舞ったり
お菓子あげたりとか優しい人ですし……あぁ、ただね。私も昔、加減知らなくて
被った口なんですが。ぼーっとしてるあの人に話しかけると、混乱してんのか
『奇妙』な話ばっかしてくるんですよ。昔の話だけと、ありゃ参りました。
やれ、自分は昔宇宙人に襲われて頭弄られた、だの。
 コーラ工場は恐ろしい組織に支配されている。みんな洗脳されてる、だの。
 『悪魔』に出遭った、だの。
……そんな支離滅裂な話ばっかでね。けど、何だか妙にその話をしてる時は
普段より意識がしっかりしていたような気もするんですけど。まぁ、病人の妄想ですから

 とまぁ、そう言う事で。こうらさんをもし見かけても、あんまり絡まないで
やってください。あんなんでも、この町の人なんで」

 そう言って、再び綺麗な角度で窪田は頭を下げた。



 ……コーラ工場を大体見学し終わった貴方は、また先ほどと同じ入口から外へ戻る。
太陽が少し傾き、時計の短針も少し動く。

 「※※※※……」

外では、壁に凭れ掛かるようにして。あのホームレスもとい『こうらさん』が
ブツブツと何かを呟きながら空虚な瞳で地面を見つめていた。

 少し遠くで、廃ビルが工場に隠れるようにして覗き。貴方が来るのを待ち受けている……。

245蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/17(土) 21:21:06
>>244

「はぁ……そうですか」

どこまで本当か分からぬ話だ。
まぁたとえ本当でも自分には関係ない。

「ほう……」

まだいたかと思う。
同時にいたずらごころ。

「やぁ、こうらさん、だっけ?」

「ご機嫌いかが?」

ウイスキーを向ける。

「飲むかい? あんたについてちょっと聞きたいことがあるんだけど」

もう少し暗くなった方が廃ビルの周りの人も減るだろう。
時間潰そう

246『そらの異邦』:2016/09/18(日) 09:42:42
>>245(お気になさらず、こちらこそ返信遅れて申し訳ありません)

貴方は日が暮れてから廃ビルに向かう事を考える。正午辺りから出たと考え
星羅に見送られ電車で二時間、コーラ工場を適当に見回ったのも含めても
約二時間半と言った程度。いまの時節は未だ幾分涼しい時節に差し掛かってるとは
言え十分に太陽は空を照らしてる。時間を潰す事に支障はない

 >やぁ、こうらさん、だっけ? ご機嫌いかが?

  
    「……   ?  ……っ !   ?!」

蛇喰は興味と悪戯心を交え、先ほどの話の件の人物である『こうらさん』へ
ウイスキーをチラつかせるようにして、話しかけた。

 変化は如実にその時起きた。夢現な力ない瞳で脱力した顔を浮かべた老人は
貴方のほうに顔を向け、そして声を掛けられた事に気づくと同時に、その顔には
力が込められ、瞳には先ほどとは異なる強い光が灯るのを視た。

 「お前さん……っ お前さんは……この町のもんじゃないな? いや、何も言うなっ!」

生まれたての小鹿のように足を震わせつつ起き上がりながらも、片手を壁に支え空いた手で
貴方の口元へ翳すようにして言い切る。その声には生気と正気が伴っている。
 ウイスキーなどに目は暮れてない。ただ、『執念』とも言える『必死』さを老人は気配に滲ませてる。

「儂は、この町にもう何十年。いや、生まれた時からこの年まで一月単位で離れた事ない!
全てとは言わずも町の者の顔は見れば良く解る! お前さんが余所者かどうかぐらいもな。
 ――逃げろ。早く逃げろっ 悪い事は言わん。いますぐ此処からっ 町から!」

 こうらさん、は震えていた。薬や酔いではない、あからさまな『恐怖』がその顔や体に張り巡らされていた。

「何故、この町へ来た?? このっ この町は……もう儂の知る町ではないっ。
いいかっ、よく聞け。儂が狂ってると、まともだと告げる者等は言うっ。
それでも、頼むっ。お願いだ、狂人の言葉だと思っても受け流さず、聞いてくれ。
 ――この町は呪われてるんじゃ。
何処も、何処も儂の知る昔のまま、自然と移ろいゆく変化はあるものの平凡な日常の風景の中に。
言葉では……言葉では、あぁ言えん! 表現が出来ん。だが、だが何処かが異常だと儂は知ってる!
まるで普段住んでる国の中に、一つだけ異様な国がすぐ隣の家の裏に突然建てられたように。
だが、誰も気づかん。儂が必死に他の者に告げても聞き入れようとせん……『異邦』
そう、まるで自分自身が何処か別の国の人間なのでは? と疑ってしまう。だが、儂はこの町の者だ
どんなに身も心も踏みつぶされ変わり果てようと、この町で生きこの町で死ぬんじゃ。
そうせねばならん……そうせねばならぬ。
 ……あんたは、あんたは何処か普通の人間と異なる気配を宿してる。何処か……そう、儂が以前
出逢った『悪魔』のように、何か特別さを 感じる。
 あんたの、あんたのもしかすれば助けになるかも知れん。
逃げる事が出来ぬ、と言う理由あるならば。来なさい……残り少ないが、あんたの役に立てるかも知れん」

 『こうらさん』は、そう堰を切るように喋ると。ゼェゼェと息を切らしつつ、少しおぼつかない足取りながらも
先導となって歩き始めた。……付いて行けば、老人の住む家屋に辿り着くだろう。
 だが、話はまともそうであるが。窪田曰く彼は心と頭に障害を負ってしまった哀れな病人らしい。
彼の話を真と捉えるか、それとも戯言と見るかは……貴方次第だ。

247蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/18(日) 23:15:03
>>246

「ふうん」

ウイスキーを口にする。
酒の肴になるかと思ったが、そうでもない。

「いいよ。行こう」

(なるはやならなおいいけど)

老人についていこう。

248『そらの異邦』:2016/09/19(月) 01:25:09
>>247

貴方は『こうらさん』へと付いて行く事を選んだ。
 
 数分、歩いた先はコーラ工場近くの使われてない倉庫、そこに貴方は老人と
一緒に立っていた。

 「此処は儂の第4の家にあたる。他の家は、もう無くなってしまったわい」

 老人は呟きと共に、倉庫の中に入る。


倉庫の中は、想像するホームレスの住処より比較的暮らしやすそうな内装が見えた。
 壁にはスクラップされた新聞記事が置いてあり、古い日付の何やら事故らしき情報が見える。
この町に人間の訃報や、小さな火災など常陽町で起きた出来事ばかりだ。
 小さな灯油ストーブが小脇に置いてあり、ある一定の場所に不規則ながらも
規則性ありそうな形で小物が置いてある。倉庫内では立てかけられたラジオから
常陽町の秘匿性のない情報が奏でられていた。

 「して……あんたは何故この町へ来た。いや、愚問かな
どのような理由があるとして、まともな理由ではない。この町に降りたつならばな
 儂が 儂があんたに出来る手助けは『霊薬』を渡す事だけなんじゃ」

 こうらさんは、何時の間にやらワイン瓶を厳かに両手で持って貴方に語り掛けていた。

「この霊薬は、儂がコーラ工場で起きた彼の悲劇から……残り少なかった
『正しいコーラ』の生き残りなんじゃ。
 あんたは、さっき工場に入ってどう説明されたかは知らん。だが、あのコーラはな
 ――あのコーラは見せかけなんじゃ。バジル、セージ、少々の安息香を煮込んだ液体に
秘伝の我ら工員が入手したものを炭酸水にブレンドして、コーラを作りだす。
 この霊薬の特徴はな……平たく言えばあんたの『集中力を持続』させる。
胡散臭い、と思うか? だがな、最上のものであれば三日三晩不眠不休であろうと
この秘薬を飲めば、一切の睡魔に犯される事なく正気を保つ事だって可能だった。儂の腕や
今残ってる材料では、それを再現するのは……もう無理じゃが。
 だが、今から作る霊薬でも。あんたがこの町から去る時間までは幾らか時を稼げるじゃろう。
儂に出来るのは、手助けだけじゃ。そして、これは正当なる『取引』でもある」

 「ただで差し上げる。そのような善意でも問題はないのかも知れん。ただし『悪魔』いわく
無償で得る力ほど性質悪し事なし、如何なるものにも対価を設立せねばならん。
 条理を崩したくなければ、との事じゃ。して、儂はあんたとの手助けにも対価を設けなけねばならん。
……『三万』 これが、儂とあんたの関係において、この霊薬を差し出す唯一の条件になる。
 騙す気はない。こんな老いぼれがただのコーラをでっち上げてあんたに上げて何の利と理がある?
だが、須らく決めるのは。あんたの意思とあんたの決断じゃ、選択は貴方にある」

 こうらさんは、その霊薬と言い張る瓶を抱えつつ貴方に『三万』を提示してきた。
普通に考えれば……精神に異常をきたした男が、コーラに変な物でも混入させたか若しくはただのコーラを
暴利な値で売りつけようとしてるだけにも思われる。
 だが、上記のような想定が正しくても騙すのなら力ずくで制裁も加えられる、とは思う。

249蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/19(月) 01:42:24
>>248

「たくさん家持ってて羨ましいねぇ」

そういってへらりと笑って見せる。
今は一つだけなのだからそんなに羨ましくないし
そんなことしなくても蛇喰は家のような場所をニ三か所持っていた。

「霊薬?」

「本物かい?」

(集中は武術の基本かなぁ)

持っていて損はないがいまいち信用しきれないのも事実だ。

「なんかこう、証拠というかそれがそうだと思えるものはないのかな?」

「3万だろう?」

やすい金ではない。

250『そらの異邦』:2016/09/19(月) 07:46:24
>>249

 >なんかこう、証拠というかそれがそうだと思えるものはないのかな?

 「ふんっ、証拠……証拠、か」

自嘲のような笑いを短く鳴らし、こうらさんは適当な置いてあるダンボールに
腰を下ろし、暫し目を閉じてから何かを決めた目をして蛇喰を向ける。

「ならば 『予言』しよう。あんたが先ほどコーラ工場に入ったより丁度北側
『廃ビル』があるじゃろう?
 ――あそこには『悪魔』がおる。
とは言うものの、儂が出遭った中では異なる悪魔なんじゃが……あんたが
会えるかどうかは解らんが、もし出会ったと言うならば。金の支払いは後で良い。
大事なのは、あんたが金を渡すか否かでない。覚えてくれ
あんたが儂の話を信じるか、それとも信じないか。そこが『要』なんじゃ。
金銭のやり取りは、その意思を分りやすく表示する為の表現にしかならん。
 返事がYESなら、さっそく霊薬をあんたに飲んで頂く準備に入るだけじゃ、儂は。
 無論、この老人の言葉を無視して飲まないのも構わん。それも、選択なのじゃから」

 こうらさんは、貴方の目指す場所と奇しくも同じ廃ビルに向かえと指示してきた。
そして、もしそれで『悪魔』がいる証明がされれば、此処に戻り金を払ってくれれば良いと。

貴方にはいま三つの選択があるようだ。一つは老人の話を全て真実と捉え
ここで霊薬と言われる液体を飲むか貰い、廃ビルを目指す。
二つ目は疑いを抱え、霊薬を飲まず廃ビルへと向かい悪魔に出遭ってみる。
三つ目は老人の言葉を全て虚偽と考え、今の話を全て信じずに仕事に戻る。

どちらにしても廃ビルに向かうのは結局同じだ。
 だが、段階はしっかりと踏みしめるべきだ……

251蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/19(月) 22:57:15
>>250

「ふうん」

「ちょうどその廃ビルに行くところなんだよね。僕」

朗報とも言い切れぬ情報であった。
しかし、無益という訳ではないとも思う。
少なくとスタンド使いであり、廃ビルに向かう予定の蛇喰からすれば。

「……ま、しょうがない。3万はおいていこう。その霊薬をいただけるかな」

「そのかわり、もしも僕が廃ビルに行って戻ってきて、その霊薬を飲んでなかったらキャッシュバック」

「これでどう?」

252『そらの異邦』:2016/09/19(月) 23:57:58
>>251

貴方は依頼前に貰った金銭を置いて、霊薬を貰う事を交渉とした。
 廃ビルに居る悪魔やら、真偽定まらぬ液体の価値など。まだ不信あるものの
その行為は、一定の信を置くものと。目の前の老人は判断したようだった。


 スゥー  ハァ…

「良かろう。 儂は お主が『信じた』と捉え 託す」

 『こうらさん』は、一度強く息を吸うと。力強い瞳と共にスクッと立つ。

そして貴方へと瓶を渡す……ではなく、近くの雑貨から小さな鍵らしきものを出した。

「この瓶が霊薬かと思ったか? いや、違う。見て解る通りの秘宝を堂々と誰でも
捕れるように置いておくほど儂は豪胆な性ではない。この瓶に入ってるのは……ただの炭酸水じゃ」

 こうらさんは、言い終わると同時に小さな気泡の弾ける音と共に瓶の液体を
近くにある比較的新しき鍋へと注ぐ。次に携えた鍵を持ちながら灯油ストーブのほうまで行くと
少し唸りつつストーブをずらし、そして屈んだ。

 「大切な物は、幾らかに分けて保管するべき。儂が生きた中で覚えた教訓の一つだ」

ずれた床には施錠された小さな仕切りがある。地下式収納の小さな保管庫であると
貴方が気づく頃には、節くれのある彼の手には薬品でも入れてるような小瓶が握られてた。
 ジャラジャラと何か固いものがこすれる音が響く。

「乾燥をさせたブルーベリー、幾つかの柑橘類、そして先ほど説明した薬草及び……」

小瓶を置いて、更に保管庫の奥に腕を伸ばす様子が見れる。そして取り出したのは
  ――あれは、黒いソラマメか?

「これは  『脾臓』じゃ。
誰のとも、何の生き物とも 儂は言わん。だが、これは脾臓であり、そしてあったものだ。
 誰かを活かす為には、何かの血を失わなければならん。それが、摂理なんじゃ
例えあんたには違っていも、この町にとっては……な」

 それは一種の黒魔術のような工程であった。

ストーブの上に置かれた炭酸水が茹でられる鍋に、幾つかの細かい手順と共に
真剣な様で老人はその小瓶をティースプーンのような物や普通のスプーンで幾らか
規則的に鍋へ注ぎ攪拌させる。

 彼はその作業を一通り終わらせると、懐から銀に光るナイフを出し
片手に収まる程度の、その黒いソラマメのようなものを鋭い眼光で睨みながら
酷く短いながらも長く感じる間と共に構え、そしてスッとナイフをその腎臓に滑らせた。

     ギュ  ォォ゛ォ゛……ォ

 裂かれたその黒い何かの塊から零れる液体も、黒ずんでいた。だが、奇妙な事に肉の腐った
ようなものでも鉄臭い匂いもしなかった。鍋の中へと黒は、ゆっくりと零れ落ちていく。
 透明な液体に黒いものが注がれれば、それは黒くなるに他ならない。鍋の中はすっかりと
コーラと遜色ない彩色となっていた。だが、貴方だけは知っている その黒さは
人工的な甘味料としてでなく、狂気が見え合いする、この倉庫内で行われた顛末である黒い血である事を。

 鍋の中から昇る蒸気には、その条理の外れた過程を感じさせぬ、数十分ほど前に貴方が試飲したであろう
コーラと似た香りが鼻の中に入っていた。
 こうらさんは、全てを終わらすと疲労を隠せぬ吐息と共に、鍋の中の黒い液体全てを
手近な汚れが見えないガラスの酒瓶へと注いだ。空であった酒瓶はすっかりと黒く染まる……。

 「持って行きなされ」

押し付けるように蛇喰へと、こうらさんは黒い酒瓶を渡す。

 「そして、気を付けなされ。誰の言葉を信じ、誰の行動を疑うべきか?
儂は、耄碌してしまった……肝心な時に、大切な者の事を信じれなかった結果が……『今』じゃ。
 ……おぉう 許してくれ・・・        ・・・」

 最後に、誰かの名を呟いたようであったが。霊薬を作るのに精神を費やしたのか
こうらさんは丸椅子に崩れ落ちるように座り込み、カクンと首を下げて瞼を閉じた。

 寝息が、少しして聞こえてくる。放っておいても命に別状は無いだろう。
依頼を完了して深夜になる前に戻るのなら、廃ビルには今からでも行くべきだろう。

 置いた三万は、すぐ近くにある……。

253蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/20(火) 23:31:54
>>252

「勉強になる教訓だなぁ」

「『脾臓』なんていい趣味してるじゃないか」

(秘蔵の脾臓とでも言わせたいのかな)

老人を見守ろう。
そして出来たなら霊薬を受け取る。
うわぁと引き気味に声をあげてみたくもなったが意味はない。
それにこれを飲むのだ。製造過程でビビる必要はない。

「じゃ、受け取るよ。こうらさん」

視界に入る3万。

「……馬鹿馬鹿しい」

(あぶく銭に興味なし。所詮は他人のお金だし)

霊薬と自分の持ち物だけ持っていこう。
あの金はくれてやったものだ。
廃ビルに向かおう。

とりあえず依頼人に電話をしておこう。
つくまでの時間つぶしと確認だ。

「廃ビルにあるなにを持ってくればよかったんだっけ?」

と聞いておこう。

254『そらの異邦』:2016/09/21(水) 00:04:11
>>253

貴方は、眠る老人から渡した金銭を盗るでもなく、宣言通り霊薬を受け取り
廃ビルへ向かう。その行動は誰も見ておらず、善と悪とも判断するものもない。
だが……見えずとも、因果とは陽で生ずる影にように見えずとも付いて回るものだ。
 貴方は依頼主へと電話をする。
 
 pululululu pululululu・・・ pu

 「あはは もしもし」

「おや? どうやら、その口振りだと未だ廃ビルまで向かってないようですね。
ははは いえ、別に行動が遅いと揶揄してるわけでもありません。私には何が
起きてるかを察する事も出来ませんしね。ただ、貴方が今日と言う一日を
素敵に過ごしてくれるのを、星を見て祈るばかりです。今は星が見えないですが
 ははは、戯言 全て戯言です。それで、廃ビルにある受託品、でしたね。
私がお願いするのは『フィルム』です。カメラの記憶媒体ですね
 何の写真が収めたものかは言えませんが……はは、大したものではないですよ。
それが廃ビルに隠すように入ってるはずです。最初に廃ビルの『3F 給湯室』のほうを
見てくれませんか? そこの棚の中にあると思います。もし、入ってなければもう一度
電話を私にかけてください。こちらでも改めて居場所を確認し直して見ますので」

 廃ビルに向かう道程では、段々と幾つかの家屋やテナントなどの町を表す建造物は
次第に少なくなり、草地や木々が目立ち始めてきた。

 そして、電話の説明が終わりに差し掛かる頃には貴方の目に見えた。

 『危険 立ち入り禁止』 『此処より先、私有地につき許可なきもの入るべからず』

 ……と、何本もの新しいもの古いもの様々な看板が立て並べ。鉄のポールが立てられ
車体の通行が完全に遮断されていた。そして


    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


 薄汚れたビルが  常陽町からまるで隔離されてるかのように
不気味に、まだ日差しがあるに関わらず汚れ具合が酷い所為か
太陽の輝きさえも鈍くさせ、それが余計にビル全体の空気を暗い雰囲気に包む。

 常陽町 廃ビル。それが貴方の目前へと姿を現した……。

255蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/21(水) 00:25:38
>>254

「あはは。ごめんね」

「ちょっと観光してたんだよ」

相変わらずな人だなと心で思う。
そんなに長い付き合いでもないが、何となくそう思う。

「フィルム? 随分古いものを」

「それと、それって壊れちゃったら駄目だよね?」

詳しく聞くことはしたくはないがこの辺りは聞いておこう。
なぜ廃ビルにフィルムが置いてあるのかということもこの際置いておいて。

「じゃあきるよ」

用件が済んだら切ろう。片手が埋まっていてはやりにくい。

「さて、どうするかなぁ」

とりあえず廃ビルに近づこう。

256『そらの異邦』:2016/09/21(水) 19:43:02
>>255

 「あはは、壊してしまうと依頼としては失敗になってしまいますね。
まぁ、フィルムはケースに入れて保管されてると思いますし。強い磁気や
電気、それと日差しに晒されない限りは問題ありません。もう既に日差しも和らいでますしね」

星羅の言葉通り、日は大分落ち始めていた。

 「『曰く』のある廃ビルですが、まぁ貴方でしたら大丈夫でしょう。常に何時も通りの気概で
動いてくださいな。貴方は貴方自身の劇を紡いでください。
 ははは。それでは、賢智ありし貴方の頭上に一筋の星が流れん事を」 pu…

 
 ……貴方は廃ビルの正面へと向かい合うように立っている。到着した
ビルへ向かう際に、人が一人通れるぐらいのスペースはあったものの、それ以外は
藪や、変色した青色のタンポポらしき植物などが咲いてるのを見かけた。
 それ以外では今の所、特に貴方に襲い掛かる危険は迫っていない。今の所は……だが。

廃ビルの玄関部分は自動ドアであったようだが、年月も経ってる為
立ったところで当然スライドして移動したりなどしない。だが、他のものが此処を何かに使用
してる為か、此処も人ひとりが通れる程度のスペースの隙間が既にドアに施されていた。

 内部は電灯など点いてる筈なく薄暗さがあるものの、まだ昇る日差しがエントランスの
カウンターなどを明らかにしている。

 このまま、中に入ればカウンター部分にある案内図など確認出来るだろう。
だが、誰かが中に入ってる形跡があると言う事は、もしかすれば未だこのビルには何人かが
何かの用途の為に使用してる可能性もある……。
 遠回りすれば、裏口も見つかるだろう。其処が開いてるかは、不明だが

257蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/21(水) 23:08:35
>>256

(なんだあれ)

(たんぽぽ食べてってところか?)

変色したたんぽぽか。
なにかやばい物質でも捨てたのか?
都市伝説に出てくる三本足の鶏じゃあるまいに。

「ま、誰がいてもかまわないけど」

「会いたいかどうかは別」

裏に回ろう。あいてなくても問題なかろう。

258『そらの異邦』:2016/09/21(水) 23:39:04
>>257

 貴方は『青色のタンポポ』に意識を向けた。
ヨーロッパでは青いタンポポと呼ばれるチコリアと言う野草が生えてるが
蛇喰が見たのは、何処にでも有り触れる黄色いタンポポが、そのままそっくり
色だけを完全に艶やかな青色にしたのを目撃した。だが、放射能やらが廃棄されてるにしても
他に咲いてた野草は特に異常がないのを貴方は確認していた。それに、そのように危険なものが
埋まってるのであれば看板なり先ほどの立ち入り禁止の場所に掛かっていても不思議じゃない……。
 ―貴方は、何処となくその不思議なタンポポの咲く方面から匂いを感じた。
異臭、と言うよりかは花特有の甘いような雨が降ったあとの草のような匂いだった。

貴方は慎重さを優先して裏口のあるだろう方面に回る。途中に設置されてる壁の窓は
完全に締め切っており、ブラインドもかけてるのか中は見えない。

 当然ではあるが裏口は存在していた。老朽化しており、完全に錆てはいるものの
ドアとしての機能はちゃんと残存しているようだ。

 キィ……。

 ドアノブを回すなりして引くと、軋みながら開く。

 施錠は されてない。

錆と、先ほどの甘いような草地のような匂いが鼻の中を通るのを感じながら
蛇喰はこのまま力を入れれば廃ビルの中に入れるであろう。

259蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/22(木) 00:07:30
>>258

「よしよし」

中に入ろう。
しかし、施錠がされていないということはここからも入れるということだ。
注意はしておきたい。

「にしても変な匂い」

嫌なわけではないし、問題もない気はするが気にはする。
さっさと中に入ってしまおう。
中の様子を伺いながら。

260『そらの異邦』:2016/09/22(木) 00:23:34
>>259

    
     ギ  ィ   ィ……

扉は軋み、開いていく。既に錆びてるドアはバネの力を失い
自分で引かない限りは扉は閉まらない。
 太陽の光が差し込む中で見えるのは廊下だ。


    ●=貴方      EV=エレベータ
 ――――――――――――――――――――――
EV      通路     ●    通路  階段

通                    通
   路                    路

―――――――――――――――――――――――

 壁の塗装は剥がれ落ち、天井も罅割れてる。だが崩落しそうと言う程でもない。
エレベータが貴方の立つ側から見て右側に設置してるのが見えたが
既に長い年月の経ってる建造物だ。それが機能してるのを期待するのは酷だろう……。

今の所、付近に人の気配はしなかった。特に異常な音もしない……。
通路奥へ行くとすれば、光源が頼りなくなってくる。携帯のライトなりを
点けないと思わぬ所で足を取られる危険もある。

261蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/22(木) 23:25:03
>>260

「三階の給湯室だったな」

そう呟いて階段に目を向ける。
登って上階を目指そう。エレベーターもどうせ動かないと思うし。
ならばさっさと階段を上がって目的のものを持って帰ろう。

262『そらの異邦』:2016/09/22(木) 23:57:29
>>261

 貴方は階段のほうへ目を向ける。丁度立ってる場所から左側の方面
階段に向かう道中、エントランス方面への通路が一か所存在するのが見えるものの
 いまの時点で貴方の行く手を阻むものは存在しないように見える。
床には、かつて廃ビルを根城にしてたホームレス等の残留品か、ビニールやら
弁当の蓋に空いた缶詰、空き缶やペットボトルなど通路の端に散らばっている。
 壁には、廃墟特有の意味をなさない羅列の文字がスプレーで書かれてたりするのが見える。
 消火器が設置してた形跡もあるが、既にその部分にある物は存在してない。
   
  カツン  カツン。

階段側へと歩く。無人であろう廃墟で貴方の足音はよく反響する。
 ……陽は階段側の方面までは差し込まない。階段へ向かう壁側に
申し訳程度にある小窓にはご丁寧に板で打ち付けられてる為に陽が差し込まない。
 階段のある場所も、かなり薄暗いのが遠目でも確認する事が出来た。


        グリィィィン・・      ザッ
                      グリィィィン・・     ザッ 


  ――? ふと、貴方の耳に。階段へ向かうその道中にあるエントランス方面の通路から
何か、引きずるような音と。そして足音が聞こえてきた。階段方面にある
エントランスに繋がる通路からである。距離は音源からして、そう遠くない。

 こちらに 近づいている。階段を通る際に、エントランス方面通路を
横切ろうとすれば、その主と鉢合わせしそうだ……。

263蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/23(金) 23:41:59
>>262

(汚ないな)

あまり近づきたい場所でもない。
ロマンも何もないし、ロマンスも起きそうにない。

(ん?)

聞こえる音。
人がいるのか。どんなやつでもできれば会いたくはない。
こんなビルに入り込んでいるのだロクでもない目的のろくでもないやつだろうよ。

壁に張り付いて歩みを止める。
壁を背にすることは安心を意味する。
普通の状況ならの話だが。
出来れば相手がどんなやつか見てみたいが音が遠ざかるまで待とう。

264『そらの異邦』:2016/09/24(土) 00:04:15
>>236
  
      ガリリリリリィ゛

                    ガリリリリィ゛

 ザッ   ザッ    ザッ…。

壁に背を付け、立ち止まり怪しい音の主が気取られず移動する事を
期待する貴方。だが、その貴方には『誤算』が二つあった。

まず最初に歩いた時(>>262)での足音の反響、そして錆びたドアの開放
いまドアが開放してるならば、その陽が生じてる事は音源の主の意識を
こちらの通路に向ける事になるし、何より老朽化したドアを普通に開閉すれば
幾らか大きな音が立つだろうと言うのは普通の現象だ。
 故に……音源は『こちらの通路に近づいてきた』  

 そして  姿を現した。

             「クソ    …… クソ」

小さく罵りを上げながら姿を現したのは…歳は20の前半かそこらか?
 服装は意外に小綺麗な服を纏った男性だが、その手に引きずる錆びた細長い
鉄材らしきものが、男の印象を全て悪いほうに包んでる。

 貴方との距離は大体現在『5〜6m』、通路から姿を現した事もあってか
その男の声を、蛇喰はしっかりと聞き取る事が出来る。

 「オレハオチコボレジャナイ トリモドスンダ…
 トリモドスンダトリモドスンダトリモドスンダトリモドスンダトリモドスンダ
 トリモドスンダトリモドスンダトリモドスンダトリモドスンダトリモドスンダ」

  ギロ゛ォ   ……グィィ

 「――トリモドス」

男は、鈍い眼光で貴方を直視したと思った瞬間鉄材を片手に構える。
 どうやら、いま現れた正体不明の男に交渉などは何も通じ無さそうだ。


 ※現在の簡易図  黒まる=貴方  黒三角=角材の男


 
    階段
  □□□□
  □□□□
  □□□□□□□
  □□□▲□□□
  □□□□
  □□□□
  ●□□□

265蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/24(土) 00:34:21
>>264

「んっんー」

来たか。まぁ仕方がない。
どのみち鉢合わせる運命だったと諦めよう。
さてどうするべきか。いや悩むまでもない。
闘うほかない。ただ問題があるとすれば、こいつをどの程度で終わらせるかだ。
霊薬の瓶は足元に置いておこう。
なんか集中云々言っていたが闇の中でも正常に目が使えたりするのか?
量があるなら一口行ってもいいが、瓶にうつすときどのくらい入れていただろうか。

「さぁて、どうしよっかなぁ」

「後さ、こんなところでそんなもの持ってるのって普通じゃあないよね」

「落ちこぼれじゃなくても、ろくでなしかもね」

前に出て、スタンドを発現。
槍の真ん中あたりを持とう。両手で槍を持って右半身に構える。
『竜鱗』は半径5mに発現しておこう。

266『そらの異邦』:2016/09/24(土) 19:44:20
>>265

 貴方は霊薬の瓶を足元に置いた。戦いの中で割れたりする危険を
考えれば賢い選択だ。敵との距離も、相手が特殊な能力をもってない限りは
襲い掛かられても『ドラゴノート』による身体能力を高めた貴方であれば奇襲を
放たれようと十分に対応は出来る。

 「トリモドストリモドストリモドストリモドス……」

 ギリギリギリギリ……ッ゛  ググッ…ッ゛

 貴方の発現したスタンドの槍に対しても、軽い挑発に関しても
男は反応しない。いや、そもそも目の前にいる
鉄材に皮膚が食い込む程握りしめ、血管が二の腕に浮き出るほどに
常軌を逸した雰囲気を宿す男には反応を期待する事自体が無意味なのかも知れない。

 貴方に対し、下段から降り抜こうとする体勢で男は呪詛のように
同じ言葉を繰り返しながら何やら力を溜めているように見える……。

 
    
     ≪≪おいおい、ありゃ危険だ。下がろうぜ≫≫


 ……突如、貴方の耳に幻聴でない。はっきりとした
『貴方の音声』で警告が聞こえてきた。

267蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/24(土) 22:32:52
>>266

「あ?」

誰だと言おうとするがそれは止める。
声が自分自身だからだ。
気味が悪い。これが悪霊か?

「……」

穂先を下げ、下からの攻撃に備えつつ
後ろに引く。
槍の長さの都合上、壁に当たらない様に斜め後ろに動く。

268『そらの異邦』:2016/09/24(土) 22:53:24
>>267

 貴方の耳に聞こえてきた突然の貴方自身と思える声。
これがビルの『曰く』か? 若しくは新手のスタンド攻撃なのか?
 判断材料はまだ少ないものの、蛇喰は恐慌する事なく落ち着いて
相手の間合いと槍のリーチを判断して、壁に動きを阻害されない位置取りをする。

 「トリモドスンダ……トリモドストリモドストリモドストリモドス……」

 相手は構えから移行しない。上半身のその体勢を維持して足だけを動かし
貴方へ近づく。その動きは捕食に移る前の昆虫の構えを何処となく幻視させる。

 じりじりと貴方と男の距離が狭まっていく。そして謎の
貴方自身の声を模倣した何かがまた耳に聞こえてくる。何と言うか周囲の外から
でなく、貴方自身の内部から発信されてるかのような妙な感覚だ……。

 
 ≪≪一体全体どう言う状況なんだ、こりゃ? 目覚めた途端にやばそうだ≫≫

≪≪まぁ、こんな事も何度も寄生をし続ければ起こるのかな。おい、聞いてるか?
下がってるって事は聞こえてるんだよな? いいか。目の前の生命体は距離を
詰め寄ったら攻撃してくるだろうが……『防御』は駄目だ。『回避』しろ
その両手で構えてるもんでガードはしないほうがいい。碌な目に起こらない ぜ。多分な
今あんたに話しかけてる、あー……誰がさんが誰か? って質問には、目の前で起きてる事が
済んだらゆっくり答えるからさ。オッケー?≫≫

 正体不明の声は貴方へと『警告』してきた。
ドラゴノートは強靭なるスタンド武具だ。並大抵な人間の腕力でものいわせた
攻撃などに負けるとは思えない。普通なら防いでも大した事はない筈だ……。


現在位置 簡易図

 
    階段
  □□□□
  □□□□
  □□□□□□□
  □□□□□□□
  □□▲□
  □□□□
  □□□□
  □□●□
  □□□□

269蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/25(日) 23:38:52
>>268

「はいはい」

相手から目は放さない。
じぃっと相手の動きを観察しろ。
声のことはそこまで気にしなくていい。
目の前にいないんだ。気にするな。

「じゃあ、この瞬間だけ信じとくよ」

「案外こういうお告げ聞いとくといいって逸話があった気がする」

するだけだ。
左手は浅く握り、構えて奥側である右手で槍を操作する。
軽く前後に動かそう。相手の攻撃を誘う。
攻撃して来たら槍を右手で後ろに引けばいい。

270『そらの異邦』:2016/09/26(月) 16:06:23
>>269


 「トリモドスンダ     ――トリモドスッ!!」

    
         ゴッ!!

 下段で構えた男は、蛇喰の手元目がけて握った鉄材を振り抜く(スC)

 スピードは人並みだ、ドラゴノートで身体能力も著しく高まった貴方なら
悠々とまでいかずも、振り抜く動作を見切って攻撃するのも可能だったかも知れない。
 だが貴方は謎の声を『信じた』


 釣りのように、手元にむかい振られた鉄棒に引っ込ませるようにして
ドラゴノートの穂先を反対の空間に移動させる。当然ながら空いたそのスペースを
鉄材は空気を切りながら移動していく。


      ―ガガガガリ゛リ゛ィィイ゛!!!

 !!

 振り抜くスピードこそ人の全力並みだが、その振り抜いた先の地面は
鉄材が擦れた部分であるが『削れていた』 振り抜いた男は隙だらけながらも
さっきの一撃を、もし回避以外で防御なり構わず相手を攻撃するつもりであれば
 地面を削りながらも振り抜けるパワー(パA?)を受け、ドラゴノートである
スタンドの槍であっても、もしかしたら危なかったかも知れないと思えた。
 
 だが、ふり抜いた男はと言えば瞬時に切り替えしの攻撃を行うでもなく
幾分ぐったりと脱力めいた姿勢に陥っている……隙だらけだ。

 謎の返事を紡がれる。


 ≪≪ヒュー いまの、結構危なかったな。話を聞いて良かったろ?
 うっし、それじゃあ改めて、あー……この星の言語では、こんにちは だったか?
  よし、こんにちは。お前はこの声が一体何者で、一体どんな意図で話しかけてるのか?
 って色々疑問一杯ってところだろ? 隠さなくてもいいぜ
この精神は、中々どうして馴染む感じがするんでな。いまなら特別出血大サービスで
質問に答えてやるぜ。それと……    ――姿を見せようか? へへっ≫≫

 謎の声は、貴方へと饒舌に喋りかけている。その人を食ったような話し方は
貴方が鉄材を振り抜いた男を制圧して再起不能にした後でも続かれる。
 勘だが、YESでもNOでも。謎の声は次に貴方へ姿を現す為に
何らかの演出をする……そう予感が貴方の体を横切る。

271蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/27(火) 23:35:45
>>270

「え? なんて? タチムカウ?」

隙だらけの相手の頭に槍を打ちすえる(パス精BCC)。
気絶でもしてくれればいいが。

「好きにするといい」

「僕の精神を乗っ取ったりしなければね」

男が気絶してるなら瓶を拾っておこう。

272 『そらの異邦』:2016/09/28(水) 00:17:39
>>271(本日この1レスのみ)

  シュンッ    ドッ

 「ぁ゛…っ」

 ドサッ……

襲撃した無防備な男は、貴方 蛇喰の槍の一撃に呆気ないほどに突っ伏し倒れた。
 
 霊薬の瓶を拾い上げ、謎の声に返答する貴方。

 ≪≪ヘヘ お前は話の通じる生命体だな。今までのと大違いだ。
大抵の生命体ってのは、自分が話しかけると、あー……そうパニック
パニックになって動き回るんだが、お前はそうじゃない。
 その、『豪胆』さってのは お前の大きな助けになると思うぜ。
     ――では ご要望通り……    『登場』だ≫≫


        ギュ     ウゥゥ    ン……。


 声が終わると共に、貴方の視界で異常が起きた。

暗闇の廊下、そして奥にある階段入口を映す視界の中心に揺らぎのようなものが起きる。
 それは、貴方の視界の外と言うよりも網膜内で起きた現象であった。

徐々に揺らぎの中に虚像が見えてくる。透明だった場所から段々と
ホログラム映像が形成していく感じだ。
黒髪のポニーテール。釣り目気味の目。凛々しそうな感じの雰囲気
 更に黒いカッターシャツ。ワインレッドのスラックス。深い紫のネクタイ。右手首に革の腕輪。黒革靴
それは、どう見たって見覚えのあるなんて姿と言うもので表せるもんじゃない。

 どう見ても『貴方自身』 そう、その姿形は貴方とそっくりであった。

……何故か、胴体部分に裂傷跡のようなものと血のような染みがあるのを別にして。

 『ジャジャーン!』

 貴方の姿形したものは、両手を広げ大袈裟な声で登場した擬音を口で表す。
血まみれの姿と、やけに陽気なポーズのギャップは滑稽さと不気味が混じりあっている。

 『ん? 反応が悪いな。お前の知識から、こー言うのが人類って生命体には
有効と思えると判断したんだがな。……ぁー、まぁ良いさ。時間はたっぷりとあるからな
これから、ながくながーく俺達ずっと一緒に過ごすんだ。そうだろ?
 仲良くやろうぜ ぁー……相棒?』   ニタニタ

 貴方の姿形したものは、そう言って貴方ならしなさそうな怪しい笑いを浮かべ 
腕を組んできそうな、なれなれしい仕草を行う。

 間合いとしては、貴方の視界の中では三歩ほど進めば『ドラゴノート』で攻撃
出来る位置にそいつは佇んでいる。

273蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/28(水) 23:13:27
>>272

「はぁ……」

「やんなっちゃうなぁ」

頭をニ三度かく。
そしてため息。

「こう同じ顔が二つあると、どっちを愛されればいいか迷う子だっているのに」

なにかと思えば自分自身だ。
鏡で毎日顔をあわせる存在だった。
不気味さはあるが臆しはしなかった。

「のいてよ」

『ドラゴノート』をふってのくように指示しよう。

274『そらの異邦』:2016/09/28(水) 23:55:48
>>273

 >のいてよ ブンッ

貴方は『ドラゴノート』 その持ってる槍を貴方自身の姿を模った何かに対し
目前で振って指示する。

 『ヘヘッ。無駄さ、無駄 相棒。お前の指図は受けねぇよ
……つったって、お前が予想するより遥かに事態は最悪でハッピーさ。
言っておくが、お前は俺に触れられないし、俺もお前には触れられない』

 そいつは、貴方の槍の穂先へ貴方が声を上げる間もなく手を突き出す。
その目の前にいる貴方自身の肉体には……何も起きない。投影された映像のように
どうやら貴方にも、貴方のいる現実の空間にもどうやらそいつは干渉出来ないようだ。

『な? お前は、どうやらこの惑星における知的生命体の中でも突出した精神的具現化
エネルギーのヒエラルキーを昇りつめてるようだが……俺はそのお前の力の届かぬ場所
つまりお前の【精神】に根を生やしてる。へへっ、つまりだ
俺は【精神寄生型生命体】って事さ。パンパカパーンッ おめでとうっ
見事 お前は俺に寄生される上等な知的生命体として選ばれたってわけだ!』

 そいつは、自分の事を『エイリアン』であると話してきた。貴方が階段へ辿り着き
あがる最中も隣に付きそうように身振り手振りで話し続けていく。

『お前しか俺の事は認識出来ない。お前が活動を続ける限り
俺はお前が、もう止めてくれ! 勘弁してくれっと泣き喚いてでも、だ。
俺はお前の精神が折れて、俺がお前の意識を掌握するまで。
相棒 お前の意識の中に宿り続けるぜ……ずっとなっ!
 だが、相棒。お前は中々タフな精神を抱えてる。多分、俺が今まで
宿っていた知的生命体の中でも、かなり上位な程度には。
 へへっ。どうやらお前を……屈服って言えばいいのか? そうするのは
中々大変なようだが、それでもだ。俺と俺の仲間の為にだ……お前を侵略する』

   ズィ……。

そう、ニタリと嗤い蛇喰を指しつつ自分をエイリアンだと告げる存在……貴方にしか
どうやら認識出来ない、お喋りな虚像は貴方の精神を折ると脅迫しつつ同行する。
 今の所、貴方へ直接的に危険となる干渉を及ぼす気配はない。
もっとも、視界の前をうろついていれば、ビル内で似たような襲撃がまた起きた時に
この奇妙なエイリアンが邪魔になるのは言うまでもないだろう。

 貴方はそろそろ二階のほうに辿り着こうとしている……。

275蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/29(木) 00:08:35
>>274

「なあるほど」

(言ってろ)

なんというかえらいものが住み着いたものだ。
これがあの老人のいってたやつだろう。
霊薬でも飲めば消えるか? いやだがその時ではないような気もする。

「僕と似てるね」

「僕も他人に寄って生きてる」

さて二階の様子はどうか。

276『そらの異邦』:2016/09/29(木) 20:11:22
>>275

 >僕と似てるね 僕も他人に寄って生きてる

貴方は簡素に、その精神型寄生エイリアンを名乗る者の声に呟き
心中でも当たり前だが愉快でない感情伴わせ呟く。
 隣で、貴方と同じ速度で虚像であるソレは腕を上げつつペラペラと
口を動かし(その動作が本当に意味あるのが不明だが)耳に貴方の声が伝達される。

『ふむ、確かにこの惑星(ほし)の生命体はだ。つまるところ同種族体と助け合う事で
文明というのを築き上げる形態を成してるみたいだな。
 ……何でそう言うのが解るかって思ってるか? ヘヘ、相棒
俺は寄生生命体さ。お前の【意識】に寄生してるな。
 俺は俺と言う生命体としての記憶以外で、お前と言う脳内の知識へ
アクセスを行い。今の時点でも学習して急スピード成長している! 
この五秒ほど経過した時点で、既に人類と言う存在の歴史なり地理なりも
お前の知識レベルで既に把握してるんだぜ? ははは、おったまげたか?
俺はお前が学び何かを知る度に俺にも共有されるって訳さ。
 更にだ。お前はついさっき呟いた時に意識レベル内では俺に反感を抱いたろ?
ははは! 全てお見通しさっ! 
 お前の感情グラフも、俺のラインと通じてる。この俺の感情って言う伝達物質は
お前に送る事は出来ない見たいだが……まぁ、つまり俺に嘘は通じないって訳さ。
 あぁでも安心しろ。完全にクリアにお前が〜〜を〜〜したいとか、複雑な工程を
思考するのは流石に俺でも見抜く事は出来ない。精々、お前が俺に対してリアルタイムで
結構ムカついてるのか、恐れてるのか? とかいう簡単な感情を知るぐらいだな。
 何でこんなに丁重に説明するか不思議に思うだろ? ヘヘへ!
 そりゃあ、お前は俺にとっての侵略対象だが。何もかも手玉にとれて【絶望】して
この惑星の生き物の中でも最も理解し難い、あー……自殺、って言う行動を
とられるとこっちとしても困るからだ。お前の体は俺が精神を完全に掌握した暁には
自由に使わせて貰わないといけない。その為には健康体でいてくれないと困るのさっ! 相棒!』

 ペラペラと、饒舌に喧しいエイリアンは貴方へと要約すれば
嘘は俺に通じない・貴方と同じ知識を有せる・貴方が五体満足でいて欲しい
と言う事を伝えた……。


 
 階段を上がりきる。折り返しの階段が普通、ビル内なら存在するだろう。

 『おっと相棒……どうやらハプニングだな』

 ……崩落だ。老朽化の為か、人為的なのか二階から三階へ行く為の階段は
天井部分の崩れやら工事しようとして途中で放棄したのか、落盤やらで
三階への段差は完全に塞き止められている……。

 『相棒 お前の知識から覚えた情報だが。こう言うビル内には
【非常階段】って言うのがあるんだろう? 
 そっから上へ行けるんじゃないか? お前の目的は不明だが、上に
行こうとする【意識】は理解出来るぜ。あぁ、それと……俺達寄生生命体でも
お前の【記憶】は読み込めないんだ。済まんな、それが出来れば更に意識を
浸食させ、お前に成り替わることも可能なのかも知れないが……』

 貴方へとエイリアンは話してくる。確かに、ビル内なら非常階段もあるかも知れない。
そして、二階は概ね一階の構造と酷似してるのが視界から判別出来る。それと共に
一階では未だ出入り口の日差しのお陰で幾らか良く先が見えてたが二階へ上がりきると
完全に窓も板などで打ち付けられてる所為か真っ暗闇だ……明かりが必要だろう。

277蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/29(木) 23:43:47
>>276

「じゃあ、隠し事しなくていいんだ」

「楽なもんだね」

普段から色々と隠したり偽ったりの日常だ。
仲よくしようとは思わないが、気を遣う必要もない。

「それに、我が立川流の技も覚えてるってことだろう」

「ははは。お前は見えないから使い手として認知されないし、広めることもない」

「どうしようもない」

ウイスキーでも飲んでおこう。
全部だ。

「さてと、どうしよっかなぁ」

スマホのライト機能であたりを照らす。
そして階段であった場所をもうちょっとよく見ておこう。
最悪瓦礫をのけてしまおうというのもある。
それと、窓に打ち込まれた板を何枚か破壊したい。

278『そらの異邦』:2016/09/30(金) 20:28:20
>>277

ウイスキーを一気に飲む蛇喰。脳が熱くなり、喉にも焼けるような感覚が過ぎる。
 意識に住まうというエイリアンの虚像は別段変わらない。酒で酔う事で、意識に
巣食うというエイリアンにダメージは与えられないようだ。
 酒瓶は完全に空になった。
 貴方の言葉に、耳元で貴方の声を模したエイリアンは大きすぎず小さくもない
声量で返答をする。

『あぁ。立川…この惑星の生命体が、生存競争の補助として生み出した格闘技術の一つだな。
お前の意識に寄生してるんだ。そりゃあ意識媒体を通して学習してるが
知ってると言う事と、それを実演出来るかは別物だろ。相棒
 俺は寄生生命体であって、お前の意識を掌握するのが最終目的だが。その過程で
お前達人類の諍いやら何やらには正直いって関与したくないと言うのが、あー……心情って奴だ。
だってそうだろ? 俺はいま一番お前の中と言う安全圏にいるのに何が悲しくて他の
同種族体と傷つけあわなくちゃならない? 長い間暗い暗い無重力の海を彷徨っていたが
正直いってお前達見たいな生物は、寄生して学習し続けてるか随分変わってるなと思うよ。
 母星が衰弱していくにも関わらず、お前達はそんな事に興味なく自分を中心とした行動ばかり
どうやらとっていて、しかも大多数は関心薄いときたもんだ。
 戦争・公害・疫病 etcetc…あー、なぁ相棒。
率直にさ、この惑星は俺達寄生生命体が全知的生命体にとってかわって管理したほうがいいんじゃないか?
 今のままじゃ、この惑星は近いうちに死に絶えるぜ。いや、本当にな』

 エイリアンは本気なのか冗談なのか解らないが、そんな言葉を
貴方に投げかけてくる。今の所、貴方に積極的に悪意を伴った口撃なり
精神的な嫌がらせをする気はエイリアンにないようだ。

 二階から三階への段差には落盤らしきものが積まれており、蛇喰の
体格でも僅かな隙間から入りこんだり、ドラゴノートで破壊するにしても
時間がかかるであろう事が貴方にはわかる。

 スマホの光で辺りを照らす、通路奥は一階に近しい構
造してる事が見てとれる。
それと共に、地面に落ちてるものに貴方は気づいた。
 ……『案内図』だ。ビルの構造が簡易的にのっている(>>289
廃ビルである事もあり、劣化は激しいが辛うじて記載してる事はわかった。

 そして、貴方は近くの釘で打ち付けられた窓の板を強引に
ドラゴノートで突いて破り始めた。

 ガンガンッ  バキッ   ガシャンッ!!

……大きな音を立てて、板と窓が砕ける。暗闇に陽の光が差し込み
辺りがある程度明るくなった。
 
  だが……それに『代償』が出来たと貴方が気づくのにそう時間はかからなかった。


    ……カツ

      カツカツカツカツ   カツカツカツ

   カツカツカツ   カツカツカツカツカツ
  カツカツ    カツカツカツカツカツカツカツカツ……。


  『あー  ……相棒』

    『ちょっとピンチになりそうな気がするぜ?』


  ……大多数の足音が、こちらに接近してくる物音を貴方は捉えた。

279『そらの異邦』:2016/09/30(金) 20:28:32
案内図表記   ①=広間 ②=トイレ ③=部屋 ④=階段 ⑤=非常階段
        ⑥=給湯室 ⑦=エレベータ ●=現在位置

屋上

5F          ⑦□□□□□□□□④
            □□③□□□□③□□
            □□□□□③□□□③
            □□□□□□□③□□
            ⑤□□①□□□□□□


4F          ⑦□□□□□□□□④
            □□□□□□□□□□
            □③□□□③□□□③
            □□□②□□□①□□
            ⑤□③□□□□□□③


3F          ⑦□□□□□□□□④
            □□□⑥□□□□□□
            □③□□□③□□□③
            □□□②□□□□□□
            ⑤□③□□①□□□③



2F          ⑦□□□□□□□●④
            □□□□□□□□□□
            □③□□□③□□□③
            □□□②□□□①□□
            ⑤□③□□□□□□③

280蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/09/30(金) 23:37:12
>>278

「他人に寄ってるわりに全知的生命体なんて傲慢だなぁ」

「まるで人間みたいだ」

だから何だというつもりもないが。
そういえばこいつは意識を支配するとか言っていた。
無視しておいた方が身のためかもしれない。
構わなくてもぺらぺらとしゃべっていそうだが。

「ほーお客さんだ」

来るか。足音をよく聞いてどちらの方からくるか確認しよう。
胸ポケットにでもスマホは入れておく。

「僕に生きていて欲しいなら手ぇ貸しなよ」

「ま、嫌なら僕が諦めて自殺しないのを祈っとくんだね」

281『そらの異邦』:2016/10/01(土) 00:27:11
>>280

貴方の人間みたいだ。との言葉に、虚像の笑顔も真顔に変わる位には
エイリアンは確かな反応を示した。

 『俺達が人間みたいだ か。へっ まぁ確かに学習するにつれ
類似点はチラホラ見えてくる。こういうのを言語化して表現すると
不承不承って使うんだろうが、確かにな。俺達は傲慢だよ 相棒
 何かの生命体を宿主にしなければ活動出来ない。そして宿主が現れなければ
細菌のような小さな物質として活動を極力抑えないと生存すら危うい。
 だが、どんな生物もそんなもんだろう? 宇宙広し、この空の上にある
気が遠くなるほど広い黒い海には様々な生命が今も誕生しては消滅してる。
 そんな何京 いや何那由多あるか知れぬ生命体の中に、俺達寄生生命体がいた。
それだけの話さ、別に大した事じゃないんだ。生命にとって長く永く
生き続けようとするのは別に不思議でも何でもない。そう言うプロセスが
この虚数から有数に世界が変換した時から既に刻まれてるんだからな。
お前は生まれた時に、父親や母親、それに周りの助けなくて今の状態まで
生きて来れたか? まさか自我が産まれる前から私は自分で経口摂取及び
文化的な生活が出来る能力がありましたなんて馬鹿な事言わないよな?
 な? どんな生き物だって相互扶助と支援あっての生存なんだよ。俺達
寄生体は、目に見える形じゃなく見えにくい形でそれが行われてるってだけさ。
 そして、その見えにくい形での今の家の居心地は……中々だぜっ 相棒!』

そんな話をエイリアンは、危機的な状況が迫ってるにも関わらずペラペラと
語り掛ける。長い間、話し相手が全くいない所為なのか元々そう言う気質のある
エイリアンなのか不明だが。とにかく貴方に構いたいのは確かだ

 >僕に生きていて欲しいなら手ぇ貸しなよ
>ま、嫌なら僕が諦めて自殺しないのを祈っとくんだね

耳元にふぅーっと溜息のような音声が生じる。そして続けて貴方を模した声だ。

『そう言う発言するなら、窓を破壊するなんて野蛮的な行動を何故とろうとしたのか
説明して欲しいもんだぜ、相棒。まぁ、お前の脅迫はストレートに俺達の弱点をくすぐってる。
確かにお前が、何でか理解に苦しむが同種族体に迫害を受けそうなのは状況を観察するに
事実のようだしな。オッケー オッケー、出来る限り口出しするよ。
 手を貸す、っつても。あのな? 俺は相棒の視覚にちょいとリンクして俺と言う
存在を分りやすく理解して貰う為に相棒のヴィジョンを映させてるだけで、お前の内側から
外側に干渉するなんて土台無理な話だぜ? お前が俺に全意識を提供して、俺がお前の
意識を好きに使い、この肉体を行使するとかの話だったら別だけどな。
 今してるようにピーチクパーチク喋るぐらいが関の山だぜ。それでもアドバイスは出来るかな……
うん うん 改めてオッケー。それじゃあ アドバイスをくれてやるぜ。
……  ``気を引き締めろ!`` 頑張りなっ! 相棒!』

 涙が出るほど有り難いご高説をエイリアンは貴方に与え、そして一旦沈黙が生じる。
話をする余裕がない状況になりえた時に、黙ってる程度の空気を読む事も
この意識を支配するとのたまうエイリアンには出来るようだ。

 ……カツカツカツカツ カツカツカツ   ピタ。

 階段の踊り場から見て、通路の奥から大体六名ほどの人数が
前後で二列になり歩いてきた。背丈はバラバラ、距離はまだ7〜8メートル
あるものの女性や男性も入り混じって近づき、そして止まった。
 
    「――・・・」    「――・・・」
    「――・・・」    「――・・・」
    「――・・・」    「――・・・」

 全員、顔の表情こそ不明ながらも貴方と言う存在に気づき沈黙している。
……片手に、何か木材で出来た短いものを前列の者たちは持っている。

        
  ★=敵   ●=貴方

          階段上/階段下
  ★★□□□□□□●
  ★★□□□□□□
  ★★□□□□□□

282蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/01(土) 00:54:29
>>281

「ふうん」

(こいつ徐々に饒舌になってってるな)

さて、備えなければならない。

「あぁ、窓のこと? 窓のの辺りのさ、板を壊したかったんだ。窓ごとやっちゃったけど」

「手でやればよかったなぁ。横着せずに」

板をはがすくらい訳ないなと思った。

「へーへーありがとうありがとう」

敵を目の前にして思うが、この数は少し面倒だ。
集中していこう。
霊薬をとりあえず少し飲んでみる。
全部飲むと後で困りそうなのでとりあえず軽く飲んでみよう。
集中できるという触れ込みだ。
相手の動きもより鮮明に見えないだろうか。

283『そらの異邦』:2016/10/01(土) 23:08:56
>>282

 『ドラゴノート』と言う、身体能力も底上げし無機物にも作用する竜鱗
を使える余裕の現れか? 貴方は慌てる事なく懐にあるコーラならぬ
『霊薬』を取り出す。容量は小さな酒瓶に入ってるのを大きく見積もっても
コンビニで市販される缶コーヒー程度の量だ。一気に飲めば直ぐ無くなる。

貴方は、それを一口飲んでみた。


        ポ   ォ    ォ…

すると、どうだろう? 貴方は先程まで酒を一気に飲んだ事や
此処まで来るまでに電車なり常陽町を歩いて蓄積していた幾らかの
気怠さ、そして有ったであろう眠気がス―ッと波のように引くのを感じた。

目前の視界も、一気に明るくなったとは言えぬものの。霊薬を飲む前に
比べれば、しっかりと相手の動きが理解出来る気がしてくる。

 ジリ  ジリ  ジリ  ジリ…

 複数の、貴方に決して好感情をもってない雰囲気をもつ人影は
ゆっくりと、貴方に距離を詰める。現在5〜6mだ。

 ……貴方は、その前列三人の持ってる木の棒のようなものに
トリガーと、そして日差しによってキラッと反射するものが棒の先端に
番えているのを確認した。 
   
     ……カチッ

 『相棒  何か飛んできそうだぞ』

 胸に幾多の刺し傷のある、貴方の虚像は端っこで目を動かし呟く。

 同時に何かトリガーを引こうとする、嫌な音が聞こえた気がした。


        
  ★=敵   ●=貴方

          階段上/階段下
  □★★□□□□□●
  □★★□□□□□
  □★★□□□□□

284蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/01(土) 23:44:35
>>283

「さて」

クリアになった意識にほんの少し驚く。
しかしこの距離ではまだ刺せない。
接近の必要がある。
そういえば霊薬でこの化け物は消えなかったがまあいい。

「ん」

心当たりはある。
木、トリガー、反射するもの。
クロスボウとかその辺りか。

(教えてあげよう。立川流、我らが武の技を)

マップ下方向に向かって回りながら動く。
反時計回りの回転、そして左手を地面に付きながらだ。
手を伸ばしてつけるのではない。
倒れ込むように姿勢を低くして、手をついたら右足で床を蹴って回るのだ。
それで飛んでくるであろうモノをかわしたい。

(身体の五十二手の技)

(七歩蛇、の前段階みたいな)

285『そらの異邦』:2016/10/02(日) 00:07:50
>>284(質問)

>マップ下方向に向かって回りながら動く。
>反時計回りの回転、そして左手を地面に付きながらだ。
>手を伸ばしてつけるのではない。
>倒れ込むように姿勢を低くして、手をついたら右足で床を蹴って回るのだ。
>それで飛んでくるであろうモノをかわしたい。

私には武術の知識は余りないので少し想像に難ありますが。
 要約すると、『ドラゴノート』を握り身体能力を上げた状態(パス精BCC)で
ttp://matome.naver.jp/odai/2135720254576631801

に出てくるブレイクダンスのジャックハンマー見たいな動きで
飛来物を回避する、と言う事で間違いないでしょうか?

286蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/02(日) 09:36:48
>>285

ttp://capoeira.or.jp/tech/?p=17

カポエイラのホレーのように動きます。
この場合の蛇喰の動きは足を伸ばして腰を低くした変形のホレーと思っていただきたいです。

287『そらの異邦』:2016/10/02(日) 17:45:00
>>286(回答感謝)

 貴方は前列三人の持ってるものがクロスボウであると
見当をつける。そして、回避をしようと自身が生まれてから約三十年
 鍛え上げてきた術 立川流……。
飛来してくるであろう刃物を、その武術で回避しようと動く!

 近づいた三人は、予想通り持っていた武器。クロスボウを構えると
貴方むけて一斉に其の番えた先端にナイフを括り付けた矢を撃ち出す!

  ヒュンッ  ヒュンッ ヒュンッッ

      ――ザシュッゥ …!

此処で、貴方には『誤算』が生じた。

 まず、敵は>>283記述でもあるように距離を詰めてきた。
また、クロスボウと言う拳銃よりは威力が劣るものの其のスピードは
現在の5〜6程の間合いであれば銃弾のスピード遜色ない(スB)
 
 そして貴方自身のスペックはドラゴノートの怪力あってもスピードは
人並みのままだ。故に……飛来してきたナイフを完全に回避するのは至難。

 貴方の足に熱と痛みが走る……右脚の太腿辺りを飛んできたナイフは掠めたようだ。

 『相棒っ! まだ、後ろに控える三人もいる! 何とかしなくちゃやべぇぞ!?』

エイリアンの焦った声が貴方の耳に届く…。


(※射出されたナイフが回避できなかった理由は上記と
他として、PCが備えてる武術などの技能ですが。これに関しては
此処はスタンド板と言うスタンド能力を主軸として戦闘するのがメインの板であり
PCが元々備えてる武術や技術が容易に通ってしまえば、かく場面で
自分は〜と言う役職、そう言う経験があるから、その危難も、その力で乗り越える。
となると、それはスタンド板と言うテーマに反すると考えた上での判定です。
 最初から、自分は波紋使い及び回転に近しい技術を備えてる。と言うのがNGなのと
同じように、特定のPCの所有する技術はスタンド板ではC(人並み)以上の力を得る事は厳しいかと考えます。
これは、あくまで私というGМの考えであり。もし、これに異論がある場合は後に
管理人などの確認をして再判定をする事も構いません)

288蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/02(日) 23:22:37
>>287

「痛ッ〜〜〜〜!」

(うわマジで痛い)

一応人間だ。
のたうち回るなりなんなりしたいができる状況でもないし
少し甘えて治療してもらう相手もいない。

「ま、死ななきゃ安い」

銃弾並みのスピードを人が避けられるはずがない。

「全治生命体君、分かってるよ」

ただ、どうしたものか。
後ろの三人もクロスボウか?
確認しなければ。それと前列三人の動きも。
姿勢は低くしておく。

(七歩蛇は体重と重力任せの倒れ込みによる出足の速さとそこからの切り替えしの技)

(見世物的な部分もあるけど、狙いを定めさせないのがアレの技だからなぁ)

(まぁ、うまくいくとは思わないでおこう。それと、次の一手だ)

相手の動きを観察しつつ、上半身を左右に揺らして進む。
姿勢は低く、槍は横に持って構える。

289蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/02(日) 23:23:12
>>288
(武術技能判定についてですが、
当方もPCが供与時に特殊設定を付与されていない限り、こういった動きは普通の行動と変わらぬ判定になるだろうと思いながらレスしています。
今回の判定に不満などなく再判定も願いません。
これからもこういった動きをしますがよろしくお願いします)

290『そらの異邦』:2016/10/03(月) 10:08:42
>>288

 『   あ   い  ぼ   う!
おま お前っ 何で下半身に裂傷が走ったのに、その原因を起こした方へ
近づくんだ!? あ、頭パープリンなのかっ!!?
 な なぁ本当に頼むぜっ! お前が死んだりしたら、寄生してる俺だって
間違いなく無事じゃ済まないからなっ! いま、いまお前が敵に接近してるのは
無謀なるノミの勇気でなく、勝利への突進だと考えるぜっ 相棒っ!!』

エイリアンの鼓舞? を受けながら貴方は狙いを定めにくくする為か
上半身を揺らし、槍を横に構え前進する。

  カチャ   カチャ  カチャ

 案の定だが、さっきの前列三人の射撃で攻撃は終わらない。
三人は貴方へクロスボウを撃ち終わると共に屈み、後列三人に上の空間を譲る。
 そして、蛇喰は見た。その後列三人も同じようにクロスボウらしき
いや間違いなくクロスボウだ。それを前進する貴方へ向けて構えてるのを!
 射殺しようとしてる、その顔つきには躊躇や接近への怪訝、また甚振る事による
下劣な喜びの感情もない、顔色こそ普通なものの瞳には生気が込められてないように見える。

 『あーくそっ! このままじゃ滅多刺しだ! ×××!(何か不明な言語) ××××!
××ッ! 俺は、俺はどうやら寄生対象を間違えちまったらしいっ! さ、先に
向こう側で待ってるぜぇ――zノ!』

 エイリアンは、ヤケッぱちに喧しくなる。だが、確かにクロスボウの射程圏内に
完全に蛇喰は入っており、次の行動次第では……エイリアンの言葉通りになるだろう。


※現在の敵との距離 約3m
 
          階段上/階段下
  □★★□□□□□
  □★★□□●□□
  □★★□□□□□

291蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/03(月) 23:22:07
>>290

「近づかんと殺せんからだよ!」

やはりクロスボウ。
さてどうしたものか。

(というかこいつらどんな精度で撃ってきているんだ?)

扱いなれていないもので動いている人間に当てるのは容易ではなさそうだがどうだろうか。
機械自体の性能もあるが、ああいう風に悩まない、両親がとがめないというのは割と狙いを定めやすそうだ。
技術は別だが。

「全治生命体君、覚えておくといい。死ななきゃ安い」

「死ぬより高い出費はないんだよ」

(念仏でも唱えとくか……仏説・摩訶般若波羅蜜多心経)

クロスボウ、銃弾の如きスピードの飛来物は躱すのは厳しい。
というのも人間の反応速度、動くまでにかかる時間と攻撃の到着時間のうち
攻撃の到着時間の方が早いからだ。ならどうするか。
盾などで身を守る、防御寄りの行動。当たらないようにする回避よりの行動。
そして攻撃を妨害する行動。

(……七歩蛇ダメだったけど、狙いとしては……)

射線を避ける。それが蛇喰正義の考えたことだった。
クロスボウのナイフは一直線に飛ぶ。
ならその一直線上に入らないことだ。
ならば、その通りに。

「しゃッ!」

ヘッドスライディングのように前に飛び込む。
ただ、槍はつきだす。思い切り、端を握るように伸ばして、前方のしゃがんだであろう敵を刺し貫く(パス精BCC)
槍は下から上に持ち上げる様にして動かす(パス精BCC)
ヘッドスライディングで頭がさらに近く、敵に事態にも近づいく。
そして槍の動きも成功すれば刺さった敵自身も上に持ち上げられるだろう。
だから、射線から下に消え、本来蛇喰がいるべき場所に持ち上がった敵が入って壁になるはずだ。

292『そらの異邦』:2016/10/03(月) 23:44:32
>>291

蛇喰はエイリアンの周囲の誰にも気づかれない声に返答しつつ
相手の精度を考察する。

 先ほど、ホレーの動きで攻撃を回避した時は右太腿に当たった
だが直撃ではなかった。精度はC(人並み)だ。

 そして、貴方は野球で既に走塁されたランナーがベースへと走り込む
ように勢いよく前に出て   ――槍を突き出す!

 ザシュッ!!

『読み』はどうやら当たったようだ。飛び込んで攻撃してくる相手に
普通の人間ならば屈んだ状態でも目視していれば横に避けるなりするだろうが
敵はどうやら普通でなかったようだ。回避する事なく人形のようにクロスボウの
次弾を装填するのに留まっていた敵は、貴方の槍に首と胴体の中間部分に穂先が突き刺さる。


  ―グゥ――zノンッ        バシュバシュバシュッッ!

『ドラゴノート』で怪力を得てる今の貴方。普通の人間なら槍を握った腕力だけて
人一人を持ち上げるのは到底不可能だが、今の怪力なら造作もない。

 後列三人のクロスボウ前に全ての行程が完了出来るかは賭けに近かったが
見事に貴方は成功させ持ち上げ、その刹那に槍のハヤニエとなった敵の体に
ナイフが突き刺さる三つの物音が生えた。

 『うおーーーー! 相棒っ やったぜぇ! 無謀と思えたが、全ては
この策を成す為の行動、だったって訳だな!
 残る奴らも、その強靭な槍で全部ぶっ飛ばしちまえ!』

 エイリアンは、悲嘆に先ほどまで駆られてたのが嘘のように
喜色の声での応援を貴方の頭へと響かせる。

 後列の三人は、仲間であったであろう相手が敵に刺され盾に
されたのに関わらず、一切の動揺なく懐から次のクロスボウの矢を
取り出して番えようとしている。残る前列の二人も同様だ。不気味な程に
貴方が人間を刺した事に動揺がない……。とりま、既に貴方の槍の
射程圏内でもある……猶予はないが、このまま次の攻撃にも移れるだろう。

293蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/04(火) 23:12:53
>>292

「うわぁ」

(これ殺しちゃったかなぁ。死んだだろうなぁ。この位置だもんなぁ)

内心嫌な実感があふれだす。
不愉快だ。あってはならない。
しかし取らねば取られていたのも事実。
問題はない。そもそもそういう技術であり道具であり武器なのだから。

「邪ッ」

まず右に振ろう(パス精BCC)。
前進しながら振ってしゃがんでいる敵と後列の人間を殴打したい。

294『そらの異邦』:2016/10/04(火) 23:38:53
>>293
 
 ドラゴノート、スタンドの槍が肉を突き刺す感触。その感触に
少なからず拒否感を貴方は覚えつつも、躊躇ってる暇はないとばかりに
その疑似的な人間ハンマーと化した武器を振る。先端に人と言う重量があるので
自由自在に振り回せる、と言うのは苦しいものの。怪力を得てる今の貴方なら
左右に振ってボウガンを構えた敵を叩き散らすのは問題ない。

   ブゥンッッ   ドカッ  バキャ!!

……振り回した槍は、右の敵を壁に吹き飛ばし叩き付け 同じく左の敵も
同じように吹き飛ぶ(※残る敵も倒すのに、今のレス内容を続けても
問題起きないので、このまま自動で全員再起不能にしたと処理する)

残るは五つの倒れ伏し、そして槍で完全に即死したと思われる屍だけだ……。

『ふぃ〜〜 足にナイフでダメージが起きた時は、もう駄目かと冷や冷やしたが
全員そのまま一気に蹴散らせるとは……相棒っ! お前は思った以上に
最高の野郎だぜっ! 正に一騎当千っ 群雄割拠の中の強者って奴だっ!!
 これから何が起きても、その力強さで俺が精神を掌握するまで頑張ってくれよなっ』

エイリアンは調子付いた様子で、気分良さそうな口調で貴方に発破をかける。
……気づけば、貴方の虚像を模してたエイリアンの姿は
ナイフで胴体が突き刺された像は、貴方の無傷な姿を模したのに変わっていた。

 『さて、相棒。このままビルの上に向かうんだろう? けど、その足の怪我を
放置しておくのは頂けないねっ。何処かで止血するなりの処置をしておかないと
後で動くのにも支障が出ると思うぜ。お前には、このビルから滞りなく生体器具に
深刻な影響出ない程度に脱出して貰わなければ困るんだ。
 廃ビルだとしても、こんな奴らがのさばってるんだ。救急キットとかも存在するんじゃないか?』

敵が居なくなると、また饒舌にエイリアンは喋り貴方へアドバイスを始める。
 危険下ではアドレナリンも出てたお陰が、それほど気にしなかった足の痛みは
落ち付いてくると次第に正常に痛覚は機能し始めた。筋肉の深くまでは切ってないと思うが
それでもそのまま放っておくわけにはいかないだろうと、武術経験のある蛇喰が
今まで怪我を負った経験から見ても、傷は深くはないが浅くもないものだ……。

295蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/05(水) 23:40:41
>>294

「はぁ……」

当然だろと言ってやりたいがギリギリであった。
流石に冷や汗かいたがそれも引く。
それと化け物の姿が変わっている。

(僕に近づいてきてる?)

ナイフで胴を突かれた像……
クロスボウからのナイフの暗示か?

「……」

わからない。この化け物を信用していいものか。
だがこの怪我はどうにかしないといけないのは事実。
とりあえず歩いて部屋を探そう。

296『そらの異邦』:2016/10/06(木) 00:15:13
>>295
①=広間 ②=トイレ ③=部屋 ④=階段 ⑤=非常階段
        ⑥=給湯室 ⑦=エレベータ ●=現在位置


2F          ⑦□□□□□□□□④
            □□□□□□□□□□
            □③□□□③□□□③←●
            □□□②□□□①□□
            ⑤□③□□□□□□③

命をかけたやりとり。それは貴方にとって初めてに近い体験だったかも知れない
嫌な汗が浮かびながら、貴方の精神に棲みつき時間をかけて支配すると言う
宇宙人なのか、そう言った類のスタンドなのか不明な存在に懐疑を覚えつつ
一先ず、近くの通路にあった部屋へと入る事に決めた。

 老朽化したドアは、ああ言った異常な輩が出入りしてた為か施錠はされてなかった。
貴方は室内に入る、そこも暗く窓も板で打ち付けられ光を差し込まない。
 携行してるスマホの光で照らせば、中には僅かな衣類が入ったケースやら
雑記やらビルの古い帳簿などが入ってるダンボールが見えた……。
 衣類は、大部分は古びてるものの布きれとしては使える気がする。

 『そう言えば、さっき俺は××(理解不明な言語)って叫んでただろ?
へへっ、まぁ俺の仲間の名前なんだ。何時も、寄生生物として宿主の体を
借りて過ごしてる時、また、そうでない小さな状態でもさ。
 あいつ等とは惑星の状態やら宿主の中の住み心地やら、文明やら伝達する感覚やら
他愛ない事から大事な話まで、暇さえあれば語り合ってたもんだぜ』

 貴方を模した虚像は、懐かしむ表情で喋っている。そして、先程は無傷だと
思われていた蛇喰の虚像だが、よく見れば掠った太腿には傷跡が見えた(※描写ミス)

 『多分、今頃先発隊として。この惑星(ほし)の誰かを宿主として活動中の筈さ。
人間で言うと、気さくで愉快で話上手な奴なんだ。俺と同じでなっ!
寄生生命体は、何かの生物の意識に棲む時。他の寄生生命体の動向を知る術は普通ないが……
へへへ! 俺達はこれでも随分長く寄生ライフを送るスペシャリストさっ!
 数で言えば100程の、寄生生命体で通じ合えるシグナルやパスワードを予め俺達は備えてるんだ。
きっと、この惑星の大きなネットワークに既に置いてある筈さ。俺達だけにしか知り得ない
寄生生命体に呼びかけ、合流を意図とする暗号 がな!
 このビルで、お前の目的が終わったら俺達の合言葉を教えるからさ。
人間達の作り上げた全世界の者とコミュニティを築くネットと言う機械で探してみてくれ。
俺の予想だと既に精神寄生生命体の操る人間達の組織が設立してると思うんだ!』

 愉快そうに肩を揺らせる虚像を作り、貴方へエイリアンは喋りかける。
……が   貴方の記憶や知識には。ただ偶然知らないか
もしかすればエイリアン達が意図的に隠蔽してる所為なのかも知れないが
そんな組織がある事も知らないし、また噂も聞かないだろう……。

297蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/06(木) 23:16:53
>>296

(こいつのお仲間ね……)

考えたくもないが、面倒なことだ。
はいはいと話を聞いて現れたヤツらを槍の餌食にすれば少しは気持ちも楽になろうというもの。

(気さくはともかくとしてそれ以外はどうなのやら)

「そんなもん、キョーミないよ」

衣類を『ドラゴノート』で切って包帯がわりにしよう。

298『そらの異邦』:2016/10/07(金) 09:39:42
>>297

 貴方はエイリアンの告げる言葉を淡泊に切り捨てる。
返ってきたのは、傷ついた素振りは余り見えない声色での饒舌な言葉の波だ。


『おいおい、冷たい返事だな? まったく。まぁ、いいぜ
この惑星で暮らすのに十二分な時間があるんだ。相棒は年齢的に考えると
50数年は余裕で生きれる。そうだろ? 寄生生命体として、精神を掌握し
肉体を操り、そして寄生した生命体が自由にお前の体から脱出し
次の惑星に向かうまでのプロセスを考えれば、まだ慌てるような時間じゃないさ。
 気長に俺の仲間を見つけて、そしてこの惑星で長く生きれるよう活動するさ。
あっ、それとさっき襲ってきた奴らの事だが。弁明しておくけど間違いなく俺達
寄生生命体が操ってるわけじゃないからな? お前は信じないかも知れないけどさ。
 俺達は精神を寄生し、ゆっくりと着実に相手の意識を理解して、それは相手自身に
なりきるようなものとなり、そして最後には寄生した意識が既に自分の意思で動いてるか
どうかも自信がない状態の時、俺達は相手の意識に溶け合うようにして完全に掌握を果たす!
 その行動の中で、ああ言う風に同種族体に襲いかかるなんて言う、訳の解らない行為は
絶対に俺達の仲間はしないからな。俺達は侵略行為はすれど、相手を操って他の生命を破壊して
それで惑星を侵略するなんて野蛮な行動はしない。言語化するとエコロジーな
種族なんだぜ、俺達。寄生生命体の名に誓っても、人間って言う種族のように特に理由なく
同種族及び他の生命、惑星で共存する仲間の命を奪うなんて身の毛もよだつ事、しないね。
 話を戻すが、お前の知識を検索して割り出すと、まぁさっきのは正気を何かしらの
薬物とかで失った者なんじゃないか? あぁ、相棒。お前は頼むから自分の意識を自分で可笑しく
させるような薬品の摂取なり、過度な飲酒は控えてくれよ? お前の健全な精神の育成と
そして俺達寄生生命体が万全なケアを行った状態で精神を掌握する為にもだ。頼むぜっ!
 よし、傷ついた箇所に簡易的だが処置はしたな? それじゃあ、とっととこんな
薄暗くて陰気な場所から抜け出せるように目的を果たそうぜっ、相棒!』

 蛇喰は適当な衣類を包帯がわりとして太腿に巻き付け縛る。
応急処置だが、それでもないよりはマシだ。そして、依頼主の言葉を思い返すと
非常階段のルートより三階の給湯室へ向かうのが先決だ。
 この意識にいると言うエイリアンへの対処も問題だが
今は依頼を達成する事が重要になるだろう……。

299蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/07(金) 22:59:05
>>298

「……」

(クロスボウだとかナイフの矢だとか。そういうの、薬きめた奴が持ってくるか?)

用意周到すぎる。
いくらなんでも。それに薬を摂取した人間があれほどの精密さで撃ってくるだろうか。
不思議だ。

「長いな。話は三行ぐらいにしてほしいもんだ」

「それと、人の体に居座るくせに人間に対して侮蔑を感じるものの言い方するんだな」

くきっと首を鳴らして。

「気に食わない。人間が好きってわけじゃあないけど」

「住んでる土地のこと悪く言うくせに家を出ないやつは、嫌いなんだよ」

そういってブンとバットを振るように槍をふる。
二度三度、それを繰り返す。

(どうせ僕の姿に近づいて惑わすんだろう)

(性格は全然違うのに)

300『そらの異邦』:2016/10/07(金) 23:47:46
>>299

 貴方は、襲撃してきた相手に対し不審を抱く。どう考えても
廃ビルを根城にしている浮浪者とかでなく、このビルに入って来た
貴方と言う人物を殺すためにいたように思えるからだ。

 そしてエイリアンに対し、苛立ちを覚え首を鳴らし『ドラゴノート』を
軽く威嚇のように数回繰り返して振り回した。

 蛇喰の姿を模した虚像は、視界の端で肩を竦めたポーズを出し
耳に聞こえてくるのは冷めた感じの声だ。

 『あぁ、苛立ったか? 御免な。 と、でも謝罪して貰いたいか?
おいおい、俺の目的はお前の意識の侵略だぜ? んでもって、こうやって
喋りかける方法しかないんだから、そりゃ減らず口は叩くってもんだろうが。
 繰り返すがな、俺達は侵略生物だが。その暮らす星に関しては一定の敬意って代物を
持ってるんだぜ? 俺達だって出来るなら一つの星で一生を終えたいさ。
だがな、宇宙は過酷だ。永住しようとしても、それ以前に星が何かしらの要因で崩壊して
寄生する基盤である生物達も巻き込んで滅びちまうんだ。俺達が手伝っても……悲しい事にな。
俺達がどうやって、この惑星まで来たか知ってるか?
     ――『彗星』だよ。
そう、彗星さ。俺達は小さな隕石に付着し、ある種の電波と表現すべきか。
それを発信し、どの惑星が寄生生命体が暮らすに適するのか? そう言ったものを
宇宙空間へ発信、受信し。気が遠くなるような旅をして……そうさ、相棒!
俺 俺達寄生生命体は、この青く青く輝く惑星をようやく見つけたのさ!
 本当にさ……永い旅だったんだ。宇宙は広くて寒々としていて寄生生命体が住める
星も限られている。本当に、この星を見つけるまで苦労したんだよ……相棒。
だからさ、この星には出来る限り長生きして貰いたいんだよ。勿論、お前にも同じこと言えるぜ?
だって、そうしないと。俺達も楽しく長生きして色々経験出来ないからな!
 そうそう、彗星に付着して旅をしてるとさ、色んな面白いものも見かけるんだよっ。
太陽系の中だと、お前達の星が作って宇宙に飛ばしたのだろう、宇宙船らしきものだの。
 あと、何か人のような形で鳥の翼が生えてるような可笑しな石だとかも見かけたな
……あの石、不思議と何処となく生きてる感じがしたんだよな。多分、気の所為だけど』

 
 エイリアンの饒舌は尽きぬ事を知らない。

足の痛みは未だ幾らかあるものの引いてきた……部屋の外から不審な物音もしない。
出て非常階段に向かっても問題なさそうだ。

301蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/08(土) 23:22:08
>>300

「ふうん」

「究極の生命体とかじゃないのその石。生きてたんだろ?」

適当な冗談を飛ばし、部屋を出よう。

「それと、長いから手短に話しなよ」

敵はいないはずだ。
とはいえ心配なので槍で扉を押して開ける。
持ち手の方で手加減すれば大丈夫だろう。
『竜鱗』で壁と扉が接合しているのなら効果範囲をいったん0にするし
もとから開いているのなら様子を伺いつつ出よう。

302『そらの異邦』:2016/10/09(日) 18:45:05
>>301

(※竜鱗で扉と壁が結合させてる旨の記述だが、レスには
そのような記述らしきものが見受けられなかったので返信の行動では省く)

 『究極の生命体、ねぇ。んな事言われても眉唾だな
相棒。この世にそんな上手い存在が漂ってはいねぇと思うぜ。
そんな存在がいるんだったら、寄生生命体ライフなんて言う
危険な綱渡り見たいな生活歩まなくて済むってもんさ。
 まぁ、あれは多分大きめの石だったよ。
そんな事よりさ、俺は大事な事に今更だけど気づいたんだよ相棒。
 俺は随分と自分の事は話してるけれど、相棒が何をしに
この廃ビルって場所を歩いてる目的が不明だったからさ。
 知識で割りだせるだろうって思うか?
いやいや。俺はついさっきも説明したと思うが、相棒の【知識】を
引き出す事は出来ても【記憶】ってのは引き出せない。
 この二種類は、俺も寄生して随分複雑な精神形態を人類ってものは
頭の中に抱えてるって正直に思うが、まぁ強いて言うなら俺達も
そんな全知の存在って訳じゃないって事さ。
 でも、俺達寄生生命体のそんな部分もチャーミングだって思わないか?』

 貴方は警戒をしながらドラゴノートで間合いを図りつつ扉を開けた。
物音もしない、周囲に怪しい人影や気配もない。多分であるが
 先程窓を破壊した時に、このフロアの敵全員を引き寄せ倒したのだろう。

『相棒ー。そんな手短、なんて悲しい事言わないでくれよ。
俺達、ってか俺はさ。意識を掌握して、お前の肉体を完全に支配する刻が
来るまでは、お前としか会話する相手もいないし、また、それ位しか暇潰し
もできやしないんだぜ? 俺にとって唯一の侵略手段であり、また楽しみを
奪おうなんて……もうっ! 相棒って奴は結構意地の悪い性格してるんだなっ!
 へへっ、まぁこんな言い方も。お前の精神をじわじわと着実に削っていく方法さ』

 真面目にやってるのか、エイリアンなりのブラックジョークなのか知れないが。
蛇喰の要求には応じず、べらべらと喋り倒す。意識が削られ消耗するような感覚は
ないが、人並みの感性あれば、うんざりは多少しそうだ……。

303蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/09(日) 23:01:28
>>302

「お前には関係ないだろ」

そう返して非常階段を目指す。

「……」

(こいつとコミュニケーションはとらない方がいいかな)

侵略手段というなら潰すしかない。
だがこうも喋られては大変だ。
自分の口でも縫い合わせればこいつも黙るのだろうか。
面倒なことだ。

304『そらの異邦』:2016/10/10(月) 18:09:49
案内図表記   ①=広間 ②=トイレ ③=部屋 ④=階段 ⑤=非常階段
        ⑥=給湯室 ⑦=エレベータ ●=現在位置



3F          ⑦□□□□□□□□④
            □□□⑥□□□□□□
            □③□□□③□□□③
            □□□②□□□□□□
            ⑤□③□□①□□□③



2F          ⑦□□□□□□□□④
            □□□□□□□□□□
            □③●□□③□□□③
            □□□②□□□①□□
            ⑤□③□□□□□□③

 

 カツン   カツン   カツン・・・

貴方は頭の中、正確には意識に棲むエイリアンに静かに脅威も覚え始めつつ
黙秘を通し非常階段向けて歩みを進める。エイリアンの口上は留まる事を知らない。
 お喋りで何か貴方の心身に影響は未だ及ぶ事はないが、喧しさは健在だ。

『おいおい、だんまりとはちょっとあんまりじゃないか? さっきだってよ
俺が最初に喋り始めて注意してなかったら、相棒も自慢の武器を破壊されて
危なかっただろ? そう言う恩って言ったり、貸しが相棒には俺にある筈だぜ。
まぁ、その貸しも恩も。俺が相棒の意識を完全に掌握した暁には全部返済って事でもいいんだが。
 と、そういえば話をちょっとだけ戻すんだけどな。相棒にはついさっき、あのクロスボウって武器で
襲い掛かってきた奴らは、俺達寄生生命体とは無関係だって説明しただろ。
 いや、実際にな? 俺達は例外はないと思うが、健康な意識……こんな言い方もちょいと変だと思うが
肉体もそうだが精神状態も健全な生物にしか俺達は寄生しない筈なんだ。
 理屈や理論は、相棒の知識から引き抜いて説明すると少し面倒になるし、あんまり長い話を
聞きたくないって感情が伝わるから省くが俺達は今までも別の惑星で寄生して来た生物は例外なく
通常の機能を損なわってない状態ばかりだったから、この惑星でもあぁ言った奴らが健康な状態って
表せない限りは、俺達が精神を掌握した状態とかは誓ってもないね。
 まぁ、要約すると。この先もあぁ言った奴らが出てきて相棒を傷つけるようなら遠慮なく
ぶっ飛ばしてしまえ! って言いたいのさ。冷たい言い方になるが、相棒の命あってこその俺だからな』

   
   ググ    ク

 この時、貴方の『視界』で一つの『変化』が『虚像』へ起きた。

……貴方の視界で連れ添うように歩行してた、エイリアンが視覚をリンクして
出したと言う貴方の姿……それが全身『黒焦げ』の姿に移り変わっている。

 蛇喰の肉体には無論、異常は見られない。変わったのは虚像のみだ……

305蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/10(月) 22:41:58
>>304

(変わった?)

あの時胸にナイフか何か刺さった状態の虚像がいるとき、クロスボウで襲われているはずだ。
黒焦げならば、火か?
火炎放射器というのは小規模なものならスプレーとライターで作られる可能性がある。
スプレーのガス抜きを怠った結果爆発した事故などを思い出すべきだろう。

(竜鱗)

あれは火に強いはずだ。
近くの無機物でも盾にして防ぎたいが特に柱とかがないようなら、部屋のドアを『ドラゴノート』で分離。
槍で刺して持っていく。そうすれば霊薬を片手で保持したまま進める。

306『そらの異邦』:2016/10/11(火) 19:42:41
>>305

 ドスッ   べリ ィ……  ガンッ

『おぉ 相棒。そのアルミのドアを剥がして突き刺して楯の代わりに
して歩く。中々、その立ち振る舞いも様になってるじゃないの
 それにしても、お前の超能力って奴は便利だな。
ふむふむ……スタンド、か。この惑星の人類は中々興味深いものを
所有してるんだな。お前に長く棲み続ければ、俺も覚えられるかな。
 あと、その片手に持ってる酒瓶だが。何かあった時に手から零れ落として
割りそうで見てて……見てて、って言い方も変だな。
零れ落として割りそうだと、意識内で冷や冷や俺はするんだが。なぁ相棒
 適当に何かビニールとかで包んで吊り下げたほうがいいんでないの?
この廃ビル、結構色んなゴミが散乱してるから、何かしら使い古した
袋とかあるだろ。多分、いやコーラ飲んだゲップ出るぐらい間違いなく
薄汚れてるのは確かだろうけど』

 貴方は『竜鱗』でコーディングしたアルミ製ドアをドラゴノートで突き刺した
状態で楯のようにして持って行く。アルミドアは一人がすっぽり覆い隠せるぐらい
サイズは大きい。能力による怪力も相まって持って行くのに問題ないが
前進するにあたって視界が幾らか悪くなるのは難点であろう。

 
 貴方は非常階段のある場所へ辿り着いた。螺旋状の造りであり鉄製の
階段は上も吹き抜けになっており屋上に通ずる場所も見える。敵影などはない
ドアを持って歩くのは少し億劫だが、貴方は無事に三階に通ずるドアまで
階段を上がりきる事になった。

 ドアの前へ辿り着く。

                ……ツン

『んっ……?  相棒、何か匂わないか??
 いや、何て言うか。うん  嫌な 感じの匂いだ』

 エイリアンが貴方へ囁く。三階ドア向こう側、三階内部に通ずる場所。
……異臭がした。貴方はこの匂いを、よくガソリンスタンドなどに
行く事があれば、嗅いだ事があるだろうと思い出せる事だろう。

307蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/11(火) 23:24:35
>>306

(大丈夫かな)

竜鱗はスD以上で動き続けるものには発動しない。
本体がスCで動く以上はがれる可能性がある確認しておこう。
霊薬の瓶のこともあるので袋とかが落ちてないか確認しておく。

「……ん」

臭いか。
ガソリンスタンドで嗅ぐのはガソリンの臭いくらいだろう。
爆発か?

「……」

(やるか)

扉を床と接着、『竜鱗』による結合だ。
三階に繋がる扉に重ねる様にして設置する。
また『竜鱗』は半径5m設定。
扉を設置したら、しゃがみこんで片手で持った『ドラゴノート』で扉の上の方を二枚抜きする。
空いた手は霊薬を置いて、近くに掴まれるものがあるなら掴んでおく。
二枚抜きでガスを抜いてやろう。

308『そらの異邦』:2016/10/12(水) 19:49:03
>>307

 蛇喰の歩く速度(スC)に連動するようにして『竜鱗』に覆われた
楯ことアルミドアも小刻みに動く。余りにも勢いよく動かすのならばともかく
『竜鱗』は静止してるものに自動的に覆う能力であり、また蛇喰が意識して
アルミドアへ能力を行使してる限り。緊急事態でない限り、剥がれる事はなさそうだ。
 貴方は床に落ちてた、適度に汚れが少ないビニール袋を見つける。霊薬を入れて
ズボンに括るように提げる。これで、何かに衝突しない限りは安全だ。

 貴方は異臭に気づくと、非常階段のドア付近にアルミドアを『竜鱗』で結合。
更に三階内部に繋がるドアにもドラゴノートを持ってる事により自動的に竜鱗が覆われる。

 そして、貴方はアルミドア、非常ドアの上部分を刳り貫くようにして
ドラゴノートで切り開く。能力によりバターを包丁で切るより容易く板は切り抜かれる……。

 キリ   キリ  パカ    カンッ  コロコロ

                         コロコロ

                            コロコロ……
                      


                       ……ボォッ


   『!!?  相棒っ、ふ   伏せろぉぉぉぉォォ!!』

 ドアの切り抜いた部分が向こう側へと転がり落ちる音、そして……何かの着火音。

エイリアンの悲鳴に似た警告音が耳と頭の中に響く。

309蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/13(木) 00:08:50
>>308

「!」

「ッッッッッ!」

『竜鱗』は不燃性だ。火で焼かれることはない。
刳り貫いた部分はともかくとして普通に覆われ二枚重ねになった扉の強度で火は防げるはずだ。
問題は爆発の可能性。
ガスの臭いがしている状態で火をつければ爆発しかねない。
それに二枚抜きで空気の入る場所ができた。それもある。

(ほんとにフィルムは無事なんだろうな……)

あの女にはめられたか?
とにかく伏せて床、おそらく『竜鱗』で覆われているであろうそこを掴んで伏せる。
四足歩行の動物のように。ただし槍は手放さない。

310『そらの異邦』:2016/10/13(木) 17:12:01
>>309


     ――ゴ    ボォォオオオオォ!!

 耳に捉えた微かな火の付く音。エイリアンの警告音 
バックドラフト現象も起きかねない現在の状況に対する貴方の知識。

 それ等の材料も組み合わさり、迷う事なく貴方が伏せるのと同じタイミングで
爆音、そして伏せた貴方の頭上を迸る業火の音と強い熱が過る感覚。

 時間にしては数秒程度だが、それは直撃受ければ間違いなく虚像に映える
自身の死に姿の結末に至るだろう威力であった。
 虚像は、全身黒焦げから……『半身黒焦げ』の像へと変化してる。

『や やばかった。あ、あと一秒でも遅れてたら刳り貫いた穴から広がる
火で頭全体がバーべーキューの炭見たいになる所だったぜ。
 相棒っ……つい数分前に、このビルにいるのは薬中の連中の巣窟だと
言わせて貰ったが訂正させて貰うぜっ。
 このビルにいる奴等全員、か 完全にどっかしらの意識の何処かが切れてやがる。
理由は解らないが、相棒の命を狙ってるぜっ。
 な、なぁ。何が理由かは、この際どうでもいい。さっさとこのビルから
逃げたほうがいいんじゃねぇか? 命あっての物種だよ』

 エイリアンは恐れた口調で貴方に逃走を促す。

 竜鱗をセッティングしたドアや床は、今の業火を受けてもびくともしない。
三階扉向こうは、黒煙が昇り視界が悪いものの延焼は起きてないのが刳り貫いた
覗き穴から解る……。物音や怪しい人影などは、此処からは判別出来ない。

311蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/13(木) 23:40:29
>>310

(マジか……)

なんということだ。
こんなものを普通に使ってくるとはどういう性格をしている。
それに化け物の虚像も変化した。
半身? 体の半分だけ焼けるなんて器用なことがあるのか?
一応どこが焼けているか確認する。

「すぅっ」

「ジャッッッ!」

『竜鱗』の範囲を0にして実質の解除状態にして
扉を蹴り飛ばす(パス精BCC)

312『そらの異邦』:2016/10/14(金) 17:50:50
>>311(レス遅れ失礼しました)

 自称精神寄生生命体のエイリアンが貴方の視覚で映してる虚像は
上半身が黒く焦げた貴方の死に体の虚像であった。

 ドラゴノートを構え、その怪力のままに竜鱗を解除して
貴方は渾身の思いのままに扉を蹴り抜くッ!

   ド    カッ  タァ―――ッン!!

既に年月の為に朽ち果て気味であった扉は、向こう側の黒煙の中へと
派手に中心が窪みつつ吹き飛んでいく。

      ガンッ!!

 すると、黒煙の向こうより何かが扉とぶつかる音が聞こえた。と、同時に


 タタッ   タタッ……!


  「……輝き 燃やす」
             「輝き……消す」


 黒煙より、二人分の足音と声と共に可燃性の匂いを包みつつ
玩具の大型の水鉄砲の先端にライターらしきものを装着したロープと
フードで身を包んだ者達が小走りに向かってきたっ!! 
 まだ構えてないものの、蛇喰との距離は 近い……!
約、3〜4mと言ったところか。

  ●=貴方   ▲=敵

非 □□□□▲□
常 □●□□□□通路
口 □□□□▲□

313蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/14(金) 23:15:14
>>312

「ははは……」

「こんにちは」

微妙な笑顔でいう蛇喰。
こんにちはなんてしたくはない。

『竜鱗』を発現。範囲は5m。

「……」

(火除けしたいけど……)

『竜鱗』が発現したら床を横なぎに切り付けて溝を入れながら下がる。

314『そらの異邦』:2016/10/15(土) 19:06:11
>>313

 爆発によって起きた延焼は三階非常階段出入り口の横壁、天井でも燃えてる。
然しながら、蛇喰の周囲に発生する竜鱗によって炎は燃え広がる事なく
次第に静まっていくのが見て取れた。

『まだプッツン野郎が残ってんのかよ!? 此処は一体全体何なんだっ
相棒っ、構うな、ぶっ飛ばせ!』

 エイリアンの野次を受けつつ貴方は横にドラゴノートの穂先で切り込みを入れつつ
後退する。中々深く切れ込みが入った……貴方が後退する最中も
水鉄砲にチャッカマンを装着してる武器を構える敵達は左右の壁で燃える火を
意に化した様子もなく迫ってくるっ! 約二メートル程度、スッと構えた腕が上がり
水鉄砲を敵は正眼に構えたっ! 水鉄砲の溶液は……琥珀色で、貴方の鼻には
その二人から漂う匂いに再度強くガソリン臭を鼻で感じ取った。

 『おいおいおいおいおいおいおいおい こいつら本気かっ!?』

エイリアンは、貴方の感覚を通じて次に起きるであろう事を泡をくって
貴方だけに聞こえる叫びで表した。
 未だ、虚像は上半身が黒焦げの像が貴方の視界の端で
現れた敵に挙動不審気味に構えるのも見えた
 

  ●=貴方   ▲=敵

非 □□▲□□□
常 ●□□□□□通路
口 □□▲□□□

315蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/15(土) 23:17:44
>>314

(体焼かれんのかねぇ)

(顔、悪くなっちゃうぜ)

状況が状況でありながらどうでもいいようなことを考える。
しかたない。そうでもしないと嫌になる。

(片方だけなら刺して退くけど)

挟みうち状態だ。
一人一人に分断したいところだ。

「……」

思い切り後ろに進み階段の形状を確認する。
支柱はあるか? 具体的な構造はどうなっている?
支柱がないなら飛び降りて、下に槍を突き刺す。
階段に『竜鱗』5mを発現し、突き刺して登り棒のようにしがみついて衝撃を殺したい。
支柱があるなら支柱につかまって下に降りる。

316『そらの異邦』:2016/10/16(日) 16:29:34
>>315

 参考画像↓
ttp://blog-imgs-30-origin.fc2.com/y/o/s/yosan/yelloeStairs.jpg

非常階段は、一般的なジグザグ状であり、手すりは幾つか老朽化に
よって崩れて無い部分も見受けられる。

 貴方は三階の非常階段手摺の無く人が一人余裕をもって超えれる
空間がある事を確認した。
 その間にも、簡易火炎放射器を構えた正体不明の敵は貴方へ
走り接近する! 引き金を引いて、ガソリンの入った液体を噴射し
先端で点火しているライターによって放射される火が貴方へ迫る。
 
 だが、蛇喰の決断した行動の方が 早い!


 ボォ……ッ

 『相棒っ? おい、もしやもしやと思うが ぅ  お―――ッ!?』

  ダンッ      ぴゅ―――ッん  ザシュ  グンッッゥンッ!

 蛇喰は、その手摺を勇ましく超えるっ! 竜鱗の補正なくとも
老朽化した壁は、ドラゴノートの力あれば突き刺すのは訳ない。
 貴方は一階分の飛び降りたGを感じつつ、槍に捕まり見事に
二階部分へと飛び降りる事に成功したっ!

 『ヒューッ! ちょっとしたスタンドならぬスタントパフォーマンスだな!
やるぜ相棒っ。香港アクション俳優も夢じゃないぜ! それに、この
階段も二人で駆け降りるにしたって、あんなブカブカな恰好してりゃあ
下るのだってノロノロさっ! さぁ、さっさとおさらばしようぜ、こんな所!』

エイリアンは饒舌に貴方を褒めて逃走を促す。逃げるなら、ビルの先程の階段までの
ルートを貴方は既に把握してる。ビル一階まで逃げるのは簡単だ。このまま
依頼を反故にして逃走しても、誰も馬鹿にはしない。
 だが、依頼を遂行するなら今すぐにでも機械的に二階に降りた貴方を
馬鹿正直に、敵二人は非常階段を通じて火炎放射器を構え降りてくるのを
何とかしなくてはいけない……。

317蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/16(日) 23:45:17
>>316

「はぁ……」

なにが楽しくて危険なダイブをせねばならないのか。

「……」

しかし仕事はしないといけない。
帰ってもいいが、ここまでくると少し意地にもなる。

(やるか)

『竜鱗』発現。範囲は5m。
『竜鱗』で覆われた二階と三階をつなぐ階段。
そうだ、踊り場の所がいい。
上がって二階と三階の間の踊り場に向かい、踊り場の床に『ドラゴノート』で切れ込みを入れる。
『竜鱗』を問題なく貫く『ドラゴノート』でコの字になるように切れ込みを入れる。
これでコの字型に床に溝が出来るはずだ。『竜鱗』を貫き、床の裏側まで突き切るのだ。
するとコの字型の部分は隣の床や手すりなどとは設置されていない不安定な状態になるはずだ。
ここでコの字にもう一線切れ込みを入れてロの字に切ればどうなるだろうか。
おそらく、床が四角形に抜けて落ちるはずだ。
奴らを誘い込んで床ごと落とそう。

318『そらの異邦』:2016/10/17(月) 19:50:42
>>317

 ダッ

 『! 相棒っ、何でまた敵のいる上に……』

 エイリアンが驚く声を他所に、貴方は竜鱗を発現 その床に
クリームにナイフを突き立てるように、スッと切り込みを入れてく。

『そうかっ! そう言う事かっ。距離的にも、そっちの仕込みのほうが早いっ!
 よっしゃ、相棒。奴らに目にもの見せてやれっ!』

 コの字に切れ込みを入れる、そして最後の一直線に切り込みを
入れれば完了となる段階で、三階階段より小走り程度の速度で貴方へ
水鉄砲を構えて降りてくる二人組が見えた。

 引き金を構え、貴方に対し炎を噴射しようと踊り場へと踏み入れる二人。
射程圏内。貴方へ向けた鉄砲の先端の火はチロチロと揺れ、それに
ガソリンの液体が噴射しようと指が引かれようとする。


    ――ザシュッ   
             ガンッッッ!!

                   ゴ  シャァァァンッッッ!!!

    ボ   ォォォオオッ…ッ


 蛇喰の思惑は見事に成功した。
普通の人間ならば、貴方の行動に対して警戒し踊り場の手前で
立ち止まったかも知れないが。クロスボウの集団の時から見ても
どうも、襲撃してくる者達は自分自身に陥る危険を回避する能力が
著しく欠落してるように見受けられた。
  馬鹿正直に、黒いフード等で身を包んだ二人は踊り場の床ごと
一階へと落下。そして、その勢いと衝撃で簡易火炎放射器である
水鉄砲の容器のガソリンと先端のライターらしきものは、不運にも
彼ら二人の体を火達磨にするのが、踊り場のほうから見る事が出来た。

 『よっしゃぁ! ミディアムステーキ二人前出来上がり、って奴だぜ!
 フーっ! 少し焦ったが、相棒には何て事のない相手だった。な?
然しながら、これは俺の推測だが。相棒の知識から見ても、今まで
襲ってきた相手は、どうも普通の人間と異る、まるで機械のような動き
ばかりしてるよな? もしかすれば、相棒。襲ってきた連中全員
人間の姿をしてるが、実は人間じゃないのかも知れないぜ。
 まっ、簡単に言うと自分が殺人を犯したんじゃないかって自責の念に
囚われて自傷行為とかはしなくていいって事だぜ、相棒!

 結構騒いのに、誰かが向かってくる様子もないなっ。へへっ、結構
色々あったが、きっとこのビルに居る相棒を阻む敵は全員倒しちまったんだ!
 よしっ、相棒! さっさと用事を終わらせて、帰ろうぜ!』

 貴方の目に映える虚像は、また貴方の無傷な姿(※傷ついた足の部位もある)
へと戻っていた……。

 エイリアンの言う通り、結構派手な音が非常階段内部に響いたが
それに気づき三階、二階に一階の非常階段から誰かが現れる様子もない。
今のところは……どうやら危険はないようだ。

319蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/18(火) 00:06:43
>>318

「はぁ……」

面倒なことになっている。
まぁ、ここまで来ればなにが来てもいいレベルだが。
化け物も普通の姿に戻ったし危機は去っただろう。
目的の場所へ急ごう。

320『そらの異邦』:2016/10/18(火) 22:34:03
>>319

 危機が去った事を、虚像から、周囲の気配から理解して貴方は
遅れて疲れが体に圧し掛かるのを感じた。意識は霊薬の効能でしっかり
しているが、肉体の疲れを完全に消す事は薬では無理なようだ…。

 蛇喰は、穴を開けた踊り場を抜けて三階へ行きつく。
非常階段口部分らは、壁が幾分焦げたものの崩落する危険は
外観からは懸念しなくて問題ない。先ほどの小さな炎上は、不幸の中で
幾つか幸運を生じさせたと言えば。壁にある窓が破壊されて、スマホで
照らさなくても多少はマシになったと言える事だろうか?

 貴方は廊下を歩き、部屋のある扉のある通路を少し横切り
トイレのある部屋近くにある給湯室。其処へ辿り着く。

 『随分と朽ち果てているな。人類の作る建造物って言うのは、何十年も
手入れしないと、直ぐこんな風になっちまうんだな』

エイリアンは呟く。その言葉通り給湯室も随分と荒れ果てている。
 電話での説明を受けたのを思い返す。棚の中にあると説明を受けた
薄汚れたシンク、上に備品を入れる棚があるが。それは既に年月により
全て朽ちて開放されており中に何もないのが見て取れる。
 その給湯室で、一つだけ開放されてないと言えば。シンクの下にある
棚だけであった。貴方は、その扉を開ける事にする……。



      パカッ……。




    『  この扉を開ける者。  輝きを既に手にある者へ

   お前の求める物は、俺が手にした。三階広間、其処で待つ。
  その意思あるのならば、奪ってみろ。生を賭ける勇気あるならな
  
    俺は貴様を倒し 其処から俺自身の物語を開幕させる』      


          ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

給湯室の棚の中には、フィルムは無く。代わりに張り紙がされていた……。
 紙は未だ真新しいものだ。恐らく、昨日または今日にでも張った感じだ。

エイリアンの声が貴方の耳に こだまする。

 『!? こいつは、一体……相棒、どうやら俺達は随分と妙な
何かの陰謀の歯車に、気づけば既に回されてるようだぜ。
 感じるんだ、相棒っ
恐らく、この張り紙をした奴は、相当【やばい】 この張り紙に書いてあるように
文字通り、完全に相棒の命を獲る覚悟で挑んでくる。そう言う感覚が俺を包むんだ……』

 エイリアンの、真剣な感じのアドバイスが貴方の耳に流れる。

 〜〜♪

 ……スマホから、着信が来た。   ――依頼人だ

321蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/19(水) 00:21:51
>>320

「ふぅ」

思わずため息が出る。
ここまできてそうなるかと頭を抱えたいところだ。
まぁ明らかにこちらに敵意を持った人間がいる以上そうなるか。

「はい」

電話をとる。

322『そらの異邦』:2016/10/19(水) 23:48:43
>>321

 pulululuuu pi

「あはは もしもし」

「……おや? 何だか、少し疲労を帯びた声をしてますね」

 パターン化した軽やかな笑い声のあとに、貴方の声のトーンで
何やら察したのか、そう声色を少し変えて依頼人は話す。

 「其処の、向こう側で何か起きてるか察する事は私に出来ませんが
……ふむ、そちら側からはビル内で起きてる演出や趣向は余り
貴方の趣味に合わないものだったかも知れませんね。
 いえ、邪推する訳でありませんし、貴方を責める気もないのです。
ただ、貴方の成す物語で、その主軸たる人物がモチベーションを著しく
欠ける事があれば、その改善をしなくていけないのは舞台監督の責任です。
そうではありませんか? 私は貴方が貴方自身の成す道筋が、より躍動感あり
より深みと味のある物である事を望んでいます。
 ははは、まぁ要約すれば 戯言ですよ。いま告げた言葉は、ね?
フィルムは、どうです? 三階にありましたでしょうか」

(※今までの進行で、何かしら不満はないでしょうか?
少し、GМとして不安が生じた為、宜しければ指摘あれば
遠慮なくおっしゃって下さい)

323蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/21(金) 00:31:59
>>322

「あぁ、フィルム? なかったよ」

「なぁんか襲われたりするし、そういうのの親玉っぽいや」

一から十まで話すと長くなるので割愛しよう。
面倒くさい。

「しょうがないから、行ってくるけど」

「フィルムの安全、保障できないよ。僕の手じゃあなくて誰かの手に渡ってるんだからね」

324『そらの異邦』:2016/10/21(金) 19:51:28
>>323

 「ふむ ふむ 成る程」

抑揚をつけて、いかにも聞き入ってるとばかりに相槌をうつ声が電話向こうから聞こえる。

 蛇喰の伝達の後、数秒沈黙が過ってから。また、嘲笑でも冷笑でも、楽しんでるとも
また少し異なる、慣れ親しんできた笑い声が耳を打った。

「あはは、いえいえ。結末が如何なものになるか知れませんが、大切なのは
貴方が終着点で何を想い、何を考えるかの想起が一番大切だと、私は思うのです。
 過程や、それに至る方法も大切です。けど、結果的に最後に自分の命あってこそ
その考え方があります。私は傍観者ですし、良い人間でないと第三者から評価されますが
貴方の無事を祈っています。この空から確かに見える流星と共にね
 ですので、私から言える事は。まぁ、フィルムはこちら側まで破損せず持ってきれくれた
方が喜ばしくはあるかも知れませんが……破損を戻す方法は、幾らでもやりようが
ありますしね。まぁ、謂わば戯言ですよ ははは。簡潔に言えば、気兼ねなく其の誰かさんから
フィルムは状態関係なしに取り戻してくだされば結構です。これで、少しは安心してくだされば
私の戯言も、多少は嘆く石を慰める歌程度には役立てたと思える所存です。
 ……あぁ、それとも嫌気が差して、もう帰還したいと言うのであれば。
ふむ、それも仕方がない事なのかも知れませんね。私は義務として引き留める言葉を捜し
貴方に伝えるだけですが。貴方が帰りたくば、それはそれで良いですよ。
 良し悪しを決めるのは決して私ではありません、貴方を取り巻く世界ですから」


 『……妙なやつだな。
相棒、その電話から聞こえる……女って何を考えて此処にお前を送ったんだ?』

 エイリアンが訝しむように貴方へ訪ねるのが耳元に聞こえる。
確かに、依頼主と仕事を任された貴方の関係を考えれば。無事に品を戻して欲しいと
言う内容があれこそ、もうこのまま帰っても構わないと言うのは奇妙な話だ。


 会話をしながらも、ビル内は静寂を保っている。もう、残るは
棚に貴方を挑発する文を書いた首謀者以外、居ないのだろう。

325蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/21(金) 23:19:28
>>324

「はいよ」

(いまなら君が黒幕だって言われても驚かないよ)

戦闘への覚悟ではない。
やるしかないからやる。
やらなくてもいいが、やると決めたからやる。
ただそれだけだった。
これ以上ないのなら電話を切って相手の待っているところへ行こう。

326『そらの異邦』:2016/10/22(土) 19:56:17
>>325

 蛇喰を突き進ませるのは『決意』だ。
言葉にするだけでは簡単なもの。だが実行するとなれば難しいものを
貴方は、当たり前の事だと意識して前に足を進める。

 「蛇喰 正義さん。
貴方と言う人間は、興味深い方だ。
 一見すると、淡泊であり面白味がないように見えますが。芯は、実に固い。
極限の最中でも、貴方と言う精神は、振れ幅がある事があっても
曲がったり折れたりする予想を、私は瞼を閉じた裏で浮かぶ事が出来ません……
 ははは。
 是非、そのままに歩む道を進めてください。私は、影ながら貴方の軌跡が
誰かにとっての勇気になり、誰かにとっての教訓になるかを 想像して楽しませて頂きます。
 ははは 戯言です。全て、戯言ですよ はい。
 それでは、電話を切らせて頂きます。貴方の頭上に 一筋の輝きが描かん事を 」


 pu…   ツー ツー

 電話は切れた…… 貴方は歩みを進める。通路をスマホで照らし、暗闇の中を
広間までの道のりに、非常階段側で広がった炎の明かりは其処まで届かない。
 だが、広間まで進んで貴方の目に か細いながらもチロチロと光が見えた。
十五平方メートル程の空間。その四済あたりに燭台が置かれ、チロチロと淡く
空間の暗闇を陰らす。窓側は完全に鉄板で釘付けられ、完全に遮光されてる。
辺りには、余り片づけられてないのか袋に詰まれたゴミが置かれ、そして
床も老朽化してるのか変色してる所があった……。

 
 灯=燭台   ●=貴方    ★=敵 
 ゴ=ゴミ   柱=支柱    ■=変色してる板


 灯□□□□●□□□□灯
 □□□□□□□□□□□
 □□■■□□□□□ゴ□
 □ゴ□□□□□□■□□
 □□□□□□□□■□□
 □■□□□★□□□□□
 灯■□□□□□ゴ□□灯

327『そらの異邦』:2016/10/22(土) 20:14:42
>>326続き

 目を凝らすと、広間の中心に。何処にでもある有り触れた丸椅子に
猫背で男らしき人影が座ってるのが見えた。

 「フンッ 逃げずに、此処までやって来たか」

 貴方を視認すると、鼻を鳴らし立ち上がる。椅子を苛立ち紛れに蹴って横に倒し。
頭を強めに掻いて、胡乱気な口調で告げる。

「あの、『おちむしゃ』共を倒す程度の力量はあるって訳だ。
だが、ハンッ あんなん倒せたからって、お前が強いって証明にはならねぇよ。
 けど、ある程度にゃあ心得がある。そう思って良い。そうだよな、なぁ?
クソがっ。お前はよ、あの町から来たんだよな? 碌に人生苦労をした事もねぇ
甘ちゃんの癖に、日和見の奴から輝き手にして、そんでノウノウと腕試しが出来るって
踏んで、此処に乗り込んだ。なぁ、おい? 図星か、あんっ?
 クソがっ。俺はな、お前らの所為で踏んだり蹴ったりだ。飢えが満たされるかと
思えれば、ぶら下げた骨に飛びつく前に天空のお星さまになったと来たもんだ。
 全部、全部てめぇらの所為だぜ、おい? このフラストレーションの責任よぉ
誰が背負うってんだ? 俺だろ? 貧乏くじ引かせんなよ、クソ。
 ったくよぉ……まぁ、でもよぉ? 今日は幸先良いよな?
 ――てめぇを挽肉にして、俺の未来(道筋)はよ、ようやく始まり迎えんだよ」

    ズゥ   ゥ――zノン。

 『長い棒』だ。 アレは……棍(コン) か?
それを、何もない場所から片手に生み出す 『スタンド』だ。

 「――さぁ 愉しませてくれな」

 ブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンッ……ッッ!!

 『ッ! なんつー回転速度っ。あの野郎っ 相棒!
奴は本当の実力がどうか知らないが、中国武技の達人クラスの手腕があるぜっ!?』

 男は、貴方へ不平不満を一通りぶつけるぞ、手にしたコンを頭上で掲げ
両手で、微動だにせず水平に回転させ始めた。(ス精BB)

 「おらっ 隙だらけだぜぇ?  ――来いよ」

 せせら笑いと共に、男はその構えを維持したまま貴方を挑発する……。

328『そらの異邦』:2016/10/22(土) 20:21:12
>>326のAA地図表記に誤りあり、訂正 ↓訂正済み。


 灯=燭台   ●=貴方    ★=敵 
 ゴ=ゴミ   柱=支柱    ■=変色してる板



 灯□□□□●□□□□灯
 □□□□□□□柱□□□
 □□■■□□□□□ゴ□
 □ゴ□柱□□□□■□□
 □□□□□□□□■□□
 □■□□□★□□柱□□
 灯■□□□□□ゴ□□灯

329蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/23(日) 17:21:15
>>326-327

「期待しないで待ってるといいよ」

行くか。と心の中で呟き歩みを進める。

「三つ言っていいかな」

男と対峙し、男の言葉を聞く。

「一つ。話が長い。男の長話、しかも愚痴や説教は面白くない」

「二つ。まるで悲劇のヒロインだと言いたげな物言いと僕に対して八つ当たり気味に喧嘩を売る態度が気に食わない」

「三つ。お前の失敗はきっとすべてお前のせいで起きたことだ」

霊薬を飲み干そう。
そして空になった瓶を男の棍目掛けて投げつける(パス精BCC)

330『そらの異邦』:2016/10/23(日) 21:53:17
>>329

 貴方は、コンを頭上で高速で回す敵を後目に霊薬を飲みほす。
効能が少し弱くなってたかも知れない意識は、再度さっき飲んだ直後のように
快眠直後のようにシャキッとした状態に陥り。暗闇に蝋燭の明かりしかない空間でも
 相手の動きが良く捉えられる意識に包まれていく。

槍の恩恵による怪力で投げたガラス瓶は、真っすぐ相手のコン目がけ飛んでいく。

 「ハンっ、吠えてな  最後に俺が立ってりゃ それも心地良いさ」

 
   ブゥン ブンブンブンブンブン  パリッ バリ…   パァンッ!

「あん? 攻撃のつもりか……そりゃ? 温ぃんだよ!」

 回転 そして小さな異音   コンにガラスが触れて割れる音。

 男は、蛇喰うの返答に意を介した様子なく。ガラス瓶の投擲にも
皮肉った笑みを浮かべると同時に、徐々に猛禽類を思わせる形を口が作る。

 「――ぶっ 放つぜぇ」

 タッ ンッッ!

 高速でコンを回しながら、男は蛇喰目がけダッシュする!(スC)
コンの回転速度は、遅まる事なく唸らせ一筋の軸のように回る(スB)

 『相棒ッ! やべぇ 来るぞッ!』

エイリアンは短く叫ぶ。  虚像は無傷な姿から……至る箇所に焼け焦げが
見える姿に変わっていく! 単純な火傷とは、異なる気がする。


 現在位置↓  一マス、1〜2mとする。

 灯□□□□●□□□□灯
 □□□□□□□柱□□□
 □□■■□□□□□ゴ□
 □ゴ□柱□★□□■□□
 □□□□□□□□■□□
 □■□□□□□□柱□□
 灯■□□□□□ゴ□□灯

331蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/24(月) 23:24:03
>>330

(火傷……摩擦か?)

(あのへんなやつらを生み出すのが能力と思ったけど)

食らうのはまずい。
ガードするのも心配だ。
とりあえず。

(柱か)

長物の武器というのは遮蔽物に弱い。
それは蛇喰自身が槍の稽古で知ることだ。
持ち運びに不便であることもその射程ゆえだ。
スタンドは持ち運びは楽だが、閉所、室内、物が多い場所で不便である大前提は変わらない。

柱の陰に隠れる。

332『そらの異邦』:2016/10/25(火) 23:01:41
>>331
現在地点↓
 灯=燭台   ●=貴方    ★=敵 
 ゴ=ゴミ   柱=支柱    ■=変色してる板

 灯□□□□□□●□□灯
 □□□□□□□柱□□□
 □□■■□★□□□ゴ□
 □ゴ□柱□□□□■□□
 □□□□□□□□■□□
 □■□□□□□□柱□□
 灯■□□□□□ゴ□□灯


 スッ……

 「あんっ? ケッ
こそこそ こそこそとよぉ……タマ付いてんのかよ、おいっ?
 此処へ来たって事は、命(たま)の取り合いする気満々だったんだろうが、あんっ?
いいぜ、おいっ……何時まで隠れられるか見てやろうじゃねぇか」


 ブンブンブンブンブンブンッ      パチ… パチ……

 『相棒っ 一触即発っぽいから手短に言うぜっ!
相棒が考えてる通り 【受けるのは危険】な感じが俺にもヒシヒシ伝わってる!
 何とか、その持ってる力で。奴を間合いの外から倒せるか考えて見てくれっ!』

 貴方が柱の陰隠れると、怪訝な声を上げると共に挑発。
そしてコンの旋回音にと何かの破裂音が、貴方の隠れたほうへ足音と共に近づくのが聞こえた。

エイリアンの警告も耳元に響く。虚像は、焦げた映像を変わらず視界の端で模ってる……。

333蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/26(水) 23:19:05
>>332

「いや、別にタマの取り合いとか興味無いかな。暴力で悦に入る気もないし」

挑発するわりには攻撃してこないのだからよかった。
まぁ相手の攻撃力を柱でチェックしようと思ったがいいか。

(パチパチ……電気かな。あれも熱発生するだろうし。静電気でも起こしてるのかな)

『竜鱗』を発現。
半径5mで柱の強度を増させる。
そして柱から少し離れておこう。
電気だとして範囲内に必ず攻撃可能とかなら面倒だ。
鱗ができたら槍は柱に向かって構えよう

334『そらの異邦』:2016/10/28(金) 23:48:14
>>333(レス遅れ申し訳ありません)

 ブンブンブンッ   パチ……パチ  パチ

 「へッ   ――溜まった ぜ  『ザ・ショック・オブ・ザ・ライトニング』」

「完全にチャージされた、俺の雷の一撃は……例え隠れてる鼠だろうが ―痺れさすっっ!!」

   ブゥ   ンンッ!!   ガンッ

 風切り音っ! 鋭く素早い木が岩のような(竜鱗でコーディングされた柱)に打ち付けられる音!

貴方の耳に、それは二人だけの闘争の密室の中 大きく木霊する!

(ザ・ショック・オブ・ザ・ライトニングは コンの運動エネルギーを
電気へと変換させ、蓄電し 任意で打ち付けた物体へと放電させる能力っ!)

(この柱とて、導電性は低いとは言え奴が密着してるなら。完全チャージされた
雷撃となった俺のスタンド【ライトニング】なら無傷じゃ済まね……)


      バチバチッッッ!??!?!   ……バチ…………

 「……   ―――あん???!」


 ……風切り音、コンが固いものに当たる反響音と共に電気のショートする
音が僅かに走り、そして敵の少し素っ頓狂と言う音声。
 相手は死角にいる為に、どんなリアクションが完全には不明ながらも
『何かを外した』であろう事を、貴方は直感的に理解出来る……。
 柱には、目下のところ異常は見えない。

『……相棒、攻撃に移るチャンスじゃねぇ?』

 エイリアンが、控えめに貴方の耳に そう呟く。

(※供与者からの回答。
『竜鱗は絶縁体』との答え。故にこのような少し間が抜けた描写とする)

335蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/29(土) 00:09:57
>>334

「さっき言った通りだ」

両手で槍を持って構えている。後ろ側、槍の穂先とは反対側の手に力が入る。
その手で引くような動作。

「お前の失敗はきっとすべてお前のせいで起きたこと」

体をねじって槍を引いた後は思い切り踏み込んで、槍を突き出す(パス精BCC)

「ま、焦らないでよ。焦ったり、自分よがりだったり、早かったりすると嫌われるぜ?」

穂先側の手は放す。
そして後ろ側の手を突き出し、腕を伸ばす。
右半身から左半身になるように体は動き、槍は『竜鱗』を突き破って敵を狙う。

「立川流、武具の四十八手。菊一文字」

端的に言えば『竜鱗』ごと敵を思い切り突く。

336『そらの異邦』:2016/10/29(土) 20:34:01
>>335

 >武具の四十八手。菊一文字

敵にとって、それは『隙』であった。
 ザ・ショック・オブ・ザ・ライトニング
木製のコンを動かす事によるエネルギーを電気に変換しチャージされ
完全なる放電は人を感電死する事も可能だろう威力。それが竜鱗と言う
 暗闇で柱の補装も判別し辛く、絶縁体であると言う知識も持たないものにとって
自信のある一撃が無効となった事と、敵がまだ姿見えない事……それも『緩み』であった。

 けど、貴方は足音でも大体の距離は判別してる。それであり、知ってる。
ドラゴノート それは最強の盾(竜鱗)を破る事許されたり最強の槍 なり。

 ザシュ  ゥゥッ!

 「っ!?! ぉ゛っっ……!」

 血しぶきが、豆腐のように容易く裂いた槍の向こう側から見える。
胸元を赤い一筋が走り、一歩後ずさった敵の姿が見えた。

 「……」

目を見開き、切り裂かれたであろう胸元に手を当て。赤く染まった手の平を
じつと無言で見つめる。


 「……っは」

         「はははははははははははは……もう いい」

     ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
          
 気配が 変わった。表に出ていた荒々しい突風のような男の雰囲気。
その稚拙にも感じる気配が薄らぎ、変わりに内に何か鋭いものが秘められる……。

 『相棒……いまの一撃、良かった。良かったんだが……どうも
奴さんのどっか琴線を触れた見たいだぜ』

 もしエイリアンが人間なら、喉でも鳴らしかねない声で忠告が耳を打つ。


 「――少し嬲って遊ぼうかと思ったか……んな考え 止めだ。
……刀乞(とうこつ)  いざ」

    シュンシュンシュンシュンシュンシュンッッ!!!

 「――参る」

 再度、刀乞はコンを頭上で両手に掲げると水平に回し始めた(ス精BB)
然しながら、今は先程と……雰囲気が違う。

 灯□□□□□□●□□灯
 □□□□□□□柱□□□
 □□■■□□□□□ゴ□
 □ゴ□柱□□★□■□□
 □□□□□□□□■□□
 □■□□□□□□柱□□
 灯■□□□□□ゴ□□灯

337蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/30(日) 22:26:24
>>336

「……ま、好きにしなよ」

雰囲気が変わろうとなんだろうと関係はない。
敵は倒す。自分が勝つために動く。それは変わらない。

(あの動作はなんか溜めてる動きだ)

なら棍に触れるべきではない。
痺れるという言葉から考えるに電気だろう。
攻撃をしてその防御で棍を打たれても困る。
ただ放置しても始末が悪い。

「はぁ……」

フェイントだ。
槍で突く動きをして後ろ側の手で引いて当たる前に槍を引っ込める。相手の行動を誘う。

338『そらの異邦』:2016/10/31(月) 00:02:19
>>337

   シュンッ   ――。


貴方は、フェイントを行う。ドラゴノートを突き出し、ひっこめる(スC)

それに対し、敵 刀乞(とうこつ)は   ……微動だにしない。
 焦点を貴方のいる場所だけに止め、コンを頭上で回転させ続けている。


 「……『一度 だけ』 だ」

    ビリ   ビリ……。

「一度だけ 今のは、見逃す。情け じゃねぇ。
侮って 勝手にそっちの力量を下だと舐め臭がって、無様に傷が付いた
自分自身への戒めだ。今の 一度の挙動。それは見逃す   フゥー...」

 呼気を鋭く吸い、刀乞は片手で腰に据えるようにコンを構え右脚を軽く曲げ
残る左足と間隔を多少開け、腰を溜める動きをした。

 「…………」   ザリ…


『相棒……ッ 奴から迸る、こちらに対しての気配っ。
奴の攻撃の方法までは把握出来ぬものの、次に俺達。いや相棒が動けば
 恐らく間違いなく攻撃してくるぜっ! 対処が間違えれば致命傷を負うかも知れない!』

 エイリアンが口早く警告を貴方へ送る。対し、敵は静かに
電気が走る鈍いショート音を出しつつ、貴方との距離を僅かに詰めた。

 ●=貴方 ★=敵

 灯□□□□□□●□□灯
 □□□□□□□柱□□□
 □□■■□□□★□ゴ□
 □ゴ□柱□□□□■□□
 □□□□□□□□■□□
 □■□□□□□□柱□□
 灯■□□□□□ゴ□□灯

339蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/10/31(月) 23:16:24
>>338

(んー)

(どうするか)

『竜鱗』は絶縁体だ。
先ほどの電流を防いだ時にそれは証明されている。
ならばあの攻撃が柱など『竜鱗』が発現した場所に当たるのは恐ろしいことではない。
ただし今の敵はそういう攻略が簡単にできるとは思えない。

広い場所をとろう。
マップ左側の床に『ドラゴノート』を突き刺し、前の柱を蹴って跳躍。
棒高跳びの要領で宙を移動する。
本来いた場所から大きく、さらに地上より高い位置を移動して攻撃をかわすのも狙う。

340『そらの異邦』:2016/11/01(火) 17:49:02
>>339(レス遅れ失礼した)

 シュッ   ドンッ    タンッ…

 貴方は、ドラゴノートを地面に突き刺し柱の蹴った力を利用して
二メートル程、空を迂回して大きく移動を行う。

 「シッ……ッ! むっ!」

 その直後、貴方の『背後』へと。敵 刀乞はコンを突くような動作をしつつ
俊足(スB)で現れた。

 「奇術(柱貫き刺し)の次は大道芸か? ……その『隙』 貰うぞォ!」

ドンッ!  タッ――!  バチバチバチバチッ

 コンを両手でビリヤードの球をつくように構え、一気に駆ける! 俊足だ(スB)
心なし、刀乞の体に紫電が一瞬覆ったかのように蛇喰には視えた。

『!ッ 相棒、あいつ 速いぞ!? どうするっ ただ地面に足つけて
棒立ちしたら、恰好の餌食だっ 』

棒高跳びするように前へ(MAP左)移動する貴方を追うように、着地の
時点を狙い攻撃しようと。パチパチと言う不穏な音を鳴らすコンを構え
貴方へ駆ける刀乞……次の動き……対処を間違えればッ

  ●=貴方 ★=敵 ※=次レスで高跳びした移動地点

 灯□□□※●□←★□灯
 □□□□□□□柱□□□
 □□■■□□□□□ゴ□
 □ゴ□柱□□□□■□□
 □□□□□□□□■□□
 □■□□□□□□柱□□
 灯■□□□□□ゴ□□灯

341蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/02(水) 00:26:02
>>340

「電気で加速とか漫画かよ」

とはいえ不味い。
非情に不味い状況だ。

「あらよっ」

相手の位置と槍の位置関係はわからないがとりあえず思い切り両腕を振るように動かす。
シーソーが傾くように槍の穂先が相手に向かって跳ね上がるはずだ。
それか相手が槍の穂先より内側、蛇喰側にいるのなら
人外の膂力で登り棒を登ったりする要領で槍にまとわりついて移動する。
現在の体勢にもよるがさかさまに近ければやりやすいだろう。
また相手が近づいていれば膝蹴りで迎撃できるように膝は曲げておく。

342『そらの異邦』:2016/11/03(木) 06:48:31
>>341(レス遅れ失礼しました)

 >「あらよっ」

 貴方は、相手がこちらへ急接近するのを視認すると同時に
ドラゴノートの飛び乗った柄に体重かけるようにして傾ける。そうすればはどうなる?
 決まっている。負荷が掛かった穂先は蛇喰とは逆の方向へと逸れる……刀乞へと!

グィイインッ!! ブゥン!!

 「!  シッィ――!」

  ギィィン  ンンッ……!

 「っ……パワーは、そっちの得物のほうが上かっ」

 跳ね上げられたドラゴノートの穂先は、刀乞の上半身に向け振られる。
危険を察知した敵は、刃より少し先部分にコンを合わせるように構え(ス精BB)

 固い反響音が出ると同時に、踏鞴を踏みつつMAP上の壁に軽く叩き付けられる
ようにしながらも、刀乞は未だ余力が残る状態で立つ。

バチバチ バチ…

 「チィぃ! 燃費が激しいからな……くそっ」

「一旦……お前には 近づかない」

  ――スッ…

刀乞のコンから小さな電流が走る音、そして止む音が鳴る。敵は舌打ちすると
 蛇喰を警戒しつつ横へ移動した……柱の陰だ。

『んっ? あいつ……いまコンに蓄積された電気が途絶えたって事か?
 はははぁぁん……この名探偵エイリアンは何処となく察せられてきたぜぇ。
コンを動かすと電気が蓄えられる。そしてソレを放電……もしくは自分の
運動エネルギーを増長させるエネルギーに変換出来る……って事だろ!? 相棒』

エイリアンの推理も貴方の耳に流れてくる。距離は……比較的ある。


  ●=貴方 ★=敵 


 灯□□□●□□□□□灯
 □□□□□□□柱★□□
 □□■■□□□□□ゴ□
 □ゴ□柱□□□□■□□
 □□□□□□□□■□□
 □■□□□□□□柱□□
 灯■□□□□□ゴ□□灯

343蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/04(金) 00:18:05
>>342

(スピードはお前の方が上みたいだけど)

(よーいどんではお前が早いからなぁ)

力が強かろうが当たらなければ意味がないのは確かか。

(……面倒くさいな。一気にやってしまいたい)

(あの傷で運動してるのも驚きだけど)

いったん『竜鱗』の範囲を0にして変色している板の状態を観よう。
脆さとか変色してるだけの床かどうかなどを調べる。

344『そらの異邦』:2016/11/04(金) 21:51:19
>>343

 貴方は『竜鱗』を一旦解除し、周囲にある変色した床を
観察する事にした。周囲は、四方の端に置いてある燭台の明かり以外で
光源はない。だが霊薬の効果もある為か、色違いの床のある部分もある程度
貴方には識別して理解が出来る気がした。

……銅 アルミ だろうか?

 『なーるほどな。電気は銀 金 銅にアルミなど電気を良く通しやすい。
相棒が知らずの内に、その床のあるほうに移動してた場合。奴は
あのスタンドの棍棒から生み出す電撃を伝って攻撃しようとしてたって、所だな 相棒』

 視界の隅で  ……全身が赤や黒に焼け爛れた姿の貴方の虚像のまま
納得した様子で頷く、エイリアンが産み出した映像がちらつく。

  
 ブンブンブンブンブンブンブンッ    パチ  パチパチ… パチ

 ……柱の隠れた場所から 棍の回転音が響く、ショート音も健在だ。

 『チッ 相棒の竜鱗ってのがある限り。遠距離から奴が床とかを通して
放電させる事で感電するリスクは考えなくても良い。
 けど、奴は電気で加速する事も出来る。何かジリ貧だな どうにか出来ないものか』
 
 エイリアンの悩む声が聞こえる。敵も、チャージが終われば新たに仕掛けてくるだろう……

345蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/05(土) 23:38:28
>>344

(ダメージ床か)

『竜鱗』で潰せるからいいが。
隣の変色していない床の具合も見てみよう。コンクリートかな。
電気を通さないものだったりするだろうか。
それと可能ならゴミを見てみる。なにが落ちてる?

346『そらの異邦』:2016/11/06(日) 00:03:45
>>345

 貴方の考えてる通り、『竜鱗』は本体の周囲の動いてない無機物
もしくは生物を覆う。そして更に絶縁体であり火にも強い

 振るえる力としては心強く、そして敵に回すとなれば厄介……。

 そう、『厄介』だと  ……敵(刀乞)は感じてる。

変色してる床以外は、一般的なコンクリートだ。
 導電性で言えば、そこまで電気を通しはしないが近くで放電が起きれば
常識的に危険な事はうかがえる。そして 肝心の『ゴミ』 だが



 「――フゥ 正直よぉぉおぉ〜 その補装? 鱗? よ。
かなり、俺の能力と相性が悪い…… 悪いからよぉー」

   ジャラジャラ

貴方が室内に入った時、目にしたゴミは。業務用のポリバケツらしきものであり
蓋は閉まっていた。中に何が入ってるかは目にしてない。

 然しながら、敵は棍以外無手であったに関わらず。いま現在、だ
柱の反対側の死角より現れる。気怠い感じを匂わせつつも退く気は微塵もない
『棍に何やら鎖状のもの』を床に垂れ下げ、そして……

「 ――このまま この距離で……てめぇを嬲り痺らす ぜっ」

  ブンブンブンブンブンブン  

              シュンシュンシュンシュンッッ!!!

   ギャン ギャン  ギャン  ギャンッッ

『 あ 相棒……っ    や 野郎 あのゴミ箱に忍ばせてたのか
自分自身の武器を   電気を出せる棍   そして鎖
 やばい   こりゃ  やべぇぞぉ――ッ!』


 頭上で、再び棍が回転を始める。だが、今度は棍に繋げられた
鎖らしきものものだ!! 壁に接触せぬよう巧みに頭上で上下に角度つけ
伸ばし振りまわる鎖は床を軽く抉りつつ唸るっ(ス精BB)
 エイリアンは、次なる最悪の予想図に歯噛みする声を上げる。
虚像も、赤黒い焦げと共に鎖状につけられたらしい火傷痕も二の腕部分に
見受けられたような気がした……。

  「限界まで……溜める」



  ●=貴方 ★=敵 


 灯□□□●□□□□□灯
 □□□□□□□柱□□□
 □□■■□□□□□ゴ□
 □ゴ□柱□□□★■□□
 □□□□□□□□■□□
 □■□□□□□□柱□□
 灯■□□□□□ゴ□□灯

347蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/06(日) 00:39:21
>>346

「……ふぅ」

(なあんか、横着せずに床の方行って確認すればよかったなぁ)

(窓割ったときもそうだしなあ)

いずれにせよ過去のことだ。
変えようもない。

(だるいなぁ。このまま長期戦っていうのも好きじゃあないし)

(ま、死んだら死んだ時だな)

斜めに走り、変色した床の辺りまでいく(スC)。

348『そらの異邦』:2016/11/06(日) 22:57:20

>斜めに走り、変色した床の辺りまでいく

一応確認。MAP左下の柱と接触してる床で問題ないでしょうか?

349蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/06(日) 23:24:06
>>348

その床の左隣です

350『そらの異邦』:2016/11/06(日) 23:35:29
>>349


  ブンブンブンブンブンッ  バチ バチバチッ゛!

 「―溜めた  ぜぇ   ぶっ痺れろォオ!」

 ぶうぅんっっ゛!

 もう一つの柱のある場所目がけ走る貴方へ、刀乞は軽く跳躍して
貴方目がけ距離を僅かに詰めると同時に棍を大きく振る。

 鎖は空気を切り裂く音と共に 貴方へ向かって白金の線が一直線に飛来してくる!

 『相棒----!』

 エイリアンの劈くような叫び声も聞こえる。

 
  ●=貴方 ★=敵 


 灯□□□□□□□□□灯
 □□□●□□□柱□□□
 □□■■□□□□□ゴ□
 □ゴ□柱□□★□■□□
 □□□□□□□□■□□
 □■□□□□□□柱□□
 灯■□□□□□ゴ□□灯

351蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/06(日) 23:58:36
>>350

鎖の軌道(縦とか横とか)と蛇喰までの距離はわかりますか?

352『そらの異邦』:2016/11/07(月) 00:09:32
>>350
失礼、描写不足であった。

真上から下に振り下ろすように敵(刀乞)は棍棒を振った。
故に、縦から鎖は蛇喰目がけて直撃しようと伸びている。

 現在、敵との距離は7m程であり。鎖の長さは大体10m前後。
鎖と蛇喰の距離は約2mほど。スピードはB 直撃するであろう部位は
二の腕が一番近いと予想出来る。修正や行動に指摘する事なければ
蛇喰の現在の体勢はドラゴノートを胸に抱えるように構え走ってるという
状態と判断する。

353蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/07(月) 00:55:35
>>350

(はぁ……)

(ま、いいかな。こういうのもな)

『竜鱗』を発現、半径は3mでいいだろう。
一呼吸置く間に生まれてくれるだろう。

(速いな)

(どうでもいいけど)

そして、襲い来る鎖を斜めにずらすように叩き落す(パス精BCC)
まぁ相手のスピードからすれば叩き落すより、逸らすという方が適切にあるかもしれないが。
『ドラゴノート』を横に振って縦に落ちてくるものを弾きに行く。
体に当たろうが何であろうが床に落ちさえすれば発現した『竜鱗』で放電する。
それに、体に電気を受けることになるだろうがそこは仕方がない。
電圧よりも電流の問題であるし、一瞬であれば感電死もしない。
パワーはこちらが上だ当てれば弾ける。

354『そらの異邦』:2016/11/08(火) 16:41:55
>>353

 ビュゥ――!

風を切る音が貴方の耳に入り込み、視界に一筋の銀色が頭上から迫って来るのを直視する。

貴方は半径3m程度に『竜鱗』を産み出し、ドラゴノートを振る。
 そして、鎖はドラゴノートに接触して弾かれ……


 「――ザ・ショック・オブ・ザ・ライトニングッッ!!」

   パ   ァ     ――ンッ!!

 (――勝ったっ)



刀乞は、確信していた。
 『竜鱗』 その名称こそ不明なものの新緑色の、あの床やら柱を
蛇喰の周囲に自然と産み出される、絶縁の自然の盾
 だからこそ、刀乞は狙っていた。蛇喰の武器(力) 『ドラゴノート』自体をだ。

(奴の武器そのものに絶縁の力がある可能性は 低い。
俺のザ・ショック・オブ・ザ・ライトニングは、完全に充電されたならば
くどいと思うかも知れんが、直撃でも間接的でも、一瞬昇天するレベルの威力だ。
 だからこそ……    ――だからこそっ)


 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

 「可笑しいだろうがよ」


     「てめぇの、その『槍』 一体どう言う代物だよ……ッ」

 貴方は 自分の目を一瞬疑うかも知れない。


……『電流』が 『纏わりついている』
 『ドラゴノート』
太刀打ちは柄の穂先側『30cm』程。その部分にある『赤い鱗』
 それに紫電が、まるで吸着するようにドラゴノートの先を覆っていた。
当然、貴方の知識には……このような秘めたる能力がある事を知らない。

 「周囲に生まれる『鱗』以外で……槍そのものに、俺の
ザ・ショック・オブ・ザ・ライトニングを完封する力 だと」

「いや……そんなん『出来過ぎてやがる』 『都合が良過ぎる』
 お前っ   もしや  ―――ッ!!?」

 刀乞は、何かを悟ったかのように目を限界まで開ききった。
それと、共に。
 「オ   ――オオオオオオオォォッッ!!!」

ギャンギャンギャンギャンッッ!!!   ビりッ  ビり……!

 鎖を……『振り乱す』。不規則な感じで刀乞は周囲の床を抉りながら
鎖を高速(スB)で踊らせる。それと、共にまた電流が高まる音を
 血を吐くような刀乞の咆哮を、貴方は聞いた。

 「――ざけんなっ  ふざけるな。全て 全て手の平だって言うのか!?
俺が、貴様に敗北する事を  『運命』に記してるつもりかっ!!
 不山戯るなっ!! 俺を 否っ、俺達をっ!! 光を消してても黒として
輝こうとする対の意思をっ!! 全部、全部否定されて堪るかってんだっっ!!
 俺の……
俺の信念(ザ・ショック・オブ・ザ・ライトニング)は 俺だけの物だ!
 この怒り(雷)の坩堝へと   消え失せろっ 光『正義』――!!!」

 エイリアンが警告を発するまでもなかった。
全身全霊の一撃 何かの『逆鱗』に触れた敵(刀乞)は貴方に
その雷を次で与えようとするだろう……

355蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/09(水) 00:11:27
>>354

「ん?」

「なんだこれ」

なんだか分からないが助かった。
神様に感謝だ。

「いきなり名前で呼ぶなよ」

「教えてもないのに。僕のファンかな? でなければストーカー」

「ま、もう一人の僕とか僕の闇の部分とかではないよね」

ゴミ箱を見る。
先ほど男は蓋のしまったポリバケツを置いていたはずだ。
自分の近くのゴミもそれであるか確認。
蓋のしまったポリバケツならそれも『竜鱗』で固定されているはずだ。
それに向かって走り、飛び乗る。
そしてそこから柱に向かって跳躍、『ドラゴノート』で柱を刺して持った蛇喰と共に宙で固定されるようにする。

「それと、僕は蛇喰正義だ。光じゃない」

356『そらの異邦』:2016/11/09(水) 22:09:26
>>355

 唐突なる、能力の成長 と思われる展開。
それを貴方は疑問に生じるも戸惑う事なく、自分の利になると判断して素早く行動する。

 
 タタッ トン ザシュ ッ

 想像通り、ゴミはポリバケツのゴミ箱。それを竜鱗で固定し跳躍
さらに持ち前の腕力と共に支柱へ刺し、力も能力により底上げされた
貴方は難なく柱へと寄りかかるようにして宙に滞在する。

 「! はんっ……奇術と大道芸の次は、曲芸 ってか?」

 刀乞が次に行動として考えていたのは、完全に蓄電したスタンド棍を
鎖に伝わらせ、貴方へと直に今度こそ鎖が触れると同時に放電させる事。

だが、柱に沿うように宙にいるとなれば。刀乞にとっても攻撃の範囲が
限定される。そして、ついさっきのドラゴノートが電撃を完全に無効にして
受けた事も考えれば……行動も狭まれていた。

 ジャラジャラ……チャリン

 「ならば  ――直に貴様を痺れ潰すッ!」

 トンッ ビリビリ    タッ――ッ!!

スタンド棍に巻き付けていた鎖を外しての……貴方目がけての『疾走』(スB)

電流を介して運動能力を一時的に底上げしてるのだろう脚力は、銃弾に迫る速度で
貴方が其の方角に意識が集中する最中にも、距離が縮まる。
 刀乞との残る間隔は……約『3m』と言うところだ。

 「しび    れ堕ちろおおおおおおぉ!!」

 ビリ バリ  タンッ!!

