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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

135小石川文子『スーサイド・ライフ』:2016/07/03(日) 19:06:18
>>134

  「――そう……ですか……。よく分かりました……」

どうやら、小人に対する巨人の態度は、随分と気さくなものらしい。
話を聞く限りでは、仕事で来ているというよりも、
まるで仕事の息抜きをするために来ているような感じさえする。
小人達と会社の関係は、自分が考えていたよりも、もっと家族的なものかもしれない。
『社長』は来なくても、警備に当たる人間をまとめる代表者――
言うなれば『班長』のような人物がいる可能性を考えていた。
しかし、『そんなに定期的ではない』という言葉から察すると、
厳密な配置や日程が決まっているわけでもなさそうだ。
今まで一度も会社の人間に出会っていないことから考えても、
警備といっても、厳重に固めているというような感じではないらしい。
『小人』と『会社』が関係を持つに至った経緯は不明なままだが、
これで『巨人』のことについては、おおかた判明してきた。
しかし、何よりも気になるのは、やはり『ゴースト』だ。
『巨人』と『ゴースト』が会話していたということから、
金平糖会社と明確な繋がりを持っていることだけは確かだと思うのだが、それが何なのかが分からない。

  ――幻影(ゴースト)の輪郭(シルエット)は見えてきたけど……。
     でも、その『核心』に触れるためには……。
     やっぱり直接対面しなければならないようね……。

『ゴースト』に関する情報――それを頭の中で何度も繰り返し、悩ましげな表情を浮かべて思案に耽る。
今回の一件において最も重要な位置を占めているのは、
金平糖を作っている『小人』でもなければ、それを警備している『巨人』でもない。
父親の話を聞いたことで、『ゴースト』こそが謎の中央に立つ存在なのだということを、
改めて確信することができた。
それに『ゴースト』が自分と似ているというのも気にかかる点だ。
今まで何度か似ているということを言われてきたが、それはあくまで『小人から見ると』という意味であり、
たとえるなら、欧米人から見るとアジア人が同じ顔をしているように見えるのと同じようなものだと思ってきた。
しかし、話の内容から判断すると、『本当の意味で』似ているということらしい。
自分と似た姿の『ゴースト』――『彼女』は何故ここにいるのだろう。
『ゴースト』が文字通りの『幽霊』だったとして、『彼女』を引き留めている何かが、ここにあるというのだろうか?
心の中にあった『彼女』に対する関心が今まで以上に強くなり、会ってみたいという思いに変化するのを感じる。

  「ありがとうございました……。
   どうぞ、お大事に。
   二人とも……次は『通路』の方へ行ってみたいのだけど……」

ラポポ達の父親を見送ってから、『通路』に向かうドアを指し示す。
二人の同意が得られたら、ドアを開けて先へ進みたい。
果たして、この向こうで不思議な金平糖が作られているのだろうか……。


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