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戦場スレpart2
1
:
◆NcltM1gQ/Q
:2012/07/11(水) 20:01:52 ID:Ue7B6b.Y
ロボットの戦闘シチュや、イベントの際にお使い下さい。
2
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/07/15(日) 20:17:42 ID:Vv1OEf8U
>>1
乙。
前>999
どうやら、持ち直したようだ。
「……とは言えこちらは相変わらず……」
当たらない。出現してからターゲッティングが終わる前に消えるのでは手の打ちようがない。
「まさか無視するわけにもいかないし……」
一方甲斐のCICでは、何とか出現パターンを割り出そうとしていた。
レミー「……たとえば、“だいたいこの当たり”と範囲を指定し、その範囲内でランダムに誤差が出ている。
そんな風に考えたら次の出現ポイントが予測出来ないかしら?」
3
:
ドローン&レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/07/17(火) 22:39:59 ID:ZsC6IVTA
前>996
黒い刃と白い刃が重なった直後、周囲に衝撃波が伝播する
レオルド達が見える位置までに小惑星でもあったなら、それだけで塵芥となっていたであろうだけの威力はある
互いに反発しあうエネルギーが力場となりレオルド達を照らす
黒い波動の向こうから赤く底光りする眼がレオルドをのぞき込む
「お前は何のために今を生きている?殺していった『お前』の分まで何が出来る!?」
押し潰すべくブースターの出力を更にあげる
前>997~998
サーバント達はその牙で以て『あっさり』と目の前のSSを食い荒らす
その様子を見る後から来たシャドウストライカーは笑っている
「あははははははははははははははは!!!」
崩れ行くSSの影は薄くなり消えていく
「ズレているのはお前だよ!ユウセイ!」
その声と同時にシャドウストライカーの姿は無く
何とバルクレイスが三機になっていた
プリズムファントムによる投影でバルクレイスに偽装した上で、わざわざバルクレイスの背後から攻撃子機四基を展開
ユウセイのASSSの上下左右の時間差で黒い速射砲が雪崩れ込む
加えてスラッガーによる突撃を狙っているようだ
「そんなだからエルアインスの時でさえアルトアイゼンに負けたんだよ」
前>999
>「シュナイダーさん! そのままなるべく真っ直ぐ飛んで下さい! いいですね!」
その狙いに気付くのにそう時間は掛からなかった
「了解した」
まとわりつく子機達を伴いながら旋回ゲシュペンストとの距離を徐々に詰めた後
相互の軸を合わせつつ更に引きつける
実は子機にとっても結局、自らより早い相手は実質包囲出来ない
採るべき戦術としては良好と呼べる
先頭の一基からの射撃を弄んでいると
>「行っっっけええぇぇぇ!!」
アカリの声が聞こえた後、一拍子置いて最後尾の子機が弾け飛ぶ
その後、同じテンポで全ての子機が爆散していった
「援護に感謝する!だが、済まない。恐らく本体はそっちに近い」
アカリのライフルの排莢の直後を狙いルナ・フェンサー二基が迫っていた
4
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/07/17(火) 23:15:45 ID:ZsC6IVTA
前>1000 ライトが真っ先にちゅーちゅーされるのですね
アイゼルネの肩装甲を削るのみに留まり、相手は第二の腕とも言えるギミックアームを既に展開していた
「この程度で捕らえられると思った?」
回転速度を更に上げルナレザーの回転斬りで一つを弾き返し、もう一つはトンファーで弾き返す
トンファーを諸手で突き出しアイゼルネとの距離を一気に詰め、切っ先がその胴体に到達する………と思われた
ガスゥゥゥン!!
「なん…だと…?」
衝撃と共に背部を貫かれていたのはシャドウストライカーの方であった(HP??%)
「…通信状況及び再構築に異常あり?まあ、いいか」
回復のみならず
ルナ・フェンサー及びスレイヴユニットの不調をも意味する
「多分、次は無いよ?」
パイルが刺さったままの状態でトンファーを左右に回転させ頭上に振り上げ、素早く腕を振り払い回転するトンファーでガブリエルのシールド諸とも切断しようと試みる
5
:
シュート
◆6d930KmJ9g
:2012/07/17(火) 23:38:39 ID:rdtI3WyA
>>3
「ぬああああ!!!」
叫び声を上げて押し返そうとレバーを無理に前に押す。
まるでその叫び声は、なにかを忘れようとしているように…。
「な、なんのためだと?」
その問いに、思わず聞き返す。
(殺していった、『俺』、俺が『俺達』にできる事?)
「…、ハッ!?」
我を忘れていたせいでその出力が上がった相手の剣がさらに目の前に来る。
なんとか戻れたがしかし、体が動かない、いや、動かしたくないのだ。
「俺が…、殺した『俺達』にできる事…」
深く、深く考え込む、…、既に黒い剣は目と鼻の先にあるのにもかかわらず
腕の出力を上げるためのレバーに触れようとさえしない、このままでは…。
しかし、その相手のレオルドの紅く底光りする目を見る目は
本当の意味で生きている目ではなかった、完全に、死んでいた。
『生きる者の目』としては。
「…、殺す」
そう呟くと同時に、腕の出力を無理矢理あげ、相手の剣を振り払う。
その目は、『殺気に』満ちていた。
6
:
ハヤミ ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/07/18(水) 09:06:02 ID:6uZCZAzw
>>3
「ほー、面白いことをするじゃん、だけど。」
迫りくる弾丸を素早く、かわし、スラッカーは、フェンサーで叩き落す。
「せめて、奴のプリズムファントムを止められれば、どうすれば?」
冷静に、ASSSのマニュアルを思い出す。
「そうだ、あのシステムを、リスクが高いけど、やるしかない。」
「ASSSより、味方機に通達、これより、一種のコンピュータウイルス+ハッキングを使用します。今からワクチンプログラムを送ります。今すぐインストールしてください。」
「アカリちゃん、悪いんだけどさ、これ終わったら、甲斐まで援護してくれない。」
そう、連絡を入れる。
「さぁ、パルマーと軍が悪魔と相乗りしたウイルスとくと味わうがいい。」
そう、発動しようとした瞬間。
>>「そんなだからエルアインスの時でさえアルトアイゼンに負けたんだよ」
「お前は、俺の何を知っている。俺は俺だ。決してお前じゃない。」
感情に流されないように声を押し殺しながら言う。
「システム発動、コードASPFBR発動。」
ASPFBRとは、アザルト スカウター プリズムファントム バーストリンクの訳で
先ほどと違う、ウイルスを使用し、おまけに相手のデータががっぽりもらえるという。チーとだ。
だが、電力を大量に消費するので、使用後動けなくなるリスクがある。
「全てを、破壊する。」
7
:
名無しさん
:2012/07/18(水) 10:47:43 ID:Esxyws/A
>>前998
>「こいつらが、いるからな。ヒツギお前は、出来ればだけどアカリさんに頼んで、甲斐まで戻って、OSを書き換えてもらえ。あと、」
「そんなぽんぽん換えれるかよ!できたら俺はこいつに乗ってない」
「それにOS書き換えも何も今は普通のが起動してんだ、動きづらいのは・・・デーモン側のスペックだ」
そのとおり、そんな簡単に入れ替えができるような機体ならば彼がパイロットを務める必要がない。
ヒツギの考察どおり照準がぶれるのは宇宙が苦手なバルクレイス側の問題である、先ほどの蹴りは当たっているはずのものなのだ
>>3
>崩れ行くSSの影は薄くなり消えていく
「幻影か!?」
こと戦闘中に幻影などという言葉は似つかわしくはない、そういった摩訶不思議なものは排除された世界だ
だが高度な光学迷彩の調整と素早い機体捌きで繰り出されたそれは残像か幻影、分身としか表現の仕様がないのだ。
敵の期待はASSSをコピーして生み出されたものであり、ASSSの持つ機能をフルで使用できるとしたら
この芸当も不可能ではない。
>「ズレているのはお前だよ!ユウセイ!」
消えていた敵機の反応がバルクレイスの後方に突如として現れる。
それに気づいたヒツギは素早く踵を返して振り返った、そこに居たのは赤く黒く、太い腕をぶら下げた起動兵器・・・が2機。
自分の乗っている機体とまったく同じものがこちらと対峙していたのだ。
「チッ・・・こういうのは嫌いなんだよ!」
攻撃を取り込んで逆に使ってきたピエロといい、こういう相手と戦うのは骨が折れる
特にシャドウストライカーは独自の光学迷彩により不可視のステルスモードが使用できる
つまりここにいる2機の中身がお目当ての機体で無い可能性、最初から当たりが存在していないこともありうるのだ。
>プリズムファントムによる投影でバルクレイスに偽装した上で、わざわざバルクレイスの背後から攻撃子機四基を展開
>ユウセイのASSSの上下左右の時間差で黒い速射砲が雪崩れ込む
>加えてスラッガーによる突撃を狙っているようだ
>>6
なぜユウセイがそれだけ攻撃を裁くことができたか・・・それは先ほどとは逆の状態になっていたからだ。
つまり虚像のバルクレイスが放った攻撃を、見た目がまったく同じ赤い悪魔が受け止めていた
ASSSに対する速射砲による攻撃の盾となることで最低限の弾しかユウセイには届かない
貫こうと迫ってくるスラッガーと接触する部位に高周波ブレードを立てることで無理やりに受け流す。
だがそれは反らしているだけでありボディそのものに接触する確立がゼロというわけではない
「ぐっ・・・!!」
バルクレイスの横腹に鋭い傷跡が刻み込まれる、先ほどの砲撃とスラッガーとの接触のよる衝撃でコックピットが大きく揺れる。
ヒツギの頭が叩きつけられ、ヘルメットの中につぅと血の線が延びた
「こいつで貸しはなしだぜ・・・?」
血が付着してしまったヘルメットに片手を当てそのまま投げ捨てる。
額から赤い線がコックピットに滴るのも気にかけた様子は無い
HP39%
8
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/07/18(水) 16:18:44 ID:93eKe.RE
>>4
「……まずい。これではシールドが」
トンファーの乱打を受け止めるガブリエルのシールドも徐々に限界が来つつ有った。
ガードの上からも響く凄まじいラッシュである。これは耐えきれ無いと悟り、ライトは不本意ながらシールドをパージする。
【ガブリエル:残りHP50%】
【「多分、次は無いよ?」】
「次が無いのはお前なのだよ?」
間髪入れずに言葉をオウム返ししてやったのはレイナである。
ガブリエルに攻撃を加えている間にもう一度、攻撃のチャンスを伺っていたアイゼルネ・ブルートは蝙蝠型の小機と共に強襲を仕掛けて行った
「くくくく。行くのよクロバット。ブレイブバード」
「いや、それは色々とおかしい」
レイナの妙な発言に思わずツッコミを入れる明智ライト大尉。
6機の蝙蝠。ナイト・フライヤーが悪趣味なゴテゴテASを存分に喰らい尽くそうと、その牙その翼で捕食対象へと群がって行く。
「もう消えなさい。悪趣味な幻影はね」
そして真打ちの登場。と行った所か。
アイゼルネ・ブルートはASSSの背面へと姿を現した。
前座の蝙蝠と微笑ましい戯れをさせている所に、アイゼルネの右腕ヴァンパイア・クロウがユウセイ曹長の中心部を突き破るべく真正面から迫り行く。
左腕の方は万が一回避を取ろうと愚かにも足掻いた所をしっかりと刈り取れる様に右腕とは別方向へと伸ばし、横側からの挟撃を狙って迫っていた。
9
:
ドローン続きは少しお待ちを
◆NcltM1gQ/Q
:2012/07/18(水) 17:57:22 ID:n9FvCaQQ
>>7
スレイヴオブシャドウズの攻防の有り様を見て、傷の無い方の悪魔が語る
「…そう。いつも『誰か』に守られていたことに気付かない。それが僕だ」
>>6
>「システム発動、コードASPFBR発動。全てを、破壊する。」
しかし、何も起きない
ノワールセイバーを片手に弄びながら
バルクレイスの内の一機から溜め息の様な息遣いも聞こえてくる
ノワールセイバーを指先で支え全身を捻り上体を限界まで反らしてASSSを下目使いに見据え
「…そうやって困難から逃げて…自力にとっとと見切りをつけてより大きい者にすがりつく。楽でいいなぁ!今の俺は!!」
その力の全てを開放しノワールセイバーに乗せASSSに向けて投げつける
「俺から説明しておいてやるよ。ASSSに『そんなモノ』は無い!」
槍として射出されたノワールセイバーに二機の悪魔がテスラドライブを開放し追い縋る。
ノワールセイバーの柄先に跳び蹴りの状態で接触しASSSに向けて更に加速
すると最も遠い戦場で在るはずのレイナ達からでもハッキリと見えるほどの巨大な白い彗星となってASSSに迫る
「ATXを『自称』するなら何とかして見せろ!」
10
:
ハヤミ ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/07/18(水) 18:53:36 ID:sJ5wLlMQ
>>8
何?何できかないんだ。俺は、強い。
頭の中が誰かにかき回される。
「やっ、止めろ、俺の頭をかき回すな。」
しばらくして、奴の彗星みたいな技が見えた。
「っ、何でもありか、彼奴は、だけど」
俺は、残りのサーバントを背中のブースターとして、舞い上がる。
「乗っているということは、コアがあるってことだろ。なら」
念動力で研ぎ澄まし、探し出す。
「見つけた。白いASSS。」
確かに乗っている奴を確認した。
「そうか、俺は救われていたんだな。ヒツギとか、弥生とかに。」
覚悟を決め、白いASSSにセイバーを突き立てるため、エンジンをリミットブレイクして突っ込む。
「なら、今度は、俺が体を張ってみんなの役に立つ番だ。」
一気に、白いASSSに急接近する。
「なぁ、もう一人の俺、覚えているか、ATXの極意は突撃だって。」
11
:
レミー中尉
◆E8ckRIIdug
:2012/07/18(水) 20:41:17 ID:SdsiqF4.
>>6
「……まだ生き残っていたのね、PTで戦闘中にハッキングしようとか言うおバカな生き物が」
昔、見た事があった。電子戦機に搭乗したハッカー上がりがそれをやろうと密かに機材やプログラムを持ち込み、いざやろうとしたら到底それどころでは無かったのを。
「……あの時の彼女は味方に撃墜されかけたけど……まさかね?」
そもそも、今回の敵のシステムがこちらと同じ、つまりこちらからのハッキングを受け付ける機能があるかも不明なのに……
12
:
名無しさん
:2012/07/18(水) 21:06:58 ID:Esxyws/A
>>9
「当てられなくても当たることはできるんだよ、こいつが」
強がって見せても既に機体は半壊に近いダメージを受けている。
パイロットであるヒツギ同様、バルクレイスも慢心相違かだらりと両腕をたらしていた。
>「…そう。いつも『誰か』に守られていたことに気付かない。それが僕だ」
「守られてることの何が悪い・・・!」
目に入りそうになった血を親指でぬぐって払う、赤がコックピットに点々と散らばる
敵の言葉に何よりも早く噛み付いたのはユウセイでは無くヒツギであった
「それにあぐらをかくのは許されることじゃない」
「だけど守られているってのはつまり仲間がいるってことだ、仲間ってのは守って当たり前なんだよ・・・!」
>最も遠い戦場で在るはずのレイナ達からでもハッキリと見えるほどの巨大な白い彗星となってASSSに迫る
>>10
>覚悟を決め、白いASSSにセイバーを突き立てるため、エンジンをリミットブレイクして突っ込む。
「ダメだ、追いつけない・・・!!」
接触しようという2機が早すぎることとバルクレイスの推力が安定していないことが原因で割り込もうにも追いつくことができない。
既に遠方へと行ってしまった彼らへ必死に追いかけることしかできなかった
13
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/07/18(水) 21:42:30 ID:scPQV/NM
>>3
「え、本体が?」
レオンハルトの忠告とほぼ同時に、光る円月輪のようなものがこちらへと迫ってくるのが見えた。
中で操縦しているアカリは超速度反射能力による感覚のブーストのおかげでフェンサーの動きを捉えてはいたが、
操縦される側のゲシュペンストがそれに対応できるかどうかはまた別問題である。
幸い、直撃コースではあるが、どうにか回避できる動き。フットペダルの踏み込みタイミングを間違えないよう留意し、
「くうっ……!」
フェンサーが至近に来た瞬間に、ゲシュペンストの両足をスラスターを併用しつつ前に出す。
それに引っ張られて機体の上体が横倒しになったところで、胸部のスラスターを噴射して上体を下方に沈める。
結果、フェンサーが捉えようとしていた機体はそれらの動きによってフェンサーの軌道の下側へ潜り込む形となり、フェンサーは空を切った。
前に出た両足はそのまま股関節の運動とスラスターの推力でもって機体の上側に持ち上がり、
ゲシュペンストは始めの姿勢から180度縦に回転した状態となって、そこからもう180度回転、元の姿勢へと戻った。
……長々と説明したが、要は逆上がりの動作である。
機動力に優れた機体であれば、その推力を使ってフェンサーを回避できたのだろうが、旧式機のゲシュペンストではそうもいかない。
そこでアカリは、咄嗟に利用できるAMBACと姿勢制御用スラスターを使うギリギリの回避を選択したのであった。
そんな冷や汗ものの回避で難を逃れたアカリの元へ、ハヤミ曹長からの通信が入ってくる。
「む、無理です、今それどころじゃありません!」
自分のことでもいっぱいいっぱい気味だというのに、的になるしか無くなる機体を援護しつつ甲斐にまで引っ張っていくのは無理だ。
それに、レオンハルトの言が正しければ、敵機が付近に潜んでいる。のこのこ後ろを見せることはできない。
「それとちゃん付けは止めて下さい! その呼ばれ方で喜ぶ歳はとうに過ぎました!」
中近距離戦闘になると踏んだアカリは、ブーステッド・ライフルを腰のラックに固定し、代わりにM950マシンガンをゲシュペンストに装備させ、
メインブースターを吹かしてその場所から離脱を始める。
どこに敵機が潜んでいるかはわからないが、とりあえず同じ場所にいてはまた的になるだけだ。
14
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/07/20(金) 20:54:15 ID:N.VYqdwE
>>5
互いにシノギを削り合う状況からレオルド側の凪払いにより一瞬ながら間合いが離れる
衝突により発生したプラズマ滞留を横方向に無理矢理弾き返すことで事なきを得るレオルド
しかしその黒きエネルギーの奔流は渦巻き巨大な弾丸となって甲斐の方向へと向かっていく
そんな様子に構わずに笑いながら答える
「ハッ!いいぜ。そうこなくっちゃ面白くねぇからな!」
シールドを構えレオルドの正面へ踏み込み接触すると思われるタイミングでブースターを吹かす
>8「次が無いのはお前なのだよ?」
「へぇ。やってみなよ」
白いSSは蝙蝠の接近に合わせて細かくステップを踏みトンファーと共に舞う
蝙蝠の群れがたちまちに包囲するが接近するモノはトンファーに斬り裂かれ
距離の在るモノはトンファーの回転する合間に撃ち出される速射砲に貫かれる
文字通り蝙蝠と戯れ、その余韻に浸っていた直後
「フッ…他愛ないねびゅら!」
金属を切り裂く感覚…SSの胴体部分からアイゼルネ・プルートの爪が見えていた
>「もう消えなさい。悪趣味な幻影はね」
振り向き様に白いSSから、その鋭利な爪を引き抜いて羽を揺らしながらバランスを取っての決めポーズを取るアイゼルネ
「君は強いねぇ。でも今の僕があのままなら、また君にも会えるかも知れないね」
白いSSは黒い影に呑まれていった
15
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/07/20(金) 20:54:56 ID:N.VYqdwE
>>10
>「なぁ、もう一人の俺、覚えているか、ATXの極意は突撃だって。」
既にお互いは亜光速に達していたが、その問いに対して直接ユウセイの頭へ聞かせる
「よく知って居るとも少なくともキョウスケ・ナンブはお前のように無計画な突撃なぞしなかったけどな」
先ほどの巨大な彗星の姿は無く、ASSSはバルクレイスにその頭部を鷲掴みのまま吊され
その胸にはノワールセイバーが突き立てられていた
「先刻のも幻覚だ。安易にアレグリアスのコピー機なんぞに手を出すからこうなる」
頭部を引きつけ、その左膝を突き出し言葉を続ける
「お前は判った振りだけは上手い!」
固定され、その膝がASSSの顎を捉えた。カメラアイや装甲片が宙を舞う
更に追撃しながら続ける
「お前は自分の採った選択の影響を考える事も出来ない!」
膝蹴りの追撃は更に加速し尚も続ける
「そして…お前は何時までも自分が弱いことに気付くことはない!」
右手に依る拘束を解き放った直後、既に原型の無くなったASSSの頭部が弾け飛び左腕が胴体部分にめり込む形で折れ曲がる
解放の直後裏拳とスピンキックを見舞っていたのだ
「…永遠にな」
振り向き様に両肩の開閉部分から光が零れるオーバースマッシャーを放つ積もりだ
16
:
シュート
◆6d930KmJ9g
:2012/07/20(金) 21:17:09 ID:ljG7l/As
>>14
「…」
甲斐の方に向かっていくエネルギー弾、目に見えている筈だがまったく気にしていない。
「…」
相手の声には反応しない、しようとさえしない。
一切の沈黙。
「…、死ね」
と、呟くと同時にブースターをこちらも最大出力にして近付く
そして近付いて相手の間合いに入った瞬間、瞬時にブースターの向きを反対にし
その相手の踏み込むタイミングより若干大きい間合いにすると同時に
『盾を投げた』、相手の頭部に。
普通なら多大なG を身に受けてかなりの圧力がかかる筈、しかし操縦席内の彼は
まったく、いや、間違いなくかかっている、しかし彼の表情は眉ひとつ動かなかった。
そして投げると同時に相手に向けて突きを右足に入れようとする
17
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/07/20(金) 21:17:39 ID:N.VYqdwE
>>13
ルナ・フェンサー二基による波状攻撃に対して一切、無駄を感じさせない挙動で回避して見せたアカリ
しかしゲシュペンストへの追撃を止める積もりは無いらしい
二つの光輪は軌道修正しながらゲシュペンストへ向かっていく
「はははははっ!誰かさんとは違うね!上手い上手い!」
二つの光輪の中心から白いSSが姿を現す
トンファーを交差し二丁拳銃の様に構え
「これは避けられるかな?」
ゲシュペンストに向けて光を飲み込み影を伴う黒い弾丸を絶え間なく撃ち出す
その間にも光輪がゲシュペンストを切り刻むべく追い縋る
…しかし違った
ルナ・フェンサー達も速射砲もせいぜい当たればラッキー程度
本命は別にあった
ゲシュペンストの近くを通る蒼い光輪に向けて弾丸が流れ込むとゲシュペンストに向けて反射される
「さあ…踊ろうよ!」
光輪はゲシュペンストを囲むようなポジションを取り
本体もその速度を存分に発揮しその周囲で掃射を続ける
18
:
名無しさん
:2012/07/20(金) 22:09:18 ID:1mrf2tas
>>15
このメンバーで足を引っ張っているのは明らかにヒツギだ。
SCIも使えず満足に宇宙空間に適した戦闘を行うこともできない
持ち前の機動力を発揮できたとしても既に亜光速近い2機をこのシチュエーションで追いかけることは不可能である
「こんなところで・・・!!」
諦めてなるものか、歯を食いしばりそう口の中で飲み込んだ瞬間それは起こった
>>14
>しかしその黒きエネルギーの奔流は渦巻き巨大な弾丸となって甲斐の方向へと向かっていく
なんと甲斐の元に攻撃が放たれているではないか、このままでは直撃コース
それに気づいたヒツギはすぐさま助けに向かおうと機体を走らせようとする、だが・・・
(ユウセイを放って置いていいのか・・・!?)
距離的にどちらも助けに向かうのは不可能、ここで二者択一を行う以外ない
だが考え込んでいる猶予すら与えられていない、とるべき選択は・・・
「悪いユウセイ・・・死ぬなよ!!」
甲斐の元へと全速力で向かう、だがそれでも速度は足りない。
SCIが停止している状態では速度のセーフティが効いている、いつものパイロットのことなど完全に無視した常識外の加速度を出すことは不可能
さらにバルクレイスは宇宙そのものが苦手だ。
「もっと速く・・・!!」
それを諸共しない『加速』を見せ始めた、ヒツギの精神が可能にした加速ということか。
確かに先ほどよりもずっと早い、光が尾を引くほどだが・・・つぶさんとするほど思い切り踏み込むがそれでもダメ。
「間に合わない!!」
バルクレイスの速度よりも黒い弾丸のほうがずっと速く、後出しに近いこの状況で追いつくことは既に不可能だと断言できた
「ふざけんなよ・・・!肝心なときにいつもいつも・・・このポンコツ!!」
レイナを助けたときもそうだ、いつもいつも大切なところでその力を発揮することができない
不安定なシステムをつんだこれは兵器としては不十分な存在だ。
悔しさと怒りをこめて思い切りモニタを殴りつける
それはいつかと同じように突然起こった。
全天候モニタが突如として強烈に光りを放ち、視界が生まれ変わったかのようにクリアーになる。
SCIの再起動したのだ、奇跡のようなまるでそのようにこさえられたかのようなタイミングだった
まるでヒツギの感情に呼応したかのように活力を取り戻した悪魔は、先ほどとは段違いの加速を始める。
その加速は地上で見せたものに寸分の違いすらないほどの速さ。
尾を引いていた光はさらに巨大になり赤く輝く流星のごとく。
スラスターはら吹き出る炎は轟音を通り越し雷鳴のごとく。
だが先ほども言ったとおり『後出しに近いこの状況で追いつくことは既に不可能』、限界を超えた性能を見せるこの状況であってもだ
バルクレイスの胸に赫々とした波動が溜まっていく、波動はやがて強大なエネルギーの塊となった。
黒い弾丸がオーバースマッシャーの間合いギリギリに入り込む、その瞬間機体を急停止し
収束させていたエネルギーがたがを外され陽光のように真っ赤な閃光を放ちながら濁流となって放たれた。
急停止とオーバースマッシャーからくる負荷がヒツギに叩きつけられ、ビリビリとその身体を締め付ける
しかし先ほどからバルクレイスは命中に難があった、この状況で当たるとは限らない。
一か八かに近い賭けであるこの行動。
「当たれえええぇぇぇぇ!!」
Gを諸共せずに有りっ丈の思いを込めて叫ぶ。
ヒツギの底力によるものか、放たれた赤の弾道は一切のズレ無く真っ直ぐに黒へと伸びていた。
19
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/08/02(木) 20:45:12 ID:/pg2.r6E
>>16
『艦首に被弾!』
『流れ弾かっ!?被害状況は!』
カンパニーラジオから色々流れてくる。
しかし、敵の出入りが掴めない限り有効打を与える目処は立たない。
「……何か、奴が物理法則に逆らうのを止めさせる手だては……」
20
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/06(月) 06:04:28 ID:q8hQi1wc
>>17
フェンサーによる攻撃を躱したと思った矢先に、今まで見えなかった敵が姿を現して、両手に構えた射撃武器を乱射してきた。
運動性、機動力共にそれほど良くはないゲシュペンストが対する攻撃としては、非常によろしくない部類のものだ。
「ぐ……このぉ……!!」
重い機体を何とか動かして、弾幕と戻ってくるフェンサーの攻撃に対して投影面積を小さくするようにロールをうつが、
「!?」
加速しているアカリの認識が、予想外の攻撃を捉えた。
なんと、ゲシュペンストの周囲を飛んでまわるフェンサーに、敵の弾丸が直撃した瞬間、こちらへとその軌道が変わったではないか。
予想だにしていなかった敵の攻撃。なんとか機体を動かして回避しようとするが、その他の弾幕が機体の動きを阻害し、
結果、アカリは自機の左肩アーマーと、右側後部スカートアーマーに敵弾の直撃を食らってしまう。
口径の小さい弾を一発二発受けたくらいでそれらの装甲は抜かれはしないが、このままでは非常にまずい。
「回避に精一杯で、これじゃどうしようも…………?」
必死に回避を続けるアカリの目が、ふと、モニターに映り込んだ甲斐を捉える。
「……やるしかない、か」
敵機からの弾と反射された弾、フェンサーの位置を確認したアカリは、自機の装甲を頼みにして、
反射弾と弾幕の比較的薄い場所に飛び込んだ。
ロールやAMBACによる回避を伴わない、バーニア全開の移動は、ゲシュペンストの装甲のあちこちに敵弾を浴びせたが、
一時的にその包囲網から機体を抜けさせることに成功する。
それを見て取ったアカリは、全開のバーニアに加えて、姿勢制御スラスターまでもを推力に使い、
ゲシュペンストが想定する程度を越えた加速を、自機に強いた。
【ゲシュペンストMk−Ⅱ:HP70%】
>>14
>>18
一方、甲斐のブリッジは突如の無重力空間への突入による艦内の混乱や、
味方機の戦況の情報が錯綜し、全体の把握が出来ていない状況であった。
この混沌とした状況をまとめ上げる役目を負うのが艦長という役職の人間なのだが、その当の艦長、武田姫はというと。
「ああ……えっと、ええっと……ああ……」
次々と飛び交うオペレーターの報告に頭がパンクしたようで、涙目になっておろおろするばかりである。
21
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/06(月) 06:14:37 ID:q8hQi1wc
//
>>20
続きあります。
22
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/06(月) 07:39:15 ID:q8hQi1wc
>>20
艦長という指揮系統の大元が役に立たない以上、艦を指揮できるものといえば他にはCICしかない。
だがそのCICも不可視の能力を持つ敵機の解析に忙しく、艦全体を指揮できているかと言えば答えNOである。
解析の陣頭指揮を執っているのはエレミーラ・タイデグリー中尉であるが、未だに有効な打開策を見つけられてはいないようだ。
「少尉……我々はこのまま解析を続けてよいのでしょうか?」
そんな状況に疑問を持った下士官の一人の言葉に、リリー・スノウフェイル少尉の手が止まった。
止めた手で青みがかった銀色の髪を払い、ディープブルーの瞳を戦況の映る大型ディスプレイに向けたリリーは、「そうですね……」と呟く。
リリーは見た目、どう見ても中学生ほどにしか見えない少女ではあったが、この場においてエレミーラに次いで階級の高い士官である。
彼女もまたカイオウ大将によって集められた人材の一人であるが、彼女の元々の職場がイスルギ重工の息の掛かった試作兵器運用試験部隊であることから、
彼女はイスルギの駒としてこの艦に置かれたのではないかと、密かに噂になっていた。
だが、そんな噂も戦場で、しかもこんな状況では特に意味をなさない。尉官としての彼女に疑問をぶつけた下士官の行動は、まあ真っ当な行為であったと言えよう。
「はっきり言ってあの艦長は、今は役立たずでしかありませんね。あなたの危惧も当然です。
この状況は艦長戦死と同じく、武田中佐に指揮能力なし、と認められるケースであると言えますね。
緊急事態につき、臨時にこのCICを艦の指揮中枢とします。あなたは何人か、人員を集めて下さい。
ダイデグリー中尉が何か言うかも知れませんが、無視して結構です。今はこの艦の維持を最優先事項と定めます」
「りょ、了解です」
同じ尉官、しかも上官を無視しろと言ったリリーの言にたじろぎながらも、下士官はそれを承諾し、CICの人員に声をかけるべく席を立っていった。
それとほぼ同時に、リリーのヘッドセットから、気になる報告が漏れ聞こえた。
何でも、艦を狙っている敵機とは別の機体の方向から、巨大なエネルギー弾が飛来してきているとのこと。
味方機バルクレイスがそのエネルギー弾を迎撃し、軌道を変更することに成功し直撃は免れるものの、艦の右舷側を削るコースだという。
リリーは急いでコンソールに向き直り、
「ブリッジ、こちらCIC。すぐに右舷側のスラスターを最大にして艦を左舷側に流して下さい。
グラビティ・ウォールを右舷側に集中して展開するのも忘れないようにお願いします」
『CIC!? 艦長からまだ指示は……』
「今の艦長に指揮能力は皆無です。戦時特例によりCICを指揮中枢として定めました。
今は艦の維持を最優先しなければならない状況です。了解であれば復唱を」
『……了解しました。右舷側スラスター最大、グラビティ・ウォールを同時展開します』
「結構です。よろしくお願いします」
すぐさまリリーの指示は実行された。甲斐の艦体がスラスターによって左舷側へと平行移動を始め、
同時に甲斐の姿がゆらめくほどの強度を持ったG・ウォールが右舷側へ展開される。
そこへ、黒く巨大なエネルギー弾が飛来し、G・ウォールと接触、凄まじい火花を上げた後、右舷側へと大きく逸れていった。
バルクレイスの援護とCICからの指示によって甲斐は事なきを得たが、この一連の流れは、武田姫という女性の胸に、「無能」の二文字を強く刻みつけた。
つい先日までデスクワークでしか戦場を知らなかった彼女に、いきなりこんな状況を捌けというのも無理はあったのだが、それとこれとは別の問題なのである。
23
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/08/06(月) 08:47:22 ID:SFjgKaQ6
>>15
「ん、なっ、」
自信の攻撃をすべてかわされ、逆に大ピンチに落ちボトボトになってるユウセイは、はっきり言って、死を覚悟した。
「あれは、」
それはたまたま目に入った甲斐だった。
「甲斐、姫中佐、主砲をこっちに打ってください。はやく!」
通信で必死に叫ぶ。
24
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/06(月) 11:10:35 ID:q8hQi1wc
>>23
敵の攻撃を辛くも回避した甲斐であったが、問題は山積している。
臨時の指揮所となったCICでは、リリーが艦長代わりの職務に追われていた。
「気密隔壁の閉鎖の遅れで、曹長以下七名が死亡したのですね? 把握しました。
では軍曹、機動兵器ハンガーの整備班長は今からあなたです。辛いとは思いますが、今はあなた方の力を欠かすことはできません。
……いえ、あなたは良くやりましたよ、軍曹。そこにいる者たちが生きているのはあなたのおかげです」
「少尉、ダメージコントロール班からです。先ほどの攻撃による艦体へのダメージは皆無でした」
「わかりました。この異空間への突入に際しての被害はどのようになっていますか?」
「先ほどの機動兵器ハンガー同様、気密作業の遅れによる死亡が28名、
精神的ショックによって職務に従事することが不可能となった人員が10名ほど。
艦体への影響は特にはありませんが、試験運用艦の上に、新しく集められた人員ばかりですので、艦の稼働率は90%を切るかと」
「思ったよりも気密関係の被害が少ないですね。万能戦艦なのが幸いでしたか」
混乱はあるが、被害は少なく済んでいるようである。
ホッと胸をなで下ろす気分だったリリーの耳に、ハヤミ曹長からの援護要請が届いた。
ジト目と呼べるほどに目を険しく細めたリリーは、はあ、とため息をついて、
「あんなワンオフものの高級機で出て行って、どうしてあんなに必死になるほどやられているんでしょうか……理解に苦しみます。
仕方がないので、一番主砲に曳光弾を装填後、10度ずつ射角をずらして敵機とストライクストームとの間、敵機より、出来るだけ至近に射撃して下さい」
「それだと当たらないと思いますが……?」
「もとより、あのような高機動の機体に、主砲を当てに行こうとは思っていません。
敵にこちらの艦砲の射程圏内であることを知らせつつ、曹長の離脱の時間を稼ぎます。
曳光弾を使用するのは、こちらの存在感を示すためのものです。
それと、一番射撃後に、二番主砲にも同様に曳光弾を装填して下さい。あの曹長のことですから、難を逃れたらすぐに調子に乗りかねません」
「了解。一番主砲、曳光弾装填。光学・電子測距による敵機との相対距離確認よろし」
「一番、砲撃開始」
甲斐の前方甲板、最も前方に位置する三連装400mmレールキャノン砲塔がリリーの号令に従って砲撃した。
微妙に射角を違えて撃たれた3発の40㎝曳光弾は、攻撃動作に入っている白いASSSの前面装甲を三カ所に渡って削り取るような弾道で飛んだ。
曳光弾である以上、砲弾は丸見えであるが……。
25
:
ヒルギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/08/06(月) 12:01:50 ID:NB65nndE
>>22
「大丈夫か!?」
混乱に包まれている甲斐に入り込む通信、それは先ほど救援に来たデーモンのパイロットだった。
モニタに映った姿はヘルメットを脱ぎ捨てて素顔で額から血が垂れた跡が残っている
なにやらブリッジが混乱していることを見受けたようだが、巡航不能になるようなダメージを受けて生まれる焦りではないことも受け取ったらしい。
「大丈夫みたいでよかった、俺も曹長のとこに戻る」
ほっと胸を撫で下ろし一息、甲斐のダメージもそうだがバルクレイスのSCIが復活したのも大きい。
先ほどから煮え湯を飲まされていたシャドウストライカーに反撃を打って出ることができそうだ
機体を切り替えし甲斐の砲撃に混ざってバルクレイスもシャドウストライカーへ向け進攻を始めた
26
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/08/06(月) 17:14:16 ID:SFjgKaQ6
「なるほど、えいこうだんか。」
【畜生、もともと、プリズムファントムなんて】
なんて、思いながら、
「すまない、離脱する。」
甲斐に戻ろうとする。だが
「エンジンバランスが、くそっ」
先ほどの攻撃で、エンジンバランスが、キツくなっている。
「リミット解除は発動済み、なら」
さーばんとで、帰ることにした。
27
:
レオン&ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/06(月) 17:33:39 ID:Elegx5lM
>>16
レオルドはこちらのバッシュをタイミング良く抜け、同時にシールドに対してシールドを投げてぶつける。と言う荒技に打って出る
「…ハッ!」
狙いは右足。少しでも機動力を落とそうと言うハラか?
