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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2

69『手に汗握る』:2016/02/20(土) 01:39:00
>>68

【眼鏡の男】「ええそうです! 『ハートの2』『ハートの3』『ハートの5』『ハートの9』『ダイヤの3』ッ!
        それで間違いはございませんし……実際そうでしょう?」

『おしぼり』で手を拭き、男が不敵に応える。

【店主】「は、はい……最初に引いたのは、確かに」

店主も、力強く頷いた。
実際その通り、『牡丹』の手の中にはその手札が。
濡れたカードを前にして、『ウェイト・アンティル・ダーク』の指先が密かに現れる……


        ………………………………………………


       (勝ったな)

『眼鏡の男』――――『鳥羽 三光(とば・みつあき)』は、勝利を確信していた。

     (俺の『ペデストリアン・アット・ベスト』……『タネ』も『仕掛け』も『弱点』もあるが、『敗北』は無い)

        (既にこの女は俺の術中にハマっているし……『手札』は『回収済み』だ。
         なにをやったってもう『イカサマ』がバレるわけがない。『勝利は我が手の中に』ってわけだ。ふふ……)

この状況から『鳥羽がイカサマをした証拠』は出し得ない。
そう確信し、男は『おしぼり』で手を拭った。

       (さ、次は何を『押し付けて』やろうか……『もう一品』か、あるいは別のなにか……
        ……そうだ、『ネクタイ』でも買ってもらうとするかな。
        これなれさしてデカい『要求』でもない。どんな柄のものを買ってもらうとするかね……)

既に彼の中では、勝利後の算段までつけ始めている。
捕らぬ狸の皮算用、と笑うことなかれ。それだけの自信が彼にはあった。
さて、なにやら目の前の女は『悪あがき』をしているようだが、この『牙城』を崩せるものか……


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