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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

163『きらきら星を追え!』:2016/07/20(水) 15:56:10
>>162

 >この工場の部屋というのは、自然に作られるものなのでしょうか?
その『想い』について聞かせてもらえませんか?
>『向こう』には何があるのですか?

『……』

小石川の問いかけに、ゴーストは暫し無言で歩だけを進めた。
 無視、と言う形に結果的になるが。彼女は貴方の質問に故意に返答
するのを拒否してる訳でなく、その不定形になりつつある工場の奥に
進む事に集中してるようだった。

 周囲は今や完全に道と言う道というものを形成し得ないものと変わっていた。
視界に映るものは白っぽい周囲の色合い以外では踏みしめてる地面と思しきものも
グニャグニャと不安定に揺れており、縦横上下共々、手を伸ばしても硬い感触が反って
こないと思ってしまう、無重力に似た不安定さが寄り集まっている。
 「うぇぇ……周りが全部ぐにゃぐにゃのゼリーで出来た見たいになってる。
此処に長くいたら、きっと体の中身まで上も下もごちゃ混ぜになりそうだ
流石に、おいらも気持ち悪くなってきたぞ」
 「おにーちゃん……私も気分が悪くなってきたぁ」

肩の小人も青い顔でグロッキー寸前だ。
 
『此処を左……前に……右……さらに右……真っすぐ、少し斜めに……よし』

 その方角という概念が全て歪んでる場所を、ゴーストは淀みなくしっかりと
歩を進んでいる。船酔いにも似た、その平衡感覚が可笑しくなりそうな状態は
ゴーストの背だけをしっかり見る事で何とか貴方は歩みを保てる筈だ。

『この道程を乗り越えられるのは……私のような存在、若しくは特殊な能力を
持った使い手か、または鍛えぬいた小人だけだろう』
 
 重々しくゴーストは、告げる。そして、少し立ち止まって、貴方の歩みが
続いてるのを確認すると、こう告げて更に何歩が進んだ。

 『大きく息を吸い込んで、そして腰に力を入れて前に倒れないようにして。
怪我はしないと思うが……それでもだ』

   カツ   コツ  カツ


    ギュ       ゥーーーーーーッンッ!!!

言われるがままに数歩の先を行くと、突如視界の中が急激に変化した。
 今まで平衡感覚が狂うような三次元を超えた湾曲で出来た周囲一帯か
ゴーストと同じ地点まで貴方が進むと、急激に空間全体が貴方のいる地場まで
空間全体が吸い込まれるように、両方の目に白い壁が貴方より少し離れた所に
納まり、そして目の中に、小さな黒い点のように感じる遠距離にあった物体が
新幹線並みの速さで迫り、そして数メートル先に『黒い扉』として確立されるのを、見た。
 貴方は、ある程度のスピードで電車が急停止した時に受けた時と同じ慣性が体に
走るのを感じたが、ゴーストのアドバイスを聞いたのなら踏鞴を踏んでも、前方に
転ぶような事は起きないだろう。

 『……着いた』



     ――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


 ゴーストが見つめる、黒い扉にはプレートが掛けられ、其処には
はっきりとした字で、こう飾られている。


               『心臓部』


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