突き出される刀身に対し体を捻りながら、こちらも切っ先を振り上げその刀身に併せる
刀身の接触と同時に互いのエネルギーが反発し火花のように爆裂する
通常のPTであれば、お互いに吹き飛ばされる筈のエネルギー量であるものの彼らでは話が違う
「それで全力か?もっと見せて見ろよ!」
お互いに、その動きはブレる事はなくレオルドは翻るレオルードの背後の空間を突かされ、そのレオルドの腋を狙い翻る際の回転を生かした切り上げが迫る
>>20
レオン「この程度の陽動にノせられるなんて、立つ瀬がなさすぎる」
攻撃子機の追撃をアカリ機の援護により子機の全滅で以て事なきを得たが…
しかし、それは、お互いが離れた隙を突いての各個撃破を狙う為の必要経費に過ぎなかったのだ
奴のトンファー状の火器から秒間にすれば五発、超音波で放たれる弾雨にフェンサーへの跳弾も併せての黒い嵐の中心にはアカリのゲシュペンストの姿がある
パネルを素早く操作しディスプレイにアカリ機の状態を示させる
「…データリンク確認、無事でいろよ!」
装甲に幾らかの損害はあるが推進及び各関節部分への損傷はない
アカリの全包囲射撃への対応は、その性能差を考えれば十二分と言える。
包囲攻撃の緩衝地帯へとゲシュペンストでの可能な限りの速度で以て突き進むが…
ユウセイ?「きっとかわしてくれると信じていたよ!」
跳弾による包囲攻撃をフェンサーで維持しつつ
ASモドキは連射していたトンファーを持ち換えるとテスラ・ドライブに粒子が収束させ加速の準備段階に入ると既に周囲にはミサイルが包囲していた
レオン「こんな奴が相手と判ってたらミサイルをレールガンに換えておけば良かったよ!」
ジャミングにより誘導が効かない為、ロックせずに撃ち出しASモドキの周囲で破裂するよう設定したロングミサイルだ
爆風による目くらましを利用し不意に背後を突く形でブーステッドライフルを構え、その砲弾がASモドキを貫いた
ユウセイ?「残念無念!また来世!」
貫かれたASが消えると同時にエクセリオンの正面から現れトンファーを交差させて瞬時にすり抜けるとエクセリオンの中心には黒いXが刻まれていた
続く
28
:
レオン&ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/06(月) 17:34:48 ID:Elegx5lM
>>26
の続き
レオン「残念なのは(オリジナルの)テメーだ!」
ASがすり抜けた先には今度はマイクロミサイルが置かれた形で発射され、既にその全身に食らいつき今度こそ直撃させる
一方、Xを刻まれたハズのエクセリオンは無傷
大振りの攻撃なら、その”間”さえ読めれば最小限の動作でかわせる
シャドウストライカーは文字通り『すり抜けて』しまったのだ
今の砲撃も陽動と割り切ったからこそ回避に繋がった…と言うのも根本的な速さが違う為、当てられる武装が限られている
もっと速い武器があれば多少楽にはなるのだが
ユウセイ?「倒せないよ。僕は、そんな攻撃では」(残りHP??)
爆煙の中から聞き覚えのある声と共に黒い弾丸が飛び出す
射腺をかいくぐりながら上昇し巡航形態へ可変させASモドキへ注視を続ける
(さっきの『置き』は意識が僅かでも逸れていたから巧くいった。この弾幕で同じ芸は難しいだろうな)
フェンサーは尚もゲシュペンストを追い続ける
先程と違い本体からの弾丸供給は無いため、その弾幕は明らかに薄くなっていた
>>23
>>24
その胸部がエネルギーを解放しようとする刹那であった
「…こちらに向かう砲弾が三つ…か。」
ユウセイ機がラッシュを受けている真っ最中にユウセイは甲斐への援護を必死に要請していたのは知っていたが…他に方法は無かったのか
このオーバースマッシャーの射腺に、このガラクタを放り込めば終わりだが
先程から思ったが、それでは余りにも手応えが無さすぎる
オーバースマッシャーをこちらに迫る砲撃に向けて解放すると
本体を凌駕する巨大な赤い奔流が砲弾を全て飲み込んでしまった
「次は量子魚雷でも積んでみた方がいいと伝えておいてくれ」
オーバースマッシャーの解放と共に霧が晴れるかのような映像と共に元のシャドウストライカーへと姿を変える
既に戦闘力は皆無の様に見えるストライクストームに対し攻撃子機を展開し、立体的に包囲すると、その全てがシャドウストライカーへと姿を変える
「今度こそ消えるのかな?俺は。ハハハハハハ!」
全機が全く同時にトンファーを連結し通常、打撃に使用する部分を柄として両手で掴み頭上に掲げると砲身部分から本体と同等程度の長さの黒い刀身が生じている
「…さあフィナーレだ!」
包囲していた全機が時間差でユウセイを切り刻もうと襲いかかる
29
:
シュート
◆6d930KmJ9g
:2012/08/06(月) 19:12:28 ID:mqiCPZqU
>>27
「…かかった(ニヤリ)」
そのまま当たった剣から手を離し、相手に掴みかかる。
「…」
無言でそのままフルスイングでレオルードを適当な場所に投げると同時に
アイビームと120㎜バルカン砲を同時に剣を拾いながらそのまま相手に向けて発射する!
30
:
レミー中尉
◆E8ckRIIdug
:2012/08/06(月) 21:17:44 ID:lwUegr8s
>>22
そんな頭越しの越権行為を、レミーは何も言わなかった。
元より戦術論を期待されてここにいるわけではない。
戦略を多少語っても今の役には立たない。
だから、指揮の邪魔にならないようにと移動したはずのCICから元の艦橋の予備オペレータ席に戻り、出現パターンの解析をひっそり続けていた。
「……あれは本当に乱数表なのかしら?
自己顕示の強い奴の事だから、何か“キー”を数値化して出現パターンに使っているかも……ブラックホール周波数か円周率ないし既知の無限少数かはたまた法華経か……むしろ奴の発言を!?」
そろそろソシアルハックの領域である。
31
:
ヒルギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/08/06(月) 23:38:21 ID:NB65nndE
>>28
妙だ…オーバースマッシャーに飲まれ3つとも四散した筈の砲弾だったがなぜか1つだけ残っている。
いや砲弾にしては大きい何より先ほどから少しずつその速度が増している。
これは――――
「オーバー…スマッシャァーッ!!」
ユウセイへと攻撃を繰り出さんとするシャドウストライカーの間を割って入るように
暗黒の擬似宇宙を打ち抜いて太陽の欠片と見まごう赤い濁流が襲来する。
「…ダメか!」
発信源は先ほど手痛く痛めつけたはずの本物のデーモン、バルクレイスだった
手負いのはずだが補給はせずに甲斐の援護に回ってすぐさま駆けつけてきたらしい。
だが打ち出されたオーバースマッシャーは全てを払うことはできない、数を減らしたり手薄にはできるだろうが―――
距離がありすぎるのだ、シャドウストライカーの猛攻を凌げるかはユウセイの腕にかかっていた
32
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/07(火) 08:32:27 ID:VLHbLtKQ
>>25
「バルクレイス、こちら甲斐です。先ほどのあなたの援護がなければ本艦は多大な被害を被っていたところでした。
援護に感謝します」
ユウセイへの援護砲撃後、一段落付いたらしい甲斐から通信が入る。
モニターに映るリリーの顔はヒツギにとっては見覚えのない顔だろうが、甲斐内部の通信を聞いていたのであれば、
その声が姫に代わって艦の指揮を掌握した人物のものと同じだと判断できるだろう。
「損傷と怪我が見受けられますが、大丈夫ですか?
ハヤミ曹長の元に向かうのであれば、何とか彼を引っ張って共に本艦へ帰還して下さい。
こちらも出来うる限りの援護はします。言うことを聞かないのであれば、一発引っぱたいても構いません。
妙な色気を出してしまっては、あなたかハヤミ曹長、もしくは両方を失う結果となりかねませんので」
言っていることは物騒だが、両機の破損状況から考えれば当然の物言いである。
>>27-28
敵の弾幕はかいくぐったが……その代わりに今度は狙いがエクセリオンに向いてしまったようだ。
何とか援護をしたいものだが、フェンサー二基に未だにつけ狙われている以上、それも難しい。
このままではジリ貧か。そう考えたアカリは、甲斐に通信を入れる。
「甲斐、こちらクレマチ。三式対空榴散弾の用意をお願いします!」
『こちら甲斐。了解しました。一番副砲へ装填します』
甲斐との通信を切ったところで、迫り来ていたフェンサーを機体に身をよじらせて回避したアカリは、今度はレオンハルトに通信を繋ぐ。
「シュナイダーさん、甲斐に三式弾を用意させました。甲斐の艦首側に敵を引きつけましょう。
指向性散弾のシャワーを相手に浴びせてやるんです」
今し方回避したフェンサーに対し、M950マシンガンを撃ちかけながら、アカリはそう提案する。
三式対空榴散弾は目標の手前で炸裂し、多数のベアリング弾を扇状に射出する砲弾だ。
甲斐の副砲は主砲と同じく三連装であるので、それら全てから発射される三式弾のベアリング弾の量は計り知れない。
その量はあのアルトアイゼンのスクエア・クレイモア以上のものだろう。それだけの散弾、どれほど高機動であろうとも避けられる術はない。
33
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/07(火) 10:05:31 ID:VLHbLtKQ
>>28
「少尉! ストライクストームが……」
アカリの要請に従って一番副砲に三式弾を装填させたリリーであったが、
息をつく暇もなくCIC要員の一人がストライクストームの危機を知らせた。
「……離脱の気配は見せましたが、やはりこうなりましたか。二番主砲、照準。
とにかく敵機とストライクストームの間に割り込ませてください」
「了解! 二番主砲照準! 右40度、仰角55度!」
「二番主砲、発射」
甲斐の前部甲板に配置されているもう一つの主砲塔が動き、
ストライクストームを狙う五体のシャドウストライカー、その中央に位置する機体に向かって曳光弾を射撃した。
先ほどとは違い、今度は当てるように狙いを付けられている。
34
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/08/07(火) 12:20:52 ID:Ii9Gr/Wo
「くっ、攻めて、この機体、以外の奴をコピーしていたらな。」
これをすごく後悔していた。
だが、今まさに、シャドウストライカーズが向かってきている。
「じゃまだ、どけ。」
とりあえず、無事な兵器のうちの一つ、ストライクライフルを取り出し、シャドウストライカーを攻撃。
一つ、ヒット迎撃成功
2、3、4 っと確実に当てていく。
35
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/08/07(火) 20:10:09 ID:Ii9Gr/Wo
続き
「甲斐、こちらユウセイ、援護感謝します。
ASSSの損傷率が、今のところ、右手左足を破壊、エンジン出力、50%までダウン。
戦闘続行は、ほぼ不可能、よって一時甲斐に帰艦、ゲシュペンストを出します。」
絶対に、はっ?とか言われそうなので、
「レミー中尉、確か、資料だけアスト博士に渡されたはずです。」
とりあえず、アスト博士から、資料を回されたはずだ。
36
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/08/07(火) 21:04:51 ID:rBnyzLXA
>>35
レミー『え?ちょっと待って……ああ、これね……』
つまり、レミーは読んでいなかったようだ。
ラウディ「……まあ、ハヤミ曹長の着艦のサポートにまわります」
片肺でもそのくらいは出来る。幸い他の機体が援護出来る範囲に集まったし甲斐の運用もましになった。
整備兵A『ついでに片肺も直すぞ』
整備兵B『例のゲシュペンストな、今OSに無重力運用を読み込ませるところだ』
整備兵C『それのデータ丸呑みさせるぞー』
格納庫に続くハッチが開く……
37
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/08/07(火) 23:03:50 ID:Ii9Gr/Wo
「こちら、ユウセイ、今から着鑑します。」
ユウセイは、落ち着き冷静に入る。
「ストライクストームは、ほとんど、稼働不可能、だがOSデータだけ何とかなりました。」
「でかした、それを元にするぞ。」
なんとか、みんなのサポートに入れる、
「少し、医務室、行ってきます。」
「すぐ戻ってこいよ。」
「はっ、はい。」
ふらつきながら、医務室に向かう。
そこで、包帯をしてもらう。
「発信準備は?」
「まだ、もう少しかかる。」
「了解です。」
38
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/08/10(金) 20:05:28 ID:E07auSNA
レミー『あのフラフラの予測パターンが割り出せたわ。
飽和攻撃を仕掛けるには十分らしいわね』
FCSに新たなデータが送信される。
突貫工事で片肺状態は解消され、取りあえずは戦える。
「ラウディ・クーリマン、再出撃します!」
敵から死角になるタイミングで格納庫を出、出会い頭のタイミングで艦砲群との一斉射撃!
>>37
「よーし、データ吸い出します」
「こいつは取りあえず隅っこに固定しますね」
「ほい、流し込めるよー」
それぞれに作業にかかる整備兵たち。
その後何が起きるかなど知る由もない。
39
:
レオン&ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/11(土) 22:12:03 ID:ZJuo4HtI
>>29
ユウセイ関連は次から
「…!」
不意の重圧により制御を失い、レオルドから距離をとらされレオルード
確かに獲物を離して掴みかかるなど、シュートの無意識の影でさえ予想だには出来ない……が
「あめぇよ」
バルカンとビームに対して
放り出された反動を利用し下がりつつ黒い気を纏う剣を支えながら機体ごと螺旋を描くと、
その両方がまるで剣に吸い寄せられたかのようにいなされてしまう
回転を止め、切っ先をレオルードに向けて言い放つ
「こんな下策に出るんだ。当然、次があるんだよな?」
>>32
(注意を引いたはいいが…何かきっかけは…!)
凄まじい迄の弾幕を高速で振り切り、あるいは揺さぶりながらも紙一重で避け続けるも
こちらからは攻めあぐねていた。そんな折り
>「シュナイダーさん、甲斐に三式弾を用意させました。甲斐の艦首側に敵を引きつけましょう。
指向性散弾のシャワーを相手に浴びせてやるんです」
「…なるほど。なら俺にも考えがある」
相手はユウセイのコピー。如何にオリジナルの程度が知れているとは言え極東の暗号は使わない方が良いだろう
コンソールを指で叩き、ラングレーで使用されているサインで甲斐にこう示した
”合図と共に俺を撃て"
サインを出した直後に全てのミサイルハッチを解放し、弾雨を縫いつつミサイルと共に猛然とシャドウストライカーに突撃する
ユウセイ?「ミサイルが丸見えなら潰すだけさ」
放たれたミサイル群を圧倒する程の弾幕を張り、エクセリオンを含む、その全てが弾雨と爆炎に包まれた
レオン「”今だ!”」
その直後、シャドウストライカーの頭上から脚部を蒼く輝かせて急降下するエクセリオン
ユウセイ?「同じ手を、喰うと思うか?それもテレフォンで」
僅かに機体を素早く『ずらし』真正面に捉えたエクセリオンをトンファーで両断する!
40
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/11(土) 22:12:57 ID:ZJuo4HtI
>>31
>>33
>>34
>>37
ストライクストームはかろうじて残ったものの完全に死んだ左腕は諦め
ライフルをウェポンラックで固定しつつ、サーバント四基でバランスを取りながら狙撃すると云う芸当を見せた
ユウセイ?「無様だな!」
亜光速で迫る分身に上手く射腺を併せるが、そのことごとくが黒い刃に斬り裂かれる
更にはトドメを伺う本体に向けて甲斐からの砲弾が迫る
ユウセイ?「遅い!」
黒い縦一閃の僅かに遅れてシャドウストライカーの左右後方で爆発が起こる
甲斐の砲弾が斬り裂かれたのだ
その頃分身は
いよいよストライクストームに切っ先が懸かるかと思われた、その刹那
>「オーバー…スマッシャァーッ!!」
ストライクストームとシャドウストライカーの間を赤い濁流が押し寄せ、寸断させた
先に仕掛けた二つの分身が、これに巻き込まれ蒸発していた
赤い濁流が完全に通り過ぎた後にはストライクストームの姿は無くなっていた
「…死にに戻って来てくれたのか?オヒトヨシ?」
砲弾を切り裂いた姿勢のまま、バルクレイスを睨みつけるように呟くと
残った二つの分身がバルクレイスを切り裂くべく
一機が正面から、その首を狙うべく剣を払い抜けようとし
二機目が背後から右腕と右足を奪うべく、急降下、兜割りを繰り出した
41
:
シュート
◆6d930KmJ9g
:2012/08/11(土) 22:20:23 ID:NmxagSLc
>>39
>「こんな下策に出るんだ。当然、次があるんだよな?」
そういいきるまえに、既にレオルードのモニターの目の前にレオルドソードが写っていた。
なにが起きたというのかというと
回転している間に拾ったソードを瞬時に投げたのだ。
「甘いのはお前だよ。
お前なんか俺の足元にも及ばない…」
そう言いきると同時にソードがレオルードのメインカメラにぶっ刺さる。
「それと、…そのままじゃ前が見えないよな?」
と、言った時には既にレオルドの手が剣を握っていた。
「前が見えないし、このままじゃかわいそうだから真っ二つにしてあげるよ」
冷酷に言い放つとソードを抜き、そのまま無造作にレオルードを真上から真っ二つにしようとする
42
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/11(土) 22:38:19 ID:ZJuo4HtI
>>38
甲斐に搭載された対空機銃及び防空装備のありったけで以てシャドウストライカーを狙い撃つ…のではなく
『追い詰める事』に重きを置いた全力の牽制
ユウセイ?「いいね!そう、その必死さが、とてもいいよ!」
余裕さえ感じられる発言だが、実際には攻撃子機を展開する余裕は無い
レミー中尉の割り出した死角となる絶妙なタイミングでラウディ機からの
マシンキャノン、2基の内蔵レールガン、そして葉桜エクスカリバーによる一斉火砲が、遂にシャドウストライカーを捉え、その噴煙が包み込む(次のラウディさんのレスに続く)
その頃、甲斐の格納庫の隅に追いやられた、既に死に体となった無人のストライクストームの目が怪しく光る
『君は何処までも厄介者だよねぇ。クックックッ…』
近くで作業をしていた整備兵達の頭に直接響くかのような声が笑い声と共に聴こえてくる
破損していたストライクストームの直ぐ側にはシャドウストライカーの姿が在り
更にはストライクストームの千切れた部位から複数のコードのようなものがズルズルと伸び、本来の姿の形に近づくと、一瞬だけ光を放ち、その破損を復元していく…
43
:
ヒルギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/08/12(日) 08:47:46 ID:FWlO6iRk
>>40
どうやらユウセイが離脱できるだけの時間は生み出したらしい
間に合っていなかったらどうなっていたか分かったものではない、ほっと胸を撫で下ろした
>「…死にに戻って来てくれたのか?オヒトヨシ?」
「あぁお人よしで何が悪い、死にはしないけどな・・・!」
悪態に対して悪態を返す、確かに満身創痍といえる状態であるが
両手を切り落とされたストライクストームよりは遥かに戦闘力が勝る。
現在甲斐はただでさえパニック状態、この2機を近づけさせるわけには行かない。
(・・・ここで俺が落とす!)
>一機が正面から、その首を狙うべく剣を払い抜けようとし
>二機目が背後から右腕と右足を奪うべく、急降下、兜割りを繰り出した
来た、どちらも射撃ではなく近接攻撃という選択肢。
先ほどまでのバルクレイスとヒツギだったらこの攻撃を避けきることは難しかっただろう
だが今は違う、この2人を文字通りつなぐSCIはその能力を取り戻した。
そしてヒツギの持ち前の底力もこの土壇場になって働き始める
戦況は不利になったのではない、背水となったことで有利になったのだ。
ここで重要なのはシャドウストライカー2機がどういった攻撃を取ったかである。
近接攻撃であるのはもちろんだ、しかしどちらも近接攻撃以外の共通点が存在している
刃物を使うというのもそう、だがもっと根本的に――― どちらも『上』からなのだ
前方の一機は首を狙う、つまり標的がまず『上』である
後方の一機は狙いこそ右腕右足だが兜割り、つまり『上』からの振り下ろしだ。
必然的にその攻撃の入りはどちらも類似した位置となる。
それを見逃すようなヒツギではない、いやそれを見逃すようなヒツギではなくなった
接近する2機をギリギリまでひきつけ、機体を屈ませながらすばやく下方向へと逃がす。
空間戦闘を苦手としている彼が土壇場でやってのけた陸地がないからこそできる動き
これだけの動作ではあるがヒツギの読みが正しいならば十分間に合うはず
「さっきのお返しをしてやらないとな!!」
その状態で体を翻し、上から落ちてくるという兜割りの動きを逆手に取った
後方のシャドウストライカーに対しての下からめくり上げるようなほぼ垂直の蹴り上げ角度を持つ端脚
当たればステークによって当然その身を打ち貫くだろう
だがこれで終わりではない、前方の一機に対しては肘を使う。
ほぼ当身に近い肘うちだがこちらは高周波ブレードを肘から先、後方に向けた状態での攻撃
すなわち殴打としてではなく刺突としての効果を持った肘うちだ
こちらも首を狙う、つまりほぼ直進してくるという軌道を読んでの技。
この二つとも敵の攻撃から打ち出すカウンター、つまり相手が攻めてくる一瞬を縫って2機同時にダメージを与えるつもりなのだ
44
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/15(水) 05:49:37 ID:59hs.DGo
>>39
エクセリオンから送信されてきた見慣れないサインに、頭上にクエスチョンマークを浮かべてリリーは首を傾げたが、
それを見ていたCIC要員の何人かが、「これって……」などと、その意図に気づいたように囁き始めた。
「今のサインがわかるのですか?」
「ええ、ラングレー基地で使われているサインですね。これをここで見るとは思いませんでした」
「彼は何と?」
「合図を出すから、それと同時にエクセリオンに向かって三式弾を撃って欲しいそうです」
「エクセリオンに……? わかりました。いつ合図が来ても良いように、一番副砲のモーターは温めておいてください」
「了解」
中距離対艦戦や対空迎撃に用いられる副砲塔の挙動は、主砲塔と比べてかなり素早い。
しかし、それでも高速で動き回るエクセリオンに対し、いつ来るかわからない合図と同時に射撃しなければならないとなれば、
エクセリオンに照準を合わせ続ける必要がある。
砲塔を回転させるモーターを最大稼働させて、エクセリオンを狙い続ける副砲塔。
その照準の先、射出したミサイル群を迎撃されて、エクセリオンが爆炎に包まれた直後、レオンハルトからの合図。
「少尉!」
「一番、発射」
合図を受けた甲斐の一番副砲が火を吹く。
撃ち出された三発の三式弾はその勢いのまましばらく直進し、絡み合うエクセリオンとシャドウストライカーの手前で炸裂、
大量のベアリング弾を二機の方向に向かって撒き散らした。
三式弾は艦船や特機の厚い装甲にはあまり効果のあがらない砲弾であるが、高機動を旨とする、比較的装甲の薄いPT等には致命的な威力を発揮する。
うまくいけばシャドウストライカーを仕留めることが可能だろうが、問題は味方機の方であるエクセリオンである。
果たしてかの機体はこの弾雨を切り抜けられるのか……?
>>42
一番副砲を射撃した後、リリーは「そういえば」と前置きして、
「カーマインさんと明智大尉は何処に行っちゃったんですか? お手すきなら甲斐の直援にまわって欲しいのですが……」
「わかりません。情報が錯綜していて……。シャドウストライカーの一機を撃破したのは確認しているのですが」
「とにかく、通信を繋いでください。もしかしたら、私たちが気づいていないだけで、ピンチに陥っている可能性も……っ!?」
指示を出していたリリーが突然、熱くなったヤカンに触ったときのように、手を置いていたコンソールから素早く手を離した。
無論、コンソールがお湯を沸かせるほど熱くなったわけではない。
だがその瞬間は、甲斐の機動兵器ハンガーで、半壊したストライクストームが異常な再生を始めたのと同時であった。
「少尉? どうされました?」
「く……クーリマン軍曹に通信を繋いで下さい。至急です」
声を張り上げたわけではないが、その切羽詰まったようなリリーの表情に尋常ではないものを感じたCIC要員は、
すぐさま甲斐の直援をしているラウディのエフゼロと通信を繋いだ。
それを見て取ったリリーは、震える手でヘッドセットを押さえて、
「クーリマン軍曹、こちら甲斐です。無茶を承知で言います。直ちに甲斐のハンガーからストライクストームを放り出して下さい」
「少尉、ハンガーのストライクストームが……!」
ハンガーからの緊急連絡で、CICは甲斐の内部で起こっている異常事態を知った。
それを予期していたかのようなリリーの通信は続く。
「このままでは本艦は沈みかねません。頼めるのは、あなたしかいないんです、軍曹」
45
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/08/15(水) 16:36:18 ID:R9mD5vLY
「ほらっ、行ってこい。」
「了解。」
ゲシュペンストのスパンバイが終わる。
「行きまっ ? !」
ストライクストームが再生しているだと、おそらく。
「ユウセイから、甲斐へスタンバイ終了、いつでも発進できます、指示を。」
まぁ、恐らくASSSを相手するのか。大変だな。
46
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/08/15(水) 22:05:42 ID:D6U.92BU
>>42
「よーし、有無有無、よーし」
こちらから見る限り、倒しきらなかったとしても完全に足を止めさせた。
後は蜂の巣作りに精を出すだけだろう。
「そっから再生するなら、むしろこんなところでこんな事するな、だよなぁ」
一方その頃、
「な、何だありゃ?」
「ええおいっ!倒せて無いじゃないかっ」
「艦内に逃げて来やがった!?」
若干名は、甲斐の周囲を点滅していた敵が逃げ込んできたと思い込んだ様子である。
>>44
「えっ!?」
これだけで状況を推理推測するとか、ホームズ兄弟でも無理である。
ともかくとどめは艦砲に任せ、ハンガーにとって返し……
「何でよっ!?」
>>45
「曹長!早く乗り込んで!そして!」
コクピットに片足突っ込んで一瞬固まった(すぐに動き出したが)ユウセイに声をかけ、シャドウストライカーを掴もうとする。
捕まえたらテスラドライブをフルパワーでブン回し、外に放り出してやるのだ。
大気圏飯縄落としや暗黒流れ星が出来れば良かったのだが……
47
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/08/15(水) 22:13:21 ID:R9mD5vLY
>>48
「分かってる、まずはASSSの処理だな、あれ高かったのに。」
はぁ、とか思いながら、持つが、
ASSSが勝手に動き出す。しかもおそってくる。
「ったく、しょうがねぇな。」
整備場から、人を離れさして、
「ステークでおとなしくさせる。」
片手だけ、プラズマステークをぶつける。
48
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/08/16(木) 09:20:25 ID:.0i6oUfU
>>42
【破損していたストライクストームの直ぐ側にはシャドウストライカーの姿が在り
更にはストライクストームの千切れた部位から複数のコードのようなものがズルズルと伸び、本来の姿の形に近づくと、一瞬だけ光を放ち、その破損を復元していく】
「あああ。嫌な予兆がするわね。甲斐へ下がるわよ」
「言われずともですよ」
その様なヴィジョンを未来視によって見たレイナ達は、反発しながらも慌てて前線を離脱して、甲斐の方へと急いだ
>>44
【「カーマインさんと明智大尉は何処に行っちゃったんですか? お手すきなら甲斐の直援にまわって欲しいのですが……」
「わかりません。情報が錯綜していて……。シャドウストライカーの一機を撃破したのは確認しているのですが」
「とにかく、通信を繋いでください。もしかしたら、私たちが気づいていないだけで、ピンチに陥っている可能性も……っ!?」】
「……その必要は有りません。たった今前線より戻りました。わたしとアイゼルネ・ブルートの2機も艦内に潜入してしまった敵及び、その他周囲の掃討に加わります」
アイゼルネ・ブルートとガブリエルの2機が舞い戻って来た様だ。多少の損傷は負っているが、問題は無い。
明智ライト操るガブリエルがその場でシャドウストライカーへの誘導牽制射撃に加わった。
レオンハルトの“狙い”の手助けにはなるだろう。
ちなみにライトは甲斐の指揮系統が何やら変わっている事が解っている様だが、疑問には感じたがとりあえず現状、口には出さずにいた。
ただ、武田艦長の時より何処か統制が取れておりしっくり来るのは確かだからだ。
「……何してるのよ?ダメダメね。士気がぜんぜん低いわ、我が眷属達。幸いあの幻影のペテンはだいたい解って来たわ。この私が戻って来たのだからここからはもっと昂って行くわよ」
その場の皆を焚き付ける様な相変わらずの尊大な口振りである。
果たしてこんなもので士気は高揚するのだろうか?