その速度を維持したまま、貴方めがけ棍を振りかざし跳躍する(パス精CBC)

 『来るぜっ、相棒! 焦るなっ。いまの相棒は其の武器も電撃がほぼ
無効になるようになってるんだ。速くても、冷静さを保ってりゃあ打ち倒せる!
 ここが踏ん張り時ってもんだぜっ!』

 エイリアンの声、そしてエールを送る虚像。
……その虚像の姿は、貴方から見て柱に寄りかかる脇と反対の脇腹部分に
大きく火傷に似た映像を、視界の端で映し出していた……

357蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/09(水) 23:40:50
現在、男と蛇喰はどちらが上になっている?
男は跳躍して蛇喰の位置に到達しようとしているという認識でいい?

358『そらの異邦』:2016/11/10(木) 20:37:01
>>357

>男は跳躍して蛇喰の位置に到達しようとしているという認識でいい?

その認識で問題ない

359蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/10(木) 23:19:46
>>356

「いや、僕は徹頭徹尾武芸さ」

体をふって『ドラゴノート』を回す。
『竜鱗』に覆われている柱なら問題なく刺し、切り、抜けるだろう。
空中で反転する様に動けば槍の穂先が敵に向けられる。
体を傾け、可能なら柱を蹴ったりして
槍の穂先を相手に向ける(パス精BCC)。
相手はこちらに向かってくる。突く動作をする意識はするができるかは不明だ。
ただ、相手の来る位置に槍の穂先が置かれる。
跳躍の勢いそのままに刺さるといい。

「立川流。覚えておくといい」

360『そらの異邦』:2016/11/11(金) 22:38:29
>>359

 
 紫電を振り乱しながら、血を吐くかのような形相で乱気流の如く闘気を纏い
スタンド棍(ザ・ショック・オブ・ザ・ライトニング)を振り抜こうとする刀乞。

そして、依然 自然体のままに『竜鱗』の覆った柱へと、縫い付けるようにした
槍(ドラゴノート)を水面の如く静かに、それでいて速やかに。
 壁の硬度関係なく抜き切る蛇喰。

 上(蛇喰) 下(刀乞)  

    天と地     静と動
竜と虎     光と闇     

 相反する二人は、そのまま自身の力『得物』を振りかざし 交差する。
 
    ――ズシャァ     バチ  ――ッ゛

 貴方の右脇腹に 鋭い熱と刺すような痛みが僅かに走る。

目線を向ければ、服が僅かに焼け焦げ 小さく服が食い破られ 
 覗かれた素肌は赤く腫れて 僅かながら水疱(すいほう)も見えた。
スタンド棍  ザ・ショック・オブ・ザ・ライトニングによる放電の影響だろう。
 棍はドラゴノートには触れず、蛇喰の腹を直撃はせずとも掠めたのだ。

 後ろから、踝を返す足音が聞こえる。

 「へ    や った   ぜ……

                  ポタ     ポタ

た ちがわ?  はっ んな名前 聞いた事ねぇ
 お おおれの  武芸のほうが  う え…… あん?」


  ポタ   ポタポタポタドク   ドクドクドク……

  「……ァ   止まん ねぇな  血 こりゃ。 
はは、んだ こりゃ? し 痺れねぇな くそっ」

貴方の槍を受け 敵(刀乞)の反対側の脇腹にも鋭利な刺し傷が生まれていた。
 血が溢れ、地面に血の水たまりが今も生まれ広がっていく。手当をしても
良くて数カ月は病院で過ごす事になるであろう重傷なのが見える。
 軽く膝を折り、脂汗を垂らしながら。スタンドの棍を杖代わりに倒れぬように
自分を支え、そして貴方に一歩足を出す。

 「お   ぉ  …ぉ ら……  ま  だ  だぜ・・・

お  おおお お俺は    こ  こんな所じゃ お ぉわら 終わら ねぇ。。」

 肝臓、または腸の一部が裂けてるのだろう。血は、更に刀乞の下半身を濡らしてる。

 「お  俺  ぉれは   おれ の  道を 築く んだ。
えくり  ぷす……あ ぃつ等は 道半ばで 誰かに捥がれた 負け 組
 ぉれ は…… 
俺 は……だ  だだれよ  だだだだだだれよりも  誰よりも
何よりも  つ  強く  強く……」

  ボタボタボタボタ   ビチャ   ビチャ……。

 
『……相棒、どうする?  このままじゃ こいつ』

 死んでしまうぜ? そう、擁護するような言葉を途中でエイリアンは
貴方の心情を考えた上でか、選択するのは貴方自身であると理解した故に
空気を読んだのか言葉を止めた。 そうだ、選択は貴方にある。

361蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/12(土) 00:28:42
>>360

「……痛っぅ〜〜〜」

傷口を見て眉をしかめる。
触ってもいたいだけっぽいのでおいておこう。
にしてもひどい目に遭った。

「ん? まだ生きてたの」

「まぁ、知らないだろうね。これから世界に響かせ思い出させる名前だから」

人をここまで刺した経験はなくとも見ればわかることというのもある。
相手を見据え、槍を構えるがもはや死に体。
さっきまでのように気を付ける必要もないだろう。
おごりではなく、今ここにある事実、結果として。

「人間、負けるよ。いつだって偶然も必然もごっちゃにして」

「だから鍛えるわけだけど。終わりたくなくても、強くなりたくても、負けるよ」

「強者に、運命に、偶然に、理不尽に、格差に、自分に、負けて負けて負けるんだ」

かつて蛇喰にも膝をついた時がある。

「強くなりたければ立川流に入れ、と言いたいところだけど手心やおせっかいは屈辱だろう?」

「同じ武の道を歩むものとして、次につながる敗北をあげよう」

「お前を倒すのは立川流。その使い手、蛇喰正義」

「刀乞、手向けと受け取れ」

敵の心臓へめがけて『ドラゴノート』を突き出す(パス精BCC)

362『そらの異邦』:2016/11/12(土) 23:45:37
>>361

     ――ザ  ス・・・

「 ――ぁ゛  ……」

 蛇喰の、ぶれる事のない心根の如く。真っすぐにドラゴノートの穂先は
吸い込まれるように 刀乞の心臓を刺す。

 目を見開き、彼は僅かに視線を下に向け。そして


 「……フィ ルムは 一番後ろのゴミ箱だ」

 がた っ

 膝をつき   握られた棍(ザ・ショック・オブ・ザ・ライトニング)は
泡沫の如く消え 刀乞は震える人指しゆびをゴミ箱へ向ける。

 「…………っ」

 「蒿里誰家地
 聚斂魂魄無賢愚
 鬼伯一何相催促
 人命不得少踟躕…」

(この荒れ果てた里は、誰の家地か
集まりし魂、埋められた肉体に賢愚の差は無いのだ。
 鬼伯は彼らへと促す
人の命は安息の地を得られず彷徨いつづけるのか…)

                          ……ドサッ…………


 水たまりに大きなものが倒れる音、ひと一人が倒れる。
フゥー と耳に貴方の音声で溜息が生じた。視界の端の虚像も
 ついさっき生まれた傷と連動した、貴方のいま現在の姿が映えて居る。

『楽勝、とは言えなかったが……まぁ、相棒 よく頑張ったぜ。
 さぁ、帰ろうぜ! 俺もだいぶ疲れたぜ 本当
こんなに神経が磨り減るような事 寄生ライフで何度目だったかね、本当に
 さぁー これから忙しくなるぞ! 他の仲間が何処にいるか探さないといけないし
相棒の精神を掌握する為にも、これから仲良くしようぜ なっ!』

 エイリアンはすっかり調子を取り戻したようだった。

最後に刀乞が示したゴミ箱も、開くとフィルムらしいものを収めた
小さな袋を発見することが出来るだろう……。

363蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/13(日) 00:44:55
>>362

「はいはい。遠慮せずもらっていくよ」

(蒿里曲かな)

合掌は必要ない。
ごみ箱に向かって歩いていく。
何かよくわからない寄生虫は無視しておく。

「さて、どうなってるかね」

袋を手に取ったらフィルムの状態を確認しつつ女に電話する。

364『そらの異邦』:2016/11/14(月) 09:37:08
>>363

ゴミ箱の中には、廃棄用であろう少し大き目の露出されたガラス板
また、幾つかの貴金属の破片なりが入っていた。恐らく、刀乞との戦いに
時間が掛かるようであれば、この道具も使用して蛇喰に遠距離からの攻撃を
したのだろうである事が伝わって来た。
 その中心に、黒い小さ目の封筒。そして円筒の形が浮き上がってるのが
封筒の膨らみから解る。中身も、既に切られた封から覗けば確かにフィルムだと
貴方には確認出来た。 依頼品は確保した

『相棒 何気に俺の事に関して失礼な事もしかして考えてない?
 まぁ いいや! さっさとこんな辺鄙で真っ暗で碌な思い出のない場所から
おさらばだ! うん? 電話するのか? 手短にしろよー もぅ!』

 エイリアンの煩しい言葉を他所に、着歴から貴方は依頼主にコールする。


 pululululu…… pululululu……  pu…

 「あははは もしもし。

ふむ 取り戻してくれましたか。それに、中身も問題ないと。
 ははは 大変結構です。お疲れさまでした
貴方の終始揺るぎない意思には感銘を受けます。この先にも貴方の紡ぐ
世界はきっと、見守る観衆に手を汗握らせるようなドラマを繰り広げるのでしょうね。
 ははは、戯れ言 戯れ言ですよ はい。
私からは、ビッグクランチに戻って頂ければと、その言葉だけです。
 本日はシフォンケーキがお薦めの日ですね、良ければ出来立てを予約しておきましょう」

女は、貴方に笑いつつ告げる。
 尋ねたい事があれば、今も良い機会だ

365蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/16(水) 00:14:38
>>364

「シフォンケーキ? あぁ……用意してもらっといて」

「なんだか疲れたよ。甘いものが食べたい」

さぁ戻ろう。
宇宙人は無視して。

366『そらの異邦』:2016/11/16(水) 20:02:11
>>365

 貴方は淡々と電話の主である女の声に応答する。
疲労は当然ながら存在する、足の裂傷に脇腹の軽度の火傷。
 命に支障はないものの、それのやりとりをした感覚はついさっきの事だ。

貴方はビル一階まで降りる。その時一つだけ奇妙な事があった。

『あれ?  …あいつら、何処いったんだ』

 ……『死体が消えていた』

非常階段の下にあった筈の、全身火達磨になっていた死体。
 通路にあった筈の、ドラゴノートで刺したボウガンの集団。

それが、忽然と夢か幻覚であったかのように無くなっていた。
 非常階段付近などは、あの爆発的な延焼が起きた跡が見えたものの
それ以外で死者の残り香は感じ取れない……。

『変だな……血の跡やら、そう言うのも消えてる。
嫌な感じは、別にしないが  ……うーん。
 うんっ あんまり気にしないほうが良いなっ。どうせ、もう此処に
戻る事は無いんだしっ。嫌な事は忘れて外に出よう、相棒っ!』

エイリアンの声に導かれる訳でもないが、済し崩し的に言う通り外に出る。
 眩しい光が、外に出ると貴方の頭上を襲い微かに眼底を圧迫する。

『    ――おぉ 相棒っ  ……綺麗な風景だな』

 気づけば、まだ陽は上にあったのが地平線まで下がり夕焼けを映し出していた。
常陽町にはコーラ工場と学校を除き、高所の建物はない。
 美しい夕日が貴方の視界に広がる。

貴方の音声で 感嘆の溜息が漏れ出るのが耳に届いた。視界の端では
 蛇喰の、貴方の虚像が貴方らしくない笑顔で夕日の方角を見てるのが視認出来る。

『素晴らしいもんだなぁ 相棒。 
幾多の惑星の生物に寄生してさ、色んなものを見て賢くなってたつもりだけど。
 この夕焼けって言うのは 今まで見たどんなものよりも 何て言えばいいのかな。
堪らないぐらい胸が満たされる。って表現をすれば良いのかな? そんな感じなんだ。
 あぁ 嬉しいなぁ
俺は これから先 こんな美しいものを何回でも見る事が出来るんだ
 変な台詞かも知れないが 有難うよ 相棒。
 お前は俺を疎ましいと思ってるが 今 さ
この惑星の美しさの一面を見れて かなり幸せだよ 俺』

 エイリアンが、そう貴方の反応構いなく感謝を唱えた。

 ……もう少しすれば、日は落ちて宵闇が訪れるだろう。

(※常陽町で何か未だする事があるなら、次レスで記してくれば反映する。
特に何もないのなら、次は『ビッグクランチ』のシーンに移る事になる)

367蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/17(木) 17:56:28
(そう言えばこうらさんだったか)

そんな人間がいたはずだ。
挨拶だけでもしておこう

368『そらの異邦』:2016/11/17(木) 20:25:05
>>367

 貴方は、『霊薬』の造り主である。 『こうら』
彼の老人を思い出した。日が沈んでいくのを確認しながら
 コーラを製造する機械音が響く建物を通過し、街燈が街並みを
照らそうとする中で、貴方は再びあの倉庫の場所に戻って来た。

 こうらさんは、その場所にいた。小さなストープがパチパチと音立てる中
その上には小さな鍋が煮え立っており、食欲が少し湧くスープの香りが漂う。
 
 老人は、遠い場所を最初こそ見つめていたものの。貴方が声をかけると
再び生気を瞳に宿し、そして僅かに安堵の色を浮かべ口開く。

 「戻ってこれたか……悪魔には、出会えたか?
霊薬は、どうやら飲んだようじゃな。効能は今日中に消えるじゃろう
 純度がな、アレでも低い。十年か前であれば三日三晩意識が淀みなく
覚醒するものとて作れたが……材料は、もう手に入れるのが叶わなくてな」

「……もう何十年も前になるかな。儂は あの悪魔に出遭った。
昔の頃の儂の姿を借りて、昔の儂の声を使い……
 奇妙な奴だったよ。だが、どうも憎めない奴じゃったな」

そう、過去を懐かしむ老人の声は懐古の念に溢れていた。

 『うん? 何だこの爺さん。俺達、精神寄生生命体の宿主なのか?
いや、でも過去形だな……ぉぃぉぃ 俺達 寄生生命体を この爺さんは
消し去ったって言うのか!? どんな末恐ろしい事をしたって言うんだ…』

 エイリアンは、如何にも怯えた口調と 貴方の姿を織りなす。
老人の話は続く。

 「……この町はな。昔は全ての者が 本当の家族のように 支え 
生命の躍動感に溢れていた。
 だが、今や 
今や、この常陽町には。翳りだけが 目に付く……振り払う術も力も儂にはない。
 仲間も、もう居ない……儂は、酷く疲れたよ とても疲れた。
…………儂 は ……一人 か
 この 呪われてしまった  町  で……一人  終わりまで 立ち続ける
 ………………だが それ でも。
儂は…………この町と添い遂げると 決めたんじゃ…………」

 こうらさんは、瞼を閉じかけようとしていた。
命に別状はない、ただ 酷い睡魔に覆いつくされようとしてるだけだ。

369蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/18(金) 00:43:48
>>368

「……憎めないやつってのは遠い記憶になったからじゃないかな」

「さようなら」

眠る人間に用はない。
この面倒な荷物を下ろす方法を教えて欲しかったが仕方がない。

(いっそ槍で自分刺して死んでやればこいつも消えるかね)

370『そらの異邦』:2016/11/18(金) 23:11:26
>>369

 貴方は老人との会話を終えると共に常陽町の駅に戻った。
日は完全に沈み、空に星が浮き出ていく。
 
『いやはや、それにしても相棒の意識の中に根付いた瞬間に
あんな大変な状況に巻き込まれるとはな。
 俺の寄生ライフの中でも 1、2を争う体験だったと言っておくぜ。
一番は、俺が11番目ぐらいに精神に寄生した生き物と過ごしていた時
惑星に隕石が衝突するって事が解った時かな。いやー、隕石が衝突する前に
粒子並みに小さな状態に戻ったり何なりの工程を踏まえるのなんて、本当大変でさ……』

電車の中でもエイリアンはペチャクチャと
 SFに通じるものや、宇宙人を調査する学者なら感涙するような話かも知れない。
だが、意識を支配されると脅されてる者にとっては全くもって下らない内容かも。
 そのような人にとって価値が変わるエイリアンの体験談やら何やらを延々と
貴方の耳元に流れていた。視界の端でも、蛇喰の虚像が身振り手振りで会話する様を見せつける。
 今のところ、凄く目と耳障りだと思える挙動と 霊薬を飲んだ事によりしっかりした意識を
除いて貴方に何か支障はない……。

 
 貴方は慣れ親しんだ空気と喧騒の夜の星見町へ戻って来た。
『ビッグクランチ』のある場所へと滞りなく戻る。

中へ入り、今が一番賑わう時間帯なのだろう多数の客が酒なり食事を
楽しむ声に出迎えられつつ入ると、依頼主と一緒に居た時のウェイターが
貴方へ近寄って来た。

 「蛇喰様、で宜しかったでしょうか? 
既に席は予約されてますのでご案内します、丁度デザートも焼きあがった所です」

依頼主が気を利かせたらしく、用意された席へとウェイターは貴方を案内する。
 席につくと同時に、電話でも告げていたシフォンケーキ、そしてウイスキーの
オン・ザ・ロックが運ばれてくる。運び終えると共に、ごゆっくりと告げて
ウエイターは会釈をして立ち去っていく。
 依頼主の姿は今のところない

 ……すると。

 「お? 何だ、既に来てたのか。言ってくれりゃあこっちで奢ったのによ」

背後から、聞きなれない声がした。
 貴方が振り向けば、やはり見覚えのない30過ぎぐらいのギョロッとした目つき。
決して善人面とお世辞には言えぬものの、悪人とも言い難い空気で身を包む男が
貴方へと遠慮のない調子で話しかけていた。

 「それで、依頼は受けてくれるんだろうな?
あそこのビルは、随分前からキナ臭い噂で持ち切りでな。けど、アリーナやら
以前エクリプスと争ってた奴等が行くと、目に付く。だから何処にも
手垢のついてない、あんたは適任だと俺は思ってるが……」

 繰り返すが、貴方には全く身に覚えがない。
だが……この目の前の男の発言に、何かしらの 相手とこちらに
大きな齟齬があるのを感じる筈だ。

371蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/18(金) 23:37:42
>>370

(うざい)

ただそれだけであった。

「どうも」

デザートでも食べてゆっくりしたかったがそうもいかないらしい。
面倒だ。
蛇喰は振り返る。

「んーあそこは碌なもんじゃないよ」

「それとあんた誰?」

(SFやショートショートの世界じゃあないんだ)

372『そらの異邦』:2016/11/18(金) 23:48:18
>>371

 >それとあんた誰?

男は、貴方の問いに怪訝そうな顔つきを浮かべる。

 「あん? 何だつい二日前ぐらいなのに忘れたのか。
     ――『吉岡』だよ。
あんたが、俺らの場所に来て。ブツをこっちまで持って来るのを
引き受けるって話だったろ?
 アレには、抗争の頃の重要人物が一人が群衆の中に映ってる筈だ。
だからこそ、誰かに奪われる前に入手するべきだって前にも……」

 何かが変だ。 貴方はより一層 話が食い違ってる事を感じた。

373蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/18(金) 23:55:48
>>372

フィルムは持っているか?
確かめておこう。

「吉岡ねぇ……」

「女の子ならすぐ思い出せそうなんだけど」

374『そらの異邦』:2016/11/19(土) 00:07:50
>>373

 >女の子ならすぐ思い出せそうなんだけど

吉岡
 星のような瞳を持つ女性。そして、目の前に現れたギョロ目の男。
どちらも、貴方に対して『依頼主』であると名乗り出てきた。

 「はぁ?? ……ちょっと待て。情報を整理しようぜ なぁ」

フィルムが入った封筒を取り出す。まず、間違いなく貴方が入手したものだ。
 封筒の中身が何時のまに抜き取られていた。なんて事も起きてない。
だが、目の前の『吉岡』と言う男は、僅かに目を開いて告げた。

「おい、あんた……既にフィルムを取って来たのか?
……どうやった? 俺は、品の説明はしたが。何処ら辺にブツがあるか
どうかは教えてない筈だったと思うが」

 吉岡と名乗る男は、貴方に対し疑惑を一層帯びた目で半眼を向ける。

フィルムを強奪しようとする気はないものの、貴方の態度が悪ければ
相手も、恐らくは使い手か、それに通ずる相手だ。

 『何だか随分、ややこしい事態になってるな……
相棒、一先ず冷静に話し合うべきだと思うぜ。ドンパチはさっきので懲り懲りだ』

エイリアンも、とにかく落ち着いて話し合うべきだと助言してきた。

375蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/19(土) 00:23:27
>>374

(出さなきゃよかった)

「まぁ、落ち着きなよ。情報整理っていうのは僕も賛成だし」

「座るかい?」

そういって笑う。
まぁ、相手の欲するものが手のうちにあるのだからそんなに焦る必要はないだろうとは思う。

376蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/19(土) 00:23:48
>>375

いままでのことを吉岡に話す。

377『そらの異邦』:2016/11/19(土) 00:56:21
>>375-376

 …………

貴方は、いま目の前にいる男……『吉岡』に、これまでの出来事を話した。

ビルでの襲撃、エイリアンの意識の掌握、そして……星の瞳の女

 向かいに座る吉岡は、少し額に手を当てた後。貴方に対し複雑な顔つきで告げた。

「どうにも……あんた、随分と過酷な体験をした見たいだな。
まず、俺の事だが……正真正銘、刑事として星見町で務めてる。
『吉岡 宗吾』、それが俺の名前だ。で、だ……その俺の名を騙ってた奴だが」

腕を組み、吉岡は僅かに目元を掻いて呟く。

「……よく、分らん。だが、昔……エクリプスが星見町を侵略しようとして
活発な時期。今のような似た話が出てきた気がする……あと、その意識を
侵略してる、あんたの頭の寄生生命体って奴の話も、聞き覚えある気がするな。
 連絡先は、渡しておく。明日にでも、分かり次第あんたに情報を送る。それで問題ないか?」

貴方に一枚の携帯番号を差し出し、話は続けられる。

「それと……あんたに向かって貰おうとしたビルだがな。
そっちも、使い手なんだろう? なら、『供与者』って言うのは聞き覚えあるんじゃないか?
 ……かつて、常陽町にも居たんだ。だが、そいつは典型的な悪って奴でな。
自分の価値に見出さない奴は、全員死ぬよりも碌でもない結末にされたって話だ。
 それで、その供与者って奴が居たのが……あんたも知っての通り、そのビルさ」

何か能力が掛かってるとかは聞かんが、どうにも不気味な噂はあって地元の奴等なら
近づかない心霊スポット見てぇな所だよ、と吉岡は付け足す。

 「……俺の記憶が何かの能力で操作されてないのなら。
確かに、あんたの姿をした奴がだ。俺が今回の依頼を募集して待機してた時
自分に任せてくれ、明後日にビッグクランチで詳細を話してくれれば
 そう言って別れたんだ。今夜の時間も指定してな
 その女の意図や目的も不明だな。何だってまた、俺の依頼を邪魔するでもなく
完了させるような真似を……?」

 始終、悩んだ顔つきを吉岡は浮かべていた。
フィルムの件に関しては、後日でも良いから自分を信用出来るなら受け渡してくれと
 貴方の話に対し短く感謝を告げて、ビッグクランチを後にした。

貴方も食事を終えて、次の日になる時刻も遅くない頃に夜道を歩き家路に向かう。
 自分の世話をしてくれる女の家、何処の家かは貴方が決める。

人気が無くなった街道を歩く、夜空は輝き星は今にも落ちてきそうな空模様だ。
そんな折     一つの笑い声が不意に闇夜に響いた。


             ――あはは
                        パチパチパチパチ

 笑い声と共に 小さな拍手が耳に響く。

 「お帰りなさい、実に 実に良い物語でした。
〆に関しても、今のままであれば上々と言うべきでしょうか。
エンディングに向け、このままのペースを続ければ大衆向けの作品となるでしょうとも」

 星の瞳 黒い燕尾服  吉岡を名乗る女。
闇夜が実体化するように、貴方の眼前に姿を現す。

 「あはは 戯れ言 戯れ言ですがね。さて……
フィルムを持ってますね。どうします? 私に渡して貰えますか?」

 そう言って、女は微笑んで貴方に対し手を差し出してきた。

 『…………相棒 
相棒は、あのビルから何一つとして俺には反応しないが……相棒の為を思って言うぜ。
 こいつ  全く信用出来ない。何て言うか 今まで見たどの生命体とも
全く異なる 何か不気味だ。こんな感覚 初めてだ。寄生生命体である俺が
命が脅かされるでもなく こんな風に警戒するのは……』

 エイリアンは、今までになく重々しい口調を貴方の耳元で響かせる……。

378蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/19(土) 01:10:09
>>377

「ふうん。ろくでもないやつがいたもんだ」

「国家権力に怯えることもなく好き勝手してたわけだろう?」

「君らの怠慢だね」

軽口を叩きながら情報を確認する。

「まぁ、別にいいさ。どういうことなのか考えるのは君の仕事」

「僕はおとなしく帰るよ」

帰り道。考える。誰の家に行くべきか。
それとも自分の帰るべき場所へと戻るべきか。

「ん? あぁ、君か。ずいぶんともったいぶった登場じゃあないか」

「なんだか人を見透かしたというか、ついさっきまで傍に見てましたって感じで話してたのはそういうことできるから?」

別に再会を喜ぶわけでもない。
面倒ごとに巻き込まれた原因であるわけだし。

「寄生虫。お前も対外信用できない」

そうとだけ返して。

「ただ、蛇喰正義にはルールがあるんだ」

「女性のもとに向かう時は、他の女性の誘いには乗らないってことさ」

「だから、渡さない。渡せない。もし欲しいんだったらそれ相応のお返しと」
   ノロイノソウビ
「この寄生虫を外してくれるくらいしないとね」

379『そらの異邦』:2016/11/19(土) 18:11:50
>>378

 
 あはは

軽やかな笑い声が、夜道へと響かせ融けゆく。
 星の髪と瞳をした女は、軽く拍子を一度打つと共に オペラの如く手を掲げ告げる。

「何処までも移ろいゆく事なく、荒野の嵐に負ける事なく真っ直ぐに立つ
一本の大樹の如く やはり、貴方は実に良い。
 態度こそ冷淡ですが、信がある。貴方の持つ力(槍)のように
握り締めるだけで周囲を変わらす程に昂る火(鱗)のように
 是非 是非その姿勢を貫いて下さい、いずれまた訪れるであろう
貴方の演目に対してね。蛇喰 正義さん 貴方と出逢え 同じ舞台で
共に語らい 共に踊れた事を 私は感謝しますよ。
 貴方は この感想を戯れ言と捉えるか 私の本心と受け取るかはご自由に。
共に酔いしれるだけです 人は夢と踊り狂い そして躯に伏すのですから」

>ついさっきまで傍に見てましたって感じで話してたのはそういうことできるから?

「いえいえ、私はとるに足らない舞台監督気取りの 只の女。それだけですよ」

人を食ったような笑みで、貴方の質問にそう返す。

 掲げた手を下げると共に、女は少し畏まった口調に変わる。

 「……いや、然しながら。お詫びしなくてはいけない事も御座います。
正直、この度の依頼を。貴方にとっては幾多かの人間ドラマやロマンスも
少なからず期待あったのでは、と。だが、蓋を開けてみれば情緒の欠片も
何もない血腥さと、謂れのない敵意の連続……。
 これは、こちら側の過失であると認めます。もう少し演出と、あらすじに
正しく沿ったものにあるべきでした。申し訳ございません
 謝礼もしたいのですが……生憎と、貴方が何を所望するか
些か判断に悩む次第でして。もし、何か望みがあるのなら言ってください」

 肩を一度竦めて女性は、懐から決して薄くない札の入った封筒を貴方へと弧を描いて投げ渡す。
20数枚の諭吉だ……。

「残りは、吉岡。彼が間違いなく渡してくれますでしょう
そして  ソレをどうやって外すのか、でしたね。
 あははは
ご心配には及びません。直ぐに わかりますよ 直ぐに、ね。
それは謝礼をするでもない事です」

 『……何をさっきからぺらぺら喋ってるんだ、こいつは……』

自分の事を置いて、エイリアンは気取った演者に対し若干呆然とした呟きを上げる。

 「それでは、御機嫌よう蛇喰正義さん。いずれ、また会える事を願ってます。
この星の上と下で確かに流れる 一筋の星と共にね」
 
 踝を返し、女性は蛇喰の横をゆったりと通り過ぎ闇夜へ溶け込もうとする。
完全に消え去れば、恐らくは携帯の履歴や他の使い手の力を借りても
呼び止めない限り、今回はもう二度と会えない。そんな予感を貴方はした

380蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/20(日) 22:44:00
>>379

「……」

(やっぱりわかんないな)

今まで見たことのないタイプ、という訳でもないかもしれないが
少なくとも慣れているタイプの人間ではない。

「ふうん。お金で解決なんて大人だねぇ」

舌を出しながら紙幣を確認する。
文句はない。が、文句を言ってもいいだろう。

「……あはっ」

『ドラゴノート』を発現し彼女に向ける。

「男性としてあるまじき行為であることを恥じるが」

「あんたが人間でないなら大丈夫さ」

「あんた、『供与者』ってやつなのかな?」

381『そらの異邦』:2016/11/21(月) 09:04:05
>>380

>あんたが人間でないなら大丈夫さ あんた、『供与者』ってやつなのかな?

貴方はドラゴノート、自身の力(槍)を女に向ける。

 声を掛けられ歩き去ろうとした女は、首と体を半身僅かに向けて
敵意を示された事も、さして意に介さない様子で笑い声を上げた。

 「あはは。いえいえ、滅相も御座いません
『供与者』だなんて、そんな恐れ多い。原石を輝かせ、演者に直接仕立てあげる
彼ら彼女に対し私は敬服の念は抱いても、なろうと言う気持ちにはなりません。
 舞台の礎に括られるより、多少私は観客席や舞台上も行き来してちょっかいを
かけて楽しむ。そう言った気ままな生き方が性分に合うのですから。
では、謝礼の代わりといっては何ですが 私の『真実』について少しお話します。
 こう見えて、節度と公平さに重点は置くのでね。
では『ルール』をご説明させて頂きます。
・私は『主役』に対し直接的に危害及び妨害をする事はしません。
・私は『狂言回し』を行う事が出来ます。
・私は厳密な意味合いでは殺害は『不可能』です。

 ……と、この三つの『真実』を告白いたします。
覚えておいてください、正義さん。そして、また正義を志して舞台上で
廻っていこうとする皆さんに向けての言葉でもあります。
 あはは、すみません。後者に対しては戯れ言でしたよ。
これ以上は私に対しての情報は、余り出す気は置きまんね。
 風が冷たくなってきました。夜更けに、男と女が二人でこんな場所で
突っ立ていても、あらぬ誤解を受けるでしょう。あははは
宜しければ私はもうお暇しますよ。どのような形でも、ね」

 女は、貴方へ笑い掛けつつ踝を今度こそ本当に返し立ち去ろうとした。
何がもう少し質問するが、そして、それ以外で女に干渉しようと行動するにしても
次が最後になりそうな気がする。

 『んー、本当に良くわからん。だが、相棒
目の前の奴は、敵意も何もお前に抱いてない。言ってみれば
広義的に解釈すると、どうでも良いと感じてるような……
 とりあえず、俺からは何も言えん。相棒の意思に任せるぜ』

エイリアンも半ば匙を投げて、貴方に選択を任せた……。

382蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/22(火) 00:45:49
>>381

「……」

女を見つめ、首をこきりと鳴らす。

「やーめた」

「あんたみたいなタイプ相手にしてると損するよ」

「さっさと帰った方がいいよ」

『ドラゴノート』を消し、自分の行くべき道を行く。

383『そらの異邦』:2016/11/22(火) 20:40:16
>>382

 貴方は彼女を見逃す事に決めた。

星の髪を靡かせ、女は貴方の決断に対して笑い声を奏でる。

 あははは

「貴方は 闇と闘い朽ちた衰者から金を取り上げる醜い真似はしなかった」

「貴方は 羅刹へと踏み入った者を淀みなく裁いた」

「貴方は最後まで、私の予想する正しき道を歩んでいます。
ただ ただ 貴方の織り成す輝きが流星より長く続く事を願いましょう」

 パッ と。女は宙へと何かを放り投げた。
ソレは蛇喰の視線には『腕輪』に見えた。

 そして、宙に向けて投げた物体を数秒 いや、それより短いかも知れぬものの
彼女から注意を逸らしたのと同時に、星の輝きを秘めた女は姿を忽然と消していた。
 腕輪は、香木らしきもので出来ている。何処かの大地の香りらしきものが仄かに漂い
象形文字が表面に一定の間隔を置いて彫られてるのが視認出来る。

 『最初から最後まで、妙な奴だったぜ……なぁ、相棒』

エイリアンの呟きが最後に耳へ木霊し。貴方は何事もなく家路へと着く事になる。


 ―――――――――――――――――――――――――――

貴方が今、世話になってる家人の住処が。もしくは仮宿とする建物か
 細かい部分はともかく貴方は安全な家内に戻ると共に
蓄えていたであろう疲れも幾らか押し寄せてくるのを感じるだろう。
 不運か幸運が、貴方の世話する人が居るかも知れないが今はいない。
もっとも頭の中のエイリアンが茶々を入れる事を想定すれば、居なかった
ほうがある程度本日は気楽に感じるであろう。
 風呂でも浴びるか、それとも貯蓄してる酒でも飲むか……
今のところ、貴方を蝕むものは唯一を除いて居ない。
 する事がなければ……やる事は一つだけになる。

384蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/23(水) 01:21:50
>>383

「僕の行動にあんたは関係ない」

(それと、妙なのは寄生虫も同じだ)

さて、自分の居場所へ戻ってきたわけだ。
誰もいないのは仕方がない。
どうしようもないことだ。
酒でも飲もう。それと本を読む。眠くなれば体が勝手に眠る。
それだけで十分だ。

385『そらの異邦』:2016/11/23(水) 19:25:15
>>384

 暫くは、穏やかな時間が経過していた。
最も、耳元で時折貴方へ内容のない話をしてくるエイリアンを除外すればだ。

ウイスキーをグラスに注ぎ味わい、今日起きた出来事を思い返したり
 持ってる古本を読み返したり、時計の長針は何周かして
短針は丁度真上に指そうかとする時刻へ差し掛かる。

 眠気が訪れる、貴方はそれを感じて布団を敷いて横になろうとした。
明日になれば、この邪魔な寄生虫は外す方法は解るのかと考えたりなどしたりだ。

 ……その時。

 『   ――相棒  その、ちょっといいか?』

エイリアンは、丁度暫し話のネタも切れてたのか短い時間黙ってたものの。
貴方が横になろうとした瞬間、真面目なトーンで話しかけてきた。

 『……あの、さ。
俺は精神寄生型生命体なんだ。話した通りな
 それで、さ。俺はあの老人が目を閉じてだ、動かなくなった時から
妙な引っかかり。人類的に言うと喉に小魚の骨が引っかかる って言い方かな。
 その様子が妙に気にかかっていたんだ。
あー、その、何だ。これは、その 俺の考え違い いや、検索違いでなければ、だ。
 なあ、相棒。
俺達、精神寄生型生命体はさ。つまりさ、その生物の根本的な部分に根を生やし
ほぼ同化しようとする生命体なんだ。
 そして、いまも相棒の意識に根を生やしてる。ここまでは良いよな?
 つまりさ、俺は最初に自分達の存在が消滅しないか重要な事を知ろうとして
人間って言うのは呼吸が止まったり、脳が活動出来なくなったりする。つまり
【意識が停止】する事は、俺達の存在の消失とほぼ同然であると理解したんだ。
だから、相棒があのビルでも怪我をしたりして死なないように俺は助言をしてた。
けど、けどさ。その……俺は相棒の知識を今の間もインストールして人間の世界の
常識と言うのを学んでいて、いま、相棒たち人類の生態学についても学習してるんだが。
 その そ その   あ あのさ  相棒



  ――相棒(人間)は……眠ると【意識を失う】のか?  』


 ……視界の映る虚像は、何時の間にやら貴方の姿で脂汗を流し
恐怖か、当惑、混乱といったものを煮詰まった状態で貴方を凝視していた。

 『……な なぁ、相棒  相棒……ちょ、ちょっとで良いから
俺と会話してくれよ……そ、その。今夜だけでも良いから
睡眠 って言うのを摂るの や、止めてくれないかな??』

 震えた貴方の声が耳元に届く。
だが、眠気とは生理現象だ。人とは 自然と眠りにつくものだ。
 それを、貴方は良く知っているし。そして、エイリアンも貴方の知識を既に織ってる筈だ。

386蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/23(水) 23:11:14
>>385

(疲れたな)

(寝るか。明日にでも本は読める)

とりあえず布団でも用意するかと思ったあたりだ。
一応寄生虫の話を聞いておく。

(なんだこいつ)

焦る寄生虫を横目に思う。
勝手に住み着いて焦り出して勝手なやつだと毒づきながら。

「ダメだね」

あまり話したくない相手だが無視をするのもなんだか面倒だ。
可哀想とかではない。
自分の格好、声色でぐじぐしとされるのが心底気に食わないのだ。

「勝手に住み着き調子に乗って、挙句の果てにはそんな泣き言。興味もない」

「あのビルにいた男の方がまだ見所がある」

寝床に入る準備をしよう。

「止めてみなよ、寄生虫」

「サナダムシに優しくしてやるような人間じゃなくてね」

「女の子なら考えてないこともないけど、寄生虫は性別関係なく嫌だね」

387『そらの異邦』:2016/11/23(水) 23:35:55
>>386(次でエピローグに入ります)

 同情の余地などある筈もない。
貴方の意識を乗っ取ると言う目的の存在。
 貴方に、未知なる存在に対しても心を開く心があるか。若しくは
エイリアンの能力を知り、共闘するなどして絆を深める機会あれば。

 また、結末としても異なるかも知れない。だが、貴方にとって
異端は何処までも異端であり。虚(そら)の中に向かうだけの異邦の存在だ。

 エイリアンは、更に動揺を深めた声色になる。

『あぁ……! あぁっ! そうだ、そうだよなっ。相棒は、そう言う奴だ……っ。
そう、だよなっ。お前にとっちゃ俺は寄生虫だ。それ以上でも、それ以下でもない。
 ははは……止めれる訳ないじゃないか。俺は、お前にこうやって話すだけ以外で
何の攻撃も防御も無い……意識を完全に掌握する以前は全てお前に任せるだけの存在なんだから!
 全部、全部こんな時になって理解しちまった。この惑星に降り立った他の仲間達の
痕跡なりが目覚めた時に全く無い時から、薄々少し違和感は感じてたのにっ!
 あぁ みんな みんな消えていたんだ! みんなっ この星に根付き 侵略した其の日に!!
何て事だ……嗚呼 何て 事だっ! みんな 滅んでいたんだっ!』

 涙声へ段々移り変わる。

『……こんな、こんな結末って ありかよ?』

『何百年……人類の時間と言う概念なら何千年以上も暗い宇宙の世界を旅して
……ようやく ようやく楽園に成り得る場所に辿り着いたと やっと幸せになれると 思ってたのに
たった、5、6時間? そんな……そんな数時間で 俺は   消えるのか』

『こんな結末って……ありかよ、相棒……相棒
いや、良い。お前は、割り切れる奴 そう言う存在だ。
俺が、明日完全に消え去って声が聞こえなくても、半日も経てば俺の事も気にも留めない
 そう言う、奴だって解るさ。なんせ、お前の意識に同化しようとしてるんだ。
お前の事は……俺が、よく解ってるともさ……相棒』

 貴方は、眠気に導かれるままに瞼を閉じる。
段々、エイリアンの声にはノイズが入り混じるように小さく、そして遠ざかるように耳に聞こえた。

『…………相棒、最後に…………聞いて 良いか

 人 類には   天国や地獄って言う   概   念 があるん  だ  ……ろ
俺達は…………こ   の   星で   消え  た    ら
 い  け   る  か  な

安住  の   場   所    に         さ      


     ―――――……』



     ピチピチ


鳥の声、そして帰ってきてたかも知れない。いま現在貴方の
世話をしてくれる女の声掛けによって貴方は目覚めるだろう。
 

 もう、あの貴方の声を模した宇宙人の声は一切聞こえない。
二度と、貴方があの町にもう一度理由があって降り立ち、あのビルへ
近づく事が無い限り、二度とあの体験は無いと確信を貴方は得た。

388蛇喰 正義『ドラゴノート』:2016/11/24(木) 01:29:26
>>387

(関係ないね)

「カゲロウのようなもんだよ」

布団に入る。

「まさか。寄生虫でもなければ意識が明日消え失せる奴に明るい言葉の一つでもかけるさ」

目を閉じる。

「安住の場所なんてのを求めたら生き物終わりだね」

「そんなものに頼らず生きていけないんなら、死んでしまうのが楽だ」

それから朝がきて

「ん? なあんだ。わざわざ家まで来てくれたの?」

「言ってくれたら迎えでもなんでもいったのに」

今までのことは今までのことだ。
立川流を広めるという目標もなされてはいない。
臨時収入が入ったぐらいだなと蛇喰は考える。
無駄ではない。ただただ変わった日があっただけだ。

389『そらの異邦』:2016/11/24(木) 22:44:11
>>388

 貴方は、貴方のままに目覚めいつも通りの日常を過ごす。
昨日おきた出来事も、少々変わった出来事と記憶の中に留めて。
 感傷などは 無い。ただ、そう言う事があったと覚えておくだけだ。

日中で、吉岡から連絡があった。
1965年、池谷・関彗星が地球を通過した際。常陽町で集団幻聴・幻覚事件があった事。
 スタンドチームが派遣され、彼らもまた件の幻に掛かったものの。一日経過すると
バッタリとその症状も収まった事などを貴方は聞かされる。

 そして、次の情報は。

『エクリプスが活発な頃な。星を纏ったような奇妙な人物が居た』

『正式な名前も、背丈や背格好に性別も完全に不明。全ての目撃者に聞いても
星のようなものを纏ってるという共通点以外すべて証言は異なっていた』

『決して表舞台に立つ事なく、エクリプスやアリーナのどちらにも
積極的に付くわけでもなく、情報操作や扇動を行い、最終的には始末されたって話だ』

『だが、あんたの話を聞く限り……どうやら、そいつは
まだ終わらず、この町でまだ何かを起こそうとしてるようだな』
 
 『とりあえず、依頼は結果的に成功させてくれたんだ……。フィルムを
渡し次第、予定してた十万は支払う。問題ないな? 切るぜ』

 通話は終了された。

 あのビル内の、複数の刺客  意識を侵略するエイリアン

呪われてるという常陽町  そして 星の女

 謎は残されている。 

貴方は まだこの町で自分が永い安息を得るのは難しいだろうと
 その事に関し、喜びが嫌気か 貴方自身にしか理解しえない感情を
胸に浮かべつつ、歩みを進めるのだった。


 
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390『そらの異邦』:2016/11/24(木) 22:54:36





                        

               パチパチパチパチ

391『そらの異邦』:2016/11/24(木) 23:01:40


 



      ――かくして

彼の物語は幕をひとまず閉じ 新たなる日常を謳歌し
 また再び彼の幕が開く事を  私は星の流れと共に祈っております。

      ですが

また、この『物語』は 完全には終了しておりません。
全ての章は明かされず まだ幕間の中で私達は結末が何かと思案するのみです。

 しかしながら  いずれ

次の『主役』は 瞬く間に 訪れる事になるでしょう。

それは 今これを読み進める貴方かも知れません、違うかも知れません。

 ですが、わたくしは 誰であろうとも その出演を喜んでお受けします。

    今宵 この『呪い』を解き放つ『光』が 現れるのを……

392『そらの異邦』:2016/11/24(木) 23:19:46
止山 刀乞(しやま とうこつ)
 エクリプスが盛期に達してる頃、彼は自分の力や性質から人を傷つける事でしか
頂点に達せないと知り、家族や知人 その他も全て捨て去りエクリプスに身を置く事になった。
 だが、その突如にエクリプスの瓦解。目指すものが無くなった彼は裏世界で下らない暴力に
浸るだけになり、腐っていた頃。星のような女に声をかけられ
「貴方の目標を砕いた町に住人を倒せば、開ける道を教えましょう」と告げられ。ソレに乘った。
だが、蛇喰の力。スタンド能力の性質。それ等が全て妨げる事から、最後に自分は陥れられたと
自覚をして、ドラゴノートに引導を渡される事となった。



 木製の約1m半の棍のヴィジョン
棍を動かす事によって『電気』を蓄える能力。
蓄えた電気は、棍が打ち付けた先より放電される。蓄電が完全な場合は
人を一人感電死に至らせる電力を得る事が可能。
棍を単純に動く動作のみ達人と遜色ない動き(ス精BB)を行える。
二つ目の能力として、蓄えた電気を解き放ち運動エネルギーに変換し
銃弾並みの速度(スB)で動く事も出来る。

『ザ・ショック・オブ・ザ・ライトニング』 
破壊力:C スピード:C(B) 射程距離:D
持続力:C 精密動作性:C(B) 成長性:C

( )内は、棍の単純動作、電気を変換した際

393『そらの異邦』:2016/11/24(木) 23:47:04
(#あるスタンド使いのレポート)

常陽町 〇月〇日 

私の目の前に、私の姿をした存在と私の声を模したものが現在進行形で居る。
 他のメンバーも、この疾患を発症した。
この存在は、自分達を**系**星*座**星雲より渡航してきた意識を寄生する
生命体を自称しており、私の意識と同化して活動する事を目的と頭の中で供述している。

他メンバーに軽度のストレスが発生。自然的な負荷以外で、この存在は現状
こちらへと目立った内部の攻撃や自意識の変化を促すものは無い。
 新たな変化が起きしだい此処に書き記す。


数時間が経過。メンバーの一人が任務違反を起こした事により状況に変化が発生。
 メンバーが軽く転寝(うたたね)をした際、覚醒した直後 例の疾患が消失した
事を報告。実験として他のメンバー一人を強制的に意識を遮断させ強制的に覚醒した際
同じく疾患の消失が確認された。

この事を私の幻に説明すると、疾患は極度に狼狽を示し、また意識の遮断する行為に
関しての静止を私が疾患に正しい処置で無くすまで、其の行動を続けていた。

この事から、この疾患が宇宙外来の生命体である真偽の証明に関して除き
不眠症などの特殊な患者に対し、この疾患を意図的に発症する事を除き
極めて人類に対し無害な『自立型スタンド』として、此処に記載する。

新たなる囚人を使用した実験の経過、このスタンドの面白い特徴として
被験者の生命に危険が近い場合、その危険を幻聴及び幻覚の姿として予兆を
察知させようとする傾向が見られた。
 残念ながら、被験者として十数年の眠らない犯罪者が居ないため
この特殊なスタンドが長期的に存在する事によっての成長性を我々は証明出来ずにいる。
 新たな実験は、このスタンドの無生殖による栽培と、特殊な症例の犯罪者を
新たに用意できた時に進める事にする。
 また、この自立型スタンド曰く。寄生した者達曰く、こんな素晴らしい惑星に
ずっと居られるなんて、今日は何て良い日なんだ。と告げた事を踏まえ
 便宜上、このスタンドの名前をこう記す


 『グッド・ライフ』
破壊力:なし スピード:なし 射程距離:なし
持続力:寄生した対象が意識を停止(睡眠 気絶等)するまで
精密動作性:なし 成長性:現段階では不明 研究の余地あり

394『そらの異邦』:2016/11/26(土) 20:11:20
(遅くながら怪我のほうを追記)

 
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『左脇腹 軽度の火傷(全治一週間)』『右脚太腿 裂傷(全治10日)』

395水平線のラダマンテュス:2017/01/23(月) 22:19:01





      「海、それは自分の心をありのまま映し出す鏡だ」

                        ――――出典:『白鯨』

396水平線のラダマンテュス:2017/01/23(月) 22:20:39

……とある、正午。

 貴方 『遠野 知織』は、とある建物を訪れていた。小さな展示品などを並べてる
廃れたランジェリーショップ。
 既に、その建物はショップとしての機能を活かしてないものの、貴方と
依頼人が、机を挟んで紅茶などを飲みながら話すのには丁度良かった。

「――改めて ですが。わたくしの頼みを聞き届けて頂き 感謝を致します。
聞けば、貴方は読書が好きなようで。
 いやはや、実に 実に素晴らしいものだと思います。俗世間的な、ありふれた
嗜好であると評価する方はいるかも知れませんが。
 文学、それは古くからの思想を字と言う物に起こし。固く人の手では破壊すら出来ない
岩が摩耗する時であれど、書物と言うのは幾らか細かな改変あれども不変のままに続くものです。
 永遠
 素晴らしいものじゃないですか。人は、誰しも不変で終わらぬものを求めます。
宜しければ、貴方と私の関係も。永遠とは言わずも永い時になればと思えるものですよ。
 はは   戯言ですかね?」

 星のような輝きを、髪の毛と瞳に宿す燕尾服の女性が紅茶に波紋を作りながら
貴方へ眼差しを向けて 謡う。

 依頼の本題に対し求めるも、この下らぬ浅瀬を辛抱強く続ける選択も
貴方 『遠野 知織』には、ある……。

(『簡易プロフ』『能力詳細URL』『外見』『持ち物』
などの提示とレスの開始をお願いします)

397遠野 知織『トリップ・トゥ・ノーウェア』:2017/01/23(月) 22:29:43
【外見】
 普段から細められているように見える黒い瞳と黒のヘアゴムを使って後ろで
一つに纏めた臀部まである長い黒髪を持つ比較的整った顔立ちの女性。
 肌はやや健康的な白めの肌色で、傷跡などはないが首の左後ろに大きなほくろがある。
 非常にスタイルは良く、服装は余計な装飾の少ない男性の礼服のような格好をしている。
【持ち物】
・革鞄(赤茶色の装飾のない少し大きめのもの)
・筆記用具(シャープペン,消しゴム,定規,固形のり,鋏)
・スマートフォン(普通の藍色のスマホ。ソシャゲのアプリは入っておらず、
          電子書籍のアプリが入っている)
・ハンカチ(白いレースのハンカチ)
・文庫本×3(シャーロック·ホームズの事件簿,ラブクラフト全集1巻,
        ポケット図鑑 日本の野草・雑草)
・栞(押し花の栞、挟まれた花はシロツメクサ)
・豆本キーホルダー×2(Nature RedとNature Blue。ともに写真集の豆本)
・ペーパーナイフ(木製のペーパーナイフ)
・スマートフォンの充電器(コードはワイヤー入りビニール紐で纏めてある)
・財布(黒い革財布、お金は余り持ち歩かない主義)
・保温水筒(ディンブラのアイスティーが入っている)
【能力詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/comic/7023/1463235536/80

398遠野 知織『トリップ・トゥ・ノーウェア』:2017/01/23(月) 22:52:05
>>396
「ふむ・・・不変と言ってたが、それは違うと言おう。」
シュガースティックの袋を開け、紅茶に砂糖を入れる。
そして、ティースプーンで紅茶をかき混ぜつつ、言葉を続けた。

「本は確かに長い年月を掛けても中身は不変であるけども、本も物質である以上劣化はする。」
チャプッと音を立て、ティースプーンは紅茶の中から出される。
そして、ティースプーンを置いたあと燕尾服の女性の目を見据えた。
「そして、それ以上に環境が変わる。」
「環境が変われば一般的な聖書も禁書に変わり、普遍的な物語も燃やされる。」
「本来、元来、本程度のものでは不変とは言えないのさ。」
暫し、沈黙する。
その後紅茶のカップを手に取り、少し飲む。

「まぁ、そんな無駄話も一度置いておこう。詳しい依頼内容をお尋ねしても?」
そして先程までの無駄話と言い、正面に座る女性に要件・・・依頼を改めて尋ねた。

399水平線のラダマンテュス:2017/01/23(月) 23:18:42
>>398


>詳しい依頼内容をお尋ねしても?
 
 その言葉に、燕尾服の星の女性は軽やかに控えめに笑い声を上げつつ
柏手を一度打って鷹揚に頷いて答える。

「かしこまりました。それでは、お話致します。
とは言うものの、いま話した本や永遠の内容にも決して関係なくはないものです。
 聖書は、紀元前四世紀より出典され今も現存している事は分かりきっている事だと思います。
わたくしが、何を言いたいかと申しますと。そのように、古くから今ままで残るものと言うのは。
……途轍もない『パワー』が、幾らか秘められてる と言う事です。
いえね、眉唾に思われるかも知れませんが。この世には、そう言う品が確かに存在するのですよ。
 実際に、御覧頂いたほうが宜しいですかね」

 女性は、席を立つとランジェリーショップの隅へ移動した。
其処には五十センチ程度の正方形を囲んでいる、黒い垂れ幕があった。

「どうぞ、近くで拝見して下さい。
……ご安心ください。何も見ただけで呪われる、なんて事はございませんよ」

笑いつつ、女性は黒い垂れ幕を外し。そして、その額縁の全容を貴方に見せる。


 ……見えたのは、海だ。
深いウルトラマリンの、今にもさざ波や渦潮の音が聞こえそうな海が描かれている。
 その他に描かれているのは……筏(いかだ)だ。
大海原と対比に小さな筏らしきものが、力を加えれば折れそうなマストを付けて
佇んでいるのが分かる。筏の隅に、別の青い何かが書いてるように見えるが……何か分からない。

「この絵画には、不思議な力が込められてるようです。
ダヴィンチ モネ ゴッホ クールベ……
数々の時代には、その時代を代表とする優れた巨匠が居ました。夜空の星のように
 ですが、優れた輝きの手を持ちつつも。その時代や運命に翻弄され 常闇の中へと
名を残せず消えていった、名もなき大家と言うのも居るものです。
 この絵画も、その一つと言って良いでしょう。
……本日は、美しい満月が見える夜空となるでしょう。
 一晩、一晩だけで良いのです。この絵に付き添って欲しい。
誰かの手で持ち去られないよう、この光が砕かれぬように。
 それが、私からの依頼です……何がご質問は御座いますでしょうか?」

 女性は、説明を一通りし終えると。少しだけ茶目っ気を含んだ笑みで告げた……。

400遠野 知織『トリップ・トゥ・ノーウェア』:2017/01/24(火) 00:36:00
>>399
「・・・・・・凄い。」
ポツリと、零す様に一言呟く。

「私は、本以外に感動を覚えない人間と思っていましたが・・・まさか、こんな絵があったなんて・・・。」
「・・・ただ惜しむらくは私にこの絵の本来の価値は私には分からないであろうということですね。」
「もとより私は読書狂であり、芸術家ではありませんから。それで宜しければ、一緒にいて見張るというお仕事、受けさせて頂きます。」
落ち着きを取り戻すためか、手元の紅茶に再度口をつける。
飲み終わったあと、一息付いてから少し思案する素振りを見せ、燕尾服の女性に話しかける。

「先程、誰かの手で持ち去られないよう、砕かれぬよう・・・と言ってましたが、それはその誰かが来る可能性が高いと踏んでのことですか?」

401『水平線のラダマンテュス』:2017/01/25(水) 09:34:48
>>400

>誰かが来る可能性が高いと踏んでのことですか?

質問に対し、星の輝きを宿す女性は思案するように首を軽く回してから答える。

 「そうですねぇ。来るか、または何事も起きないか……
確証と言うものは無いですが、それでも何かが起きると言う予感はあります。
  ――『引力』
 貴方と私が出会ったように。貴方の、その本との切り離せぬ縁(えにし)のように。
万物には、多種多様な引かれあう力が存在するのです」

 遠野の了承に、女性は朗らかに笑いつつ丁重に礼を告げる。

「このような、細やかな指示や決め事もない無体な依頼を受けて頂けた事
改めて、貴方に感謝と賛辞を述べます。
 それでは、夜間の十時頃にでも。また、この家屋に来ていただければと思います」

説明して、スペアキーを女性は貴方に渡す。それと共に、ポンッと手のひらを打って
大事な事を告げ忘れたとばかりに、少し大袈裟なジェスチャーと共に口を再度開く。

「あぁ、そうそう。注意事項として、二つ。
一つは、夜に関しては物置部屋に。この絵画は移動させておきます。
 流石にこの広間で、堂々と飾り付けて見張るのは余りにも不用心ですから」」

と、女性はランジェリーショップの奥にある扉を開けた。
 ある程度の小物を詰めた箱が壁の隅に置かれ、脚立や何も入ってない鉢植えに棚など
特筆して役立つものは置いてない。しいて言えば、棚は何者かが入ってきた時に
遮蔽物として利用出来ると言った程度か。そして、板で封鎖された天窓が上に付けられていた。

「……もう一つ、伝えておきますが。
夜、この絵画を外に持ち出したり。掛けている黒幕を取り外すなどは極力止めて頂きたい
 それらが破られた場合……」

そこで、女性は勿体ぶった調子で言葉を区切った。と、同時に一泊置いて
軽やかに笑い声を囀る。

「あはは はは。すみません、怖がらすような事を言って。
まぁ、見張りをするのに勝手に外へ持ち出すなんて事をするとは思いませんが。
 ……この絵画は、少し特殊でしてね。
先ほど言った通りですが、何と言うか シャイなんですよ。ですので、夜はくれぐれも
掛けてる黒布を外す事のないようにして頂きたい」

 他に、何か聞きたい事はありますか? と、女性は微笑みを携え
遠野の言葉を待つ。

402『水平線のラダマンテュス』:2017/02/12(日) 09:42:18

 pulululu…  pi

 「はい もしもし……ぇ?」

「急に都合が悪く? はい……あらら、それは大変ですね。
いえいえっ! 謝罪なさらずとも結構ですよ。大事にならなければ良いんですか」

「はい はい……えぇ、こちらは大丈夫ですよ。
あはは  まぁ、こう言う時もあります。引かれあう力があるように
弾かれる事もある。 夜空を見てくださいな
この空の果てでは、幾つもの星が流れ、ぶつかりあい生み出され 消えて……
擦れ違い、何事も起きない事もある……今回は、そう言うものであった。その次第だけですから」

「あはは ですが、大変ですね。後日、粗品と手数料として金一封送りましょう
いえいえ、そんな遠慮せず    それでは……」

  pu tu- tu- tu-…



星の輝きを宿した女は、一つの額縁を撫でて嘯く。

「ふむ……物語がいざ始まらん。と言う場所で、破け 途絶えてしまった頁……
それも、また一興ですがね。はてさて……次の演目を考えなくては。
これも また 戯言なのでしょう……   あはははは」

 女は、軽やかに笑い 部屋の電灯にフッと息を吹きかけ。そして光は失われた

 そして、もう二度とその部屋に光が戻る事は無かった


   遠野 知織『トリップ・トゥ・ノーウェア』 ⇒後日、名称不明の差出しで
『一万』と『星空の素 入浴剤(※至って普通の入浴剤)』が送られてきた……。

403『〇〇〇をしよう!』:2017/04/01(土) 20:16:55



人は心が愉快であれば 終日歩んでも嫌になることはないが、
心に憂いがあれば わずか一里でも嫌になる。
人生の行路もこれと同様で、人は常に明るく愉快な心をもって
人生の行路を歩まねばならぬ。
 


- シェイクスピア -

404『〇〇〇をしよう!』:2017/04/01(土) 20:21:38


星見町の天気予報、本日昼は晴れ 降水確率は15%

……と、言われていた。テレビや新聞では


 ゴロゴロゴロ…

 
だが、天候は次第に雲行き怪しくなっていき気圧も低くなってきている。

 もう数分もすれば……雨が降り始めそうだ。




(依頼型で受ける方は、ある個室で一人の女性と向かい合っている
シーンより始まる。
 巻き込まれ型の方は、この天候の中で星見町の通りを歩いている
シーンより開始いたします)

405常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/01(土) 23:28:55
>>404
 『常原ヤマト』は、スタンド能力に目覚めている24歳の男性であり、同時に流浪のメイドである。
 生まれついてそそっかしい性分の彼は、当然傘など持っているはずがなく、

  「…天気崩れたら濡れちゃいますよ俺!!!」
  「この俺の近くに、偶然、雨宿りできるような場所が!!
   あったり!?しないでしょうか!?!?しますよね!!!ご都合主義的に!!!!」


外見:身長184cmの、左目に眼帯をした男。なぜかメイド服を着ている。
メイド服内訳:黒のワンピースに白いエプロン、足にはタイツ、靴はパンプス、頭にヘッドドレス

能力詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/47
持ち物:携帯電話、名刺、財布、あったかい紅茶の入ったコップ付き水筒

406小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/02(日) 01:39:45
>>404

          コツ コツ コツ

  ――今の季節は……ちょうど春の野菜が旬の時期ね……。

洋装の喪服と、それに合わせた黒いキャペリンハットと革のパンプスに身を包み、
夕食の買い物に向かうために通りを歩く。
その左腕はギプスで固定され、首に結ばれた三角巾で吊るされていた。
今から数日前、ある山中の廃校で起こった事件の名残りだ。

      ゴロゴロゴロ……

不穏な音が聞こえ、ふと足を止めた。
頭上に広がる灰色の空模様を見上げる。
あいにく傘は持ってきていなかった。

もしかすると、店に着く前に雨に降られてしまうかもしれない。
近くに雨を凌げる場所がないだろうか。
適当な場所を探すために、辺りを見回す。



◆◇◆能力詳細◇◆◇
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/41

◆◇◆持ち物◇◆◇
自傷用の果物ナイフ、包帯、携帯電話、財布、ハンカチ、ティッシュ、
500mlミネラルウォーター(未開封)、
ドライフラワーにしたラベンダーの瓶詰め(ポプリ)、
以上の品物を入れたハンドバッグ。

◆◇◆簡易プロフィール◇◆◇
結婚直後に最愛の夫と死に別れ、自身も後を追うことを望んでいた。
しかし、自分の分も生きて欲しいという彼の遺言を受けて、生き続ける道を選ぶ。
常に『果物ナイフ(鎮静剤)』を持ち歩き、それを用いた『自傷行為』によって、
不意に湧き起こる『自殺衝動』を抑制している。年齢28歳。

◆◇◆外見◇◆◇
身長170cm、長い黒髪をうなじの部分でまとめたアップヘア、
洋装の喪服、黒いキャペリンハット、黒いストッキング、黒いパンプス(ミドルヒール)、
両手の薬指に結婚指輪。
色の白い肌、すらりとした細身の体型、穏やかで憂いを帯びた顔立ち。

407『〇〇〇をしよう!』:2017/04/02(日) 19:42:54
>>405-406

 そそっかしい性分の、流浪なるメイド『常原 ヤマト』
左腕に負傷を抱えて買い物に向かう『小石川 文子』

姿形、性格も合わさらない今の二人に共通するのは『雨宿り』

 ザー・・・

探してる最中にも降り始めた。まだ小雨だが段々激しくなるのは容易に想像出来る。

 此処は住宅街に面する通りで、軽く見るだけでは他人の家ばかり。
敷地内に入って、少し雨を凌いでいいですかと尋ねるのは非常識。
 元より、住宅街と言うのは不特定多数の人間をターゲットに出来ない
近隣住民からのクレームなどの経済的な問題からして小売店などの
設立は困難と言うのは、勉強していれば解る事だ。
 軽く小走りにもなるだろう。先に進むと貴方たちは目にする。

 ――飲食店だ。

均等に、色合い異なれど平均的な家屋が並べられてる住宅地の中に
一個だけ異物のように、飲食店らしき建物が聳えている。
 屋根の縁は縦に長く、十数名は軽く雨を凌げる。今の天候では願ったりの建物。
掲げた看板には『八百十一屋』と描かれている……どう言う店かは分からない。

 住宅街には余り似つかわしくない建物。これだけなら未だ少し可笑しいだけで済む。
けど、此処から奇妙だが。貴方がたは目にする。
 同じタイミングで、雨宿りに入った双方(常原/小石川)を。
そして、屋根の縁に先にお邪魔していた6、7名の人達を。その光景だが……。


        ――┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

 ?『…………』      ?『…………』     ピリピリピリピリ…

 ?『ちょ、ちょっとっ。お二人とも止めましょうよぉ、ねっ? ねっ?』
 
?『はぁ〜〜〜〜…何だって、こうなってるんだろうね』

?『簡単に済む依頼だって聞いたんだがなぁ……』

?『……結びつく煌きの輪の交錯すべく、ふと傍らにありし見初めた……』
 ガリガリシャララシャ

?『ジョー、空気読め、空気を。これ、書いてる場合じゃないぜ』

 貴方たち二人が目にしたものは、どう見方を変えても『異常』な状況だった。

背丈ほどの『剣状の鋼』を手にした男と、『ピンク色のスライム状』のものを
傘のように前に広げた女が睨みあっている。構えてるものは、スタンドだと解る。
 それを、諫めようとオロオロしてる十代に見える女性が一人。
遠巻きに、頭を掻いてその様子を傍観する男女。
 そして、清月の学生なのだろう。その恰好をした男子が何やらメモにペンを走らせ
もう一人はツッコミを放っていた。
 貴方達二人が歩いてきた足音に気づき。睨みあってる男女を除いた全員が
貴方達を見る。誰ともなく、こう呟いた。

 ?『はぁ……また、増えたか』

?『引力、なのかね。これも……』


 状況は不明だ。だが、そのメンバー全員が只者でない雰囲気を宿している。

408常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/02(日) 20:21:39
>>407
「振り出しましたよ!!」
「でも住宅街の中なのに都合よく『八百屋』の文字が!!」
「お邪魔します!!!」

      ドタドタドタ

「……うわッ!『変な人』がたくさんです!?!?!?」

濃ゆい面々に圧倒されてしまう。ちょっと場違いかもしれない…
大きな体を縮めながら八百屋(だと常原は思っている)に入ろうとする。
野菜だけ買って帰ろう。安いニンジンあるといいな。

>小石川を見つけ
「これはこれは…『奥様』」
「………ハッ…そのお怪我は!?いかがされましたか!?!」

見知った顔だ。前に会った時とは様相が異なるが…

409小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/02(日) 21:53:19
>>407

  「八百屋さん――ではないようだけど……」

ひとまず軒先に入らせてもらってから、改めて看板を確認する。
『八百十一屋』という内容からは、この店が何を売っているのかさえ分からない。
看板というのは、普通は通行人に分かりやすくするものだと思うのだが……。
今の時点で分かっているのは、この場所で野菜は買えないだろうということだけ。
自分が行こうとしていたのは確かに春野菜を売っている店だった。
けれど、それはここじゃない。
少なくとも、ここで春キャベツや新たまねぎを買うことができないことは察せられた。

  ――あれは……?

『剣状の鋼』と『ピンク色のスライム』に思わず目が止まる。
あんな奇妙なものは、まずスタンドだと考えて間違いないはず。
奇妙な場所に奇妙な人々と奇妙なスタンド……非日常が忍び寄る気配を感じた。

『また増えたか』という言葉も気にかかった。
普通に考えれば、単に雨宿りの人数が増えたというだけだろう。
雨を凌げそうな場所がここだけなのだから、別に不思議なことではない。

けれど、『簡単に済む依頼だと聞いた』とも誰かが言っていた。
つまり、この中の何人かは依頼を受けてやって来たということになる。
この住宅街の一角で、何かが起きようとしているのだろうか?

  「あっ……常原さん、こんにちは」

人々の中に知人の姿を見かけて挨拶し、頭を下げる。
彼とは、以前に喫茶店で話をしたことがある。
それ以来、彼には個人的な好感を抱いている。

  「これは――腕を折ってしまいまして……」

  「転んで手を突いた拍子に……。お恥ずかしいです」

申し訳ないと思いながらも、嘘をついてしまった。
それに、立ち話として語るには少し長すぎる。
もっとも、彼の慧眼にかかれば、たちまち看破されてしまうかもしれないが……。

  「――常原さん、入られるんですか?それでは、私も……」

飲食店に雨宿りだけして帰るというのも失礼だ。
雨が止むのを待つ間、何か注文しよう。
そう思って、先に行く常原の後について店の中に入っていく。

410『〇〇〇をしよう!』:2017/04/02(日) 22:16:29
>>408(常原)

>!『変な人』がたくさんです!?!?!?

女?『……いや、いやいや』
男?『鏡見ろよ、自分の姿を』
 スタンドを構え睨みあってる男女を傍観している方の男女達は
呆れた声色を隠さず貴方を一瞥して返答する。
 仲裁しようとしてる女性は、貴方の服装を視認して目を見開いた後。即座に
また睨みあっている彼らへ向き直り制止の声を呼び掛けている。

?『ふむ……流れ溢れる水流に、歪ながら鋭き水切りは続き』
?『いや、だからジョー。もう、それ止めろって。てか、あの変態も
スタンド使いなのか……?』

 学生の内、一人は他の者達に目をくれず何かをメモに走らせ、もう一人は
ツッコミを行う漫才をし続けている。

そして、貴方が八百屋と思ってる店だ。外装はコンクリートで『二階建て』
見かけでは、どう見ても野菜などを売ってるようには見えない。
すりガラスは閉じられており、内部の様子は確認出来ない。
 貴方は、スタンドを構え剣呑な雰囲気の男女を抜けて『八百十一屋』の
ドアノブへ手をかけて回す。

>>408-409
 貴方は、負傷について曖昧に濁し。常原に続いて
飲食店だと推定した家屋、『八百十一屋』に入ろうとする。

 ガチャ……ガチャ。 開かない

?『無駄だよ、鍵かかっている。今から穏便に開こうと
『アリゼ』がやろうとしてたんだけど。そっちの奴と睨みあっていてさ。
 ……あんた達も、使えるんだろ? 扉開けたり出来るの?
と言うか、此処に用事あって来たのか……それとも、あっちの学生と
同じく何も知らずノコノコやってきた口かい?』

遠巻きに様子を見ていた内の一人の女性が、貴方たち二人へ声をかけてきた。
 どうやら、『ピンク色のスライム』のスタンド使いの名前は『アリゼ』と言うらしい。
常原と小石川が、二人のスタンドに視線をやっていた事には既に気づいてるようだ。
 ほかに判明している事は。学生二人は貴方たち二人と同じく部外者であり。
他のスタンド使いと思しき全員は、この家屋に用件があるようだ……。

411常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/03(月) 00:10:25
>>409(小石川)

「事情はお聞きしません
 …お困りとあらば!俺が!お手伝いいたします!!」

左腕が使えない事で、差支えが出る場面も多いだろう、
一介の家政婦としてお助けせねば、と思った。


 >>410
 変な目で見られた。心外。 


「…『メイド』とは!秋葉原で、猫撫で声で給仕をするだけにあらず!!
  フィクションの煽情的なキャラクターのみが持つ個性にあらず!!」
「…『メイド』とは! 主人を!困った人を!礼節と愛をもってお助けする者!!」

 「この『常原マコト』!この職業に!『ひとりの漢』として誇りを持っています!!!」


         ズバァッ ! !

全員に向き合い、胸を張る。
昨今の萌えキャラほどでは無くとも、大きな胸(筋)をしていると自負している。


 「…そして『ハウスキーパー』たるメイドは、
  『穏便ならざる方法』で、閉ざされた家への『不法侵入』するのも日常茶飯事…」

 「しかし喧嘩を止めるのが先です」


「……喧嘩はやめてください!!やめて!!!」

「アリゼ様、 いえ『アリゼお嬢様』!!!!!やめないと夕飯を抜きにしますよ!?!」
「そもそも『不法侵入』は立派な犯罪!なぜそんな事をしようと!?俺は悲しい!!」

争う二人の間に割って入り、高らかにお嬢様認定。
謎のメイド男に突然のお嬢様認定を喰らい、夕飯の決定権を勝手に握られたアリゼの心情やいかに。

412小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/03(月) 00:57:35
>>410-411

  「――ありがとうございます」

感謝の気持ちを込めて再び頭を下げる。
片方の腕が使えないことは確かに不便なことだ。
幸い、自身の能力のお陰で、その苦労は幾らか緩和されている。
それでも『もし誰かが手伝ってくれたら』と思う場面は時折存在する。
そんな時、『ハウスキーパー』である彼がいてくれたら大いに助かることだろう。

  「鍵が……?」

戸締りがしてあるということは、今は営業していないということ。
それなら入る訳にはいかない。
ドアから離れ、先に来ていた一団に向き直る。

  「私は、雨を避けるために立ち寄っただけの者です。皆さんは、どうしてここへ……?
   『何か』が――あるのですか?」

そこで常原のことに気が付いた。
そういえば、彼もスタンドが見えていたようだった。
彼も自分と同じくスタンド使いだったのだろうか?
そのことを尋ねようかと考えたが、今ちょうど彼は仲裁の真っ最中。
邪魔をしては悪いと思い、彼の後ろで仲裁の様子を見守ることにした。

413『〇〇〇をしよう!』:2017/04/03(月) 20:56:09
>>411(常原)
   
   「――よし、いいか? この脳みそパープリン野郎」

 ビュゥッ     キリキリキリ……ッ

『アリゼ』は、扇情的なレオタードのようなものに適当な明色の上着と
短パンを羽織る金髪で青目の女性だ。笑えば快活そうな二十代か
十代後半に見える美人だが。いま、その美しさは怒りによって雲散霧消している。

 貴方(常原)へと、向かい合って威嚇していた男に向けて傘のように広げていた
ピンク色のスライムは高速(スB)で貴方の首に絡みついてきた。窒息はしないが
アリゼの威圧も相まって、貴方が余程能天気でない限り重圧と息が詰まるのを感じるだろう。

 「てめぇが何処の脳みそ腐った変態のオタク野郎だろうとクソハウスキーパだろうと、どうでも良い。
私の事をお嬢様呼ばわりするな゛♯ いいか? 二度と、だ。
 それと、何で初対面の変態クソオタク野郎に、今日の私の献立を決めて貰わなくちゃいけねぇんだよ゛」

 鋭利な生き生きとした青い瞳は、貴方を睨み据えながら怒りの火を揺らしている。
どうやら、貴方のメイドとしての振る舞い(奇行)はお気に召さなかったようだ。

 ――チャキッ……

 「…………」

 そして、背後ではアリゼと向かい合っていた男が剣状の鋼を動かした音が貴方に聞こえた。
殺気の類は感じられない。だが、何を考えているか伺い知れない。


>>412(小石川)

 ?「あー、偶然立ち寄っただけかい……」
?「やはり、引力なんだろうさ。『ベディ』」
ベディ「ベディって気安く言わないで欲しいね『アルキス』
 ……んー、まぁ言っても構わないか。これ位は」

 そう、ベディと隣の男性から呼ばれた。貴方と同い年ぐらいの
朱色のタックカラーコートに身を包んだ褐色の女性は説明し始めた。

 ――数日程前から、この界隈で『人型実体化スタンド』がうろついている事。
かなり精度は高く、一般人では見分けがつかないのを他スタンド使いのメンバーが察知して
その複数の人型スタンドの動きを計算した結果……。

 「この家が、その複数の実体化したスタンドの拠点って事なのさ。
上からの命令で、どう言う奴がどんな意図で動いてるのか調査しろと言われてね。
 ……で、アルキス。あんたとは一応知り合いだけど。同じ理由かい?」

アルキス「……黙秘を貫かせて貰う」

 黒髪で日本人的な顔ながら彫りが深い顔立ちでギリシャ系の男性は肩を竦め告げた。
今のところ解る情報では、彼ら全員この家屋に調査及び何らかの指示や目的を受けて
行動している。そして、一部を除いて仲は全員そこまで良くないようだ……。
 
 「あの、アリゼって奴の能力はね。錠のある扉を開けるのに有効だって私は知ってるんだ。
……あの様子だと、素直に開けるかは知らないけどね。
 無理に扉をこじ開けてもいいけど……能力が不明だと、どう言う事が起きるのか不安だから
なるべく破損しないように開けたいんだが」

女性は、期待をもたない顔つきで明後日の方向を向く、常原達のほうへ。
 ピンク色のスライムらしきものは紐状になり常原の首に一部は巻きついていた。
口汚く、女性は彼に罵りをあげている。
 誇り高きメイドの仲裁は、剣呑な空気へ火に油を注いだようだ。

学生二人は、自分達の意見を言い合いつつ全員の動向を見守っている。

414常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/03(月) 23:07:47
>>413
「ぐえー !…! 苦しいです …!」

このお人は、いま『お嬢様』としての対応を拒否した。
なので俺は、お嬢様扱いを止め、一人の女性として扱わせていただこう。

「非礼をお詫びします、…… 『マダム・アリゼ』」
「しかし怒りに身を任せるのはいけません」
 「さてはお腹が空いているのですね !…!
  お夕飯のメニューは何にいたしましょう …!」

 「マダムも、後ろの御方も、いったん武器を収めて…」
 「そもそも、おふたりはなにゆえ争っておられるのですか …!!」

415小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/04(火) 00:11:50
>>413-414

  「――『人型実体化スタンド』……」

感慨深げに呟き、顔を俯かせる。
そういったタイプのスタンドには、自分にも覚えがあったからだ。
自分が左腕を負傷するきっかけになった事件――。

そこで出会った少女も、生身の人間と寸分違わぬ人型スタンドを持っていた。
もし、あれほどの精度を持っているとするなら、確かに区別することは困難だろう。
あの一件で重症を負った彼女は、今どうしているだろうか。

自分が心配したからといって、彼女の傷が癒える訳ではないことは分かっている。
それでも、せめて彼女が無事に治療を終えることを祈りたかった。
やがて、内心の思考を終えると共に、面を上げた。

  「名乗るのが遅れました。私は小石川文子です。……少し失礼します」

そう言ってからベディとアルキスの前から離れ、常原の傍らに立つ。
彼は誤解されやすい人。
でも、とても思いやりがある人でもある。
けれど、すぐに理解してもらうというのは難しいかもしれない。
だから、ともかく今は止めなければ。

  「はじめまして、アリゼさん。私は小石川文子という者です」

  「お気に障ったのなら、私からも謝ります。どうか気を静めて下さいませんか?」

  「――お願いします」

そう言って、アリゼに向かって深く頭を下げた。
彼女は血の気が多いタイプのようだ。
自分が間に入ることで、ひとまず彼女がスタンドを収めてくれればいいのだけど……。

416『〇〇〇をしよう!』:2017/04/04(火) 19:09:00
>>414

 「あ、あのっ。差し出がましいかも知れませんけど。
その態度が、多分ふざけてると思われてるのかと」

 貴方が真摯に、本気でメイドとして女性を敬う態度を行ってるのかも知れない。
ただ、考えて貰いたいが。何か原因でかは不明ながらも、敵愾心を抱き、間違いなく
機嫌が悪かったであろう一人の女性が。行き成り体格の良い男が女性的なメイド服を
着こなし、突発的に夕飯の話題なり出されたら。怒りの矛先を変えるのも無理ないだろう。
 
 そう言う意味を含めて、先にアリゼと男の仲裁に入っていた薄い灰色の髪の毛の
何処となく気弱さも秘めた女性。
 まだ冷える時期の為、髪の毛と同色のダウンコートを身に着けた薄い金色の瞳の
二十代前半程の女性は、そう常原に小さな声で話しかけてきた。

 アリゼ「てんめ゛、まだしつこく夕飯なり……っ」

?女性「ぉ 抑えて抑えて! た、多分この人本気でやってるんですっ。
悪気はきっと全く無いんですっ、許して上げて下さい!」

 ピンク色のスライムを鞭状に震わせ、本人もプルプル震える。
そんな憤りを表すアリゼを、気弱そうな女性は必死に手を掲げ制止している。
 隣から、小石川が矛を収めるように穏やかに告げる声が聞こえた。
その数秒後、首に纏わりつく感触が消えていく。視界の中で触手状のピンク色のゼリーが
本体であるアリゼに戻っていくのを視認した。


>>415

アルキス「……小石川 文子?」
 
 貴方は自己紹介をする。ベディは、その紹介に軽く頷くだけの淡泊な感じだが
アルキスは、その名前に何やら反応を示した。

ベディ「なに? 知り合い?」

アルキス「……いやっ、今日が初めての出会いさ」

 だが、すぐにすげない態度に至った。恐らく、今の反応を追及しても
今ははぐらかされるだけだろう。

 アリゼ「ったく、どいつもこいつも……あのねぇ、よってたかって
私が勝手に怒ってるように言うけど、元はと言えば そ い つ!
 私が扉を開こうと、スタンドを発現したら。通りかかって来た
そいつが行き成り、そのスタンドを向けてきたんだ。敵かと思って
こっちがスタンド向けても、反撃せず防いだまま無言でじっと睨んでるしよぉ。
 その間に、こいつ等も増えるし。私は被害者だよ、どっちかと言えばっ」

要約すれば、スタンドで開錠しようと試みてた際に。行き成り、スタンドを
向けられた。奇襲かと驚いてスタンドで反撃を試みていた時に、いま居る
複数のスタンド使いが集まってきて、この混沌とした場が形成された。
 と言うのが真相のようだ。

 鋼状の剣を携える男に人差し指を向けつつ荒げた声でアリゼは説明し終えた。
スタンドは仕舞わないものの、常原に向けたスタンドは自分の間合いへと戻す。
まだ機嫌は悪いものの、ある程度の話は可能だろう。


>>414-415
?男「…………」

 鋼状の剣の男は、日にだいぶ焼けたチョコレートのような色合いの肌をした
細身ながらも、それでも筋肉が絞れているのが見て取れる鍛えた肉体をしている。
 黒いレザージャケットの下はカーキ色で、何時でも野戦に出れそうな服装をしている。
大小の薄い傷が見える短長靴。そして僅かに硝煙や血の匂いが感じられる。
 日常から離れた空気を、男は宿している。その横にある背丈と同等の大きさの
スタンドも、見るだけで何処となく圧倒される気配がある。

 ?男「………………」

男は、ゆっくり小石川と常原。貴方たち二人を順番に見比べたあと
そのまま、またゆっくりとアリゼに視線を戻し。そしてスタンドを背中に
背負うように移動させ、目をつむって両腕を組んだ。
 何を考えているかは、今の時点でよく分からない。

417常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/04(火) 20:57:44
>>416
周囲のひとのフォローもあり、なんとか緊迫した状況は解れた。


「本気! そう本気ですよ俺は!!!!」

「しかし!!俺は不器用なんです!!!」
「先走り空回りする事が多々あります!!非礼はお詫びしましょう!!」



「なのでここは……
 お任せします『小石川』奥様!!!」



常ならざる雰囲気の男性である。しかも何も言わない。
剣呑な雰囲気は、多弁でそそっかっしい俺では解消できそうにない。
鋼状の剣の男への聞き取りは>>418の小石川に任せる。頑張ってください!!!!!

418小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/04(火) 22:28:11
>>416-417

  「――?」

自分の名前に対するアルキスの反応を不思議に思った。
彼とベディは知り合いらしい。
けれど、自分はアルキスとは初対面のはず。

どこかで会ったことがあって、そのことを忘れているという可能性もなくはない。
でも、こんなに特徴的な人を忘れるとは思えなかった。
つまり、こちらは彼を知らないけれど、彼はこちらを知っているということになる。

何故だろうか――考えれば考える程に分からない。
でも、素直に聞いてみても答えてはもらえないだろう。
この疑問は、今は胸に留めておくことにしよう。

  「アリゼさん、彼はきっと誤解していたのでは……。
   つまり――あなたを、物取りか何かと……。
   だから、それを防ごうとしていたのだと思います」

自分の考えをアリゼに話す。
アリゼ達には、それなりの理由がある。
同じように『剣状の鋼』の彼にも、理由があったのではないだろうか。

  「スタンドを向けられても反撃しなかったのは、
   アリゼさんがどういう目的を持っているのか、
   それを見極めようとしていたから……ではないでしょうか」

  「ですから――今は分かってもらえたんだと思います。
   ……そう受け取ってもよろしいですか?」

話を終えると共に、『剣状の鋼』の男に顔を向け、声をかけた。
彼は極端に口数が少ない人間らしい。
けれど、構えを解いた所を見ると、話は聞いてくれているようだ。
もし彼が何も返事をしてくれなかったとしても問題はない。
それはそれで、一つの答えとして見ることができるのだから。

  ――でも……。

この兵隊のような彼からは、確かに謎めいたものを感じる。
彼は、住宅街という日常的な場所とは異質な雰囲気を持っている。
自分達のようにたまたま通りかかっただけとは思えない。
やはり、学生達以外の面々のように、どこかの依頼でやって来たのだろうか。
それも、他のメンバーとは異なる場所から来ているようだ。

  「――常原さん、あなたもスタンドを……?」

傍らにいる常原に静かに話しかける。
さっきは聞きそびれてしまったので、改めて確認する。
以前、喫茶店で出会った時に、彼とは共通した部分があることが分かった。
それは外見などの目に見える部分ではなく、目には見えなくとも根元的な部分。
だから、スタンド使いという新たな共通点が見つかったことは、なんとなく嬉しく思えた。

419『〇〇〇をしよう!』:2017/04/05(水) 17:32:50
>>417(常原)

 アリゼ「一々声がでかいなっ、てめぇはっ!! こちとら、この家屋に
忍び込むのが目的だったって言うのに。あぁ、ったく滅茶苦茶だよ!!!」

 ?女「っ、ぉ、お静かにお静かに……雨だし周囲は無人だけど。家の中に
人がいたら、筒抜けですって……っ!」

 常原の謝罪に、同じぐらいには大きな怒鳴り声を彼女は返す。
銀髪の女性は、泣きそうな声で制する。
そうだ、思い返せば此処は敵?の本拠地だ。だいぶ大騒ぎを起こしているが
玄関の戸が開いたり、襲撃される気配は今のところ家屋からは無い。
 無人なのだろうか……? 

>>418(小石川)

>そう受け取ってもよろしいですか?
 ?「……あぁ」

男は、片方の目だけを薄く開き。小石川の問いかけに簡潔に肯定する。
 本当に寡黙な男だ。敵意は今のところ全員に抱いてないようだが、横脇で
僅かに浮遊して佇む背丈と同じ大きさの鋼のスタンドは、同じ材質の鋼すらも
一刀両断に分かれてしまうだろうと言う、無言の説得力を秘めていた。
 もし、この男が本気でそのスタンドを振りかざせば。この場にいる全員すべて
無事にすみはしない……貴方はそんな予感も抱けた。

>>417-418(ALL)

 ザーーーアアアアアァァ!!!

雨は豪雨だ。
 ベティ「どうどう、お馬さん ってね。ひとまずさぁ アリゼ。
あんたの、その万能のスタンドで扉を開いてくれよ。ねぇ?」

アリゼ「……ちっ、何が悲しくて。私が『アリーナの犬』に命令
されなくちゃいけないんだよ」

 アリーナの犬。そう呼ばれ、少しだけ褐色の女性は硬直して
そして鋭い笑みと目線で話を続ける。

ベティ「……ふーん? 自信ないのかい、十数件の窃盗に
通じてる、コソ泥猫ちゃんがさぁ」

 雨の所為だけではない、またもや重い空気が包んでくる。

 アリゼ「窒息させてやろうか、この真っ赤なワン公。
……ちっ、いいよ。やってやる、だけど邪魔だけはするなよ?
 私の目的は、この実体化スタンドが徘徊してる拠点にあるかも知れない『お宝』さ。
今まで何の兆候もない場所で、複数の実体化したスタンドを扱う奴が出た。
 供与者の可能性より、スタンドを発現するアイテムなどの事故って可能性が高い。
それを入手すれば高額でブラックマーケットって売られるしね」

 隠し通して突入するのも面倒だと、この状況を体験して判断したのか
饒舌にアリゼは今の面子に自分の目的を明かす。
今の時点での全員の目的は。

 ベティ→アリーナからの調査
 アルキス→上記と同じく調査?
 アリゼ→スタンド使いの犯罪者。
 あるかも知れないスタンドアイテムの奪取
 鋼の男→不明
 銀髪の気弱な女性→不明
 学生二人→巻き込まれ

……と、言う具合だ。

 アリゼ「……『ピンク・クリーム69』」

小さく息をついてから、アリゼは、そのスライム状のピンクなスタンドを
鍵穴へと伸ばした。錠前にピンクの粘液状のものが埋め込まれた後。
 僅かな時間と共に、その差し込まれた部分が固くなっていくのが分かる。

 ……カチッ。   ギィ   ィィ……。

 「……で? 誰が先に行く?」

 開錠され、扉は軋んで開く。屋内は電灯がついてないようで薄暗い。

誰ともなしに、そう声を上げた。

420常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/05(水) 21:17:33
>>418
 「俺は 俗に言う…俗に言うのか?……『スタンド能力者』、です!」
 「奥様もそうなのですね」

奇なる縁に少々驚く。
先日の邂逅といい、このご夫人とは何やら深い付き合いになりそうな予感がした。

>>417
 「『犬』?ワンちゃんは俺大好きです!!!!」
 「『猫』!ネコちゃんも俺大好きです!!!!!!!」
 
大声で喧嘩にガヤを入れておこう。
自分が道化になることで、喧嘩を白けさせる高等メイドテクニックだ!
あ、アリゼに突っ込みを貰ったけれど声量は下げない。
既に玄関前で多人数がひしめき合っているという状況。
俺の声量がなかろうと、静かに侵入など無理だろう。

「『粘液を自在な形状に操る能力』!それで『鍵』を作ったのですか!
 『不法侵入』し放題じゃあないですか羨ましいッ!!」


 > 「……で? 誰が先に行く?」

   ドタ ド ドタ
   
「お邪魔します! お邪魔いたします!!!!」
 
   「どなたかいらっしゃいませんか!!!」
   「『営業』しておられますか――ッ!!!!」


      ドタ シュッ ドタ  
                    ドタ 

   まっすぐ侵入。人を探す。

421小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/05(水) 22:34:51
>>419-420

  ――スタンドを発現させる道具……。

アリゼの言葉を聞き、静かに目を細めて物思いに耽る。
彼女の目的は自分にとっては意外なものだった。
てっきり、彼女も何処かから調査のために来ているものだと思っていた。

スタンドに関わる物品の入手。
それは要するに泥棒ということになる。
もちろん許されないことだ。

けれど、自分はアリゼのことを何も知らない。
もしかすると、彼女にも彼女なりの理由があるのかもしれない。
そうだとするなら、何も知らない自分が安易に口出しをすることは躊躇われる。

だからこそ、もう少し事情を把握した上で、自分なりの判断を下したい。
そのためには、『八百十一屋』に入ろうとする彼女達に同行する必要がある。
きっかけは偶然ではあるが、また非日常の世界に飛び込むことになりそうだった。

それに、詳しい素性が分からないのはアリゼだけではない。
他の面々――特に、先程のアルキスの反応が気にかかる。
個人的なことだが、これも確かめておきたかった。

  「常原さん――」

常原に声を掛けようとしたが、その前に彼は行ってしまった。
すぐ後を追いかけようとも思ったが、まだ名乗っていない相手がいることに気付いた。
まず、銀髪の女性に歩み寄り、軽く会釈する。

  「はじめまして。私は小石川文子という者です。
   よろしければ、お名前を教えていただけますか?」

彼女の返答を聞いたら、今度は二人の学生に近付いていく。
今までの様子から見ると、彼らは自分達と同じような境遇らしい。
それを考えると、なんとなく親近感のようなものを感じられた。

  「――こんにちは。私は小石川文子です。あなた達のお名前は?」

同じように頭を下げて挨拶し、名前を聞く。
その服装から、彼らが清月学園の学生であることは分かっている。
この二人もスタンド使いなのだろうか――?

422『〇〇〇をしよう!』:2017/04/07(金) 08:43:03
>>420(常原)

犬猫大好き!!!!!!!!!!!
 貴方の盛大なガヤに、アリゼとベティは白けた目を向ける。
流石はメイドテクニック。貴方は、自分に対して芥程残ってる好感が
全て燃やし尽くされる代わりに、今の険悪な空気が消えた事を実感出来る。

> 『粘液を自在な形状に操る能力』!それで『鍵』を作ったのですか!
> 『不法侵入』し放題じゃあないですか羨ましいッ!!

   ――パコーン☆!!

貴方の側頭部を、先端を拳状にしたスライムが振りぬかれ。そして
 遅れて衝撃が走った。とは言っても女性の張り手ぐらいの力のようで
ヒリヒリするものも、特別な異常は貴方に生じない。

 アリゼ「うるっせっっ! 人の能力をベラベラ大声で言うな!!」

 尤もな答えである。


そして、貴方は風車へ向かって突っ込むドン・キホーテさながらに
勢いよく家屋へと浸入した。

 ……シーン

中は質素な、飲食店と言う感じで。奥の隅に調理場らしきもの、そして
周囲には人の座るテーブルと椅子が設けられている。階段はない

 ……        フワフワッッ

……? 奥のテーブルには、人影らしきものが見える。
 それと、何時しか貴方の顔の横で中で金魚らしきものが
泳いでるガラス玉が浮遊していた。
 これ以上、単独で前に進むのは危険だと報せたいのか。
 貴方の眼前でミツバチの求愛運動のように8の字で旋回している。

>>421(小石川)

シャラシャッシャッガリガリガリキュッッ!

 ?「――タマーラ・プラトーノヴナ・カルサヴィナのように、舞台は
激しく回っていく。この豪雨のように擡げられる逃れえない序章が
背中に迫ってくるのを、嗚呼 私は感ずるに至れない」

 色素の薄い黒目をした、黒髪の日本男性の学生は。先ほどから行ってる
メモ帳への執筆を止まる事を知らない。
それを、横にいる少しだけ不良っぽいピアスなりメッシュな髪型の
着崩した学生は、申し訳なさそうに彼の代わりと言う感じで返答した。

ヤジ「すんません、こいつ作家崩れって言うか。いっつも何かしら
面白そうな光景を目撃すると、それに対して小説のネタを書かずにいられない
癖があって……あ、名前はこいつ『小林 丈(たける)』です。
 ……で、俺もややこしいと思うけど小林です。……まぁ、俺の事は
渾名で『ヤジ』って言われてんで。ヤジちゃんとでも気軽に呼んでください」

ヤジ「……で、こいつはスタンド使いなんっすけど。俺は……まぁ『一般人』です。
あぁでも、ちょっとした事情でスタンドについての知識はあります。
 まぁ、そちらさんがスタンド使いでない人間が危険な巣窟につっこまない方が
懸命だって言いたい気持ちも、解りますが。
 まぁ……俺は、こいつとのコンビなんで。ある程度の危険は承知でも、ねぇ……」

親友として見過ごせないので、付いて行く。そう一般人のヤジは告げる。

ヤジ「で、あの変態メイドは突っ走っていったけど、大丈夫かよ……?
罠とかあったら……」
 そう、白けた目で入口に顔を向ける彼に。ようやく作業を一旦止めた
小林は、こう呟いた。

 小林「……大丈夫、彼には『護衛』をつけている。
…………奥には、人らしきものが見える。彼との距離は大体7、8メートル。
 ひとまず、私達が入るまでは引き留めておきます」

 ヤジ「おぉ! いいねぇジョー! 流石は俺とお前のコンビ『ジョジョ』だっ!
さりげなく書いてる間に、仕込みを終えてたとはなっ」

 小林に対し、ヤジは賛辞を上げている。どうやら……既に
スタンド使いの小林は常原の傍にスタンドを置いたようだ。

423『〇〇〇をしよう!』:2017/04/07(金) 08:43:37

>>420-421

アリゼ「あいつはっ、相当の馬鹿かっ!
おい、待て! くそっ、金目のもんがあっても手ぇ出すなよ!?」

 常原の突入、ナプキンを手にとる行為。
過敏に反応したのはアリゼだ。小さな罵りと共に同じ勢いで入口の中に消える。

アルキスも溜息を吐いて、僅かに小石川達に視線を走らせ中に入り。
銀髪の女性も、同じような動作で中へ入った。

ベティ「言っておくけど、あんた怪我人だし。無理して私達と同調しなくて良いよ?
そっちの二人もさ。此処から先は何が待ち受けてるか分からないんだから」

 見下してるとかではなく、本心からの忠告だろう。確かに修羅場を潜り抜けて
きた人間以外で、一般人やスタンド覚えたての人間は危険だし邪魔だ。

ヤジ「へっ、危険が怖くて冒険が出来ますかってんだ。
行くぜ、ジョー! 二人ならジョジョに並べる! 二人ならジョジョになれる!
 この入口こそ、俺達がジョジョの試練を超えれる最初のハードルって奴だぜ、なぁ!」

 ベティの言葉に受けて立つようにして、ヤジは勢いよく答えて入口へ向かう。
小林もペンとメモを胸に戻し。軽く小石川に会釈して、同じく前へ進む。

?「…………」

 最後に、鋼の男だけが残った。残った貴方を少し一瞥するも、関心薄いようすで
腕を組んで佇み、顔だけ家屋の入口に向ける。
貴方に対し特別用事があるから、と言うわけでない。
 多分、後続として他のメンバー以外の人間が入るか、それとも
立ち去るのかを見届けてから自分も中に入る気なのだろう。

424『〇〇〇をしよう!』:2017/04/07(金) 08:51:47
>>421(小石川)(失礼、銀髪の女性との描写を入れておきます。
 学生とのシーンの前で行われたと、補完しておいて下さい)

?「え、あ……こんにちわ。『天羽(あまば) すずり』です」

 女性は、貴方の挨拶に対し。僅かに驚きながらも丁重に挨拶返す。

天羽「え、えぇっと私も。上、と言うか同僚から話を聞いて。
けど、彼は他の仕事で時間が取れないので、私が代わりに……
 スタンドでの戦闘力は無いんで、今日は主に軽い偵察ぐらいで
引き上げる予定だったんでしたけど……目撃したのが、あの状況だったんで」

 はあ・・・、と彼女は大きくため息をついた。
確かに、最初の光景がアリゼと鋼の男の睨みあい。一触即発の事態だったと
言うのだから、彼女の心境も察せられる。

425常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/08(土) 23:29:55
>>422

 「フム、どなたのスタンドかは存じませぬが」
 「感謝いたします」

このスタンドに害意はない、という事は分かる。
後ろの誰かが、先走る俺に警告してくれるのだろう。


  「いささか先走りすぎましたね…」 


ちょっと待つこととするか。
『ドリーム・ウィーバー』を発現、その手に『ハサミ』を発現しておきたい。
それと、奥の人影とやらを観察しておこう。

426小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/09(日) 00:12:13
>>422-424

  「ありがとうございます。お心遣いに感謝します。
  よく心に留めておきます」

ベティの忠告を聞き、素直に頭を下げる。
確かに彼女の言う通り、今の自分は片腕が使えない状態だ。
危険な場に踏み込んだ経験もほとんどない。

このまま雨が止むのを待っているのが賢明かもしれない。
しかし、自分にも理由はある。
それは盗みを働こうとするアリゼへの危惧でもあり、
先に入って行った常原を心配する気持ちであり、
謎めいたアルキスに対する気がかりでもあり、
この建物を放置することで出るかもしれない被害を防ぎたいという思いでもあった。

けれど、ここへ入るという選択が危険を孕んでいることは事実だ。
入るのであれば、そのリスクを覚悟した上で入らなければならないだろう。
アリゼ、アルキス、すずり、ベティ、小林とヤジを見送った後、静かに視線を動かす。

  ――彼は一体……。

視線の先にいるのは『鋼の男』だ。
自分も彼と同じく『刃物のスタンド』を持っている。
しかし、彼のスタンドは『スーサイド・ライフ』とは違い、雄々しく力強い印象がある。
大きさも威圧感も桁違いだ。
そして、おそらくは、その威力も――。

けれど、気になるのは彼のスタンドよりも、彼自身のことだった。
アリゼが物取りだと分かったにも関わらず、彼は剣を収めた。
つまり、彼にとって、物取りかどうかは問題ではなかったことになる。
確かなことは、アリゼは彼が思っていたような人間ではなかったということだ。
それでは、彼はアリゼのことを何だと思っていたのだろうか?

  「――はじめまして。既にご存知かもしれませんが、私は小石川文子という者です」

  「もしよろしければ、あなたのお名前を教えていただけませんか?」

  「ずっと『あなた』と呼ぶのも区別がしづらくて不便ですから」

そう言って『鋼の男』に微笑みかける。
彼が答えてくれてもくれなくてもいい。
挨拶が済んだら、自分も扉の前に立つ。

     スラァァァァァ―――z____

そして――左手に『スーサイド・ライフ』を発現する。
続いて、それを右手に持ち替える。

     ズブシュッ!

           フワリ・・・

そのまま『スーサイド・ライフ』の刃を右目に突き刺す。
料理の下ごしらえをする料理人のような鮮やかさで眼球を摘出し、背後に浮遊させる。
不測の事態に備えるため、前後を同時に視認することで死角を減らす

また、帽子の角度を傾けて、右の眼窩が隠れるようにしておく。
片目が欠損したグロテスクな顔を見せて、先に入った面々を驚かせたくなかった。
準備が整ったら、家屋の中へ足を踏み入れる。

427『〇〇〇をしよう!』:2017/04/09(日) 19:44:52
>>425(常原)

貴方、『常原』は傍らに可愛らしい人形のような姿である『ドリーム・ウィーバー』を
発現させ、裁縫にも使用出来るハサミを携帯する。
 制止した事で、意図が伝わった事を理解したのか。浮遊する小さなガラス玉の
スタンドは少し貴方に離れ机の死角に潜り込んでいく、偵察するのだろう。
 それと同時で、後ろから複数の足音が聞こえる。他のメンバーだ。

 アリゼ「ったく、罠があって大怪我しても自業自得だぞ。
……てか、すんごぃ似合わないヴィジョンが見えるんだけど……え? え??」

小さく罵りつつ、彼女を先導にして他のスタンド使い達も他の場所に視線を向けて
周囲に警戒を帯びながら中に入ってくる。
 強烈な貴方のインパクトとスタンドの像の印象が合致しなかったのか、彼女は
何度も往復して、貴方とドリーム・ウィーパーを見直し、凝視した。

>>426(小石川)

 >あなたのお名前を教えていただけませんか?
 貴方『小石川』は、微笑みつつ人当たりの良い態度で接する。
最初、鋼の男は言葉を発さなかった。沈黙は長く、貴方は自分の質問が
黙殺されたと思うかも知れない長い間の後。
          「――『アイアン・セイヴィアー 』」
 そう、ぽつりと。感情をのせない無機質な声で述べた。
人の名、と言うよりは自分の使用するスタンドの名前であろう。
 だが、そう告げる雰囲気は。何と表現すれば良いか分からずも
二の句を継がせない静かな迫力が彼にはあった。

 ……貴方は、スタンドで眼球を摘出させ背後の守りにする。
後ろには、『アイアン・セイヴィアー』が控え。背後に意識を集中させ
貴方と最低限のマナーを守る距離を空けつつ立つ。
 豪雨が外の視界と音を妨げる以外で家屋の外側で異常は今のところない。
帽子で顔を隠し、中へと入っていく。小林とヤジが前方に見え、軽く
貴方に視線を向けるも、すぐ他の場所に意識を注ぐ。

 『アイアン・セイヴィアー』が中に入って来るのが確認出来る。
彼は慎重な態度を崩さず、鋭い視線でドアの前に立ち左右を確認し
そして、完全に体が入ると同時に……

             ――バタンッッ

 ドアが、完全に……誰かの手を借りず勝手に閉じた。

428『〇〇〇をしよう!』:2017/04/09(日) 20:03:40
>>425-426

――バタンッ!!    ――ドンッッ!!
扉の強めに閉まる音、それと強い打撃音。
 
 天羽「!? きゃっ  ぇ、今のって後ろの……」

アリゼ「ちっ、あんの野郎でかい音出して何を……いやっ!」

 常原が何か反応する前に、アリゼは舌打ちと共に出入り口に駆ける。

アルキス「……あの奥の奴の仕業か?」

ベティ「十中八九な。最大に阿呆か……あとは最悪に手に負えない使い手だろうさ
この人数のスタンド使い相手に。閉じ込めて殺(や)り合おうってんだからね……」

それと同時でアルキスとベティが常原と同じ立ち位置に移動する。
 彼らは、どうやら扉が閉めた行動が奥にいる敵? によって行われたと
瞬時に察して前衛に立って戦う気である事が伺えた。
 
小石川が目にしたのは、扉が閉まると同時に『アイアン・セイヴィアー』が
反射的に扉に対し、短長靴で鋭いキックを見合う場面だった。
 ――ドンッ。  ――グンッ……ッ!!!
 「………………っ」
 『アイアン・セイヴィアー』が、その無表情な顔の眉間を僅かに片方下げて
貴方に近い場所に勢いで後退する。それに入れ替わるように、アリゼが現れる。
 「ちっ、幽閉しようってか。ピンク・クリー……」
 そう、彼女がスライム状のスタンドを鍵穴向けて伸ばそうとした矢先。
アイアン・セイヴィアーは片手でその行動を制した。
 アリゼ「何だよっ!?」
セイヴィアー「……無駄だ。……『反射』する」
 
 その言葉に、アリゼは何? と小さく呟いたあとスタンドを下げた。
小石川には、アイアン・セイヴィアーが何事もないように傍目は見えつつも
軽く腹部に、その手を当てたのが見て取れた。
 扉に対して攻撃、何かすれば『自分に反ってくる』……。


         ―――ふふふ……来たわね。

その時、背後の奥より全員が耳にした。女性の声だ……そんなに若くもないが
年老いてもない。愉悦を含んだ声である。

429『〇〇〇をしよう!』:2017/04/09(日) 20:15:51
>>425-426

  
        ――ゴ ゴ ゴ ゴ
           ゴ ゴ ゴ ゴ・・・

 ?「……よく、これ程の大多数で来てくれたわねぇ……嬉しいわぁ。
私の能力で、スタンドを広範囲に飛ばし他のスタンド使い達の注意を惹く。
 そのお陰、こんなに蜘蛛の巣にかかるように皆さん来てくれた。
 ふ、ふふふふふっ。
思い通りに物事が進むのって、こんなに素晴らしい事なのねぇ……!」

 謎の女だ。フードで顔を隠した女性は常原から見て軽く歩いてきて
4、5メートル程の距離のある場所までゆったり歩いてくる。
 スタンドを発現してる様子はない。だが、まるで貴方達の敵意や警戒にも
意を介してないようで、堂々とした空気を身に纏っている。

 ベティ「……ほぅ、全部あんたの思い通りってわけ?
そりゃあ、こちとら面白くない話だね」
アルキス「余裕そうだな。既に能力を作動していると言うわけか?」

 前衛の二人は、スタンドを未だ出さない。ヴィジョンが無いと言うよりは
相手の出方から直ぐ移れる自信と、敵に手札を見せない意図からだ。

 アイアン・セイヴィアーやアリゼも前へ進んでいく。どちらも
スタンドを構えてる。天羽は狼狽えつつ小石川達最後尾に距離を置く。
 小林達は、ヤジのほうは懐からスリングショットらしきものを出している。

 全員が、全員。次の彼女(敵)の動きに注視して警戒している……!
この一触即発な事態は、次の何かしらの種火で大きくこの状況が動くであろう。

430常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/10(月) 23:53:14
>>427
「でも通路に『罠』はありませんでした!」
「安心してこちらに来てください!!!!!」

>似合わない
  「なんですと!!!??!?こう見えて裁縫得意なんです俺!」
  「メイド服も俺の手製なんです―ッ!!!!」

 >>428-429
  「……そ…そんな
   …誘い込まれたというわけですか…つまり我々は…」


露骨に怪しい雰囲気を出すことで、職業スタンド使いの連中が集まっている。
更に俺含む4人の一般スタンド使いが、特有の『引力』にて引き寄せられてしまった。
この場所そのものが『罠』だった。フードの女性の思うツボ。
誰も寄り付かぬ店に人が集まり、退店不可能の状況が出来上がった。となれば女性の狙いは……


  「……『何か』お買い物をせねば出れないんですね!!!!」
  「けっきょくどんなお店なんです!!??!?ここ!!!!!!」 


たぶん『スタンドが強くなる八百十一万円のツボ』とか、
そーいう風な物を買わないと出してもらえないとかでしょうか!?!?
…と、常原は暢気に思った。

431小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/11(火) 00:06:11
>>427-429

  「……ありがとうございます」

彼が告げた名前は、自分の予想していたようなものではなかった。
『アイアン・セイヴィアー』という名は彼自身の名前とは思えない。
確かに気にはなるが――これ以上は聞かないことにした。

彼の放つ雰囲気から、きっと何かしら事情があると察したからだ。
それに配慮して、これ以上踏み込むことはしないつもりだった。
もっとも、尋ねたとしても答えてはくれないだろう。

  バタンッ!!    ドンッッ!!

独りでに閉じられた扉。
そして、扉に蹴りを叩きつけた『アイアン・セイヴィアー』。
振り返る必要もなく、切り離した『目』を通して、それらの光景を目撃した。

  「――大丈夫ですか……?」

『アイアン・セイヴィアー』に短く声を掛ける。
今しがた彼が言った『反射』によるものだろう。
大きなダメージではないと思いたいが、それでも少し心配だった。
しかし、そのことだけを考えることもできなかった。
謎めいた響きを持つ女性の声が聞こえてきたからだ。

       スッ・・・

謎の女性から目を離さないようにしながら、少し横に動く。
手元を隠すことで、今から行う行動を見られないようにするためだ。
まず、『スーサイド・ライフ』で両手の『小指』を切り落とす。
そして、切り離した2本の『小指』を、喪服のポケット内(左右に1本ずつ)に移動させる。
背後に配置している『目』は、その位置に留まったままでグルリと回転し、
目の前の女性以外に誰かが潜んでいる気配がないか確認する。

  「思い通り……とは、どういうことでしょう。どうか説明していただけませんか?
   あなたの予定では――これから私達はどうなることになっているのか、を……」

フードの女性に『目的』について問い掛ける。
けれども、閉じ込められたことから考えると、あまり良い答えは期待できそうにない。
『スーサイド・ライフ』を握り締めながら、フードの女性の返答を待つ。

今、一番近くにいるのは天羽すずりだ。
聞いたところによると、彼女のスタンドは戦闘能力は薄いらしい。
だから、もし彼女に危害が及ぶようなら、自分が盾になるつもりでいる……。

432『〇〇〇をしよう!』:2017/04/11(火) 22:06:51
>>430-431

 二人は他の者に考えは異なるものの声をかけたが、緊迫した空気が
彼、彼女らの返答を黙殺した。

常原は買い物をすれば良いのかと、真剣にボケを繰り出す。
最悪の状況も考え、小石川は自分のスタンドで肉体を分かれて警戒する。

 全員が全員、謎の女を注視している。彼女は不気味な笑みを口元に浮かべている。

  ――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!

 ?「ふふふ…お買い物なんかではない。そんなものじゃね
この時を、どれ程待ち望んでいたか。
 私の可愛いスタンド達によって、既に準備は仕上がった。あとは
『適した人数』だけだった。そして、嗚呼 こんなに大多数。胸が不覚にも高鳴る!
 今こそ、待ち望んでいた時  ああ  そうよ!!!
 このように多くのっ、我が領域に踏み入れる資格のある人間が集まった瞬間に
スタンドは完成され、動き出す  そう   今こそ!!!!!


 パンッ!!!

天井にあった照明が光る、辺り一面の闇が切り払われ そして……

433『合コンをしよう!』:2017/04/11(火) 22:07:35
>>430-431

*     +    巛 ヽ
            〒 !   +    。     +    。     *     。
      +    。  |  |
   *     +   / /   合コンよォォォオオォオウ!
       ∧_∧ / /
      (´∀` / / +    。     +    。   *     。
      ,-     f
      / ュヘ    | *     +    。     +   。 +
     〈_} )   |
        /    ! +    。     +    +     *
       ./  ,ヘ  |
 ガタン ||| j  / |  | |||
――――――――――――


 首謀者以外の面子『………………………は?』


謎の女は、フードを脱ぎ捨て。カジュアルなドレスを身に包み、その衣装には
似合わないガッツポーズを繰り出した。
               

              時が止まった

434常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/11(火) 22:53:08
>>432-433

  「な…なん」
 
    「だと………」


意外ッ!それは『合コン』!
異性が複数集まり対面し、互いに食事や会話を楽しむ催し!

 「この女……なぜ突然そのような……!?!?」
   「頭がおかしい… イカれている…そうとしか思えないぞ俺は…!!!」

       ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・・・
 

これには、出会う人すべてをご主人と心掛ける常原もさすがに動揺!
礼節を怠ることの無いメイド男常原の口から『敬語』が消える!!

  「あ、あは…そ…そうだ…  『給仕』をしますよ……!!
    そう、だ、だって俺、メイド!!メイドですから……!!」
 
    「…という訳で俺はキッチンに行ってきます!!!」
     「みなさん頑張ってください!!!!!!!!」


 なので厨房に逃げ……料理をとりに行こう。
 奥のそれっぽい所を目指し全力で走る。

435小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/11(火) 23:55:40
>>432-433

  「……え?」

まともな反応をすることもできず、ただ呆然とする。
あまりにも予想外の返答に、思わず『スーサイド・ライフ』を落としそうになった。
なんとか現状を理解しようと、頭の中を整理する。

『合コン』――その言葉の意味自体は知識としては知っていた。
おおよそ同数の男女が集まって飲食や会話その他を楽しむ催しだと理解している。
この謎の女性の言葉が本気ならば、ここが『会場』ということなのだろう。

偶然にも、この場にいる面々の男性と女性の比率は同じ。
謎の女性にとっては、確かに『メンバーは揃った』と言えるのかもしれない。
しかし、それでも疑問は尽きることなく次から次へ湧いてくる。

  ――なぜ、ここで?

  ――なぜ、今?

  ――なぜ、自分達が?

混乱する頭の中で疑問が渦を巻く。
ほんの少しでも気を抜けば、その渦の中心に飲み込まれてしまいそうだ。
それでも、必死に気持ちを落ち着かせながら、躊躇いがちに口を開く。

  「――あの……差し支えなければ、教えていただけますか?
   そもそも、何故やろうと思われたのでしょう?
   その……『合コン』を……」

質問したいことは沢山あった。
しかし、どうにも頭が回らない。
今の自分には、この一つの質問をするだけで精一杯だった。

436『合コンをしよう!』:2017/04/12(水) 17:20:28
>>434(常原)

 女の正気を疑う常原。当然の反応だ 誰だってそー思う 俺だってそー思う。
貴方は自身の職務を全うせんと、まっしぐらに逃げるんだよぉーと言うフォームで
キッチンへ向かおうとする!!
 
 シュッ   ガチ……っ゛
  
  ゴゴゴゴゴゴゴッッ!!

 だが……『背中からしがみ付かれた』!
まるで、瞬間移動のように。いや、瞬間移動なのか?
 貴方と女は、ある程度の距離があったにも関わらず。それを屁ともせず
脇に手を入れて、貴方のちく……乳輪に手を這わせ、そして残る手は貴方の
お尻を揉み解すように這っている! 耳元で荒い息遣いが聞こえた。

 「ん〜〜〜ふっふ。貴方ぁ……良い臀部をしてるわね。ディ・モールト
ディ・モールト ベネな臀部だわぁっ!」

 貴方のケツの危機と引き換えに分かる事がある。
真近で観察した所この女、結構な厚化粧だ。少なくとも20代ではない
30手前か、前半だ。

>>435(小石川)
視界の中で脱兎の勢いで台所に向かう常原。
 そして、その瞬間に謎の女はその立ち位置からパッと消失して
パッと常原の背中に密着して如何わしい体勢に入っていた。

 貴方は全員の今の心中を代弁するように質疑を行う。

?「ふぅ……そうね、何処から話せばいいのかしら。
 そうね、あれは半年前。父が亡くなった時だった」

 この淀んだ時空間で、僅かに真面目な空気が戻る光明を携えて
女の昔語りが始まる。

437『合コンをしよう!』:2017/04/12(水) 17:33:00
>>436続き

 ――半年前、父は患っていた病気で亡くなった。
母を十年程まえに無くして、男手一つで父は私の事を育ててくれたわ。
 むろん、その生活は完璧とは言い難かったわ。
家事や炊事だって母と比べれば見劣りする、それでも父は精一杯私に
愛情を注いでくれていた事は理解していた。
 そんな父を、自分なりに背中から支え。そしてこの世から去る前にこう言い残したわ。
もう、俺の事を気にせず。お前は自分の夢に向かって胸をはって生きなさいってね。
 私は、最後に微笑む父に涙を流しながら決意したわ。


 「――よし、一発合同コンパでこましたる。ってね!!!」


ヤジ「お前は一体何を言っているんだ(震え声)」


 女の回答に、一般人は酷く老け込んだ声でツッコミを挟む。
他メンバーは未だ硬直してる。いや、一人だけ動きを見せた男がいる。


  ――ギン゛ッ――ッ

 アイアン・セイヴィアー『……………』

剣状の鋼を構える男は、前に踏み出す。その眼光は鋭く謎の女の言葉に対し
顔色変える事なく向けられている。

   『………スゥ……』

 鋼の剣は、上段から降りぬかれる体勢に移っていく。

438常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/12(水) 21:34:05
>>436
「なッ!?…あはぁーん……いけません…!!」
 
 「パーティで、一介のメイドに手を出すなどと…!…あふぅん……!!」
 「あァ――……いけませんよ…!…マダム…
  …これでは禁断の関係……!!!!」


( 常原はそのあたりが性感帯であった。)



  >>437(なんか長話)

  「…そのような事情が!!!」
  「うう…うおおおおおおん!!」

    ボロ  ボロ
          ボロ
     
話の雰囲気に流され涙する。

と、その時、
>鋼の剣は、上段から降りぬかれる体勢に移っていく。

これはいけない。パーティで刃傷沙汰はご法度である。
乳首をオモチャにしている謎の女性を、脇に突き飛ばす。
自分も横っ跳びで回避。

439小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/12(水) 23:09:29
>>436-437

  「……」

  「……」

  「……」

しばらく無言のままで、この女性の話に耳を傾ける。
聞き終えると、自分はどうすべきかを考え始めた。
あくまで個人的な感覚ではあるけれど、彼女の話は全くの偽りとは思えない。

こんな大掛かりなことをしているということが、それを裏付けているように思える。
そして、父とのやり取りは、自分が交わした夫とのやり取りを思い起こさせた。
やがて――いくらかの逡巡の後に自身の行動を決定する。

  「……あなたの夢のために――」

  「あなたがお父さんと約束した夢のために――必要なことなんですね?」

              ・  ・  ・ ・  ・ ・  ・
  「もし、そうなら――お 手 伝 い し ま す」

悩みを抱えている人間の力になりたいという自身の性質。
そして、彼女の境遇に同情する気持ち。
その二つの要因が重なり、一つの言葉となって発せられていた。

ただ――そう言いながらも、頭の中は未だに酷く混乱していた。
そのために思考力が鈍っていたことは否定できない。
もし、この時の自分の言動を後になって振り返ってみたとしたら、
疑問を覚えることになっていたかもしれない。

しかし、今の自分は、この場を覆い尽くす独特の雰囲気に圧倒されてしまっていた。
この『異様』とも言える特有の空気の中で、普段通りの判断力を保つことは難しい。
今この時において、確かなことはそれだけだった……。

そんな折、『アイアン・セイヴィアー』がスタンドを振り翳す光景が視界に入った。
謎の女性の味方をする――という訳ではないが、これは止めなければいけない。
確かに彼女は、彼女自身の目的のために、自分達を閉じ込めている。
けれども、あの鋼の剣で攻撃されなければならない程の悪人でもない。
ここで攻撃したら、それこそ取り返しのつかない結末になりかねない。

     ザッ

  「――待って下さい!
   あなたが彼女を危険視する気持ちも……理解できます……。
   ですが、穏便に解決できる可能性も、まだ残っているのではないでしょうか……」

  「もし力による解決が必要になった時は、微力ながら私も助力するつもりです。
   ですから――どうか……どうか、ここは剣を収めていただけませんか……?
    お願いします……!」

『アイアン・セイヴィアー』の正面に立ち、彼の瞳を見つめて懇願する。
その右手には、先程落としかけた『スーサイド・ライフ』が握られている。
『剣』と『ナイフ』の対峙――もしかすると傍目には、そう見えるかもしれない。

440『合コンをしよう!』:2017/04/13(木) 22:19:38
>>438-439

(小石川)

貴方は謎の女の言葉に、まだ多くの混乱を秘めながらも共感の声をあげる。

ヤジ「え゛、大丈夫……無理してない?」

天羽「怒っても良いと思いますよ……これに関しては」

ほぼ初対面の、すぐ近くにいた二人に貴方のその過剰に近い優しさは
心配に思われたのか、そう声をかけられた。

アイアン・セイヴィアー『………………』

 小石川は、謎の女と彼の前に立ちはだかり説得を行う。
返答はしないものの貴方の言葉を聞く冷静さはあるようで、持ってるナイフに
対し意識を彼は払わない。歩みを止めて、その目に自分の姿を映す。

 アイアン・セイヴィアー『………………』

 僅かに、その目は謎の女を一瞥すると。腕を組んで一歩、その足は後ろへ下がった。
剣状の鋼は背中に再度くっつく位置に戻っていく。
 どうやら、考えは改めてくれたようだ……。


(常原)

 ドンッ。

女?「あいたぁー」

 アイアン・セイヴィアーの剣呑な様子と自分の貞操も相まって
名も不明な首謀者を突き飛ばす。間延びした声と共に倒れる女性。

 ?「いったいわねー。今のって攻撃?
…………うーん、いや守ってくれたって解釈するべきかしらぁ?
 うふふふっ、危ないって突き飛ばされるシチュエーションって良いわよねぇ。
気分が良いし『ペナルティ』は今は良いわ。それよりも、パーティを始めないと」

 寝っ転がったままだが、女は余裕を保ったままだ。そして叫ぶように号令をした。

         ?「――スキャーレムs  gather(集まれ)!!!」

              『Yes,my lord!!!!!』
 
 ゾロゾロゾロゾロッ!!

 ベティ「! 話で聞いてた実体化スタンドか」
アルキス「多いな。10……それ以上か?」

 キッチンのほう、そしてトイレの方面。それ等から現れたのは
普通の人と何ら変わりない、特色として無駄にキラキラとした爽やかさを帯びた男性ばかり
模した十数人が貴方達を囲むようにしてワラワラと出てきた。
 

 ?「それじゃーさっそく『合コン』を始めるわよぉーーー!!
さぁ、全員席について! 自己紹介しなさい!! 何が面白い一発芸を
最初に披露しても良いわよっ! 私の好感度がアップするわっ」

 勝手な事をほざきながら、集団で座れる長テーブルの真ん中へ
他の男性のスタンドを女王様のように振る舞い率いつつ座る。
 
 常原、小石川のほうにも爽やかな青年の姿形したスタンドが近づく。
メニュー表をもっており、ごく平均的な居酒屋やチェーンのレストランにある
料理が書かれている。お飲み物は何にしますか? と、訊かれる。
 他のメンバーも同じようにスタンドが聞いている……。

441常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/13(木) 23:09:50
>>440
 「え、えェと俺、仕事中のお酒は……」

…『ペナルティ』。物騒な言葉だ。
女の意味不明な提案に惑わされてはいたが、
我々は彼女の『支配下』にあるという事を思い出す。
密室。群体型スタンド。謎の瞬間移動。
今の間は提案に従うのが吉だろう。何をされるか分かった物ではない。
メイドの心構えを引きずり過ぎるのは良くない。

   「……生ビール一杯、頂きます!!!!」
 
   「(小声で)しかし、何とも煌びやかな…趣味の悪い給仕です!」
 
皆が座り終わったら、長机の『男の席』(家政婦とはいえ当然だよな)、通路側に座る。
箸とおしぼりがあるなら全員に配っておこう。デキるメイドとしてアピールしなきゃ。
 
     「『常原ヤマト』」  

     「24歳、家政婦です」
     「今日は頑張っちゃいますよ!!!!!!!!」

442小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/14(金) 10:35:51
>>440

  「……感謝します」

自分の話が通じたことを感じて胸を撫で下ろす。
それと同時に、安心したことによって、ふと冷静さが戻ってきた。
『アイアン・セイヴィアー』の前に飛び出す直前に、
ヤジと天羽から言われた言葉が脳裏で繰り返される。

続いて、その前に自分が発言した内容を頭の中で反芻する。
もしかすると――改めて考えてみると、これはおかしなことなのだろうか?
二人が自分に掛けてくれた言葉を思い直すと、そんな風にも思えてくる。

自分は間違っていたのだろうか?
しかし、今になって参加を断ることはできない。
それでは約束を破ることになってしまう。

やはり――ここは参加することにしよう。
静かな葛藤の末に、改めてそう決心した。
それに、これで一つの事件が穏便に解決するというのなら、それは何よりだろう。

  「あれが……人型実体化スタンド。
   本当に人間そっくり……」

一斉に現れたスタンドの群れを見て、少し前に見たスタンドを思い出す。
人間そっくりという所は、あの少女のスタンドと似ている。
そして、複数体が存在するという点では、また別のスタンドとも共通する。

けれど、それらの経験は、ここでは一旦忘れよう。
このスタンドに関しては、まだ何も分かっていない。
本体である謎の女性と併せて、このスタンド達も謎だらけなのだから。

  ――警戒されないように『指』は戻すとして……。
     『目』は……残しておくべきなのかしら……。

思案しつつ、テーブルにつく前に以下のことを実行する。

まず、切り落としていた2本の『指』は元通りくっつけておく。
しかし、『目』は分離させた状態で残しておき、
テーブル全体が見渡せるような位置に移動させる。
その際は何かの陰になるような位置に配置して、
できるだけ見つからないようにしておきたい。

肝心の『スーサイド・ライフ』自体は――
解除する訳にはいかないので、そのまま持っておくことにする。

  「――シャンパンを……」

席に座ってメニューに軽く目を通し、少し考えてから注文する。
こういった場では、やはりアルコール類を頼むべきなのだろうか?
知識としては知っていても、こうした催しは縁がなかったので内心戸惑っていた。

  「小石川文子と申します……。年齢は28歳。
   星座は天秤座。血液型はA型です」

  「それから――すみませんが、少し『手』を貸していただけませんか?
   本当は自分の手を使いたいのですけど、
   ご覧の通り片手が動かせないものですから……」

爽やかな青年のスタンドに、そう言って頼む。

  「手の甲を上にして、テーブルの上に乗せてもらいたいんです。
   できるだけ指と指の間を大きく開くようにして……」

彼が応じてくれたなら、謎の女性の要求した通り、ささやかな『芸』を始める。

     ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ッ ! !

高速かつ精密なナイフ捌きを駆使して、
青年スタンドの手の甲の上で『スーサイド・ライフ』を何度も往復させながら、
指と指の間に素早く刃を突き立てる。

  「……お粗末さまでした」

『芸』を終えたら、軽く頭を下げる。
今の所の役目は果たした『スーサイド・ライフ』は、とりあえずバッグの中に入れておく。
もし、青年スタンドから『芸』の手伝いが得られなかったなら、
『芸』を披露するのはやめておくことにする。

443小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/14(金) 19:52:27
>>442

もし、青年スタンドから『芸』の手伝いが得られなかったら、
あまり気は進まないが他の人に代わりをしてもらうことにする。

444『合コンをしよう!』:2017/04/14(金) 23:49:24
>>441-442(ALL)

?「ふんふーん♪ そうそうっ、男だったら生ぐらい最初にグイッと飲まないと。
気が利くじゃない、そう言うところも私的にポイント高いわよっ。
 ハウスキーパーねぇ……恰好はともかく、体つきは合格点よねぇ。ふふふふ……♬」

常原の、メイドとしての所作に機嫌よく受け答える。そして、貴方を見る目つきは
何処となく獲物を見る野性的だった。

>少し『手』を貸していただけませんか?

スタンド「えぇ、お客様の仰せのままに」

 爽やかな、女性受けする笑顔でスタンドの男は小石川の望み通りの行動をする。
見れば見る程、まるで女性向け漫画の男が現実に飛び出してきたような姿形だ。
首謀者の欲望が、ある程度反映されてるのかも知れない。
 
 >ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ッ ! !

?「へぇ〜っ、すごいわね。まぁ、私には及ばずだけどぉー」

小石川の行う芸にも、僅かにだが感心の声はあげる。だが、スタンドでの
能力である事も踏まえてか、そこまでの反応でもない。


常原は生ビールを。小石川はシャンパンを頼む。
ベティはワインを頼み、アルキスはブランデーだった。
 天羽はリキュール、アリゼはカクテル。
アイアン・セイヴァーは何も頼まず閉口している。
 小林は驚く事にスピリタスを頼んでおり、ヤジはそれに対し
死ぬ気か? とツッコミつつも、止める事なく常原と同じく
ビールを注文するようだった……ノンアルコールのものだが。

アイアン・セイヴァー以外の全員は、雨宿りした時に全員が述べた
名乗りのまま自己紹介を行った。
?「中々良いチョイスってとこかしらねっ。そっちの体格良いお兄さんが
全くもって無口なのが気になるけど……シャイなのねっ!
それじゃあ……飲み物が届く前に、みんなの夢など聞かせて貰おうかしらっ。
 合コンするなら、そう言う自分の理想を宣言するのって常識じゃないっ!?」

何が彼女にとっての常識が不明だが、酒を飲む前から自己の陶酔をしているらしい
首謀者は貴方達に、『夢』の話を強制してくる。
 話さずも、話しても。この意味あるのか甚だ疑問なパーティは進んでいく……。

小石川の『目』は、全員の丁度死角へと位置する柱へ移る。
 フワフワフワ……。
すると、そこで貴方は金魚らしき生物がビー玉程のガラスに入り込んで浮遊する
可笑しな物体に遭遇した。ガラス玉は、少しだけ小石川の目に対し反応するように「
動くも、それ以上の反応は示さない……。

今の席順だが。長いテーブルを真上から見て男性から
(ヤジ・小林・アルキス・常原・アイアンセイヴィアー)
(   天羽・小石川・ベティ・アリゼ)
首謀者は長テーブルの横。ヤジと天羽の方の位置に鎮座してる形だ。
 
?女「一人、どうやらこの合コンにお呼びでない人がいる見たいだけど。
それでも『八人』。まだ『四人』は余裕をもって入れるわねぇ。
ふふふふ、ふふふふ♬」

 首謀者は、とても上機嫌だ。

445常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/15(土) 00:49:51
>>444
「夢!?」

それならば無いこともない。


「えっと!!!!!!
 まず部屋は散らかっていて!ご飯は作れない、というか掃除洗濯その他の家事全般が出来なく!!
朝は起きれない!!放っておけば死んでしまいそうな!!
俺のことを大事に雇ってくれる、そんなご主人様を見つける!!!
無職でも多忙でも構いません!!!」
「そんな人をお世話したい!!愛をもって守りたい!!俺!!!!」

まあそういう感じ。
好みの人のタイプ、そしてそのハードルが低いことを
暗に伝える高等メイド合コンテクニックだ!

446小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/15(土) 08:03:24
>>444-445

  ――私の『夢』……。

今は亡き『彼』の遺言を守り、この命を全うすること。
それが自分にとっての『夢』であり、何よりも大切なかけがえのない想い。
だからこそ、このような場で明かすことは躊躇われた。

  「……穏やかに暮らすことです」

少し考えて、当たり障りのない答えを口にした。
けれども、決して嘘ではない。
『暮らす』というのは、言い換えれば『生きる』ということなのだから。

  ――……?

そこで気付いた。
この謎の女性の自己紹介を聞いていない。
考えてみれば、まだ名前すら知らないのだ。

続けて『夢』に関する質問をしてきたことから見て、自分からは話してくれそうにない。
もしかすると、誰かが『あなたのことが知りたい』とでも言えば、
多少は情報が引き出せるかもしれない。
自分が言おうかとも考えたが、ふと思った。

そういえば、彼女は常原のことを気に入っているようだ。
自分が言うよりは彼の口から言ってもらった方が、話してもらえる見込みは多い。
どうにかして謎の女性に悟られることなく、それを常原に伝えられないだろうか……。

     チラリ

『彼女の素性を聞き出して欲しい』という意味を込めて、
常原に『アイコンタクト』を試みる。
まず常原に視線を向けてから、謎の女性に向かって視線を移動させる。
それを2、3回ほど繰り返す。
少なくとも、『謎の女性に対して常原に何かをして欲しい』という程度の意図は、
なんとか通じるはず……。
それ以上となると――彼の洞察力に託す他ない。

  ――『金魚』……。これは……スタンド?

切り離された『目』を通して、奇妙な『金魚』を目撃する。
おそらくは遠隔操作を主としたスタンドであろうことは想像できる。
音もなく浮遊している姿に、少しだけ『スーサイド・ライフ』との共通点を感じた。

ここにいるスタンド使いは、謎の女性を除いて8人。
アリゼ、アイアン・セイヴィアー、常原のスタンドは既に見ている。
つまり、ベティ、アルキス、天羽、小林の誰かのスタンドということになる。

多分、『金魚』の本体も同じようなことを考えていると思う。
いずれにせよ、敵ではないはず。
連携が必要になった場合のために、テーブルを観察すると共に、
『金魚』の動きも可能な限り把握しておきたい。

447『合コンをしよう!』:2017/04/15(土) 21:57:01
>>445-446(ALL)

ベティ「夢? あんまり考えた事ないが。アリーナのランキングの
上位に組み込めたらなぁって時折り考えるよ」
アルキス「……ある人の幸せを、これからも支えられれば、と」
天羽「ぇ、えぇっと、わ、私は……同僚の先輩に負けないぐらいの
優秀な、立派な人になりたいと」
アリゼ「夢? はっ、んなもん決まってるだろ。決して普通じゃ
手に入らないぐらいの金、ソレをつかみ取る事だね」
アイアンセイヴィアー「…………」

 腕を組んで、何も黙して語らない最後を覗き。目的あって来た者たちは答える。
小林は、少し考えてから著名な作家に並べられるような本を完成出来たら良いと答え……。

ヤジ「俺は……」
?女「あんたはいいや。興味ないし」
ヤジ「何で俺だけっ!??」
?女「だって、あんたスタンド使いでもなんでもないようだしぃ?
さっさと帰っていいわよ。そのほうが座席空くし」

 一般人に関して首謀者は、けんもほろろにバッサリ切った。

?女「ふぅ……ん。まぁ、良い夢なんじゃないの?
それが大事だって自分で思ってるんならねぇ。
 ……て言うかー? だんまりだとこっちもすこーし苛々なんだけど?」

常原、小石川も含めた全員の回答に対して彼女は淡泊に答えた。
誰かの回答に食指が動いてる様子はない。
 アイアン・セイヴィアーが先ほどから動かない事は、悪い意味で
彼女は反応しえたようだ。
 
 コトン。

目の前に注文された飲み物が運ばれてくる。
 ?女「それじゃあ、みんなーでぇぇぇぇぇぇ!!! かんぱーいっ!!!」

 『………………かんぱーい…………』

 普通のグラスに注いだ日本酒らしきもの片手に首謀者は乾杯の音頭をとる。
他の面子は、当たり前ながら力ない声で反復する。嫌々ながらも先ほど呟いた
『ペナルティ』を警戒して、表面上は形だけでも全員付き合う気のようだ。

448『合コンをしよう!』:2017/04/15(土) 22:15:32
>>447

?女「それじゃー、料理とかも好きに注文しちゃってねー♪
時間はたっぷりあるんだから……それと、私の能力の本領を今から……」

小林「あっ、すみません……つかぬ事を、お伺いしますが。
宜しければ、幹事である貴方の名前を教えて頂いても宜しいでしょうか?
 何分、このまま。そちら、と言う他人行儀で。この素敵な催しを続けるのは不憫かと」

丁寧な物腰を崩さずに、小石川が常原にアイコンタクトでの合図をする前に彼が先に動いた。

?女「んんっ? あー、そう言えば私ってば名乗りもしてなかったわよねぇ。
うふっ♡    ――『ジョアンヌ・ジョセフィーヌ・ジョルジュ』よぉーん♪」

 …………。

告げた名前が、余りにもなもので耳にした者達は一様に白けたり、どう贔屓目に見ても
良い感情を抱かない目つで日本人な顔の彼女を注視する。だが、小林だけは違ったようだった。

僅かに顔つきを変えて、ジョアンヌ? と繰り返す。そして、他の周りで動いてる
実体化スタンド達に顔を向けて、また女性に向き直る。
 そして、何やら得心を浮かべた顔でジョアンヌに軽く礼を告げた。

アルキス「知ってるのか?」

小林「えぇ、このジョアンヌさん。イラストレーターですよ、業界では有名ですね」

   ……BLの

アルキスの問いかけに、常原・小石川達の方に自然と向き直り説明する彼は
最後の部分だけは声に出さず口パクで伝えるのが見てとれた。

 スタンド達が、次に料理の注文で近寄って来た……。

449常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/16(日) 09:40:50
>>447-448
 「かんぱい!!!!!!!!!」
 嫌々参加する。声が大きいのは癖ゆえ。

>>446(小石川の、首謀者へ接触を図るようにとの合図)
     「はい!!!!わかりまし

>>448(小林の口パク、首謀者はBL作家である)
                   …………たぁ  …?」


おやおやおやおや。
そういう事か。俺の臀部を触る時の情熱に比べ、
自己紹介に対しては妙に冷めているなと思ったが、なるほど。
『ネタ探し』なのか?『特殊な性癖』なのか?
本人がだれかと『くっつく』気はなく、むしろ『他人のカップル成立』を眺めたいのか。
  いやいやいやいや
  待て待て待て待て
俺は『ノーマル』だ。
メイドという婦人職に俺は就いているが、
これはポリティカル・コレクトネス だとかそーいう概念の結果であり、…


      (小石川をチラっと見る)
      (小林をチラっと見る)



   「………分かりました……(沈痛な面持ち)」

 「あの…ジョアンヌ様…えっと…」
 「……『好みの男性のタイプ』とかは………」

この常原、皆のため人身御供となる所存。俺は誰と『くっつく』羽目になるのか?
見定めるために質問しておこう………。

450小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/16(日) 14:39:42
>>447-449

他の参加者達の語る夢は、自分にとってはそれぞれ興味深いものだった。
その中でも特に注意を引かれたのは、アルキスの話だ。
彼にも、誰か愛する人がいるのだろうかと思える。
もちろん詳しくは知らない。
けれど、どこか共感を覚えたのは確かだった。

そういえば――ここに入る前に彼が私の名前に反応していたことを思い出した。
それに関しても、まだ不明のままだ。
できれば、この事件が片付くまでには知っておきたい。
しかし、正面から尋ねたとしても答えてくれる雰囲気でもなかった。
あるいは、何かきっかけがあれば訊けるかもしれない。

           スゥッ……

常原から返ってきた言葉に対し、静かに目礼する。
幸いにも合図の意図は伝わったものの、
首謀者の女性に悟られないように、という部分は伝わらなかったようだ。
きっと、自分の伝え方が悪かったのだろう。
けれど、自分の送ったメッセージは結果的に必要がなくなった。
ただ、小林が教えてくれた内容は、今一つ腑に落ちない部分を含んでいた。

  「……?」

彼が声に出さずに伝えてくれたのは、絵の分野の名前だろうか?
それとも専門用語か何かかもしれない。
誰かに意味を訊いてみたい気持ちはあった。
しかし、もしかすると素人が軽々しく口に出すべきではない言葉なのかもしれない。
それを考慮に入れて、あえて質問するのはやめておいた。

  「……???」

常原の表情の変化の理由が分からず、頭上に疑問符が浮かぶ。
ともかく――彼はジョアンヌに質問をするようだ。
それを見守ることにする。
先程、ジョアンヌは『能力の本領』と言いかけていた。
おそらく、それもこれから教えてくれるのだろう。

  「――シーザーサラダをお願いします」

その脇で、スタンドに料理を注文する。
今の自分にとって、常原の心境は理解の外側にあった。
当然ながら、彼の気高い覚悟を推し量ることもできるはずがなかった。
注文した料理が来るまで、切り離している『目』を動かし、改めて室内全体を見渡す。
新しい発見がある可能性は低いが、何か見落としがないとも限らない。

451『合コンをしよう!』:2017/04/16(日) 22:36:16
>>449(常原)

>……『好みの男性のタイプ』とかは

ジョアンヌ「ん? そうねぇ、やっぱり清潔感のある事は大事よね。

けど、見た目とかそう言うの特に私は気にしないわよ。
 一番大事なのは、やっぱり一緒に居て安らぎを覚える事よ!」

ジョアンヌ「貴方も、此処で良いって思う子がいたら。メイドだの何だの
言い訳せずにアタックするべきよぉーん? 人生、恋に愛にストレートに
自分に素直にならなくちゃね!」

そう、常原の質問に返す。良い事を言ってるように思えるが……。

ジョアンヌ「まぁ、安心して! 私、バイだから何でもウェルカムよぉ!!!!
ヤマトちゃん!!! いまフリーなら安心して!!! 私、浮気とかも寛容で
愛人とかの関係でも全然気にしないしぃ!!!??」

全て、その良い事を言ってる感じも最後の宣言で台無しになった。

>>450(小石川)

アルキスに対する疑問が深まる。然しながら、この騒ぎの中では
落ち着いて話すのは難しい、機会を見出さねば。
 貴方は小林の口型の伝えた内容に疑問を浮かべる。
内容を推し量る事は出来ないものの、辺りを観察すれば
小林の口の動きを位置的に読みとる事が出来ないヤジと天羽を除いた
先ほどから一ミリも表情を無から変えないアイアン・セイヴァーを除き
少しばかり引き攣った顔になる事は確認出来た。

 シーザーサラダを注文する。他のメンバーも、アリゼなどは焼き鳥などを注文し
酒のつまみを注文し始める。アイアン・セイヴィアーは平常運転で沈黙を貫いたままだ。

452『合コンをしよう!』:2017/04/16(日) 22:36:58
>>448-450

料理の注文を聞いたスタンド達が厨房へと入っていく。因みに現在の間取を
簡単に表すと、こういった具合だ。

□□☆□□    ☆トイレ
■□□□〇    ■食堂スペース
■□□□□    〇厨房
□□★□□    ★出入り口


「すんげぇ名前……ジョセフィーヌって、おま」
 
「ペンネームだった筈だよ、本名は確か……」

呆れた声をあげるヤジに、小林がスマホを取り出す。だが、彼がそのスマホを
スライドしてネットにアクセスする前に。

 キィ……ン。   パッ。

「はーい、御免ねー? だめだーめ💛
女の子の秘密にしたい事を軽々しく暴こうとするのはねー」

 スマホは、軽く光ると共に。ジョアンヌの手に何時の間にか転移する。
口調は未だ優しいものの、少し目が笑ってない。
 どうやら彼女の本名を軽々しく知るのは禁忌(タブー)らしい。
小林は、少し呆気にとられた顔つきになるも。諦めた感じで素直に居住まいを正した。

ヤジ「……っ『ルール強要系スタンド』って事かよ。
つまり、規定の人数に俺達が達したと同時に。この『合コン』と言う独自の
ルールに基づいて、こいつの言いようなルールに俺達弄ばれている。
危害を加えたり、軽々しく個人情報を本体らしい、このジョアンヌから
詮索しようとしてもっ! 手も足も出せずペナルティを課される!
 くそっ……俺達は、操り人形のように虚しいワルツを踊るしかねぇのか!?」

アリゼ「どうでも良いけど。何で一般人らしい奴が、そんなに
スタンドのルールを熟知してるんだよ……」

 ヤジの遣る瀬無い口調に対し、アリゼが呆れ声で声を挟む合間にも
本体である彼女の独りよがりな舞台は進んでいく。

 ジョアンヌ「はいはーい、注目、注目! 私の頭上に時計があるわよね?」

彼女が指す、天井方面に時計が掛けられている。一見何の変哲もないように
思えたが……長針しかない。その針の示す先は12の内の8の部分だった。

 「――私のスタンド、『ハーレム・スキャーレム』の真の能力が今こそ発揮されるっ」

両手を掲げ、恍惚な表情で高らかに謡う彼女に対し僅かばかり緊張が走る。

ヤジ「真の能力だと? やっぱり、何かしら俺達に……」

 「――合コンメンバーの『増加』! それが今から出るわ!!」

 『…………は?』

 またも、頓珍漢な発言が現れる。

天羽「あ、の……増えるって何がどうして」

 ジョアンヌ「にっぶいわねー……おつむが弱い子にも説明してあげるわ。
『ハーレム・スキャーレム』は、一定数の資格を担う子達が集まった時に
真の力を発揮するのよ……そう! 『引力を高める』と言うね。
――それによって、私は本当の『運命の相手』を、この合同コンパで引き寄せるか
或るいは、この場にいるメンバーの中にいるか見極められるって訳よ!!!」

 ヤジ「んな訳のわからない無駄に壮大な、そんで途方もない下らない目的で
スタンドを乱用しないでくれませんかね!!!!!」

ヤジの大声のツッコミが響き渡る。
 今なら……彼女は前にいる二人の相手で注意が少し散漫だ。
何かしら、他の相手と少しの時間であるか伝えたい事や、この茶番から
抜ける為の妙案を募る事も出来るだろう。


 ゴ   ゴ   ゴ   ゴ   ゴ   ゴ

 そして、僅かに屋内に歪み? のようなものが発生する気がした。
新たなる風が、入口から来るかも知れない……。

453常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/17(月) 22:06:14
>>451
「はぁ」

とりあえずアドバイスをもらうだけで済んでよかった。
最悪、『即売会』に俺似のキャラとこの中の誰か似のキャラが絡む『新刊』が『頒布』
されることを覚悟していたが、それは無さそう…無いよな?



