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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

426小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/04/09(日) 00:12:13
>>422-424

  「ありがとうございます。お心遣いに感謝します。
  よく心に留めておきます」

ベティの忠告を聞き、素直に頭を下げる。
確かに彼女の言う通り、今の自分は片腕が使えない状態だ。
危険な場に踏み込んだ経験もほとんどない。

このまま雨が止むのを待っているのが賢明かもしれない。
しかし、自分にも理由はある。
それは盗みを働こうとするアリゼへの危惧でもあり、
先に入って行った常原を心配する気持ちであり、
謎めいたアルキスに対する気がかりでもあり、
この建物を放置することで出るかもしれない被害を防ぎたいという思いでもあった。

けれど、ここへ入るという選択が危険を孕んでいることは事実だ。
入るのであれば、そのリスクを覚悟した上で入らなければならないだろう。
アリゼ、アルキス、すずり、ベティ、小林とヤジを見送った後、静かに視線を動かす。

  ――彼は一体……。

視線の先にいるのは『鋼の男』だ。
自分も彼と同じく『刃物のスタンド』を持っている。
しかし、彼のスタンドは『スーサイド・ライフ』とは違い、雄々しく力強い印象がある。
大きさも威圧感も桁違いだ。
そして、おそらくは、その威力も――。

けれど、気になるのは彼のスタンドよりも、彼自身のことだった。
アリゼが物取りだと分かったにも関わらず、彼は剣を収めた。
つまり、彼にとって、物取りかどうかは問題ではなかったことになる。
確かなことは、アリゼは彼が思っていたような人間ではなかったということだ。
それでは、彼はアリゼのことを何だと思っていたのだろうか?

  「――はじめまして。既にご存知かもしれませんが、私は小石川文子という者です」

  「もしよろしければ、あなたのお名前を教えていただけませんか?」

  「ずっと『あなた』と呼ぶのも区別がしづらくて不便ですから」

そう言って『鋼の男』に微笑みかける。
彼が答えてくれてもくれなくてもいい。
挨拶が済んだら、自分も扉の前に立つ。

     スラァァァァァ―――z____

そして――左手に『スーサイド・ライフ』を発現する。
続いて、それを右手に持ち替える。

     ズブシュッ!

           フワリ・・・

そのまま『スーサイド・ライフ』の刃を右目に突き刺す。
料理の下ごしらえをする料理人のような鮮やかさで眼球を摘出し、背後に浮遊させる。
不測の事態に備えるため、前後を同時に視認することで死角を減らす

また、帽子の角度を傾けて、右の眼窩が隠れるようにしておく。
片目が欠損したグロテスクな顔を見せて、先に入った面々を驚かせたくなかった。
準備が整ったら、家屋の中へ足を踏み入れる。


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