【「クーリマン軍曹、こちら甲斐です。無茶を承知で言います。直ちに甲斐のハンガーからストライクストームを放り出して下さい」
「少尉、ハンガーのストライクストームが……!」】
「ならその役目、私とアイゼルネに任せていただこうかしら?」
無論、有無を言わさない。
すでに発進デッキ辺りまで戻って来ていたアイゼルネ・ブルートはその右腕をPT射出口へ向けて突き出す。
ハンガーにまで入る時間は要らない。伸縮するその異形の腕が中で蠢くストライク・ストームを捕縛しようと伸びていく。
「私には見えているのよね」
自信有りと言った様子。その直後、確かに何かを巻き付け、拘束した様な手応えは感じ、後はそれを手元に勢い良く力強く引き戻す
……戻りにちょっと艦内の内壁を傷付けたりしてしまうかも知れないが、そこは上手くスムーズに行く事を願おう。
>>47
【「ステークでおとなしくさせる。」】
「馬鹿。艦内で暴れる奴があるか。まずはゲテモノを外に引き摺り出すのよ」
決着を付けるのはそれからにしなさい。と言うことだ。
49
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/08/16(木) 18:45:36 ID:JE.C6I1o
>>47
「……諦めて外に出しましょうよ」
そりゃあ、さっきまで使っていた機体が奪われるとかイヤなものだけど、取り返す事考えるのは早くないかな?と。
>>48
目の前を長く延びた腕が通過し、乗っ取られたストライクストームを掴んで引きずり出そうとしている。
「……やべ、巻き込まれそうだ」
とにかく自分が捕まえた方を外へ……
「……あ、さっきのはとどめ刺しましたか?」
CICに確認をとっておく。
50
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/08/16(木) 19:31:50 ID:GfBOuGyM
>>49
「だって、セレーナさん口説き落とすの大変だったんだからPTの設計図作成するの、夜の営みさせられそうになったし。」
>>48
「明智大尉、レイナ嬢、ご無事でなにより、」
とりあえず、プラズマをはなし外へ押し出そうとドロップキック
51
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/17(金) 23:01:04 ID:iMVsSttk
>>44
>>48
(大変、混雑しておりますご注意下さい)
>「一番、発射」
リリー少尉の号令と共に発射された三式弾頭が目標目掛けて直進する
一方シャドウストライカーは斬り裂いたと思った白い機体には全くの手応えがない
そう先ほどと同じように
ユウセイ?「しまっ…!」
斬撃から間を置かず炸裂した三式弾のベアリング弾に既に包囲され間も無く、その全身に食い込んでいく
まず初弾が胴体を守る両腕を頭部諸とも吹き飛ばす
「ぐっ!」
直に二弾目が脚部を末端から食い尽くすかのように破損を胴体へと迫り
「この僕が…げへぇ!!」
そして三弾目が到達する頃には既に形も残らず打ち砕かれベアリング弾の進行方向にその破片ごと流されていく
エクセリオンの急降下蹴りの直前
シャドウストライカーの背後と周囲にレーザーが降り注ぐ
ガブリエルからの援護である
一瞬の事であったが、これにより大袈裟に下がり隙の少ない射撃と言う選択肢を潰したのだ
「good,job!!奴の粉砕をこちらでも確認した」
甲斐へ通信を入れたのはレオン。エクセリオンはと言えば無傷だった
何故か?
その理由の一つに援護に使われたのが指向性のスクエアクレイモアであった事と
もう一つ炸裂するタイミングを操作した事にあった為だ
エクセリオンの火器類、突撃による白兵戦でも奴に致命傷を与えるのは難しいと考えた。そんな折り甲斐からの援護が可能と聞いたのはまさに渡りに船だった
次に考えるべきは、どうやって当てるのかだった
問題はスクエアクレイモアの扱いが難しすぎるという点
もし、あのまま撃ち込んでいたなら、その機動力で以てしてベアリング弾を味方を巻き込むようにバラ撒かせ自らは回避する事も出来るのだ
良くても有効範囲に飽かせて、カス当たりがせいぜいだろう
なら奴に対して『大当たり』…所謂アルトアイゼンの必殺距離で炸裂させる必要があった
シャドウストライカーに対して放った急降下蹴り…実はエクセリオン自体を減速させ急加速させる為にTドットアレイを展開する為の布石
決死攻撃と見せかけて減速し、そこを狙い撃った甲斐の弾薬
そしてまんまと食いついたシャドウストライカーを置き去りにして自らは再加速した。この時に奴が切り裂いたのは要するにエクセリオンの残像である
藻屑となったユウセイを尻目にアカリ機へと悠然と向かっていく
52
:
弥生
◆E8ckRIIdug
:2012/08/19(日) 19:08:33 ID:cSVJT2to
>>50
その軽口を口にした瞬間、殺意としか思えない物が背筋を走り抜けたのは気のせいだと思いたい。
というか思わせて。
53
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/19(日) 22:00:47 ID:JI1IwWgg
>>41
「ハッ!おい屑!『今』のお前になってから、しょっぱくなる一方だな」
メインカメラこそ潰れたがブレる気配は無い
その言葉から間髪入れずにレオルドから振り降ろされる剣筋の軸に対して、流れるように身を翻す
「お前はどうだ?俺の剣が見えているか?」
レオルードの両手には既に剣が握られ腋構えの様な形からレオルドの一閃をかわし、回転と共に踏み込み、その刀身をレオルドの胴体目掛けて真一文字に引き斬らんと黒い竜巻の如き刃が迫る
>>43
『二基』のシャドウストライカーの剣が閃く
その刹那、肘撃ちからの残心に移るまでの、ほんの僅かな間
バルクレイスの上から迫った機体の胴体部分には孔が穿たれ、対象の真上へと吹き飛び、その孔から破片を吐き出すような形で爆ぜ
バルクレイスを正面から斬り抜けようとした方は抜けた先で右肩側、首の付け根から左脇腹を中心に両断された後に爆散する
ユウセイs?「…さっきと違って無駄がないね?」
ユウセイが連れてきた側の本体が、開口一番にトンファー状の武器からバルクレイスに向けて弾雨を展開
弾幕が張られる直前、最初にバルクレイスに対峙した側の本体が、ルナ・フェンサーの柄をホルスターから射出させ、取るや否や
バルクレイスの左右下方からすくう様に蒼い光綸を展開して追いすがる
54
:
レオン&ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/19(日) 22:57:02 ID:JI1IwWgg
>>44
>>45
>>46
>>47
>>48
ASSS「…」
格納庫内へと無作為にガトリング砲をバラ撒く無人のASSS
着弾線上の機材は蜂の巣を作ったと見るや爆砕し、逃げ惑う整備兵もその牙にかかったか、千切れて血塗れになり、辛うじて腕と判るだけの肉片が球となって漂う血液と共に辺りに舞っていた
その腕を見た別の整備兵は驚いた拍子に瓦礫につまづき隔壁へと体を強打して動けなくなってしまう
そんな様子に気付いたのはシャドウストライカーだった
ユウセイ?「…いいこと考えた。アレを狙い撃ってくれ」
命じられたASSSの全身に配置されたカメラが不気味に光るとガトリングの砲身を身を起こすのがやっとの整備兵に向ける
整備兵「あ…ああ…」
ガトリング砲が稼働し始めた。その時
>「ステークでおとなしくさせる。」
雷光を従えての拳の一閃!整備兵の危機を救ったのはユウセイの駆るゲシュペンストだった
拳の甲に備えられたプラズマステークがASSSの左肩装甲の間へ突き刺さる
ガトリングからは依然として弾頭が吐き出され続けるが、その杭による拘束で以て弾の照準を阻害する
>「馬鹿。艦内で暴れる奴があるか。まずはゲテモノを外に引き摺り出すのよ」
ユウセイ?「さて、なら、こうしてやるか」
ASSSを押さえ込むゲシュペンストの胴体をアイゼルネのアームに向けて蹴り込む
>何かを巻き付け、拘束した様な手応えは感じ、後はそれを手元に勢い良く力強く引き戻す
アームに捕まって引きずり込まれるゲシュペンスト
しかしASSSの左肩に食らいついたまま離さず、そのまま一緒に引きずり出されていく
ユウセイ?「あ…まぁいいか」
一方アカリ機の元へと向かうレオン。その間も無線から味方からの怒声や叫び声が聞こえてくる
レオン「…味方の…悲鳴…!?」
出撃メンバーのそれではない。注意深く聞き取ると
何やら甲斐の格納庫に敵機が入り込み、最寄りのクーリマン軍曹と合流を目指すレイナ達へと救援を要請したらしい
「クーリリン軍曹!白い方を押し込むんだ!カタパルトで発射するんだ!」
55
:
ヒルギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/08/19(日) 23:25:33 ID:ey76.rwI
2機のシャドウストライカーがデーモンの背で閃光とともに爆散する
正面が暗く影となるその姿は、まるで逆光か後光を従えたかのようだった
だがヒツギの表情は決して晴れない、それは敵を討った感触からだ
今の2機は本体ではないと直感的に分かっていた
(外れか・・・!)
きょろきょろと周囲に視線を配るとレオンが残りの機体を落としているのが見える。
そんなヒツギに対し不意打ち気味にさらに後方――― 甲斐が騒がしい
かなり特徴的な後ろ姿をした機体がカタパルト前で何かをしている、見間違うわけもなくアイゼルネだろう
つまりレイナが何かをしているようだが・・・
「!! 抜けられた!?」
思い当たる節があった、隙を突いて甲斐への接近を許してしまったということだ
隙を突いて・・・というのは少しおかしいか、ヒツギを甲斐から剥がしたのも全て敵の作戦。
「レイナ、甲斐!大丈夫か!?」
甲斐と戦場を行ったりきたりでかなり忙しいが、ここは再び戻るしか・・・
>>53
>ユウセイs?「…さっきと違って無駄がないね?」
焦りを見せるヒツギに対し投げかけられる声
それは先ほど落とした機体とまったく同じ見た目をした機体、シャドウストライカー
「まだ残っているのか・・・!」
敵をカメラに捕らえ、今一度周囲に気を配る
どうやらこいつだけでなくまだ数機残っているらしい、ヒツギの奥歯に力がこもった
>弾幕が張られる直前、最初にバルクレイスに対峙した側の本体が、ルナ・フェンサーの柄をホルスターから射出させ、取るや否や
>バルクレイスの左右下方からすくう様に蒼い光綸を展開して追いすがる
「挟撃か、だけど落ちると・・・」
3つの光輪はそれぞれが意思を持つように動き、それぞれバルクレイスに向かって迫る
対するヒツギは瞬間的に機体の推力を最大まで跳ね上げさせた。
さらに速度を上げるために機体を水平にしたその姿は、赤い銃弾と形容するにふさわしい
「思うなよ!!」
相対するように襲い掛かるルナ・フェンサーに対しデーモンはその腕を広げる
そして肩で空を切るかの用に無理やり上体をひねり、すぐさま元の位置に戻して両腕をまっすぐに揃える
この一連の行動によってただ直進する以外の運動エネルギーがデーモンに宿った。
あろうことか、その場でバレルロールをしたのである
回転するデーモンと瞬間的にすれ違う光輪はその体を捕らえきれなかった
掠めた光の刃がバルクレイスの赤い装甲が突起の先端を切り落とし、また塗装が剥がれる程度の薄皮を切り裂いていく
どれも紙一重と呼べるタイミングでかわして見せたのだ
>ユウセイが連れてきた側の本体が、開口一番にトンファー状の武器からバルクレイスに向けて弾雨を展開
次に襲い掛かるのは銃弾の雨霰、直進を図っていたバルクレイスからしてみたら正面衝突は必死。
ルナ・フェンサーをすり抜けたバルクレイスは空中で仰向けになったような状態になっていた
その刹那に背中の胴体と同じだけの大きさを持つ巨大なブースターがその大口を開き、咆えた
薄青い光が尾を引いて噴出し、機体は不安定な体勢のまま高くへと吹き飛ぶように跳ね上がったのだ
「ぐっ・・・!」
放たれた銃弾を避けるために負荷など無視して機体を思い切り飛ばしたのだ
途方もないGがヒツギの体を襲った、身に受けるそれをぐっと歯をかみ締め耐え抜く。
天高くへと飛びあがったバルクレイスはその身を翻し、勢いのまま再び回転させた
そしてくるりとムーンサルトのように体勢を入れ替え―――
両膝を胸部に付くほどに引き戻し、閃光の尾を従えたまま引き絞られた矢のように打って出た。
空高くから襲い掛かる有翼の獣のように銃弾を放つシャドウストライカーへと襲い掛かる
限界まで引き戻していた足を突き出しての飛び蹴り、それは彗星か流星か――― それとも稲妻か
56
:
シュート
◆6d930KmJ9g
:2012/08/19(日) 23:53:39 ID:smCcw4aE
>>53
「ッ!、………………………クズクズ言うんじゃねぇこのくそ野郎がぁ!!」
クズや『今』のお前と言われて今まで見せなかった感情を見せる
「あぁ〜、怒った、俺もう怒っちゃったよぉ〜?
ゆるさねぇよおめぇ、もうゆるさねぇぜぇ〜?
ゆるすまじ!!」
額に青筋を浮かべて言う
「じゃあかしい!!、そんな攻撃が避けられない銀さ…間違えた
シュートくんだと思ったかぁ!!」
と、どなり声を上げながら『リンボーダンス』の要領で避ける
本来ならばレオルドの運動性じゃありえないんだが……
「フハハハハハ〜!!、どうだこの偽物め!!」
と、楽しそうにレオルドの両手を腰につけて言う
ぶっちゃけ、無防備だ
57
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/20(月) 02:12:00 ID:dxWSl7HE
>>51
散弾である三式弾を最大限に活用するために、自機を囮にして敵機の動きを誘導し、
かつ敵機を利用して自機を安全距離に離脱させる……。
アカリの超反射能力の視界はそれらの動作を細大漏らさず見届けていたが、それゆえに、素直に凄まじい技量だと感じた。
エクセリオンの機動力、テスラ・ドライブの特性、敵と甲斐の位置関係……それらを踏まえた上での、あの大胆な戦術だ。
とてもじゃないが、真似できるような芸当じゃない。
「やりましたね、シュナイダーさん、明智大尉。
あとはハヤセさんが相手をしているのと、変な特機が相手をしているの、甲斐の周囲を飛び回っているのだけですね」
だがこの直後、アカリにとって信じられない通信が、甲斐から漏れ聞こえることになる……。
>>54
ハンガー内の敵機に対して、援護を要請したラウディのエフゼロだけでなく、
半壊したストライクストームに代わってゲシュペンストに乗り込んだユウセイ、
前線から戻ってきていたレイナのアイゼルネまでもが対応に当たってくれたのは、リリーにとって嬉しい誤算であった。
そのことに口元を綻ばせかけたリリーだったが、直後に起こった、支配されたらしいストライクストームによるハンガー内の虐殺を、
ハンガーを映す艦内モニターによって見せられてしまい、その表情を険しいものに戻してしまった。
「少尉……これは……」
「…………アイゼルネが取り付いている方のカタパルトを起動、射出コントロールはクーリマン軍曹に譲渡してください。
それと、反対側のカタパルトも開放し、内部にいるハヤミ曹長のゲシュペンストも同時に出せるように用意を。
ハンガー内の人員がそれらの職務に従事できないことが考えられますので、ダメージコントロール班をそちらに派遣し、作業に当たらせてください」
「し、しかし、負傷しつつも未だ生存しているハンガー要員も居ます。医療班の出動が先では……?」
「このまま内部で暴れられては、医療班どころの話では済まなくなります。医療班も出動させますが、ダメージコントロール班を優先してください。
……忘れましたか? 我々は甲斐全体のクルーの命を預かっているのですよ?」
リリーとて、ハンガー要員たちの命を救いたいと思っているのは同じだ。
だが、ハンガーに入り込んだ敵機の対応をしくじれば、ハンガーだけではなく、甲斐の艦体そのものに大きな被害を被りかねない。
それは結果的に、多くのクルーの死を意味する。
命を天秤に乗せる行為――――誰だってやりたくはないが、しなければ救えない命があるのも事実。
「……了解、しました」
「はい。ありがとうございます」
そんなことも理解できないような人間は、そもそもCICなどという艦の重要部署には入らない。
CIC要員は絞り出すように了解の意を伝え、リリーはそれに微笑みを添えて礼を言った。
58
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/20(月) 02:12:39 ID:dxWSl7HE
>>57
続き
だが、対応しなければならない事は他にもある。空気が良くなったのを見計らうように、別のCIC要員が新たな報告をリリーに伝える。
「少尉、ダイデグリー中尉が甲斐の周囲を隠れつつ旋回している敵機の機動パターンの割り出しに成功したようです。
ブリッジの中尉からデータリンクが確立されました」
「あれの解析に成功したんですか? わかりました。一番、二番、三番副砲塔へ三式弾を装填。現在、その敵機に当たれそうな味方機は?」
「先ほど撃破した敵機に当たっていたエクセリオンとクレマチ伍長のゲシュペンスト、それとガブリエルですが、
敵機の現在の位置から一番近いのはゲシュペンストです」
「ではクレマチ伍長へ通信を」
「了解」
すぐさまアカリのゲシュペンストへと、甲斐からの通信が入った。
甲斐から漏れた通信によって甲斐内部の虐殺がアカリにも伝わっているようで、顔面は蒼白であったが、
彼女は気丈にも『はい、こちらクレマチ』と、普段通りの声色と対応を甲斐に返した。
「伍長、甲斐の右舷側の弾幕は見えますね? あの場には甲斐の周囲を旋回していた敵機が居るのですが、
決めの一手を撃ち込むためには、かの機体に対する楔が足りないのです。
そこであなたに、甲斐とは別方向からの楔を打ってもらって敵を一定範囲内に釘付けにし、そこへ副砲塔三基による三式弾の同時射撃を仕掛けます。
幸い、敵機には甲斐から離れるという思考が無いらしいので、今のうちに決着を付けたいのです」
『了解です』
すぐさまアカリのゲシュペンストはスラスターを吹かして反転し、手持ちの武器をM950マシンガンからブーステッド・ライフルに持ち替えた。
リリーがアカリに要請したのは、敵の退路を断つことである。
甲斐の対空砲火はレミーの割り出した機動パターンのデータもあって、シャドウストライカーを近づけず、進路を封鎖することに成功していたが、
ただ一点、甲斐から距離を取るという退路を残したままであった。
その穴を埋めるべくリリーが投入したのが、ゲシュペンストのブーステッド・ライフルによる射撃である。
リリーが言ったように、かの敵機は甲斐から大きく距離を取るという選択をしないままであったが、
細かく距離を稼ぎ、対空砲火の弾幕が荒くなった箇所を通って対空砲火を回避し続けることはやっていた。
が、アカリの射撃によって、その選択は潰されてしまう。
高速で飛び回る攻撃子機をも撃ち落とす、超速度反射能力に裏打ちされた正確かつ柔軟な狙撃が甲斐の対空砲火のキルゾーンへと介入し、
気づけばシャドウストライカーは上下左右前後を弾丸の壁によって阻まれ、一時、弾雨の「箱」の中に閉じこめられてしまった。
「一番から三番副砲、照準。目標、敵ASもどき」
「了解。スラスター起動、敵機との相対角度調整。測距及び照準よろし」
「一番から三番、斉射」
その敵機が「箱」に閉じこめられる一時、それこそ、リリーが望んだものであった。
弾幕によって敵の機動力が完全に殺されたのとほぼ同時に、リリーは艦首側と艦尾側、右舷の三基の副砲塔に射撃を命じる。
三連装副砲塔三基による、三式弾の一斉射。
エクセリオンが先ほど相手をしていた敵機へ放たれたそれの三倍の量という途方もない数のベアリング弾が、
弾幕に閉じこめられたシャドウストライカーへと襲いかかり、敵機は悲鳴を上げる間も許されないまま全身を撃ち抜かれて細かな残骸となった。
59
:
◆zv577ZusFQ
:2012/08/20(月) 03:03:10 ID:wfJZNLHc
>>54
「はあ??」
レイナは目をまん丸にして驚いていた。
何故ならアイゼルネの手元に引き上げて来た肝心の獲物なのだが、レイナの意図したものとは違っていた。
「……なんでゲシュペンストが?」
アイゼルネが手探りでホールドしていたのはユウセイ曹長の乗り換えたゲシュペンストであった。
そして、肝心のゲテモノ……ことASSSはと言うと。ユウセイ曹長のゲシュペンストが執念で捕まえていた様だ。
結果的にレイナは2機の機体を引き上げて来た事になる。
「ほ……まぁ良いか。目的は果たした。あとはあのゲテモノの始末ね?どうしたものかしらね」
とりあえず面倒だが、ゲシュペンストをアームから開放してやった。
>>55
【「レイナ、甲斐!大丈夫か!?」】
「……無礼ねヒツギ、私を誰だと思っているのかしら?
私がここに居座り続ける限り、甲斐は落とさせはしないわ。あなたは自分のやる事をやりなさい」
心配無用だ。と伝えたつもりだ。
ヒツギ達の負担を減らす為には敵の真の本体を暴くしか無い。そこでレイナが目を付けてるのは目の前のゲテモノASの存在。
他のシャドウストライカーと比べてもとびきり怪しいのは誰の目にも明らかか。
>>56
「かなり……錯乱しているわね。
戦況は互角。むしろ白が押している様にも見えるけれど、ニセモノの方が余裕が見え見えなのよね。……どうしたものかな」
コクピットでぶつぶつと議論するレイナ。
決して忘れていた訳では無いがレイナ達、甲斐勢には特機のパワーに真っ向から対抗出来る機体は積んで無い。
専ら、あの特機サイズのアンノウンに敵の特機を任せるしか無いのだ。
「頼むわよ空っぽの男」
考えて見たが誰にも余裕は無い。やはり任せるしか無い。
60
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/08/20(月) 08:36:54 ID:Vvm9/Br2
>>59
「いやいや、面目ない。」
レイナ嬢に釣り上げられてしまった。
【たしか、ASSSのサーバントは、全機破壊だが、】
あのゲテモノ、に対する技は、
「明智大尉、大尉の武器に槍みたいな、奴ありましたよね。一つ策があるのですが、」
といおうとした瞬間、
>>50
【なんだこの殺気、怖い怖い怖い】
手を見ると、手が震えていた、、、尋常じゃなく
30秒後
【まぁ、どうせ弥生だろ。】
そう思うことにした。
「まずは、俺のどれインドロップと、レイナ嬢の機体の強制放電技で、敵の動きを、止め、明智大尉の機体で、中央を貫く。」
「コストも高く分の悪い賭けですけどやってみる価値はあると思います。」
61
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/08/20(月) 10:04:50 ID:wfJZNLHc
>>60
【「明智大尉、大尉の武器に槍みたいな、奴ありましたよね。一つ策があるのですが、」】
「どちらかと言えば……槍と言うか杭。パイルバンカーですね」
ユウセイ曹長には何やら必勝の策が有るらしい。
そんな事よりもライトはユウセイ曹長自らがASSSの事を“ゲテモノ”と言っちゃった件になにこの新手のギャグ?
等と失礼ながら苦笑してしまった。
【「まずは、俺のどれインドロップと、レイナ嬢の機体の強制放電技で、敵の動きを、止め、明智大尉の機体で、中央を貫く。」
「コストも高く分の悪い賭けですけどやってみる価値はあると思います。」】
「ふぅん。動きを止めさせてからの再生無効化の聖なる杭を決める作戦ね?
少しは無い頭を捻って考えたみたいだけれどそれは出来ないのよ。何故ならねぇ」
ユウセイ曹長の立案した戦術を一発で跳ね退けるレイナお嬢様。
その理由は至って簡単である。
アイゼルネ・ブルートはガブリエルを指差した。
「そこの馬鹿天使の聖なる杭だけれどね。そんなモノはとうに破壊されてしまってるのだよ、ユウセイ曹長?
ああ……どうしてくれるの、明智?あなたが無茶をしたばかりに、肝心な時に役に立たないじゃない?」
レイナはこれでもかとばかりにライトをねちねちと言葉で攻め立てる。
ガブリエルのナノマシン抑制プロトコルの聖なる杭はシールドと一体になった物で有り、そのシールドは先のシャドウストライカーの打撃の猛攻により、大破。
やむを得ず、その場へ捨て置いて来た所存である。
「……う。盾を失ったのは確かに痛手ですが。武器はまだ有ります。
アイゼルネ・ブルートが通常空間で得たハープーン。あれはどういう訳か、ガブリエルのホーリー・パイルと同様の再生無効化武器のようです。
あなたは使い処に困り背に隠し付けていたまま忘れていたみたいですがね」
「あ。そんなの有ったわね」
あ。じゃ無いだろとライトはツッコミたくなった。
完全にレイナ自体は忘れていた様だが、確かに大きな4枚羽根で目立たないがアイゼルネの背部にはきちんと装着されていた
「……ほうほう。手に持って構えて見ればなかなか様になるじゃないか。気にいったわよ」
その再生無効化ハープーンを実際に手に取り軽く構えたり振り回したりするアイゼルネ・ブルート。
以外としっくり来る様で、レイナもそれを扱う事を快諾した。
「決まりね。豆腐メンタルのユウセイ曹長。若干、行程を変更するわ。ドジな天使殿に代わり〆は私が引き受けた。
じゃあ、早速よ。さっさとゲテモノの動きを止めてくれないか?」
ガブリエルはASSSに対して、さっさとレーザーライフルでの牽制射撃に入っていた。それにアイゼルネ・ブルートの遠隔操作するナイト・フライヤーの妨害も加わり、ASSSを徹底的に釘付けにする。
62
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/08/20(月) 12:26:02 ID:Vvm9/Br2
「ゲテモノじゃないですか。実際」
「あれは、俺のSSじゃない、ただのゲテモノです。」
改めて、ゲテモノSSを見る
【ごめんな、俺が不甲斐ないばかりに】
ちょっといってやった。
「あと、豆腐メンタルっていわないでください。」
【さて、行くか。】
足から、ライトマグナムを取り出し、乱射
まぁ、ぎりぎりまで接近
そして、ライトマグナムを捨て、一気に急上昇
【行くよ。】
からの一気に急降下ゲテモノの背後に
そして、速攻で
「ステークモードチェンジ、ドレインドロップ」
ゲテモノSSにぶち当てる。
「〆頼みますよ。レイナ嬢」
63
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/08/20(月) 21:04:27 ID:m/ulwGrw
>>54
,57
「アイハブ・コントロール!」
カタパルトの制御が手にある事を確認する。
自機のテスラドライブを使って敵機をカタパルトの位置まで引っ張る。
敵機を掴んだままエフゼロをカタパルトに固定する。
全ての手順がクリアされた時点でカタパルト起動、自機諸共に放り出す。
飛び出したらそのままソニックエッジ起動、別の手ごろな敵にぶつけてやろうか、までは考えた。
>>58
さっきの敵が撃破された事は確認した。
じゃあ、ぶつけるならまた別のだ。
64
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/23(木) 00:44:07 ID:y98ULodw
>>55
こちらの攻撃をギリギリであれ回避し明らかに強力な攻勢に出るつもりなのは明らかだった
ユウセイs「あれに小細工は効かないな」
シャドウストライカーの位置からして、バルクレイスの『降下』速度は裕に亜光速に到達し、シャドウストライカーの胴体にその両脚が接触し後は牙を撃ち立てんとするまさにその直後
ヒツギの捉えた機体は黒き刃で両断され、その切っ先はバルクレイスの胴体目掛けて突き出される
狙わなかった方の機体がこれを見越し片方を捨て反撃に出たのだ
加えて同じ姿に擬態させた四機の子機がバルクレイスの四肢を奪うべく同時に迫る
65
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/23(木) 00:45:10 ID:y98ULodw
>>56
巨大な黒き翼とも取れる刃に対しレオルドは上体を絶妙なタイミングで反らし
レオルードが丁度レオルドの右側面に踏み出した頃には黒き翼はレオルドの胴体すれすれを掠めていく
>「フハハハハハ〜!!、どうだこの偽物め!!」
その状態のまま余裕と取れるシュートには構うことなく
振り抜かれる剣の勢いを殺さずに更に練り上げ、真上へと掲げると黒き翼は大きくうねり周囲の空間を蹂躙しながらも並みのスペースコロニーを圧倒するほどの長さと高さの刃をもってレオルドを見据える
「俺が偽物ね。まぁ、お前はシュートでさえもねーのかもな!」
既に黒い翼はレオルードから見て仰向け状態のレオルドの胴体の真上から打ち降ろされ、右腕は二の腕下の切断面から崩れ去りレオルド内のシュートをも喰らい尽くさんと装甲を浸食しながら尚ものし掛かる
>>59
>>60
>>61
>>62
ASSS「…」
三人の漫才を見届けるかつてのASSS。
間接やら装甲の隙間からは若干コードがはみ出て先端をウネウネさせている
作戦会議は終わったらしく白い機体ガブリエルがアイゼルネの子機と共に釘付けにせんとレーザーライフルで流星の如く撃ち込む
ASSS「…」
全身のアイカメラが怪しく輝くと、その流星の合間を縫うように…機体内のコードを伸ばし加えて全身の間接を外し、最小限の噴射でウネウネと動いて回避する
その様は不気味なダンシングフラワーの様でもある
右腕にあたる部分に備えられたガトリング砲は既に起動を始めていた
延びたままの腕の状態でレイナ達の方向に向けて発射されている事を告げるマズルフラッシュの明滅がゆっくり旋回する所が見える
すると援護に迫る蝙蝠達だけがガトリングの咆哮と共にあっさりと弾け飛んでいた
彼女等の牽制の間、その脇から来るユウセイ機の射撃からすらもASSSの視界ではハッキリと捉えやはりコードやら装甲の合間へと雷光を帯びた弾丸が潜り抜けてしまう
>【行くよ。】
ASSS「…」
牽制から更に加速させて接近するユウセイ機を眺めるASSS当然スキャニングである
激突するのではないかと思わせるほどの気迫と速度で迫り、その直前で上昇させながら機体を捻り込み見事ASSSの背後へ回り込むユウセイ
>「ステークモードチェンジ、ドレインドロップ」
そのガラ空きの背中をゲシュペンストの拳が捉え杭が撃ち込まれ
その装甲を難なく突き破り、そのエネルギーを吸い上げる
66
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/23(木) 01:07:05 ID:y98ULodw
>>65
の続き
突如ユウセイ機のディスプレイは警告を告げる文字列で視界の確保さえ困難となる
内容は細かい物を省けば循環系の異常腐食による、あらゆる機体性能の危機的低下、及び解析不能のコンピューターウィルスによるTC-OSに対する復旧不可能なまでの致命的破損などであった
唯一浸食を免れたのはT-LINK及びコクピット区画のみだと表示されている
更には突き立てたステークから浸食度が進行しているらしくゲシュペンストの腕はまるで血管が浮き出たような状態となり…装甲の膨張に耐えられなかった箇所から細い無数のコードがのたうち回っている
組み付いたまま離れる事の出来ないゲシュペンストを取り込むべく胴体の装甲の隙間から大量のコードを延ばし包囲する
67
:
ヒルギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/08/23(木) 04:25:58 ID:Ty2RpwC.
