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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

152『きらきら星を追え!』:2016/07/14(木) 10:02:27
>>151続き
〜〜〜♬

 伴奏が流れている。曲はピアノのスローJジャズだ。

貴方はバーのカウンターの丁度手前に立っている。周囲は薄暗い中に
淡く輝くオレンジのライトを見るに時間帯は夜だろう。
 
 「うわぁ……綺麗な場所」

 「へぇ、大人の巨人達ってこんな洒落た場所に来るんだなぁ」

肩のほうから声がした。無論、貴方にずっと付き従ってるラポポにロポポだ。
 真っ白な室内に居た筈が、貴方にとって思い出深い場所である
Heads or Tails(ヘッズ・オア・テイルズへと、小人と共に貴方はいる。
 カウンターでは、丁度貴方の知り合いであるマスターが黙々とグラスを拭いている。
わざとか、それとも気づいてないのか。貴方に対して何か反応して干渉する様子はなかった。
 これはスタンドによる幻覚なのか、それとも本当の瞬間転移なのか。そう言った
疑問も貴方には生まれてくるかもしれない。だが、それは次に後ろから聞こえた
言葉によって、全て芽吹こうとしていた疑問は終ぞ流されてしまう事であろう。


            「――文子」


 ……それは、貴方がもっとも忘れずにいた人の声であった。
 
   それは、貴方のことをきっと誰よりも知るものの声だった。
   
   それは、貴方にとって、何モノにも替え難い、もう一度聞きたい声であった。

   
 貴方が振り向けば、其処には。

 右手の指は『六本』。身長は180程の長身ながらも全体的な雰囲気から優しさが滲み出ている。

 たった一言の名前の呼びかけ。それだけにも関わらず慈愛と貴方を想う気持ちが
溢れ出ていて、そして其の顔と眼差しは全てを貴方に委ねる事を認知している。


 貴方の愛する者   ――『小石川 治生』
 
 その彼が……貴方へと微笑みかけ佇んでいた。


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