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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2
66
:
牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』
:2016/02/19(金) 23:07:50
>>65
「えェ――ッ そりゃあほんとうかいマスター!」
棒読みだ。
イカサマしていることも、そのタイミングも既に知っているので、
そりゃあ驚きの気持ちは入らないというものだ。
しかし、まだ足りない。
証言は重要な証拠になる。
ただし、人は『ウソ』をつける。『間違い』も犯す。そういうことだ。
『言葉』だけでは、人を罰せられない。重要なのは、他の証拠。
では、どうするべきか。
力尽くで本人に認めさせるか。出来なくはないだろう。しかし根本的な解決じゃあない。
論理で打ち破るか。そんな出来た頭脳はない(断言)。情けない話だが。
では、新しい物的証拠を持ってくるのはどうだろう?
しかし何度も確認したが、濡れている以外におかしな点はなかった。
もう最後のゲームだというのに、今まで見つけられなかったものを、果たして見つけられるだろうか。
「教えてちょうだい、マスター」
……だから、証拠は『でっち上げる』!
、、、、、、
「一体、『何のカード』が『スペードの何』に変わったんだい?
アタシの見立てじゃあ、五枚全部変わってると思うんだけど」
マスターから聞く間に、手早く男の手札を回収したい。
壁に止まらせておいた『蜜蜂』をけしかけ、男が動揺した隙にカードを手元に寄せる。
「いやぁ〜〜アヤシイとは思ってたんだよねェー」
「そういうわけで、ちょっと改めさせてもらうよ」
これは、最後の手段だった。
残りのゲームがあるうちは、強引な手には出られなかった。
もしイカサマが立証できなければ、自分が勝手にイチャモンをつけ、勝負を中断してご破算にしたことになる。
当然、負い目が出来る。無条件で負けを言い渡されても仕方ない。
しかし今なら、後顧の憂いはない。どのみちこのままでは負けるからだ。
、 、 、、 、 、 、
(……アタシは職人だ。無いものは『作る』ッ)
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