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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

146小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/11(月) 20:47:21
>>145

  「――すごいわね……。なんというか……うまく言葉にできないけれど……。
   とにかく『スゴい』わ……」

室内を埋め尽くす『奇妙』の山――まるで『前衛アートの展覧会』のような様相を見て、
無意識の内に溜め息が出る。
この工場で色々なものを見てきたお陰で、もう驚くことには慣れたつもりだったし、
『魔法』という名前やラポポの説明から、これまで以上に不思議なものが待っているという覚悟はしていた。
それでも、実際に目の当たりにすると、少なからず衝撃は受けるものだ。
気を取り直して全体を観察するが、そこには統一感の欠片も見当たらない。
あえて挙げるとすれば、『奇妙』であることだけが共通点だろうか?
間違いなく、今まで見てきた中で、一番『奇妙』な場所だと言えるだろう。
そんな時、小さな爆発音の後に、ポポノ博士の姿が視界に入った。
この『魔法』の部屋では、コミュニケーションはスムーズに進むと思っていたが、
どうやら一筋縄ではいかないようだ。
ここの主であろう博士は、コルボとは違う意味で、なかなか難しい人物らしい。

  「はじめまして……。ところで――今は何の実験をなさっているのですか?」

挨拶もそこそこに最初の質問に入る。
ラポポとのやりとりを見ると、この研究熱心な博士は、すぐ話が横道に逸れてしまう癖があるようだ。
質問するにしても、できるだけ余計な言葉を省いて、可能な限り手短に済ませる必要があると感じた。
そして、先程の彼の台詞――それらは一見すると支離滅裂ではあるものの、
何となく関連性があるようにも思える。
これは推測だが、『愛』とか『恋』とか、そういったものに関係した何かではないだろうか。
もしかすると『惚れ薬』の類でも作っているのかもしれない。
仮にそうだとしたら、何故そんなものを作るのかという疑問はないでもないが……。
しかし、これだけ奇妙な品々が溢れているのだから、そんなことを聞くのは無意味なことだろう。
おそらくは、明確な使用目的がある訳ではなく、
彼自身の好奇心や探求心を満たすために作っているのではないかと思われるからだ。

  「――それから『ゴースト』について何かご存じでしょうか……?」

博士の様子を観察し、話しかけられそうなタイミングを見計らって、もう一つの質問を投げかける。
この部屋で何か手がかりが見つかるといいが、そこまで期待している訳ではない。
とりあえず、これで有力な情報が得られなければ、また他の場所へ移動するつもりだ。


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