したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

499小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/11(木) 20:59:44
>>495-498

それぞれの話に耳を傾ける。
首謀者の思いつきとはいえ、各々の素性を知ることができたのは幸いだった。
特に興味を引かれた話も幾つかある。

アリゼが裏の世界に踏み込んだのは、自由を求める思いと、
それを妨げる両親に対する反発からのようだ。
もし彼女が両親と分かり合っていれば、違う道もあったのだろう。
そう思うと、少し悲しさを感じた。

ベティのことはまだよく知らないが、彼女の話には注意すべき点があった。
もしかすると、彼女に訊けば、
今までのジョアンヌの言葉の中にウソがなかったかどうか分かるかもしれない。
とはいえ、その機会はなかなか巡ってきそうにないが……。

そして、アルキスの順番になった。
彼の話は納得できるものだったが、なぜこちらを嫌うのかという理由は不明なままだ。
この一件が終わる頃には、それを知りたいと思う。

続いて、天羽の話だ。
彼女は何気なくしたのかもしれないが、その話には注意を引かれた。
今の状況と重なる部分が何点かあったからだ。

  ――まさか……。でも、そんなことが……?

この近辺で発生していたという異臭。
もし、それが死体だったとしたら?
考え過ぎだろうか……。

イラストレーター佐藤きくの失踪。
警察に何度もかかってきた怪しげな電話。
そして例の異臭騒ぎ。

手がかりは幾つかある。
ただ、それらが上手く結び付かない。
こういう時は別な方向から考え直してみよう。

つまり、『八百十一屋』についてだ。
この場所がどういう場所なのかが分かれば、新しい発見があるかもしれない。
首謀者であるジョアンヌの印象が強すぎて、『八百十一屋』について調べることを忘れていた。

  ――それを知ることができれば、もしかしたら……。

そんなことを考えている時、『アイアン・セイヴィアー』が重い口を開いた。
おそらく、『ピンク・クリーム69』が奪われた光景を目撃したからだろう。
彼でさえ、この場における『ペナルティ』の威力を打ち破ることはできないのだろうか……?

しかし、彼が滅ぼすべき相手とは一体なんなのだろう?
彼自身がこの店の前にいたということは、その相手はこの近くにいるのだろうか?
あるいは――この店の中に……?

ヤジの話は、自分には眩しいと感じた。
その高潔な魂を持つ人間のことも、そうなりたいと語るヤジの姿も。

  ――彼は能力を持っていない。
     でも、彼の心は、能力を持っている人間に負けないくらいの輝きを持っている……。

正面から見ることができず、やや目を伏せる。
そして――。

常原が話をする間、ジョアンヌに気付かれないようにバッグから携帯を取り出したい。
それが成功したら、死角となるテーブルの下で操作する。
『八百十一屋』について検索を試みたい。

そして突然のヤジの罵声。
しかし、『目』で小林がヤジに指示をしていたのは確認している。
だからこそ、これが芝居だということはすぐに分かる。

これから起こるであろう何かは『目』で確認する。
そして、本体自身の目はテーブルの下で画面を見る。
ヤジが注目を集めているであろう今なら、不審に思われる心配もないはず。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板