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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

111小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/18(土) 22:54:00
>>110

  ――『ロポポ』……『お兄ちゃん』……『外に出てきた』『ヨポロ』……『花の蜜』……。

少女の話した内容を頭の中で反芻する。
それらは、いくつかの示唆を与えるものではあったが、まだ核心に至るものではない。
この一件の全貌を知るためには、彼女の仲間達から話を聞く必要があるようだ。
そう考えていた矢先に、二人の『小人』が飛び出してきた。
見るのは二度目だが、改めて見ても素早い動きだ。
自分が『スーサイド・ライフ』を振るう速度と同じくらいのスピードだろうか?
彼女の言う『お兄ちゃん達』というのは、やはり彼らのことだったらしい。
会話の内容から考えると、どうやら『ロポポ』は真ん中に当たるのではないかと思った。
そして、『ロポポ』の言葉からある程度は想像していたが、二人の『小人』は警戒心を露わにしているようだ。
今のままでは、話を聞くどころではない。
まずは、彼らの警戒を解いておくべきだと考える。
携帯を握る『手』を操作して、新たな内容を打ち込む。

  『驚かせてしまってごめんなさい。私は、この工場を調べるために来た者です。
   あなた達に何かをするつもりはありません。
   できるなら、向こうの方で少しお話を聞かせてもらえませんか?どうか、お願いします』

携帯の画面を見せて、『小人』達の反応をうかがう。
それと共に、切り離した『パーツ』を、彼らから遠ざかるようにして、徐々に移動させていく。
本体のいる場所に誘導するためだ。
切り離した『パーツ』を通して話すよりも、直接顔を合わせている方が、話もスムーズに進むだろう。
いずれにしても、この狭い場所では、少々話もしづらい。
もう少し広い工場内中央付近で話をしたい。
そこまで考えて、左手の中にある『スーサイド・ライフ』に気付いた。
なにしろ形が形だけに、それが彼らの警戒心を煽ってしまう恐れがある。
彼らが来る前に左手は背中側に回して見えなくしておく。
彼らが警戒して来てくれないようなら、『パーツ』を途中で静止させて、来てくれるまで待つことにする。
彼らがやって来てくれたのを確認したら、まず切り離した『パーツ』を再接合する。
そののちに、『スーサイド・ライフ』を解除しておこう。

  「――自己紹介が遅れてしまったわね……。私は小石川文子。どうぞ、よろしく……」

もし、彼らがこちらの申し出に応じてくれたら、笑顔でそう言うつもりだ。
そして、その笑顔は、内面の葛藤を完全には隠し切ることのできない、陰のある微笑みとなっているだろう。
果たして、彼らは応じてくれるだろうか……。


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