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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

638夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/21(月) 19:17:10
>>637

   「――誰?????」

走りよってくる金一を見て、『これっぽっちも覚えていない』ような表情で言葉を発する。
もちろん、これはほんのジョークだ。


   ――『半分』は。


「なんちってェ〜、軽いジョーダンだよ。
 『金ちゃん』でしょ、『金ちゃん』。ねぇ、『金ちゃん』?」

そう笑いながら言いつつ、当たり前のように金一の首に腕を回す。
そのまま恋人にするように顔を寄せ、耳元に唇を近付ける。
生温かい息が、金一の耳にかかる。


「――あのさぁ、後で『金ちゃん』に用事があるから、ちゃんと予定空けといてね。
 私のお陰で首の皮が繋がったってこと分かってるよねえ?


    もしすっぽかしてバックれたら――『        』するから」


恋人とは程遠い有無を言わさない威圧感を背負いながら、金一に囁きかける。
その後、マイクを受け取り、ゆっくりと観客席を見渡す。
やがて、大きく息を吸い込んでから口を開いた。


「 私は『アルカラ』じゃあない!

  『夢見ヶ崎明日美』だ!!

 『美しい明日を夢見る女』の名前だッ!!

 そこに座ってる全員、たった今から頭の中に叩き込んでおきな!!! 」


腹の底から声を張り上げ、その叫び声を闘技場の隅々まで轟かせる。
そして、ベティの方へ顔を向け、サングラスを外す。
瞬き一つせず、重苦しい表情で、正面からベティを睨み付ける。


      「――『嘘吐き』」


低い声で、ぽつりと呟く。
先程の叫びと比べると遥かに小さいが、それ以上に重い響きのある声だ。
その声色には、静かな怒りの色があった。


     グッ……!!    ギリリッ……!!

        ポタ…… 
              ポタ……


負傷している手を強く握り締める。
当然、激痛が走り、血が流れる。
しかし、そんなことなど関係ないし、気にもならない。


「『全力を出す』と言っておきながら、最後の『手抜き』は何?
 どうして最後までしっかり意識を保っておけなかったの?
 それとも何?ベテランの『お情け』でルーキーに勝ちを恵んだつもり?
 そんなもので私が納得して満足するとでも?
 人を見下して馬鹿にするのも、いい加減にして……!!」


自傷はベティが勝手にやったことだから、私の知ったことじゃない。
ただ、どんな理由があろうが、最後の瞬間にベティが自分から僅かに動きを緩めたことが、
どうしても許せない。
私は、最後の最後まで全力で攻めてきて欲しかった。

当然ベティもそのつもりだっただろうから、ここで彼女を責めるのは酷かもしれない。
それでも、たとえ何らかの不確定要素が原因だったとしても、ベティを責めずにはいられない。
彼女に手を抜く気がなかったとしても、最後の瞬間にベティが動きを緩めたことは事実だからだ。

もし、あの時ベティが動きを緩めなければ、結果は違ったものになったかもしれない。
相打ちになったかもしれないし、もしかすると倒れたのは私だったかもしれない。
それでも、もし仮に結果が敗北だったとしても、私は受け入れることができた。

お互いが本当に全力で激突して出た結果なら、悔いはない。
それなのに私は、それがベティの意思でなかったとしても結果的に『手抜き』をされ、
『偽りの勝利』でお茶を濁された。
最後の最後で『馬鹿にされた』ことが許せない。


      「 この――『大嘘吐き』ッ!!!!! 」


抑えていた感情が爆発し、激昂と共に絶叫する。
これに対し、ベティが何を思い、答えるのか。
それを見届けなければ『終われない』。


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