>>59
>「……無礼ねヒツギ、私を誰だと思っているのかしら?
>私がここに居座り続ける限り、甲斐は落とさせはしないわ。あなたは自分のやる事をやりなさい」
「分かった、そっちは任せた」
コックピットに帰ってきたのは叱咤するような答え、それを受けてヒツギは頷く
根拠や理屈のない自信ではあるが、レイナなら大丈夫と信じさせてしまう所が彼女らしい
>>64
>ヒツギの捉えた機体は黒き刃で両断され、その切っ先はバルクレイスの胴体目掛けて突き出される
>狙わなかった方の機体がこれを見越し片方を捨て反撃に出たのだ
「何!!?」
自らが狙いを定めていた機体を、まるで殻が割れるかのように貫いて現れたのはまた同じ姿の敵機。
それが如何なる行動によって生み出された結果なのかはすぐに分かった。
実体の薄い分身だからこそできるまさしく荒業
速さの乗り切り、迅雷と見まごうとなったデーモンにサーバントを含めた攻撃を全て回避する手立ては残っていない。
だが致命打だけはなんとしても避けなければならない
「 うおおぉぉぉお!!」
無理やりに機体を捻り、全体を後ろに倒すような滅茶苦茶な動き。
人間であったら腱を痛めてもおかしくないような体勢だが、だからこそ通常ではありえない反動が生み出される。
振り上げるのは蹴る為に突き出していた脚部。
ちょうど上がったそれは、胸を貫かんと打ち出されたシャドウストライカー本体の攻撃とぴったりと重なったのだ
「ぐうぅぅ!!」
砕け潰れる鈍い音を立てデーモンが後方へと吹き飛ばされる。
その衝撃を往なし、頭と脚が、前と後ろが一時的に入れ替わるバック転のような動きで機体の姿勢制御を行った
コックピットを包むのはレッドアラート。
打ち合った右脚部は装甲を抜けてフレームまで損傷し、サーバントの攻撃は体を捻ったことで直撃だけは避けたが右肩と頭部に貰ってしまった。
飛び散り漂う赤く塗られた鉄片は、まるで血のよう
肩装甲ははがれて関節が隙間から見えるほどに、頭部は正面の左半分が抉られている。
何よりもダメージが大きそうな右脚部に関しては、機体の兵装ゆえに切断を免れたともいえた。
足の中に言葉のごとく芯が通っているからだ、ステークの強度が紙一重で助けたといえよう
だがその代償として右足は潰されてしまった。
先ほどのように蹴りを咬ますのはこの足では無理だ、反動で右足も一緒に砕けてしまう
それ加え機体全体のダメージは元よりエネルギーも危ない、移動に戦闘にと使い続けたが故に残量の心配も出てきた
//続くよー
68
:
ヒルギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/08/23(木) 04:54:09 ID:Ty2RpwC.
>>67
の続き
「・・・ここで引き下がれるか!!」
だがこの男は諦めない、逆境こそがヒツギにとっての引き金だからだ。
足が、腕が、背が、頭が、胸が、機体に取り付けられた19のブレードが一斉に逆立つ
その姿は高く角を突き上げたかのような、角男といっても過言ではない異形のもの。
幾度の戦いで傷つき、刃に傷すら残る剣が共鳴するかのように震えだす
するとどうか、白く研ぎ澄まされたブレードの表面が薄くはがれて行くではないか
戦いの爪あとが残る古い膜を脱ぎ捨て、まだ新品と言える刃が顔を現したのだ
それは脱皮という言葉が当てはまるような状況、デーモンに取り付けられた高周波ブレードの名称である「剥離式多層」これが指し示していたのこそこれだ。
接触する武器はそれ故に消耗が激しい、そしてこの機体が想定した戦況は補給を受けられるようなものではない
だからこそ常に新品に近い性能を引き出せる武器を開発、搭載するに至ったのだ
傷一つない19の刃を掲げた手負いのデーモンが取ったのは、腕を重ねたり前に出す『構え』ではない
両腕を広げ、胸を前にのめり込ませた突撃や特攻のみを示す体勢。
右の目2つが赤く輝き、光が怪しく尾を引く。
それを皮切りに背負う巨大な推力機関が大口を開き、青く伸びる鬣を大きく伸ばす。
バルクレイスは獣が威嚇するかのようなうねり声を上げる、ダメージを受けた部位が軋み始める。
そして全身を押さえ込むために込めていた力全てを解放し―――
「動くなよ、無駄なものまで巻き込んじゃうからな・・・!」
背中から響き渡る荒々しいその音は荒くれものの鼻歌の如し。
打ち出されるように放たれるデーモンの軌跡に巻き込まれた物はその悉くが切り裂かれ塵となる
そこに敵も味方も宇宙を漂うゴミも関係ない、ただ近づくもの全てを切断する。
地上で放てば大地も建造物も全てに傷跡を残していただろう
まさに無法者で荒くれ物、これこそがハミング・スワッシュバッカー
全身のブレードと推力装置を全て解き放ち、その物が刃の塊となって突っ込む技なのだ
HP28%
69
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/08/23(木) 12:48:25 ID:fCkvRWP2
>>66
「しまっ、」
ウイルスに浸食された、ゲシュの中で、血眼になって、ユウセイは、必死に攻略方法を探していた。
自分が知っている、コンピュータウイルスの類似点を模索していた。
「ない、全て新しい、参ったな。」
だが、このウイルス、むしろかかってよかったのではないかとか考えていた。
「レイナ嬢、俺のコックピット、を当てずに、奴を潰せません?こっちは、もう回避不能なんです、面目ない。」
残り少ない、浸食時間を気にしながら、
「コンピュータウイルスに、感染して、t-link以外の機能が使用不可能なんです。」
「できれば、このサンプルを採取したいんです。」
「もし、無理なら、そのときは、遠慮なく撃っちゃってください。」
【弥生、すまない どうやら救えないようだ】
【レイナ嬢後は、頼みます。】
とりあえず、T-linkで、念を使い中にくる、触手を防ぐ。
70
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/08/23(木) 12:50:49 ID:y7I7qMsg
>>66
>>69
「……あれは……そんな馬鹿な。元はただのASなのでしょ?」
目の前でコードを露出させ蠢くASSSであったモノ。
それはもはや人の手に負える代物では無くなりつつあるのだろうか?あれではまるで本物の化け物である。
今まさに行われている異常な光景に明智ライトはキッと表情を強ばらせるも、それも只の虚勢である。
事態は完全に彼女のキャパシティを越えかけ始め、戦慄しているのが事実。1歩も動けていなかった。
「起きろ明智ライト!!ユウセイ曹長のゲシュペンストを今すぐ戻すの。はやく!?なにやってるのよ!?」
対してレイナはすぐにでもユウセイ曹長の危険を察知し、〆の一撃の役割を放棄してでもすぐに駆け出した。
「腕、落とすわ!」
ウィルス類はASSSとの接触面。打ち込んだステークを通してゲシュペンストを蝕んでいる。レイナはその危険を今まさに察知した所で有った。
至近距離までリスクを省みず出ていったアイゼルネ・ブルートはステークを起点にASSSに蝕まれ既に変質を始めているゲシュペンストの腕を根元から切断する。
先程、手に持ったハープーンによる苦肉の一撃であった。
そしてもう一撃
「下がりなさい。明智、彼を頼むわ」
「……え……あ」
患部の腕を切り落としたユウセイ曹長のゲシュペンストを伸縮する左腕で直ぐ様ホールド。
そのまま後方に控え、戦意を萎えさせているライトの操るガブリエルのもとへと投げ飛ばした。
「…そう。もう誰にも頼らない」
ついには化け物と化したASSSとガチで合間見えるのはアイゼルネ・ブルート一体だけとなった。
だがそれで良い。これ以上の犠牲はレイナとしても遠慮願いたかった。
化け物の相手は悪魔にこそ相応しい。
71
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/23(木) 19:49:47 ID:pxEdqhAE
>>65-66
,
>>70
何とか艦内から変貌したストライクストームを追い出すことに成功したようだったが、
今度はユウセイが乗り換えたゲシュペンストが、不用意な吸収機能の使用によって侵食され始めてしまった。
コントかと思えるようなその経緯に、リリーは静かなため息をついて、
「一度目は不可抗力、しかし、それがわかっていながらまたPTを侵食されるだなんて、壊滅的な洞察力のなさですね。
ハヤミ曹長は帰ってきたら反省文100枚か、甲板20周の罰です」
だが、彼は運良く難を逃れた。
近くにいたアイゼルネが侵食された箇所を破壊し、侵食部位とゲシュペンストとの分離に成功したのである。
それを見て取ったリリーは、ユウセイのゲシュペンストを抱えるライトに通信を入れ、
「明智大尉、カタパルトは開けておきますので、ハヤミ曹長「だけ」を回収して戻ってきてください。
敵に侵食されかけたゲシュペンストなど、廃棄品にしかなりませんので」
出るまでは新品同様だったゲシュペンストだが、またストライクストームのように暴れられては非常に困る。
機体惜しさにハンガーに回収することは、感染病患者に対して使用した注射器を針をむき出しにしたまま持ち帰るようなものだ。
ゲシュペンストだけの問題で済めば良いが、艦そのものを侵食される可能性も大いにあり得る。それは絶対に避けねばならない。
「しかし少尉、それだとアイゼルネが一時、あのストライクストームと一対一で戦うことになりますが……」
「こう距離が近くては艦砲も使えません。クレマチ伍長、聞こえていますね?」
『あ、はい!』
「アイゼルネの援護にまわり、可及的速やかにストライクストームを撃破してください。
……そろそろバルクレイスが限界です」
『了解です!』という返信と共に、ブーステッド・ライフルの弾倉を交換したアカリのゲシュペンストが、レイナを援護するべく移動を始める。
「カーマインさん、クレマチ伍長を援護にまわします。彼女と共にできるだけ早く、そのストライクストームもどきを撃破して、
バルクレイスの援護に向かってあげてください。
SCIが正常作動しているとはいえ、機体の破損状況は深刻です。場合によっては、帰還に牽引が必要かも知れません」
72
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/08/23(木) 21:23:56 ID:WRPPwe8I
>>69
「そいつはウィルスじゃない!」
傍から見ていて気が付いた、むしろハードウェア的な“何か”だと。
「曹長が文字通り喰われる前に脱出した方が……」
>>71
「……ゲシュペンストを何とか艦から引き離せないでしょうか?
こっちのをソニックエッジでぶつけて処理するんです」
昔、見た事がある。
一機を掴んでもう一機に突進、激突直前で掴んだのを離して叩き付けるという……
「……カタログスペックならやれそうです」
73
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/08/23(木) 22:18:29 ID:fCkvRWP2
>>69-71
「その必要はないです。」
甲斐に各機に連絡する。
「このまま、自爆します。」
ナノマシンを必死に念で避けながらやる。
「このウイルス、ナノマシンのデータをそちらに、転送します。」
T-linkが。生きているので、ナノマシンに取り込まれるのは回避できるが、代わりに、ゲシュの痛みみたいなものが、代わりに体内にフィードバックされる。
「自爆する前に、もし俺が死んでたら、その時は、レディを、弥生を、救ってください」
自爆コードを打ち始める。
74
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/08/23(木) 23:17:51 ID:y7I7qMsg
>>71
【「明智大尉、カタパルトは開けておきますので、ハヤミ曹長「だけ」を回収して戻ってきてください。
敵に侵食されかけたゲシュペンストなど、廃棄品にしかなりませんので」】
「意図はわかりました。一瞬だけ時間をください」
呆然とばかりしていられない。仮にも自分はエリート部隊の端くれなのだ。と言い聞かせ、頭を切り替えるライト。
甲斐オペレーターの言葉の意図を理解し、早速、ユウセイ曹長のサルベージの準備を始めている。
「ハヤミ曹長。コクピットを強制的にこじ開けます。今すぐに機体を破棄して脱出してください」
――反応は無い。ただの屍の様だ。
……もとい通信機能も掌握されているのだろう。それも想定内。
ライトは多少、強引だが静止するゲシュペンストのコクピットを愛機のマニュピレータによって強制的に開かせ、内部のユウセイ曹長の姿を露にさせる。
「ハヤミ曹長は健在です。甲斐、後は頼みました。」
今は動かないがゲシュペンストを完全に破壊するまで気は抜けない。
ゲシュペンストからユウセイ曹長を有無を言わさず回収したガブリエルは、一旦母艦へと送り届ける手筈だ。
準備完了。甲斐へとその合図を送る。
【「カーマインさん、クレマチ伍長を援護にまわします。彼女と共にできるだけ早く、そのストライクストームもどきを撃破して、
バルクレイスの援護に向かってあげてください。
SCIが正常作動しているとはいえ、機体の破損状況は深刻です。場合によっては、帰還に牽引が必要かも知れません」】
「はいはい、了解したわ。フォローミー、アカリ。あなたとなら負ける運命が見えないわ」
厳しい状況だが、一筋の光も見え始めた。
ニヤリと意味深に笑むレイナ。
同時にもの凄く自信過剰気味な台詞を口に出したが、大丈夫だろうか
75
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/08/24(金) 08:41:17 ID:0WTURN56
「明智大尉、感謝します。」
有無を求めず、強制的に回収された。ユウセイは、若干安心していた。
「大尉、甲斐に担架を用意させてください、俺の体は、限界を迎え…………」
ユウセイは、先ほどのスレでの、影響で、すでに限界を迎えていた。
それほど、つらく大変であるのだが、ユウセイは、スクールの者 wiki参照ナノマシンには、それなりの耐性があった。
【伝えなきゃいけない。事があるのに。俺は、いやだ。】
ユウセイ 仮死状態に入る。
76
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/24(金) 22:02:19 ID:SiapLvVg
>>72
ラウディの献策に、リリーは数秒間黙って考え込んだ後、小さく頷いて、
「わかりました、クーリマン軍曹。あなたの思った通りにやっちゃってください。
うまくゲシュペンストに引っかけてやれば、あとはこちらの40サンチ主砲の出番です。
ですが無理はしないでください。危ういと思ったら、すぐに離脱を」
そう指示した後、リリーは振り返り、
「二番主砲にA250HEAT−MPを装填。目標、ハヤミ曹長のゲシュペンスト。
一応、一番副砲に三式弾も装填しておいてください」
「了解」
>>74-75
「少尉、明智大尉のガブリエルが、ハヤミ曹長の回収に成功したようです。
ただ、ハヤミ曹長のバイタルが危険です。一刻も早い処置が必要かと」
「ん、わかりました。明智大尉、右舷カタパルトからすぐにクーリマン軍曹が出てきますので、それを待つか、
もしくは甲斐の下側を通って左舷カタパルトからハンガーへ進入して下さい。救急医療班を待機させておきます。
あ、それと、今のハンガーは人員の関係で稼働率が一割を切っています。補給や応急修理は望めない、と思って下さい」
先刻のストライクストームの反乱で、ハンガー内は酷い状況だ。
物資コンテナがあちこちに散乱し、一部のケージは破損し、ハンガー要員ももと居た人員の半数以上が死亡したか、もしくは負傷していて動けない。
事が落ち着くまでは、機体の整備どころではないだろう。
一方、レイナの援護についたアカリは肉眼で変貌したストライクストームを視認し、改めてその造形のグロテスクさに眉をひそめた。
「レイナさん、そのハープーンは効果があるのですか? 大きな効果があるのならばそれが決め手になるとは思いますが、
そうでないのなら、こいつを甲斐から引き離して、甲斐の艦砲に片付けてもらいましょう」
ストライクストームの動向に注意しながら、擲弾筒にスパイダーネット弾を装填したアカリは、レイナにそう提案する。
特別製らしいアイゼルネはともかく、いかにも再生能力のありそうなあの機体を破壊しきれる装備はアカリのゲシュペンストには無い。
唯一、大きな破壊力を持つ、ゲシュペンストのトレードマークとも言える装備、電撃打突武装のプラズマ・ステークはあるが、
先ほどのユウセイのゲシュペンストの様子を見るに、こいつに迂闊な格闘戦は挑めない。
アカリに出来ることと言えば、射撃による攻撃で相手の動きを阻害することだけ、ということ。
その上で、レイナの持っているハープーンが致命傷となるならばそれでよし、それでは足りないとなれば、
この場で最大の火力を持つ甲斐の出番だろう、というのがアカリの考えである。
77
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/08/24(金) 23:25:50 ID:9Vkx9vxE
>>76
「アイアイ・マム」
そう返してから抱えた機体を確認。これ以上もがく相手を押さえ付けるのはきつそうだ。
「もっときつくするか……カタパルト、出ます!」
甲斐から飛び出てすぐにフィールド展開、最大加速で振り回しつつ緩やかな円を描いてコースを合わせた。
「行けぇっ……!!」
食い込むような相手の指先は、全開にしたフィールドで弾き飛ばす。
弾き飛ばしつつ漂流するゲシュペンストにぶつかるように……
「……浅いっ……!」
ギリギリで踏み込み切らなかったか、衝突によるダメージは今一つ。
こちらのテスラドライブも今度こそエンスト寸前だ。
78
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/25(土) 03:27:17 ID:8uZcUOS.
>>77
「エフゼロ発進。敵を抱えてゲシュペンストに衝突させた模様」
「いや……浅いです。あれはいわゆるカス当たりってやつですね」
カタパルトと推進器による加速を利用した攻撃であったが、機体の操作に誤りがあったのか、衝突速度としては今ひとつ。
だが、それは逆に言えば、衝突による反発で流される機体の速度が、予定よりも遅いということ。
敵の動きも万全ではない。まだ好機の範囲内だ、と判断したリリーは主砲の照準を命じる。
「よく狙って下さい。弾代だってロハじゃないんです」
「了解。二番主砲照準。旋回角度、仰角、全てよし」
「二番、発射」
リリーの号令に従って、甲斐の二番主砲がきりもみ状態のシャドウストライカーとゲシュペンストに向かって砲撃した。
レールキャノンの強力な電磁誘導によって射出されたA250HEAT−MPは、旧世紀の多目的対戦車榴弾の構造を流用し、
新西暦で運用されている艦砲用に設計し直された砲弾である。
スペースノア級万能戦闘母艦に搭載されている連装衝撃砲など、主砲にエネルギー砲を装備する艦艇が増えている昨今では、
あまり目立たない砲弾ではあるが、着弾時に発生する、内蔵炸薬の炸裂による侵徹体と高温・高圧の燃焼ガスにより装甲を貫通し、
穿孔部から進入した燃焼ガスによって内部を焼き壊す作用を持つこの砲弾の前では、ゲシュペンスト程度の装甲など全く問題にならず、
ゲシュペンストならば運が良くて二発、普通は一発食らっただけで大破するという代物である。
侵徹体と燃焼ガスによる破壊は通常のHEAT弾であっても得られる効果であるが、それと同時に、
このA250HEAT−MPには榴弾としての機能も存在し、着弾地点の周囲を砲弾の破片によって攻撃することができ、
この榴弾としての機能は、例え弾体が目標物から外れても、近接信管によって起爆することが可能であった。
直撃時の攻撃力の高さと、相手の咄嗟の回避行動によって外れたとしても、ダメージを与えることだけは逃さないこの砲弾をリリーが用いたのは、
当然のことであったと言えよう。
79
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/08/25(土) 10:18:34 ID:TdZ40rsU
>>76
【「ん、わかりました。明智大尉、右舷カタパルトからすぐにクーリマン軍曹が出てきますので、それを待つか、
もしくは甲斐の下側を通って左舷カタパルトからハンガーへ進入して下さい。救急医療班を待機させておきます。
あ、それと、今のハンガーは人員の関係で稼働率が一割を切っています。補給や応急修理は望めない、と思って下さい」】
「んん……だいたいの惨状は理解しました。左舷よりハンガーへ入りますよ」
少ない人手をやりくりしたのだろうか。ユウセイ曹長を救助する為の担架は既に用意されていた。
ライトは衛生兵にユウセイ曹長を引渡した事で、ようやく肩の荷が降りる。
「シルバー・バレット砲の実戦配備が出来ていれば楽になってたのに」
そしてハンガーに使えそうな武装でも有れば。と見渡すが本当にそれどころでは無さそうだった。
すぐに見切りを付けて、もう一度出撃していく。
先程は想定外のASSS相手に動け無かったが、今はそうでは無い。
あのレイナ・カーマインに臆病な奴等と思われたくないのだ。
【「レイナさん、そのハープーンは効果があるのですか? 大きな効果があるのならばそれが決め手になるとは思いますが、
そうでないのなら、こいつを甲斐から引き離して、甲斐の艦砲に片付けてもらいましょう」】
「……ククク。この呪われし銛の能力は我が身を持って勉強させて貰ったからね。
必ずこれがあの醜悪なASの心の臓を撃ち貫く事が私には見えているのよ」
それにあのゲテモノASは元のスペックを参照する限り、こちらのスピードをかなり上回っている事が解ってしまう。
甲斐のベストな射程に誘導するのは困難だと考えた。
それならばいっそ
「アイゼルネの丈夫さをアテにして逆にどんどんあのゲテモノに肉薄するわ。
なに、ユウなんとか曹長みたいな目には合わない。このアイゼルネにはありがたい呪術的な加護がなされているのだから。
あわよくば逆にあのゲテモノを我がダークオーラにて汚染してやるわ」
呪術的加護とオカルト的な胡散臭い事を言ったが、全くのハッタリでも無い。
アイゼルネ・ブルート自身のナノマシンセルの装甲ならば、あのASSSの浸食を塞き止め、一定時間ならば中和させる事が可能かも知れないのだ。……未知数だが。
「…アカリ。なんとも悔しいのだが私には君があれを討ち取るヴィジョンが見えた。
くっくっく。まぁそれが実現するか解らないが、期待しているよ」
等と訳の解らない事を供述し、特に説明するつもりも無いのか、速攻で敵ASSSへと突撃して行った。
80
:
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/25(土) 23:32:23 ID:DgsNXiDs
>>63
>>77
格納庫内
ゲシュペンスト&ASSSが引きずり出されて間も無く、シャドウストライカーの正面から矢の如く駆ける一つの機動兵器が、その胴体を捉え抑え込み更に奥へと押し込む。隔壁への接触により激しく火花を飛ばしながら
ユウセイ?「なんですか?俺にそんな趣味h…」
>「アイハブ・コントロール!」
カタパルト式リフトに押さえつけたのを確認、直後に自機諸ともシャドウストライカーを射出するラウディ
押し込んだ直後故の凄まじいGが二人を襲うはずだが、元々この手のマニューバを想定しているVFA-01
そしてかたやナノマシン群体である彼らには関係無かった
甲斐から吐き出されて間もなく拘束をはずそうとラウディ機の腕部を掴もうと試みるが、その周囲から金属粒子の力場が展開され、弾き返される
ユウセイ?「ソニックブレイカーか!」
一瞬、その手を弾き返すも直ぐ様、押し返してやろうと試みる
がラウディ機は大きく振り回してその狙いを定めさせない(続く)
>>69
>>70
>>71
>>73
>>74
自ら機体内に『異物』を吸入した為に異常な早さで異形化していくゲシュペンスト
そんな哀れな彼をレイナは見捨てなかった
一種の植物のように異形化したASSSから射出された四基の攻撃子機からの包囲攻撃を一切の無駄無く潜り抜け
ガトリングによる対空砲火を急上昇で振り切り、変わり果てたユウセイ機の元へ駆けつけハープーンで外側のコード群を一閃の元に切り開く
まだ先程から数秒しか経っていないにも関わらず既に浸食は(コクピット周りを除く)全身に及び、特にASSSとの接触面の装甲はどす黒く変色し内側から大量のコードがのたうち回る
レイナが確認している最中にもゲシュペンスト頭部アイカメラをコード群が突き破り何かを求めるように、その先端を周囲へと向けている
>「腕、落とすわ!」
まず、特に浸食の酷い突き立てた側のステークの根元から切り離すと切断面からボロボロと崩れ始める
ASSSとの癒着の程度を伺うがレイナの計算よりも浸食が速い事がまざまざと判っただけだった
>>77
切り裂いて間も無くレイナ達の脇を高速で抜ける白い機影がシャドウストライカーを伴い、ゲシュペンストへと叩きつけるとゲシュペンストを押し出すような形となる。四肢はもげASSSから引き離すことに成功する
ユウセイ?「僕を投げつけるなんて…」続く
81
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/25(土) 23:32:54 ID:DgsNXiDs
>>80
の続き
引き離した隙にライトの機転により難を逃れたユウセイ
しかしレイナ達にとっては結局、戦力を一つあっさりと失っただけであった
ユウセイ?「さて…さっきのお返しをしないとね。彼女たちは任せるよ」
ASSSの背中を椅子代わりにしていたシャドウストライカーはゲシュペンストの居た当たりを軽く蹴ったと思うと突如として姿を消し
次の瞬間にはラウディ機の正面に現れ両腕を振り上げトンファーを持っていた
その背中には既に攻撃子機の姿はない
ユウセイ?「今のはそこそこ…痛かったぞ!」
ラウディ機を斬り裂くべく、その腕を交差させつつ振り降ろす
ASSS「…」
再生どころか、そのコードの量が明らかに質量が増えている印象をレイナ達に与えていた
ユウセイ救出直前に展開してあったサーバントは未だに健在、その上でウェポンラックであった箇所から別のサーバントが増殖している…
全身に備えられたカメラアイは装甲のズレなどで位置は非対象、形状も歪となっている
ASSS「…!」
全員を睨み付けるかの様に赤く輝くと同時にサーバントを全方位に撃ちだす
その直後に再生し撃ちだす。これをまるでマシンガンの如き早さで繰り出しレイナとアカリの周囲を覆い尽くさんばかりの一つ目が備えられた異形のサーバント達が一斉に突撃を開始する
82
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/08/26(日) 00:13:17 ID:R3fM0xvI
>>80-81
目の前の敵。ソニック・エッジはしばらく使えない……
「……来るなっ」
もう一度、一斉射撃。もはやどれがどの敵だか識別しきれない。今ならASSSは全て敵として扱いかねない。
そして、爆炎から吐き出されたエフゼロは左腕を失い……
83
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/08/26(日) 01:22:21 ID:Vbd61FDE
>>81
「無尽蔵のサーバントか?くっくく。ほんとに羨ましいぐらいに気味が悪いわね」
アイゼルネ・ブルートとゲシュペンストのアカリ機を囲み、嫌らしく足止めしに来るASSSの異形の従者達。
「アカリ。こんなまやかし共に惑わされないで、共に前に進むわよ」
まずはハープーンの力を試す様に前方へ迫り来るサーバントを、(一見隙だらけで無駄が多そうな)舞う様な武具の動きで次々と切り払って行くアイゼルネ・ブルート。
ちなみに指摘したら本人は「らしく無かったわね」と機嫌を損ねるかも知れないがアカリ機のゲシュペンストの並み程度の装甲と運動性を自分なりに理解し、我が身を盾と出来る様な位置に着いていた。
レイナの奮迅により、バックスに対する攻撃の激しさはそれなりに軽減されることだろう。
【アイゼルネ:残りHP50% 再生中】
「開けたわよ。……さぁて。どの程度のモノなのか直接確かめて見ようか」
サーバントの包囲を抜け出したと思われるアイゼルネ・ブルートは、既に腹部の広域放射武装を放とうとしていた。
ゲシュペンストのブラスターキャノンが基となっただろう名称ハウリング・スマッシャーである。
通常兵装がどの程度通用し、ゲテモノの再生力がどんなレベルかを正しく知るのが主の攻撃である。
赤く黒い禍々しい負の波動の様なエネルギーの奔流がASSSを滅ぼすべく向かっていく。元味方機であろうが関係無い。
84
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/26(日) 23:11:51 ID:DfkxS8bY
>>79
,
>>81-82
凄まじい速度を以て飛来したA250HEAT−MPはユウセイのゲシュペンストに次々と突き刺さり、
初弾が上半身に着弾して腹から上を吹き飛ばし、第二弾が上半身と下半身を繋ぐ腰部ジョイント部を破砕、
第三弾が残る腰部、左足寄りに着弾して、ボロボロになった両足を残して下半身を破壊した。
リリーの狙いはそれらの砲弾が貫通して、背後に居たシャドウストライカーにもダメージを与えることだったが、
さすがはストライクストームのコピーと言うべきか、その思惑は外れてしまったらしい。
「ストライクストームもどきはどこへ?」
「居ました、右舷、レンジ120。テスラドライブ不調のクーリマン機を狙っています!」
咄嗟にリリーは対空砲で敵の動きを牽制しようとしたが、かの機体はその高い機動力で既にエフゼロに肉薄していた。
これではこちらから手を出せない……となれば、とリリーは頭を切り換えて、
「ガブリエルはもう出てますか?」
「はい、ハヤミ曹長を救急医療班に届けてすぐに、カタパルトデッキから出撃しています」
「わかりました。明智大尉、出てすぐで申し訳ありませんが、クーリマン軍曹の救援に向かってください。
軍曹の機体は既にストライクストームもどきに食いつかれてしまっています。頼れるのは大尉だけです」
現空域でフリーなのはライトのガブリエルのみだ。
甲斐から手は出せず、他の機体はそれぞれに敵に当たっているとなれば、もはや手段は彼女しか残っていない。
>>81
,
>>83
自分とアイゼルネを一瞬で取り囲んだサーバントの大群にアカリは血の気を失いかけたが、
それを自信満々に一笑に付したレイナの言葉が、一筋の光明をアカリにもたらす。
なんという人だ、この人は。これだけのサーバントに囲まれながら、あんなに自身に満ちあふれている。
「……えーい、なるようになれ、よ!」
顎の部分に手を掛けて、アカリはヘルメットを一気に脱ぎ捨てた。
ヘルメットをかぶるためにまとめていたアカリの髪が、脱げたヘルメットに引っかかってほどけ、ファサリとコクピット内に広がる。
「後に続きます、レイナさん!」
レイナの考えはサーバント包囲網に対する一点突破、後、本体への直接攻撃に移るというもののようだ。
となれば、それまでの自分の仕事は突破するアイゼルネの援護ということになるだろう。
アカリはコンソールを打って散布角を調整した後、背部にマウントされていたスプリットミサイルユニットを射出した。
ユニットはゲシュペンストの背から離れてまもなく、先端から二つに割れて内部のマイクロミサイル群を露出、次々とそれらを射出した。
射出されたマイクロミサイル群は、それぞれ突破するアイゼルネの左右を先行するように調整されている。
これでアイゼルネの左右から接近するサーバント群を迎撃できるだろう。
85
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/08/26(日) 23:49:51 ID:Vbd61FDE
>>84
【「ガブリエルはもう出てますか?」
「はい、ハヤミ曹長を救急医療班に届けてすぐに、カタパルトデッキから出撃しています」
「わかりました。明智大尉、出てすぐで申し訳ありませんが、クーリマン軍曹の救援に向かってください。
軍曹の機体は既にストライクストームもどきに食いつかれてしまっています。頼れるのは大尉だけです」】
「理解しました。既に向かっているところです」
甲斐CICの少女の戦場全体を見た的確な指示。それには同じく指揮官タイプのライトも能力を認めざるを得なかった。
彼女へ指揮系統が移ってからと言うもの、甲斐は息を吹き返したかの様な活躍ぶりを発揮していた。
だがしかし、指示を聞くまでも無くライトのガブリエルはその一歩前にシャドウストライカーを捉えていた。
どうやら、甲斐CICと考えは同じであった様だ。
「クーリマン軍曹、動けますか?」
不調を起こしたエフゼロ・ラウディ機を刈り取ろうと向かっていくシャドウストライカーを側面から現れたガブリエルのレーザーソードが襲い、無事にカットに成功する。
【「後に続きます、レイナさん!」】
「ありがとうアカリ。グッド♪そのアシストなかなか良かったわよ」
アイゼルネのどうしても処理しきれない撃ち漏らしを、アカリのゲシュペンストは射撃で的確に全て撃ち落としている。
それを目のあたりにしたレイナはバイロットのアカリの技量にも無論驚かされたが、只の量産型。しかも半ば片落ち旧式機でもあの化け物を前にして一切、縮こまった様子が無いその精神の強さを称賛していた。
86
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/08/27(月) 00:10:15 ID:ibiTc8RI
>>84-85
「……っ!