>>452
う、うおおおお!いけません!!!!これ以上の『被害者』が出てしまう!!!!!

…と、言いたい所だが、これで主催者の気分を損ねたなら、
店員型スタンドにキッチンの裏でタコ殴りにされるかもしれない。
それは正直怖いし犬死になので、息をのみながら新たな参加者を待つとする。

 「『カラアゲ』ください」

ついでに料理注文しちゃう。

454小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/17(月) 23:15:16
>>451-452

  ――……小林さん、常原さん、私にも分かりました。

皆の引き攣った表情を確認して考えを巡らせ、一つの結論に到達した。
もしかすると、ジョアンヌは相当な大物なのではないだろうか。
小林が伝えようとしたのは彼女が著名な人物であるということだったのかもしれない。
そう考えると、各々の表情の変化の理由も納得できる。
それを知ったことで緊張してしまい、表情が固くなっているのだろう。

  ――……。

どうやら瞬間移動は彼女自身だけではなく、それ以外にも適用されることが分かった。
けれど、それが分かっただけでは現状を切り抜ける助けにはならない。
本体の意思で自由自在に瞬間移動できる訳ではないと思うが……。

ただ、彼女の本名は重要になりそうだ。
スタンド能力を使って妨害するくらいだから、よほど知られてはいけないのだろう。
それを知ることができれば、何かの助けになる可能性はある。

けれど、気になるのは『ペナルティ』の存在だ。
ジョアンヌの本名を知ることが『ペナルティ』の引き金になる恐れもある。
どちらにせよ、簡単に知ることはできなさそうだ。

  ――『ハーレム・スキャーレム』……。

短針のない時計。
おそらく文字盤の数字が表しているのは『本体以外のスタンド使いの人数』。
これまでの彼女自身の発言が、それを裏付けている。

この人型スタンド達は、あくまで副産物のようなものなのだろう。
本体の指示には従うが、彼ら自身に直接的な戦闘能力はなさそうだ。
そういえば、この人型スタンド達の『正確な人数』は分かるだろうか?

  「……アルキスさん、少し良いですか?」

ジョアンヌの注意が逸れたのを見計らって、アルキスに話しかける。
彼の席が自分の向かいなのは幸いだった。
その点は、首謀者の采配に心から感謝したい気持ちだった。

  「あなたと話がしたいのです。
   ほんの少しで構いませんから時間を割いていただけませんか?
   できれば――二人きりで」

  「もし承諾してくださるなら、ちょうどいい頃合を見計らってトイレに行って下さい。
   そのすぐ後に、私も席を立って同じ場所へ行きます。
   そこなら、静かに話ができるはずです」

  「――どうか、お願いします」

嘘や偽りのない真摯な態度でアルキスを見据えて懇願する。
ここで彼に断られてしまったら、それで終わりだろう。
けれども、これくらいしか自分に出来ることはない。

455『合コンをしよう!』:2017/04/19(水) 12:07:45
>>453(常原)       (レス遅れ失礼しました)

貴方は唐揚げを注文する。生ビールは冷えており、飲めば喉越し爽やか
少ししてから出てきた唐揚げもジューシーで口の中で塩と胡椒が利いた鳥の
肉がジューシーな旨味を引きだてている。これが、こう言う場でなければもっと美味しいものの。

ジョアンヌ「……来ないわねぇ。まぁ……まだ時間はたっぷりあるしぃ?
それに都合良く直ぐには登場しないわよねっ。大丈夫! 待てる女が良い女の秘訣よね!!」

テンションの高い首謀者。だが、反面少し苛立ちも見える気がした。

アルキス「……あぁ言うタイプは、一見普通そうにしてるが沸点が結構短い」

ボソッと、隣でそう呟くアルキスの声を貴方は聞いた。
 そして、ベティ、アリゼの方面では。置かれてる焼き串や他のツマミだが
余り口にしてないようなのに、だいぶ量が妙に減ってる事が視認出来た。

>>454(小石川)

貴方は首謀者が何かしらの巨匠かと考えつつ、群体の人型のスタンドの数を
今までの光景を振り返って統計してみる。確か今の人数の丁度倍で『16』だった筈だ。
 16体のスタンドの外観は、優男で殆ど細身が中肉中背だ。中には少々ガタイの良さそうなのも
いるが見せ筋と言った感じにも見える。中身よりデザイン重視といったところか。
 スーサイド・ライフでも十分対応出来そうだが。そうなると問題は、それに如何なる『ペナルティ』が
起きるかだ。首謀者が目を光らせてる限りは、手荒な真似は危険にも思える。

『アルキス』は、貴方の声掛けに無反応だった。だが、少し飲み物を口に含んでから席を立つ。

アルキス「……トイレに」

 チラッ。

そして、貴方を一瞥しつつ言った場所へ向かった。

456常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/19(水) 15:28:53
>>455
確かに、悔しい事に意外とウマい。いい肉使ってやがるな。
………料理の減りがおかしい?誰が食べているのだろう。

  「みなさんも一緒に食べましょう!!!」
  「あっレモン絞っておきますね俺!!!!!!」

      ジワァァッ……

皆の箸が届きやすい位置にカラアゲの皿を移動する。
レモン汁も垂らす。なんという気遣い!
そしてそれとなく監視。柑橘汁付きのカラアゲ、誰か手を伸ばすかな?

   「串から外しておきますね!!!焼き鳥!!!!!」

     バラ
        バラバラ

ついでに焼き鳥から串を抜き、肉をバラしておく。
なんという男だ俺!!!!!!
…さて、色々な『気遣い』をしてみたが、『沸点の低い』首謀者の様子はどうだろう。

457小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/19(水) 20:10:41
>>455

  ――『16体』。参加者が『8人』だから……?

もしかすると、スタンドの人数から何かを掴めるかとも思った。
しかし、それが分かったところで手がかりとしては弱い。
やはり今のままでは、解決の糸口は限りなく遠い。

  ――せめて『ペナルティ』が何なのかが分かれば……。いっそのこと私が……。

『ペナルティ』の詳細を知るためには簡単な方法が一つある。
実際に『ペナルティ』を発生させてしまえばいい。
そうすれば、『ペナルティ』の正体を確実に知ることができる。

この場で私が攻撃的な動きをすれば、間違いなく『ペナルティ』が発生するだろう。
その結果として、大きなダメージを受けることになるかもしれない。
けれども、それと引き換えに他の参加者に情報を伝えられるのなら問題はない。

参加者が大人しく従っているのは、
『ペナルティ』の詳細が不明であるという部分によるところが大きい。
『ペナルティ』の正体が分かれば、多少は行動もしやすくなる。
そこから頭を働かせれば、
『ペナルティ』の網を潜り抜ける対策を立てることもできるかもしれない。

ただ――どうしても気がかりなことがある。
もし『ペナルティ』が『連帯責任』だった場合、
自分だけではなく他の皆にも迷惑をかけることになる。
それを思うと、『ペナルティ』を意図的に発動させることは断念せざるを得なかった。

     チラリ

  「――……」

アルキスから送られた視線に即座に気付く。
それが無言の合図であることも、同時に理解した。
黙って見つめ返し、了解の意思を伝える。

     スッ・・・

  「……少し、化粧を直してきます」

アルキスがトイレに向かった後で自分も席を立ち、バッグを持って同じ場所に向かう。
分離させた『目』を残しているので、食堂スペースの様子は分かる。
離席している間も、文字通り『目』は離さない。

458『合コンをしよう!』:2017/04/20(木) 20:27:38
>>456(常原)

 貴方は本職としての手際よさで、レモン汁をかけた唐揚げを全員の
手の届く範囲に置く。
 蛇足ではあるが、唐揚げに許可なくレモンをかける事。それは一定の人間には
吐き気を催す邪道と思われる事もある……心に留めなくて別に良い。

 ジョアンヌ「気が利くわねぇ〜……ねぇ、良かったら其のメイド服じゃあなくて
私の眼鏡にかなった服にしなぁい? その方がずっと素敵よん?」

ジョアンヌは、貴方に対し色目を遣いつつスタンドの一人に。いかにも
若者向けといった服を持たせてきた。彼女は唐揚げにレモン汁派なのか?

 ―――シュンッ……

 首謀者である彼女が貴方に意識をやってる最中に、肉料理の一部が消える。
視界の中で、ピンク色状のものが高速で肉に飛びつきアリゼの席のほうに戻っていく。
 
 『……ば ら し た ら つ ぶ す』

 少しだけ視点を変えれば、ベティも食べる仕草だけで実際のところ食べ物はアリゼの
足元ら辺に投げおり、アリゼも同様だ。『ピンク・クリーム69』
 それは、どうやら人間同様の食事も出来るようだ。どうやらジョアンヌの死角で
アリゼのスタンドに餌を与え、何やら準備を行ってるらしい。

 アリゼは口パクで貴方に、首謀者に気づかせたら痛い目に遭わせると脅す。
ベティも、視線で似たような感情を貴方にぶつけてくる……。

 ジョアンヌ「うん、どうかしたの?」

 視線を移した貴方に、不思議そうにジョアンヌは聞いてくる。
誤魔化さないと やばい。

>>457
 『目』の中では、変わらず合コンの面子は食事を続けている。
いや……どうやら食事の振りだけの人間もいるようだ。アリゼとベティの
床ではピンク色のものが蠢き、それに二人が持ってる食べ物を口に運ぶ振りをしつつ
それに与えてるのが確認出来た。
 浮遊するガラス玉の金魚は、動かず貴方の目と同様に監視を続けている。

Inside the pocket, there's one biscuit…♪(ポケットの中にはビスケットが一つ…♪)

トイレの入り口では、壁に凭れ掛かりつつ。
アルキスがハミングして貴方を待っていた。

 アルキス「……そんなに話せる時間はない。手短に、だ」

 ちらりと、貴方を一瞥すると鼻歌を止めて告げた。

459常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/20(木) 23:06:14
>>458
> 『……ば ら し た ら つ ぶ す』

「ひえっ」
焼き鳥の分解はよしておこう。それより、首謀者の目を逸らさねば。
正直自信はないが、やらねばメイドの名が泣く!

 「………」   「べ……」
  「……べべべべべべべ!!!別にィ!!!!」
  「なぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ンでもないですよ俺!!!!!!!」
  「本当に!!!!なんでも!!!!ないです!!!!よ!!!!」

駄目だッ!うまくいってる気がしない!!
何か、何か話題や視線を逸らすような…… …そうだ!

  「あ〜〜ッそうですね!!!
   たまには普段と違う服を着るのもいいですね!!はい!!!」
   「今!ここで!着替えさせていただきます!!!!!!!!!」

      シュルシュルシュル 
           … ガバァッ

『脱ぐ』!!!!
エプロンを脱ぎ、ワンピースの前を開ける!
我が逞しき上半身をジョアンヌに向けて曝け出す!!!!

460小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/21(金) 09:14:50
>>458

  ――何か……始まりそうね……。

『目』を通して、事態が大きく動き出しそうな気配を感じた。
何か出来ることがあれば、助力するつもりはある。
とはいえ、今は自分にできることはなさそうだ。
向こうのことは、残っている参加者達に任せよう。
その間に、個人的な目的を果たすことにする。

  「それでは、単刀直入に伺います」

アルキスの言葉に応じ、前置きを省いて話を切り出す。
与えられた時間が短いことは問題にならない。
なぜなら、こちらが聞きたいことも少ないのだから。

  「この建物の前で最初にお会いした時――
   あなたは私の名前に対して何か引っかかる反応を見せていました」

  「その理由を教えていただけますか?」

アルキスに出会ってから、ずっと気になっていたことだ。
深刻かどうかは別として、ジョアンヌの企みも、どうにかする必要がある問題には変わりない。
しかし自分としては、むしろアルキスの方に関心があるのが正直な気持ちだった。
この一件が終わってしまえば、彼と再会できる可能性は少ないだろう。
だからこそ、彼と別れる前に是非とも真相を知っておきたかった。

461『合コンをしよう!』:2017/04/21(金) 21:47:43
>>459(常原)

 >今!ここで!着替えさせていただきます!!!!!!!!!

『羞恥』等は無用! 必要なのは今の危うい均衡を崩す『勇気』!!

エプロンを脱ぐ! 胸をはたげ、その美しい大胸筋を一身に見せつけっ。

         ――ゴンッ――――!!

ジョアンヌ「いや……良い体つきなのは認めるけど、それはないわー」

 ……ペナルティなのかは不明だが、大きな盆が貴方の頭上より
唐突に落下した。脳天が響き、軽い頭痛が起きる。

女性陣は天羽は顔を真っ赤にして、両手の指の隙間から貴方を見つめ。
 アリゼとベティは、極寒の視線を貴方に向けた。

男性陣でヤジと小林は、今の行動に関知せず食事をしている。
アイアン・セイヴィアーは先ほどから完全に彫像の如く動かない。

一応、アリゼ達からの注意を逸らす事は成功したようだ……。

>>460(小石川)

アルキス「……俺は、『貴方を知っている』
と言っても一方的に、こちらの事情でだ。そして、はっきりこれだけは告げておく。
俺は『貴方を嫌ってる』」

 そう、真顔で小石川の問いかけに対し体を向けて彼は告げる。
冗談で告げてるようには見えない。かと言って、貴方に対し敵意を剥きだしてる
とかでもなく、淡々と事実を述べてると言った感じだ。

アルキス「こんな事を行き成り言われて不快にそちらが思う事も承知してる。
弁明しておくが、貴方は決して俺に対し過去に何かした訳でもないし、間接的に
そっちが俺や俺の関わりある者に対し害を与えたとかでもない。
 これは、俺の我がままで身勝手なエゴから生じる想いだ。謂わば『嫉妬』なんだ。

……俺が何者であるか気になるのも解る。
そうだな……この乱痴気騒ぎが終わったら、告白する事も考えよう。
ただし、こちらにも条件がある。
 ……『貴方自身を見せてくれ』。この宴が終わるまでの貴方の行動をな。
それが、俺からの条件だ。手を貸して欲しい事があるなら、無茶な要求じゃなきゃ
手伝いはするさ。俺や、それ以外の連中もきっとな」

 言いたい事だけを告げて、アルキスは貴方の隣を抜けて
食堂へと戻る為に歩いて行く……。

462常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/21(金) 23:58:46
     ――ゴンッ――――!!

「あいた!!!」

痛い。この一昔前のコメディみたいなやつが『ペナルティ』か?
違うかもしれない。とりあえずタンコブできてたら嫌だな。
冷たい視線ではあるが、自らの方向に首謀者の目を逸らせたので、
俺は満足である。上半身裸でも、とても満足している


 「鍛えてますから!!!これが奉仕のため鍛え上げられた俺のメイド筋!!!」
 「それで!!どうします!!!」
 「せっかく脱いじゃったので着替えましょうか俺!!?!?」
 
席を立ち、今風の服を持った優男型スタンドの側に近寄る。
毒を喰らわば皿まで。この茶番にとことん付き合うと決めたぞ。

463小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/22(土) 21:13:30
>>461

  「――え……?」

アルキスが放った最初の一言は、意外という程のものではなかった。
最初に会った時の彼の言動から、その答えを予期していたからだ。
しかし、第二の言葉は全くの予想外であり、驚かされるのに十分だった。

一人取り残されてしまった後で、アルキスが残した言葉の意味を考える。
もしかすると――それは彼が話した『夢』と関係があるのかもしれない。
けれども、今の時点では単なる直感であり、根拠のない推測に過ぎない。

この場では求めていた解答は得られなかったが、無駄ではないはず。
物事には順序がある。
最終的に真実へ至るためのプロセスだと考えれば、十分な成果だ。

  ――分かりました。その条件に応じます。

アルキスの要求に対し、心の中で呟いた。
相手の素性を尋ねる時には、まず自分の事を明かすのが礼儀というもの。
それを考えれば、彼の出した条件は筋が通っている。
彼が見たいというのなら見せよう。
私がどういう人間であるかを。

     ……コツコツコツ

トイレに入り、鏡の前に立つ。
本当に化粧直しをするわけではない。
これからの行動について考えをまとめるためだ。

アルキスとのやり取りが済んだ今、次はジョアンヌの問題に向き合わなければならない。
今はアリゼとベティが何事かを画策し、常原が注意を引き付けているようだ。
この状況で、自分には何ができるだろうか。

せっかく騒ぎから離れられたのだから、この機会に今までのことを振り返ってみよう。
まず、全員が屋内に入った。
すると、同時に扉が閉まり、すぐさま『アイアン・セイヴィアー』が扉を蹴り付け……。

そこまで考えて、ふと思った。
あの時、彼が受けた『反射』は『ペナルティ』によるものだったのだろうか?
『ペナルティ』を意識し始めたのがその直後だったため、頭から抜け落ちていた。

あの『反射』が『ペナルティ』そのものではなくとも、全くの無関係ではないはず。
そうだとすれば、『ペナルティ』も『反射』と同様に、
それを行った当人に与えられる可能性が高い。
あの時、私はダメージを受けていなかったのだから。

     スゥゥゥッ・・・・・・

鏡の前で長く深呼吸し、気持ちを落ち着かせる。
膠着した状況を打開するために、自分にもできることがある。
それを実際にやるべきかどうかは、ケース・バイ・ケースだ。

そういえば――今ここで一つ試してみよう。
自分の携帯で、『ジョアンヌ・ジョセフィーヌ・ジョルジュ 本名』という条件で検索を試みる。
少なくとも、『彼女の目の届かない所でも瞬間移動が発動するかどうか』は確認できる。

464『合コンをしよう!』:2017/04/22(土) 23:48:20
>>462(常原)

ジョアンヌ「そうねぇー、脱いじゃってるんだし
私好みの服に、やっぱ着てもらいたいしー?
 そんじゃあ、とっとと着替えてきなさいっ!」

軽く、お尻を叩かれ。せっつかれ貴方の背中を押しつつジョアンヌは
今風の若者が着るメンズのズボンと上着が入った紙の袋を貴方に渡して
トイレへの道を示す。小石川はまだトイレから戻って来る様子はない。

 貴方がトイレのほうに行くと、アルキスが肩を竦めて貴方を見つつ横を抜ける。
そして、トイレの戸を開き中へ入り。……後ろから再度扉を開く音が聞こえた。

 「……あの、すみません。ちょっとだけ、お話させてもらえませんか?」

 ――天羽だ。少しビクビクした様子の女性は、貴方へと恐々と言った様子で
見上げるようにして両腕を前に組みつつ佇んでいる。


>>463(小石川)

 貴方はアルキスに心の中で誓いをしつつトイレに入る。
ペナルティの実験として携帯器具を動かす。今時は便利で
スマホからでも簡単にネットで検索して、ある程度有名な人物の情報は入手出来る。
 先ほど、小林がスマホを動かしてた時と同様で回線が遮断されるような事はない。
名前を入力すると、以下の欄のページに移動した。


 ・ジョアンヌ・ジョセフィーヌ・ジョルジュ BL系イラストレーター
 犬歯の君に僕は首ったけ 画像

 ・ジョアンヌ・ジョセフィーヌ・ジョルジュ 本名 佐藤 きく

 ・ジョアンヌ・ジョセフィーヌ・ジョルジュ イベント 

 

 ・イラストレーター  佐藤きく  
星見町公式ホームページ 失踪届け


     ・・・ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

465常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/23(日) 00:42:34
>>464
「おや天羽様」
「異性の着替えの場に立ち入られるとは」

「…あまり長いと怪しまれますから、手短に」


トイレから逃げられるかもしれないかと思ってみたが、
…どうせ無理だろうな。
服を脱ぎながら、話を聞く。下までは脱がないが上は脱ぐ。
監視の目がないか、いちおう周囲を見回しておこう。

466小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/23(日) 07:56:56
>>464

  ――繋がった……?妨害は……されていないようね……。

小林の時のように携帯を転移される可能性も考えていた。
しかし実際は、ごく普通に検索することができている。
これで、ジョアンヌの妨害行動は彼女の目の届く範囲内でしか行えないことが証明された。

『佐藤きく』――それがジョアンヌの本名。
これが分かったからといって、すぐにどうにかなるものでもない。
けれど、使い方によっては、一つの手段として使えるはず。

     チラッ

表示された画像が視界に入るが、この際それは気にしない。
気にしている時ではないというのもある。
それに、愛の形は人の数だけあり、それらは無数に存在している。

これもそれらの内の一つ。
ただ、それだけのことなのだから。
もっとも、画像を見た瞬間うっかり携帯を取り落としそうになったことも事実ではあるが……。

気を取り直し、更なる情報を求めて操作を続ける。
まもなく、その手が止まった。
画面を見つめる目が静かに細められる。

  ――これは……。『失踪』……?

ジョアンヌ……いや、『佐藤きく』は失踪している?
これは一体どういうことなのだろう。
より詳細な情報を確認する必要がありそうだ。

     『佐藤きく イラストレーター 失踪』 

以上のキーワードから再度の検索を行う。
彼女が失踪した背景が分かれば、何かしらの手がかりが掴めるかもしれない。
もしかすると、ジョアンヌが『合コン』にこだわる理由も、そこにあるのでは……?

ただ、あまり長く食堂から離れていると、ジョアンヌに不審がられる危険もある。
しかし、自分は『化粧を直す』と言って席を立った。
少々時間が長くなったとしても、それほど不自然には思われないだろう。

仮に怪しまれたとしても、食堂には『目』を残している。
ジョアンヌの動きは今も把握し続けているし、彼女はそのことを知らない。
もしジョアンヌがトイレに向かうようなことがあれば、すぐに操作を中断するつもりでいる。

467『合コンをしよう!』:2017/04/24(月) 00:00:54
>>465(常原)

 男性用トイレは、男女共有の洋式トイレの個室が三つ。隣には
清掃道具を置く場所が置かれ。小用のトイレも同じく三つ並べており
他には手洗い場。反対に小さい窓は取り付けられているが、閉められている。
 人一人が何とか出れるサイズではある。勿論、問題なく開けられたらの話だが……。
雨の音はまだ続いており、止むのはもう少し時間がかかりそうだ。

 「……あの、私は貴方が一番。あの中で信用出来ると思ったので、正直に言います」

少し言いよどんでいる様子の、灰色の髪の毛をした女性は決意を表示して告げる。

「貴方は、その……とても風変りな恰好だし、場に合わない態度をしてますけど。
けど、その中に『信』を秘めてると感じました。他の人達は、他所他所しいし人となりが
良く分からなくて怖いですけど……けど、貴方なら私も協力出来ると思いました。
 貴方は、周囲を守る為なら躊躇する事なく道化を演じられる、強い人だと」

 スゥー はぁぁ……。

女性は一度大きく息を吸って、そして懐から黒い手帳。
『警察手帳』を取り出した。

 「天羽 すずり。捜査第二課です
この案件を収束する為に、ご協力してください」


>>466(小石川)
 食堂の『目』では、変わらずガラスの金魚も同じ位置で首謀者と
アルキス・小林・ヤジ・ベティ・アリゼ・アイアンセイヴィアーの様子を見守っている。
 アリゼのピンク・クリーム69はジョアンヌの死角の机下で段々肥大化をしている。
聞く事はかなわないが、ジョアンヌ口を開きアイアンセイヴィアーのほうに声をかけてる
様子が見える。それに対し相も変わらず沈黙を守りぬいてるようで、手の平で机を叩き
何やら苛立った感じの彼女も見えて、何やら雲行きが怪しい事が見て取れた。

 スマホで更に検索すると、このような事が判明した。

佐藤 きく。BLイラストレーターである彼女は一か月程前から
担当している編集社と音信が不通な事。
 家宅にも赴いたが、無人である事。事故や事件の可能性も考えられる事。
ツイッターなどの、不特定多数の書き込みでは
彼女が最近だと仕事がスランプ気味で、それが原因で居なくなったのでは?
 と言う話がネット上では飛び交っていた。

掲載されてる顔写真も、メイクなどで今のジョアンヌの容姿と違い暗い感じで
撮られているが間違いなく彼女は佐藤 きく本人だ……。
 特殊なイラストレーター、最近では行方不明の筈の女性。
それが、今この家屋で合コンを開いてる……奇妙だ。

468常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/24(月) 23:15:01
>>467
「 『潜入捜査官』でしたか…!」
「……でしたら何故『メイド服』を着ていないのです?
 潜入捜査といえば家政婦と決まっているでしょう
 色も白と黒でポリスカラーですし……    」


警察か。一瞬驚いた。自分は後ろめたい所もある人間なのだ。。
昔は悪意ある不法侵入にて色々やったものだ。
今は善意からの不法侵入を多くこなしている…

 「『信』、ですか…そう思って頂けたのなら、
  一介のメイドとして嬉しい限りでございます。」

 「と、そんな話をしている場合ではないですね」
 「……警察が絡む事件なのですか、あの首謀者が何かしていると?」

 「『協力』?もちろん、喜んで。
  俺こと常原、誰かのお役に立てるのなら、
  このスレがR18にならない程度で何でも協力いたしますよ」

469小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/24(月) 23:31:06
>>467

   『ちょっと!お兄さん?そろそろあなたのことも教えて欲しいんだけど?
    無口なのもいいけど、限度ってものがあるんじゃない?
    私の我慢に限度があるのと同じようにね!』

  ――そんなところかしら……。

ジョアンヌの口の動きから、彼女が話している大体の内容を予想する。
今は、『アイアン・セイヴィアー』がジョアンヌの注意を引いているようだ。
もっとも、彼自身にはその気はないだろうが……。

考えてみれば、『アイアン・セイヴィアー』の正体も判明していない。
極端に寡黙な彼が、自分の口から説明してくれる可能性は、まず有り得ないだろう。
しかし――今はジョアンヌと彼女のスタンドに対処することが先決だ。

  ――時間は……それほど経っていないつもりだけど……。

いくら化粧直しでも、あまり時間がかかり過ぎると怪しまれかねない。
そろそろ食堂に戻った方がいいだろう。
その前に――少しやることがある。

ハンカチを取り出し、手洗い場の一角に広げる。
そして、化粧品の中から口紅を探すが……見つからない。
どうやら自宅に置き忘れてきたようだ。

  「……仕方ないわね」

バッグの中を探り、果物ナイフを取り出す。
自傷用として常に持ち歩いているものだ。
その刃を、右手人差し指に軽く突き刺す。

   ツツゥゥゥ……

そして、滴る血でハンカチに文字を書く。
ハンカチの色は白だから、よく見えるだろう。
文面は以下の通り。

   『ジョアンヌ 本名 佐藤きく 一月前から失踪
    彼女に見られていなければ妨害は受けません』

文字が書けたら、切った指に包帯を巻いて止血しておく。
少しだけ待って文字を乾かしたのちに、ハンカチを折り畳んでポケットに入れる。
一連の作業を済ませたら食堂へ戻る。

470『合コンをしよう!』:2017/04/25(火) 18:46:44
>>468(常原)

 常原の言葉に、落ち着いた口調を意識した様子で告げる。

 「潜入捜査だなんて大袈裟なものじゃありませんよ。
同僚から、不審なスタンド関連の噂があった為に独自で調査していただけて
此処に巻き込まれたのは、ほぼ偶然なんです。
 あと、私はメイド服なんて着ません!」
最後の部分は膨れ顔だ。貴方の質問に、真顔に戻って少し考えを一巡させて回答する。

「まだ、彼女が……まぁ、今起こしている事を迷惑行為として立件出来ますが
そもそも超常現象ですし、刑法で罰するとしても難しい事柄かと……あ、すみません話を戻します。
彼女がいま起こしてる事以外で犯罪に関与してると言う証拠はないですが。
 ですけど、私は此処の界隈について一つ情報を入手してるんです。
『異臭』が、数日程まえからこの辺で発生してると……。
 本日は雨ですし、先ほど食堂にいても料理以外で特に強い悪臭と言うものも無いですから
関係性は異なるのかも知れません。
 それと……宜しかったら、私のスタンドを受けても宜しいでしょうか?」

 異臭。そしてスタンド能力の付与の有無
それ等を天羽は貴方に対し向けた……。

>>469(小石川)

貴方は白いハンカチに、自分の血でのメッセージを作成して食堂に戻る。
誰も貴方が帰って来る時間や指の傷を不審に思ってる様子はない。いや、それより
何か興味を惹く事が起きたようだった。『目』の情報から、貴方がトイレの
入口から抜ける程度の時にドヨッとベティ・アリゼ、そして先に戻っていたアルキスが
顔色を変えてアイアン・セイヴィアーに顔を向けたからだ。

 ベティ「……『アイアン・セイヴィアー』?
おいおい、おたく冗談で言ってるんだよな」

 はんっ、と鼻で彼女が笑う。どうやらジョアンヌの執拗な追及に
貴方に対してと同じく、その名を告げたのだろう。だが、それはこの場に
大きな波紋を少し呼び起こしたようだ。

小林「何です? ソレって」

アリゼ「……『伝説の傭兵』の名さ。裏の事情を知ってる奴なら聞かない奴はモグリって位の有名な。
西アジア中東の紛争地帯で、スタンド使いで構成された特殊部隊を数夜で殲滅させた。
また、一人でテロリストの拠点を壊滅させたって言うね。
 けど、そんなん何処にでもある作り話だろ? まさかのまさかさ」



 アイアン・セイヴィアー『…………』

アイアン・セイヴィアーは、その正体が本物かどうかはともかく
腕を組んで目を閉じ沈黙を守りぬいている。
 この男がその伝説の傭兵だとして、一体また何故この日本の星見町に
何の目的でやって来たのか疑問に思える所だ。

 ジョアンヌ「ふーん……無骨で全くつまんないと思ってたけど
まさかの掘り出しものなのかしらーん?」

 少し、この場を作り出した張本人は悪い顔で小さく笑みを作った。

471常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/26(水) 14:32:10
>>470
「メイド服のなにがダメなのです!!!」
「これは伝統的な作業着ですよ!!作業着!!!!!!」
「まさか『ダサい』んですか!?!?!?俺が!?!?!?!?!」

慎ましやかかつカワイイ服だというのに、何が駄目なのか。
一度着てみればいいのに。


「『異臭』!?それはいけません!!!お掃除しなきゃですよ俺!!!!」
「さあ早く、俺に『スタンド』を使ってみてください!!!」

何の能力か聞いてないが、喰らってみるのが早かろう。
両手を広げ胸を張り、すべてを受け入れるポーズ…

472小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/26(水) 21:07:48
>>470

  「――傭兵……」

どう反応してよいか分からず、たった今耳にした言葉を鸚鵡返しに口にする。
テロリスト、特殊部隊、紛争地帯……いずれも物騒であり、およそ非日常的な単語だ。
しかし――既に非日常の中にいる今、
そんなことを思っていても仕方がないと考え直し、頭を働かせる。

『アイアン・セイヴィアー』の正体が伝説的な傭兵。
そんな話をいきなり知ったとしても、普通は信じられない。
しかし、彼の纏う風格や彼のスタンドには確かに信憑性がある。

それにしても、彼は何の目的でやってきたのだろう?
まさか偶然ここに居合わせたとは思えない。
明確な目的があって、この場所を訪れたことだけは確かだ。

     コト
  
  「よければ召し上がりませんか?」

席について少ししてから、自分が注文したシーザーサラダの皿をアルキスの方へ差し出す。
その際に、メッセージを記したハンカチを、皿の下に忍ばせる。
ジョアンヌは『アイアン・セイヴィアー』に気を取られているようだが、一応念のためだ。

  「――『美味しい』ですよ」

彼がハンカチに気付いてくれるよう、そう言って誘導する。
このサラダは、まだ一口も食べていない。
今の言葉が不自然だと分かるはず。

彼がこちらを嫌っていることは分かっている。
しかし、今の時点で渡せるのは彼しかいない。
まず、アリゼとベティは独自に何かをしようとしているから、
そちらに注意を向けるべきではない。
小林とヤジは自分と同様に巻き込まれた人間だし、
『アイアン・セイヴィアー』は話をしてくれそうにない。
顔見知りである常原と、話のできそうな天羽は席を立っていて、今この場にはいない。

だからこそ、知り得た情報をアルキスに伝えることを選んだ。
この場を覆せるような情報ではないかもしれない。
それでも、多少は今より動きやすくなるはず……。

473『合コンをしよう!』:2017/04/27(木) 21:54:26
>>471(常原)

天羽「いや、メイド服は可愛いと思いますよ?
 け、けどっ。そちらは、かなりガタイも良いですから。体格の良い人が
可愛い女の子の服を着たらダサいとかじゃないんです。不気味と言うか……」

「って、話を脱線させないでくださいっ。もーっ
……分かりました。別に痛くも何ともないですよ?
 ――『カメラ・トーク』」

    ズズズッ

 警察官の女性である、その細い両手に抱えるように出現するのは
『インスタントカメラ』だ、実体化している像だ。貴方に対し天羽は
そのスタンドを構え、シャッターを切り。そして現像した写真を掲げる。

写真は、何の変哲もない貴方と其の周りのトイレの風景だが……どうも
活き活きとして、まるでテレビの中継のように写真の方の常原も連動して動くのが分かる。

「簡単に言うと、私のスタンドは『撮影した被写体を枠に抑えておく』と言うものです。
相手が何処に行こうと映してるこの写真がある限りは、写真を通して何処に居るのかは
判明出来るんです。被写体の人の声も写真から聞こえたりしますし、特定の連絡を
とりたければ双方に相手の写真を一枚ずつ渡せば、結構高性能なテレビ電話って感じで。
 まぁ写真を通して干渉とかは出来ないし、それ位の力なんですけどね……」

 探査、追跡専門の能力です。そう、まとめて天羽は常原に質問する。

「そちら……常原さんは、どのようなスタンドなんです? 出来れば私は
彼女(ジョアンヌ)を写すか、他にも協力出来る人がいれば写真を作成して連携したいんです。
味方は多いに越した事がないので」

 貴方に対し天羽は協力を求めてくる。嘘はついてないだろう

>>472(小石川)
通りすがりの作家の卵、スタンドを知る謎の過去がある一般人
アリーナの闘者に、貴方に因縁があるらしき謎がある男性
そしてスタンドを狙う盗人と共に伝説の傭兵。
 多種多様で共通点のない者ばかりだ。だが、あるとすれば
前者の作者の卵と一般人を除き、確かな『目的』はあるのだろう。

貴方はサラダを出す、仕込みと共に。

 アルキス『……(ピクッ)』

アルキスは、小さく礼を告げ何食わぬ顔で皿の下のハンカチに目を通す。
内容は理解したようだ。だが、何か気に障ったのだろうか?
 眉を顰め、貴方の皿を移動させた傷をつけた指に少し目を走らせる。
眉間の皺は、より濃くなった。だが、小さく了承の頷きは返った。


>>471-472(ALL)

 ジョアンヌ「さーて……なーんか真の能力(他のスタンド使い呼び寄せ)も調子悪いようだし。
すこーし、ゲームでもしようかしら……」

 ヤジ「ゲーム、だと? つまり、スタンド使いによるスタンドを使用したデスゲー……」

 ジョアンヌ「――王様ゲームよ!!!!」

 緊張感を完全に破壊する事だけは、この首謀者は得意らしい。ヤジが勢いよく机に突っ伏す
多数のスタンドの内の何人かが、王様ゲームをする為の適当なクジなどを
持ってき始める。強制的に参加されてる面子は、色々と溜めてる感情を押し殺し
座して、それを見ている。……幾つかのメンバーは、見た目では判断せずも
自棄にならならいよう、必死に自制をしてる人間も何人か居る筈だ。

474常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/27(木) 23:11:08
>>473
    「な………… 今、なんと」
 この珍妙な服装の男をを一目見た者は、だいたい彼を『めんどくさい変態』と思う。
触らぬ神に祟りなし、と言わんがばかりに逃げたり、
関わりを持ってしまったとしても、見た目の話題を極端に避ける。
それが一般人の、『女装筋肉変態メイド男』との『距離の離し方』だったのだ。

天羽にとって、心の内が読めない人間の中で、、
常原に限り内面『は』まともな人だったがために――
常原がまともな人間であると、内面を信じ、
距離を詰め、言葉を交わしてしまったがために――

        「ぶ、不気味」

……常原ヤマトは、そんな言葉、誰からも言われたことがなかった
たいへんにショックであった。
そうか、似合ってないのか。俺、美的感覚がちょっとアレだったのか

 「警察の方が『カメラ』のスタンドですか
  『いかにも』って感じでたいへんお似合いです」
 「俺のスタンドですよね」
 「『ドリーム・ウィーバー』……」
 「見てください、このスタンド…見た目が『メルヘンチック』でしょう…」
 「へへ、へへへ……不気味…似合ってない……」

各所に裁縫道具の意匠を持ち、女の子型のヌイグルミを模したような、
小学生ほどの背丈のスタンドを発現、以下の概要を説明する。
┌──────────────────────────────────────┐
│                    スタンド名─『ドリーム・ウィーバー』        │
│                        本体─常原ヤマト              │
├――――――――――――┬――――――――――――┬――――――――――――┤
│       破壊力─D  │      スピード─C  │     射程距離─B   │
├――――――――――――┼――――――――――――┼――――――――――――┤
│       持続力─C  │    精密動作性─B   │      成長性─B     │
├――――――――――――┴――――――――――――┴――――――――――――┤
│   .能力─  手からあらゆる裁縫道具を取り出し、それによって        │
│      加工したあらゆる物体は「手縫い化」、要するにヌイグルミのようになる。│
└──────────────────────────────────────┘
 A-超スゴイ   B-スゴイ   C-人間と同じ   D-ニガテ   E-超ニガテ

475小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/28(金) 19:35:07
>>473

  ――指……?

アルキスの視線を目で追い、その胸中を推察する。
彼は先ほど切った指の傷を見ているようだ。
トイレで別れた時はなかったのだから、それを気にしたとしても不思議はない――けれど……。

確かなことは、また彼の気を損ねてしまったらしいということ。
けれど、謝ろうにも、その理由が分からなければどうしようもない。
今の時点では、目を伏せて軽く目礼することしかできなかった。

本人の口から聞けないなら、それ以外の人物から聞くのも一つの手段だろうか。
唯一アルキスと知り合いらしいのはベティだけ。
機会を見つけて彼女に尋ねることができれば、いくらか情報が得られるかもしれない。

     スス……

また、切り離した『目』を通して、『ピンク・クリーム69』の様子を確認する。
今はどれくらい大きくなっているだろう?
アリゼのスタンドは開錠が能力だと思っていたが、
ジョアンヌのスタンドのように隠された能力でもあるのだろうか。

  「『ゲーム』、ですか……」

唐突に発せられた『ゲーム』の声。
参加者である以上は加わるしかない。
しかし、常原と天羽はまだ戻ってきていないようだ。

おそらく、先程の自分とアルキスのように密談を行っているのではないだろうか。
もしかすると、二人がいないことで、ジョアンヌの注意がそちらに向いてしまうかもしれない。
もしそうなった場合は、何か適当な質問でもして彼女の注意を逸らすことで、
二人が戻るまでの時間稼ぎをすることにする。

476『合コンをしよう!』:2017/04/28(金) 22:49:43
>>474(常原)

天羽「ぇ、あ……す、すみません。不気味って言うのは、言い過ぎたかも」

落ち込み、項垂れる貴方を彼女は肩に軽く手を添えて謝罪をする。

天羽「ゆ、許してください。お酒も飲んで、つい軽はずみに
貴方を傷つけてしまって……そんな気は無かったんです。
 あ、そ、その。
『ドリーム・ウィーバー』! 貴方の内にある愛嬌を全面に出てると思いますっ。
そ、それで。その手縫い化で窓とか開けたり出来ませんかっ!?
もう、そろそろ戻らないと。あちらも怪しまれると思いますし……脱出出来る
方法は大いに越した事はありませんから」

 何とか貴方の気分を変えようと話題を本題に戻し、この家屋からの
脱出する方法を、常原の力で出来ないか提案を天羽はする。

>>475(小石川)
 アルキスは貴方の傷ついた指を見つめ、何やら不機嫌になる。理由は不明だ。

『ピンク・クリーム69』は机の死角内で、彼女には気づかれないようピンク色のスライム状の
物体は長机に収まるように立方体で、他の人の足には触れないよう注意深くも肥大化している。
料理を摂取した事で、だいぶ其のスタンドは力も開錠した時より頼もしい感じが見えてくる。
今の容積は大体大きな棚程度と言ったところか……。

 ジョアンヌ「まぁ、でも単なる『王様ゲーム』じゃ面白くも何ともないわね。
そうねぇ……」

 少しジョアンヌは悩んだ仕草を見せた後、電灯が頭につきかねない
名案といった表情で指を鳴らし、そしてスタンドの人型に何やら一つの箱を持ってきた。
 そして、いま周りにいる全員に一つの紙とペンを渡す。

 「ふふふふーん♪ 良い事思いついちゃったわ。単純に何番と何番かキスなんて
したって面白味もないでしょう? 
 だから、この紙に『やりたくない事・したくない事』を書いて頂戴。
それを入れて、ランダムに再度引くの。どう、刺激的でしょう?
 それと、付け加えるけど主観で其の内容がふわっとしてたり
誰か引いても無難なものなら『ペナルティ』なんで、よろしくー♪」

ヤジ「あんたはやんないのかよ……」

 ジョアンヌ「私は二回戦目からやるわよ。皆が素直にやるならねぇ」

 自分のやりたくない事を、誰かがする。誰かのしたくない事を
自分が引いて実行するかも知れない……そんな嫌らしいゲームを
彼女は強制させる……。

 ヤジが据わった目で質問するも、鼻を鳴らし彼女はすげなく
ゲームの卓に入るのを拒んだ。

477常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/04/29(土) 22:45:02
>>476

「はい…………… 
      そうですね……………」

衝撃的な言葉に一瞬驚いたが、大丈夫大丈夫!!!!
気にしたってしょうがなし、さっさと忘れて事件解決の協力だ!!!!!!


  「窓………ですか…………」

  「試して…みますね……俺……」

『縫い針』を発現
柔らかそうな壁材があれば、がんばって刺してみる。
はてさて『手縫い化』は出来るか!?!?!?!?


  「……………これが」
   「終わったら、いったん戻りましょうか…………」


俺は元気だ。いつも通り元気なのだ。

478小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/30(日) 00:03:59
>>476

  「質問があります」

  「『ペナルティ』を受けるのは、クジを引いた人ではなく、
   書いた人間だけと考えていいんでしょうか?」

この首謀者の性格を考えると、気分次第で変えたりしかねない。
常原と天羽が戻るまでの時間稼ぎの意味も兼ねて、改めて確認しておく。
質問の答えが『イエス』であることを確かめてから、クジの内容を書き始める。

     サラサラサラ……

  『その場で席を立つ』

上記のように書いて、紙を折り畳む。
誰かのしたくないことをさせられるのは、まだいい。
自分が引き受ければ、他の人達はしなくてもよくなるのだから。

むしろ、その逆の方が心苦しい。
自分の苦しみを誰かに押し付けることはしたくなかった。
だからこそ、あえて『無難な内容』を書いておく。

そして――それを書いた自分には『ペナルティ』が与えられることになる。
そうすれば『ペナルティ』の正体を明らかにすることができる。
それを他の参加者達に伝えられれば、現状を打開するヒントになるはず……。

もし、先程の質問の答えが『ノー』だった場合は、まだ書かない。
その時は、ひとまず常原と天羽が戻るのを待つことにする。
おそらく、もうすぐ帰ってくるだろうと思う。

479『合コンをしよう!』:2017/04/30(日) 17:19:19
>>477(常原)

 貴方は彼女の不躾な言葉に負けず、『ドリーム・ウィーバー』の針を
窓の周辺に刺す。

 チクッ

手に、鋭くも小さな痛みが走る。目を其処に走らせれば手の部分が
柔らかくぬいぐるみ状に一部変化が起きてる……『反射』だ。
 壁や窓部分には、目立った変化は無い。

 「……やっぱり、強行突破して窓や壁を破壊しようとしても
こちらが逆に大怪我をしてしまうようですね」

 背後で、天羽がため息を吐くのが聞こえた。

「もう戻りましょう。これ以上は怪しまれます」

>>478(小石川)

 ジョアンヌ「そーねぇ。だって、つまらない内容を書く方が悪いもの。
書いた人がペナルティよ。結構重いから良く考えた内容にするのね。
故意に、私に暴力をーっとか。そう言うのも禁止。場が白けるのも駄目
 まー、変わった内容でも面白ければ良いわよ。
……あれ? あのメイド君と。小娘ちゃん流石に遅くないかしら」

 グビッと何杯目なのか知らないが、一気にビールを美味しそうに
飲み干しつつ小石川に告げる。彼女は、酒豪なのだろうか……?
 僅かにトイレに首を何度か向け、空いてる人物を気にする。

机の下に、ぷるっと柔らかいものが微かに足先に触れる。
『ピンク・クリーム69』はこの間も大きくなっている。
 アリゼが、『もう少し……もう少しだ』と軽く危ない目つきで
今のストレスを、次に移す行動の為に抑え込んでるのが目視出来る。


 尚、小石川の『目』から。あのガラス玉に浮かぶ金魚は唐突に
消えて、そして遅れてガラス玉は液体になって柱に付着するようにして
消失した。誰の能力か知れないが、別の行動に移るのだろう……。

480常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/01(月) 20:09:22
>>479
「ここも『反射』ですか……この手段はダメそうです」
「……そうですね…戻りましょう…」

ずいぶん時間が経ってしまった。
スタンドを発現解除。席に戻るとしよう。

 「(小声で)あッそういえば」
 「天羽様に協力って言っても、俺は何をすればよろしいのですか…」

481小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/01(月) 21:01:16
>>479-480

  「私が呼んできます」

そう言って席を離れ、そのまま二人の下へ向かう。
ここはジョアンヌが何かする前に、先手を打った方がいいと判断した。
戻ってくるのが遅いから呼びに行くというのは、それほど不自然な行動ではないだろう。

書いたクジはテーブルの上に置いておく。
内容に変更はない。
自分としては、よく考えた結果なのだから。

アリゼや金魚のスタンドも、もうすぐ新たな行動を起こすらしい。
何をするのかは分からないけれど、自分なりに彼らの援護をするつもりだ。
謎に包まれた『ペナルティ』の正体を暴くことによって。

  「――常原さん、天羽さん。『彼女』の本名は『佐藤きく』です」

無事に二人と接触できたなら、自分が得た情報を急ぎ伝えたい。
これまでと同じように、『目』を通して食堂の様子には気を配っておく。
ジョアンヌに気付かれないように声を潜めて、更に言葉を続ける。

  「彼女は、一ヶ月前から失踪していたそうです。
   仕事上の問題が原因だと噂されているようですが……」

  「食堂から離れている時に調べました。
   彼女の目の届かない範囲なら、妨害されることはありません――」

そこまで言い終えたら、何食わぬ顔で食堂に戻る。

  「――呼んできました。
   常原さんは身だしなみを整えるのに、
   天羽さんは髪型の乱れを直すのに時間がかかったそうです」

適当に事情を説明しつつ、元通りの席につく。

482『合コンをしよう!』:2017/05/01(月) 22:04:32
>>480(常原) (※ミッションの進行ペースに関してはお気になさらず。
告知でも書いてますが、二日に一度のペースでも問題ないので)

 スタンドを解除する。腕の『手縫い化』も当たり前ではあるが戻る。
本体であるだろうジョアンヌを倒す、若しくは無力化するべきだろうか?
 目に見えない部分でも、強引に出入り口を作ろうと試みると痛い目に遭う。
床などは、他の人間も歩いて問題ない事から『反射』の範囲外ではあるだろうが
それでも其処から穴を掘って外に出るのは荒唐無稽の策だろう…。

 天羽「まずは他の方にも一人ずつで良いので、トイレに寄ってもらって
私と二人になり、この能力で撮影して全員が連携出来る状況を作りたい。
と、言うのが私からの要望ですね。他の方達は当たり前ですが大部分が初対面ですし
いざ脱出の機会が訪れても、その時には既に仲違いして其の芽が潰れたら目もあてられないし」

 ガチャ……。

と、会話してると扉が小さく開く。『小石川』だ……様子を見に来たのだろう。

>>481(小石川)

 様々な思惑が交錯する合コンの場。貴方は席を立つと言う、ペナルティを
受ける覚悟で、特に周りに影響及ばない内容をテーブルに置いて。

ジョアンヌの本名、一か月前からの原因不明の失踪。それ等の情報を告げる。

ここで、一人反応があった。状況的に当たり前だが『天羽』だ。

「佐藤きく……あぁ、思い出しましたっ。部署は違うけど、同僚から其の時期に
最近、イラストレーターが行方不明になったんだけど、ファンか不明だけど
しつこく其の事で何度も電話されて、正直いい加減にして欲しいって愚痴を聞かされて。
あの人が、そうなんですね……けど、何でまた合コンなんてやってるんでしょうね?」

 全員が感じてるであろう疑問を口にする。三人は情報共有を一旦終える。

そこで小石川だけが『目』で気づく。ジョアンヌが貴方の席まで歩き
クジの内容を書いたであろう紙に無遠慮に目を走らせているのを……!

 トイレから三人は出て歩く、小石川が席につく前に三人の前に
立ちはだかるようにして、ニヤニヤとチェシャ猫のように笑いつつ
クジの紙をヒラヒラさせジョアンヌは貴方を見る。

 「――『ペナルティ』ね。
とまぁ……どうしようかしら? そうね……
その『指輪』。随分大事そうに嵌めてるわよねぇ? こう見えて私
観察眼は凄いのよぉ」

 指を鳴らし、ジョアンヌはキッチンで作業してたらしい
女性受けしそうな男子のスタンド二名を呼びつける。
 このままでは……『指輪』が『没収』される…………!

483常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/03(水) 23:13:46
>>482
「おおっ」
「そんな事を言っていれば、向うから人が来て下さりました」
「安心してください天羽様、このひとは俺の『知り合い』です
 そして『信用』できます」

なんと、俺の思い当たる有力な協力者候補がむこうからやって来た。
これは都合がいい、すこし声をかけておこう。

 「小石川の奥様!!!!」
 「なんかこのあたり『悪臭騒ぎ』があるそうです!!」
 「こちらの方が、それらの事態の収束にむけ動いているそうで!!!!!」
 「それじゃあ『お花摘み』のお邪魔になるので、俺はこれで!!!!!」

小石川のトイレの邪魔をするのもナンなので、
誰からも引き留められないのであれば、俺はトイレから出ようとする。

484小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/03(水) 23:58:40
>>483

  「悪臭騒ぎ、ですか」

今のところ、特におかしな匂いがするということはなかった。
それが今回の一件に関わっているのかも分からない。
けれど、何か気にかかる……。

  「……天羽すずりさん――でしたね。あなたは?」

彼女がここへ来た目的を、まだ聞いていなかった。
いい機会だから今の内に聞いておきたい。
これから協力するというのなら必要なことだろう。

  「その――電話をかけてきたというのは全て同じ人なんでしょうか?」

関係があるかどうかは分からない。
ただ、確認できることは一応確かめておきたい。
何しろ情報が少ないのだから。

  「いえ……私はお二人を呼びに来たんです。
   今、彼女は『ゲーム』をすると言っているのですが……。
   そろそろお二人を気にし始めていたので、その前に……」

二人と共にトイレから出る時、ジョアンヌの動きが『目』で見えた。
だが、それに対する焦りなどはない。
そのまま何事もないような態度で席に着こうとした時だった。

>>482

  「……!!」

ジョアンヌの言葉を聞いて、さっと表情が変わる。
だめ――ここで動揺してはいけない。
動揺したとしても、それを表に出してはいけない。

毅然とした態度を取らなければ、付け入る隙を与えることになってしまう。
頭では分かっていても、胸の中に生じる激しい感情を抑えることができない。
今この顔には、焦りや怯えといった内心の動揺が、ありありと浮かんでいた。

したくないことをさせられる者の表情。
皮肉にも、今この顔に表れているのは、そういった表情だった。
ジョアンヌが提示した『ゲーム』通りの表情だ。

  「――何を……。何を……するつもりですか……?」

問い掛けながら、何かに押されるように後ずさる。
その声は自然と震えている。
聞かなくとも、ジョアンヌの答えが予想できるからだ。

ジョアンヌには既に『スーサイド・ライフ』を見せている。
だから、その性能は知られてしまっている。
けれど――まだ能力を知られたわけではない。

『目』を操作して、天井に設置されている照明のスイッチを探す。
もし見つけられたなら、ジョアンヌ達に見られないように気を付けつつ、そこまで移動させたい。
こちらに注意が向いているなら、見つからずに移動することは可能のはず。

スイッチが見つからなければ、ジョアンヌ達に近い別の柱の陰に移動させる。
もし気付かれそうになったら、持っているバッグに手を掛けることで注意を引く。
バッグの中には『スーサイド・ライフ』が入っているから、この動作を無視することはないはず。

ジョアンヌの行っている行為が人騒がせな行いであることは確かだ。
それでも、だからといって、この場で『ナイフ』を振り回すつもりは毛頭なかった。
けれど――命の次に大切な『指輪』を奪うというのであれば、
それに対して精一杯の抵抗をすることに躊躇いはない。

485小林『リヴィング・イン・モーメント』:2017/05/05(金) 22:22:55
>>483(常原)

天羽「お知り合い、なんですね? 常原さんの」

 「はい……わかりました。信じます、貴方の言葉を
…………それと、ちょっと声を出来れば抑えてほしいなーっと
思うんですけど」

 はきはきとした口調は、メイドの嗜みかも知れない。
だが声量は、意識して外部に聞こえないよう心掛けているとは
思うものの、その勢いの良さは天羽の表情に引き攣りを生んだようだった。

小石川が、貴方達にゲームが始まると声をかける。
 そして、トイレから出る。……にやにやとした表情のジョアンヌが待ち構えてる。

>>484(小石川)
 
 常原より紹介され、彼女は貴方を信用すると共に警察手帳を見せて
自分が第二課所属の警察官である事を提示する。
天羽「聞いた所によると、何と言うか腐乱臭のようだったと聞いてます。
先ほど常原さんにも伝えましたが。今日は雨ですし、今も食堂のあそこでは
そんな感じはしなかったですね。ですので、既に悪臭の元である何かは
撤去されたのかと思いますが……」

「電話の件ですね。何分、私が応対した訳でないんですけど
同僚が言うには……どうも、妙に笑い声を何度も上げる
『芝居かかった台詞の女性』が、何度も佐藤 きくさんは
行方不明でしょうか? お家の周りをちゃんとお調べになりましたか?
 ……と言う感じで、同じような内容を十数回はしてきたって言っていました。
新手の悪戯電話か、若しくは今回の行方不明に深く関与してるのかと思いましたけど
現に、その件の佐藤さんは見た所元気そうですし……関係ないのかも知れません」

 そう、彼女は常原と貴方に情報を提供した。

486『合コンをしよう!』:2017/05/05(金) 22:37:36
>>483-484(ALL)

 貴方たち三人は、ジョアンヌと対峙する形で立つ。
小石川は、目を照明のスイッチ付近に移動させる。首謀者の動向に警戒をする

ジョアンヌ「ふんふんふんっ♪ そんな怯えた顔されると
虐めたくなるってもんよねぇ……それじゃあ、その」

 ゆ び わ。と言いかける時  その状況は一変した。

 
    アリゼ「  ――いい加減にしろや゛  
   『 ピ ン ク ク リ - ム 6 9 』 やっちまぇえ!!」

          ドォ   ――――zンッン!!

 何と! 

机を吹き飛ばす形で、ピンク色の巨大な塊が其の死角から現れる。
 大きさは優に4メートルはある。長らく、アリゼやベティによって
餌付けした事によって、ここまで膨れ上がったのだろう。ウネウネと其の人の
内臓のように照り輝く肉は触手を数本出して、ジョアンヌに狙い定める。

 アリゼ「ピンククリーム69の本来のスペックは子供にだって劣るさ。
だがなぁ! 人間と同じように栄養を摂取する事によって、私のスタンドは
パワーもスピードも上昇するのさ! ここまで成長すれば、てめぇのスタンドが
どうあれ、ペナルティなんぞ繰り出す前にぶちのめしてやる!!!」

 ヒュ  ォ  オ  ォ オ―――!!

 猛スピードで、ピンク色の肉は鞭のように撓(しな)り
ジョアンヌの頭部目がけ迫る。数コンマ後には、その体は其の
ピンク色の触手によって、壁に叩きつけられるか最悪、顔が潰れるような
惨状を目撃する……と、誰もが思った。

 ―――ピタ。

 アリゼ「……な、に?
 ぅ、動けっ。どうしたピンク・クリーム69、動け、動けってばぁぁああ!?」

 
     ふ     ふ  ふふ♪

 ズ  ズズズ―――

 ……貴方全員が言葉を失うものを目にする。

長時間をかけ、怪物染みた成長を施した『ピンク・クリーム69』
 それは、ジョアンヌの体を直撃する寸前。ピタッ、と時が止まったように
静止すると、そのままズズズとジョアンヌを護るように彼女へ寄り添う位置に
這い、そのまま座椅子のような形になり。彼女の玉座のように変形した……。

 ジョアンヌ「良い椅子ねー♪
これが……『ハーレム・スキャーレム』の『ペナルティ』
此処こそが、我がハレム(聖域) ルールは守らなきゃあ駄目よぉー子猫ちゃん?」

 あはははははっ。とジョアンヌは子供のように無邪気に笑う。

……『ピンク・クリーム69』が 奪われた。
自由自在に変形し、栄養を吸収すれば無尽蔵に大きくなり強くもなると思われる
味方であれば頼もしいスタンドが、敵の 手に……。

487常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/06(土) 00:05:50
>>486
 「…………!!!!」

『ペナルティ』とは、すなわち『スタンドを奪う』事であったか!!
『P・C69』に触れすらせず、そのコントロール権はジョアンヌへに映ってしまった!

彼女の領域においては、自らに牙を向けるスタンド使いすら敵になりえないという事!!
だからこその余裕!!合コンという茶番で遊んでいられる程の余裕!!!!!
何という事だ!!これではスタンドを用いた手出しが出来ない!!!!
これでは彼女の茶番に付き合うしかないではないか!!!


 「………とんだ邪魔が入りましたね、ジョアンヌ様…」

 「ただいま戻りました、常原です」
 「で、今は『何をされていた』ので?」
 「よければ、俺も『最初から』参加したいのですが」

今のところ、何かのゲームの真っ最中という感じではない。
せっかくなので参加してみたいので、リセットを促してみるが………

488小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/06(土) 16:56:29
>>486

  「――そんな……!こんなことが……!」

アリゼのスタンドが奪われた光景を前にして呆然とする。
その事実が意味するのは、単にこちらの戦力が減ったというだけではない。
この場において、ジョアンヌが圧倒的な力を手に入れたことをも意味している。

  ――人型スタンドだけなら、まだ何とかできるかもしれないけれど……。
     それに『ピンク・クリーム69』が加わったとなれば……。

今の状況は完全に不利な状態だ。
やはり単純な力押しは通用しない。
この場を支配する『ペナルティ』の絶大な威力を思い知らされ、額に冷や汗が滲む。

  ――でも……。

『佐藤きく』について調べることを妨害されなかった件が脳裏を掠める。
もしかしたら、『ペナルティ』もジョアンヌが認識しなければ発動しない可能性もある。
そうだとすれば、まだやれることは残されている。

どうにかして彼女に隙を作り、そこを突いた不意打ちを仕掛けることができれば……。
『ペナルティ』を発動させることなく、ジョアンヌの意識を刈り取ることができるかもしれない。
どれほど強力なスタンドであっても、本体の意識が途絶えれば効力も消え失せるはず。

そのために電気のスイッチを切って、照明を落とすつもりだった。
しかし、今のジョアンヌには『ピンク・クリーム69』がある。
迂闊に接近しても、逆に迎撃されてしまうかもしれない。

だから――今はやめておくことにした。
同じ手は二度は使えない。
確実な機会が訪れるのを待つべきだ。

  「――……」

本体の目でジョアンヌを注視しつつ、切り離した『目』で他の参加者達の様子を確認する。
その際、『目』がジョアンヌに見つからないようにするため、適当な物陰に移動させたい。
もし隠せそうな場所がなければ、高度を下げて見つからないようにしておく。
今この場で、参加者達の誰かが何かしらの動きをしようとしていないかどうか。
『目』を通して、それを確認しておきたい。

まだスタンド能力が明らかになっていない参加者も数名いる。
彼らの能力によっては、まだ形勢は分からない。
そういえば――あの金魚のスタンド。
その一部らしいガラス玉が付着した柱に何か変化はあるだろうか?
余裕があれば、それも確かめておく。

489『合コンをしよう!』:2017/05/06(土) 19:30:26
>>487(常原)
 
 ジョアンヌ「王様ゲームよっ! 王様ゲーム。
やっと帰って来たわね。うーんっ やっぱ見立て通り
ちゃ〜んと着替えれば、貴方良い男じゃないっ」

 ピンク・クリーム69の、スライムめいた質感の玉座を楽しみながら
ご機嫌な感じで常原に話しかける。

 ジョアンヌ「それにしても、結構机の上ぐちゃぐちゃになったわね。
はやく、みんな片づけてねー」

 彼女の指揮によって、キッチンから複数。いま現在だと六名ほど
スタンドの給仕達が、いそいそとテーブルから零れ落ちた料理や飲み物を
掃除して、新たに同じ新品を元の位置に直したテーブルに置いていく。

 小林「……飲み物、お注ぎしますよ。それにしても、先ほどの手際は
見事でした。今度書く小説のネタで使用しても?」

 ジョアンヌ「んーんっ。いいわよー♪ うふふふ
ごくごく……うーん、労働後の冷たい水は格別ねー♫」

彼女へ屈したのが、小林は傍に赴いてグラスに水を注ぐ。
 冷えた水を心地良さそうに一杯、飲み干すジョアンヌ。

 ……ピクッ。

すると、小林は僅かにその様子を見て眉を片方上げた。だが、直ぐに
素知らぬ顔で、元の席へ行く。

 ヤジ「ちぃ……スタンド使いじゃない、俺なら」

 小林「……いや、後でトイレに」

 ヤジ「んあ?」

そう、背後で彼らが囁き合うのを貴方は聞いた。

>>488(小石川)

 スタンドの奪取。ペナルティの重さと、その結末に戦きを貴方は感じる。

常原はジョアンヌに喋りかけ、天羽は軽く狼狽してる様子で周囲を見てる。
アリゼは、呆然を隠せない様子だし。ベティは、顔を顰め自分の席らへんで
苛立ちをごまかすように足を揺すっている。アルキスも、軽くポケットに出し入れして
似たような様子だった。小林は、先ほどの騒動前に手元に持ってたのだろう
水差しを持ってジョアンヌに向かう。ヤジはそれを見送ってる形だ。

 今現在、この中で以前 毅然とした様で椅子にどっしりと座り表情を
変えないのはアイアン・セイヴィアーのみだ。鋼状の剣を背もたれにしてる
彼は現況を些事と捉えるように、目を瞑り銅像のように動かない。

『目』で確認した所、金魚が内包されている浮遊したガラス玉だが
僅かであるが、その時に一緒に入っていたのだろう水らしき液体が
柱に付着していた。注意しなければ、元から天井からか熱気で付いたかの
ものだろうと、不審に思わないものだ。

ジョアンヌ「さーて、王様ゲームの続きねぇ。
色々どたばたしたし、新たに二名参加するから。リセットしてやるわよー!」

 幸か不幸か、アリゼのピンク・クリーム69の犠牲と共に
貴方の指輪の件はおなざりになってるらしい。だが、このままいけば
また彼女の遊戯が続く事になる……。

490常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/07(日) 22:47:26
>>489
「(しかし…面倒な)」
「(佐藤……ジョアンヌ様をもし一瞬でも『手縫い化』させることが出来れば、
 『無力化』を容易に行う事が出来るのに!!!!)」


「王様ゲーム!!!!」
「王様だーれだッ!!!!ってやつですね!!!!!!!」
「クジ!!!!!クジ引きます俺!!!!!!」

少年ふたりがなにやら企んでいるようだ。
しかし二人に関わる方法も、この状況の打開策も思いつかないので
いまはクジを引くとしよう。 二つほど『罰ゲーム』も思いついた。

 「『パイ』ください!!!『ホールケーキ』でも!!
  クリームっぽいヤツ!!!ありますか!!!!!!」

 「あと『ビール』をジョッキに、溢れそうなほど!!!!」

491小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/07(日) 23:51:47
>>489

  ――水の中の金魚……。水差し……。『水』……。

これまで得られた情報を基にして、思考を働かせる。
水差しを携えた小林と金魚のスタンドは、どちらも水という共通点がある。
それを考えると、金魚のスタンドの本体は小林なのかもしれない。

あの金魚のスタンドは、次の行動に移ろうとしていた。
その直後に、水差しを持った小林が動いている。
この計ったようなタイミングも、金魚の本体が彼であることを裏付けているように思えた。

そうだとするなら、彼の動きには何かの意味がある。
ジョアンヌの機嫌を取るような行動の裏で、策を張り巡らせているのではないだろうか。
できるなら自分も連携したいが、今は彼に話しかけることはできない。

  ――まだ状況は何も変わっていない。でも、良かった……。

指輪の件が忘れられたことに対し、内心で安堵する。
もし、ジョアンヌが指輪を奪おうとしていたら、本気で応戦しなければならないところだった。
指輪を取られるということは、決してあってはならないことなのだから。

しかし、やはり状況は何も変わっていない。
このままでは、先程のゲームが続行されることになる。
強制的に嫌なことをさせられ、あるいは嫌なことを人に押し付けるという悪趣味なゲームが。

間接的とはいえ、誰かを苦しめるようなことはしたくない。
けれど、それを拒めば、また指輪が狙われる。
胸の中で葛藤を抱きながら、止むを得ずゲームに再び参加する。

492『合コンをしよう!』:2017/05/08(月) 22:45:36
>>490(常原)

 ジョアンヌ「おーぅ! やる気十分ねっ!!
そう言うモチベーションを全体的に高めようとするの、グットよ、グットゥ!!」

 貴方の声の良さに、上機嫌のままに要望通りにスタンド給仕を顎で使い
ホイップ山盛りのパイに生ビールを生々と注いで出す。
 
 スタンド給仕「ホール一杯のケーキは少しお時間が掛かります」

給仕は丁寧な物腰で、そう告げてキッチンに戻る。
少しばかり(2レス)、ケーキの用意は遅れるだろう……。

アリゼ「スタンドが……ピンク・クリーム69が……畜生」

ベティ「うじうじしたって何も始まらないよ、怪我がないだけ儲けもんだと思いな。
ちっ、上から垂れてくる。ちょいと席ずらすよ」

 スタンドを奪われたアリゼは、当然ながら力ない様子で座っている。
それに対し苛立ち混じりでベティは慰めつつ。天井から、先ほどの乱闘で
ピンク・クリーム69が起こした余波であろう。上に吹き飛んだ飲み物が
飛び散った汁が落ちてくる事に舌を打ち、そして椅子をずらして座る。

      ポタ              ポタ。
 
……視線を上にずらせば、天井には幾つかジュースの染み。そして
小さな傷が走っている。


>>491(小石川)
貴方は小林が、浮遊するガラス玉の本体と見当を付ける。
常原に貴方も彼らが何かしら策を立てているのに勘付けるも未だ今の
状況ではジョアンヌに気づかれず、それを訪ねる事は難しい。

指輪の件に対して、これからの先行きも交えて様々な気持ちを抱きつつ
貴方はゲームに参加する……。

>>490-491(ALL)

ジョアンヌ「さぁて、楽しい楽しい王様ゲームの始まりねー♪
んー、でもでも。さっきリセットする前の紙がざっとあるけど……」

ピンク・クリーム69で、ご破算となった際。小石川がペナルティを受けかけた時
常原と天羽を除いた者達が既に出した紙だろう。

ジョアンヌ「言いたくない過去の独白、変顔、鼻からスパゲッティを啜る
火のついたタバコを舌で丸めて
……は〜〜〜〜、小さい……程度が小さいわっ!! ペナルティとかの以前の問題!!
 もっと、こうっ 盛り上げるような奴ってあるでしょ!??」

ヤジ「強制的に、訳の分からない催しに参加させるのは程度の低い行為にならないのか……」

周りの野次も馬耳東風といった感じで、彼女は名案とばかりに指を鳴らし話を続ける。

ジョアンヌ「ルールを付け加えるわ。なーに、簡単な事よ!
いまかーら、さっきの事も踏まえた上で。私が『お題』を書いた紙を
ランダムに渡すわ。そして、それには星が1〜3で付いてるの」

 シャシャシャッ、と。ピンク色の触手が彼女の書いた紙を器用に
シャッフルする。

ジョアンヌ「書いている題の事を、実演するか喋ってね!
尚、星が一つなほど簡単! 三つならそれ相応に難しい事とかして貰うわよ!
恥ずかしい話、とか言う題なら。星一つでシャツを裏返しにして一日中過ごしてた
三つなら、失恋とか友達の事を裏切って死なせてしまったとか言うものでいいわよ☆」

 ヤジ「星三つ重すぎじゃねぇか!!
☆ じゃねぇよ!!」

 もはや、彼女はツッコミに対し何の反応する事なく。便利な第三の手と
化したピンクのスライムは、うにょーんと伸びて各自の胸元に紙を渡した。

尚、紙に書かれていた内容は……こうだ。

小石川  『笑えた出来事 ☆☆』

常原『恋愛に関する事 ☆』

493常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/10(水) 00:24:20
>>492

傷。ジュース。
先程騒ぎがあったが、そのときにできた物だろうか?
――――ううむ、何か、俺は何かに気づいていない…そんな気がする

 「(『傷』も『ジュースの飛沫』も…)」
 「(天井は、それらを『反射』しない)」
 「(これは――――――――



   「――――えっ!!!!!お話すればいいんですか!!!!! 」

   「そういえば昔、こういう事を聞いたことがあります…」

   
   「中学1年の時、『義理のバレンタインチョコ』」を貰って」
   「でもチョコを貰うのは初めてのことでしてね、嬉しかったし、ちょっと動転してしまって」


   「俺は、貰った直後、速攻で包みを開いて、ひとくち食べて…」
   「あいや、よく噛みはしましたよ」   
   「で『今食べた!!!おいしいよ!!!!!!ありがとう!!!!!!!』って言いました」
   
   「貰った物には即座にお礼を言うべきと俺は思ってたんですね…」
   「まあくれた女子は、『おまえ情緒のカケラもねェな』って。白い目で見られました」

   「……」
     「……それだけです……」


   なんかすげェどうでもいい話をしてしまった気がする!!!!!

494小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/10(水) 19:52:14
>>492

  「――……」

渡された紙に記されている内容に目を通す。
星二つ分ということは、それなりの話をしなければならないようだ。
過去の記憶を手繰り寄せ、幼少期の思い出を探し出した。

  「私が七歳の時――両親に連れられて、夏に母方の祖父母の家に行ったことがあります。
   その日は、私達の他にも親戚の家族が来ていました」

  「私は一人で外に遊びに出て、しばらくして泥だらけになって帰ってきました。
   それを見た三つ年上で綺麗好きの従姉妹が、
   私をお風呂場へ連れて行って洗ってくれました」

  「もちろん泥は簡単に落ちました。
   でも、いくら洗っても、その下に付いた汚れが取れなかったのです」

  「最初は柔らかいタオルで洗っていた従姉妹も、諦めてスポンジに切り替えました。
   それでも取れないので、最後には持ち手付きのボディブラシを使い始めたのです」

  「でもいくらやっても一向に取れないので、従姉妹は力を込めてゴシゴシと強くこすりました。
   あんまり力を入れてやるので肌が痛くて、私はそのことを訴えました」

  「けれど、従姉妹は聞いてくれません。
   『我慢しなさい。あんたがこんなに汚れて帰ってくるのが悪いんでしょ。
    ちゃんとキレイにしなきゃいけないんだから』――彼女は、そう言いました」

  「とうとう私は泣き出してしまい、従姉妹もようやく手を止めてくれました。
   そして、その汚れが落ちない理由に気付いたのです」

  「実は、それは汚れではなくて、外で遊んだせいで日に焼けていただけだったんです。
   従姉妹は潔癖症な所がありましたから、汚れだと思い込んでいたのです」

  「……これで私の話は終わりです。お粗末さまでした」

そう言って軽く頭を下げる。
星二つ分の価値があるかどうかは自分では分からないが……。
その従姉妹に会った時には、今でも話題の一つになる話ではある。

それに、少なくとも時間稼ぎにはなるはず。
小林達には何か策があるようだが、直接言葉を交わした上での協力はできない。
今の時点で自分にできることは、彼らのために時間を作ることくらいだ。

事態が動いた時にすぐ連携に移れるように、『目』は小林を注視しておく。
常原にも何か考えがあるらしい。
できれば彼とも話をしたいが、今はそれも難しい。

495『合コンをしよう!』:2017/05/10(水) 21:04:22
(描写と、進行に関わる為。このレス返しのみ順序を逆にします)

貴方達に対し、配られたお題。それに対し、他の者は関心なさげに
ある者は札を見て、露骨に顔を顰めるものも居る。

 後者で、特に反応が過敏だったのは。スタンドを奪取された『アリゼ』だ。

バンッ!

 アリゼ「っおい、これ本当に仕込みなりしてないランダムなんだろうなぁ〜?
くそっ、よりにもよって何でこの題なんだよ」

 机を叩き、放り投げるように彼女に出された札が出る『両親の事 ☆☆』だ。

ジョアンヌ「なーに、そんな怒る事?」

スタンドの使えない彼女に対し、淡々と告げる主催者を睨む。
だが今の自分に出来る事がない事も理解してるのだろう。

 アリゼ「怒るかって? 怒ってるように見えるのかよ、おいっ。
堪らないねぇ、あぁっ!
 ……私が、どう言う風にして今に至ったか。それは、全部くそったれな
『両親』の所為さ」

 肩を軽くいからせ、彼女は食い縛るような表情を浮かべる。
ふと、僅かに『常原』を見た。その意図を理解する前に彼女は答えを吐き捨てるように出す。

「『お嬢様』、お嬢様お嬢様お嬢様、やれお嬢様本日はマナーのレッスンです。
お嬢様、本日は政治学についてです。お嬢様。
 ――くそったれが。
あいつらは、私がこう言う風に手掴みで食べるようなチキンとかの方か好物だって事も
あいつらが見下している庶民や冒険家に、自由に生きる憧れに対しても……。
 何一つだってわかりゃしないんだ。おい、糞メイド。理由を知ったからには
次に『お嬢様』呼ばわりしてみろ。その首にフォーク突き刺して赤装束にしてやる」

 そう言い切ると、平常心を整える為に一度強く息を吐いて乱暴に椅子に彼女は座り直した。

ベティ「……あー。折角だし、今の話でも出た『赤』って事について私は話そうか」

アリゼの壮絶な過去話によって生じた空気を、幾らか変えようとベティは話始める。
 放り投げるように真ん中に置かれた一番目の札に、重ねるように置いたのは
『色について ☆』と言う題だ。

ベティ「私は、何て言うかね。『真っ赤なウソ』って言うのが一番許せないのさ
正義感とかじゃないんだよねぇ、これが。まぁ、極度なジンクスって言っても良い。
私は、生まれてから今までの間。何一つ偽りなく生きてきたなんて口が裂けても言えないが
……まぁ、嘘には敏感なんだよ」

 そう、話を収める。それに重ねるようにしてアルキスが口開いた。

アルキス「俺には、この命を捧げても良いぐらいの人がいる」

『出会いについて ☆☆』と言う題が、三枚目として投下された。

アルキス「最初に出会ったのは、俺の力によって惹かれ合った仲間によって誘われてだ」

「それまで、俺は。俺のこの人生は漠然としていて、例えスタンドと言う常人と異なるものが
振るえても、きっと心の中に巣食っている……俺はこのまま何一つ変わらないまま面白味のない一生を
終えるのだろうと言う達観を抱いていた。だが、それが間違いだと悟れた」

「最初こそ、人と異なる存在だと一歩距離を置いての関係だった。
だが、話す度に俺の中で何かが変わっているのを確実に俺は知っていた。
 ――この人の為に生きたい。
……そう、思えるようになっていた。冷え切っていた石のような胸の中に灯りがついた。
それが、俺の話だ」

 
ジョアンヌ「うーんっ! 中々良い感じの話ね、追及したい気もするし
けど気になるまま終わるのも想像の余地があるって感じね。それじゃあ
続きを『ちょっといいかよ?』 は? なに、能力なし目くそ鼻くそ」

ヤジ「もはや人の呼称ですら無くなってるじゃねえか。
……俺と、ジョーは二人で一つだ。つか、札を俺は貰ってない。
だから、ジョーの出された題は、俺にも話す権利をくれよ」

ジョアンヌ「え、なに? あんたら出来てるの?」

ヤジ「目ぇ光らせんな気味悪い! で、良いのか悪いのか!?」

そんな、やりとりが生まれ。ジョアンヌは数秒悩んだあと
ちゃんと面白い話しなさいよーっと付け加える。

 そして、次に『天羽』に白羽の矢が立った。

496『合コンをしよう!』:2017/05/10(水) 21:24:27

天羽「わ、私は。そうですね……それじゃあ皆さん『ドッペルゲンガー』ってご存知で?」

おっかなびっくりと言った具合で、彼女は『怖い事 ☆』と言う題の札を出す。

「お、同じ人間。自分と瓜二つの人が別の場所で存在するって言う、アレですね……。
これは、ちょっとだけ聞きかじった事なんですが。
 ある男が森近くにある、ある場所での所用から帰り。
今日のような夕立ちが降り始め。運が悪いと森を走り抜ける中、森林付近で
屈みこんでいる人影を見たようなんです。倒れてるようにもその人には見えたとか。
 キノコ採りか、でも雨を降っても微動だにしないので。病気かも知れないと
念のために声をかけた所。……その振り返った顔を見て、彼は固まりました。
 ……それは彼でしたかって? いえ、違います。
――それは『彼がつい先ほど埋めた人物』だったからなんです。
そうです、彼は人を殺し埋めた帰りでした。彼は犯罪者でした。
 恐怖と混乱の固まる最中、振り返った其の人物は彼から逃げるように森の奥深くに
走り消えたとの事です。そして、その去った場所には夥しい泥があったとか。
 彼は、幽霊にあったのでしょうか? いや、それとも死体が本当に蘇って……?」

ぁ、そ、そう言う話です。お粗末様でしたと天羽は話を終えた。

四人が話し終わる。残りは常原・小石川・小林たち・アイアンセイヴィアーだ。

小林達はともかく、彫刻のように口を噤む彼に話を期待するのは望み薄だろうと
全体が感じ始めてる中。それが意外にも……目を開けると、その鋭い眼光の持ち主は口を開いた。

 「――消さなければいけない者がいる』

 重なるように、出されたものは『目的 ☆☆☆』

「滅ぼさなければいけない存在がいる。刺し違えてでも、そうしなければいけない」

「その為に、この国に訪れた。その為に、この町を訪れた。……それが 俺の目的」

そう告げると、彼は腕を組み。又もとのように無言へと至る。

497『合コンをしよう!』:2017/05/10(水) 21:46:18
>>494-493(ALL)

 アイアン・セイヴィアーの語る目的によって再度の重圧と化した空気は
小石川の語る『笑えた出来事』でも完全には払拭されえない。
ジョアンヌは中々面白いじゃないと、フォローがあるものの、それ位だ。

そして『目』を向ければ、他の者の話題の最中小林がヤジへと何かしら書かれた
メモを差し出し、アイコンタクトをするのが目撃出来た。

次に『ヤジ』の番だった。小林が『夢について ☆』と言うのを差し出す。

ヤジ「俺達の夢は『ジョジョになる事』なのさっ。いまいち何を言ってるのか
理解できねぇって言う顔してるのが全員だろうし、説明するとだ。
 ある時、ある場所には高潔なる魂を持つ人間が居た!
そいつは、下劣なる悪を許す事はせず。紳士たる礼節を忘れる事なく
何時だって茨の生えた道を突き進む事に対して恐れをえなかったのさ!
 ――俺はなりたい! 
そんな、輝く黄金の意思と魂を兼ね備えた男にな。だが、俺だけだと駄目だ。
その道のりには導き手がいる、だから、そのコンビにはジョーが必要って事なのさ」

ジョアンヌ「結局の所、あんたらモーホーって事で良いのよね?」

ヤジ「良い訳ねぇだろうが!!!」

 全く関心も感動もない合いの手に、ヤジは大声を張り上げ言い返す。
お笑いと言う意味合いだと良いユニットをこの男女は組めるのかも知れない。

そして、最後に常原の話だ。それが終わると共に……。


>>493(常原)
 ヤジ「へっ……くっっっだらねぇな。おいっ!」

一般人の彼は唐突に、貴方 常原に向けて一笑と付して嘲りの声を上げる。
 何の前触れもない、急な罵倒だ。

ヤジ「クラスメイトからの義理チョコで動転して、その場で食べた〜〜?? ハンッ。
『パク パク』
 あのなぁ、そんな事したって渡した奴が喜ぶかって常識的に解るだろうがよ!
『パク パク』
そう言うのは、その場で愛想よく有難うって返して。後日にでも何かしら
有名店の菓子折りでも一つ差し出して、美味しかったよ
来年もよろしねって言うのが定石ってもんだろっ!?
『パク パク』
 はぁ〜、んな女子見たいな恰好して女心の一つもわからねぇのかぁ〜?」

 『やれ おこって なげてくれ』

肩を竦めて、やれやれの仕草。ジョアンヌに背を向けており
射線には彼女も座っている。
 ホイップクリームがのったパイ、そして貴方。
それに目線を向けると共に、口パク。そして、ウインクが向けられた。
 そのまま常原に対し、不良特有の罵詈雑言が続く。目線は貴方の手元に意識されている。

498常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/10(水) 22:18:28
>>495-497
(アリゼ『両親の事 ☆☆』)
「うおおおおおおおおお!!!!俺の気がいたらず!!!!!」
「申し訳!!!!! 申し訳!!!!!ない!!!!!俺!!!!!」

「お嬢さま!!!じゃないアリゼ様!!!!アリゼ!!!!!!!」

「俺と一緒にチキンをたべようアリゼ!!!!!!!!
  たくさんの手羽先をもってきてください給仕さん!!!!!!!」

(ベティ『色について ☆』)
「ちなみに俺は真っ直ぐスジの通った男を自負しています!」
「信用するならまず俺を!!」

(アルキス『出会いについて ☆☆』)
「そのお方をしっかり、正直に、愛してあげてください!」
「そして降りかかる災いから、しっかり守ってあげてください!」
「以上俺からの!お節介!」

(天羽『怖い事 ☆』)
「!!!!」「〜〜〜!!」「ひえええ!!!!!」
「!!!!怖いです!!!!!!!幽霊!!」

(アイアンセイヴィアー『目的 ☆☆☆』)

「時間の無駄ですね」

(ヤジ『夢について ☆』)

 「聞き逃せません!!!!!」
 「いまや世界はボーダレス!!
  看護婦もキャビンアテンダントも女性だけの職ではなくなりました!!」
 「男の『メイド』がいたって!構わないではないですか!!!」

  パイを右手に持ち、振りかぶって、

 「あと俺は『察しはいい』ほうですゥ〜〜〜っ!!!!!」

      ブゥンッ

 投げるッッ!
 何を企んでいるかは知らんが、任せたぞ少年!!!!   
 見事『ジョジョ』とやらになってみせたまえ!

499小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/11(木) 20:59:44
>>495-498

それぞれの話に耳を傾ける。
首謀者の思いつきとはいえ、各々の素性を知ることができたのは幸いだった。
特に興味を引かれた話も幾つかある。

アリゼが裏の世界に踏み込んだのは、自由を求める思いと、
それを妨げる両親に対する反発からのようだ。
もし彼女が両親と分かり合っていれば、違う道もあったのだろう。
そう思うと、少し悲しさを感じた。

ベティのことはまだよく知らないが、彼女の話には注意すべき点があった。
もしかすると、彼女に訊けば、
今までのジョアンヌの言葉の中にウソがなかったかどうか分かるかもしれない。
とはいえ、その機会はなかなか巡ってきそうにないが……。

そして、アルキスの順番になった。
彼の話は納得できるものだったが、なぜこちらを嫌うのかという理由は不明なままだ。
この一件が終わる頃には、それを知りたいと思う。

続いて、天羽の話だ。
彼女は何気なくしたのかもしれないが、その話には注意を引かれた。
今の状況と重なる部分が何点かあったからだ。

  ――まさか……。でも、そんなことが……?

この近辺で発生していたという異臭。
もし、それが死体だったとしたら?
考え過ぎだろうか……。

イラストレーター佐藤きくの失踪。
警察に何度もかかってきた怪しげな電話。
そして例の異臭騒ぎ。

手がかりは幾つかある。
ただ、それらが上手く結び付かない。
こういう時は別な方向から考え直してみよう。

つまり、『八百十一屋』についてだ。
この場所がどういう場所なのかが分かれば、新しい発見があるかもしれない。
首謀者であるジョアンヌの印象が強すぎて、『八百十一屋』について調べることを忘れていた。

  ――それを知ることができれば、もしかしたら……。

そんなことを考えている時、『アイアン・セイヴィアー』が重い口を開いた。
おそらく、『ピンク・クリーム69』が奪われた光景を目撃したからだろう。
彼でさえ、この場における『ペナルティ』の威力を打ち破ることはできないのだろうか……?

しかし、彼が滅ぼすべき相手とは一体なんなのだろう?
彼自身がこの店の前にいたということは、その相手はこの近くにいるのだろうか?
あるいは――この店の中に……?

ヤジの話は、自分には眩しいと感じた。
その高潔な魂を持つ人間のことも、そうなりたいと語るヤジの姿も。

  ――彼は能力を持っていない。
     でも、彼の心は、能力を持っている人間に負けないくらいの輝きを持っている……。

正面から見ることができず、やや目を伏せる。
そして――。

常原が話をする間、ジョアンヌに気付かれないようにバッグから携帯を取り出したい。
それが成功したら、死角となるテーブルの下で操作する。
『八百十一屋』について検索を試みたい。

そして突然のヤジの罵声。
しかし、『目』で小林がヤジに指示をしていたのは確認している。
だからこそ、これが芝居だということはすぐに分かる。

これから起こるであろう何かは『目』で確認する。
そして、本体自身の目はテーブルの下で画面を見る。
ヤジが注目を集めているであろう今なら、不審に思われる心配もないはず。

500『合コンをしよう!』:2017/05/11(木) 22:35:38
>>498-499(ALL)

各自のお題によっての話は、二人に様々な感想を述べられた。
 常原は彼らの意図を汲んで行動を開始する。
小石川は、分離した『目』で状況を伺いつつスマホに目線を落とす。
『八百十一屋』
それに対して店舗としての飲食店などは記載されてなかった。
最初の項目に載っていたのは、BLを専攻とする佐藤 きくが設けたと思われる
サイトだった。プログは一か月前から更新されておらず、作者である
佐藤の、最近スランプ気味な事などを記す項目が多数書き込まれていた……。

 >俺は『察しはいい』ほうですゥ!!!!

 ブンッと、常原渾身のホイップクリームのたっぷり載せられたパイ生地が
ヤジ目がけ投げられる。だが、それは一芝居であり即興劇だ。
 にやッ、と彼は不適な笑みを浮かべた。投げられるモーションと共に
サッ! と彼は横に移動する。放物線を描くパイは何処に行くか?
 決まってる……『ジョアンヌ』だ。

 「へ?」       ――ベチャ!!!

ヤジと常原のやりとり。先ほどからヤジに対してスタンド使いでないと言う
事からも全く関心も何もなかった彼女だ。常原との応酬でも意識を向ける事なく
酒のつまみを口にしてた感じだ。それに小林も意図してか彼女に話しかけており
気づいた時には既にピンク・クリーム69を動かす暇もない。
 当然……上半身は『パイまみれ』だ。

 ヤジ「しゃはははははは!!! ざまぁ、ねぇって感じだな!!?」

 ちらっ     『あとは任せるぜ、あんたら』

ヤジは煽り爆笑して、その彼女の姿を見て涙目で柏手を打って更に笑う。
 その間に、確かに口の形だけであるが常原や小石川のほうに向けて
サムズアップと共に、最後にそう告げた。

 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ……

ジョアンヌ「――た い じ ょ う・ ・ ・」

 パイが顔からずり落ちた彼女の表情は能面のようだ。その激怒のオーラは
常原でなく、ヘイトを散々稼いだヤジへと注がれる。
  
 ビュンッッ!!        

ヤジ「ぅえ゛っ! ……ぉ。おいおい軽いジョークだろ? 笑えよ」

ジョアンヌ「笑うかどうかは……私が判断するわっ。
――吹っ飛びなさい!!!」

 ギュ ゥ ゥ  ゥ ンッッ!!

 ピンク・クリーム69がヤジの首へと纏わりつく。彼は気丈に汗を額に
流しつつも笑ったものの。スタンドのパワーに叶う筈もなし。
 僅かに、緩衝材として全体にピンク・クリーム69が纏ったかと思いきや
高速で彼は放り投げられ、勢いのままに自動ドアのように急に開いた出口へと
ダストシュートされた。出口はヤジが消えると共に瞬時に閉まる。

 一般人である彼は消えた。だが、彼は散る間際に確かに功績を残した。

ジョアンヌ「くっそ、あのガキ。折角のおニューな服が台無しじゃない!
あー、もうっ着替えてこないと……」

 スタ スタ スタ……。

 ジョアンヌが席を立ち、キッチン方面に消えていく。
……監視の目が、一時的だが消えた。

 それを確認し、青年は立ち上がると共に呟く。

小林「良くやってくれた、親友。
……『本体が何処にいるか』。あとは、それだけ分かれば私達の勝ちだ」

501常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/12(金) 22:17:54
>>500
ご苦労であった少年。
これで『ジョジョ』になれただろうか。

>小林
「本体!?あのパイまみれになられた方ではないのですか!?!?」


俺には分からなかったけれど、少年二人は、
彼女に牙を立てることのできる、なにか能力の『隙間』を発見した、
という事だろう。いったい何だ?

「詳しく!!!!!!!!」

502小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/12(金) 22:57:30
>>500-501

  「……?」

少し意外だった。
てっきり、一番上には飲食店か何かが候補に挙がってくるものと思っていた。
しかし、実際にはそんな店は存在しなかったようだ。

わざわざ店の名前をサイト名と同じ名前にしているのは何か意図があるのだろうか。
今更ではあるが、ジョアンヌの考えは理解が難しい。
けれど、そんなことを思っていても仕方がない。

気を取り直し、ブログの最後の記事に目を通す。
時期から考えても、失踪する直前に書かれたものだろう。
それを読めば、何かしら掴めると思いたい。

  「つまり……彼女は本体ではないと言うのですか?」

  「――その根拠を聞かせて下さい」

吹き飛ばされてしまったヤジを見送り、常原に続いて小林に質問を投げかける。
まるでジョアンヌが本体ではないかのような口振りが気にかかった。
そして、何故それが分かったのかも。

503『合コンをしよう!』:2017/05/13(土) 10:52:47
>>501-502

 小石川は、八百十一屋。サイトのブログ末尾に焦点を合わせる。

『描きたいものが最近浮かばない。完全にスランプ
編集の上とも馬が合わない。吐き気がする、けど描かないといけない』

 『気分を紛らわす為に、石の展示会に行ってみた。
躓いて、鋭い石見たいなので足が結構パックリいった。本当、ろくでもない日
外に出ても良い事は何一つもない。家で、大人しく絵を描くしかないんだ』

『つらい 苦しい 私 一人ぼっち
誰も、相手にしてくれない』

……合コンで振舞った明るさとは真逆な心情を表す陰鬱とした内容が
ブログに長々書かれている。さっきのジョアンヌこと佐藤 きくの明るさは
取り繕っているようには見えなかった。だが、別人のようにブログは
パソコンでの入力ながらも、生なましい暗い感情が見え隠れしている……。


小林「私は、最初にスピリタスを注文しました。ですが、飲んでません
飲んだ、振りをしただけです。私には、それが出来ます」

小石川、常原の質問。他の者も視線で訪ねる中、自分に聞かせるように
小林は単調なトーンで述べる。

小林「私の、能力で。私は水差しにスピリタスを混ぜて彼女に飲んで頂きました。
少しでも酔ったりすれば、幾らが状況が優位に転ぶと思っての試しでしたが。
彼女は顔色一つ変えずに、飲み干していました。
例え、酒豪だとしても明らかに可笑しいものと、私には感じられました。
 ……彼(ヤジ)に、筆談で伝えたところ。同じく筆談で彼は、彼女もこの
合コンと言うごっこ遊びの駒なのではないか? と返しました……。
 彼女が、本体に関わり深いものである事は疑いようがありません。
ですが、彼女自体をどうにかしてもスタンドを完全に打ち破れないだろうと
彼は回答していました。今は、これ以上彼の意見を仰げません……」

 そこで言葉を止める。他のメンバーも難しい顔になりつつ考える。

ジョアンヌが、本体でない……それが真実ならば給仕をするスタンドの中にでも
紛れ込んでいるのか? それとも、キッチンの中で潜んでいる?
 そう言う可能性もなくもない……何かを、見落としてるのかも知れない。

504常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/13(土) 20:10:40
>>503
「お二人の活躍はお見事でございました。」
「しかしそれでも情報不足…何か、何か分かった方は、他にいませんか?」
   「何でもよいのです」

「これ以上ヒントが出ないのなら
 俺は一人で、着替えの現場に直行しようかなと思うのです」
「飲みの席でない、二人きりで、話せることもあるでしょう
 そして俺に対する彼女の好感度は、悪くはないはず」

『チェックメイト』に至るための勝ち筋が見えない。
 …ならば『駒』、それも『女王の駒』を落としにかかる他ない。

あの、おそらく佐藤きく本体と密接なかかわりを持つ『端末』から話を聞こう。
…メイドの力では歯が立たぬが、話を聞き心を解す、それなら俺にも目はある。
最悪、自分を犠牲にする覚悟で彼女を懐柔することも…

505小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/13(土) 22:27:41
>>503-504

  「……お話は分かりました。
   彼女自身もスタンドの一部――
   給仕をしている彼らと同じように、実体化したスタンドという可能性は高いようですね」

小林とヤジがもたらした情報は、確かに大きな発見だった。
ただ、常原が言うように、まだ情報が足りないというのも事実だ。
この状況を打開するための決定的なものが欠けている。

  「私には、これといって気付いた点はありません……。
   ただ、幾つか分かったことはあります」

そう言って、これまで自分が得た佐藤きくに関する情報を全員に伝える。
大したものではないかもしれないが、何もしない訳にはいかない。
自分が見落としてしまっている何かを、他の誰かが指摘してくれないとも限らない。

  「もし、本体が隠れているとすればキッチンかトイレしかない……と思います。
   床下や天井裏に隠れた空間がないとすればの話ですが……」

一番の問題は本体の居場所だ。
この広くはない場所の中で、身を潜められそうな場所は限られている。
給仕をするスタンドの中に紛れているという可能性もなくはないが……
果たして全員の目を欺き続けられるものだろうか?

  「――ベティさん。あなたは嘘には敏感だとお聞きしました。
   今までの中で、何か嘘だと感じるようなものはありませんでしたか?」

藁にもすがるような思いで、不審な点がなかったかベティに尋ねる。
ともかく今は新たな手がかりが欲しい。
ジョアンヌが戻ってくる前に、何とかしてそれを見つけなければならない。

  「常原さん、少し待って下さい。『私』も一緒に行きます――」

バッグから『スーサイド・ライフ』を取り出し、片方の耳を切り落とす。
髪を少し垂らすことで切った跡を隠し、外から見えないようにしておく。
それらが済んだら『スーサイド・ライフ』は、またバッグの中に戻す。

  「正確には、私の『目』と『耳』が、ですが……。
   こうすれば、常原さんの見聞きしているものを同時に私も感じることができますから……」

常原に断ってから、『目』と『耳』を彼の背後に回す。
『目』は彼の背中から少しだけ覗かせて、前方が見えるように配置する。
『耳』の方は出す必要がないので、鼓膜がある方を上にして背中に密着させておく。

506『合コンをしよう!』:2017/05/13(土) 22:59:37
>>504-505(ALL)

                         ?(>>410を、もう一度良く読み返してみましょう……)




 アイアン・セイヴィアー「っ ……」

アイアン・セイヴィアーが、突如首を巡らす。どうかしたのか? と訊く他の者たちを他所に
じっと虚空を見て、最後に上を睨み。誰にも答える事なく再度、腕を組んで目を瞑る。
 何だったのだろう……?


 天羽「常原さん、それは……余り、お薦めしません」

 アルキス「仮にも、女だからな。キッチンに仕切りがあるかは
不明だが、着替えてる最中に入ってきたら怒るだろうよ。
 それに、あの女は。ただ自分が楽しみたいだけで、他の人間に対して
絆される事はないだろう」

常原の申し出に、二人が明確に反対を述べる。

小石川の、佐藤きくの失踪届け。そして天羽から聞いた話などが
全員に共有される。そしてベティへの質問。

ベティ「今の所、誰々の話が完全に胡散臭いって言う感じはしないね。
ぼかしてはいるけど、全員が騙すことなく告白してるだろうさ。
ただ……さっきから、どーうも一番私達。肝心な事を見落としている気がする」

アリゼ「それは、私も思った。なんか歯の隙間に挟まったものが取れないみたいに
何か引っかかってる気がするんだよな。思い出せば直ぐ解る事なんだけど……」

彼、彼女らは一様に少し悩んだ素振りを見せる。貴方たち二人にキッチンへ直行して
直談判する事は、最後の手段にとるべきである事を促した上で何か忘れてる事を思い出そうとしている……。

 小石川の分離の仕込みも、支障なく行われた。

天羽「あ、今の内にすみません。私のスタンドで皆さんに連絡が出来るようにしておきますね」

『カメラ・トーク』が小石川、そして他の面子の写真も撮影して相互に相手の写真を
彼女は渡す。これで、少し離れても写真さえ同時に確認し合えば連絡を行える……。

時間はそう長く許されていない。ジョアンヌが着替えを終わるまでに何かしら
打開策を整えなければ、この宴は最終的に誰も彼も納得できない結末で終わる可能性もある。

507常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/14(日) 13:21:32
>>506
>小石川より佐藤の情報を入手
『悩み苦しむ女性』『ブログは一か月前から更新が無い』
『八百十一屋という店は無い』『八百十一屋は佐藤のブログの名前である』


  『八百十一屋』の外観は、『どう見ても飲食店ではなかった』
  ……現実には存在しない店舗名。
  その名称は『webページ』という『非現実』の物であったか。
   『非現実』……『非現実』?

  webページと同じ名前の飲食店。
  イラストレーションのような煌びやかなイケメン給仕の数々。
  そして、佐藤とよく似た外観の『駒』、ジョアンヌ。

  これらは『現実』ではない。『スタンドにより実体化された非現実』である
  この『八百十一屋』は、『まやかし』である。

>天羽より入手した情報
『異臭騒ぎ』『佐藤は行方不明』

  「オタクで、孤独で思い悩む女性……
   そして異臭…………そういう環境にてお掃除を行ったことがあります。」
 
  「『ニートのゴミ屋敷』にございますね」
  「もしくは『孤独死』」  


佐藤きくは……
…この非現実ではない、本体は、現実の彼女の家に『ご在宅』なのでは。
まやかしの八百十一屋ではない。
この『二階建ての建物』の、どこかに…

  >>505(小石川)
 「奥様、今なんと」

     「『天井裏に隠れた空間』と…………」
 
     「確か……『>>422階段は無い』ですよね、ここ……」

見上げる。

508小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/14(日) 17:41:51
>>506-507

  「……常原さん」

  「私も……それが真相に近いように感じます」

参加者達の各々の意見。
そして、それらを統合した常原の推理を聞き、肯定の意味を込めて小さく頷く。
彼の言うように、この空間の全てが非現実の産物だとすれば辻褄が合う。

  「推測ですが、警察に電話を掛けてきたのは彼女――『ジョアンヌ』でしょう……。
   目的は、おそらく警察署の中にいるスタンド使いを引き寄せるため……かと思います。
   それで警察の方が来たとしても、スタンド使いかどうかは確実ではありませんから、
   『当たり』を引く確立を上げるために何度も電話していたのではないでしょうか」

つまり、人型実体化スタンドを使ってスタンド使いを集めたのと同じこと。
警察への通報も、その手段の一つだったと予想する。
それによって誘き寄せられたのがスタンド使いの天羽だったのだろう。

  「――あっ……」

続いて放たれた常原の言葉を受けて、思わず間の抜けた声が口から漏れる。
重要なことを忘れていた。
どうして今まで気付かなかったのだろうか。

  「……二階……」

誰に言うでもなく、ぽつりと呟く。
この建物は二階建てだったはず。
けれど、ここに階段はない。

『アイアン・セイヴィアー』が見上げていた場所を自分も見上げる。
そこは、『ピンク・クリーム69』が傷を付けた所ではないだろうか?
もしかすると……。

同時に、天井の高さがどれくらいあるか確認する。
行儀が悪いが、テーブルの上に乗ったとしたら、どの程度まで近付けるだろう?
それで足りなければ、各自が座っている椅子をテーブル上に積み重ねることで高さを稼ぎ、
その上に乗るつもりでいる。

『目』と『耳』は常原から離し、キッチンの方へ移動させる。
ジョアンヌの動向を見張るためだ。
小林に頼むべきかもしれないが、いくら相手が人間ではないとはいえ、
着替えを覗かせるようなことを男性に頼むのは気が引けた。

『目』と『耳』を移動させる時は、床の上に下ろして見つからないようにする。
浮遊させていなければ、その分のスタンドパワーを射程距離に回すことで、
射程距離は10mまで伸ばせる。
おそらく十分だろう。

509『合コンをしよう!』:2017/05/14(日) 20:13:10
>>507-508(ALL)

完璧たるメイドを重んじる常原は、その頭脳もメイドの技能と同じくハイスペックである。

この空間はスタンドによって形成している空間。数日前に発生した異臭は死臭
 そして、本体であるだろう彼女は。この『二階建て』の家屋
屋内に階段はなく、その上への道のりは途絶えているが、確かにこの上の何処かで
貴方達を待っている……そう予感がされた。

小石川と同様に、他の合コンメンバーも目を覚ましたように口々に大声は出さずも声を上げる。

ベティ「そうだよ、二階っ……」

天羽「あぁぁぁぁ!? そうですよっ、そうですそうです!」

アリゼ「くそっ、とんだボケなすだ私は。自分で自分をふっ飛ばしてやりたい。
何で今まで気づかなかったんだ!?」

アルキス「二階か……だが、ある程度解決策は見いだせたが。どう、二階まで向かう?
この天井を破壊するにしてもだ、俺のスタンドは、そう言う強硬策に向いてない」

二階にいるであろう本体に向かう。そうなれば一番簡単な方法は直ぐに天井を破ってでも
向かう事だが、彼らは未だスタンドを披露してない人間も複数名だが。その壁を打ち破る程の
パワーはないと告げる。となれば、この中で一番パワーがあると思われるのは実質。

アリゼ「……なぁ、恥を忍んで言うけど。お願いだよ、このままじゃアノいけ好かない女の
手の平で踊ったまんまだ、力 貸してくれないか」

アイアン・セイヴィアー「…………」

剣状の大きな鋼のスタンドを背負う彼に周囲の視線が注がれる。
アリゼの頼みに彼は数秒の間の後に告げる。

「……5秒もあれば、これ位の天井なら数人登れる穴は作れる」

「だが……気づかれないようにするのは、俺には至難だ」

 彼は、その鋼状の剣を振れば天井を破壊する事は支障ないと告げる。
だが、言葉の通り。確かに天井をそのまま破壊すれば、その破砕音は
この家屋全体に響くのは容易に想像出来る。

天井までの大きさは、巨大化していた4メートルサイズのピンク・クリーム69
が触手を伸ばして僅かに触れる程度の傷が出来た事もあり、大体4メートル半か
5メートルと言う感じだ。机に乗り、椅子などで足場を作って大きくジャンプしても
人間ならギリギリ届かないサイズだが……。

510『合コンをしよう!』:2017/05/14(日) 20:23:14
>>507-508(ALL)


小林「ルール強要系スタンドは、そのルールに反しない行動を止める術はありません……。
彼女は、私達に『合コン』をさせようとしています。故に、合コンを破綻させる障害沙汰や
殺人など、彼女の目に映る範囲での攻撃的な振る舞いは全て禁止されている。
私の親友も、投げ出されましたが。そのルールが正しいのならば、彼は今
無傷の状態で、屋外で私達が突破する事を祈りつつ窓なり破壊出来ないか
試行錯誤を繰り返してる事でしょう。
……天井に対しピンク色のスタンドの破壊活動は黙認された。
天井に対する干渉は『ルール外』と言う事です……。
 これ等のスタンドを扱うものは、ありていに本体自身の力は脆弱であると
私の親友は提唱していた。機は、今しかない」

小林は、目に強い光を灯しそうな顔で言い切る。

『目』と『耳』が地面に転がるようにして、キッチン内部を覗く。

『まったく、折角のゲームだって言うのに……あぁ、もうっ
髪の毛まで付いてる。一回切らないと……』

『ホールケーキを持って行って宜しいですか?』

『ふんっ! どーせなら、腹を壊さない程度にゲロ甘にコーディングしなさい。
考えてみたら、あのメイド男もメイド男で、もうちょっと考えて投げれば
こんな風に汚れなかったのよ。キィー!!』

 ヤジの置き土産は、まだ時間を稼いでくれている。ドレスは新調してるようだが
奥が鏡張りの、少し豪勢な調度品が並ぶ厨房では。大き目のケーキを作成するスタンドの
傍らで、クリームのついた毛を切りながら金切り声を小さくあげる佐藤 きく。
いや、この『ハーレム・スキャーレム』の中核であり本体の代弁者であるのだろう
『ジョアンヌ』が苛々しつつ鋏を振っていた。常原が注文したホールケーキは
完成しており、全員の居る食堂に運ばれそうなのも。幸か不幸かジョアンヌの意地悪で
中断されている。彼女が身なりを整えるか、食堂の異変に気付く事がない限り
もう少し(1レス程度)だけ時間は稼げる……。

511常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/14(日) 22:59:37
>>509-510
「ならば」
    「『ドリーム・ウィーバー』」

俺のスタンドを発現!!この能力は、『非力』でこそあるが、
物体を『手縫い化』、布と綿と糸に再構成できる!!!

 「『破砕音』が鳴らなければよいのですね」
 「となれば!!!!!仕事にございます!!俺の!!!!!」

天井には!!! 机に乗り、椅子などで足場を作って大きくジャンプすれば
『スタンド』ならギリギリ届く!
なので足場を作ろう!

 次に『縫い針』を発現。
 天井が柔らかそうなら、そのまま刺しに行く。 
 天井が固そうなら、
 柔らかげでほどほどの大きさの何か(紙とか料理とか)に刺し、その何かを『手縫い化』。
 『手芸用ボンド』を発現しその何かに塗り付け、天井に引っ付けに行く。

要するに天井に、『手縫い化』が発生する『加工』を施す。
天井にスタンド攻撃が通るのであれば、これで天井のうちの直径2mがヌイグルミ状になる。

  「これで『壊しやすい』でしょう!!!!!」
  「あとはお任せしますよ!!!!!!」

512小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/15(月) 18:03:30
>>509-511

  「ふんっ!どーせなら、腹を壊さない程度にゲロ甘にコーティングしなさい。
   考えてみたら、あのメイド男もメイド男で、もうちょっと考えて投げれば
   こんな風に汚れなかったのよ。キィー!!」

ジョアンヌが発した言葉を一言一句漏らすことなく、そのまま口に出して言う。
こんな機会でもなければ、まず口にしない類の言葉だ。
しかし、これで自分の見聞きした光景が即座に全員に伝わるだろう。

  「……だそうです。彼女が戻るのもケーキが来るのも、あと少しかかるようです」

  「――『お早く』」

引き続き監視する。
そして『スーサイド・ライフ』を取り出して、軽く振る。
常原達が天井に対応している間に、左手の『小指』を切り落とす。

そのまま照明のスイッチに移動させる。
ジョアンヌがキッチンを出て行こうとしたら、彼女が食堂に入る前に電気を消すためだ。
これで天井の異常に気付くのを多少なりとも遅らせる。

513『合コンをしよう!』:2017/05/15(月) 19:58:18
>>511-512(ALL)

常原ヤマト、彼の『ドリーム・ウィーバー』の真髄はスペックではない。
愛らしい見た目には想像及ばぬ、柔らかにさせ鋼すらも卸す能力。

 ビシッ ビシッ ビシッ。

愛らしい、人形めいたスタンドは。つぶらな瞳を鋭くさせ、巧みの技を
連想させる手技で天井に人が二人分入れる円に、『手縫い』を施した。

 セイヴィアー「……大した業(わざ)だ」

  ズ ズ ズ…!

たった一言だが、寡黙な彼なりの、最高の誉め言葉なのだろう。
 剣状の鋼は、僅かな時間と共に一瞬その形を歪めたかと思った瞬間
長方形状の、錐のような細長い形へ変化した。

 セイヴィアー「大した能力など無い……ただ早く、ただ固く
単純な形へと変えるだけ。だが」

 「――それだけで、良い。それが救いに繋ぐのなら」

      ズ   ォオ――――zノッン!!

 細長く変化した、アイアン・セイヴィアーは。ドリーム・ウィーバーの
手縫い化した溝を、一ミリもずれる事なく正確に 一瞬で  分かつ。

 スポンジを、カッターで切り分けたようにズズッと落下する天井……
いや、二階の床部分。それを、セイヴィアーは其の細長い霧状の鋼で
チーズフォンデュを刺すようにして、床にそっと落とした。

 と、同時に。

            ム      ァ゛

 「……ぅ゛」

 「これは……物凄い、悪臭だ。生ごみを数週間置き詰めにしたかのような」

二階から、堰を切るように異臭が下へと這い出てくる。

 誰ともなしに、鼻と口を押さえつつ顔を顰める。

だが、道は出来た……残るは、登るだけだ。

514『合コンをしよう!』:2017/05/15(月) 20:17:39
>>511-512(ALL)

 『ふーっ……よーやく一通り髪の毛もセットし終えたわ。
さーって、仕切り直して王様ゲームよ、王様ゲーム。
 ……?
なーんか、あっちが静かね。主催の私が居ないから?
 …………いや、なーんか嫌な予感するわね。行くわよスキャーレム達』

 『目』と『耳』が彼らの接近を捉える。
切り落とした指は、この一階全体のホールの照明のスイッチに辿り着く。
 だが、あと十秒足らずで彼女達は此処へ来るだろう……!

 と、その時に。小石川と常原に差し出される手があった。




    アルキス「……後は、あんた達に任せる事にしよう」

『アルキス』は、貴方達に『ビスケット』を差し出してきた。
二個……丁度、一人に一個ずつ。カンガルーのような形をしたビスケットだ。

 アルキス「噛むと同時に、二階へ跳べ。全力で、だ
そして、急いで本体を見つけて止めてくれ」

ベティ「本体をぶちのめしたいやりたいのも本音だが。足止めは多いほうが
越した事にない。ルール強制、だっけね?
 相手が襲って来るんなら、正当防衛はルール違反じゃないだろうさ。
こう言う、シンプルなのが一番良いね」

 楽し気に、今までの鬱憤もようやく。この自分達が起こした所業を
鬼気迫って止めようとするだろう能力の核相手に暴れられるだろう事を
楽しんでる様子で、ベティも貴方たち二人に軽く手を振って笑う。

天羽「わ、私も警察官ですっ。護身術は習ってるんですっ
スタンドは非力でも、市民を守る為なら体だって張るんです」

アリゼ「ピンク・クリーム69を奪われたのは、ひとえに私の注意不足だ。
本体もそうだが、あのクソ女を一発で良いから殴り飛ばす……!
 いや、絶対に〇〇〇して〇〇〇してやるっっ!」

小林「私もこちらの迎撃に組む事にします。お二人とも、気を付けて」

 六人のスタンド使い達は、ベティ及び奪われたピンク・クリーム69
そして多数のハーレム・スキャーレムの下僕達の足止めに回る事を宣言する。

目的及び人種や思想に性格も合わさらぬながらも、この奇妙な合コンのメンバーは
この宴を打ち破る為に、一時的ながらも結託するっ!

515常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/15(月) 23:06:10
>>513
アイアン・セイヴィアー。
この男性のスタンド能力は……俺のスタンド能力に対し、有利だ。
発動と変形は早く、直接的。固く、鋭い。
手間をかけ物を柔らかくする俺の能力と正反対と言わざるを得ない。

  「……ありがとうございます!」
  
この男については色々思う所があるが…いまはそれどころではない。
>>514
   「皆さまありがとうございます」
 「それでは俺は……これより『お掃除』に行って参ります!!!!!」
  「ご息災を!!!!!!」
  
    ベティのクッキーをパクっと食べ、

     「とォっ!!!!!!!!!!」

           そして跳ねる!目指すは2階ッ!!

516小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/16(火) 04:24:59
>>513-514

   パーツ
まず『部位』を戻す。
『小指』はポケットの中に。
『目』と『耳』は自分の背後に。          パーツ
その間にジョアンヌ達が戻るかもしれないが、『部位』の回収を優先して待つ。
二階へは、一足先に常原に行ってもらうことにする。

  「ありがとうございます」

全員に向けて軽く頭を下げる。
そんなはずはないが、思えば随分と長い間ここにいたような気がする。
彼らとも古い付き合いのような気さえした。

    カリッ

 パーツ
『部位』が回収できたら、アルキスから手渡されたクッキーを齧る。

  「では――」

ここを出たら、春野菜を買いに行こう。
『八百十一屋』ではなく『八百屋』さんへ。
その時は雨が止んでいると助かる。

  「――行ってきます」

――跳ぶ。

517『合コンをしよう!』:2017/05/16(火) 22:24:13
>>515-516

 ガリッ

ビスケットを齧ると共に、貴方達は足に違和感を感じる。
 嫌な感覚、ではない。アキレス腱全体に強い熱が発生して
屈伸と同時に、その熱が発散され解き放たれる予感。
 言うなれば『誰よりも高く跳べる』。そんな絶対的な確信を両者は感じられる。

 ド ォ ッ ン!!

 アルキスのビスケット(スタンド)の効力は抜群であった。
視界が一瞬ぶれると同時に、明るかったホールより真っ暗な狭い一室へと変化する。

 そして、貴方達二人は暗転した景色の中へと招かれる。その様子は
僅かにではあるかも知れないが絶句しかねない内容だ。

 ゴミ  ゴミゴミゴミゴミゴミゴミ……

テレビで放映されるようなゴミ屋敷に劣らない生ごみに黄色や黒の
ゴミ袋が床一杯に引き詰められている。後ろ手に階段らしきものも見えるが
その空間にもゴミが山積みにされていて、さっそく階段としての機能を果たしてない。
トイレらしき部屋もあるが、そこも便座が辛うじて見える程度までゴミ袋が山積みにしてる。
貴方達の鼻は、瞬く間に其の強烈な悪臭の所為で麻痺してしまう事は容易に伺えた。
奥に扉が見える。だが、それもゴミの袋が半分ほどまで埋まり貴方達の行方を遮っている……。


 ■■扉■■
 ■■■■■    ◎トイレ  ■ゴミ  □現在位置・すぐ後ろに一階に通ずる穴
 ■■■■◎    ▽階段
 ■■□■■
 ■■■■■
 ▽■■■■

518常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/16(火) 23:17:44
>>517
「奥様」
「足元に、お気をつけて」
「部屋が片付くまでそこでお待ちになってもよいのですよ」

後ろにいるであろう小石川を気遣う。こんな中でドレスで歩けば汚れてしまう…

俺は借り物の服なので、いくら汚れたって構わない。それに『メイド』ならこんな状況にも慣れっこ。
足元のゴミをのけながらトイレへと進もう。
そしてトイレの様子を見る。ここ最近使われた形跡はあるか?

「!!!!!これはまた大変な量をため込まれて!!!!!」

「佐藤様!!!!佐藤きく様!!!!!!!!!」
「生きておいでですか!!!!!!お返事を!!!!」

声をかけ、耳を澄ます。
先ほどは冷静に『孤独死』などと言ったが、死なれていてはとても悲しい。
それに『死んでからも発動するスタンド能力』など、聞いたことがない……
本体は生きている、はず…(この広い世界の中にはそんな能力もあるのかもしれないが)

519小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/17(水) 00:09:19
>>517

  「――ッ!!」

          ぐ ら り

想像を絶する光景。
そして、それ以上に強烈な臭いに直面し、気が遠くなるような眩暈を覚えた。
身体から力が抜け、その場に崩れ落ちてしまいそうになる。
しかし、ここで倒れる訳にはいかない。
まだやることが残ってるのだから。

バッグから『ドライフラワーの瓶詰め』を取り出して蓋を開ける。
この惨状の前では焼け石に水程度だろう。
それでも、顔に近付けておけば、自分自身の気分の悪さは幾らか緩和されるはず。

  「――私は、大丈夫です」

  「それよりも……『彼女』は大丈夫なのでしょうか?」

瓶詰めの香りで気を落ち着けながら、『左手』を切断する。
そして、『目』と『耳』と『左手』を操作。
目指すは奥の扉だ。

  「常原さん――」

  「私はこちらを調べてみます」

『耳』を扉に近付けて、中から音がしないか確かめる。
その後、隙間でもあれば、『目』で覗いてみたい。
なければ、『左手』でドアをノックしてみる。

反応があればいいが……。
なければ、ドアを引っ張り、『目』が入れる程度の隙間を作ろうと試みる。
ゴミ袋が引っかかっているなら、『左手』で出来る限り退かしてみたい。

520『合コンをしよう!』:2017/05/17(水) 22:47:12
>>518(常原)


 貴方は大声で佐藤 きくの名前を呼び掛けながらトイレ前まで向かう。

……返答は無い。ゴミ袋を除けてトイレの水から使用跡の時間を測定して見る。
 水は濁っている。およそ一週間程度は使ってないように思える。
カサカサと、壁に嫌なものが一塊になって動くのも見えた。これ以上
ゴミ袋を動かしてトイレ内を動き回れば、恐ろしい目に遭う予感もする。

>>519(小石川)

 幾らかは袋に詰められているとは言え、圧倒的な量だ。
ドライフラワーの香りが鼻をくすぐり、幾らか気分を緩和させるものの
確かに大火に柄杓一杯をかける程度の効力だ。然しながら、人間の鼻は便利なもの
 数分経てば、嬉しくはないが鼻も麻痺するだろう。

前方に見える扉を、分離した『目』『手』『耳』が浮遊して向かう。
 扉はゴミのバリケードで閉じられており、爪が入る程度の本当に
僅かな隙間があるものの完全に開ける事は今の状況だと難しい。

 耳を澄ましても物音と言えば常原の声と足音ぐらい。何とか貴方は
手を使い、ゴミの山を気休め程度になるが動かして何とか指が入る程度の隙間が作られる。

 ……いた。

 扉の奥。隙間から見える光景は、ゴミ袋の山ではない。
部屋一面に、仕事で使用したものだろう女性向けポスターが一面に貼られている。
 その中心に、作業机と椅子があり……小柄な煤けた背中が丸まって座っている。
恐らく……『佐藤 きく』だ。 ……動いてない。

521常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/17(水) 23:53:15
>>520

カサカサと動く影。

「おほ!!!」

深刻である。掃除が大変そうだ。
藪をつつくのは止しておこう。

 「トイレには!!!!いません!!!!!!」

小石川に聞こえるように声を出しておく。

522小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/18(木) 00:34:32
>>520

  「――っ……」

ラベンダーの香りで少しだけ緩和したこともあって、多少は慣れてきた。
それでもまだ辛いが、最初よりはましだ。
少なくとも、今すぐ気絶するという事態は避けられそうに思える。
蓋を開けたままのドライフラワーを中身が零れないように注意しながらバッグに入れる。
代わりに『スーサイド・ライフ』を右手に取る。

  「……常原さん……」

誰かがいる。
扉の隙間から見えるのは、もしや。
いや、間違いないだろう。

  「――常原さん!!」

  「いました!『彼女』がいます!」

         ザッ・・・

叫ぶと同時に一歩踏み出し――

     シュバッ!

『スーサイド・ライフ』を投げる。

狙うのは、僅かに開いた扉の隙間だ。
投げ放った『スーサイド・ライフ』の刃を、突き立てるような勢いで扉の隙間に差し込む。
そして、『左手』で『スーサイド・ライフ』の柄を掴み、テコの要領で力を加える。
これによって隙間を押し広げ、そこから『目』と『耳』を侵入させたい。

それが成功したなら、『目』を『佐藤きく』の正面に回り込ませ、様子を確認する。
『耳』は『佐藤きく』の口元に近付け、呼吸しているかどうか確かめる。
具合によっては、いきなり動かすのは危険かもしれない。
まずは今の状態を確かめたい。

523『合コンをしよう!』:2017/05/18(木) 16:53:20
>>521-522

常原は、小石川に対しトイレには何も異常ない事を大声で報告する。

そして、小石川は扉奥に居る佐藤 きくの発見を同じく返す。

 シュッ パ!

鋭く、淀んだ空気を切り裂くように『スーサイド・ライフ』は
扉の隙間を、こじあけるように手が動き。『目』と『耳』が入る空間を作り上げる。

こうなれば小石川の能力の独壇場だ。分離された目と耳は
作業机に、猫背で微動だにしない。数日は着てる為に薄汚れた飾り気のない
衣服と、大きな眼鏡をかけ苦痛を受けてるように歪んだ顔つきをした
佐藤を捉え、そして呼吸があるかどうかを確認する為に『耳』を近づけた。

 ……息は してない。

だが、代わりに小石川の『目』には映っていた。

 淡く、蛍のような儚い光の粒子を放つ。彼女の手に摘ままれたペンの先。
作業机に置かれている『ケント紙』だ。

 描かれているのは……彼女自身、いや『ジョアンヌ』としての
キャラクター。その周りに、彼女を褒め称えるキャラクターが多数存在する。
 その姿形は、奇しくも貴方や常原。
小林・天羽・ベティ・アルキス・アリゼ・アイアンセイヴィアー
 それ等を模っているように見えた……。

524常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/18(木) 22:52:53
>小石川

「いらっしゃいましたか!!!!」
「今!!!!向かいます!!!!」

>>523
小石川のいる扉の元へと移動する。
扉の側にゴミがたくさん積もっているようなので、
たどり着いたらその除去をしよう

525小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/18(木) 23:41:27
>>523

うず高く積まれたゴミの山によって、ほぼ密閉された密室という状況。
そして苦悶の表情と、呼吸をしていないという事実。
これらの情報から推測できることは一つしかない。

  「あ……」

彼女は――佐藤きくは既に……。
彼女とは面識はない。
それでも、ブログの内容から感じ取った彼女の苦しみを思うと、心の中に悲しみが押し寄せる。
もっと早く見つけていれば助けられたのだろうか?
考えても仕方がないと思いつつも、そう思わずにはいられなかった。
こんな場所で孤独に一生を終えるというのは、あまりにもむご過ぎる。

  「――常原さん……」

ゴミの山を撤去している常原に、沈痛な面持ちで背後から呼びかける。
言うのが辛かった。
けれど、伝えなくてはならない。

  「『息』が……ありません……」

  「おそらく……」

そこまで言った時、ようやく『ケント紙』に気付いた。
『ジョアンヌ』を初めとして、そこに描かれた数多くのキャラクター達。
これこそが、孤独だった彼女が求めたささやかな願いだったのだろう。

できるなら――彼女が生きている間に、それを叶えてあげたかった。
それができないなら、せめて今の自分にできることをしたい。
扉に歩み寄り、常原の横に並んでゴミの撤去を手伝う。

526『合コンをしよう!』:2017/05/19(金) 21:06:04
>>524-525(ALL)

 常原は、扉の前に積もっているゴミ袋の山を適当に横や後ろへと
崩していって攻略を試みる。もう、あとちょっとだ。

 小石川は、佐藤 きくが『耳』と『目』から息がしていないのを伝える。
その現状に心を痛め、ゴミの撤去の為 手を伸ばしたその時。


      ―――ズンッ

 「はやくっ         本体か!!

           スタンドの!!      核の解除を!!!」


 一階より、大きな地響きとベティらしき大声が出てくる。

ジョアンヌとの多数の乱闘は、白熱して其の均衡も崩れかねない
緊迫した様子が声だけでも伝わる。それ程長くジョアンヌとスタンドから
この穴を守る事が出来ないと考えたほうが良い……。

527常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/19(金) 22:22:52
>>526

ゴミ山を崩すべく努力を続ける。
『小学生が通れるくらいの隙間』さえあれば良い。
その大きさなら、俺の『ドリーム・ウィーバー』は通行できる…が


 「たとえあのお方に『呼吸が無くとも』!!」
 「あのスタンドにとって!!!!
   部屋と、そこにいる『佐藤きく様』は!!!!!」
 「『弱点』!!!あの焦りようはその証左!!!!!!!」


「奥様!! メイドとしては情けない限り!!!ですが!!!!」

「奥様!!! 俺から『お願いします』!!!!!
 佐藤様のお体に!アプローチを!!!!!!」

528小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/20(土) 04:37:03
>>526

ベティの叫びと常原の呼びかけを受けて、おもむろに顔を上げる。
考えなければならないのは佐藤きくのことだけではない。
下で戦っている彼らのためにも、この幻の宴を終わらせなければならない。

  「……分かりました」

常原の言葉に肯きながら、言葉を返す。
対処すべきは本体か、それともスタンドか。
普通なら、本体の意識を断ち切ればスタンドも解除されるはず。
しかし、『ハーレム・スキャーレム』は佐藤きくの意識がないにも関わらず発動している。
この場合は、やはりスタンドの方をどうにかする以外にないだろう。

         グイィィッ

楔のように打ち込んでいる『スーサイド・ライフ』を握る『左手』に、再び力を込める。
それにより、先程と同じ要領で隙間を更に大きく広げ、『左手』が通過できる隙間を確保する。
常原が撤去作業を進めてくれている今なら、それも十分に可能なはず。

    ドシュッ

それが出来たら、『スーサイド・ライフ』を自分に向かって投げつける。
そうすることで、自身の身体で『スーサイド・ライフ』を受け止める。
受け止めたら、自分の身体に突き刺さった『スーサイド・ライフ』を右手で引き抜く。

そして、『左手』を隙間から室内に侵入させ、机に向かわせる。

             バシッ

目的は机の上に置いてある『ケント紙』を『左手』で掴むことだ。
『ハーレム・スキャーレム』の核となっているのは、十中八九これに間違いない。

そのまま『左手』を室外にいる自分の下へと引き戻す。
同時に右手の『スーサイド・ライフ』をクルリと回転させ、構える。
本当は気が進まないが、一刻を争う状況では躊躇いは許されない。

  「――ごめんなさい……」

      ズ バ バ バ バ バ バ バ バ ッ ! !

佐藤きくに対する謝罪の言葉を口にしながら、『スーサイド・ライフ』を何度も振る。
合コンが始まった時、最初に披露した『芸』と同じ速度、同じ精度。
『スーサイド・ライフ』による『ラッシュ』で、『左手』が持っている『ケント紙』を細切れに切り刻む。

529『合コンをしよう!』:2017/05/20(土) 20:26:00
>>527-528(ALL)

 一階の、喧騒と破壊音。合コン面子の声を受けて
常原は、その部屋にいる『佐藤 きく』への干渉こそが『ハーレム・スキャーレム』の
解除に繋がると判断した上で力強い宣言と共にグッと扉をこじ開ける。成功だ

 小石川は、彼の宣言を受けると共に『スーサイド・ライフ』で『左手』を
部屋の中に入れて、淡く輝くケント紙に対し……。

 
    バンッ―――!!

ジョアンヌ「お願いっ  やめ  」

 その時、常原の視界の中で。あのアイアン・セイヴィアーと自身の手で
作り出した穴から、軽くボロボロになりながらもピンク・クリーム69を扱い
鬼気迫る表情のジョアンヌを見た。   だが、既に遅い。

  
         ――ズ バ バ バ バ バ バ バ バ ッ ! !


 ジョアンヌ「て…     あ    嗚呼   

わた しの   ハー レム      夢     

    終わっ    ちゃ     った」

 ケント紙が、小石川の目の中で紙吹雪のように舞い散っていく。

常原の目の中で、ジョアンヌが連動するよう。塵のように風化しながら
消えていくのを目撃した。彼女を二階に押し上げたピンク・クリーム69は
ズルズルと一階に戻っていく。
 
 アリゼ「スタンドが……戻った、戻ったああ!!」

 天羽「他の群体スタンドも消えてます!」

アリゼの歓喜に満ちた声と、天羽の興奮した面持ちの声も一階から昇る。

  
 ……終わった。

530常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/20(土) 23:02:30
>>529
奥様がやってくれた!スタンドが!!!解除されてゆく!
これで、この意味不明な合コンもお開きだ。
夢見がちなジョアンヌに付き合う時間は、もうおしまい…

「ふぅ…これで、終わ―――」
「――――― ってなどいません!!!!!!!!!!!!!」

 「  佐!!  藤!!!! きく!!!!!!」
               「様!!!!!!!!!!」

開けたドアから飛び込み、息をしていない佐藤の体へと駆け寄る。

    「もしかして!!!!!」
      「都合よく息を吹き返したりなどしていませんか!!!!!!!」
  「『お片付け』です!!!!!!!!!」
  「パーティが終わったのなら!!!!そのあとは!!!!!」
 
  「片付けです!!!!!!!お掃除!!!!!!」

531小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/21(日) 03:58:41
>>529

  「――……」

無数の紙吹雪となって舞い散るケント紙の欠片。
孤独だった佐藤きくの夢が、願いが、粉々に砕け散っていく。
その光景を前にして物悲しい思いに駆られ、帽子の下で切なげな表情を浮かべる。

              パーツ
切り離していた全ての『部位』を回収し、自らの身体に接合する。
そして、『スーサイド・ライフ』を解除する。
常原の後に続いて部屋に入り、彼と共に佐藤きくの様子を確かめる。

『ハーレム・スキャーレム』は解除された。
もしかすると、それがきっかけで本体である佐藤きくが目を覚ますかもしれない。
そんな淡い期待をせずにはいられなかった。

532『合コンをしよう!』:2017/05/21(日) 20:07:25
>>530-531(ALL)

ケント紙が散っていき、『ハーレム・スキャーレム』の夢現の宴も同様に消え去った。

 シュッ タッ。

アルキス「……どうやら、恙なくスタンドを止める事は出来たようだな」

天羽「常原さん、小石川さん。有難う御座いますっ!」

 一階に通ずる穴から、アルキスも驚異的な跳躍力と共にゴミだらけの
二階の床に着地する。他のメンバーもピンク・クリーム69が押し上げたりなどして
ゾロゾロと現れてくる。異臭の真っただ中で、鼻を摘まみ顔を顰めつつも
本体がどのようになってるかを確認する為に貴方達二人へ近づく。

 多数のメンバーと共に、佐藤 きくが座る仕事場へと入っていく。

 常原が大声で呼びかけ、小石川はスタンドが解除された事により
本体である彼女の蘇生を期待して待つ。

                 『…………』

 だが、それでも彼女は微動だにしない。

ベティ「……手遅れか」

アルキス「数週間はずっと、この部屋で作業をしてたんだろうな。
 故意か、無意識か。スタンドを発動させ、結局自分でも制御出来ず……
今までの行動も、抑圧されていた彼女の望みだったんだろうな」


 死者に鞭打つ所業をするような者は少ない、彼らは被害者なれど
冷たく固まっている彼女に暫し黙祷を捧げる。

 天羽「こんな場所に一人だけで……せめて、一階に運んであげましょう。
此処で一人、搬送するまで置いておくのは余りにも」

 警察官である彼女が、悲哀を滲ませつつ常原と同じように彼女の体に触れ




      「――う    うぅぅ〜〜〜……

        あー 良く寝た……残りのベタを仕上げないと」


 『っ!!!!?!』

 な、なんと!

 屍生人のように! 彼女は首の骨を大きく響かせ鳴らしながら
眼鏡を押し上げ、何事もなかったかのように手元にあるペンを持ちあげ
 手近にあった描きかけのイラストに書き込みを始めたっ。


 佐藤「この部分は9トーンにして、此処は51で……
へ? ……だ、誰あんた達!!?! ぁ、も もしかして編集部の人、で しょうか……?
 す、すみません勝手に断りなく休んでてっ。で、でも もうすぐ
大作が出来る予定なんですっ か、 堪忍してくださ〜い〜……」

 『…………』

 眼鏡をかけた、いかにも30前後の喪女といった彼女。ジョアンヌの姿とは
似てるか真逆な姿の佐藤は、ヘコヘコ貴方達に対し頭を下げて合掌しながら
勝手な言い訳を並べている。 他のメンバーは、その余りにな本体の行動に対し
最初に合コンを宣言された時と同様に、暫し固まるのだった。

533『合コンをしよう!』:2017/05/21(日) 20:44:49
>>530-531(ALL)


・ ・ ・その後


ベティ「まっ   っったく。人騒がせな女だったよ……
しかも本人は自分の起こした事に対して全く記憶にないってんだから始末が悪い」

 貴方たち全員は、一件の民家の玄関前。最初の邂逅時の時と同じように集まっている。
異なる部分と言えば、最初の頃のように険悪な雰囲気及び蟠り、降り注いでいた
豪雨が嘘のように消え去り、空も晴れ渡っている事だ。

 あの後、『佐藤 きく』は何事もなく良い意味でも悪い意味でも
全くの心身健常のままに居た。
 『ハーレム・スキャーレム』について、合コンの事や彼ら彼女らとの行動。
何もかも彼女は覚えていなかった。

 佐藤「……ぁ、ひふ。す、すいません。自分なにか気づかぬ内に
粗相でもしてた、でしょうか? ……あ、あと気の所為か
み、皆さんと初めて会った気がしないでも……え、えへへ何でもありませ〜ん」

 白昼夢のように、佐藤は貴方達の事を既視感を覚えるものの明確には何も覚えてない。
今後、また彼女の抑圧されてる欲求が彼女のスタンドを発動するトリガーにならない限りは
この騒ぎが今後起きる事はないのだろう……。

ベティ「この事はアリーナにも報告しておく。また此処ら辺で同じ事が起きたら直ぐに
対応出来るだろうしね……あんた達と、次会う時は闘りあうような事はないように祈っておくよ
後日、上から報酬があんた達に送られるかもね……」

そう告げて、ベティが一足先に離脱する。

ヤジ「色々と奇妙な出来事だったな。結局、俺は余り役に立てなかったが……」

小林「そんな事はないさ。君は随分役立ってくれた……ゴミだらけの中から
未使用の抽選券を数枚見つけた……凱旋の品には及ばないかも知れないが」

ヤジ「おっ、良いね! ハワイ旅行も良いが、4、5等の大型冷蔵庫も
当てられたら最高だな! 行くぜジョーっ」

 学生ら二人も、貴方達に軽く手を振って別れを告げて繁華街へと向かう。
彼らには、彼らの向かう運命がある。


 因みに、この騒動の終わりと共に染み付いた悪臭や
合コンで起きた際に付いた汚れ等も、アリゼが『ピンク・クリーム69』で
すっぽり貴方達を包み込んだかと思うと、軽い芳香剤のようなものが漂い
体を取り巻く汚れが拭われていった。
 

アリゼ「ピンク・クリーム69は、触れてる生き物を傷つけるような真似はしない。
こう言う使い道もあるのさ。……まぁ、その
スタンドを取り戻す手伝いをしてくれて、あー その
……礼を言うよ」

 ボソッと、最後に気恥ずかしそうにアリゼは貴方達に礼を告げる。

雨降って地固まる、と言うことわざのように。結果的に、諍いが見えた面子だったが
今後は、この顔ぶれに深い絆が出来る兆しが、空に輝く日差しの如く浮かぶ。

 ほぼ、問題は解決した……あとは、当初の目的。雨が降る前の
目的地を目指すか、家路に戻るのも悪くないだろう。

 
(※次、各自のエピローグへ移る)

534常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/22(月) 23:17:23
>>533
《プロローグ》
いやはや!!!!大変だった!!!!!!!
よもや俺が合コンとは。
佐藤様には今後も元気でいてもらいたいものだ。
彼女のためにも、この街のスタンド使いのためにも。


 「バタバタしていて、あまりお話ができませんでしたが」
 「『スタンド使い』でございましたか…」

 「………正直、あの見た目はビックリしましたよ俺は」 
 「『治る』ならまあいいのかもしれませんが」

 「やはり『痛い』ので?」

隣にいるその女性に話しかける。
 

  「あっソラマメが安いです!ソラマメ!!!!!!!」

535小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/23(火) 00:45:35
>>533

  「すぅ――……」

外に出て深呼吸し、久しぶりに新鮮な空気を味わう。
色々な意味で大変な経験だったが、騒動の終幕を見届けることができて良かった。
死亡したと思われていた佐藤きくも生きていたのは何よりだ。

それにしても――。
まさか自分が合コンなどに参加することになるとは思いもしなかった。
こんな機会でもなければ体験することはなかっただろうと思う。

生憎あまり楽しいものとは言えなかったが、それも前向きに考えることにしたい。
もしかすると、この経験がいつかどこかで役に立つ時が来るかもしれない。
……来ないかもしれない。

  「ええ、あなたも――」

そう言いながら、隣に立つ常原に微笑みかける。
スタンドは、本体となる人間の精神の発露。
彼のスタンド――『ドリーム・ウィーバー』も、彼の内面を象徴しているのだろうと感じた。

  「いえ、大丈夫です。スタンドで身体を切り落としても痛みはありません。
   それに、くっつければ元通りになります」

  「でも――気遣って下さって、ありがとうございます」

そう、『スーサイド・ライフで切っても痛みはない。
だからこそ、自分には『鎮静剤』が必要なのだ。
血を流し、痛みを感じなければ意味がないのだから。

  「――ソラマメ、ですか……」

  「せっかく教えていただいたので、買いに行くことにします」

  「旬の春キャベツと新タマネギを合わせて……パスタにすると美味しいかもしれませんね」

頭の中でレシピを考えつつ、改めて常原の方へ向き直る。

  「常原さん。一つお願いがあるのですが……」

  「もしよろしければ、買い物に付き合っていただけませんか?」

  「まだ片手が使えないもので……」

同時に、『彼』が言っていたことが脳裏を掠め、その姿を目で追う。
謎めいたアルキスの姿を。
彼はまだ残っているだろうか。

536『合コンをしよう!』:2017/05/24(水) 17:47:40
>>534(常原)

 貴方は小石川と共に、ソラマメを買う。メイドとして
負傷をしている貴婦人のエスコートをするのは彼にとって当然の事だから。

今日おきた出来事は、常原 ヤマトにとって急流のような人生の中の
一つの渦として記憶に残り続けるだろう。
 
 貴方は、小石川に対しメイドとしての審査眼で上質な野菜を選択し終える。
良きメイドとしては、このまま彼女を送り届ける事もやぶさかでない。
 街路を、しばらく他愛のない会話をしつつ。近くまで送り届けると
貴方は自分の住処のある場所へと歩いていく。
 すると……。

 「とこはらーさん! はぁ……良かった、まだこの近くに居て」

 息を切らして、後ろから追いついたのは……『天羽』だ。

537『合コンをしよう!』:2017/05/24(水) 17:48:07
>>535(小石川)

 『アルキス』は、見当たらなかった……。
彼は、最後に全員が別れを告げる最中の時には、忽然と幽霊のように居なくなっていた。
スタンドの件が収集されたのだし、他の者たちも仲間と言うわけでない。
 然しながら、小石川との約束を反故にするような薄情な人物だったのか……。

貴方は、メイドの常原と買い物を暫し楽しんだ上で、戦利品となる
野菜を籠に提げて家路に辿り着く。

 正面玄関に立ち、鍵を回そうとした時――

 Inside the pocket, there's one biscuit…♪(ポケットの中にはビスケットが一つ…♪)

 Hit the pocket, there are two…♬(ポケットをたたくとビスケットはふたつ…♬)

 聞こえてきたのは、英語で謳われる不思議なポケットの歌だ。

振り返った先には、『アルキス』が両手をポケットに差し込みつつ何時の間にか
貴方の家に隣接する塀に腰掛けるようにして遠くを見ていた。

 「……何時も、ああなのか?」

遠くを見ていた彼は、不躾に貴方に対して前置きなくそう質問してきた。
どう言う意味の質問か分からない。だが、視線は僅かに貴方が傷つけた指の
ほうに走ったように見えた。

538常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/24(水) 22:50:45
>>536


「うわアっ天羽さん!!!」

「どうかしましたか!!!!??俺が何かしましたか!!!!!!!!」
「なんにもしてませんよ!!!!はい!!!!!!」


決して、今日の出来事に心を痛め色々考えた末、
スタンドを用い家宅に『不法侵入』、
家主に無断で家事を行う事で『孤独死』を防止しようだなんて考えていない。
考えてないったらない。ない!!!!!!!!!!!

