したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

442小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/14(金) 10:35:51
>>440

  「……感謝します」

自分の話が通じたことを感じて胸を撫で下ろす。
それと同時に、安心したことによって、ふと冷静さが戻ってきた。
『アイアン・セイヴィアー』の前に飛び出す直前に、
ヤジと天羽から言われた言葉が脳裏で繰り返される。

続いて、その前に自分が発言した内容を頭の中で反芻する。
もしかすると――改めて考えてみると、これはおかしなことなのだろうか?
二人が自分に掛けてくれた言葉を思い直すと、そんな風にも思えてくる。

自分は間違っていたのだろうか?
しかし、今になって参加を断ることはできない。
それでは約束を破ることになってしまう。

やはり――ここは参加することにしよう。
静かな葛藤の末に、改めてそう決心した。
それに、これで一つの事件が穏便に解決するというのなら、それは何よりだろう。

  「あれが……人型実体化スタンド。
   本当に人間そっくり……」

一斉に現れたスタンドの群れを見て、少し前に見たスタンドを思い出す。
人間そっくりという所は、あの少女のスタンドと似ている。
そして、複数体が存在するという点では、また別のスタンドとも共通する。

けれど、それらの経験は、ここでは一旦忘れよう。
このスタンドに関しては、まだ何も分かっていない。
本体である謎の女性と併せて、このスタンド達も謎だらけなのだから。

  ――警戒されないように『指』は戻すとして……。
     『目』は……残しておくべきなのかしら……。

思案しつつ、テーブルにつく前に以下のことを実行する。

まず、切り落としていた2本の『指』は元通りくっつけておく。
しかし、『目』は分離させた状態で残しておき、
テーブル全体が見渡せるような位置に移動させる。
その際は何かの陰になるような位置に配置して、
できるだけ見つからないようにしておきたい。

肝心の『スーサイド・ライフ』自体は――
解除する訳にはいかないので、そのまま持っておくことにする。

  「――シャンパンを……」

席に座ってメニューに軽く目を通し、少し考えてから注文する。
こういった場では、やはりアルコール類を頼むべきなのだろうか?
知識としては知っていても、こうした催しは縁がなかったので内心戸惑っていた。

  「小石川文子と申します……。年齢は28歳。
   星座は天秤座。血液型はA型です」

  「それから――すみませんが、少し『手』を貸していただけませんか?
   本当は自分の手を使いたいのですけど、
   ご覧の通り片手が動かせないものですから……」

爽やかな青年のスタンドに、そう言って頼む。

  「手の甲を上にして、テーブルの上に乗せてもらいたいんです。
   できるだけ指と指の間を大きく開くようにして……」

彼が応じてくれたなら、謎の女性の要求した通り、ささやかな『芸』を始める。

     ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ッ ! !

高速かつ精密なナイフ捌きを駆使して、
青年スタンドの手の甲の上で『スーサイド・ライフ』を何度も往復させながら、
指と指の間に素早く刃を突き立てる。

  「……お粗末さまでした」

『芸』を終えたら、軽く頭を下げる。
今の所の役目は果たした『スーサイド・ライフ』は、とりあえずバッグの中に入れておく。
もし、青年スタンドから『芸』の手伝いが得られなかったなら、
『芸』を披露するのはやめておくことにする。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板