た、助かった……」
明智大尉の援護で窮地を脱し、無事な右手でガブリエルを掴む。
「……ええと、本格的にエンストかもしれません……帰艦します」
掴んだ右手でガブリエルを押す事により、自機を甲斐の方に押しやる。
後は姿勢制御スラスタを駆使して何とか艦に張り付いた。
87
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/27(月) 01:21:29 ID:0LKjVXBs
>>67
>>68
斬り裂かれた部位の内部が露出するバルクレイス
ユウセイ?「貰った!」
このまま全機で連携し塵にすべく更に斬りかかる…
ユウセイ?「?………!!」
機体の右半分と下半身をごっそりと持っていかれた機動兵器の残骸となった…
シャドウストライカーが漂うのみ、ここにはバルクレイスの姿は無い
斬りかかろうとした、あの刹那バルクレイスから獣の咆哮の如き迫力と圧力が、その周囲を支配すると共にバルクレイスは巨大な深紅の矢となっていた
その矢にこちらから飛び込む形となり子機を擬態させたモノ達は触れる先から砕け散り跡形もなくなっていた
そして本体もご覧の有り様である破損箇所から既にボロボロと崩れ始めている
ユウセイ?「これが…なるほd」
言い終わらぬ内シャドウストライカーは暗き闇へと沈んでいく
88
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/27(月) 11:28:07 ID:LKwBdKr6
>>85-86
ライトにラウディ救援の要請はしたが、彼女が先に動いてくれていなければ、ガブリエルによる攻撃の阻害は成功しなかっただろう。
さすがはシルヴィエ・クロイツのエリート、といったところだろうか。
だが安心は出来ない。ガブリエルは確かに非凡の機体で、中のパイロットも同様だが、敵がコピーした機体もまた、それなり以上のものなのだ。
「二番副砲、三式弾装填。右舷ミサイルランチャーにもティンダロス2を装填して下さい」
「了解」
「クーリマン機、戦域より離脱。こちらへ帰還するとのことです」
「わかりました。クーリマン軍曹、機体の射撃関連のシステムはまだ生きていますか?
可能であれば展開中の右舷カタパルトレールの上に着地して、ガブリエル援護のための射撃姿勢をとってください。
機体の固定が必要なら、レールに設置されているアレスティング・ワイヤーを使ってもらって構いません」
テスラドライブが不調で、推進器が咳き込んでいる状態のラウディのエフゼロだが、深刻なダメージを受けたわけでもない。
機体の調子が許すのならば、甲斐の艦砲群と共にガブリエルを援護するための弾幕に加わって欲しいと、リリーは考えていた。
89
:
ヒルギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/08/27(月) 13:05:19 ID:P7fYl50c
>>87
大きく両側に広げた腕がぶつかる直前に動きを見せた、挟み込むように前に、それは抱きしめるかのような仕草。
いや・・・少し違うだろうか、広がったそれは抱きしめるというような生易しいものではない
獣が爪によって獲物を引きちぎるかのような、龍がその顎門で砕きつぶすかのような暴力そのものを体現した力強さ。
飲み込まれたシャドウストライカーは例に漏れることなくその一撃によって粉砕された
しかしその損傷とダメージ故にバルクレイス側も己の勢いに耐え切れない。
装甲が剥がれ落ち、皹が走った右足からは青白い電撃が走っているのが垣間見えた
万全の状態ならばそのままで機体を停止させることができただろう。
だが先ほどもいったように蓄積したダメージが多すぎる、故に勢いを殺すために機体を回転させ勢いを無理やりに殺す
「ハァ、ハァ・・・これで片付いたか・・・?」
交差させていた腕を下ろし、身を屈めた獣のような姿で半身を失ったシャドウストライカーの姿が消えるのを見つめた。
敵の消滅を確認すると息も絶え絶えに呟く、それに反応するようにデーモンも元の姿へと戻ってゆく
「よし・・・こちらヒツギ、すぐに甲斐に戻る」
落ち着かせるために深く息を吸い込んでから安堵の吐息を零し、通信を行う
そして機体をすぐさま翻した、向かうは先ほど伝えたとおりレイナたちが戦っている甲斐の元だ
90
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/27(月) 16:08:02 ID:LKwBdKr6
>>89
「少尉、バルクレイスと交戦中であった敵機の反応が全て消失しました。全て撃破した模様です」
「あの機体状況の上でですか……? なるほど。バルクレイス、こちら甲斐です。
右舷側の空域で戦闘が発生していますので、左舷側にまわり、左舷カタパルトから本艦へと帰還して下さい」
バルクレイスがほぼ万全であれば、レイナなりライトなりの援護に向かわせたのだろうが、
機体の損傷具合から見てバルクレイスはこれ以上の戦闘には耐えられないと考えたリリーは、直ちに甲斐へ帰還することをヒツギに要請した。
推進関係が生きているらしく、こちらへ自力で帰還できるのは幸いと言えた。
91
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/08/27(月) 16:45:31 ID:P7fYl50c
>>90
「いや、帰還せずにこのまま・・・」
ヒツギが言わんとしている事は誰でも察しが付く、今すぐにでも救援の元に向かいたいのだ
だがそれを拒むかのようにバルクレイスの巡航速度が低下していく
見ればエネルギーもスラスターへの負荷もカツカツ、先ほどの突撃が決め手となったのだろう。
動くことはできるようだがその速さは先ほどと比べると雲泥の差
無理をしすぎると文字通り火を噴きかねない、瞬発力が重要となる救援に向かうには厳しいか
「クソッ・・・了解した、甲斐左舷に進路をとる」
92
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/08/27(月) 21:29:43 ID:ibiTc8RI
>>88
「了解しました。ロングレンジミサイルなら何とか」
なんとかかんとか艦に取り付き、足の裏の磁石とワイヤーで固定してふんばる。
>>89-91
「……ブリッジ、こちらエフゼロ。
本機には補給装置が搭載されています。
バルクレイスをこちらに寄越していただければ回復の一助になりますが」
93
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/28(火) 10:03:13 ID:5htEnSEE
>>91
リリーの帰還要請にヒツギは一旦躊躇したものの、最終的には甲斐への帰還の途についた。
おそらく、機体状況が許せば、彼はリリーの要請を蹴って誰かの救援に向かっていただろう。
仲間想いなのは良いが……同時にどこか危うい。何となく、のレベルではあるが、リリーはそう思った。
ともあれ、今は素直に帰還してくれるというのだ。こちらはその準備をせねばなるまい。
「ハンガー、こちらCICです。まもなく、大きな損傷を受けたバルクレイスが着艦しますが、ケージの用意は可能ですか?」
『動ける人員とダメコン班の奴らをかき集めれば、なんとか。応急修理が必要なんですかい?』
「いえ、状況は既に決着の様相を見せつつあります。そのままケージへ収容するだけで結構です」
『了解』
ハンガーに受け入れ体勢を整えさせたリリーは、再度バルクレイスに通信を繋ぎ、
「バルクレイス、受け入れ準備が出来ました。進入速度、角度に注意し、左舷カタパルトへと着艦してください。
あ、それと着艦後はあまり時間をおかずに医務室へ行って下さい。頭のそれ、放っておくのも危ないですから」
ヒツギの頭は、コミュニケーションウィンドウから見てもよくわかるくらい真っ赤だ。
見た感じ、出血多量でいつ貧血を起こしてもおかしくないくらいである。
>>85
,
>>92
「少尉、クーリマン機ですが、ロングレンジミサイルが使用可能とのことです。
現在、カタパルトレールへの機体の固定作業が完了しつつあります」
「やってくれるのですか」
「そのようです。それと、帰還中のバルクレイスについて、自機の補給機能を使えないかと打診を受けていますが……」
「補給機能を?」
「はい。バルクレイスに補給を施し、戦列に復帰させられないか、とのことです」
「わかりました。クーリマン機への回線をこちらへまわしてください」
「了解」
エフゼロとの交信を自分のヘッドセットにまわしてもらったリリーは、ヘッドセットの耳当て部分を押さえ、
「クーリマン軍曹、話は聞かせていただきました。バルクレイスへ補給できないか、とのことですが、残念ながらそれはできません。
かの機体は稼働しているのもやっとの状態で、補給を施したとしても、戦力には成り得ないのです。
申し出はありがたいのですが、バルクレイスのことはこちらに任せ、ともかくあなたはガブリエル援護に集中して下さい」
そう指示を出したリリーは、コンソールを操作し、次にライトへと通信を繋ぐ。
「明智大尉、こちら甲斐です。現在本艦は大尉への援護射撃の体勢を整えつつあります。
三式対空榴散弾、ティンダロス2艦対空高機動ミサイル、各種対空砲、クーリマン軍曹のエフゼロのロングレンジミサイルを用意してあります。
必要であれば、いつでも要請を」
94
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/08/28(火) 21:10:05 ID:ILwKEJWY
>>93
「了解しました……あ、チャフが一発なら撃てますね……届くかどうかギリギリ……」
コンソールを駆使して自機のダメコンや兵装の再確認を進める。
今狙う目標を定め、ターゲッティングの精度を上げる。
「……まあ、葉桜はどうしようもないか」
バレルの折れた銃は仕舞っておく。
95
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/28(火) 22:33:44 ID:1ZJtLx3I
>>83
>>84
>>85
>>86
レイナ達を覆い尽くさん数の異形のサーバント達は全包囲からその牙を突き出し一斉に突撃を開始する
アカリ機の前に躍り出て、その槍で敢えて目を引くよう、かつ正確に華麗な剣舞の如き動きで次々とサーバント達を斬り伏せる
サーバント達は槍の切っ先にかかった先から崩れだし枯れ葉が舞い散るかのように消えていく
ほんの僅かな隙を付くべく左右からサーバント達が迫るも
>「後に続きます、レイナさん!」
その悉くを正確にミサイルが打ち砕いていく
>「ありがとうアカリ。グッド♪そのアシストなかなか良かったわよ」
返しながらも、しっかりミサイルの掃討した空間へと機体を滑り込ませる両機
>「開けたわよ。……さぁて。どの程度のモノなのか直接確かめて見ようか」
アイゼルネの腹部にあたる部分のくぼみの中心に赤い稲光が走り、集まり、アイゼルネの前方で光を飲み込むような赤黒い球体を創り出していた
いよいよ収束していたアイゼルネのエネルギーが解放され、たちまち赤黒い奔流と成り巨大化していたASSSの大半を飲み込む
アイゼルネからの照射は約三秒ほど続き奔流の切れた先には
ASSSの装甲部分がドロドロに溶け原型を完全に止めていなかった
この時アカリの目にはハッキリ見えていた
奔流に触れるよりも前に何かに遮られながら飲み込まれていく様を
不気味な沈黙の後にもはや四肢に至るまで全身に配置されたカメラアイが光り出すとコード群が活発に動きだし、収束を始めると、まるで人間の筋肉を模した特機サイズの不気味な人型と化した
ASSS「…」
頭の方の目でレイナを見るや否や、PT大となった左腕をレイナ機へと繰り出す。その腕にはかつてゲシュペンストの物と思わしきステークが延びていた
96
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/08/28(火) 22:49:50 ID:1ZJtLx3I
>>82
>>85
>>86
X字一閃時に僅かに後退したため致命傷を免れるエフゼロ。
>「……来るなっ」
ほぼゼロ距離と言えるほどの至近距離からの段幕
爆炎に呑み込まれるシャドウストライカー
ユウセイ?「それで終わりかな?」
…爆炎を切り開くようにトンファーを左右へと振りかざすと
無傷のシャドウストライカーの姿が現れ、その先端を突き出しエフゼロを貫かんとする
ユウセイ?「!」
その突きを一筋の閃光が僅かに逸らす
一瞬の間にライトのガブリエルがラウディの窮地を救っていた
ユウセイ?「運の良い奴だ」
甲斐に向かうガブリエル達の背中を見送るシャドウストライカー
その理由は…
ユウセイ?「…そして運のない奴がソコに…」
>>91
バランスを崩しながら甲斐の左舷側カタパルトへと向かうバルクレイスを捉えていた
残像を伴いながら、ゆらりとバルクレイスの方角へ傾けると、瞬時にバルクレイスの背後へと付き、両方のトンファーをその首もとへあてがっていた
ユウセイ?「よく会うねぇヒツギ君。辛そうだから、そろそろ楽にしてあげるよ」
そのトンファーでバルクレイスの首を引き裂こうとする
97
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/08/28(火) 23:23:51 ID:Ndmrb2gA
>>93
【「明智大尉、こちら甲斐です。現在本艦は大尉への援護射撃の体勢を整えつつあります。
三式対空榴散弾、ティンダロス2艦対空高機動ミサイル、各種対空砲、クーリマン軍曹のエフゼロのロングレンジミサイルを用意してあります。
必要であれば、いつでも要請を」】
「了解しました。ASSSのコピーに対しては榴散弾を本命とした迎撃体勢を。
やはりこの弾ならば。…上手く追い込められればASの出鱈目な機動力にも対応出来るはずです」
正に“上手く追い込められれば”と言った所だ。内心、ライトは苦悩していた。
ライトとガブリエルもエリート部隊に所属する以上、並以上の実力は持っていると自負しているが、やはり真骨頂は指揮官としての知謀。
神は二物を与えずとは良く言うが、自分なりに戦闘力においての限界という物を既に感じていた。
ましてやライトの戦闘スタイルはお手本にしたい様な基本に忠実な事故の無い安定した戦闘技術。
基本に忠実が故に逆に今回のユウセイ曹長のコピー体の様なエース級の力を秘めたイレギュラーな相手に対しては災いして全く通用しない。
エンジェル・フェザー隊での戦闘訓練であっても何度も何度も鬼の隊長・副隊長により一息にやられてしまう脆弱な戦技。
結論。明智ライトの戦技は抜きん出たエース級の実力者、及びイレギュラーには通用しないお遊戯に等しい。
民間人ながらあのデーモンの性能をフルに発揮出来ているヒツギ。
ルーキーながら超反射能力と言う異能。誰もが無し得ない戦い方が出来てしまうアカリ。
正にスーパーエース級の飛行機乗りレオンハルト。欧州もスカウトを狙っているとか?
それとユウセイ曹長。彼も頭は弱いが戦闘能力なられっきとしたエース級だ。ほんとだよ?
この部隊は化け物揃い。ワン・オン・ワンをすれば只では済まないパイロットがこんなにも。ライトは思い知らされた。
「ですが…やってヤルデス。戦略が個々の戦術ごときで潰されるなど私がさせません。
対空放火。バルクレイスの退路を確保してください」
それで消沈するかと思われたがそんな事は無かった。何とかモチベーションを保った。
>>95
「あの攻撃でもやれてはいないか。……それなら癪だけどやはり切り札はこの銛ね。まずは一太刀、入れさせてもらうわよ」
ハウリング・スマッシャーに飲み込まれたはずのASSSだったが、健在。
更に姿、質量すらも変えまたしても万全の状態でレイナ達を威圧するASSS。……いや、もはやASSSと言ってはいけないかもしれない。
その姿は見る影も無い。
人間型特機の形となった元ASSSはアイゼルネ・ブルートに対して超パワーの拳を突き出して来る。
見ればその拳には杭の様なモノが着いている。誰しもがプラズマステークだと簡単に解る程メジャーな武具だが、そんな武器はASSSには装備されていないのだ。
考えるとしたらユウセイ曹長のゲシュペンストを取り込もうとした時に、プラズマステークをコピーして見せたのだろう。
アイゼルネに悪魔払いのその杭が迫る。
「あまり賢い選択じゃ無いわ。大きくなったから動きがザルになってるのよ」
スレスレで必殺拳を避ける事に成功したレイナは、戻りきらないその突き出された腕部へと目掛け、あの再生破壊のハープーンを突き刺しにいった。
まずは軽く牽制と言ったところか。
こちらの本命の一撃に移行するのはまだ早いとレイナは感じていた。
98
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/08/28(火) 23:50:40 ID:AlXzqdPM
>>93
>>94
>「バルクレイス、受け入れ準備が出来ました。進入速度、角度に注意し、左舷カタパルトへと着艦してください。
> あ、それと着艦後はあまり時間をおかずに医務室へ行って下さい。頭のそれ、放っておくのも危ないですから」
「了解」
どうにも擬態ASSSとの戦いが気になってしまっているらしい、仲間の下に行きたいという気持ちが強いのか
しかしヒツギは自分の状態が分からないほど愚かではない、損傷は深刻な域にまで達している。
邪魔が入らないようにとシャドウストライカーを抑えていたのだ、自分が邪魔として入っては元も子もない
目に血が入らないようにパイロットスーツを使って血をぬぐった、ちょうどその瞬間だった
>>96
>残像を伴いながら、ゆらりとバルクレイスの方角へ傾けると、
>瞬時にバルクレイスの背後へと付き、両方のトンファーをその首もとへあてがっていた
「!!」
気を緩めた一瞬を突いてバルクレイスの背面へ肉薄していた
ヒツギが生み出した隙は秒にも満たない出来事であり、シャドウ・・・即ち影のような速さで標的を切り替え回り込んできたのだ
>ユウセイ?「よく会うねぇヒツギ君。辛そうだから、そろそろ楽にしてあげるよ」
鋏のように重ねられたトンファーの刃がデーモンの首を刈り落とそうと振るわれる。
(避けきれない!!)
避けることが無理ならば被弾を減らす、ヒツギが咄嗟に考えたのはそれだった
肩から直接生えている高周波ブレードを備えた角のような形状のスラスター、これを立てる
それに平行し、数少ない推進器官に鞭を打って機体を前面に倒すように動かした。
両側から振るわれるトンファーは持ち上がるスラスターに下からぶち当たり上方に逸れ始める。
そして前面に倒れることによって、バルクレイスが背負った巨大な複合ブースターポが頭部の代わりとして下から競りあがるのだ
「ぐぅっ!!」
デーモンの頭の代わりとして差し出されたブースターはその被さった屋根のような部位をスパリと切り落とされる。
切断されたところからは内部の機械がむき出しとなり、損傷からの発火を防ぐためにその機能の一部をシャットアウトした
これには戦艦に使われるような大型のテスラドライブの他に5機以上もの推進器官を有している
このバルクレイスの突撃を可能とする加速力の要、この機体の生命線そのものだ
首こそ落とせなかったが刃は翼に傷をつけたのである
(終わりが見えない・・・だけど!!)
だがデーモンは前のめりに倒れながらも後方へと左足を突き出す。
即ち後ろ蹴り、その胴を脚部に内臓したステークで貫くつもりなのだ
ヒツギの性格を考えれば、ただでは言葉無いということだろう
HP20%
99
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/08/29(水) 15:26:21 ID:crWw8hJo
>>95
,
>>97
ハウリング・スマッシャーの赤黒い奔流に飲まれる前に、変貌ストライクストームに奇妙な現象が起こった一瞬を、
アカリの超速度反射能力の視界は見逃さなかった。
その様はスマッシャーのエネルギーから機体全体を守ると言うよりは、本体を守りつつ、
残っていたストライクストームの装甲などの、元々の機体の要素を「焼いてもらった」ように見えた。
(脱皮でもしたっていうの? どこまでも気味の悪い……!)
脱皮と表現したアカリの認識を裏付けるように、変貌ストライクストームはその全身をさらに変貌させ、
見た目も大きさも、もはやストライクストームとは呼べぬ代物へと変化していた。
特機サイズの「人体標本」のようなそれは、その膨れあがった左腕にプラズマ・ステークのようなものを生やし、
アイゼルネに向かってその切っ先を突き出していた。
「危ない!」と思ったが、レイナもさるもの、あの銛を手にその左手を迎撃しにかかっている。
だが右手にも同じものが生えないとも限らない。その選択肢を潰す必要があるか。
「あの体勢ならば、これは避けきれないはず!」
アカリはブーステッド・ライフルの下に装着されている擲弾筒に手を伸ばし、アイゼルネの左側に機体をずらすと、
先ほど装填しておいたスパイダーネット弾を「人体標本」の右半身に向かって射出した。
何を目的として巨大化したかはわかりかねるが、カーボンナノチューブ製の強靱なネットを投網のように展開するこの特殊弾頭を、
アイゼルネに向かって左腕を突き出したあの体勢から、即座に躱せるほどの運動性を秘めているとも思えない。
狙い通りならば、ネットは「人体標本」の首から右肩にかけてを締め上げるはずだが、果たして。
>>96-98
「各砲照準、目標、敵ストライクストームもどっ……?」
ガブリエルを援護するために甲斐の砲に照準を付けさせていたリリーの目が、シャドウストライカーを見失う。
別にリリーの目がおかしくなったわけではない。一瞬前までガブリエルと対峙していたはずのかの機体が、どこかへ失せてしまったのだ。
「敵は?」
「左舷です! バルクレイスのすぐ後ろ!」
「どうして……?」
どうやったらそんな場所へ、しかも一瞬で移動できるというのか。
変態機動というレベルではない。常識が通用しない。
「射線は確保されていますか?」
「無理です! バルクレイスの影に上手く隠れていて、こちらからの攻撃は不可能です!」
「わかりました。明智大尉、敵はバルクレイスを盾にするような機動をしていて、こちらからは手が出せません。
なんとかバルクレイスから敵機を引きはがしてください」
バルクレイスは応戦の気配を見せてはいるが、あの機体状況ではそう長くはもたない。
頼みの綱は、またしてもガブリエルということになる。
100
:
とりあえず明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/08/29(水) 19:17:34 ID:JsjRw912
>>99
【「射線は確保されていますか?」
「無理です! バルクレイスの影に上手く隠れていて、こちらからの攻撃は不可能です!」
「わかりました。明智大尉、敵はバルクレイスを盾にするような機動をしていて、こちらからは手が出せません。
なんとかバルクレイスから敵機を引きはがしてください」】
「なんて出鱈目な。……了解です。パターンの解析を急ぎましょう」
完全に計算の外をかいて嘲笑うかの様な敵シャドウストライカー。
むしろパターンなんてものは解析出来ないのでは無いか?と弱腰な事を考えながらも、手は止めていられない。
>>96
「ハヤセさん。退路を切り開きます。今の内に退いてください。動けますか?」
トンファーでバルクレイスの首を引き裂こうとしていたシャドウ・ストライカーへと精密なレーザー射撃が迫り来る。そのままバルクレイスをへし折ろうとするなら直撃コースは免れない際どい狙い。一旦、バルクレイスと離れなければならないはずだ。
もはや何回目かも忘れたがまたもやシャドウ・ストライカーを妨害し、隙を見てバルクレイスとの間に割って入る。
101
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/01(土) 00:17:27 ID:VqgBQdGg
>>97
>>99
繰り出される拳に対し最小限の急上昇で鮮やかに回避するアイゼルネ
消耗を気にしてか敢えて出された腕に対して槍を突き立てる
やはり触れた部位から崩れてはいくが…効果は今一つだ
アイゼルネが離れるほんの僅かな間
その脇を一つの弾頭が飛来、破裂すると内部から蜘蛛の巣状の剛線が展開され
瞬く間に右腕に絡みつく…が
ネットの触れる先から喰い尽くされてしまいアカリのアテは外れてしまう
組織崩壊を免れた部位のあちこちからアイゼルネを拘束すべく、ケーブルが延びる
ASSS「…」
巨大化し肥大化したケーブルが常に蠢くおどろおどろしい姿はゾンビにも近かった
その頭部はドクロに近く赤く底光りする二つの眼
口元が割れ赤い閃光が零れる
見つめる先は…甲斐
次の瞬間にはASSSを起点とし甲斐を延長線上に赤い境界線が発する
甲斐を両断するつもりらしい
>>98
>>100
苦し紛れに繰り出される、その後ろ蹴りに反応するのは容易であった。
>「ハヤセさん。退路を切り開きます。今の内に退いてください。動けますか?」
その時、一筋の閃光がシャドウストライカーの頭部を捉える
ユウセイ?「!?」
シャドウストライカーの脇腹には線条の孔が見受けられる
レーザーの方は防御障壁の前に遮られるも、それによりバルクレイスの蹴りを避け損なったのだ
ユウセイ?「そうこなくちゃ、ね」
バルクレイスに対してバク宙で距離を取ると同時にルナ・フェンサー二つをけしかける。しかしコレはフェイク
今回の狙いは明智ライトのガブリエル
姿を隠していた攻撃子機二機がガブリエルを拘束すべく左右からアンカーを射出し捉えようと試みる
102
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/09/01(土) 01:19:43 ID:9zn3U13.
>>101
「あっ!……危ない。未来が読めて無ければとっくに捕まっているところね」
極限まで集中し、予知の力を研ぎ澄まされた状態のレイナは、最小限の動きで避けられるものは避け、或いは槍で崩壊させと拘束されてしまう様な事は無かった。
だが人体標本の標的は現在、レイナとアカリとは違う別のものに変わっていた。
対象は甲斐。甲斐が赤い閃光の餌食になるヴィジョンを見たレイナは直ぐ様対応を試みる。
「やらせると思ったの!?」
人体標本のその側頭部目掛けて、アイゼルネの飛び蹴りが下される。
サイズ差も違う上、照射までに蹴りが間に合うのかどうかも解らないがとにかく全力で敵の向きを反らそうとする。
>>99
「ここで……止めるしかないわね。フォローミー、アカリ!」
蹴りを入れた動作に続き、頭上でハープーンをぶんぶんクルクルと無駄に回転させ、回って廻って最後に大袈裟で隙だらけな決めポーズのもとに武器を構えるアイゼルネ・ブルート。
今の一連の舞いは特に戦略的に何の意味も無いが、これでレイナの気分もノリに乗るのでまぁ良しとして欲しい。
「狩らせて貰おうか、あなたのその汚らわしい魂を」
自身の予知の力を信じレイナは仕掛ける。
小型ミサイルの様な物が“人体標本”(アカリ命名)に向けて飛び出して行く。
それは人体標本へ着弾するまでも無く、目の前にて一斉に起爆。与えられるダメージにこそ期待出来ないのだが、それはたちまち辺りを視界を血の様な赤一色に染め上げる。
ブラッド・ディスチャージャー。目眩ましと威嚇を兼ねた特殊兵装である。
「……あなたの動き、ちゃんと見えているわよ。逝けぇっ、カーマイン・マリシャス・ブラッディ超急超絶鮮血ブツブツ……」
視界を奪ったはずの人体標本へ止めの一撃を決めるべく、アイゼルネ・ブルートはそのおぞましい大きな悪魔の羽を目一杯広げて突撃していく。
なにやら意味不明な呪文?を詠唱している……ハープーンに無断で必殺技名を着けたのだろうが長い。攻撃動作に入り始めているのだが、まだ言い終わっていない。
勝利は目の前だ。レイナの予知の目には今、正に敵を撃ち抜くヴィジョンが……見えていたはず
【ユウセイ?「そうこなくちゃ、ね」】
「きゃ!?……しまった。機体を」
何も無い空間からヌッと現れた攻撃子機。左右のそれらはアンカーにより、容易くガブリエルを捕まえてしまう。もがくもビクともしない。
迂闊だった。と思っても後の祭り。バルクレイスを助けに出た自身が愚かにもこんな醜態を晒す事になるとは皮肉なものである。
もはや、傍に居るバルクレイスも満身創痍。この状況を脱するには……
“どこかのゲテモノから照射された赤い閃光がニヤニヤと調子こいて嘲笑うユウセイ曹長とシャドウ・ストライカーを誤射して蒸発させてくれる”様な奇跡的な現象でも起きないと無理では無いだろうか。
103
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/01(土) 05:48:56 ID:zSjiEXzE
>>101-102
「スパイダーネット弾を取り込んだ!? こいつ、どこまで……!」
予想し得ない方法で当てを外されたアカリは、敵の不条理さに歯がみする。
この分では、実弾兵器しかない自機の装備では、あの人体標本には太刀打ちできない。
どうする……どうすればいい……。苦悩する彼女の脳裏を、突然、冷たい針が通りすぎるような感覚が刺激した。
(なに、これ…………?)
周囲の音や視界がタールのように鈍化する中、自分の鼓動、呼吸の音だけが鮮明に聞こえる。
まるで世界の時間の流れが急激に遅くなり、普通の時間を持つ者が自分だけになったような、そんな感覚。
これまでも見ているものがスローモーションに見えることがあった。でも、こんなのは初めて。
これも自分の持つ、超速度反射能力の力だというのか。
「………………」
動く? 鈍化した世界の中、自分の身体は普通に動くのか?
試しに親指から順に操縦桿から離し、また握り直してみる。大丈夫。
視界をめぐらす。正面モニター。敵人体標本の口腔から赤い光が漏れ出ていて、そこにアイゼルネが蹴りを入れようとしている。
光の目指す先は何だ? サイドモニターに目を遣る。……なるほど、甲斐か。
その甲斐の先に、目を引くものが三つ。バルクレイス。ガブリエル。そしてストライクストームもどき。
ガブリエルが拘束されている。あの位置から助けられるのはバルクレイスだけ。だが、あの機体は満身創痍で戦えるかどうかすら怪しい。
「………………」
視線を正面に戻す。
赤い光。頭のサイズ。アイゼルネの蹴り。飲み込まれたスパイダーネット。ストライクストームもどきの位置。
上手くやればあの赤光をストライクストームもどきの元へ逸らすことができる。
しかし、実弾兵器は効かない。ライフル弾による物理的ショックは通るか? スパイダーネットの吸収速度から言って無理。
ショック力を持ったエネルギー兵器が最適? そんなものがあるのか?