539小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/25(木) 07:20:47
>>537

  ――アルキスさん……。

アルキスの姿が見えないことが分かると、表情に落胆の色が浮かぶ。
最後まで彼の真意を知ることができないのは、自分にとって残念なことだったから。
ただ、彼は何も言わずに姿を消してしまうような人間には見えなかった。

もしかすると、何か急ぎの用事ができてしまったのかもしれない。
そうだとしたら、このような幕切れを迎えたとしても止むを得ないこと。
そう考えて自分の心を納得させ、常原と共に買い物へ向かう……。

  「――ありがとうございました。それでは、またいつか……」

常原に挨拶したのち、彼と別れて一人歩き出す。
同行してくれた常原のお陰で、特に質の良い野菜を買い求めることができた。
ただ一つ心残りがあるとすれば、やはりアルキスのことだろうか。

今頃、彼はどこで何をしているのだろう。
そんなことを考えながら、取り出した鍵を鍵穴に差し込む。
そして、それを回そうとした時だった。

  ――この歌は。

咄嗟に歌が聞こえてくる方向へ顔を向ける。
予想した通り、そこにはアルキスが座っていた。
この突然の訪問に驚きつつも、彼と再会できたことに対する喜びもあった。

  「それは――必要な時だけです……」

アルキスの質問に対し、やや戸惑いながら簡潔に答える。
彼の問いかけの意図は読めない。
ただ、彼が指の傷に注意を向けていることは分かった。

思えば、あの宴の最中も、アルキスはこの指の傷に反応を示していた。
そして、彼はそれが気に入らない様子だった。
彼がこちらを嫌っているという理由も、そこにあるような気がする。

  ――それにしても……。

彼は、私が普段から『自傷』を行っていることも知っているのだろうか?
そう感じるのは、単に私の考え過ぎなのかもしれない。
けれど――彼から与えられた質問を頭の中で反芻していると、
その内容が指しているのは今日付けた指の傷だけではなく、
日常的に行っている『自傷行為』そのものも含んでいるような気がしてならなかった。

540『合コンをしよう!』:2017/05/26(金) 19:50:06
>>538(常原)

大声で疑わしさが満ちる返答の貴方に対し、少し溜息を吐きつつも
彼女は自然体で告げる。
 
 「別になにも疑ってませんよ。いえ、私のスタンド能力
『カメラ・トーク』。まだ掛けたままでしたから。
 常原さん以外の人の写真も、その人の目前で破棄しようと思ったんですけど
全員私が告げる前に去ってしまったので……宜しければ、常原さんが
その証人として、この場で立ち会ってくれませんか? 良いですよね、はいっ」

 貴方の返事も碌に聞かず、天羽はスタンド能力で作成した写真を取り出す。
常原や、小石川、他のメンバーも現像されて今も尚動いてる。
最初小石川の写真を彼女は破った。貴方の友人である事を認識した上での配慮だろう。
 それをビリビリと貴方の目の前で破ろうと力を込める。
 (※なお、誰かしらの写真を破るのを制止して観察したければそれも良い)

 「あと、色々とご協力有難う御座いました。
民間人の方々ばかりに、色々と力を貸してもらってばかりで……
本当なら、私達のような政府組織が役立たないといけないのに」

 そう、常原と並列して歩きつつ彼女は少しだけ落胆した顔を浮かべつつ笑う。

「私、あの場所で観察してたから解るんですよ。誰も彼も自分以外の人を
疑ってる中で、常原さんはそんな事気にせず。敵対もしていた彼女にも
気をかけて動いていた。常原さんのような人が、きっと
 本当に誰かを助ける為なら、何だって出来るヒーロー見たいな人なんですよ」

 そう、彼女は貴方を見て。お日様のような笑顔を浮かべた

541『合コンをしよう!』:2017/05/26(金) 20:05:52
>>539(小石川)

 フゥ……

小石川の返した言葉に、彼は気分を損ねてるのか、または好印象を抱いてるのか
曖昧な吐息と共に暫し彼方を見つめる。

 そして、誰ともなしに喋り始める。

「……『あの人』は、何時だって何処となく寂しそうで、それでいて人を寄せ付けない。
だから、子供達は。あの人に対して大人になるまで好きそうな態度を浮かべない。
けど、本当は違うんだ。あの人は、誰よりも情け深く、それでいて好意に敏感なんだ。
 だから、別れも酷く恐れる。だから、誰に対しても仲良くなれるような子供達に対して
余計に冷たい態度を覗かせてしまう」

「けど、最近では変わってた。『とある友人』が、貴方と喋った事が切っ掛けで
あの人が、自分と良く似てるような人に感化され出した勇気の言葉で。遠巻きになってた
子供達とも、少しずつだが仲が良くなってきたと。
 ……俺がそれを聞いた時、浮かんだのは『悔しさ』だった。
何で俺じゃなく、見ず知らずの行き成り出会った人があの人の苦しみを少しだけでも
分かち合えたのか。何故、あの人の中にあった悩みを流星のように現れた人間が解決するのか。
何故、俺じゃない……何故、何故……さ」

 そこで、深いため息をアルキスは吐く。

「……あそこは、邪な人間を近づかせない。俺は、『あの人』に傾倒し過ぎた。
もう暫くは、あそこに行ってない。仲間内からも、柔らかい言い方だがあちらへ行くのを
控えたほうが良いと言われてるしな……当然だな、こんな醜い獣を飼ってるんだから」

「けど、直接顔を合わせずとも。俺には鮮明に思い浮かべれるさ
あの人が、はにかむように、でも慈しむように宝石のような微笑をするのを」

 アルキスは、貴方に対し振り向く。爛々と火が灯るような光を携えた目で。

「……『コルボ』は、あんな臍曲がりだが。俺は一番好きだよ
あんたはどうだ?」

 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

 貴方は、彼がどのような人物が大まかにだか知れる。
そして。『あの人』が誰かも理解出来る。
 『あの人』に熱情を携える彼に、どう返答するかは貴方の意思だ。

542常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/26(金) 21:45:46
>>540
そういえば、確かに能力の解除をされていなかった。
ずいぶん射程距離が長いのだな、『カメラ・トーク』。

「そこまで言われると照れますよ俺!!!」
「『メイド』としての立振る舞い、
 心構えを徹底してるだけです!!慈愛と奉仕の生き様!!!」

「それに、警察だってヒーローではないですか!!!!!」
「市民への奉仕!!!!メイドの仲間ですね!!!!!!」

  「…………あッと お待ちを」     

とある写真を破ろうとする天羽を静止する。
その写真は、

  「滅ぼさなければいけない存在がいる。刺し違えてでも」

  「彼は、そうおっしゃいました………『アイアン・セイヴァー』」

543小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/27(土) 17:08:24
>>541

  ――あぁ……。

アルキスが口にした名前を聞いて、『あの工場』で体験した奇妙な出来事が脳裏に蘇った。
同時に、彼に対して抱いていた謎が瞬く間に氷解していく。
彼がこちらのことを知っている理由も、彼の言う『あの人』というのが誰であるかも、
何もかも全て分かった。

  「彼は……確かに素直な人――いえ、『小人』ではないかもしれませんね。
   でも、それもコック長という責任ある立場から来るものだと思っています……。
   ですから、私も彼のことは決して嫌いではありません」

実際に彼も『あの日』、他の小人達と共に、家に帰ってきた私を出迎えてくれた。
それからも、『ラポポ』や『ロポポ』達は、何度か遊びに来てくれている。
彼らとの触れ合いは、孤独な生活の中で、心の慰めの一つとなっていた。

もっとも、『コルボ』と顔を合わせる機会は、なかなかない。
彼には味の審査という大事な仕事があるのだから当然だ。
それでも、彼の特徴ある姿は今でも鮮明に思い出すことができる。

  「……あの場所で言われました。私は『彼女』と……『ゴースト』と似ているそうです。
   もし、『彼女』が何かしら感じたとしたら、そのせいかもしれません」
   
  「――けれど……救われたのは、むしろ私の方です」

胸の奥にあるのは、『追憶の間』での体験。
そこで起きた『奇跡』は、私にとって何物にも変え難い宝物。
あれが現実だとしても幻だったとしても、それで心が救われたことは間違いのない真実。

  「私にも、大切な人がいました。……あなたと同じように。
   私は『彼女』のおかげで、その人に一目会うことができました」

アルキスの顔を正面から見据える。
その瞳には光が宿っている。
アルキスのそれにも劣らないような強い光が。

  「正直に言うと……私はあなたを『羨ましい』と思っています」

  「あなたは愛する人を支えることができる。
   愛する人のために、何かをしてあげることができる。
   たとえ直接的なものでなかったとしても、たとえ遠くから見守るだけだったとしても、
   それはとても尊いことだと思います」

  「私には――もうそれができませんから」

         ド ド ド ド ド ド

私にできることは『想う』ことだけ。
片時も忘れることなく、この命が尽きる瞬間まで、変わることなく『想い続ける』こと。
それだけが、愛する人に対してできる唯一のこと。

愛しているのに、焦がれているのに、私は『彼』に決して会うことができない。
会うことが許されていない。
『彼』に会うということは、『彼』との約束を破るということだから。

だからこそ、希望が残されているアルキスが羨ましかった。
心の苦しみや葛藤があるとしても、会うことが不可能ではないのだから。
もちろん、アルキスの抱える悩みは、彼自身にしか理解できないことだろう。

だから、アルキスに対して説得などしようとは思っていない。
その代わりに、今自分が感じている気持ちを素直に伝える。
それに対して彼が何を思うかは、彼自身の判断に委ねる。

544『合コンをしよう!』:2017/05/27(土) 18:55:06
>>543(小石川PCのみ次レスで終了)

 『ゴースト』 かつて、貴方が邂逅した自分に何処となく似た哀愁を背負う女性。
それ等を全て貴方は覚えている。そして『想い』も 彼に対する事 何もかも。

 「……」

彼は、暫し貴方の力強い瞳を見つめ。そして目を伏せた。

 「尊い、か」

 「そう、思って良いものか。そう、想いを抱いていいものか。
あの人は、俺を軽蔑なんてしないだろう。例え、俺の狂えるような気持の丈を
ぶつけても。きっと、僅かに当惑した表情と共に口を噤み、謝罪するだけだ。
 あの人の心の中には、既に別の人が住み着いている。けど、それでも……
俺は、想い続ける。例え、報われなくても」

 「――それが、俺(アルキス)だ。紫のオルキス(蘭)のように
『変わらぬ愛』を、あの人に……。
 ……酷く突き放した態度を、とって悪かった。謝罪にもなりもしないが
貴方が、俺と同じように。想う限り……それはきっと、応える筈さ。
 予期しない形かも知れない。受け止められないような出来事かも知れない。
けど、生きてる限り……星を追う限り、きっとな」

 ガリッ。と、アルキスはポケットから一つのビスケットを齧る。
すると、シュゥ…と風景と同化していく。恐らくカメレオンのような動物ビスケットを
齧った事は伺える。もう行くと言う事なのだろう。

 「……あぁ」

 「俺は、そうだな……貴方に今も、嫉妬してる。その気持ちは偽れない
   ――が」

 「……それでも良ければ。俺は貴方の仲間になれるか?」

 「小さな星として、あの人の背を何時までも支える者の一人として」

 姿は完全に迷彩化して見えなくなり、声だけが 貴方に問いかける。

545『合コンをしよう!』:2017/05/27(土) 19:09:14
>>542(常原)

貴方は、天羽の手を止めて『アイアン・セイヴィアー』の写真を見る事の許可を唱える。

「あの、鉄見たいな雰囲気の人ですが……私も、気にはなってましたし
少しぐらい動向を確認するぐらいなら。あれ?
 ……『アリゼ』さんも、どうやら近くの場所らしいですね。

そして、二人は写真へと覗き込む。
 『カメラ・トーク』は、幾らかの縮小や拡大も行える。便利な
カメラなしでの自動撮影のようなものだ。そして、その光景はスタンドの映像と
共に流れる。    ……明かされる事が当初なき 真実を。

 ――――――――――――――――――――――――――――


  男は歩く   鋼を  罪を  咎を  罰を  全て鋼と変え。

 「    ――……  」   ジャリ    ジャリ   ジャリ…

アイアン・セイヴィアーは歩いている。
 住宅街から離れ、彼の通る路地は既に人の気配が感じられない。

        ジャリ    ジャリ       ……ピタ

 「……出てこい      『破滅の紡ぎ手』」

   「お前の薄汚い気配を 俺はあの時(>>506)から感じている」




   あ

 
       ははは   はははは


   ?「……貴方も中々しつこい人だ。どこまで私を追えば気が済むんです?」

アイアン・セイヴィアー「滅ぶまで」

 何処からか、彼は不思議な女と対峙していた。

 星空のような髪を靡かせる、燕尾服を不思議とマッチさせた女性……。
愉快そうな声は、周囲に浸透していく。それを目の前の男は能面のように見据える。

546『合コンをしよう!』:2017/05/27(土) 19:56:05
>>545続き

 「これは戯言ですが。小石川さんは警察への電話がジョアンヌと申してましたが
実際は、それ 私です。『ハーレム・スキャーレム』は欲望に直帰しての行動以外は
しませんのでね。まぁ、わたくしが裏方にいること等 他の方が予想出来る筈ないのですし
これは、全て戯言なんですが」

 星のような瞳、星空のような髪。深淵を僅かばかり切り取ったような人の形をしたものは嘯く。

「お前はこれから、この町をどうする気だ?
また、俺の仲間を、何の罪もなき集落を壊滅に追い込んだ時のように
この町を混沌に陥れるつもりか」

ひしひしと、彼は業火のような感情を潜ませて告げる。

 「貴方は誤解なさっている。ここに一台の自動車があるとします。
その自動車で死傷事故が起きた際。車のディーラーを被害者は恨みますか?
 ある暴漢が所持してたスミス&ウェッソン で撃たれ死んだ子供の親は
その会社を憎むでしょうか? そんな事はないでしょう。
 わたくしは、ただ『物語』へと他の方達を入り込ませやすくしてるだけです。
それ以上、それ以下の他意も御座いません」

 「貴様の言葉は、すべてが戯言だ。心なく、ただ魔性を放つだけ。
貴様に人の意思はない。ただ、台詞を読み上げてるだけだ。
 ――必ず、滅ぼす。例え、永遠を費やそうとも」

「無駄ですよ。貴方には
 私は供与者などには劣りますが。それでも、私は私だけの世界を獲得している。
貴方に、いえ……『貴方達』に可能でしょうか? わたくしを消すと言う事は
太陽に移し照らされる影のみを、この星から一切消すような無駄な事。
 例え完遂しても、その先には何も残らない結末を知りながら。貴方は動くのですね」


 「――思い通りになりはしない この町も 人も 意思も
  救世は 眠っている」

 「――全ては紡ぎ手の望むまま この町も 人も 運命も
  戯劇は 終わらない」


       ザ   シュ   ゥ――

 アイアン・セイヴィアーは、その背に負った鋼を横に振りぬく。
いや、振りぬく動作すら視認するのが困難な速度。残った結果は
胴体が横に分かれた、女のような形の何かだ。


 あ    は   は   は   は

 「――さようなら、愚かな鉄(くろがね)
 またの章で出会いましょう。そこに踏み入れる空きがあるのでしたらですけど」

 「…………」

 二つに分かれた体が徐々に消えても、笑い声とへばりつくような声は残響した。

 アイアン・セイヴィアーは静かに鋼を背に戻す。


 ――ぺキ

 「っ、う、やべ……」

 そこに、小枝が何かを踏んで一人の気配が如実に現れる。
『アリゼ』だった。

547『合コンをしよう!』:2017/05/27(土) 20:18:37
>>546続き

 アリゼは、ばつが悪い表情で頭を軽く掻いて彼に近づく。

 「……あいつが、お前が倒すべき敵ってヤツ?」

 「――…」

彼は何も語らない。それは、多分自分のような境遇を誰かに置かせたくないからだろう。

 「だんまりかってぇの。はぁ いいやっ、なぁ私もちょっと同行させてくれよ。
……んな、目ぇ軽く見開くなよ。あんた、超強いんだろ? なら、私の宝捜しにも
おいおい役立ってくれそうだしな。
 それに……一人で突き進んでいくのは、疲れるだろ?」

 孤独を知れるのは、同じく孤独を持つ者同士。彼女も、僅かにだが
彼にシンパシーを感じ取ったのかも知れない。だから、無意識に
彼を追って、今の場面に出くわして息を潜め見守っていた。

 「…………」

 「だーから、返事しなって! なぁ、あんたの名前は?」

 「…………アイアン・セイヴィアーだ」

 二人は、路地を突き進む。小突いて彼に話しかける彼女に、僅かに気怠い声で返答する。

 「そりゃ、あんたのスタンド名だろ。それとも、本当の名は捨てちまったってヤツ?
図星だろ? へへっ        ……なら、私が名付けてやるよ。
     

           ―――あんたの 名前は」



――――――――――――――――――――――――――――――


  パチ  パチ パチ パチ


 「中々、素晴らしきかな芝居。そう思いませんか?」


    『!!!?』
 
    ド  ド  ド ド ド ド ド ド ド……


気づけば、写真から少し顔を上げた視線の先。

 そこに……カメラ・トークの中でアイアン・セイヴィアーの手により
真っ二つにされ消滅していた存在が、常原と天羽の目前に立って手拍子を鳴らしていた。

 
 ニコニコと、何を考えてるか知れない微笑みを貴方と天羽に向けてる。

548常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/28(日) 01:20:51
>>545
天羽の能力によって映し出される光景。
アイアン・セイヴァーと、謎の女の対峙…剣呑な雰囲気だ。

 「………そういう事ですか、成る程」
 「道理で『気付いた』わけだ…俺!!」  
 「この女性が!『囁いた』!!」

>>546
二人の会話から読み取れるのは、実に『奇妙』な筋書である。
紡ぎ手を標榜するその女性は、此度の『合コン事変』に関与、
彼女が『フィクサー』である。
彼女はどうやら『集落を壊滅』させた過去があり、
アイアン・セイヴァーはその被害を受け、仲間を失っている。
彼女は剣で死なない。作家は剣士より強い。

>>547
  
  ド  ド  ド ド ド ド ド ド ド……


「…合コンは楽しかったです!!!!!!」
「あッ申し遅れました俺!!常原ヤマトです!家政婦!!」


 「……」
  「天羽様」
   「俺の後ろに」
      
天羽の体を掴み、強引に自分の背後へ。『危険』だ。
俺は燕尾服の女性のほうを向く。人と話すときはしっかり目を見て!!!


「…アイアン・セイヴァー様とは 『親密なご関係』なご様子」
「そんな深い仲の男女の会話を盗み聞きした事!謝りますよ俺!!!!!!」

 「…先の会話も『お芝居』で?」
 「アイアン・セイヴァー様がおっしゃっていた事は、すべて、『芝居』?」

いつの間においでなさった、この女性。
彼女の能力は並のものではない。まさしく『影』のような…

549小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/28(日) 14:09:41
>>544

自らの心境を吐露するアルキスの言葉に黙って耳を傾ける。
血の滲むような彼の苦悩を思うと、胸が強く締め付けられる。
愛する者を想う気持ちは、痛いほどに理解できるから。

  「……私も、あなたに対して羨望の念を感じていることは否定できません」

  「でも……それでも手を取り合うことはできると思っています」

  「あなたも私も――同じように誰かを想い続けている人間なのですから」

彼は私に嫉妬している。
そして、私は彼に羨望の念を向けている。
それらの感情は動かすことのできない事実として存在する。

私と彼が、お互いに対して複雑な感情を抱いていることは確かだ。
けれど、相手の全てを一つ残らず肯定して生きている人間はいない。
だから、相容れない部分を持つというのは自然なこと。

それは、必ずしも同じ世界で生きられない理由にはならない。
たとえ割り切れない部分があったとしても、互いを尊重しあうことはできる。
少なくとも、私はそう思っている――。

       スッ・・・

おもむろに手を伸ばし、庭にあるラベンダーを一輪摘み取る。
芳しい芳香を放つ紫色の花。
その花穂を茎から外し、掌に乗せて静かに息を吹きかける。

それらは穏やかな微風に乗り、アルキスのいた方向に舞い飛んでいく。
ささやかな花吹雪。
彼に対する自分なりの選別だ。

  「どうか――」

  「――どうか、あなたの心にも救いがありますように」

アルキスの姿は見えなくなっている。
まだこの場にいるのか、それとも既に立ち去ってしまったのか、それは分からない。
けれど、今この瞬間、彼のために真心を込めて祈りを捧げた。

550『合コンをしよう!』:2017/05/28(日) 20:23:00
>>549

 大切な人を、傷つけてしまうが故に離れ。そして、その人の傍で
過ごせる者に対する嫉妬。

 大切な人を失ったが故に、どのような立場であれ何時か希望あるなら
その人と過ごせる者への羨望。

 貴方と、彼は。立場は異なれども『救い』を求めてる……辛い傷や痛みが
癒える事が出来ると、道の先に信じて。
 
 告げた言葉に対し、返ってきたのは少し寂しさが帯びる優しい風のみだ。

 紫の花吹雪が、見えなくなる頃。肩に小さな何かが飛び乗る感触がした。

『巨人…じゃなかった、アヤコ! 今日も遊びに来たぞっ』

 『今日はねっ、私もポポノ博士と一緒に初めての味を作って見たんだっ。
うん? クンクン……何だろう。アヤコ、何か持ってる?』

『どうしたロポポ? ん? クンクンクンクン!
……何だか懐かしい匂いだなぁ。随分前に嗅いだ覚えがあるんだ。
 わかった。これ、ビスケットだ!』

 『ヨポロ』『ロポポ』『ラポポ』の、兄妹と仲良しな小人三人組だ。
その三人が口々に呟いて、貴方のハンドバッグに飛び乗る。

 カサ……。

 バッグの中に、気づけば買い物の野菜と共に
包装された『ビスケット』が入っていた。

 『うわーっ、このビスケット。昔きっと齧った奴だ。
とっても甘くて、それでいて齧った途端にちょっとした怪我をしてたら。
 それも全然痛くなくなっちゃうんだ。もう随分ご無沙汰だな、そう言えば
 …アヤコ? 大丈夫かい』

 それは、彼の気紛れか。侘びか、貴方の未来を祈っての土産か。

 ……それは考えても、正解かどうかは彼のみだ。もしかすれば全部
含んでの行動なのかも知れない。けれど

 彼は、これからも。愛する人を想い この町の光を保つ為に。
星の輝きが一つでも落ちないように、守り手として生きるのだろう。

貴方と、貴方と同じ想いを抱くものとして……。


  小石川 文子『スーサイド・ライフ』→『二十万』get!
 後日、アリーナ・警察・金平糖工場からお礼で送られた合計の金額。

                 『不思議なビスケット』get!
    十数枚詰め込まれた、星の形をしたビスケット。
  噛むとサクッとした温かい甘い味と共に数分(2レス)程度
  抱えている鈍痛や疲労が薄れる、アルキスのビスケット。

551『合コンをしよう!』:2017/05/28(日) 20:41:47
>>548(常原)

 あ は は は

彼女は軽やかに笑う。貴方の行動と態度を見て楽しそうに 興味深げに

「常原 ヤマトさん。
貴方は、異常を飾りつつ中身は中々抜け目ない。
 ポーカーフェイスを装うのも過去の出来事が起因なのでしょうか?
まぁ、追及はお互いなしとしましょう。答えるとすれば、アイアン・セイヴィアーは
真剣に私に対応した訳ですが……私には、彼の行動が海を枯らそうとするぐらい
馬鹿げてるとしか思えないのが正直な感想ですね。だから、芝居と仰ぐわけです。
わたくしに構うぐらいなら、恋人の一人でも作って人生楽しむべきですよ、本当」

「そんなに警戒しなさらなくても結構。私はね、他の方にも会うたびに告げますが
貴方がた物語の主賓を害する力は全くないんですよ。
 条件さえ整えば猫はおろか蠅だって傷つけられません。
彼の憤る正確な内容を、かいつまんで説明するとなりますと。ある中東の集落で
カルト教団関わる凄惨な事件発生について。その情報を近くで行動してた傭兵集団の
彼らに教えただけです。そう、教えただけ。
 カルト教団のほうにも、少し関与してたのでアイアン・セイヴィアー達の接近について
教えはしましたが、危険性はどちらにも警告してました。内容としてはフェアですよ?
 その結果が、アイアン・セイヴィアー残しての全滅と言うだけの。
 わたくしは、直接的に個や集団を害す事は殆どありません。ただ、より良く
面白おかしく、刺激ある物語の為の添え物として活動するのが理念なだけなんですよ。
 ……さて、私の事はこれぐらいで良いでしょう。本題に入っていいですか?」

 「――貴方の望み、それを知りたいですね」

謎の、星空を瞳に携える女は。ニコニコと微笑みつつ貴方に伺う。

 「正直、さきほどの宴からも貴方の『欲』と言うものがイマイチ見えなくてね。
人間誰だってあるはずです。金銭欲、肉欲、名声、栄光
貴方は、自分が誰かに尽くす事をモットーと宣言してますが。
    ――それ以外にもあるんじゃないですか?
 もし、正直に曝け出してくれるなら……その手伝いも出来ますが」

   ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ。

天羽は、貴方の後ろで震えてる。
 謎の女は、営業スマイル的な微笑で貴方の答えを待っている。

552常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/30(火) 01:06:19
>>551
まさかこの女性、俺の『過去』を知っているのか?
過去を教えた人間は『メイドの師匠』のみ…なのだが。


「…何をご存知かは知りませんが。」
「たとえば、俺があなたにお願いすれば、です
 誰かを『生き返らせる』ことが出来るとでも?」

家族は死んだ。
あの殺人犯も勝手に死んだ。仇は討てなかった。
もし彼らが蘇ったのならば……


  「…そんな事はできる筈がない。
   私の願望など言う必要はありません」

俺に残ったものは『愛』のみ。
だから俺は本気で『メイド』をやっている。
時代は大袈裟なまでのポリティカル・コレクトネス。
男の家政婦がいたってよいではないか。

 「復讐というものはバカバカしいと、今では思います」
 「ですが『刺激的な物語』とやらのために、あなたが誰かの日常を壊すなら」
 
 「専守防衛を辞さない……『彼』とともに海だろうが飲み干してやります!俺!!」 

という具合に、舌先での威嚇を試みる。彼女の反応やいかに。

553『合コンをしよう!』:2017/05/30(火) 17:49:31
>>552(次レス位で〆させて頂きます)

    パチ パチ パチ パチ

女性は、微笑みを1mmも変える事なく軽い拍手を常原に向ける。
 
 「うんうん。期待通りの男らしい対応だと思われます。主役として十分な態度です
 あはは、生き返らせるですか。
……うぅん、条件、それに手段さえ問わなければ『可能』と答えておきます。
ですが、倫理的なものや人道的なものを一切破綻した上で。そして、貴方の
生命の危険を賭す事になる事を含めてですよ? それでも宜しければ検討しますが
ははは まぁ、止めておきましょう」

 まぁ、これも戯言ですから。と彼女は あはは と笑う。

>ですが『刺激的な物語』とやらのために、あなたが誰かの日常を壊すなら
 >専守防衛を辞さない……『彼』とともに海だろうが飲み干してやります

「私は、皆様の日常を意図的に破壊してるつもりは無いんですがね。
逆に皆様に娯楽を提供する側と考えてるつもりですが。
あははは  まぁ、これ等は平行線ですとも。言うなれば見てる視点が全く異なるのでしょう」

「常原ヤマトさん。本日は、ハーレム・スキャーレムの宴にお付き合い頂き
まことに有難うございました。今後も、貴方様のご活躍を祈っております。
 あぁ、それでですね。小石川様には、もう既に彼女に関わる人のプレゼントが
贈られてるかと思いますが。常原様に対して何を贈っていいか
 私にはどうにも見当がつかなくてね……」

 そう、暫し困ったと言うジェスチャーをしたあと。ポンッと手を打って彼女は告げる。

 「あ、じゃあこうしましょう。19世紀英国で使用されてた
本格のメイド服。これを贈呈すると言う事でどうでしょう?
 後日、常原様の体格に合わせてコーディネートされた、春夏秋冬に
対応したメイド服を贈ると言うのは? それ以外で欲しいものがあれば
それでいいですけど」

 貴方の威嚇を意に介した様子なく、ずけずけと貴方に
メイド服を新調する旨を告げる。

 天羽「と、常原さん……ど、どうするんですか?」

 恐々と、貴方の背に隠れて天羽は貴方の選択を見守る。

554常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2017/05/30(火) 19:02:55
>>553
 「……か……可能………!!?」

とうさん。かあさん。麻夜。登。
みんなと一緒に、また家で食卓を囲めるというのか

かのクソ忌々しいゲロクソ野郎。
あれを、俺の手で無残にブチ殺すことができるというのか

 
 「……俺が…果たして、袖を通すかは………分かりませんがね!!!!!」
  「『選択肢』のひとつして、一応、受け取らせて頂きましょう…ッ!!!」


自分に合うメイド服が世にないため、自作のメイド服一本で行くつもりだった。
だが、そんな『選択肢』もあるのなら…一瞬。ほんの一瞬だけ。

  「(『魅力的かも』と思ってしまった…ッ!)」

555『合コンをしよう!』:2017/05/31(水) 19:06:18
>>554

 「人類の歴史は、新人類からして二十万年。その古い時から
切り捨てられぬ渇望。『永遠の別離を果たした者との再会』
 これは、未来過去現在を通して人類が望む不変のテーマです。
貴方が揺れた事。それを主役らしからぬと咎める事はありません。
人は悩み、成長するものである事も承知しております」

「改めて、本日は貴方の多くの物語への献身を大変感謝しております。
また、何処か別の幕話で会える事を願っています。では では」

 彼女は、軽く会釈すると何処とも知れぬ道へと姿を隠した。恐らく、どんな
能力でも、追って真の能力や正体の全貌を暴くのは至難だろう。


     ・ ・ ・ ・ ・ ・

天羽「……あ、す すみません。ずっと手を握ってて……。
あ、あの……差し出がましいかも知れませんが…………。
 あんまり、先ほどの方の言葉を思い悩む事ないですよ。
……も、もし辛かったら。私、何時でも
お話に付き合いますから」

 警察官としての使命か、貴方が彼女の言葉で僅かでも浮き彫りにした
焦燥や、切迫した気配に彼女は当てられての言葉だったのかも知れない。

単なる同情ではないだろう。彼女は、貴方と別れる時までしっかりと
貴方の手を握り、離す事はなかったのだから……。

 常原 ヤマトのメイド人生は続く。その道先に、いつか過去との因縁が
蘇るかは……それは、貴方の辿る道先のみが知るのだろう。

 

 常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』→『二十万』get!
 後日、アリーナ・警察・金平糖工場からお礼で送られた合計の金額。

 『クラシックタイプの万能メイド服』get!
 後日、宛先不明で贈られたメイド服。中世の女性向け給仕服で
貴方の背丈に腹立たしい程フィットしており、通気性防寒に優れており
防刃性も軽くある優れたメイド服。

 『天羽 すずりの連絡先』get!
家に到着した時、貴方に連絡先を贈った。日常でのちょっとした出来事でも
いいので、たまに連絡して欲しいとの事だ……。

556『合コンをしよう!』:2017/06/01(木) 19:15:53
(特定層には)著名なる同人イラストレーター
ジョアンヌこと佐藤 きくのスタンド能力。
薄く輝く、自分の願望が映されたケント紙のヴィジョン。

意識が失っている間のみ、自己の深層に抱えてる欲求
(持て囃されたい・恋をしたい・自分勝手に騒ぎたい)
を叶えるために動く。

能力は『限定的な自己実現の欲求の舞台(聖域)』を造り上げる事。
これにより、普段着飾る事に抵抗がある自分と真逆の像を産み出し
聖域を補助する為に群体型の本体の欲求に合わせたスタンドを造り
『合コン』と言う舞台を造り上げた。
舞台のルールとしては大まかに
・認識下での相手を直接的に傷つける事の禁止
・舞台からの許可のない離脱
・舞台を破綻させる行動への禁止また制限の行使

……を、設けた。
 然し、穴もあり。制約外の行動を止める手段は殆ど無い。

『ハーレム・スキャーレム』

破壊力:E スピード:なし 射程距離:B
持続力:本体が気絶してる時のみ
精密動作性:なし 成長性:E

557『合コンをしよう!』:2017/06/01(木) 19:37:26
褐色の肌、黒く短い針山のような髪。強く鋭い眼光の貌をした長身の男 
 その正体は幾多もの戦場を駆け抜ける伝説の傭兵
彼の過去は謎に包まれてる部分も多いものの
【仲間達の喪失】【紡ぎ手の殲滅】
と言う、二つの哀と憎の感情を秘めてる事だけは確かである。

 本当の名は過去と、別離を交わした者達の墓標に置いた。
今の彼に残るのは、意思と力を兼ね備えた名のみ。

能力は、自分と同等の大きさの鋼のヴィジョン。
その形を単純に大まかに変化させる事だけ。複雑に変形する事は出来ない。

   『アイアン・セイヴィアー』
破壊力:A スピード:A 射程距離:D
持続力:A 精密動作性:A 成長性:B


――――――――――――――――――――――――
備考

危険度
☆★★★★
地雷ワード
『星の女』

今回のミッションで、恐らく一番の安全牌。どんなに暴言を吐いたり
攻撃する事になっても、ほぼ反撃する事ないし、敵対行動もしない。
最悪でも、敵対した相手との連携を拒否する程度。他の人物が交戦状態になっても
危険と判断したら制止してくれる存在でもある。
従順でもないが、拘束されたスタンド能力からの脱出の協力を要請されれば
素直に協力してくれる。今後危難AA想定のミッションに続投で出る予定。

地雷ワードを踏んだ場合。星の女との関係性を追及され彼女の配下及び協力してる
可能性を疑い、その人物に対し完全に協力態勢を拒絶する。

558『合コンをしよう!』:2017/06/01(木) 20:13:10
ブロンドヘアーの蒼い目をした、健康的な20代か十代後半の女性。
『アリゼ』は、通称名であり。本来上流階級としての正式名称があるが
本人は忌み嫌っており、その名は過去に捨てたものと認識している。
息詰まるような家庭環境に嫌気が差し、彼女はその力と共に自由の世界へ出た。

 スタンドを使い、スタンドを使って悪事を行ってるような人間や企業に対し
窃盗や、強奪を行い。たまに、その被害者へ本人の物を返還したりなど義賊
まかいの経歴もある自由奔放な女性。それ故にアリーナ等からは彼女の行動は
問題視されながらも、大きく動いて制裁にも乗らないでいる。

ピンク色の本来手の平サイズの粘液状のヴィジョン。
 人と同じように栄養摂取する事で、肥大化してパワーもスピードも比例して増す。
謂わば原作のイエローテンパランスの下位互換。身に纏っても他者に変装したり
相手の肉を取り込む事は出来ないものの、栄養を吸収すれば一部を一時的に切り離し
他の人間を優秀な防弾性ある装備として守れるし、吸収が進めば鉄のような強度
弾丸のような速度で動かす事もできる。

   『ピンク・クリーム69』
  破壊力:D(C〜B) スピード:C(B) 射程距離:C
  持続力:B 精密動作性:D(C〜B) 成長性:C

(※かっこ内は栄養吸収が進んだ時のスペック)


――――――――――――――――――――――――
備考

危険度
☆☆☆★★
地雷ワード
『お嬢様』

喜怒哀楽は激しいものの、ミッション内のメンバーでは三番目ぐらいには
まともな女性。他者と言い争いすれば、口調も荒くなるしトゲトゲしくなるが
協力する場面では分別を発揮して、いやいやでも協力してくれる。
地雷ワードも、意図的に傷つける為でなければ。半ば恫喝してスタンドで威嚇するも
辛うじて攻撃はしない。二度目となると流石に自制は効かないが。
今後、危難CBorBC程度でも登場予定。
その際はアイアン・セイヴィアーも共に出る可能性はある。
本来は、他者の苦しみにも理解を示す子女。ミッション内で彼女は明確な
宝に出会わぬものの、アイアン・セイヴィアーと言う連れ合いを手にした。
 それは、もしかすれば金銀にも勝らぬ宝なのかも知れない……。

559『合コンをしよう!』:2017/06/01(木) 20:33:24
薄い色素で、灰のような髪の毛の。少し幸薄に見える穏やか、悪く言えば気弱な女性。
 彼女は自分の職務を、生きる故の正義と悟っている。
警察官 天羽(あまば) すずり

スタンドは、実体化されたポロライドカメラ。
 人物を写した現像は、写真内で一日中その人物の動きを追い続け
枠内で映し続ける。謂わば高性能なビデオカメラ
 映してる人物を中心にして、多少拡大も出来るし縮小させて注視したい
部分も観察出来る。声も聞けるので、自分と相手の写真を交換して携行していれば
直ぐに電話の代用としても使える。

 『カメラ・トーク』
  破壊力:D スピード:E 射程距離:E(A)
  持続力:B 精密動作性:E 成長性:D

(かっこ内は能力の範囲)


――――――――――――――――――――――――
備考

危険度
☆☆★★★
地雷ワード及び行動
『犯罪を示唆する言動及び行動』

ミッション内では、ほぼ参加者に対し敵対しない。『そらの異邦』関連NPC
尊敬する同僚の先輩として『吉岡』がいる。今後危難CC程度で続投する予定
ただし、能力が優秀なので。殆どちょっとの出演になる可能性が大
地雷ワードは、犯罪行為及び言動。それが起きた場合、彼女はそれを制止する為に
自分が傷つく事を厭わずに体を張って説得も行う。参加者が善良でも、ミッションを
止める為に協力を要請するので、その行動がかえって状況を悪くする可能性もあった。

560『合コンをしよう!』:2017/06/01(木) 20:59:04
彼は人生観が乾いてる男性であった。
 だが、『あの人』との出会いは彼を大きく変え、そして目覚めさせた。
次第に彼は良い意味で変わっていった。しかし、反面『あの人』に対する
想いは募っていき、それは恋愛と思しきものから独占欲になっていく。
 彼のいた場所は、悪感情を余り良しとしない場所だった。彼の僅かな差異たる
変化にそれは敏感で、段々と少しだけながらも彼の友(小人)達は他所他所しさも
持ち始め、そして『あの人』も解るものには解るぐらいに距離を置き始めた……。
 その周囲の反応、自分の想いを自覚した彼は愕然とした。『あの人』を守護する
立場の仲間達に警告を発せられる前に、彼は自ら其処から降りて関係性を断絶する事に決めた。
 自身が獣になって傷つけないように……あの人と、その場所を守り抜く為に。
例え、もう其処に戻れなくても。彼は『あの人』を想い続けるし、彼女が居続ける
この星見町を守り続けるのだろう。

 アルキス・グレクのスタンド

ポケットのヴィジョンもといポケットがあれば効力が発揮される。
本体の服に発現する、器具方媒体使用系と言ったものに近い珍しいスタンド。
 能力はポケットから『ビスケットを出す』事。
現実に存在するのと遜色ないビスケットだが、動物ビスケットならば
その動物の持ってる、一番有力な力が摂食した人物に発揮される。

   
  『マジック・ポケット』
  破壊力:E スピード:なし 射程距離:E(C)
  持続力:A 精密動作性:なし 成長性:D

 (かっこ内はビスケットの範囲内)



――――――――――――――――――――――――
備考

危険度
☆☆☆★★
地雷ワード
『あの人への暴言』

『きらきら星』関連NPC、今後その関連ミッションにおいて続投予定。
ミッション内で、彼に対する暴言や攻撃は、普通の人並みに関係悪化するし
敵対するものの、まだ其処はセーフラインである。
 だが、彼が発する『ある人』を侮辱ないし批判する事を少しでも告げた場合。
アルキスは豹変して、その相手が謝罪を口にするまで(しても再起不能手前まで)
攻撃を継続して行おうとする。

561『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/16(日) 10:19:22


わずかばかりの誠実さは危険であり、
度を越した誠実さは致命的である。
 
- オスカー・ワイルド -

562『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/16(日) 10:36:54

 ある日の正午を過ぎた頃……貴方は『アリーナ』の近辺に居た。

貴方は此処ら辺が、いつも夕方に掛けて多種多様の人が行きかう事。
独特の賑わいがある事を知っている。
 もし例外で、既に貴方が其処へと深く嵌っているのなら。此処が
ある限られた者達の闘いの宴の場である事を既知しているかも。

どちらかは不明ながら、貴方はその場所をうろついていた。理由は
自分自身がよく承知の筈だ……声が聞こえて来た。


   ……っ!?  ……で  ……のっっ!!

切羽詰まった声だ。自然と、そちらの方に近づくと。より其の声は鮮明に内容を色づける。


「――おい、ふざけないでくれ! 高い金が既に動いてるんだっ。
今更、そっちの都合を優先出来るわけないだろ!!??
 控えっ!? 無茶言うんじゃないっ、相手はあの『鮮血の猟犬』だぞ!
下位ランカーなんぞ当てられないし、他に当てが無いからこそ
あんたに頼んだんだろうがっ!!
 この際八百長でも構わないから、顔だけ出して数分闘うだけでもし……
っもしもし!! もしもーし!!!??   っくそっ!! 切りやがった!!?」

 スーツ姿の、鬼気迫った顔つきの中年ぐらいの男が電話片手に怒鳴っていた。
まばらに居る周りの人間は、少しその男に顔を向けるも。このアリーナ周辺では
そんな男に特別興味を惹く事こそ無いのだろう。皆、その男を無視して歩いていく。

 「くそっ……誰が、誰が居ないのか!? 強い……
 ――スタンド使いは!!! 」

 ……貴方は、どうするだろうか?

(『簡易プロフ』『能力詳細URL』『外見』『持ち物』
などの提示を、お願いします)

563夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/16(日) 19:42:31
>>562

『アリーナ』――その聞き慣れない名前を知ったのは、『七夕祭り』から帰る途中だった。
最初に感じたのは、直感的な『危険』な匂い。
そして、次に感じたのは、それにも勝る強烈な『好奇心』だった。

今までに一度も見たことのない場所。
だからこそ、この目で見てみたい。
そんな強い思いに駆られ、ここしばらく『アリーナ』を探し回っていた。

しかし、これといった収穫もなく、ただ時間だけが過ぎていく。
あてもなく町中を歩き続けるが、手がかりは見つからない。
適当な場所に座り、スポーツドリンクで喉を潤していた時だった。

「――ッ!ゲホッ!ケホッ!」

電話する声が耳に入り、思わずむせてしまった。
声が大きすぎて驚いた――なんてことはない。
問題なのは、その内容だ。

(『アレ』ってさ――『アレ』だよね。間違いなく『アレ』でしょ。うん、『アレ』よ、『アレ』)

まさしく自分が求めていた『手がかり』に違いない。
キャップを締めたペットボトルをリュックに突っ込み、男性に近付いていく。
物怖じなんかしない。

「おじさん――こんなトコでそんな大きな声出してたら、変な人だと思われるよ」

そう言いながら更に近寄っていき、声をひそめて囁きかける。

「必要なんでしょ?『強いスタンド使い』」

「ちょうど立候補したいって子が、ここにいるんだけどなぁ」

「――どう?」

自分が強いかどうかなんて知らないけど、ここはアピールあるのみ。
さんざん探し回ってたアリーナに飛び込む絶好のチャンスなんだから。
昨日『ロッキー』観たばっかりだから、気持ち的には負けてない。



★簡易プロフ★
生まれついての全盲だったが、角膜移植によって視力を得た。
初めて目にした『光ある世界』に深い感銘と大きな衝撃を受け、
『自分の目で世界の全てを見てみたい』という夢を抱く。
強い好奇心に後押しされ、『見たことのないものを見る』という意思に従って行動している。
16歳。

★能力詳細★
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/56

★外見★
背丈は中ぐらい。髪の色は茶系統、長さは短め。
服装は白いパンツ、水色のシャツ、黒いサンダル。
カラフルなスカーフをリボンのように頭に巻いている。
サングラスをかけている(手術の後遺症で目が強い光に弱いため)。
レンズは大きめでフレームは細身。
フレームの色は『ピンクボルドー』、レンズの色は『ブラウンスモーク』
レンズの奥にある両目は外から透けて見えている。

★持ち物★
女性向けの小さいリュック。
財布、スマホ、ハンカチ、ティッシュ。
さっき飲んでたペットボトル入りドリンク。
予備のサングラス。

564夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/16(日) 19:47:57
>>563

外見追記:『五色の蝶』をあしらったネックレスを付けている。

565『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/16(日) 22:27:55
>>563

 今までに見たことも聞いた事もない場所。
暗い……いや、全盲と言う人間からすれば光や闇と言う概念もなき、その世界から
開放された貴方にとって、未知なる場所は町の少し隠された場所とて大冒険だ。

 男の恰好は、少し高めなスーツとロレックス的な時計を見せびらかすように付ける
ヤが付く職業と言われても不思議でない、余りお近づきになるのは御免な外見をしてるものの
貴方は臆する事なく、声をかける。男は、電話が切られ苛立った雰囲気のまま声の方へ振り向く。

「あぁん!? いま、こちとら急いでんだ。構ってる暇は……
――なに? あんた……使い手か!? 
しかも、『受ける』 だと!!?」

 男はわなわなと目を大きく開き、貴方に熱が感じる程の視線を送る。
そして、電話での先ほどの怒鳴り声なんぞ目じゃない爆音が周囲に響いた。

 「は       ハレルヤ!!!
本当だなっ!? 嘘じゃないんだなっ!!?
 よっしゃっっっ! これで上から首を切られる事も一先ず無くなる!
変な奴に思われるっ? はっ! んなもん力のねー野郎共に、どんなに
頭の病気を疑われたって屁でもねーよっ。
 よし、善は急げだっ!! さっそく、行くぞ 嬢ちゃん!!!」

 ガシッ   タッッ!!

余程、時間が押してるのか。または男の気が異常に迅いのかどうかは不明だが。
自己紹介なり何なりの過程をすっ飛ばし、アリスの兎に並ぶ忙しなさで
貴方の手首を掴むやいなや、アリーナ……いや、貴方が目的の場所を探し回るか
結局何の手掛かりもなかった筈の総合体育館のほうへと駆けていく。

 全力疾走の男に対し、貴方は手を振りほどいて制止するのも良いし。
そのまま走りながら幾つか質問をするのも良いかも知れない。

566夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/17(月) 19:11:10
>>565

普通の人間からすれば、その男性が関わってはいけないタイプの外見だと分かっただろう。
しかし、生まれつき目が見えなかった自分は、それが『ヤバそうな外見』だと分からなかった。
そして同時に、その男性の見慣れない外見は、興味を引く対象ともなった。

「――ふぅん……」

ジィィィッ……

なので、その男性を上から下まで平然と観察した。
相手が相手なら、因縁をつけられてもおかしくないレベルで。
と、その直後に腕を勢いよく掴まれる。

「オーケー、任しといて!よっしゃ、急いで行こう!腕が鳴るぜ!」

「あと手、離して。邪魔」

適当に話を合わせつつ、同時に走り出す。
腕を掴まれたままだと走りにくいから、手は離してもらおう。

                       ワンダーランド
この『光ある世界』は、私にとっての『不思議の国』。
ある日突然その世界に入り込んだ私は、いわば不思議の国に迷い込んだアリス。
案内役が白ウサギじゃないって違いはあるけど……仕方ないから妥協しとこう。

「ところでッ ウサギさんッ――」

「じゃなくてッ おじさんッ 質問あるからッ 着くまでにッ 答えてねッ」

「『アリーナのこと』とッ 『試合する相手のこと』とッ!」

「あと、ついでに『おじさんのこと』ッ よろしくッ!」

走りつつ、息を切らしながら質問を投げかける。
見たことのない世界が待っているかと思うと、興奮を抑えられない。
おじさんに言われるまでもなく、『早く見てみたい』――そんな思いが心を埋め尽くす。

567『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/17(月) 19:48:51
>>566

 すげなく、手を振り払い並走する貴方に。男は気分を害する様子はない
腕時計に目を走らせ、よし この分なら申請もギリギリで間に合う……と
目を血走らせつつも、ブツブツ時間を勘定している。

貴方の声掛けに対し、腕を大きく振って小さく叫ぶように応答する。

「『アリーナ』は、謂わばスタンド使いによる裏格闘技会場って奴だ!
あんた、グラップラー〇牙って好きか? あれ見たいなもんと思ってくれれば
それで良い! 一度身に浸かってみりゃあ嫌でも抜け出せなくなるぜ!!」

「試合相手の名は『ベリル・ストック』って奴だ。『血の猟犬』って名前でもあるが
本人に言うなっ。悪名見てぇなもんだからな!
 『近接型』だが、パワーはそんなに強くない。それ以上は俺からは言えねぇ!!
他人のスタンド能力をペラペラ喋る野郎は、この業界 干されて野垂れ死にされて
文句言えねぇからな!! あんただって預金通帳の番号やら男と何回ヤッたか
ペラペラ喋られたら、そいつブッ殺したくなるだろ!? そう言う事よ!!」

「俺かっ!!? 俺の名前は金一!! 金が一番の金一だ! 覚えやすいだろ!
いずれ、アリーナの支配人まで上り詰めてやるよ! うっし、止まれ!!」

キィーー! と、靴の裏が焦げるような急停止を金一は行う。総合体育館
エレベーター前でだ。キョロキョロと男は辺りを見渡し誰も居ない事を確認すると
昇降ボタンを連打する。……焦っての行動と言うよりは、一定のリズムを刻んでる。

そして直ぐに、キン……ッと音が小さく鳴り。金一は乗り込む

「よっしゃ急ぐぞ!! それと、嬢ちゃん名前は?
あと、別に全部言えとは言わんが。パワー型か、絡め手タイプか教えてくれ。
そうすりゃ、俺も何かしらアドバイス出来るかも知れん。
 スタンド使いとしての、先輩? としてな!」

貴方がエレベーターに乗り込むのも、じれったそうに貧乏ゆすりしつつ男は告げる。

568夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/17(月) 21:18:29
>>567

「へー、なんかスゴい非日常感でまくってるね。超アングラな世界って感じ」

「『近接型』?『専門用語』はよく分かんないけど、私とおんなじ感じなのかな」

「金一さんかぁ……。じゃ、金(キン)さんって呼ぶことにするから。よろしく、キンさん。
 私は明日美。好きなように呼んでいいよ」

あれこれ喋りながら、金一の手元を見る。
せっかちな人だなぁと思った。
でも、なんか違う……?
まるで『モールス信号』打ってるみたいな……。
あれが『合図』、なのかな……。

「私のスタンドは――さっきも言った通り、ベリルって人と似たようなタイプだと思うよ。たぶん」

「なんだっけ?『近接型』?一応それだけど、力はそんなにないし」

「でも、『ハマれば強い』んじゃないかな。私には『とっておき』があるし」

「逆に言ったら、それ以外はそんなに……ってトコかな」

考え考え、金一に告げる。
スタンド使いの先輩ということは、彼もスタンド使いだということが分かる。
やっぱり、ここに出入りしてるのは、ほとんどスタンド使いなのかな。

569『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/18(火) 08:48:46
>>568

貴方は、金一に対し解りやすい呼称をつける。だが当の金さんは其れに
不平不満を唱えたり照れる様子もない。彼の眼中は目先の追われる時間と動こうとしてるマネーに囚われている。

「近接型がわかんねーのか? よし、つまり。あんたはトーシロ(素人)って事はよくわかった!
時間ねーから簡潔に言うが、スタンドには大まかに自分の傍で動かすのと、んでもって一畳程度の
広さを動かせる奴と、パワー低いが遠距離で動かせるタイプがあんのよっ。
って、此処は保育園か? 進研ゼミナールか?? 何でんな初歩的な事を言わなくちゃならねーのよ!
 まぁ、つまりだ。えーと、明日の美しいで明日美、だな? よし、闘技場のリンクネームは
『トゥモロー・ビューティー』でいくぞ。えっ? 別のが良いか?? とにかく時間がねーんだ時間が!
くそくそくそっ!! 俺だって信用があれば、こんな面倒くさい手間のルート使わねーよっ。
他の上の奴らは、何処でもドア使う見て―にビューっと直ぐに受付まで行けるんだぜ? 不公平だろ!!」

挙動不審と言って良い程に、体を揺すりつつ。かなり苛立った調子でエレベーターのボタンを出鱈目に押してる。
然しながら、それは無意味な行動ではないようだ。規則的にボタンを押した後、彼は閉と開のボタンを同時に押す。
キィン、とエレベーターは閉まり。一階から地下一階、二階、三階……本来ない階層へと段々降りていく。
 そこで、フーーッと彼は大きく息をつく。どうやら、その手順が『アリーナ』への行き方のようだ。
僅かに、冷静になった顔立ちで金一こと金さんは貴方に顔を向ける。声も多少だが落ち着いた。

「……ベリル・ストック。通称、奴の事を幾らか知ってる奴はベティって呼んでるが……気をつける事が二つ。
あいつは、エクリプスが未だ活きの良い時。襲撃・尋問チームとして活動もしていた。
 闘技場の成績は、全体的に言って並みって所だが。スタンドバトルで数字の成績なんてものは全く当てに
ならねーって事を覚えておけ。下位の奴らでも、時々とんでもねーホープが出てくるのが『アリーナ』さ。
んで、最後に一つ。……あいつは『嘘を見抜ける』
 もうな、これが根幹って言っても良い。奴の闘いのスタイルの全て、と言ってもな。
これ以上言ったら、マジで俺が首を切られるから何も言えないが。頼むから勝ってくれよー嬢ちゃん。
いや、勝てなくても善戦、試合が盛り上がるように闘ってくれ。瞬殺とかされたら
俺のサポーター人生はお先真っ暗だ。今日のバトルに、かなり人生の片足ぐらい捨てる覚悟で挑んでるのよ」

 あとは、闘技場では基本武器の持ち込みは禁止だが日用品は幾らかOKだったし……試合前に
何かしらコスチュームを用意するか? それともそのまま??
 あ、入場曲は何にする? ロッ〇ーのテーマ曲でいいか…………

 と、金さんは矢継ぎ早に。貴方の答えを聞く前に闘技場の簡素なルールや試合前の下準備について
怒涛の勢いで聞いてくる。

570夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/18(火) 18:41:03
>>569

「――『トゥモロー・ビューティー』……大目に見て『65点』かなぁ。
 シンプルなのはいいんだけど、 もうちょっとヒネリが欲しいよ。
 でも時間なさそうだし、今は我慢する」

「あっはははッ。じゃ、金さんは信用ないんだ。あっはははッ」

「じゃあさ、私がホープになってもおかしくないってことだよね。
 私だって、何の理由もなしにこんなトコまで来たわけじゃないからさ。
 金さんにも損はさせないから。勝つ気で行くよ」

こうしてアリーナに潜り込めた時点で、第一の目標は達成済み。
だけど、勝てば更にアリーナの奥深くが見られるかもしれない。
そのためにも、やるからには勝利するつもり。

とはいっても、私はトーシロで向こうはキャリア持ち。
誰が見たって不利なのは私の方。
でも――格上の相手に勝つ方が、ギャラリーも盛り上がるってもんでしょ。

「ウソを見抜けるってことは、『私は宇宙人だ』とか言っちゃダメってことね。オッケー」

ウソを見抜く――能力に関係がありそう。
これには気をつけた方がいいね……。

「私はこの身一つあれば十分!」

「あ――でも、コスチュームは用意して。ハクが付くし、金さんのセンスを見てみたいから」

入場曲はそれでいいよ、と最後に付け加える。

「それから、私のスタンドの名前は『ドクター・ブラインド』。何かのために教えとくね」

571『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/18(火) 20:39:51
>>570

 「あんっ?! リングネーム不満かっ! くそっ、ならもっと良いの思いついてやるよ。
別にいいとか、そー言う日本人特有の謙虚さいらねーんだよ! こちとらスポンサー稼業で食ってんだぞ!!
思いつけ 思いつけ 思いつけ 思いつけ、俺!! 明日に夢、だろ……ちっ、碌なの思いつきもしねぇ!!
 確か名探〇コナ〇の映画曲のシングルで、『明日を夢見て』ってあっただろ。他によ、探しに行こうよって
収録曲アレンジを葉山たけしが担当してて、アレの名前確か『グロリアス マインド』って奴だったわ。
よし! リングネームは『グロリアス マインド(栄光ありし瞳)』だ!! これ以上思いつかねーよボケ!!」

悪態をつきながらも、貴方に何とか相応しいであろうネームを提示する。無論、拒否しても彼は罵倒を言い続けながら
気にせず勝手に適当なネームは決めるだろう。

「そりゃ、あんまり全うな人生送ってねーからな!! だが、信用なんぞ鼻紙に劣るぜ!! 
俺の格言は1に大金 2に大金! 3番目が貨幣だ! 金に勝るものを俺に証明してくれ。俺だってそりゃ
もう少し節度ある時間に猶予ある社会人染みた行動を心掛けるよ!!
よし『ドクター・ブラインド』だな、て事はコスチュームはナース服か? いや、単純すぎるっ!!
嬢ちゃん、素材は良いから。そうだな、此処はストレートでセーラー服にする事にするよ。
てか控室に何着か、中古品だが仕立ててる女性用バトルコスチューム多少はあるから勝手に決めてくれよ!
何で俺がそんな、女の着飾りにまでアパレルショップの店員見てーに気を使ってんだよ!??
サポーターだからでしょ、って? 残当だな、うん!!」

 チン……!!

トロトロしねぇで、さっさと開けゴマしろよ!! と、怒鳴る金さんを後目に
エレベーターは、到着して開放される。扉が開くと、すぐ近くには受付らしきものが
たてられており、一人の人物が座って新聞を読みふけっている。彼はそこへ齧りつくようにして
懐から皺まみれの書類らしきものと、入場許可の為のカードを叩きつけるように出す。

「金一だ、これが闘技場参加用の許可証及び書類!! んで、ついさっきトラブルで用意してた奴が
ドタキャンしちまったんで、代理だ!! 良いよな!!!??」

『はいはい、もう少し落ち着いて要領よくお話を。
問題は……まぁ無いですね。ですが、次回からはもっと時間に余裕をもって申請を……』

「んなこたー自分が自分で一番よく知ってるから、早くっっっ!!!」

『あはは……やれやれ はいはい』

受付嬢らしき人物は、呆れた面持ちで書類を受け取り許可らしきものを出す。
 金一は、それを引っ手繰るようにして取り戻し貴方へ振り返る。

「よっしゃ、嬢ちゃん! 控室に急ぐぞ!!
言い忘れてたが、試合前に対戦相手との対談とかもセッティング可能でな!
 そー言う、試合前の面見せして互いに意欲を盛り立てるって言うのも
闘技場の売りなもんでな!! それ、通しておくか?
 嫌だったら構わねーぞ!! その分、一応インターバールちょっと(数レス)
ぐらいは取る事出来るしな!!」

足をその場で上げ下げしつつ、貴方に確認をとる。
 どうやら、対戦前に『ベティ』と少し会話は出来るようだ。
勿論、嫌なら控室で少し戦闘前の準備をとる事も出来る。武器は無理だが
飲み物や、常識的な範囲での道具なら。すぐに金一がサポーターとして
用意はしてくれるだろう……。

572夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/19(水) 18:36:03
>>571

「――私はスポンサー稼業で食ってないもん」

「惜しいなぁ、もうちょい。はい、『もう一声』。ほら、がんばってがんばって」

「ちなみに私のフルネームは『夢見ヶ崎明日美』だから。参考にして」

せっかくだし、もうちょっと捻り出してもらおう。
粘ればもっといいのが出てきそうな気がする。
ついでに、金さんのもっと困ってる姿も見てみたい。

「出た、『ナース服』。金さんなら絶対それを一番に言うと思った。
 私はそれも悪くないと思うけど」

「でも、さりげなく褒めてる所はアパレルショップの店員みたいで上手いよ」

「じゃ、あとはあるやつの中から勝手に決めるから」

到着するエレベーター。
               アリーナ
ここが探し求めていた不思議の国。

さしづめ、『アリス・イン・アンダーランド(裏世界)』といった所だろうか。

キョロキョロ キョロキョロ キョロキョロ

金さんが手続きを済ませる間、アリスさながらの興味津々といった様子で、
サングラス越しの視線を周囲に走らせる。

「分かったぜ、金さん!急いで行くぜ!
 あ、セッティングはやっといて。そのベティって人のこと、試合前に一度見てみたいから」

あとは走り出すであろう金さんの後に続いて控え室まで走る。
その間も、周囲を観察することは忘れない。

573『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/19(水) 20:29:43
>>572

 >惜しいなぁ、もうちょい。はい、『もう一声』。

「てん   っっめぇ!! この天然鬼畜ドS娘めっ!!!
がんばって、がんばって(ハート)って。てめぇ、腹ん中で俺のテンパってるの
爆笑してんだろっ!!? 夢見ヶ崎とか、てめーの苗字なんて知らねーよ!
『夢見る少女でいたい』っってか!!? おめーは、何処の『アルカラ』バンドの曲名だ!!
『グロリアス マインド』が駄目なら『アルカラ』だ『アルカラ』!! おめーリング入場までに
申請するの俺なんだからな!!? どっちかに絞っておいてけよっっ。
 これ以上候補を羅列させろって言ったら、流石に俺も頭の血管切れるぞ!!!」

金さんは、怒鳴りつつも生真面目に候補名を捻りだす。リングネームに関しては、これ以上口出ししても
彼のミキサーにシェイクされるような慌て振りが加速するだけで良い事はないだろう。

周囲を貴方は観察する。何処にでもある平凡な廊下だが。窓から映し出される風景は
開放的な地上の風景であったり、飛行機から見下ろす光景のようだったりして現実味はない。
此処は地下に造られてるようなので、それ故にオープン感を出す為の工夫だと思える。

 周囲に人気は、受付の受付嬢を除いて居ない。そろそろ試合が始まる時刻との事なので
その関係もあるのだろう。
 幾つか扉もあるものの、アルミで出来た其のドアの向こう側を推し量る事は今の時間が
限られている貴方に探索する余裕はない。それは『またの機会』になるだろう。

「おぅ! 『ベティ』と『対談』するんだな!!?
よし、直ぐに取り付けるぜ!! すぐに なっっ!!
 その前に、控室で着替えだ!! 三十秒で支度しろなんて無茶ぶりしねーが
出来る限り、急いでくれよ!!? ほんとーに時間がねーんだよ!!」

 金さんは、オリンピックの選手に負けじのフォームで走る 走る。
残像すら見えそうな慌ただしい彼と、それに付いて走る彼を受付嬢は軽く手を振って見送る。
全力疾走のサポーターだが、参加者である貴方を置いて行くような本末転倒はしない。
通路を2、3曲がる度に貴方が追いつくのを確認してから走る。その間も忙しなく変わりなく落ち着きない。

「此処が、控え室だ!! みすぼらしい場所ですまねーが、俺の今の
権限だとこんなもんだ!! 嬢ちゃんがアリーナ―に正式登録するウォリアーに
なる考えがあるなら。もうちょい、良い場所を用意するけどな!」
      ガチャ
 控室へと貴方は招かれる。
みすぼらしい、と金さんは言うものの何処にでもある楽屋の一室と言う感じだ。
鏡台が壁に設置されており。簡素なスチールの椅子とメイク道具
天然水入りペットボトルと、ちょっとした菓子の入った受け皿の置かれた机が一台。
 奥には畳みの、軽く食事が出来るスペースがあり。その端にクローゼットがある
中を開いたら、金さんの言う通り中肉中背の誰でも着こなせそうな安いコスチュームが
幾つか掛けられていた。セーラー服に、他にもコスプレの衣類が数着だ。

「今から俺は電話するからよぉっっ。その間に着替えておいてくれよ!!
なんか飲み物とか、てきとーなコンビニで売ってるような軽い物なら直ぐ用意しとくっから!」

 バタンッ! と強めに扉を閉じて金さんは何やら其の向こう側で怒鳴り声を響かせる。
恐らくは、最初に見かけたのと同じ調子でセッティングをしてるのだろう。

 ここは言う通り、着替えをするべきかも知れない。
しなくても、ありのままの姿で闘う気になったかと金一は納得するかも知れないが……。
 何かしら必要なものがあれば、言えば直ぐ持って来てくれる筈だ……。

574夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/20(木) 14:45:52
>>573

「ふーん。じゃ、『アルカラ』にしとこ。『アルパカ』みたいで可愛いし」

(頭の血管切れるってどんなんだろう。
 『プチッ』って感じなのかな、それとも『ブッシャァァァッ』って感じなのか……)

金さんの横で、ひそかに危険な好奇心を膨らませた。
ちょっと見てみたいな、と思ったが口には出さない。
私も殺人犯(?)にはなりたくないし、あと金さんが可哀想だし。

ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ !!

金さんと共に疾駆しつつ、興味の矛先は閉じられた扉の先に向けられる。
あの向こう側には、どんな世界があるんだろう?
見たい。見てみたい。抑えきれない好奇心が胸の奥で疼きだす。
今が急ぎでなければ、扉を開けようと試みただろう。
しかし、あいにく今は試合が優先。
名残惜しさはありながらも、ひたすらに通路を駆け抜ける。

「正式登録は――ちょっと考えとく。今回は『お試しコース』ってことで。
 その気になったら言うから、金さんの連絡先ちょうだい」

関心はあるけど、正式な登録となると色々しがらみとかあるかもしれないし。
こっちとしては、今は自由な立場で観察していたいっていうのもある。
一度試合に出れば登録はいつでもできそうだし、今はやめとこう。

「――そういえばさ、さっき聞きそびれたんだけど『エクリプス』って?ご当地アイドルか何か?」

電話が終わるタイミングを見計らって、扉越しに話しかける。
その間も着々と着替えを進める。
まずセーラー服に袖を通し、その上から白衣(なければ白衣っぽいもの)を着る。

        ドクター
女子高生+女医をイメージしたコーディネート。
スカーフ、サングラス、ネックレスはそのまま。

リュックは控え室に置いておき、その中からスマホだけ取り出し、白衣のポケットに入れておく。
残った時間でお菓子をつまむ。天然水も飲む。
そして金さんの血管が切れる前に控え室から出る。
天然水は持っていこう。

575『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/20(木) 19:10:20
>>574
 pi pi pi pi pi pipipipipopi!!!

「よし、『アルカラ』だな!!? 登録しておいたから、数分過ぎたらもう撤回できねーから
そのつもりでいろよっっ。
連絡先かっっ。おーけーおーけー! この試合が一段落ついたら、幾らでも教えるぜっっっ!
 何時でも気が代わったら、俺の所属するアリーナ―ランカーとして来てくれよ!!
または、知人で腕の立つスタンド使いを紹介してくれも万々歳だ!!」

 調子の良い事を言いつつ、金一はスマホの画面を素早いスタンドも真っ青な指使いで操作する。
別にそう言う能力ではない。ただ、金が一番動く時間故に、彼の欲望が不可能を凌駕したのだろう。
 連絡先は試合が終われば送信してくれそうだ。

>さっき聞きそびれたんだけど『エクリプス』って?

pipopipipipopi……ッ

 その質問に、僅かに指はぶれ 彼の動きは一時停止する音が生じる。
だが、直ぐに気を取り直して何かしらの決定をコマンドして携帯を仕舞うと
着替えを終わった明日美こと、アルカラに向き直った。

 「おぅ、中々のミスマッチ、て感じだな。で……エクリプスなぁ…………。
あんまり大きな声で言うもんじゃないが。大雑把に言えば、この町に降り立った
悪風って所かねえ。新興宗教、殺人、失踪、麻薬売買……んな事は、この町でも
大抵何件かあるんだが。表沙汰になってねぇだけで、大体そう言う悪事の大本を引いてたのか
『エクリプス』って奴なのよ。言うなりゃ、悪の組織って奴だ……何かのコミックなら良かったんだがな。
此処、アリーナ―の精鋭なりが拠点と大体の首謀者を倒したって話だがなぁ。まだ幾らか配下もいるようだし
俺にゃあ、あれ程の拡大化してた奴らが。そう簡単に終わるとは思えねぇな……。
 ――まぁ、この控えてる試合にゃあ関係ねぇ話だ!! 行くぜ、アルカラ嬢ちゃん!!
目指せ!! 打倒 ベリル・ストック!! 完膚なきまでの完全勝利をもぎ取ろうぜ、おい!!!」


  「……そう、浮足立っていたら思わぬところで倒れるぞ? Mr.gold one……」

 「うぉおおおぅぅっっ!!?」  

    ドンッッ!!

 また全力疾走で走り出そうとする金一の出鼻を挫いたのは、曲がり角から
突如出てきた大柄な影であった。疾風の如く駆けようとした金一は面食らった感じで
大の字で廊下へと倒れた。ヌゥ と角から全身が貴方のほうに姿を現す……。

 「……初めまして Miss。エントリーするのは貴方で間違いありませんか?」

スーツを着こなす、長身の黒人の男性だ。大柄だが、威圧感は不思議とない。
しいて言うならば、キング牧師を連想させる落ち着いた抱擁感がある。
 彼がベリル・ストックだろうか? いや、違うと貴方はすぐ理解出来る。
米神に血管を浮かべて、起き上がりこぼしの如くスクッと立った金一ががなり声と
共に、その黒人を見上げつつ行儀悪く指を突きつけ怒鳴った内容が内容だったからだ。

「て めぇぇぇぇええっっ ロバーーーーーーート!!!
やぁぁぁっってくれるじゃねぇかぁ!!!?? 
 こちとら時間おして、そっちの対戦相手に会いに行こうとしてんだ。
邪魔するんじゃねぇぇぇっっ!!」

激昂する金は、『ロバート』と呼ばれた男性に何やら因縁を抱えてるようだが
落ち着き払って、言いがかりをつけられた男性は澄んだ目でゆっくりと
明日美へと話しかける。

 「……ベリル。彼女がお待ちしております どうぞ、こちらへ」

無視してんじゃねぇっ と、怒鳴る彼を他所に。男性は貴方を
一つの扉の前まで案内する。

 ……きっと、そこに。貴方が闘わなくてはならない相手が待ち受けている。

576夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/21(金) 20:18:12
>>575

(よぉしッ。アリーナとの『ツテ』をゲット!これで今後もジョーホーを手に入れられるッ)

金さんの返答を聞いて、心の中でガッツポーズをとった。
そして、明日美もとい『アルカラ』となって部屋の外に出る。
今の格好を指摘され、改めて自分の格好を見直す。

「ま、私のセンスは金さんには分かんないか。
 これが逆にいいんだって。ミスマッチな方が印象に残りやすいしさぁ。
 デビュー戦みたいなもんなんだし、見た目からガツンと決めていかなきゃ」

そして、金さんの口から語られる『エクリプス』の情報を興味深げに聞く。
スタンドを使った犯罪組織、のようなものだろうか。
胸の奥の『危うい好奇心』が、チリチリと火で炙られるように刺激されるのを感じる。

「うわぁ、超ヤバそう。もうさ、『いかにも』って感じ。
 そんなのが星見町にねぇ……。へぇぇぇぇぇ……」

驚きではあったが、意外にすんなり納得できた。
スタンドなんてものがあるなら、それを悪用する人間だっているだろうし。
なにしろ、スタンドを使った悪事は法律では止められないのだから。

「――あ、もうないんだ……。あぁ。そう……」

心なしか、その声には残念そうな色が混じっていた。
実際、『ガッカリした』のは確かだった。
だからといって、『エクリプス』の存在を認めるわけじゃない。
私だって、そんな組織はない方がいいとは思ってる。
でも、どうせだったら、なくなってしまう前に一度見てみたかったという気持ちもある。

「『ザントウ』ってやつ?まだ残ってるのもいるんだ?ふっふッ……」

サングラスの奥の瞳がキラリと光る。
完全消滅していないということは、今後その残党やら関係者を目にするチャンスもあるはず。
心の中の『私が今興味あるものリスト』の一番上に『エクリプス』の名を新たに登録した。

「よっしゃあッ、任せときな!
 華麗な闘いっぷりを魅せつけて、
 ビーチのマーメイドみたいにギャラリーの視線を釘付けにしてやるぜッ。
 超大型新人『アルカラ』の伝説が今ここに――ぶッ!?」

金さんのすぐ後ろを走っていたので、金さんの背中に激突して一緒に倒れてしまった。

「――いったァ……はッ!?ヤバいッ!!」

その衝撃でサングラスが吹っ飛んでしまい、裸眼が光にさらされる。
そのことに気付き、慌てて両目を閉じる。

角膜移植手術によって視力を手に入れたが、それと引き換えの『後遺症』もあった。
裸眼で目に光が当たり続けると、しばらくの間、視力が『ロービジョン』まで低下してしまうのだ。

一時的とはいえ、ようやく手にした光を失ってしまうことは、自分にとって耐え難いこと。
それこそが、夢見ヶ崎明日美がもっとも恐れることだった。

「ないないないないないないないないないないないないないないないないない……あった!」

両目を閉じたまま、手探りでサングラスを見つけ、再びかけ直す。

「ふゥゥゥゥゥ〜……。あ――こんにちは、『アルカラ』」です。ナイストゥーミーチュー」

「ヘイッ。落ち着きなよ、相棒。やっこさん、ここでやりあうつもりはなさそうだぜ?
 ――ってことで……金さん、私行ってくるから」

金さんに冗談(最近観た映画のセリフ)を言いつつ、ロバートに導かれ、扉の前に立つ。
開けてくれるならその後で、もしくは自分で開けて中に入る。
いざ、対談の場へ。

577『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/21(金) 21:48:06
>>576

 「気合負けすんじゃねぇぜ、アルカラ!!
おめぇーは俺の一押し!! このアリーナの伝説の一陣として派手に飾らせて貰うからな!
 俺がちゃんとおめーを拾い上げたって事をちゃんとインタビューで入れてくれよ!!」

 拾い上げたも何も、参戦者の代理を大声で探し求めてただけだが。調子の良い金さんの
イメージとして、今の貴方を勝手に何処ぞから拾い上げ熟練の戦士としてアリーナに
今宵出したと言う感じのドラマが勝手に彼の中で出来上がってる感じだ。
 勿論、そんな出鱈目を告げるも告げないも貴方の自由である。

ガチャ


    「……んっ、来たね」

 黒い天幕が張られている。照明のスタンドと、闘技場で参戦紹介の為に
流すのだろうカメラが置かれており、その撮影をするであろう目深い帽子を
被ったスタッフが二人ほど居る。話しかけても仕事に集中してる為に何の反応もなさそうだ。
 中央に、二つスチール製の座布団が引かれた椅子が置かれており。一つは空いていて
もう片方には、女性が足を組んで雑誌のようなものに目を通し座っていた。

 「……ふーん、女の子 ね。随分若そうだけど、ちゃんと詳細を聞いてるのかな」

朱いタックカラーコートに、ヨークシャテリアの刺繍が描かれたジーンズを着こなす
褐色の女性だ。年齢は二十代前半といった所だろう 貴方の姿を上から下まで見下ろす。

「まっ、世間話なんてしてる時間もないしね。私は、ベリル・ストック 
此処(アリーナ)の中位ランカー。あんたの相手
 べらべら色々と話して、勝手に聞いたりもするけど。間違ってたら否定して
で、合ってるようなら黙認する感じでOK?」
 彼女は前置きをしつつ、貴方に話し始める。

「私の経歴とか、もうそっちのサポーターが色々と話してると思うしね。
何で、あんたがアリーナで戦おうと思ったのか。そして、この戦いに対しての
抱負とかも聞かせて貰う感じで。
 私からも何か聞きたい事があるなら何でもどーぞ。
まぁ、デリケートな話や体重とかはNGでね」

 最後は、軽く冗談めかし笑いつつ話を区切る。
和やかな雰囲気だが、忘れてはならない。彼女は朗らかに
話しかけているが、貴方が倒すべき相手であり それでいて対戦相手だ。

578夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/22(土) 20:30:33
>>577

背中に響く金さんの声援に軽く手を振って応じる。
そして、扉の向こう側へ足を踏み入れる……。

キョロ キョロ キョロ キョロ

まず部屋の様子と、そこにいる人と物を観察。
どんな状況であっても、初めて見る場所では好奇心を抑えられない。
そして,、最後にベリルへ視線を移す。
彼女の余裕ある態度からは、確かな自信が感じられる。
――けど、ここで怯むわけにはいかない。

「――ご紹介どうもありがとう。私はアルカラ、16歳。デビューしたての新人ファイター」

空いている椅子に座り、挨拶を返す。
雰囲気こそ和やかだけど、それに流されちゃいけない。
これは言わば『第一ラウンド』。
格闘こそなくとも、既に闘いは始まっているのだから。

「ここで闘おうと思ったきっかけは、自分の力を試したかったから、かな」

「今の自分の実力がどこまで通用するか――それを確かめてみたくて。
 ようするに腕試し、ってとこ」

「……私には、どうしても勝たなきゃいけない相手がいるから……」

そこまで言うと、いったん言葉を切り、意味ありげに軽くうつむいて顔を伏せる。
そして、上目遣いでベリルの方をちらりと見る。
こんな『大嘘』を堂々と語った目的は、ベリルの反応を見たかったから。

金さんから聞いた『嘘を見抜く』という彼女の力。
それを自分の目で確認するためだ。
ベリルの反応を見ることができたら、彼女が何か言う前に再び喋り始める。

「……なぁんて、そんな深いジジョーは別になくって。
 本当の理由はアリーナに興味があったから。
 それで、ちょうどタイミング良く代理を募集してたから、立候補して来たの」

軽く笑いながら本当の理由を話す。
しかし、視覚障害のことは言わないことにした。
過去に盲目だったということから、サングラスをかけている理由を気付かれるかもしれない。
目が光に弱いという事実を知られたら、それが不利にもなりかねない。

「闘いに向けての抱負は……あなたに本気を出させること。 
 だから、私も簡単には倒れないよ。
 知識や経験じゃ足元にも及ばないかもしれないけど、気力では負けてないと思う」

「――大したことじゃないけど、私にも夢があるから」

この光ある世界の全てを、自分の目に焼き付けること。
それが私の夢。
だからこそ、ベリルの能力や戦術、彼女が持ちうる手の内を全て見てみたい。

「聞きたいことは……」

「えっと――飲み物は何が好き?」

「もし時間あったら、闘いが終わった後で、一緒にお茶でも飲みたいから……」

579『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/22(土) 22:45:28
>>578

>私には、どうしても勝たなきゃいけない相手がいるから

ピクッ...

貴方の『虚言』 その反応を見る為の投石は彼女に並みならぬ波紋を少し浮かばせる。
 穏やかな雰囲気が、張り詰め。そして、眉間が顰め皺も濃くなる。
だが、すぐに貴方が撤回して真実を告げると。その皺も徐々に引かれた。
 嘘に関して、劇的な変化は見られた。だが、『冗談』の範囲内で収まる限りでは
彼女も態度を変える事はないようだ。

 「飲み物は、最近はジントニックを好んでるけど。
普通に紅茶も飲むね。最近はニルギリかな」

 「次は、私から。あぁ世間話じゃなく、大事な事。
挑戦を受けてる身なんでね、今日は。
 基本ルールとして、死傷させるのは禁止。また過度な反則行為
反則ってのは、当たり前だけど観客を意図的に盾にするような真似や
事前にナイフ仕込んだりって事ね。まぁ、しないとは思ってるよ。
一応、降参する事も可能だけど。その意気込みからして余計だろうしね
それじゃあ確認だが……闘うなら、場所は何処が良い?
 一応、ある程度選べるのさ。普通にコロセウム見たいに砂地も出来るけど
簡易的に学校の教室見たいな舞台や、ジャングルっぽい感じにしたりとかね」

 お好きなのを選んで。と、雑誌の間から抜くようにして貴方にメニュー表を
ベリルは投げ渡す。

 それには大まかなに、学校の教室をイメージした教壇や椅子のある舞台。
何も無い更地。適当な水場のあるものや、木々が豊富なもの、公園を
イメージしたものなどの写真が貼られている……。

580夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/23(日) 09:13:11
>>579

(は……速いッ……。『ウソ発見器』並みかも……。それに、あんな怖い顔『初めて見た』)

ベリルの反応を見て、心の中で納得した。
さっき私が言ったウソだって、そんなにすぐ分かるようなウソじゃなかったはず。
それなのに一瞬で見破ってきたところを見ると、事前に聞いた通りだってことが分かる。

ここで分かったことはそれだけじゃない。
彼女は、ただ単にウソを見抜くだけじゃなく、ウソ自体を嫌っているように感じられる。
ベリルの表情が変わった時は、内心ヒヤッとした。

ただ、モノは考えようとも言える。
見方を変えれば、これは『使える』かもしれない。
場合によっては利用することも考えておこう。

「――とっ、とっ、とッ……」

パシッ

投げられたメニュー表を両手でキャッチした。
ここは勿論、できるだけ自分に有利なフィールドを選ぶべきだろう。
こっちはシロートなんだから、遠慮することはない。

ただ、私とベリルのスタンドは基本的には似たようなタイプらしい。
つまり、得意とする場所も同じということ。
闘う場所を選ぶのも、なかなか難しいものがある。

障害物が多い方が逃げ隠れできるし、細工もしやすい。
けど、それは向こうも同じこと。
逆に開けた場所を選べば、相手の策をある程度封じられるけど、こっちも小細工できなくなる。

「えっと……んじゃ、『ココ』で。問題ない?」

選んだのは、木々が生い茂り、湖のような場所もあるジャングルのようなフィールド。
いくらスタンドが似たタイプだとしても、遮蔽物もない広い場所で闘えば、
経験で勝るベリルが圧倒的に有利。
それなら、隠れられる場所や細工の余地がある場所で闘う方が、
キャリアの差を埋められる望みが高い。

(それに――ジャングルなんて行ったことないから、この目で見てみたいし!)

でも、どうやってそこまで行くんだろう?
こんな地下にそんな所なんてあるわけない。
たぶん、何かのスタンド能力じゃないかと思うんだけど……。

581『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/23(日) 18:33:19
>>580

「成程、ジャングルね……了解、っと」  パサッ……。

「…………アリーナに『興味』ね。成程、冒険心がある 『夢』がある 『美』しさを見つける目を持ってる。
それが悪いとは言わないよ。貴方見たいな年ごろは何だって興味がある多感な時期さ。だろ?
大人の階段を上がろうと無理に背伸びしてみたり、普通は人がしない事にチャレンジしてみたり、さ。
私も、そう言う年頃があったさ。ただね……今となっちゃ、それは私にとって『麻疹(はしか)』さ」

 朗らかで、親しみやすい空気は何時しか薄れていた。
雑誌は投げ捨てられ、周囲には圧迫感が生じていく。

 ズズ   ズズズ……ッ。

 彼女の、横の地中より血の様に深紅の色合いした何かの頭部が生える。『スタンド』だ

「人は誰しも、上辺で明るい言葉を宣う。煌びやか夢を呟く。
けど、腹ん中では下水よりどっぷりと 肥溜めより吐き気のする色の感情を抱えてる奴だってザラさ。
それを、許さないなんて言わない。常に自分に、他人に正直で生きる奴なんてこそ、無理なんだから。
だがな、それでも……私にとって『嘘』は『煉獄』だ。それが善行や偽善や偽悪や悪行なんて関係ねぇ。
『嘘』は等しく 私にとっての『悪血』だ。建前と本音 夢と現実 美しさと邪悪。
私は、正真正銘の屑って奴らと何度も血で血を洗う戦いに費やし……今となっちゃ、この手は血まみれだ」

  全てのヴィジョンが姿を現す。真っ赤な、『鮮血』のように丹に輝く
両腕に二つの腕輪のようなものを嵌めた人型のスタンドが。

 「それでも、私は闘う。どんなに否定した所で、私は闘うからこそ輝ける。
嘘を喰らい続ける獣として、『鮮血の猟犬』と悪評を負っても、闘い続けた果てに
私は、どんな者に詰られても不動なる証をアリーナの栄光を 勝者として一位の座を得て見せる。
 あんたを倒せば、上位ランカーに上り詰めるのは 僅かだ。

  私の目的は、『栄光』 ただシンプル(貪欲)に ただレッド(闘士)の有りの侭に

        『シンプリ―・レッド』  中位ランカー ベリル・ストック

 アリーナにようこそ 『アルカラ(ニュー・フェイス)』

 さっき抱負は、私に本気を出させる事と言ったな?  ――あめー事吐いてんじゃねぇ。

私は  常に  『敵』と対峙したと認識した瞬間から   『本気』だ」


     ズオォォン    パァァァアアッッ!!!

 瞬間、アルカラ(明日美)とベリルは決して自分の意思で動かない座ったまま
五十メートル程、両者はその空間を慣性の動きもないまま開いた。

 最初に開いたドアや壁にもぶつからない、既に部屋としての概念が成り立ってない。
気づけばカメラを動かしていたスタッフも煙のように消えた。そして、黒い天幕が取り払われ……。

          カッッッッ!!


?『レディィィィィィスッッ  &‼!‼ ファッキン玉無しガイ共!!!
今宵、今日始まります選手、第一の名は 『鮮血の猟犬』『虚言の裁断者』『深紅の拳士』!!

 その無慈悲なる宣告と断罪の振る舞いは、今日もアリーナの床を対戦相手の血で濡らすのか!!??

 べリィィィィィィィイイイイルゥゥッッッ   ストォォォッッックッッ!!!!!』

                 ウオォォオオオオォォォッッッ!!!


   キャー――――!!!!

 
             ワァァァアアアアアアアア!!!!!

582『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/23(日) 18:33:55


  圧巻の光景。気づけば、そこは『アリーナ(闘技場)』のどまん中。
辺り一面の天井に、眩しいライトが暗闇を押し退ける。周囲を観客の声と拍手が空気を揺るがす。

円形のリングの中に、太古の鳥や森に生息する猿や獣の声が今にも飛び交いそうなヤシの木混じりの
森林が眼前に生え揃い、そして木々の向こうに湖らしきものも見える。

 『そして、対するネームレス!!! 今宵、荒ぶる猟犬を打ちのめすべく星の如く出る選手はぁぁぁぁ!!
栄光をつかみ取るべく星の瞳!! ミステリアスなフェイスの向こう側に、お前は一体何を明日に見る!!??
 経歴一切不明!! 白衣と学生服のアンバランスさの中に、この実況者は仄かなエロスとカロスを感じ得たァァア!!!
    その名は……     アルゥゥゥウウウッッッ   カラアアアアアァァァ!!!!!!     」

  アル カラ!   アル カラ!! アル カラ!!! アル カラ!!!!

  地響きが鳴っていると勘違いしかねない音。新参者であり 無名の闘士を応援する声が
ロッキーのテーマ曲に混じり周囲に響く。肌を、幾多の無数の声が突き刺す。
今まで、貴方の人生にとって決して一度も体験しえない空間が 全身を  包み上げている。
 
 ベティの声が向こう側から響く。

 「此処には お前にとっての『未知』が全てある。
だが、気取られてる暇は無い! 周囲に呑まれてる場合じゃない!!
惑わされるなっ、怒涛に移り変わる周囲に! 私の言葉に!!
 アルカラ!!!
   ――お前の全身全霊 全てを 私にぶつけてみろ!!!」

          カーーンッッ!!!

闘いのゴングが鳴り響く!!!!!!

583『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/23(日) 18:43:55

 両者の位置は木々のカーテンを仕切りに立っている。
観衆の両者を応援するコールが闘技場に、こだまする。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□べ□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□◎□◎□◎□◎□□■∴
∴■□◎□◎□◎□◎□◎□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□※※□□※※※□□■∴
∴■□□◎□◎□◎□◎□□■∴
∴■□◎□◎□◎□◎□◎□■∴
∴∴■□□□□ア□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床は土で、タイルの大きさは1x1m。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。GMの選択で高さや、素材への変更が可能。
∴:観客席
◎:ジャングルの木々。椰子の木など、蔦などあり一応登りやすく頑丈
※:湖の水。上半身まで浸かる程の深さ 生き物などは居ない
べ:ベティ
ア:アルカラ(明日美)

584夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/24(月) 21:38:51
>>581-583

ビクンッ!!

幾多の死線を潜り抜けてきた経験に裏打ちされた、強烈な『威圧感』。
その圧倒的な迫力に気圧され、小さく身体を震わせる。
追う者である『猟犬』の前では、自分は狩り立てられるだけの哀れな『子兎』に過ぎない。
何の力も持たない無力でちっぽけな存在でしかないのだと思わされてしまう。
突き刺さるような鋭い視線を受けてた瞬間、
まるで心を鷲掴みにされるような感覚を覚え、『恐怖』さえも感じた。

しかし――。

        キ ッ ! !

しかし、向けられた視線から『目』を背けることは決してしない。
確かに『怖さ』はある。
口では強がってみても、実際に本物の『闘士』と対峙すると、焼け付くような緊張感を覚える。
だが――それは『進むこと』をやめる理由にはならない。
心の中に、『ある言葉』が木霊する。

――スタンドバトルで数字の成績なんてものは全く当てにならねーって事を覚えておけ。
   下位の奴らでも、時々とんでもねーホープが出てくるのが『アリーナ』さ。

スタンドの強さは精神の強さ。
だから、スタンドの闘いは精神の闘い。
その舞台の上では、どんな人間であろうと平等。

同じように、人の生き様や信念に『貴賎』はない。
性別も年齢も経歴も、それだけで人間の価値を決めることはできない。
私は、まだほんの少ししか生きてないけど、それでも『それ』は分かる。

ベリルの生き様は、私には想像もつかない程の壮絶なものだろうし、
彼女の信念は誰にも覆すことのできない強さに支えられているのだろう。
だけど、私にだって『それ』はある。
私の『夢』は、何にでも興味を示す年頃の少女が抱く『飽きたらポイ』の『幻想』とは違う。
『夢』という名の『信念』だ。
文字通り『光のない世界』で生きてきた私の今までの人生が、それを裏付けているのだから。

だからこそ――。

(――勝つッ!!)

585夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/24(月) 21:39:49

・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

――ザッ……

決意と共に、遂に足を踏み入れた闘技場のリング。

                 『 L 』

その余りにも現実離れした光景に言葉を失い、しばし圧倒される。

             『 I 』

人一倍敏感な鼓膜が大音量に震える。

         『 G 』

地下とは思えない明るさは、サングラス越しでも眩しさを感じるかのようだ。

     『 H 』

幸い、レンズが強い光を遮断してくれるお陰で、視力に支障を来たすことはない。

『 T 』

    ドドドド  ドドド 

           ドドドドド 

              ドドド ドドドド

リングに立つアルカラ……夢見ヶ崎明日美の傍らに、いつの間にか『それ』はいた。
男性の声とも女性の声ともつかない無機質な声で、機械的に発声する『人型のヴィジョン』。
『光』を持たない盲目のスタンド――『ドクター・ブラインド』が、
『手術前の執刀医』のように両手を挙げた姿勢で佇んでいる。

 『 L (エル) 』 

       『 I (アイ) 』 

          『 G (ジー) 』 

              『 H (エイチ) 』 

                  『 T (ティー) 』

        キラッ     キラッ

『傷の付いたレコード』のように、途切れ途切れに『同じ単語』を繰り返す『ドクター・ブラインド』。
その手にある『手術道具』――
『医療用メス』を思わせる鋭い爪が、光を受けて煌いている。

   ――スゥッ……

手近な木々の陰に身を隠し、私は静かに目を閉じて、『昔のように』耳を澄ます。

『ドクター・ブラインド』の四感は『超人的』な精度を持つ。
そして、それは私とリンクしている。
『ドクター・ブラインド』の『超人的聴覚』で、ベリルの発する音を探る。

その場から動いているのか動いていないのか。
動いているなら、その方向や距離、速度はどうか。
まず、それらを知りたい。

しかし、実況の声や観衆の声など、ここは余計な『ノイズ』が多すぎる。
いくら『ドクター』の『超聴覚』でも、聞き取ることは難しいかもしれない。
とにかく――試してみるしかない。
『金網の外部の音』と『金網の内部の音』を出来る限り区別し、
『内部の音』だけを聞き取ることに意識を集中する。

586『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/25(火) 19:28:58
>>584-585
 
 『視覚』『聴覚』『触覚』『味覚』『嗅覚』

その五感の内一つを除き……いや、代償で得た事による超感覚を持つ、『ドクター・ブラインド』
 観衆達の多種多様に乱れる声もある、実況者らしきスピーチも乱れている。
音の荒波の中で、本来一人の相手だけに音を絞るのは大変な事だ。だが、貴方の能力も併せ
敵のとった行動により、容易に貴方は相手の動きを知れる事になる。


    「――アルカラ!! 聞こえるなっ!!?
 私はお前を倒す。ただ真っすぐに! 偽りなしに!!
 願わくばお前も私と同じ行動を取る事を望む!!!
 これは夢想でない!!! 『警告』であり『真実』!
       ――行くぞ!            」

 ベティは真っすぐに、叫び歩いている。貴方の能力を把握してる訳じゃなさそうが
馬鹿正直に、真っすぐに前進してるのが大声の調子と歩く音からして受け取られる……。


  ∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□べ□□□□■∴∴
∴■□□◎□◎□◎□◎□□■∴
∴■□◎□◎□◎□◎□◎□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□※※□□※※※□□■∴
∴■□□◎□◎□◎□◎□□■∴
∴■□◎□◎□◎□◎□◎□■∴
∴∴■□□□□ア□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

587夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/26(水) 02:46:00
>>586

 『 L 』

(『位置』、『距離』、『速度』……大丈夫。全部『分かる』)

再び両目を開き、ベリルの行動の意味を思考する。

彼女の行動は、アリーナ流のパフォーマンスだろうか。
それとも、何か策があってのことかもしれない。
あるいは、ベリル自身の性格によるものとも思える。

     『 I 』

「――……」

いずれにしても、ベリルの言葉には『答えない』。
状況に流されて不用意に喋れば、自分の居場所を教えることになる。
これは本気の闘いであり、罠かもしれない以上、迂闊な行動をすることはできない。

        『 G 』

足元に目をやり、適当な『小石』か『小枝』を二つ三つ拾い上げる。
見当たらなければ、土を一掴みでもいい。
そして、正面から接近してくるベリルの側面に回り込むような形で、木々に隠れながら移動を開始する。
物音を立てないことを最優先し、そのために多少スピードが遅くなっても構わない。
もし見つかった場合のことを考えて、ベリルとは十分に距離をとる。

先程の宣言を見るに、ベリルは正面からのぶつかり合いを望んでいるようだ。
それが彼女の……ベリル・ストックの『スタイル』なのだろう。
しかし――少なくとも今の時点では、それに乗る気はない。

            『 H 』

       スタイル
私は『私のやり方』に対して嘘をつかず、自分の全力を出しきるだけ。

(ね――『ドクター』)

                『 T 』

588『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/26(水) 17:44:06
>>587

適当な『小枝』に『小石』……此処は貴方が選んだ決闘の舞台。
獰猛なる獣に、狩るか狩られるかの選択を迫るべく選んだジャングル。
 地面を見れば、そのような物は手近に幾らでもあった……好きな個数を任意に拾えるだろう。

貴方はゆっくりと迂回して進む。その間にもベティの声は依然続いてる。

 「――アルカラ!!
私は真っすぐに進んでる!! そして、私は先に告げておく!!

 ――既に『シンプリ―・レッド』の能力を、お前は『受けている』!!」


      ――ドーンッッ!!

 「ブラフなどでは無い!! この意味をしっかりと受け取り、考えてみろ!!
いいか!? 二度は言わない!! 私は『正々堂々』と闘う枷を既に背負ってる!
 さぁ、来い!! 私に立ち向かってみろ!!!」

 森の茂みを、堂々と分け進み。決して自分の存在を隠そうと彼女はしない。

それは、罠なのか。または、彼女のスタイルに関係するからか……。

 

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□◎□◎□◎□◎□□■∴
∴■□◎□◎べ◎□◎□◎□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□※※□□※※※□□■∴
∴■□□◎□◎□◎□◎□□■∴
∴■□◎□◎□◎□◎ア◎□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

589<削除>:<削除>
<削除>

590夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/27(木) 06:23:16
>>588

足元の『小石』を二つ拾い上げた。
一つは自分で持つ。
もう一つは『ドクター・ブラインド』に持たせる。

(ねえ、『明日美』――どう思う?)

移動しながら、心の中で『自分自身』に問いかける。
あ、念のために言っとくけどさ。
これ、別に『タジュージンカク』って訳じゃないから。
自分を『キャッカンテキ』に見るっていうの?
ようするに、考えをまとめるためにやってるだけだから、気にしないで。

ベリルの話じゃ、私は『シンプリー・レッド』の能力を既に受けているらしい。
おそらく、私だけじゃなくベリルも、だろうと思う。
『枷を負っている』という言葉から、それが推測できる。

(そうだね……。私の考えだと、『シンプリー・レッド』の能力は――)

(じゃあさ、もしそうだとしたら、どうするの?
 『騎士同士の決闘』みたいに正面からの一騎打ちでもしてろって?)

(それしかないならそうするよ。
 でも、『ドクター・ブラインド』は単純に殴り合いをするにはパワーが足りないでしょ?
 それについては、向こうも同じようなものとは聞いてるけど……でもねぇ……)

(少なくとも、今この時点では、まだ私には影響は出てないよね?
 『問題』は……)

(そう、『問題』は、どの『段階』で具体的な影響が出てくるのかってこと。
 それが分かれば、少しは動きやすくなるはず)

(で、どうやってそれを調べる?何か作戦は?)

(自分で『試す』しかないでしょ。他にある?)

(ないね)

(よし)

そのまま移動を続ける。
ベリルの進行方向と速度から計算して、
『ベリルの側面をとれるであろう位置』で待機するつもり。
そして、ベリルが目の前を通る直前、ベリルの『背後』を狙って『小石』を投げ、音を出す。
何か反応してくれることを期待しての行動。
更に、その後に続けて、ベリルの『側面』を突くような形で、潜んでいる場所から飛び出したい。

591『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/27(木) 19:24:31
>>590

 『小石』を持つ。一つは自分に、もう一つはスタンドに。

ジャングルは、ある程度の背丈がしゃがめば隠れる程の茂みで覆われている。

 「――アルカラ! このまま隠れたまま私に挑まない毛か!?
 それなら、こちらもこちらで考えがある! お前が闘わないのなら
 こちらは『必殺技』を繰り出す心構えだ! いいなっ、事前に告げた!」

 彼女は宣言通りにずっと前進をしている。貴方は、そんな彼女をやり過ごせる
ポジションを見極め、息を潜めて待ちわびる……そして。

 シュッ    カンッ。

 「っ後ろか!? いや、今のは……」

 『超感覚』を持つ『ドクター・ブラインド』には、ベリルの意表を突く形での
投擲も訳がない。ベリルが石のほうに体を傾げた後、貴方はその横へと鳥が飛び立つように立つ。

 「っ……アルカラ、其処に居たな ならば 『必殺技』だ」

 「――『質問』だ。 お前は今まで『嘘』をついた事があるか!?」

 ベティは、貴方に対しスタンドを向き直らせながら『質問』を浴びせる。

 両者の距離……残り『2m』……。

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□◎□◎□◎□◎□□■∴
∴■□◎□◎□◎□◎□◎□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□※※□□※※※□□■∴
∴■□□◎□◎□◎□◎□□■∴
∴■□◎□◎▽◎□◎□◎□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

 
 ※現在▽地点で、両者対峙している。
ベティは体が横向き、スタンドも同じ状態。側面をつく形で
木の近くの茂みから不意打ちで飛び出した行動も成功。

592夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/28(金) 08:47:35
>>591

「……ッ」

『問い』を投げかけるベリルに対して、油断なく身構える。
てっきり攻撃してくるかと思った。
いや、これも『攻撃』か。

(ウソをついたことがあるかどうか――
 ショージキに言うなら、その答えは『イエス』ってことになる。
 誰だってウソの一つや二つ、ついたことあるでしょ?
 一度もウソをついたことがない人間を探すより、
 『ヒバゴン』でも見つける方が簡単なんじゃないの?)

(それはおいといて……重要なのは、この質問の『意図』。
 つまり、『ベリルは私がどう答えるのを期待しているか』ってこと。
  だから、私は『その期待を裏切る行動』をしなきゃいけない)

(ベリルに対してウソを言うのがヤバいってことは、もう分かってる。
 だから、ここで『ノー』と答えるのは賢いやり方じゃない。
 でも、だからって『イエス』って答えるのも、『それはそれでヤバい』)
 
(だってそうでしょ?
 素直にホントのことを答えたとしても、『攻撃が来ない』ってホショーにはならない。
 ウソだろうがホントだろうが、答えた時点で何かが起こるのかもしれないじゃない)

「――……」

(だから、私は質問には答えない。
 質問に答えることで何か起きるなら、答えなきゃいい。
 『黙秘』は『ウソをつく』ことにはならない……)

本人が『必殺技』だと明言している以上、警戒するに越したことはない。
そう、『質問に対しては』答えない。
だが――。

                            『 L 』

「……ベリルさぁ――『ノド渇かない?』」

                        『 I 』

「さっきから鼓膜に響く大声で、『正々堂々』とか『偽りなしに』とか……。
 まるで『選挙演説』みたいに、延々と喋り続けてさぁ……。
 ああいう街頭演説って日本独特のものだって聞いたことあるけど。
 外国だと『ソーオンコーガイ』に引っかかるとか何とか……」

                    『 G 』

「えっと、あと何だっけ?『ただ真っ直ぐに』?」

               『 H 』

           ザッ……

「――なら、私も『そう』させてもらうよ」

       『 T 』

  バ バ ッ ! !

その瞬間、待機していた『ドクター・ブラインド』が、
『ジャングルに棲む豹』のような俊敏さで、勢い良く飛び出す。
ただし、『本体とは別の場所』からだ。
事前に『ドクター・ブラインド』を射程限界まで離し、ベリルの『正面』に当たる場所に潜ませていた。
(暗号スレ>>7 パスワードは『blind』)

今、ベリルの注意は『私』に向いているはず。
その隙に、『ドクター・ブラインド』をベリルに向かって『真っ直ぐに』突撃させる。

                                     プレゼント
まずは挨拶代わりに、片手に持っている『小石』を投げつけてお見舞いする。

                      メス
さらに、続けざまに空いている手の『爪』で切りつけるッ!!
その際は、ベリルの身体の露出している部分を狙いたい。

  ――スゥゥゥゥゥ……

「――わ・た・し・はッ!!もう『シンプリー・レッド』の能力を受けてるんだよねぇッ!?
 だっ・た・らッ!!
 今度は『ドクター・ブラインド』の能力を食らってもらうよッ!!ベッ・リッ・ルゥッ!!」

思いっきり息を吸い込んでから、わざわざ両手を口に当てて、
まるでメガホンのような形にしながら、あらん限りの大音量でベリルに叫ぶ。
別に意味なんかない。
さっきからベリルばっかり言いたいこと喋ってて、私は全然言いたいこと言えなかった。
心に募ったフラストレーションを発散したかった。ただそれだけ。





(※最初に小石を投げたのはスタンドではなく本体のつもりでした。
 こちらの表現不足ですので、問題があればGMの判定に従います)

593<削除>:<削除>
<削除>

594『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/28(金) 23:40:05
>>592(了解。本体、小石投擲認可。メ欄行動も了承)

貴方は、ベリルの『質問』に対し『沈黙』を選ぶ。
 更に……。

  バ バ ッ ! !    ブンッ

潜伏させていたドクター・ブラインドは、野生のジャガーのように
意識をアルカラ(夢見ヶ崎)に対し向けていたベリルの正面へ飛びかかる。

 「っ――!」

反射的に、腰に据えていた腕を顔に彼女は構える。横に控えるスタンドは微動だにしない。

 シュバッ   バシュゥゥッ!!!

  『な  な   なんとーーーーーーーーーっっっ!!!!
アルカラ選手ッッ!! ジャングルと言う地理を存分に活かし!!
鮮血の猟犬の腕を一気に裂いたーーーー!! 
無名の新人の予想だにせぬ鋭い一撃!! だが、まだまだ
相手は気力十分って感じだぞーーーーー!!!』

     ワァァァアアアアアァァアアアアア!!!!

見事に、ベティの右腕をドクター・ブラインドの鋭い腕は切り裂く!
 右の手の甲から肘まで、彼女の腕に細い筋と派手な血飛沫が
貴方と彼女の空間に舞う。ベリルのスタンドは……まだ動かない。

     「……お前は賢しい奴だ、アルカラ。
       ――だが
           それがお前を更なる窮地に追い込むっ」

     ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!

 ……!!?

 『シンプリ―・レッド』。彼女の横に佇む血の様に赤い人型のスタンド。
それが、見間違いでなければ……『大きくなってる』
 極端に膨れ上がるように、とはならないが。それでも、ベリルと同じ程度の
中肉中背な、一般人男性並み(予想でパC)程度であったものが。今や観客席にも
ちらほら見受けられる格闘技選手並みに形が変わっている。

 「これは、全てお前のお陰だアルカラ
お前は、まだ私の術中に嵌っている。抜け出さない限り勝機は訪れない。
 ……次は、こちから行こう。
 ――右から、貴様に攻撃する――ッ!!」

 ぺロッ   ググッッ……!!

 猫の様に軽く出血した腕を舐め取り
 『シンプリ―・レッド』とベリルが、右の腕を大きく掲げ
一歩前に 貴方と言う本体に進み出る!!
 
 アルカラとの距離は1m30センチと言った所だ……。

>>591の地点から位置は変わらず)

595夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/29(土) 07:00:40
>>594

  ブ ッ     ゥ ゥ ゥ
      シ ュ      ッ ! !

空中に舞い散る『赤』の飛沫。
瞬きするほどのわずかな間、その『紅の雫』に目を奪われる。
まるでスローモーションのように、ゆっくりと視界を流れて散っていく血の飛沫。

   ド 
     ク 
       ン 
         ッ

なんて――なんて『綺麗』なんだろう。
心から、そう感じていた。
自分の目で実際に『血』を見たのは、これが初めてだった。

「……そうか……。『血』って赤かったんだね……」

「――初めて、見たよ」

声のトーンを落とし、独り言のように小さく呟く。

「……じゃなくて――やったっ!先制点いただきっ!」

ハッと我に返り、意識を闘いの場へ引き戻す。

(でも……この『違和感』は何……?)

確かに、こちらの先制攻撃は成功した。
だが、それを素直に喜べない気持ちが、心の片隅にあった。
あまりにも『上手く行き過ぎている』からだ。

相手は経験豊富なベテランファイターのはず。
それなのに、こんなにあっさり攻撃が決まるというのが、逆に腑に落ちない。
まるで、こうなるように『誘導』されているような……。

「……え?」

「お――」

「『大きくなってる』ぅッ!?」

   ドドド ドドドド 
           ドドドドド 
                ドドドド ドドド

(『きっかけ』は?私がベリルを攻撃したから?
 もしベリルが傷付く度に大きくなるんだとしたら、中途半端な攻撃は逆にマズい……!)

「ふぅ、ん……。だけど、ピンチからの逆転こそショーブの華でしょ。
 そっちこそ、私の能力にかかってるってこと忘れてるんじゃない?」

(とにかく、まずはこの一撃をやりすごす!
 たぶん、ベリルはウソはついてない!それならっ!)

攻撃が来る前に、ベリルから見て左側――つまり私から見て右側に跳ぶ!
右から来るというなら、これで攻撃範囲から出られるはず!
成功したなら、『シンプリー・レッド』とベリルから少し距離をとりたい。
ついでに、余裕があるなら、『ドクター・ブラインド』を私の所へ戻しておく。
直前までベリルに切りかかっていたから、そんなに離れてはいないと思う。

(『疑問』はもう一つ。
 どうしてベリルは、わざわざ攻撃する場所を言う必要があるの?
 そして、さっき『シンプリー・レッド』が動かなかったのはどうして?
 私の考えだと……)

596『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/29(土) 18:02:13
>>595

 貴方の眼前で舞う、血の雫。初めて見る世界で、初めてテレビなどの模造でなく
人から産まれた紅蓮の小さな花びらに目を一瞬奪われ、そして一撃に対し喜びの声を上げる。

「重い、軽いは関係ない。アルカラ お前が一撃を私に与えたのは確か。
そして、『能力』を掛けた。これは嘘でない事を私は知ってる。だが、私に対し
そう教えると言う事は、逆にお前の選択を狭める事になる。もっとも沈黙も正答でなし
 『能力』は怖いさ。だが、それ以上に私は私自身の強さがそれを超えると自負している」

 タッ!  ……。

貴方は、左へ。ベリルとスタンドの掲げた腕と真逆の方向に跳ぶ。スタンドも無事貴方の傍に戻せた。
横には太く逞しいジャングルの樹が聳える。いざとなれば、これも盾として使えるだろう。
それに対し冷ややかで獲物を狙う冷徹な光を絶やす事なく対戦者は見送る。追撃する様子はない。

 「お前は考えている。いま、自分の行動が本当に正しいかを。
……私は自分が『優位』である事を把握してる。ヒントだ……
私はほぼ物心ついた頃からスタンドを発現してる。謂わば生まれつきに近い。
 そして訓練もしてきた賜物でね。破壊する行為や繊細な動作を抜きにすれば
スタンドを壁なりに透過させる術を覚えてるんだよ。
 …………さて、助言はここまでくれば十分だな?
改めて言う。私は『正々堂々』と闘う術しかない。このスタイルしかない。
 お前と邂逅した瞬間、その時から闘いは始まっている。
 私の、私の全てを……真正面から踏み越えてみろっ アルカラ……!」

   ギャンゥ……ッ!

彼女のスタンド、シンプリ―・レッドが威嚇するように両拳を打ち付け。付いてる
腕輪は、その衝撃が伝播して鉄の音が響く。そして、ファイティングポーズを取る。

 「次の攻撃に移ろう……。
 ――お前は次に私に仕掛ける気はないな?」

 再度、ベリルは『質問』をしてきた……。考えれば可笑しな内容だ。
殴ったり、踏み込んだりしない。だが、その目は真剣で貴方の次の行動をしっかり確かめようとしている。

現在位置

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□◎□◎□◎□◎□□■∴
∴■□◎□◎□◎□◎□◎□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□※※□□※※※□□■∴
∴■□□◎□◎ア◎□◎□□■∴
∴■□◎□◎べ◎□◎□◎□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

597<削除>:<削除>
<削除>

598夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/30(日) 06:31:27
>>596

体勢を整えて身構えながら、サングラス越しにベリルと『シンプリー・レッド』を見据える。
盲目のスタンド――『ドクター・ブラインド』が、その前面に立つ。
両目は閉じられていながらも、その『超感覚』は確かにベリル達の位置を捉えている。

      『 L 』

「私が何を考えてるか――知りたい?
 教えてあげる」

「そのスタンドは、ベリルの『宣言』がなければ行動できない。
 それとも、『行動させられない』って言った方が近い?」

「わざわざ『右から攻撃する』と口に出したのは、
 私に言うためじゃなく、そうしないと動かせないから。
 そうじゃなきゃ、いちいち口に出す必要なんてない。
 さっき『ドクター・ブラインド』が切りかかった時、
 スタンドが動かなかったことも、それで説明できる」

   「――違う?」

   『 I 』

「それから、ベリルが『対談』の時に私に能力をかけたんなら、
 顔合わせなんかしなきゃよかったとも思ってる。
 もっとも、それは私のせいでもあるから『お互い様』って感じもするけど……。
 どうでもいいや。もう済んだことだから。
 ――私が勝てばいいことなんだし」

     『 G 』

対談した時、私はベリルのリアクションを見るためにウソをついた。
おそらくは、あれが能力発動のトリガー。
それにしても、試合前の能力使用がオッケーなんて、ちっとも聞かなかったけど。
それとも、寝ても覚めてもずっと出っ放しなの?
あの赤いのは?

「――『うん』」

        『 H 』

(まだ分からないことが多い……。
 ウソをつくのがダメ。黙ってるのも効果なし。
 それならホントのことを言ったらどうなるの?)

(ホントのことを言って、なおかつ相手に余計な情報を渡しちゃいけない……。
 そのためには、『必要最低限の返事』しかしないこと。
 そして、これは私のカンだけど、試してみる価値はジューブンある……)

「私からの質問。『ベリルは今すぐ私に攻撃してくる気があるの?』」

(作戦は思いついた。大事なのは、仕掛けるタイミング……)

「――それから、私からも特別サービスで『ヒント』をあげるよ」

               ファッション
   「このサングラスは『伊達』じゃない」

   『 T 』





(※質問:『シンプリー・レッド』は上げた右腕で攻撃してきた?それとも上げただけで下ろした?
 攻撃してきたならスピードはどれくらいだった?)

599『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/30(日) 09:23:39
>>599(回答 『シンプリ―・レッド』は上げた腕をそのまま下ろした)

 貴方はお返しとばかりに、ベリルに対し質問を投げかける。彼女は動く事なく
じっとその質問を無言で聞く。
>そのスタンドは、ベリルの『宣言』がなければ行動できない 『行動させられない』
 >――違う?

 「質問に対し答えよう。まず、それは『誤り』だ。然しながら……その考え方は
――良い線をいってる。 ……『シンプリー・レッド』 」

      R  e e D  o o o o О……ッ……
ベリルが自分のスタンドに呼び掛ける。少し体格が強化されてるスタンドは
低く唸るように声を上げ、貴方とスタンドに対し赫い瞳で射貫くように見つめる。

「こいつには、自我がある。とは言うものの、自発的に動くものでないが……『半自立』だ。
このスタンドは『裁定者』だ。審判の秤を担う法の戦士だ。スタンドには、時折自分の意思で独自に
行動するものがある。そして逆に自分の意思のみで動かすもの……これはお前のスタンドにも当て嵌まるだろう。
中間として、ある程度の自我を持つが本体である人間に一定の行動を預けるスタンド。それが、半自立だ
 私が先ほどスタンドを動かさなかった事。お前の答えは正答でないものの
真理に近づこうとしている。忘れるな、お前はまだ私の巣の中で絡まったままだ」

>ベリルが『対談』の時に私に能力をかけたんなら、顔合わせなんかしなきゃよかったとも思ってる
 
「心が余りこもってない事は知りつつも、一応謝罪はする。
だがな。スタンド同士の闘いで、卑怯だ 反則だ ずるい 等と考え思う事。
 ――私は生死をかけた戦いを続けてきた。その甘ったるい思考で勝てると考えてるとしたら
非常に……っ。その考えはいますぐ捨てろ、虫唾が走る」

 ベリルは、言葉通り舌打ちしかねない表情に変わり。苛立ち隠せない表情に変わる。

>私からの質問。『ベリルは今すぐ私に攻撃してくる気があるの?』」

 「――その質問は、『良い行動』だ。
答えは……『NO』。お前が攻撃をするなら迎撃をして、何もしないなら
更に能力の応用で、別の仕込みをしようと思っている」

 >特別サービスで『ヒント』をあげるよ
               ファッション
    このサングラスは『伊達』じゃない

「…………」

 貴方の言葉に対し、僅かに眉を顰めつつ彼女は無言だ。更に……ッ

   ヒュゥ―ー    ガァンッッ!!

「お喋りし通しなのは、能力の特性上仕方がないが。
お前もいい加減、睨みあいのしっぱなしは嫌気が差すだろ?
 ……『レッド・リング』……」

 『シンプリ―・レッド』はすぐ横(※地図上で、アの下)の椰子の木に
腕を振る。大きく、木は横にぶれて大きな木の実が数個落ちてくる。
 だが、肝心なのは次の光景だ。……木に『鉄の輪』が巻き付かれているのだ。

『シンプリ―・レッド』を見れば、その腕輪が一個殴った右腕に付属してた場所から
消失してたのが確認できる……。

 「気を付けろよ? 次に起きる事にな……」

    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッ。

600夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/30(日) 17:17:47
>>599

「もう一回言っておくけど、対談中のことに関して、私はベリルのことは全然恨んでないよ。
 ベリルなら分かるよね?この言葉がウソじゃないってことが。
 しつこいと思ったらゴメンね。もう言わないから」



言うまでもないけど、勿論これは偽りのない本心。
そんなの決まってるじゃない。

だって――ううん……。

これは試合が終わった後に取っておこう。
今は目の前の闘いに集中しないと。



ベリルのスタンド――考えられる可能性は『二つ』あった。

1、宣言なしには動かせない。
2、宣言なしに動かそうとすると何かしら都合の悪いことがある。

1が消えた以上、残るのは2しかない。
ベリルは、自分がペナルティを受けることを避ける行動をとっている。
そして、私がペナルティを受けることは、逆にベリルにとってはプラスになる……。

今、私とベリルは同じフィールドに立たされている。
単に同じリングにいるというだけでなく、『同じ条件』の下にいるという意味で。

手っ取り早く言って『正々堂々の強制』――それが私の考える『シンプリー・レッド』の能力。

最初の攻撃で、私はベリルの質問を無視して不意打ちを浴びせた。
ベリルのスタンドは、それを『反則』と見なしたに違いない。
だから私にペナルティを与えた。
あのスタンドが審判だというなら、それがパワーアップの原因と見て間違いない。

さっき、私が質問に本心を答えたとき、ベリルのスタンドは無反応だった。
これは私の行動がルールに沿っていると受け取られたからだろう。
同じように、ベリルもこっちの質問には本心を答えざるを得ない。
そうしなければ、ベリルがペナルティを受けてしまう。
今のやりとりで、それを確信した。



  スッ

無言で『ドクター・ブラインド』の人差し指を立てる。

  チョイ チョイ

その指を曲げて、自分に向かって軽く動かす。
小さな子供でも分かる簡単なジェスチャーだ。

その間、近くにある木を横目で確認する。
さらに可能なら、頭に巻いているスカーフを片手で解き、そのまま手に持つ。

601『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/30(日) 18:16:57
>>600

 「―恨んでない、か。……お前の言葉が『真実』だと感じられるからこそ、辛いよ
本当なら、詰られ軽蔑されるほうが。楽なんだがな」

 貴方は、『ドクター・ブラインド』を操り挑発するように指を動かす。
そして、更にスカーフを片手に持った。
 
その行動に対し、彼女は苛立ったりなどの負の感情を露呈しない。
 更に、彼女は言葉を考えるように一度強く目を瞑り、再度同じ力で目をカッと開く。

 「――『偽り』こそ『罪』であり『裁き』
―――この樹木に何の罪はない、だがこれも勝利の為……『鉄輪を付けてるのは柳』」

 ――ギンッ゛    グシャッッ!!

       ギシ
           ギシギシギシギシギシギシギシ!!

 ―何と!

『シンプリ―・レッド』の殴りつけた樹木。それに付けられた腕輪は
ベリルが『嘘』を告げた途端。急激に縮小したかと思いきや、木はその
鉄の輪の圧縮に耐え切れず、ミシミシとその箇所から裂け……貴方のほうへと倒れこむ!!

 「……お前のスタンド。一撃を貰って感じた事がある……パワーは弱い。
骨や筋肉まで私の腕は傷ついてない……遠慮なく、いかせて貰うぞ!!」

 ダンッ!!

ベリルは、樹木が貴方目がけ倒れるのと同時に。貴方目がけてインファイトの為に駆ける!!
 

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□◎□◎□◎□◎□□■∴
∴■□◎□◎□◎□◎□◎□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□※※□□※※※□□■∴
∴■□□◎□◎ア◎□◎□□■∴
∴■□◎□◎べ▲□◎□◎□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

▲―アルカラの方向目がけ倒れこもうとしてる木。大体4,5m程はある。

ベリルとアルカラの距離は約2m程。

602<削除>:<削除>
<削除>

603<削除>:<削除>
<削除>

604夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/30(日) 22:23:45
>>601

  メキメキ…… 
          メキメキッ……

「……ッ!!」

           ――サァァァァァ……

その『音』を聞いた瞬間――顔から血の気が引いていった。

「――や、やばいっ!!」

   ダ ン ッ ! !

倒れてくる木の軌道上から外れるべく、
木が 『倒れ始める前に』 急いで横に(MAP上の『ア』の右方向へ)飛び退く。

『ドクター・ブラインド』の『超人的聴覚』なら、
ほんの微かな『異音』でも即座にキャッチすることができる。
それを以ってすれば、『輪が縮んで木が軋み始めた音』を聞き取ることも十分に可能!!
ましてや、これだけ近い距離なら聞き逃す方が難しい。

その『超聴覚』を駆使して、実際に木が倒れ始めるよりも早く回避行動に移る!!
事前に察知することができれば、多少は時間が稼げるはずだ。
その間に体勢を立て直したい。

当然、すぐに『シンプリー・レッド』の攻撃が来るだろう。
真っ先に考えたのは、防御することだった。
しかし、ここで守りに入ってしまうと、そのままジリ貧になりかねない。

「――よぉしっ、望むところだっ!!かかって来いっ!!私とショーブだっ!!」

あえてガードすることを捨て、こちらからも攻撃を狙う!!        メス
『シンプリー・レッド』が攻撃してきたタイミングに合わせて、その身体を『爪』で引っ掻く。
向こうの攻撃は『食らう覚悟』だ。
たとえ手痛いダメージを負ったとしても、こちらの攻撃を当てることを優先する!!

もし攻撃が無理そうなら、諦めて防御に専念する。
両腕を構えてガードの体勢をとり、無防備状態で食らうことを防ぐ。
『ドクター・ブラインド』のスピードがあれば、それくらいは可能だと思う。
さらに、打撃を食らう直前に後ろに跳んで、できる限り衝撃を逃がしたい。

605夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/07/31(月) 09:52:00
>>604

>>592にて、『超人的触覚』は移植済み。
非常に敏感な状態になった肌を切りつけられれば、痛みは通常よりも鮮明に感じられるはず。
それによって、少しでも攻撃の勢いが削がれることを期待する。

606『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/31(月) 19:51:24
>>604-605

 メシメシメシィ    ゴゴッ!!

椰子の木は、派手な音と共に貴方の方角向けて倒れこむ。然しながら『超感覚』を担う
貴方と『ドクター・ブラインド』にとって。倒れる場所から回避するのは容易!
 だが、その逃走先に追い詰めるが如く。無表情な殺戮機械ようにベティとスタンドも迫る!

貴方から見て右方向には水辺が佇み、左にも木。後ろに逃走するにしてもいずれ逃げ場がなくなる。
 
 >よぉしっ、望むところだっ!!かかって来いっ!!私とショーブだっ!!

 シュロォオオッンッ!!
 鋭い爪、超感覚を移植させる特異なメスの如き手は。『シンプリ―・レッド』目がけ放たれる!

「――馬鹿野郎……ッ」

  同時に……ベティも『ドクター・ブラインド』目がけ同じように拳を振るった。
 
    ゴォォ!!――         
   シュォォ!!――

    バ  ギャァァンッッ!!
 
 強い熱が  視界の裏に染まるような『丹』。

その数瞬の後に、貴方は眩しいスポットライトで埋め尽くされる天井と共に
息が一瞬止まるような衝撃を背中に感じ、そして……右腕に強烈な痛みが走る事になる。
 
 ……目を走らせれば…………『腕』 その『手』の爪は半ば砕け手の五指も酷く折れていた!!
幾つか数本は動かす事が可能なものの正常に機能させるのには支障ある怪我を貴方は受けている!
 更に『ドクター・ブラインド』も見れば。手に付けられている其の鋭いメスのような爪も同じように
折れて手も損傷している。肘から上は動かせるものの、この闘いの中で正常にその手を動かす事は至難だろう……。

 「―――同じようなスピード、同じような精密さを持ってるスタンドが同時にぶつかれば。
そんなの、パワーが上なほうが勝るに決まってるだろうが……ッ!
 鉄の球と野球ボールが同時にぶつかって、野球ボールが勝つか? ……くそっ……!」

 『りょ  両者のぶつかり合いィ――――!!
アルカラ!! 此処に来て重傷を負ってしまったぁぁぁぁぁ!!
 やはり、『鮮血の猟犬』に敗北を与える事は新星には無理だと言うのか――――ッ!!!?』
 

 ベティも、無傷ではない。貴方の『移植』は成功した感覚はあった。
然しながら、超感覚があっても、相手と拳が打ち付けた瞬間の痛みが一瞬怯むとしても
既に衝突したアルカラのスタンドと、パワーが上がっていたと思えるスタンドが真っ向から
拳を突き合せれば……それは相手に軍配が上がる結果となる。

 「例え、恥だと思えてもお前は私のスタンドから逃げるべきだった。
水に飛び込むような無様な事になろうと、勝利の為に醜い行為を選ぶべきだった……!
 ――負けを認めろ、アルカラ。それ以上、ルーキーのお前を嬲る趣味は私にはない
お前のスタンドは、スピードも精密さも私の『シンプリ―・レッド』と同じ。
能力に関しては、まだ看破出来ないものの。殺傷能力が高ければ直ぐに発動してる筈
お前のスタンドは、どちらかと言えば補助系であると私は踏んでる。
 繰り返す……認めろ。お前は未だ伸びしろがある。幾らでも這い上がる事が出来る
大海に飛び込むのに、お前はまだ早すぎる稚魚であったと言うだけだ」

ベティは、立ち止まったまま貴方に対し。爪で僅かに裂傷した手を予め持っていたのであろう
ハンカチで止血しつつ投降を呼びかける。

 両者の間隔は……三メートル程度と言ったところだ。

(※負傷した腕がどちらかであったかは、そちらの任意。
選択によって、ベティも同じ手を負傷してる事になる。
尚、ベティのほうの傷はスタンド共に比較的軽い)

  
 地図 拡大図
  水水水水水水水水水
  水水水水水水水水水
   べ   ア
  木木    木木木

607『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/07/31(月) 19:55:37
>>604-605(追記)

 負傷した腕の肘部にかけて、『ドクター・ブラインド』の腕に
『鉄輪』が嵌められている。
 貴方の腕に、その輪は嵌められていない。

尚、相手の腕輪は再発現されていない為、どちらの腕かによって
両腕の腕輪が一つずつか、若しくは右腕の輪っかは無くなる事になる。

608夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/01(火) 20:32:47
>>606

スタンド使いとしての戦闘経験を持たない人間ゆえの無謀な行動。
その『ツケ』は、すぐさま払われる事となる。
それは、ほんの一瞬の出来事だった――。



 ド グ シ ャ ァ ァ ァ ァ ァ ッ ! ! !

     「――ッ!!!」

              ダ ァ ン ッ ! ! !   
                         ド サ ッ ! ! !
           
             「うッ!!!

                 ぐッ……!!

                    あッ……!!」



瞬間的に意識が飛ぶ程の一撃を受けて、風に舞う木の葉のように容易く吹き飛ばされる。
その勢いのまま地面に激突し、強かに身体が叩き付けられた。
唇を強く噛み締めて、容赦なく襲い掛かる痛みに耐えながら、緩慢な動作で立ち上がる。

沈黙の時が流れた。
長いようで短い無音の時。
やがて、それは静かに終わりを告げる。



  「――確かに痛い。だけど、『それだけ』」



負傷した右腕を押さえながら、ぽつりと呟く。
喉から――いや、胸の奥から搾り出すような低い声。
その顔は俯いており、表情を窺い知ることはできない。

不意に、明日美が頭を上げた。
強光から目を守るサングラスは弾き飛ばされ、眩い照明の群れに裸眼が晒されている
両の瞼は閉じられることなく、はっきりと開かれており、瞬きすらしていない。

光を遮断していない今の状態では、視力は殆どない。
認識できる事といえば、せいぜい『今が昼か夜か』という程度だ。
木も、湖も、金網も、先程まで見えていたものは一つたりとも見えていない。

夜陰を思わせる深い色を湛えた黒目がちの大きな瞳。
その瞳の奥に、ベリルの姿が映し出されている。
しかし、それも今の明日美には見ることは叶わない。

609夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/01(火) 20:34:15
>>608

「さっき言ってたね。『生まれつき力を持っていた』って。
 そして、それを使うための訓練をしたと。
 私も生まれつき持っていた。
 『力』ではなく『枷』を。
 そして、その『枷』を克服するために訓練を積んだ」

         『 L 』

「ベリルは命がけの闘いを続けてきたんだよね。
 言わなくても分かってると思うけど、私は命がけの闘いなんてしたことがない。
 でも、生まれてから今まで、私は常に命がけで生きてきた。
 私がいたのは、ここみたいな場所とは無縁の平和な世界。
 獰猛な動物が潜むジャングルなんかじゃないし、銃弾が飛び交う戦場でもない。 
 でも、その『平和な世界』でさえ、私には常に『死と隣り合わせの危険な世界』だった」

         『 I 』

「私は生まれつき、『死ぬ確立』が普通の人よりずっと高かったから。
 本当に、いつ死んでもおかしくなかった。
 『死ぬかも』と思った回数は、両手と両足全部の指を使っても数え切れない。
 実際に死にかけたことだって、一度や二度なんかじゃない。
 支えてくれる家族と、私自身の訓練と、
 ほんの少しの幸運に恵まれていたからこそ、私は今まで生きてこられた」

         『 G 』

「私はベリルの考えや生き方に対して意見する気はないよ。
 人間が違えば、その性格や過去も違っているのは当然のことだから。
 だけど――私とベリルには同じ部分も存在してる。
 決して動かすことのできない部分。
 それが何だか分かる?」

         『 H 』
 
「ベリルが背負っているのと同じように、私にも背負っているものがある。
 そして、その重さには少しの変わりもない。
 だから、痛いけど、『それだけ』――ってこと」

         『 T 』

次の瞬間、『ドクター・ブラインド』のヴィジョンが陽炎の如く揺らめき、霞のように消え去った。
同時に、ベリルに付与されていた能力も、その全てが解除される。
そして、明日美は口元に薄い笑みを浮かべ、肩を軽く竦めて見せた。

      ギブアップ
「でも――『降参』する。ベリルが言う通り、私はスタンド使いとしては未熟だった。
 まだ身体は動くし頭も働くけど、今のでやってやろうっていう気も失せちゃった。
 アリーナの存在を確かめる目的は達成してるから、欲張るのは止めて引き上げることにするよ。
 ここで無理に粘って病院送りになっても損するだけだし。
 私は人生を楽しみたいから、貴重な時間を無駄にしたくないの」



  「それから、褒めてくれるのは有り難いけど、それは私の聞きたい言葉とは違う」



「私を動かす意思の力は、『麻疹』なんかに例えられるようなものじゃない。
 私は、それを理解して欲しかった。
 だから、私に対する認識を、今この場で改めて欲しい。
 そうじゃなければ、私は『続行』しなればいけなくなる。
 あなたに私を理解してもらうためには、それ以外にないから」

              プライド        キャリア
「私には、選手としての『誇り』も、守るべき『戦歴』もない。
 でも、『安い好奇心だけで首を突っ込んだ愚かな小娘』と思われ続けるくらいなら、
 私は迷うことなく、観客の前で嬲られ甚振られる方を選ぶ」

「どっちを選ぶかは任せるよ。私は、それに対応する方を選ぶ」

  ツ ツ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ……

地面に叩き付けられた際に傷付いた額から、一筋の血液が流れ出す。
赤く細い糸は、眼球の上を通過して頬を伝い落ちていく。
その光景は、あたかも紅色の涙を流しているようにも見えた。



  「――あと、サングラス拾ってくれない?その辺に落ちてると思うから」



サングラスは、明日美の足元のすぐ近くに落ちている。
正常な視力を備えている人間なら、まず見落とない位置だ。
これを見落とす人間がいたとしたら、よほど目が悪いか――目が見えない人間だけだろう。

610『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/01(火) 21:14:31
>>608-609

>さっき言ってたね。『生まれつき力を持っていた』って。
 そして、それを使うための訓練をしたと。私も生まれつき持っていた。『力』ではなく『枷』を

「……なに? お前、その目…………」

貴方の本心から語られる言葉。それに対し、目で見る事は叶わずとも発せられる声から
ベリルの声に動揺と、そして『枷』の内容を理解した事が察せられる。

 言葉は続く、それに対しベリルは呟いた先を発さない。そして……

ギブアップ
>『降参』する。ベリルが言う通り、私はスタンド使いとしては未熟だった

『ギ
   ギブアァ―――――zノップッッ!!
ギブアップの宣言がなされたぁぁあああああ!!  
 うぅむぅう!! アルカラ選手、中位ランカーに対しまずまずの善戦っ 見事だったぜ、イェーイ!!!
 よぉしっ!! アリーナの皆、今回の試合も見応えのある内容だった。次回も……』



  「だまれええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
   えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
   ええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!」


 それは、唐突であった。前触れのない噴火のような衝撃だった。

アリーナ―の実況者及び、ベリルやアルカラの声援すらを消し飛ばす一喝。
 それは、アルカラの前から発せられた。幸いにも、スタンドを解除した
貴方には耳鳴りはすれど、それ以外の影響は余りない。
 普段、色々なハプニングに慣れてる会場にいる者達だが。その余りの
怒りや、それに併せた真剣なる感情の凝縮の咆哮を前にし暫し沈黙する。

 「てめぇらあ!!!!! 揃いも揃って何を見てたぁぁぁあああああ嗚呼!!!!!!
こいつはずっと!!!!! 私と闘う前からハンディを背負っていた!!!!
この!!! 私と出会う前から、こいつはずっと ずっと前から私と同じく縛られながら!!!!!
 何が善戦だ!!!! 何が見応えのある試合だぁぁぁぁぁああああ!!!!
 何が正々堂々だ!!!! 何が、何が何が何が何が何が何が何が!!!!!

 ガアアアアアアアアアアァァァ嗚呼アアァア嗚呼アアッッ゛!!!!   」


      ガゴンッッ゛    ボキィィッ!!!   
           ザシュゥゥゥッッ!!!ッッッ

  嫌な  音が聞こえた。

骨の折れる音と、何か柔らかい黄身の塊に対し指で突き刺したような音だ。


   『グ     グレイジーーーーーーーーーーzノィイイイッ!!??!!?
 ベリル、何を思ったぁぁぁ!!!?? 自分で、自分の片腕をスタンドを使用し折った――――ぁ!!!
 更に、残った無事な手の指で自分の眼球目がけ……  ォェ
こ  これ以上は観客席の皆さんの心情も踏まえた上で、詳しくは告げないが、余りにグレイジーだぜ、ベリル!!
鮮血の猟犬!! ここにきて狂犬となったかぁぁぁぁ!!!?? もう、試合終了の宣言は取られたんだぞォ!!!』

   実況は、騒然とする観客席の声もさながら好き勝手に叫ぶ。

 そんな、大雑把な周囲に広がる声の森の中で。貴方は確固たる意志を以て前に踏む足音を耳にした。

611『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/01(火) 21:32:25
>>608-609

   カツ 
      コツ
         カツ  …… ピタ

 「……『決闘』を、お前に対し  申し込む  『アルカラ』  」

 ベリルは、貴方の直ぐ傍まで近づいていた。その片腕は……くの字に
嫌な方向に折れている。そして、目は貴方のように赤涙で染まっている。

 僅かに震える指が右往左往し、貴方のサングラスを拾い上げて胸元に差し出される。

 「……『シンプリ―・レッド』

私が、『トリガー』であり、彼こそ銃口。
『対談』で、言ったな……?
>>577
べらべら色々と話して、勝手に聞いたりもするけど。間違ってたら否定して
で、合ってるようなら黙認する感じで

……ってな? はは……お前が私の質問に沈黙したら、それは『YES』って事だ。
お前は私の、『嘘をついた事があるか?』って質問に黙ったのかいけない……。
本心での返答なら、シンプリ―・レッドは無反応だったよ。
 間抜け め   は   ははは  はは ははは……」


 「……………ここで お前の降参を 受け いれたら……

私は、今度  こそ……正真   正銘の『嘘吐き(負け犬)』だ。
栄光を勝ち取って  も……。必ず、今日の事を思い返し、栄光を『偽り』と感じる。
 お 前は……酷い奴 だぞ、アルカラ。
お前はお前が思ってる以上に……私の一番深い傷の部分を……抉って」


 「……『決闘』を   申し込む。
心より望める……『決着』   を。
 ……対談での、取り決めなど、知った 事か。
『シンプリ―・レッド』も……既に、私がお前に対して優位に立った事は
『嘘』によるものと判断し……スペックも元に至る。それでも……
気に入らない おまえ  を…………殴り飛ばす力は残ってる   ぞ   
 ……アル   カラ……     たの   む」


 『は   反則反則反則ぅ――――――ゥ!!!

由々しき事態ィ――――zノ!!!  ベリル選手、これは重大な反則行為だぞぉ!!??
アルカラ選手ぅ!! 貴方の一声で、この不正をジャッジするなら
直ぐにこの狂犬を取り押さえる事は出来るぜぇぇぇ――――!!
 ボソッ(まぁ、このまま闘い続けるなら。かなりの視聴率が期待出来るしどっちでも……)』

 実況は自由に解説を続けている。
観客席の人間達は、ベリルへの非難 試合の続行や中止の呼びかけ 様々だ。

 どちらの選択も、貴方は決められる。


(※試合中止の希望を望めば、直ぐにエピローグにも移れる
代わりに、ミッション自体は失敗扱いで報酬マネーは半額の措置となる)

612夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/02(水) 21:33:13
>>610-611

闘技場を取り巻く騒音さえも掻き消す、血を吐くような絶叫。
そして、何かが砕ける音と潰れる音が耳に響いた。
たとえ目が見えなくとも、何が起きているのかは容易に理解する事ができる。



    「――ありがとう」



差し出されたサングラスを受け取り、再びかけ直す。
一時的に喪失された視力は、即座に戻ってくる訳ではない。
現像された写真の表面に像が少しずつ浮かび上がってくるように、徐々に世界が蘇ってくる。

それと共に、自らの意思で自らの身体を傷付けたベリルの姿が、おぼろげに見えてきた。
痛ましく凄絶な光景を目の当たりにして、普段は明るい表情が悲しみの色に彩られる。
ベリルの心を駆り立て、自傷という行動に走らせてしまったのは、この私だから。



      ス ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ……

    「 う る さ い ッ ! ! ! 」



観客達が発するざわめきも、実況の宣言も何かも打ち消す勢いで、力の限り叫ぶ。
暫しの沈黙が訪れる。
やがて、深い溜め息を吐いた。



「……意外と我侭なんだね、『ベティ』。
 『降りろ』って言ったり、『続けろ』って言ったり、『イッカンセー』ってものが欠けてるよ?」



    「 …… …… …… …… …… 」



  「……私も」  「私も――このまま終わりになんてしたくない」



    「降参して終わりなんかじゃなく、今この場で、お互いが納得できる形で決着をつけたい」



「だから――私も我侭。『お互い様』だね」



「――そういう訳だから。悪いけど、さっきの言葉は撤回する。
 それが許されなくても私は勝手にやらせてもらうよ」

ベティの姿を真正面から見つめ、そこから視線を離さないまま、実況の人間に対して告げる。
この瞬間から、観客達も実況者も、意識の外に追いやられた。
今、私の意識が捉えているのは、眼前に立つベティの姿だけだ。



    アリーナ   ギャラリー
「もう『闘技場』も『外野』も関係ない。これは私達の闘いだから」

「お互いの心と心を賭けて、最後までやろう――ベティ」



強い意志を込めた声色で、闘いを続けることを宣言する。
誇り高いベティの精神に敬意を表するために。
そして何よりも、自分自身の『魂の価値』を証明するために。

613『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/02(水) 22:38:37
>>612

    ――ベリル・ストック   27歳。出生 フィリピン
彼女は生まれつき、『嘘を見抜く』性質を宿していた。それは、既に
その能力を有するスタンドを抱えていたからか、若しくは先天性の物かは推測の域になる。
だが、確かな事は。彼女は、その力によって『祝福(呪縛)』された事だろう。
 多くは彼女のプライバシーを尊重して筆記はしないが、彼女はこの力により
愛する人の言葉を、信頼する仲間の態度に対し、また多くの対人関係の中で自分の希望とは
真逆の結果を受けた。それが、彼女が嘘を憎み嫌う事に拍車をかけ。皮肉にもその能力は
ますます力を高める事になる……そして、今ここに。

>う る さ い ッ ! ! ! 
アリーナ   ギャラリー
>もう『闘技場』も『外野』も関係ない。これは私達の闘いだから
>お互いの心と心を賭けて、最後までやろう――ベティ

 「そ   う  だ……アルカラ
私は我がまま さ。  だ   が……この道しか、知らない 
  あ   り   が   と   う
此処からは……誇り を  賭けた……闘い  だ  」


  い   く   ぞ


『ベティ』は、夕日を背にして闘う荒野のガンマンのように。
貴方に背を向け少し距離を開く。約5m程まで距離を作ると再び向き直った。

 「……『シンプリ―・レッド』   ……もう、言葉 遊びは、しない。
ただ……お前を……倒す為だけに……私  は」

 R  e e D o o o o o・・・

彼女の片腕が、軽く掲げられる。同じように、深紅のスタンドは倣うように
鮮血の涙を流しつつ、機能する腕を上げて貴方に本体と共に一歩足を踏み出す。

    ヒュ  ォ   ォ    ォ……

血の香りが、淡い微風にのって流れてくる。片腕に、鉄輪の冷たい感触が襲う……

614『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/02(水) 22:43:11

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□◎□◎□◎□◎□□■∴
∴■□◎□◎□◎□◎□◎□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□※※□□※※※□□■∴
∴■□□◎べ◎▲◎ア◎□□■∴
∴■□◎□◎□▲□◎□◎□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴


 両者、倒れた椰子の木を挟むようにして立っている。
正面から見て右に池があり、椰子の木の部分に向こう側エリアへの道が作られてる。
 『ベリル』は、まだ椰子の木を超える距離まで至ってない。

615夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/03(木) 22:43:37
>>613-614

ベリルの過去に何があったのかは知らない。
ただ、彼女の言葉と行動から、大きな何かを背負っていることは感じ取れる。
おそらくは、私の枷と似ている何か。

それに対して、今は思考を働かせることはしない。
今すべきなのは、たった一つ。
眼前の相手に全身全霊で立ち向かう――それだけなのだから。



    ザ ッ ……



「――『ドクター・ブラインド』……」


            『 L 』


ベティに合わせるかのように一歩踏み出し、再び自身のスタンドを発現させる。
サングラス越しの自らの目と、盲目のスタンドの閉じられた目。
その四つの目が、ベティと『シンプリー・レッド』の姿を捉え、正面から見据える。


         『 I 』


「……決して退かずに全力を出す。ただ、それだけ」


      『 G 』


「私の魂の輝きを、ベティに見せるために」


   『 H 』


「行くよ」


『 T 』



その場に本体は留まり、『ドクター・ブラインド』を前方に出して少しずつ進ませる。
意図的にスピードを落とした慎重な足取りで、徐々に距離を詰めていく。
先程は圧倒的な力の差で為す術もなく打ち負け、叩きのめされた。



今ならば、あるいは……。



間合いに入るまでの間、付近に手頃な長さとそれなりの太さを持った、
丈夫そうな枝が落ちていないか探す。

616『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/03(木) 23:05:41
>>615

 表面から、アルカラこと明日美はベティを見据える。
まだ視力は完全に回復はしていない……だが、それはベティも同じだ。
いや、自ら目を潰す行為をした彼女のほうがもっと状態は悪い。
完全に目玉は潰されてなくも、この試合中で視力が回復する可能性はない。
良くて、アルカラとスタンドの像の輪郭が辛うじて見えるぐらいだろう。
片腕も完全に折れて使えない。条件は、ほぼ五分五分……

 ジャリ ジャリ 
    ジャリ  ジャリ

 
 「…………」

無言で、二人の間隔は徐々に縮まる。
 その途中で、椰子の木が折れた拍子で。その衝撃で転がったのだろう
ある程度頑丈そうな枝が足元に転がっていた。問題なく拾える

 
 両者の距離……残り。2、3m

617夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/04(金) 21:25:53
>>616

光ある世界。
その世界が霞んで見える。
まるで涙で目の前が滲んでいるようだ。

視力が回復するまでの時間は常に一定ではない。
幾つかの条件によって、その時間が長くなる場合もある。
周囲の環境や自分自身の疲労状態が主な要因だ。

闘技場全体を余すことなく照らし出す、人工的かつ強烈な眩しい照明。
緊迫した闘いの中で磨り減り、消耗した体力と精神力。
これらの条件が重なって、視力が戻るまでの時間は普段よりも長くなっていた。



               スッ……

今の拙い視力で枝を探すのは至難の業だったが、何とか見つけることができた。
本体の手で枝を拾い上げる。
無事な方の手で枝を、負傷している手でスカーフを持つ。

         グッ――

ボクサーのように構えた『ドクター・ブラインド』が、
無事な方の腕が前に来るように半身の体勢を取る。



   そして――。



   ダ ッ ! ! !

慎重な動きから一転、『ドクター・ブラインド』を急加速(>>615)させる。
愚直なまでに真っ直ぐな突進。
打ち放たれた矢のような速度で一気に距離を詰め、ベティと『シンプリー・レッド』へ肉薄する。

先程はベティの方から仕掛けてきた。
だから、今度はこちらから仕掛ける。



全力で――勝負に出る。

618『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/05(土) 17:00:14
>>617

 曇りガラスのような、瞬きしても薄れない不鮮明な視界の中で
貴方は無事なほうの手で枝を、そして痛む手でスカーフを持つ。

 そして、『シンプリ―・レッド』はボクサーのように構え……。

ダッ――!!

 「……アル    カ    ラ
そ   こ  ……かっ―――!」
   
  R  e  Ⅾ oooo ОООッッ  

 グググググンッッ゛

相手の虚言の言質をとる、と言う策で自身のスタンドのスペックをあげていたベティ。
 今の彼女に、そのスタイルはない。ただ、全力でシンプルに レッド(信念)を貫くだけだ。

 無事なほうの拳を、大振りに構え。今にも殴りつけそうな雰囲気が彼女のスタンドから滲み出る。
スタンドは先程までのように、鉄ほどの強さは身に着けてないものの。成人男性程の筋力がある事は伺える。
 無謀に、我武者羅に策のない突進であるなら……打ち破られる可能性がある!

 
 両者の距離……約一メートル未満。

619夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/05(土) 21:18:29
>>618

                    『 L 』   
                『 I 』   
           『 G 』   
       『 H 』  
   『 T 』



互いの距離が近付くにつれ、曖昧な視界の中で、拳を構える『シンプリー・レッド』の姿が見える。
いくらパワーが落ちているとはいえ、やはり元々の力では向こうに分があることが感じ取れた。
先程この身を持って味わわされた苦い記憶が、脳裏にフラッシュバックする。



・・・・・・・・「―――同じようなスピード、同じような精密さを持ってるスタンドが同時にぶつかれば。
      そんなの、パワーが上なほうが勝るに決まってるだろうが……ッ!
     鉄の球と野球ボールが同時にぶつかって、野球ボールが勝つか? ……くそっ……!」

      ド グ シ ャ ァ ァ ァ ァ ァ ッ ! ! !

          「――ッ!!!」

                   ダ ァ ン ッ ! ! !   
                              ド サ ッ ! ! !
           
                  「うッ!!!

                      ぐッ……!!

                         あッ……!!」・・・・・・・・



あの時――力に勝る相手に正面から挑みかかり、無様に砂を噛む事になった。
判断の甘さが招いた完全な敗北だった。
このまま殴り合ったとしたら、同じ結果になるのは目に見えている。



      ――それでも、前進を止めない。



正面から突っ込んだのは、無謀な殴り合いを仕掛けるためではない。
『シンプリー・レッド』の攻撃を誘うため(暗号スレ>>8 パスワード『doctor』)だ。
攻撃が来た瞬間、『シンプリー・レッド』の腕がギリギリ届かない位置で停止し、
研ぎ澄まされた『超感覚』を駆使して回避することに集中する。

試みが成功したなら、出来る限り隙を作らないために最低限の動きで『切り傷』を付け、
再び『触覚』を移植する。
当然ながら、これによってダメージを与えることは考えていない。
能力付加を最優先にするため、ほんの僅かな『傷』さえ付けられればそれでいい。

そして、更なる反撃が来る前に素早く『シンプリー・レッド』から離れる。
そのまま踵を返し、ある場所へ向かって一直線に駆け抜ける。
目的地は『池』だ。

もし離れることが出来ず、『シンプリー・レッド』の追撃を食らいそうなら、無事な腕でガードする。
更に、攻撃のタイミングに合わせて後方に跳躍することで、可能な限りダメージを軽減したい。
この場合も、その後で『池』に向かうことは変わらない。

620『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/06(日) 17:58:40
>>619

 「――アルカラ    いく  ぞ」

  ブ   ゥゥウッッンッ  ゴッ!!

