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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

133小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/02(土) 20:38:04
>>132

  「――いえ……。私がしたくてしたことです。ご無事で何よりでした……」

静かに言葉を返しつつ、取り出された『砂漠の薔薇』を観察する。
はっきりとは思い出せないが、何かの結晶だというような話を、どこかで聞いたことがあった。
小さくてよく見えないものの、どこか神秘的な雰囲気を漂わせているという印象を、
おぼろげながら感じ取れるような気がする。
しかし――どう見ても食用に適したものには見えない。
どちらかといえば鑑賞用だろう。
花の蜜ならまだしも、どうすれば『これ』を金平糖の味付けに使えるというのだろうか?
確かに『今までにはない味』にはなることは間違いない。
その製造の様子は気になるところだ。
それも確かに聞いてみたいことではあるが……。

  「そう……ですね……。
   ここ(小人の世界)には普段から『何人』くらいの巨人が、
   どの程度の『ペース』で出入りし、主に『どんなこと』をしているのでしょう?
   それから、その中で一番『偉い立場』にいるのは、どんな人か分かりますか?」

不思議な金平糖の出来上がるプロセスも確かに気になる。
しかし、それは実際に工場を見せてもらった方が早い。
そう考えた結果、ここは『自分以外の巨人』について聞いておくべきだという結論に至った。
会社の人間と接触する前に、少しは彼らのことを知っておく方が、よりスムーズに話が進められるだろう。
ここを管理している『責任者』が誰か――特に、それについて知っておきたい。
そして、聞いておきたいことは、もう一つある――。

  「――ちょっと失礼……。それから……できれば『ゴースト』について教えていただけますか?
   それは一体どういう存在なのでしょう……?」

おもむろに父親の前で膝を折って屈み、やや声のトーンを落として、彼だけに聞こえるように問いかける。
人間でいうところの『内緒話』をするような状態だ。
もっとも、自分と相手のサイズが相当かけ離れているため、上手くいくかどうかは分からないが……。
ただ、同じ質問をラポポとロポポに尋ねても、あまり正確な答えが返ってこないばかりか、
彼らの機嫌を損ねてしまうことは既に分かっている。
しかし、年長者であろう父親なら、彼らよりは落ち着いた対応をしてくれるはずだ。
少なくとも、二人に聞くよりは、客観的な情報を得られる可能性が高いだろう。
この『小人達の世界(ワンダーランド)』に来てから、小人達に関しては、ある程度のことが分かってきた。
だが、この『ゴースト』に関しては、未だに謎だらけだ。
これで多少なりとも、『ゴースト』に関する手がかりを掴めることに期待したい。


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