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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2
169
:
『きらきら星を追え!』
:2016/07/23(土) 19:56:04
>>168
「うん、任せて!」
「もう一仕事だねっ! お兄ちゃんっ」
〜〜♬ ♪
小人二人が独特のステップとリズムを奏でる。
その傍らで、ゴーストは貴方にゆっくり近づき。そして暫し
言葉を選ぶように目を閉じ、そして開くと告げた。
「私は、貴方の想い人がどう言う人物か知らない」
「あの追憶の間はね。そんなに昔に工場が産み出したものではない。
人恋しさを、覚え。私が私である存在に至ったよりも前を懐かしみ始めた頃……
部屋は産まれ、そして私が最も切望してた過去を映し出した……大切な人、ソレが
目の前にいた……けど、結局のところ『追憶』は追憶だったんだ。
人の手でも小人でも、幽霊でも……過去に触れる事は出来ない。そして放たれる
言葉も全て、リプレイでしかなかった。最初こそ私は満たされた気になってたけど
何度も脆い浅瀬を続ける内に、段々と同じ動作しかしない大切な人に悲しくなってしまった。
全て、自分の中に残る脆い記憶の再生でしかない。決して、いま私がもっとも欲しい言葉も
暖かい手で握る事は叶わない……そう考えると、あれ程の残酷な部屋もない」
説明する彼女は、風雨に晒されてもびくともしない岩のように顔は変化せずも
何処か泣きそうに気の所為でなくば見える。
「だから……その……。私は 思うんだ 貴方が出会った人は『本物』だったと」
「……此処は 現実の世界ではない。夢と光で包まれてる場所だから。たぶん、『天国』が
あるとすれば、其処に近い場所だと私は思うから……。
だから、こんな言葉もどうかと思うけど。貴方が『想い』を抱き続けてたからこそ
神様が、奇跡を贈ってくれたんじゃないかっ て……」
そこで、顔をゴーストは伏せた。次に顔を上げた時にその包む空気は
静かで元の状態へと至っていた。
「……なんて、ね。もしかすれば工場の部屋の誤作動かも知れないんだ。
私の言葉は、深く気に留めないでくれ……」
>また日を改めてお伺いします
>ここに来て、あなたに会えて良かった。そう思います
その言葉に、僅かにだが貴方とゴーストを包む空気に。この部屋は温度と言う
温度はないのだけれども、暖かい風が流れるような気がした。
「……あぁ また会おう。私が愛する 小さな星」
貴方が光のゲートを通る瞬間、ゴーストの優しい声が背中に当たった。
そして、再び光の奔流が襲う。
瞼を強く瞑っても、その強い強い光の波は貴方の目の奥へと流れ込んでいく。
今度の光は、最初に工場へ入った時よりも長く長く続いたような気がした。
――愛している 永遠に
刹那、光の切れ目に貴方は見かけた気がした。大切な人を 最も強く想う人を
その人が貴方の耳に そう伝えたような感触を最後に。
パ ァ ァ……
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