『シンプリ―・レッド』の腕が振る。嘘を囀る全てを断罪せんと
鮮血の裁判官は、『ドクター・ブラインド』目がけて拳を突き出す。

 ブ  
       ゥゥウ

          ン     ゴォォオッ


 「   アル  カラ……

 なる  ほど……

  ――その動きは   『良い選択』  だ」


『超感覚』

 視力を欠けても、貴方は生まれつき身に染みた欠落の上で得ている祝福

拳を切る音が、鉄錆のような風に乗って届く血の僅かな味が、噎せ返るような血の匂いが。
肌を突き刺し 且つ 隠す事のなき獰猛なる気配が視界のなさをものともせず相手の拳を躱す!!!

  ブシュゥ  ゥ―――!!!

相手の振りぬいた腕を、カウンターのように鋭い爪が走り本体でるベティの腕に血の花を咲かせる。

「……これ    しき

ま  た……肌の感覚がやけにクリア  だ……。
そ う  か   アルカラ  お前の力……は。
 ………………もう一度、だ  」


 ザ、ザッ……。

 ベティは、池のほうに移動する貴方に体を向けなおし。
再度、まだ動かせる腕を殴るモーションに変えて歩行し前進する。

 ……距離、約3m。

621夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/07(月) 21:13:24
>>620

   シ ュ バ ァ ァ ァ ッ ! !

          ブ シ ュ ゥ ゥ ゥ ッ ! !

「正面からまともにぶつかっても勝ち目がないのは分かった。
 だから、もう二度と同じ間違いはしない。

 そのことを、ベティ――あなたが私に教えた」



反撃の一閃によって、ベティに一矢報いることができた。
しかし、先制攻撃が成功した時のように喜びの表情を見せることはない。
ただ心を平静に保ち、次の行動について考えを巡らせる。

それは、今の自分の精神が、過去の状態に戻っているからだ。
『光』を得る前の自分は、『未知』のものに対して警戒的だった。
それは人間に対しても同様であり、今と比べると口数も少なく、他人を避ける傾向にあった。

身を守るために、自然とそういう生き方をせざるを得なかった。
危険を回避するためには、『未知』に近付くことを避けなければならなかった
現在の性格は、その反動と言えるのかもしれない。

そして今――大きな危険を含む状況と対峙したことで、かつての性格が表に出てきたのだ。
『光のない世界』で生きてきた頃の自分が。
この誇りを賭けた闘いに勝利し、自分の意思を証明するために。



      ダ 
        ダ 
          ッ 
            ! 
              !



ベティもこちらの能力を理解しかけているようだ。
だが、能力を知られようと知られまいと、こちらの行動は変わらない。
池に向かって走り続ける。

走っている最中、自分の後方に『ドクター・ブラインド』を配置する。
『シンプリー・レッド』の追撃に注意を払うためだ。
『ドクター・ブラインド』に視覚はないが、ベティの位置なら『超感覚』で捕捉できる。

池の前に着いたら、まず『ドクター・ブラインド』でネックレスを外す。
そして、外したネックレスの片方の先端を、枝の先に結び付けておきたい。
その間も警戒は怠らず、接近されるようなら距離を取る。

622『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/08(火) 22:40:05
>>621

 >正面からまともにぶつかっても勝ち目がないのは分かった。
 >だから、もう二度と同じ間違いはしない

 「くっ    くく  」

 二の腕から、浅くは無い出血が地面を濡らす。だが、それでも不敵な笑みをベティは漏らす。

「ま ちがわない。そう  言った な? アルカラ
だ が……おま えが、いましがた起こした『過ち』
 ……私はともかく『シンプリー・レッド』は 許しは  しない  ぞ」
  
     グ  ゥ   ゥ  ン

 R  E   D  oo О О……

  また、だ。 また『シンプリ―・レッド』は筋肉が増強され、パワーが上がっている……。

「さっき>>615の言葉……耳にしっかりと捉えている。
『決して退かずに全力を出す』……『決して退かず』
……お前は、そう告げたんだ  アルカラ。
吐いた唾は呑み込めないように。お前の発した言葉は戻りはしない……
全ては単純な事だ。嘘を つかない……だが、単純ゆえに強力……」

 「アルカラ……  全て  を  ぶつけろ
わたし  は、それ  を  のぞんで  る……」

  ズリ     ズリ……

 ベティは、緩慢ながらも。確かな足取りで貴方の移動する方向へと歩く。

『ドクター・ブラインド』は、ネックレスの外す行動を問題なく完了させた。
『超感覚』で解る……約4、5mの距離が貴方とベティの空いてる間隔だ。

623<削除>:<削除>
<削除>

624夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/09(水) 07:42:39
>>622

   ――ピク……

ベティの言葉と『シンプリー・レッド』の強化を目の当たりにし、一瞬眉を顰める。
だが、それでも動揺は見せない。
たとえ膂力を増そうとも、こちらの行動に変更はないからだ。

「……別に構わない。さっきと同じ状態に戻っただけだから」

予定通り、ネックレスの端を枝の先に固く結び付ける。
そして、『ドクター・ブラインド』の両腕を池の中に深く突っ込む。
本体は、徐々に近付いてくるベティと『シンプリー・レッド』を睨み付ける。

「『全てをぶつけろ』ね。
 言われなくても最初からそのつもりだし、私は今もそのつもりで行動してる」



   「――『宣言』する。
  
              これから私は、

                       『切り札』を使う」



池から両手を出した『ドクター・ブラインド』を自らの前に立たせる。
そして、『シンプリー・レッド』に向かって前進させる。
『超感覚』を研ぎ澄まし、攻撃のタイミングを図る……。

625『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/10(木) 08:40:31
>>624


 明鏡止水 貴方は、落ち着き払い。準備を済ませた『ドクター・ブラインド』を前面で立たす。
枝への仕込みも滞りない。あとは、それが功を奏すか だ。

>――『宣言』する。 これから私は、  『切り札』を使う

 「  切り   札……いいぞ  アルカラ
お前の言葉は……真実だけを映してる事は はっきりと  解る……」

 ならば   私も   全身全霊で……


  「――参る!!!」   ゴォッッ!!

 ベティは、ただ愚直に 正面から『シンプリ―・レッド』の片腕を振らせ突撃する。
先程、貴方を打ち負かしたのと同じ。鋭く、強力な一撃だ。

 単純な迎撃では……貴方の意識は地に落ちるだろう!!

626夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/11(金) 16:29:54
>>625

嘘という罪を裁く裁判官と、それを操る鮮血の猟犬が迫り来る。
倒すべき強敵、打ち勝たなければならない相手。
立ち向かうのは、光を持たなかった私の意思と、光を持たない彼の力。



「さっきのカウンターの目的は傷を負わせることだけじゃない。
 
                 ブースト
 能力を仕掛けて『触覚』を『鋭敏化』させるため。

 そして――この『飛び道具』を有効にするためだ!!」



   「 う ぉ ら ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ッ ! ! ! 」



      ブ ン …… ッ ! !
             
                  ブ ン ッ ! !



これまでの闘いから、『シンプリー・レッド』の射程距離が長くないことは分かる。
『シンプリー・レッド』の近くに、本体であるベティもいるだろう。
『シンプリー・レッド』に接近される前、まだ距離が開いている間に、
『ドクター・ブラインド』の腕を振るって、滴る水滴(>>624)をベティに飛ばす。

まず、負傷した方の腕で顔を狙うが、これはダミー。
間髪入れず、続けざまに無事な腕で『傷』を狙う。
先程のカウンターでベティの腕に付けた『傷』に水滴を浴びせることが本当の狙い
(暗号スレ>>10パスワード『asumi』)。

通常の状態なら、ほんの微かに沁みる程度の取るに足らない痛みも、
『触覚』が強化されている状態なら、まるで塩水に触れたような鋭い痛みに感じられると思う。

       ブースト
強制的に『鋭敏化』された『触覚』――その一端である『痛覚』を刺激することで、
一瞬動きを止めることを狙う。
ダミーを織り交ぜる時間がないと判断したなら、本命の『傷狙い』の一発に絞って放つ。

それをする時間さえないようなら避けることに専念する。
それも無理そうならガードする以外にない。
とにかく、あのパワーの直撃を食らうことだけは絶対に避けなければならない。

水滴を飛ばして動きを一時的に止める行動が成功したなら、
『ドクター・ブラインド』の無事な腕でリーチを重視した『貫手』を放って切り付け、
『視覚』を移植したい。
行動が成功しても『シンプリー・レッド』の拳が止まらず、構わず殴りかかってくるようなら、
水滴を飛ばした後で回避を試みたい。
その場合も、回避した後で、やはり『視覚』移植を狙う。

627『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/12(土) 18:01:33
>>626(メ欄 暗号行動成功)

 >さっきのカウンターの目的は傷を負わせることだけじゃない
>この『飛び道具』を有効にするためだ!!」

ブ ン …… ッ !    ピシャァッ……!

ブースト
『鋭敏化』された『触覚』――及び『痛覚』 神経に直接触れる痛み。
言うなれば、虫歯の穴に直接冷水が染み込んだ時のような激痛が腕に走る。
それは、最初に腕と腕が激突した時にも味わった。だが、あの時は勢いのまま振りぬく体勢が
既に確定されてた事による成功。だが、この痛みは未だ初撃を喰らわす以前のモーションの痛み……故に!


 「ぬぅ……っ!」     ズギッ    ブンッ……!
ザシュッ ……!
――『避ける』事は、可能! そして、追撃として無い『視覚』移植も成功した!!

 「! 目が……    そうか……お前の『切り札』 お前が、かつて見ていた『世界』……ッ!」

ベティは、無事な手を目元に掲げ。完全に盲目化したのであろう、動きを停止する。
 常人なら、この異常状態に対し闘う気力だって薄れる筈。敵を、標的を確保出来ない状態での
戦闘続行など愚の骨頂。彼女には戦える余力など無い…………。


  「――クッ    ㇰッハッハッハッハッハッハッ!!!!
八八八八ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!」

 否……彼女は『笑った』 心底、自棄でない 愉快そうに怒涛の笑い声をアリーナ全体に。

 「ハハハハハ……  いつも……   いつも
信じてる  愛してる  保障する  ……全部、それ等が……違うと解った。解って  しまった……。
それが、どんなに地獄か……アルカラ  解るか?  ハハハ……いや、答えなくていい……
 ……永遠と  思える  闇から、お前は  脱け出した  のなら。
私は……今も   闇の中を這いずり……光を得ようとする最中だ…………そし  て。
アルカラ……お前(光)は……はっきりと……『感じられる』  ぞ」

   ググッ…………!

 『シンプリ―・レッド』とベティは まるで見えているかのように……『貴方のほうに体を向けて構える』 

   ――シャランッ……

貴方に取り付けられた、スタンドの鉄輪が 次なる最後を迎えるかもしれない闘争を予感するように震えた。

628夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/14(月) 11:18:53
>>627
                 ブラックアウト
存在しない『視覚』の移植は『盲目化』を意味する。
能力の対象となった者の眼前から、『本来の世界』は幻の如く消え去る。
そして、対象者は『異なる世界』へ誘(いざな)われる。

そこにあるのは――『私の世界』。
ほんの僅かな光さえ存在しない『光なき世界』。
ただ延々と連なる暗闇で満たされた世界。


         カ ッ ! ! !


同時に、『ドクター・ブラインド』の両目が開く。
光を持たなかった両目に――『視覚』が宿る。
文字通り『開眼』した双眸が、ベティと『シンプリー・レッド』の姿を確かに捉えている。

さっき『貫手』を選んだのは、攻撃した後に出来るだけ速やかに離れるためだ。
ベティが動きを止めている間に、その場からバックステップして距離を取る。
これも嘘に抵触するかもしれないが、自分が言ったことだから構わない。

   ――それよりも、今はもっと重大なことがある。



(……!!!)



こちらの居場所が探知されている。
予想外の事態を受けて、表情に緊張が走る。
その原因は、すぐに分かった。

おそらく――いや、間違いなく『ドクター・ブラインド』に取り付いた『腕輪』のせいだろう。
ベティは、この『腕輪』の位置を感覚で理解できるに違いない。
正直なところ、計算外だった。



   しかし、ここで屈するわけにはいかない。

   諦めるわけにはいかない。

   負けるわけには――いかない。



心を落ち着かせて思考をクリアに保ち、次なる行動に意識を傾ける。
位置が知られているのは確かに痛い。
だが、逆に言えば、これは利用できるはずだ。

『腕輪』によって位置を把握しているのなら、
位置を掴まれているのは『ドクター・ブラインド』だけだろう。
本体である私の腕には『腕輪』はない。
つまり、『私の位置』をベティは探知することはできないはず。

まず、私が持っている枝とスカーフを『ドクター・ブラインド』に渡す。
枝を脇に挟み、負傷した腕でスカーフを持ち、無事な腕をフリーにしておく。
そして、『ドクター・ブラインド』を私から徐々に離し、
円を描くような軌道でベティの側面に回りこませるように移動させる。
移動させるときには、あえて足音を立て、ベティの意識をそちらに誘導するようにしたい。
少し予定とは違う形になってしまうが、
あらかじめ取るつもりだった行動(暗号スレ>>12パスワード『yumemi』)を実行に移す。

『ドクター・ブラインド』を移動させながら、フリーになっている腕で落ちている小石をかき集め、
スカーフの中に包み込んで固く縛る。
続けて、その小石入りスカーフを、枝に結んだネックレスの先に結び付ける。
『ドクター・ブラインド』の非力さを補う即席の『簡易フレイル』を作成することが目的だ。
『盲目状態』にすることで、武器を完成させるための時間を稼ぐつもりだった。

                         タイムリミット
予定通りではないが、『盲目化』が切れる『10秒間』の間に、これだけは作り上げたい。

そして、本体の私は、白衣を脱いで手に持っておきたい。
脱ぐ時は、音を立てないように注意する。
どうしても音がして気付かれてしまいそうだと判断したら、
白衣を脱がない代わりに足元の土を一掴み手に取っておく。
ここで気付かれてしまったら全てが水の泡だ。
慎重に行動しなければならない。

『盲目化』が通じなかったことは痛手だが、それは決して無駄ではない。
ベティがこちらの位置を探知できたとしても、『何をしているか』まで把握することはできないはず。
そもそも、盲目状態の間に攻撃しようなどとは、最初から考えていない。
私が狙っているのは、別のタイミングだ。

そのタイミングに――私は私の全てを託す。

629『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/16(水) 17:39:25
>>628(レス遅れ失礼しました)


 『ドクター・ブラインド』に光が点る。虚空の目に希望が宿る

貴方の世界『盲目』に誘われたベティ。だが、彼女の闘志は一かけらすら損なわれてない。
 そして、アルカラはスタンドを操り。簡易なフレイルを作成する
白衣を片手に持つ行動に関しても問題なく執り行えた。  ベティはそれに反応しない。

 ポタ  ポタ   ポタ……。

 「……疲れる  な……アルカラ。
お前も、私も……傷だらけで、血まみれだ。だろ? 
 長くは続かない…………そろそろ   決着を  つけよう」

 自傷を行い、ドクターブラインドの鋭い爪を受けたベティも
シンプリ―・レッドの攻撃を受け、大きく手に負傷を受けてる貴方も。確かに
彼女の言う通り、出血は多い。血の雫が地面を茶から赤く染め上げていく。

 「――全て  を   この  一撃   に・・・」

 ググッ  …… ――ッ!

 シンプリ―・レッドの無事な腕は、腰に据えられ弓の弦が限界まで絞られるように引き締まる。
目で解る。たった一撃 其れだけに全身全霊を込める構えだ、と。

 ベティも、スタンドも。その構えのまま微動だにしない。緊迫した空気だけが辺りに満ちる
アリーナの観客も、実況者も固唾を飲んで次に起きる光景を待ち構えている。周囲の音が一切消え去っていく。
息を吸う音さえも、五月蠅く感じられる程に静寂が包み込む。

 
 数秒が、経過する……。盲目化の解除まで『約五秒』
互いの距離は三メートル弱。互いが互いの攻撃の間合いに、直ぐに入れる……

630夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/17(木) 07:08:04
>>629

(――なんで私、こんなことやってるんだろう)

肌を焼くような緊張の中で、突然何の脈絡もなく、不意にそんなことを思った。
自分の心の中にある冷静な部分が、今の自分を客観的に俯瞰しているような感覚。
改めて考えると、今の状況はとても不思議だった。

そもそも私が闘いに参加したのは、アリーナに潜り込むためだった。
噂に聞いたアリーナがどういう場所か知りたかったし、見てみたかった。
この溢れる好奇心を満たすこと――それさえ達成できれば良かった。

だが、今は違う。
胸の内に秘めていた過去と感情を吐露し、重症を負ってもなお闘い続ける道を選んだ。
そして今、持てる限りの知と力を尽くし、眼前の相手に打ち勝とうとしている。


   (ベティ――まだ、あなたが知らないことが一つある。それは――)


      グ ッ …… ! !
                  ス ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ッ ……


『ドクター・ブラインド』が両手で『フレイル』を握り締め、静かに掲げる。
片手はまともに使えないが、この一撃を叩き込むまで持てばそれでいい。
本体は白衣を片手に持ち、いつでも動き出せるように身構える。

今のベティは、残された感覚を研ぎ澄まし、極度に神経を集中した状態にあるはずだ。
かつての私が同じ状態だったからこそ、それが分かる。
言い換えれば、警戒心が極限まで高められた状態。
だからこそ、今すぐには攻撃しない。

仕掛けるタイミングは『五秒後』。
『盲目化』の解除――すなわち『光なき世界の終焉』だ。

           プライド
その時こそ、この『誇り』を賭けた闘いに終止符を打つ。

631『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/17(木) 18:48:05
>>630

 始まりは、ささやかな好奇心と未知なる世界への冒険。それが、夢見ヶ崎明日美の起因
ソレが、今や奇縁か 定めか。貴方と生き方は異なれど、退けぬものを抱く闘士と対峙している。

ポタ  ポタ  ポタ   ポタ  ポタ・・・
5   4   3    2   1・・・

嘘を裁く拳を構える『シンプリ―・レッド』

虚無なる世界を担う『ドクター・ブラインド』

 血の雫が、その短くも途轍もなく長く感じる五秒を経過したと、同時に……。

   ――シュ  ォ オ!

 『――カッ』

 「アル   カラァアアアア――ッ!!!」

 『光なき世界の終わり(盲目解除)』が訪れる。
ドクター・ブラインドがフレイルを振るのと、ほぼ同じタイミングで。
アルカラは、スタンド目がけシンプリ―・レッドの紅蓮の矢に等しい一撃を繰り出す。

 両者、ほぼ同じ速度。同じ一撃―――!!

 ベティは、闇の中で。ドクター・ブラインドが動く音だけに集中していた。>>629メ欄『聞き耳』

その一撃は、急所を正確に狙う事は定かでなくも。当たれば貴方を昏倒しえる威力を伴い、拳はスタンドに迫る……!!

632夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/18(金) 08:42:41
>>631

『あの日』のことを、よく覚えている。
これから先も絶対に忘れることはないだろう。
生まれて初めて目が見えるようになった時のことを。
ずっと『暗闇の世界』で生きてきた私が、初めて『光』を目にした。
その時に見た『光』は、とても眩しいものだった。


      「ベティ――『闇』の中を彷徨っているあなたが知らないことが一つある」


   「それは『闇』を照らし出す『光』の強さ」


「今――『光』は、再び甦る」


タイムリミット
『十秒間』の経過――。
それによって、『ドクター・ブラインド』から仮初めの『視覚』が消え去る。
入れ替わるような形で、ベティの目には視力が戻るだろう。
同時に、暗闇に閉ざされた世界は終わりを迎える。
そして、光に満ちた世界がベティの眼前に現出することになる。


   ――『明順応(>>630)』という言葉がある。


真っ暗な場所から急に明るい場所へ出ると、人間の目は眩しさを感じる。
最初はよく見えないが、徐々に目が慣れて、また見えるようになるという生理反応だ。

『盲目化』が『強制解除』された瞬間、ベティの目は再び光を感知する。
そして、強い眩しさを感じることになるだろう。
この闘技場のように、強烈な照明で照らし出された場所なら、なおさら光を強く感じるはずだ。

ベティは『盲目化』の『制限時間』を知らない。
この『光』は、ベティにとって完全に想定外のものとなるはず。
『シンプリー・レッド』と『ドクター・ブラインド』のスピードは同等。
互角だからこそ、そこに『一押し』が加われば、両者の間にある均衡は打ち崩せる。
『闇』を照らし出す『光』の『一押し』で、その壁を打ち砕く!!

ベティが眩しさを感じた瞬間、考えていた行動(暗号スレ>>13パスワード『blindness』)を起こす。
片手に持っている白衣を力一杯投擲し、一瞬その視界を塞ぐ。
そして、『ドクター・ブラインド』による『フレイル』の一撃を、ベティの頭部めがけて叩き込む!!
『ドクター・ブラインド』のパワーは、決して強くない。
しかし、高速で振ることで遠心力を加えて叩き付ければ、
瞬間的に大きな威力を発揮することができるだろう。

                       ブースト
さらに、『触覚移植』による『痛覚』の『鋭敏化』は、依然として継続している。
                                       インパクト
ダメージそのものが増すわけではないが、命中した瞬間に感じる『衝撃』は、
通常より遥かに大きく感じられるはずだ。
                   ブースト
『フレイル』の一撃+『痛覚』の『鋭敏化』で、ベティの意識を根元から刈り取る!!


      「 こ れ が ッ ! ! 」


   「 私 の 『全力』 だ ッ ! ! ! 」


「 受 け 取 れ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ――ッ ! ! ! ! 」


早く、速く、迅く――。

身体と精神の全てを振り絞り――。

自分自身の『魂』を賭けた全身全霊の一撃を放つ。

633『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/18(金) 20:29:40
>>632(『星に願いを』システム 作動)

 
 タイムリミット
『十秒間』の経過後 『世界』は動き出した  二人の動きは奇しくも同時であった

 (アルカラ・・・ お前は一つ『誤解』してる事がある  大きく誤解を)

(お前の能力、恐らくは相手の感覚を鋭利に 及び愚鈍化させる。そして視力に
関しては、スタンドの形状からして完全に0に出来る。そして、任意で解除させて
私の視界を突如クリアにして動きを停止する事も可能なのだろう……が。

   ――私は  既に『目』を『捨てている』>>610

 そう…『ベティ』は既に、貴方の戦術以前に。目を捨てていた、その網膜に
指をつきたて、予めその視界は損傷させていた。貴方と『対等』の舞台で決着をつける為に。


 (そして……私が『聞き耳』を立てていたのは。お前のアクション・・・
血が、体液の一定で滴る音がブレる瞬間。お前が大きく行動を、襲い掛かる瞬間。
嘘を判別する以外で特に能を『シンプリ―・レッド』は持ち合わせないものの。体術に
関しては常人を超えている。お前の下手な策など簡単に打ち破れる。
 ――お前の『自信(光/白)』は 所詮『欺瞞(闇/赤)』であると 教えてやる!!)

「アル   カラァアアアア――ッ!!!」

 
 朱き拳は  朱き閃光の如き一撃が   白衣を掲げる彼女に迫る。

 直撃を受ければ  あの牡丹のように輝く色が舞い散るだろう

 世界が急速に その色に染め上げるように  ゆっくりと  変わっていく。


  (・・・なん      だ?)



  いや……本当に



  『世界』が  『時間』が     ゆっくりに   なっていた。

634『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/18(金) 20:49:07
>>633続き


 
          ――『タキサイキア現象』

 人は、交通事故など危機に陥った時に全てがスローモーションに感じる。
感じた事はないだろうか? 突然、幼少期野良犬か何かが迫って来た時
高所からプールなどに落下した、或るいはエキサイティングな運動をしてる時に
突如転倒などをした時、周りが酷く ゆっくりと見えた事は?

ギリシャ語で「頭の中の速度」を意味する  『タキサイキア』

ただ、これは自分自身のリミッターが開放されたのではない。
スローモーションに見える原因は脳の誤作動であり
怪我による出血を最小限におさえて命を守るために、脳がそれ以外の機能を
低下させることで目から入った情報もうまく処理することができずに
コマ送りみたいな映像でしか処理できなくなってしまい起きる現象だ。

 ――『ベティ』は  『超感覚』を移植されていた。

触覚のみ、とは言え。彼女はそれに加え、フラッシュバックに繋がる視覚の刺激も
目が損傷気味だった事もあるが、それでも彼女は『超感覚』を得ていたのだ。

 故に……『彼女の体感時間と』 『アルカラの体感時間は』  

――それは、とても僅かかも知れないが 

   果てしなく この世界で長く 長く  今のこの時では・・・


「 こ れ が ッ ! ! 」


   「 私 の 『全力』 だ ッ ! ! ! 」


「 受 け 取 れ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ――ッ ! ! ! ! 」


           激しい   ズレだ。



   ――シュ   ォ  オ   オ  オ     ォ  オ  オ  ン


  ゴ      ギャ   ァ―――――zノア  ァ  ンッッ゛!!!


・ ・ ・

  ・  ・  ・

 
             「・・・そ  うか」

    「これが       ……おまえが  見た 
        得た   ……『光/世界』   」



                   ………………パタ


 「   け   」


 「  ――けぇぇぇぇぇぇぇぇぇちゃああああああああくうううう!!!

しょ  勝者はああああああああああああああ『アルカラ』ああああああ!!!

誰が  誰がこの結末を予期する事ができたでしょうかあああ!!!!!!????

アリーナの中位ランカー。その実、エクリプス全盛期のベテラン、クライムハンター
鮮血の猟犬 嘘の審判  深紅の拳士! テクニカルファイターの天敵と忌み嫌われていた
ベリル・ストックが!!!!  いま   この瞬間んんんんっっっ!!!

無名なる、流星のように現れた新人の戦士   『アルカラ』によって!!!!

やぶ   れ    たあああああああああああああああ!!!!!

繰りかえええええええええええええええええええすうううう!!!!!

勝者は明日を夢見し栄光ある瞳の戦士
   アルカラが勝利をもぎとったあああああああああああああああ!!!!!!!」


 ベティが倒れ伏した数秒。

 爆音のような歓声と、数コンマ遅れ実況者の声が貴方の耳に届いた。


ジャングルの舞台が、段々と透明化して崩れていく。

 ……ベティは完全に沈黙に、うつ伏せで倒れている。スタンドも勿論だが消えてる

635<削除>:<削除>
<削除>

636夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/20(日) 14:59:12
>>633-634

     ――スゥゥ
           ゥゥゥ
              ゥゥゥ……


やがて――深く息を吐き出し、静かに吸い込む。
自分の周囲を取り巻く大音響も、どこか遠くに聞こえる。


   今、私の心に勝利の喜びはない。


存在しているのは『終わった』という感覚だけ。
それ以外のものは何一つ在りはしない。


 ――私が勝った?  それは間違ってる。

         私は勝ってない。

      ……負けてもないけど。


まるで生理前みたいにムシャクシャした気分になった私は、無意識の内に首を横に振った。
同時に、『ドクター・ブラインド』が、もう用がなくなった武器を乱雑に放り捨てる。
それは地面に軽くぶつかり、乾いた音を立てて転がった。
お陰で少し落ち着いた。
あくまで『少し』だけ。

(――お気に入りだったスカーフとネックレス。これ、もう使えないな)

スカーフは血まみれだし、ネックレスは千切れかけてる。
そして、私もそれに負けないくらい酷い格好。
こうして自分の足で立ってる分、目の前で倒れてるベティよりはマシだけど。

体育座りをするように屈み込み、ベティの姿を見下ろす。
不意に、両方の目が細められる。


                   『気に食わない』

                だけど――

        『生きていて良かった』  

   ――そう思った。


ベティの生存を確認した後、無傷な片手を伸ばし、おもむろにサングラスを外す。
そのままベティの姿を数秒の間見つめ、またサングラスを掛け直し、再び立ち上がった。

気付けば、ジャングルが崩壊していく。
この舞台にも幕が下りる。
『闇の中で生きていた頃の私』は、また心の奥底に沈み込んでいく。
『光の中で生きる今の私』に戻る時だ。
大体、血に染まりながら啖呵切って闘うなんて私らしくない。
『何事も明るく楽しく』が私の主義。
もう、こんな闘いをすることもないだろう。

少なくとも、しばらくは――。

637『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/20(日) 20:16:05
>>636

 貴方の心に勝利の余韻はない。それは、確かに過程を見れば仕方がない事だ
大半の負傷は、自分自身でなく。ベティ自身が己への戒めによって起こしたもの

心の中に幾多の感情が燻る。けれど、貴方はこの『アリーナ』で勝利を得た。
それは断固として揺るがぬ事実なのだ。

 「アル カラぁぁああ!! やった、やったぜぇ……! グスッ!!
本当……っ 勝てて良かった!!  正直半分ぐらい、片腕やられた
時に駄目だと思っちまった。けど けどこれで俺も罷免せずに……
って、違う違う!! アルカラぁ!! ひょぼくれてねぇでシャキッとしな! 
 胸を張って! 勝ち鬨の声をあげるんだぜぇぇええ!!
観客のこの声が聞こえねぇかぁ! 応えてやりな!!」

 金一がつんのめるようにして、貴方へと駆けより嗚咽混じりで労う。
だが、直ぐに頭を振ってキャラが代わったように発破をかけて顎をしゃくる。

 ――アル  カラ   アル  カラ   アル  カラ!!!

 観客の大勢が、貴方の勝利に対し 貴方のリングネームを叫び称えていた。
例え、その勝利がどんなに卑怯であれ、自分の心に納得できぬものでも。
このアリーナ―の勝者を観客は特例を抜かし批判する事はないのだろう……。

「おーしっ、アルカラ!! 何か、最後にいっちょう言ってくれ。観客に向けて!!」

金一は、今回の勝利に浮ついた様子を隠そうとせず貴方にマイクを渡す。

その目の隅で、つなぎを着た作業員らしき複数がベティを担架に乗せていた。


      「……ぅ  う」

担架に乗せられたベティは、少し頭を揺らし呻く。
フレイルの一撃は強くも、能力あっての衝撃であり。気絶はさせたものの
深く昏睡に至るまではいかなかったのだろう。
 
貴方が声をかければ、ベティは目覚めそうだ。

638夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/21(月) 19:17:10
>>637

   「――誰?????」

走りよってくる金一を見て、『これっぽっちも覚えていない』ような表情で言葉を発する。
もちろん、これはほんのジョークだ。


   ――『半分』は。


「なんちってェ〜、軽いジョーダンだよ。
 『金ちゃん』でしょ、『金ちゃん』。ねぇ、『金ちゃん』?」

そう笑いながら言いつつ、当たり前のように金一の首に腕を回す。
そのまま恋人にするように顔を寄せ、耳元に唇を近付ける。
生温かい息が、金一の耳にかかる。


「――あのさぁ、後で『金ちゃん』に用事があるから、ちゃんと予定空けといてね。
 私のお陰で首の皮が繋がったってこと分かってるよねえ?


    もしすっぽかしてバックれたら――『        』するから」


恋人とは程遠い有無を言わさない威圧感を背負いながら、金一に囁きかける。
その後、マイクを受け取り、ゆっくりと観客席を見渡す。
やがて、大きく息を吸い込んでから口を開いた。


「 私は『アルカラ』じゃあない!

  『夢見ヶ崎明日美』だ!!

 『美しい明日を夢見る女』の名前だッ!!

 そこに座ってる全員、たった今から頭の中に叩き込んでおきな!!! 」


腹の底から声を張り上げ、その叫び声を闘技場の隅々まで轟かせる。
そして、ベティの方へ顔を向け、サングラスを外す。
瞬き一つせず、重苦しい表情で、正面からベティを睨み付ける。


      「――『嘘吐き』」


低い声で、ぽつりと呟く。
先程の叫びと比べると遥かに小さいが、それ以上に重い響きのある声だ。
その声色には、静かな怒りの色があった。


     グッ……!!    ギリリッ……!!

        ポタ…… 
              ポタ……


負傷している手を強く握り締める。
当然、激痛が走り、血が流れる。
しかし、そんなことなど関係ないし、気にもならない。


「『全力を出す』と言っておきながら、最後の『手抜き』は何?
 どうして最後までしっかり意識を保っておけなかったの?
 それとも何?ベテランの『お情け』でルーキーに勝ちを恵んだつもり?
 そんなもので私が納得して満足するとでも?
 人を見下して馬鹿にするのも、いい加減にして……!!」


自傷はベティが勝手にやったことだから、私の知ったことじゃない。
ただ、どんな理由があろうが、最後の瞬間にベティが自分から僅かに動きを緩めたことが、
どうしても許せない。
私は、最後の最後まで全力で攻めてきて欲しかった。

当然ベティもそのつもりだっただろうから、ここで彼女を責めるのは酷かもしれない。
それでも、たとえ何らかの不確定要素が原因だったとしても、ベティを責めずにはいられない。
彼女に手を抜く気がなかったとしても、最後の瞬間にベティが動きを緩めたことは事実だからだ。

もし、あの時ベティが動きを緩めなければ、結果は違ったものになったかもしれない。
相打ちになったかもしれないし、もしかすると倒れたのは私だったかもしれない。
それでも、もし仮に結果が敗北だったとしても、私は受け入れることができた。

お互いが本当に全力で激突して出た結果なら、悔いはない。
それなのに私は、それがベティの意思でなかったとしても結果的に『手抜き』をされ、
『偽りの勝利』でお茶を濁された。
最後の最後で『馬鹿にされた』ことが許せない。


      「 この――『大嘘吐き』ッ!!!!! 」


抑えていた感情が爆発し、激昂と共に絶叫する。
これに対し、ベティが何を思い、答えるのか。
それを見届けなければ『終われない』。

639『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/21(月) 23:43:18
>>638(※一応補足として、理解はして頂けてるかと思いますが。
当ミッションのGMシステムで参加者が『火事場の馬鹿力』を発揮
スタンド能力が一時的に上昇したと言う形での勝利です)

 >――誰?????

 ズサーーーーッ!!!

 「金一だぁ゛! 金一!! ……てんめぇ、面白くねぇよジョークがよぉ!!」

夢見ヶ崎の言葉に、地面に顔からスライディングする芸を見せる金一。彼は
アリーナのスポンサーなどでなく、芸人を目指すほうが幸せだったかも知れない。

>もしすっぽかしてバックれたら――『        』するから

「はΣ   はいいいいいぃぃ……」

 金一は、蒼褪めて脂汗を流しつつ首が壊れた人形のようにガクガク顔を縦に振る。
スポンサー業の彼は、スタンド使いではあるだろうけど戦闘力は無いのだろう。
貴方の実力を拝見した故で、人生の秘訣、強い人に逆らわない本能が活きたようだ


 ――ワァァァァ……!

     夢見ヶ崎!!     明日美!!
        夢見ヶ崎!!     明日美!!

観客たちは、素直に貴方の叫びに応えるように。貴方の名乗りを大きくこだまのように返す。

そして……。

 「……ぅ   …………負けたの か。私は」

屋内が震えるようなコール。そして、一喝するような明日美の声

 ベティは目覚める。そして、億劫そうに貴方の多くの怒りと本心か
つまった糾弾を、黙って聞いた。

 「……下ろせ。いや、アルカラ お前に言ったんじゃない。
おい、お前ら下ろせっ。一撃良いのを貰ったが、歩けない程じゃないんだ」

 担架から自力で、従業員達を片手で払って降り立つと明日美のほうへ歩く。

「……『大嘘吐き』  か。そう、お前に感じさせてしまった のか」

ベティは、貴方の言葉に対し申し訳ないと言う引け目を感じる表情ではなかった。
後悔や悲哀、憎悪や怒りでもない。一番適すると言えば……奇妙な言い方だが 穏やかだ。

 「――青い  なぁ……お前は」

そして、返された言葉は謝罪や反論でもなく。あっけらかんと貴方を一笑するような
少なくとも明日美が想定した範疇外だろう。そして、彼女は続ける。

 「……最初は、お前が単なる危険な好奇心に首つっこむガキだと思ってた
シンプリ―・レッドで片方、拳をいからせて。お前が視覚障害を持ってた事に気づくまでは

……私は、偽って生きる事は出来ない。偽っていたと自覚して、そのままにすればスタンドも
闘わす事が出来ない。お前と対等に闘う為に、自分の体を傷つけた事に対して何の負い目もない。
そして  私が手を緩めた……と言ったな。
――大間抜け  と  告げさせて貰おうか」

 ベティは、心から呆れたと言わんばかりの目と顔で貴方を見つめる。

「最後の一撃……私の視界じゃ完全にお前の動きがスローモーションだったよ。
お前のスタンド。感覚を移植させる……そうだろ? そして五感の性能は人並み以上に
……脳のオーバースペックって奴さ。もしかしたら自覚してないかも知れないから言うがな。
あんたは、私の一撃を次に受けたら確実にぶちのめされてた。そして、あんたは私に
視覚と、恐らく触覚の移植をしてた。それを、通じてお前は負けたくないって意識を高めて
それが、私の脳内の処理速度を一時的に遅滞させる作用をさせた。
 ……要はな、こんな事を負け犬の私に言わせるアルカラ。お前は本当に底意地悪いよな?
――『お前の実力』なんだよ。この『勝利』は
まっ、自覚がないって事は。お前が成長途中って証拠さ。スタンドの動かし方も
能力の応用も、まだまだルーキーだ。けど……お前は私に勝った。それは、『嘘じゃない』」

 アリーナの世界は  開いたばかりだ。アルカラ
もっと新天地を謳歌してみるんだな……もっと もっとシンプルに強くなって。

 ベティは、そう最後に告げ。出入口へと確かな足取りで背を向けて去る。
彼女のサポーターであろう、ロバートが微笑んで彼女を迎え入れるのが視認出来た。

 従業員達は、あらかた清掃をすると貴方に数人近寄って緊急キットを掲げた。

「応急処置はどうします? こちらでしましょうか。それともご自分で?」

目深に帽子を被った従業員は、貴方の腕を指してテーピングの道具を見せつつ告げる。

640夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/22(火) 19:29:11
>>639

「……え……?」

告げられたベティの言葉を聞いて、徐々に表情が変わっていく。
憤りの色は消えていき、その代わりに呆気に取られたような顔が現れた。
そのまま呆然としつつ、しばし無言のまま立ち尽くしていたが――。

「――あッ!あッ、あッ!」

「聞こえない聞こえない!!血を流しすぎたせいかなァ〜。
 急に耳が聞こえにくくなっちゃった!!あっれ〜?おっかしいなァ〜?」

慌てたようにサングラスを掛け直し、わざとらしい言い訳を喋り始める。
もちろん、そんなことがあるわけがない。
これが照れ隠しだということは、耳まで真っ赤になった顔を見れば誰でも分かるだろう。

思えば、私は不安だったのかもしれない。
本当に勝てたのかどうか、心からの自信が持てなかった。
だからこそ、確認しないではいられなかったのだと思う。

もしかすると――という考えが頭の中にあった。
もしかすると、ただ単に運が良かっただけなんじゃないか。
もしかすると、手加減されていたんじゃないか。

そんなことを考えると、不安で仕方なかった。
その不安を打ち消すために、直接ベティの口から聞きたかったのだ。
『お前は私に勝った』――と。

ベティの言う通りだ。
私は、本当に性格が悪い。
まもなく、照れ隠しの言い訳を止め、ベティに向き直る。

「……ありがとう」

「――それから!私の名前は『明日美』だから!!次からはそう呼んでよねぇ〜!!」

先程までとは打って変わって、晴れやかな笑顔を浮かべながら、
小さく感謝の言葉を伝え、立ち去っていくベティの後姿を見送る。
アリーナを舞台にした闘いの終わりは、この冒険の終わりでもある。
身体に負った傷と引き換えに得たものは、心を満たす充足感。

でも、これで立ち止まるつもりなんてない。
この光あふれる『未知の世界』に対する好奇心は決して尽きることがない。
次の冒険が私を待っているんだから――。

「じゃ、チャチャッとやって。自分でやるっていっても、私やり方とか知らないし。
 あー、落ち着いたらまた痛くなってきた。いったい、いったいィィィ〜」

顔を顰めて泣き言を言いつつ、応急処置を受ける。
この後で病院に行くことを思うと、憂鬱な気分になる。
手当ての最中に首だけ動かして、近くにいるであろう金一の方を向く。

「ところでさ、金ちゃん。これからどうなるの?試合は終わったけど、まだ他にすることあんの?」

彼にも世話になった。
代理の選手を探していた金一との出会いが、この冒険の始まりだったのだから。

ちゃんと、その『お礼』をしておかないと……。

641夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/23(水) 06:21:02
>>640
(システムに関しては理解していました。誤解を招く表現になってしまったことを謝罪します)

642『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/23(水) 19:37:57
>>640(残り数レスで終了)


明日美の掛け声に、僅かにだが片腕を開けてブラブラと手首だけを振るジェスチャーが返る。
背こそ向けているが、彼女の心境もまた 貴方と同じと考えて良いだろう。

>試合は終わったけど、まだ他にすることあんの?

「そうだなーっ、終了後の勝利インタビューとかも。お前さんが
アリーナの闘技者として正式登録するなら、細かくセッティングするんだが。
急な代替えとしてのエントリーだったし、少し無理やりな参戦だったしな。
 うん! 特にする事はないって考えて良いぜ!! 後の細々とした処理は
俺のほうでやっておくよっ。…………だから、ちょ〜〜〜〜っとは考えておくれよ?
金一専属のアリーナ闘技場のランカーとして登録する事をよ。お前が勝てば勝つ程
この金一の審査眼は確かだったって事が世間に認知され。そしてゆくゆくは
アリーナの支配人に。今回のトトカルチョで当てた金を使えば  ぐへへへへ……」

 だいぶ独りよがりな声も漏れ出ていたが、彼は貴方に対し、これ以上このアリーナで
過剰な労働を強いる気はないようだ。あとは貴方の『用事』が済めば、彼は残る後処理に消えるだろう。

 「はい、終わりました。お疲れ様でした、良い闘いでした」
 「あんまり、しつこく構うなって。……固定したので、あとの
治療は病院で確かな治療をしてください」

 作業員らしい二人は、貴方のだいぶ痛む腕を固定させて包帯を巻くと
一礼して帰る。

 「よーーし。応急処置も終わりだな……。それじゃあ控え室に戻るか嬢ちゃん
体中、血の汚れで見れたもんじゃねー。替えの服はちゃんと用意してるから安心しろよ!」

 貴方を促し、金一は先を歩く。

『――アリーナぁぁぁの諸君っ。本日も見応えのある試合が送られたぜぇええ!!
最後に、この勇敢なる闘士。アルカラこと明日美にあつーーーい拍手をを!!!』


 貴方の周りを、観客席から大きな歓声と共に拍手の雨が降り落ちてくる。
誰もが、貴方の雄姿を目に焼き付けた。人生と言う夢が過ぎ去るまで
この会場に居た誰もが、ベティとアルカラの闘いを映像器具や口伝として
残していくのだろう……。

 

 …………


「あー。そんで  俺への『用事』って何だい?
連絡先の交換は、終わらせたし。あっ、俺のスタンド能力を教えてくれっとかなら
流石にノーコメントだぜ? そりゃ、デリケートな内容だしな」

 控室に戻ると、金一は何故だか偉そうに腕を組んだ気障なポーズで聞いてきた。
機嫌は良さそうだ。大抵の質問には答えてくれそうだと思える……。

643夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/24(木) 17:11:47
>>642

「――ッ」

頭上から降り注ぎ、自分の周囲を包み込む拍手と歓声。
それを全身で受け止めると、胸の中に熱いものが込み上げてくる。
音もなく零れ落ちた涙が、緩やかに頬を伝い落ちていく。

泣き顔を見られたくなくて顔を俯かせ、サングラスを外して涙を拭う。
そして、サングラスをかけずに顔を上げ、観客席を見上げた。
拭い切れなかった涙で潤んだ視界の中で、照明の光が星々のように輝いて見える。

   「 みんな―― み ん な 、 あ り が と う ! ! ! 」

観客席に向けて、心からの感謝の言葉を送る。
彼らと同じように、私も今日の出来事を忘れることはない。
満ち足りた思いを胸に、闘技場を後にする……。



「――それね……。いくつかあるんだけど、まずは『ありがとう』。
 今回のことで私も一皮むけたっていうか、ちょっと成長できた感じするし……。
 それも金ちゃんが私を参加させてくれたからだもんね。
 だから――『ありがとう』」

「それからさ、『ロバート』ってどんな人?
 金ちゃんが知ってる範囲でいいから教えて。
 なんていうか、ちょっと気になるから」

「あと、ほんの少しだけ目を瞑ってくれる?その――いいから、何も聞かずに瞑ってよ。
 ね?お願い」

しおらしい態度で懇願し、サングラスの奥の目を軽く伏せる。
私にとって、これが一番大事な『用事』。
『あの時』から、ずっと想い続けていたことだから――。

644『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/24(木) 20:03:19
>>643

>『ロバート』ってどんな人?

「いけ好かねぇ〜奴だぜ、あいつはっ。いつも、落ち着いてるっつぅか物腰が穏やかで
こちらを内心で見下してる気がするっつうか。
 確か、もとは北米のチャリティー団体に勤めてたとか何とか……お人好しとか信用ならねぇけどな。
 ベリルを含めて、他のスタンド使いに対しても援助してるし。アリーナの上からも
一目置かれてるし……まっ! 俺がアリーナの支配人になったら、あぁ言う奴は速攻で
首を宣言してやるぜ、首をよー! がははははは!!」

>あと、ほんの少しだけ目を瞑ってくれる?その――いいから、何も聞かずに瞑ってよ。
 ね?お願い


 ……瞬間、金一の脳内に電撃が走った。

(……お  おれ、おれ何か不味い事を口走ったけっか?
い、いやいやいやいや!! この嬢ちゃんやアリーナに隠れて裏トトカルチョを勝手にやった事は
ばれてねーぇ筈!! だけど、俺は『理解』してるぜぇ! こ、この嬢ちゃんが、こんな短い付き合いの中で
恋心が芽生えたとか、そんな天地が引っ繰り返ってもありえねーよな事が起きる事はよぉーー!!
 し、しかし此処で下手な逃走をしてもっ。こ、この嬢ちゃんはぜってーーその事を、俺が絶対的な安息が
手に入る事がない限り、忘れる事はないだろう!!
 ……くっ、蛇の道は蛇、だぜ金一! 金はがっぽり手に入った。俺の知名度も上がり、アリーナに
昇り詰める道は開通した!! こ、ここは要求を 呑む しかねーんだ!)



 「わ、わわわわわわかったぜ  じょじょじょじょじょ、嬢ちゃん」 ヒュー  ヒュー

何故だか知らないが。金一は脂汗をだらだら流して、今にも死にそうな呼吸音を出しつつ
目をギューッと閉じる。何をしようとも、今は貴方の自由である。

645夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/25(金) 19:53:47
>>644

「――ふーん。ま、金ちゃんがロバートを嫌いなのは知ってたけどさ。
 ……ショージキ言うと、私もちょっとだけ金ちゃんと同じこと考えてた」

確かにロバートは穏やかで優しそうな人だった。
でも、それがアリーナの雰囲気にそぐわない感じがする。
ロバートを最初に見た時から、そんな印象は抱いていた。

きっとアリーナには、金一のような人間の方が多いのだろうと思う。
金一は自分の欲望に忠実で、金のことが頭の大部分を占めているが、
だからこそ逆に信用できるとも言える。
性格の裏表が少なく、行動が分かりやすいからだ。


「あのさ――その、ね……」


   スッ……


目を閉じた金一の胸板に指先が軽く触れる。
左の手の平が繊細なタッチで当てられる。
まるで激しく脈打つ心臓の鼓動を感じ取ろうとするかのように。


               『 L 』
            『 I 』
         『 G 』
      『 H 』
   『 T 』


その時、金一の耳に『声』が聞こえるだろう。
明日美ではない何者かの声。
男の声とも女の声ともつかない無機質な声だ。
それは紛れもなく『ドクター・ブラインド』の声。
金一が目を閉じた直後に、スタンドを発現(>>643)させた。


「実は、金ちゃんに『受け取って欲しいもの』があるんだ」


私はしっかり覚えてる。
『あの時(>>600)』から思い続けてきたことを。
『あの時』――私は確かにこう思った。


   『言うまでもないけど、勿論これは偽りのない本心。
    そんなの決まってるじゃない。

    だって――ううん……。

    これは試合が終わった後に取っておこう。
    今は目の前の闘いに集中しないと』
                              ――と。


   「目――開けていいよ」


その瞬間ッ!

至近距離にある金一の顔面に、『ドクター・ブラインド』の『左ストレート』をブチ込むッ!!
『ドクター・ブラインド』は人間よりも非力なスタンド。
つまり裏を返せば、相手を気遣う『容赦』や『遠慮』など要らないということ……。
ゆえに、全く躊躇することなく、『全力』で拳を叩き込むことが可能……!!


「金ちゃんが忠告してくれなかったから、対談の時に能力かけられたんだからね。
 あらかじめ言っといてくれたら、対談なんか受けなかったのに。 
 それでも私のサポーターなの?
 そーいうの『ショクムタイマン』っていうんだよ。
 あー、スッキリした」


そう――『あの時』から、試合が終わったら『金一を殴ろう』と心に決めていたのだ。


   Q.そんなの決まってるじゃない。だって――。

             コ イ ツ
   A.だって――『金ちゃん』のせいなんだから。

         ※暗号スレ>>14パスワード『arukara』参照。

646『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/25(金) 22:23:26
>>645(次レスで終了)


               『 L 』
    「で」

            『 I 』
       「す」
         『 G 』
           「よ」
      『 H 』
               「ね」
   『 T 』
                     「えーーーーーーzノ!!!」


   ドンガラガッシャ―ンッ……!!!

 明日美のスタンド 『ドクター・ブラインド』の拳は綺麗に金一の頬に埋め込み。そして
彼は盛大に勢いよく壁に激突した。もう少しスタンドの力が強ければ、彼の金の差し歯も吹っ飛ばせたと思う
 だが、貴方にとって不幸な事に。彼の頬に盛大な痣をつけただけに留まられた。

 「い、てててて……。わ、悪かったよ け、けどよ。し、試合前に能力かけてたかどうかなんて
お、俺だってわからねー、よ。インターバルなくても、試合開始で何かしら、あのベティなら宣戦布告に交えた
話術で、お前にルールを課してた筈だぜ……と」

 腰と顔をさすりつつ、彼は顔を顰めつつも貴方に対し弁明しながらも。特に貴方の制裁に対し意を唱える事なく
結構ピンピンした様子で居住まいを直す。中々タフだが、それぐらいじゃないと『アリーナ』でやっていけないのだろう

 「あー、それじゃあ謝罪にもならねぇが。次に、こー言うアリーナでの試合。若しくは……
アリーナにも敵が多いんでな。そー言う裏での面倒事があった時にだわ。嬢ちゃんの紹介を
優先するように整えるからよぉ。……そー言うの、嬢ちゃん好きだろ? 『未知』な世界が」

 彼は青痣を付けつつ恰好つけたドヤ顔で、貴方にそう提案した。
(※ミッションが、予想より長期の拘束になった事も含めての謝罪として。次回アリーナ関連含めた
ミッションの場合、優先参加を取り付けます)

647夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/26(土) 18:33:31
>>646

「まー、もしかしたらそうなってたかもね。
 でもサポーターなんだし、『イッシンドウタイ』もドーゼンってことで、これくらいは許されるでしょ。
 これでも優しくしてあげたんだから感謝してくれてもいいよ」

私が自分で殴れば金歯も吹っ飛ばせたかもしれない。
だから、パワーが劣る『ドクター・ブラインド』で殴ったのは、せめてもの慈悲だ。

                            ラッシュ
      ――もっとも、両手が無事だったら『連打』をブチ込もうかと考えていたのだが。


   ピクッ

「『未知の世界』――ねえ……」

金一から提示された『裏の世界』へ通じる招待状。
そこには間違いなく『危険』も含まれているだろう。
今回のように、決して軽くない怪我を負うことは十分に考えられる。
もし『安全』を望むのであれば、避けて通るべき道だ。

しかし――。


「目の前に『未知の世界』があれば飛び込んでいく。
 そして、そこにある全てを、この目で見る。
 それが私。それが『夢見ヶ崎明日美』の夢。
 
 ――その話、乗ったッ!!」

   バァァァ―――――――z________ン!!


自身の分身である『ドクター・ブラインド』を傍らに従え、少しも迷うことなく金一に宣言する。
未知なるものへの好奇心が、私を動かす原動力。
この『光ある世界』の全てを、私自身の目で見たい。
言うなれば、私は『光の国のアリス』。
光に満ちた世界を巡る私の冒険は、まだまだ始まったばかりだ。

648『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/26(土) 21:42:40
>>647

 

――その話、乗ったッ!!

 バァァァ―――――――z________ン!!


そう  君はアリス。まだまだ君の冒険は始まったばかり、いやスタート地点にすら
入ってないのかも知れない。

金にがめつい兎が、錆びついた懐中時計を血走った目で見つめて走るのを
追って、貴方はアンダーランド『アリーナ』へと行きついた。
 そして、出て来て最初に出会った不思議な生き物は、嘘が大嫌いで
嘘を喰ってしまおうと言うジャバウォックかスナークかブージャムか。

 光ある明日を目指し 貴方は道を歩き続けていくのだ。



 ―――――――――――――――――――……


 「ふむ、網膜は幸い傷ついてない。もっとも、損傷しても此処の医師は優秀だ。
今までの賞金で十分に完治は可能だと思うが、私からも幾らか手当が付くように言おう
そして、だ……ベリル 君のスタイルは重々承知してるが。今日のような試合を何度も
しないでくれ。私の心臓にも悪いし……君の痛々しい姿は、大切な人達に悪いだろう」

所は変わり、キング牧師のような雰囲気の大柄なスーツ姿の男性。
ベティのサポータ 『ロバート』は彼女の怪我に対し処置を済ませると
厳かに、きつくはない言い方だが釘をさしていた。

「わかってはいるさ、ロバート。だが、性分でね こればっかりは折れないよ。
私は、私のやり方を否定はしない。嘘をつかない生き方を選ぶと決めている」

その、向こう見ずな言い方に対し。彼は慣れてるのか小さく吐息をついてから軽く
彼方を見つめて、それにしてもと呟きつつ言った。

「しかし、アレは頂けなかったな。最後のあの行動は……」

「……アルカラの事か? 彼女の怒りに関しては正当なものだろう。
戦士として、手を抜かれたと屈辱を感じるのは当然だ」

「いや……あの少女の事ではない。……『彼ら』だよ
あの従業員達だ。……普通なら、君の怪我のほうが重たかったんだ。
先に応急処置を済ませても良かったのに。大人しく彼女に少し手当をして
煙のように消えてしまった……アリーナの配属としては良くないな」

「…………      まさか」

 ロバートの言葉に、ベティは少し逡巡するように顎に手をかけ考えたあと。

ハッとした顔つきで、ロバートと同じく遠くへ傷つき深紅となった目で
向こうに顔を向けた。


 ――――――――――――――――――――――――――……


 ザッ

       ザッ    ザッ
                          「……」
                          「……」
 清掃員のつなぎを着た、何処かの派遣会社の適当なロゴマークが付いた帽子を
被る複数の人影が、人気のない道を無言で進む。

  ……月が出て星が出てくる。

 「それで」       「どうよ? 実際に見て」

    「うーん……肩透かしって感じかな」   「あー やっぱぁ?」



    俺達  『エクリプス』に比べると  月とスッポン  てな

649『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/26(土) 21:56:49


 「ベリル・ストック  以前はだいぶ上の連中の手を焼かせたって聞いたけど。
今日のバトル。レベルが低すぎて 吹き出すのを堪えるほうが必死こいたーって感じ?」


  「ベリルが弱くなったんじゃないさ。この町そのものが 弱くなった 弛緩している。
束の間な憩いって事を忘れて。この町は酔っちまってる  平和と平穏ってのにね」


 「あぁ  だから。だからだからだからだからだからだからだからだから
私達 俺達 僕達 全員で! この腐ってしまったピザ生地を根元からズタズタにしないとぉ!」

 「上が消えた事は悲しい  けれど    消えてくれちゃって本当に良かった」

「良い子で従えって言葉は、もう無いから」

        「これで、好き放題に。ちゃーんと、玩具を散らかして思い思いの絵が描ける」

 「旧世代は消え  新世代が遂に」

       「ついについについに ついについについに  始められる」


  「まあ、今はもうちょい緩く  すこーし様子を見ておこうじゃん?
なーに、すぐに祭囃子を起こしてもいいが それじゃあつまらない。
幾らヌルゲーが出来るって分かっても。テトリスの1ステージばかりじゃ
退屈に殺されちゃうっ! だから、もうちょーっとスパイスをつくらないと」

 「だね」 「そうだね」   「そうそう だからだからだから」

      
        『新しいみんなで 新しい遊びを始めよう』
 
        『真っ赤な 太陽のように血のような遊び』



   to be continued…

650『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/27(日) 22:49:39



   そう、夢見ヶ崎 明日美。貴方の『未知』なる世界は……始まったばかり

 
 夢見ヶ崎 明日美『ドクター・ブラインド』⇒『30万』get!
『左手骨折(全治二週間)』

651『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/27(日) 23:11:51
ベリル・ストックのスタンド

血のように深紅で全体が濡れる両腕に計四つの鉄輪が
嵌められた人型のヴィジョン。
 『嘘を裁く』能力。

相手に対する質疑応答及び、宣言したのと異なる行動に対し
このスタンドは『制裁』を行おうとする。
第一の段階として、スタンドは制裁の為に相応の力を上昇させる。(パC→パB)
第二の段階として、このスタンドの制裁を相手が通じえない(パA等)場合
その制裁が通じえる状態まで上昇される。第二の段階はあくまでも制裁が
通じえない状態の場合のみ起きる変化である。
 このスタンドは、大よそ自我を持たないように見えるが『半自立』であり
嘘に関し自他共に厳格である。行使する本体が虚偽をつく、それに伴った行動を
するだけでも。ペナルティとしてスペックは一段階ずつ下降する。

 『シンプリ―・レッド』
破壊力:C(E〜A) スピード:C(E〜A) 射程距離:D(E〜C)
持続力:C 精密動作性:B 成長性:C
(※かっこ内は、相手、自分の虚偽によって起きる変化)

第二の能力『RRoD(レッドリングオブデス)』
破壊力:B スピード:C 射程距離:C
持続力:- 精密動作性:C 成長性:-

『シンプリ―・レッド』の鉄輪。殴った無機物及び生物に対し
一人(一つ)につき一個、鉄輪は嵌められる。
 鉄輪が装備された相手の動きの感知、そして其の相手が発した
明確な『嘘』に対し。鉄輪は反応して急激に縮小し、相手の肉体を損傷させる。
この時、完全に相手の肉体を断絶する事はなく裂傷に留まる。このスタンドの能力は
あくまでも嘘を裁く事であり、相手を死刑にするものでないからだ。
 ただし、無機物に嵌めた場合。本体が意図的に嘘をつく事で、その物体を
強制的に切断させる事も可能である。

652『赤に 紅に 朱に 丹に舞え』:2017/08/27(日) 23:29:57
★氏名―ベリル ストック
★スタンド―『シンプリ―・レッド』
★能力―『嘘』を裁く能力
★性別―女 ★年齢―28 ★血液型―A
★髪の色―褐色 ★瞳の色―茶 
★趣味―ジム通い ★身長―173cm 
★好きな映画―ショーシャンクの空に ★好きな色―赤
★性格―自他ともに厳しい性格。
 他者の好き勝手な行動に対し寛容な部分はあるものの、自分の敷いた
ルールを踏み越える者には容赦ない。
★外見―褐色の髪に、小さな付けピアスを数個取り付けている。
朱色のタックカラーコートを愛用して着ている。
★備考―エクリプス最盛期、アリーナの尋問・強襲チームとして活動していた。
その能力を買われ、功績は積み上げられてたが。ある時期に、その能力が裏目になり
チームのメンバーを死に追いやる出来事が発生。以降、自粛してエクリプスが瓦解に
なるのを見届けると。潔くアリーナの警護員の一人として収まった。
 物心ついた頃から、嘘を見抜ける力を持ち合わせており。それ故に人を心から信じる事に
諦観と憧れが入り混じった複雑な心境を抱え成長した。故に、誰が見ても解りやすい象徴を
求めており。いま現在アリーナの栄光(ランク1位)を求めて闘いに明け暮れている。
 アルカラ(夢見ヶ崎)に敗北するものの、それをバネに彼女は自身に嘘をつかない生き方で
最後まで栄光の為に闘う事を続ける。

653Poaching Lakeside:2017/10/08(日) 02:19:16
 ―――――――――――――――――――――――――――――――
 〈H湖〉。〈星見町〉の中央にまたがる巨大な湖である。
 汽水湖であり、その水質故に魚などの生物が非常に多く生息する。
 漁や養殖も盛んであり、特に〈ウナギの養殖〉は非常に盛んで、
 星見町の名物として知られている………
 {出典:民明書房『全国の湖と伝承』より}
 ―――――――――――――――――――――――――――――――


9月某日。休日である。時刻は昼過ぎ。
君たちはその湖岸とある地区の、そのまたとある場所へと訪れている。

この地区の漁港から離れた場所であり、道路こそ通っているが、
レジャー地でも何でもない、最近までは特に何にもない場所であった。


 以下、参加者は
 『簡易プロフ』
 『能力詳細URL』
 『外見』
 『持ち物』  をレスする事。

 また、任意で『ロールその他』を行っても良い。

654小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/08(日) 06:12:46
>>653

 コッ コッ コッ ……

その日――私はH湖の近くを散歩していた。
この辺りには、あまり来たことがなかったので、ささやかな新鮮さを感じる。
辺りの景色を眺めながら、ゆったりした足取りで歩き続ける……。

      ――そういえば……。

ふと、数日前に町の中で耳にした噂が思い出された。
何か……新しい店ができたという話――。
それは、この近くではなかっただろうか……。

                コッ コッ コッ ……


◆◇◆◇簡易プロフィール◆◇◆◇
結婚直後に最愛の夫と死に別れ、自身も後を追うことを望んでいた。
しかし、自分の分も生きて欲しいという彼の遺言を受けて、生き続ける道を選ぶ。
常に『果物ナイフ(鎮静剤)』を持ち歩き、それを用いた『自傷行為』によって、
不意に湧き起こる『自殺衝動』を抑制している。年齢28歳。

◆◇◆◇能力詳細◆◇◆◇
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/41

◆◇◆◇外見◆◇◆◇
洋装の喪服、黒いキャペリンハット、黒いストッキング、黒いパンプス(ミドルヒール)、
両手の薬指に結婚指輪、長い黒髪を纏めたアップヘア、穏やかで憂いを帯びた顔立ち、
色の白い肌、すらりとした細身の体型、身長170cm。

◆◇◆◇持ち物◆◇◆◇
果物ナイフ(自傷用)、包帯、500mlミネラルウォーター、
携帯電話、財布、ハンカチ、ティッシュ、
手製の香り袋(中身は乾燥させたラベンダーとアロマオイル)、
以上の品物を入れたハンドバッグ。

655朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/08(日) 09:20:57
>>653

 「よーしっ。到着したっス! H湖っス!!」

 クルクル シュッ  タン! シャキーン!!

 「ここら辺で、美味しいお店が出来たってエっ子幹部らから
情報を提供されたっス!! 今度、褒美に私がじかに勲章を授けてやるっス!
 くっくっくっ! 星見町の穴場であるレストランは全部!!
この悪の首領のモーニングマウンテンがパワフルに征服してしまうんっス!!!」

     シャキーンッ!!
 
 「ぬおおおおおぉぉぉ!! 美味しい店ええええ!! 何処っスかあああ!!」

 タタタタタッ!!!

悪の首領モーニングマウンテン! 穴場の美味しいレストランを支配せよ!

 
☆〇☆〇簡易プロフィール☆〇☆〇
14歳、清月学園中学二年生。権三郎(犬)と両親で暮らしてる。凄いパワフル
『エクリプス』で、実務にはまーーったく関与してないものの
アルバイト(買い出し・掃除・賑やかし)を以前しており。突如
全員去った室内と置手紙から、自分が後釜になったと思い込み『ニュー・エクリプス』
の悪の首領として、じゃあくな活動に勤しんでいる。
☆〇☆〇能力詳細☆〇☆〇
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/34

☆〇☆〇外見☆〇☆〇
身長147cm、黒いショートヘアで黒目
どこからどう見ても、明るそうな空気を纏っている。
本日の服装は、オレンジのシャツに学園指定ジャージ
下は黒いショートパンツ


☆〇☆〇持ち物☆〇☆〇
ポケットティッシュと財布とスマホ
リュックサック↓
タッパー・カスタネット・トレーニングボール
ゾンビのラバーマスク
星の味金平糖一袋・コーヒー味のチューインガム
アクエリアス一本・ンまぁ〜い棒×7

656弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/08(日) 10:12:23
>>653
弓削は――H湖のほとりにできたらしい『料理屋』に向かっていた。
レーションが主食っぽい鉄面皮とは裏腹にこの女、流行り物は
とりあえずチェックしておくミーハーさも兼ね備えているのだ。
自分の欲求を満たすというよりは、単純に見聞を広める為だが。

          カツ  カツ  カツ

      「…………」

ちなみに毛ほども動いていないこの無表情は、
『何の料理店かリサーチしてなかった。不覚』という顔である。
余人から見れば何考えてんだか分かんないつまんなそーな顔だが。



簡易プロフ――
27歳女性。元役員付専属秘書、現無職。
担当していた役員が不祥事を起こし、
紆余曲折あって失職してしまった。
基本的に無感情・マイペースだが
『誰かのために働くこと』については
異様なモチベーションを見せる節がある。
現在貯金を切り崩しつつ無職ライフ中。

能力詳細――
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/60

外見――
リクルートスーツを身に纏った黒髪の女。
プラスチックで作られたみたいに無表情。
秘書然としたピシッとした佇まいが特徴。

所持品――
・リクルートバッグ
・化粧品類 ・スマホ ・筆記用具
・財布 ・クリアファイル
・ミネラルウォーター(500ml)(飲みかけ)

657七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/08(日) 17:42:01
>>653

・・・『七海(ななみ)フランチェスカ』は新しいものが好きだ。
新しいものは変化をくれるし、新しいものは変化しているものだから。

――――「なんかH湖のほとりに新しい 『料理屋』 出来たって聞いたわ」


              ザッ
                     ザッ

ファミレスが嫌なわけじゃないけど、『料理屋』なのも良い感じ。
食べたことのないものを食べられる可能性が高いから。

軽いランチに丁度いいと思って来てみたりした。

「んっん〜〜〜」

         キョロ  キョロ

――――――けっこー人多いかな、関係ない人かな。

鼻歌交じりに、他にどんな人がいるのかを見ておこう。
それから、お店がどんな様子なのか。洋食っぽい?和食っぽい?中華風?

---------------------------------------------------------------------

『簡易プロフ』
日伊間のハーフ。日本生まれ。19歳。体格は普通。趣味は旅。家が金持ち。
子供舌というわけではないが、子供向けの食べ物は好き。好物は海鮮系ピザ。
自由や変化を好む(飽き性とも言える)性格であり、不変を厭う傾向。
転じてブームに乗るタイプであり、今回『料理店』に来たのもそのため。
マイペースではあるが、自信家な一面もあり、おおむね他人に親切である。

――――将来の夢は『記念碑を立てられるような偉人になる』こと。

『能力詳細URL』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/59

『外見』
緩いパーマ気味の金髪。肩にかかる程度の長さ。
色白でハーフっぽい猫顔。左目は赤、右目は青の『カラコン』着用。
服装は幾何学的な模様の入った白いポンチョとスキニージーンズ。

『持ち物』
最新のスマートフォン、クラッチバッグ。以下はバッグの中。
ハンカチ、財布、ペン2本、メモ帳、コンタクトケース、化粧ポーチ。

658ジェイク『一般人』:2017/10/08(日) 19:38:05
>>653

少なくともこの男は料理屋に行くような人間とは思われなかった。
その長い赤髪と髭。
季節感を無視したような服装。
浮浪者と言わんばかりの雰囲気。
実際、男は湖畔やネオン街のあたりを住処にしている。家はない。
ただ男のスラックスのポケットには無造作に突っ込まれた万札がある。
恵まれたものだ。
男はこんなものに興味はない。
使い切らねばならない。雨に濡れて使い物にならなくなる前に。

今日この場にいるのは自分の生活圏内を侵すようにできたこの料理屋がどんなものか見に来ただけだ。
この店自体に強い興味があるわけではなかった。

簡易プロフィール
ランタンを持った浮浪者
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050739/21

能力詳細
必要なし

外見
身長194cm
長い赤毛と髭。
黒い袖のないシャツの上に青地に白い花柄の半袖シャツを着ている。
白いスラックスに革靴。

持ち物
ランタン(ベルトに紐を使ってくっつけている)
ランタン用の液体燃料(1L)
マッチ箱(マッチ棒入り)
上記二つを入れた麻袋
一万円札一枚
小銭

659Poaching Lakeside:2017/10/08(日) 22:50:13
>全体
という訳で、君は『料理屋』の口コミを聞き湖岸へ来ている。

実際、『何もない』というのは比喩でも何でもなく、
住宅や商店、漁港の密集した場所から少し離れたこの場所は、
湖岸に引かれた道路に錆びぎみのガードレール、点々と立つ電柱…
しかし噂は嘘ではなかったようで、しばらく言った先に
『小さな建物』を、君は発見することが出来た。


        『 芝麻花 』


上部の赤い看板にこう書いてある。
湖岸沿いに建てられたその真新しい建物が、〈料理屋〉である事は、想像に難くなかった。
やや人通りのある所から離れているからか?昼過ぎだからか?
店舗の駐車場とおぼしきスペースには軽トラックが一台止まっているだけであり、
そこまで客が入っている様子にも見えない。せっかくの〈祝日〉だというのに……

どうやら、君の周囲にも4人ほど、この店に近づく人がいるようである。
彼らも、〈客〉のように見えた。

 喪服の女。動きも声もやかましい少女。
 無表情のリクルートスーツの女。金髪の若い女。
 赤毛のヒッピー。

これが、いま店舗の前に集結している人間の内訳である。
見知った顔もあるかもしれない。


 (特に希望が無ければこのまま次レスにて『入店』。
  全員のメル欄にて『入店』の記載を確認次第GMがレスを行う。

 『入店前』にPC同士で会話や挨拶等アプローチを行いたい場合、
  メル欄に『会話』と記載し何レスでもアプローチを行ってもよい。
  いちおう、会話は手短にしてくれると嬉しい…。
  会話が終わり次第メル欄に『入店』と入れて頂きたい。 その他要望あれば個別に対応)

660弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/08(日) 23:38:59
>>659
客は自分含めて四人。開店したてのレストランにしては少なすぎる。やはり立地の問題だろうか、と弓削は内心で見当をつける。
ここに来るまで何もない道をひたすら歩いてきたのだ。相当奇特な人間でない限りここまで来ないだろう。
……そう考えると、こんなところに来た変わり者達に少し興味が湧いた弓削なのだった。
自分のことは清々しいまで棚に上げていた。

「…………」

とはいえ、別に見知った顔がいるわけでもない。
特に話しかける理由もないため、興味こそあれど視線を向けることもなく店舗へ歩を進める。

         「……」ス

……ただまぁ、多分入店のタイミングも重なりそうだし、一応社交辞令として入店する前に立ち止まって会釈くらいはしておく。
ついでに先に入ろうとしている客には先を譲る。

661朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/09(月) 00:10:40
>>659(遅ればせながら、宜しくお願いするっス!!)

  『芝麻花』

 「しーばーまーかー!  ……変な名前の店っス!!」

 
「あっ! 小石川おねーさんっス! こんにちわっス!!
他の皆さんも、こんにちわっス!」

 クルクル    シュッ   タンッ!  シャキーンッッ!

 小石川おねーさんが居たっス! 海では、とっても良い匂いの
お土産も貰ったし、悪の首領として秘密に活動してる時も
見知らぬ自分にレモネードを出してくれる優しい人なんっス!!
 もしかしたら、このお店でも何か一品奢ってくれるかも知れないっス!!

 しかし、しかし! しかーし!! 今は料亭に用事があるんっス!
美味しい御飯がきっと私を待ってるっス!!!

 「こんにちわーーーーーーっス!!!」

 イの一番に、扉を開けてパワフルに挨拶するっス!
他の人が先に入りたいのなら、その次で元気よく挨拶して入るっス!!

662小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/09(月) 00:44:40
>>659

   コッ コッ

         コッ ……

しばらく歩き続けたのち、不意に足を止める。
話に聞いていた料理屋が、目の前に佇んでいたからだった。
その建物を見上げ、看板に書かれた名前に視線を送る。

   ――芝麻花……。

見たこともない名前だった。
なんとなく――不思議な印象を感じた。
それは、この場所の静かな雰囲気のせいもあるかもしれない……。

  「――こんにちは、朝山さん」

四人の中に見知った顔を見かけて挨拶する。
黒髪の少女――彼女とは、町でも会ったことがある。
こんな所で、また会うことになるなんて、思ってもみなかったけれど――。

  スッ……

スーツ姿の女性に会釈を返し、店の中へ入る。
料理屋ということしか聞いていないので、どんな店なのかは入ってみないと分からない。
H湖の近くにあるのだから、そこで捕れた魚を使った料理を出しているのだろうか……。

663七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/09(月) 07:36:08
>>659

「ふんふん」

全員見たことはないけど…………
ヒッピー風の兄さんは少し気になる。

どういう事情でああいう格好なんだろう?
――――ファッション? それともマジ?

「は〜いどもども〜〜〜!!
 他の皆さんじゃなくって〜フランって呼んでね!」

        「フランちゃんでもいいケド」

          フリフリ

手を振り返す。
このあとも話す機会があるだろうし、名前も教えた。

ハイテンションなの、嫌いじゃない。むしろウケる。

「しば・ま・はな……しば・あさ・はな……か、かな?
 ん〜中華か和食と見たよ。アジア系とかもあり得る!」

        「にゃは、これで洋食だったらウケるよねぇ」

店の観察のため、入店のタイミングは遅れる。
なんとなく無表情女やヒッピー風男の方を見つつ、そんなことを口走った。

これはべつに反応されなくてもいい。だとすれば入店して、ご飯を食べるのだ。

664朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/09(月) 09:29:26
>>661追記

>>663自己紹介してる女の人も居たので、私も自己紹介をするっス!

 「私の名前は朝山 佐生っス!! 清月の中学2年っス! よろしくっス!!」
 
  シャキーン!!

 さて、挨拶も終わったし。改めて>>661に戻りドアを開けてパワフルに挨拶しての入店っス!

665ジェイク『一般人』:2017/10/09(月) 16:18:25
>>659

男はヒッピーではない。
既成概念などに興味はなかったが反対もしない。
自然も愛も平和もセックスも自由も愛してはいない。
野生生活にも興味はない。
男を表す記号にそれは存在していなかった。

「……」

ヒゲを撫でる。
目を細めるがその顔に笑みはない。
彼好みの店かどうかは分からない。
分かるのは客層だけだ。

「……くだらん」

無関心に一言だけ呟いた。
会釈には帽子を外すような仕草で返す。
今日は帽子を忘れてきたらしかった。

「チーマーファ……ヅーマーファ……ゴマ、か?」

「まぁ、どうでもいいことだ」

それも別に深い興味を示すことでもない。
店に入ろう。

666弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/09(月) 18:55:40
>>661-665
やはり大半は奇特だ、と弓削は華麗な棚上げスキルを駆使しながら思う。
見た感じ、アッパー2、ダウナー2といったところ。バランスとしてはちょうどよかろう。
何のバランスかは甚だ謎だが、別段料理屋を楽しむのに問題がある状況ではなさそうだ。

     「そうですね。店名的に中国料理メインのようですが……」

フランチェスカの言葉にさらっと応じつつ、
弓削は脳裏で『この人も何の料理店か知らないのか』と考える。
自分の不手際でしかないつもりだったのだが、ゴマと読んだ青年の反応といい、
ここに集まった客の大半が『具体的にどんな料理店か』を知らないということになる。

        「…………オープンセサミ。ゴマだけに」

まぁ、珍しいがありえない話ではないので気にしてもしょうがないので、
弓削としては奇妙な縁を感じたり感じなかったりするだけなのだが。
そんなこんなでほどほどに入店。

667七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/09(月) 22:19:34
>>664(朝山) >>665(ジェイク) >>666(弓削)
>GM

「にゃはは、元気がよくて大変よろしいじゃん!」

朝山佐生にそう返して、笑った。
細かい自己紹介を返すつもりはない。

それから、二人――謎の男と、真面目そうな女に頷く。

「チーマーファ、ヅーマーファ。う〜ん大陸の香り!
 そういうの聞いてたら中華のお腹になって来ちゃったァ」

      「エ・ビ・チ・リとか、八宝菜〜なんかもいいよね」

男は今それほど会話を望んでいない気がした。
女はそれなりに話せる相手なような気がした。

気がしただけ。
どちらにせよ、ここでトークショーとしゃれこむ気はない。

        ザッ

「よっ大将、やってる〜?」

「って中国語だとなんて言うんだろうね」

                   ザッ

とりあえず入店する。お腹が空いたのは気がしただけではない。

668Poaching Lakeside:2017/10/09(月) 22:45:28
>七海
赤い看板に日本じゃ見ない漢字の単語、〈中華〉を連想させるが、
1パーセントくらいの確率で〈洋食屋〉かもしれない。
〈プロパンガス〉のボンベが、建物に数台取り付けてあるのが見える。
…パっと観察できる限りでは、こんな所だ。

>七海
>小石川
>朝山
>ジェイク
>弓削

珍妙な連中、つまり君たちは店に入る。
『開けゴマ』と無表情の女が言い、やかましい子供がドアをブチ開けた。
ドアを開けると、小学生くらいの背丈の、『巨大な白菜の置物』が君たちを出迎えた…

      「イラッシャイマセ―……」

不明であった店のジャンルは…どうやら『中華』であった。
〈龍の彫刻〉とか〈やたら赤っぽい〉とか〈銅鑼〉とかは無いものの、
ぶら下がってる照明だとか、木製の丁度品とかで、『東洋系』という感じが伝わってくる。
『中華料理屋』というよりも、すこしばかり洒落た『中華キッチン』といった所か。

店内の席数は3席。カウンター席は無い。
フロアの奥は硝子貼りになっており、〈テラス席〉と〈H湖〉が見える。
〈H湖〉は午後の日差しを反射している、なかなか絶景。

       「…………エッお客サン!?」

           バタバタ 
                バタ
 店の奥から、ワタワタと〈女〉が出てきた。
     
  「エート」 「五名様でしょうか?」
        「ただいまテラス席が空いていまスが」

669弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/09(月) 23:29:37
>>668
「いえ、『お一人様が5組』です」

現れた店員と思しき女性に、まずは一言。
雰囲気はバラバラだが入店のタイミングがタイミングなので誤解されてもしかたないと思ったからだ。
とはいえそうは言っても――席数からして相席は必須だろう。
弓削はそれでも(話の種になるし気まずさとか感じるタイプじゃないので)問題ないが。

「私は、相席でも構いませんが……」

とはいえ他の利用客はどうだろう、と他の様子をちらりと窺ってみる。
オープンセサミとかいう超サムいギャグを真顔で言い放った人間と
同一人物と思えないほどフツーの対応であった。

670小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/09(月) 23:59:45
>>668

良さそうな店――というのが最初に抱いた感想だった。
テラス席の方は、きっと眺めもいいだろう。
できれば、そこで食事をしたいと思う。

  「――はい、私は構いません」

  「皆さんがよろしければ……」

時には、一人になりたいと感じることもある。
けれど、自分以外の誰かと同じ時間を過ごしたいと思う時もある。
今は、どちらかというと後者の気持ちの方が強かった。

671七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/10(火) 00:03:42
>>668

かなり高い確率で中華が期待できそうだった。
今はもう中華を食べるために来たくらいの気持ちだ。

中が洋装でチーズの匂いでもすれば、
急に洋食の気分になる可能性はあるけど。

「わーお、オシャレな感じじゃん」

            キョロ キョロ

・・・この感じは、中華だ。

洗練されたチャイニーズ・グルメ。
妙に客に驚いてるあたり、流行らないお店?
でも噂にはなってるわけで、まあ食べればわかるか。

店内の様子を見て、テラス席が気に入った。
湖を見ながらエビチリというのも乙な物じゃないだろうか。

「アタシは一名様で、テラス席は大歓迎。
 あ。相席ってのもあるならそれも歓迎でオッケー!」

            スッ

     「というか、白菜デカすぎてウケるよね。
      これってこの店のマスコットだったり〜?」

それになんといってもこの白菜。なんで白菜なんだろう?

672朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/10(火) 10:31:25
>>668(レス遅れ失礼しました)

 「う」

 「わーーーーーーーーーーーー!!!!
でっかい白菜っス!! お化け白菜っス!!! 私と同じぐらいの
身長のある白菜っス。多分、何かしらの伝説のある白菜なんっス!!!」

 目をキラキラさせて、朝山は白菜と背比べをする。

>エッお客サン

 「はーいっス!!! お客っス!! お客さんなんっス!!!
この店で一番美味しい! おすすめ料理をお願いしたいっス!!」

 片手を上げて、ピョンッ!! と跳ねつつ私はこの店の
一番の料理を頼むっス!!

中華料理……中華と言えば天津飯!! 
 いま天津飯の友は、何処か遠い空の下で美味しい天津飯を探す旅に出てるだろうっス……

 いや! 今はしんみりと天津飯の友を懐かしんでる場合じゃないんっス!!!

 伝説の白菜があるのだから、多分、伝説染みた料理が来るはずっス!!

今からワクワクとパワフルが止まらないっス!!!!!

673ジェイク『一般人』:2017/10/10(火) 11:03:41
>>668

「一人だ」

淡々と告げる。
店の中をぐるりと見渡す必要も無い。
首に手を当て、コキリと首を鳴らした。

「席はどこだっていい」

「孤立を期待出来ないんだろう?」

自分以外の人間を固めてもらっても構わない。
誰かと食事というのに思うところもないが。

「静寂も期待出来なさそうだがな」

674Poaching Lakeside:2017/10/10(火) 19:49:42
>全体

「アッ家族じゃないノ」
「てっきり、お父サンと、お母サンと、お姉チャン、妹サン、チイサイ妹サンかと」

 ジェイク、小石川、弓削、七海、朝山を順に指差し、女はそう言った。

 「ンー 席をお分けする事もできまスが」
 「デモ天気もイイシ…皆でゴハンたべた方が美味しいシ…今日なんかお客サン誰も来てないし…」
 「ジャ皆テラス席でイーね」
   

全員、店の奥の〈テラス席〉に通される運びになった。
もっとも店内の席は全部空いているので、
孤独にメシを喰いたいなら食卓を移動することは可能そうだ。


 >朝山 七海   
   「『ハクサイ』はネ〜…『ハクサイ』なの」
   「『発音』が同じネ」

    〈中国語〉のようだ。


  >朝山
    「この店は、みーんなオイシイよ」
     「今だと…カニとか、あとエビ」
     「とってもオイシイの獲れるネ、H湖の、このあたり」

675Poaching Lakeside:2017/10/10(火) 19:57:37
     ジャーー
 
         ガタン ガタン
途中、厨房に繋がっているとおぼしきスペースから音が聞こえる。

君たちは…通されてみて改めて分かるのが、
この店、やはり〈客〉がいない。一人もだ。店員も〈女〉一人だ。



  「五名様ゴアンナーイ」

テラスに出ると、西にH湖を臨む事ができた
店そのものが湖面よりやや高い位置にあるおかげで、見通しは良い。
秋の日差しは強すぎず、空気はほどよい暖かさを保っていた

風も吹いていない。今日に限っては一隻の船舶も見当たらず、
おかげで凪いだ湖は黄金色の日光をちらちらと反射していた。

テラスそのものは木製のデッキで、食卓が一台置かれている。
椅子は人数分ある。

         H湖側
        2 3
       ┌───┐
      1│   │6
       └───┘
        4 5  
         店側

(上から見た見取り図だ。□が机、数字が椅子。
 各PCは座る位置を各々決める事。)

  「お客サンたちラッキーね」
   「〈予約〉されてること、けっこうある席ヨ」
   「さ、座って座って」
   「今スープとお品書キ持ってくるヨ」

〈女〉はキッチンとおぼしき店舗の奥に歩いてゆく…。

676弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/10(火) 22:29:29
>>674-675
「では、私はこちらに」

女性ならばぴりっとしかねない店員の爆弾発言も軽く流して、弓削は奥(2)の席に座る。
フォーマルな席なら上座は譲るのがセオリーだが、ここは単なる料理店。
手前の席に先に座ったら邪魔だし、景色が見やすいのも手前の席だ。

      「……」

その後は、全員が座るのを背筋を伸ばして待っている。
店員にああやって案内されたが、一人がいいという客もいるかもしれないし、
おそらくこの後始まるであろう自己紹介とかも相席するメンバーが
決まるのを待ってからにしたほうがいいと思ったのである。

677小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/10(火) 23:04:10
>>675

  「――『家族』……」

女性の言葉が引き金となって、不意に『彼』のことを思い出してしまった。
彼が生きていれば、私もいつか『お母さん』になっただろう。
その時、彼は『お父さん』になっていたことだろう。
そして――いつかは家族でレストランに出かけることもあったのだろうか。
今となっては叶わない想いを振り払い、気を抜けば曇りそうになる表情を抑える。

  「……とても綺麗な場所ですね」

どの季節にも、それぞれの美しさがあると思う。
だけど、どれか一つを選ぶとするなら、私は今ぐらいの時季に魅力を感じる。
秋の風景と空気の中に身を置いていると、自然と心が穏やかになれる気がするから。

  「ありがとうございます」

  「私は、ここで……」

女性にお礼を言って、『1』の席に腰を下ろす。
この店は、彼女が一人で切り盛りしているのだろうか……。
そんなことを考えながら視線を動かし、静やかな湖面を見つめる。

678七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/10(火) 23:37:38
>>674-675

「にゃはは、まあ人類皆兄弟なーんて事も言うからね〜!」

家族扱いに特に思うところはない。
町内会とか、部活の打ち上げとかには見えないし。

「へぇ〜、ハクサイは共通語って事。勉強になるよね〜
 ジョークも日本語も堪能な店員さんだし、料理も楽しみだぁ」

グローバルな言葉遊びに感心しつつ案内された席へ。

客が他にいないのは何となく想像がついたし、
狭いお店みたいだから、そこまで異常には思わない。

「んじゃ、アタシはここで〜」

          ストン

座るのは『6』にしておく。誰が一番偉いとかもないんだし。

「ん〜いい景色。スープとか言ってたけど・・・
 中華のスープって『フカヒレ』かな? 『燕の巣』かな?」

     「なんてね〜。もしほんとに来たらウケるよね〜」

女店員が去ってから、特に誰に対してでもなく口を開く。
実際に来るのはたまごスープとかそういうのを楽しみにしてる。

返答があれば会話に興じて時間を潰すし、なければ飽きるまで湖でも見ていよう。

679ジェイク『一般人』:2017/10/11(水) 00:02:45
>>674-675

男は話さない。
片眉を上げてひげをいじっている。
そしてゆっくりと席へと向かっていく。

座ったのは4番だ。
麻袋は椅子の下に置いた。

「……」

メニューを取るわけでもなくどこか遠くを見つめている。

680朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/11(水) 08:35:41
>>674-675(レス遅れ失礼しました)

 「わあ――!! 今日も湖はとっても綺麗っス!!!
すぅぅぅぅぅ  はぁぁぁぁぁぁぁ……空気も美味いっス!!」

 テラスに立って大きく伸びをして、深呼吸するっス!!

 「くっくっくっ…こう言う場所で食べる料理はどんなものでも
美味しいっス!! きっと、今まで食べた中華の中でも
とっても見たことも聞いた事もないぐらい美味い中華が出るに違いないっス!!」

 期待で涎があふれかねないっス!!

「うーんとっ、席はそうっスね……やっぱ綺麗な景色を見ながら食事するのが一番っス!!
失礼しまーーーーーっすっス!!!」

 5の席に座りつつ、メニュー表も誰もとならいならとってメニューを見るっス!!

 カニ炒飯か、エビ炒飯……いっぱい食べたい料理がより取り見取りっす!!!

681Poaching Lakeside:2017/10/11(水) 20:02:02
>全体
君たちは、思い思いの席に座り、ジェイクは袋を座席の下に置く。
しばらく経たずに、お盆を持った〈女〉が戻って来た。

食卓の中央に『メニュー』、皆の前に〈ガラスの茶碗〉が配置され、
女は〈ガラスの茶ビン〉から、皆の茶碗に薄い色の液体を淹れてゆく。
ビンの湯の中で、黄色っぽい茶葉が踊るように揺れているのが見える。

      コト …

 「お待たせシマシタ 〈お品書き〉と〈緑茶〉デス」
    「茶のオカワリが欲しかったラ、合図くださいネ」 

茶ビンが食卓に置かれる。
出てきたのは、S県在住の君たちならよく知った、〈緑茶〉であった。
そして〈女〉はゆっくりと

   
   「フー…」
          小        
         ┌─┐
      店 ジ│ │弓 湖
      側 朝│ │女 側
         └─┘
          七
……『3』に座った。
PC達は以上のような配置となった。(各PCの頭文字が、そのPCの座った位置。)

 「〈スープ〉は少し待てて」
 「料理人が、トッテオキ出す言ってルから」


   >>678(七海) 「フカヒレ、燕の巣…」 
           「フフ、イイ線いってるネ…」
       
           意味ありげな笑い。

           「あ、それともお客サン、素朴な味の方が良いデス?」

>全体
   「店長、『お品書き』とかほんとはいらないって言ってたケド」
   「無理言って私が作ったネ」

  「…ま、あれだ、ウン」
    「日本でのメジャーどころはだいたい作れるらしいシ」

    「珍しい物たべたいナラ……『浙江料理』デ、『ググれ』」
      「『おまかせ』も出来るヨ」

682Poaching Lakeside:2017/10/11(水) 20:05:27
>>677(小石川)
>>678(ジェイク)
>>679(七海)
君たちはテラスからの景観を眺めた。

いい天気だ。
そして、静かだ。
見える範囲では船舶は一台たりとも運行していないようで、また湖で遊ぶ子供や、釣り人の姿は見えない。
やや辺鄙ともとれる立地のおかげだろうか?車の通る音も一切ない。

ここから数kmほどの近くに漁港が見えた。
湖のむこうには〈K市〉の街並みがうっすらと見える。
西に広大に望めるH湖は町民の目から見てもなかなか綺麗であり
ちょっとした観光スポットになれそうでもある。
というより、逆にこの『隠れ家的スポット』に誰も目を付けていなかったのか、とすら
君たちは思うかもしれない。

>>677(小石川)
 「デショ?綺麗デショ?」
 「なんか土地代メッッッッッチャ安かったらしいネ 店長はいい買い物したと思うヨ」


 >>680(朝山)
 君は、今しがた運ばれてきたメニューを開いた。
 様々なメニューが、筆文字で…
 …『乱雑』に、書かれていた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・揚州炒飯(五目チャーハン)  
                 ・粽子(浙江風ちまき)

・豆腐のコショウがけ
  ・杭州風醤油ラーメン ・S茶蝦仁・ウナギのうま煮
・ナスの油炒め
        ・皮蛋牛肉粥
・烤鴨      (おかゆ)
(カエルの
  まる焼き)    
・煮帯子     ・梅子明炉鳥魚
 (貝料理)     (さかなを煮たもの)
   

        ・茄子とタチウオの煮込み
          ・エビのチリソース    ・茹で上げ味付け赤貝
・白身魚のカシューナッツ炒め
  ・アスパラ煮 
       ・白菜と豚の小籠包・八宝菜・回鍋肉・虾饺(エビの蒸し餃子)
  ・ピーマンとうなぎの炒め物
            ・ひき肉と豆腐炒め
・季節の炒め物 
・牡蠣オムレツ・東坡肉(豚の角煮)・金華ハム・蒸し鶏・団子・ゴマ団子
・キュウリのゼリー・杏仁豆腐・毛豆红椒炒肉丝・家常豆花・客家酿苦瓜
・茄汁排骨・木须肉・酸甜杏鲍菇肉盒・油爆笋丁・蒜蓉开背虾

             (以下略)


   【当店の中華料理は、S県産の食材をふんだんに使用しております】
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

  女「中華ッポイものなら言ってくれれば作れるヨ」

683弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/11(水) 22:03:02
>>681-682 >All
「あ、そこに座るんですね」

横に座った女に、弓削はさらっと言った。ツッコミというよりは事実を反芻したような感情のない一言だった。
それ以上特にリアクションもせず(ボケ甲斐のない女だ)、弓削はお茶を手に取る。
同時に、『料理人』もいるあたり一人で切り盛りしているわけではなさそうだなと心のメモ帳に記録した。

   「せっかくですし自己紹介でもしましょうか。私、弓削と申します」
   「最近この『星見町』に帰ってきた……出戻りの人間です」

   「こうして相席になったのも、何かの縁……」
   「(横にいるのは店員さんですが)」

      「気軽にお話ししましょう」ス…
      「(横にいるのは店員さんですが)」

そう言って、お茶を一のみ。
なお、フレンドリーな言葉と裏腹に表情筋は仁王立ちしている。
(動いてないということだ)

684小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/11(水) 22:49:26
>>682

   ――……?

女性が座ったことには少し驚いた。
普通のレストランでは見られないことだったから。
やがて、その驚きも直に収まった。
ここは初めて来る店だし、こういった形式の店にも来た経験は少ない。
だから、きっとこれがこの店の個性なのだろうと思った。

  「――このお店には、何人の方が働いていらっしゃるんでしょう?」

てっきり、この女性が一人で切り盛りしている店なのかと思っていた。
だけど、彼女が座ったということは、他にも人がいるのだろう。
料理人と店長が同じ人なのかは分からないけれど、少なくとも彼女一人ではないことは分かる。

  「ご丁寧に、ありがとうございます――」

  「私は、小石川という者です」

  「この町には、少し前から暮らしております……」

こちらも挨拶を返し、その場にいる全員に向かって丁重に頭を下げる。
そして、手元の茶碗を両手で包み込むようにして持ち上げ、口元に運んで静かに傾ける。
今は胸の奥がざわつくこともなく、秋晴れの空のように穏やかな気分だった。

685七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/12(木) 00:39:41
>>681(GM)
>ALL

景色も良いけど、それより今は人間が気になる気分だった。

「中国茶とかじゃなくて緑茶なんだね〜。飲んでみよ」

音はあまり立てないように、茶を口に含む。味はどうだろう?

・・・座った事には突っ込まない。
ほかに客もいないし、こういう接客スタイルも個人的はアリアリだ。

「にゃはは、これは期待できそうな感じだね!
 ん〜そうだね、味は料理人の人のオススメに任せようかな」

     「それが一番おいしい気がするんだよねぇ」

素朴な味も多分おいしいんだろうけれど、
フカヒレや燕の巣はそれほど食べる機会は多くない。

それに、この言い方だと聞いた事も無い珍味が来てくれるのでは?
そんなことを想いながらお品書きを見ると、やはり知らない料理だらけ。
中華の経験がないわけじゃないけど、メニュー名はそんなに覚えてない。

「ワオ、メニュー豊富〜。エビチリは『玉将』とかでも食べられるし、
 見たことも聞いた事もないのが良いよね、『これ』とか『これ』とか」

指先はメニューの後半、たとえば『油爆笋丁』などの上を踊っている。
べつに遊び半分に食べるんじゃなく、遊びも美食の一環だと思っている。

「ああ、アタシは『フラン』でいいよォ。
 名前は気安いってシャイな人は七海(ナナミ)でヨロシク!」

         「旅してるコトも多いけど、家はこの町〜」

名前は一度言ったけど、もう一度言うくらいは大変でもない。
かしこまったことはしない。礼儀もいいものだけど、カジュアルに行きたい。

686ジェイク『一般人』:2017/10/12(木) 01:05:54
>>681-682

ここからの景色はいつも見ているものと変わりない。
湖畔や繁華街を住処にしているのだからそれは当然ともいえる。
であればこの店は自分ん行動圏内に建てられた異物ということになる。
本人がそれを感じているのかは態度にも言葉にも表れなかった。
少なくとも現段階では。

「名を名乗る必要があるのか?」

「ジェイコブ・ケイディ・ワイアット。人はジェイクと呼ぶ」

誰とも目を合わせない。
退屈そうに外の景色を見つめ続けている。

「ウエイター。お前がまるで輩かすり寄る猫のように椅子に座ったことは問わない」

「蝦多士、叉焼、燒賣、雲呑はあるか」

それからポケットから一万円札を出し机の上に置く。

「これの範囲で適当にやれ」

687朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/12(木) 18:07:03
>>681-682(レス遅れ失礼しました)

 >お待たせシマシタ 〈お品書き〉と〈緑茶〉デス

「ありがとうっス!! まずは一杯、いただきまーすっス!」

 スゥゥ―と鼻から緑茶の爽やかな香りを吸い込むっス!!
そしてゴクッ! と一口いただくっス!!

 「ん〜〜〜〜っ!! 良い味っス。これぞ、中国4千年の味なんっス!!」
中華かぶれな事をのたまう朝山。

店員さんが一緒に座ったっス! 多分、一緒に食事をしたい気分なのかも知れないっス!
 こー言うのをサプライズって言うんっス!!

 「店員さんも一緒に食べるっスか? あっ! 自分は朝山っス! お名前を教えて欲しいっス!!」

 ちゃんと自己紹介し合えば、今度来た時とかじゃなく。今日から友達になれると思うっス!

 「うーーーーーーん!!! いっぱい料理が載ってるっス! 悩むっス」

 カエルの料理に…あっ! 牡蠣オムレツなんて美味しそうっス! オムライススター見たいに
星の形をしてるかも知れないっス!

 うっ   うなぎとピーマンの炒め物……ピーマン料理があるっス……。

 「うーーーーんーーーー・・・よ〜しっ! 『おまかせ』を頼むっス!!」

 こー言う一杯ある時は、店員さんの自信料理を頼むのが一番っス!!

688Poaching Lakeside:2017/10/12(木) 21:08:52
>全体
「『クォ・ペイ』」
「看板娘やってるねー ヨロシクー」
「オマカセ三つ承りィ〜」
伝票をとりながら、〈女〉も自己紹介に参加してきた。
>女子
君たちは薄黄色の茶を口にする。
さっぱりした甘い風味だ。
不思議と、野花のような香りが後を引いた。

   >>683(弓削)
   「〈気軽に〉って言うナラもっと笑おうヨ、弓削」

    グニ      「ハイ笑顔」

   横にいる店員は、君の頬をつまんでグイーっと上げる。馴れ馴れしい。

  >>685(七海)
     「ちなみに〈笋丁〉っていうのは〈タケノコ〉ネ」
     「ウナギ料理とかイインジャナイ」
     「食べ慣れてるカモしれないけど、コノ街じゃ〈蒲焼〉ばっかデショ」 
    隣の席から君の見るメニューを覗き込む。馴れ馴れしい。

  >>687(朝山)
    「ウンウン、イッショニ食べようネー」
   
     ヨシ ヨシ     「朝山は〈茄子〉っテ食べられる?」
    向かいから手を伸ばして頭をナデナデしてきた。馴れ馴れしい。

    「あとこの茶S県産ダヨ ここの県ダヨ」

>>684(小石川)
「働いてたの、五人……『だった』」
「『今週になって急に』辞めちゃってネー」
「だから今は二人ネー」
「『今週になって急に』お客サンも減っちゃってネー」
「だからワタシ今〈寂しがりやさん〉ネー」

…とりあえず、料理人と店長は同一人物のようだ。

>>686(ジェイク)
 「ハーイ叉焼、燒賣、雲呑」「……『ハトシ』デスか?」
  「…まあ、エビならいっぱいアルし、作れるか」
伝票に注文内容をスラスラと書きこみ、紙幣を受け取り…… …女はまだ座っている。

 君は湖の外を眺める。
 と言っても君からすれば、この近辺もわりかし見慣れた物かもしれないが。
 いつも通り、このエリアの湖畔沿いには、建物がいっさい無い。
 少し離れた所に漁港があるが、それ以外の建造物はすべて湖岸から少し離れた位置に建っている。
 それは…なにか『作為的』であるかのようにも見えなくもない。

 それを見て、近辺に詳しいジェイクは〈ある噂〉を思い出すかもしれない。
 『湖の神』を知っているか?

(…更に!もし『ジェイクが、ここの近辺を非常によく知っている、だから〈噂の正体〉も知っている』
という事であれば、GMは『噂の正体』についてある程度をジェイクPLに教える事を厭わない!)

689弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/12(木) 23:02:41
>>688
「…………」グニィ〜

       「こうでしょうか」グニィ〜

微動だに……しない! こうでしょうかと言いつつ毛ほども笑っていなかった。
あるいは本人は笑っているつもりなのかもしれない。意外と闇が深い事情でもあるのだろうか。

    「ちなみに、クォさんのオススメはなんでしょう」グニィ〜

  「料理人の『おまかせ』ではなく……貴女のオススメは?」グニィ〜

されるがままにグニられながら、問いかける。
店員のオススメを聞く……通常であれば順当な選択かもしれないが、この状況下で聞くかという感じだった。

690小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/12(木) 23:22:11
>>688

     スゥゥゥ……

茶碗を置いて、軽く深呼吸する。
S県産だと聞いたけれど、飲んだことのない味だった。
味も香りも自分の嗜好に合うものであり、素直に美味しいと感じられた。

  「そう――ですか……」

クォ・ペイの話を聞いて、少し不思議に思った。
店の人が急に辞めたというのは、事情があったのだろうと考えれば納得できる。
だけど、同時に来客の数も減ってしまうというのは奇妙な偶然だ。
そういえば、ついさっき土地代が安かったという話を聞いた。
この時期、この辺りで、何かあるのかもしれない……。

  「クォ・ペイさん――」

顔を上げ、そっと呼びかける。
けれど、その表情に不安の色はない。
そこにあるのは柔らかい微笑みだった。

  「私も寂しがり屋なんです」

  「お揃いですね」

寂しそうなクォ・ペイの様子を見たことで、頭に浮かんだ疑問も薄れてしまった。
彼女の姿に共感を覚えたから。
私も一人で過ごしている時に、ふと寂しさに襲われることがある。
そんな時は人通りの多い賑やかな場所に出かけることもあるし、
相席を選んだのも同じような理由だった。
だから、彼女が寂しさを感じているなら、今だけでもそれを紛らわせてあげたいと思った。

  「注文させてもらっても構いませんか?」

  「……おまかせと――」

  「これをお願いします」

そう言って、メニューの一ヶ所を指差す。
そこには(カエルのまる焼き)の文字があった。
カエル料理は、故郷では何かの行事などの折に出される料理だった。
自分も、子供の頃から何度か口にしたことがある。
この町では初めて目にしたので、懐かしさを感じたというのが、注文した理由だった。

691七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/12(木) 23:54:37
>>688(GM)

「はーい、ペイさんヨロシク〜!
 あ! クォさんとか、ペイちゃんとかのが良いのかな?」

         「アタシは何でもいい派〜」

呼び方は気安さとイコールじゃないけど、サン付けが嫌な人はいるものだ。 
まあ、そういうのは気にしないこともあるんだけど、今日は気にしてみよう。

「んーじゃあウナギにしてみよっと! このお茶も美味しかったし、
 ウナギって蒲焼と白焼きと、ゼリーしか食べたことないから楽しみ〜」

美味しいお茶だ。食べ物もおいしいだろう。きっといい店だ。
でも好奇心とは乙女心に似ていて、『店の事情』に向いている。

あるいは――このいいひとそうな、クォ・ペイの事情に? どっちでもいい。

「それにしても、急に三人もやめたって超大変じゃぁん。
 バイト探してる子に教えたげよっかな。クォ・ペイさんちゃんはプロの人だよね?」

           「すごい接客上手だし〜。にゃはは」

面倒ごとに首突っ込んで回りたいわけじゃないけど、
今から自分が食事する店の事は知っといて損しない。
大変だと同情する気持ちももちろんあるけど、どうにもきなくさいものも感じる。

      ――――『お客さん』と『店員さん』が同時に減る、なんてハナシには。

692ジェイク『一般人』:2017/10/13(金) 00:15:05
>>688

自分の指を絡め合い二つの手を一つの塊に変える。
それをテーブルに引っ掛けるようにして置いた。
ゆっくりと目を閉じる。
それはいかにも思案しているような雰囲気だ。

「……」

男がこの街に来た理由はない。
この国に来たのは導かれてだがここに根を張るつもりはなかった。
だがスタンドを求めるようになってからこの街に居着いた。
その中で聞いた話もある。
湖の神もその一つだ。

(噂の正体はこのミッションの面白みの一つだと考えていますし、こちらのPC設定からそれを一部であろうと知るのはほかの参加者への不義を感じます。
噂の正体を教えていただく必要はありません)

693朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/13(金) 07:38:12
>>688

 「茄子は大好きっスよ!! 中華料理はなんだって大好きっス!!!」

頭をなでなでされるのは別に構わないっス! よく、おばあちゃんや
お母さんに、のり先輩やムーさんもしたりするっスからね!!

 「ふーむ、S県産の茶なんっスか。
そー言われると、これぞ正に! S産の茶としか言えない味っス!!
わが故郷の味っスよ!!!!」

 ごくっ!

 「お代わりっス!!」  ドン!!!

 美味しいお茶っス!! お代わりするっス!!

694Poaching Lakeside:2017/10/13(金) 23:35:13
 >>689(弓削)
 「か、変わんねェ〜〜〜〜〜……」 「顔鍛えてんノ?」
 
  戦慄している。

 >>690(小石川)
  「『お揃い』!」
  「一緒にイッパイ寂しがろうヨー!」「小石川モ『客不足』?」

 >>691(七海)
 「呼びかたは『ペイ』でイイヨー」 

 「ウーーーーン」
  「辞めてく人に〈せめて替わりの人間を用意しろ!!〉…ッテ店長が言ったんダケド」
  「一人が、〈無駄だ、この店は『潰れる』〉………ッテ」

   「失礼ダヨネー 『潰れる』なんて」 
   「店は『鉄筋コンクリート製』ダカラ そー簡単に『ペッチャンコ』に ならないと思うノ」

 >>692(ジェイク)
  「眠イノ?」
   「ナンカ喋ろうヨ ジェイク」 「ジェイクはサカナ好き?」


 >>693(朝山)
  『ペイ』は、茶ビンから、君の茶碗におかわりを注いでくれた。
  そして、茶ビンの蓋を、外し、ずらす。

    カチャ

  「フフ これはお茶のおかわりをほしいのサインだよ」
   「中国では茶ビンのフタをずらしておくとおかわりを持ってきてくれるんだ」

  「また人に お茶を茶碗にそそいでもらった時は 
    ひとさし指でトントンと2回テーブルをたたく
     これが「ありがとう」のサインさ」

695Poaching Lakeside:2017/10/13(金) 23:39:44
>全体
「エト、〈おまかせ〉二つと〈カエルの丸焼き〉〈茄子のなんか〉〈鰻のなんか〉承りィ」
「私のオススメ? 〈蒸し物〉カナ」
「ウチの料理人は〈蒸し〉は妖術みたいに上手よ」

 「あとオイシー魚介類イッパイ買えたヨ クルマエビとか 鯛とか 貝とか」

「…………虾饺(エビの蒸し餃子)作ラせよっか」
『ペイ』は、さらさらと注文内容を伝票に書き込む。



   「――――――――――お待たせしました」

      「『フォーティャオチァン』です
         ………冷めないうちにお召し上がりください」 


君たちが談笑している間に、
〈東洋人〉の男が、食卓にやって来ていた。
コック服。『料理人』だ。
君たち5人それぞれの前に、スプーンとちいさな『壺』を配膳する。

    コト

   「あッスープ来たネ………私ノ分は?」

白磁の壺だ。『蓋』で密閉されており、中身は見えず、香りもしない。
配膳が終わると、男は静かに『ペイ』の手元から伝票を取り上げ、厨房へと戻ろうとする。

696弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/13(金) 23:47:48
>>694-695
「仕事柄」  「笑顔が大切な職場でしたので」

じゃあなんでその顔なんだという話だが。
ところで弓削のオーダーはおまかせになったようだ。
まぁ店員のオススメ=おまかせといって差し支えないだろう。

「このお店、賄いももらえるんですか?」

男にガン無視されているペイに問いかける。
他意はない。言葉通りの疑問だった。

697小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/14(土) 00:22:58
>>694-695

「ふふ、そうね――訪ねてくる『人』は少ないわね……」

何か意味ありげに、くすりと笑う。
ペイの言う意味とは違うが、来客はあまりいない。
時折、人間ではない者が訪ねてくることもあるけれど――。

「でも……今は寂しくないわ」

「こうして、あなたや他の人達とお話ができるから」

ペイを含めた五人に視線を巡らせる。
思えば、こうして大勢で食事をするのは久しぶりだった。
出会ったばかりで、ただ相席になったというだけの間柄だけど、それでも何だか嬉しかった。

「――ありがとうございます」

料理人であり店長でもある男性にお礼を言って、軽く頭を下げる。
そして、音を立てないように静かに蓋を開ける。
中国語の心得はないので、名前の意味は分からなかったけれど、
とっておきと聞いているから、きっとその言葉に相応しい一品なのだろう。

698七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/14(土) 01:51:16
>>695(GM)
>>697(小石川)

「オッケー、じゃあペイって呼ぶ事にしよっかな。
 それにしてもひどい話だよね〜、風評被害っての?
 良い感じのお店だし、潰れちゃったらアタシ嫌だなぁ。
 せめて『なんで潰れるのか』教えてくれればいいのにィ」

       「そしたら防災しやすいのにね〜」

やや大声で……料理を運んでくる人物にも少し聞こえるように。
ペイに対して共感する気持ちは本当だ。不可解な裏を読む気持ちも。

――実際、ひどい話じゃん。何が起きてるのか分からないけど。

        「どもども〜」

「へ〜っ、ツボに入ったスープ? 初耳〜
 これ開けちゃっていいのかな、いいよね? 開けちゃえ!」

               ス…

小石川の嬉し気な視線には笑みを返しとくけれど、
揃って『いただきます』を言うべきだって視線ではないはず。
心の中ではそうした気持ちが無いわけじゃないけど、とりあえず開ける。

聞いてみたい事はあるけど――料理屋に来て、料理より優先するほどではない。

699ジェイク『一般人』:2017/10/14(土) 18:40:32
>>694

「何を話すことがある」

「魚に馴染みなどない」

「それに俺たちは本来食卓を囲む間柄でもない」

「この肉体が食を欲しているのなら」

「魂が求めているのは静謐だ」

目は開けない。
その必要が無いのだから。
力みなどない自然体。その状態で言葉を返す。
ゆっくりと思考する。
湖の神、どこで聞いたのだったか。

700朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/14(土) 22:17:38
>>694-695

>また人に お茶を茶碗にそそいでもらった時は 
 ひとさし指でトントンと2回テーブルをたたく
 これが「ありがとう」のサインさ

「ほぉ〜、そんなサインがあるんっスか。一つ賢くなったっス!
ぺーちゃん有難うっス!!」

 トントンッ! と言われた通りに人差し指でテーブルを叩くっス!
店員さんなだけあって物知りっス!

 >『フォーティャオチァン』です
 ………冷めないうちにお召し上がりください

 「ふぉ  ふぉーてぃーおっちゃんっと言うスープっスか!!
ずばり、その英語の日本語訳を、私は知ってるっス!!
 四十のおじさんスープっスか……むむむっ、これは凄く脂がのってるようっス
 あっ! スープ有難うっス!! この調子で、ほかの料理もお願いするっス!!」

 眉間に強く皺を寄せる感じで、ツボを見下ろすっス!!
でも、すぐに眉間の皺を消して。スープを持って来てくれたことにお礼を言うっス!
ちゃんと、食事を出してくれたら。お礼を言わないといけないっス!!

 「スープ飲みたいっスか! それじゃあ、この私がスープを半分
わけてあげるっス! その代わり! 今日からぺーちゃんは私の友達っス!!
 一緒に、御飯を食べる皆も友達っスよ!!」

 ぺーちゃんは、面白い店員さんっス。そして、我が悪の星見町征服の為にも
友達は多いに越した事がないっス!!!

701Poaching Lakeside:2017/10/14(土) 23:25:58
>>698(七海)
 「…」    料理を運んできた男は黙っている

>>699(ジェイク)
干渉は不要だと店員に言い放つと、君は思考をめぐらす。
確か…噂は、『漁港』のそばの区域で聞いた気がする。
ちょうどここの近くの……さきほど湖を見たときに見えた、あの漁港。
そこから僅かに『内陸』の、人通りとかだった。

>全体
七海と小石川が、蓋をあけた瞬間


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                   /:ー――――'::::::::}
                  /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
                    /::::/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                  ̄



          そこにいる皆、爆音を聞いた『気がした』



>全体
誤解を招き申し訳ない、『爆音』というのは比喩である。
むろん、君たちの周囲に変化はない。
実際に君たちが感じたのは、香り、いや『爆香』だった。
爆発にも例えたくなるような、猛烈に〈旨そうなニオイ〉。

蓋をとった者たちが壺の中に見たのは、〈深い琥珀色の、透き通ったスープ〉。
何かの肉のような小さなものが、いくつも入っている。


「40歳のおじさんスープじゃ無イヨ」
「『修行僧すら壁を乗り越えやってくるスープ』っテ意味ダヨ」
「たくさんのウマソーな材料を入れまくって蒸しまくったダケノ暴力的なスープネ」

「材料は、豚の各種部位、鴨の各種部位、海デとってきたナマコ、フカヒレ、
 鳥ガラ、ネギの青いところ、エビの殻、カニ、干しシイタケ他各種キノコ、
 杜王町で密りょ………合法的にとってきたアワビ、牛の挽肉からとったダシ、
 金華ハム、サンショウウオ、アユ、カツオ節、サバ節、隣の県で狩って来たシカの尻尾、
 朝鮮人参、ホンビノス等各種乾燥貝、クコの実他各種乾燥果実、それにそれに――」

       ペイ
  「―――『沛』、黙りなさい…店の裏事情や御託では、お腹は膨れません」

  男が、『ペイ』の発言を遮り、そのまま続ける。

  「お客様、まずはご賞味あれ」
   「それと、店員に料理を分ける必要はありません。
     料理はお客様だけのものです……賄いなら、十分出しておりますので。」

    「………ごゆっくり、どうぞ。」
 
   そこまで言うと、空いた茶ビンを回収し、料理人の男は厨房に去って行った。

702弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/15(日) 00:01:52
>>701
「……」 「これはおいしそうですね」

爆発にも似た『匂い』に、無表情ながらも感想をぽつり。
正直、これほどの料理のファーストインプレッションは……
仕事柄高そうなお店によく行っていた弓削の経験上でもなかった。

だからこそ、否応なしに期待が高まる。
これほどの香り……味はいったい如何程か。
他の面子に追従するように蓋を開けて食べてみる。
冷めないうちに、と料理人も言っていたことだし。

703小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/15(日) 00:45:38
>>701

  「――」

  「――……」

  「――……あっ……」

しばらくして、ようやく我に返る。
あまりの出来事に、最初は何が起きたのか分からなかった。
気付けば、蓋を取った姿勢のままで呆然としてしまっていたのだから。

蓋を開けた瞬間に、何か大きな衝撃を受けたような気がする。
少なくとも、今まで感じたことのない体験だったことは覚えていた。

  「……とても――凄いお料理なのね……」

まだ余韻が抜け切っていない状態ながら、
ペイの説明を聞いて先程の衝撃の意味をおぼろげに理解した。

それにしても、選りすぐりの材料を使っただけで、誰にでもこの香りが作れるとは思えなかった。
きっと、料理人の腕が優れているからこそ、この一品に仕上がっているのだろうと思う。
こんな料理を作り出せる彼は、一体何者なのだろう。
知らず知らずの内に、この店に対する畏敬の念が心の中に生じていた。

  「――いただきます……」

心を落ち着かせたのち、厳かな気持ちで手を合わせる。
そして、未知の芳香を立ち昇らせている料理と正面から向き合う。
食事の最中に、こんなに緊張したことは、今までになかったことかもしれない。
気持ちを引き締めていないと、思わずスプーンを取り落としてしまいそうになる。

困難な外科手術に臨む執刀医を思わせる繊細な手つきで、
壺の中に広がる小さな琥珀色の海にスプーンを浅く沈め、一匙分のスープを慎重に掬い取り、
細心の注意を払って口元に運ぶ。

とても長いようで、実際にはごくごく短い時間が過ぎ去り――
やがてスープが舌先に触れるのを感じた。

704七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/15(日) 01:07:15
>>701

だんまり。と来た。つまり喋りたくない話ということで。
まあそれは普通だろう。あんまり愉快な話ってわけでも――

                  パカッ

――――『爆発』!

            「!?!?!?」

     「にゃはっ! なにこれっ」

「わーぉ! すっごい! ブラーヴォ!
 こんなオイシソ〜な匂いのスープ、中々ないよ」
  
         「なのに見た目はお上品じゃん!」
 
               「すごいギャップ。ウケる!」

店の話など今はいったん、どうだっていいじゃないか。
この、思わず跳び上がりそうなほどいい匂いのスープの味が気になる。

「それじゃ〜……いただきまぁす。
 合法的スープのお味はいかに!」

                  「あ、具もすくっとこ」

雑念を払って、スープを味わう事にする。肉のようなものも一かけら、口に。

705ジェイク『一般人』:2017/10/15(日) 23:18:07
>>701

ジェイクは内容を思い出そうとしてやめた。
あまりにも時間がかかるような気がしたからだ。

「……」

爆音に特に動じた様子もなくひげを触った。
壺のふたを取りそれを見つめる。

706朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/16(月) 14:05:41
>>701(レス遅れ失礼しました)


「ぬ」


 (  Д ) ⊙ ⊙

 「ぬあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

 凄いっス!! 蓋を開けた瞬間、私の中の食鬼が悲鳴を上げたっス!!!
多分、グルメ度は一万を超える代物だと思うっス!! もしかしたら
伝説のグルメ界にある品なのかもしれないっス!!!

 もう、これを口に含む事を想像するだけて涎が咳を止まらず口の中に溜まってるっス!!

 「いただきまーーーーーっス!!!」

 一口、スプーンで口に含むっス!! いざ、グルメの世界に飛び込むっス!!

707Poaching Lakeside:2017/10/16(月) 23:55:58
(レスが遅れてしまい、大変申し訳ありません)

>全体
『フォーティャオチァン』目ん玉が飛び出るほど凄まじき香りを放つスープを、君たちは口に運ぶ。
端的に言うとおでんとコンソメとラーメンのスープ、雑煮その他スープを掛け算したような味だった。
しかし材料の個性たちは喧嘩することなく、するりと香りが鼻を突き抜ける。余韻は極めて長い。
『美味しい×美味しい=もっと美味しい』の完成系というか、動物性のうまみの塊というか、
圧倒されるというか、生物として全身でウマさを感じるというか、あーもう面倒くせぇ


                      l' ̄'〉「´'~〉           「⌒' ̄〉
 l ̄`' ̄~ ̄^ ̄ ̄~ ̄'~ ̄ ̄7  |  '| |,  |           |    |               |`~〉
 |                   ´| 〈__j_,|〈,;_|               |    |                   | |
  |__j_;,__j_,       〈      .「' ̄〉| ̄`' ̄~ ̄^' ̄~~    '~ ̄7          | ̄` ̄~`  ̄7
              |       '|.   ,  |  | | : . .              ´|       |`~〉 .|_j__,j_,   〈
            〉: : .. ..   |` ̄~^ ̄`  '~ |__j_;,__j__,      〈       | |     /  、| ̄
               |     |j_;,_j_,     〈       /     、| ̄  | ̄` ̄~`  ̄7/´ , イ 〈
            .,ゝ      |    /   、| ̄    ._/´        〈    .|_j__,j_,   〈く  / .| |
              l、      | _/´ , イ  〈    ../ヽ   ,イ   ,|     ./  、| ̄ `"   .|__,|
            .l´: : . .   〈,:'ヽ / l   ,|   /     ,/ |    l     /´ , イ 〈.    「' ̄〉
  l ̄~ ̄`' ̄ ̄' ̄~       | ,/  .|, 「' ̄〉/ ,   ,/  |   |    .く  / | |    .|  |
  .〉                ´|~    .〈__|  |\ノ 、/ .|`~〉|__|.   .`" .| ̄` ̄~^ ̄`  '~ ̄7
 ..|__j__人,___j____,___| l ̄` ̄~^` ~ ̄\/  ..| |        .|`~〉. |_j_;,_j__,      〈
                      |_j_;,_j_,     〈| ̄` ̄~   ̄7     | |         /   、| ̄
                          /   、| ̄ |_j__,j_,   〈 l ̄` ̄~`  ̄7   _/´ , イ  〈
                       _/´ , イ  〈    ./  、| ̄ |_j__,j_,    〈 ./ヽ / l   ,|
                      /ヽ / l   ,|   /´ , イ 〈    /  、| ̄ .く  ,/   |,   |
                     く  ,/   |,   |   く  / .| |   /´ , イ 〈  .  ~~    〈__,|


 つまり、こういう味だった。以上。


あまりの味に、スープを飲んだ者(ジェイク以外のPC)たちはしばらく茫然とする。夢見心地。
『ペイ』が、「チョーーーーーオイシイでしょ!?」と言っているのがぼんやりと聞こえる…

708Poaching Lakeside:2017/10/16(月) 23:56:43
>>702(弓削)
  ペイ「サスガにこれを飲めば弓削の表情モ……」 

>>703(小石川)
  ペイ「材料を入れて、蒸したダケ……なんだケド、 
     手間と、材料の選別、分量の調整がトッテモ大変ナノネ」
>>706(朝山)
  ペイ「目ン玉めっっっっっっっちゃ飛び出ちゃうデショ?」


>>704(七海)
入っていた肉は……
〈なんかゼラチン質っぽいなんか〉だった。おそらくナマコ。味が染みている。
スープはたいへん旨い。それはそれでいいのだが、

夢見心地のまま、顔を上げたときに。
 
―――君の正面の景色、店からはやや離れた湖岸に『人影らしきもの』が、『ひとつ』見えた気がした。
むろん、〈夢見心地〉の中である、はっきり姿は確認できなかった。
ただ、『何か』か、
〈湖岸のあたり〉から、店舗の脇の軽トラが停めてあった〈駐車場〉にかけて。
『なにかが駆け抜けていった気がした』



>>705(ジェイク)

  ジャバジャバジャバジャバジャバジャバジャバジャバザッザ
  ザッサ ゙ザッザ ザッザザッザ ザッザ ザッザ ザッザ ザッザ ザッザ ザッザ

 スープの壺にに目を向けていた、数瞬の間。
 北方向だった。浅瀬の水、砂利混じりの湖岸の地面を、一定のリズムで『踏みしめるような音』がした

  ―――――なにかが『駆け抜けていったような』音だ。

709Poaching Lakeside:2017/10/16(月) 23:57:26
【MAP】
道         ∴∴∴∴∴∴湖
道     ┌――┐∴∴∴∴∴∴湖
道     |軽トラ∴∴∴∴∴∴湖
道     └――┘∴∴∴∴∴∴∴湖
道     ●●●●∴∴∴∴∴∴∴湖
道     ●●●●∴∴∴〇∴∴∴湖
道     ●●●●  ∴∴∴∴∴湖
道     ●●プププ  ∴∴∴∴湖
道電 ┌窓――扉―――┐ ∴∴∴∴∴湖湖
道  |?|?????| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |?|?????| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |閉|?????| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|?????| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|?????|排∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|?????|気∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□└―――□―|∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□レ□□□□掃|ttt∴∴∴∴∴湖
道  窓□□□い□□┌┘□小□t∴∴∴∴湖
道  閉□□い机い□窓□ジ机弓t∴∴∴∴湖
道  窓□□□□□□閉□朝机ペt∴∴∴∴湖
道  窓□い□い□□窓□□七□t∴∴∴∴湖
道  |い机い机い□|□□□□t∴∴∴∴湖
道  └―窓――窓―┘ttttt∴∴∴∴湖
道          ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道          ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道電         ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
(マップ上方向を北とする)

備考:『t』で囲まれた、〈テラス〉の下も『∴』
   テラスは、地面より数m高い位置に、数本の〈コンクリート柱〉で支えられる

〇→七海は、ここに『ひとつの人影?』が走るのを見た気がした。ジェイクは、このあたりに音を聞いた。
●→七海が見た『人影?』が、たぶん今いる場所。
  たくさんあるが、こんな数の『人影?』がいたわけではない。予測するとこのへん、という範囲。

弓→弓削  スープにくぎづけ
小→小石川 スープにくぎづけ
七→七海   スープにくぎづけだが、北にいた『なにか見た』気がした。
ジ→ジェイク スープを眺めるだけ
朝→朝山 スープにくぎづけ
ペ→店員の女

?→なにがあるかは不明。『死角』だ。

―|┘└ ┐┌ →飲食店の壁
道→この字より西は、数mの幅のアスファルトで舗装された道。
湖→この字より東は、H湖が広がっている
∴→湖に向かって坂になっている。砂利っぽい地面に雑草がたくさん生えていて、地面はよく見えない。
電→電
□→建築物の床
t→テラスを囲む柵
机→食卓 テラスの食卓は、上下で二つに分かれている
い→椅子
窓→ガラスの窓
閉→ドア。閉まっている
掃→掃除機具が入ったとおぼしきロッカー
扉→そういえばここに勝手口を見た気がする……
プ→プロパンガスのボンベ
排 気→空調の室外機。

710小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/17(火) 01:07:18
>>707

  ――美味しい……。本当に……。

ペイに問い掛けられても、それに対して何か答えることはできなかった。
自分の感覚の全てが、味覚に集中している状態だったのだから。
それ以外のことは何も感じ取れない程に、このスープの味に圧倒されている自分がいる。

この世のものとは思えない味というのは、このような料理のことを指すのだろうと思った。
単に美味しいという言葉だけでは表現しきれない、まさしく凄絶とでも呼ぶべき味だった。
おかしなことかもしれないけれど、美味しすぎて怖いとさえ感じていた。

  「――え……?」

  「……ええ……。そう――ね……」

ようやくペイの言葉に気付き、まだ頭の中に濃い霧がかかったような状態で、
途切れ途切れに曖昧な返答を返す。
今は、それが精一杯だった。
わずか一口のスープによって、考えるという意識そのものを、
根こそぎ持っていかれてしまったような気持ちだった。

       スッ……

自然と早まる鼓動を辛うじて抑えながら、震える手でスプーンを動かし、
再びスープを掬って口に運ぶ。
ただそれだけの単純な動作にも、無意識の内に全ての神経を集中させずにはいられない。
また誰かに話しかけられたとしても、それに普段通りに応じることは、
きっとできないだろうと思う……。

711七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/17(火) 02:10:39
>>707-709(GM)
>ジェイク

「ウワッ・・・・・・!! いや〜〜〜、なんだろ、すごいね。
 中華って感じ、なんだろう? 言葉で言うのは無粋ってやつ?
 そういうのグルメ漫画だけの話だと思ってたけど、あるもんだね」

        「つまり」
  
              「すごすぎ! チョーおいしいよこれ!」

匂い通り、すさまじい味。でも美味しい。素人の『美味しい×美味しい』じゃない!
美味しい×美味しいの公式が『超美味しい』になるような組み合わせを厳選している!

何と言えばいいんだろう―――――すごい!
七海フランチェスカの食事観を変えかねない強烈な美食体験のファンファーレだ。

「いやぁ、すごいね、これは来てよかったぁ………………」

                     「……??」

味覚信号の奔流の中で、なにかを見たような気がした。
なんだろう。人影。別に珍しい事ではないけど。『誰かいた』?
走って行った? 人が…………なんだか妙に気になる。『駐車場』の方へ行った?
一人で、湖の畔から、駐車場に向かって走って行くのは、どんな『意味』がある?

「ん、ん、んん〜〜〜?」

周りの様子的に、これは自分しか気づいてない? 
――――まあ、こんなおいしい時間だし気づかなくて当然か。

自分もそうだったけど、みんな夢見心地だし。
だから、どうでもいいけど、夢から中途半端に覚めたような。
美食の最中だからこそ、気にならないものが気になったような。

「んん……そうだ。ねねね、ジェイコブ……あ〜違うよね、ジェイクさん!
 今さあ…………あっち(北を指さす)の方でなんか走って行ったの、見えた?」

                「気のせいだったらゴメンネ〜」

だから一番、おいしい時間を楽しんでなさそうなひとに聞いてみるのだった。
ジェイク。料理をまだ食べていないようだったし、気づいている可能性がある。

位置的に、彼からも見えていておかしくないはず。あるいは聞こえていておかしくないはず。

712弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/17(火) 19:33:30
>>708
「だいぶ綻びますね」

とか言いつつ微塵も変わらない!
でも雰囲気的にはとても美味しい感じを醸し出しているので、これはもうそういう個性なのかもしれない。
平均的なリアクション値になんか0.01くらい独自の定数がかけられてるだけで、リアクションが『ない』わけではないのだ。

「しかし本当においしいですね」
「どこかで修業でもされていたのでしょうか……クォさんはご存知で?」

完全に雑談だが。

713ジェイク『一般人』:2017/10/17(火) 20:50:31
>>708
>>711

「……」

今度は髪を撫でた。
赤い髪が手の中で揺れていく。
まだ壺に手をつけない。

「ん」

七海の言葉に反応したのか目線を彼女に向ける。
壺を見ていたからか俯きがちな顔が見上げる。
不気味な顔だ。

「見てはいない。だが聞こえはした」

「羊か狼かは分からないがな」

ぐっと椅子の背もたれに体を預けた。
にやにやと笑いだし、風貌も相まって不審な雰囲気が強まる。

「それがなにか?」

714朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/17(火) 21:05:38
>>707-709 711

 「うぉ…………」

  ポロポロポロポロ

 「うぉうぉうぉうぉうぉうぉっス(かんどうしたっス)……!
うぉっ うぉうぉうぉうぉうぉうぉ(こんな こんな美味い味が世界にあったとは)
 うぉぉ うぉ うぉ うぉっ うおおおおぅぅっス!!!!
(いま せっ せっ 世界が 切り開いたぁぁっス!!!!)」

 涙を滝のように流しながら 余りの美味さに朝山はセッ語ならぬセッコ語を
話し始めた!! 因みに、面倒くさいから何事もないように次から普通の言葉を発する

 「ん? 何か向こうにあるんっスか??」

 七海さんって人の言葉を聞いて、自分も立ち上がりつつ手を双眼鏡のようにして
言われた向こう側をじーっと見てみるっス!!

 もしかしたら、湖畔にしか住んでない伝説の生き物かも知れないっス!!!

715Poaching Lakeside:2017/10/17(火) 22:26:25
>>709(小石川)
スープは、この強烈さに反して飽きない味だった。
一口目ほどの衝撃はないが、それでも君は『轟音』が聞こえるかのような体験ができた。

>>712(弓削)
 「ウ、嘘 これでも変わらナイなんて」
 「…ネエ、弓削……悩みアルなら聞いてあげるヨ……?」

  店員は心配そうにしている。

  「ン?店長?  
   親の代から、いろんなとこで中国料理やってたらしくて、
   子供の頃カラあちこち転々としてたらしいけどケド」   

   「特に『浙江』が気に入ってて」
   「あッ『浙江』っていうのは、中国ノ地方の事ね 
    エビとかウナギとかとれるおっきい湖がアルノ 」
    「とにかく、ソコの料理を勉強シテ、その後ニホンに来た」
    「……あ、言ってなかったケ 店長は『中国人』ヨ」

>>710(七海)
>>713(ジェイク)

ペイ「あっそれ私も聞いたカモ」
  「ざっざっざっって、湖のほとりから走るヨウナ音!」
  「誰かイタのかな」
  
  「…見テこよっか、お茶のオカワリもあるシ」

  店員は立ち上がり、店内へと歩き出す。

>>714
君は味覚の奔流が終わり次第、その場で立ち上がり北を眺めた。
湖岸の砂利っぽい地面は、雑草で覆われており『何かの足跡』などは見えない。
雑草に隠れて『何かありそうな』雰囲気もするが、テラスからでは確認できなさそうだ。
湖はしずかに波立っている。〈UMA〉は確認できない。


>全員

    ゴボボ
         ザパ…

テラスの近くの湖が、泡立ち、かきわけられたのが聞こえる。
水際に、『なにか』が、いる。

716Poaching Lakeside:2017/10/17(火) 22:27:08
【MAP】
道         ∴∴∴∴∴∴湖
道     ┌――┐∴∴∴∴∴∴湖
道     |軽トラ∴∴∴∴∴∴湖
道     └――┘∴∴∴∴∴∴∴湖
道     ●●●●∴∴∴∴∴∴∴湖
道     ●●●●〜〜〜〇〜〜〜湖
道     ●●●●  ∴∴∴∴∴湖
道     ●●プププ  ∴∴∴∴湖
道電 ┌窓――扉―――┐ ∴∴∴∴∴湖湖
道  |?|?????| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |?|?????| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |閉|?????| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|?????| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|?????|排∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|?????|気∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□└―――□―|∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□レ□□□□掃|ttt∴∴∴∴∴湖
道  窓□□□い□□┌┘□小□t∴∴∴∴湖
道  閉□□い机い□窓□ジ机弓t∴∴∴∴●
道  窓□□□□□□閉□朝机□t∴∴∴∴●
道  窓□い□い□□窓□ペ七□t∴∴∴∴●
道  |い机い机い□|□□□□t∴∴∴∴湖
道  └―窓――窓―┘ttttt∴∴∴∴湖
道          ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道          ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道電         ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
(マップ上方向を北とする)

備考:『t』で囲まれた、〈テラス〉の下も『∴』
   テラスは、地面より数m高い位置に、数本の〈コンクリート柱〉で支えられる

〇→七海は、ここに『ひとつの人影?』が走るのを見た気がした。ジェイクは、このあたりに音を聞いた。

〜→朝山の見た限り、『何かがある』かもしれない。ないかもしれない。

●→何かが、いる。

弓→弓削  
小→小石川 スープにくぎづけ
七→七海   北に『なにか見た』気がした。
ジ→ジェイク スープを眺める
朝→朝山 立って北を見ている
ペ→店員の女  扉にむけて歩いている。

?→なにがあるかは不明。『死角』だ。

717弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/17(火) 23:17:41
>>715-716
「『ウナギ』が」

ペイの言葉に、弓削は意外そうな声を上げた。
ヨーロッパではウナギのゼリー寄せなんていう料理もあるくらいだし、
別に海外にウナギの住む湖があってもおかしいとは思わないが、
この『H湖』もまた湖の幸が豊富で……ウナギが獲れる場所である。
ペイを見送ると、弓削は納得したように呟く。

         「……なるほど」

だから、この湖の近くに居を構えたのだろうか。
弓削がそう考えたのかは不明だが、感慨深そうに視線を湖の方へ流す。

             「……」

「……なんでしょう?」

やはり眉一つ動かさず、しかしあまり好意的ではないニュアンスを伴って呟く。
従業員は店長と彼女以外におらず、このあたりはオフィシャルな漁場でもない(と思う)。
となると考えられるのは野生動物か、わざわざ店の近くで湖から出てくる『変わり者』……。
どちらにせよ、注視くらいはしておくべきか。本格的に不穏そうなら、対応も必要になってくる。

718小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/17(火) 23:28:24
>>715

相席している人の何人かは、湖の方で起こる何かに気付いたらしい。
しかし、自分はそれに気付けなかった。
文字通りスープに釘付けにされてしまっていたのだから。

         ゴォォォォォ……

自分の耳元を、まるで飛行機が通り過ぎていくような轟音が聞こえる。
そんなはずはないのに、そう感じざるを得ない。
私は今レストランにいるのではなく、飛行場の滑走路に立っているような気がした。

  「――……?」

少しずつ意識が明確になり、それに伴って徐々に思考する能力が戻ってくる。
顔見知りである黒髪の少女が、どこか遠くを眺めているのが見えた。
それが気にかかり、自分も同じ方向を見つめる。
けれど、そこには静かな湖面があるだけだった。
その時、別の場所から水の音が聞こえ、反射的に視線を動かす。

  ――何かしら……。

音から考えると、ただの大きな魚とも思えない。
湖で漁をしている人だろうか。
それらしき人や船は見かけなかったのだけど……。

719七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/17(火) 23:41:50
>>713(ジェイク)
>>715(朝山)

「いやぁ、別に何って事はなかったんだけどね〜。
 アタシも、ちゃんと見たわけじゃなかったし?」

   「でも」

          チラ

「今、何かありそうになって来たってトコかな〜。にゃはは」

視線を向けるのは外、湖の方向。水際を泡立たせるなにか。

>>715(GM)

店の噂。謎の走り去る人影。そして、謎めいた泡立ち。
一つ一つはどうって事もないんだろうけど、重なると運命を感じてしまう。

「ふんふん、じゃあアタシの幻覚とか臨死体験じゃなかったわけだ。
 料理がおいしすぎて幻見た!なんて事なら料理漫画みたいでウケるけど」

    「なんだか今度はパニックホラーな香り感じちゃうよね。あの泡!」

――あんな風に湖を泡立たせる生き物、この湖にいる?

とてもじゃあないけど、魚とは思えない。サメが湖にいるわけないし。
じゃあ、なんだろう? 思いつくのは溺れている人間とかだけれど、
もし人間が溺れるような事があればここから見えていた・・・気がする。

「んで! パニックホラーのセオリーだと〜、こういう時一人で離れた人が第一犠牲者!」

「・・・なんてね! でも、アタシもちょっと気になってきたし。見てこよっかなァ。
 気になるし。ホントに怪しいヤツとかいたら、一人より二人のがちょっとは安全だしね」

                          ガタ

席から半立ちになりつつ、視線は渦中である湖の方に。
ペイの口から『来てほしい』と言われたら行くが言われないならここにいる。

「んん、でもスープ冷めちゃうかぁ。これが冷めちゃうのはさすがにもったいな〜い」

今立ち上がって駐車場を見に行ってしまえば、謎の『泡立ち』の正体を見逃しかねない。
それに、もし何か不穏なことをしようとしている奴なら、もう駐車場にはいない気がする。

720ジェイク『一般人』:2017/10/18(水) 22:33:14
>>715

今度は退屈そうに湖の方を見る。
見慣れたものだ。
何者かの気配さえなければ、の話だが。

「湖の乙女でも現れたか」

「それともただの獣か」

ただ湖を見ている。

721朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/18(水) 22:56:19
>>715

 「あれは  もしや……
  ――幻の未確認生物『エッシー』かも知れないっス!!!」

 超未確認生物エッシー H湖に、もしや住んでるかも知れない
古来からの首長竜の生き残りか、もしくは鰐か何かの変種か!?
 
 タタタッ!! とテラスから身を乗り出して謎の気泡が何か見極めようとするっス!!

 「おーーーーーい!!! エッシーーーー!!
良かったら私と写真を撮って欲しいっスーーーーー!!!」

 手をぶんぶん振って呼び掛けてみるっス!!
エッシーが本当にいるなら、私が最初の友達になるっス!!

722Poaching Lakeside:2017/10/18(水) 23:46:50
>全体
        ザバ          ブ
        ザバ           シ ュ         
          ザバ
 ザ                            
  ァ  静かな湖をかき分け、現れた〈異物〉
   \
    \   ザザザッ
      ァ
         ザザザ
     
             ゴボ   ゴボボボボ


  シュ――     「 ごぼ 」



…君たちの想像より、『奇怪』だった。
少なくとも、君たちの知っている伝承のどれとも一致しないなにかだった。

ひとつの身体に、ふたつの脚とふたつの腕を備えたそれは、
おおむね〈人間〉であるように見えた。
それは、ちらちらと真鍮色に煌いていた。『午後の日光』を浴びた、波打つ『水面』を想起させる。
それは、甲殻に密封されていた。各所の甲殻に〈窓〉が付いており〈潜水服〉を想起させる。
それは、明らかに『超常のもの』と見えたが、『ジェイクも視認できた』。

 それは『3体』いた。

   「ごぼ」
               「ぼ」
        「ごぼぼ」
               
―――――――上陸。
3体ともに、まっすぐ歩行。

店員の女はそれを見て、慌てて店内へと駆け込んだ。


(GMより:>>723の【MAP】【記号説明】にていくつか『レスでは言及していないヒント』を散りばめてあります。
      きちんと確認すると行動の指針になる…かも?)

723Poaching Lakeside:2017/10/18(水) 23:48:25
【全体MAP】
道         ∴∴∴∴∴∴湖
道     ┌――┐∴∴∴∴∴∴湖
道    ●|軽トラ∴∴∴∴∴∴湖
道    ●└――┘∴∴∴∴∴∴∴湖
道    ●●●●●∴∴∴∴∴∴∴湖
道   ●●●●●●〜〜〜〇〜〜〜湖
道   ●●●●●●  ∴∴∴∴∴湖
道    ●●●プププ  ∴∴∴∴湖
道電 ┌窓――扉―――┐ ∴∴∴∴∴湖湖
道  |?|●●●??| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |?|?●???| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |閉|?????| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|?????| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|?????|排∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|?????|気∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□└―――□―|∴∴∴∴∴∴∴∴湖    【補足MAP】:テラスの下
道  |□レ□□□□掃|ttt∴∴∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴
道  窓□□□い□□┌┘□小□t∴∴∴∴湖    ∴柱∴柱∴
道  閉□□い机い□窓□ジ机弓t∴∴潜〜湖    ∴∴∴∴∴
道  窓□□□□□ペ開□朝机□t∴∴潜〜湖    ∴∴∴∴∴
道  窓□い□い□□窓□□七□t∴∴潜〜湖    ∴∴∴∴∴
道  |い机い机い□|□□□□t∴∴∴∴湖    ∴柱∴柱∴
道  └―窓――窓―┘ttttt∴∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴
道          ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道          ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道電         ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
(マップ上方向を北とする)

備考:『t』で囲まれた、〈テラス〉の下も『∴』
   テラスの下の状況は、全体MAP横の補足MAPに表記。
   テラスは、地面より数m高い位置に、
   4本の〈コンクリート柱〉(マップ内:柱)で支えられる
   柱が壊れると………?   

