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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2
164
:
『きらきら星を追え!』
:2016/07/20(水) 16:19:52
>>163
続き
「『整備中』の区画は、文字通りまだ小人達の手と工場の『成長』が
加わらない場所であり……それでいて『近道』でもある。
もっとも、このルートを使えるのは。かなり少人数だが」
「この『部屋』に、貴方が知りたい『全て』が在ると言っても良い。
この『工場』の根幹を、その能力の本質を知りたければドアを開くだけで良い」
「『過去』……か。あそこには数十年前、或いはそれより最も古い場所。
人の記憶で出来る限りの再現された『山脈』に『星見町』、他にも幾つかの
建造物が小人のサイズで各部屋に設置されてる。……何故そんな場所を作るかと言えば
懐郷……言うなれば過去に埋もれ、すでに味わえなくなった味を、せめて金平糖を齧る
一瞬だけでも再現する為だな……無論、限界もあるだろうが」
『過去』の区画も『金平糖』の味への素材。そうゴーストは説明する。
だが、次の貴方の質問。その質問には初めてゴーストは滑らかに動かしていた口を止めた。
>どのような形であれ……私は、もう一度愛する人と言葉を交わし合い、
>そして触れ合えたことに感謝しています……
「――何?」
ゴーストは、その時初めて。ぎこちない微笑みや、造りめいた徒労の表情など以外で
初めて……『驚き』と思しき顔を露わにした。
目を大きく開き、その透明な視線は貴方に固定され、そして肩への小人に移る。
「……本当に? 本当に、触れ合って望みの言葉を
『追憶の間』で想い人が告げたと?」
「うん。巨人は嘘を言ってないよ、ゴースト。
あのねっ、あったかそうな空気を羽織った巨人がね。こっちの巨人と
一緒に抱きしめあって、涙も拭ってたよ。本当だよ」
「…………」
ロポポの答えに『ゴースト』は、小さな驚愕を顔に秘めたまま貴方を数秒じっと見つめる。
そして、大きく息をついてから。再び彫刻に近く無の表情へ顔を固めた。
「……一先ず、だ」
口火を切る。貴方が追憶の間で体験した事柄に関しては、少し後回しになるが
この本題を終わらせてから『ゴースト』が回答してくれるだろう。
「貴方には選択がある。扉を開くか……それとも元の場所に戻るか。
決して中のものが恐ろしいものとかではないが……この工場の秘密を
知ると言う事は……小さな確立かもしれない。けれど、この『工場』を
掌握しようと邪念を抱いてるかも知れないものがいれば、その危険を
貴方も背負う事を意味してる。その些細かも知れないリスクを負いたくなれば
このまま扉を開けず、帰る事も一つの道だと私は告げる。
そうするなら、私は貴方を元の場所まで送り届けよう。
さぁ…… 選んで欲しい」
『ゴースト』は、貴方に選択をなした。
このまま『心臓部』のある黒い扉を開くか。
または……あるかも知れない危うい未来を考慮して、このまま幾らか
目にした工場の秘密を胸に秘めて現実世界に戻るか……だ。
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