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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

142『きらきら星を追え!』:2016/07/08(金) 22:10:23
>>141

 フォンフォンフォンフォン……  グルグルグルグルグル

 「むぅ!? ふむっ 中々のナイフ回しではあるが。ふんっ!
その程度でこのコルボが満足するとでも……」

 傲慢なる小王のコルボは、最初こそ貴方が取り出したナイフ、そして其の
回転に対し少しだけ感心見せつつも鼻で笑う。

 ギ ラ リ ッ

「ほ ほぇっ!? お、おい巨人よっ い 一体全体なな何」

 スゥゥゥゥゥゥ……

「っ!? お、おい止めっ」

 シュパァァァァァンッ!!

「きょええええええぇぇぇ〜〜〜〜!!!!??」

 効果覿面っ!!

一瞬鈍く光るナイフ、そして不穏な台詞と共に貴方の首に向けられたナイフ。
 それに次の行動を予測したコルボは制止しようと声を荒げようとしたものの
自分の偉さを笠に、小人としての俊敏な動きを半ば忘れてグルメの審査だけしてきた
彼に貴方を力ずくで止める術など無い。そしてポロっと転がり落ちた貴方の首を見て
素っ頓狂なソプラノの悲鳴を上げる。周囲の小人はいま起きた現実が整理出来ず固まったままだ。

さて、そんな『三重の驚き』を披露した貴方。そして其の後のグルメの自称小人王であるコルボであるが。

ブクブク……。

「あらまぁ、コック長ってば泡を吹いて気絶してるよ」

「仕方がない、山脈のほうにでも連れてって適当に凄く冷たい雪解け水でも掛けてやれ。
今まで散々偉ぶってたんだから良い薬さ。
 ――巨人よ有難うっ! 我ら小人のコック! 貴方に最大限の賛辞を!」

『貴方に賛辞をっ!』

 何人かの給仕服の小人が、よろめきつつ気絶したコルボを担いで隅のほうにいき
貴方を工場に連れて行ったヨポロ達の時と同じく、壁にキラキラ光る入口を作ると
その光の輪っかへ入り、そして瞬く間に消えた。どうやら小人達は独自で最短で
工場内を移動する事が出来るようだ。
 そして、小人達は我に返ると一斉に貴方へと礼を告げてきた。コルボへと強い
衝撃を与えた貴方に気分を害した様子は見られず、羨望の眼差しがチラホラと見れる。
 きっと、これ以降はコルボも威張る性も大人しくなり、小人としての役割を実直に勤め上げる事だろう。

 「――さて、貴方は金平糖に対する味付けを知りに来たのですよね?
コルボはあぁも勿体ぶっておりましたが。我ら小人にとって、その技巧は
さして労力を厭わぬもので御座います。
 口で説明するよりも、見せるほうが良いでしょうね。よしっ、それじゃあ早速だ!」

 パンパン!

一人の、コック長の次ほどに立場が上なのだろう。コルボより少しだけ短いコック帽を
被った小人の手拍子と共に、給仕服の小人の数人が何処からか忽ち『金平糖』を
二つ運んできた。そして貴方の近くに置く。

 「まず、これは『込めてない』金平糖なのですっ!
普通に、貴方がた巨人の作る金平糖で御座います。このままでも確かに純粋な
ザラメや氷砂糖が合わさった菓子は美味しいかと思いますが。我ら小人はこれに
更に『想い』を込めるのですっ! 実際に、ご照覧あれっ!」

 コック帽の小人は、近くにあったワゴンから『イナゴの佃煮』のミニチュアに
手を伸ばし、目を閉じてパクッと味わった。
 そして、咀嚼して食べ終わると。少しだけ力強い目つきになり両手を上げてモゴモゴと何か唱える。
すると、どうであろう! その小さな両手には僅かながら発光が産まれ、その淡い光の粒子は
徐々に強まっていく。光が最大まで高まったと思えると同時に、掲げた両手を小人は振り下ろす。
 
 チチンプイプイ!!     ―――ぺかーーっ!!

 「……よしっ、どうぞ食べて見てくださいっ!」

そう言って貴方へと小人は金平糖を運び手渡しする。

 貴方は促されるままに金平糖を口に運び、そして噛むと同時に思い起こされるだろう。
イナゴの食感、そして佃煮としての風味、それ等は貴方が前に食べたイナゴの佃煮風味の
金平糖と、また少し微妙に精密な部分で違いを感じたものの。
 この今、コックの小人が見せた行動こそが不思議な金平糖を作る為の工程だろう貴方は知る事が出来た。


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