【記号解説】

〇→七海は、ここに『ひとつの人影?』が走るのを見た気がした。ジェイクは、このあたりに音を聞いた。

〜→雑草や〈潜水服のごとき何か〉に阻まれ良く見えないが、『何かがある』かもしれない。

●→『何か』が居るであろう範囲。記号はたくさんあるが、『何か』がこんなにいるわけではない。
  今ごろはここにいるかもしれない、という予測、目安。


潜→〈潜水服のごとき何か〉

弓→弓削  
小→小石川 
七→七海   
ジ→ジェイク 
朝→朝山 
ペ→店員の女  テラスの扉を開け店に入った。

?→なにがあるかは不明。『死角』だ。君たちはここに入ったことが無い。

―|┘└ ┐┌ →飲食店の壁
道→この字より西は、数mの幅のアスファルトで舗装された道。
湖→この字より東は、H湖が広がっている
∴→湖に向かって坂になっている。砂利っぽい地面に雑草がたくさん生えていて、地面はよく見えない。
電→電
□→建築物の床
t→テラスを囲む柵
机→食卓 テラスの食卓は、上下で二つに分かれている
い→椅子
窓→ガラスの窓
閉→ドア。閉まっている。
開→ドア。開いている。
掃→掃除機具が入ったとおぼしきロッカー
扉→そういえばここに勝手口を見た気がする……
プ→プロパンガスのボンベ
排 気→空調の室外機。

724弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/19(木) 00:20:32
>>722-723
         「……」

『妙』だ。
どう考えても妙だ。あんな現実離れした潜水服が、しかも『三人』。
明らかに――経験の浅い弓削ですら『スタンド能力』を疑う状況である。
しかもそうだとしたらペイの反応からして明らかに『まともな使い方』ではない。

「……すみません!」「どうかされましたか? 大丈夫ですか?」

そんな状況で弓削は大きな身振り手振りを交えて声をかける。
この状況、危険だからと他の客に『下がれ』というのは簡単だ。
だが、『危険じゃないかもしれない』状況で危険性を主張しても
動きは鈍くなる。ヒトは判断材料がなければ動けない生き物なのだから。
だから、早い段階で『呼びかける』という形で相手に反応の余地を作る。
反応すればそれが判断材料になるし、反応しなければそれがそのまま『異常性』となる。

725小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/19(木) 00:59:27
>>722

  「……あれ……は……?」

視界が捉えたのは、少なくとも猟師の人ではなかった。
外見は人に似ていても、身に纏う雰囲気が否応なしに人ならざる者を意識させる。
見慣れた日常の対極に位置する非日常の存在。

まず頭に浮かぶのは、スタンドの存在だった。
自分自身がスタンドを持つ者だからこそ、その可能性が真っ先に思い浮かぶ。
そうだとすれば、彼らは何のために現れたのだろう……。

少し前に、ペイから聞いた話を思い出す。
この店で働いていた従業員が辞める時、この店は潰れると告げたことを。
あるいは――たった今、湖から現れた彼らが、そのことに関係しているのだろうか……。

  「――ペイさん……?」

慌てた様子で店内に駆け込んだ彼女の姿を目で追う。
突然、奇妙な何かが近付いてきたら、驚いてしまうのは無理もないことだと思う。
ただ、今の彼女の反応は、何か少し違っていたような気がする……。

          カタッ……

椅子から立ち上がり、ペイの後を追って店の中に入る。
湖から現れた何かと、他の四人のことも気にかかる。
ただ、今は一人でいるペイのことが心配だった。

  「……大丈夫ですか?」

彼女を不安にさせないように静かに声を掛け、同時に店長の姿を探してみたい。
もし何かが起こるのであれば、彼にも伝えておいた方がいいかもしれない。
できるだけテラスの方にも気を配り、四人の様子にも注意を払っておきたい。

726七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/19(木) 02:08:59
>>722-724(GM)

「・・・・・・わお。ウケる。アタシって預言者の素質あるかも?」

事態は本当にパニックホラーの様相を呈してきた。
スキューバダイビング? そうは見えない。明らかに尋常ではない。

                チラ

ペイは店の中に戻ったか。まあ普通あんなもの見たら逃げたくはなる。
でも、『七海フランチェスカ』にとっては超えられない壁じゃない。

       ガタ

「でも、考えてみたら預言者って大変そうだよね〜、先が分かるってさ。
 さっきのスープ飲んでるときも、あれが来るって分かっちゃうんだろうし?」

「最後の晩餐並みの緊張感じゃん! にゃはは」

席を立つ。もう食事を楽しんでる場合じゃないだろう。
まったなしだ。ペイのように避難するにせよ、別の何かをするにせよ。

「なんてね、とにかく・・・アタシたちのお楽しみはこれからだったんだよ」

          「それを邪魔するのってさぁ」

                      「罪深いと思うんだけど」

このテラスに向かってきている。当然、そう考える。だから立ち上がった。
店に妙な事をされるのを、黙ってみている気もしないし。それに動かないのはシャクだ。

――まだ前には出ない。弓削の言葉。彼女は『思惑』があって敵に声を掛けたのだろう。
だから、今こちらから先制攻撃を仕掛けたりして、その思惑を無意味にするつもりはない。
ないが・・・決裂してから慌てて準備をする気もない。座っていた椅子に手を伸ばし、掴む。

                      ズズ

自分と少しもずらさず重ねた、純白の『天使』。

          ――――『アクトレス』の指先も、椅子に触れている。能力は始まっている。

727ジェイク『一般人』:2017/10/19(木) 22:40:17
>>722

「招かれざるか」

ふぅと息を吐く。
あの者たちから視線はそらさないが、さして興味がありそうな感じでもない。

「やつらはどちらだ。こちらか、あちらか」

椅子の背もたれを掴む。

728朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/19(木) 23:15:49
>>722

 「エッシーじゃなさそうっスねぇ……潜水服っス」

 テラスから身を乗り出して、湖から姿を現した三人組を見て
足をブラブラさせつつ見下ろし呟くっス。

 「うーん、湖の底にある珍しい物を拾ってるのか……
もしかしたら最先端のウナギ漁かも知れないっス!!
 こんにちわーーーっス!!」

 仲良し? 三人組に挨拶するっス!

 
 テラスから、∴に直接飛び降りる事は出来るっスかね?

729Poaching Lakeside:2017/10/20(金) 22:01:13
  【テラス】

>>724(弓削)
 >「……すみません!」「どうかされましたか? 大丈夫ですか?」

   ゴボ      ゴボ  
       ゴボ
中でなにかが泡立つような音を立てながら、
『潜水服のごとき何か』たちは依然変わりなく歩行を続ける。
君の身振りに目をとられた様子はなかった。返事も、無い。…『妙』である。


>>726(七海)
スタンド使い特有の第六感が、〈尋常でない〉空気を感じ取る。
しかしどんな奴が相手だろうと〈メシの邪魔〉は許されざる行為だ。

君は立ち上がり、『戦闘準備』の体勢へ。『アクトレス』を本体と重ね発現、
自分がさきほどまで座していた椅子を掴み、『能力』を行使する…


>>727(ジェイク)
君は、自分の座っていた椅子の背もたれを掴んだ。
漠然と〈あの者たち〉を観察し、漠然と見極めんとする。


>>728(朝山)
まだ『潜水服のごとき何か』共が〈敵対的〉であると決まったわけではない。
ふつうに〈友好的〉なダイバーである可能性は十分にある。
テラスの角に移動し、元気に、〈こんにちわーーーっス〉

   「…………ゴボ…」

挨拶は返ってこなかった。
代わりに泡立つような音が返されたが、それが意味のある言語には聞こえなかった。

『∴』は東から西にかけて下り坂になっており、
テラス西側から普通に降りれば怪我は免れなさそうだ。
飛び降りるならば、テラスと地面が近い場所、全体MAP内『☆』が手頃だろう。


>テラスにいる者たち
『潜水服のごとき何か』共は、『テラスの下の空間』へ、人間の歩くようなスピードで進み続ける。
改めて上から見ると、3体ともに、手には何も握っていないのが確認できる。
また、潜水服のような甲殻のようにも見えるその奇妙な服には、
頭部のみならず全身の各所に『窓』があるのが、はっきりと確認できた。
『窓』の奥は、テラスからではよく見えない。


  【店内】

>>725(小石川)
様々な事が頭を巡りながらも、君は〈ペイ〉の事が気がかりで、店内へと入った。

    カタッ  ガタッ

       ジャーーーーーー

相変わらず、店に客は皆無だ。
店の奥のスペース(MAP内『?』の空間)あたりから、『何かを動かす音』『水道から水を流す音』が聞こえる。


  ペイ「私はダイジョウブ……だけど、店長が…!〈嫌な予感〉がスル!」
   「『厨房』にイカナキャ!」

 店員の女は、ふつうに怯えている様子だ。『裏』は感じ取れない。 
 君の呼び声に反応し立ち止まったが、今すぐにでも『厨房』とやらに行きたそうな雰囲気。

730Poaching Lakeside:2017/10/20(金) 22:02:33
【全体MAP】
道         ∴∴∴∴∴∴湖
道     ┌――┐∴∴∴∴∴∴湖
道    ●|軽トラ∴∴∴∴∴∴湖
道    ●└――┘∴∴∴∴∴∴∴湖
道    ●●●●●∴∴∴∴∴∴∴湖
道   ●●●●●●〜〜〜〇〜〜〜湖
道   ●●●●●●  ∴∴∴∴∴湖
道    ●●●プププ  ∴∴∴∴湖
道電 ┌窓――扉―――┐ ∴∴∴∴∴湖湖
道  |?|●●●●?| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |?|?●●●?| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |閉|?●●●?| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|??●??| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|?????|排∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|?????|気∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□└―――□―|☆☆∴∴∴∴∴∴湖    【補足MAP】:テラスの下
道  |□レ□□□□掃|ttt∴∴∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴
道  窓□□□い□ペ┌┘□□□t∴∴∴∴湖    ∴柱∴柱∴
道  閉□□い机い□窓□ジ机弓t潜〜〜〜湖    ∴∴∴∴∴
道  窓□□□□□小開□□机□t潜〜〜〜湖    ∴∴∴∴∴
道  窓□い□い□□窓□□七□t∴∴〜〜湖    ∴∴∴∴∴
道  |い机い机い□|□□□朝t潜〜∴∴湖    ∴柱∴柱∴
道  └―窓――窓―┘ttttt∴∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴
道          ☆☆☆∴∴∴∴∴∴湖
道          ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道電         ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
(マップ上方向を北とする)

備考:『t』で囲まれた、〈テラス〉の下も『∴』
   テラスの下の状況は、全体MAP横の補足MAPに表記。
   テラスは、地面より数m高い位置に、
   4本の〈コンクリート柱〉(マップ内:柱)で支えられる
   柱が壊れると………?   

【記号解説】
☆→テラスから飛び降りても安全そうな高さのところ

〇→七海は、ここに『ひとつの人影?』が走るのを見た気がした。ジェイクは、このあたりに音を聞いた。

〜→雑草や〈潜水服のごとき何か〉に阻まれ良く見えないが、『何かがある』かもしれない。

●→『何か』が居るであろう範囲。記号はたくさんあるが、『何か』がこんなにいるわけではない。
  今ごろはここにいるかもしれない、という予測、目安。


潜→〈潜水服のごとき何か〉

弓→弓削   身振り手振り
小→小石川  店内へ
七→七海   立ち上がり、能力を付与した『椅子』を持つ。
ジ→ジェイク  立ち上がり、『椅子』の背もたれを持つ
朝→朝山   テラスで足ぶらぶら
ペ→店員の女  テラスの扉を開け店に入った。

?→なにがあるかは不明。『死角』だ。君たちはここに入ったことが無い。

―|┘└ ┐┌ →飲食店の壁
道→この字より西は、数mの幅のアスファルトで舗装された道。
湖→この字より東は、H湖が広がっている
∴→湖に向かって坂になっている。砂利っぽい地面に雑草がたくさん生えていて、地面はよく見えない。
電→電
□→建築物の床
t→テラスを囲む柵
机→食卓 テラスの食卓は、上下で二つに分かれている
い→椅子
窓→ガラスの窓
閉→ドア。閉まっている。
開→ドア。開いている。
掃→掃除機具が入ったとおぼしきロッカー
扉→そういえばここに勝手口を見た気がする……
プ→プロパンガスのボンベ
排 気→空調の室外機。

731弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/20(金) 22:17:59
>>729
「…………」

助かった。奥に引っ込んだ小石川を横目にそう思う。
この状況、当然近くの人物の動向や周囲の状況は把握したいが、
弓削としてはそれよりまずテラスにいる客の安全確保が第一。
小石川が動いてくれたお陰で安心してそれを満たすことが出来る。

「皆さん……何かおかしくないですか?」
「あの人たち、私や朝山さんの呼びかけに全く応じていません……全くです」

「もしかしたら、『密漁者』かもしれません」

                「急いで逃げましょう」

と、呼びかける。
自分を唯一のスタンド使いだと思っている弓削としては、
当然『逃げる』となっても殿を務めるつもりではあるが……。

特異な存在が既に目前に迫っている状況で悠長な行動だが、
弓削がスタンドを行使する素振りはない。

732小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/20(金) 23:51:48
>>729

   コク……

無言でペイに頷く。
急いでいるのに引き留めていては申し訳ない。
きっと、彼女は人より鋭い勘の持ち主なのだと感じた。
だからこそ、湖から現れた異形に対して素早く対応することができたのだろう。
店長への注意も、彼女に任せておけば心配ないと思える。

   スゥッ……
          スラァァァァァ―――z____

意識を集中し、利き手である左手に『スーサイド・ライフ』を発現する。
鈍い輝きを放つ一振りのナイフ。
生と死の挟間に佇む自身の精神を象徴するヴィジョン。

     ザグゥッ! 
             スゥゥゥゥゥ―――z____ッ
                                   スパッ

その刃で『右目』と『右耳』を切り落とし、扉を少し開けてテラスへ進ませる。
目と耳がなくなった部分は、帽子を右側に傾けることで外からは見えないように隠しておく。
危険が迫った時のために、
テラスと店内の両方の状況を把握している人間が必要になるかもしれない。
自分は店内に留まり、ペイと店長の会話に耳を傾ける。
                  パーツ
もし聞き取りにくいようなら、『部位』の射程距離に気をつけながら声のする方に近付きたい。

ペイの言う通り、あの何かの出現には嫌な予感を覚える。
まるで、大きな嵐が訪れる前触れのような……。
不安な気持ちが高まると共に、『スーサイド・ライフ』を握る手に、自然と力が篭る。

733七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/21(土) 00:09:57
>>729-730(GM)
>>731(弓削)

明らかに尋常じゃない存在だったが、会話も通じないと分かった。
そしてこちらに近付き続けている。『逃げる』のではなく『迫る』動き。

「いやいや〜、密猟者だったらふつう人いたら『逃げる』んじゃない?
 こいつら、多分目当てはアタシたちか・・・このお店なんじゃないかな」

        「だから『逃げる』のもありっちゃありだけど」

「このスープ作った人を放って全員で逃げるわけにはいかなくな〜い?」

――――不可能ではないなら、『対処』する方がよほど前に進める選択肢だ。

味方とは思えない存在は既に、テラスのすぐそばまで来ている。
逃げるなら逃げる、立ち向かうなら立ち向かうで急いで動くべきと判断。

「アタシがしんがり・・・あ、しんがりって一番最後に逃げる人の事。
 それになるか、時間稼ぎするかァ。どっちにしても、結構自信あるんだよ」

超能力者になった、という変化は劇的で、人生の色が変わったんだ。
そして――――今、目の前に広がる『超常現象』もまた、変化と言える。
これを前進にするか、後退にするかは、ここからどう動くか次第だろう。

「だってアタシ、超能力者だからね。ウケるでしょ? それじゃ、行ってきまァ〜す」

少なくとも立ち止まり続けさせられるような状況じゃない。まったなしだ。
スタンドの手で椅子を持ち上げる。それなりに軽くなり始めているだろう。
目測する限り、飛び降りても死にはしないはず。椅子を手にMAP南の☆から砂浜へ。

同時に――――自分自身の身体にも、能力を行使する。体重は『49kg』ちょうど。
すなわち、天使が導く『昇天』の時間まで、カウントダウンは――――『49秒』ちょうど。

734ジェイク『一般人』:2017/10/21(土) 00:35:09
>>730

何度か頭を掻いて椅子の背もたれから手を放す。

「狼でも羊でもないな」

「亡霊の類か、そうでなければ死者か」

そう言ってその場を離れる。
そしてそのままドアから店の中に入っていく。

「お前たちはスタンドを持っているのか? だったらお前たちの方がいいのかもしれないな」

「俺は選ばれなかった」

特に何もなければ調理場の方に足を向ける。

735朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/21(土) 17:12:15
>>729-730(GM)

「う〜〜〜ん、一体何なのか……ハッ――!!?」

 瞬間、朝山は気づいてしまった。その気づいてしまった事実に愕然として
思わず両手で口を抑える。そう、朝山は気づいてしまったのだ。

 (な   なんでこんな簡単な事に気づかなかったんス……
――この人達   『潜水服』なんて着てるから、私達の声にも気づいてないんっス―――Σ!!!)

  ドーーーーンッ☆

 「なんてドジな人達なんっス……多分、まだ地上に降りてる事すら気づいてないんっス。
もしかしたら、このお店も奇抜な水中施設と勘違いしてるのかも知れないっス!!
 ならば、いざ制止の為に  だい  ジャーーーーンプ  ッスッッ!!」


MAP南の☆へと、テラスを飛び越え大ジャーンプ!!! っス!!

 「ぬおおお!!! そこのずっこけ三人組、改めてこんにちわっス!!」

 テラスに降りて、シャキーン!! とポーズを決めつつ挨拶するっス!!

736Poaching Lakeside:2017/10/21(土) 20:18:41
>>731(弓削)
君は〈誰かのため〉に行動をする。
荒事に突入するには、まだ早い。まだ〈スタンド〉も行使しない。避難の誘導が最優先だ。
〈小石川〉〈ジェイク〉〈ペイ〉の3人は、店内に入るのを確認できた…だが

〈七海〉
 >「いやいや〜、密猟者だったらふつう人いたら『逃げる』んじゃない?
 > こいつら、多分目当てはアタシたちか・・・このお店なんじゃないかな」

  >「だから『逃げる』のもありっちゃありだけど」

 >「このスープ作った人を放って全員で逃げるわけにはいかなくな〜い?」
 >「アタシがしんがり・・・あ、しんがりって一番最後に逃げる人の事。
 > それになるか、時間稼ぎするかァ。どっちにしても、結構自信あるんだよ」
 >「だってアタシ、超能力者だからね。ウケるでしょ? それじゃ、行ってきまァ〜す」

〈朝山〉
 >「だい  ジャーーーーンプ  ッスッッ!!」
 >「ぬおおお!!! そこのずっこけ三人組、改めてこんにちわっス!!」

―――少女二人が、いろいろ言いながら身軽にテラスの南に飛び出してしまった。
また『潜水服のごとき何か』は移動し、君の位置からでは視認しづらくなった。…君はどうする?


>>732(小石川)
ペイは「謝謝(ありがとう)」というと、MAP内『?』、厨房とおぼしき空間に小走りで入って行った。

 君は『スタンド』の像を結び、能力行使。
 一瞬の躊躇もなく自らの『右目』『右耳』を切り落とした。

 二つの〈部位〉は浮遊し、君が開けてやったドアを通過し移動する。
 部位によって、〈七海〉〈朝山〉が、テラスの下に飛び降りるのを確認できた。
 『潜水服のごとき何か』共は、この位置ではよく見えない。 
 もう少しテラスの柵に近寄れば、部位の視野に入るかもしれない…。

君は厨房の様子に耳を傾ける。
水道から水が流れる音。ガタガタという物音。
〈店長〉の声は、聞こえない。
君が厨房に近づこうとした、その時………



  >全体
  『潜水服のごとき何か』2体は、テラスの下の空間に入っていき、
  『潜水服のごとき何か』1体は、ギリギリでテラスの下ではないが、テラスから視認しづらい位置に移動した。
  『潜水服のごとき何か』3体が何をしているか、〈弓削〉〈小石川〉〈ジェイク〉は確認できなくなった。

  

     「――――――――――きゃああぁッ !」 


 〈厨房〉とおぼしき場所から〈ペイ〉の悲鳴が、君たち全員の耳に入った。



>>733(ジェイク)
>「だってアタシ、超能力者だからね。ウケるでしょ? それじゃ、行ってきまァ〜す」
〈七海〉とかいう子供の、テラスを飛び出しながら放った言葉。〈こいつは選ばれた側だ〉。

君が店内に入る時、〈小石川〉とか名乗った女の帽子の陰から、
血の一滴も付着していない『眼球』『耳朶』が、彼女の顔を離れ宙を移動するのを見た。
その異常な光景を前にしながら、女には一切の動揺もない。〈こいつもだ〉

  〈君は選ばれなかった〉

君は椅子を引きずり、店内を歩く。
調理場のほうに足を向けると、店員の女が厨房に駆け込んだ瞬間に、悲鳴を上げるのが見えた。

737Poaching Lakeside:2017/10/21(土) 20:19:04
店外】
〈七海〉〈朝山〉は異形たちの姿、そして何をしているかを視認できる。
テラスの下の空間にいる1体は、ただ歩いている。

        ガシィ
    
テラスの下のもう1体は『テラスの柱(北東)』に接近、柱を掴んだ。

        ゴボゴボ

1体は、〈七海〉〈朝山〉に向かって歩いている。


   「――――――――――きゃああぁッ !」

    店内から、〈ペイ〉の悲鳴が聞こえた。


>>733(七海)
君は『潜水服のごとき何か』共を、〈暫定的脅威〉とみなし対応する事にした。
七海にとって、この手の〈荒事〉は初めてであるが…さほど忌避感は感じなかった。
背後で避難を促す〈弓削〉の声が聞こえたが、
それを無視してテラスを飛び出し、自身へ能力を行使する。

                         ス タ ン ド
 君の人生は『変化』したのだ。逃げるのでなく、『立ち向かう』という選択肢。
 今がその時だ ―――『残り49秒』。

とにかく、君はテラス南へと降り立った。〈朝山〉も隣に着地している。
〈椅子〉は容易く持ち歩けた。『元は7kg』現在『2kg以下』。
能力を解除しなければ、次GMレスにて『浮上開始』。


>>735(朝山)
   ゴボゴボゴボ

『潜水服のごとき何か』は相変わらず〈泡立つような音〉を立てている。
なるほど、厚い甲殻を纏ったうえで絶えず音を立てていれば、耳が遠くなるに決まっている。

   ゴボゴボゴボ

挨拶に返答はない。もっと近づいた方がいいのかもしれない?
とにかく、君はテラス南へとシュバッと降り立ちポーズをキメた。〈七海〉も隣に着地している

738Poaching Lakeside:2017/10/21(土) 20:19:32
【全体MAP】
道         ∴∴∴∴∴∴湖
道     ┌――┐∴∴∴∴∴∴湖
道    ●|軽トラ∴∴∴∴∴∴湖
道    ●└――┘∴∴∴∴∴∴∴湖
道    ●●●●●∴∴∴∴∴∴∴湖
道   ●●●●●●〜〜〜〇〜〜〜湖
道   ●●●●●●  ∴∴∴∴∴湖
道    ●●●プププ  ∴∴∴∴湖
道電 ┌窓――扉―――┐ ∴∴∴∴∴湖湖
道  |?|●●●●?| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |?|●●●●?| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |閉|●●●●?| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|●●●●?| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|●●???|排∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|●●?ペ?|気∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□└―――□―|∴∴∴∴∴∴∴∴湖    【補足MAP】:テラスの下
道  |□レ□□□□掃|ttt∴∴∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道  窓□□□い□□┌┘□□□t∴∴∴∴湖    ∴柱∴柱潜∴∴∴∴湖
道  閉□□い机いジ窓□□机弓t〜〜〜〜湖    ∴∴∴∴∴〜〜〜〜湖
道  窓□□□□□小開□□机□t〜〜〜〜湖    ∴∴∴潜〜〜〜〜〜湖
道  窓□い□い□□窓部□□□t∴∴〜〜湖    ∴∴∴∴∴∴∴〜〜湖
道  |い机い机い□|□□□□t∴〜∴∴湖    ∴柱∴柱∴∴〜∴∴湖
道  └―窓――窓―┘ttttt〜∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴〜∴∴∴湖
道          ∴七朝∴∴潜∴∴∴湖    ∴七朝∴∴潜∴∴∴湖
道          ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道電         ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
(マップ上方向を北とする)
(1マスは1m強とする)

備考:『t』で囲まれた、〈テラス〉の下も『∴』
   テラスの下の状況は、全体MAP横の補足MAPに表記。
   テラスは、地面より数m高い位置に、
   4本の〈コンクリート柱〉(マップ内:柱)で支えられる
   柱が壊れると………?   

【記号解説】
☆→テラスから飛び降りても安全そうな高さのところ

〇→七海は、ここに『ひとつの人影?』が走るのを見た気がした。ジェイクは、このあたりに音を聞いた。

〜→雑草や〈潜水服のごとき何か〉に阻まれ良く見えないが、『何かがある』かもしれない。

●→『何か』が居る。


潜→〈潜水服のごとき何か〉

弓→弓削   立ち上がり避難誘導
小→小石川  店内。
部→小石川の『眼球』と『耳朶』はここに移動した。
七→七海   地面に着地。能力を付与した『椅子』を所持
ジ→ジェイク  『椅子』を所持。厨房を向く。
朝→朝山   地面に着地、ポーズを決める。
ペ→店員の女  『?』に、つまり厨房に入り、悲鳴を上げた。

?→きっと『厨房』だ!

739ジェイク『一般人』:2017/10/21(土) 20:36:06
>>736

>>734のレスの一行目にて『椅子の背もたれから手を放す』行動をしたのですが、店内に入ったジェイクが椅子を引きずっているのはどういう状況なのでしょうか。
手を離さずにそのまま持って行ったということでよろしいでしょうか。

740Poaching Lakeside:2017/10/21(土) 21:01:36
>>739
申し訳ありません、GMのミスです。
>>737君は椅子を引きずり、店内を歩く。
>>738ジェイク 『椅子を所持』
の二文を訂正したレス、直ちに投下いたします。

741Poaching Lakeside:2017/10/21(土) 21:03:54
(訂正)
>>731(弓削)
君は〈誰かのため〉に行動をする。
荒事に突入するには、まだ早い。まだ〈スタンド〉も行使しない。避難の誘導が最優先だ。
〈小石川〉〈ジェイク〉〈ペイ〉の3人は、店内に入るのを確認できた…だが

〈七海〉
 >「いやいや〜、密猟者だったらふつう人いたら『逃げる』んじゃない?
 > こいつら、多分目当てはアタシたちか・・・このお店なんじゃないかな」

  >「だから『逃げる』のもありっちゃありだけど」

 >「このスープ作った人を放って全員で逃げるわけにはいかなくな〜い?」
 >「アタシがしんがり・・・あ、しんがりって一番最後に逃げる人の事。
 > それになるか、時間稼ぎするかァ。どっちにしても、結構自信あるんだよ」
 >「だってアタシ、超能力者だからね。ウケるでしょ? それじゃ、行ってきまァ〜す」

〈朝山〉
 >「だい  ジャーーーーンプ  ッスッッ!!」
 >「ぬおおお!!! そこのずっこけ三人組、改めてこんにちわっス!!」

―――少女二人が、いろいろ言いながら身軽にテラスの南に飛び出してしまった。
また『潜水服のごとき何か』は移動し、君の位置からでは視認しづらくなった。…君はどうする?


>>732(小石川)
ペイは「謝謝(ありがとう)」というと、MAP内『?』、厨房とおぼしき空間に小走りで入って行った。

 君は『スタンド』の像を結び、能力行使。
 一瞬の躊躇もなく自らの『右目』『右耳』を切り落とした。

 二つの〈部位〉は浮遊し、君が開けてやったドアを通過し移動する。
 部位によって、〈七海〉〈朝山〉が、テラスの下に飛び降りるのを確認できた。
 『潜水服のごとき何か』共は、この位置ではよく見えない。 
 もう少しテラスの柵に近寄れば、部位の視野に入るかもしれない…。

君は厨房の様子に耳を傾ける。
水道から水が流れる音。ガタガタという物音。
〈店長〉の声は、聞こえない。
君が厨房に近づこうとした、その時………



  >全体
  『潜水服のごとき何か』2体は、テラスの下の空間に入っていき、
  『潜水服のごとき何か』1体は、ギリギリでテラスの下ではないが、テラスから視認しづらい位置に移動した。
  『潜水服のごとき何か』3体が何をしているか、〈弓削〉〈小石川〉〈ジェイク〉は確認できなくなった。

  

     「――――――――――きゃああぁッ !」 


 〈厨房〉とおぼしき場所から〈ペイ〉の悲鳴が、君たち全員の耳に入った。



>>733(ジェイク)
>「だってアタシ、超能力者だからね。ウケるでしょ? それじゃ、行ってきまァ〜す」
〈七海〉とかいう子供の、テラスを飛び出しながら放った言葉。〈こいつは選ばれた側だ〉。

君が店内に入る時、〈小石川〉とか名乗った女の帽子の陰から、
血の一滴も付着していない『眼球』『耳朶』が、彼女の顔を離れ宙を移動するのを見た。
その異常な光景を前にしながら、女には一切の動揺もない。〈こいつもだ〉

  〈君は選ばれなかった〉

君は椅子を手放し、店内に入る。
調理場のほうに足を向けると、店員の女が厨房に駆け込んだ瞬間に、悲鳴を上げるのが見えた。

742Poaching Lakeside:2017/10/21(土) 21:04:24
【店外】
〈七海〉〈朝山〉は異形たちの姿、そして何をしているかを視認できる。
テラスの下の空間にいる1体は、ただ歩いている。

        ガシィ
    
テラスの下のもう1体は『テラスの柱(北東)』に接近、柱を掴んだ。

        ゴボゴボ

1体は、〈七海〉〈朝山〉に向かって歩いている。


   「――――――――――きゃああぁッ !」

    店内から、〈ペイ〉の悲鳴が聞こえた。


>>733(七海)
君は『潜水服のごとき何か』共を、〈暫定的脅威〉とみなし対応する事にした。
七海にとって、この手の〈荒事〉は初めてであるが…さほど忌避感は感じなかった。
背後で避難を促す〈弓削〉の声が聞こえたが、
それを無視してテラスを飛び出し、自身へ能力を行使する。

                         ス タ ン ド
 君の人生は『変化』したのだ。逃げるのでなく、『立ち向かう』という選択肢。
 今がその時だ ―――『残り49秒』。

とにかく、君はテラス南へと降り立った。〈朝山〉も隣に着地している。
〈椅子〉は容易く持ち歩けた。『元は7kg』現在『2kg以下』。
能力を解除しなければ、次GMレスにて『浮上開始』。


>>735(朝山)
   ゴボゴボゴボ

『潜水服のごとき何か』は相変わらず〈泡立つような音〉を立てている。
なるほど、厚い甲殻を纏ったうえで絶えず音を立てていれば、耳が遠くなるに決まっている。

   ゴボゴボゴボ

挨拶に返答はない。もっと近づいた方がいいのかもしれない?
とにかく、君はテラス南へとシュバッと降り立ちポーズをキメた。〈七海〉も隣に着地している。

743Poaching Lakeside:2017/10/21(土) 21:05:17
【全体MAP】
道         ∴∴∴∴∴∴湖
道     ┌――┐∴∴∴∴∴∴湖
道    ●|軽トラ∴∴∴∴∴∴湖
道    ●└――┘∴∴∴∴∴∴∴湖
道    ●●●●●∴∴∴∴∴∴∴湖
道   ●●●●●●〜〜〜〇〜〜〜湖
道   ●●●●●●  ∴∴∴∴∴湖
道    ●●●プププ  ∴∴∴∴湖
道電 ┌窓――扉―――┐ ∴∴∴∴∴湖湖
道  |?|●●●●?| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |?|●●●●?| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |閉|●●●●?| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|●●●●?| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|●●???|排∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|●●?ペ?|気∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□└―――□―|∴∴∴∴∴∴∴∴湖    【補足MAP】:テラスの下
道  |□レ□□□□掃|ttt∴∴∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道  窓□□□い□□┌┘□□□t∴∴∴∴湖    ∴柱∴柱潜∴∴∴∴湖
道  閉□□い机いジ窓□□机弓t〜〜〜〜湖    ∴∴∴∴∴〜〜〜〜湖
道  窓□□□□□小開□□机□t〜〜〜〜湖    ∴∴∴潜〜〜〜〜〜湖
道  窓□い□い□□窓部□□□t∴∴〜〜湖    ∴∴∴∴∴∴∴〜〜湖
道  |い机い机い□|□□□□t∴〜∴∴湖    ∴柱∴柱∴∴〜∴∴湖
道  └―窓――窓―┘ttttt〜∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴〜∴∴∴湖
道          ∴七朝∴∴潜∴∴∴湖    ∴七朝∴∴潜∴∴∴湖
道          ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道電         ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
(マップ上方向を北とする)
(1マスは1m強とする)

備考:『t』で囲まれた、〈テラス〉の下も『∴』
   テラスの下の状況は、全体MAP横の補足MAPに表記。
   テラスは、地面より数m高い位置に、
   4本の〈コンクリート柱〉(マップ内:柱)で支えられる
   柱が壊れると………?   

【記号解説】
☆→テラスから飛び降りても安全そうな高さのところ

〇→七海は、ここに『ひとつの人影?』が走るのを見た気がした。ジェイクは、このあたりに音を聞いた。

〜→雑草や〈潜水服のごとき何か〉に阻まれ良く見えないが、『何かがある』かもしれない。

●→『何か』が居る。


潜→〈潜水服のごとき何か〉

弓→弓削   立ち上がり避難誘導
小→小石川  店内。
部→小石川の『眼球』と『耳朶』はここに移動した。
七→七海   地面に着地。能力を付与した『椅子』を所持
ジ→ジェイク  。厨房を向く。
朝→朝山   地面に着地、ポーズを決める。
ペ→店員の女  『?』に、つまり厨房に入り、悲鳴を上げた。

?→きっと『厨房』だ!

744弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/21(土) 23:34:46
>>741
「…………」

『想定外』。表現するならば、その一言に尽きる。まさか『スタンド使い』だとは思いもしなかったからだ。

そして、その想定外故に出遅れた。
弓削は子どもだから大人として守らなくては……というような倫理観は『持ち合わせていない』。
好きで荒事に飛び込むのであれば、それはそれ、個人の自由だし止めるつもりは毛頭ない。
それを止めることはもはや『その人のため』にはならないからだ。しかし一方で。

自らの状況把握の拙さが原因で。
『誰かのため』に行動している少女が突出し。
結果的に不利に追い込まれかねない現状は。

           「――『進退窮まる』」

弓削和華という人間にとって、最も矜恃を傷つけられる事態の一つだった。

ところで――弓削はスタンド能力を手に入れたとき、
正確には『その能力を理解した』とき、自らに一つ『規律』を設けた。
それは、スタンドの『使用条件』。

          「『アンタイトル』」

その傍らに、秘書然とした女性の幻影が現れる。

                     「『ワーズ』」

その条件とは――『スタンドを使用しない限り挽回し得ない失敗があること』。
彼女にとってはこの能力は、『過去を燃やす』願望の象徴なのだから。

『七海さん朝山さん、私もそちらに向かいます』

『スタンド会話』で呼び掛けつつ『アンタイトル・ワーズ』のみを移動。
跳躍させ、柵を飛び越え階下に降り立つ。
落下中に筆モップを発現させたい。
(ttps://encrypted-tbn3.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTLY3phZhUkj3Zvh7S0niCV8U93FQhf8s1Em0lfAotws-eSB-HklCdyMpv5gQ)

745小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/22(日) 02:16:28
>>741

  スッ……

自分と同じように店内に入ったジェイクを見て、残っている左目を静かに伏せる。
自身の身体を切り離す『スーサイド・ライフ』の能力は、不気味で異様な光景を作り出す。
見ていて、決して気持ちのいいものじゃない。

驚かせてしまうかもしれないから、できれば近くでは見られたくなかった。
けれど、それが私自身の偽りのない精神の形。
だから、私はそれを否定することはできない。

今、私の左手にはナイフ――『スーサイド・ライフ』が握られている。
もし、彼がスタンド使いなら、それが見えているはず。
見えていなければ、彼はスタンド使いではないことになるだろう。

  ――どうしたら……。

その直後、『目』を通して二人がテラス下に降りる光景を見て、
このまま厨房へ向かうかどうかを思案する。
あの潜水服のような何かに、スタンドが関わっていることは間違いない。
そして、もし問題が起こるのであれば、スタンド使いの力が必要になる。
実際に見たことはないが、朝山がスタンド使いであることは知っていた。
同じように飛び降りたということは、七海と名乗ったもう一人の少女もそうなのだろうか。

だけど、相手は正体も目的も分からない何者か。
いくらスタンド使いとはいえ、彼女達だけを行かせてしまうのは、とても心配だった。
自分が行って役に立てるかは分からないけれど、それでも何かできることがあるはず。
私も、彼女達の助けになるために下に降りてみよう。
そう思い、厨房から視線を外して、テラスへ続く扉に向き直った時だった。

  「ペイさん……!?」

再び視線を厨房に戻し、そちらへ向かって早足で近付いていく。
今の悲鳴を聞けば、何か良くないことが起きたことはすぐに想像できる。
あの何か達が現れた直後であるという状況が、胸の中に生じた不安を余計に煽り立てる。

 パーツ
『部位』はテラスの柵の付近まで近付かせて、できる限り何か達の様子を確認することに努める。
『目』で見えない部分は、『耳』で周囲の声や音を聞くことによって補足する。
射程距離が5mを超えるようであれば、浮遊させずに地上に下ろすことによって距離を伸ばしたい。

746七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/22(日) 18:09:35
>>741-743(GM)
>>744(弓削)
>>735(朝山)

≪わ〜お、弓削さんも超能力者? 1人1体だしちょうどいいじゃん!
 今1体こっち来てて、1体うろうろしてて〜、あともう1体は、柱掴んでる?≫

           ≪にゃはは。わざわざ1対1にするイミもないけど、ね!≫

超能力者が他にいる事は驚かない。ここにこれだけいるのは、ちょっと驚くけど。
でも動くのが優先。アンダースロー気味に椅子を投擲。狙いは近付いてくる個体の脚。
もちろん朝山には当てないように、スタンドだけ半身ほどずらして投げさせよう。

命中までの間に浮上が始まるとすれば。その瞬間から上へのベクトル(パD)が加わる。
投擲の横のベクトルよりは弱い。軌道を上に逸らしはするが、威力を殺し切る事は無い筈。
脚狙いから上昇するわけだから、胴体か、首か、顔か。どこでも『アタリ』のサービス問題だ。
もし浮上するより先に命中したらその時はその時。それならそれで、脚を潰すことが出来る。

そして標的から目を切らない。衝突する直前に能力を解除して重さを戻すためだ。
投擲の破壊力は速度×質量が重要。この方法ならカンペキに両立する事が出来る。

「つまり朝山ちゃん、近いヤツから『制止』するアイディアなんだけど」

                   「イケてると思う?」

柱を狙う者に向かうため、こいつからまず『止めよう』と思う。

これで倒せる相手なら良いが、突撃はしない。投擲は『測る』ためでもあるから。
攻撃への対応で、『戦いのレベル』が読める。防御の手段、パワー、速度、知性、能力。
キャッチされたり弾き返されると面倒になり得るけど、そのリスクを恐れて行動しない方が面倒を招く。

747ジェイク『一般人』:2017/10/23(月) 21:52:12
>>741

大きくあくびを一つ。
男はスタンドを求めている。
それは彼の人生にとって必要なものだからである。
だが現在、それに固執している訳でもない。
男は選ばれなかったが、他人にそれを指摘される必要もなかった。
男にとってそれは事実でこそあれ悩みではない。

「……」

厨房の中に入る。

748朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/24(火) 05:48:44
>>742-743(GM)
>>746(七海)


 >――――――――きゃああぁッ!!

「!! 今のはぺーちゃんの悲鳴っス!
 むむっ……どうやら何か凄まじく大変な事が起きてるようっス!!
その原因は、そこの三人組! どーやら、お前たちに関係があるようっス!!!」

 ぺーちゃんは美味しい料理を提供してくれた店員さんっス!
こいつらの仲間が襲ってきてるのかも知れないっス!

 >朝山ちゃん、近いヤツから『制止』するアイディアなんだけど

 「わかったっス!! おぉぉぉぉぉ!!! 先手 必勝っスっっ!!!!」

『ザ・ハイヤー』発現!! 本体の前衛に立たせるっ!!!

  ヴォォンッ  キィィンッ!!

 『ザ・ハイヤー』  スペック変動

 スC→B  精度C→D

 精度を素人並みに落とす事により、スピードを猛獣並みの速度に!!

  「ワン・ツー」
 ブンッ!  ブンッ!!

  「フィニッシュ  ッ ス!!」

 ドゴォ!!!
 
 こちらに近づいてくる『潜水服』に向かい、すかさずワン・ツーパンチ。
そして最後に前蹴りを繰り出すっス!!!

749弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/24(火) 10:20:53
>>744
飛び降りる位置は地図の東方向。
スタンドは常に地面から少し浮遊しているので、高低差は気にしない。

750Poaching Lakeside:2017/10/25(水) 01:54:48
(レスが遅れてしまい申し訳ありません)

>>745(小石川)
『目』『耳』は移動、柵に寄せた。これで、〈七海〉〈朝山〉の様子(>>751)が見える
ふたつの『部位』は床に降ろした。あと2、3m離れると射程の限界を迎えそうだ。

    
    ( ミシィ   バキ   バキ )

床に張り付いた耳朶は、床下から『何かに亀裂が走る音』を聞きとる事ができた。


>>747(ジェイク)
君は厨房へ向かった。

店員の女の脇を通る時に、君と女の肩が擦れ合う。
横目に見えた女の顔はひどく青ざめているようだった。


>小石川、ジェイク

  「あ…あれ…」
  厨房内部の様子を見た〈ペイ〉が後ずさる。君たちはその脇を通り、厨房に足を踏み入れた。

比較的真新しい調理場だった。食材や料理の香りに満ちており、君たちのそばにある業務用蒸し器からエビの香りが漂う。
中央の金属製のテーブルの上には
 ウナギの切り身、クルマエビが何匹も入った籠(エビ達はまだ生きている!)、
 縦に切られた茄子、蛙の刺さった串が数本、星型に切られた人参、
 肉、味噌、タケノコ、等々、
さまざまな〈調理中〉の食材が、包丁などの調理器具と共に置かれていた。
コンロは、中華鍋で何かを調理している最中『だった』ようだが、今は火が消えている。


勝手口の扉が開け放たれており、

肝心の『料理人』は………コンロの前に『倒れていた』
その傍らに、『潜水服のごとき何か』が、『2体』。

  「…………ゴボ」 「………ゴボボ」
  「…ゴボ……」  「……………」
  「……………」  「ゴ…ボ……」

    スッ

 数瞬の間を置き、『2体』は、君たちの事に体を向けた。

   至近距離で、改めて目撃した事で、君たちは分かった。
   まず、〈こいつら〉には背中から『一本のホース』が生えていた。
   チューブの一本は床を伝い、傍にある『水の満ちたシンク』に繋がっていた。
   もう一本は、〈勝手口〉を通り外に出ていた。

   窓の奥は暗く、〈誰〉が入っているかまでは見えないが、
   体の各所に付いた窓の奥で『気泡が上る』のが見えた。
   …〈こいつら〉の中には『水』が充填されている!
 
  こいつらの甲殻の実態は…少なくとも、『潜水服と呼べる代物ではない』
  言うなれば『潜空服』とでも言うのだろうか。


>>744(弓削)
君はかつて『規律』を自らに課した……『今がその時だ』
ビジネススーツを着用しているかのような、そういう形状の〈人型精神エネルギー〉
君は『アントタイル・ワーズ』を『発現』!柵を飛び越え、地面に降り立たせた!

     ドシュ

途中、書道の大作などに用いられる『筆モップ』を、その手に発現することに成功する。
これこそがスタンドの能力である、〈筆記用具の発現〉。

   ミシィ  バキ バキ

 スタンドの聴覚ごしに、『ヒビが入る音』
 そばで『潜水服のごとき何か』2体が柱に全身で取り付き、北東の柱には大きな『亀裂』が広がっていた。

『アントタイル・ワーズ』の足元には『1本のホース』があり、
ホースはどうやら『潜水服のごとき何か』と『海』を繋げているようだ。

751Poaching Lakeside:2017/10/25(水) 01:55:10
>>746(七海)
スタンドを半身ずらし、手に持った椅子を投擲(パス精CBC)!
『潜水服のごとき何か』の足元を狙ったかに見える軌道は、『君の能力』によって唐突に変化し、
椅子は目標の〈胸〉のあたりにぶつかるコースをとった。


視界の端に、うろうろしていた『1体』が、テラス下の南東の柱に全身で取り付いたのが見えた。


>>748(朝山)
スタンドの発現!スペックをパス精BBDに『再分配』。
そして前の『潜水服のごとき何か』に突撃!
ワンツーパンチ、そして前蹴りだっ 獣のごとき速度の、3連撃!!

視界の端に、うろうろしていた『1体』が、テラス下の南東の柱に全身で取り付いたのが見えた。


 >七海、朝山、小石川の部位

     シュバ 
         シュバ   ドゴオッ 

 『朝山のスタンド』が飛び出し、『潜水服のごとき何か』に3連撃!
 それに続いて『七海が投擲した椅子』が飛来し、
 
          ガッ 

 途中で〈重力を無視したような軌道〉に変化しながら『朝山のスタンド』を透過し、目標に命中する。
 『潜水服のごとき何か』はよろめき、衝撃の影響で、胸元の〈甲殻〉や〈窓〉に歪みが生じていた。
 回避行動をとる様子はなかった。

   「……………」
   「…ゴ………」
   「…………ボ」

    スッ

 数瞬の間を置き、〈こいつ〉は、地面に落ちた椅子に体を向けた。

   至近距離で改めて目撃した事で、君たちは分かった。
   まず、〈こいつ〉には背中から『一本のホース』が生えていた。
   チューブの一本は床を伝い、背後の『海』に繋がっていた。
 
   窓の奥は暗く、〈誰〉が入っているかまでは見えないが、
   体の各所に付いた窓の奥で『気泡が上る』のが見えた。
   …〈こいつ〉の中には『水』が充填されている!
 
  こいつらの甲殻の実態は…少なくとも、『潜水服と呼べる代物ではない』
  言うなれば『潜空服』とでも言うのだろうか。


   「………ゴボボ」
   「ボボボ」

『潜空服』はふたたび数瞬の間を置き、地面の椅子に手を伸ばし、掴もうとしている(スC)

752Poaching Lakeside:2017/10/25(水) 01:55:36
【全体MAP】
道         ∴∴∴∴∴∴湖
道     ┌――┐∴∴∴∴∴∴湖
道     |軽トラ∴∴∴∴∴∴湖
道     └――┘∴∴∴∴∴∴∴湖
道         ∴∴∴∴∴∴∴湖
道         〜〜〜〜〜〜〜湖
道       〜〜  ∴∴∴∴∴湖
道      〜プププ  ∴∴∴∴湖
道電 ┌窓――開―――┐ ∴∴∴∴∴湖湖
道  |?|冷〜水水水| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |?|蔵□〜潜コ| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |閉|庫□台店ン| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|棚□台潜ロ| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|棚□台□蒸|排∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|棚キ□ジ炊|気∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□└―――小―|∴∴∴∴∴∴∴∴湖    【補足MAP】:テラスの下
道  |□レ□□□ペ掃|ttt∴∴∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道  窓□□□い□□┌┘□□□t∴∴∴∴湖    ∴柱∴柱潜∴∴∴∴湖
道  閉□□い机いジ窓□□机弓tア〜〜〜湖    ∴∴∴∴∴ア〜〜〜湖
道  窓□□□□□□開□□机□t〜〜〜〜湖    ∴∴∴∴〜〜〜〜〜湖
道  窓□い□い□□窓□□□□t∴∴〜〜湖    ∴∴∴潜∴∴〜〜湖
道  |い机い机い□|□部□□t∴〜∴∴湖    ∴柱∴柱∴∴〜∴∴湖
道  └―窓――窓―┘ttttt〜∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴〜∴∴∴湖
道          ∴七朝ハ潜∴∴∴∴湖    ∴七朝∴潜∴∴∴∴湖
道          ∴∴∴∴い∴∴∴∴湖
道電         ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
(マップ上方向を北とする)
(1マスは1m強とする)

備考:『t』で囲まれた、〈テラス〉の下も『∴』
   テラスの下の状況は、全体MAP横の補足MAPに表記。
   テラスは、地面より数m高い位置に、
   4本の〈コンクリート柱〉(マップ内:柱)で支えられる
   北東と南東の柱にそれぞれ『潜』一体が掴みかかり、
   北東の柱にはヒビが入っている。 

【記号解説】
☆→テラスから飛び降りても安全そうな高さのところ

〇→七海は、ここに『ひとつの人影?』が走るのを見た気がした。ジェイクは、このあたりに音を聞いた。

〜→水に繋がっている、『ホース』

潜→言うなれば『潜空服』 ?

弓→弓削  
ア→『アントタイル・ワーズ』 手に『筆モップ』を持つ。下に『ホース』がある。
小→小石川  厨房へ。
部→小石川の『眼球』と『耳朶』はここに移動した。あと2、3m離れると射程限界。
七→七海   地面に着地。能力を付与した『椅子』
ジ→ジェイク  厨房へ。
朝→朝山   地面に着地、ポーズを決める。
ハ→『ザ・ハイヤー』。『潜空服』に攻撃した。
ペ→店員の女  厨房から後ずさる
店→店長兼料理人の男。倒れている。気絶しているようだ。

い→椅子

台台台→1m強×3m、腰ぐらいの高さの、金属製のテーブル。
冷蔵庫→大きな冷蔵庫
棚棚棚→ビンや調理器具や食器が置かれた棚。
水水水→シンク。水が満ちている
コンロ→業務用とおぼしきコンロ。『中華用レンジ』ていうらしい。
蒸→業務用蒸し器。腰ぐらいの高さの箱にセイロが載っている。
炊→業務用炊飯器。台の上に乗っている

753弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/25(水) 08:26:42
>>750
『……………………』 『これは、既に遅いですね』

その状態を見て本体はテラスから店内に退避。

        「気をつけて下さい、テラスが崩れるかも」

   「信じがたいでしょうが……」「下で『謎の集団』が柱を破壊しています」

生身の声で呼び掛けつつ、『アンタイトル・ワーズ』は筆モップで、『ホースごとまとめて』地面に漢数字の『一』を書く。
条件は『積極的焼却』だ。

        『始めの一歩…………』

そして、即座に『積極的焼却』を発動する。
ホースという形状と潜水服というヴィジュアルからして、
確信はないにしても『一番破壊しやすい場所』だと判断した。

『アンタイトル・ワーズ』は不燃物だと文字部分が焼けるだけだが、
逆に言えば不燃物でなければ――たとえば難燃性でも、延焼は起こしうる。
その『材質確認』も兼ねた行動だ。

754小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/25(水) 18:50:47
>>750-751

切り落とした『目』を通じ、二人の少女と何か達が対峙する光景を見つめる。
そして、床下から響いてくる不穏な音を『耳』で聞き取った。
テラスという場所を考えると、そのような音を立てるものは一つしかない。
これから起こるであろう事態を想像し、思わず顔が青ざめていく。
けれど、それでさえ、この混乱に満ちた状況の一部でしかなかった。

  「――!?」

残っている目を見開き、眼前に広がる光景に驚愕する。
湖から現れた何かは三体だけではなかった。
既に、店内にまで入り込んでいる。
その事実を知り、冷たい汗が背中を伝い、胸の鼓動が早鐘を打つ。
ともかく、今は店長を助けなければ……。

  「……あなた達は……誰ですか……?」

  「何のために、こんなことをしているのですか……?」

  「――どうか、答えて下さい」

微かに震える声で二体の何かに問い掛けながら、『スーサイド・ライフ』で『右手』を切り落とす。
その際は、可能な限り向こうからは見えないように注意したい。
不必要に驚かせないために、できればペイにも見えないようにしておきたい。
そして、中央のテーブルを迂回させる形で、『手』を何か達に向かって進ませる。
移動の途中で、包丁を一本『手』に持たせたい。

  「……ペイさん、後ろに下がっていて下さい」

  「私は……彼らと同じようなものを見たことがあります」

  「もしかすると――なんとかできるかもしれません」

  「店長は……必ず助けます」

  「あなたは、お店の中や周りで他に何か起こっていないか確かめてもらえませんか……?」

厨房から遠ざけるため、背後にいるペイに呼び掛ける。
納得してもらえるかどうかは分からないけれど、今はこの説明で精一杯だった。
左手の『スーサイド・ライフ』を構え、目の前に立つ二体の動きに注意を払う。
『目』と『耳』は、ひとまず現在の位置を維持する。
今後、本体である自分の移動によって射程外になりそうな場合は、
『目』と『耳』をテラスの入口方向へ移動させることで、射程外となることを防ぐつもりでいる。

755七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/25(水) 23:33:03
>>750-752(GM)
>>748(朝山)

「ウワ〜効いてない? 凹んでるのに? ほんとに? 人間じゃないよね〜」

                「どうすればいいかなァ!」

目に見えて怪しいのはあの背中から伸びているやつか。              
もし『ダイビングスーツ』の逆転なら、千切れば大変な事になりそうだ。
能力を使う? どう見ても重い相手。通じないだろう。1分だって待てない。

「う〜ん、ホースがこれ見よがしだけどさぁ」

       「ちぎれるかな・・・ちぎっても良いよねェ?」
 
                「あッ、言葉は通じないんだっけ」

もし人間でも、UMAでも、誰かの『こういう超能力』でも、
テラスを崩そうとしてるのは事実だし、弱点を探るより前の課題だ。

「とりあえずやってみよっかァ。朝山ちゃんも一緒にやってみよ!」

                 「アタシはこっちから回り込むよ〜」

すでに自分の身体は相当軽くなっているはず。まだ浮かばないとも思う。
なので、北側から素早く潜空服の横を通過して、回り込むような状態にしよう。
なお、アクトレスは自分の南側――――つまり敵との間に入る様な位置にしておく。

通り過ぎ際に、『アクトレス』で窓のあたりに掌底で一撃入れられたら最高。
指先を触れさせる一撃により、敵をこちらの能力下に置いてしまえるからだ。
スピードはこちらが上、敵が注意を払ってるのは南。朝山もいる。決まる要素はある。

明らかにこっちに注意を向けてきたりしたら、それはそれで朝山の攻撃機会になり得る。

756ジェイク『一般人』:2017/10/25(水) 23:50:26
>>752

「魂が溶けているのか」

ぐっと首をひねってから歩き出す。
別に突っ込んでいく必要もない。
左手側に移動(キと書いてあるほう)

757朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/26(木) 08:16:37
>>750-752(GM)
>>755

「むぅ!? 随分頑丈な服っス!! 防弾性能でもあるっスか!!?」

 思いっきり吹き飛ぶぐらいの気持ちで叩いたり蹴ったりしたつもりだったスけど
この潜水だが潜空服の奴は並みの攻撃を受け付けないようっス。

 「今の一撃でも倒れないなら、更に パワフル一撃っ!」

 キィィン

 精度D→E   スピードB→A

 「ちょい や さっ ス!!」   パシュゥゥ!!

 北側から素早く、その敵の潜空服へ回り込んでる七海に対して
注意を惹きつけないように、こちらは大きく踵落としを繰り出す!(パス精BAE)

 相手は、大きい人型だ。精度は滅茶苦茶でも、何処かしら体に対し
振りぬいた足は直撃するだろう。

 今はとりあえずダメージを蓄積させるっス! ホースは七海さんに任せるっス!!

758Poaching Lakeside:2017/10/26(木) 23:26:43
>弓削、七海、朝山、小石川の部位

テラスの北東を下で支えていた、

             ミシ…ミシミシミシ 

                 /7Г|ロロ冂
            / / | | [二 二]
            /_/ |_| [二 二]
                  凵 ロロ┐
                       /_/                         `
                                        {7´ /{
                                         {/
/ 〉       コンクリートの柱が、『折れた』。
i/                       _ ___
′                        ア゛i:i:i:ノ          i:、
                        /:i:i>'"          ノ:iヘ
                     ^~´             /:i:i:i:i:ハ
                                    \:i:i:i:i:}
そしてテラスの北東が『崩れる』!                    寸ノ
その場に瓦礫が降り注ぎ、そして斜めになった食卓からスープの壺が滑り落ちてゆく。
柱を折った『潜空服』が、折った柱を『成果物』のように掲げるのが君たちの視界に映った。
                                     r‐- ミ                                       _ア⌒ヽヽ
                                     (:i:i:i:i:i:iハハ
 \⌒ヽ                                 /| \:i:i:i:i:i} !
   `ヽノ    ______                         ./:ノ  \:i:ノノ
       /:  [⌒)i)                  八   ´       Y
        ){.: ::  [:i:i{7                   :i:i:ハ       `
     ⌒V:.:  [:i:i{                  {:i:i:i:}    `
   _    V‐=≦彡                     \:i}
 ,イ:i:}                                }}
 }:i:i:}                                 〃
 }:i∥                               ,ィ{
 }:∥                               {:i{
 Ⅵ  

      ピシ


〈潜空服〉の取り付いた南東の柱に、ヒビが入る音が、君たちには聞こえた。









 >>753(弓削)

 テラスの端が派手に倒壊したが、事前に退避した弓削は『無事』だった。
 (まだ店内に避難はできていない)
                                {:i{
                                  {7

   …あと、テラスを歩く弓削の足にぶつかるものがあった。
   『ジェイク』の置いて行った、『麻袋』だ。


テラスの瓦礫が降り注ぐ中、『アンタイトル・ワーズ』は〈筆記用具〉に備わる特異性を発揮!
          _
      ト、   ^)ノrァ
   |し'!、_ノ |_ノし! リ 
   し-‐1 r―‐'´
    ,イ | |! |!      『焼却』ッ!  
    )ノ_j l| :八,ィ  
    ̄ ) _ノ:(__ノ    
    /'´        
君が実行した『積極的焼却』により、筆モップによる筆跡が〈発火〉、
『一』の字が書かれたホースの表面と、地面の雑草ちょっぴりを燃やす。
君のスタンドが能力を行使している間、〈潜空服〉は柱を掲げ続けていた。
どうやらホースは〈不燃製〉のようで、延焼どころか焦げ跡すら残す事は無かった
が、地面に生える雑草はまだ少し燃えている。

 
   「………」
   「ゴボ」
                              
『潜空服』は、ようやく『背後』に気づいたようで (見ると…この『潜空服』、なぜか背中にも『窓』が付いている)
折った柱の瓦礫(2m弱)を掲げながら『アンタイトル・ワーズ』のいる方向に向かってきた。
上を防御こそしたが瓦礫はいくつも当たったようで、ボディの各所はすこし歪んでいる。

759Poaching Lakeside:2017/10/26(木) 23:27:50


>>755七海、>>757朝山
対峙する『潜空服』は、二人を無視し先程投げつけられた『椅子』のほう、つまり南を向き、椅子を拾い上げた。
そうやって敵が悠長としているのを見逃す君たちではない!

七海と『アクトレス』は『潜空服』の北に移動、
アクトレスは敵のボディに『掌底』(パス精密CBC)を放つ!


そして〈朝山〉は『ザ・ハイヤー』のスペックを再分配、速度を最高まで上げた『踵落とし』(パス精BAE)!

    ド   ゴォ


  「ゴッ…ゴボボボボボボボボ」


『潜空服』のボディの、叩かれた『大きく歪んだ』。
そして、中身が漏れ出さぬよう密封するべく、全身に張り詰められた固い甲殻は、
逆に一か所でも『歪み』が生じれば、その歪みが全体に影響を与える様子であった。

結果として、敵のボディになにが生じたのかと言えば、全身のあちこちの『窓』に『ヒビ』が入り、


   チョロチョロチョロ

また『各所から水漏れが生じている』。
『潜空服』はワタワタと足を動かし、慌てたような歩き方で、椅子を持ったまま〈海〉に向かって歩き始めた…

760Poaching Lakeside:2017/10/26(木) 23:29:25
>小石川、ジェイク

          /7Г|ロロ冂
        / / | | [二 二]
        /_/ |_| [二 二]
              凵 ロロ┐
                   /_/ 


    ゴロ   ゴロ  ゴゴゴ……


店の外、テラスのあたりから、なにかが『倒壊』する音が聞こえた。
店員の女は、小石川の指示に対して「わ、ワカッタ…信ジル」と言い厨房の入口から離れていった。
  
   「ゴボボボボ」  「……ゴボ」

 小石川は潜空服に問いかけるが、返事はない。
 返ってきたのは、言葉ではなく、水槽が立てるような『泡立つ音』だった。

  「ゴボ…」

   ゲシッ   ノソ   ノソ

一体は、しばし小石川を眺めた後、倒れた店長の身体を軽く蹴り飛ばしてから、小石川に向かってゆっくり歩く。


    「ごぼ」

        ガシィ


もう一体は、君たちから体を逸らし、火のないコンロに置かれた『鍋(何が入っているかは見えない)』を掴んだ。


>>754(小石川)

君は、自らの手首を『切り落とす』。〈ジェイク〉が君の前にいるうちに行えたので、相手からは視認されていない。

包丁は、確かにテーブルの上にあるが、…それはテーブルの『東側』、店長や潜空服のいる側だ。
テーブルを迂回し潜空服に見つからないように包丁を取得するのは難しそうだ。
テーブル以外から包丁を取得したいのなら、『棚』を探す必要がありそうだ。
また、〈ジェイク〉のそばにある『キャスター付きワゴン』には
『湯と茶葉の入った茶ビン』『ナイフ、フォーク、箸、スプーン』『取り皿』が載っているようだ。
ナイフならすぐに手に入りそうだ。
>>756(ジェイク)

君は左手に歩く。見ると、『キャスター付きのワゴン』が置いてあった。これで料理などを運ぶのだろう。
今は『湯と茶葉の入った茶ビン』『ナイフ、フォーク、箸、スプーン』『取り皿』が載っていた。

テーブルの脇を隠れるようにして、小石川だとかの『切り落とされた手首』が浮遊し、移動している。

761Poaching Lakeside:2017/10/26(木) 23:31:39

【全体MAP】
道         ∴∴∴∴∴∴湖
道     ┌――┐∴∴∴∴∴∴湖
道     |軽トラ∴∴∴∴∴∴湖
道     └――┘∴∴∴∴∴∴∴湖
道         ∴∴∴∴∴∴∴湖
道         〜〜〜〜〜〜〜湖
道       〜〜  ∴∴∴∴∴湖
道      〜プププ  ∴∴∴∴湖
道電 ┌窓――開―――┐ ∴∴∴∴∴湖湖
道  |?|冷〜水水水| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |?|蔵□〜潜コ| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |閉|庫□台店ン| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|棚□台〜ロ| ∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|棚手台潜蒸|排∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□|棚ジ□□炊|気∴∴∴∴∴∴∴湖
道  |□└―――小―|∴∴∴∴∴∴∴∴湖    【補足MAP】:テラスの下
道  |□レ□□□□掃|tt礫礫∴∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道  窓□□ペい□□┌┘□□礫潜∴∴∴∴湖    ∴柱∴∴潜∴∴∴∴湖
道  閉□□い机いジ窓□弓机礫礫ア〜〜〜湖    ∴∴∴∴∴ア〜〜〜湖
道  窓□□□□□□開□□机□t〜〜〜〜湖    ∴∴∴∴〜〜〜〜〜湖
道  窓□い□い□□窓□□□□t∴∴〜〜湖    ∴∴∴潜∴∴〜〜湖
道  |い机い机い□|□部□□t∴〜∴∴湖    ∴柱∴柱七∴〜∴∴湖
道  └―窓――窓―┘ttttt〜∴∴∴湖    ∴∴∴∴㋐〜∴∴∴湖
道          ∴∴朝ハ潜∴∴∴∴湖    ∴∴朝ハ∴潜∴∴∴湖
道          ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道電         ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
(マップ上方向を北とする)
(1マスは1m強とする)




備考:『t』で囲まれた、〈テラス〉の下も『∴』
   テラスの下の状況は、全体MAP横の補足MAPに表記。
   テラスは、地面より数m高い位置に、
   4本の〈コンクリート柱〉(マップ内:柱)で支えられる
   南東の柱『潜』一体が掴みかかり、
   北東の柱がさきほど倒壊した。 


礫→テラスが崩れたことにより生まれた瓦礫。
  内容物は床だったもの、柵だったもの、柱その他のコンクリート片が大小さまざま、
  スープのビンだったものがいくつか。

【記号解説】
☆→テラスから飛び降りても安全そうな高さのところ

〇→七海は、ここに『ひとつの人影?』が走るのを見た気がした。ジェイクは、このあたりに音を聞いた。

〜→水に繋がっている、『ホース』

潜→言うなれば『潜空服』 ?

弓→弓削  
ア→『アンタイトル・ワーズ』 
小→小石川 
部→小石川の『眼球』と『耳朶』はここに移動した。あと2、3m離れると射程限界。
手→小石川の『右手』
七→七海   
㋐→『アクトレス』 他の参加者のスタンド名と頭文字が被るため、この文字を使用する。
ジ→ジェイク  そばに『キャスター付きのワゴン』。
朝→朝山   
ハ→『ザ・ハイヤー』。『潜空服』に攻撃した。
ペ→店員の女  あちこちの様子を見にゆく。
店→店長兼料理人の男。倒れている。気絶しているようだ。

い→椅子

台台台→1m強×3m、腰ぐらいの高さの、金属製のテーブル。下を小石川の『手』が通る。
冷蔵庫→大きな冷蔵庫
棚棚棚→ビンや調理器具や食器が置かれた棚。
水水水→シンク。水が満ちている
コンロ→業務用とおぼしきコンロ。『中華用レンジ』ていうらしい。
蒸→業務用蒸し器。腰ぐらいの高さの箱にセイロが載っている。
炊→業務用炊飯器。台の上に乗っている
キ→キャスタ―付きのワゴン。『サービスカート』『レストランワゴン』と呼ばれるような種類のもの。

762弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/10/27(金) 00:39:37
>>758
「…………これは」

特に持ち帰る意義はない。しかし……放置しては確実に崩落に巻き込まれるだろう。
一刻を争う状況だが、別に一挙手一投足を惜しむというほどでもないので、退避のついでに拾い上げる。
そしてその後は店内へ。スタンドの操作に集中したいので、本体の行動は簡潔だ。
そして――

『不燃性』『相性は悪いですね……』

『アンタイトル・ワーズ』はそう呟きつつ、筆モップを解除。
後退して距離を取りつつ、『ホース』を蹴上げて手で掴みたい。(破ス精CCB)
無論『アンタイトル・ワーズ』の強みは『焼却』だけではないが……今はその局面ではない。

ところで、見た感じ『窓』は具体的に身体のどのあたりにあるだろうか。胸と背中のみ?
それと、関節の状態も確認しておきたい。そこも隙間なく甲殻に覆われているのだろうか。

763小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/10/27(金) 03:26:26
>>760

  「――柱が……!!」

そうなることを予想していても、驚きは少しも薄れることはなかった。
度を越えた破壊に戦慄すると共に、目の前で行われる暴挙に対して、
言いようのない悲しさが込み上げてくる。
このようなことが起こらなければならない理由があるのだろうか。
もし理由があったとしても、この店の主である店長やペイに非があるとは思えない。
これでは余りにも理不尽すぎる。

  「……どうして?」

  「どうして――どうして、こんな酷いことを……?」

  「もう、やめて下さい……!」

  「お願いします……」

言葉を発することのない二体に懇願する。
もう意味のないことだと分かっていても、そうせずにはいられなかった。
この状況を解決するためには、力しかないという事実が辛かったから。

  「……できれば、あなた達のことも――傷付けたくありません……」

静かに呟きながら、ワゴンの上に乗っているナイフを『手』で掴み取る。
そして、テーブルの陰に潜ませながら、『手』をテーブルの端まで移動させる。
あの潜水服のようなものが陸の上で動くためのものだとしたら、
それに繋がるホースは彼らにとっては命綱のはず。

     スッ……

  「――ごめんなさい……」

何かが近付いてくるのに合わせて、その場から後ずさる。
同時に、鍋を掴んだ何かに繋がるホースの一部に、『手』が持っているナイフを突き刺す。
通じるかは分からないけれど、これで片方の動きを止めたい。

764七海 フランチェスカ『アクトレス』:2017/10/27(金) 22:46:41
>>758-761(GM)
>>757(朝山)

「朝山ちゃん今の技すごい! かかと落としってやつだよね?
 アタシもやってみたいなあ。綺麗に決まったら気持ちよさそ〜、っと」

         「人の物壊しといて自分は逃げるってどうなのォ?
          にゃは、まあアタシでもそうなったら逃げるけどね!」

湖に戻ろうとする敵がいくら早歩きでも、こっちは走れる。だから追いつける。
そうやって追撃して、窓を蹴り割って、残り二体は朝山に任せる事も考えた。しかし。

「でさあ、逃げようとしてるってことは、意思があると思うんだよね。
 それってつまり、逃げたら『何とかなる』って思ってるんだ・・・
 このおしゃれなヨロイ、修理できるのかも。それとも増援を呼ぶ?
 させられないよねぇ。でも、向こうにいるやつらもさ、また壊しそうだし」

――――だけど。それは目的に反するんじゃあないだろうか。
こいつを倒したところで、他の奴らも倒さないと襲撃の理由は吐かせられない。

「アタシは深追いはしないであげる。残りの二体を“ジンモン”すればいいよね・・・」

                  「つまり、きみの事だよォ!!」

増援を呼ばれたりすると厄介だけど、逆に言えば『戻って来ない』事も増援が来る理由になる。
ゆえに、ここは見逃す。すぐそば、南東の柱にいる一体に大声で呼びかける。注意を惹く。
ここまでの様子から、声には気づかないかもしれないが、近くに『敵』がいれば反応する可能性はある。

道  |□└―――小―|∴∴∴∴∴∴∴∴湖    【補足MAP】:テラスの下
道  |□レ□□□□掃|tt礫礫∴∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖
道  窓□□ペい□□┌┘□□礫潜∴∴∴∴湖    ∴柱∴∴潜∴∴∴∴湖
道  閉□□い机いジ窓□弓机礫礫ア〜〜〜湖    ∴∴∴∴∴ア〜〜〜湖
道  窓□□□□□□開□□机□t〜〜〜〜湖    ∴∴∴∴〜〜〜〜〜湖
道  窓□い□い□□窓□□□□t∴∴〜〜湖    ∴∴?潜∴七〜〜湖
道  |い机い机い□|□部□□t∴〜∴∴湖    ∴柱∴柱∴∴〜∴∴湖
道  └―窓――窓―┘ttttt〜∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴〜∴∴∴湖
道          ∴∴朝ハ潜∴∴∴∴湖    ∴∴朝ハ∴潜∴∴∴湖
道          ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖    ∴∴∴∴∴∴∴∴∴湖

同時、逆側から回り込ませるように、『アクトレス』を敵の西側へと移動させる(上のような位置関係を狙う)
距離的には相当近いはず。可能なら、柱にかかり切りであろうその腕にでもスタンドの蹴りを入れたい。
本体は多少歩きながら叫んでいるだけであり、同時操作によるスタンドの動作への支障はほとんど無いはず。

                              トーキック
可能な限り速く刺し、脚を戻す、コンパクトで鋭い爪先蹴りだ。傷つけるよりは、『怯ませる』『動きを止める』のが狙い。

765ジェイク『一般人』:2017/10/27(金) 23:18:17
>>760

テーブル脇の手など見ない。
いま手を止めて注視する必要もない。
つまりはそういうものなのだろう。

「お前、なんだったか。小石川……か」

「店長を助けると言ったな? 付け加えておけ」

「人命以外の保証は出来ないとな」

静謐は望めない。そう呟いた。
茶便を掴んで手近な一体に投げる
その後に同じ手でナイフが残っているならとりあえず取っておく。なければフォークでいい。
そもそも取れなくても構わない。
投げる方に使っていないはワゴンの持ち手を持っておく。

766朝山『ザ・ハイヤー』:2017/10/28(土) 11:53:11
>>758-761
>>764

 湖に逃げかえる潜空服は追わない!! 去る者追わずだ!!!

「かなり頑丈っス!! 多勢で襲われるときびしーっス!!!」

 物凄く嫌な音がテラスの下に響く! 柱が折れた音だ!!

 「うわー!! 柱が一本折れちゃったっス!!!
駄目っス!! このままじゃテラスが完全に湖に落下しちゃうかも知れないっス!!!!!」

 朝山としては正午のランチが、このままじゃ滅茶苦茶だ!!

 「ぬおおおぉぉ!!!! 柱からどくっスぅぅぅううう!!!!!」

  ぴんっ   ぎゅぅぅぅ!!

 南東の柱に取り付いてる『潜空服』にダッシュ!!
どうも、かなり頑丈な体のようだっス!!
 なら『ホース』を引っ張るっス!! 引っこ抜けたら中に入ってる水もとれて
動けなくなるかも知れないし、柱から遠ざかれば万々歳っス!!!

 「ホースを狙うっスぅぅうううううう!!!」

 七海に対しても、大声で言いつつホースを引っ張るっス!!!!!

767Poaching Lakeside:2017/11/15(水) 10:09:49

――――『芝麻花』での食事は各々の好みもあれど、満足のいくものだった。

特に何か異変があるわけでもなく、楽しい食事の時間を過ごした一同。
おみやげに冷凍シュウマイを買い(あるいは貰い)、帰路に着いた。

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ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ===
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ニニニ
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三二二二

そして後日、5人は偶然か運命か、『10万円』の臨時収入を得た。
拾ったのかもしれないし、日常での何らかのラッキーかもしれないし、
なにか割のいい『仕事』を見つけたのかもしれない。理由はそれぞれだ。
この日との関係は分からないが、ここにいたばらばらな個々の共通点ではある。

共通点があれば、いずれまた道が交わる事もあるだろう――――

『フォーティャオチァン』のように、それぞれの『ルーツ』は違えど、
数多の材料が交わり合って『絶品』を成すのが、この『星見町』なのだから。

弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』
小石川文子『スーサイド・ライフ』
七海 フランチェスカ『アクトレス』
ジェイク『一般人』
朝山『ザ・ハイヤー』

→全員『無傷』
→『10万円 + 湖の幸を使った冷凍シュウマイ』 獲得

Poaching Lakeside ・・・『打ち切り』(戦闘は『なかったこと』になった)

768『ペイズリー・ハウス』:2018/06/10(日) 23:19:30



あれこれ忙しくしているうちに過ぎていくもの。
それが人生なんだ。

ジョン・レノン

769『ペイズリー・ハウス』:2018/06/10(日) 23:51:51

 ――桜の残り香が、まだ町の中を彷徨っていた頃の出来事。

貴方達は、とある喫茶店のテラスに座って軽食をとっている。
 向かいには、気風が良い年配の女性がにこやかにティーカップから
紅茶を一口ふくみ、優しい眼で二人を見比べると口を開いた。

 「まぁまぁ、こんな可愛らしいお嬢さんが来てくれるなんてねぇ。
それに、肌にハリがあって見るだけで元気が湧いて……私の女学生の
頃を思い出すわぁ。あら、嫌だ、私ってば自分ばかり喋っちゃって」

 そう、口元をおさえて女性は一通り上品な笑い声を立ててから
本題とばかりに、貴方たちに和やかながら強い目線を向けた。
 
 「お二人とも、この応募をしてくださったと言う事は
お力がある方と拝見いたしますよ」

 「私の頼みと言うのは、単刀直入に言わせて貰いますね。
子供の世話を数日して頂きたいのです。
 二泊三日。その間は、管轄の園で寝泊まりしてくださって構いません。
急な話ではありますけど、明後日から初めて欲しいのです。
 このような事、専門の方に任せるべきなのでしょうけど。
恥ずかしながら、人手が足りなくてねぇ」

 そう、妙齢の女性は痛ましいとばかりに瞼へと手をあてる仕草を行った。

 「ご質問を、お受けしますわ。何せ突拍子もない話でしょうし」

(『外見』『所持品』『能力』などの提示とレスの開始をお願いします)

770夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/11(月) 00:58:34
>>769

私はこう思っている――『アリーナ』絡みの話は面白い、と。
『アリーナ』とは、過去に二度ほど関わりを持っている。
そのどちらも、私のハートに『未知』を感じさせてくれる体験だった。

だから、私は『アリーナ』が出す広告は大体チェックしている。
そして目に留まったのが、このシゴトだった。
別に深いリユウはないが、なんとなくピンと来たから応募してみたというワケだ。

「はじめまして!!よろしくおねがいしまッ……おねがいします!!」

大きく頭を下げながら挨拶する。
勢いが良すぎて、思わず舌を噛んでしまって痛い。
だけど、そんなアクシデントにも負けずに明るい笑顔を披露する。

なんといっても、アイサツはコミュニケーションのキホンだ。
『ゲンキよく、ケイキよく、イセイよく』。
それが、わたしのモットーだ。
いまつくった。これを、コンゲツのマチのヒョウゴにスイセンしよう。
あわよくば、『図書券』とかもらえるかもしれない。

「ほっぺたもピンク!!テンカブツなし!!ナチュラルボーン100%!!」

褒められたから、ちょっと調子に乗ってはしゃいでみた。
これでフンイキがナゴんで、かいわもスムーズにすすむはずだ。
もしもフンイキがワルくなったとしても、わたしのせいなワケがないとおもわれる。

「ハイ、しつもん!!ふたりとも、おなまえおしえてください!!」

「ちなみに、わたしは『アスミ』っていいます!!『ユメミガサキ』でも可!!」

元気よく手を上げて質問する。
名前が分かってないのは呼びづらい。
なので、まずは軽く自己紹介したいところだ。
ついでに、同席している相棒にも声を掛けておく。

◆◇外見◆◇
セミロングの金髪に、カラフルなスカーフをリボンのように巻いている。
服装は、水色のジャンパースカートに白いブラウス・黒いタイツ・エナメルシューズ。
両手の爪にネイルアートが施された付け爪、目元にはブルーのレンズのサングラス。

◆◇所持品◆◇
財布、スマホ、予備のサングラス

◆◇能力◆◇
『超人的な四感』と『存在しない視覚』を持ち、爪で切りつけることで、
それらを『移植』する。
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/56

771天雨 サトリ『10cc』:2018/06/11(月) 01:09:57
>>769(GM)
>>770(夢見ヶ崎)

「可愛らしい――――ではなく、見目麗しいと。
 お力がある――――ではなく、文武両道才色兼備。
 どうせお褒めいただくなら、そちらが好みですわ。
 なぜなら私は、『天雨(アモウ) サトリ』ですもの!」

         シャラン!

肩にかかる長さの髪を指で払い、あくまで真剣に返した。
自信過剰、と切り捨てるには整った容姿であるのは間違いないが、
その総身から漂う自信は明らかに過剰で、尊大ですらある。

「尤も。第一声が『誉め言葉』というのは素晴らしいですわ。
 とても見る目があるお方、と覚えておきましょう。どうぞよろしく。
 この喫茶も、お洒落ですし。味の方も私好み。素敵ですわね。
 子供のお世話というのは初めてですけれど、私にお任せなさい。
 …………ああ、勿論、私一人というわけではありませんけれど」

          クルッ

「ええと、二度めになりますが、『天雨サトリ』ですわ。
 天雨さんと呼んでくださって構いませんわよ。
 『ユメミガサキ』さん、自己紹介はこれでよろしくて?」

ふと、隣に座っている少女に目線を向け、質問に答える。
とはいえ知った顔でも無いし、すぐに老婆に向き直る。

「さて。いずれにせよ、丸腰で挑むつもりはなくってよ。 
 私から質問をさせていただきましょうか――――そう。
 とてもシンプルな事だけれど、『子供たちの年代』『人数』。
 それから、『世話をする上で気を付けるべき事』をお挙げなさい」

「後から『甲殻類アレルギーでした』なんて言われても困りますものね」

あんがい真面目な調子で質問を終えると、エビの入ったスープを口に運んだ。
エビはサトリの好物であり、何も言われなければ『食事』に含むつもりでいる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【外見】
灰色の髪、琥珀色の目と日本人離れした外見の女性。
服装は『森ガール』と『ロリィタ』を混ぜたような雰囲気。

【持ち物】
①スマートフォン
②財布
③水と袋飴(ストロベリー味、コーヒー味、ミント味の三種)
④化粧ポーチ
⑤ティッシュとハンカチ
⑥イヤホンとポータブルプレーヤー
↑上記の持ち物が入ったハンドバック

【能力詳細】
アンティーク調の雰囲気を持つジョウロのヴィジョン。
水を撒いた場所に草と花を生み出す。また時間が経つと花は枯れ、代わりに実がなる。
生物に発現した実は水と共に対象の生命力を吸い上げるため非常に美味。

『10cc』
破壊力:C スピード:C  射程距離:E
持続力:B 精密動作性:C 成長性:C

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/77

772『ペイズリー・ハウス』:2018/06/11(月) 09:41:08
>>770(夢見ヶ崎PC)

 「元気が良いわねぇ。頼もしいわ
アスミさんね。その明るさを何時でも忘れないでね」

ショールを巻き、小さい丸眼鏡をかける50程の女性は
シュガースティックに人差し指を向けると、トンボの目を回させるように
指を回転させる。スティックは紅茶の海の中で一人で螺旋に回り始める。

「砂の金と書いてイサゴ、イサゴと私は申し上げます。余り聞き慣れない
珍しい名前でしょうけどね。昔は、こんな名前も普通でしたのよ。
 そぅそぅ、金と言えばね。私が、本日の人手を急いで埋めるのに
金一と言う知り合いにも少し思案したのですけど…………何せ、どうにも
不安のある子でねぇ。ですので、無難に応募にしたのですよ
子供達に、変な影響を与えるのは吝かですから」

貴方、知ってるかしら? と、何でも知りぬいているような目で
夢見ヶ崎の姿を穏やかな緑色の瞳が映していた。

>>771(天雨PC)

「サトリさんね。どうぞ、宜しくお願いしますね」

「……まず、お世話する子達ですけど。三人は園児です
全員6〜7歳です。みんな可愛い女の子ですのよ
 それと、もう一人。12歳の子が、おりましてね。
その子も止むを得ない事情がおりまして、園(えん)で
子供達のお世話をする同士の傍ら、見守って欲しいのですよ」

世話をする実質の人数は三人。ある程度のサポートと見守る
子が一人いるらしい。

「やはり子供ですからね。園児の子たちは好き嫌いは
ありますけど、アレルギーは心配しないで結構です。
 本当でしたら、私や他に正規の従業員がフォローに
回らなくてはいけないのにねぇ……私は、当日には
少々海外に行かなくてはいけませんし。アリーナの者達も
遺憾ながら他の仕事に手が回りませんのよ。
 他に気を付けなくていけない詳細ですけどね。
私は古い人間ですからね。逐一こちらで口伝するよりも
 直接、肌で触れて互いの事を知って配慮を実感するべきだと
考えているのです。命に関わるような事でしたら、そりゃあ
前もって伝えますけどね」

 

 女性、イサゴはそこで紅茶を少し含んで喉を休める。
麗らかな風が三人の間を駆け抜ける。もう少し
 突き詰めたい事があれば、彼女は快く答えるだろう。

773夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/11(月) 21:37:58
>>771
>>772

「――『きんいち』?ああ、あのボンクラのロクデナシ」

「まったく、あいつはガキのころから、ちっともかわっちゃいねえからな」

捏造された思い出を交えながら、一言で切り捨てる。
もしここに呼ばれていたら、このヒトの価値観を疑うところだった。
まぁ、モノは使いようだ。
『アリーナ』との繋がりという意味では付き合っておく価値はある。
もうちょっと他のツテに頼った方がいいかもしれないけど。

「『アモちゃん』……なんかちがうな……。『サトちゃん』……これもイマイチ……。
 う〜〜〜む……」

両手の人差し指をコメカミに当て、ブツブツ言いながら勝手に悩み始める。
『天雨さん』という呼び方は、最初から選択肢に入れてなかった。
ひとしきり悩んでから、隣の少女に顔を向ける。

「――よろしく、サトリちゃん!!オッス!!」

ババン!!よびかたけってい!!
ぜんこくジューマンツーのおうぼのなかからシンサイインカイがげんせんしました!!
やっぱりシンプルがイチバンだよね〜〜〜。

「ハイハイ!!わたし『ピーマンアレルギー』!!だって『ニガい』から!!」

ねんのためにイチオーいっておこう。
もしでてきたら、のみものでながしこまないといけなくなる。
『アレルギー』って、こういうのでよかったっけ??

「あとさぁ〜〜〜、おせわってグタイテキにナニするの?? 
 センセーみたいにコドモたちとあそんだりおひるねさせるとか??
 それともカセイフみたいにリョーリ、センタク、ソージとか??」

「わたしからはそれいがいしつもんナッシング!!
 サトリちゃん、あとはまかした!!」

残りの質問は相棒に任せて、飲み食いに集中する。
だってタダだし。タダだよね??

774天雨 サトリ『10cc』:2018/06/11(月) 23:35:19
>>772(GM)
>>773(夢見ヶ崎)

「ええ、『天雨』サトリですわ。苗字は天雨。
 ……ま、呼び方に拘るほど狭量ではなくってよ。
 あんまりにも馴れ馴れしいのは、ともかくとして!」

「……とはいえ、よろしくお願いしますとは言っておきますわ」

夢見ヶ崎に釘を刺すが、この手のに本気で改善は求めない。
これから仲間になるのだし、馴れ馴れしいのも悪くはない。
と、理解の上では分かっているが、馴れ馴れしいのは慣れない。

それにしても、アリーナという組織の全容は気になるものだ。
自慢じゃないが世の中の事は人より知っているつもりでいた。
夢見ヶ崎はどうやらそれなりに関係者らしいが、どういう関係なのか。

「私、家事全般は一通りできますので。それが必要ならご安心なさい。
 アレルギーや持病の心配がないなら、素人の私でも大丈夫でしょう。
 それと、事前に伝えられていない事に関して配慮はしませんからね!
 あとになって『そこは察して欲しかった』とかは、ご勘弁願いましてよ?
 もちろん、私もある程度の常識や良識は守らせていただきますけれど……」

知り合いからの頼まれごとではなく、これはビジネス。そこは詰めておく。
金と信用を裏切る事になってはまずい。いくら自分が凄くて実家が金持ちでも。

「ああ、子供たちのプロフィールについても問題ありませんわ。
 12さいの子も女子ですわよね? 小6か中1の男子は……
 無理では無いにせよ、絶対にしっかり見守り切れるとは限りませんわよ。
 その年ごろなら、下手をすれば私より体も大きいでしょうし。腕力もね」

「あとは、そうですわね。それ程思いつかないけれど。
 ユメミガサキさんの質問は私も聞きたかったところ。
 家に着いてから、何をするか迷うのは困りますものね。
 貴女も中々聡いじゃないですの? ふん、褒めて差しあげますわ」

          「後は……」

「……ああ! そうですわ。大事なことを忘れる所でした。
 もう一つ確認しておくことがありましたわね。というのも」

            キュイン!

「――――その子供たちに、何か『特異な能力』はございまして?」

手に『10cc』を発現し、机の上に置くようにして解除する。
この老婆『イサゴ』にこれが見えるかどうかも知っておきたいところだが、
子供たちが能力を持っているかどうかは『命にかかわりかねない』と認識している。

775『ペイズリー・ハウス』:2018/06/12(火) 00:19:38
>>773(夢見ヶ崎PC)

貴方の言葉に、イサゴはフフッと口元を綻ばせつつ小さく笑う。

「あの子は、ヤンチャ坊主でねぇ。私が未だ現役の頃も
手を焼かされたものよ。まぁ、過ぎた事なんですけどねぇ」
 
そう呟き、その話題は早々に終了して質問へと回答する。

「遊んだり、寝かせたり、と言うのを 大まかにして頂きたいですね。
お料理に関しては、その年長の彼女が得意ですし……掃除などに関しては
そうねぇ、この際ですし金一にも頼みましょうか。口では何かと文句を
言っても、数枚の肖像画を見せれば直ぐに首を縦に振るでしょうから」

どうやら、幼稚園の保母さんのように遊んだりしてあげるのが主要のようだ。
料理に関しては、年長の子が引き受けてくれるとの事。
園の清掃に関しては、アリーナの人間を呼んでくれるようだ。

>>774(天雨PC)

「天の雨、とは良い苗字ねぇ。それに、サトリ、悟りねぇ
貴方のご両親は、とても貴方に良い名を授けてくださったのね。
 あぁ、勿論アスミさんもですよ」

「家事が得意ですのね。それは良かったわ、何せ育ち盛りの子が
三人もいれば、お料理を中学に入りたての子に一人だけで任せるのも
少々悪いと思ってたから、手伝ってくださるのならば有難いわ。
 少しシャイですけど、良い娘ですよ」

年長の子は、女性のようだ。

そして、特異な力『スタンド』があるかと言う質問。

スタンドを発現する貴方に。一瞬だが、少し長めに感じる沈黙を
女性は生じさせてから。紅茶を再度口に含み、そして更に置く。

「――ございますよ。
……ただし、私の口から全貌を明かす事は出来ませんわね。
いえ、出来ないと言うよりは、詳しく存知あげないと言うべきかしら」

「貴方たちは、自我とスタンドの繊細かつ深い繋がりがどのように作用を
及ぼすかはご存知かしらねぇ。そして、何を以てスタンドは備わるのか。
……神様の考える事はわかりませんけど、私は、この世に無意味な事など
何一つないと思っていますのよ」

 「子は宝ですからねぇ。私から言えるのは、あの子達の力が悪魔か
天使のようであれ、あの子達の無垢さを否定する事は誰にも出来ないんですよ。
 齢を多く食った先人から助言させて頂ければ。悪い事をしたのなら悪いと
叱っておやりなさい。褒められる事をしたのなら、褒めやかしなさい
 当たり前の事をすれば良いのですよ」

 そう、イサゴは持論を語り終えると紅茶の最後を飲み干した。

 

 「……私からは、殆どの事は語り終えましたねぇ」

「お着替えだけは当日忘れないように。洗面用具や、他の日用品は特に
いりませんよ。園には備蓄がちゃんと御座いますからね」

776夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/12(火) 01:23:37
>>774
>>775

「さすがサトリちゃん、わかってるねぇ〜〜〜。
 なにをかくそう、わたしはほめるとグングンのびるタイプ!!
 どんどんほめて、どんどんのばそう!!めざせ、エベレストきゅう!!」

ほめられたからよろこんだ!!
こうみえても、わたしはとってもスナオなコなのだ!!
このウラオモテのないじゅんしんさで、コドモたちもココロをひらくにちがいない!!

「まあ、オタンコナスでもソージくらいならできるよねー。
 いや、ぎゃくにソージされるほうかも??お、いまのうまくない??
 わたしにざぶとんいちまい!!」

どうでもいいや。だって、あのトンチキだし。
ジョークを織り交ぜつつ、こちらも軽く流す。
今大事なのは、これから始めるシゴトについてなんだから。

「――へぇ……」

アンティーク調のジョウロ――『10cc』が視界に入り、小さな呟きと共に、
サングラスの奥の瞳を輝かせる。
目の前に出現した『未知の存在』が、心の中の好奇心を強く刺激するのが分かる。
これだから、『アリーナ』絡みの話は面白い。

「ま、あとは『いってみてのオタノシミ』ってことで。
 サトリちゃん、まだなんかある??」

    ムッシャムッシャムッシャ
                ズズズズズー

遠慮なく飲み食いしながら、横にいるサトリに問いかける。
そろそろ、この話も終わりだろうか。

今まで体験したアリーナ絡みの『冒険』は、
       アンダーランド         サイバーランド
一度目が『地下闘技場』、二度目が『電子の世界』だった。
今度は、どんな『世界』が私を――『アリス』を待っているのだろう?
それが今から楽しみで仕方がない。

777天雨 サトリ『10cc』:2018/06/12(火) 02:31:02
>>775(GM)
>>776(夢見ヶ崎)

「名は体を表す、勿論それが全てではないですが。
 私の家はまさしく――天の雨を名乗るに相応しい。
 そして私はその家において、それだけの期待を受けていますの」

              フフ

名を褒められるのは気分が良い。
自分の努力で得た者ではない、という者もいるだろうが、
授かった物や生まれ持った物も含めての実力――そう考える。

「ついでだから、その素直さも褒めて差し上げますわ。
 私、叱り飛ばすよりは褒めて伸ばす方が好みですの。
 ……勿論、心を鬼にすべき時はわきまえておりますから。
 意味もなく褒めるようなことをするつもりはなくってよ」

そして夢見ヶ崎を一瞥し、もう少し伸ばしてみる。
少々自分とはズレた気風だが仕事相手には悪くない。

「お答えありがとうございますわ。皆さん女性ですのね。
 性格も含めて、少し安心しましたわ。お世話とはいえ、
 しばらく一つ屋根の下で過ごす相手でもありますもの」

如雨露――『10cc』に視線を感じる。二つだ。
イサゴも、夢見ヶ崎も、これが見えているのだろう。
見えていないとしても、知っているのは間違いあるまい。

「ええ、心得ておりますわ。褒めるときは褒め、叱る時は叱る。
 『宝』は愛でるだけではなく磨いてこそ意味がありますものね。
 『スタンド』を恐れてすべき対応をしない、じゃ仕事になりませんから。
 おっしゃる通り、スタンド以前にいち人間として接するよう、努力いたしますわ」

           「――――おおまかな質問は、以上。
            お答えいただき、感謝いたしますわ」

完食したエビのスープとサンドイッチの皿を目の前からどかし、
ティーカップを手元に引き寄せる。話は終わりだが焦って飲み干したりはしない。

「ああ。先に言っておきますけれど私、飲み物は基本的に紅茶派ですので。
 ユメミガサキさん、それ以外で欲しい飲み物があればご自分で用意して下さいまし。
 お茶の備蓄はあるでしょうけれど、コーヒーや炭酸水があるかは怪しいですものね」

まさか本当に、着替えだけで乗り込むつもりもない。
日用品はあると言ってはいるが『嗜好品』や『個人的に必要な品』は不明だ。
例えば紅茶はあるかもしれないが『好みの茶葉』があるかは限りなく怪しい。

夢見ヶ崎に買い出しに来てもらうかは迷うところだが、こちらから切り出す程でもない気もする。
人見知りしてるとかではない。べつに。彼女は着替えだけでいいタイプの人間かもしれないのだし。

778『ペイズリー・ハウス』:2018/06/12(火) 10:45:11
>>776(夢見ヶ崎PC)

貴方の天真爛漫な明るさを見て、ホホっと上品に笑いつつ
イサゴは穏やかに告げる。

「本当に元気が良いわねぇ。でも、心に留めて欲しいのだけど
例え、生きた年数が片手で数えられる程度の子達でもねぇ。
自分自身の世界や、考え方があるのですよ。
 だからね、余り年少に受け入れやすい器を無理に模らなくても
宜しくてよ? 有りの侭の姿こそ、自然と受け入れられます」

「お掃除なんてのは、毎日几帳面にするものでもないですしねぇ。
二日目には、金一に来るようには伝えておきますよ」

年上なりの忠言。そして、二日目に貴方の知り合いは清掃の為に
来るとの事だ。まぁ、彼は金銭に関わる事いがいは熱意がないので
仕事内容以外でのサポートは期待できない事は承知の上だが。

>>777(天雨PC)

「お飲み物ですが、職員専用の事務室がありましてね。
大抵の飲み物は自販機で買えますよ。それとは別に私の
個人的な嗜好品で、茶葉なども置いてますので。お好きな
ように使ってくださいな、元の位置に戻すのだけ気を付けて下さい」

「私が思うに、スタンドと言うのは確かにその人を大きく変えるものに
なりえますけど。そのスタンドがいかに強力であれ、それで人を判断するなんて
血液型の性格診断や星座占い程度の信用だと思うのですよ。
 ですのでね、どんなものを抱えていたとしても色眼鏡を抜いて
接してくださいな。それが人の一番の強みです」

再三に渡るか、そうイサゴは柔らかいながらも芯を込めて告げた。

―――――――――――

 「それでは、お二人とも宜しくお願いいたします。
あぁ、大事な事が一つ忘れてましたね。園への行き方が
 送迎のバスをご用意致しますので、明後日の午前9時頃で
宜しいので、再度この喫茶店の近くにある広場で待つ形で」

 イサゴの言葉とおり、この喫茶店より2分ほど歩いた場所には
少し広めの広場があった。そこで迎えのバスが来るようだ

(※特に何事もなければ、次の場面は広場に切り替える。
持ち物に着替え以外で何か用意したいものがあれば追加で記入して頂きたい。
勿論ではあるが、日常で用意出来る範囲のもので)

779夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/12(火) 17:39:49
>>777
>>778

「――ふうぅぅぅ〜〜〜ん」

子供との接し方について語るイサゴの言葉を黙って聞く。
いや、ちがった。
ぜんぜんだまっていなかった。
セーカクにいおう。
『それなりに』黙って聞いていた。

「そーそー、ほめすぎると『ハナ』がのびるもんねぇ〜〜〜。
 あんまりあまやかしてるとピノキオになっちゃうかも??
 たしかにハナがたかいほうがモテるけどさぁ〜〜〜」

「でも、あんまりたかすぎると『たかねのハナ』ってかんじで、
 ぎゃくにモテにくくなるし……。
 やっぱりバランスってだいじだよね〜〜〜。
 うんうん、なんでもほどほどがイチバン!!」

すぐ近くで真面目な話が行われていることも意に介さず、
一人で勝手なことを喋っていた。
食事も無事に完了した。
あー、くったくった。

「じゃ、バーボンをロックで――とかいったらおこる??
 じまんじゃないけど、わたしは『なんでもいい』タイプだ!!
 フフン、じまんじゃないけど!!」

自慢じゃないと言いつつ、意味もなく自慢げな口ぶりでサトリに言葉を返す。
あれこれとモノをゴチャゴチャ持っていくつもりはない。
絶対に必要なモノは持っていくが、それ以外は不要だ。

あ、爪のお手入れセットは持っていかなきゃ。
オンナノコばっかりなら、
それもコミュニケーションのきっかけに使えるかもしれないし。
一番のリユウは、自分が必要だからなんだけど。

「サトリちゃん、あさってだって。まちがえてあしたきちゃダメだよ。
 わたし、このまえまちがえて、やすみのひにガッコーいっちゃって。
 きょうしつにいってみたらだれもいなくて、みんなチコクか??
 っておもってしばらくまってたんだ。
 そしたら、きゅうにガラッととびらがあいて――」

つぎのしゅんかん、しょうげきのてんかいが!!
じしゅうをみのがすな!!

そんなこんなで『明後日』を迎えたのだった――。


◆◇現在の持ち物◆◇
財布、スマホ、予備のサングラス、ハンカチ、ティッシュ、
爪の手入れとネイルアートに使う道具(爪ヤスリ、ネイルチップなど)

780天雨 サトリ『10cc』:2018/06/12(火) 23:42:13
>>778(GM)
>>779(夢見ヶ崎)

「へえ――自販機まで。本格的な施設なんですのね。
 でしたらお言葉に甘えさせていただこうかしら。
 貴女のお茶の好みがどういう物かも、楽しみですもの」

(4人を世話するだけの職員のための『自販機』?
 素人の私達で二人。普段も多くて一日三人って所でしょう。
 アリーナというのは相当、裕福な組織なんですのね。
 話に聞いている限り多方面に手を伸ばしているようだし、
 私のような力の使い手が10人以上もいればそれも当然か)

聞いている話にはいくらか気になるところもあるのだが、
まあその辺は・・・見たらわかるものの方が多いだろう。

「えっ……貴女、お酒を嗜むんですの?
 そういうお年には見えなかったけれど……って。
 冗談ですのね。からかわないでくださるかしら!
 どうやら飲み物には困らなさそうですし、杞憂でしたわね」

                フン

「明後日。ええ覚えましたわよ、明後日の朝九時に広場ですわね。
 スケジュール帳にもちゃんと書いておくから、安心なさい。
 ユメミガサキさんも書いておきなさい。貴女こそ間違えそうですわ。
 ま……『兎』じゃなくて『アリス』なのですし、平気でしょうけれど」

何かと波乱が起きそうではあるが、それはそれで社会勉強ってものだ。
将来的に天雨の家を継ぐうえで自分にはあらゆるものが足りていると思うが、
経験だけはまだまだ足りない。求められるのは『バイトやってました』とかじゃない。
まあ、どういうものですかって言われても困るが・・・『修羅場』を超えるような経験だ。

        「……全く、馴れ馴れしすぎるのは考え物ですわね」

夢見ヶ崎は仕事の相手としてはやや不安だが、自分とは全然違うタイプ。役には立つだろう。
その日と次の日は当日の為の準備を済ませ、特に何事もなく『明後日』は訪れることになる。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
持ち物に変化は無し。

781『ペイズリー・ハウス』:2018/06/13(水) 22:52:27
>>779-780

 ・・・・・・そして、日にちは経ち。あっと言う間に明後日は訪れた。

二人は各自で用意した外着と荷物を携えて広場にて待つ。
 天気は快晴だ。雲ひとつない

 ブロロロロォォ・・・・・・。   キィィ

広場へとバスがやってきた。
 あれは、こぜにくろうを模したアニマルバスだ。
真ん中へと駐車すると、自動的にドアが開閉する。

前方の窓では、少々陰気な20後半の男性が
バスを運転しているのが見えた。

782夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/13(水) 23:28:10
>>781

「ん〜〜〜ねむい〜〜〜。
 いま、なんじ??えっ!?もう9じまえじゃん!!
 しまった!!こんなだいじなひに、ウッカリねぼうしてしまった!!
 はやくいかないと、おいていかれちゃう!!」

急いで着替えを済ませると、用意していた荷物を引っ掴み、
家から勢い良く飛び出した。
その時、真横から乗用車が突っ込んできた。
慌てていたわたしは、それに気付くことができず、気付いた時には既に――。

――なんていうトラブルもなく、これといって何事もなく当日を迎えた。
普通に起きて、普通に家を出て、普通に広場へ到着。
バスがくるまで、サトリちゃんとおしゃべりでもしていよう。

「おっ、サトリちゃん。ほら、バスきたみたい――」

それからしばらくして、バスの走る音を聞いて、そちらに顔を向ける。
次の瞬間、目を輝かせた。
なぜなら――。

「『こぜにくろう』のバスだ!!はじめてみた!!」

これから世話をしに行く立場なのも忘れて、自分が子供のようにはしゃぐ。
そして車体に近寄り、スポーツカーに憧れる少年のような視線で見つめる。
最後に全体をグルッと一周して全体を隈なく観察し、ようやく満足した。

「けっこうおもしろかった!!
 デザインはビミョーだけど、まぁそこまでわるくもないよねー。
 うんうん、よしのろう!!」

サトリに声を掛けつつ、荷物を持って元気よくバスに乗り込む。
運転手は陰気だが、別に友達になるわけじゃない。
ただ目的地まで運んでもらうだけなのだから、特に気にならなかった。

783天雨 サトリ『10cc』:2018/06/13(水) 23:37:43
>>781(GM)
>>782(夢見ヶ崎)

昨日とはやや細部の異なる、似た印象の衣装でサトリは待っていた。
もちろん夢見ヶ崎も到着していて、1vs1で話す初めての機会だった。

「だから、サトリさんと――――あら、『こぜにくろう』?
 バスにもなっていたんですのね。公式の物なのかしら。
 業者向けに市販されているのか、『繋がり』があるのか、
 いずれにしても愛らしいですわね! これなら子供も満足でしょう」

雑談の勢いで呼び名の訂正を求めていたところ、バスが来たようだった。
ファンシーなゆるキャラのデザインで思わず顔もほころぶが、気になる事も。

         「――――あら?」

「あの男。あれが金一でして? ユメミガサキさん。
 それとも、バスの専属運転手か何かかしら――?
 ええ乗りましょうか、待たせるのも失礼ですものね」

あれも『アリーナ』の人材なのだろうか。
あるいは単に雇われているだけの運転手だろうか。
少なくとも『子供の世話』を任せる相手ではないようだけど。

「貴女、車中、飴でもいかが? ……後で返せとは言いませんわよ。
 着いてから車に酔っていましたでは、お話になりませんもの。
 味はいちごと、ミントと、コーヒー、酔い防止ならミントがいいかしら」

善意と必要性に応じてのプレゼント。自分の分は苺味だ。
夢見ヶ崎が少し静かになるのでは? という打算が無いわけでもない。
喋りまくるのは少し疲れる。別に人見知りをしてるとかではないけど。違うけれど。

784『ペイズリー・ハウス』:2018/06/14(木) 20:36:19
>>782-783(ALL)

貴方達二人は、多少雑談したり飴を譲渡したりなどしつつ
アニマルバスに対し二者ともに受け取り方は異なれど年相応の
感激を表現して乗り込む。ぐるっと車内の窓から中を観察した
夢見ヶ崎は、中は運転手以外無人である事が視認できた。

子供用に座高が低めに作られた椅子が多い中、後部の座席は
保育者が座るように設計してるため二人にとって丁度良い
座り具合になる。そんな二人へ、運転席の男は緩慢に立ち上がり近づく。


「…………杉夜と言います。本日は……『ひそひそ星の園』へと
参ります。到着時間予定は40分後となりますので、トイレなどは
予め済ませておくように、お願いします」

「お二人を送り届けた後に、私は退去します。あくまで臨時の
送迎係ですので、細かい質問などを自分は受け付けてません……
何も問題ないようでしたら、直ぐに出発いたします」

 顔を俯かせ、男は平坦な口調で到着時間と園の名前を告げた。
彼は、雇われ運転手のようだ。送り届ける以外で有益な情報は
持っていないだろう。それでも愛想はあって良いものだが。

「……あぁ、上から伝えられた事に、もう一つだけ。
お世話係と、園児は既に園に居ますので宜しくお願いします、との事です」

 杉夜は、それを最後に完全に閉口する。
何もアプローチがなければ、直ぐに出発するだろう。

785夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/14(木) 21:50:41
>>783
>>784

「んー??キンイチ??キンちゃんは『アリーナ』のしたっぱだよ。
 いっつもセカセカしてて、なんていうか、おちつきがないカンジ。
 ウダツのあがらない『オーラ』がでてるから、みたらすぐわかるんじゃない??」

実際のところ、直接会ったのは一回だけだから、そんなに知ってるワケじゃない。
せいぜい知り合い程度のカンケイだ。
まぁカオはおぼえてるから、みかけたらアイサツくらいはしてもいいけど。

「――どうもどうも〜〜〜」

後部座席に腰を下ろし、運転手に向かってペコリと頭を下げる。
友達になるわけじゃないといっても、レイギはだいじだ。
アイサツにはきちんとアイサツを返しておこう。

「アメくれるの??ありがとー。
 さすがサトリちゃん、ふとっぱら〜〜〜。きっと、しょうらいオオモノになるな!!
 じゃ、『いちごミントコーヒー味』ちょうだい!!」

ニコッと笑いながら、遠慮なく空っぽの手を差し出す。
つまり――『三種類』欲しいという意味だ。
貰ったら、それら三つを一緒に口の中に放り込む。

こうすることで、『いちごミントコーヒー味』が味わえるという寸法だ。
単なる思いつきの行動なので、美味しいかどうかは不明だが。
そして、物理的に口が塞がることになるため、
結果的にサトリの思惑が成功することになるだろう。

ハッ!?しまった!!はかったな!!このサクシめ!!

――などということを思うワケもなく、しばらくの間お喋りを封じられてしまい、
アメに専念することになった。
もちろん他に何もしないという意味ではなく、景色はしっかり見ている。
到着が『40分後』ということは、そんなに遠くもないが、そこまで近くでもなさそうだ。

786天雨 サトリ『10cc』:2018/06/14(木) 23:40:46
>>784(GM)
>>785(夢見ヶ崎)

「あら、そうですのね。でしたら別人かしら――
 セカセカどころか、落ち着いていそうな方ですものね」

ともかく車に乗り込んだが、案の定金一とやらではなかった。
杉谷。『ひそひそ星の園』。名前は頭の中に入れておく。

「天雨(あもう)と申します。道中よろしくお願いいたしますわ」

               ペコ

笑みを作って必要最低限の挨拶を済ませ、速やかにシートに掛けた。
それからカバンを探り、欲しがられた飴を……いちご、ミント、コーヒー。

「いちご・ミント・コーヒー……? え、3つ? 3つ欲しいんですの?
 欲張りさんですわね。 まあ、飴くらい幾つでも差し上げますけれど。
 それと、今は小物みたいに言わないでくださいまし。失礼しちゃいますわ」

      ガサゴソ

「ほら、『いちごミントコーヒー』でしてよ。じっくり味わいなさい」

              「無くなったらおかわりもありますわよ」  

要するに全部だ。雨を3つ取り出して、夢見ヶ崎の手に握らせてやる。
そこからは静かになると思うので、しばらく窓の外でも見ておこう。

「…………」

(『ひそひそ星の園』……名前からして秘密施設って感じですけれど。
 一応スマホで調べてみても損はありませんわね……とはいえ、
 車中でスマホを触っていて酔いましたと言うのも格好がつきませんわね)

            ガサ…

          (……私も飴に集中しましょうかしら)  

狙い通りとはいえ微妙な沈黙になってしまったが、
まあなんというか、今更話しましょうとも言いづらいし。
……別に話したいというわけでもないし。窓の外を静かに見ている。

実際、道順とかを覚えておいて損はしないだろう。ランドマークだけでも。

787『ペイズリー・ハウス』:2018/06/15(金) 11:37:12
>>785-786(ALL)

 …………ブロロロロㇿㇿ……。

 映画などの突然場面転換してのチェイサーがアニマルバスと
謎の黒いベンツで起きる! などと言った非日常が起こるわけもなく。
 静かにバスは星見街の中心から湖畔のある自然公園から郊外へと走らせて
いくのが、町からの自然音以外特に音のないバスの車窓から見えた。
保育園などの児童施設を建てる場所としては、些か立地に不似合いな気もする。
 運転手の杉夜が、気を利かせたのか個人的に手持無沙汰なのを埋めたかったのか
ラジオを付けて、陽気な音楽が車内に響く。

 ほし♪ ほし♪ ほし♪ ほし♪

   星・見・町 レ〜ディオ〜♪ 
   \ホシミチョウレイディオ〜/

『……あなたの隣人……ザザ……が、御送りしております星見町レーディオ
最近、すっかりと春うららな風も過ぎ去り夏が近づいてきたと皆さん感じてる
のではないでしょうか? 明日には、この星見町にも熱帯低気圧が北上し
台風が通過するとの事です。夕方にご帰宅する皆さん、十分お気を付けください。
では、リスナーより、いま女性層より注目一押しの星羅さんの一曲 聴いてください……』

「……台風か」

 
――――   ……キィィ。

 「……着きました。どうぞ皆さん、お忘れ物がないようにだけ
お気を付けください」

 バスが停車する。
晴れやかな空の下、湖畔の場所より2キロは離れ周囲には農園などが
幾つか点在する以外では家屋などは数件見られる以外目ぼしいものはない。
 二階建ての、中々大き目の保育園と見られる建物が貴方たちの視界で
自然豊かな空間の中で人際目立ちつつ建てられていた。

参考画像↓
ttp://www.city.kodaira.tokyo.jp/kurashi/002/images/img_2601_1_2.jpg.html

庭先には、花壇が植えられており。可愛らしい花が咲いている
 建物の中から、ピアノらしき演奏が流れてるのが聞こえた。
正面玄関の扉は、完全に開放されず横側が開放された状態だ。

788夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/15(金) 20:14:51
>>786
>>787

「――……」

車窓から外の景色を眺めながら、先程までとは打って変わって静かに過ごす。
三つのアメを同時に口に入れているせいで、頬がリスのように膨らんでいる。
そのせいで、少々顔がサマにならないのが玉にキズだ。

(……町から離れてくな)

普通、保育園なんかは住宅地の近くに建てることが多い。
その方が送り迎えの都合がいいからだ。
しかし、ここはそういった場所からは離れている。

(『ワケあり』ってことか……)

それは、『アリーナ』絡みだからというのが理由なのだろうか。
それとも、そこにいる子供達がスタンド使いだからなのかもしれない。
ひょっとすると、その子供達が問題児だからという可能性も考えられる。

(――楽しくなってきた)

この世には、わたしの知らない世界がまだまだ沢山ある。
自分は、そうした未知の世界を求めて、ここに来た。
だから、ワケありであればあるほど『いい』のだ。

「ん――『たいふう』だって。サトリちゃん、きいてた??
 あぁ〜〜〜どうしよう。こまったなぁ〜〜〜。これはこまった……!!」

「ヘアスタイルがみだれちゃう!!
 せっかくキアイいれてセットしてきたのに!!
 ほら、サトリちゃんだってかみのけグシャグシャになっちゃうよ!!」

「あ、そとにでなきゃいいのか。なるほどなるほど。
 これにて、いっけんらくちゃく!!」

しばらくして、台風が来ているというニュースが耳に入り、サトリに話しかける。
ようやく口の中のアメを処理したので、お喋りが解禁されたのだ。
会話をしている内に、バスが目的地に到着した。

「おお、サトリちょうさいん!!あれは、まさしくもくてきのばしょではなかろうか!?
 おそいかかるかずかずのクナンをくぐりぬけ、ついにいま!!
 アスミちょうさいんとサトリちょうさいんは、
 こうがいのほいくえんへとうちゃくしたのであった!!
 はたして、このおくでワレワレをまちうけるものとは!?」

荷物を持ってバスから降りると、建物を見上げて、その全体像を視界に収める。
いよいよ、これからが本番だ。
だけど、その前に――。

        ――ズギュンッ

背後に『ドクター・ブラインド』を発現し、周囲の様子を確かめる。
『超人的聴覚』で『音』や『声』を聞き取り、『超人的嗅覚』で『匂い』を感知する。
別に警戒しているわけではないが、何事も事前の確認というのは大切だ。

ついでに、『超人的触覚』を駆使して、今の『湿度』が高いかどうかもチェックする。
『猫が顔を洗うと雨が降る』という話があるが、
それはヒゲで湿度の変化を感じ取っているためだという。
試したことはないが、『超人的感覚』を誇る『ドクター・ブラインド』なら、
同じようなことができるのではないだろうか。

台風が接近すると、湿度は急上昇する。
今の湿度を確認しておけば、後になって湿度が急激に上昇した時に、
いち早く天気の崩れに気付けるというわけだ。
もっとも、その場合は空模様を見た方が早いかもしれないが、
湿度の確認に大した手間は掛からないので一応やっておく。
それが済んだら、『ドクター・ブラインド』を解除して正面玄関に向かって歩いていく。

                 ワンダーランド
この扉の向こうに、どんな『未知の世界』が待っているのだろう?

789天雨 サトリ『10cc』:2018/06/16(土) 00:32:14
>>787(GM)
>>788(夢見ヶ崎)

景色が流れ去って行く。精神的に豊かな風景が広がっていく。
かかる時間からしても郊外になるのはある程度想定出来ていた。
とはいえ不便な場所なのは間違いない。電波くらいはあるだろうか。

沈黙が気まずさに変わりかけたころ、ラジオが流れて一安心だ。
しかし、それを打ち消すかのように安心とは真逆の台風状況。
何か話したい気分が高まってきたところで飴が溶けたようで二安心。

「ええ、聞いておりますわよ。安心なさい。
 髪なんて外に出なければ……っと、冗談がお好きですのね!
 それより、防災グッズは施設に揃っていらっしゃるのかしら。
 懐中電灯やラジオくらいは、職員室にあるでしょうけれど。
 無いからコンビニに走る、という距離でも無さそうですものね」

「まあ、必要なら今日中に『ネット通販』をすればいいですわね。
 私『プライム会員』ですので、『お急ぎ便』が使い放題ですのよ」

まあ、いくら郊外でも『秘境』のような場所ではないし、
子供が暮らしているのだから『生活苦』に陥る事はあるまい。
こちらは責任を負って仕事をするのだし、ある程度裁量権もあるはず。

そのような事を考えながらしばらく揺られていると、着いたようだ。
降りる前に杉夜に一礼はしておこう。打算とかではなく淑女のマナー。

「あら、あら、あら! ここが目的地ですのね。素敵な雰囲気じゃありませんの!
 これなら郊外に建てるのも分かりますわ。喧騒が似合いませんもの。
 おあつらえ向きに伴奏まで聞こえますし、映画のワンシーンのようでしてよ。
 きっと待ち受けているのも牧歌的でピアノの似合う穏やかな時間でしょうね」

特別豪華ではないが、いかにもな施設。
ピアノ演奏と花がサトリとしては高ポイント材料。

               スゥーッ

新鮮な空気を吸い込む。人里離れたってほどでもないし、味は別に普通な気はするが。
サトリの気分的には『自然あふれる郊外』に来ているので、プラシーボ的に美味いかも。

「もっとも、映画だとこの穏やかな空気が『どんでん返し』になりそうだけれど。
 これは現実ですもの、平穏無事に――って、いきなり非現実的な事をして。
 まあ、私達にとっても……子供たちにとってもスタンドは現実ですけれど。
 それにしても、一体何をしていたんですの? 新鮮な空気を倍吸いたかったとか?」

          「もし、私相手に能力を使うなら教えてくださいましね。
           全容を教えろとは言いませんけれど、協調は必要ですもの」

などと言いつつ・・・入り口の方へとゆっくり歩いていく。焦ってる感は出さないように。

790『ペイズリー・ハウス』:2018/06/16(土) 19:37:27
>>788(夢見ヶ崎PC)

貴方は立地条件が保育園には不釣り合いな事に猜疑心を沸かせる。
とは言うものの、郊外に施設を置く理由は幾らでも考えられる。
特にスタンドが絡んでいると言うならば。

ズギュン

『ドクター・ブラインド』を発現させた。いま現在の湿度は約40%とか
そこらだろうか。匂いは、花壇から漂って来る花の香りが印象深い。
 より一層、ピアノの演奏が明確に聞き取れる。……ベートヴェンの『月光』だ。
後方ではアニマルバスをガレージに駐車させる音が聞こえている。

スタンドを解除して正面玄関に入る。数十の子供用の靴棚には空室ばかりだが
三人分の小さめの靴が置いてあるのが確認出来た。壁の端にはソレより大きめの
白と黒のスニーカーが揃えて置いてある。
 奥には通路と遊戯室らしい部屋などが見られるが、今のところ子供達やサポート役の
女の子は見当たらない。ピアノの演奏は二階から聞こえている

>>789(天雨PC)

此処は『田舎』ではあるが『秘境』ではない。スマホは普通に繋がるし
電波状況も普通だ。ネット通販も、多少の時間は掛かるとは言え欲しいものが
あれば届く事は可能だろう。とは言うものの、大抵の物資は施設に置いてると思うが。

「…………ぁ すいません、ほんの少しだけ待って貰えますか?」

礼を告げる天雨に、杉夜は一拍の間の後に頼む。その後、アニマルバスを
施設の横に設置しているガレージの中に入れる。手前には、中古車があった。
 バスを戻した彼は、早歩きで貴方の前に戻ると車のキーを手渡した。
当然ながらアニマルバスのだ。こぜにくろうキーホルダーも目立つよう付いてる

「すいませんけど、事務室に戻しておいてください……自分は家に
早めに戻らなくちゃいけないので、後はお願いします」

そう告げて、貴方達の反応を見る事もなく足早に中古車に乗り込むと
彼は車を急発進させて元来た道へ走る……戻ってくる事はないだろう。

杉夜との少しの接触によるタイムラグで、夢見ヶ崎が玄関の中へと
入り込むのが確認出来た。とは言え、すぐ追いつける距離だ

791夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/16(土) 20:47:10
>>789
>>790

「――『プライムかいいん』??サトリちゃん、すごい!!
 さすがオジョウサマはちがうな〜〜〜。
 わたしも『プライムかいいん』になりたい!!」

その部分で、今日一番感心した顔をしてみせた。
羨望を込めた眼差しでサトリを見つめる。
まぁ、それはともかく――。

「あ〜〜〜あるある。よるになると、ひとりずつヒトがきえていくとか??
 もうダレも、ここからにげることはできない……!!
 せんりつのサスペンススリラー……!!みたいな??
 でも、これってハートフルヒューマンドラマっぽいしなぁ〜〜〜。
 だいほんにかいてあった」

歩きながら、サトリに言葉を返す。
『ドクター・ブラインド』を使ってみたが、特に気になるところはなかった。
まぁ、そうそう何かがあるとは思っていなかった。
スタンド絡みだから何かあるんじゃないかという期待はないでもなかったが。
何かがあるとすれば、これからだろう。

「ディナーのまえに『ツマミグイ』っていうか、じょうえいまえの『ヨコクヘン』というか、
 まぁそんなカンジ」

「グタイテキにいうと、『シツド』をはかってた。
 わたしのノウリョクは、まわりのシツドをはかることができる!!
 ハダがカンソウしてカサカサになるのをふせげてベンリ!!」

「ただいまのシツドは??ジャジャン!!ざっと『40%』!!
 カイテキなシツドは40%〜60%だから、だいたいリソウテキなすうじだ!!
 いまのところ、まだまだタイフウはとおい!!」

ニュースでは台風の通過は明日と言っていた。
ということは、まだ近くまでは来ていないのだろう。
もうちょっと時間が経ってから、また計ってみることにしよう。

「イエェ〜〜〜スッ!!リョーカイしました!!」

サトリに向けてビシッと親指を立て、いざ中へ。
まず靴棚の中が空ばかりなのが目に入った。
いくらなんでもスカスカすぎだろ!!

「サトリちゃ〜〜〜ん、なんかここチョーすいてるみたいだよ??
 ほら、みてみて。
 かいてんしたばっかりのおみせみたいにガラガラじょうたい。 
 あ、どこでもすきなとこにいれられるじゃん。
 わたし、こことった」

まだ靴が入っていない棚の一つに自分の靴を入れる。
ピカピカ光るエナメルシューズ。
お気に入りの一品だ。

「サトリちゃん、とりあえずにかいへいってみない??
 このへん、だれもいないみたいだよ。
 まずだれかつかまえないと、はなしがすすまないし」

サトリに声を掛けながら、天井を指差す。
それにしても、施設の規模に比べて子供の数が少なすぎる。
新しくできた施設だから、まだ子供が少ないのだろうか。
それとも、子供がゴッソリいなくなった直後だから少ないのか。
理由はともかく、靴の数を見れば子供の数が四人というのは聞いた通りのようだ。

792天雨 サトリ『10cc』:2018/06/16(土) 22:56:18
>>790(GM)
>>791(夢見ヶ崎)

「ふふ……なにせ、『アニメ映画』なども見放題ですもの。
 お世話にも使えるでしょう。後でなり方を教えて差し上げますわ」

スタンド使いだからといってスタンドしか使わないつもりなどない。
親が子供にテレビの代わりに『ネット動画』を見せる時代と聞くし。
羨望の眼差しに気分を良くしていると杉夜に呼び止められる。なんだろう。

「えっ? まあ、別にそれくらいの事……かまいませんけれど。
 何を戻せば良いんですの――って! これ、バスのキーでしょう!?
 貴方、そんな『読み終えた雑誌』みたいな扱いをする物じゃなくってよ」

         「あっちょっと、話をお聞きなさ――もう」

(……いくら急いでいるとはいえ、杜撰すぎませんこと?
 金一という男も評判が悪いし、人材不足なにかしらん。
 それとも、人材過多すぎて教育が行き届いていないのかも)

危機管理意識的にどうかとは思うが、まあ去ってしまった以上は仕方ない。
鍵のキーホルダーを指に巻き付けて持ち、やや早足で夢見ヶ崎に追いつく。

「っと、お待たせしましたわユメミガサキさん。
 彼が『バスの鍵』を戻しておいて欲しいとの事で。
 それを預かって来ましたの。少し不用心ですわよね」

「それにしても、湿度ねえ。ああ、お返しに教えて差し上げますわ。
 私の『10cc』は水を撒いた所に『野イチゴ』を生やす事が出来ますのよ。
 おやつの備蓄が無くなっても安心ですわ。ただ、味は少々酸いですけれど」

用件を伝えつつ、とりあえず園の中に入ろう。
室内を見回し、靴を脱ぎ、がらがらの靴箱に入れる。

「『最初から四人の為に作られた施設』では無さそうですわね。
 では私の靴はここで。ロッカーキーが無いのは不安ですけれど、
 まあ、誰も盗みに入らないくらい安全なんだと思いましょうか」

       「ハートフルヒューマンドラマですものね」

分かりやすいように、夢見ヶ崎の二つ横に置いておく。
安い靴ではないが、持っている中で高い方ではない。
あくまで子供と外で遊ぶ事や、庭いじりなども想定している。
もっともそれ用の着替えや靴も、荷物として持参してはいるけれど、
いきなり遊ぼう!となって着替えるから待てと言えるとは限らない。

「さて、件のカギは事務室に戻しておけ、との事でしたけれど……
 その部屋の場所も、分かりませんものね。虱潰しも気が進みませんし。
 お世話係の子に聞けば分かるかしら? どちらにせよ、二階に行きましょう」

夢見ヶ崎に頷き、階段の方へ向かう。ないとは思うけれど足元や頭上には気を付ける。
いたずらとか、床に脆いトコロがあるとか、初めてくる建物なので内装を見たいのもある。

793『ペイズリー・ハウス』:2018/06/16(土) 23:25:03
>>791-792(ALL)

 貴方たちは、『ひそひそ星の園』へと入る。
(余談だが、施設の正面玄関にも名前は掲げられている)
 幾つもの空いてる靴箱の中に、お気に入りのシューズを。そして
磨かれた床を歩く。(※当たり前だが、客用のスリッパなども
玄関脇に掛けられてるので、それを履くのも自由。過程は省いて問題ない)

 能力について、互いに情報を軽めに交換しつつ談笑しながら前に進む。
最初に目に付くのは、大き目のホール。そして奥へと連なる廊下
 壁に隣接して『遊戯室』と書かれた室内のある前方に階段らしきものが見える。
ホールや、その他の壁には子供達のために取り付けたであろう、児童向けの動物を
プリントされた壁紙が至るところに貼っていた。
二人が、そちらへと歩くと開放された扉の中の遊戯室の内部が覗ける。
 ジョイントマットの敷かれた大き目の部屋には、幾つかのバランスボールや
多種多様な子供に優しい児童向けの玩具や人形なども見受けられる。小さめの
トランポリンや折り畳みすべり台など、幼児向けの器具も置いてある。
 子供の姿は見受けられない。貴方たちの世話をする子達は、この部屋には
今の所どうやら居ないようだ……。

 階段の少し先に、トイレと『事務室』と書かれた扉が見られる。
この園を歩くにつれ、月光の伴奏は室内の至る場所を流れてるようだ。

794夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/17(日) 01:06:45
>>792
>>793

「『カギ』――ねぇ〜〜〜。
 それくらいすぐすむのに、よっぽどいそいでたのか??
 まぁわたしたちなら、ジムシツにもどすなんてラクショーだし!!」

サトリの言う通り、確かにちょっと変な気はした。
見ず知らずの相手に鍵を渡してさっさと帰ってしまうとは。
しかし、疑問が強く引っかかることはなく、すぐに頭の隅っこに押しやった。

「おっ、いいねぇ〜〜〜。
 じつは、わたしのいえもハーブそだててリョーリにつかってるんだ!!
 ジキュウジソクってやつ??」

「ソレ、たべてみたいなぁ〜〜〜。
 すっぱいんだったら、あまいものといっしょにたべるとか。
 たとえば……ハチミツ!!
 『野イチゴとハチミツのフルーツソース』とか??どう??」

雑談しつつ、スリッパを履いて廊下を歩く。
その途中で、扉に記された文字が視界に入る。
それらを見て目を瞬かせ、軽く首を傾げる。

「――サトリちゃん、『コレ』なんてかいてあるの??
 わたし、『かんじニガテ』だからわかんない。たぶん、『ナントカしつ』??」

「そっちのオモチャとかあるへやはジムシツっぽくないなぁ。
 じゃ、こっちがジムシツ??かな??」

『遊戯室』や『事務室』の扉を指差して、サトリに尋ねる。
現在は視力があるが、元々は先天的視覚障害者だった。
そのために、今でも漢字の読み書きが不得意なのだ。

「だれもいないなー。かくれんぼか??もういいか〜〜〜い??」

冗談を交えながら、もう一度『ドクター・ブラインド』を発現する。
今度は『聴覚』のみに意識を集中させ、
『ピアノ以外の音』や『声』を拾うことに専念する。
わざわざスタンドを使う必要もないかもしれないが、
使ってもバチは当たらないだろう。

795天雨 サトリ『10cc』:2018/06/17(日) 02:51:44
>>793(GM)
>>794(夢見ヶ崎)

「あるいは『施設に立ち入れない事情』でもあったか。
 ……もっとも、それなら私に説明をするのが筋ですわね。
 台風情報を聴いて、干したままの洗濯物でも思い出したかしら?」

サトリとしても深く思い悩むほどの疑問ではないので、
軽く流しつつ『ひそひそ星の園』の廊下を歩くのだった。
筋とはいえ筋が通らない人間もいるし、今考えても徒労だ。
ちなみに、客用スリッパは履いている。置いているわけだし。

「あら。ユメミガサキさん貴女、素敵な趣味をお持ちですのね!
 私も家でガーデニングをしていますの。ですからこういう能力なのかしら。
 調理はまだ試していないけれど、きっと練乳よりは蜂蜜が合いますわよね」

「備蓄に調味料があるようでしたら、後で御馳走しますわよ。
 子供達のおやつにするにしても味見役は必要でしょうから」

などと計画建てつつ廊下を歩いていく。演奏は『放送』か何かだろうか。
遊戯室を覗き見るとやはり子供はいない。遊具は充実しているようで何より。

「ん? これ? どうかいたしましたの――ああ、漢字? よろしくってよ。
 そちらの、おもちゃ部屋の方が『遊戯室』で、あれが『事務室』ですわ。
 半分正解といった所かしら。他にも分からない字があったら私にお任せなさい」

            「あら、また湿度をお測りになるんですの?」

おそらく夢見ヶ崎の能力はそれだけではないだろう。全容を話すとは思えないし。
そう、全容を話すとは思えない――――それは何に関してもそういうものなのだ。

「どうしましょう? この鍵はいつまでも持っていたくもないですし、
 事務室を先に覗かせていただこうかと思うのだけれど……
 お世話役の子に一度会ってから、の方がそれこそ『筋』という物かしら?」

「とりあえず、鍵が開いているかどうかは確かめておきますわね」

夢見ヶ崎の『能力』が済むまでに、事務室の扉の前に行き鍵の有無を確かめておこう。
勝手に入って良いものかは判断に迷うが、年長の子もあくまで『見守り対象』の一人だし、
バスのカギという完全なイレギュラー要素は本来の仕事に入る前に処理しておきたい気もする。

796『ペイズリー・ハウス』:2018/06/17(日) 22:00:07
>>794(夢見ヶ崎PC)

 数メートル歩くと、貴方のすぐ左手に階段が見えた。
何の変哲もない、学校などにも見受けられる折り返しが
一つある階段だ。事務室の先にも廊下は繋がっており
 真っすぐと、右折する場所がある事がわかる。

>かくれんぼか?? もういいか〜〜〜い??
 貴方は冗談半分で、ピアノの演奏に負けない程度には
大きめに声を発した。すると、少し予想外の反応が起きる

        ――モウイイヨー

……!
  夢見ヶ崎の耳に、小さな声が捉えた。幼く高音の声だ
方角は……『事務室』からだ。

>795(天雨PC)

杉夜が鍵を事務に持っていかなかった理由を軽く一考する。
 然しながら、深い事情は背景にないと考えられる。
あるとしても、家庭の事情など極 個人的な出来事だ。

ベートヴェンの月光。ピアノで人が弾いてるのであろう事が
聞き取れる。放送などの機械的な感じではない

『事務室』の出入り口となる扉は半開きだった。中の様子は
貴方の視界から見て、中央にイサゴが話していた自販機が
置かれてるのが見える。それと、職員が使う机が数列並んでおり
パソコンも数台置いてある。雑貨やロッカーなども置いてあり
職員が使用するのであろう仮眠用のスペースらしき場所も存在している。

壁を見ると、施設の幾つかの扉のスペアキーや非常電源の為に使用する為の
鍵を飾る場所が見受けられた。車のキーもそこに掛ければ良さそうだ

797夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/17(日) 23:14:22
>>795
>>796

「まかせろ!!なにをかくそう、わたしは『あじみ』のプロだ!!
 このデリケートなベロで、ミネラルウォーターのあじのちがいもわかるぞ!!」

あくまでさりげなく、しぜんなながれでオヤツをかくほする。
ダイタンにしてシンチョウ――ワレながらカンペキなさくせんだ!!
そんなことを思いつつ、スタンドの聴覚に意識を集中させる。

「ハッ!!サトリたいちょう!!ただいま『ケハイ』をさぐっております!!
 けんさくちゅう……けんさくちゅう……。
 んー、ちっともひっかからないな〜〜〜」

「あるひ、こどもたちのおせわをするために、
 ふたりのショウジョがほいくえんにやってきた……。
 しかし、そこにはだれもいない……。 
 イジョウなまでのしずけさのなかに、ピアノのおとだけがひびきわたる……。
 そう、すでにキョウフははじまっていたのだ……!!
 せんりつのサスペンススリラー、きんじつこうかい……!!」
 
今のところ、『ピアノ以外の音』も『声』も聞こえてこない。
このまま何もないのかと思い、スタンドと共に事務室の方に視線を送る。
もっとも、『ドクター・ブラインド』の目は閉じているのだが。

「すぐそこなんだし、はいっちゃえば??
 パッとはいって、ササッともどしちゃえばいいんだし――」

その時、こちらの言葉に応じる声が耳に届き、喋るのを中断した。
答えたということは、そう遠くない場所にいるということなのだろう。
要するに、この『事務室』の中に。

「――サトリちゃん、いまのきこえた??『もういい』らしいよ。
 じゃ、さがしにいこっか」

サトリに声を掛け、彼女の後に続いて事務室に入る。
彼女が入らなければ、自分で扉を開ける。
中に入ったら、見える範囲で室内を一通り見渡す。

「どこにいるのかなぁ〜〜〜??ぜんッぜんわかんないなぁ〜〜〜。
 こまったなぁ〜〜〜」

すっとぼけたことを言いながら、音を聴き取るために耳を澄ます。
まだ『ドクター・ブラインド』は解除していない。
その『超聴覚』で、先程の声の位置を探ってみよう。
『ドクター・ブラインド』は、遠く離れた音でも聴き取ることができる。
これだけ近い場所なら、その正確な位置が掴めるはずだ。

798天雨 サトリ『10cc』:2018/06/18(月) 01:28:05
>>796(GM)
>>797(夢見ヶ崎)

「調子のいいことを言って……私、料理は程々ですから。
 あまり期待されても困りますわよ? 食材の質もね。
 あくまで野イチゴですもの。苺とは話が違いますのよ」

「それにしても、『気配』? そういう事も出来ますのね。
 貴女一人で雨除けも烏除けも捗りそうで羨ましいですわ」

(湿度の事も併せれば『センサー』のような能力かしら。
 私とは大きく違うタイプの能力、というのは間違いなし。
 適所が同じ者が複数いても仕方ないし、朗報ですわね)

杉夜の件はまあ、一応記憶の片隅には置いておこう。
事務室も開いているのだし、カギの掛け場も明白だ。

「そうですわね、不法侵入でもないんですもの。
 置き場も入り口に近いようですし、サッと……」

着替えのような今使わない荷物もついでに置いておけば、
この後の『子供達』との初対面においても身軽に動ける。

――――などと、考えていたのだけれど。

「……? えっ、なんですの。聞こえていませんけれど。
 聞こえるのはさっきから、貴女の声と『月光』だけですわ。
 サスペンススリラー路線は冗談だけにしてくださいまし。
 ああそれとも、『気配』探知に何か反応があったんですの?」

       「まあなんにせよ……ええ、行きましょう」

夢見ヶ崎が妙な事を言っているが、冗談かどうか測り辛い。
彼女には自分には感知できないものが『わかる』ようだし。

ともかく、その彼女が自分の後ろから着いてきているのだから、
事務室の中に何かがいる――と、警戒しておいて損はしないだろう。
左手を背中に回し、隠すように『10cc』を発現して、鍵を置きに入る。

799『ペイズリー・ハウス』:2018/06/18(月) 17:20:14
>>797(夢見ヶ崎PC)

 貴方は、部屋の中に入り込み内部の様子を見渡す。
部屋の奥側には、仮眠用のベットとして使われる
区切りのある部屋が付属しているが。大部分は二台の作業机と
業務用のノートパソコンが空間を占めており、中心に自販機がある。

 ――ザッ ザッ……

 這うような音が、自販機と隣接する長机の下から聞こえた。
貴方たちと逆方向に進んでるように思える。

>>798(天雨PC)
 スタンドの『10cc』、それを緊急の際に何時でも振るえるように
準備しつつ壁に設置した鍵掛けの場所に近づく。
 調理室・非常電源・鶏小屋・各居室の扉
それらを名義した鍵の保管場所の中に一つ目立つ空間があるので、貴方は
その場所がドライブキーを収める場所だと理解出来た。問題なく鍵は戻せた。

 ……事務室の中を見渡す。特筆とした異常は察知できない

800夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/18(月) 18:46:10
>>798
>>799

「――ふぅん……」

室内には、人の姿は見えない。
しかし、聞こえてくる音によって居場所は手に取るように分かっている。
一瞬の間を置いて、悪戯っ子のように含みのある笑みを浮かべる。

     チョイ
        チョイ

まず、サトリの肩を人差し指で軽く叩き、こっちを振り向いてもらおう。
続いて、その人差し指を自分の口元に持っていき、
『お静かに』というジェスチャーをしてみせる。
最後に、立てた人差し指の先端を音が聞こえた方向へ向けて、
そこに何者かがいることを教える。

        ソロリ……
              ソロリ……

足音を立てないように注意しながら、音の位置へ近付いていく。
途中で音が止まるとか、気付かれそうな気配があったら、その場で立ち止まる。
十分に接近したら、不意打ちでババッと机の下を覗き込む。

        「――みぃ〜〜〜つけたッ!!」

そんなセリフを言いながら、声の主の姿を確認するのだ。
たぶん、ここで暮らす子供達の一人だろう。
まだ顔を合わせていないので、誰かまでは分からないけど。

801天雨 サトリ『10cc』:2018/06/19(火) 00:20:51
>>800(GM)
>>801(夢見ヶ崎)

いざという時の盾には心もとないが、
それはこちらの事情であり、相手は知らない。
構える事で少なからず『威嚇』にはなり得る。

「!」

         クル

「……………!」

              コク コク

(やるじゃないですの、ユメミガサキさん。
 という賞賛は心の内に留めておきましてよ)

気配のもとを見つけたのだろう。
もちろん、黙る。そしてその場所を見る。
夢見ヶ崎が近づいて確かめるようだし、
自分まで同じことをする必要はないはず。

(……他の子達はどこで、どうしているんでしょう。
 同じように隠れているのか、単に寝ているのか。
 三人そろってここにいる、という可能性もあるけれど。
 何処かで遊んでいる、にしては静かすぎますものね)

最低一人はピアノを演奏してるわけだし、
それが練習ではないなら聞き手も一人いるだろう。
事務室の広さを考えても、ここにいるのは一人か。
そうなれば『フリーなもう一人』が存在する事になる。

(それにしても、来て早々かくれんぼとは……
 思っていた以上に遊びたい盛りなんですのね。
 私としては、『他の遊び』の同時並行を疑いましょうか)

不測の事態に備え、後ろ手で背後に『10cc』を傾け水を零す。
角度は緩く、バシャバシャ音が鳴ったりはしないだろう。
傾ける角度という『人力』による簡易な調整力は、
ホースとか散水機ではなく『如雨露』であることの利点だ。

これでちょうど部屋の入り口のあたりに草が生えるはず。
振動を探知し、背後から忍び寄る者がいないか警戒する。
悪戯っ子だとすれば、いつ『仕掛けてくる』か分からないし。

802『ペイズリー・ハウス』:2018/06/19(火) 20:37:39
>>800-801(ALL)

夢見ヶ崎は『ドクター・ブラインド』の『超感覚』を利用しつつ
忍び足で、机に潜伏してる主の元へと移動。

 天雨は、出入り口からの刺客を警戒する為に『10cc』を
振りかける。直ぐに、草木が扉付近に伸び始めた。

 >みぃ〜〜〜つけたッ!!

 夢見ヶ崎は、事務室に響く声と共に机の下を見下ろす。

「――へへっ 見つかっちゃった!
 ……ん!? 誰??」

 弱視の貴方の視界にも認識出来る、青いスモックを身に着けた
黒い艶のある背中ほどの長い髪の毛で、オレンジ色のカチューシャ
を付けた明るい茶色のクリっとした目の女の子が
 照れくさそうに机から這い出てきた。
天雨も、出入り口から小さな人影が机から出て来たのを確認できる。
 小さな彼女は夢見ヶ崎を直視すると顔つきをキョトンとした表情へと変える。


「しらない、ねーちゃんだ。アオキのともだち?
それとも、どろぼう?
あっ! まつり か くぬぎの ねーちゃん?
 なんで、うちが此処にかくれてたのわかったんだ?
うまく、隠れたとおもったのに」

 夢見ヶ崎に対し、物怖じする様子なく矢継ぎ早に質問する。
随分と大胆な子のようだ。

803夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/19(火) 21:59:20
>>801
>>802

「フフン――『ドクター・ブラインド』に『シカク』はない!!」

サトリからのお褒めの言葉をアイコンタクトで理解し、
この前カフェで考えた『キメゼリフ』を調子良く披露した。
『視覚』と『死角』を掛けたダブルミーニングだ。
言った後で、『もうちょっとあとからだしたほうがよかったか??』と思ったが、
もう言ってしまったので、このまま通すことにする。

「ふむふむほうほうなるほどなるほど――」

机の下から現れたのは、予想通りの人物だ。
とりあえず女の子の言葉を聞きながら、ウンウンウンウンウンと頷く。
いやまてよ。これじゃ『ウン』がおおすぎじゃない??
ウンくらいでいいか。いや、こんどはすくなすぎだな!!
『ウンウン』くらいにしとこう。それくらいがちょうどいいし。
というワケで、『ウンウン』と頷いた。

「――だそうです!!サトリたいちょう!!」

クルッと振り向いて、サトリの方に視線を向ける。
見つけたはいいが、ここからどうするか考えてなかった。
彼女なら『名前を聞く時は自分から名乗るもの』と言いそうだなと思った。
まあ、相手は子供だし、そこまで細かいことは言わないかもしれないけど。
それから再び女の子に向き直る。

「わたしはアスミ!!おせわのおてつだいにきた!!
 いまさっきついたばっかりだ!!」

「もっとくわしいことは、こっちのねーちゃんがせつめいしてくれるぞ!!」

そう言いながら、掌を上向きにした手をサトリの方に向けて話を振る。
彼女の紹介は、彼女自身の口からの方がいいだろうし。
それに、細かい説明をするのは得意じゃないのだ。

「あいてがわたしじゃなかったらバレなかっただろーねぇー。
 『わたしだったからバレた』。そーいうこと」

ここにいる子供達がどんな性格かは、まだ分かっていない。
だから、今は能力は明かさない。
子供達が何かやらかした時、能力を知られていない方が都合がいい。

「――で、キミはだれ??」

『アオキ』とか『まつり』とか『くぬぎ』とか、他にも色々と聞きたいことはある。
ただ、小さな子供だし、いっぺんに聞いてもまともな答えが返ってくる保障はない。
だから、ひとまず名前を聞いておこう。

804天雨 サトリ『10cc』:2018/06/20(水) 07:08:16
>>802(GM)
>>803(夢見ヶ崎)

「よろしくってよ、ユメミガサキさん。
 この『天雨サトリ』から説明いたしましょう」

            スッ

夢見ヶ崎のハンドサインを受け、一歩ゆっくりと前に出る。
名前を名乗るのは、覚えてもらうため。そして相手にも名乗ってもらうため。

「泥棒ではなく、『お友達』には是非なりたいですわ。
 怪しい人間ではない……と言っても、怪しむのは仕方ないでしょうけれど。
 その、『アオキ』さんからは……何か聞いていらっしゃらないかしら?」

代わりの『世話係』が来ることは周知されていなかったのだろうか?
それとも、単に知らない人間に驚いているだけだろうか。

普段の世話係の名前を聞き忘れていたが、聞いていても会ったことの無い相手だ。
『アオキ』は夢見ヶ崎と友達でもおかしくない年、恐らく『年長の子』だろう。
もしかすると、普段の世話係の名前なのかもしれないが……可能性は高くないと見る。

「ああ! 『イサゴ』さんをご存知かしら。彼女に頼まれて来ましたの。
 本日から3日、いつもの方に代わって貴女達のお世話をするように――と」

「『代わり』と言っても、何か変わったことをするというわけではなくってよ」

ここは実際に頼まれた『イサゴ』の名前を出した方が分かりやすいと判断した。
かの人の話ぶりからするに、子供達ともそれなり以上に仲は深いのだろうし。

「改めて、初めまして。私の名は『天雨サトリ』ですわ。
 ……もしよければ、貴女の名前も教えてくださいませんこと?」

本来なら聞く前に名乗って欲しいが、今、向こうからすればこちらは『不審者』も同然だろう。
ここはこちらの情報を惜しまず、まず警戒を解きたい。『ファーストコンタクト』は重要なものだ。

805『ペイズリー・ハウス』:2018/06/20(水) 20:48:44
>>803-804(ALL)

>キミはだれ??
>貴女の名前も教えてくださいませんこと?

両者とも、台詞や口調は異なれど最初に遭遇した園児に
自己紹介と共に名を尋ねる。

「うちは『カンナ』!
 ふ〜〜〜んっ おせわがかりなんだっ
じゃあ、カンナのこぶんになれ!
 そうしたら、おせわされてもいいぞ!」

ふんっ! と鼻を鳴らしつつカンナと名乗った子供は
貴方がたへと胸を張って調子よく、告げる。
 その言葉を真に受けるのも良し、調子よく合わせるのも構わないだろう。

「アスミか! よろしくな!
ふぅーーーんっ アスミだからばれたのかー」

 チラッと、その目線は『ドクター・ブラインド』に向けられる。
事前に告げられてたから当たり前だが、この子も使い手だ。

 「よっ! サトリたいちょー!
でも、そっちがたいちょーなら、こっちはしれいかんだぞ!
 アオキから?
……あっ! そーいえばアオキ、誰かがくるって朝ごはんでいってた!
 たいちょー達のことか!」

 天雨の言葉に、思い出したとばかりに手のひらをぽんっと叩きつつ
元気よく呟く。一応、事前の報告は年長の子がしてたらしい。

「『イサゴ』? だれ、それ
カンナしらない」

 貴方の予想とは異なり、カンナは顔色一つ変えず即座に
聞いたことがないと返す。嘘は言ってる様子には見えない。
 だがイサゴが彼女達と全く面識がないと言う可能性は低い。
これは、何かしらの理由があるのかも知れない。

 
 カンナ「あっ!
喋ってたから、かくれんぼの途中だって言うの忘れてたんだ!
 早くかくれないと、まつりに見つかる!」

 彼女は慌てた様子で、仮眠室の場所に走ろうとする。
引き止めるのも自由だし、他の子達を優先して会おうとするのも良い。

806夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/20(水) 22:32:23
>>804
>>805

んっん〜〜〜??
これは『アレ』かもしれんな……。
わたしのせいで、サトリちゃんのなまえをへんなふうにおぼえられたかもしれない。
これには、さすがの『アリス』もしょうじきゴメン。
ゆるせ、サトリちゃん……!!

