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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

158『きらきら星を追え!』:2016/07/17(日) 23:23:32
>>157

 『    ……    』

『私が何者か   か……』

『……もう永く  此処で過ごし続けた。もう永い間……記憶を背負う事を
億劫と感じる程に。……私が何者か か……』

 『   ……忘れて …………しまったよ。
しいて言えば 私はゴースト。この工場の管理人……それでいいじゃないか』

暫く、女性は眼を閉じ 瞑想するような表情で白い壁に額を突き合わせるように沈黙を守っていた。
 そして、掛けられた貴方の言葉に。静かにだが良く通る声で室内の白に溶かすように答えた。
ゴーストは自身の事を、貴方に独白する事はしない。それが文面通りにすべての過去を過去と割り切り
工場の外へ出してしまったが為か……若しくは彼女も貴方と同じく誰かに伝えるには苦しい過去を
背負う者の一人なのかも知れない。一つだけ事実なのは、これ以上彼女は自分自身について
深く内情を洗いざらい言う事はない。少なくとも『今』はまだ……。


また暫く鎖された口、そして時。だが次に後に開いた瞳は。
 透明な中に何かしら強い一点の光を携え。貴方を見て告げる。

 『少し   歩こうか』

 ……貴方はゴーストに連れたって歩き始めた。肩には居心地悪そうなラポポに
少し緊張した感じでロポポが座り、ゴーストの背を見つめてる。
 歩く方向は、あの廊下の突き当りの過去←→この先整備中 の方角だ。
 
 床を叩く一定の音と共に、ゴーストは流れるように貴方へ告げる。
『……この工場は、謂わば現実に近くも、かなり遠い場所にある。
謂わば【異空間】と称すべきなんだろうな。其処に、此処はある』

 彼女が何て事のないように話し始めたのは、貴方にとっては
衝撃的に感じられるかも知れない内容が幾つか含まれていた。

 曰く、この『工場』は現実とは異なる空間に存在する。
この『工場』を行き来する手段としては、一番自由に出入り出来るのは
『小人』であり、次に『小人』が許したものが工場に入る事が出来る、との事だった。

『だが、これも意外とね。中々安易なものではない』

『小人は一度気が許したものに対しては寛容だし、犬猫のように人懐っこいのが大部分だが。
反面……危害を加えようとする行動や意思には頗る敏感だ。
 だから危険だと思える生物には直ぐに自分達から離れていく……その性質が
長らく彼らが他の、スタンド使いと言われる者たちからも暴露されてない理由だろう。
 例外としては私が何かしら小人が見える存在を連れて来てくれるようにするとか、そう言う
指示をしてたりなどすれば別かも知れないが……そう言った部分も含めて
突然の招かざる客であるが、貴方を強引に追い出さない訳でもある……最も
工場を、小人達を傷つけようとする素振りが少しでもあれば……私も何かしら手段を講じたか』

 「! おいっ、巨人は何もおいら達にひどい事をしてないぞっ。
おいらにロポポも母ちゃんから守ってくれたし父ちゃんも助けた。
意地悪なコルボだって驚かせただけだったし、それに それにっ」

『……』

穏やかでない言葉に。ラポポは向きになって言い返す。だが、それを
暫し無表情で見つめてから。フッとゴーストは軽く、その時はじめて柔らかと
思える表情を作り上げた。

 『大丈夫だよ……君らの友達を傷つける気はない。
むしろ……あの部屋に入って苦しんだのは、彼女のほうだろうから』

 「それは どうして?』

ロポポが次にゴーストへ首を傾げ聞く。ゴーストは、少しだけ瞼を伏せて呟いた。

『……追憶の間は、去りし日々の、一番思い出深い時を再現してくれる。
それは、とても焦がれた時であり、願ってもない光景だろうけど。
 だけど自由の利くものじゃない。すべては過去の自身の記憶のリプレイでしかない。
だから、どんなに再現をしても。自分の最も会いたいと思える人の姿は
記憶の産物の再現にしか鳴り得ない……そう気づけば、更に深く傷は増すばかりさ』

 「……え? ん??」

ロポポは、ゴーストの言葉を聞いて困惑と疑問を織り交ぜた顔で貴方と
ゴーストを交互に見比べた。……確かに今の内容は少し何か齟齬がある気がする。

 ゴーストは整備中の道に曲がるようだ……まだ何点かの質問に答えてくれるだろう。


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