…………有る。
「……プラズマ・ステーク、セット!」
ゲシュペンストにブーステッド・ライフルを捨てさせると同時に、左手の操縦桿、プラズマ・ステーク撃発トリガーのカバーを親指で弾き開け、
アカリはトリガーを押し込む。
左半身を引いたゲシュペンスト、その左の拳に装着された三本の杭からなる放電打突武器が激しい雷光を纏い、周囲を青く照らし出す。
この武器を実戦で使うのは初めてだが、機体習熟訓練で武器の使いどころ、間合いは身体に叩き込んである。
アイゼルネと共に突撃した今、彼我の距離は縮まり、前にいたアイゼルネも人体標本の頭上に移動した。
敵と、自分の間には何もない。敵がアイゼルネを捕縛するために放った触手もアイゼルネによって一部が破壊され、密度は薄くなっている。
あとは敵意の交錯があるだけ。やるとしたら、今しかない。
「そうやすやすと、みんなはやらせはしない!」
メインブースターに最大出力のフレアを吹かせて、ゲシュペンストが人体標本の懐に飛び込む。
超速度反射能力によって引き延ばされた時間の中、焦れるような思いを押さえつつ、各部の姿勢制御スラスターを激しく吹かして、
触手の群れを必要最低限の挙動で回避していく。
ゲシュペンストの運動性能があまり良くないのは百も承知。ましてや、超感覚の中に居るアカリにとっては酷く重すぎる。
ならばこそ、瞬時にベクトルを得られる姿勢制御スラスターの緊急ブーストが役に立つ。
これであれば、重いゲシュペンストの挙動に頼る必要もなく、何より打突の為の姿勢を大きく崩す必要もない。
まさか自分が、格闘攻撃のための姿勢を気にする日が来ようとは――――そのことにアカリが内心で笑みを漏らしたその瞬間は、
人体標本との距離がゼロ距離になりつつある時だった。間合いだ。
「ゲシュペンストのトレードマーク! その気色悪い顔にたっぷりと味あわせてやるわよ!!」
雷光を帯びたゲシュペンストの左拳を人体標本の左頬に向かって叩き込み、同時にステーク内部にチャージされたプラズマエネルギーを開放する。
アカリの計算通りならばステークのショックで赤光が発射される前に頭が逸れ、
甲斐の代わりに甲斐を挟んで向こう側にいるストライクストームもどきが撃たれるはずだが、
人体標本の表面防御力やショックに対する首の耐久性、ステークがそもそも有効なのかどうか等々、不明確な点も多く、分の悪い、悪すぎる賭けだと言う他ない。
104
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/02(日) 17:47:30 ID:mzBd1ezI
>>99
>>100
>「わかりました。明智大尉、敵はバルクレイスを盾にするような機動をしていて、こちらからは手が出せません。
> なんとかバルクレイスから敵機を引きはがしてください」
>「ハヤセさん。退路を切り開きます。今の内に退いてください。動けますか?」
甲斐のクルーから送られた通信がライトへと繋がる。
それはレーザーによる援護という形あるものとして生まれ変わった
「助かったぜあけっち!」
>>101
>レーザーの方は防御障壁の前に遮られるも、それによりバルクレイスの蹴りを避け損なったのだ
「こいつが本物か・・・!」
蹴りの感触は確かにある、だがおそらくヒツギの蹴りだけではシャドウストライカーを振り切れなかっただろう。
何故ならばその腹部を穿たれたにも関わらずシャドウストライカーは停止した様子がないからだ
先ほどまで戦っていたもの達とは根本的に違う、さっきまでは切り裂けば破壊できたし焼き払えば消滅していた。
だが逆を返せばヒツギの言葉通りこれが本物だという証明ともなるだろう
>バルクレイスに対してバク宙で距離を取ると同時にルナ・フェンサー二つをけしかける。しかしコレはフェイク
1つは問題なく避けた、だが何度もいうようにダメージを受けているバルクレイスでは両方避けきれるものではない
ヒツギ自身の利き腕である右腕が即座に割り込むように防御に入った。
万全の状態ならば高周波ブレードをぶつけていなしただろうが、
肩をあげることが間に合わなず、ルナ・フェンサーの鋭利な刃がその二の腕を抉る様に切り裂いた。
「もう多少の被弾じゃおどろかねぇぞ!!」
すぐさま腕を振り開きシャドウストライカーの姿を確認する。
(・・・しまった!!)
>>102
>何も無い空間からヌッと現れた攻撃子機。左右のそれらはアンカーにより、容易くガブリエルを捕まえてしまう。もがくもビクともしない。
>迂闊だった。と思っても後の祭り。バルクレイスを助けに出た自身が愚かにもこんな醜態を晒す事になるとは皮肉なものである。
「あけっち!!」
先ほど自分を援護した際に生まれた隙を付かれたのだ。
機体を飛ばそうと踏み込むも警告音だけがコックピットに響く
先ほどやられたブースターを無理に使おうとしたからだ、接近して援護に回ることはできない
(後一発分はある!)
カツカツだが戦線を離脱しなければいけないことは確定している
だったら逆にエネルギーを気にする必要はない、すでに甲斐はすぐそこなのだ
しかし今のバルクレイスだけの出力でダメージを与えられるのだろうか
ならば―――
「レイナ!!」
向こう側で戦闘をしているレイナへと叫ぶ
バルクレイスはすでにオーバースマッシャーを射出するために胸部へとエネルギーを充電している。
彼が何を伝えたいか、きっと分かるだろう
105
:
ドローン&レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/02(日) 20:13:13 ID:bkgEzceE
>>102
アカリのゲシュペンストのプラズマステークとレイナのアイゼルネの脚部がモンスターと化したASSSの左頬に寸分違わず同時に突き刺さる
ステークは青白い閃光を放ち、ゲシュペンストは更に背部スラスターを大きく更かし、全く同時にアイゼルネもスラスターの出力を上げて脚部への圧力を引き上げる
ASSS「…」
しかし微動だにせず、口内から漏れる光が収束していく…
>「やらせると思ったの!?」
>「そうやすやすと、みんなはやらせはしない!」
両機体は機体の限界までスラスター、ブースター現状のあらゆる手段で以て推力を上げてASSSの射角を変えようとするが、やはり動かない
エネルギーを集中させると同時に両機体の接触部分の周囲から大量のケーブルが延びゲシュペンストの腕とアイゼルネの脚部に取り付く
その間に口内のエネルギーが解放を今か今かと待ちわび膨張し始める
???「誰かさんみたいにポイ捨てしたらダメじゃないってね!」
ASSSの口内のエネルギー光の輝きが最高潮に達したであろう、その時
超高速で見覚えのある弾頭がASSSの口内に放り込まれる
ASSS「!!!」
ASSSの口からは超出力のレーザーではなく爆風を吹き出している
更には機体全体に小爆発が連鎖的に発生し、まるで苦しんでいるかのようにのたうつ
体中がマグマのように赤熱し、その中心部分では心臓のようなモノが脈打っているのが透けて見える
熱を逃がす為なのか全身の至る所に溝が出来、少しづつ開いている
中は更に赤く熱を持っているように見える
レオン「今なら!」
ちょうど正面にいるエクセリオン。
マシンキャノンと片手に一つずつ持ったブーステッドライフルで集中的に『心臓』を狙い撃つ
爆風と共に大きく仰け反るASSS
両手のブーステッドライフルの引き金が止まり、本体がスライドしたままとなる
レオン「やったか!?………ちぃ!」
甲斐に対して仰向けとなっているASSS
胸部は掃射により吹き飛ばされたが『心臓』は…無傷。不気味に躍動感し、その周囲は再生が始まっている
106
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/02(日) 21:16:53 ID:FOx8.aqs
>>105
【???「誰かさんみたいにポイ捨てしたらダメじゃないってね!」
ASSS「!!!」】
「……どうにか間に合ったわね」
レイナとアカリの攻撃のみでは、人体標本の姿勢すら動かす事は出来なかった。
しかし超音速で現れたレオンハルトのエクセリオンにより、人体標本は大きなダメージを負う事になる。
【レオン「今なら!」
レオン「やったか!?………ちぃ!」】
「ご苦労だよ将軍。あとは私とアカリに任せてもらおう」
どうやらこの人体標本。一丁前に『心臓』が存在する様だ。
エクセリオンがその剥き出しのウィークポイントに一斉攻撃を浴びせるが無傷。
凄まじいまでの生命力である。その身体はもう再生が始まっている
「」
――――――――
>>104
【「レイナ!!」】
「ふっ。ようやく私を呼んだわね。……良くやったわね。寂しかったでしょ坊や?」
レイナはニヤリとちょっとサディスティックな笑みをこぼす。
こちらも今こそあの化け物。人体標本を討ち取ると意気込んでいた所だが、可愛い眷属達のラブコールを無下にする真似は本来このお嬢様の性格上、あり得ないのだが。
……今あの不気味に脈動する『心臓』を貫けるのはアイゼルネ・ブルートとハープーンのみだと認めざるを得ないこの状況だ。
「頼むわジェネラル。ヒツギを助けてあげて」
ヒツギ。それとついでにライトも心配なのだが、ここは心を落ち着かせ冷静に対応するレイナ。
最高の速さを誇るエクセリオンならばきっと大丈夫だろう。レイナが無理に動くより絶対に正しい
――――――
スルーされたぽいので丁度ここで
>>102
後半部分を再度挿入します
>>99
「ここで……止めるしかないわね。フォローミー、アカリ!」
蹴りを入れた動作に続き、頭上でハープーンをぶんぶんクルクルと無駄に回転させ、回って廻って最後に大袈裟で隙だらけな決めポーズのもとに武器を構えるアイゼルネ・ブルート。
今の一連の舞いは特に戦略的に何の意味も無いが、これでレイナの気分もノリに乗るのでまぁ良しとして欲しい。
「狩らせて貰おうか、あなたのその汚らわしい魂を」
人体標本、その心臓へ止めの一撃を決めるべく、アイゼルネ・ブルートはそのおぞましい大きな悪魔の羽を目一杯広げて突撃していく。
勝利は目の前だ。レイナの予知の目には今、正に敵心臓を撃ち抜くヴィジョンが……見えていたはず。そのはずだった。
だがたった今、急に未来は姿を変えた。
心臓へとアイゼルネの攻撃が届くより速く、瞬時に体を再構築して痛恨の一撃をアイゼルネに与える
そんな嫌なヴィジョンがレイナの瞳に映るのだ
107
:
レオン&ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/02(日) 23:21:51 ID:bkgEzceE
>>102
>>104
バルクレイスを突破した二つの蒼い光輪が身動き出来ないガブリエルへと軌道を変えていた
レオン「…あけっち!顎を引いて、食いしばれ!」
光輪がガブリエルの間近にまで迫る
あわや直撃と思われた。その時、蒼い光の尾だけを残し忽然と姿を消す
その後には空を切るフェンサーと孔だらけにされ既に動かない攻撃子機の姿があった
ユウセイ?「この速さは、お前か」
蒼い尾の先にはエクセリオンとワイヤーで強引に引っかけられたガブリエルが引き回される形で回遊している
レオン「ヒツギ!ちょっと見ない間にイメチェンか?」
ユウセイ?「よそ見をしてる場合かな?」
フェンサーを操作して瀕死のバルクレイスを狙おうとするその直後
シャドウストライカーの真後ろから衝撃と爆風が襲う
ガブリエルに迫る際に仕掛けたミサイルだ
レオン「あけっち!俺とヒツギで奴を止めるシメは任せる!」
ワイヤーを切り離すと同時に巡航形態のままミサイルとマシンキャノンを乱れ撃つ
108
:
レオン&ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/02(日) 23:22:34 ID:bkgEzceE
>>106
マシンキャノンとミサイルで続けるが埃をまき散らしているだけ、やはり効果があるように見えない
>「ご苦労だよ将軍。あとは私とアカリに任せてもらおう」
「何だって?確かに向こうも危ういが…」
こちらには直接母艦を狙える筈の相手が健在かも知れず、状況は打破されてはいない、しかし
「頼むわジェネラル。ヒツギを助けてあげて」
その言葉を遮る様に指示…いや懇願に近いような感じを受けた
レイナには何かを感じているのかも知れない
レオン「判った。無理はするな」
何か嫌な予感こそしたが、それを振り切るように機体を全速力で疾らせる
――――>「狩らせて貰おうか、あなたのその汚らわしい魂を」
その悪魔の如き翼を広げ、ASSSに矢の如く迫る、その両手に抱えるは白く輝く銛
およそミスマッチと言える姿だがレイナの表情は真剣そのものであった
程なくして最大戦速に達し、その眼には不気味に脈打つ『心臓』だけを捉えていた。そう、後はただ、貫くのみ。
…の筈だった
『心臓』の直上で、その銛はアイゼルネ共々停止していた
アイゼルネは、その背中側からASSSの右手で鷲掴みにされていたのだ
ASSS「…」
ASSSの全身の眼が光り出すと銛の切っ先を避ける為なのか、その腕を伸ばし左手も添えてアイゼルネ・プルートを握り締め始める
109
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/03(月) 00:07:20 ID:vFXqtBmk
>>106
>>107-108
>「ふっ。ようやく私を呼んだわね。……良くやったわね。寂しかったでしょ坊や?」
>「頼むわジェネラル。ヒツギを助けてあげて」
「・・・!そっちも込み入ってるのか、分かった!」
援護にレオンを回してきたがヒツギはそれを別の意味で悪い状況なのだと理解した
レイナが付いていたとしても、あちら側も手を離せるような状況ではないのだ
やはりあの時シャドウストライカーに目もくれず一目散に戻ってくるべきだったとヒツギは奥歯を噛み締める
>レオン「ヒツギ!ちょっと見ない間にイメチェンか?」
「レオン、後ちょっとだけカバーしてくれ!」
3機の合間を縫うように割って入ってきた青い機体へと通信をかける。
枯渇しつつあるエネルギーを、リミッターを無視してオーバースマッシャーへとギリギリまで割く為にチャージをしているのだ
ヒツギとしては特に珍しい、メーターとのにらめっこ状態、赤い光は輪を描きながら胸部へと収束しつつあった
(後少し・・・!!)
>ユウセイ?「よそ見をしてる場合かな?」
「!!」
シャドウストライカーの攻撃モーションが砂嵐に紛れ映し出される
チャージの為に推進器官をギリギリまで削っているが為にその場から動くことはできない。
万事急須かと思われたが、突如シャドウストライカーの背後から光があがる
おそらくはレオンが放ったミサイルが命中したのだ、同時にバルクレイスのチャージが完了
「あけっち聞こえるか、今からオーバースマッシャーを打つ」
「多分2・・・いや3秒持たせる!タイミングは任せたぞ!」
機体の強度、姿勢維持によるエネルギーの消費から導き出された限界の数値は2秒。
ヘルメットが損傷しているため生命維持装置は切れないが四肢などの使用しない部位をカット
(後は気合と根性で!!)
「おとなしくして貰うぞ・・・!」
胸で輝いていた赤い光は球体に膨れ上がる、しかしそれは瞬時に点になるまで収束し・・・
「オーバー・・・!スマッシャァァァ!!」
開放された閃光は赤の激流となり、その道筋にある全てを飲み込んでゆく
宇宙に漂う星屑ですらこの朱光を抑えることはできないのだ
110
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/09/03(月) 03:56:22 ID:jiU4kwtc
>>107
【レオン「…あけっち!顎を引いて、食いしばれ!」】
「う……え!?ゃ!?いやあぁぁ!?」
拘束されたガブリエルを救出にやって来たらしいエクセリオン。強引に拘束を振り切る為に一時的な連結状態となった。
ただ、エクセリオンのその超速度に対応出来ていないライトは、そのあんまりに凄い運動エネルギーに情けなく少女らしい悲鳴を上げ、目を回し嘔吐すら引き起こしかける。
「ふぁ……ううぇ。助かりました中尉」
なんとか救出されたのだが、その返礼も何か威厳が無い。
ぶっとびガールへの道は険しい。
【レオン「あけっち!俺とヒツギで奴を止めるシメは任せる!」】
「わかりました。上手くやります(……でも、あけっちって何?)」
レオンが先に仕掛ける。こちらはタイミングを伺わせてもらう。
―――――――――
>>108
……やはりまだ終わりでは無かった。レイナが見たものは再生した相手に握り潰されてしまうヴィジョン。
当然このまま行けばアイゼルネ・ブルートの奇襲は失敗する。
(……この機会を逃す手は無いのに。どうしたら……?)
そのヴィジョンを回避するのは突撃を止めざるを得ない。レイナは歯噛みする。
時間が無い。あと一度でもあの赤い閃光を撃つ機会を与えてしまっては、今度こそ甲斐を落とされてしまう。
「アカリ!!!」
突如としてアカリのゲシュペンストへ向けて、叫ぶ。
アイゼルネ・ブルートはすぐ横を振り向いたかと思えばその瞬間、何の躊躇いも無く思い切り全力でハープーンを投げ飛ばす。アカリのゲシュペンストの方へだ。
……誤射をした訳では無い。自身の身が危険を避けられないものと覚悟して、アカリへと神槍を託したのだ。
しかし、この土壇場のタイミング、コース的に下手をすればアカリ機に突き刺さってしまう直撃コース。それが何の打ち合わせも無しに投擲され、螺旋回転しつつ猛スピードで迫るのだ。
しかしレイナはあのゲシュペンストのパイロットを信じていた。
いや、むしろこんな無茶ぶりに付き合える人間はアカリしかいない。知らない。
そして、全ての布石を敷き終えた瞬間
アイゼルネは未来のヴィジョン通りに停止させられた。その背中から人体標本に鷲掴みにされてしまった。
【ASSS「…」
ASSSの全身の眼が光り出すと銛の切っ先を避ける為なのか、その腕を伸ばし左手も添えてアイゼルネ・プルートを握り締め始める】
「……っくくくく。今に見てなさい。お前が撃ち抜かれるヴィジョン。私にはすでに見えているのよ」
アイゼルネは人体標本の握力により、ベキベキと嫌な音がする程に圧迫されている。
ただ、いくらホールドされようとも、あの厄介な銛はもう手元に存在しない。
レイナはまだやせ我慢する。両腕をアイゼルネが釘付けにしているこの状態。
アカリならここで決められるはずだ。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP35%】
―――――――――
>>109
【「あけっち聞こえるか、今からオーバースマッシャーを打つ」
「多分2・・・いや3秒持たせる!タイミングは任せたぞ!」】
「わかりました。しかしハヤセさん。私の言う方へ照射してください」
まずはシャドウストライカーを目の前から押し出す気の様だ。エリートのプライドにかけてこれ以上はヘマを見せられない。
ガブリエルはやはり正確なセオリー通りの丁寧な射撃でシャドウストライカーを追い込み続ける。むしろ自分にはそれしか無かった。
「ハヤセさん、今です」
【「オーバー・・・!スマッシャァァァ!!」】
そこで更にシャドウストライカーを追い込むバルクレイスの照射系攻撃。
これによりシャドウストライカーはこれを凌ぐために大きく動かざるを得ない。
しかし、その動いた先には甲斐。しかもドンピシャにその射線上。
「甲斐CIC、あのASへ三式対空榴散弾の発射を要請します」
ライトは甲斐に指示を出す。
111
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/03(月) 22:26:45 ID:Gltf8J1A
>>105-106
,
>>108
,
>>110
ゲシュペンスト必殺のプラズマ・ステークは狙い通り人体標本の左頬に決まった。
だが、ステークのショックを以てしても人体標本の顔は逸れず、ステークは侵食され始め、今まさに甲斐に向かって赤光が放たれんとしている。
ダメか。そう思った矢先、エクセリオンが二挺のブーステッド・ライフルを構えて人体標本の口腔部を射撃し、破壊。
甲斐に赤光が向けられることは無くなった。
「シュナイダーさん!」
そのまま続けて、エクセリオンが人体標本の目立つ心臓部をライフルで射撃するが、
心臓部の露出には成功するものの、破壊にまでは至らなかった。
そこを見逃さず、今度はアイゼルネが例の銛を片手に心臓部へと突撃を開始。
フォローミー、とレイナに言われたアカリは、侵食された左腕をパージし、M950マシンガンを抜いてその後に続く。
また触手が出てくるだろうから、それを撃ち落とすのが役目と判断したアカリだったが、
「え?」
突如、レイナが自分の名を呼びながら例の銛をこちらへと投げたことに、目を白黒させた。
超速度反射能力で加速された時間の中、何故、と思いながらも、少しの違和感。
それを裏付けるかのように、視界の端で人体標本の右手が、アイゼルネを掴もうとしている。
これか。これを、レイナは予測していたのだ。
であれば、こちらに投げられた銛の意味。それに対する解答は、そう難しいことではない。
「っ!」
機体右側のスラスターを噴射して機体を左に流したゲシュペンストは、すれ違い様に飛来した銛を掴み、
それをくるりと回して持ち直すと、アイゼルネの上方に向かって機体を加速させた。
視界の下方に流れていくアイゼルネは、既に人体標本の両手に捕らえられている。そう時間は掛けられない。
キッと人体標本の心臓部を見据えたアカリは、フットペダルを目一杯踏み込み、
「たああああああっっっ!!」
銛を突き出した体勢のまま、スラスターを同時に使用した最大限の加速で、人体標本の心臓部へと突撃した。
>>110
「こちら甲斐。了解しました」
ライトからの、三式弾の射撃要請。
それを待っていましたと言わんばかりの声で、リリーはライトに了解の意を伝えた。
「一番副砲、トレースしていますね?」
「はい。照準、敵回避コース。ばっちりです」
「結構です。一番、撃って下さい」
リリーから指示が飛び、ライトの指示した通りの位置に砲口を向けた一番副砲が火を噴いた。
弾種は三式対空榴散弾。今まで二度にわたってシャドウストライカーを引き裂いてきた弾であった。
112
:
ドローン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/05(水) 23:25:43 ID:BZF.PFHk
>>109
>胸で輝いていた赤い光は球体に膨れ上がる、しかしそれは瞬時に点になるまで収束し・・・
>「オーバー・・・!スマッシャァァァ!!」
>開放された閃光は赤の激流となり、その道筋にある全てを飲み込んでゆく
シャドウストライカーも瞬時に展開されたその激流に飲み込まれるが、
ユウセイ?「まだだ!」
赤光からシャドウストライカーが飛び出す
白い筈の全身は、赤熱に依り赤く染まっていた
>>110
>>111
>しかし、その動いた先には甲斐。しかもドンピシャにその射線上。
ベアリング弾の包囲網がシャドウストライカーに迫る
―――――――――
>>110
>>111
アイゼルネ・ブルートをそのまま握り潰さんと更に締め上げる。
しかし、この拘束も長くは続かなかった
>「たああああああっっっ!!」
ASSSの心臓にアカリ機の蒼いイカズチの如き突進による件の銛が突き刺さっていた
ASSS「!!!」
アイゼルネを何処へともなく放り出すと頭を抱えて苦しみだす
その全身は赤白い亀裂が走り銛の刺さった心臓を中心に白く激しく光りだす
その亀裂が末端まで及び輝きがいよいよ限界に達する
ASSS「Guuuuooooooooooooo!!!」
ASSSの最期の咆哮とともに、この空間全域に轟く衝撃の波が走り出したのも束の間
瞬時にASSSに収束し全身の亀裂から光が発し戦場の全てを呑み込んでいく
―――――――――
閃光の後に見慣れた光景が全員の目に映る
先程の様な見たことのない天体とは違う
何より甲斐の背後に在るのは月そのもの。各員のディスプレイには座標も示されていた
ユウセイ?「一先ずは合格…なんだろうね」
殆ど完全な姿に近いシャドウストライカーが佇む
ユウセイ?「不思議そうだね?あの程度なら防げるし、仮に直撃でも…」
トンファーを交互に振り回し、機体をクルリと横に回して仁王立ちで止まるとキョウスケ・ナンブの声色で
ユウセイ?「致命傷には届かん!さ」
…明智ライトは詰めを誤っていた。本来の彼等は通常兵器では殺せないのだ
いや、直前のレオンの説明が不足していた為か
ユウセイ?「アレが寝てるなら、これ以上留まる理由は無いしね」
シャドウストライカーの頭上に黒い渦が見える
スラスターを吹かしながらヒツギに向けて答える
ユウセイ?「楽しめたよ。アレに伝えといてよ。今度は仲間の死にざまを特等席でみせるって」
飛び上がると同時に姿は消えた
113
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/06(木) 07:00:17 ID:72krXpCk
>>112
アカリのゲシュペンストが手にした銛が人体標本の心臓を捉え、人体標本の動きが止まる。
銛の再生破壊の力が心臓の中を暴れ回り、そこから、眩い光が漏れ始める。
「少尉! 変貌したストライクストームから、高エネルギー反応が……!」
「! いけない! 総員、対ショック姿勢! 何かに掴まって下さい!」
リリーが艦内の全クルーに衝撃に備えるよう指示した直後、人体標本を中心にして衝撃波が発生し、甲斐の右舷全体を殴りつけた。
「うわあああっ!」
「くそ、何てことだ!」
「くううっ……!」
空間全体を揺るがす衝撃波に甲斐は激しく揺さぶられ、何かに掴まった状態であっても、数人のクルーが悲鳴を上げた。
変化はそれだけに留まらず、衝撃波に次いで凄まじい閃光があたりを包み、外部カメラモニターが全てホワイトアウトする。
「…………っ? ……!」
それらが収まった後、恐る恐る目を開けたリリーの目に飛び込んで来たのは、甲斐の後部を映すモニター、
そこに静かな存在感を以て佇む、青白く光る天体。
「…………月だ」
「あ、ああ……見間違いじゃ、ないよな……?」
「地球、及び月との通信確立! 私たち、戻ったんですよ!」
通常空間に戻った。そのことが、CICの人員の間に歓喜の声を上げさせかけるが、リリーの一声がその空気を切り裂く。
「まだです! 気を緩めないで下さい! 敵影は?」
「あ……はい! 変貌ストライクストームは撃破しましたが、ストライクストームもどきの一機を撃破し損ねました。
その一機の反応は消えています。おそらく、どこかへ転移してしまったものかと……」
「その可能性はありますが、警戒は続けて下さい。対空監視は厳に。現在位置は?」
「月、コペルニクスクレーター上空、約一万八千㎞付近です。どうしてこんな所に……?」
「理由は不明ですが、相手は常識外れの存在です。あまり考えすぎないほうが、かえって良いかも知れません。
味方機の反応はどうですか?」
「全機、反応はあるようです」
「わかりました。全機に通信を繋いで下さい」
「了解」
甲斐が衝撃波を受けた際に乱れた服装を直しつつ、リリーは出撃している全機に呼びかける。
「こちら甲斐です。皆さん、大丈夫ですか? 私たちは月近海、通常空間へ復帰しました。
まずは落ち着いて、通信機が動くのであれば、この通信へ応答してください。通信機が不調であれば、発光信号でも構いません。
応答した後、速やかに本艦へと帰還してください。繰り返します。こちら甲斐です。皆さん、大丈夫ですか……」
114
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/06(木) 07:01:40 ID:72krXpCk
>>113
続き
通常空間に復帰した甲斐からの通信。その声を聞き、アカリは呻きながら目を開けた。
「う……つつ、頭打った……。ったく、アイツめ、爆発するならもうちょっと時間くれたって良いじゃない……てて」
頭を押さえながら、よろよろと通信回線を開くためにコンソールを打つ。
衝撃波を一番近くで受けたゲシュペンストはボロボロだった。銛を持っていたはずの右手が肘から吹き飛び、頭がもぎ取られ、
右側のスカートアーマーと右足までもが持って行かれている。
コクピットもそんな機体の状況を表す表示が、映像の乱れているモニターに所狭しと並べられ、
脇に寄せておいたはずのヘルメットが視界の端を漂っている有様だ。
だが幸いなことに、通信機は生きていた。
「甲斐、こちらクレマチ……。無事です、生きてます」
『クレマチ伍長、よく無事でしたね。あなたはあの衝撃波の中心部に一番近かったはずですが』
「ええ……あまり機体の基幹部分にダメージを受けていなかったのが幸いしたようです。それでもこんなにボロボロですけど」
『推進器は生きていますか? 生きているのならば、こちらへ向かって欲しいのですが』
向かって欲しい?
その言い回しに違和感を覚えたアカリは、少し考えて、
「バーニアとスラスターは生きているようです。しかし少尉、「帰還」ではないのですか?」
『いいえ。戦闘ログを確認したところ、一瞬ではありますが、あなたの機体は侵食されてしまっています。
ハヤミ曹長のゲシュペンスト同様、大事を取ってその機体は破壊処分されます』
「そ、そんなぁ」
『伍長、わかったのならば復唱を』
「了解しました……」
自分と共にいくつかの戦場を駆け回ってきたこの機体を破壊しなければならない。
その事実に打ちのめされた気分になったアカリは、そんな自分の反応を意外に思う。
ボロだポンコツだと言っていても、そのことに意気消沈している自分は、
気づかなかっただけでこの機体に愛着を持ち始めていたのだな……と、フットペダルを踏みながら思った。
機体のシステムは、衝撃波によるダメージを抜かせば、特に問題はないように見える。
だが、甲斐のハンガーにいつの間にか入り込み、ストライクストームを乗っ取るという芸当までしてみせた相手に、念を入れたくなるリリーの気持ちもわからなくもない。
みんなの命の保証と、自分一人だけの機体への愛着。どちらを優先せねばならないかは一目瞭然だが、割り切れない気持ちがあるのも事実。
「はあ……」
機体を破壊する以外にどうしようもないアカリは、せめてもの抵抗のように、深いため息をつく。
そうして自機への愛着を精算している間に、ゲシュペンストは甲斐の近くまで来てしまっていた。
『そこでストップです、クレマチ伍長。そこで機体を停止させ、あなたはコクピットから出て甲斐に戻ってください。
機体備え付けのスラスターユニットとマグネットガンを持ち出すのと、ヘルメットを被り直すのを忘れないように』
「了解です」
シートベルトを外したアカリは、ふわふわと舞い上がる髪を少しの苦闘の後に纏め、ヘルメットを被り直す。
そして、シートの裏側に備え付けてある機外活動用のスラスターユニットとマグネットガンを取り出し、ユニットを背負う。
コンソールを叩き、コクピットハッチを開くと、その先に広がるのは宇宙である。
(まさか、こんなところで宇宙遊泳をやる羽目になるなんてね……)
ハッチの縁に足をかけ、機体の外にでたアカリは振り返り、甲斐に対して後ろ向きになってハッチを蹴り、機体から離れる。
あちこちケーブルが飛び出たり、火花を散らしている自機の状態は、コクピットで把握した状態よりも酷かった。
その様に何かこみあげるものがあったが、それをアカリはグッと飲み込み、愛機に向かって敬礼する。
(ばいばい、私のゲシュペンスト……。重い子だったけど、あなたと過ごした時間は、そう悪いものではなかったわ)
心中で別れを告げたアカリは愛機に背を向け、口を開けたままのカタパルトへ、スラスターとマグネットガンを使って入り込む。
その間、彼女は愛機の方を振り向かなかった。
甲斐の主砲が稼働し、愛機にHEAT弾が撃ち込まれる音を聞いても、一切振り向くことはなかった。
115
:
レイナ&ライト
:2012/09/06(木) 10:03:20 ID:pXq3L3QA
>>113
ようやくアカリのゲシュペンストの攻撃が人体標本の心臓を貫いたのだが、人体標本の断末魔の爆発によって皆の視界はホワイトアウト。
次に目を開いた時には、先程まで居た座標不明の謎の空間を脱出しており、現在、月の周辺へと全機は吐き出されていた。
【「こちら甲斐です。皆さん、大丈夫ですか? 私たちは月近海、通常空間へ復帰しました。
まずは落ち着いて、通信機が動くのであれば、この通信へ応答してください。通信機が不調であれば、発光信号でも構いません。
応答した後、速やかに本艦へと帰還してください。繰り返します。こちら甲斐です。皆さん、大丈夫ですか……」】
「……こちらガブリエル、明智。損傷は軽微ですが、念の為に機体の浸食状況を検査していただきたいのですが、可能ですか?」
通常空間へ回帰する直前まで甲斐の近くに居た為にもはやライトの生存確認は必要性を感じないかも知れない。
「ここで待機します」
このまま帰還と行きたいところだがすぐにとは行かない。ガブリエルはユウセイ曹長の乗っ取られたゲシュペンストと僅かとは言え直に接触してしまっている。その為に浸食されていないかが怪しまれる。
技術者の診断によっては最悪、機体を破棄しなければならないだろう。
「…ふふん。私を誰だと思っているのよ?レイナ・カーマイン、偉大なる闇の力により現(うつつ)へと回帰してやったわ……」
等と高飛車な事を言っていても、その息づかいは熱を帯びて荒い。
流石にあのゲテモノを相手にして無事と言う訳には行かなかった様だ。アイゼルネ・ブルートも予知をフルに活かした中身のレイナも実際はかなり消耗しているはずなのだ。
「アイゼルネは事前に予防策を張っていたから何処かの情けない腰抜け天使様と違って浸食を受けていないはずなのだがね?
どうしてもと言うなら好きなだけこの娘を調べれば良いわ」
その場で全身を見せ付ける様にくるりと一回転して見せるアイゼルネ・ブルート。
こちら側のマシンセルの作用ででASSS側からの浸食を相殺していたはず。
レイナは自信満々で大丈夫と言い張るがあの人体標本に握り潰されかけたのだ。そんな物を土足で上げさせるのは、皆としても恐ろしいだろう。
アイゼルネ・ブルートもまた艦外で待ちぼうけをくらう。
「…あ、あなたね!……そちらこそ、美味しい所は全てクレマチ伍長に持って行かれてますよね??」
「む……アカリは私の半身でしょ?イコール、つまりストライクストームを貫いたのも私だ。で間違い無いのよ」
……まぁまだレイナもライトと口喧嘩するぐらいの余裕は残っているみたいである。
戦闘の高揚感も引いて来たところ。被害状況を思い直して見る。
(我が眷属の状況。エクセリオン……レオン兄様は余裕みたいね?