「ふんふん、カンナっていうのか!!おう、よろしくな!!」

子分うんぬんは適当にスルーして、負けずに威勢よく返す。
今のやり取りで分かったことは、『カンナ』は『じゃじゃ馬』だということだ。
まだ会ったばかりだが、いかにも何かやらかしそうだという雰囲気はある。
どうでもいいけど、なんかわたしと『ノリ』がにてるな!!
それとも、わたしのレベルがこどもとおなじってことか??

「そうそう。はやくかくれないとみつかっちゃうぞ??」

口ではそう言うが、すぐ近くに他の子供がいないことは分かっている。
どれだけ音を殺そうとも、『ドクター・ブラインド』の『超聴覚』は、それを拾えるのだ。
それらしい音が聞こえないということは、近くにはいないということになる。

「あ、そのまえにイッコだけ――『アオキ』は、いまどこ??」

カンナがいなくなる前に、それだけ聞いておく。
それ以外は特に聞くことはないので、後はカンナを見送るつもりだ。
『アオキ』と呼ばれているのが、例の年長の子だろう。
彼女は三人の子供達の世話役でもある。
この仕事をスムーズに進めるためには、彼女と話をするのが一番手っ取り早い。

(――ふぅん。『しらない』、ねぇ……)

カンナが嘘をついてなければ、イサゴを知らない理由は二つほど考えられる。
『名前』を知らないか、『存在』を知らないかだ。
今はどちらとも言えないし、その背景も定かではない。

とはいえ、それが大きな問題に発展するような気配は、今のところ感じられない。
一応は覚えておくが、あまり気にしすぎることではないと思っている。
今は、他に気にしなければならないことが色々とあるのだ。

(サトリちゃん、なんかほかにききたいことある??)

――というような意味を込めたアイコンタクトを、サトリに向けて送る。
彼女が何か聞くことがあるなら、それが終わるのを待つ。
なければ、まず『アオキ』を探しに行きたいところだ。
まぁ、大体の居場所は予想がつく。
おそらくは、二階でピアノを演奏しているのがそうだろうと思う。

807天雨 サトリ『10cc』:2018/06/21(木) 02:40:47
>>805(GM)
>>806(夢見ヶ崎)

上に立ちたい気質は子供らしさと見るか、危うさと見るか。
どちらにせよ、媚びるような真似は増長を招きかねない。
思い通りになる存在だと思わせれば本気で子分にされてしまう。

「――――そう、カンナさんと言いますのね。
 私の事は、隊長でなく『サトリさん』と呼んでくださいまし。
 ユメミガサキさんは私の『部下』というわけではありませんから」

          「あくまで、仕事上『対等』な関係でしてよ」

いきなり抑えつける気もない。今はスルーしておこう。
一応、会話から思想のレベルを測るつもりではいるが……
その場限りの冗談なのだとしたら、目くじらを立てる程ではない。

「えっ。イサゴさん、名前は教えていないのかしら……」

(あくまで管理責任者であって頻繁に来るわけではない?
 でも、子供達の保護者くらいの話し方でしたけれど……
 まあ少なくとも、名前を出せば収まる類の立場ではない、と)

思わず驚きの声が漏れた。口ぶりからして相当親密だと思っていたから。
アオキなら知っているだろうか。知らないなら、何か事情があるのだろうが。

「ああ、私達の事はアオキさんから聞いていましたのね。
 あらためて、これから3日間よろしくお願いしますわ。カンナさん」

              ペコ

カーテシーのようなしぐさで、改めて小さく頭を下げる。

「ああ、かくれんぼの最中でしたのね。お邪魔だったかしら」

邪魔をした気はないし、夢見ヶ崎を非難するつもりもないが、
カンナからすれば同じことだろうから、一応そこは触れておく。

           スッ

      「――――行ってらっしゃいまし。
       慌てて転けないようにお気を付けなさいね」

入り口とカンナの間を塞がないよう、少し横にずれた。
その際、スタンドは全て解除して、見られないようにする。

(ありませんわ。アオキさんに聞いても問題ない事ですし)

夢見ヶ崎のアイコンタクトには、そのような意味を込め小さく首を振る。
話を聞きたい事は今すぐは思いつかないし、他の面々に会うのを優先したい。
特にリーダーであろう『アオキ』と話さない事には、仕事にも取り掛かれない。

808『ペイズリー・ハウス』:2018/06/21(木) 20:48:19
>>806(夢見ヶ崎PC)

>『アオキ』は、いまどこ??

カンナ「ピアノ弾いてるよ! おひるまで
好きにあそんでな、だって!」

予想通り、二階でピアノを弾いてる子がそのようだ。
 年長の子は、園児たちに昼食までは好きに遊ばせてるようだ。
それは、それで問題ない。世話を任されてるとは言え、逐一
付きっきりでないといけないと言う訳でもないのだし。
 カンナは、そのまま仮眠スペースのベットの下に潜り込もうとしている。
外に出ようとはしないようだ。かくれんぼのルールが室内限定なのかも
 『ドクター・ブラインド』の超感覚で、特に周辺で異常な物音はしない
まだ、かくれんぼの鬼である『まつり』も近くにいないようだ。

>>807(天雨PC)
 
 「わかった! じゃあサトリって呼ぶぞ!
カンナの事は、カンナって呼べ!」

 貴方の言葉にまぜっ返したり揶揄する事なく素直に
呼称を正す。おてんばだが、性根は真っすぐらしい。
 『10cc』の如雨露と、伸びた植物も貴方は解除する。
カンナの視線は、貴方たち二人に向けられていた故に
 『10cc』の姿形や能力を見られる事はなかった。



「あ! まつりに会ったら。カンナはトイレのほうに向かったって
言っておいて!」

 二人に対し『カンナ』はかくれんぼで有利になるように
嘘を伝えて欲しいと伝える……。

809夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/21(木) 22:37:17
>>807
>>808

「おうおう、がんばれ〜〜〜」

申し出を軽く承諾しつつ、立ち去るカンナの後ろ姿を見送った。
嘘はいけないというのが世間一般の常識ではあるが、
これは作戦の範囲内と解釈していいだろう。
実際、自分も似たようなことはやった覚えがある。
もっとも、その口約束が常に守られる保障はなかったのだが。
カンナが見えなくなってから、再びサトリの方に向き直る。

「――しっかし、『トイレ』っていうのはちょっとビミョーかなぁ。
 みつかるまでのじかんかせぎとしてはさ。
 『かくれんぼのプロ』のわたしからみると、まだまだあまいッ」

トイレで隠れられる場所など限られている。
隠れていそうな場所は、すぐに探し終えてしまえるはずだ。
そこにいないとなれば、当然『まつり』も他の場所を探そうとする。
別の場所で見かけたというガセ情報は、確かに時間稼ぎにはなる。
しかし、この場合は、それほど大きな差にはなるまい。

「まぁ、わたしなら、どこにかくれてたってみつけられるんだけどねー。
 なんたって、『かくれんぼのプロ』だし!!フフン!!」

そう言いつつ、やや得意げに胸を張る。
プロというのはただのシャレだが、『追跡』や『探知』は得意分野だ。
もしかくれんぼにプロがあったとしたら、十分なれる自信があった。

「じゃ、いこっか??まずアオキにアイサツしなきゃ。
 いばしょもわかったし」

サトリに声を掛けて、事務室から廊下に出る。
一応『ドクター・ブラインド』の聴覚に反応がないか確認する。
何も感じなければ、『ドクター・ブラインド』を解除しておく。

「わすれないうちにいっとく。
 『ドクター・ブラインド』はめがみえない。
 そのかわりに、ほかのかんかくがすごい」

「さっきのは、おとがきこえたからカンナのいばしょがわかった。
 もし、だれかいなくなってもみつけられる。
 そーいうことがあれば、だけど」

道すがら、サトリに能力を説明する。
といっても、これは正確には『能力』じゃないけど。
まぁ、その辺はおいおい話そう。

810天雨 サトリ『10cc』:2018/06/21(木) 23:49:37
>>808(GM)
>>809(夢見ヶ崎)

「ええ、まあ、構いませんわ。
 対等と言ったのは私ですもの。
 ――なかなか利口ですのね、カンナ」

       フ

「嘘を吐くのは感心しないけれど、遊びですものね。
 少なくとも、私からバラしたりはしないと誓いますわ」

           「では、また後で」

隠れに向かうカンナの姿を視線から切って、事務室から出る。
嘘を吐くのは悪いかもしれないが、吐かないのが悪い時もある。
自分だって本当の事しか言っていないわけがないのだ。

「――――まあ、子供の遊びですもの。
 隠れ場所として優れた選択とは言えないけれど、
 策を練って欺こうとするのはけっこう、侮れませんわね」

それはつまり、自分達にも牙をむきかねないという事だ。
子供の浅知恵でもスタンドが絡めば危険だし、地の利も向こうにある。

「おっと、そうですわね、早速二階に向かいましょう。
 もしかすると他の子達とは途中で会うかもしれませんし」

異論は特にないし、廊下に出て階段に向かう事にする。

「なるほど、鋭敏なのは『気配』だけじゃないんですのね。
 だからこそ、かくれんぼのプロ……と。分かりましたわ。
 お返しに私の能力ももう少し踏み込んで教えますけれど……
 水を撒いて生やした『野イチゴ』は、『振動』を感知出来ますの」

「貴女は『五感』いえ、『四感』――――
 気配、第六感も含めれば『五感』なのかしら?
 それで色々なものを調べられるようですけれど、
 私は感覚で捉えにくい物を捉えられる、という事ですの」

「……とはいえ、長く持続する能力ではないので。探索は基本的にお任せしますわ」

解除される『ドクター・ブラインド』を見ながら、能力の説明を返す。
察するにまだ何か『奥の手』はあるだろう。自分なら、それは必要も無いのに明かさないから。

811『ペイズリー・ハウス』:2018/06/22(金) 19:04:30
>>809-810(ALL)

 貴方たちは、カンナが仮眠室の場所に隠れるのを見届けつつ
『事務室』から出て、階段に向かう。
二階に繋がる階段の折り返し付近には大きな窓が付いている。
 そこからの景色には、この園の外にある山へと連なる木々が
立ち並んでおり。それを区切るように立ち並んだフェンスの真ん中に
小屋があった。夢見ヶ崎には、定期的にコ―コッコと打ち鳴らす
鳥の音が超感覚で捉えられる。鶏小屋のようだ

 『…………』

 その鶏小屋を、一歩遠巻きに見つめるように小さな人影が立っている。
小柄な背丈で『カンナ』と同じ青いスモッグを身に着けている。
 恐らく、いや十中八九この園にいる園児の一人だろう。
少し距離はあり、背を向けてるために顔などは確認できない……。

 階段の上には廊下が連なっている。右側から月光の伴奏は流れてるようだ

812夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/22(金) 21:17:49
>>810
>>811

「ふんふん、『シンドウ』ねえ〜〜〜。
 じゃ、だれかがとおったら、それがわかるんだ。
 あのアレ――『ケイホウキ』みたいなもんかな??」

「しかも、ナチュラルしようでインテリアにもさいてき。
 『ぼうはん』と『リラックス』で、ココロにふたつのあんしんをプレゼント。
 リビングやオフィスにもとけこむカンヨウショクブツがたケイホウキ――
 このきかいに、ぜひごけんとうを!!」

「あとほかに、なんかいうことあったっけ??
 『ドクター』はチカラがよわいってコトいった??
 あ、いってない??」

「サトリちゃんのも『チカラもち』ってカンジじゃないんでしょ??
 チカラシゴトとか、もしあったらちょっとくろうするかも??かも??
 ま、そういうのはキンちゃんにやらせとけばいっか!!」

「おっ??アレって『くぬぎ』じゃない??
 バレバレだから、かくれんぼはしてないみたいだけど。
 しいくとうばんかな??」

歩いている間、ずっと喋り続けていたが、
ここに来てようやく口を閉じて休憩を挟む。
『カンナ』には既に会ったし、『まつり』は『カンナ』を探しているはずだ。
園児の中で残っているのは『くぬぎ』しかいない。

「――『ニワトリ』みたいだよ、あそこにいるの。
 ここでかってんのかな??
 めだまやき、たまごやき、
 ポーチドエッグ、スクランブルエッグ……まような〜〜〜。
 サトリちゃんは、どれがすき??わたしは、たまごやきがいいな!!」

お喋りを再開しつつ、階段を上っていく。
『くぬぎ』らしき園児にも挨拶したいところだが、今は後回しだ。
何事もなければ、そのままピアノが聞こえる部屋を目指す。

813天雨 サトリ『10cc』:2018/06/23(土) 05:41:07
>>811(GM)
>>812(夢見ヶ崎)

「ええ。振動の大きさで歩き方も分かるでしょう。
 走っているか、足音を殺そうとしているか〜……
 もっとも完全に殺せば振動も消えるかもしれませんけど。
 ま、そんな『ニンジャ』じみた相手までは管轄外でしてよ」
 
「インテリアにするのは私も考えたんですけれど、
 持続時間の短さはどうしてもネックですわね。
 如雨露自体は、結構長く出して置けるのだけれど。
 植物の方は『1分』もせずに枯れてしまいますのよ」

スタンドそのものの持続力と、能力の持続力は違うのだろう。
悠久を経たようなアンティークの如雨露と、儚い蛇苺がそれを象徴する。

「いえ、『力が弱い』というのは初耳ですわ! まあ、もっとも……
 私のは『腕』自体がありませんから。力仕事と荒事はその男に任せましょう」

実際にそんな経験があるわけでもないが、自分の能力は戦いには向かない。
力仕事などはそれ以前に論外だ――――もっとも、適した『補佐』は出来るけど。

「え、ニワトリ? ……ああっ、貴女には声が聞こえているんですのね!
 あの小屋に? 小学校の『飼育小屋』みたいじゃあないですの。
 そういう『情操教育』のような物もここでしているのかしらね?
 少なくともあの小屋じゃあ、ペット扱いという風情には見えませんもの」

(まっ、『力』がある者には適切な教育が必要なのは間違いありませんわ)

飼育小屋と『くぬぎ』らしき人影は見えるが、今はどうにもできない。
とりあえず、演奏を続ける『アオキ』を優先してしまっていいだろう。

「私は……そうですわね、『エッグベネディクト』を推しますわ。
 具材にはハムではなく、スモークサーモンを使ったものを……
 確かその場合は名称が変わりますけど。細かい事は良いでしょう?」

雑談に応じつつ、月光の聞こえてくる方向へと歩みを進める。

「それにしても……練習熱心ですわね。この『月光』は。
 普段はピアノの先生でもついているのかしらね。
 結構難しい曲だそうですわよ? そう詳しい訳ではないですけれど」

遠くから聞こえる旋律だけで、かの曲であると分かる程度には完成されている。
曲の不朽の完成度はもちろんだが、奏者の腕もあるに違いない。上手いのかは分からないが。

814『ペイズリー・ハウス』:2018/06/23(土) 22:13:35
>>812-813(ALL)

 貴方たちは、一先ず鶏小屋にいる園児の事は後回しにしつつ
『アオキ』へと会う為に階段を登りきる。
 右手側には『音楽室』と書かれた看板を掲げた扉、奥にも通路は存在する。
左手には、『視聴覚室』『保育室』が存在する。

 ホーッホッホッホッ!
         カチャカチャカチャカチャ


……?

 その『保育室』のある部屋から、高音の、どうにも
芝居かかった、お嬢様風の笑い声と硬い何かが弾むような物音が
夢見ヶ崎は聞き取る事が出来た。

天雨が聞く限り、『月光』の伴奏は『プロ級レベル』だ。
プロのピアニストが弾いてると告げられても信じられるレベルには。
 アオキは、ピアニストなのだろうか……?

815夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/23(土) 23:07:29
>>813
>>814

「なにソレ、きょうみあるぅ〜〜〜。わたしもたべたいな〜〜〜。
 その『エッグベデネクト』ってやつ!!オジョウサマっぽい!!」

「へぇ??そーなんだ??そういえば、わたしもピアノひけるよ。
 こんどみせよっか??」

周囲に聞き耳を立てつつ、先へ進む。
その時、奇妙な声と物音をキャッチした。
おそらくは『アオキ』でも『カンナ』でも『くぬぎ』でもない。
そうなると『まつり』か??
事前に聞いていた情報から判断すると、そう考える他ない。

「まったく、ちいさいコがいるのに『かんじ』のつかいすぎだなぁ。
 『ひらがな』だったらわかりやすいのに。
 サトリちゃん、よんでくれない??わたし、よめないから」

「あとさ――あっちのへやから、だれかのたかわらいがきこえる。
 それと、なんかカチャカチャやってるみたい。
 『まつり』かな??それいがいにヒトいないんだよねぇ??」

サトリに各部屋の読み方を尋ねながら、声の聞こえた方向を指差す。
そっちも気になるが、まぁまずは『アオキ』が優先だ。
当初の予定通り、ピアノが聞こえる部屋に向かう。

「さっきみたいに、じじょうのせつめいはサトリちゃんにやってほしいな。
 そういうの、わたしよりサトリちゃんのほうがとくいそうだし。
 『テキザイテキショ』ってコトで。
 わたしは、じこしょうかいだけやっとくから」

サトリに言ってから、演奏が聞こえる部屋に足を踏み入れる。
入る前に、まだスタンドを解除していないのなら解除する。
頭に巻いているリボン型のスカーフも真っ直ぐに直しておこう。

816天雨 サトリ『10cc』:2018/06/24(日) 01:05:31
>>814(GM)
>>815(夢見ヶ崎)

「っぽい、ではなくお嬢様ですのよ。自分で言う話でもないけれど。
 ……それにしても貴女、服といいハーブといいピアノといい、
 お洒落な趣味をしていますのね。ぜひ今度聴かせてくださいまし」

今度とは言うものの、ここにはピアノがある。
その腕前を振るってもらう機会は、遠からずあるかもしれない。
子供に口がどこまで通じるかは分からないが、音楽は響くものだ。

「よろしくてよ。右のが『おんがくしつ』ですわ。
 左が順に『しちょうかくしつ』と『ほいくしつ』
 ……子供に入って欲しくない職員用の部屋はともかく、
 お遊戯室くらい『ひらがな』でも罰は当たりませんわよね。
 プレートにファンシーなイラストや、お花を添えたりして。
 どこか『事務的』というか、『保育所』とは違うという事かしら?」

子供が育つ空間にしては、『子供らしさ』はここには薄い。
せいぜい遊戯室くらいのもので、設備はむしろ『小学校』のようだ。
育つための施設というよりは、『学ぶ』ための施設という事か。

「まあ、きっと『まつり』で間違いないんじゃないかしら?
 わざわざ保育室に『空き巣』が入る用があるとは思えませんもの」

不審者がいるとも考えにくいし、いるならわざわざ高笑いはしない。
とりあえず『三人娘』最後の一人、『まつり』だと考えていいだろう。

「ええ、適材適所。私の好きな言葉の一つでしてよ。
 貴女に出来ない事は遠慮なく私にお投げなさい。
 それが必要である限り、私はしっかり受け取りますわ」

演奏は音楽室からだろうか? いずれにせよ、扉の前まで行き、
その場で、かつ素手で出来る範囲でだが身だしなみを整える。             

「ただ、無理に縮こまる事はありませんわよ。 
 私にも未熟な所は……無くはないでしょうから、
 必要だと思うならいくらでも口を挟んでくださいまし」

「それが適材適所という物でしょう?」

        コン
             コン
                   コン  
                          コン

ドアノックは四回。演奏中であることを考え、聞こえるように大きめに。
回数は由来も意味も知らないマナーだが、『知っている』と思わせるのが大事だ。

817『ペイズリー・ハウス』:2018/06/24(日) 17:08:52
>>815-816(ALL)

 貴方たちは、『音楽室』へ辿り着く。
『まつり』の事に関しては後で構わないと考えて『アオキ』の元へ。
(※なお、看板の漢字の上にも小さめながら振り仮名は付いてると
思って構わない。これに関してはレスの詳細抜けである)

 天雨は大きめに四回ノックする。だが、『月光』の伴奏は止まらない。

なお、遊戯室などの扉もであるが。児童が頻繁に使うドアは中心に円形の
丸窓で内部が覗ける造りになっている。締め切っても子供の異変がすぐ察知
出来るようにだ。故に、この『音楽室』も直ぐ真ん中で内部の様子がわかる
造りになっている。貴方達二人は目撃する

  〜〜〜♪

 一人の少女。十代前半で、茶髪はショートボブであしらわれている
少し派手めのメイクをまつ毛に施した子がピアノを演奏している。

 最新らしいウォークマンをイヤホンで聞きながら弾いており、ドアの
ノックを感知した様子はない。面白味も真剣味もない様子で
 つまらない表情を僅かに浮かべつつ弾いているにも関わらず、手だけは
なめらかに正確に『月光』を弾きこなしている。

818夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/24(日) 18:46:32
>>816
>>817

「うんうん、サトリちゃんはやさしいなぁ〜〜〜。
 『はさむ』ってきいたら、なんかサンドイッチがたべたくなってきた。
 サンドイッチっていったら、パンやバターもひつようだし、
 ハムやヤサイやタマゴもひつようだよね〜〜〜」
 
「これぞ、『テキザイテキショ』ってやつだ!!
 たぶんサトリちゃんが『パン』で……わたしが『グザイ』かな??
 あっ、わたしクラブハウスサンドがすきなんだ!!」

やはり、言葉で相手を納得させるというのは、サトリが適任だろう。
『自分の口から説明するのが面倒だった』とは口が裂けても言えない。
サトリの方が向いていると思ったことが一番の理由なのは本当だ。

「いまのかっこいい〜〜〜。ソレ、わたしもいつかつかおう。
 わすれないように、メモっとかないと。
 『それが適材適所という物』……っと」

サトリがノックする間、ドアの前でスマホを取り出す。
そしてメモアプリを立ち上げて、メモを取り始める。
ふと、何かに気付いたように顔を上げた。

「これって『ちょさくけんしんがい』にならない??
 さいばんになるのヤだし、ライセンスしゅとくしなきゃダメかな??
 サトリちゃん、このセリフつかっていい??」

とかなんとか言ってる内に、部屋の中の様子に気付いた。
サトリの方を向いて、口を『への字』の形に曲げて肩を竦める。
それから、一転して悪戯っぽく笑い、ドアに手を添える。

「きこえてないんだったら、はいってもいいよねぇ〜〜〜??
 まず、アスミけいじが、げんばにとつにゅうする。
 サトリちゃんけいじ、えんごまかせた!!
 いくぜ、あいぼう――」

ドアを勢いよく開けると、演奏を続ける『アオキ』の正面に回り込み、
自ら彼女の視界に入る。
こうすれば、『アオキ』が盲目でもない限り、嫌でもこちらに気付く。
続いて、彼女の前で口を開く。

「こ!!ん!!に!!ち!!は!!」

一言ずつがハッキリ分かるように、大きく口を動かして挨拶する。
声が聞こえなくとも、口の形で何を言っているか悟らせるためだ。
その後の詳しい説明は、打ち合わせ通りサトリに任せるつもりだった。

819天雨 サトリ『10cc』:2018/06/25(月) 00:55:55
>>817(GM)
>>818(夢見ヶ崎)

「パンが無ければサンドイッチは出来ませんものね。
 もちろん、具材も無ければいけませんけれど……
 具材全部を総取りというのはいかがな物かしら。
 今の貴女は差し詰め、『バター』といった所ではなくて?」

「具材はこれから決めていきましょう。卵か、フルーツか、
 パンとバターがあれば、大抵のサンドにはなれますもの」

ともかく音楽室からの反応はないわけだが、
窓から覗き込めばその理由はすぐに分かった。
無礼な、という気持ちと演奏に感心する気持ちがある。
今はそういう時間という事なのかもしれないが、
こちらがこの時間に来ることは知らされているはず。

とはいえ相手は年下だし、仕事でやってる立場でもない。
そして演奏は素晴らしいものだ。プラスマイナスはゼロ。

「台詞の一つくらい、好きにお使いなさいな。
 私はそれくらいでけちけちしたりしませんわよ。
 将来的に『自己啓発セミナー』でも開講する気になったら、
 話は別になりますけれど……なんてね。柄でもないですわ」

「さ、入りましょう。そういう『仕事』ですもの。
 演奏を止めてしまうのは少し勿体ないけれど……
 こちらに『気づかせる』のはお任せいたしますわよ」

                スタ

                  スタ

                    「――――ご機嫌よう」

部屋に入って、夢見ヶ崎の少し後ろに控え、目が合えば一礼する。
自己紹介や事情の説明は彼女がイヤホンを外してからで構わないだろう。

820<削除>:<削除>
<削除>

821『ペイズリー・ハウス』:2018/06/26(火) 09:15:50
>>818-819(ALL)


〜〜〜〜♪  ……ピタ。

 「…………んっ。
あぁ、お手伝いの人か。話は聞いてたけど。
 ……まぁ、時間通りか。真面目なんだね
アリーナの人って大体そうなの?」

 夢見ヶ崎がピアノの正面に回り込んでの挨拶、後方に控えての
天雨の挨拶。それに対してピアノの演奏を止めた少女は
 少し胡乱気に目線を貴方達に対しぶつけてから、得心を勝手に
表情に浮かべて喋る。敵意はないが、好意もそれに及ぶほど無い。

 「あの子たち、お昼ご飯までは勝手に遊ばせていいから。
時間になったら、私が適当に作っちゃうから。食事は遊戯室を
使えばいいと思うよ……別に誰が何処で勝手に食べても構わないけど」

 ……〜〜〜♪ ♬! ♩ッ! ♪♫!!

 そうして、またピアノへと手を戻した。
パガニーニによる超絶技巧練習曲第3番”ラ・カンパネラ”が演奏される!
 普通のピアニストでも演奏するのが難しい部類の曲だが、彼女は平然と
全くもって真剣味も凄味もなく、面倒そうに弾いている。

822夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/26(火) 21:39:04
>>819
>>821

「おっ、いいねぇ〜〜〜。
 わたしが『バター』でサトリちゃんが『パン』かぁ。
 きほんのふたつってかんじだもんねぇ〜〜〜。
 じゃあ、ふたりのコンビめいは『バタートースト』』にけってい!!
 このみちをふたりでのぼりつめて、
 いっしょに『サンドイッチかい』のテッペンめざそうぜ!!」

入室する前に、そんな言葉をサトリに返した。
そして、『アオキ』と対面する。
自分のことは棚に上げて、アオキの態度に少々呆れた。

「いや、フツーでしょ。
 シャカイでいきていくうえでのジョーシキってやつだよ。
 あと、ウチらはアリーナしょぞくってワケじゃないし。
 ねぇ、サトリちゃん??」

思わず突っ込みを入れつつ、サトリの方を振り向く。
『フツー(C)今泉未来』――。
むきょかでつかってしまった、ゆるせイズミン。
敵意も好意もないのはお互い様だ。
なにせ初対面の相手なのだから。

「あっ、そっかそっか。
 それならわかるな。なっとくなっとく」

おそらく、ここのように社会と離れた場所で暮らしていることが、
浮世離れの原因なのだろう。
『異なる世界』で生きている人間は、
通常の社会の枠の外側に位置せざるを得ない。
形は違えど自分も似たような背景を持っているから、そう思った。
かつて生きていた『光のない世界』が頭に思い浮かぶ。
もっとも、アオキは元々そういう性格なだけかもしれないが。

「つまり、『あそんでメシくう』のが、
 きょうのスケジュールってことかぁ〜〜〜。
 よし、リョーカイ!!
 ジャジャン!!サトリちゃん、でばんです!!
 あとはまかした!!」

『アオキ』をの横を通り抜け、一番近い窓に向かって歩いていく。
そして、そこから外を見下ろしてみる。
まだ『くぬぎ』らしき影は見えるだろうか。
すぐ近くにいる『まつり』を優先すべきかもしれないが。
外を見ながら、耳を使って二人の様子にも気を配る。

823天雨 サトリ『10cc』:2018/06/27(水) 00:43:01
>>821(GM)
>>822(夢見ヶ崎)

今のところサンドイッチ界の頂点を目指すつもりはないのだが、
返答の前に入室してしまったのでそういう事になったかもしれない。

「『アリーナの人』ではなく、『天雨サトリ』と申しますわ。
 こちらは同僚の『ユメミガサキ アスミ』さんですわ。
 どちらも『アリーナ』所属ではなく、フリーランスでしてよ。
 人手が足りないという事で、『イサゴ』さんから頼まれましたの」

「演奏中、失礼いたしましたわ。まずはご挨拶を、と。
 なにせ、これから三日間お仕事をする相手ですもの」

身元を明かしつつ、名前と所属、依頼元は教えておく。
良好な関係を結べるかどうかは怪しいところだが、
いつまでも『アリーナの人』呼びでは縮まる物も無い。
もちろん、仲良くなりに来たわけでもないんだけれど。

(イサゴさんもこの子も『日常的な業務』や『雑務』は頼んで来ない。
 それだけ、例の三人の世話が骨が折れるものと考えるべきですわね)

「ピアノ、お上手ですのね。
 昔から練習なさってるのかしら?」

聞き惚れそうな腕前ではあるが、腕前だけに思えた。
精神論は好きじゃないが、『真剣さ』が感じられない。
人に聞かせるための演奏ではないのだろうが、練習らしくもない。
それとも極度に極まった技巧は、この難曲を『惰性』で弾き熟せるのか。

「……ここでの過ごし方は貴女の方が詳しいでしょうけれど、
 私たちがお世話するのは三人ではなく、貴女も含めた『四人』。
 甘えろとは言いませんけれど、必要な事があればおっしゃいなさい。
 例えば料理や、普通の家事ならお任せくださっても構わなくってよ」

なんにせよ、流されるがまま『子ども扱いしない』のもおかしな話だと思う。
彼女も自分から見ればれっきとした『庇護下にあるべき少女』であり、
それは『リスペクト』の有無とは別の観点。ピアノの天才でもスタンド使いでも同じ。
人間は――ただ『育つ』だけでは美しく花開かない。『育てられる』べき所は、必ずある。

824『ペイズリー・ハウス』:2018/06/27(水) 19:00:09
>>822(夢見ヶ崎PC)

>ウチらはアリーナしょぞくってワケじゃないし

 「ふぅん? って事は広告か何かでか。
わざわざ小遣い稼ぐのに、こんな面倒そうなのをね」

 貴方の言葉に、アオキは少し不審気な表情を浮かべ
演奏の手を緩めつつも、やはり、どうでも良さそうな口調を続ける。

 >『あそんでメシくう』のが、きょうのスケジュールってことかぁ

 「別に、最終日まで勝手に各自過ごさせれば良いんじゃないの?
私ら、動物じゃないんだし。何か仕込ませる為に来たんじゃないんでしょ」

 ……『アオキ』は、何処かしら達観したような。冷めた感性を宿してるようだ
貴方の明るい調子に感化される様子なく。至極、淡泊である。

 外の様子を見下ろすと、『くぬぎ』らしい人影は『鶏小屋』からは消えていた……。
どうやら、もう鶏の観察は終えたようだ……。

     
        ――ドタドタ ドタドタ ドタドタ

廊下から、複数……十を超える足音のようなものが行進する物音が聞こえてくる。

>>823(天雨PC)

>人手が足りないという事で、『イサゴ』さんから頼まれましたの


「イサゴ? 誰だっけ、それ……此処の園長の名前ではないよ
それが、二人に保育士まがいの依頼した人?」

 『アオキ』は、淡々と貴方に告げる。
妙な話だが、年長者である彼女も『イサゴ』の名前にピンと来ないようだ。
 だが、回想しても。あの貴婦人が子供の世話を願った時の態度に何かしらの
悪意ある策略が潜んでいたとも考えにくい。

>ピアノ、お上手ですのね。昔から練習なさってるのかしら?

「ははっ。まさか
楽器なんかよりPSvitaとか、そっちのほうが好き。
 けど、何したって簡単に出来ちゃうから飽きちゃった。
…………あーあ、もういいや」

 今の感想は、彼女にとって何かしらの琴線に触れたらしい。
淡々としていた口調は冷ややかになり、棘も生える。
 少なくとも、今の短いやりとりからして。彼女はピアニスト志望でも
なんでもない、何か訳アリの普通の中学一年の女子だ。

>甘えろとは言いませんけれど、必要な事があればおっしゃいなさい

「じゃあ一言だけ、良い?
――必要な事なんて ない」

 ピアノの演奏を完全に止めると、その下に置いてた自分のバックらしきものを
肩に提げて、ウォークマンを付け直し呟く。

 「下の事務室に行く。お昼ご飯はちゃんと作るから、ご心配なく」

告げるやいなや、スタスタと出入口の扉へと歩いて行く。
 ……彼女は、どうやら不干渉を貴方達に対し、暗に命じてるようだ。
何がそこまで、彼女の機嫌を損ねる原因となったのだろう……。

825夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/27(水) 23:09:53
>>823
>>824

「よくわかんないんだけどさ――」

アオキが出て行ったのを見計らって、ピアノの前の椅子に座る。
そしてスマホを取り出し、一つの連絡先を表示する。
アリーナ関係者――金一の連絡先だ。

「ここってアオキひとりでゼンブまわってそうだよねぇ??
 なのに、なんでウチらをよんだワケ??
 コドモたちのおせわだって、アオキだけでこなせてそうなフンイキだし」

「なんていうか『ホントにコドモたちのせわをしてほしいの??』
 ってカンジなんだよねぇ〜〜〜。
 ホントは『なんかべつのことしてほしくてよんだんじゃないの??』
 っていうかさぁ〜〜〜。
 かんぐりすぎかな??」

「――サトリちゃん、どうおもう??」


鍵盤を突きながら、金一に短いメッセージを送る。
『イサゴって、どういう人?』――そういう内容だ。
『胡散臭い』とまでは言わない。
だが、どうにも妙だ。
確かに、外見や声色が優しく、嘘をついているようには見えなかった。
だが、それだけの理由で赤の他人を完璧に信頼する程、
夢見ヶ崎はお人好しではない。
『なにか、かくしてんじゃないの〜〜〜??』というのが正直な所だ。

「さてと――」

「では、ゴセーチョーください」

   ♪〜♪〜♪〜♪〜♪

サトリに一声かけて、ピアノを弾き始める。
……『猫踏んじゃった』だ。

826天雨 サトリ『10cc』:2018/06/28(木) 04:17:05
>>824(GM)
>>825(夢見ヶ崎)

「貴女も、『イサゴ』さんの事はご存知ないんですのね」

あの老婆の口ぶりからは、子供達への一定以上の親しみを感じたのに。
実際に来てみれば誰もその名を知らない。偽名なら何の理由がある?

「――あら、そう? では、必要になったら声をお掛けなさい。
 今断ったから、後でも受けない。私はそんな小物ではありませんから」

ここで変に媚びたり、拗ねたり、食い下ったりはしない。
手が必要ないのは大いに結構。疑問もあるが、合理を欠くわけではない。
何か問題が起きてから一人で抱えられても困るので、声はかけておこう。

(天才ゆえの苦悩? なら、なぜ楽器に噛り付いていたのかしら。
 ……誰かに強制されているとか、仕事としてやっているとか、
 そうは見えませんし。『深い事情』がある、と見てよさそうですわね)

単に『出来過ぎてつまらない』みたいな次元でもない気がする。
地雷が何か分からない以上釈明は出来ないし、する必要もあるまい。

「良い疑問でしてよ、ユメミガサキさん」

アオキが完全に立ち去ってから、椅子か何かに腰掛けて、
カバンを開いて飴を取り出し、緑の包装紙を剥いて口に運ぶ。

「純粋に考えるなら、『何か起きてからでは遅い』という事でしょう。
 いつもは大人がいるからアオキさんも気づいていないだけで、
 監視の目から解放された子供達が何をしでかすかが分からない。
 だから予防のために呼んだ……と考えれば不自然ではない、かしら」

口の中に広がる清涼な味と共に、思考を冴え渡らせる。
ここには本当に『見守る目』以外の人手は必要ないのかもしれない。
それは良い。べつにアオキ達の生きる環境を変えに来たわけではない。

「誰も『イサゴ』さんの名前を知らない、というのも疑問ですわね。
 今日初めて来た私ですら、既に二人に名前を教えましたのよ?
 もしかすると、ここに来たことは数えるほどしかないのかしら?」

だからこそ、裏があるなら早いうちに把握し、摘み取っておきたい。

「……ふぅ。少し考えますから、好きなようにお弾きになって」
               
現状、何を考えたところで推測の域は出ない。
本音としては、演奏を聞いてみたかったのだ。
軽く目を閉じ、口を閉じ、『猫ふんじゃった』の旋律で心を満たそう。

827『ペイズリー・ハウス』:2018/06/28(木) 19:25:36
>>825(夢見ヶ崎PC)

 貴方は、少々不機嫌な様子のアオキが歩いて行くのを
見送りつつ、ショートメールで明日に来る予定の金一へと
砂金(イサゴ)についての質問を送る。

 〜〜♫

 彼は良く色々と手を回すのに電話を使用してる為か、貴方の
文面に直ぐ気づいたようで、直ぐに連絡が来た。

 『よぉアルカラ。またアリーナで今度チーム戦のイベントを
考えてるんで、良かったら参加考えてくれないか? 詳細は
会ってから話そうと思うんだ。
 イサゴの婆さんは、アレだな。
スタンド使いに関わる児童相談の重役って言うの。
 他にも、色々なパイプを持っていて海外にも支部を設けてる。
 俺も、あの婆さんには余り頭が上がらないんだよな。
子供の世話を任されてんだろ? 
 なら、俺に婆さんの詮索するよりもガキの事を構ったほうがいいぜ。
子供ってのは、ちょっと目を離した隙にトラブル引き起こすもんだ』

 ……と言う文面だ。

 ネコ踏んじゃった ネコ踏んじゃった……♫

 貴方の猫ふんじゃった、のメロディーが音楽室に流れる。
少し離れた廊下から、階段を駆け下りるような複数の物音。
 それに遅れる少し大きめの足音が聞こえる。

複数の物音については正体がまだ不明だが。後者はアオキだろう。

>>826(天雨PC)

 >必要になったら声をお掛けなさい

「……ん」

天雨が背を向けたアオキに告げた内容に対し、彼女は少し立ち止まって
チラッと視線を向けつつ、短く返答して廊下へと消える。
 不機嫌ではあるが、完全に機嫌を損ねてるわけでもない。

貴方は飴を取り出し、口の中を潤す。
 ネコ踏んじゃったの旋律が音楽室を満たす。背筋を粟立たせるような
魂を揺さぶる音色ではないかも知れない。だが温かみのある音色ではある筈だ。

 ミント味だが何かの飴を舐めつつ、貴方は事務室にも菓子や飴が積んである
皿が置かれている筈な事を思い出した……。

828夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/28(木) 22:34:08
>>826
>>827

「あ〜〜〜なるほど。
 いえにだれもいないときって、
 ついついなにかかわったことしたくなっちゃうもんねぇ〜〜〜。
 わたしだって、『あしたいえにだれもいない』ってなったら、
 『あさからばんまであそびほうだいだぜぇ〜〜〜!!』っておもって、
 すごいテンションになるもんなぁ〜〜〜ぜったい!!」

稀代の難曲『猫ふんじゃった』を華麗に弾きこなしながら、
サトリの考えに同意する。
確かに、そう考えるのが一番自然だと思う。
遊び相手になって欲しいというのは、
子供達が危ないことをしないように見て欲しいという意味だったのだろう。

「もうかえしてきたよ。ヒマだなー」

勝手なことを言いながら、届いた文面に目を通す。
特に不審な点は見当たらない。
もしかすると、ここには一度も来たことがないのかもしれない。
仮に来たことがあったとしても、
ここで暮らす子供達には会ったことがないのではないか。
重鎮なら現地に赴くよりも事務仕事の方が多いだろうし、
その可能性は在り得る。

「サトリちゃん、これ。イサゴってヒトのこときいてみた。
 やっぱり、ここにはイッカイくらいしかきたことないんじゃないかな??
 すげーエラいヒトっぽいし。そういうヒトっていそがしいんでしょ??」

惜しまれつつも演奏を終えて、サトリにスマホの画面を見せる。
その時、カバンから覗く飴が目に入った。
同時に、一つの考えが頭に浮かぶ。

「サトリちゃん、そのアメわたしにもくれない?
 『みっつ』。きたときとおんなじ」

       ズギュンッ

背後に『ドクター・ブラインド』を発現する。
そして、持参した『爪ヤスリ』を『ドクター』に持たせる。
さらに、ピアノの蓋の上に、三枚のティッシュを横一列に並べて置く。

サトリから飴を受け取ったら爪ヤスリで飴の表面を削って粉末状にする。
何も一粒まるごと粉にする必要はないので、作業時間は程々にしておく。
『ストロベリー』と『ミント』と『コーヒー』の粉末を作成したら、
それら三つを一つずつティッシュで包む。

「『これ』をコドモたちのポケットにでもいれとけば、
 わたしの『ノウリョク』でいばしょがわかるよ。
 つよいニオイじゃないから、あんまりとおいとわからなくなるけど、
 ちかくならわかるとおもう。このさくせん、どう??」

「わたしがふたつたんとうするから、
 サトリちゃんにもイッコもっててほしいなぁ。
 ムリそうなら、わたしがゼンブやるよ。
 もんだいは、『どうやってしこむか』ってことなんだよなぁ」

今後の相談を兼ねて、サトリに問い掛ける。
部屋の外の音も聞き逃してはいない。
おそらく、子供達が遊んでいるのだろう。
そろそろ向かった方が良さそうだ。
自分達は、そのために来ているのだから。

829天雨 サトリ『10cc』:2018/06/28(木) 23:30:44
>>827(GM)
>>828(夢見ヶ崎)

「私ですら監視がなければ少しは羽目を外しますもの。
 今は仕事ですから、そういう真似はしないけれど……」

         「ああ、良い演奏でしたわ」

       パチパチ

安心する練度の演奏に小さく拍手してから、
差し出されたスマホの画面を覗き文に目を通す。

「ふぅん。アルカラというのは貴方のあだ名か何かでして?
 なるほどねぇ。つまり彼女の話した『子供論』は、
 ここの子達じゃなくて『彼女の経験』の話でしたのね。
 それなら実感があるのも、名を知られていないのも納得ですわ」

「それにしても、このメールの主が金一ですのね。
 想定していたよりはマトモそうな文面で安心しましたわ」

経験を活かす、というのは年長者の持ち得る武器だ。
彼女はそれを十分に振るう事が出来る優れた女性らしい。

「これで一つ、疑問が解けましたわね。いえ、二つかしら?
 ……ええ、飴なら三つでも、四つでも差し上げますけれど」

            スッ

「それは……悪くない作戦ですわ。貴女、頼りになるじゃないですの。
 だけど貴女が考えている以外に、問題が『ふたつ』ありますわね。
 一つはこれを捨てたり、落としたりされれば意図せず『攪乱』される事。
 言ってしまえば、このティッシュ。見た目が『ゴミ』と変わりませんもの。
 これはまあ、匂いでの探知に100%頼り切らない事で解決できますわね」

飴を三つ差し出しつつ、考えを述べる。
否定はしない――――対案が無いからだ。サトリは合理を重んじる。
だが、埋められそうな穴はこの会話段階で埋めてしまっておきたい。

「それで、もう一つは『スタンド攻撃と勘違いされかねない事』!
 不審物がいつの間にかポケットの中にあった、というのは……
 説明しても子供達からすれば首輪を着けられるような物ですものね。
 完全な『勘違い』とも言い切れませんわ。私はこっちを危惧してますの」

「ポケットが無い可能性も考えて、『自分から匂いを身に着けさせる』手が欲しいですわね。
 ……庭の『花』でも数本頂戴して、簡単なアクセサリーでも作ってあげるのはいかがかしら?
 それとも『ニンニク』……いえ『ハーブ』でもいいけれど、匂いの強い物を食べさせるとか」

匂いでマーキングをする、という手には賛同できる。
金一のメール本文ではないが、目だけでは捉え続けきれないからだ。
友好の証、あるいは『遊び』の一環としてそれを織り込めるなら、よりこの策は向上すると考える。

どちらにせよ、ここに長居はしない。夢見ヶ崎の作業が済んだら、子供たちの様子でも見に行こう。

830『ペイズリー・ハウス』:2018/06/29(金) 22:19:01
>>828-829(ALL)

 複数の物音に足音は一階へと遠ざかり、二階の廊下に静けさが戻る。

ピアノの伴奏も程ほどに途絶えると、夢見ヶ崎は『飴の香り』を
ティッシュで包みつつ、園児の目印にする事を提案した。

 天雨も、彼女の作戦には賛同しつつ工夫する事も新たに提示する。
ひそひそ星の園には、園児達の世話や鑑賞の為の花壇もあるし。この
時期には園の中や外にも、少し歩けば強い香りの草花は見つかるだろう。

強い香辛料と言うのも発想としては悪くない。『強い香り』のものを
連想しつつ貴方たちは飴への作業を大体終えた……。

831夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/29(金) 22:59:32
>>829
>>830

「――――――――――――――――――――」

理路整然とした的確なサトリの指摘に、ぐうの音も出ない。
まるで『ダンボール箱に入れられて捨てられた子犬』のように、
しょんぼりした表情で、しばしの間サトリの瞳を見つめる。
やがて、その頭が音もなく次第に下がっていき――。

「――ぶげぎゃッ!!」

     ダーーーーーーーーーーンッ♪♪

無様に潰されたカエルのような声を上げて、鍵盤に顔面をぶつけた。
それと同時に、一斉に鍵盤が押され、ピアノが低い音を奏でる。
少しの間を置いてから、突っ伏した顔を上げて、椅子から立ち上がった。

「……うん、まぁそうだね、うん」

「『コレ』っていうのは、このツツミじゃなくて、
 なかみのことをいったつもりだったんだ。
 このツツミは、もちあるくためのイレモノでさ。
 こなだけだったら、みつかりにくいでしょ??」

「でも、サトリちゃんのいったとおり、みつかるカノウセイはゼロじゃない。
 みつかるカノウセイがあるってことは、
 これがウラメにでるカノウセイもゼロじゃないってことで……。
 100%あんぜんじゃないよね、やっぱ。
 じぶんでも、そんなきはしてたし」

「これはわたしがもっとく。
 もしつかうときは、ちゃんというから。
 いまのところは、つかわないようにする」

サトリに断りを入れて、三つの包みをポケットにしまう。
他の道具もササッと片付ける。

「おはなのアクセサリーっていうのは、すっごくイイとおもう。
 だって『しぜん』だし。『おはな』だけに!!
 でも『みっかかん』つけてくれるかっていうのはビミョーだよねぇ。
 ハーブにしても、ずっとニオイがついてるワケじゃないし」

「たぶん、なんかいかニオイを『つけなおす』ひつようがでてくるんだよねぇ……。
 だから、サトリちゃんにも『ニオイ』のことをアタマにおいといてほしいんだ。
 もし『ニオイ』をつけたら、それをわたしにおしえてよ。
 とりあえず、しょにちのきょうは、おはなのアクセサリーでいいとおもう。
 サトリちゃん、たのめる??」

「あしたいこうは……ちょっといまはアイディアがでないけど、
 おフロはいってるときにおもいつくかも。
 ここのおフロって、どんなかな??
 わたし、こうみえてもおフロにはうるさいからさぁ〜〜〜。
 サトリちゃんちのおフロって、どんなかんじ??
 『マーライオン』のくちから、おゆがでてそう!!」

頭の中で、天雨家の豪勢な浴室と、そこに入る自分を想像する。
敷き詰められた大理石のタイル、
顔が映るくらいに磨き抜かれたバスタブ、
そして、優雅に湯を供給するマーライオン像……。
あぁ〜〜〜ごくらくごくらく……。リッチっていいなぁ〜〜〜……。
(※この描写はイメージです。実物とは異なる場合があります)

「そういえば、れんらくさきこうかんしてない??してなくない??
 いまのうちにしとこうよ」

スマホをサトリに見せて、連絡先の交換を促す。
こういうのは、早いうちにしておいた方がいいだろう。
子供達と会った後は、やる暇がないかもしれないし。
それが済んだら、音楽室の外に出たい。
『ドクター・ブラインド』で周囲の音を聴き取り、子供達の現在地を掴む。

832天雨 サトリ『10cc』:2018/06/29(金) 23:38:31
>>830(GM)
>>831(夢見ヶ崎)

「…………そんなに落ち込まれても困りますわよ」

          「って」

「ちょっと! 大丈夫ですの? 顔でピアノを弾くなんて。
 過激なパフォーマンスが売りのロックンローラーみたいですわよ」

ハンカチをカバンから取り出す。鼻血でも出していたら大変だ。
多量出血で大変とかではなく、子供を驚かせてしまうだろうから。

「さておき、そういう事でしたのね。私、勘違いをしていましたわ。
 粉だけなら、ポケットに忍ばせても問題はないでしょうね――――
 ただし、『溶けだす』事と、『洗濯』を私達がする必要があるでしょうから。
 台風が来て『気温』が下がり、『外で遊べず』、『信頼関係』も築きやすい、
 明日以降に実行するのが良いと思いますわ。バレた時、気まずい時間も短いですし」

「……あくまで私の考えですから。貴女が良いと思うなら、好きな時にお使いなさい」

サトリの側でも、他に不要な物などは一旦カバンにしまい、
夢見ヶ崎について音楽室の外へ向かう。探知は彼女任せでいい。

「草花の扱いには慣れていましてよ。その時が来たらお任せなさい。
 とはいえ、子供相手ですものね。必ず乗ってくれるとも限らないでしょうけど」

そういえば庭だけではなく、周辺にも自然は満ちていた。
時間さえ確保できるなら少し歩いてでも匂いの強い草を探すのも手か。
もっとも、ドクダミなんて使ってしまえば子供心にアクセサリーを捨てるのは確実だが。

「マーライオン? 貴女の想像している私の家は純金で作られていそうですわね。
 軒下にパルテノン神殿のような柱をイメージしてもいるんじゃあなくって?
 普通のお風呂ですわよ。露天とかでも無いし……まあ、脚は伸ばせますけれどね」

「ここのお風呂はどうかしらね、見たところ『事務的』な施設とはいえ、
 子供が住んでいるんですもの。『1人しか入れないユニットバス』とか、
 そもそも『湯船が無い』とか、そういう事はないとは思いたいですわね。
 ……え? ああ、そうですわね。家の中とは言え、使う事もあるかもしれませんわ」

スマホを取り出し、手早く連絡先の交換を済ませたら、あとは黙って探知の邪魔をしない。

833『ペイズリー・ハウス』:2018/06/30(土) 18:54:57
>>831(夢見ヶ崎PC)


ダーーーーーーーーーーンッ♪♪

何て言う事だ! 鍵盤に思いっきり激突した貴方の顔面は
血飛沫を巻き散らし音楽室を凄惨な空間へと変貌させてしまった!

……なんて事はない、精々鼻の頭が強めに痛むぐらいで血は出ない。

貴方は天雨とスマホでの交換を手早く終わらせ、宮廷浴場のような
情景を脳内に描きつつ、砕けた飴入りティッシュをしまう。

園児達に花をプレゼントするのも妙案だ。
 ただし、ある程度の信頼関係は築ければ……と言う前提だが。

>>832(天雨PC)
 貴方は匂い付きのティッシュ等は明日に回すほうが良いと助言する。
鍵盤から顔をぶつけた彼女は、鼻の頭は若干赤いが傷まで至ってない。

貴方も施設の浴槽に対して思考を練って見る。
 こういった施設の浴場は、一般的には滑り止めマットを敷いて
子供でも安全に入れる設計は普通されているものだ。

 探知を夢見ヶ崎に任せつつ音楽室を彼女と共に出る。


 
 二人は音楽室を出た。一階からは少し賑やかな子供の声が二人分聞こえてくる
とは言え、降りなければ『超感覚』でも正確な位置は把握できなさそうだ。

834夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/06/30(土) 20:58:24
>>832
>>833

「いったぁぁぁ〜〜〜……。
 『サスペンススリラ』ーじゃなくて、
 あやうく『スプラッタホラー』になるところだった……。
 プロデューサーがかわって、ろせんへんこうか??」

鈍い痛みがぶり返してきて、思わず鼻の頭を手で押さえる。
血が出ていなかったのが不幸中の幸いだ。
初日から鼻血を出していては格好がつかない。

「サトリちゃん、じけんはっせいだ。
 げんばとなったのは、おんがくしつ。
 ピアノを弾いていた『アリス』が、
 なにものかにがんめんをきょうだされたらしい」

「さいわい、いのちにベツジョウはないようだが……。
 しかし、いったいダレがこんなことを!?
 わたしにウラミをもつもののハンコウか……?」

架空の事件を語りつつ、音楽室を離れて一階に向かおうとする。
そういえば、保育室の方で『まつり』らしき声が聞こえていた。
もういないかもしれないが、念のために確認しておこう。

「わたし、ちょっとむこうをのぞいてくるから、さきいってて」

「――っていうヒトって、たいていかえってこないよねぇ〜〜〜。
 それが、カノジョのさいごのことばであった……」

       ――ダダッ

駆け足で保育室まで移動し、ドアを開けて中をざっと見る。
誰かいれば、そちらに視線を向ける。
誰もいなければ、またサトリと合流する。

835天雨 サトリ『10cc』:2018/07/01(日) 00:19:31
>>833(GM)
>>834(夢見ヶ崎)

「犯人は『重力』ですわね、
 それに恨まれてたら大変ですわよ。
 体重計に乗れなくなってしまいますわ」

音楽室を出る際にハンカチもしまっておき、
いざという時に両手が空いている状態を維持する。

「スリラーでもホラーでも嫌ですわよ。
 私はハートフル・コメディをしに来ましたの。
 ハートフルドラマで終わらないとは思うので、
 コメディ分は『妥協』して想定していましてよ」

「身体を張りすぎるのはおよしなさい……
 尤も、私のせいと言えばそうかもしれませんけど」

保育室の声は気になる要素の一つだった。
飼育小屋の人影とは違い、『動的』な様子だったし、
もし部屋が荒れていたりすればそれは直すべきだろう。

「見てくるのは良いけど、もし何かあれば手か何かで合図なさい。
 問題なさそうなら、今のうちに挨拶をしてしまうのも良いでしょうし」

          「危なそうならすぐに戻ってくるんですのよ」

とりあえず、先に下に向かっておくが……階段は下りきらない。
何か起きた場合にすぐに状況を打破しに戻るためだ。

子供とはいえ、いや子供だからこそ突然遭遇した未知の相手に対して何をするかは未知数。
あるいはかくれんぼのために『探すための能力』や『罠の能力』を行使した可能性だってある。

836『ペイズリー・ハウス』:2018/07/01(日) 17:40:26
>>834(夢見ヶ崎)

 謎の高笑いが聞こえていた『保育室』

扉越しに、丸窓から部屋の内部を見てみると。幾らか広い空間に
大きめの長い机。数台の椅子が置かれている。
 園児用と思える椅子が、この施設に入れる限界数まで積まれてたであろう
形跡があるが……少し、その積まれている椅子は崩れている。
 人のいた痕跡はあるものの、今は誰もいない事は明らかだ。

>>835(天雨PC)
 貴方は慎重に階段に何か罠が張っていないか等の警戒もしつつ
段差を降りていく。

 すると階段の途中にワイヤートラップが! ……などと言った事はない。
カンナやアオキはともかく、まだ残る園児は貴方達が来てる事すら
把握してるか怪しいところだ。恐らく、先程の高笑いしていた園児の一人も
二人に関して音楽室にいた事も気づいてない可能性が高い。



 『ほーほっほっほ! 観念しなさいまし!
あなたはほういされてるのですわぁ!』

 『くー! ぜったいばんじきゅうすなじょーきょーだ!』

 前を天雨、後ろから追いついた夢見ヶ崎は
二人共、そのような子供の声が事務室より更に先で聞こえた……。

837夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/01(日) 19:59:43
>>835
>>836

「おっ、いいねぇぇぇ〜〜〜。
 まんいんおんれい、ことしいちばんのわだいさく。
 わらってなける、あいとかんどうのハートフル・コメディ!!
 やっぱり、こうでなくちゃ。
 さすがサオリちゃん。わかってるね〜〜〜」

――以下、上映後の意見・感想より抜粋――
子供と一緒に観ましたが、私の方が見入ってしまいました(35歳・会社員)
久しぶりに映画で泣きました。侮れませんね(24歳・OL)
おもしろかった!!もう一回見たい!!(10歳・小学生)

「ドタバタのないさくひんに、わたしがしゅつえんするわけないもんね。
 なんといっても、コミカルなえんぎがウリの、こせいはじょゆうだし。
 こんかいは、おおものじょゆう・あもうサトリとのダブルしゅえんということで、
 いがいなくみあわせのキャスティングが、ちゅうもくをあびたんだって」

そして、保育室の中を確認する。
痕跡はあるものの、やはり既にいなくなっていた。
サトリの方を向いて両手を大きく上げ、頭の上でマルを作る。
『異常なし』のサインだ。
それから、また駆け足でサトリと合流した。

「――あのさ、いまおもってることいっていい??」

「なんかにてるよね。わたしとサトリちゃんと。
 『バター・トースト』からハセイした、しまいグループかな??
 『ハニー・トースト』か??『シナモン・トースト』か??」

あの声は『カンナ』と『まつり』か。
とりあえずスタンドは解除する。
この分だと、わざわざ探知する必要もなさそうだ。

「まぁ、それはおいといて――まずは『まつり』にアイサツするんだよね??
 くわしいせつめいとかは、『サトリちゃんにおまかせコース』にしよっかな。
 そのかわり、『きりこみたいちょう』はわたしがやるから」

声の方向へ歩きながら、サトリに話しかける。
声が聞こえるのは事務室ではないようだ。
そうなると、遊戯室だろうか。

838夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/01(日) 21:32:08
>>837

○さすがサトリちゃん
×さすがサオリちゃん

ちょっとまて、サオリってだれだよ!!

839天雨 サトリ『10cc』:2018/07/02(月) 05:58:33
>>836(GM)
>>837(夢見ヶ崎)

異常なしのサインの頷き、合流してくる夢見ヶ崎を待つ。
園内にあからさまな危険はない、と考えても良い気がしてきた。
別の何かを狙う罠や、罠でなくても危険物の可能性はあるが、
とはいえ気を張りすぎても疲れそうだし、ほどほどにしておこう。

「大物というのはけっこう悪い気がしませんわね。
 貴女見る目がありますわ……個性派としては一流ですわね」

事実として夢見ヶ崎の発想は自分とは違うものがある。
……やはり『適材適所』は重要な考え方なのだろう。認識を深める。
実際に『現場』で動いてこそ、『天雨サトリ』は磨かれるのだと考える。

「………………そんなに似てまして?」

「さしづめ『マーガリン・ご飯』と言った所でしょう。パンではなく米!
 だって私……あのような『ほーっほっほっほ』なんて笑い方はしなくってよ。
 サンタクロースじゃないんだから……あっそうですわね、挨拶しましょう」

思わぬ『そっくりさん』……いや『モドキ』の登場に驚かされるが、
自己認識としてはそんなに似てるとは思ってない。口調はちょっと似てるけど。

「策は先ほどと同じで構いませんわ。とはいえ、不測の事態もあり得ますから。
 私だけでは対処しきれなさそうに見えたら、遠慮なく口を挟みなさいまし」

エキセントリックな相手に論理が通用するとは限らない。
勢いがある夢見ヶ崎の方がすんなり話を通せる事もあるかもしれない。

(さて、どんな『オジョウサマ』が出てくるか…………見ものですわね)

もちろん自分も『お嬢様』なのだが、
この場合の言い方は『否定』のニュアンスだ。
口が悪いと思われるといやなので口には出さない。

そういうわけで声の方向に向かおう。それと、奇妙なものが無いかは注視しておく。
包囲しているという言い回しが単に遊びの一環なら良いのだが、『能力』の可能性もある。

840『ペイズリー・ハウス』:2018/07/02(月) 18:03:44
>>837-839(ALL)

 貴方たちは騒々しい音源を探す。方角は『遊戯室』だ

『事務室』では、何処となく心あらずと言った調子で
ウォークマンを聞きつつ、職員の使用するパソコン画面を見ている
『アオキ』がいるだけで、特に不審はない。

 そして、肝心の『遊戯室』だが。


     ドタ  ドタ
   ドタ      ドタ
   ドタ      ドタ
       ドタ

 「おーーーっほっほっ かんねんしなさいな!
この、きょうあくなる軍団と、それを操る
れいんぼうパレードこと『まつり』がっ
ほーりーえんじぇらーを、きょうこそたおすのですわ!
 闇のキャロットを食したいま、あなたのそのちんけな
ちからじゃ太刀打ちできませんことでしてよっ」

 「はーっ はーっ つ つよい
たしかに、ふだんのれいんぼうパレードとはちがう!
 これが闇のきゃろっとのちから!」

 ……筆舌しがたいが、描写するとなるとこんな感じだ。
まず、額に可愛らしいリボンをつけた。カンナと同じハンモックを
身に着けた子供が高笑いをしている。そして、その子に連動するようにして
『大小の異なる七つの椅子』がカンナの周りで人の手を借りずに
ステップを刻むように遊戯室のマットで右左に傾きつつ弾んでいるのだ。

 カンナは、そのステップをしてる椅子たちに囲まれつつ
格闘家のように構えつつ大袈裟な息をつく……真似をしている。

 どうやら『かくれんぼ』から『アニメごっこ』へと何時の間にやら
変更したようだ。 恐らく朝7時などにやってる児童向けの。

841夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/02(月) 22:36:02
>>839
>>840

「『ちゅうごくさん』だ!!さいきん、こくさんはたかいからな〜〜〜。
 むかしは、しょくたくにもよくのぼってたけど、
 ちかごろはめっきりみなくなって……。
 いまは、ねだんのやすいユニュウモノが、はばをきかしてるんだよなぁ。
 こくさんふっこうのために、あらたなプロジェクトをていあんする!!」

「――でも、そこにショーユたらしてくうとウマいよ。
 バターだと、なおよし」

――などと言いながら歩いていると、遊戯室が目前に迫る。
そして、そこで繰り広げられる戦いが視界に入った。
これを見て、何もしないわけがない。

「ほほう、やってるやってる。それじゃ、さっそくアイサツしてこようかな。
 ――じゃ、いってくる」

サトリに合図して、勢いよく遊戯室に飛び込む。
こんな面白いことやってたら参加せずにはいられない。
わたしもまぜろ!!

「そこまでよ!!(ト書き:逆光の中にシルエットが浮かぶ)
 『レインボウパレード』――いえ、『まつり』。
 あなたのおもいどおりにはさせない!!(ト書き:大きくジャンプ)」

今まさにとどめを刺されようとする『ホーリーエンジェラー』。
それを救うべく、戦いの場に参戦する。
まつりと対峙するようにカンナの近くに立つ。

「『ホーリーエンジェラー』のヒカリがわたしのココロをてらし、
 このカラダにかけられていた『のろい』がとかれたのよ。
 ようやく、ほんとうのわたしをとりもどせたわ。
 もうにどと、わたしはあなたたちのおもいどおりにはならない!!」

「ヤミにつかえるせんし・『ブラックカーニバル』とは、かりのすがた。
 あしきやみをうちはらう、せいぎのひかり!!『セイントエンジェラー』!!
 これこそが、わたしのしんのすがたよ!!」

『第26話』:あらすじ(公式サイトより転載)
『闇のキャロット』によって力を増した『レインボウパレード』の猛攻を受け、
窮地に追い込まれる『ホーリーエンジェラー』。
そこに現れたのは、敵であったはずの闇の戦士『ブラックカーニバル』だった。
彼女の真の姿は『セイントエンジェラー』であり、かつて強大な悪との戦いに敗れ、
記憶を封じられていたのだった。
その呪いから解放され、再び光を取り戻すことに成功した『セイントエンジェラー』は、
危機に陥った『ホーリーエンジェラー』を救うために駆けつけたのだ。
『ホーリーエンジェラー』と『セイントエンジェラー』が並び立ち、
戦いはクライマックスへ向かう。
果たして、二人は『レインボウパレード』を打ち破ることができるのか!?

「あきらめないで、『ホーリーエンジェラー』!!
 おおきなヤミは、つよいヒカリをものみこんでしまう。
 だけど、おおきなヒカリは、ふかいヤミをうちはらうことができるのよ!!」

「わたしたちがチカラをあわせれば、『ヤミをはらうヒカリ』になれるわ。
 さあ、ともにたたかいましょう!!」

カンナを鼓舞しつつ、まつりを見据えて戦いの構えを取る。
ここらへんでCMがはいりそう。
『セイントエンジェラー変身セット(税込み4980円)』近日発売!!

842天雨 サトリ『10cc』:2018/07/02(月) 23:39:57
>>840(GM)
>>841(夢見ヶ崎)

「貴女も中々、社会について考えていますのね。
 まあ、食べてしまえば味は……変わりますけれど、
 一番おいしいものしか存在してはならないわけでもなし」

「私だって常にバターしか食べないわけではなくってよ」

遊戯室の中を目にするまでそのような事を話していたが、
目にしてしまうとさすがに雑談しているわけにもいかない。

「――――あれは、『スタンド』ですわね。
 よろしくてよユメミガサキさん。よしなにおやりなさい」

スタンドですわね、と言いつつも問題はスタンド以外にある気がした。
それを即座に言語化する柔軟さは、サトリにはやや欠けている部分だ。
ここは夢見ヶ崎に任せ、自分は入り口から状況を観察する。
あまりコソコソしていても何なので、夢見ヶ崎が入った後から堂々とだ。

(……ユメミガサキさんはこういうこともお上手ですのね。
 やはり私だけで上手に出来る事の幅というのは限界がある)

(彼女の仕事は信頼できる。どんどん私が苦手な事を振りましょう。
 その分、彼女が出来ないであろう事は私が全部してしまいましょう)

世話係が二人いて、どちらも遊びに混じるのでは意味が薄い。
片方は『客観的視点』を保ち、いざという時ブレーキになるべきだ。
決して、あのように子供の相手を出来る自信がないとかそういうのではないし、
仮にそうだとしてもそこは適材適所。自分にはこっちが向いている……と考える。

――――と、あまり見ていては収集がつかなくなる可能性もあるので、
遊びがひと段落したか、少しでも静まりかえったら本格的に入室しよう。

   ザッ
          ザッ

「――――お楽しみのところ失礼いたしますわ」

実際楽しんでる所に乱入するわけなので、声は張るがあまり威圧的にはならないように。

843『ペイズリー・ハウス』:2018/07/03(火) 19:45:23
>>841(夢見ヶ崎PC)

 まつり「むっ! なんてこと!?
あらたなる光のエンジェルせんしが、この後に及んで
かくせいするなんて! ぶらっくかーにばる!
 あなたは偉大なるだーくねすなっく様をうらぎると言うのね!
――やっておしまし、我が尖兵たち!
 うらぎりものの末路がどうなるのか、思い知らせてやりなさい!!」

子供と言うのは柔軟な生き物だ。行き成りの貴方の登場に対しても
動じる事なく、ノリノリで悪の戦士を演じる。
 人差し指を貴方に向けると同時に、『黒っぽい』のと『白っぽい』
丸いパイプ椅子が貴方に向けて回転しつつ迫って来た!(スC)

>>842(天雨PC)

 貴方は第三者として、傍観に回る。
夢見ヶ崎が遊びに介入するのなら、場の熱気を調節する役目も大切な事だ。

客観的な視点から大まかに解る事は、『椅子の色』だ。
 紫・青・赤・黄・白・黒といった異なる椅子が存在しており
それを、まつりは操作しており紫色の椅子を護衛のように近くに置いている。

 カンナ「おぉ! めざめたのかっ あらたなる聖なるエンジェラー!
よーし、ならばカンナも隠されしパワーを使うぞー!」

 そう言って、彼女はおもむろに服の裾をつまむ……何かをする気だ。

844夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/03(火) 21:09:33
>>842
>>843

「ブラックカーニバルとよばれたわたしは、もうカコのそんざい。
 いまのわたしはヒカリのせんし・セイントエンジェラー!!
 のろわれたインネンを、きょうここでたちきってみせる!!
 えいごうのヤミのなかにいては、けっしてきづかないヒカリのうつくしさ。
 それを、あなたにもおしえてあげるわ!!」

上機嫌で遊びに加わりつつ、横目でサトリに視線を送る。
続いて、その視線をカンナやまつりの方に動かし、またサトリを見る。
二人の様子に注意しておいて欲しいという意味のアイコンタクトだ。

(――サトリちゃん、そっちはまかした。なんかあったらフォローして)

今後、何か不測の事態が起きた時に備えて、
事前に子供達の能力を把握できていれば都合がいい。
そのために、こうして遊びに参加することで、
子供達から能力に関する情報を引き出すことにしよう。
客観的な位置にいるサトリなら、より細かい部分に気付けるかもしれない。

「レインボウパレード、そしてダークネスナック……!!
 これいじょう、つみなきひとびとをくるしめることはゆるさない!!
 ――『セイント・ブースト』!!」

『セイント・ブースト』とは、セイントエンジェラーの力の一つであり、
光の粒子を身に纏うことで一時的に加速する技だ(公式サイトより抜粋)。
具体的には、『引き付けてから横に跳ぶ』という動作を行うわけだが。
これによって、ひとまず飛んでくる椅子を回避する。

この動く椅子そのものがスタンドなのか、
それともスタンドが取り付いて操っているのか。
予想だが、椅子は実物だと考える。
なぜなら、この椅子は保育室から調達してきたと思われるからだ。
ただ、スタンドが取り付くことでスタンド化しているという可能性もある。
その辺りは、まだ判断のしようがない。

「――いまよ!!ホーリーエンジェラー、あなたならできるわ!!
 いまこそ、あなたのしんのチカラをつかうときよ!!」

隠されしパワーとやらを使うらしいカンナに声を掛け、場を盛り上げておく。
おそらく、カンナもスタンドを出すつもりなのだろう。
まつりの次の行動に注意を払いながら、
余裕があればカンナの様子も観察しておく。

845天雨 サトリ『10cc』:2018/07/03(火) 22:40:20
>>843(GM)
>>844(夢見ヶ崎)

スタンドという力に目覚めてから、それは常に思考を割く存在だ。
見た事も無い能力であっても『考える』事は不可能ではない。
紫、青、赤、黄、白、黒。『冠位十二階』を思わせる並びで、
位としては下位の白と黒を尖兵としているのも想像に一致している。

(……だからどう、というわけではありませんけれど。
 聖徳太子の大ファンというわけでもなさそうですもの、
 おそらくその一致は偶然か、能力の本質ではないのでしょう。
 あるいはそういう色の椅子を選んだだけで、能力は無関係かも)

      (それにしても、あの椅子……普通に危ないですわ。
       ひどくエスカレートしそうなら早めに止めに入りましょう)

早い段階で能力を見抜けば、『世話』もしやすくなる。
夢見ヶ崎にアイコンタクトと首肯で了承の意思を示しつつ、
ひとまずは乱入はせずに状況を観察し続ける事に決めた。

            ズギュン

そして扉と身体で隠すように、背に回した手で如雨露を発現。
不測の事態が起きた場合に、牽制するための準備はしておこう。
椅子による攻撃の勢いは傍から見たら『修羅場』という他ない。
もちろん、スタンド使いである彼女には日常なのだろうが……

(私は如雨露を発現するし、ユメミガサキさんは人型を出す。
 まつりさんは恐らく、『椅子の操作』という形で能力を行使している。
 スタンドは『スプーン曲げ』のように決まった条件を持たない。
 ……服を脱ぐことで発現する能力があってもおかしくはないですわね)

その場合、服に匂いを付着させる案はそもそも成立しなくなる恐れがある。
注視して状況を見守る。下手に動いて遊びが中断される事がないように。
もし仮に、こちらに気づいて遊びが止まりそうなら――その時は『混ざる』つもりだ。

846『ペイズリー・ハウス』:2018/07/04(水) 20:25:47
>>844(夢見ヶ崎PC)

まつり「おーーほっほっほ!
せいんと・ぶーすと!? そのような光の初歩技で
我が『ヴァロッテ』を倒そうなんて
ひゃくおくねん早いですわ! ――弾けなさい!」

   キュルキュルキュル  カァンッッ!

! 何とっ、その『黒い椅子』と『白い椅子』
異なる色合いのパイプ椅子の三脚の一つのみでコマのように
回転して迫っていた椅子は、貴方が引き付けた後に横に
飛び退いて回避しようとすると、まつりは其の二つの椅子を
ぶつけ、その衝撃で『黒い椅子』を大きく飛ばした。
 跳んだ椅子は、今にも貴方の頭に激突しそうな感じだ。(スC)

まつり「!? あらっ、やりすぎっ??!」

 まつりが、少し素に戻った調子の声をあげるのを聞きつつ
夢見ヶ崎の視界の中で、ゆっくりと椅子は迫っていく……。
(※スタンドを出して1アクションを行う余裕はある)

>>845(天雨PC)

 貴方は能力を予測する。確かに色合いてきに『冠位十二階』を
模してるのは正解だ。序列として黒や白は兵士として基準が低いのだろう。

 天雨は『10cc』背に回しつつ構えてカンナのほうを注視する。

カンナ「うーん よいしょーっ!」 スポーンッ

 カンナは、そのまま唐突に貴方も薄々考えていたがスモッグを脱ぎ捨てる。
動物柄のパンツ以外、完全に幼い裸体を曝け出す。だが、周囲の人間は
女性ばかりだし、彼女は生来から抵抗感も薄いのか。ワクワクと言った
躍動感溢れつつ犬歯を出した笑みと共に力強く叫ぶ。

カンナ「やっぱ、この恰好が一番動きやすいな!
さー! いまたすけるぞ! せいんとえんじぇらー!!
 ――『スティール・パンサー』!!!

    ――カッッ!

 何て事だろう……! 
幼い子供であるカンナはの恰好は瞬く間に『黒豹』へと変化したのだ!
 とは言うものの……成体の完全な動物としての黒いヒョウと言うわけでない。
カンナの小さな体格のまま、黒い体毛がほぼ全身に生えて臀部から尻尾を
生やすものの四足でなく普通に立っている。両手にもスタンドで形成された
爪らしきものが見えるが、それも小さく成長途中である事が色々と理解出来る。

 カンナ「ふーいんされし、このちからで
ぜんぶなぎたおすぞー! うぅおー! がぁぁおおー!」

 肉球を振りつつシュッシュと引っ掻くデモンストレーションを行うカンナ。
まだ攻撃態勢には移ってないが、誰もが次には思いっきり遊戯室内を
動き回って暴れまわるだろう……そんな予感がひしひしと感じられた。

847夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/04(水) 21:34:01
>>845
>>846

「――しまッ……!!」

高速回転する椅子が眼前に迫る。
一瞬の内に、これまでの人生が走馬灯のように脳裏を駆け巡る。
そして、凶悪な一撃が、腐ったトマトのように頭部を容易く叩き潰した。

    ――ドグシャアァァァッ!!
                         リ タ イ ア
夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』⇒『再起不能』

はッ!?
いまなにか、すさまじくイヤなユメをみていたような……。
じぶんのいしとはむかんけいにムジヒなてんのさばきがくだされたような、
おそろしいユメだった……。

        以下続行
          ↓

「くっ!!さすが、ヤミのキャロットのチカラ!!
 ひとすじなわではいかないわねっ!!」

(おいおい……こいつら、いつもこんなコトやってんのか??
 『アソビ』でアタマねらってんじゃねーよ!!
 ここはアリーナじゃねーんだぞ!!)

さすがに、このまま当たってはシャレにならない。
横に跳んだ勢いを殺さず、
そのまま床を転がり続けることで椅子を回避――しようかと思ったが、
やっぱり止めた。
その代わり、自分と椅子の間に『ドクター・ブラインド』を割り込ませ、
スタンドの両腕でガードを行ってダメージを軽減する。

        「きゃぁぁぁぁぁ――ッ!?」

防御したのち、わざと悲鳴を上げながら、
実際のダメージ以上に思いっきり派手にブッ飛ぶ。
そして、床の上にうつ伏せに倒れ、スタンドも解除して動かなくなる。
できるなら、サトリに目か手で合図して、無事を伝えておく。
あくまで子供達にバレないようにだ。
子供達には、『いかにも大きな怪我をした』と思わせる必要がある。

そろそろ止めに入らなければ本格的にヤバい状況なのは明らかだ。
だから、こうして自分が『被害者』になることで、
『遊び』が『争い』になるのを食い止める。
言葉で言っても聞かないかもしれないが、
目の前で怪我人が出たとなっては、遊びを続けるどころではないだろう。
ダメージを確認しながら、耳で周囲の様子に気を配り、
起き上がるタイミングを計る。
遊びが中断されるような雰囲気になったら、
あまり大事にならない内に起き上がるつもりだ。

848天雨 サトリ『10cc』:2018/07/04(水) 22:22:52
>>846(GM)
>>847(夢見ヶ崎)

想像通り服を脱ぎ捨て、予想外の獣化を果たしたカンナに、
嫌な予感を覚えて飛び出そうとした時、予感は別な形で実現する。

「――――――ちょっと!!!!!!」

(! アイコンタクト……これは『半分演技』)

            「なっ」

    「何をっ」

        「なさっていますの!?!?!?」

やや勢い余り気味に、現場に飛び込んで視線を集めたい。

どうやら意図してではないようだが、かなり危険な展開だ。
夢見ヶ崎が悲鳴を上げて倒れ込んだのは演技のようだったが、
彼女が自分のような『器具』のスタンド使いなら現実になっていた。

(演技……ユメミガサキさんはこういう調略も出来ますのね。
 …………それより、一歩間違えばとんでもない所ですわ。
 見張りをわざわざ外注してまで必要とする理由が分かったわね)

「……遊ぶのは大いに結構。けれど怪我をする様な遊び方は感心しなくってよ」

大声で叫んだあとだ。必要以上に覚えさせないように、語調も言葉も強い物は選ばない。
彼女らの倫理観を確かめたい都合もあるし、いきなり深く切り込む事もしない。まずはさわりから。

849『ペイズリー・ハウス』:2018/07/05(木) 22:20:22
>>847-848(ALL)

 >きゃぁぁぁぁぁ――ッ!?
> 何をっ なさっていますの!?!?!?

まつり「あっ あらっ! ご、ごめんなさい
しょうしょう、はしゃぎすぎましたわ……」

カンナ「おぉう? アスミねーちゃん
うではだいじょーぶか?」

 夢見ヶ崎はスタンドの腕を素早く交差させ椅子を防御する。
二の腕全体に痺れるような衝撃がくる。元々パワーに不安ある
スタンドであるから仕方がないが、それでも出血したり打ち身が
出来るほどでは幸いなかった。自分から後方に飛びのいた事も
椅子の衝撃を幾らか逃す要因になった事も大きい。背中は少々
打ったが、子供にも安全設計のマットがあるために無事だ。

天雨も厳しい声色を上げつつ遊戯室へと入っていく。
 まつりは、七脚の椅子を動かすのを完全にストップして
あわわと言った具合に焦りと申し訳ない表情で眉をハの字に下げつつ
心配そうに夢見ヶ崎へ近寄る。同じように、黒豹のスタンドを纏う
カンナも、間延びした声で余り危機感を抱かずも心配する発言はした。

>遊ぶのは大いに結構。けれど怪我をする様な遊び方は感心しなくってよ

まつり「え、えぇ。ほんとーにすまなかったですわ。
おけがはなくて? ひどいよーでしたら、わたしが
おとーさまの行きつけのびょーいんをしょうかいしますわ」

 まつりは、常識を備えてるようでスモッグのポケットから
最新式らしいスマホを取り出す。夢見ヶ崎が怪我をしてるようなら
本気で救急車か何かを呼びそうだ。

850夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/05(木) 23:20:11
>>848
>>849

(……そろそろいいかな??サトリちゃん、グッドグッド!!)

倒れたまま、子供達とサトリのやり取りを窺う。
とりあえず目論見通り、子供達の遊びは一時中断されたようだ。
それにしても、サトリが上手く調子を合わせてくれて助かった。
彼女のお陰で、この場の収拾がつきそうな気配が見えてきた。
『大物女優』と『個性派女優』の共演を、
こんな形で披露することになるとは思わなかったが。

「――あたたた……」

不自然にならないように気をつけて、痛がりながらゆっくりと起き上がる。
ついさっき派手に吹っ飛んだ手前、
『ほどほどに痛がる』素振りは見せておいた方がいいだろう。
自分のスタンドがパワー不足なのは承知しているため、
覚悟はしていたとはいえ、実際それなりの痛みは感じた。

「あー、うん――だいじょうぶだよ、まつりちゃん」

適度に痛がりつつ、軽く腕を動かしてみせて、大事がないことを伝える。
どうやら、まつりの方はマトモに話を聞いてくれそうだ。
よって、ここは彼女を味方につけることにする。

「でも、こんどからはきをつけてあそんでね」

「これからはさっきみたいなことはしないって、やくそくしてほしいな」

慎重に言葉を選びつつ、まつりに言葉を掛ける。
まず、まつりが反省してくれれば、さっきのような無茶はしなくなるだろう。
それだけではなく、もし今後カンナが暴れようとした時も、
まつりが口添えして止めてくれる可能性も出てくる。
一石二鳥というやつだ。
どうでもいいけど、ずっとまじめなコトしゃべってるとつかれるな!!

「――じこしょうかいしなきゃね。わたしはアスミ。こっちはサトリちゃん」

(こんなんでいいかな??サトリちゃん、あとはたのむ)

紹介する時にサトリの方に視線を向け、同時にアイコンタクトを送る。
詳しい説明や以後の采配は彼女に任せよう。
しっかり者の彼女なら、上手いことやってくれるだろうと期待する。
それに、まつりとは話も合いそうだし。
別に深い意味はないんだけど。

851夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/05(木) 23:25:50
>>850

カンナにも「だいじょうぶ」と返事しておく。

852天雨 サトリ『10cc』:2018/07/05(木) 23:50:53
>>849(GM)
>>850(夢見ヶ崎)

「……おケガはなくって? ユメミガサキさん。
 救急車はひとまずよろしくってよ、まつりさん。
 見たところ、病院に行くほどには見えませんわ」

夢見ヶ崎の実際のダメージがサトリには分からない。
どう見ても命中はしていたし、防いだとはいえあの細腕だ。
本当に何かけがをしていても全くおかしくはないから、演技は半分。

「謝れるのは偉いですわ。その申し訳ないという気持ちを信じましょう。
 言いたいことは、ユメミガサキさんが言ってくれていますし……
 私からも『お説教』を重ねるつもりはなくってよ。一度目ですものね」

「……一度なら何をしてもいい、という意味ではなくってよ!」

二度は無い、と暗に伝える。べつに二度目でも暴力とかそういうのはしないし、
見捨てたりもしないが、『言う事を聴けるのかどうか』の分水嶺にはなるだろう。

「さて。たった今ご紹介にあずかりましたけれど、私は『天雨サトリ』と言いますわ。
 アオキさんから聞いてますかしら。今日から3日間ここで貴女達のお世話をしますの」

     「お世話と言っても、何から何まで面倒を見るわけではありませんけれどね」

実際、この三日間彼女らをあまり束縛するつもりはない。
暴力沙汰、流血沙汰が起きないようにして、あわよくば『教育』するだけ。
今厳しすぎる所を見せてしまえば『まつり』を委縮させてしまう可能性は高い。

とりあえず要件を伝え、反応を伺おう。スコールのように言葉を浴びせても、相手は子供だ。

853『ペイズリー・ハウス』:2018/07/06(金) 19:24:53
>>850(夢見ヶ崎PC)

>さっきみたいなことはしないって、やくそくしてほしいな

「えぇ、ヒーローごっこはしゅくじょのたしなみに欠けていますわね。
わかりましたわっ。もっと、おじょうひんな、お遊びをしますわ」

 英才教育をうけているのか、難しい言葉を舌ったらずながらも
喋り、彼女は優雅な手つきでピッと片手を掲げる。

 「ヴァロッテ せいれつっ」   ガタタンッ!

彼女の号令で、三脚や四脚の七つの色を帯びた椅子達は整列する。

 「ごていねいにどうも。わたしは『まつり』ですわっ
おせわ係のことは耳にしてますわ。こちらこそよろしくですわ」

 スモッグを、ドレスのように端をつまみつつ優雅な会釈を彼女は行った。

>>852(天雨PC)
 
 >一度なら何をしてもいい、という意味ではなくってよ!

「わ、わかってますわっ……わたくしは、たけとり家のれいじょう
ですもの。あやまちは一度ならず二度までいたしませんわ」

 ……最新式のスマホといい、れいじょうと言う発言といい
この『まつり』は、どうやら口振りからは随分と良いところの
お嬢さんらしい様子だ。




「カンナさん、おままごとにかえませんか?
この御二人もいれて」

 「えーー……もっとからだをうごかすのにしよーよ
せっかくへんしんしたのに〜」

 まつりは、お淑やかな遊びに変更する事をカンナに提案する。

だが、スタンドを身に纏うカンナは口を尖らせ抗議する。
動きやすい装着スタンドを発現した手前、体を動かしたいらしい。

854夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/06(金) 20:41:54
>>852
>>853

「うんうん!!まつりちゃんはえらいな!!
 たけとり??おうちで『タンス』とか『つくえ』とかうってそう。
 『たけとり』だけに!!」

『たけとり』といえば『かぐや』だしな!!
そういえば、いすも『かぐ』だ。
ぐうぜんか??

――まぁとりあえず、まつりはこれで問題ない。
残りは二人。
今どうにかしなければならないのはカンナだ。

「じゃあさ、そとであそばない??」

周囲の反応を確かめつつ、提案する。
屋内でカンナに暴れられると困ったことになるのは目に見えている。
外なら、多少動き回られても問題ないだろう。

「いまなら、まだてんきもいいみたいだし」

天気予報によると、明日以降に台風がやってくるという話だった。
そうなると、外では遊べなくなる。
その間に活発なカンナのストレスが溜まって、
何かしでかすことも考えられなくはない。
それも計算に入れて、事前に外で遊ばせておいた方がいいだろう。
さっきはかくれんぼだったから、今度は鬼ごっことか。

「サトリちゃん、どう??」

ついでに、何か匂いのする植物を探すこともできる。
鶏小屋からは離れていたが、くぬぎもまだ外にいるかもしれない。
彼女にも挨拶できれば、多少は手間も省ける。

「――けがはへいき。
 ちょっとしびれたけど、みためほどジューショーじゃないよ。
 たぶん、サトリちゃんはわかってたとおもうけど」

丁度いいタイミングを見計らって、二人に聞かれないように注意して、
小声でサトリに伝える。
そこまで心配はされてないだろうが、念のためだ。
もう痛みは引いているだろうか。

855天雨 サトリ『10cc』:2018/07/07(土) 00:26:14
>>853(GM)
>>854(夢見ヶ崎)

「私も天雨家の令嬢ですから、貴女の意気込みには共感出来ます。
 もちろん、全てが分かるわけではないけれど……その意気、応援しますわ」

・・・あまり重圧はかけないようにしておこう。
いい心構えだと思うが、強要すると『パワハラ』になるらしいし。

さておき、思考し『たけとり』という名前の心当たりを探す。
もちろん、自分が知らない新手の『良家』という可能性もある。
あるいは企業、グループ名と苗字が一致しない場合もあるし、
あまり深追いはしない。『知っている名前かどうか』を思い出したい。

「おままごとでも私は一向にかまいませんけれど、
 確かに――――明日からは台風が来ますものね。
 今のうちに庭で遊んでおくのもいいでしょうね」

それと並行して夢見ヶ崎の意見を補強しておく。

「私、文武両道ですので。走り回るような遊びでも構いませんわよ。
 カンナ、それにまつりさんも、そういう遊びで構わないかしら?」

      「強制はしませんわよ。これは『仕事』じゃありませんもの」 

それに適した服装ではないが、着替える時間は惜しんでも構わない。
勝つための遊びではないし、この服を脱ぐのにはそれなりに時間もかかる。

「…………ご無事で良かったですわ。私は信じていましたけれどね」

夢見ヶ崎の小声にはさらに潜めた声で、かなり端的な答えを返す。
カンナの獣化は未知数の能力であり、『聴覚』が強化されていてもおかしくはないからだ。

856『ペイズリー・ハウス』:2018/07/07(土) 19:04:08
>>854(夢見ヶ崎PC)

あぁ、貴方は恐ろしい事実に気づいてしまった!
まつりの苗字の『たけとり』に連なる
かぐやと、操る『かぐ』の奇妙な符号を!
 ……といった、何か背景に大きな陰謀はない。偶然の範疇だと思える。

「わたくしのりょーしんは、でんどーこーげいひんをちゅーしんとした
にんげんこくほーをあつかう上で、ぶんかしてーをつつがなくすすめる
ための、こんぷらいあんすをとりあつかう ふるきよき いえがらですのよ」

夢見ヶ崎には、そう言ったご両親の仕事を彼女なりに把握している事を
誇らし気に まつりは語った。


天気は未だ快晴で、運動日和だ。貴方の提案にカンナは表情を笑顔に
変えると意気揚々と叫ぶ。

 「おぉ! そとだそとっ。そーこなくっちゃ! 
ドッチボールでも鬼ごっこでも、わたしは何だっていいぞ!」

 カンナのスタンドは、傍目から見て身体能力に長けてるのは容易に察せられる。
成長途中で未熟でも、獣に近いスペックがあると考えていい。体を動かして
普通の遊ぶとしても翻弄される恐れも ある。

>>855(天雨PC)

 『たけとり』家とは、日本を支える三大財閥の一つである……なんて事はない。
夢見ヶ崎にも彼女は説明してるが、どうやら伝統工芸やらの日本の古き良き
技術に携わる仕事をしている家柄のようだ。つまり、『縁の下の力持ち』といった
表社会には余り浸透しないが、なくては困る部分サポートを行ってるのだろう。
 少なくとも天雨は、やんごとなき身分ではあるが彼女の家に関しての
知識は持ち合わせていなかった。だからといって家の格が劣るとかは無いし
今回の仕事に影響があるわけでない。

 夢見ヶ崎の無事をヒソヒソといった小声で告げる。目の端でカンナは
今にも外に出たいとばかりにウズウズしてるが二人の会話を察して
怪訝な調子になる様子はない。まだ確定には至らぬが、聴力が増すような
能力ではないのだろう。

 「そとであそぶのでしたら、えぷろんを御付けすればよいですわ」

まつりが、少し動き辛そうな天雨に対して遊戯室の一角を指さして告げる。
 施設に備えてるエプロンが畳まれて入ってるのが見えた。
泥遊びとかするとなれば心許ないが、それでもないよりマシだ。

857夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/07(土) 21:08:41
>>855
>>856

       ※『夢見ヶ崎フィルター』通過前
「わたくしのりょーしんは、でんどーこーげいひんをちゅーしんとした
にんげんこくほーをあつかう上で、ぶんかしてーをつつがなくすすめる
ための、こんぷらいあんすをとりあつかう ふるきよき いえがらですのよ」

             ↓※『夢見ヶ崎フィルター』通過中……

       ※『夢見ヶ崎フィルター』通過後
「わたくしのりょーしんは、ふるきよきいえがらですのよ」

「そっかそっかぁ〜〜〜。なるほどなるほどぉ〜〜〜」

まつりが発した言葉の大半を聞き流して、
いかにも全て理解できたようなフリをする。
まぁ、別にまつりの実家とお話するわけではない。
まつりの性格や能力さえ分かっていればいいのだから。

「よっしゃあ!!そんじゃいっちょもんでやるか!!」

      ズギュンッ!!
              ビシィッ!!

『ドクター・ブラインド』を発現し、スタンドと共に華麗なポーズを決める。
やりたかっただけなので、特に意味はない――というわけではない。
だが、一番の理由は単なる景気付けだ。

外で遊ぶことを提案したのは、
カンナが走り回っているところが見たかったというのもある。
何となく見た目から想像はつくが、どの程度の動きをするのか、
この目で直に確かめておきたい。
それは、自分の『好奇心』に由来する感情でもあるのだが。
人が獣に変わるスタンドというのには、大いに興味をそそられる。
ひょっとして超アクロバティックなスーパーアクションが見られるんじゃないかと思うと、
思わず頬が緩んでしまう。

「あ!!わたしもつける!!エプロンって『アリス』っぽい!!」

いそいそとエプロンを取り出して着用する。
実際にアリスっぽいかどうかは色とか柄によるだろう。
汚れが目立つが、やはり白が理想だ。

ところで、いまのカンナからケモノっぽいニオイはする??
ヤセイむきだしってカンジのワイルドなニオイじゃなくても、
ニンゲンのときとくらべてちょっとニオイがかわったりしてない??
そこらへんを『ドクター・ブラインド』でしらべてみよう。
もしニオイにヘンカがあったらコウツゴウだ。
まぁ、そこまできたいはしてないけど。

エプロンを付けたら、三人と外に出よう。
ついでに、何か別の『音』や『声』がしないかを確かめる。
具体的には、三人目であるくぬぎが近くにいるかどうかだが。

858天雨 サトリ『10cc』:2018/07/07(土) 21:44:36
>>856(GM)
>>857(夢見ヶ崎)

『天雨』は食品――――特に『ジャム』や『ゼリー』など、
『フルーツ』の加工製品に関連する事業を中心としている。

(『勉強不足』ですわね、私の知らない業界…………
 将来人を率いるうえで、知らない事は一つでも減らさなくては)

ゆえに『たけとり』を知らなくても問題は無いのかもしれない。
しかし、『知っている』事は何かの形で役に立つかもしれない。
そういう『意識』は大事だとサトリは考えている。意識高い系と言える。

「エプロン。良い提案ですわね、それでは一枚貸してもらいましょう」

まあ、この場にいるまつりの相手と家柄に大きな関係はないが……
背景にあるものが何で、どういう思いがあるのかは知れてよかった。
そんなことを考えつつエプロンを探り、花柄があればそれを着ける。
無ければまあ、ショッキングピンクとかそういうのでなければなんでもよい。

「ドッヂボールよりは『鬼ごっこ』の方が好みですわね。
 服は動きづらいものだけれど、ハンデには丁度よろしい。
 ……ああ、ユメミガサキさんは何で遊ぶのがお好きかしら?」

「『かくれんぼ』『けいどろ』『宝さがし』……
 外で出来る遊びはよりどりみどりですわね」

夢見ヶ崎は『弱視』である可能性がある。
先ほどから漢字を読みづらそうにしていたり、
ファッションから浮いた『サングラス』だったり、
他の感覚と引き換えに目が見えないというスタンドだったりと、
何となく類推できるような要素があるだけで確信は何も無いけど。

だから、サングラスにボールが当たったりしかねない『ドッヂ』を推すのもどうかと思った。
同時に広い範囲を用いる遊びを提案する事で、探索や香草の捜索を進めたいという意図も存在する。
また、追加提案したかくれんぼ・けいどろ・宝さがしはどれも『身体能力だけ』のゲームではない。
鬼ごっこもそうだし、基本的にはカンナが提案したそれを優先するつもりだ。まつりも納得するだろうか?

859『ペイズリー・ハウス』:2018/07/08(日) 21:17:41
>>857(夢見ヶ崎PC)

貴方は、まつりの説明の大半を要約して理解した。
    ズギュンッ!! ビシィッ!!
キメポーズを行う。カンナは普通に喜んで拍手し、まつりは
人の形をしてますのねー、と少し珍しそうに見る。この齢で
多種多様のスタンドを見てるほうが可笑しいし普通の反応だ。
 貴方はアリスっぽい白いエプロンを身に着ける。超感覚で
カンナの『スティール・パンサー』の特徴を調べてみる。
 子供特有の甘いような匂いはする。然しながら、獣特有の
独特な匂いとなると別だ。特徴的な匂いはない。
(※スタンドには独特の匂いがあるものも存在するかも知れないが。
今回のミッションのカンナには無いものとする)
 マーキングするとなれば、自力で行うほうが早いだろう。

>>858(天雨PC)
 貴方は自分の家の事業を思い返す。もしかすれば、この『ひそひそ星の園』
の備蓄でも置いてあるかも知れない。
 紺色に青や赤の花といったものをあしらえた普通のエプロンを身に着ける。


「鬼ごっこは大得意だぞー! カンナの瞬足についてこれるかなー!」

「カンナさんは、その姿だと素早いですものねー。ですけど、ヴァロッテの
フォーメーションを甘く見ると、痛い目に遭いましてよ?」
   (※全体的に平仮名なのが面倒になってきたので、メタになりますが
これから先は普通に漢字など併用しますが、子供達の喋り方は
全体的には平仮名っぽい舌ったらずだと考えてくれると嬉しいです)

まつりも、スタンドを使えばカンナが身体能力でモノを言う遊戯であっても
問題ないと告げる。




 和気藹々と子供三人とお手伝い二人は外に出る。
ひそひそ星の園の中庭に面するグラウンドは。園に面して花壇が置かれており
幾つかの滑り台、ジャングルジム、シーソーや砂場も取り付けられている。

   ――ギィ  ギィ

 ……ショートヘアのスモッグを身に着けている子供が一人、ブランコを
漕いでいる。その姿は、何だか少し物哀しい。

 「…………」

 その子供は、園の扉を開いたほうに顔を一度向け、また再度
少しだけ顔を俯かせブランコを漕ぎ始めた。

860夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/08(日) 22:38:04
>>858
>>859

おっとぉぉぉ〜〜〜??
さっそく『くぬぎ』らしきヒトカゲはっけんんん〜〜〜!!
わざわざタンチするヒツヨウもなかったみたいだ。

「ん〜〜〜じゃあ、『おにごっこ』でいいんじゃない??
 わたしは、サトリちゃんにさんせい!!」

気を遣ってくれたのだろうか、と思った。
こちらから言ってはいないが、彼女はしっかり者だ。
察しをつけたとしてもおかしくない。

一応、サングラスの予備は常備してある。
しかし、使う機会がなければその方がいい。
今使っているサングラスだって気に入っているヤツだ。

「はいはい!!テイアンがあります!!
 『おに』のヒトに『しるし』があったほうがわかりやすいとおもうなぁ〜〜〜」

同意しつつ意見を出しながら、周囲を見渡す。
そして、近くに咲いている花の中から匂いの強いものを選ぶ。
それらを幾つか摘み取り、サトリに差し出す。

「サトリちゃん、コレでなんかカンタンなのできないかな??
 『おに』のヒトにつけてもらうようなヤツ。
 みんな、サトリちゃんはおはなでアクセサリーがつくれるんだって!!」

これの目的は、言うまでもなく、
『鬼』になるであろう人間にマーキングを施すためだ。
別に遊びが終わった後まで付けてくれるとは期待してない。
あくまでも遊びの間だけを想定したものだ。
それだけではなく、
『サトリが花でアクセサリーを作れる』ことを子供達に見せるためでもある。
今からアピールしておけば、これから必要になった時に、
『全員にアクセサリーを作る』という流れにも自然に持っていけるだろう。

「さて――」

ゆっくりと、くぬぎらしき人影に近寄っていく。
仲間に入りたくないのか、それとも入れない理由があるのか。
それは知らないが、見つけた以上は誘うのが筋というものだろう。

「こんにちは。キミ、くぬぎちゃんかな??
 わたしはアスミ。いま、みんなであそぶところなんだ。
 いっしょにあそばない??」

側に屈み込んで目線を同じ高さにし、話しかける。
さすがに空気を読んでいるので、普段よりもテンションは抑え目だ。
あまりしつこくすると今後に支障をきたしかねないので、
誘いを断られるか乗り気じゃなさそうだったら、大人しく引き下がろう。

861天雨 サトリ『10cc』:2018/07/09(月) 01:09:42
>>859(GM)
>>860(夢見ヶ崎)

「決まりですわね――――鬼ごっこで遊びましょう!」

「ふふ、『足の速さ』だけが鬼ごっこではなくってよ。
 ただ……スタンドを使う以上、お互い『やりすぎ』は注意しましょう。
 そうですわね、『直接攻撃』は禁止にした方がいいんじゃないかしら」

        「それがありなら、喧嘩と変わりませんものね」

喧嘩では多分、勝てない。
遊びで勝てなくてもいいが、喧嘩で負けるのはまずい。
ケガをするのもあるし、序列をつけられかねないからだ。

              チラ

(…………あそこにいるのは、『くぬぎ』さんかしら?)

「ええ、ユメミガサキさんの言う通り。私、手先にも自信があるので」
 
                         フフ

「ここにある花なら……『ブレスレット』くらいなら作れますわ。
 勿論すぐに壊れないようにするなら、少しはお時間を貰いますけど。
 ただ、勝手に触ってよろしいのかしら。お世話は誰がなさってますの?」

       「人様が育てている物を、勝手に飾りには出来ませんものね」

花壇の前に移動し、『先走ったカンナが勝手に花を抜く』ような事態を牽制する。
何となくだが、花壇を管理しているのがアオキや『施設の管理人』だとしても、
動物の観察をしていた『くぬぎ』にとってもそれなりに意味がある物の気はする。

「もし許していただけるなら、『首飾り』もいいかもしれませんわね。
 走っても外れにくいでしょうし、見やすいですもの。花は沢山必要になるけれど」

なんにせよ花飾りを着けさせるため、話題は維持しておく。

なお、現時点でくぬぎの傍には行かない。『夢見ヶ崎』が初期対応をしているからだ。
彼女には『内気』とか『引っ込み思案』が見え、いきなり年長二人で引きずりだすのは抵抗がある。

862『ペイズリー・ハウス』:2018/07/09(月) 21:18:58
>>860(夢見ヶ崎PC)

 貴方は超感覚を使い、適当に生えてる花壇以外の草花を引っこ抜き
サトリに渡す。花壇から零れた種から出てきたのだろうバジルやラベンダー
などと言った香りの強いものを渡す事が出来た。

カンナ「へー! じゃあ、カンナ付けて貰う!」

まつり「じゃあ、鬼になった人に順番に渡して貰えばいいですわね」

園児二人はアクセサリーに対して拒否する事はない。思惑通りに
花のアクセサリーを身につけさせる事は出来そうだ。

小走りに、ブランコのほうへ近づき身を屈ませる。

>いっしょにあそばない??

[「…………」

『くぬぎ』は、ショートヘアで薄い茶色の目をした少し薄幸そうな顔立ちの
子供だ。夢見ヶ崎にゆっくり顔を向け、口元に指を咥えて体をモジモジと揺らす。

「……でも……めいわく……るし」

 途切れ途切れのボソボソとした呟きを彼女は漏らす。

>861(天雨PC)

カンナ「大丈夫! そっちこそ転んで怪我をするなよ!」

貴方の暴力禁止に偉そうな園児の声が返される。態度は生意気だが
性質は素直なほうだ。ルールを破るような事はするまい。

>お世話は誰がなさってますの?

まつり「園長先生ですわ。私達も世話はしますわよ
 今日は朝にアオキさんが水をやってたと思いますわ。あとは
夕方に水やりを適当に済ませれば良いと思いますわよ。花壇の花は
鑑賞用ですし大切に皆で育ててますのよ」

 当たり前だが、花壇の花を抜くような真似はご法度のようだ。
抜くのなら、園の外か手頃な場所が良いだろう。


まつり「花冠などで抜く花は、中庭のもっと奥にある草むらを使いますわね
ちょうど、くぬぎさんの居る辺りより奥ですわ」

カンナ「あー、くぬぎかー」

まつりは、くぬぎのほうへ指を差す。それに遅れて最後の園児の存在を
カンナも気づいたようだ。別にこの二人が意図して残る一人を仲間外れに
してるような感じでもない。ただ、自主的に二人は動が主体であり
ブランコに乗る彼女は静が主体と言う事なのだろう。

863夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/09(月) 22:47:21
>>861
>>862

(あー、こーいうタイプかー)

くぬぎの対応から、彼女の性格を推察する。
見かけ通りに奥手のタイプなのだろう。
しかし、遊びに加わりたくないというわけではなさそうだ。
おそらくは、自分に自信が持てないというところか。
こういうタイプに向かって「だいじょうぶ!!」と単純に励ますのは、
むしろ逆効果になりかねない。

(ん〜〜〜、どうっすかな〜〜〜)

「あのね、ちょっとおねがいがあるんだけど、いいかな??
 『キレイでイイニオイのするおはなのさいてるばしょ』って、
 このへんにない??」

さしあたって、くぬぎの好きそうな話題を振ってみよう。
実のところ、本当に重要なのは『匂い』であって、『見た目』ではない。
条件に『キレイ』を加えたのは、それを知られないようにするためだ。
ただ、見た目が綺麗な方が好ましいことは間違いない。
単に『花の咲いている場所』を聞くだけでも良かったが、
なんとなく、くぬぎなら、
より条件を絞った花の場所も分かるのではないかと踏んだのだ。

「いまからオニゴッコするんだけど、
 オニのヒトように『おはなのくびかざり』つくるんだ。
 だから、わたしといっしょにおはなをさがしてほしいなー」

一緒に探すという状況を作ることで、会話も続けられる。
ここでカンナやまつりを同行させないのには理由がある。
この頼みの一番の目的は、
『くぬぎ自身に花を見つけさせること』と『それを褒めること』なのだ。

『自分が誰かの役に立てた』という事実を本人に意識させれば、
それは『自信』に繋がる。
このプロセスを踏むことで、くぬぎの気が変わる可能性も在り得る。
彼女の気が変われば、改めて誘うチャンスも訪れるはずだ。

   ――チラッ

くぬぎと話をしながら、隙を見てサトリの方に視線を飛ばす。
ここに来てから、既に何度か行っているアイコンタクト。
そこに含まれている意味は今まさに自分の頭の中で考えている通りだ。
先程も、サトリはこちらの意図を汲んでくれた。
察しの良い彼女なら、おそらくは読み取ってくれるだろうと期待する。

864天雨 サトリ『10cc』:2018/07/10(火) 02:22:53
>>862(GM)
>>863(夢見ヶ崎)

「転びませんわよ。私を見くびらないでくださいまし。
 いつも着てる服ですもの……問題ありませんわ。
 今日だけ張り切って着て来たわけではないんですのよ」

      「っと、あら……ありがとう、ユメミガサキさん」

夢見ヶ崎から花を受け取り、それを緩く手に持つ。
握りつぶしたり、逆に落としたりしないように気を付ける。
また、可能ならこれだけの量でも『ブレスレット』を作れるか目測をつける。
花と言えば花壇にばかり目が行っていたが、彼女はもう見つけていたとは。

「そう、園長先生が。分かりましたわ、教えてくださってありがとう。
 鑑賞用……それもそうですわね。ここは自然も豊かだし……
 今いただいたものと、向こうにある物があればそれで十分ですわね」

(園長先生? あ、そういえば『イサゴさんは園長ではない』と……
 よく考えれば他の誰かがその立場にいる事は予想できていましたわね)

とはいえその人物がいないから自分たちがいるわけなので、
あまり気をもむ存在ではない、と考える。少なくとも現時点では。

それから――――

「?」

(これは……なんのアイコンタクトですの? くぬぎさんの説得に手間取っている?
 いえ、そうは見えない。それは『現在進行形』……まだユメミガサキさんのターン。
 私が割り込むべき状況とは思えませんわ…………つまりこの二人と『時間を稼げ』と?)

(たしかに今この二人を向こうに近付けてしまえば、悪気は一切なくても……
 この二人が『品質のいい草』を見つけて、彼女の出る幕が無くなる可能性がある。
 競わせて『くぬぎさんを勝たせる』のも、実際の勝敗がそうなるとは限らないし……
 この二人だって同じようにお世話すべき子供。くぬぎさんの『噛ませ犬』にはしたくない)

              (……『そういう意図』ですわね!)

くぬぎの向こうにある『それっぽい草』を取りに行こうと考えたが、
そちらに視線を向けると夢見ヶ崎と目が合い、何かを期待された。
サトリはそれを『くぬぎは自分にまかせて』ないし『二人は任せた』と受け取る。

つまり、すべきことは『こっちはこっちで何かしておく』事だ。

「とはいえ……向こうにある草は、向こうにいるユメミガサキさんにお任せするとしましょう。
 あの方は美的センスがいいから、きっと飾りにピッタリな花を見つけてくださりますわ。
 適材適所というものですわね。……で、その間、『どこまで逃げて良いか』を決めませんこと?」

流れ的にくぬぎに見つけさせるのだろうが、
それを言えば『じゃあ私も』となりかねない。
ここは、夢見ヶ崎に一任するという事にしておこう。
彼女なら後で『くぬぎが見つけた』という事実をしっかり強調してくれるはず。
 
「私、この園の構造をよく分かっていませんの。後でユメミガサキさんにも教えるとして、
 遊べる範囲の中で『入っちゃいけない場所』や『出ちゃいけない範囲』を案内してくださいまし」

夢見ヶ崎一人で対応できないとか、くぬぎを全員の輪に加えたいとか、
そういう状況になる事も考え即応が難しくなる『3人で別の事をして遊んでおく』案は却下。
この先必要になるであろう園内地図の把握を、遊びのルール決めと関連して進める事にした。

実際、スタンド使い同士の鬼ごっことなれば『どこまでも逃げて良いのか』は重要な観点と言える。
自分や夢見ヶ崎、この二人の能力はおそらく違うが、『空を飛べる』ような者がいてもおかしくはない。
子供たちの間では何かしらの取り決めがあるなら教えて欲しいし、無いならそれはそれで情報になる。

865『ペイズリー・ハウス』:2018/07/10(火) 21:51:43
>>863(夢見ヶ崎PC)

>わたしといっしょにおはなをさがしてほしいなー

貴方は、『くぬぎ』が奥手なタイプで無理に応援などすれば
逆に委縮しかねないと推察する。恐らくは正解だ
 サトリに対してもアイコンタクトを送る。彼女が微かに
頷いたのが見て取れる。

 「…………うん」

少々まごついたものの、くぬぎは貴方の言葉に対し肯定と頷きを返し
ブランコから降りると、中庭の端の草が生い茂る方へ歩く。

 「此処……いっぱい、あるよ」

立ち止まった彼女の小さな指が示す部分には『クチナシ』の花が咲いている。
数は沢山あり、花冠なり首飾りを作るなりしても余る程だ。
 それに匂いも強めだ。条件には合致している

 「……くびかざり……できそう?」

>>864(天雨PC)


『ブレスレット』は、見た目の量では『一人分』だろう。
貴方は夢見ヶ崎からの視線の意味を吟味した上で推理して
逃げる場所についてルールを決める。

カンナ「此処ら辺でいいんじゃない?
外に出るのは駄目ー、建物の中も駄目―。
 あと、裏にある鶏小屋のほうも駄目―」

まつり「お手伝いの、御二人は体格が良いので花壇も
やろうとすれば飛び越えられそうですけど。それは淑女として
はしたないですわ。ですから、シーソーとか大人の人でも
飛び越せそうなものも、飛ばないように、お願いしますわ」

 ルールとして、シーソーやタイヤの椅子などの遊具を飛び越えるのは禁止
外への出入り口から出るのもアウト。建物に入るのもアウト
 裏道……鶏小屋がある、園の裏の方面へ行く事もアウトと言うのが
とりあえずの、大まかなルールだ。

まつり「カンナさん、一先ず私は手加減してあげますわ」

カンナ「それじゃあ、私も本気の10分の1だ!
様子見をしてやるぞっ」

 『早く始め(ましょう/るぞ)!』

ルールも決まったし、二人は早く遊びたそうだ。

866夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/10(火) 23:43:23
>>864
>>865

(――サトリちゃん、ナイスアシスト!!)

サトリに向けて、ひそかに親指を立てる。
彼女の子供達への対応を見ると、どやら通じたようだ。
やはり、彼女は頼りになる。

「わぁ〜〜〜、いっぱいあるんだねー」

くぬぎと共に、クチナシの花に近寄り、その色と香りを確かめる。
これなら十分だろう。
もっとも、今はくぬぎに心を開かせる方が大事なのだが。

「うんうん、いろもイイしニオイもイイし!!
 きっとステキなくびかざりができるよ。
 くぬぎちゃん、ありがとう!!」

「くぬぎちゃんは、おはなのコトよくしってるね〜〜〜」

まずはお礼を言って感謝の気持ちを伝え、
くぬぎに『役に立った』ことを意識させる。
続いて彼女を褒める言葉を掛けて、
自分に自信を持つきっかけを作りたい。
わざとらしくなりすぎないように、相手の反応を見ながら程良く褒める。

「それじゃあ、もっていこうかなぁー。
 くぬぎちゃんは、どれがいいと思う??」

花の前に屈み込んで、急かさないように穏やかな口調で、
くぬぎに尋ねる。
これも先程と同じく、くぬぎに心を開かせることが目的だ。
それに加えて、くぬぎの植物好きを確かめる意味合いもある。
鶏小屋の一件からすると、植物だけではなく、
動植物全般が好きなのかもしれないが。
彼女が選んでくれたら、それらを摘み取って持って行きたい。

(サトリちゃん、すまん……!!もうちょっとひっぱってくれ……!!)

カンナもまつりも遊びたい盛りの子供達だ。
それを考慮すると、あまり長くは時間稼ぎできないだろう。
できる限り早く戻りたいが、今はくぬぎを優先したい。

(……なんだろーなー)

(なんか――)

(なんか、このこは、ほうっておけない……)

人には、それぞれ『できないこと』と『できること』がある。
たとえ『できないこと』があっても、『できること』で挽回できればいいのだ。
それに、今は『できないこと』であっても、
いつかは『できるようになる』かもしれない。

(――わたしだって、そーだ)

かつての自分を思い出す。
目は見えなくても、その代わり他の部分が補ってくれた。
だから、こうして私は生きてくることができたのだ。
そして、昔は見ることができなかったが、今は見ることができる。
できないからといって、それが自分の全てを否定することにはならない。

くぬぎにだって、カンナやまつりにはない長所があるだろう。
短所だって、いつかは克服できるかもしれない。
――そのことを、この子に教えてあげたい。

867天雨 サトリ『10cc』:2018/07/11(水) 00:06:56
>>865(GM)
>>866(夢見ヶ崎)

「そうですわね、体格で有利不利が決まるのはスマートではない。
 ジャンプして障害物を跳び越す、これは禁止にいたしましょう。
 それと、外と建物の中、鳥小屋方面も禁止――――と。よろしくてよ」

鳥小屋。窓から見ただけでどういう施設かは分かっていない。
鬼ごっこのさなかに目に入れておこうと思ったが、難しそうだ。

さて、夢見ヶ崎とくぬぎの方は――――まだ時間がかかりそうだ。

「始める前に草飾りを作ってしまいますから、少しお待ちなさいな。
 ……それにしても、鳥小屋がございますのね。鶏でも飼育してますの?」

(あちらはまだかしら…………これ以上時間を稼ぐのは厳しいですわ)

必要な道具を作るそぶりをしつつ、話を逸らす事で時間稼ぎをはかる。
つまり、くぬぎが植物を選び終わるまでのだ。その事を口には出さない。

「そっちに逃げちゃだめって事は、凶暴な鳥でもいらっしゃって?
 ダチョウとか、ヒクイドリとか……なんてね。単に広くなりすぎますものね」

遊びを遅らせていると思われるなら、
それは『くぬぎ』ではなく自分と夢見ヶ崎のせいにする。

自分達は仮に嫌われても『あと二日』だが、彼女らに亀裂を入れてしまえばそれは取り返しがつかない。
もちろん嫌われるのは嫌なので、あまりにも意味のない話はしないように……今持つ疑問を織り交ぜる。

868『ペイズリー・ハウス』:2018/07/11(水) 22:23:02
>>866(夢見ヶ崎)

 >きっとステキなくびかざりができるよ。くぬぎちゃん、ありがとう!!

「…………」モジモジ

貴方は笑顔で『くぬぎ』を褒める。顔を俯かせ、表情は良く伺えないが
両方の耳たぶが少々赤くなっているのが見えた。

 >くぬぎちゃんは、どれがいいと思う??

「…………じゃあ……これ」

 貴方の背丈ほどの少女は、おずおずと手近な場所にあるクチナシを
そっと触れた。摘んでいくのは、その周辺ので構わない筈だ。

>>867(天雨PC)

>鳥小屋がございますのね。鶏でも飼育してますの?

カンナ「うん、ニワトリー。ボスはかなり凶暴なんだ。
たまにカンナも、ボスと勝負するんだっ」

 カンナは黒い体毛を纏った手首を引っ掻くジェスチャーで応答する。
そのニワトリがスタンド使いがどうかは不明だが、幼稚園児と対峙
する位には気性はどうやら荒いようだ……。

まつり「そう、とっても荒々しいのですわ、あのニワトリは。
チキンはチキンらしく大人しくしてれば良いですのに」

 まつりも、苦々しい表情と口振りを浮かべる。
行動派な彼女ら二人が苦戦するニワトリとは一体……。

869夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/11(水) 23:22:57
>>867
>>868

(――よし……)

こちらの言葉に対するくぬぎの反応は悪くない。
あまりやり過ぎるのも良くないかもしれないが、
基本的な方針は間違っていなかったようだ。
ある程度の確信を得て、とりあえずこの方法で進めることに決めた。

「うんうん、じゃあこれにしようかなー。
 えらんでくれて、ありがとね!!」

くぬぎにお礼を言ってから、クチナシの花を摘み始める。
どれくらい必要なのか分からないので、量は適当になるが。
多すぎず少なすぎず、ほどほどの量を両手に持つ。

「くぬぎちゃん、こっちもっててくれる??
 アスミちゃんとはんぶんずつもとうね」

持っている花の片方をくぬぎに差し出す。
『くぬぎが見つけた』という部分を、自他共に強調するためだ。
くぬぎ本人に意識させるのは勿論、まつりやカンナから見ても、
『くぬぎの手柄』が分かりやすくなる。
自分達が褒めてあげることも、確かに大事なことではある。
しかし、同じ施設で暮らす二人から、くぬぎの行動を認めてもらうことも、
くぬぎの心を開く上で重要な要素になるだろう。

「あっちにいるサトリちゃんっていうおねえちゃんに、
 おはなをわたしてほしいんだ。
 そしたら、サトリちゃんがおはなのくびかざりつくってくれるからねー。
 サトリちゃんはとっても『きよう』だから、
 きっとキレイなくびかざりができるよ〜〜〜」

出来上がった首飾りの完成度に期待を抱かせ、
『花の首飾り』への興味を持たせる。
これも、彼女が輪に入りやすくするための一環だ。
必然的にサトリのハードルが上がることにはなるが、
彼女なら大丈夫だろうと信じる。
さらに、直接くぬぎからサトリに花を手渡させることで、
『サトリがくぬぎを褒める』チャンスを自然に作ることができる。
一人からだけではなく、色んな人から褒めてもらえれば、
より大きな効果が上がるはずだ。

「――お〜〜〜い、キレイなおはなもってきたよー。
 くぬぎちゃんがみつけてくれたんだー」

『くぬぎが見つけた』という事実を告げながら、三人の下へ近付いていく。
くぬぎと一緒なので、走らずにゆっくりと歩く。
サトリの前まで来たら、まず自分が花を渡すつもりだ。
手本を示すことで、くぬぎがサトリに花を手渡しやすくしたい。
引っ込み思案な彼女には、その方が適切だろう。

870天雨 サトリ『10cc』:2018/07/12(木) 00:36:42
>>868(GM)
>>869(夢見ヶ崎)

「……どうやら相当に手ごわい鶏のようですわね。
 小屋に近付く事があったら気を付けておきますわ」

(スタンド使いと戦える鶏……?
 まさか、飼育されているのもスタンド使い?
 ありえない話ではないけれど、危険ですわね)

            「っと」

長い言葉を選んでさらに時間を稼ごうとしていたが、
どうやらこの役目は済んだようだ。向かって来る二人に振り向く。

「ちょうど良かったですわ。今あるお花だけじゃ、
 飾りを作るのには足りないと思っていましたの」

          スッ

         「ありがとうユメミガサキさん」

まずは夢見ヶ崎の花から受け取る。
そして、そのまましゃがみ込む。
『目を合わせる』のは逆効果かもしれないが、
『視線の高さ』を合わせるのはおそらく意味がある。

「――『くぬぎ』さんが、お花を探してきてくれましたの?」

これで失敗は出来ないが、するつもりもない。
最初から失敗する気などないのだから、
プレッシャーを感じすぎる事はない。そう考える。

「クチナシ。素敵なセンスでしてよ。
 ……もしよければ、いただけませんこと?」

無理やり取り上げたりはしない。この状況になれば、
カンナとまつりもあまり強く『急かす』事はしないと思いたい。

871『ペイズリー・ハウス』:2018/07/12(木) 17:05:15
>>869(夢見ヶ崎PC)
 
 >くぬぎちゃん、こっちもっててくれる??

「……」コク

貴方の言葉に、無言で首を縦に振りつつ抱えるようにして花を持つ。
そして、そのまま夢見ヶ崎の後ろにぴったりくっ付くように彼女も歩く。

 サトリの前へ戻ると、最初に貴方が花を手渡した。
それに続いて、くぬぎも。少しだけ背中に隠れるように頭を俯かせていたが
意を決したようで、前に進み出るとサトリに花を差し出した。

 「……あ……の……これ」

>>870(天雨PC)

二人から聞いたニワトリの説明に、貴方は待ち受ける強敵に対して
危機の意識を高める。……もっとも子供の説明なので、実際どんな
ニワトリなのか不明だが。
 貴方は、夢見ヶ崎から花を貰うと続いて三番目の園児から受け取る為に屈む。
彼女は、少々恥ずかしそうに頬をピンクに染めて向けられた視線に対して
目を彷徨わせつつも、力強く花を受け渡した。

 「……あ……の……これ」

 カンナと、まつりは邪魔する様子はない。

 「それじゃー早速、花のアクセサリーを作ろう!
もたもたしてると昼ごはんが始まっちゃう!」

 「そうですわね。鬼ごっこを少ししたら食事時ですわ」

園の中央に飾られてる大き目の時計盤を見れば、そろそろ
昼ごはんが近くなってる事もわかる。

872夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/12(木) 20:28:25
>>870
>>871

「うんうん、センスいいよね〜〜〜」

あ、これってクチナシっていうんだ??
はじめてしった!!
――っていおうかとおもったけど、それはいわない。
いいたいけどいわない……!!
がまんがまん。

何故なら、今それを言ってしまうと、
『サトリの知識』が『くぬぎの手柄』を上書きしてしまう可能性があるからだ。
あくまで可能性の一つではあるが、障害となりうる要素は、
なるべく排除する必要がある。
少なくとも今のところは順調に行っているのだから、
ここでつまらない失敗はしたくない。

「よしよし、じゃあサトリちゃん。あとはたのむ!!」

残っている時間は多くないし、子供達も遊びたがっている。
邪魔にならないように余計な口を挟まず、サトリの腕前を見守ろう。
子供達の様子も、それとなく確かめておく。

特に、くぬぎの反応には注意を払っておきたい。
彼女は植物好きのようだし、首飾りにも興味を示すのではないだろうか。
あるいは、自然のままの状態の植物が好きなのかもしれないが。

「ところで、おにごっこの『ルール』とかきめてる??、
 サトリちゃんがつくってるあいだにおしえて」

自分がいない間に、サトリと二人も何か話をしていただろう。
そのことについて、まつりとカンナに質問する。
サトリに聞かないのは、首飾り作りを邪魔しては悪いからだ。

「――そういえば、おひるごはんってなんじなの??」

機を見て、まつりに追加で質問する。
この三人の中では、一番時間にキッチリしていそうだからだ。
鬼ごっこが始まる前に、あと何分くらい残っているかを把握しておきたい。

873天雨 サトリ『10cc』:2018/07/12(木) 21:50:33
>>871(GM)
>>872(夢見ヶ崎)

クチナシ。花言葉は『喜びを運ぶ』。
とはいえ、そんな講釈は口には出さない。
『綺麗な花』。名前以外それだけでいい。
これなら問題なくアクセサリーに出来る。

花を両手で、手折らないよう受け取る。

「ありがとう、くぬぎさん。
 これで良い首飾りが作れましてよ」

思った事を率直に伝え、微笑みかける。
こういう相手には『遠まわし』より良いはずだ。

それから遊びを待つ二人に頷き、
手早く草を編んで首飾りにしてしまおう。
補強などは無いので長持ちするかは怪しいが、
気に入ってもらえれば後から補強する手段はある。

「食事の前に運動、バランスがいいですわね。
 どれ程エネルギーを消費したっていいんですもの」

あとはともかく首輪をすぐに作ってしまう事に集中しよう。

874『ペイズリー・ハウス』:2018/07/13(金) 23:04:00
>>872(夢見ヶ崎PC)

 貴方が注意深く観察するように決めた『くぬぎ』に関しては。
最初こそ、緊張していた感じだが。今は貴方の隣で、少しだけ
顔を俯かせ手を組みつつも幾らか緊張は解けてるのが伺える。

カンナ「ルールはねー! 遊具とかをジャンプして超えるの駄目!
大体此処ら辺から見える範囲から離れるのもアウト。あと園から出て
外になってるほうから出ても強制的に鬼になるぞー」

まつり「昼ごはんは、大体一時間っといったところですかね」


 カンナがルールを説明し、まつりは時計盤を見上げて伝える。
確かに、十二時程度になるまで。それ位だ
 遊べばあっと言う間に時間は経つ。体感時間だともっと早く過ぎると
考えて良いだろう。

>>873(天雨PC)

>ありがとう、くぬぎさん。 これで良い首飾りが作れましてよ

「……ん」

 軽く視線を地面に彷徨わせつつも返事は聞こえた。まだ緊張はあるものの
二人の接し方は間違ってない。


 クチナシの花の茎部分を扱い、元々の器用さもあるだろうが
直ぐに首輪は三人分作られた。子供達の歓声を受けつつ三人へと
天雨はアクセサリーを掛ける事が出来る。

 

カンナ「そんじゃー鬼ごっこだぞー! 誰が先に鬼だー?」

まつり「そりゃあ、勿論言い出しっぺでしょ? カンナさん
今日の獲物は手ごわいですわよ!」

カンナ「へへぇん、それはやってみなくちゃ分からない。
いくぞー。十数え終わったら直ぐに追いかけるぞー。
 いーち……にー……」

 二人への了解なく、カウントダウンが始まった。
まだ何かルールに不備があると感じるなら伝えるべきかも知れないが
遊び盛りの子達だ。余り待たせても機嫌は悪くなる

875夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/14(土) 00:20:08
>>873
>>874

(――うんうん、わるくないわるくない)

くぬぎの様子を見て、彼女の態度が幾らか軟化していることを感じる。
ほとんど初対面の収穫としては上々だろう。
このまま順調に交流を深めていけば、
そう遠くない内に仲良くなることもできそうだ。

「よし!!そんじゃ、はじめるか!!」

        トン 
            トン

教えられたルールに不満はない。
同意を示しつつ、子供達に気付かれないように、
サトリの肩を指先で軽く叩き、声を潜めて囁きかける。
ここに来た時、サトリから『そうして欲しい』と言われていたからだ。

「……いまからサトリちゃんに『おまじない』をかけるよ。いい??」

了解が得られたなら、『ドクター・ブラインド』の爪でサトリに触れる。
目的は『超嗅覚』の『移植』だ。
これで、サトリは『匂い』を探知することが可能になる。
自分には、まだ『超聴覚』がある。
鬼ごっこの役に立てるには、それだけでも十分だ。

「『15メートル』――それがゲンカイ」

『移植』を終えたら、能力の射程距離について付け加えておく。
まぁ、この敷地の範囲内なら、よほど離れない限りは大丈夫だとは思う。
そして、辺りを見回し、できるだけ遮蔽物の多い場所を探し、
そこに向かって走り出す。

今のカンナの身体能力は、野生の獣と同等らしい。
障害物が一切ないような場所だと、すぐに捕まってしまう可能性が高い。
よって、ここは遮蔽物の多い場所に逃げ込むべきだと判断した。



(※首飾りは鬼一人分だと考えていたのですが、
  三人分出来上がったと考えてよろしいでしょうか?
  こちらとしては問題ありませんので、GMの判定に従うつもりです)

876天雨 サトリ『10cc』:2018/07/14(土) 02:59:12
>>874(GM)
>>875(夢見ヶ崎)

くぬぎにそれ以上『褒め殺し』のようなことはしない。
出来上がった首飾りを『鬼役』のカンナに手渡す。

それから――――

「……よろしくてよ、ユメミガサキさん。好きにおやりなさい」

囁き声で『夢見ヶ崎』に許可を出す。

何をするのかまでは聞かない。彼女は信用できる人間と言える。
無意味な事、闇雲な事はしないだろう。現に合図を覚えていてくれた。
すぐに『何が起きたか』は分かるだろう。それに少しでも早く適応しよう。

「――――さて! それではゲームを始めましょう」

            タッ

スカートの裾を両手で軽くつまみ、軽快に駆け出す。
このとき位置関係として『夢見ヶ崎』からは15m以内を考慮する。

自分では『カンナ』から完璧に逃げ切る事は出来ないだろう。だが楽しませは出来るはず。
まずは距離を取る。走りながら『10cc』の水を――振り回して周囲に撒いておく。

877『ペイズリー・ハウス』:2018/07/14(土) 22:16:17
>>875(夢見ヶ崎PC)

>いまからサトリちゃんに『おまじない』をかけるよ

 『ドクター・ブラインド』の鋭いメスの如き爪がサトリの体に
触れる。薄っすらと、ほんの針より小さい程の切り痕と共に
『嗅覚』の『移植』が成される。そして、貴方は遮蔽物の多い
場所へと全力で移動する。遮蔽物が多いのはスベリ台付近で
スプリング遊具と、巨大なお椀を逆さまにして、それに大人や子供が
入れるサイズの穴の出入り口が付いた公園遊具が設置している。
 此処なら、逃げるのにも色々と便利そうだ。

(※首飾りは、今後も三人分あった方が滞りないと考えたのと
夢見ヶ崎PCと、くぬぎの持ってきたもので三人分の作成可能だと
判断した上での措置ですので、この判定のまま進めます)

>>876(天雨PC)

夢見ヶ崎のスタンド、鋭いメスのような指、肌に微かに触れる
チクリとした痛みの発生と消失。
 貴方は周囲にある草花や、首飾りを掛けたカンナ、そして
まつり、くぬぎの二人の匂いが強烈になったのを感じた。

 夢見ヶ崎の疾走に続くようにして、『10cc』 を振りかざし
走りながらスタンド如雨露から水が撒き出る。

 にょき  にょきにょきにょき……!

 貴方が走る道標のように草木の芽が、命が地面より生え出る。



カンナ「うぉ! 植物が生えてきたぞっ。
おっもしろーいな、サトリたいちょー、じゃなかった、サトリは!
 でも、カンナの敵じゃないぞー。
なーはっ、はーちっ、きゅーっ」

      ドンッ!

 「じゅーっ  だ!!」

『スティール・パンサー』こと、黒豹に近しいスタンドを身に纏う
カンナは、カウントダウンが終了すると共に。近くで立ち往生していた
くぬぎや、別方向に逃げている まつりにも歯牙にもかけず全力で
『サトリ』のほうに駆ける!(スB)

 生やされた草木の振動が、着実にサトリとカンナの距離が詰まるのを
感じる。背後からカンナの大声も届いてくる。

 カンナ「四十秒で捕まえてやる!」

878夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/14(土) 23:41:57
>>876
>>877

     タッタッ タッタッ タッタッ タッタッ――

(――ふっふふふふふふふふふ)

サトリと自分は、三人の子供達より『身長』も『体重』も当然ある。
それは、『歩幅の広さ』と『足音の大きさ』が異なるということだ。
よって、サトリと子供達の『足音』は簡単に区別がつく。

そして、子供達の中で一番早く動いているのがカンナで間違いない。
おそらくは、一番遅いのがくぬぎだろう。
つまり、残った一人が自動的にまつりということになる。

これらの情報は、目で見ることでも得ることは可能だ。
しかし、わざわざ目視確認する必要はなくなる。
追いかけられている時に後ろを振り返ったり、
立ち止まって周りを確かめたりするのは、大きな隙になりかねない。

          ――ザザザザッ

まず、滑り台の裏側に回り込み、面積の広い部分に身を隠す。
続いて、頭に着けているリボンのようなスカーフを、
『ドクター・ブラインド』のスピードと精密さで手早く外す。
そして、その外したスカーフを、手近な柱か何かに、
再び『ドクター・ブラインド』を使って結び付ける。
その際、スカーフの端っこを、わざと見えるように出しておきたい。
離れた所から見たら、そこに自分が隠れているように見せかけるためだ。

(おにごっこは、かくれんぼとはちがう。
 なんどもオニがいれかわっていくスピーディーなアソビ。
 だけど――カンタンにつかまったら、やっぱりつまんないもんねぇ??)

スカーフの囮ができたら、カンナに見つからないように気を付けながら、
お椀型の遊具の中に潜り込み、
身に着けているエプロンを『ドクター・ブラインド』で外しに掛かる。
その間、外から聞こえる『足音』にも注意を払っておきたい。
そこまで神経を集中させなくとも、年長のサトリや、
身体能力の高いカンナの位置は、すぐに掴めるはずだ。

(さいしょのターゲットは……サトリちゃんか。
 おおぐちたたいただけあって、せんげんどおりにオオモノねらい。
 となると、つぎはわたしかな……??)

『移植』した『超嗅覚』が少しでも役に立てばいいけど。
しかし、人の心配ばかりしていられない。
多分、こっちが狙われるのも、そう遅くはないだろう。

879天雨 サトリ『10cc』:2018/07/15(日) 00:39:43
>>877(GM)
>>878(夢見ヶ崎)

背後を振り返る必要が無いのは良いことだ。
そして最初に自分が狙われるというのも悪くない。
これは最初の『交流』であり、『決戦』ではない。
逃げるのは全力だが……一度も捕まらないのはよくない。

(そして……私たちには幾つか縛りがある。
 手で払いのけたり、危険な避け方をしたり、
 こちらのミスでこの子達を……私たち自身も、
 怪我につなげるのは不味い。怪我の扱いが軽くなる)

ひとまずは全力で走る。
本来なら物を投げる、転ばせるなど、
幾らか手段は思いつくが――今は不味い。
手抜きととられるとしてもけがをさせるよりはいい。

許されるのは『自発的にこける』くらいだろうか。
他にもいくつかは思いつくが……結果と過程のバランスを取る。

(それにしてもっ)

「――――――『速い』ッ」

        「ですわね」

                 「カンナ!!」

心からの賞賛と共に、距離が詰まり切る前に右後ろ斜め方向へ『急に切り返す』。
あの速度、獣のようなヴィジョン。『急激な方向転換』には対応できるのだろうか?

距離が詰まり切る前、かつ『真逆』の切り返しをしないのは事故の危険性を考えたからだ。
これくらいの角度とタイミングなら、急に曲がろうとしてつんのめるくらいはしても大転倒とはならないだろう。

880『ペイズリー・ハウス』:2018/07/15(日) 20:29:29
>>878(夢見ヶ崎PC)

  ――ザザザザッ

貴方は滑り台の裏へと駆けこみ、ドクター・ブラインドを駆使して
スカーフの手近な柱へ縛り付ける。作業は滞りなく完了した

遠巻きに見れば、人ひとりが隠れてると思わせる事は出来る。

 作業を終えると共に、お椀ドームの中に入る。中は軽く砂地になっており
サクッと砂を踏みしめる音が僅かに反響するが、ドーム内に留まる音量だ。
 エプロンを外しながら、聴力だけに集中する……。

>>879(天雨PC)

 シャッ シャッ シャッ シャッ!

  タッ タッ タッ タッ タッ


小さき黒豹と化したカンナは、猫のような爪で『10cc』が
カウントダウンの合間に生えた草を切り散らしながら疾走する。
 速度は正に猛獣だ。だが、猪突猛進に見えなくもない。

 >『速い』ッ  ですわね   カンナ!!


「ッ……シャァァッ!」

   ズササー  クルッ タン キィーッ

野生動物のように一鳴きすると共に、体を反転させて野生動物の足と
化した爪をスパイクに急停止して、タンッと再度サトリを追う。
 急な切り返しは、幾らかの時間稼ぎになはる。だが、元々のスペックに
差異が浮き出るのは仕様な上で不利な事は受け入れざるを得ない。

 今の彼女の精密やパワーはともかく、スピードは獣同等だ。
あっと言う間に距離は数メートル近くまで狭められる。何か小細工が
無ければ、ものの数秒かからず背中をタッチされそうだ!


(※夢見ヶ崎には、超感覚で。かなり早い足音(カンナ)が一瞬途切れ
地面を強く摺る音と、再度駆けだす音が捉えられた)

881夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/15(日) 21:59:37
>>879
>>880

(――むこうはコレでよし。あとは……)

エプロンを外して、ドームの外から少しだけ見えるような形で、
ドームの中に置いておく。
目的は、スカーフと同じ。
時間稼ぎのための囮だ。

(……イチバンはやいのが……いったんとまって……
 じめんをこすって……またうごきだした……。
 サトリちゃんが、うまくやりすごしたみたい。
 『クロネコ』になると、こまわりはきかないのか……。
 だけど――やっぱりはやい)

獣に姿を変えたカンナのスピードは、確かに驚異的だ。
しかし、『持久力』はどれくらい持つだろうか?
激しく動き続けていれば、当然その分だけスタミナも消耗する。

実際の動物でも、まだ幼い内は体力が劣る。
スタミナも野生動物と同等だとしても、子供は子供だ。
ひょっとすると、長くスタミナを維持するのは難しいかもしれない。

(できるだけじかんをかせいで、カンナのスタミナをけずる。
 つかれたじょうたいなら、こっちもうまくにげられるかも。
 いまのじょうたいじゃ、『さ』がありすぎるもんね)

カンナに見られないよう、こっそりとドームの中から出て、
滑り台とは逆方向の、ドームの裏側辺りに移動する。
見えずとも『音』を聞いていれば、現在の状況を把握することは容易だ。
一旦そこで身を隠し、引き続き『超聴覚』で四人の動きを追う。
不意を突いて急に狙いを変えてくることもありうるので、
それについても注意しておく。
それから、スプリング遊具はどんなものだろうか?

882天雨 サトリ『10cc』:2018/07/15(日) 23:22:27
>>880(GM)
>>881(夢見ヶ崎)

『天雨サトリ』は自分が頭のいい人間だと考えている。
恐らく、夢見ヶ崎明日美もそうだろう。
頭がいいとは『思考を絶えず試行できる』事だ。
シミュレートした状況の中からより良いものを選び取る、
それが『頭がいい』人間の『成功する理由』だと考えている。

考えて、考えて、考えた結果――選んだのは走る事だ。
何も考えないのと結果は同じだが、今『奇策』に出る理由は無い。
全力で走って、走って、走って、『カンナに捕まる』までの時間を稼ぐ。

(『逃げられる道理』がありませんわ。
 だからといって『立ち止まって捕まる』のは愚の骨頂。
 最後まで逃げて――――体力を削り、満足感を作り出す)

              (それが仕事で『遊ぶ』ということ)

・・・つまり、最後には捕まることになる。そこまでに『過程』を作る。

883『ペイズリー・ハウス』:2018/07/16(月) 21:38:55
>>881(夢見ヶ崎PC)

 貴方は『超感覚』で他の四人の動きを探知する。
『まつり』『くぬぎ』は既に15mより遠くへと移動してる。
一番近く10m圏内で、全力で走る足音を二つ捉える。
 『天雨』は、もう直ぐ捕まりそうな距離でカンナは
飛びつけばタッチ出来る程度に足音が重なって聞こえてくる。

 それ等を耳にしながらドーム裏側へ移動する。気づかれてはいない
スプリング遊具に関しては、馬や牛といった動物を模した園児が乗れる
小さめの大きさで、下の地面にバネが接続されている。
 大体6つほどまばらに設置しており、障害物としては中々役立つだろう。

>>882(天雨PC)

 貴方はまっしぐらに全力疾走で逃走を継続する。
命を狙う肉食獣の前で、その行動は愚直だ 眼光を鈍く光らせ
多くの生き物を狩ったジャガーの牙が貴方の首筋を捉える……っ!
 なんて事はない これは遊びなのだから。

  ポンッ!

カンナ「うぉーーー! タッチだーー!!」  ポフンッ!

 カンナは貴方の背に、走りつつジャンプしながらなので
少し強めの衝撃を受けながらも転倒はさせない絶妙な加減の張り手を
繰り出した! そしてズサーッと貴方の前でストップすると
ガッツポーズを繰り出しつつ……スタンドを解除してパンツ一丁の姿になる。

 カンナ「次は、そっちが鬼だぞー!」

 そう叫びつつカンナは両手を上げながら楽しそうに
お椀型ドームのほうへ逃げようとしている……。

884夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/16(月) 22:42:26
>>882
>>883

             「――んっ!!」

      「あぁ〜〜〜」

「つぎはサトリちゃんがオニかぁ……」

よく考えたら、これは仕事なんだった。
自分たちが今やっているのは、幼稚園の保母さんみたいなものだ。
なにより子供達を楽しませなきゃいけない。
もっと思いっきり走って、あちこち逃げ回るべきだろうか。
そう思ったが、まぁちょっと様子を見よう。

     ――ススススス……

スプリング遊具に近い方の、ドームの端で待機していよう。
そして『ドクター・ブラインド』を自分から離し、反対側の端に配置しておく。
あとは、引き続き『音』で様子を観察する。

(――カンナが、こっちきそうだなぁ……)

彼女の性格を考えると、見つかったらここにいるのをバラされそうだ。
とはいえ、まだ動くタイミングじゃない。
『ゲンジョウイジ』する。

(で――サトリちゃんは、だれをおいかけるのかな??)

よし、あててみよう。
まず、さっきおいかけっこしたばかりのカンナはジョガイする。
こどもたちとなかよくなるのがイチバンのもくてきだから、
わたしをねらうカノウセイもひくい。
あしがおそいっぽいくぬぎをねらうっていうのも、なんかちがう。
となると、いちばんカノウセイがたかいのは、まつりか??
アタリ??ハズレ??
そのこたえは『>>885』に!!チャンネルは、そのまま!!

885天雨 サトリ『10cc』:2018/07/16(月) 23:03:26
>>883(GM)
>>884(夢見ヶ崎)

「―――――っ」

       ザザッ

「やりますわね、カンナ。
 スピードだけではない……
 『精密さ』にも優れたスタンド。
 それをしっかりものにしている」

              ザッ
 
    「『借り一つ』、出来ましたわね」

靴で地面を踏みしめ、急停止する。
無暗に『移動経路』から離れないためだ。
まだ『10cc』の『植物』は枯れ始めてなどいない。

――――むしろ、そろそろ『実りの季節』を迎えるだろう。

(ここまで遊びに介入しているのは私とカンナだけ。
 くぬぎさんは、この段階で巻き込むには早いかしら?
 ユメミガサキさんを私が狙うのは『交流』として悪手。
 となれば――――『まつり』さん。彼女のスタンドも知っておきたい)

    (とはいえ、狙えそうな位置にいるならくぬぎさんも追いましょう)

周囲を見渡し、今見える位置の人間を探る。
並行して野イチゴによる振動探知と、野イチゴの状態確認も行いたい。

いずれにせよ、歩きはじめる。今来た方向に、撒いた植物をたどるように。

886『ペイズリー・ハウス』:2018/07/17(火) 23:16:17
>>884(夢見ヶ崎PC)

 貴方は自分の使命を改めて思い返す。そうだ、子供達の世話をするなら
楽しませる事は基本の一つ。本格的な潜伏や、能力を駆使して逃避を
行うと言うのは間違ってはいるだろう。
 とは言え、聞こえる一人分の音。カンナは、ドームを迂回して貴方の
見える範囲のドーム端まで来た。ばったり鉢合わせする形だ。

 カンナ「あれ?? 姿が見えないと思ったら、其処に隠れてんの。
おっとなっげなーいっ」

 ほぼ裸なカンナは、貴方がドームの裏に引き籠ってる事に対し揶揄う。
とまぁ、彼女の言い分も少々通る部分はある。鬼ごっこなのに、相手の
見えない場所で待機するのは子供視点ではフェアじゃあないと思えるのだろう。

カンナ「まぁ、これからカンナも隠れるけどな! 精々いい囮になるがいいっ」

そう告げるやいなや、さっさと、お椀のドームの中にスルッと入り込んだ。
 暫く、彼女は見当が付く所とは言え潜伏を選ぶようだ。

>>885(天雨PC)

 まつり「うーん……スコップは流石にあぶなすぎですものねぇ
ですけど、小石などは余り役たちませんでしょうし……」

 くぬぎ「……」オロオロ

『10cc』によって撒かれた部分は、既に花は枯れて実が
生じている状態だ。振動だが、それを認識する以前にドームの陰に
入ったカンナを除く二人の行動は視界に移った。

まず、まつりは『手加減を最初にする』と告げた通り。何やら
園の玄関横に置いてある園芸スコップや砂利やらが置いてある場所を
品定めしており動かない。手加減以前の問題な気もするが、そのまま
追いかけても動かず直ぐにタッチ出来そうだ。

くぬぎは、まつりの少し近くで隠れる場所を見つけたり余り遠くに
行く事もせずオロオロと少し困った様子で立ち往生している。
こちらも、直ぐに全力で走れば鬼にする事が出来るだろう。

どちらを選択するにしても、多分なにかしらの細やかながら
問題が出来そうだ……。

887夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/18(水) 00:33:19
>>885
>>886

チッチッチッ、おぼえておくといい。
オトナというのは、きたないものなのだ!!
フフフフフ、ハハハハハハ――ッ!!

