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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

5『手に汗握る』:2016/02/04(木) 23:02:42
>>4

店主は四十代の男性……十年ほど前に夫婦で店を開いた人物だ。
牡丹の『車屋』ともそこそこに親交がある。夫婦共に物静かながら、穏やかな笑顔が印象的だった。
腕の方も折り紙付き。

【店主】「……どうぞ」

牡丹が頼んだ『紅茶とケーキのセット』はそうメニューが豊富と言うわけでも無いこの店の、それでも目玉と言えるメニュー。
甘いケーキと香り豊かな紅茶の組み合わせは、定番故に店主の腕の良さを如実に表している。
なお、水も美味い。どこぞの『雪解け水』を使っているのだとかなんとか。
どうやら隣に座っている『眼鏡の男』も、同じものを注文したらしい。男の前にもケーキと紅茶が置かれている。
しばし、穏やかな時間が流れる……


 …………………………………

    ………………………

       ……………


―――――さて。
紅茶を飲み、ケーキを食べ、『牡丹』は穏やかな時間を過ごした。
過去形だ。つまり、完食した。
他に用があるわけでもなく、そろそろ支払いをするか……そう『牡丹』が思った時、隣の『眼鏡の男』が声をかけてくる。

【眼鏡の男】「おや、お帰りですかお嬢さん?
        でしたら……ふふ、どうでしょう。ひとつつまらない提案があるのですが……」

見れば男の方も、頼んだケーキと紅茶を平らげた後のようだ。
ともあれ、男はおしぼりで手を拭きながら顔を『牡丹』の方に向け――――


【眼鏡の男】「――――――俺と『ポーカー』で勝負をしませんか?」


……『勝負』を、持ち掛けてきた。


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