……バルクレイスは修復困難。ヒツギはちゃんと生きているかしら?……ふん。どこまで主を心配させるのかね)
あれだけ血を滴らせていたのだ。ヒツギは今頃、治療室へ直行だろう。途中、何度も救助に向かわなければと思考したが結局は危険な目に遭わせてしまった。
それにストライク・ストームの暴走で傷付けられた甲斐のハンガー。死人は出ていないだろうか?
あとついでにユウセイ曹長は複数の意味で大丈夫だろうか?担架で運ばれて行ったらしいがその後どうなるのだろうか?
116
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/06(木) 10:04:16 ID:pXq3L3QA
>>114
【(ばいばい、私のゲシュペンスト……。重い子だったけど、あなたと過ごした時間は、そう悪いものではなかったわ)】
既に軽度の浸食を受け始めていたらしいアカリ機はユウセイ曹長のゲシュペンストの引き起こした前例を恐れ、完全消滅させる事が決定されたのだそうだ。
人体標本へとどめを刺した間違いなく今回のヒーローにしてアカリの相棒だったゲシュペンストが甲斐によって原型すら残らない塵と化してしまった。
重いだの何だの不平を言っていたが、アカリにもちゃんと機体に対する愛着と言ったモノが有ったのだろう。レイナはゲシュペンストと別れ宇宙を泳ぐアカリの後ろ姿へ声をかける。先程の戦闘での称賛も言えていないし、何より彼女を励ましたかったのだ。
「アカリ、あなたとあなたのゲシュペンスト。正に私の願っていた通りの素晴らしい活躍を魅せてくれたわ。
やっぱり、とどめは私の言った通りになったでしょ♪」
大層ご機嫌なレイナ。土壇場でレイナの無茶な機転すらも拾い、期待通りの対応を取って返してくれるアカリの力を頼もしく思っていた。
しかし、アカリだけで無く彼女の持ち物ゲシュペンストへも称賛する意思を示すあたり、レイナなりの気遣いが見られる。
「そして、あんなバケモノと戦って良くわかった筈よ自分自身のポテンシャルが。
たかが量産品のゲシュペンストMk-Ⅱ風情では、アカリの反応に追従出来ない。
……そんな半端な状態で出撃すれば事故を起こすわよ、アカリ。
あなたにはもっと相応しいものが有るはずなのよ。ささやかだけれど、私にそれを用意させて頂戴?」
先程の称賛とは転じて今度は少し棘のある言い方で現実を突き付ける。
今回の戦闘、特に超反射が最高の精度で行われていた終盤時で機体の方の制限で足踏みする事態が深刻化していたはずだ。
実際にアカリの挙動を間近で見ていたレイナにはそれが良く解った。
出撃前にはアカリに遠慮されてしまったが、レイナとしてはアカリの反応に応える新たな機体を喜んで提供させてもらう所存である。
117
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/06(木) 13:47:54 ID:72krXpCk
>>115
アカリの次に甲斐からの通信に応えたのは、ライトとレイナであった。
「確認しました、明智大尉、カーマインさん。今スキャンします」
この二人の機体は他の機体と比べて損傷は軽微にとどまっているが、ユウセイのゲシュペンストと人体標本のそれぞれに接触してしまっていた。
ストライクストームという前例がある以上、走査は念入りに行わなくてはならない。
幸いなことに、ユウセイとアカリのゲシュペンストから送られてきていたデータで、侵食する個体が発する信号のパターンはある程度解析できていた。
それが機体内部に認められれば、その機体が次の主砲の犠牲者となるのだが……。
「……どうですか?」
「ガブリエル、及びアイゼルネに信号は認められません。ガブリエルはそんなに長く接触していなかったのが幸いしたのでしょう。
アイゼルネは侵食を少し受けたようではありますが、クレマチ機と違い、こちらはマシンセルを構造材に使っているのが良かったようです」
「わかりました。明智大尉、カーマインさん、確認したところ、お二人の機体に侵食は見られません。
……ですから、仲の良い口喧嘩は後にして、ガブリエルから順に、左舷カタパルトから帰還して下さい」
スキャンしている間に口喧嘩を始めてしまった両機に、リリーは帰還するように言う。
ちなみに、左舷カタパルトに限定したのは、右舷カタパルトにはまだ固定されたままのラウディ機が居り、接触事故が起きかねないという理由からである。
>>116
アイゼルネ、もとい、レイナから入った賞賛と励ましの通信を、アカリはハンガー内のエアロック前で受けた。
「ええ、びっくりしましたよ。私のゲシュペンストではそんなことにはならないだろう、って思ってましたからね」
レイナの予知能力に関しては、アカリの理解はまだあまり深くない。
ヒツギなどはその予知に信頼を置いているようだったが、その力を目の当たりにしていないアカリにとっては、やはりどこか眉唾物に感じていた。
しかし、認める認めないの結論は出せなくても、今回のことはその認識に少しの見直しを否応なくさせるものであったのは間違いない。
そんな彼女の予知であるが、アカリが愛機を失うことはわかっていたのだろうか?
わかっていたら……と思うものの、わかっていたとしてもあの状況では他にどうしようもない、という現実的な考えがその思考を塗りつぶす。
「ええ……自分の中に何が眠っているのか。よくわかった戦いでした。
わかりました、レイナさん。あなたの申し出、ありがたく受けさせていただきたく思います」
ともあれ、レイナの言うように、今回の戦いでアカリは自分の内に眠っている超速度反射能力という獣の力を再認識させられた。
それを踏まえた上で、アカリはレイナの忠告と申し出を素直に受けることにした。
どのみち、この部隊でやっていくならば、旧式の量産機であるゲシュペンストのままではいられなかった。いずれもう少し性能の高い機体が求められたのだ。
アカリの能力を鑑みてそれを用意してくれるというのだから、まったく、レイナには頭が上がらない。
この人には敵わないな……と、アカリは微かな笑みを口元に浮かべた。
118
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/09/06(木) 16:33:09 ID:pXq3L3QA
>>117
【「ガブリエル、及びアイゼルネに信号は認められません。ガブリエルはそんなに長く接触していなかったのが幸いしたのでしょう。
アイゼルネは侵食を少し受けたようではありますが、クレマチ機と違い、こちらはマシンセルを構造材に使っているのが良かったようです」
「わかりました。明智大尉、カーマインさん、確認したところ、お二人の機体に侵食は見られません。
……ですから、仲の良い口喧嘩は後にして、ガブリエルから順に、左舷カタパルトから帰還して下さい」】
「/////……こほん。これは失礼しました。帰還します」
仲良くなんてしてないわ。とでも言ってやりたいが確かに後がつかえてる様だ。この場では最も階級の高い自分がこの様ではいけない。ライトは自分の大人げなさに恥ずかしくなり、赤面した。
確かに検査も無事にクリアした事なのでさっさと帰還する他無い。
しかし、どうもこのレイナと言う人間とは必要以上に衝突してしまう。
きっと相性が最悪なんだろう。
「悪かったわね。ほら天使、さっさとそこから入りなさい。てか邪魔よ、そのピカピカした翼」
第三者から指摘される程、うるさくしてしまった様だ。レイナはそんな自分を恥じ、赤くなった。
とりあえず速やかに帰還しよう。先程、リリーから注意が有ったばかりだが、カタパルトへ入って行くライトを急かす。
しかし、どうもこの明智ライトと言うニンゲンとは必要以上に衝突してしまう。
きっと相性が最悪なんだろう。
>>116
【「ええ……自分の中に何が眠っているのか。よくわかった戦いでした。
わかりました、レイナさん。あなたの申し出、ありがたく受けさせていただきたく思います」】
「……ふっ。そうと決まれば、実は早速モノは用意出来ているのよ。月の施設の方へビルトラプターという可変式の何とも酔なPTを用意させているわ。
本当はこれから地球へ搬送する予定だったけれど、予定を切り上げて今ここで直接ピックアップするわ」
月のマオ・インダストリー社に押し掛ければすぐにその機体を受領する事が出来るだろう。
信じられない話だが、レイナ個人とマオ社の間には確かな信頼関係が築かれて有り、少々の融通は聞いてくれる様な太くて固いパイプを持ち合わせているのだ。
119
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/06(木) 17:28:38 ID:tEMXGtNc
>>110
(反動を殺しきれない!!)
バルクレイスが打ち出した赤の閃光はその当初の目的を達成した。
しかしその反動を殺しきれず、コックピットにいたヒツギはその煽りを受けて再びシートに叩きつけられる
「終わった、のか・・・?」
赤い点が漂いアラート音が響き渡るコックピットの中、かろうじてカメラから送られてくる映像に目を凝らした
砂嵐すらかき消すほどの閃光の後、移りこんだのは星
だがそれは黒ではなく白――――
(月・・・?)
>>112
>ユウセイ?「楽しめたよ。アレに伝えといてよ。今度は仲間の死にざまを特等席でみせるって」
漂うという表現が正しいバルクレイスは、動く様子を見せない
ヒツギも頭部を強打していたりと息絶え絶えの状態だ。
しかし今にも落ちそうな意識を奮い立て、その言葉に対して噛み付いてきた。
「断る」
「ここの誰も死なないし死なせない、だからそれを伝える必要も・・・ない」
緊張が解けたからか、ヒツギの視界に一気に霞がかかる
>>113
「こちらハヤセ・・・ごめん、回収頼む・・・」
胸を撫で下ろす声と共に、甲斐へとそれだけ通信を送った
120
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/06(木) 18:25:33 ID:72krXpCk
>>118-119
ライトとレイナに続いて反応があったのは、一番損傷の酷いバルクレイスのヒツギからであった。
だが彼と彼の機体はもはや帰還する余裕もないようで、回収を依頼する通信をこちらへ入れた後、通信はそれっきり切れてしまった。
「あー、あれはいけません。アイゼルネはもう入ってしまいましたか?」
「いえ、ガブリエルに続いてカタパルトへのアプローチに入っているところです」
「間に合いました。アイゼルネに通信を」
「了解」
アイゼルネに通信回線が繋がれたことを確認したCIC要員のサインに、リリーは頷いて、
「カーマインさん、アプローチに入っている途中ですがすみません。
バルクレイスの所に戻って、機体を回収してきてはもらえませんか?
パイロットと機体に、こちらに帰還する余力が残っていないようでして」
121
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/06(木) 18:42:42 ID:pXq3L3QA
>>120
【「カーマインさん、アプローチに入っている途中ですがすみません。
バルクレイスの所に戻って、機体を回収してきてはもらえませんか?
パイロットと機体に、こちらに帰還する余力が残っていないようでして」】
「いや、いいよ。しもべの不手際をカバーするのは主の務めだから。それと済まないけれど、担架を用意しておいて頂戴」
二つ返事で引き受けるレイナ。そんなことは主として当然の事だ。
アイゼルネはすぐに反転してバルクレイスを回収しに向かう。
>>119
「相変わらず魅せる戦いをしてくれたわね。だが、少しは私の心労も考えて欲しいのだけれど?いや、無理か」
『心配するんだから危険な事をしないで』とでも解釈すれば良いのだろうか。
本心は知れた事じゃないが、きちんと壊れかけのバルクレイスのボディを抱え甲斐まで持って帰るアイゼルネ。
122
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/06(木) 23:34:37 ID:tEMXGtNc
>>120
>>121
体を投げ出し、頭を力なくうな垂れた体勢をとっていたヒツギには、
通信を送ることに成功したかどうか、返信がきたかどうかを確認する余裕もない。
心身共にボロボロの状態は消耗戦を終えた後の新兵のようであった、実際にヒツギは新兵ではあるのだが
ふと機械音と共に機体がほんの少し軋み、軽い衝撃が走る。
足元を見ていた顔を上げると景色が動いているのがわかった、どうやらきちんと伝えられたらしい
回収に来てくれたのはあの時付近にいたレオンか、それともライトか?
>「相変わらず魅せる戦いをしてくれたわね。だが、少しは私の心労も考えて欲しいのだけれど?いや、無理か」
スピーカーから入り込んだ声はそのどちらでもなく、反対側で戦っていた彼女のものであった
少し面食らったように目を大きく開くが、すぐにその顔は下向きへと戻ってしまう
「・・・次はもっと上手くやる」
叱咤とも嫌味とも取れる心遣いの言葉を受けてヒツギは短く返事をする。
次はもっと上手くやらなければならない、誰も死なないし死なせないと啖呵を切った
こんな辛勝ではダメだ、その為にはもっと強くならなければならない
だが今は鉄の味がする勝利を噛み締めればいいと、任せられる仲間に背中を預け体から力を抜いた
123
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/07(金) 00:14:16 ID:wY12q56U
>>113
「……えーっ!?」
全てが終わり、通常空間に復帰した、と思ったら……
「地上部隊に引き抜かれたせいで宇宙に上がるとか、わけが分からないよ」
ともかく僚機は次々と帰還する。若干名失機者もいるが……
「……レオルドは反応切れてるな……また逃げたか?」
そこはもう諦めたが……
「……って、火流羅が!」
斯くして戦闘は終了したが、新たな問題が発覚するのである……
124
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/07(金) 00:37:53 ID:iMbCQD5o
>>113
「こちらレオン。どうやら無事だ。警戒及び直媛に移行する寄港の許可を取っておいてくれ」
バルクレイスを支えるアイゼルネを見送りつつ甲斐の向かいつつ大きく回遊する
125
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/07(金) 01:06:48 ID:7ucUa2lA
>>121
レイナはリリーの要請に応えて、バルクレイスを拾いに行ってくれたようだった。
「ありがとうございます、カーマインさん。予定通り左舷カタパルトからバルクレイスを伴ってハンガーへ進入してください。
その間、こちらはケージと医療班の用意を済ませておきます」
バルクレイスの姿は遠目に見ても酷い有様だったが、誘爆を起こすような損傷は受けてはいないようである。
侵食による機体の変貌と同じく、甲斐の内部を破壊しかねない要因だったバルクレイスの損傷は、とりあえず問題ないと見て良いだろう。
>>123-124
「少尉、クーリマン機とシュナイダー機からも応答がありました。どちらも無事のようです」
医療班の出動を指示していたリリーの耳に、またもや嬉しいニュースが飛び込んでくる。
結果的に、あれだけの衝撃波を伴う爆発があったのに、誰一人欠けることのなかったのは、まさに幸運と言えた。
「わかりました。クーリマン軍曹、機体を固定しているワイヤーを外して、そのまま右舷カタパルトから帰還してください。
シュナイダー中尉はクーリマン軍曹がハンガーに入るのを確認してから、同じく右舷カタパルトへアプローチを。
医療処置が必要ならば、その旨を要請してください」
126
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/07(金) 01:29:49 ID:lF.XEdA6
>>125
【「ありがとうございます、カーマインさん。予定通り左舷カタパルトからバルクレイスを伴ってハンガーへ進入してください。
その間、こちらはケージと医療班の用意を済ませておきます」】
「了解よ。苦労かけるわね。
……む。そう言えばずっと気になっていたがキミは一体何者だ?武田艦長を廃して途中から指揮系統を取り仕切っていたのはキミだったでしょ?」
すっかり忘れていた。
甲斐ブリッジの死闘の末の指揮系統の変更であろうか?尊大な態度でふと思い出した謎を興味本意で言ってみる。
だがしかし、この辺りの事情は何となく聞けば長くなりそうな気がしたのでレイナもとにかくまずはバルクレイスを連れてハンガーへと侵入して行った。
―――――――――――――――
ここらで次の話まで待ちますね
127
:
極東支部
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/08(土) 18:04:18 ID:7LkHPypk
―――――甲斐が月周辺に現れる「3日前」
謎の敵性反応の追跡調査に出た甲斐
屋久島近辺で敵勢力と接触、交戦中にて甲斐を含む全ての識別が突如喪失したという異常事態に司令部は騒然としていた
通信士「監視衛星及び哨戒機からのデータからも依然として消息が掴めません」
イサム「そうか。」
腕を組んで特に動じるというでもなく通信士の報告に返すイサム
報告から間も置かず、通信士に伝える
イサム「屋久島近辺に置けるアンノウンは排除された。と伝えろ。私は彼等の出迎えの準備を急がねばならん」
その言葉に戸惑いの色を隠せない通信士
通信士「彼ら…甲斐の行方が判るのですか?」
イサム「行方は判らんな。ただ、どこから出て来るか、迄は判る。マオ社に依頼した仕事の様子も見ておきたくてな」
通信士「月…ですか?彼らは無事でしょうか?」
イサム「彼等なら問題は無い。一週間空ける。次の指示は副指令に仰ぐと良い」
まだ何か言いたそうな通信士を後に指令室を出た所で
「…下手をすれば私次第に成りかねないが」
そう呟くと格納庫へ足を向けた
128
:
河嶋大佐
◆E8ckRIIdug
:2012/09/08(土) 19:59:13 ID:ca.nNVIg
>>127
「……有無、可能性は幾つかあるが、一番高いのは……ああ、ちょっと待て……
……どうした……ほぅ?いや、支部長がそう言うなら私から付け加える事は無いな、副司令に任せるよ。
それと、種子島に到着予定のヴィルヘルム・エッシェンバッハ氏に待機するよう連絡を。
……済まない、先ほどの続きだが……」
この時河嶋大佐は自室で何者かと交信していた。
その相手が何者かは……そのうち明かされるかもしれない。
そして、戦闘後種子島で甲斐に補給物資を届けるはずだった約一名は出番が先送りであった。
129
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/09(日) 22:25:17 ID:Uqbr7bGM
ここは、とある戦場
此処では、ATXとDC残党が攻防を繰り広げていた。
アイゼンアイゼン&ヴァイスリッターとユウセイ機が、抗戦していた。
「あれ、なんでこんな機体に乗ってんの?それにあの機体。」
「しかも、なにも考えていないのにかってに体が動くしかも、こっちからの制御が聞かない。」
そう、ここはユウセイの精神世界いわいる夢だ。
相手が、オクスタンと、クレイモアを同時に、放つ
ユウセイは、それを回避するが、
やはり、あれだけの数、さすがに完全に回避するのは無理だ。
「ちっ、責めてこの体が自由に動けば、………!!!」
クレイモアに気をとられている間に、懐に入られた。
???「これで、抜けない装甲はない、全弾持っていけ。」
バンカーがコックピットに襲いかかる。
「終わったか?」
バンカーで、コックピットを貫かれる瞬間。
俺は目覚めた。
「はぁ、はぁ、はぁ、夢か。」
手は、しっかり動くが。
なんとなく、ダルい。重い全身に痛みが走る。
「これが、奴のウイルスの影響か。」
改めて、ドローンの驚異について思い知った。
「はぁ、二機も失うとかついてないな。」
とため息をつく。
【さっきの夢、俺はDC残党側、俺は今連邦側 俺は何者なんだ?】
【そして、俺は書類上ATXチーム なんで、俺はあの人と戦っていたんだ?】
ユウセイは、ただただ、困惑していた
130
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/09(日) 22:37:18 ID:Uqbr7bGM
>>129
の続き
「あれ、もしかしてASSSとゲシュを失ったから。まさか。」
俺は、結構な処罰に…………
くぁwdgyじlp;@」
ユウセイは白目を向いてそのまま、気を失ってしまった。
131
:
イサム
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/09(日) 22:56:20 ID:U1J/uZoo
>>130
ベッドに倒れ込むユウセイ。
すぐ横には見覚えのある男が座っていた
イサム「そのまさかだ。ハヤミ一等兵理由は解るか?」
側の卓には何やらおどろおどろしい色と黒い顆粒状の液体が入ったミキサーが置かれていた
132
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/09(日) 23:01:04 ID:DTh.OwbU
天井に埋められた照明が照らしているのは棚に並べられた薬品と、何に使うのか分からないほど縁の無い機械
奥にはベッドが複数並び、それらを区切るように布が引かれている。
全ての家具が壁紙が白で統一され、清潔感を醸し出すこの部屋は俗に言う医務室。
だが甲斐に備え付けれた医務室よりも二周り以上大きい
それもそのはずだ、ここは月面にある連邦基地内部にある医務施設なのだ
ヒツギは傷も深く無く既に体のほうは回復していた、だが敵が敵だったこともあり検査に数日を要したということだ
「ありがとうございました」
目の前に座っていた白衣の男性へと頭を下げる、彼は既に軍医によって診断を受けた後であった。
頭には一応の包帯が巻かれているが彼はやはりというべきかピンピンしている
鍛えていただけはあり、頑丈さと体力は人よりも優れていたのだろう
133
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/09(日) 23:28:44 ID:Z2cbF6lk
>>130-132
手に持った名状しがたい何某で威圧感が乗算的に増えているイサムの後ろから、
特注品の小さな連邦軍服を着た、中学生ほどの背丈の少女が顔を覗かせる。
「どうも、一等兵さん。その恐るべきBC兵器を口にするのが躊躇われるのならば、こちらに良い案がありますよ」
そう言って、少女……リリーは、胸ポケットからメモリースティックを取り出した。
「こちらに原稿用紙百万枚分の反省文を書き込んでいただき、その後、甲斐内部の清掃を二百周ほど受け持っていただきます。
大変な作業ではありますが、最低限の生命維持処置は施させていただきますよ。
考えようによっては、そのBC兵器よりかは、いくらかマシだと思いますが?」
小さな少女である分、イサムよりかはマシな物が提示されるかと思いきや、こちらもえげつない懲罰である。
どちらを選ぶかは、ハヤミ曹長改め一等兵の手に委ねられた。
134
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/10(月) 00:18:48 ID:JmndlBQs
>>132
「……く〜っくっく。ようやく復帰か。待ちわびたゾ、少年♪」
乙女座の武士道さんみたいな気障っぽい台詞を吐く少女の声がする。
ヒツギの診察が終わるのをずっと待ち構えてた様だ。診察室を出たすぐそこに偉そうに腕を組んで仁王立ちをしているのは、赤いツインテールの黒ドレスの少女。
ちなみに少女の傍には金髪で長身のスラッとした燕尾服が控えている。
「このレイナ・カーマインが直々に来てあげたのよ。ありがたく思うことね?」
出ました。怪我人に対していきなり高慢ちきなこの台詞。
しかし言葉とは裏腹に機嫌は良さそうである。ふふ。と笑みが漏れている。
そんな滑稽な主を他所に使用人は横で遠慮なく苦笑している。
彼女らはレイナ・カーマインとその右腕の使用人イクリプスである。
「ヒツギ様、お嬢様がど〜しても早く早くと仰るもので、直接こちらまでお迎えにあがりました。すみませんね。やかましくて」
「何を言う??そんなことあえて口に出す様な事じゃ無いだろ……むぅ。あとで覚えてろ」
フランク過ぎる気もするこの使用人、3日前の戦闘時などアンタは何処で何をしていたのだろう?と疑問は有るだろうが気にしないで欲しい。
レイナがビクッと反応したのがわかる。図星らしい。
誤魔化す様に咳払いをするレイナ。
「そういえばあいつはどうなんだ?ユウセイ曹長だったかしら?」
同じ施設に収容されているはずだ。
あの馬鹿に限って大事は無いとは思うのだが、少しはレイナも彼を案じている。
まぁレイナは、なんとなく彼がまた愉快痛快な目に遭ってる事を予見していたのだが。
135
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/10(月) 15:26:49 ID:gTzO21Rg
「イサム大将。」
驚き+唖然、あーんど呆然、
「これは、クスハ汁、ラミア少尉などを、クラッシュさせた。あのBC兵器」
自分でも試したい、という。欲望がとまらず。つい
その、BC兵器を口にした。だが
意gふぁh場儀絵wgはgぢdぎあsふぃあgfはrふぃあいあ
「不味いですね。ただただ、」
倒れは、しなかった。驚異的な生命力である。
「味音痴なんですかね?おれ?あっそうだ、イサム大将に一等兵ながら依頼したいことがあります。」
>>129
のことを話す。
「俺の見た、悪夢、あまりにもリアルすぎるんです。弥生の念も夢ですけど、感じられましたし、書類上は、ATXチームのはずだったのですが、」
「人の夢は脳の情報を整理するためにあると言います。もしかして、俺はDC残党にいたのかもしれないのです」
「お願いです、イサム大将、俺の過去調べてください、それか知っているなら、教えてください。」
頭を下げ、お願いする。
136
:
イサム
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/10(月) 16:21:18 ID:7pEucIuw
>>135
頭を下げるユウセイ
イサム「…ハヤミ一等兵。君はまだ錯乱している。体調に問題ないならリリー君からの説明を聞いておきなさい」
この件に関しては河嶋大佐抜きに話すわけにはいかない。そう判断した
すっくと立ち上がりユウセイの顔を見て
イサム「私は機体のテストの視察へ向かう。興味があるならラボの方へ顔を出すと良い。お前の予備機もそこにある」
病室の扉の前まで来たところでリリーに声をかける
イサム「ああ。リリー君。せいぜいこき使ってあげなさい」
敬礼の後に病室を後にした
137
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/10(月) 21:01:21 ID:931Wc7.Q
>>133
診察を終えて部屋から出てみると、廊下の真ん中で仁王立ちをしている女の子
その隣には長い足を細いスラックスに包んだ、いつもの燕尾服の女性がいる
>「このレイナ・カーマインが直々に来てあげたのよ。ありがたく思うことね?」
「なんだなんだ、わざわざ迎えに来てくれたのか」
まさかここにいるとは思っていなかったからか面食らった様子だが、もっと面食らっているのは周りにいた別の患者さん達だろう
>「ヒツギ様、お嬢様がど〜しても早く早くと仰るもので、直接こちらまでお迎えにあがりました。すみませんね。やかましくて」
>「何を言う??そんなことあえて口に出す様な事じゃ無いだろ……むぅ。あとで覚えてろ」
「俺も早く会えて嬉しいよ。」
「短い間だったしお見舞いに来てくれた人も居たけれど、さすがに入院は退屈だったし」
初日は全員事後処理に忙しく奔走、2日目は何人かお見舞いに来てくれた。
とはいえ形だけの入院とあって安静とは程遠い感じであったが
「お見舞いといえばあけっちが果物と造花をくれたけど、あれは甲斐に持って帰ればいいのかなぁ」
>「そういえばあいつはどうなんだ?ユウセイ曹長だったかしら?」
ふと振られた別の話題に対し、ヒツギは口を開いた
「俺もわからない、あの人は何か特別な病室に送られてたみたいだし」
「ただ昨日の時点だとまだ意識が戻らないって先生が言ってたな」
なぜだか分からないが彼はヒツギとは別の病室へと送られていた
集中治療が必要なほど重症といったような様子ではなかったが、何か理由があるのだろう
「そういや看護婦さんが筋肉ムキムキのマッチョマンが何重にも袋に包まれた物体を持ち込んでたってのは聞いたよ」
「なんでも中身を確認したナース長さんが酷い顔をしてトイレに走っていったとか・・・何故か騒ぎにはならなかったみたいだけど」
顔を青くして話していた看護婦達の顔がありありと思い出せる。
ナース長はダウンしたらしいし、いったい何が入っていたのか・・・
「っとそうだった、迎えに来てくれたってことは何か用事でもあるんだろ?」
廊下の真ん中で話していたことを思い出し、壁際に移動してから用件を聞いてみる
顔を見に来てくれた・・・と考えるのは難しい、ここまできたということは何かあるのだろう
「もしかして・・・バルクレイスのことか?」
相当ボロボロにしてしまった自機のことだ
テスト機をあそこまで破壊してしまったとなれば文句のレベルで済むとは思っていない
さすがに色々言われるだろうと覚悟しているようだ
138
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/10(月) 22:06:52 ID:7eWRb/4E
>>135-136
病室を出て行くイサムを敬礼で見送ったリリーは、「さて」と前置きしながらベッド上のユウセイに向き直って、
「まずは今の状況を話しておきましょう。ここは月面、連邦軍プリニウス基地の医療施設です。
あなたが倒れた後、甲斐と部隊の皆さんとで何とかあの意味のわからない敵を退けましたが、どういうわけか甲斐は月近海に出てしまいました。
そのまま地球に帰るには損耗し過ぎていたために、私達はここで補給と整備を受けることになりました。
あの戦闘における我々の体感時間では一日も経っていないのですが、甲斐が月近海に出た時点で、私達が最初の敵、
つまりあの水中戦用の機体で構成された部隊に接敵した日から、既に三日以上経っているようなのです。私達はさながら、新西暦の浦島太郎ですね」
浦島太郎と言うにはジャンプした時間が短いが、問題はそんなことではない。
異空間に連れて行かれた挙げ句、三日以上時間が経っていたなどということは、どう考えても普通ではない。
敵は一体何なのか? 普通の異星生命体でないことは確かだ。
宇宙の歪みか何かから出てきた異次元の存在……荒唐無稽な想像ではあるが、そんな、人類の常識を遙かに超えた存在である可能性だってあり得る。
だが次の瞬間には、リリーは盛大に肩をすくめていて、
「ま、そんなことは今はどーーーーだっていいのです。
私達は生きていて、食堂で炒飯を頼んで美味しい美味しいと食事できるのですから、無事と言って差し支えないでしょう。
点滴を打っていたとはいえ、あなたもお腹が空いているのではないですか?
そのお腹を満たすためにも、まずはそのBC兵器と錯乱するような悪夢で酷使されたその身体を軽く検査してもらってきてください。
あなたは精神的ショックで意識を失っていただけで、特に外傷を受けたわけではありませんから、すぐに退院の許可が出るでしょう」
139
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/10(月) 22:24:28 ID:jComenQQ
「あっ、了解しました。」
イサム大将を、敬礼で見送る。
>>138
「つまり、時間軸が、あの世界と元の世界では、違うって事、ですか。」
だからか、
「おそらく、奴は平行世界のものかと、もしくはアインストみたいな。」
言葉を選びながら、慎重にはなす。
「まぁ、おそらくは、中2病的ですが、屋久島の戦闘空域ごと飛ばされたと考えるのが妥当ですか。」
「まぁ、仰るとうり、とりあえず、検査受けますわ。」
スクールで、薬付けにされてかもとは、言えなかった。
140
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/10(月) 23:14:14 ID:7eWRb/4E
>>139
(「Einst」とは一体何のことを言っているのでしょうか?
