したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

505小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/05/13(土) 22:27:41
>>503-504

  「……お話は分かりました。
   彼女自身もスタンドの一部――
   給仕をしている彼らと同じように、実体化したスタンドという可能性は高いようですね」

小林とヤジがもたらした情報は、確かに大きな発見だった。
ただ、常原が言うように、まだ情報が足りないというのも事実だ。
この状況を打開するための決定的なものが欠けている。

  「私には、これといって気付いた点はありません……。
   ただ、幾つか分かったことはあります」

そう言って、これまで自分が得た佐藤きくに関する情報を全員に伝える。
大したものではないかもしれないが、何もしない訳にはいかない。
自分が見落としてしまっている何かを、他の誰かが指摘してくれないとも限らない。

  「もし、本体が隠れているとすればキッチンかトイレしかない……と思います。
   床下や天井裏に隠れた空間がないとすればの話ですが……」

一番の問題は本体の居場所だ。
この広くはない場所の中で、身を潜められそうな場所は限られている。
給仕をするスタンドの中に紛れているという可能性もなくはないが……
果たして全員の目を欺き続けられるものだろうか?

  「――ベティさん。あなたは嘘には敏感だとお聞きしました。
   今までの中で、何か嘘だと感じるようなものはありませんでしたか?」

藁にもすがるような思いで、不審な点がなかったかベティに尋ねる。
ともかく今は新たな手がかりが欲しい。
ジョアンヌが戻ってくる前に、何とかしてそれを見つけなければならない。

  「常原さん、少し待って下さい。『私』も一緒に行きます――」

バッグから『スーサイド・ライフ』を取り出し、片方の耳を切り落とす。
髪を少し垂らすことで切った跡を隠し、外から見えないようにしておく。
それらが済んだら『スーサイド・ライフ』は、またバッグの中に戻す。

  「正確には、私の『目』と『耳』が、ですが……。
   こうすれば、常原さんの見聞きしているものを同時に私も感じることができますから……」

常原に断ってから、『目』と『耳』を彼の背後に回す。
『目』は彼の背中から少しだけ覗かせて、前方が見えるように配置する。
『耳』の方は出す必要がないので、鼓膜がある方を上にして背中に密着させておく。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板