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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

39『手に汗握る』:2016/02/08(月) 23:56:56
>>38

【眼鏡の男】「ほほー、貴女も『強運』をお持ちのようだ。
       『フォーカード』に続き『フラッシュ』とは……」


【眼鏡の男】「しかし俺の勝ちです」


男の手札が開示される。
『クローバーの10』『クローバーのJ』『クローバーのQ』『クローバーのK』。
先ほどとまったく『同一』……!
一枚の狂いもなくまったく同じ、『ロイヤルストレートフラッシュ』ッ!
有り得ない!
何らかの『イカサマ』でもしない限り、二回連続でまったく同じカードを最初に引くなどということは!
これで『牡丹』の資金はさらに『200円』失われ……二人の差は『600』対『1400』となった。倍以上だ。
あと三回負ければ……全ての支払いは『牡丹』となり、決定的な『敗北』となる。思わず冷や汗も流れるところだろう。

【眼鏡の男】「ところで――――」

男が素早くカードを回収しながら、口を開く。『燕』の瞳が『牡丹』を見つめる。

【眼鏡の男】「このお店のケーキはとても美味しいんですが、大の男ともなると量が足りなくってねぇ。
       かといって追加注文すると支払いが嵩んでしまうし、そこを残念に思っていたのですが……どうでしょう?
       『このまま俺が完勝したら、追加で注文したケーキの支払いも貴女が持つ』というのは」

男が仕掛けてきたのはバカげた提案。
『このまま完勝したら』という自信のほどもそうだが、そもそも賭けるものを追加するというのが有り得ない。
そしてこんな提案を『牡丹』が受け入れる必要性はどこにもなく、普通に考えてバカげている―――――


―――――――そのはずなのに、『牡丹』はこの要求を『断れない』。


先ほどと同じだ……『断ろう』と思っても、それを本能が『拒絶』してしまう!
新たな要求を押し付けられているッ! 押し退けることができないのだッ!


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