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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

116小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/06/22(水) 21:09:55
>>115

  ――『小人と靴屋』……。グリム童話にそんなお話があったわね……。
     この場合は『妖精と金平糖』……かしら……。

『込めてない』、『込める』、『込め日』――彼らの話の中で特に強く印象に残ったのは、それらの言葉だった。
やはり小人達が金平糖に何かをしており、それによって不思議な金平糖に仕上がっていることは間違いない。
彼らの話を総合すると、『込めていない』普通の金平糖に、
『花の蜜か花の蜜を材料にした何か』を『込める』と、不思議な金平糖が出来上がるようなのだが……。
そして、こうして会って話をすることはできたものの、まだ彼らの正体も明らかになっているわけではない。
ファンタジーやメルヘンではないのだから、いくら外見が小人や妖精に近いからといって、
本当におとぎ話の住人だとは思えない。
もし、そんなものが存在したとすれば、その背後にはスタンドの力が働いているはずだ。
仮に彼らがスタンドだとすれば、今まで本体らしい人間を全く見ていないということは、
かなり射程距離が長いタイプなのだろう。
さらに、これまでの彼らの言動を観察していると、本体が操作しているようにも見えないことから、
独立した意志を持っていると考えられる。
あるいは、彼らの言う『家』に本体がいて、この一件の中核を担っているのだろうか?
それも気になるが、今は不思議な金平糖の出来上がる過程について知ることに集中しておこう。
彼らがスタンドだとして、その本体を知るのは後回しだ。
『右手』を切り離した際に外していた指輪をバッグから取り出し、それを再びはめ直しながら思索を巡らせる。

  「――そうね……もう少し聞いてもいい?『込める』というのは、どういう風にしているの?
   『込め日』というのは誰が決めているの?他にはどんな場所に行っているの?
   あなた達が『込めている』のは、お仕事……だからかしら?
        それから……あなた達のおうちはどこにあるの?」

質問した後に、金平糖を食べてみる。
やはりというか、思った通り普通の金平糖だ。
少なくとも例の不思議な金平糖と同じ製品とは思えない。
ロポポが言うには『込めていない』ものらしい。
不思議な金平糖の方は『込めている』ものなのだろう。
一体どんなことをすれば、こうまで違ったものになるのかが、それが不思議だ。

  「そう……その『ゴースト』というのは、私と同じような姿をしているのね?
   『ゴースト』が『こちら側』へ来ないというのは……どういう意味なのかしら?
   さっきロポポから『ゴースト』は工場にいると聞いたのだけど……。
   『こちら側』というのは工場という意味ではないの?
   その『ゴースト』は、色んな場所に出てくるの?
   たとえば……あなた達と同じ場所にいることが多いのかしら?」

彼らの話を聞く限り、『ゴースト』というのは何もしない無害な存在らしいが、
小人達からは好かれていないらしい。
しかし、この『ゴースト』が小人達と繋がりを持っている可能性も捨て切れない。
つまり、『ゴースト』が小人達の本体なのではないかという仮説だ。
本体が既に死んでいるというのは、それを見たことがない自分にとって、あくまで想像の範囲でしかない。
しかし、可能性はあるかもしれない。
これが間違いでも、消去方によって候補を絞っていけば、いずれは正しい答えに行き着くだろう。


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