……などと叫んだりはしなかった。
それこそ大人げないというものだ。
ここは、オトナのヨユーをみせておこう。

「――……??」

『超聴覚』で、くぬぎとまつりの会話も大体は聞き取れるはず。
話を聞く限り、随分とノンビリしているようだ。
これは、ホントにオニゴッコのさいちゅうなのか??

(おいおい、なんかグダグダになりかけてねーか??
 やるきあんのかよ??)

「しょうがないな。ここは、わたしがヒトハダぬぐか!!」

『ドクター・ブラインド』と共に滑り台の所まで移動する。
そして、さっき結んだスカーフを解いて付け直す。
やるのは『ドクター・ブラインド』なので、手早くできるだろう。
エプロンの方は、一旦そのままにしておく。
スカーフはトレードマークなので、捨て置けないのだ。

「これは、ちょうヤバいぞ!!
 あの『オニゴッコのオニ』とよばれたサトリちゃんが、
 『オニゴッコのオニ』になってしまった!!
 つかまるまえに、いそいでにげなきゃ!!」

勢いよく飛び出すと、故意に走るスピードを緩めながら、
サトリの近くを走り抜ける。
その際に、サトリにアイコンタクトを送る。
『わたしをおいかけて』という意味だ。

こうすることで、鬼ごっこを続行してカンナを楽しませつつ、
まつりとくぬぎの注目を集めて逃げるように促すこともできる。
あまり手を抜いてもなんなので、
その後はサトリの様子を見つつ全力で走ろう。
――サトリちゃん、わたしとしょうぶだ!!

888天雨 サトリ『10cc』:2018/07/18(水) 01:15:27
>>886(GM)
>>887(夢見ヶ崎)

(――――――これは、まずいかもしれませんわ)

なぜか。簡単な理由だが『逃げる気が無い』からだ。
しかもそれが『準備中』とか『立ち往生』とか、
上手い具合に『その隙を突く』のが忍び無い理由だからだ。

(けれど『収獲』はある。『ヴァロッテ』の能力は、
 恐らく『椅子』だけではなく――『無生物』の支配。
 だから『配下』に加える物をあそこで探しているのでしょう)

                 (それに)
     ヒュバッ

身をかがめ、足元に生えた『果実』を二つ収獲する。
その内一つを今すぐ食べて現時点での疲労を回復。
もう一つは服のポケットにいれる。すぐ解除されるが、
この後全力疾走する事になるだろうから使う余地はある。

丁度、それくらいのタイミングだろう――『夢見ヶ崎』が来るのは。

「――! あら、最初に掴まりたいのは貴女ですのね?
 よろしい、せいぜいお逃げなさい……逃げられるものなら」

            ダッ

追いかけることで方向を誘導できるならば、
このまま『まつり』の方向へと向かいたい。
彼女の準備は完全に自分の意志でやっており、
邪魔をしたところでさほど大きな問題にはなるまい。

この過程でくぬぎを巻き込み、なおかつ彼女が逃げなければ、
そこでタッチをしないのは不自然――――まずいことになりかねない。
そのあたりは、こうして走りながら考えよう。距離邸に今すぐは大丈夫なはず。

889『ペイズリー・ハウス』:2018/07/18(水) 19:38:37
>>887-888(ALL)

 『超感覚』で事態を大体把握する夢見ヶ崎
目で、いまの二人の動向を見て理解する天雨。

 まつり、くぬぎの様子から判断した二人は迅速な
アイコンタクトと対応をとる! 天雨も、今しがたの走った
疲労を果実により直ぐに解消させた。

  タッ!

 くぬぎ「……!」タッ

まつり「うーん、あっ そうですわっ! この方達なら
我がヴァロッテの臣下に相応しいですわね。
 ん? あぁ! 来ましたわねっ。鬼さんこちらですわー」

 サトリに追いかけられる夢見ヶ崎、それが近づいてくるのを
目撃して、慌てて くぬぎは逃げる。速度は、平均的な子供に相応しく遅い

まつりに至っては、恐らく能力の発動の準備が完了したのだろう。
 次の鬼になる事を狙ってるかのように、とても、やる気を感じさせぬ
ゆったりとした歩幅で、歩くように離れる仕草をとる。

一人は真剣に逃げてるが、遅く。もう一人は鬼になるのを狙って、遅い。

どちらを狙うのかは、鬼としても悩みどころだ……。

890夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/18(水) 22:13:54
>>888
>>889

(――よっしゃあ!!つたわった!!)

「ぬぅああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

    ダダダダダダダダダダッ!!

依然として突っ走る。
進む方向は、まつりとくぬぎのいる方向だ。
このまま二人を鬼ごっこに巻き込んで、場を盛り上げる。

           チラッ

(これをみて、カンナもでてきたりしないかなー)

みんなが走り回ってる中で一人だけ隠れているというのは退屈なものだ。
実際、さっき自分がそうだった。
ひょっとすると、その内カンナも自分から出てくるんじゃないだろうか。

     まぁ、それはいいとして――。

(このジョーキョー、サトリちゃんがどっちをおいかけるか……)

(コードは『にほん』。『あか』をきるか、『あお』をきるか。それがもんだいだ)

(『にほん』??こっちは『ふたり』で、むこうも『ふたり』)

(――じゃ、こうしよう)

進行方向を変えて、くぬぎの近くへ走っていく。
そして、そろそろ疲れたので走るペースを落とす。
勿論、ただ疲れたからじゃない。
くぬぎのペースに合わせるためだ。
そのまま、ある程度の距離を保って、くぬぎと併走する。

「ハッ、ヒッ、フッ、ヘッ」

「くぬぎちゃん、がんばってにげようねっ」

息を切らしつつ、くぬぎに声を掛ける。
運動が苦手らしい彼女の様子が気になるというのもあるが、
別の目的もある。
サトリがどちらを追うかはともかく、
自分はくぬぎのフォローに回ることにしたのだ。

サトリがまつりを追いかける場合、こうして一緒にいて声を掛けることで、
くぬぎに自分が無視されていると思わせない。
せっかく準備をしていたようだし、まつりが鬼をやりたがっているなら、
タッチして鬼にするのはルール違反じゃないし。
もしサトリがくぬぎを追いかける場合も、今のように近くにいれば、
状況に応じた臨機応変な対応が可能になる。

891天雨 サトリ『10cc』:2018/07/18(水) 22:45:52
>>889(GM)
>>890(夢見ヶ崎)

                    ダダダダッ

(捕まりたがっているまつりさんと、逃げたがっているくぬぎさんなら)

この状況、追うのは『まつり』だ。彼女は遊ぶ気満々だから。
鬼になりたそうだし『ならせず放置』も良いが、じゃあ、その間何で遊ばせる?

「――――そちらですわね? 今参りますわよ」

            タッ

くぬぎは『逃げる』事を遊びとしており、『追われそう』なだけで遊びにはなる。
あるいは夢見ヶ崎がそちらに向かったし、フォローを任せてもいい。まつりは違う。

「――きっと、貴女の『ヴァロッテ』と、私の『10cc』とでは、
 いずれ『上に立つ者』としての感性の相違がありそうですわね。
 そして、どちらが正しいという事もないでしょう……『多様性』の時代ですもの」

「『10cc』」

          ヒュン

周囲に水を撒く。最初の草は枯れだしてもおかしくない。
そろそろ追加のセンサーが欲しいだけ。『警戒』してほしい。

「その本質はリソース管理と分配。ふふ、『臣下』ではなく『部下』を……
 滞りなく運用するための力。とはいえ、鬼ごっこには関係ないかしらね」

言葉に意味は無い。『主観の思考』ではあるが深い理想はない。
迂遠な言葉を用いて『考えさせ』あるいは『分かった気』にさせる。
今後も自分に興味を持たせるためだ。これは『交流』だから。
口を動かしながら足も止めず、こちらからもまつりへと接近する。

今のところは普通にタッチしに行く気だが、それは『ヴァロッテ』次第になるだろう。

892『ペイズリー・ハウス』:2018/07/18(水) 23:56:24
>>890(夢見ヶ崎PC)

>くぬぎちゃん、がんばってにげようねっ

くぬぎ「……っ」ハッ ハッ コクッ

貴方の言葉に、走り始めたばかりだが。推測通り彼女は運動が
苦手なようで息を切らしはじめているが立ち止まる事なく夢見ヶ崎の
言葉に上下に顔を動かして走り続ける。

 カンナは未だ動く気配はない。

>>891(天雨PC)

>本質はリソース管理と分配。ふふ
>『臣下』ではなく『部下』を……滞りなく運用するための力

まつり「素敵な『教育メソッド』でございますわ。
しかしながら、わたくしは『ヴァロッテ』の主人。
 自分自身の主人であり配下ですのよ ふふ
   ――七の光よ 我が四肢に力を」

 まつりは、潔いまでにサトリの手に逃げることなくタッチする。
そして、バレエ選手のようにターンをしつつ先ほど観察していた
玄関横に色々積み立てられていた場所に行くと。おもむろに
片手を掲げ、淡い七色の粒子と共に……『笏(しゃく)』が握られていた。
 虹色の模様をしている、木のしゃもじのようなスタンド。

 まつり「さぁ 参りますわよー!」
 パシッ パシッ パシッ パシッ パシッ パシッ

 彼女は、放置された『鉢』に笏(しゃく)を叩きつける。
遊戯室での椅子のように、色合いが異なるものへ変化した鉢は
意気揚々と動き出す。それに対して、まつりは活発に命じる。

 「黒と白は足に! 黄色は相手を霍乱! 赤と青は付き添って
紫は私と共に行くのですわー!」

 ピョコッ ガシンッ ガシンッ!

 なんと! まつりは鉢を足に乗せた。
群体スタンドを、どうやら体へと纏わせて動かす事可能なようだ……。

893夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/19(木) 01:27:28
>>891
>>892

『リソースかんり』??『きょういくメソッド』??
なんかふたりしてムズカシイこといってるけど、さっぱりわからんぞ!!
あ、わかった!!それ、きっと『あんごう』なんだ!!
ぎゃくからよんだらイミがわかる??いや、ちがうなー。
たぶん、『ローマじ』にしてから、ならべかえるんだな!!

「あー……ぜんりょくではしったから、さすがにちょっとつらいかも……。
 だけど、これくらいふだんの『まちあるき』で、きたえてるもんね。
 『アリス』のあしこしのつよさ、なめんなよ!!」

引き続き、くぬぎと共に逃げる。
どうやら、まつりが次の鬼になったようだ。
しかも、なんかすごいことしてる。
さすがにカンナ程の速さはないと思う。
しかし、それなりに速いだろう。

(まつりのターゲットがだれになるか……。う〜〜〜む……)

考えられるのは、今この場にいないカンナ以外の三人だろう。
自分か、くぬぎか、サトリか。
ついさっき鬼だったサトリを狙うのは考えにくいような気もする。

とはいえ、子供のすることだから、ハッキリとは言えない。
くぬぎと自分は、同じような位置にいる。
もし、こちらに来た場合は、
自分がまつりとくぬぎの間の『クッション』の役目を果たすつもりだ。

894天雨 サトリ『10cc』:2018/07/19(木) 02:09:23
>>892(GM)
>>893(夢見ヶ崎)

「その理論――――面白くってよ、まつりさん。
 現代的な手法にだけ正解があるとは限らない。
 『主』と『臣下』の関係の中にもそれは見いだせる」

         「『ヴァロッテ』の用兵術、お見せなさい」

彼女とはさきほど約束を交わした。
子供とはいえ、これほどしっかりした子だ。

(無生物を手駒にし、マルチタスクをこなさせる。
 その代わり『指示が要る』といったところかしら?
 やはり私とは異なる意味で、『トップ』らしい能力)

どこかに脆さ、弱さがあるとしても『そこは守る』はず。
わざわざ暴力的になりすぎない物を選んでいたのも証左だ。

          タタッ

(それで、あれは――ええと、『しゃく』ですわね。やはり聖徳太子かしら?)

(どちらにせよ、『シンパシー』を感じる貴女が、
 どのようにその能力を活かすのか……お手並み拝見ですわ)

ならば見守ろう。もちろん遊びとしてまつりからは走って逃げ離れるが、
『ヴァロッテ』の能力運用は確認しておきたい。仕事としても、私人としても。

(そういえば、カンナは今どこに行ったのかしら?)

無理に探しはしないが視界内にはいないだろうか。
とりあえず、逃げる方向は夢見ヶ崎たちとはまた別の方向にする。場所を広く使う。

895『ペイズリー・ハウス』:2018/07/19(木) 19:50:16
>>893(夢見ヶ崎PC)

まつり「行きますわよぉぉ!」

 タンッ! タンッ!!

空の鉢植えの中に足を入れている、まつり。不格好にも見えるが
鉢植えはローラシューズのように滑らかに地面を移動させて
夢見ヶ崎と、くぬぎの居るほうへと走る!(スC)

 まつり「おーほっほっほ!
ただただ使役するだけでなく、こう機動力を活かす事も出来ますわ」

 貴方たちとの距離は6,7m程はある。

>>894(天雨PC)

 遊戯室での、椅子の操作。いま現在への鉢植えからも
推察できるが。恐らく前もって単調な命令を組んでおけば
一々指図せずとも、応用を利かせて群体スタンドを動かせるのだろう。

 カンナの匂いが強かったのは『椀ドーム』の場所だ。
複数の鉢植えを陣形を組みつつ並走させて、まつりは貴方とは
違う方向……夢見ヶ崎と、くぬぎを追うようだ。

896夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/19(木) 21:36:16
>>894
>>895

「なッ、なにぃぃぃぃぃ――ッ!?!?」

オーバーなリアクションで驚いて、場の盛り上げに一役買う。
やはり、さすがにカンナ程の速さはない。
しかし、まつりが自分で走るよりは速いスピードだ。
そして、こちらと違ってスタミナを消耗することもない。
それを考えると、長く逃げ続けることは難しいだろう。

    チラッ

(つかまりそうだなー……)

走りながら、隣のくぬぎを一瞥する。
この分だと、最初にスタミナが尽きるのは彼女だ。
そうしたら、多分まつりはくぬぎにタッチする。

「あー……やばい……もう……げんかい……かも……」

           ススッ

体力が尽きそうなフリをしてペースを落とし、くぬぎの少し後ろを走る。
あまり離れると、サトリに移植した『超嗅覚』が解除されてしまう。
もう一つの理由は、くぬぎをフォローするためだ。

くぬぎが鬼になるのは、最後にした方がいい気がする。
だから、今回は自分が代わりに鬼になるつもりだった。
その後で、くぬぎをタッチするのが良さそうだ。

全員が鬼になったことになって遊びの連帯感が増すし、
くぬぎを最後に回すことで『自分も頑張れば逃げられる』という経験を、
彼女に与えることができる。
幼い子供にとっては、それも自信への小さな一歩に繋がるはずだ。
鬼であるまつりが、近くにいる自分よりもくぬぎの方を優先した場合は、
また別の方法を考えよう。

897天雨 サトリ『10cc』:2018/07/20(金) 03:03:31
>>895(GM)
>>896(夢見ヶ崎)

(とはいえ遊戯室での『椅子』は――発動の瞬間を見ていない。
 口頭での指示の必要性や、その他の条件、決めてかかるには早計)

スタンドの性質を見抜く事は続けたいが、早とちりは避けるべきだ。

(……とりあえず私がしゃしゃり出る幕ではありませんわね。
 それにしても、この『超嗅覚』! 人の居場所までわかるとは)

強い匂いだけでなく、人間一人一人の嗅ぎわけも可能。
想定以上に役立つ力だ――――今のこれは遊びだが、
いずれ何かトラブルが起きた時などは頼る事になるだろう。

椀ドーム方向に動き、次は『カンナ』を巻き込みやすいようにしておこう。
ただし、明らかに夢見ヶ崎との距離が15mを超えそうなら自重し、範囲内で動く。

898『ペイズリー・ハウス』:2018/07/20(金) 18:21:48
>>896(夢見ヶ崎PC)

 >あー……やばい……もう……げんかい……かも……

夢見ヶ崎は、わざと速度を鈍くさせる。並走していた
くぬぎは、その姿を見て少々狼狽しつつ追い越すも。前を向いて
貴方より先を走っていく。

 まつり「ほーほっほっほ! 存外体力のない方ですのねっ!
そのようでは、社交界の頂点は100年早いですわっ」

 まず、鬼ごっこは社交界と何の関係もないが。まつりは、そんな
事を言いつつ意気揚々と軽く肩をタッチする。
 夢見ヶ崎が鬼になった。


>>898(天雨PC)

 貴方は、三人の動向を見守りつつ。カンナの匂いの強い
椀型ドームのほうに移動する。

  ぴょこんっ

 カンナ「隠れるのも飽きた!
んっ! 次は明日美が鬼だなっ」

 元々、じっとしてるのは得意でない感じのカンナは。
そう言いつつスタンドを纏い直して天雨の傍まで駆けてくる。

 カンナ「よっしゃあ! 私も負けないぞーっ!」

 夢見ヶ崎のほうへ突撃するつもりのようだ。
攻撃とかでなく。追いかけられる側になる為に

899夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/20(金) 20:46:23
>>897
>>898

「しゃこうかいなんて、ちいさいちいさい。
 わたしたちはサンドイッチかいのテッペンめざすんだぜ!!」

予想通りタッチされた。
とりあえずよし。
まつりのスタンドも詳しく見られたし。

「ふー、ちょっときゅうけいきゅうけい」

その場で立ち止まり、まつりに離れる時間を与える。
そして、カンナも出てきているようだ。
やはり隠れるのに飽きてきたか。

(さてと――そろそろかな……)

くぬぎの動きを目で追う。
カンナも近付いているようだが、とりあえずくぬぎを追いかけよう。
あんまりくぬぎを放置していると、
逆に仲間外れにしていると思われる可能性もある。

「くぬぎちゃん!!わたしとしょうぶだ!!」

    タタッ

一声かけてから、くぬぎに向かって走り出す。
いきなり捕まえず、ひとまずギリギリまで接近しよう。
カンナの相手もしなければならないかもしれない。

900天雨 サトリ『10cc』:2018/07/20(金) 22:46:19
>>898(GM)
>>899(夢見ヶ崎)

(ユメミガサキさんのあれは、演技ですわよね?
 あんがい体が悪い、という可能性もありますけど、
 走り回る前に自己申告しない……という事はないはず)

「――――まあっ、次の鬼はユメミガサキさんですのね!」

        「彼女は切れ者」

               「油断は出来ませんわ!」

        ダッ

この声掛けにあまり強く意識する意味は無いが、
強いて言えば『くぬぎだけ狙いの出来レース』感の軽減。
自分も逃げようとしている事をくぬぎにアピールし、
彼女が『気を遣われている感』を感じないように気を付ける。

(さて、どうしましょう。このまま行けば次の鬼がくぬぎさん。
 そしてくぬぎさんの次が……そこまで行けばランダムにすべき。
 私やカンナが鬼になれば『順番交代感』があまりに強すぎますもの)

15m圏内のギリギリまで夢見ヶ崎から離れる。
夢見ヶ崎からだけではなく、次の鬼からも逃れるために。
最悪、夢見ヶ崎の動き次第では圏内を超えてしまっても良い。

また、カンナやまつりにも『公正なゲーム』であることを意識させたい。
順番順番で鬼にしている、というのは『正しい』が、続け過ぎれば『不自然』だ。
ゆえに『偶然順番になってるだけで、サトリも鬼になり得る』事は意識させたい。

                    ・・・実際、そういう展開もありえる。

901『ペイズリー・ハウス』:2018/07/20(金) 23:43:11
>>899-900(ALL)

夢見ヶ崎は くぬぎと勝負を開始する。

 コクリ、と頷いて走る少女は一生懸命ながらも所詮は5、6歳の脚力。
貴方が本気を出せば追いついていける。カンナも少々視界の端を
うろついて攪乱に回ったものの無事にタッチは出来た。

 その後も、天雨と夢見ヶ崎は走りつつ思考を駆使して
無事三人との鬼ごっこによる親交を深める事は出来た……。

 カチャ

「……御飯 出来上がったよ」

暫く五人が遊ぶと『アオキ』が淡々と声をかけてきた。

 カンナ「おぉ! 昼飯だー! お腹ペコペコたぞーっ」

 まつり「ランチの時間ですわねっ。それでは、早速
召し上がりましょう。まだまだこれから一日が始まるのですわっ」

 くぬぎ「……」

 二人は意気揚々と園の中へ戻っていく。それに遅れるようにして
もじもじとしつつ、くぬぎも行く。

 『アオキ』が何を考えてるか、まだ壁はあるが
三人との距離は縮まった。

 お昼の匂いは、超感覚を得た二人ならわかる。今日の
お昼ご飯は『ピザ』のようだ……。

902夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/21(土) 00:35:57
>>900
>>901

「んー??あぁ、もうひるメシかー。はやいなー」

「――ありがと」

アオキにお礼を言い、昼食の前にサトリに移植した『超嗅覚』を解除する。
それで、メニューがピザだと分かった。
生地が厚くてチーズがタップリ乗ってるやつがいいな!!

(うんうん、じょうできじょうでき)

中に入っていく子供達の後ろ姿を見て、今後について考える。
ひとまず、三人と仲良くなることには成功した。
今は、まだ一日目なのだ。
それを考えると、成果は上々と言えるだろう。
あと気になるのは、アオキのことだ。

(ちょくせつアオキにあたったって、そっけなくされておわるだけ。
 だったら、かんせつてきにアプローチすればいい)

まだ関わりの薄いアオキとは壁があるが、
それをどうにかする方法は考えてある。
子供達と親交を深めた今なら、できるはずだ。
城を攻める時は、まず外堀から埋めていくのが定石。
アオキに関する情報を、三人の子供達から聞き出す。
そこから、アオキの心を紐解く手掛かりを得るのだ。

「ねえ、サトリちゃん。おひるのピザって『レイトウ』のやつだとおもう??
 それとも『ハンドメイド』??まっさかねぇ〜〜〜。
 だけど、ありえるよねー。なんか、こう『フンイキてき』に」

明るい声でサトリに話しかける。
アオキは何でもできるようだし、
もしかするとピザ作りもお手の物かもしれない。
続けて、今度は小さな声でサトリに耳打ちする。

「あとさ――『アオキのことをさんにんからきく』っていうの、どう??
 アオキがどんなコかわかったら、
 もうちょっとなかよくなれるんじゃない??
 いますぐじゃなくて、タイミングがいいときにきけたらきくってことで」

とりあえず、三人全員から話を聞きたい。
でも、その前に昼食がある。
サトリに話した疑問の謎が解けるだろう。

903天雨 サトリ『10cc』:2018/07/21(土) 01:22:45
>>901(GM)
>>902(夢見ヶ崎)

「あら、ありがとうございまし。
 丁度お腹が空いてきていましたの」

等と言いつつ、脚などに跳ねた土を払い落とす。

「この施設の設備の傾向からして、
 ピザ窯があるとは思えないけれど……
 スタンド使いですものね、手段は未知数。
 私としてはハンドメイドを希望いたしますわ」

            フフ

「匂いから察するに焼きたてではあるようですもの」

事務的というか、『手作りの温かみ』という雰囲気ではない。
電子レンジは性能がいいのがありそうだが、ピザ窯はどうだろう。

ここから先は耳打ちに応えるように、小声で話す。
半分は己の思考をまとめるため。声は本当に潜める。

「それと、アオキさんのことは……
 私達が外堀から埋めている――と、
 もし仮に気づかれてしまった場合、
 距離を置かれそうなタイプではある。
 とはいえ今の時点で現状維持では、
 距離を置かれているのと同じですわね」

別に不誠実なことをしようというのでもない。
それでも不快感を与える可能性はあるが、
彼女に何もせずに3人とばかり仲を深めるのも、
それはそれで『疎外感』を与えてしまう可能性はある。

「聴きましょう。『世間話』くらいの感覚で聞けば、
 もし彼女たちがアオキさんに漏らしてしまっても、
 『探りを入れていた』というふうには思われないでしょうし」

「出自や能力といったデリケートな事は聞かずに、
 食べ物や遊び、音楽の趣味……と言った所かしら。
 音楽は、もしかすると『地雷』かもしれませんけれど」

考えるがいずれにせよ、まずは昼食が優先だ。
めちゃくちゃ腹ペコというわけではない。別にないけど。

出された食事を前に考え事ばかりでは失礼にあたる――それだけのこと。

904『ペイズリー・ハウス』:2018/07/21(土) 22:52:43
>>902-903

 貴方たちは『アオキ』の対応について会話しつつ
ひそひそ星の園へ戻る。匂いは遊戯室から漂ってくる。

 「……適当にどーぞ」

 『アオキ』は遊戯室に、備品として容易されてる
ちゃぶ台に、ポルチーニ茸のピッツァが載せられており
カットナイフで、手ごろな大きさで園児三人にも選り分けている。
使い捨ての皿に紙コップ。それと清涼飲料水の入ったものと
ジュースの入った大き目のペットボトルが合わせて三本。
(ジュースの種類はPCが自由に決めて良い)

 ピッツァ自体は、冷凍ものだが。焼き加減はちゃんとしており
品質の良いものを使ってるようで、見た目ともに味も良い気がする。

カンナ「うひょー、美味しそう!」

まつり「ピッツァだけかしら? サラダとかは御座いませんの?」

アオキ「……はぁ わかったわかった、作るよ。
あんた達も、何か食べたいの あるの?」

カンナは単純に喜んでるだけだが、まつりは添え物を欲しがる。
 要求に対し、溜息をつきつつも特に不機嫌でもなくアオキは
面倒そうながら立ち上がって厨房らしきほうへ遊戯室から出て向かう。
くぬぎは、それをオロオロと小皿を持ちつつ見送るのみだ。

アオキは、貴方達二人へとオーダーを聞く。
 心を開いたからと言うより、調理を担当した手前。後から余計な
要求が出てきたら非常に面倒だからだろう。

905夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/22(日) 00:11:11
>>903
>>904

「うんうん、いいねいいね〜〜〜」

流石にハンドメイドはなかったか。
でも、馴染み深いものが出てきて、逆に安心した。
ここで手作りピザなんて登場したら反応に困ってたところだ。

(だけど、ピザとジュースかぁ。
 なんかオヤがるすのあいだに、
 いえでクラスメイトとパーティーやってるティーンエイジャーみたい。
 あとは、ポテトチップスとアボカドディップがあればカンペキだなー)

このまえみたえいがでも、そんなシーンがあったな〜〜〜。
そこにおそろしいさつじんきがのりこんできて、ひとりまたひとりと……!!
まぁ、かんけいないはなしはこれくらいにして――。

「あ、うん、べつにいいよ。これだけでじゅうぶんじゅうぶん」

危うく『野菜スティック』と『サワークリームディップ』を頼むところだった……。
今、自分達はお世話をする人間として、ここに来ている。
お世話をされては本末転倒だ。
食事を用意してもらっている時点で、既にお世話されている気もするが、
少なくとも負担は減らすようにするべきだろう。
スゲーめんどくさそうだし。

走り回ってノドが渇いたので、とりあえず飲み物を飲もう。
『スポーツドリンク』のペットボトルを手に取る。
しかし、ここでもお世話の役目は忘れない。

「――これ、のみたいひと!!」

ペットボトルを掲げて三人に呼び掛ける。
飲みたい子がいれば、紙コップに注いであげよう。
勿論、これは仕事のためだけじゃない。
こうして更にまた一歩、子供達との距離を確実に縮められる。
人との関わりは、小さな積み重ねが大事なのだ。

906天雨 サトリ『10cc』:2018/07/22(日) 01:15:05
>>904(GM)
>>905(夢見ヶ崎)

座る場所は夢見ヶ崎の隣、『以外』だ。

「いいえ、結構――――お昼ご飯ですもの、これで十分御馳走ですわ」

夢見ヶ崎と自分が『外から来た二人組』で扱われて終わらぬよう。
天雨サトリと夢見ヶ崎明日美という二人の人間であれるよう。
外から来た人間だから遠慮してるのではなく、天雨サトリが、
天雨サトリたる論理で『今はいらない』という事を伝えるのだ。

(……期待というより願望だけれど、『出来合い』じゃない物がない。
 まあ、まつりさんがサラダを求めている辺り普段は違うのでしょうし、
 これは単にアオキさんが手間を省いただけですわね。)

あくまでこの場は『アオキ』が提供者で、自分が消費する側。
とはいえ追加の要求をしているのは『まつり』くらいだし、
自分がここで注文を付けるのはかなり『図々しい』と言える。

(優等生な態度では距離を詰めづらいというのはあるけれど……
 無茶なふるまいをすれば、近付くつもりで突き飛ばしてしまう。
 アオキさんの人となりが分からないうちは少しずつ距離を詰めましょう)

特別嫌がっているようには見えないとはいえ、面倒なのは確実。
これで最後のご飯ならまだしも、昼食だけでも後数回あるのだし、
この初回くらいは変な距離の詰め方はしないようにしておこう。

「こっちのミルクティーがいい方はいらっしゃる?」

子供たちを待たせるのもなんなので、夢見ヶ崎に続いて自分もジュースを取る。
運動後なのでスポーツドリンクの方が人気かもしれないが、甘いのが好きな人はいるものだ。

907『ペイズリー・ハウス』:2018/07/22(日) 19:53:40
>>905-906(ALL)

カンナ「おっ! カンナはスポーツドリング!」

まつり「あら、わかってるじゃないですの。まつりさん
どのような食事であれ、淑女であれば紅茶は必須ですわ」

夢見ヶ崎からカンナはスポーツとドリングを注いでもらい
まつりは、天雨からミルクティーを。

 「……」

くぬぎは、何も頼まない。縮こまって空の小皿とコップを
両手で持っている。

 カンナ「くぬぎー 何も飲まないのかー?」

まつり「自由に選んでよろしくてよ。なんでしたら
自販機から飲み物だって買って良いですわ」

くぬぎ「……ぁの……その…………なんでも  ナイ」

二人の言葉に、少女は尻すぼみで返答する。ふぅん? と言う顔を
浮かべつつもカンナとまつりは別段気にせずピザを笑顔で咀嚼し始めた。

くぬぎは、二人の食べる様子を小さな笑顔と共に見つめて食事に手は
付けないでいる。

 アオキ「はい……トマトとレタス、玉ねぎスライスの盛り合わせ。
それと、ポテチも砕いてまぶしといたから」

 まつり「プラボーですわっ アオキさん」

アオキも程なくしてボウルにサラダを入れて持ってきた。
 労われても、ほぼ無反応でピザを一切れ口に入れる。

アオキ「じゃあ私は事務室にいるから……」

 そう言って、また事務室に引き返し始めた。
このままだと、この一日中給仕以外で何も関わりをしなさそうだ。

908夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/22(日) 22:24:06
>>907

「いや〜〜〜、やっぱりうんどうしたあとのメシはうまいなー。
 さっきので500カロリー(テキトー)くらいはしょうひしたから、
 ごごのためにしっかりエネルギーとっとかないと――」

   チラッ

ピザを一切れ取って口に運びながら、くぬぎの様子を横目で眺める。
カンナとまつりは問題ないし、アオキのことも今はいい。
今この状況で気になるのは、くぬぎのことだ。

(うんどうしすぎてショクヨクがない……??
 ピザがきらい……??
 それともダイエットしてる??)

まぁ、少なくとも最後の説が有り得ないのは分かってる。
彼女の体型でダイエットが必要だとしたら、
世界中の大半の人間が減量しなければいけなくなるだろう。
だとしたら、どんな理由があるのか。

(――たしかめてみるか……)

ピザを飲み込んで立ち上がり、くぬぎに近寄っていく。
そして、肩にそっと触れてから、壁際まで歩き、くぬぎを振り返る。
自分の所まで来て欲しいというジェスチャーだ。

一時的に、彼女を他の子供達から離す。
それで伝わらなければ、軽く手招きして呼び寄せてもいい。
いずれにしても、彼女が来てくれるのを待って、小声で耳打ちする。

「……だいじょうぶ??たべたくないの??」

「あのさ……さっきいいかけたコト、コッソリおしえてほしいな……」
 
「ナイショにするから、ね??」

さっきは言いかけて言わなかった。
ひょっとすると、二人の前では言いにくいことなのかもしれない。
こうして話しやすい環境を作ることで、それを聞き出す。

909天雨 サトリ『10cc』:2018/07/23(月) 00:26:51
>>907(GM)
>>908(夢見ヶ崎)

「そうですわね、たんとお飲みなさい。
 私と貴女しかこれは飲まないみたいですし」

(くぬぎさんに『二人がかり』は威圧してしまう。
 ユメミガサキさん一人だから話せることもあるでしょう)

           (それより)

ピザをかじりつつ、アオキの背中を見送る。

「ええ、分かりましたわ………………」

(……『必要なら呼べ』と言ってしまった手前、
 こちらから声を掛けには行きづらいですわね)

(夕食は私が作りましょう、とでも言えばよかったかしら?
 いえ、『追加のメニューくらいは作りましょうか』?
 ……食事に文句をつけていると取られかねませんわね。
 家事や仕事ではなく、やはり私生活から入るべきでしょうけど)

アオキと交流を持てないのはどう考えてもまずいのだが、
サトリは『考えて』しまう。ああいう性格の相手に積極的に行き過ぎていいのか。

「…………」

(『家事は一人でする』と言い出したのは彼女。
 それをこの早い段階で覆す事はしたくないはず。
 …………まだ、まだいい。今私が突出しなくてもいい)

「何か伝えたい事があれば、
 ドアをノックさせていただきますわ」

結論として、仕事とはやや離れた『伝える』という表現で、
この後事務室を訪れるかもしれない、と可能性を示唆しておく。
報告や連絡、必要な事という言い方では雑談につなげられないからだ。

音楽を聴いていて気づかれない可能性はあるが、『いきなり行きます』よりはサトリ的に心証もよい。

910『ペイズリー・ハウス』:2018/07/23(月) 09:10:32
>>908(夢見ヶ崎PC)

貴方は、くぬぎをそっと自分の近くまで寄らせ自然と二人だけで
話せるようにする。

くぬぎ「…………あのね」

暫く数巡と沈黙した上で、ようやく、くぬぎは口を開いた。

くぬぎ「アオキさんも……皆で……お食事したい、の」

くぬぎ「……でも アオキさん……誰とも食事したくなさそう……だから」

ようするに、『みんなで一緒に御飯を食べたい』と言う事なのだろう。
 彼女は、引っ込み思案だが。しっかりとした考えを持っている
出来るなら、全体の和を願いたいのだろう。
 食事に殆ど手を付けないのも、その自己出張が出来ない裏返しだ。

>>909(天雨PC)

まつり「良い趣味をしてますわよ、サトリさんっ! 後で
私が本物のアフタヌーンティーと言うものを披露してあげましょう」
(※907では名前のミス失礼)

>何か伝えたい事があれば、ドアをノックさせていただきますわ


アオキ「ん? あぁ……別に良いよ。勝手に入りたかったら
入って用件伝えればいいし」

 彼女もまた『社交辞令』と言う感じで返答をする。
まぁ、普通は赤の他人と共同生活する上で行き成り扉をガラッと開けて
用件を切り出すような人を受け入れるのも難しい。サトリの常識は
正しいし、彼女もまた一定の世辞はある。

「あぁ、それと小腹が空いたんなら。私の許可とかなしに
調理室入っていいからね……ある程度のものはあるし」

「でも、三時頃のおやつとかもあるから」

子供達のおやつの時間もある。食べ過ぎるなと言う事だ。

それと、ちゃぶ台に置いてあるタッパーなども厨房に
戻しておけば問題ないだろう……。

911夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/23(月) 21:57:27
>>909
>>910

(……ナルホドねー)

うんうん、なんてイイコなんだろう。
おくゆかしくて、いじらしい。
まるで、わたしみたいだ。

「そうだねー。わたしも、みんなでいっしょにゴハンたべたいなー」

しかし、これはチャンスだ。
今なら自然な流れでアオキの情報を聞き出すことができる。
この好機を逃す手はない。

「アオキさんってさ、いつからココにいるの??
 いつも、あんなカンジなのかな??」

カンナとまつりの方も気にしつつ、小声で言葉を続ける。
二人のお世話もしないといけないし、この会話を聞かれても困るからだ。
まぁ、向こうはサトリがいるから大丈夫だろう。

「わたしとサトリちゃんもアオキさんとなかよくなりたいとおもってるんだー。
 アオキさんって、なにがスキなんだろうね??」

距離を埋めるには、相手の好みを知るのが手っ取り早い。
少なくとも、普通ならそうだ。
しかし、アオキの場合は『私には好きなものなんかないね』って顔してる。
一筋縄ではいかないことは分かっているが、
解決の糸口は必ず見つけるつもりだ。
『アオキと自分達の距離』を縮めるためだけではない。
『アオキと三人の子供達の距離』を縮めるためでもある。
同じ場所で暮らす四人が、ずっとこのままの関係というのもやりきれない。

912天雨 サトリ『10cc』:2018/07/23(月) 22:39:06
>>910(GM)
>>911(夢見ヶ崎)

「あら、本物? よろしくってよ、存分に披露してちょうだい。
 ただし私も家だけでなく様々な場所で紅茶を飲んできた女。
 私を楽しませることが出来れば、貴女は一流と言えるでしょう」

     フフ

(能力や家業は和風なイメージだけれど、
 『アフタヌーンティー』にも堪能ですのね。
 ……堪能ならいいのだけれど。まあ大丈夫かしら?)

もちろん余程でなければ楽しむつもりである。『予定調和』は大切だ。
カンナは食事に集中してるのだろうか? 活発な子が静かだと気になる。
くぬぎは夢見ヶ崎にこのまま任せておこう……この食事時は。ずっとではない。

「おやつも含めて心得ました、用が出来たら遠慮なく伺いますわね」

最低限の情報は揃った。三時のおやつの時間に『お菓子』を作り、
それを『アオキ』にも食べてもらいたいとして部屋まで呼びに行こう。

いや時間は重要じゃない。アオキが起きている時間なら、それでいい。
夜食、仕事の差し入れ、単におすそ分け、食事の口実は無数に存在する。
だから人はついつい間食やら何やらしてしまうし、天雨の菓子は売れる。

      ①『用があれば入っていい』

      ②『調理室は勝手に使っていい』

本質的に必要なのはこれら。『アオキの好物』が分かればもっといい。
一人で食べるとか言い出しても困るので、この部屋に呼び出すべきか、
初日だし自分だけでも確実に親交を深めるため持っていくかは悩みどころ。
その辺りは夢見ヶ崎との相談や、三人娘から得た情報も含めて詰めていきたい。

913『ペイズリー・ハウス』:2018/07/24(火) 19:28:31
>>911(夢見ヶ崎PC)

>アオキさんってさ、いつからココにいるの??
>いつも、あんなカンジなのかな??

「……わたしが此処に来た時は、居たよ
怒ったりとかは、しないけど……みんなと遊ぶことも ない
ごはんつくったり、おふろ入るのは見守る……けど」

ぽつりぽつりと告げるのは。虐待のような真似はないものの
必要最低限以外のことはしてないと言う事だろう。それと
くぬぎが知る限りでは、園に先に居る人物のようだ。

もちろん、彼女は三人の親ではない。だが、一緒に共同生活を
送っている以上は、仲を深めても良い筈だ。

>アオキさんって、なにがスキなんだろうね??

「ウォークマンは、よく聞いてる……それと、リコーダーとか
ピアノとか、ここにある楽器は暇なときに聞かせてくれて……
何でも弾けるけど。そーいう事が力で出来てるだけだし
こんなの全然たのしくないって言ってた……」

楽器は大体なんでも弾ける……けど、そう言う力だと言う。


>>912(天雨)

カンナ「はぐっ あぐっ ふぐっ!!」 ムシャムシャッ!

まつり「あっ! カンナさんっ 食べ過ぎですわよっ!」

カンナ「まつりはサラダあんだから良いじゃんっ!!」

カンナの様子だが、みんなが喋ってるのを幸いにピザを一気に
食べ進んでいる。それを見て、まつりも注意するがカンナは
この勢いのまま、他の皆の分も食べそうだ……。

三時になったら、天雨は『おやつ作成』に乗り出す。
……アオキと仲を深めるための計画も順調だ。

914夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/24(火) 22:07:30
>>913

「へー??」

よくわからんやつだなー。
たのしくないのにえんそうしてるのか??
たのしくないなら、しなきゃいいじゃん。

『楽しいことはする』し『楽しくないことはしない』というのが、
夢見ヶ崎の信条だ。
それゆえに、『楽しくないのにする』という行動が理解できなかった。
もちろん、仕事など『楽しくないのにしなきゃならない』ことは多い。
しかし、誰かに『やれ』と言われたワケでもないのに、
『楽しくないことをやる』というのはおかしい。
夢見ヶ崎明日美は、そう考えていた。

(おんがくはスキっぽい。
 ウォークマンをきいてるからわかる。
 キライなのにきいてるやつなんて、そうそういねーだろうし。
 でも、がっきをえんそうするのは『つまんない』)

力というのは、才能という意味だろう。
まさか『能力』のことじゃないと思う。
どんな楽器でも弾ける『能力』――いや、ないな!!

(スキじゃないクセにひいてるってことは、
 スキになりたいってキモチはあるのか。
 じぶんをマンゾクさせてくれるであいをもとめてるってワケだなー。
 アオキもアオキで、けっこうセイシュンしてるじゃん)

アオキは演奏するのはつまらないと零している。
しかし、アオキは仕事でもないのに演奏している。
その二点から、
アオキは『演奏することを楽しくなりたい』のではないかと推理する。

『だからどうした』っていわれたらこまるけど。
しょうじき、なんもおもいつかん。
まぁ、まだ『でだし』だし、これからこれから。

「じゃあ、もどろっかー。
 ほら、はやくしないとゼンブなくなっちゃいそうだし。
 アオキさんはいないけど、わたしたちといっしょにゴハンたべよう??」

くぬぎを促して、三人の下へ戻ろう。
カンナが期待通りの問題児ぶりを発揮してくれている。
早く注意しないと本当になくなりそうだ。

915天雨 サトリ『10cc』:2018/07/24(火) 23:51:56
>>913
>>914

「意地汚くってよ、カンナ。
 貴女のスタンドはよく動きまわるし、
 お腹がすくのは分かるけれど……」

        スッ

「ユメミガサキさん達なんて、
 まだ一切れしかとっていませんのよ」

丁度戻って着そうな夢見ヶ崎を引き合いに出す。

くぬぎが『私もたくさん食べたいです』と言い出すとは思えない。
というか、『小食』なのかもしれないしそこまで口出しはしない。
問題なのは『全員の物』を勝手に一人だけたくさん食べる意地汚さ。

「もしかしたら私もカロリー消費が凄いかもしれないのだし、
 皆の物を食べてしまうなら『食べる前に』一声よこしなさいまし」

        「自分の分以外は許可を得てから食べれば文句も言われませんわ」

まあ早い者勝ちと言ってしまえばそれまでだが・・・指摘はしておく。
反発してくるならそれはそれで仕方ない。カンナについての理解を深める機会だ。

916『ペイズリー・ハウス』:2018/07/25(水) 15:50:57
>>914-915(ALL)

夢見ヶ崎はアオキの事を念頭に入れつつも、くぬぎに
お昼ご飯を入れておくように催促する。
 天雨も、もの凄い食欲のカンナに注意喚起を行う。

>皆の物を食べてしまうなら『食べる前に』一声よこしなさいまし

カンナ「わかった! じゃあっ、皆っ 食べるぞ!」

まつり「遅すぎますわっっ! あー……もう殆どないですわ」

カンナは遅まきながら告げるも、まつりは悲嘆にくれる声を出す程には
残り全員が一切れ食べれるかどうかと言うぐらいの量に減ってしまった。

カンナは沢山食べたり、まつりもそこそこには食べた。
 くぬぎに至っては全く口にしてない。

カンナ「まだまだ食えるぞぉ! さっきは沢山動いたしな!!」

まつり「ピザにサラダは食べましたけど。やっぱり締めに
フルーツも欲しいですわ!」

 カンナは食欲旺盛。まつりは、ちょっとフルーツを口にしたい。
くぬぎも幾らか口にするだろうが、運動したのは彼女も一緒。
 いくら小食とは言え、もう少し食べさせないと体に悪い。

カンナ「厨房室へ行くぞー!」

まつり「行きますのですわー!」

 とまぁ、そう言う流れだ。自主的な二人の行動を特に制止する理由が
なければ一緒に行かせてもいいし、見送るだけで別の行動をしても
良いかも知れない……。

917夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/25(水) 18:47:11
>>915
>>916

「――ピザが『しゅんかんいどう』してる!?
 いきさきは『イタリア』か!?『イタめしや』か!?
 せいかいは『いぶくろのなか』だ!!」

カンナの食欲の結果を見て、驚愕の表情を浮かべる。
ちょっと目を離した隙に、ほとんど食い尽くされてしまった。
どうやら、少し甘く見ていたようだ。

「そういうのは『たべるぞ!』じゃなくて『たべたぞ!』っていうの。
 とりあえず、コレはくぬぎちゃんにあげるよ。
 まだなんにもたべてないんだから。いいよね??」

カンナに食べられる前に、最後に残っている分を確保する。
そして、全員に確認してから、くぬぎに差し出す。
食べた量的に考えても、大体みんな納得してくれるだろう。

(おまえら、じゆうすぎ!!こどもっていいよね!!)

自分の振る舞いを棚に上げて、カンナとまつりを眺める。
放っておくワケにもいかないだろう。
この三日間の間、自分たちは監督する立場にある。
できるだけ子供達の側にいるべきだ。
もし何かアクシデントでも起きたら、それは自分達の責任になる。

「サトリちゃん、どうするー??
 これ、ウチらもついてったほうがいいよね??
 ちゅうぼうのなかも、いっかいみときたいし」

「くぬぎちゃんは、ココでまっててくれる??
 なにか、もってきてあげるから」

カンナとまつりの様子に気を配りながら、サトリとくぬぎに声を掛ける。
くぬぎなら、一人で待っている間に何かしでかすようなことはないだろう。
二人が先に行ってしまうようなら、後を追うことを優先する。

918天雨 サトリ『10cc』:2018/07/25(水) 21:30:10
>>916(GM)
>>917(夢見ヶ崎)

「良いお返事でしてよ、カンナ」

遅いが、『出来た』事は褒めるべきだ。人は褒められて伸びる。

「ええ、私はもう満腹ですから。くぬぎさんが食べてしまってかまわなくってよ」

カンナへの指摘は夢見ヶ崎がしてくれたので重ねては不要だろう。
同じ事を二回言われるのは結構いやだ。特に大人からだと。
そして嫌なことには反発しかねない……こういう性格の子だとありえる話だ。

「厨房には刃物や火がありますわ……
 果物を食べるなら包丁は使いかねない。
 それで遊ぶ事はないでしょうけれど、
 万が一もありますわ。見に行きましょう」

「それと、あんまり時間がかかりそうなら、
 どちらかはくぬぎさんの所に戻りましょう。
 一人で長く放置するのもかわいそうですもの」

夢見ヶ崎には小声で返す。

刃物や火に限らず、夕飯の食材を食べ尽くすなども危険だし、
ナマ物や香辛料などトラブルの源になりそうな物は無限に思いつく。

(……子供の身では『ヒヤリ・ハット』の段階など踏まず、事故になりかねませんわ。
 派手な事故じゃなくても……砂糖を一袋全部食べて倒れるとか、ありえなくはなさそうですもの)

いかにも暴走しそうなコンビがそんな危険地帯に踏み入るなら、
いざというときに二人を抑えられるようこちらも二人が良いのは間違いない。

(くぬぎさんを放置してしまうのが、心苦しいけれど――背に腹は変えられませんわね)

こういう時得てして『大人しい子』の世話は後回しにされがちだ。
そのあたりは気を配って、自分でも彼女のための時間は取ってやりたい。

「くぬぎさん、すぐ戻って来ますから待っててくださいまし。
 ピザは先に食べていてくださってても構いませんけど……
 少なくとも私かユメミガサキさんのどちらかはすぐ戻りますわ。
 ああ、何か厨房から持って来てほしい物はありまして?」

くぬぎを一人残して行くことになるのはやや判断に迷うが、
流石に緊急事態への備えと個人の性向は同じ次元の話ではない。

声だけは掛けてから、調理室に向かう二人の後を追うことにしよう。

919『ペイズリー・ハウス』:2018/07/26(木) 23:00:27
>>917-978

 カンナの食欲は、驚嘆させるぐらいには早いっ 早すぎる!!
新手のスタンド能力か!? いや、単純に彼女の胃袋が凄いんだ。

元気に、ほーーーい! と調子の良い応答。一先ずカンナは二人の
言葉に納得した。くぬぎの食事に関しても当たり前だが反論はない。

夢見ヶ崎と天雨は、『くぬぎ』を遊戯室に残す事にする。
ピザを載せたトレーや、サラダのボウルに使ってた割りばしに
紙皿、紙コップ。飲み終わったらペットボトルなど、そのまま放置
するのも良いが、ついでに厨房に行くなら。そこで捨てるほうが効率良いだろう。

くぬぎは、一人で待つ事に対しモジモジしつつ素直に頷いた。
天雨の言葉に対しては、無言で首を横に振る。
 彼女は、とても大人しい子だ。それでいて、未だスタンド能力を
発現もしないし、積極的に披露する様子も見せない。

 貴方たちは、カンナとまつりを先頭にして廊下に出る。
『事務室』を通り過ぎる時に、アオキが言ったとおり再度
パソコンを殆ど関心ない様子で、ウォークマンを付けて眺めてるのが見えた。

920夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/27(金) 00:38:23
>>918
>>919

「ザザッ、ユメミガサキからほんぶへ。りょうかいしました、ザザッ」

口に手を当てて警察無線を真似ながら、同じように小声でサトリに応じる。
彼女の提案はもっともだ。
手が掛からないからといって、
一人だけ蚊帳の外にしておいていい理由にはならない。

「――あとで、みんなで『おかたづけ』しようねー」

厨房に向かう前に、子供達に告げておく。
今の内に片付けた方が効率的かもしれないが、
『みんなでおかたづけ』ということにした方が教育的だろう。
それに、後片付けされた部屋で一人食べてるというのは、
結構孤独感が増すものだ。
だから、あえてそのままにしておきたい。
もしサトリが片付けを選んでいた場合は、自分もそれを手伝っておく。

(くぬぎのスタンドかー……。どんなのかなー??)

早く見てみたいという気持ちはある。
しかし、くぬぎがスタンドを見せないことには特に疑問はなかった。
スタンドを持ってるからって、しょっちゅうスタンドを出してるワケじゃない。

むしろ、遊びでスタンドを使うカンナとまつりの方が変わってるとも言える。
だけど、子供というのは変なことをするものだ。
そういう意味では、カンナとまつりも別におかしくはないのだろう。

(……ん??『アオキさん』かぁ)

アオキは、まぁいつも通りだ。
今は用事がないので、そのまま通り過ぎる。
事務室を通過する時、アオキが見ているバソコンの画面を一瞥し、
そこに何が映っているかだけ見ておく。

「――さっきのハナシなんだけど、
 もどるんだったらサトリちゃんのほうがいいかもよ。
 こう、バランスてきに。わたしは、それなりにおはなしできたから。
 だから、こんどはサトリちゃんがしゃべったほうがいいかなぁ〜〜〜って。
 せっかくふたりになれるチャンスだし」

厨房に向かいつつ、カンナとまつりの後ろで、サトリに小声で言う。
二人ともが全員と偏りなく交流できるのがベストだ。
そのために、くぬぎと一対一で話せる機会は、サトリに譲るつもりだった。

「それから、さっきアオキについてちょこっときいたんだけど――」

ついでに、先程くぬぎから聞いたアオキの情報を、
小さな声でサトリにも伝えておく。
衝撃的な情報でもないが、話しておいて損はないだろう。
彼女なら、自分では気付かないようなことにも気付けるかもしれない。

921天雨 サトリ『10cc』:2018/07/27(金) 03:11:32
>>919(GM)
>>920(夢見ヶ崎)

「それでは行ってきますわ、くぬぎさん」

(調理場からごみ袋を持って帰りましょうかしら)

今ゴミを片してしまおうと思ったが、夢見ヶ崎の言葉で取りやめる。
くぬぎがまだ食べていないのに『後』片付けが出来るはずがない。
もちろん既に出てるゴミだけ処分するつもりだったとはいえ……
食べている横でそんなことをされて、気分が良い子供はいないだろう。

そういうわけで、調理室へと向かう。
後で返しに行くものもあるかもしれないし、
ゴミの処分はその時にすれば効率的だ。

            スタ スタ

アオキの様子は――パソコンで何をしているのかは気になる。
単に動画共有サイトやSNSでも見ているのだろうか?
仕事に使っている、というのもありえるが……この施設だ。
PCを用いて管理しているような物があるのかは疑問である。
今はちょっかいを出すべきではないから、じろじろも見ない。

「…………同意見ですわ。
 私達の間で『担当』のようなものがあるのは不味いですものね。
 そういうのは子供たちにも伝わって、向こうもそのつもりになりかねない」

例えば――――くぬぎの担当が夢見ヶ崎、と言うイメージがつけば、
くぬぎ本人も周囲も彼女の問題は夢見ヶ崎にしか報告しない可能性がある。
それも悪くないのかもしれないが、もし彼女が手一杯なら、偶然不在なら。

「それに、単純に…………せっかくですもの、私も彼女と話す時間は欲しかった」

幾つもの懸念がある。そして純粋に話したいという『興味』も、彼女に抱いているのだ。
彼女からはアオキの情報はもう聞きださなくていいのだし、存分に話す事が出来るだろう。

(能力は『絶対音感』か、それとも『自動演奏』か――――
 そう単純でも無いのでしょうね。『料理』も含めて考えれば、
 例えば『レシピ』や『楽譜』のように見本があれば完全再現出来る能力?
 もしそんなものがあれば、それは『つまらない』気持ちにもなるでしょうけど)

(…………今考えたって仕方ありませんわね。人となりは頭に入れておくにしても)

考えるのは彼女の持つスタンドについてだ。答えが出るはずもなく、調理室に着くだろう。

922『ペイズリー・ハウス』:2018/07/27(金) 21:29:48
>>920-921(ALL)

夢見ヶ崎とサトリによる、くぬきから聞いた『アオキ』の情報共有。
 そして、戻る時は天雨が良いとの助言。滞りなく行いつつ事務室を
一瞥した夢見ヶ崎がアオキの見る画面を盗み見る。斜め方向からの視点だと
y〇u tubeとか何かの動画サイトにある、既に著作権切れの映画らしい
ものをボーっと眺めてる。特に熱心に見てる訳でもない。

調理室に辿り着く。二台か三台ほどのコンロ 電子レンジも数台置いて
ポットも置いてある。長く貯蓄可能な業務用冷蔵庫も部屋を大きく占めている。

カンナ「リンゴにしようか♫ 桃にしようか♪」

まつり「缶詰もいっぱい、ありますものね。あっ! これ
新製品の金平糖ですわ!」

 恐らく天雨の家の菓子もあるだろう(※どんなものが置いてあっても
無理でない範囲であれば好きに食料は置いてあると考えて良い)

 カンナは果物を幾つか手に取っている。まつりは、仕舞っている
御菓子を取り出して、どれを食べるか吟味する。

 余り食べ過ぎれば、アオキも忠告していたが。三時のおやつが
食べられなくなるだろう。子供の間食は、なるべく虫歯にならない
程度に、控えめに……だ。良ければ、くぬぎが好きかも知れない
食べ物を持っていくのも良いアイデアだ。ゴミ袋も、調理の棚の
何処かを探せば、適当な場所で直ぐ見つかる筈。

923夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/27(金) 23:09:48
>>921
>>922

(なんだ、『Yo○Tube』かー。
 きのうみた『セミのうか』のどうが、キレイだったな〜〜〜)

まったくなんのてがかりにもなりそうにない。
やっぱり、そうかんたんにシッポはださないか。
まぁ、そんなにきたいもしてなかったけど。

「ふたりとも、わかってるよね??
 おなかパンパンになるまでたべちゃダメだよー。
 たべすぎたヒトは、さんじのおやつぬきにするよ??」

カンナとまつりのすぐ後ろについて、二人に注意を促す。
実際、食べ過ぎてしまえばおやつは入らなくなるだろう。
食欲旺盛なカンナなら入りそうな気はしないでもないが……。

「サトリちゃん、もっていくのはなにがいいとおもう??
 やっぱり『ナチュラルけい』かなー」

置いてある果物類に目を留める。
自然が好きな子だから、やはりフルーツがいいように思う。
ないとは思うが、カンナが全部食べても困るので、
とりあえずリンゴ一個とバナナ一房を両手に取る。

「もしリンゴもってくんだったら、きったほうがたべやすいよね。
 かわいくきったらよろこんでくれそう。
 ウサギちゃんカットとかさ。
 ――サトリちゃん、どう??」

「それとも、バナナの方がいいかな??
 えいようがあるっていうし。
 そのままでもわるくないけど、『やきバナナ』なんてのもいいかも。
 ――サトリちゃん、どう??」

『どう??』と言う度に、果物から顔を上げ、サトリの方へ視線を向ける。
その意味するところは、『調理するならサトリに任せたい』ということだ。
サトリは料理が得意なようだし適任だろう。
自分は特に料理が上手いワケではないので、もし失敗したら大変だ。
その代わり、食べるのは得意なので、そこは任せてもらいたい。

「ねぇねぇ、くぬぎちゃんってなにがスキかしらない??」

くぬぎに持っていく品を選びながら、まつりとカンナに話しかける。
それは、二人に自分達が見ていることを気付かせるためでもある。
今のところ危険なことはしていないが、子供の動きは予測が難しい。
いつ突発的に事故が起こらないとも限らない。
だから、ちゃんと見ていることを分からせておくことで、
何かやらかしてしまうのを防止するのだ。

924天雨 サトリ『10cc』:2018/07/28(土) 07:41:41
>>922(GM)
>>923(夢見ヶ崎)

(………………この『缶詰』は家のものだけれど、
 それだけにちょっと薦めづらいですわね。宣伝みたいで)

別に気にされないだろうし、宣伝も大事だが、
あまり打算的だと思われすぎるのも良くない。
とはいえ缶詰が食べたいのならそこは触れても良いか。

(この季節、青果は足が速いし……私にはいつ買ったのか確信が取れない)

「りんごとバナナを切り分けるなら私にお任せなさい。
 フルーツなら扱いに慣れていますから……それに、
 乾いたお菓子よりも食後のデザートには適任ですわ」

(缶詰のみかんもありますし、『フルーツポンチ』にでもしましょうかしら?
 けれどひと手間かかるものはアオキさんも食べる『3時のおやつ』にしたい。
 子供達からしても、似たような物を二度も三度も食べたくはないでしょうし)

少なくとも今食べさせたものはこのあと今日中にもう一度使うのは微妙だろう。
調理でガラっと色を変えるなら別だが、この『おまけ』の食事でどこまで手間をかけるか。

「お皿はまだあったかしら? いくつかフルーツを切って、
 そこに少しずつお菓子を添えるようにすれば見栄えも良いでしょう」

「ああ、バナナは焼いても良いですわね、ユメミガサキさん。お砂糖もあるし」

(彼女は焼きバナナが好きなのかもしれませんわね)

話の流れを『こっちでお皿に盛る』ように持っていく。

カンナはともかく、まつりの意中の物は乾き物のようだし、そこを無碍には出来ない。
というよりフルーツが食べたいカンナだけを贔屓するような形になるのが良くない。
いくら『まだまだ食べられる』とはいえ、好きにまだまだ食べさせていいのかは謎だ。

よって、このような『折衷案』を出す次第だ。これなら量はある程度こちらでコントロール出来る。

925『ペイズリー・ハウス』:2018/07/28(土) 19:35:59
>>923(夢見ヶ崎PC)

余り食べ過ぎないように! その注意に『はーい』っと返事しつつ
カンナは少しだけ置いてあった蜜柑を齧り、まつりは棒キャンディー
らしきものを舐める。まぁ、許容範囲の量だ

>くぬぎちゃんってなにがスキかしらない??

カンナ「くぬぎ? ん〜〜〜くぬぎの事はよくわからないなぁ
いっつも、一人でいる感じだからな」

まつり「余り、ご自分から話しませんし。運動も苦手そうですし
一人でいる事が楽なら、本人の自由にするべきですものねぇ」

カンナとまつりも、くぬぎの事情をよく把握してないようだ。
 仲が悪いとかでなく、子供達の各々の領域を侵害しない方針だろう。


>>924(天雨PC)
焼きバナナを作るとすれば、シナモンに砂糖が必要になる。
材料に、電子レンジも間違いなくあるので安心していい。

そのフルーツに和え物として何か付けるなら……アイスとかだろうか?
そこは、皆でアイデアを出しても良いし思い付いたもので良いだろう。

926夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/29(日) 00:16:29
>>924
>>925

「――ふむふむ……」

(おいおい、ぜんぜんしらねーのかよ!!)

幾らなんでも、お互いを知らなさすぎる気もする。
一緒に暮らし始めて日が浅いというなら分かるが……。
くぬぎのことはよく分からないということは、
いつもカンナとまつりだけで遊んでいるのだろうか?
確かに本人の意思なら、それを尊重すべきだろうが、
今のままだと、くぬぎが二人と打ち解けることは永遠になさそうだ。
この辺りも、どうにかするべきだろう。

「ところで、カンナはいつからここにいるの?」

「まつりちゃんは?」

そういえば、彼らがいつからいるのか聞いていなかった。
ちょうどいいタイミングだし、質問してみよう。
同時に来たのかもしれないし、バラバラに来たという可能性もありうる。
そこから、また何か掴めるかもしれない。
ちなみに、カンナだけ呼び捨てにしているが、
ちゃん付けするのはどうもしっくりこないからだ。

「いいねいいね〜〜〜。みんながなっとくするミゴトなアイデア!!
 さすが、アモウサトリさんだ!!」

「――あ、なんかてつだうことある??あんまりむずかしくないことで。
 あじみでもしよっか??」

特に意見があるワケでもないので、横から合いの手を入れる。
サトリが調理している間は、自分が子供達を見ていよう。
何かあれば手伝うつもりでもある。

927天雨 サトリ『10cc』:2018/07/29(日) 01:25:29
>>925(GM)
>>926(夢見ヶ崎)

「あら! シナモンがあるじゃあありませんの」

王道のレシピではそうなる。が、『時短』として砂糖だけでも作れる。
あまり最初に工夫し過ぎてもあとあと自分の首を絞めかねないし、
シナモンは子供には特に好みが分かれる調味料だ。あるなら入れるけど。

(…………まあ、『教師』や『保母』がいるのでもないでしょうし、
 自然にソリの合わないもの同士が無理やりくっつく機会は無いでしょう)
 
      (とはいえ、この年で人間関係の偏食というのもどうかしら)

大人になってまでノリの違う人間と友好を結ぶ必要はないかもしれないが、
子供の内から『一緒にいて楽な相手』とだけ時間を過ごすのはいかがなものか。
もちろんイジメとか、あまりにも苦痛な相手がいるとかなら、話は別だが、
この環境はやはり……過ごすには良いだろうが『育つ』には少し、良くない気がする。

それは『くぬぎ』だけではなく、自由を許され過ぎている『カンナ』も同じこと。
まつりに関しても――――大きな問題は今は見えないが、気を付けておきたい。
仕事の内容はあくまで『世話』であって『更生』ではないにせよ、世話にも影響がある。

「ふふ、もっとお褒めなさいユメミガサキさん。
 手伝いを名乗り出た褒美として味見はお任せしますわ。
 こういう『信賞必罰』こそ、『統率者』としての役目ですもの」

得意げな笑みを浮かべて、一先ず材料をそろえた。
バナナ、シナモン、砂糖、それからついでにりんご。
アイスクリームはまだ出さない。『欲しがる』なら出す。
これと乾いた菓子で済むならそれでいい。食べさせ過ぎずに済むから。

「まつりさん、カンナ。貴女達『シナモン』は美味しく召し上がれて?
 普段の食事で好き嫌いはいけませんけど、これはデザートですものね。
 お嫌いなら、砂糖だけで焼き上げますわよ。……『焼きバナナ』はお好き?」

           スッ

           「今ならまだ、焼き林檎に変えられましてよ。
             『どっちも』というのは贅沢過ぎますもの」

フルーツ二つを掲げて見せる。選択の余地を与え、『全部勝手に決めてる』感を軽減する。

928『ペイズリー・ハウス』:2018/07/29(日) 23:52:41
>>926-927(ALL)

>いつからここにいるの?

カンナ「うち達は1日まえから此処にいるぞ! でも、普段は別の
幼稚園で皆と一緒に遊んだりしてる」

まつり「わたくしも、カンナさんもくぬぎさんも同じ幼稚園ですわ
三人とも、同じクラスですけど。あまり、くぬぎさんは外で
遊ばない方ですの」

どうやら、アオキも含めて夢見ヶ崎と天雨が来る前日から泊っているようだ。
 そして、くぬぎは普段から内向的ではあるようだ。

>『シナモン』は美味しく召し上がれて?

カンナ「あんま食った事ないなー。でも何事もチャレンジだっ!」

まつり「私はシナモンは好きですわよ。やはり、淑女としての嗜みですもの」

シナモンが淑女の礼儀に合うかはともかく。二人ともオッケーだ。
焼きバナナにも文句は言わない。

929夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/30(月) 00:33:11
>>927
>>928

「――いちにちまえ??」

これは予想外だ。
もっとずっと前から、ここにいたのかと思ってた。
まさか、自分達とほとんど変わらないタイミングで来ていたとは……。
これじゃあアオキのことを聞いても大した情報は得られないかもしれない。
まぁ、いちおうきくんだけど。

「『シンショウヒツバツ』??また『あんごう』かー。
 さいきん、はやってんの??」

子供達を見守りつつ、サトリの手際を眺める。
彼女の手腕に任せた以上、こちらから特に言うことはない。
せきにんをもってあじみはするけどな!!

「『シナモン』??うんうん、へーきへーき。
 だいじょうぶっていうか、どっちかというとスキなほうだし。
 えんりょせずいれていいよ〜〜〜」

聞かれてもいないのに、どさくさに紛れて一緒に答えた。
このまま順調に進めば『焼きバナナ』で決まりそうだ。
それを思い、心の中で密かにほくそ笑んだ。
じつは――わたしの『こうぶつ』なのだ!!
さくせんせいこう!!フハハハハ!!

930天雨 サトリ『10cc』:2018/07/30(月) 01:16:40
>>928(GM)
>>929(夢見ヶ崎)

「えっ…………」

(恐らくは『親元に何か事情があった時』だけここに泊まりに来ているのかしら?
 …………よく考えれば『まつり』さんの家が伝統ある『名家』という時点で、
 外部に娘を全て任せているはずありませんわね。つまり、ここは『託児施設』か)

     (……だとすれば方針を変えた方が良い気がしますわね)

「昨日……それより前に、こちらに来たことはございまして?
 アオキさんも含めて、この場所には慣れたようですもの……」

ここも『園』なので、園児と言う言葉の意味を捉え間違えていた。
ここで育っているなら別だが、普通に幼稚園で育っていて、
普通に普段は家に帰っているなら過度な『教育』は不要だろう。
彼女らには彼女らの先生がいて、それぞれの人生があるのだから。

「暗号ではなく――――いえ、『褒める』『叱る』をしっかりやる。
 つまりはそういう事ですわ。褒めるというよりは『報酬』かしらね?
 そして、流行っているというよりは『流行るべき』システムと言えるでしょう」

それとも『スタンド使いとしての教育』をすべきなのだろうか?
しかし、夢見ヶ崎は知らないが自分はその分野では『若輩者』だ。

「では、シナモンはしっかり使わせていただきますわね。
 無くたっていいけれど、味の深みが全然違いますもの……ああ!
 一応、少しだけ使っていないものも作らせていただきますから、
 もし苦手ならカンナはそれをお食べなさい。甘くて美味しいですわよ」

               ガサッ

とりあえず今は焼きバナナを作ってしまう事にしよう。
宣言通り、シナモンを掛けないものもいくつか焼いておくことにする。

931 『ペイズリー・ハウス』:2018/07/30(月) 19:13:07
>>929-930(ALL)

カンナ まつりの説明から、三人とも『託児所』的に
この幼稚園に酷似した大き目の施設で過ごしてる事が明らかになった。
 そうなると、この施設全体の規模が大きめで完全に幼稚園そのものの
模様である事も少し不思議ではある。元々、幼稚園だったが立地条件など
問題点があり、今は特定の相手の預かりとして使用してる線もあるが。


>それより前に、こちらに来たことはございまして?

カンナ「うち、3回!」

まつり「わたくしは4回ほど。アオキさんは殆ど自分のことを
話さないですけど、手慣れてますし何度か来たことあるのでは?
 くぬぎさんは、解りませんわ。昨日来たときはソワソワして
あちこち一人で歩いてた気もしますけど」

 まつりは、この施設の常連に近く。カンナも同じほど
アオキは不明だが、歳も上でか施設内に詳しそう。
くぬぎは、初心者近い事が話からわかった。

   ジュワァァッ

 焼きバナナが完成する。複数シナモン入り、他はなし

 カンナ「おー! 良い香りっ」

 まつり「紅茶が欲しくなりますわねー」

 二人共、その出来栄えを頷いて天雨を賞賛している。

932夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/30(月) 22:46:12
>>930
>>931

「へー」

何度か来たことがあるなら、情報を聞き出せる期待は残る。
どうやら初めて来たらしいくぬぎも、そこそこ話してくれたのだ。
まつりとカンナからは、より実入りのある情報が聞けるかもしれない。

「じゃあ、はやらせようぜ!!その『シンシュウミツバチ』ってやつ。
 ことしのりゅうこうごたいしょうにスイセンしよう!!」

勢い任せの冗談を言いながら、頭の中では他のことを考えていた。
まさか一時的に預かるだけの場所だったとは。
あのヒト、そこらへんのコトなんもせつめいしないんだもんな〜〜〜。

いままで『ほぼさん』のつもりでやってきたけど、
あんまりハリキリすぎないほうがいいか??
でも、いきなりタイオウかえるのもつめたいしなー。
まぁ、そこらへんは『アドリブ』でやってけばいいでしょ。

「よし!!まず、わたしが『あじみ』をしてあげよう!!
 『せきにん』をもって!!」

「そう――『せきにん』をもって!!」

     ムシャッ

『責任』を強調しつつ、フォークを手にしてズイと前に出て、
シナモン掛け焼きバナナを口に運ぶ。
豪快に食べたいところだけど、自重して端の方を切り取って食べよう。
――さて、おあじは??

933天雨 サトリ『10cc』:2018/07/30(月) 23:43:31
>>931(GM)
>>932(夢見ヶ崎)

「そう――――3、4回ですのね。
 どうりで、お慣れになっていますわ」

(つまりまつりさんはアオキさんとここでは初対面。
 ……よそで以前に会ったことがないのだとすれば、
 新しい情報元としてはあまり、期待できませんわね)

以前からの知り合いなら違和感がある言い方だ。
とはいえ一日分でも自分より長くここにいるなら、
何か聞けることはあるだろう。当たり障りのない趣味とか。

「流行語とか、そういう流行りでもないのだけれど……
 いえ、まずは大衆に知らしめることこそ重要かしらね」

真面目な顔で言っているが、ほぼ冗談のつもりだ。

「ふふ……ざっと、こんなところかしら」

焼きバナナの出来栄えは自信あり。

「ああそうですわ、どうせですもの……
 さっきの紅茶の残りを飲んでしまいましょう。
 三時のおやつが和風なら、あまり合いませんし」

    「味見は一つだけでしてよユメミガサキさん。
     ……それで、いかがかしら? お味の方は」

さて、それが終わったらすぐにくぬぎのもとに持って帰ろう。
調理に時間がかかる物ではなかったが、やや待たせているし。

934『ペイズリー・ハウス』:2018/07/31(火) 20:42:22
>>932-933(ALL)

この施設が、託児所として使用されており。園児三人とも
一時的に、この施設に遊んで過ごしている事に対して説明不足も
あってか少々色々な思いが過る。
 それでも、この子達は特殊な力をもっていて日常生活では他の子に
色々と気遣う部分もあるだろうし、力を思う存分に開放しても誰も
注意しないでいられる平穏な場所も必要だろう。そういった意味で
彼女たち三人、いや四人が短い間とはいえ楽しく過ごせるように
二人が手伝う事は、とっても大事な仕事だ。

夢見ヶ崎はシナモン入り焼きバナナを味見する。
 脳内を駆け抜ける甘味 口の中を、焼いたバナナの芳香とシナモンの
ハーモニーが……とかの料理バトル漫画的な描写が行われたかともかく
皆で食べられる味な事は太鼓判を押そう。

天雨も、さきほどピザを食べる時に使ったミルクティーを間食の
飲み物にして、四人は遊戯室に戻る。

 「……」 カキカキ

くぬぎは、量も量で少量だった為すでに食べ終えていた。遊戯室に
備えている使い終わったらしい除菌ティッシュを食べ終えた皿と共に
テーブルの端に置いていて。クレヨンで画用紙に何かお描きをしてるようだ。

 「……ぁ  ぉか……えり」

 戻って来た四人に、ぼそぼそと呟く。

935夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/07/31(火) 22:18:45
>>933
>>934

「――うめえ!!」

シンプルかつストレートに、一言で今の感想を表現した。
本当なら、もっと詳しく分析したいところだったが、
今は『超味覚』を使っていない。
本体自身の味覚だけで言うなら、大体こんな感じになるというワケだ。

だけど、みよ!!このまばゆいばかりの『スマイル』を!!
くちさきだけの『コトバ』であらわすよりも、
はるかに『ゆうべん』にものがたっているではないか!!
ところで、『ゆうべん』ってなに??

「ただいま!!おいしいものもってきたよー。
 なんと!!サトリちゃんとくせいの『やきバナナ』のとうじょうです!!
 ジャジャン!!」

「あと、サトリちゃん――くぬぎちゃんのコトはまかすから」

くぬぎに元気よく答えた後で、サトリの後ろに回って小声で伝える。
ここからは選手交代した方がいいだろう。
くぬぎの相手はサトリに一任し、
自分はまつりとカンナの相手に専念するつもりだ。

「そんじゃ、たべよー。
 たべたら、みんなでおかたづけしようねー」

行く前にも言ったセリフだが、忘れられていても困る。
念のために、もう一度だけ言っておこう。
この状況で最も注意すべきはカンナだ。
また彼女が全部食べてしまわないように、皿からは目を離さない。
ついでに、ゴミとか片付けるべきものをチェックして、
速やかに後片付けできるようにしておきたい。

936天雨 サトリ『10cc』:2018/08/01(水) 02:17:42
>>934(GM)
>>935(夢見ヶ崎)

「あら、あら、あら……! それはよろしくってよ」

「それだけ美味しいなら、問題ございませんわね。
 それじゃあさっそく部屋に持って帰りましょう、
 きっとくぬぎさんが今か今かと待ちわびていますわ」

          フッ

眩い笑みの夢見ヶ崎を見て、勝ち誇りの笑み。
俗な言い方ではあるがいわゆる『どや顔』という物だ。
己の家業はパティシエールの分野ではないとはいえ、
近い分野で他人を喜ばせられた自分の才には笑顔も出る。

「……カンナとまつりさんはお任せしますわよ」

夢見ヶ崎の言葉に同じく小さな声で返し、頷く。

「さて! お待たせいたしましたわね、くぬぎさん。
 ただいまご紹介にあがりましたけれど、『焼きバナナ』のお時間ですわ。
 ところで――――くぬぎさん、『シナモン』はお好きかしら?
 焼きバナナなのだけれど、振っていないのと振っているのがありますの」

代名詞は使わず、名前を呼びかける。
意味があるかは人次第だが『名前呼び』は親近感に繋がりやすい。

まつりとカンナの事は任せたので、今は意識から外している。分担するなら、しっかりとだ。

937『ペイズリー・ハウス』:2018/08/01(水) 23:41:12
>>935-936(ALL)

夢見ヶ崎は、特にカンナに対し意識を配りつつ、くぬぎの相手は
天雨へと任せる。不公平にならないように、全員と交流出来る
ようにするのは後々役立つ事だろう。

 天雨は自信作の焼きバナナを、くぬぎの前に差し出しつつ聞く。

>『シナモン』はお好きかしら?

 「……ぇ……と。よく……わかんない」

余り焼きバナナ自体、食べた事がないのだろう。
一切れ、ゆっくりと咀嚼して味わって。

 「……美味し……ぃ。ありが……とう」

 そう、微かにだが顔を綻ばせて お礼を告げた。
天雨と夢見ヶ崎の作戦は、ひとまず成功したと言えるだろう。

 
カンナ「さーて 鬼ごっこもしたし 飯も食ったし
次はなにしよっかなー?」

まつり「あぶない事は止めるようにと言われましたしねー」

カンナ「じゃあ 裏の森にでもいってみる? おやつ食ってから」

まつり「それは良いですわねぇー」

 天雨とくぬぎが、仲を深めてる間に。園児二人は
裏手の木々が生い茂ってる場所に行く計画を立てる。

地理は、この二人が詳しいかも知れないが。子供二人で行かせるのは
無茶ではある。行くのを制止するのしろ、同行するにしても
アオキが誰かが一緒に付いていくべきだろう。

938夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/02(木) 01:03:00
>>936
>>937

(うんうん、リアクションはじょうじょうだ。よしよし)

チラリと横目で見て、くぬぎの反応を確認する。
あとのことはサトリに託そう。
こっちの二人が、また何かしようとしている様子だ。

「おっ、いいねぇ〜〜〜。さんにんでいこうぜ!!」

      チラッ

さりげなく二人の会話に交ざって同行を宣言しつつサトリに目で合図する。
くぬぎをサトリに任せた以上、ここは自分が対応するべきだ。
もし見失ったとしても、『位置』は分かる。

(――ただし、おかたづけがおわったあとでね)

そして、みんなが食べ終わった段階で後片付けを始めよう。
自分が片付ける姿を見せることで、
先程の言葉を子供達に思い出させるのだ。
こういうのを何回も口に出して言うのは嫌われる。
だからこそ、言葉ではなく行動で示す。
子供達が、自分から自然と動いてくれるような状況を作り出す。

それも終われば二人は森へ行くのだろうから、自分もついていこう。
この施設の周辺を知っておくという目的もある。
森に着いた時は、二人の様子を見ながら現地の状況も頭に入れておこう。

939天雨 サトリ『10cc』:2018/08/02(木) 02:52:51
>>937(GM)
>>938(夢見ヶ崎)

「ああ良かったですわ……どういたしまして。
 貴女方を喜ばせてあげられるのが何よりですもの」

          フフ

「また、今日なり明日なり――――お菓子を作らせていただきますわ。
 もし次のもお口に合いそうなら、その時はまた召し上がってちょうだいね」

まだ『アオキも巻き込みます』とは言わない。
くぬぎを加担させるのはハードルが高いし、
あまり『なんでも計画済み』と誤解されたくはない。

・・・まだ考えが及んでいない部分も多いわけだし。

(森……ユメミガサキさんにだけ任せていいのかしら。
 まあ、無理にくぬぎさんを連れて行くこともないですわね、
 森歩きは体力を使いますし、今日はもう運動はしたのだし)

「くぬぎさん、私達は『この後』どうしましょう?
 一緒に何か――――部屋の中での遊びでも?
 それとも、私たちもお外へ出かけましょうかしら。
 まだ天気がよさそうですもの、森林浴も良いでしょう」

        「私は文武両道なのでなんでもオッケーでしてよ」

                  「何もしない、でも」

くぬぎを縛る気はないので、一緒に森に行く選択肢も与えておく。
何もしないつもりは流石に無いが、くぬぎがそうしたいならそれでもいい。
実際にはお喋りの時間を確保できるし、この施設の背景に迫れそうだ。

まあ、とりあえずは片づけをしてからだし、その間に自分でも考えておくけど。
全員がちゃんと食べ終わってから、率先して片付けに動く。子供達の片付ける分は残して。

940『ペイズリー・ハウス』:2018/08/02(木) 20:43:02
>>938(夢見ヶ崎PC)

カンナ「裏の森には、少し広めの川があるんだ! 泳ごっ!」

まつり「その前にゴミ捨てですわっ」

どうやら、小川が存在するようだ。カンナが率先として泳ぎに誘う
水着が用意してる場所は少々不明だ。普通ならロッカーにあるだろうし
『事務室』が可能性が高い

>>939(天雨PC)

 くぬぎに対し、貴方は微笑みつつ声をかける。
少女は、ボソボソと小声ながらも 楽しみにしてる と言う
内容の発言をした。好感触は得たようだ

 「外……行く」

 最初は、殆ど自分の意思を示さなかったが。鬼ごっこから
おやつの時間まで、気にかけてきた事は無駄ではない。
 くぬぎも、段々と自己主張が出来るようになってきた。



 三人とも、各自で自分が使った容器なりゴミ袋へ入れる。
最後に近くにある洗面台で手を洗って一緒にごちそうさまをした。

カンナ「そんじゃー 出発だ! 大冒険が待ってるぞ!」

まつり「虫よけスプレーが欲しいですわねぇ」

くぬぎ「……ん ぼう……けん」

 三人とも、日除けの園に置いてある帽子を被り外に出る用意は出来た。
あとは、出掛ける旨を。もう一人に伝えるべきだろう。
 もしかすれば、気が向いて一緒に森林浴に行く可能性もある。

941夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/03(金) 00:32:41
>>939
>>940

「よし!!じゃあ、よにんでしゅっぱつだ!!」

そういう流れになったっぽいので、そういうことで。
別に泳がなくても、水に入るだけなら裾を持ち上げるだけで済む。
小さい子供が泳ぐくらいだから、そう深いわけもないだろうし。

(でも、まぁいちおうみとくか。どうせアオキもそこだろうし)

「だけど、しゅっぱつのまえに――
 ちゃんといってきますっていわなきゃね!!」

「ほら、みんないこ!!」

三人を促して事務室に向かいたい。
別に一人で行ってもいいが、こういうのは子供の口から言った方がいい。
こちら側の数が多ければ、
それだけアオキを引っ張り込みやすかろうという狙いもある。

「これから、みんなでもりのほうにいってくる!!」

到着したら、まずアオキに伝えておく。
そして、水着がありそうなロッカーを探す。
見つけたら、中を調べてみよう。
なくても別に困らないけど、あったらあったで使ってもいい。
イケてるやつがいいな!!

942天雨 サトリ『10cc』:2018/08/03(金) 00:55:56
>>940(GM)
>>941(夢見ヶ崎)

「お外ですわね、それじゃあ片付けたらお準備しましょう」

(四人――――私は『残るべき』という事かしら。
 それとも自分を数に数え間違えただけか、
 ユメミガサキさんくらい思慮深いと難しいですわね)

施設にアオキ一人を残すのもどうかと思うが、
仕事内容には反していないし、別に遠出でもない。
反応にもよるが、少なくとも挨拶には全員で行こう。

「用が出来たので早速お邪魔いたしますわよ。
 虫除けスプレーの備蓄は御座いますかしら?」

この季節の森だ。真剣に欲しい。

「それと――――」

「何か森歩きで気を付けた方が良い事は御座いまして?」

            「虫とか、動物とか、地形とか。
              あるいは、逆にお勧めの散歩道とか」

熊やイノシシがいる、なんてことはまずないだろうが、
蜂が巣を作ってるとかそれくらいでも十分危険なのだ。
アオキが知らないなら別にそれは仕方ないので気にしない。

言外に森林浴に誘っているのだが、断る余地は与えておこう。

943『ペイズリー・ハウス』:2018/08/03(金) 22:32:29
>>941-942(ALL)

『しゅっぱつだー!』

夢見ヶ崎は四人で出発進行と声をかける! この場合、天雨を含め園児達の
数字を指して自分を除外したと考えるのが天雨の疑問の回答になるだろう。
 三人も(くぬぎは小声だが)元気に応答して事務室に入る。
アオキはパソコンから軽く目線をずらし、薄い表情で貴方たちに視線を
向ける。暇そうではあるが、特別に介入もしなさそうな雰囲気だ。
夢見ヶ崎は元気に森へ行くと告げる。
天雨は虫よけスプレー及び、地形や危険な野生動物や昆虫について聞く。

「……ぁ? あー、森ね。気を付けて行ってきてね」

直接的に勧誘した訳でないからか、アオキは五人で森林浴に行くと
判断したようだ。誘ったら行く気になるかは……また、そこは
心の機微であり何かあちらにもメリットがあれば行くだろう。

夢見ヶ崎が開けたロッカーには、最新式のビキニの水着が!!
……ある筈もない。子供用の水着は収納されてる。
その仕草に、少し怪訝そうにアオキは声をかける。

「なに、あっちの三人はともかく。そっちも泳ぎたいの? 
濡れてもいい短パンは、端のロッカーにあるけど。本格的に
泳ぎたいとかなら、注文するしかないんじゃない?」

 園児達が泳ぐ服は存在するが、大人用の水着は置いてないようだ。
水遊びする時の為に備えている、保育士用の作業着になる短パンや
シャツなどはあるようだが、それで泳ぐのは微妙な気分になるかも。


>森歩きで気を付けた方が良い事は御座いまして?

「確か、小川があるんだけど。その奥となると、蜂の巣があったかな……
川まで良く歩く人もいるし、ある程度 そこまで道は均してる筈
 熊は出ないけど、キツネを偶に見かけるみたい。まぁ あっちも
用心深いし、こっちから触ろうとしなきゃ近寄らないよ」

これから少し泳ごうとする川の奥、そこに蜂の巣はあるようだ。
キツネに対しても、少し警戒はしておくべきだろう。

アオキは、説明を終えると引き出しから虫よけスプレーを二本取り出し
天雨の近くの机に置いた。

944夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/03(金) 23:44:35
>>942
>>943

「……『ごにん』でいこうぜ!!」

だれか、いま『よにんで』っていった??
だれだろーなぁ〜〜〜??
すくなくとも、わたしじゃないぞ??

「まっさか〜〜〜。ちょっとかくにんしただけ」

そりゃそーだよな!!
しってるさ、んなこたぁ!!
いちおーだよ、イチオー!!

「サンキュー、じゃあいってこよう!!」

「そのまえに――はい!!うごかないで!!」

   プシュー 
         プシュー

虫除けスプレーを一本取って、事務室を出よう。
それから、まつりとカンナに虫除けをしておく。
森に着いた後だと、すぐに走り出してしまうことも考えられる。

945天雨 サトリ『10cc』:2018/08/04(土) 00:30:44
>>943(GM)
>>944(夢見ヶ崎)

(言外では向こうから乗ってくる事はない、か。
 まあ当たり前と言えば当たり前だけれど、
 今口に出して無理に誘っても仕方ありませんわね)

くぬぎについても考えていた事だが、
森歩きはそこそこ体力を使う事だ。

行きたくもないのに無理に連れ出す気はない。
連れ出して向こうに何か得があればいいのだが、
彼女の好むものが分からない今、それも分からない。

「ハチの巣は特に気をつけますわ。
 教えてくださってありがとうございまし」

(川までよく歩く人? ……普段いるスタッフかしら?
 それとも近隣の住民とか? 今は関係ないかしらね)

     (狐は……カンナの動向には気をつけましょう)

と、机に置かれたスプレーに気づく。

「あら! 二本もあれば間に合いそうですわね。
 重ねて礼を言わせていただきますわ、ありがとう。
 ……さあ、くぬぎさん。出る前に虫除けをしますわよ」

           プシューーーー

部屋にスプレーの匂いが籠らないよう、
入り口に近い所か、廊下に出てから振りかける。

「それじゃあ行きましょうか、皆」

「行ってまいりますわ、アオキさん」

それから、自分にもだ。露出が少ない恰好だが、
首や手指には欠かせない。蚊にやられて痒くなると嫌な部位だ。

そういえば今は何時だろうか? おやつ作成の都合、その前には帰りたいが。

946『ペイズリー・ハウス』:2018/08/04(土) 22:22:07
>>943-944(ALL)

「それじゃあ気を付けて」

アオキの素っ気ない見送りの言葉を受けつつ五人は外に出る。
嵐は明日。本日は、それを感じさせない暑い快晴だ。

時刻は大体、お昼の二時になる手前。おやつが三時だとすれば
まだ一時間は優にあるので、散歩するには十分だ。

カンナ「今日は暑いから目いっぱい泳ぐぞー!」

まつり「私は綺麗な石を見つけたいですわっ。
ガーネットなどあるかも知れませんもの」

 虫よけスプレーを、目をぎゅっと瞑りつつ浴びた三人は。
水着を各自ロッカーから持参して、他にも小さめのバックを提げたり
日除けの帽子を被り、森を意気揚々と歩く。

 虫よけスプレーもした為、幾らか飛び交っている蠅なり見かけるも
刺される心配は今のところない。

 『川だー!』

 歩いて数分して、小川が見えた。大体幅が4〜5mで三人の子供達で
膝より少し上に浸かるぐらいの深さだ。
 更に下流に行けば、泳ぐぐらいの深さにはなるだろう。

  
 ――カサカサ……

 三人が、楽しく水を掛け合おうとしてる奥の茂みで物音がする……。

947夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/05(日) 01:03:10
>>945
>>946

「――んん??」

たしか『なんかでるかも』とかいってたっけ??
ひとりはこどもたちをみて、
もうひとりはまわりにちゅういするっていうのもアリか。
とりあえず、いまは『アリス』がちゅういするやくをやろう。

   ドギュンッ

『ドクター・ブラインド』を発現し、出てくるかもしれない何かに備える。
音までの正確な『距離』と『速度』も、これで分かるだろう。
ついでに、近くで『獣の臭い』がするかどうかも確認する。

「……サトリちゃん、みんなはまかしたよ」

今の内に、サトリに一声掛けておく。
彼女には子供達の安全確認を頼もう。
もし茂みから何か出てきたら、『ドクター・ブラインド』で対処する。

948天雨 サトリ『10cc』:2018/08/05(日) 01:26:40
>>946(GM)
>>947(夢見ヶ崎)

「綺麗な小川ですわね。自然が豊かで何より」

散歩には実に適しているコースだ。
溺れるような深さでも無いのも、良い。
明日以降『台風』になるならそこは心配だが。

「下流に行き過ぎると深くなりますから、
 三人とも、そこは気を付けてくださいまし」

すぐに川に入ったらしい三人に注意はしておく。
勿論口だけではなく、すぐ止めに入れる位置に待機。
下流方向と子供達の間を遮る様な位置なら、なおよい。

>              ――カサカサ……

さらに、怪しげな茂みからの物音。
極力表情は変えず、夢見ヶ崎に頷く。

「承りましたわ――――無理はなさらないように」

              ズギュン

『10cc』も発現しておく。念のため、というやつだ。

949『ペイズリー・ハウス』:2018/08/05(日) 17:06:00
>>947-948(ALL)

貴方たち二人はスタンドを発現し、森の茂みから出てくるだろう
何かに対し警戒する。

出てくるのは、話しに出て来た狐か。または、もっと恐ろしい
野生の獣か何かが……。
 距離は六メートル、そして匂いだが……強い『フキ』の香りだ。

  ――がさり

「おんや、なんや水が跳ねる音がさわがしーとおもうたら。
めんこい わらしが五人もおるでねぇか」

 と、出てきたのは割烹着を着て、頭に頭巾をつけた老婆。
腰にフキを提げた袋を持ち、いかにも山菜取りに来たと言う感じの服装だ。

 水浴びしていた子供達も、それに気づくと三人とも
挨拶をする。それに、皺くちゃの目を細めて老婆は挨拶を返す。
どう見ても、地元の人間で一般人だろう。
 
 「園の子かぇ? 今年もめんこい子が来てるんだなあ。
よけりゃあ、フキわけたるよ」

 そう、年長者の貴方達二人に。年齢から少しおぼつかない手で
フキを手渡そうとする。

 老婆は五人を見渡すと、少しだけ口をすぼめ聞いてくる。

 「今年は過ごす子らが少ねーんだな。みんな、他所に行ってるんか?」

……どうやら、この老婆は『ひそひそ星の園』について
多少なり事情を把握している人物のようだ。

950夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/05(日) 19:42:54
>>948
>>949

「おん??」

なーんだ、ふつうのニンゲンかー。
いや、まてよ……。
キツネがヒトをばかしているのかもしれない!!
でも、それだと『ドクター』にひっかからないワケがないし。
やっぱ、ただのニンゲンか??

「あ〜〜〜、ありがとありがと、どもども」

とりあえずフキは受け取ろう。
しかし、スタンドは解除しない。
この老婆とは別に、何かしらの動物が飛び出してくる可能性もある。

「さぁ??
 わたしら、さっききたばっかりだから、よくしらないんだー。ねぇ??」

サトリの方を振り返りつつ、言葉による『パス』を出す。
この老婆からは有益な情報を聞き出せそうだ。
こういうのはサトリの方が向いてそうだし、後は任せる。

951天雨 サトリ『10cc』:2018/08/05(日) 23:38:13
>>949(GM)
>>950(夢見ヶ崎)

知らない人間から食べ物を貰うな、と言うのは常識だが、
こういう『田舎の親切』みたいなのは断りづらいものだ。

「めんこいとは照れますわね、言われ慣れてませんから……
 ああ、お騒がせして申し訳ございませんわ、それに良い蕗まで」

               ペコォー

         「感謝いたしますわ」

深く頭を下げ、蕗を受け取っておく。
都合上『10cc』は解除する事になるが仕方がない。

「ええ、園に泊まらせていただく事になっていますの。
 ……あら、これでもけっこう少ないんですのね?
 私、こういった『お泊まり会』の経験はあまりなくて。
 ええ、それに来たばかりなもので、普段のここを良く知りませんの」

   「もしよければ去年のお話を聞かせていただいてもよろしくて?」

年寄り――――それも自ら話しかけてくるタイプの年寄りは、
話し相手を欲している場合が多い。傾向に過ぎないが賭ける価値はある。

その間の子供の面倒は、夢見ヶ崎が見てくれるか、子供たちも話に混じるか。
どちでもいいが現時点では視線を時々向け、危ない事をしていないか警戒する。

952『ペイズリー・ハウス』:2018/08/08(水) 20:06:00
>>950-951(レス遅れ大変失礼しました)

夢見ヶ崎はスタンドを出しつつ言葉のパスを天雨に。
 天雨は、とりあえず持ち前の超能力如雨露を解除して質疑応答を行う。

皺くちゃの老婆は、ゆっくりと上下に首を振りつつ
『とりあえず飴舐めねぇ』と、子供達に缶ドロップを幾つか渡して
園児達が一礼しつつ舐めてる間に話始める。尚、二人にも飴は渡すだろう

「去年はなぁ、大体15かそこらがおったなあ。そりゃあ沢山よ
男の子も結構多くてなぁ、わたすと じっさん(お父さん)の
田んぼの手伝いもしてくれてのぉ、孫がいっぺんに出来たようで
嬉しかったわぁ」

そう、朗らかに老婆は笑う。

「そんでも、わたしゃあ良くても 暮らしてる子らは親なしだぁ。
みんなして今はいねぇって事は、引き取られたって事んだけど
わけぇのに、不憫なこっとよ」

 ……どうやら、老婆の話を簡潔に纏めると。
『ひそほそ星の園』は『孤児院』として使用されていたようだ。一年前は

「おめぇさんら、園の育ちじゃねーんだべ?
なーんも言わんくても、長い事此処で暮らすと雰囲気でわかんべね。
 親は大事にすたらばいかんよぉ。
わたしゃあ、もーちょい先の家でいっつも田植え以外は暇しとるから。
よけりゃー何時でも来っとけ。餅ぐらいは御馳走すんべ」

もーすぐ じっさんが迎えにくるわぁ。と、老婆は告げてゆっくり
上流のほうへ歩いて行く。暇な時にでも遊びに来なさいと
社交辞令を告げて、その背は遠ざかる。
勿論、老婆の足並みなので何か用事があれば直ぐ辿り着いて質問できる。
 あと、森の常連なので帰り道は心配する事はないだろう

953夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/09(木) 14:23:08
>>951
>>952

(――あ)

飴を渡す老婆の動作に注意を払う暇もなかった。
まぁ、まさか毒入りってワケでもないだろうし。
子供達の様子に変化がないなら、それでいいか。

「ふんふん」

老婆の話を聞いて合点がいった。
元は孤児院だったとすれば、建物の大きさも納得できる。
道理で、人数の割には規模が大きすぎると思った。
元々いた子達がいなくなったが、施設を遊ばせておくのは勿体ない。
だから、今は託児所として使っているのだろう。

「うんうん!!みんな、パパとママはだいじにしようぜ!!
 わたしとおばあちゃんとやくそくだ!!」

(ん〜〜〜??)

しかし、そうなると気になるのはアオキのことだ。
彼女は一体いつからいたのだろうか?
もし、園が孤児院だった頃からいたのなら、彼女は孤児ということになる。

「ねぇねぇ〜〜〜、きょねんのハナシなんだけどさぁ〜〜〜。
 11さいか12さいくらいのオンナノコで〜〜〜、
 ミミに『こういうの』つけてるコいなかった〜〜〜??」

立ち去っていく老婆に向けて、イヤホンのジェスチャーをして見せる。
もし老婆が彼女を見かけていたなら、その時もイヤホンはしていただろう。
この質問で、アオキが一年前にもいたかどうかを特定したいところだ。

(ってなカンジできいてみたけど、どうかな??)

そんな感じの意思を込めたアイコンタクトをサトリに送る。
子供達の様子にも注意しておこう。
不意に姿が見えなくなるということもありうる。

954天雨 サトリ『10cc』:2018/08/09(木) 21:53:26
>>952(GM)
>>953(夢見ヶ崎)

(流石に、『知らない人に物をもらうな』とは言いづらいですわね。
 他ならない私が蕗を受け取った以上『説得力』に欠けてしまうし、
 老婆と子供は『泣き落とし』がある……私が悪者にされかねませんわ。
 それも織り込み済みの行動なら……そんなの防げませんわね、
 そこまで慎重な策を練る理由も分からないし、考えないでおきましょう)

(……『異物混入』を警戒しなくても賞味期限切れの可能性はあるし、
 私はこの場では食べないでおきましょう。リスク回避は必要ですわ)

それより、この老婆には謎がある。

あそこが『孤児院』だったと言うのは話の流れからわかるが、
では今はなぜ、方向性を変えて『託児施設』になったのだろうか。
逆なら分かるが――――孤児たちは引き取り手がいないから院にいたはず。

(なぜ15人近くの孤児たちが、そうも一斉に引き取られたのか。
 孤児院の卒院はたいてい、高校生くらいだと思うけれど……
 話からして去年いた子供たちはまだ『児童』のような年齢。
 ……『託児施設にする必要があった』からか、それとも逆で、
 引き取られたから『託児施設として再利用している』のか……)

            (この話、とても『キナ臭』くってよ)

あるいは、アオキなら――――何かを知っているかもしれない。
その15人の中に混じっていた可能性もある。むしろ濃いだろう。

(……もっとも、謎を解き明かすなんて『探偵』染みた事は仕事ではないけれど。
 下手に藪を突いて蛇が出れば、子供達のお世話にはかえって『悪影響』ですものね)

         (とはいえ……このお婆様に聞く分には問題も無いでしょう)

子供たちにはさっきから視線を向けているので、妙な動きがあればすぐわかる。
夢見ヶ崎のアイコンタクトに頷きを返して、自分からは特に質問はしない。

「髪が茶色い子ですわ。ああいえ、去年は黒だったのかもしれないけれど」

アオキの特徴をもう一つ付け加えるくらいのサポートはしておく。
この環境からして、髪を染めた可能性はそんなにないとは思うが――化粧っけがあった。

955『ペイズリー・ハウス』:2018/08/09(木) 23:11:33
>>953-954(ALL)

>11さいか12さいくらいのオンナノコで
ミミに『こういうの』つけてるコいなかった?

>髪が茶色い子ですわ。ああいえ、去年は黒だったのかもしれないけれど

立ち去りかけた老婆は、振り向いて数秒考えてから
あぁ、と理解しえた顔つきで口を開いた。

「アオキちゃんなぁー。そっかぁ 今年も来てんだべなぁ
大人しい子で、他の子らの後ろにひっ付いてで めんこい子だよぉ」

……どうやら、一年前のアオキは。くぬぎのような感じで
今とは違って、人見知り的な子だったようだ。

「……あぁ、んでも あの子は親なしじゃねー筈だったべ。
なんや、事情あるらしくて園には来てたっぺけどね。
まー、こんな婆に全部打ち上げるなんて期待もせんかったし
元気に わらし(童)は過ごしてりゃあ それでえぇからな」

新たに情報も出た。アオキは、孤児ではないが やはり何かしら
背景に事情があるのだろう。園に定期的で過ごしてるようではある。


カンナ「んー! いっぱい泳いだー! また腹減ってきたっ。
飴だけじゃ足りんっ」

まつり「アフタヌーンティーのお時間ですわー!」

くぬぎ「……おや……つ」

 三人も、水浴びして すっかりと運動を終えたようだ。
そろそろ、園に戻ってもいい時間だろう。

ひそひそ星の園には、まだ幾らか謎がある。
 その事情を握るのは、やはりではあるが年長者の『アオキ』か
または、君達に世話役を頼んだ、あの砂金(イサゴ)の婦人だろう。

956夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/10(金) 00:15:58
>>954
>>955

「??????」

アオキが孤児じゃないというのは予想外だった。
ハッキリいって、サッパリわからん。
孤児だから孤児院にいるのは自然だ。
孤児じゃない子が託児所にいるのも納得できる。
だけど、孤児じゃない子が孤児院にいたというのは明らかにミョーだ。

(アオキがいたころから、コジインけんタクジショとしてつかってたのか??
 それとも、イエにもんだいがあるから、ここにいるとか……)

今の時点でも、可能性はいくつか思いつく。
だけど、どれだけ考えてもただの推測でしかない。
やめよう、アタマいたくするだけだし。

(いまできるコトは……さんにんにアオキのコトとか、そのたもろもろきく。
 あとは……『アイツまち』だなー)

アオキについては子供達から情報を得る以上の作戦は思い浮かばない。
今アオキに当たってみても、せいぜいスルーされるくらいがいいトコだろう。
最悪、印象を悪くすることもありうる。
既にそれなりに色々あったが、まだ初日なのだ。
まだそこまで必死になるような場面でもない。

(たしか……『ふつかめ』にくるんだったなー。キンちゃんは)

アオキのことはともかく、イサゴに関しては多少のアテがある。
二日目にやってくるはずの金一だ。
メールでは一度聞いたが、まだ未知の情報を持っている可能性もある。
イサゴのことは一応納得したつもりでいた。
しかし、改めて考えてみると、まだ何か出てきそうな気がする。

    オシャベリ      オシエテ
「かるくシメたら、なんかハイてくれるかも」

「――あ、おばあちゃん、ばいば〜〜〜い」

金一をどうするか考えつつ、ひとまず老婆に別れの挨拶をする。
サトリがまだ何か話がありそうなら控えておくが。
なんだかんだしてる内に、三人も満足してたらしい。

「じゃ、そろそろかえる??アモウサトリさん、ごいけんをどーぞ。
 UMAがでなかったのがココロノコリだけど。
 こんどきたときはみつけたいなー。
 ジャングルのみずべにひそむ、まぼろしのだいかいじゅう!!」

与太話をほざきながら、サトリにお伺いを立てる。
みつけたのっていったら、おばあちゃんくらいだもんなー。
いや、もしかすると、にんげんがたのUMAだったのかもしれない……!!
われわれとはことなるしんかのれきしをたどった、
きぞんのじんるいとはちがうみちのちょうじんるい……。
……ありうるな(ありえない)!!

957天雨 サトリ『10cc』:2018/08/10(金) 00:42:04
>>955(GM)
>>956(夢見ヶ崎)

アオキの事情、あるいは園の事情。
この園はどうにも気になる事ばかりだが……
謎解きに夢中にならず、世話の本分を果たそう。
もちろん――謎が世話に立ちふさがるなら、その時は。

「そう……私もそう思いますわ。子供は、元気が一番」

(アオキさんが人見知りをするタイプだった、というのは、
 それ程意外ではありませんわね。コミュ強には思えないし)

        (……けれどやはり、グイグイ行き過ぎるのは悪手。
          その点がはっきりわかったのは良い事でしてよ)

「それではごきげんよう、おばあ様。
 時間が出来たらお邪魔いたしますわ」

くぬぎにしたように、『一歩ずつ』距離を詰めるべきだろう。
老婆に社交辞令を返して、この場はその背を見送っておく。

「ええ、そろそろ戻りましょう。
 良い時間ですし、私も満足ですわ。
 ユーマ? はよくわかりませんけれど、
 危険な動物に出られても困りますもの」

すべきことが、『おやつの時間』にはある。
勿論任せるがままアフタヌーンティーでもいいのだが。

「そういえば――――皆様はどんなおやつがお好きですの?
 私、先ほどもお見せしたけれど『お菓子作り』が出来ますの。
 もちろん、プロのパティシエールや高級な既製品には劣りますが」

       「折角ですもの、皆様や夢見ヶ崎さん……
        それにアオキさんの好きな味がわかれば
          お口に合いそうな物を作って見ようと思うのですけれど」

「アフタヌーンティーをするなら、お菓子はあるに越したことはありませんもの」

強い口調ではなく、自然に――――いち提案のように切り出す。
既定路線を思わせず、子供たちの会話から思い出したかのように。『恩着せがましさ』は捨てる。

958『ペイズリー・ハウス』:2018/08/10(金) 22:43:25
>>956-957(ALL)

老婆の言葉で、ある程度の情報は得た。しかし、まだまだ。
『アオキ』の過去。それに園の背景にも幾分謎は残った。

とは言え、焦っても仕方がないし。二日目には夢見ヶ崎の
情報に長けた知り合いが来る。禁じ手に近いが、アオキを問い詰める
という やり方も存在する。もっとも、仲を深めれたほうがベストだが。

>皆様はどんなおやつがお好きですの?

天雨の言葉に、三人は一斉に返事をする。

カンナ「うちは、餡子たっぷりの鯛焼き!」
まつり「ブルーベリーが入ったケーキですわっ」
くぬぎ「…………ヨ……グ……ル…ド」

>アオキさんの好きな味がわかれば
 >お口に合いそうな物を作って見ようと思うのですけれど

それに、小首を傾げてカンナは呟いた。

「あれ? おやつは、アオキが作るんじゃなかったけ??
まー サトリの おやつにも期待してるぞ!」

……そう言えば、午前中。最初の挨拶で彼女は調理担当の旨を
それとなく告げていた。おやつも、もしかすれば用意してるかも。

959夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/11(土) 00:41:56
>>957
>>958

「わたし、かきごおりたべたい!!
 イチゴをたっぷりつかったシロップとれんにゅうがかかってるやつ!!
 ひんしゅは『あまおう』がいいな!!」

ふざけているように見えるが、実際ふざけている。
マジでそんなものを要求しようとは思っていない。
この場を和ませるための軽いジョークだ。
こういうのも、ちょくちょくいれていかないとね。
『ハートフルコメディ』には、シーンごとのメリハリがだいじなのだよ。

「――なーんてのがでてきたらビックリだよね〜〜〜。
 わたしのくちにあわないものをみつけるのは、
 ミネラルウォーターの『こうど』をあてるくらいむずかしいぞ!!
 ところで、ブルーハワイって、あれなにあじなんだろうね??」

会話を続けながら、三人とサトリと共に園へ戻っていく。
用意されてるなら、それを食べればいい。
まだ用意されてなければ、
そこにサトリの案を差し入れる隙間があるかもしれない。
どっちみち自分は料理できないので、大したことはできないが。
軽く手伝うとか、子供達の様子を見ておくことくらいはできるだろう。

「もしよういがおわってたら、『ケースバイケース』ってことで。
 まだしょにちだし、きょうのうちにいっとけば、あしたもチャンスあるよ。
 なんなら、『しょくごのデザート』ってことでもいいんだし。
 わたしも、それとな〜〜〜くプッシュするからさ。
 それとな〜〜〜く」

園に着く前に、子供達に聞こえないような小声で、サトリに言っておく。
あれもこれも、まだまだ始まったばかりだ。
焦らずとも、最終的に距離を縮めることができれば文句なしの成功。
そこに向けて、一歩ずつ成果を積み重ねよう。
大切なのは、今できることを精一杯やることだ。

960天雨 サトリ『10cc』:2018/08/11(土) 09:31:48
>>958(GM)
>>959(夢見ヶ崎)

「そう……作る時の参考にさせていただきますわね!」

(ヨーグルトとブルーベリーケーキは自然に両立できるけれど、
 タイ焼きは……餡子の部分だけなら取り込める、かしら?
 いや、そもそもいくら備蓄があってもブルーベリーや餡子までは……
 ユメミガサキさんのは冗談で良いんですのよね、あっやっぱり冗談でしたわ)

           (……それより)

「あらっ、彼女はおやつもお作りになられるんですの?
 それなら……私のは明日にでも回しましょうかしら。
 あまりたくさん食べても夜ご飯が入らなくなりますものね」

(『作る』……もし『手作りお菓子』なら、『私も手伝う』と言えばいいか。
 『フルーチェ』のような『インスタントお菓子』でもそれでいいとして、
 『既製品』を出してきた場合あまり変な言い方をすると嫌味になりそうですわね)

勿論手作りお菓子を出されて『明日は手伝わせて』というのは、
言い方と相手の性格によってはイヤミに聴こえなくはないのだが……
アオキにそういう『職人的こだわり』は今のところ見受けられない。
そういうのがあるなら、出てきたお菓子を見ればある程度判断出来るだろうし。

「食後のデザートはアオキさんの方針からして『食べさせすぎ』と思われそうですし、
 ここは『明日』に回すつもりですわ。どちらにせよ、彼女の好物は聞けませんでしたし」

(金一という男に頼んで食材を持ち込む……のは、その男の性格次第ですし、
 あまり著しい評判も今のところ聞いておりませんし、怪しいところですわね)

夢見ヶ崎には小声でそう返しておく。

重要なのはアオキにも食べさせてあげる事であり、
それがあまり効果的でない現状明日に回すべきと判断する。

(そして、ブルーハワイは『ラムネ』か『サイダー』と果汁の味…………
 本格的な物なら『キュラソー』と『レモン』と、……ええと、確か……
 ああ、『パイン』だったかしら……よしましょう、曖昧な蘊蓄は恥ずかしいですもの)

そしてブルーハワイの正体についても、また今度、調べ直してからに回すべきと判断した。

961『ペイズリー・ハウス』:2018/08/11(土) 22:26:20
>>959-960

貴方たち五人は、おやつの事を話題として盛り上がりつつ
園へと戻っていく。道中に、何か特別に問題が起きたりはしない。

 ガチャ

玄関へ入る。ただいまー! とカンナが先陣をきって小走りに
事務室へ向かう。しかし、アオキの返答はない。

 「あれー?? 寝てるー」

閉まっていた事務室の扉を半開きにして、カンナが素っ頓狂に告げた。

まつり「あら、本当ですの。もう、お昼寝を先にしてますのね」

 他ふたりも、事務の中を見て肯定の呟きを行う。

確かに、事務室の中で。アオキが机に腕を枕にする姿勢で
スースーと寝息を立てていた。今日は、気候がまだ良いし
ずっとパソコンを見続けるだけだったら、眠くなるのも無理はない。

パソコン画面はスリープモードだ。少しマウスを動かしたりすれば
何を見ていたかは分かるだろう。

962夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/11(土) 23:27:46
>>960
>>961

「ん〜〜〜??」

あの素っ気無さなら、返事がなくても不思議には思わなかった。
だけど、それで終わってしまってはつまらない。
そう!!『なにか』がおこるべきだ!!
『ハートフルコメディ』feat.『サスペンス』……。
いま、ものがたりは、あらたなきょくめんをむかえる……!!

「へんじがない……。これは『じけん』のよかんがするな……」

サングラスの奥の瞳をキラリと輝かせ、閉ざされた扉の前で立ち止まる。
その佇まいは、さながらベテランの捜査官を思わせた。
傍らには、まだ発現しっぱなしだった『ドクター・ブラインド』が控えている。

「たのしいじかんをおえて、もどってきたしょうじょたち……。
 しかし、そこにいるはずのアオキからのへんとうはなかった……」

「それをかわきりに、つぎつぎにきえていくひとかげ……。
 さいごにのこったひとりがもくげきした、
 しょうげきの『しんじつ』とは……!!」

「――まぁ、ようするに『オネンネしてる』ってことなんだけど」

『ドクター・ブラインド』の『超聴覚』で、室外からアオキの寝息を聞き取る。
それにより、カンナが扉を開く前にアオキが眠っていることを悟り、
一言告げる。
といっても――ただ『やりたかっただけ』なので、特に深い意味はないが。

「ねぇねぇ、これってチャンスじゃない??
 もうオヤツはよういしてあるのかな??
 されてなかったら、かわりにわたしたちでよういするってどう??
 『よういされてなかったから』っていうりゆうがあれば、
 そんなにつよくモンクもいわれないよ、きっと」

サトリに近付いて、小さな声で話しかける。
もし作るとしても、メインで腕を振るうのは彼女なので、
決定権はサトリにある。
提案はしているが、この案を特に推し進めようというつもりはない。

「う〜〜〜ん。あっ、いいコトおもいついた!!
 『アンコとブルーベリーとヨーグルトをたっぷりつかったタイヤキがたのケーキ』
 をつくれば、みんなだいまんぞく!!」

ふざけているように見えるが、実際は『ふざけていない』。
『これはマジで言っている』。
喜色満面で嬉々として話す無邪気な表情が、それを物語っていた。

  シュバッ

アオキを起こさないように、
『ドクター・ブラインド』の繊細な指でマウスを軽くつついて、
スリープモードを解除してみる。
『あんみんようリラクゼーションおんがくしゅう』でもみてたか??
それとも『セミのウカ』かな??

963天雨 サトリ『10cc』:2018/08/12(日) 01:18:34
>>961(GM)
>>962(夢見ヶ崎)

「事件………………って、びっくりしましたわ。
 お眠りになってるだけですのね。それなら良いのだけれど」

夢見ヶ崎の冗談には慣れてきたつもりだったが、乗せられるところだった。

寝ている……のは別に不思議ではない。社会人でも居眠りするのだ。
小中学生の境目程度で、家事まで任されているアオキがしない理由はない。

「ともかく……お疲れのようですわね、そっとしておきましょう」

              ス

口元に指を当てるジェスチャーをしつつ、部屋には踏み込まない。
そして、部屋に踏み込む『ドクター・ブラインド』を止めもしない。
自分はしないし他人にもするなと言うが、『して欲しい事』もある。

「いい案ですわ、ユメミガサキさん。一先ず台所に行って、
 もし用意が無ければ――――作りましょう、とびきりのおやつを」

夢見ヶ崎には小声で返し、部屋の中からは目を切っておく。
見ていた動画は気になるが、皆でじろじろ見るようなものでもない。

「ひとまず台所にいきましょうか、皆さん。もうおやつが用意されてるかもしれませんし、
 なければ……その時は私が作って見せられるかもしれませんわ。材料にもよりますが」

                      「どちらにせよ、私は楽しみでしてよ」

964『ペイズリー・ハウス』:2018/08/12(日) 22:20:58
>>962(夢見ヶ崎PC)

>アンコとブルーベリーとヨーグルトをたっぷりつかったタイヤキがたのケーキ

カンナ「ま まずそーだぞ……」

まつり「餡子とブルーベリーは合わないと思いますわ」

貴方の捻りだした、新作おやつに関しては余り好評化を頂けなかった。

それは、さておき。スリープモードを静かに解除して アオキが寝ている隙に
画面を覗き込む。

見ていたのは動画サイトではない。フェイスブックなどの、誰かの
プログなどが掲載されている個人向けのようで、青々とした空と
日本ではない山の風景に、人の行き交う町の画像が掲載されてる。

一つの、サイト運営者らしいコメントにマウスの矢印が置かれていた。

『アオキ そっちはどうですか? 私たちは元気に暮らしてる。
こちらでの生活が落ち着けたら、また園で昔のように過ごしたいですね。
 能力の事で悩むのはわかるけど アオキなら大丈夫!
きっと、貴方なら自分の力に振り回されないって信じているよ
もし本当に全部嫌になったら、私たちを何時だって頼っていいから』

どうやら、老婆の話にも出ていたアオキの昔の園の同居者だ。
 アオキは、自分のスタンド能力を持て余しているのだろうか……?

>>963(天雨PC)

アオキは寝ている。そっとしておく事に貴方は決めた。

厨房へと向かう。三人も、睡眠中の彼女に構うよりも貴方に付いて行く
事を選んだ。今日のおやつに関して雑談もしつつ到着する。

おやつは……どうやら未だ用意されてなかったらしい。貰ったフキなど
置きつつ、調理を開始しても良さそうだ。

965夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/12(日) 23:36:28
>>963
>>964

「ふっふっふっ、このよさがわからないのもしかたがない。
 なんてったって『オトナのアジ』だからな!!
 あとじゅうねんくらいはやかったかなぁ〜〜〜??」

子供達の反応を見て、ガッカリするどころか、むしろ喜んだ。
いいねー、そのはんのう。いいねいいねー。
ずっとマジメなことばっかりやってるのもつかれるしな!!
ちょうど、こういうくだけたカンジのリアクションがほしかったところだ。
ついでに、なんとなくフンイキもなごんで『いっせきにちょう』ってか??

(のうりょくでなやむ……??
 じぶんのチカラにふりまわされる……??)

そもそも、『自分の能力を持て余す』という感覚が、
いまいち理解できなかった。
自分は自らの意思で、
『ドクター・ブラインド』を自由自在に操ることができる。
自分の能力を持て余した経験など一度もない。
だから、
『自分の能力は自分自身で完全に制御できるのが当然』だと思っていた。
今まで知らなかったが、
本体の意思で制御できない能力というのもあるのかもしれない。

(なんにせよ、きちょうなてがかりゲット。
 あとでけんさくできるように、
 ここのサイトのタイトルとかかんりにんのなまえでもメモっとくか??
 りれきけされるかもしれないし)

スマホのメモアプリを立ち上げて、
念のためにサイトのタイトルとか管理者名とか、
検索に使えそうな単語をいくつかメモっとく。
なんかすげーわるいことしてるかんあるけど、
サトリちゃんにはにあわないし。
ま、こういうのがわたしのやくわりってコトで。
『それが適材適所という物でしょう?』
ん??あ、これココにきたときにメモったサトリちゃんのめいげんだ。

(そんじゃ、あとはわたしらにまかしてゆっくりオヤスミ)

作業を済ませたら、アオキの寝顔に軽く手を振り、
四人の後を追って厨房に向かう。
会心のアイデアが却下されたから、
メニューはサトリに一任することになりそうだ。
ぜったいウマいのになー。
あとなんねんかしたら、はやるな、たぶん。
しょうらいのせいひんかにむけて、
まえむきにけんとうしてくれるおみせをぼしゅうちゅうです。

966天雨 サトリ『10cc』:2018/08/13(月) 00:10:15
>>964(GM)
>>965(夢見ヶ崎)

(あんこと、ブルーベリーと、ヨーグルト……
 全部加えることが出来るとすれば『アイスクリーム』?
 それは手間がかかりすぎるかしらね、『かき氷』なら……
 ユメミガサキさんのジョークにヒントがあったようですわね)

        (……とはいえ、ブルーベリーだけというのはどうかしら。
         そもそも彼女が食べたいのはブルーベリーのケーキ。
         なら『クリーム』も使って……氷が解けたら惨事ですわね)

    (ヨーグルトも……それだけじゃあ味気ない。
     『ミルク氷』にして、フルーツソースと一緒に?
     ……時間がかかりすぎますわ。出来ても明日以降ね)

(それに、かき氷ではアオキさんに差し入れるには向いていない。
 起きるまで待っていたらほぼ間違いなく溶けてしまうでしょうし、
 起き抜けに氷菓を食べるのは身体に優しいとは言えないでしょう)

            (……何か他のものを考えましょうかしら?
              いえ、氷は『すぐ削ればいい』し……
               今すぐ選択肢から外す程『ナシ』でもないか)

台所を見渡し、おやつが無いのは確認した。
そうなれば作るしかないわけだが――――材料と機材を確認しておこう。

基本的な『調理器具』はあるとして、かき氷機はあるだろうか?
また、名前が挙がっていた食材――――具体的に言うなら、
『ヨーグルト』『あんこ』『クリーム』『ブルーベリー』『いちご』『氷』『牛乳』だ。
今使うかはともかく、あるか無いかは確認しておきたい。今あれば明日もあるだろう。

「――――ユメミガサキさん、後で『見たもの』を教えてくださいまし」

調理器具と材料を探し回る中で、夢見ヶ崎の横を通りながら小声で耳打ちする。
我ながら卑怯なやり方ではあるが、別に『公正』や『明快』を常に志しているわけでもない。

967『ペイズリー・ハウス』:2018/08/13(月) 20:28:34
>>965(夢見ヶ崎PC)

スタンド能力には色々ある。その中には、意図せず自分の意思に
反して能力が作動する事だって有り得ない話ではない。

サイトの名は『イマジン』

管理者の名前は『キーア』と言うらしい。

アオキは、中々深く眠りに入っているようで起きる気配はない。

厨房に入ると、丁度天雨が調理を開始しようとしてる所のようだ……。

>>966(天雨PC)

貴方はこれから作るおやつについて悩む。

この厨房には、お腹を空かせた子供達……十五かそこらの成人
差し掛かる子供達も満足させる為の場所だ。棚などに必要な
調理器具は、すぐ探せば見つかるだろうし。調味料もそうだ

カンナ「早くおやつを作るぞー!」

まつり「あぁ、私はアフタヌーンティーを作るんですわっ
お茶っ葉に、陶器を用意しませんと」

くぬぎ「……」アセアセ

 三人の子達は、調理室を各自好き勝手に動く。
カンナは色々と棚を開いては、食べ物を吟味するし。まつりは
お茶っ葉を取り出して、ポットで湯を沸かそうとしてる。
くぬぎは、そんな二人の間を少し慌てた様子で右往左往している。

968夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/13(月) 21:57:41
>>966
>>967

「お〜〜〜、やってるやってる。みんな、がんばってるなー」

厨房に入るなり、まるで他人事のような調子でノンキなことを言う。
できることといったら、せいぜい手伝うことくらいか。
もっとも、まだ作るものが決まっていないのであれば、それもできない。

   ビシィッ

サトリの言葉に対して、無言で『敬礼』の動作を行う。
後で検索して同じサイトが引っかかれば、もっと詳しいことも分かるだろう。
まぁ、今はオヤツが優先だ。

「で――そのようすだと、まだきまってないんでしょ??
 う〜〜〜ん、『フキをつかったケーキ』……」

先程にもまして不吉な台詞を吐きながら、頭をひねる。
フキをつかったクッキー、フキをつかったアイスクリーム……。
ヘルシーをぜんめんにだしたしんかんかくスイーツ!!
いま、わかいじょせいのあいだで『さんさいスイーツ』がだいにんき!!
こちらのおみせでは、セリとワラビとゼンマイをぜいたくにつかった、
『さんさいパフェ』がいちばんにんきで……。

「そういえば、じつはおひるに『やさいスティック』たべたかったんだよね。
 『サワークリーム』をディップしてさ。
 そんなカンジでなんかできない??」

「しょくパンとかをひとくちサイズにきって、
 それにアンコとかブルーベリージャムとかヨーグルトつけてたべるとか。
 『スイーツけいディップ』??みたいな??
 はやくつくれそうだし、パンだったらケーキとかタイヤキにもちかいでしょ」

「かけるときにスプーンつかえばまざんないし。
 いっしゅるいだけにするもよし、にしゅるいのせるもよし、
 ぜんぶミックスするもよし、そのへんはおこのみでってコトで。
 そんなんどう??」

今は手伝いようがないので、とりあえず手の代わりに口を出す。
野菜スティックとディップに着想を得たアイデアだ。
『タイヤキ型ケーキ』に比べるとインパクトが弱いけど、
そこは涙を呑んで妥協しよう。

969天雨 サトリ『10cc』:2018/08/14(火) 04:11:47
>>967(GM)
>>968(夢見ヶ崎)

(フキを使った……冗談ですわね、多分)

野菜スイーツの一環かと思ったが味は想像したくない。

「お察しの通り決まってなくてよ。案はあるけれど……
 どうにも私が思い付くスイーツは時間がかかりますわ。
 もう少しお手軽で、美味しく食べられる物があれば……」

            「……ディップ」

     キョロ
          キョロ

「ディップは素敵ですわね」

視線と手先で求めるのは『パン』だけではなく、『クラッカー』も。
前者を用いれば昼食や朝食とさして変わらない重さになりそうだし、
複数種の『ディップ』を楽しむなら軽く食べられる物も用意して良いだろう。
調理の必要がなく、また存在を確認できれば朝食や夜食にも応用できるのも良い。

「良いアイディアですわ。ユメミガサキさん。貴女は想像力が豊かですのね。
 パンの細切りを砂糖やバターで炒めた『シュガースティックパン』も作りましょうか、
 それもディップしてもいいし……好みのソースが切れてしまってからも楽しめるでしょう」

              「お紅茶にもそれなりに合いましてよ」

蕗のことはまあ……保存さえちゃんとしておけばいつか使えるかもしれないし一旦忘れる。
ヨーグルト、ブルーベリージャム、あんこ。奇しくも『パン』に合う三つの食材を活かす、
夢見ヶ崎のアイディアを採用しよう――――改めて、材料や調味料を手早く集めてしまいたい。

970『ペイズリー・ハウス』:2018/08/14(火) 21:46:57
>>968-969(ALL)

料理の題材は決まった……『シュガースティックパン』!!

カンナ「おー! なんだか凄くうまそーな、おやつだー!』

まつり「良いですわねぇ。紅茶にも合いますわ
では、わたくしは本格アッサムでも、作りましょうかしら。
カンナさんに、くぬぎさんも手伝ってくださいまし」

反応は上々。ほぼ、作るのは決定と思って良い。

そう言って、二人がおやつを作る傍ら。紅茶を作ろうとするが……
何せ体格は幼児な故、紅茶の缶を持つのも危なっかしい。

カンナ「まつりー、だいじょーぶか? なんか転びそうだぞ。
能力使えばいいのにー」

まつり「へいきですわ〜。何より……紅茶を愛するものとして
軽々しくスタンドで楽はしたくないですわ……おっとっと……!」

くぬぎ「……!」アセアセ!

 まだポットなどに当たって、三人に熱湯が降り注ぐなどの事故は
起きないが、見ていて危なっかしい感じではある。

分担に関しても指示すべきかも。

971夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/14(火) 22:27:01
>>969
>>970

「ふっふっふっ、そーでしょそーでしょ!!
 いや〜〜〜、サトリちゃんはホントほめるのがウマイな〜〜〜!!
 そう!!なんてったって、わたしは『アリス』だからね!!
 ダテに、『このフシギなセカイ』をボウケンしてるワケじゃない!!
 いつもたくさんのフシギにかこまれてるから、
 ソーゾーリョクがオーセーなのもトーゼンってコトよ!!」

褒められたことで上機嫌になり、調子に乗って鼻を高くする。
あらあら、たいへんたいへん。
これじゃ『アリス』じゃなくて『クレオパトラ』になっちゃう!!
『じょおうサマ』もわるくないけど、『アリス』じゃなくなるのはこまるなー。
ギュッギュッ よし、もとにもどった。

「サトリちゃん、りょうりはまかした!!
 わたしは、『アッチのほう』みとくから。
 なんかてつだうコトあったらいって」

サトリに一言言っておいてから、三人の近くに歩み寄る。
そして、まつりの前に立つ。
彼女の気持ちを聞いて、うんうんと大きく頷く。

「ふむふむ、そのこころいきはリッパだ!!
 でもさ、もしこうちゃをゆかにバラまいたりしたら、
 それこそコウチャにたいしてシツレーだとおもわない??」

「だから、そのカンをもつのは、わたしがやる。
 つくりかたはおしえてよ??わたし、しらないから。
 『できることをやる』って、ケッコーだいじなんだ」

苦闘するまつりに対して、片方の手を差し出す。
紅茶の缶を渡してくれることを期待してのことだ。
彼女の性格を考えれば、筋が通った意見なら聞き入れてくれるはずだ。

972天雨 サトリ『10cc』:2018/08/15(水) 00:44:41
>>970(GM)
>>971(夢見ヶ崎)

(――――全ての出来事に学ぶ、という考え方かしら?
 私には無い、けれど『あった方が良い』考え方ですわね)

「想像は創造に繋がる、『上に立つ者』として必要な能力ですわ。
 それを持っている人間を褒めない理由はどこにもなくってよ。
 ……そして人を褒めるのも必要な能力。褒め上手な私をお褒めなさい」

              「フフ」

気を良くしつつ、早速調理を開始しよう。
迅速に進めれば子供達に余計な気を回させてしまうこともない。
特に、火と刃物の扱いは全部『自分でやる』。危ない橋は『練習』に向かない。

(『適材適所』、こういう説得は私がすれば『説教臭い』かもしれませんわ。
 ユメミガサキさんに重ねて似たことを言うのも、いささか『重い』でしょうし)

         (余程手が空いてる子がいれば、バターでも運んでいただきましょう)

バターは軽く、落としても飛び散らず、全てが台無しにならず、安全で、固形物だ。
運ぶのをお願いし『手伝った感』を出させるには最適だろう。頭の片隅に置いておく。

     スッ

「さて、調理を始めましょうか。私、お菓子は『本格派』でしてよ」

期待させるような事を言いつつ(あまり手伝わせない牽制でもある)パンを切り始める。
時間が許すならどんどん調理過程を進めて『ディップソース』の作成なども行いたい。

973『ペイズリー・ハウス』:2018/08/15(水) 23:05:45
>>971-972(ALL)

>そのカンをもつのは、わたしがやる。 つくりかたはおしえてよ
 
まつり「あら、助かりますわ。それじゃあ、お願いしますわね」


さて、調理の過程であるが……。

まつりは、夢見ヶ崎の言葉を好意と素直に受けとり。ある程度の
指示を交えつつ、お湯を〜度で攪拌するだとか、丁度〜度でミルクを
何滴入れるだのと説明しつつ紅茶を作る。

カンナは、ジャムや餡子を入れる皿を用意。くぬぎも、バターを
運んだりなど、彼女達なりに手伝いはしてくれた……そして。


『完成っ!』

……『シュガースティックパン』の完成だ。事前に子供達の見張りを
夢見ヶ崎が受けて、天雨が火の扱いなどを全て任せば 問題や事故が
起きる確率は低い。 

三人は、出来栄えに満足する。早く食べたそうだが、あと一人を
食事に誘わないといけない。

カンナ「さっそく事務室に行こう!」

まつり「お外で食べても良いですわね。砂場近くのタイヤ椅子
で腰掛けつつ、まったりとティータイム」

くぬぎ「……」コクコク

 外で食べる提案も一人はする。そこは自由に決めて良いだろう

974夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/15(水) 23:32:32
>>972
>>973

「りょうかい!!」

そんなにこまかくおんどしていしなくてもかわらないじゃない??とか、
ミルクはもっとおおめのほうがいいんじゃない??とか、
こっそりとおもったりした。
あくまでも思っただけだ。
思うのは自由だが、口にも顔にも出さない。

「――よし、できた!!くうぞ!!」

カンナなみのリアクションを取った直後に、三人の言葉が耳に入る。
別に忘れていたワケじゃない。
ただの冗談だ――少なくとも半分は。

「よぉ〜〜〜し!!じゃ、みんなでおこしにいこうぜ!!」

そう言いながら、サトリの方を向いた。
『意見を求めている』という意味の意思表示だ。
彼女が反対するなら、それに従う。

「ソトかぁ〜〜〜。まぁ、てんきもいいコトだし……。
 うんうん、わるくないね。
 まつりちゃん、ナイスアイデア!!
 ココ、レジャーシートとかおいてる??
 あー、あるとしたらユウギシツか??」

外で食べる案には、とりあえず賛成しておく。
差し当たって反対する理由はないし、目先の変化があれば、
アオキや子供達の違う反応を引き出せるかもしれない。
これについても、サトリに異論があれば、別に中で食べても構わない。

975天雨 サトリ『10cc』:2018/08/16(木) 01:32:27
>>973(GM)
>>974(夢見ヶ崎)

(流石はまつりさん、紅茶を分かってらっしゃいますのね)

聞こえてくるまつりの紅茶つくりの指示に感心しつつ、
どんどん調理を続けて……やがて、今日のおやつは完成だ。

「お二人が手伝ってくれたおかげで、手早く済みましたわ。どうもありがとう」

カンナとくぬぎを褒めつつスプーンやフォークなどの食器を用意する。
手で食べても後で拭けばいいが……アオキはパソコンを触るのだし、あるに越した事はない。

「お昼寝はあまり長く取りすぎては夜眠れなくなりますわ。
 健康的にも、『20分』ほどがベストと耳に入れておりますし」

         「アオキさんを起こしに行きましょうか」

まあアオキが夜寝てないとかそういう可能性はあるが……そういうそぶりも今のところ無い。

「あら、お外も良いですわね、今日は天気もよろしいですもの……
 風が強いわけでもないし、ちょっとした『ガーデンパーティ』ですわね」

外で食べるというのも特に反対する理由はない。
今日は極端に暑いとか砂ほこりが凄いとかでもないし、
……懸念するのは『狐』が寄って来そうというくらいか?

まあ、それはそれで良い思い出になるような気もする。
肉とかならともかく、動物が自然に食べる材料はブルーベリーくらいだし、過度に警戒する事もないか。

976『ペイズリー・ハウス』:2018/08/16(木) 22:34:23
>>974-975(ALL)

 貴方たちは、出来栄えにご満悦になりつつ事務室に入る。

カンナ「おやつが出来たぞー!」

開口一番に、走ってアオキに告げると。肩を揺らして、机に伏して
寝ていた彼女は少しだけ半開きで目頭を手で擦り体を起こす。

アオキ「……ぁ、おやつの時間? わかった、いま作るから」

まつり「もう作りましたわ! わたくし達五人で作りましたのよっ
紅茶もご用意しておりますわ!」

得意気なまつりの言葉に、アオキは意識を覚醒させた顔になると
貴方たち二人にも視線を向けて、呟く。

アオキ「作ったの? ……別に、起こしてくれればやったのに」

くぬぎ「……ぁ……の。一緒に……」

最後に、くぬぎがおずおずと一緒に食べようと言うのを
遮るような、大きな溜息が少女の口から出た。

アオキ「…………言っちゃ悪いけどさ、私なんて
放っておいてくれて良いよ。あんまり変に長く付き合っても
余計な事に後々巻き込まれたって、責任とれないし」

アオキ「それとも何? あんた達に世話を頼んた人が
私と仲良ししてくれって頼んだの?」

 少々、ギスギスとした空気が周囲に満ちる。聡い子供達は
その雰囲気を感じ取って、少し強張った顔に変化しかける。

 アオキには、人と仲良くなれない理由があるのだろうか?
それはともかく、今の空気は色々と不味い。

977夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/16(木) 23:11:47
>>975
>>976

   スッ

アオキの言葉を聞いて、ずっと掛けていたサングラスを外す。
そして、軽く一歩足を踏み出して、少しだけ前に出る。
アオキ以外の人間に、今の自分の顔を見せないためだ。
こんな真面目くさったつまらない姿を見られたくはない。
だが、発せられた声色から表情が変わっていることは察せられるだろう。

「今、『放っておいてくれて良い』って言ったよね。
 それは、『放っておいてくれなくても良い』とも解釈できる。
 だから、私は『放っておかない』方を選ばせてもらうよ」

「もし――もし何かあったとしても、君に悪気がない限り、
 それを君のせいにしたりなんてしない。
 だから『責任とれない』なんて言わなくていい。
 私の身は私自身が守るから」

「私は皆と仲良くなりたいと思ってる。
 そして、その中には君も入っている。
 だから、君を誘った。
 『私が、君と仲良くなりたいから』。
 それが理由」

「私が君を誘うことは私の自由。
 そして、その誘いを断ることは君の自由。
 君が『絶対に放っておいてくれ』って言うなら――
 私は、その気持ちを尊重した対応を選ぶ」

「――ただ、それだけ」

冗談の一切ない真摯な口調で、そこまで一気に言い切る。
言いたいことは言った。
あとはアオキの好きにさせる。
サトリにはサトリの考えがあるだろう。
彼女の邪魔にならないように、サングラスを掛け直して一歩下がる。

978天雨 サトリ『10cc』:2018/08/17(金) 01:35:43
>>976(GM)
>>977(夢見ヶ崎)

(私の中学生くらいの頃に似てなくもないですわね……
 私の場合はもう少し社交的だったけど、この深読み具合が)

        「…………」

「貴女は『私なんて』とおっしゃいますけれどね、
 人と人との付き合いで……『後々に余計な事』なんて、
 たとえどんな聖人君子同士も起きるときは起きますのよ。
 現に私だってそういう『いざこざ』の経験はありますもの」
 
「貴女がどんな事情を抱えているのは存じませんけれど、
 そんなことは人を放っておく理由にはなりませんし、
 そういう理由で放っておいて欲しいなら私は誘いますわよ」

(まあ……そうはいっても私も付き合う相手は選んでますけれど、
 アオキさんは子供。余計な事の規模もそれほどでもないかもしれない。
 もし……『この私でも解決できないような余計な事』を抱えているなら、
 それを見過ごして帰るなんて……『損得』抜きで私には出来ませんわね)

この場にいる誰もが10年以上、世界に『種』を蒔いて生きてきた。
それがいつ、どこで、どう芽吹くかなど誰に分かるというのだろう?
サトリとて身に覚えのある因縁、ない因縁にこの場の人間を巻き込む杞憂は出来る。

               ――――それを一人で抱え込む理由はない。

「それでも……貴女が一人の時間を大切にしたいなら私は尊重いたしますわ。
 一緒に食べるというのも急な話ですし、絶対に来いとはとても言えませんもの。 
 そんな風に、無理に『仲良しだということにする』のは、頼まれる気もございませんわ」

                    (……仕事ならやりますけれどね)

「それで、もし一緒にはお食べにならないとしても……
 バターとお砂糖がお嫌いじゃなければ、このお菓子は少し置いていきますわ」

               「私達皆のおやつとして作ったものですから」

天雨サトリは『配慮』を忘れない。もし、どうしても、食事を共にしたくないならそれはそれでいい。
特に気負う事も無く言い終えたら、後はアオキの反応を待とう。見えない地雷を踏んだならそれはもう仕方ない。
ここは学校でも会社でもない。本人が解決したくない問題を、いちから究明して解きほぐす必然性は無い。

979『ペイズリー・ハウス』:2018/08/17(金) 18:56:23
>>977-978(ALL)
(次ぐらいで、新しいスレッドに移行しようと思います)

 夢見ヶ崎は真摯に、冗談や軽い空気は打ち消し真面目に対応する。

天雨も同上に、アオキに対し自由選択を投げかけつつ答える。

アオキ「…………」

アオキ「……わかった。うん、二人の気持ちは……わかった。
そっちの三人の気持ちもね」

 デスクから、厚手の手袋らしいものを装着して。アオキは
スクッと立ち上がる。少しだけ、涙を堪えるような顔を一瞬
浮かべつつも、天井を一時見上げて 下げた時は元の薄い表情に戻っていた。

 アオキ「――じゃあ 一緒に食事しようか。みんな」

くぬぎ「……!」 パァッ

カンナ「おー! その気になったか!」

まつり「皆で食べると、美味しいですわ。日向で飲む紅茶は最高ですわよ」

 貴方たちの真剣な対応は、功を奏したようだ。
まだ、背景がどのようなものか不明ながら。アオキは少しでも
心を絆したように思える! 捻くれてるようでも、心はきっと善性だ……。

980夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/17(金) 23:29:32
>>978
>>979

正直なところアオキへの対応は、もうちょっと後にしようと思っていた。
だから、今までは遠慮した言葉を掛けてきた。
マジな態度で接したら、どうなるのかという疑問が浮かんだから、
こういう態度に出た。
――というのは、自分に対する言い訳だ。
本当は、言わずにはいられなかったから言った――それだけのことなのだ。

「ありがとう――」

「よし!!いざ、ティーパーティー・イン・ザ・ガーデン!!」

一言だけ礼を言った後で、すぐに元の表情を取り戻し、音頭を取る。
一歩進んだだけかもしれないが、今までを考えると、これは大きな前進だ。
アオキが少し心を開いてくれたことだけではない。
それによって、子供達も喜んでくれているのが嬉しい。
この暑い中で厚手の手袋というのは少し気になるが、今はいい。

それよりもオヤツをくうぞ!!
くそ!!こっぱずかしいコトさせやがって!!
あんなのは、いちねんにいっかいあるかないかくらいでいいんだよ!!
ことしは、にかい(いっかいめはスカイモールさんしょう)もやっちまったぜ!!
うんうん、やりすぎだ!!

「ところで、レジャーシートどこにあるかしらない??
 っていうか、ある??」

アオキにレジャーシートの場所を聞く。
直に地面に接するよりは、シートがあった方がよかろうと思う。
お茶とかオヤツとか置く場所としても必要だろう。

「――できたやつは、おぼんにのせてはこべばいいよね??」

振り向き、今度はサトリに尋ねる。
全部乗っけると、ちょっと重いだろう。
子供達には荷が重いが、まぁ自分達が運べばどうってこともない。

981天雨 サトリ『10cc』:2018/08/18(土) 00:38:30
>>979(GM)
>>980(夢見ヶ崎)

この局面でアオキを『放任』という形で無視する選択肢は選べなかった。
距離を詰めるなら明日以降、と考えていたが、それは手がなかったから。
機会に恵まれた以上はそれをする。『成功』したのは結果論だが、何よりだ。

(とはいえ、まだ核心には遠いですわね)

(例えばここの『園長』か誰かがアオキさんの『能力』を『独占』していて、
 深く繋がりのある人間がいると邪魔になるから『排除される』とか、
 そういう話なら……そもそも施設に部外者の私達は呼ばないでしょう。
 というより、施設に置いておかない。敷地に容易に侵入できるんですもの)

         (……子供達の世話役をさせる理由もない)

少なくともアオキの抱える面倒とは『外的要因』ではないはずだ。
さきほどアオキが外に出なかったのは『偶然』に過ぎないのだし、
本気で彼女と周囲のつながりを断ちたいと考える何者かがいるなら、
普通に一般人と接触しかねないような場所に一人ではいさせまい。

(だから……恐らく問題になるのは彼女自身の意識、トラウマ。
 あるいは、もっと正直に考えるなら――――『スタンド能力』。
 そういった内的な要因か……私が未だ知らない、鍵になる情報があるか)

(…………手袋? この季節に、それも、今から食事なのに、『厚手』の?)

                  (何かありますわね)

まだ答えにはたどり着けないだろう。思考はそこで止め、笑みを浮かべる。

            ニコ

「ええ、ええ。貴女がそう言ってくださってうれしくってよ、アオキさん。
 『パーティ』は皆でするのが一番ですものね……それでは、行きましょうか」

それから夢見ヶ崎の質問を受け、皿やコップなどを見る。量はいかがなものか。

「運ぶのはお盆でよろしいでしょう、二つあれば乗り切るかしら? 私も一つ持ちますわ。
 もし三つになるなら、分けて運びましょう。両手でしっかり持たないと危なそうですし」  

運搬用のカートとがあると良いのだが、流石にないだろうし、
あったとしても、それは食事を運ぶための物ではないだろう。

お盆を二つに分け、一つは夢見ヶ崎に持ってもらう。べつに二つとも持てる気はするが、
紅茶などの落とすとかなり不味いものもあるし、ここは慎重に行こう。空気を壊したくない。   
同じ理由で子供達には積極的に持たせない。手伝ってくれるなら嬉しい気持ちにはなるが、
彼女らが落としてしまった場合の空気などは想像するだけで恐ろしいし、熱い紅茶などは危険すぎる。


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