まあ、彼の「発作」だという妄想の類から出た言葉だとは思いますが……)
近くでユウセイの「発作」を目の当たりにしたリリーは、表情を動かさず、小さくため息をついて、
「平行世界だかシュタインズ・ゲートだかは知りませんが、今そんなことを考察する意味はありません。
また混乱する前に、とっとと検査を受けに行って下さい。
そのままラボへ直行するのでしたら、途中、PXでミントタブレットか何かを買って頭をスッキリさせるのをお勧めしますよ」
PXとは軍の施設にあるコンビニのような施設である。
イサムが言っていたラボとこの医療施設の中間当たりにあるので、道なり的には丁度良いだろう。
リリーは口を微かにへの字に曲げて腕を組み、ユウセイの行動を待つ体勢に入る。
その少し後、何かに思い至ったような顔をして、
「ああ、そうそう、さっきから私とカイオウ大将が言っていますが、
あなたは本日付で曹長から一等兵へ降格処分になりました。
異議があるのであれば、丁度良いので大将へ直接どうぞ。ただの尉官の私に言われてもどうしようもないので」
141
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/10(月) 23:26:49 ID:JmndlBQs
>>137
【「俺も早く会えて嬉しいよ。」】
「ふふん。そうか」
屈託の無い素直な返答を返すヒツギ少年に気を良くするレイナ。
……と、ここまでは上機嫌であった。
【「短い間だったしお見舞いに来てくれた人も居たけれど、さすがに入院は退屈だったし」
「お見舞いといえばあけっちが果物と造花をくれたけど、あれは甲斐に持って帰ればいいのかなぁ」】
「ライトが??……くっくっく。まさか我が家臣をたぶらかそうとは……うっふふふふ」
明智ライトの名を聞いた瞬間に、そこまで割かしにこやかだったレイナは目を据わらせ青筋を立て、肩を震わせていた。
くっくっく。と笑っているが、そこには笑いなんか一切入っていない。
そう。言うなれば単純な怒りの感情。
「……あの薄ペラ天使ぃ、今度遇ったらズタズタにしてカオスにくれてやるわ」
何が薄くてペラペラなのかはこの際、あえて説明は省く。
先日、空港にてなかなか良い別れ方をしたと思っていた矢先にこれだ。
レイナは自分の眷属として血の契約(大袈裟)を交わしたヒツギ少年が、憎き天使に奪われた様な妙な焦りを感じていた。
そのせいで自らが話を振ったユウセイ曹長の事など、ロクに聞いていない。
とりあえず、次に遇ったらまたケンカが始まるのだろう。今回の収賄行為はそれで手打ちとした。
【「そういや看護婦さんが筋肉ムキムキのマッチョマンが何重にも袋に包まれた物体を持ち込んでたってのは聞いたよ」
「なんでも中身を確認したナース長さんが酷い顔をしてトイレに走っていったとか・・・何故か騒ぎにはならなかったみたいだけど」】
「ああ、それイサムよ。なんでもユウセイ曹長にかなり肩入れしてるからね、そっちに行ったのじゃないか?あの漢は」
レイナもこの医療の場でかなり目を引く存在だが、イサムも大概である。
例えるなら世紀末覇者が現代の病院へノコノコやって来たかの様なアンバランスな場違い感。
【「っとそうだった、迎えに来てくれたってことは何か用事でもあるんだろ?」
「もしかして・・・バルクレイスのことか?」】
「当たりよ。イクリプス、彼に説明してあげて」
イクリプスは一礼してから、ヒツギに経過報告書を手渡しする。
「率直に言うとバルクレイスの装甲を形成するゾルオルハリコニウムが足りないので修理が出来ないのです。
マオ・インダストリー社にあたってみたものも、相当量のゾルオルハリコニウムは用意出来ないと仰っていました。
月から地球に帰還する間に敵の攻撃が無いとも限りません。
なので、地球でバルクレイスを修理するまでの代替えにと、こちらでヒツギ様の機体を用意させていただきました」
その経過報告書と一緒に新たな機体の仕様書も同梱されているのが確認出来るはずである。
「ヒツギ、君にはXゲシュペンストに極めて近いPT、ゲシュペンストMk-Ⅱ S/Bを任せる。これまで同様、私に尽くしてくれ」
胸を張ってビシッと指をさすレイナ。
ヒツギ用のゲシュペンストを納期を切り上げて強引に無理を通して用意させたのも、全てはこの年端もいかない少女の一声であった。信じられない話だが。
142
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/11(火) 00:23:06 ID:RNhJRvlY
>>141
>「ライトが??……くっくっく。まさか我が家臣をたぶらかそうとは……うっふふふふ」
ただ明智が来たということ伝えただけなのだが、何故かレイナは口元を引きつらせて笑っている。
(え、マズった?何で?)
怒っているというのは見て取れるのだけれどその理由がヒツギにはいまいち分かっていなかった
何やら物騒な独り言もつぶやいているし、この事には触れないほうがよさそうだ。
巻き込まれて後で酷い事になりそうな気がすると彼の本能が伝えていた
>「ああ、それイサムよ。なんでもユウセイ曹長にかなり肩入れしてるからね、そっちに行ったのじゃないか?あの漢は」
「じゃあその持ってきてたものって言うのは・・・うげぇ」
ちょうど話題が切り替わりホッとしたヒツギであったが
ユウセイに肩入れしているということはつまり、謎の劇物はその人に渡されるということだ
想像しただけでも同情せざるを得ない
ここまでの雑談を経て、ようやくして渡される本題。
レイナの指示を受けてイクリプスが渡してきたものは、何やらの報告書
記された文字の最初に見えるのは自分の名前と親しんだ形式番号。
>「率直に言うとバルクレイスの装甲を形成するゾルオルハリコニウムが足りないので修理が出来ないのです。
>マオ・インダストリー社にあたってみたものも、相当量のゾルオルハリコニウムは用意出来ないと仰っていました。
彼女の言葉を聴きながら書類を流し見してみる
装甲以外にも甚大な被害を受けた頭部・バックパック・右足は丸ごと交換が必要らしい。
特にバックパックと右足は、それぞれ内蔵された大量のスラスターとステークも改修しなければならないと
自分でもある程度「やべぇな」とは思っていたし、最終的には動いてるのがやっと見たいな状態だったけれど
よもやここまでのダメージだとは想像していなかった。
(となると俺はここでお役ごめんか・・・)
自分はこのテスト機のパイロットとしてここに居る身だ、相方が使用不能となれば自分が戦場に出る必要も無くなる
そう思っていたヒツギに対し、イクリプスから思いもしない言葉が投げかけられた
>月から地球に帰還する間に敵の攻撃が無いとも限りません。
>なので、地球でバルクレイスを修理するまでの代替えにと、こちらでヒツギ様の機体を用意させていただきました」
「え、代替え?」
書類をパラパラとめくって行くと、半分を過ぎたあたりで別の書類が混じっていることに気がついた
自分がよく知るゲシュペンストの見た目をそのままで、右の脛に前から見たら右足を覆い隠しそうなほど巨大なブレード
そして同じく左腕にもブレード・・・カラーリングは赤と、誂えたようにどこかで見たような機体
>「ヒツギ、君にはXゲシュペンストに極めて近いPT、ゲシュペンストMk-Ⅱ S/Bを任せる。これまで同様、私に尽くしてくれ」
「・・・」
その台詞に驚き、すぐには言葉を出せなかったヒツギ。
しかしすぐに落ち着いた様子を取り戻すと、背筋をまっすぐに伸ばして、そろえた指を頭部につけて敬礼する
「ヒツギ・ハヤセ、力戦奮闘し精進致します!!」
143
:
レイナ&イクリプス
◆zv577ZusFQ
:2012/09/11(火) 08:26:21 ID:AWazQAPI
>>142
「だが、バルクレイスと使い勝手は近いと言っても性能面では劣化気味だし、あれには切り札のSCIも無いからな。
いつもの調子で肉を切らせて骨も切らせる様な無茶をすれば……くくく。今度こそ君のちっぽけな命は永遠の地獄に落ちていくかもね?」
ただの忠告にしては彼女の台詞は物騒だし容赦が無いし配慮も無し遠慮も無い。
まぁ、これぐらいは脅しておかないと彼には忠告の効果が無いだろう。
それに……まだあやふやだが“見えてしまうのだ”彼女の眼には。
「…だからね、代替え機と言えど慣らしは必要なのよ。実はイサムにお願いして模擬戦の都合をつけてもらっているわ。
なんか良く知らないけど、模擬戦で2000回負けなしの接近戦を極めたスペシャルなパイロットが相手らしいわよ」
なんとも用意の良い事である。
しかし、そんなスペシャルで2000回なパイロットが良く素人に毛が生えた様な少年相手に時間を割いてくれたものだ。
きっとヒヨッコを徹底的に叩き潰す事で優越感に浸ろうと考えている陰険な奴なのだろう。全く相手を知らないが。
「さぁそろそろ行こうか。なんと模擬戦は君の回復を予測して今日にセッティングしてあるのよね。合理的でしょ♪」
ニコッとドキリとする様なウインクをして見せるが……全然合理的じゃねぇよ。とヒツギとイクリプスはツッコミたくなったはずだ。
もはやこんな所に長居は無用だと、せっかちさんなレイナはさっさと出口の方へと歩いて行ってしまうのだ。
「……あの〜。なんかいつもフルスロットルでスミマセン」
と、主に聞こえない様にヒツギへと一言謝っておくイクリプス。
だが、主の進む道へ追従するのが従者である。
やはり、そのまま1人でどこまでも行ってしまいそうなレイナを追いかける。
144
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/11(火) 16:13:48 ID:YqNnqtAU
「いえ、一様、問題は無いです。」
クスハ汁飲まされたついでに、あれってまぁ良いか。
「PX、行ってきますね。あと、後でで良いんですけど、代がえき教えてもらえますか?」
病室を、後にする。
適当に、フリスクを買い。
さて、戻るか。と思ったとき。
ヒツギの病室を見つけた。
「怪我したのかなぁ?まぁいいか。」
ヒツギの体の強さは、鹿嶋大佐との一戦で知っている。
145
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/11(火) 19:08:18 ID:XAObQUog
>>144
イサムに引き続いて病室を出て行くユウセイを見送ったリリーの視線は、イサムの時のそれとは違い、
明らかな疑念をはらんでいた。
(あの人……精神的な欠陥があるみたいですけど、どうして軍属になれているんでしょうか?
そういった欠陥があれば採用の時点で蹴られるのが普通……それをすっ飛ばして、しかも高級なワンオフ機に乗せてもらっているあたりが……。
あの大将さんが直接ここに来ることといい、あの人に一体何があるというのでしょうか? ……いや、これも考えても詮無いことですが)
そのあたりの背景がどうなっているかは怪しさMAXだが、それを暴いたところで何かが良くなるわけでもない。
気にはなるが、これはアンタッチャブルな問題だ。それこそただの尉官が触れてはいけないような何か。
(ま、何か重大な問題があるのならば、とうの昔にあの大将さんが手討ちにしているでしょうし、今のところは問題無いんでしょう、たぶん。
単に戦力の頭数を揃えるために、どこかから引っ張ってきた人なのかも知れませんし。
何にせよ、今は私が彼について何かを考えたりしたりすることは無い、ということだけは確かです。ふぅ、楽になりました)
問題は何もなくなった。さて、これからどうしたものか。
艦の指揮権を強奪したりした自分の諸々の蛮行は、どういうわけか二日ほどの営倉入りと口頭による厳重注意で済んでしまった。
おそらく、この部隊には普通のそれとは違う論理が存在しているのだろう。
大将が直接関わっていることといい、カーマインの令嬢が一枚噛んでいることといい、普通ではないきな臭い部隊ではあるが、
こういう特権じみた部分は素直にありがたい。
そんなことを考えながら、リリーも病室の入り口から廊下へ出た。
146
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/11(火) 20:13:21 ID:RNhJRvlY
>>143
>「だが、バルクレイスと使い勝手は近いと言っても性能面では劣化気味だし、あれには切り札のSCIも無いからな。
>いつもの調子で肉を切らせて骨も切らせる様な無茶をすれば……くくく。今度こそ君のちっぽけな命は永遠の地獄に落ちていくかもね?」
確かに、量産型を基にしているだけあって性能を向上させたとはいえ限界が見えているスペックだ
ブレードとブラスターキャノン以外は普通のゲシュペンストと言っていい。
機動力も当然落ちているし、いつものような乗り回し方をしているとすぐに引き離されて狙い撃ちだろう
>「…だからね、代替え機と言えど慣らしは必要なのよ。実はイサムにお願いして模擬戦の都合をつけてもらっているわ。
>なんか良く知らないけど、模擬戦で2000回負けなしの接近戦を極めたスペシャルなパイロットが相手らしいわよ」
「イサム大将が?それに2000回って逆に模擬戦しかしたことが無いってレベルじゃねぇかよ」
しかし2000回ともなるとかなりの強敵になるだろう、握り締めた手を平手に打ちつける仕草からやる気が伝わってくる。
模擬戦とはいえ負けず嫌いなヒツギにしてみればむざむざとやられるつもりは無かった
バルクレイスのデータで作られている以上、ここで負けるということはバルクレイスのデータが劣っているということにもなりかねない
>「さぁそろそろ行こうか。なんと模擬戦は君の回復を予測して今日にセッティングしてあるのよね。合理的でしょ♪」
「分かった・・・って今からかよ!?」
ウィンクに対して少し照れながらも笑顔で答えるが、その後で何を口走っていたか理解したらしい。
どうやらこのことを伝えにきたわけではなく、迎えに来ていたようだ
困った様子のヒツギを置いて、言葉の主はといえばさっさと歩いている
>「……あの〜。なんかいつもフルスロットルでスミマセン」
「いいや、体も鈍っていた所で丁度よかったんで気にしないでくださいよ」
ヒツギと共に残されていたイクリプスにも大丈夫だと答える。
「とりあえず置いていかれる前にいきましょか!」
従者に声をかけ、共にレイナの背中を追いかけていった
147
:
イサム&レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/11(火) 21:00:27 ID:rLQydMgg
――――格納庫
格納庫内の各ドッグには甲斐に配属されていた機体と新型三機に大型ドッグにGタイプのカスタム機が横たわっていた
もっとも甲斐に配属されていた機体の内、二機を破棄、バルクレイスも復旧の目処が立たないとの事
残存していたのはレイナのアイゼルネ・ブルートとレオンのエクセリオンのみだ
エクセリオンの開いたハッチから声が響く
レオン「大将!模擬戦をやるにしても何故、今なんだ?」
エクセリオンの脚部まで歩み寄りながら応えるイサム
イサム「取り越し苦労であれば良いが、急を要する事態が差し迫っているとしか言えんな」
ハッチから飛び降り、半重力状態であるエリア故か、ゆっくりと地面に着地するレオン。その目はイサムの目を見据える
レオン「補給状態は全て実弾の様だが?」
詰め寄る様な気配のレオンに対し特に悪びれる様子も見せずに淡々と応えるイサム
イサム「如何にも、本命は模擬戦ではない。連邦軍の現状で急遽、対応出来る者は我々以外にない」
レオン「ジルヴィエを頼れない理由でも?」
イサム「連中は承知の上でのだんまりだ。我々を試しているのだろう。だからと言って手を打たぬ訳にはいかん」
しばらくイサムを睨んでいたが振り返りエクセリオンを見上げ
レオン「…正義の味方は泣けるぜ」
既にこの基地のみならず都市の人員のほとんどは地球及びコロニーにあるマオ社関連の施設へと移動を始めていた
またマオ社のエンジニアの何人かは甲斐への臨時徴兵扱いで動員している
但し連邦には無許可で、だ
>>142
>>143
レオンがそう呟いた矢先に見覚えのある人影が近づいて来るのが見える
148
:
レミー中尉
◆E8ckRIIdug
:2012/09/11(火) 21:10:56 ID:daPewXJg
>>136
そんなイサムを見つけてそっと耳打ち。
「閣下、軌道防衛艦隊のエッシェンバッハ少佐が来ています。
クーリマン軍曹の件や毛利少年の件など色々あるようで、軌道艦隊のダークマン提督の代理人として権限を一部預かっているとまで」
ここで言葉を切り、
「……彼女も各方面にコネのある身とは言え、直属でもない少佐を寄越すあたり厳重な抗議でも無いようですが」
そこまで伝えた後は彼の判断を待つようにそばに付き従う。
ちなみに、
「……で、どうだったの?」
「まぁ、新たな“鋼竜戦隊”の旗艦になれるかは……あの艦長が……」
呼び出されたラウディはマデリーンに色々口頭で報告していた。
149
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/12(水) 12:32:18 ID:v0.MyYws
>>147
「やぁ。ごきげんようイサム。
大した用も無いくせにわざわざ極東から月面まで遠路ご苦労様ね。
しかし、局長という立場のクセに若くない身体にムチ打ってあちこちでチョロチョロ。
ホントによく働くわね、あなた。日本人の鑑みたいよ」
まるで友人とでも出会ったかの様なフランクな挨拶をイサムとレオンハルトへと無事に?済ませる。
まるで鬼の様な体躯の目上の男に対して、よくもこんな恐れ多い事を口に出せたなと周囲は冷や冷やしているに違いない。
ユウセイ一等兵達がこんな口を聞いたものなら…消し飛んでいるだろうか?
いや……むしろこの漢はそんな些細な事を気にする様な小さい器などでは無いか。
「ふむふむ。ラプターの搬入の方も滞りなく行われたのか。
後は操るアカリの仕上がり次第だけれど、ジェネラルは上手くやれたかしら?」
実はアカリの決意を聞き遂げた後、レイナはすぐにジェネラルことレオンハルトにアカリの空戦教官になって欲しいと頼み込んでいた。
少々、強引過ぎるオーダーだったが、この三日間でどのぐらい成果が出て来ているものだろうか?
マオ社から基地に配備されたのは3機。
内レイナが用意したのがヒツギ用のゲシュペンストS/Bと納期を強引に切り上げさせると言う暴挙の元に突貫作業で最終調整が成されたビルト・ラプター。
3機目の銀の機体。これはエル・アインスという機体の亜種だろうか?トンファーに太剣。純粋な格闘機?
レイナにもその程度しか解らない。
「うちのヒツギとS/Bはいつでも何とでも戦闘可能よ。
ほら、そちらも早く対戦相手の例のスペシャルなパイロット殿を紹介してくれないかしら?」
万に一つもヒツギが負ける等とは考えていない揺るぎ無い自信がある。
150
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/12(水) 14:46:27 ID:pvfAscCY
>>147
>>149
「あれ、レオンにイサム大将?」
レイナの後を付いてきただけで、どこに行くのか誰が待っているのか詳細を知らなかったヒツギにしてみれば当然の反応だろう。
後ろにはエクセリオンに資料で見たS/Bと、あれはビルドラプター・・・?足回りがだいぶ弄られているみたいだ
だけれどシルエットはほとんど変わらない、S/Bと同じく改修された機体なのだろうか
弄られているといえばさらにその向こう側にある機体。
頭部と特徴的なブレードトンファーからアルブレード元だと分かるが・・・それに大型の実体剣?
範囲はともかく、どちらも手持ちで武器の属性までかぶっているとなるとかなり変わった機体だと言わざるを得ない
(いくら格闘機って言ってもこんなの俺が乗るわけじゃないだろうし・・・)
(レオン・・・はさすがにこれは乗らないだろ)
ここでヒツギは何かに気づいたようにハッと顔色を変えた
「2000回負けなしの接近戦を極めた・・・まさかイサム大将相手ってわけじゃあ!?」
イサム大将だったら大型ソードを搭載するのも頷ける、トンファーよりも剣のほうが扱いやすいはずだ
アルブレードに乗るのかと言われると疑問だが、もしそうだったら謳い文句とぴったり一致している
さすがのヒツギでもイサム相手に勝てる・・・とは思っては居ないようだ
151
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/12(水) 15:49:05 ID:mzXXYC7s
「あれ、イサム大将、ヒツギ、それにレオン中尉まで。」
ユウセイは、指定されていた。ラボ、に到達していた。
「これは?」
アルブレードに、帯剣?
なんなんだ。このふざけた改造は、
あれは、ゲシュ、これも結構改造されてる。
「2000回勝つ、って何もんだ?」
少なくとも、キョウスケ中尉、ラミア少尉、リュウセイ少尉
はこの作品にはは出てこないから<<自重しろ。
「凄いじゃん、ヒツギ歴戦の猛者と戦えるなんて」
だが、ユウセイは気づいていなかった。
これが、DCの時のユウセイであることを
152
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/12(水) 17:35:23 ID:YSproER6
イサム達が話をしている奥、ファイターモードのビルトラプターから、赤いパイロットスーツの女性がコクピットハッチを開けて出てきた。
そこへ、低重力エリア特有のふわふわとしたステップを踏みながら、先ほど医療施設を後にしていたリリーが近づく。
「クレマチ伍長、ビルトラプターの調子はどうですか?」
「スノウフェイル少尉?」
機体の上から降りたパイロットスーツの女性は、急いでヘルメットを脱ぎ、リリーに向かって敬礼する。
ヘルメットをかぶるために髪をアップにまとめているその女性……アカリ・クレマチの敬礼を見たリリーは無表情に「待った」のジェスチャーをし、
「いや、私のようなやくざな尉官に、そんなに畏まらないでください、クレマチ伍長。
あと、ファミリーネームでは長いので名前で結構です」
「あ、はあ……了解です、リリー少尉」
ふわふわと飛んできたリリーの手を掴み、リリーをその場に停止させたアカリは、若干面食らったような顔をしながらもリリーの要求に応える。
それに満足したように――やっぱり無表情ではあったが――頷いたリリーは、隣にあるビルトラプターを見上げ、
「ビルトラプター制式仕様。可変型PTビルトラプターの制式採用を目指した改修機。
今までのゲシュペンストとはひと味もふた味も違うと思いますが、操縦には慣れましたか?」
「ええ、戦闘時における緊急変形離脱に慣れきってませんけど、すごい機体ですよ、これ。
PTがこんなに私の思ったとおりに動くとは思いませんでしたから、まだ少し興奮してます」
今まで旧式機である量産型ゲシュペンストMk−Ⅱにしか乗ってこなかったアカリにとって、ラプターの追従性はまさに感動モノであった。
その興奮を表すかのように、アカリの頬は上気して桃色に染まっている。
しかしその後、「でも」と目線を落として、
「未だにシュナイダー中尉には一回も有効打を与えられていないんですよね……。ちょっと機体に振り回されてるような気もします」
「それは仕方のないことですよ。あの人とあなたとでは、年季が違いますから」
超速度反射能力があるとはいえ、やはり経験の差はいかんともしがたいものだ。
リリーの指摘を受けて、アカリは改めてそれを噛みしめたようであった。
153
:
イサム&レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/12(水) 18:24:10 ID:wpdQ1RaM
>>148
>「閣下、軌道防衛艦隊のエッシェンバッハ少佐が来ています。
その報告に黙って頷くイサム
>>149
そんな折り見覚えのある人影の正体はレイナとヒツギだった
ヒツギは機体を見てぶつぶつと考察している様子
レイナからは一聞、元気そうにイサム達に話しかける
>「やぁ。ごきげんようイサム。
大した用も無いくせにわざわざ極東から月面まで遠路ご苦労様ね。
しかし、局長という立場のクセに若くない身体にムチ打ってあちこちでチョロチョロ。
ホントによく働くわね、あなた。日本人の鑑みたいよ」
そんなノリに軽く応える
イサム「ふふん。なぁに、じっとしていると体が動いてしまう病なのだよレイナ君」
しかし、そんなノリも束の間、真剣な眼差しを送る
イサム「いや、君達の役目は本来であるなら私の部下から選ぶべき事。今回の被害は聞き及んでいる。本当に申し訳無いと思う」
頭をしっかりと下げるが、レイナはただ、ただ優雅にラプターに歩み寄りながら
>ふむふむ。ラプターの搬入の方も滞りなく行われたのか。
後は操るアカリの仕上がり次第だけれど、ジェネラルは上手くやれたかしら?」
そう言われ応えるレオン
レオン「…ああ、月の重力下とは言え可変機と空戦を始めてから間もないなんて思えない程度には、ね。当然、延びしろにも期待できそうだ」
報告を聞きながらトンファーやら対機刀を帯びた機体をしげしげと見つめるレイナ
>
「うちのヒツギとS/Bはいつでも何とでも戦闘可能よ。
ほら、そちらも早く対戦相手の例のスペシャルなパイロット殿を紹介してくれないかしら?」
模擬戦相手を知りたいレイナ。彼女が発した直後
>>150
>「2000回負けなしの接近戦を極めた・・・まさかイサム大将相手ってわけじゃあ!?」
考察中だったヒツギは、やや戦慄した風な調子でこぼしてしまう
イサム「君とも近い内に闘っておきたいとは常々、思っていた所だ」
>>151
その矢先、同じくラボからの案内で誘導されたユウセイが格納庫へと立ち入る
>「あれ、イサム大将、ヒツギ、それにレオン中尉まで。」
挨拶もそこそこにアルブレードを見るユウセイ
>「凄いじゃん、ヒツギ歴戦の猛者と戦えるなんて」
その言葉を待ってましたとばかりに肩を組むレオン
レオン「そのスペシャルな奴とは…お前さ」
イサムは腕を組んで頷く>>続く
154
:
イサム&レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/12(水) 18:24:49 ID:wpdQ1RaM
>>153
の続き
頷くイサム
イサム「如何にも今回ヒツギ君と戦って貰うのはユウセイ・ハヤミ一等兵だ。市街戦及び拠点防衛における兵装ビルを用いた立ち回りを習得して貰いたい
なお、現状の本体には実弾は装備されていない
ヒツギ君のS/Bは模擬戦用識別ビームブレードを
ユウセイのアルブレードにも同様の細工を施してある
兵装ビル内には各種汎用武装が配置されている。何か質問はあるかね?」
155
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/12(水) 18:46:54 ID:TKHN6KKQ
>>154
「はい?、えっと俺?」
理解できなかった。2000勝もしてないし。
「ご冗談を、2000回も勝利してないですし、大将と、やったほうが良いと思いますが。」
「やらせてください。1対1は久しぶりですから。」
やるしかない。折角の機会だ、俺もいま自分がどれだけやれるか知りたい。
人間相手で。
「凡庸兵器、何があるんですか?」
156
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/12(水) 19:04:31 ID:wpdQ1RaM
>>155
>「ご冗談を、2000回も勝利してないですし、大将と、やったほうが良いと思いますが。」
>「やらせてください。1対1は久しぶりですから。」
相変わらず言動に脈絡のないユウセイ
耳をほじりながら余所を向くレオン
>「凡庸兵器、何があるんですか?」
その質問にかったるそうに答えるレオン
レオン「近接武装にCMナイフ、プラズマカッター
中距離でアサルトライフル、Gレールガンにガン・レイピアにぃ〜
めがび〜むらいほぉとフォトンライフルがぁ
長距離はぁレクタングルランチャーとぶーすてっどらいほぉ?みたいな?」
イサム「なお部位破壊が成立したと判断された場合、対象部位は稼働不可となる」
157
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/12(水) 19:10:35 ID:wpdQ1RaM
>>156
ハッとするレオン
レオン「忘れてたブーストハンマーとG・インパクトステークがあったな」
158
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/12(水) 21:11:37 ID:pvfAscCY
>>152
「あれは・・・?」
ラプターのコックピットを開いて中から出てきたのは
これまたどこが出見たことがある姿形、あれは間違いない
「おーい、あっかり〜ん!」
リリーと話しているその背中へと声をかける
ラプターから出てきたということはそのパイロットはアカリということなのだろう
彼女のゲシュペンストも相当酷い感じにやられていたはずだ。
この振り分けと言うことは、このゴテゴテした機体は・・・
>>153-155
>レオン「そのスペシャルな奴とは…お前さ」
ユウセイを指すレオンと指先と共にヒツギの視線もそちらに移動した
ゲシュペンストがヒツギに、ラプターがアカリに渡ったとなれば
残ってアルブレードは同じく機体を失ったユウセイに回るのは当たり前の話、だったらあの装備も説明がつくってものだ
>イサム「如何にも今回ヒツギ君と戦って貰うのはユウセイ・ハヤミ一等兵だ。市街戦及び拠点防衛における兵装ビルを用いた立ち回りを習得して貰いたい
「俺は問題ないぜ、お互い病み上がりだしそういう意味でもフェアだ」
お互いに腕が鈍っている節もあるだろう、ここでこうして場を作ってくれたのはありがたい
>なお、現状の本体には実弾は装備されていない、ヒツギ君のS/Bは模擬戦用識別ビームブレードを
「ってことはあのブレードはほとんどお飾りって事か」
腕と足備え付けられた高周波ブレードは展開こそするが、いわば木刀を取り付けているようなものということだ
ユウセイの質問に答えていくレオン、出てきたものは大体がヒツギには使えないようなものばかり。
せいぜいナイフか広範囲を打てるガン・レイピアか・・・だがその後に出てきた2つはヒツギでも何とか使えそうなものだった
>レオン「忘れてたブーストハンマーとG・インパクトステークがあったな」
脚部ステークを振り回しているヒツギにとってこれはありがたい
ブーストハンマーも他に比べたらだいぶ直球な物理で殴る装備だ
「ブーストハンマーとステークか、それだったら俺でも使えるかもな」
「特にステークだったら早めに取っておきたいところだ」
159
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/12(水) 21:19:40 ID:TKHN6KKQ
>>158
「病み上がり、まぁそうだな。」
「ところでさ、俺は精神的ショック。で入院だけど、ヒツギは、何で入院したの?」
と、適当に質問した後。
ユウセイは、頭の中で、使えるものを探していた。
【ナイフ、実弾系、連射系、これらは使える。】
【そして、ブーステッドハンマーこれは確実に取りたいな。】
まぁ、勝つように頑張んないと、な。何となく思い入れがあるし。
そしてぼそっと
「獅子王ブレードないのか。」
160
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/13(木) 21:58:06 ID:/UrWeO/.
>>158
「は〜い!」
広いハンガーによく響くヒツギの呼び声に、アカリは振り向きながら、思わずそんなやや延びた返事をした。
それを見ていたリリーが、ぼそっと、
「影が薄くなった、ような……」
「え、何か言いました?」
「あ、いえ、別に。お団子型のファンネルを飛ばす女子中学生なんて幻視してませんよ、はい」
「…………?」
不思議そうに小首を傾げるアカリをよそに、リリーはラプターの隣にあるゲシュペンストS/Bを見上げて、
「これからヒツギ・ハヤセさんとハヤミ一等兵の模擬戦をやると聞いていますから、その関係でしょう、彼らが来たのは」
「ああ……そういえば今日が退院予定の日でしたっけ。病み上がりでそんなことして大丈夫なんでしょうか?」
「ハヤミ一等兵は精神的ショックで参っていただけですし、ハヤセさんは比較的軽傷で済んでいますから、それほど問題は無いでしょう。
アルブレードのカスタム機と、量産型ゲシュペンストのカスタム機というカードに、少し変な感じはしますが」
「機体の慣熟訓練を一気にやってしまおう、というわけでしょうか。少し急ぎすぎな気もしますね」
「その感は否めませんね。何か理由があるのかないのか……イサム大将の考えることはよくわかりません」
視線をヒツギたちの集団に戻したリリーは、相変わらずの無表情で、彼らの様子を観察するように眺めていた。
161
:
イサム&レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/13(木) 22:04:37 ID:pXx8pYhU
説明が終わりヒツギとユウセイはそれぞれの乗機に乗り込み、持ち場に待機していた
背の高い民間施設に偽装した、武器庫とも言える兵装ビル
汎用PT用の携行武器が収納でき、一般的なPTによる攻撃を防ぐバリケードにもなる
今回彼等に利用が許可された本施設以外にも捕獲用電磁結界や自動砲撃システム内蔵式の物もある
これらのビル群を隔れた状態での模擬戦となる
通信機を片手に号令をかける
イサム「ヒツギ君。これより君はPT機動及び各種兵装を実戦形式にて確認してもらう。ユウセイ一等兵はくれぐれも熱くなり過ぎんようにな」
ヒツギ、ユウセイの機体情報をディスプレイで確認した後、両機に眼を向け、再度確認するとマイクを口元へ
イサム「それでは…状況…はじめッ!!!」
162
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/13(木) 22:16:07 ID:FBeKpOpI
>>161
「了解、心がけますよ。」
イサム大将の、号令により
試合が始まる。
「河嶋大佐は、強すぎるからな、ここでの初めての勝負 ゾクゾクするねぇ。」
まぁ、これで勝てなくてもいいかと思っていた。
「試運転ってことで、まずはT-linkコンタクト」
念の、刃拳が手に収束する。
「やっぱりな、ナックルができるなら、これも有りだと思ったよ。」
手を、突き出し、
「破を念じて刃となれT-linkソード」
ゲシュの肩に、念の刃が襲いかかる
163
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/13(木) 22:25:18 ID:FBeKpOpI
>>162
の続きというより間。
ユウセイは、T-link系の技を使ってみたかった。どうしても
「やっぱあれか。ソードが一番使えるのかな。」
そう、思ったユウセイは、ゲシュをロックオンし、
ビルの天井を飛びながら。
600m地点に接近する。
「あれは、」
ボックスを発見した。
「ソードの後は、あれを使おう。」
んで
>>162
に続く
164
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/13(木) 22:30:17 ID:FBeKpOpI
「あれ?出ない?」
ソードが出そうだなと思った瞬間。
固まりは出たものの、刃とはならない。
「仕方がない、コッチ使うか。」
T-linkブーメランを取り出す。
「そらよ。」
100m地点まで、一気に接近し放つ
165
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/13(木) 22:53:10 ID:E2oYcJyQ
>>160
アカリが答えたちょうどその時、ヒツギは模擬戦へと向かう為に機体に乗り込んでいた
コックピットが動くその音にかき消されかすかにしかその耳には届かない、可愛そうに・・・
(今なんか聞こえたような・・・)
>>161
基地の中に市街地があるとはその規模に恐れ入る。
とはいっても実際に人が暮らしているものとは違う無機質なものであるが。
>イサム「ヒツギ君。これより君はPT機動及び各種兵装を実戦形式にて確認してもらう。ユウセイ一等兵はくれぐれも熱くなり過ぎんようにな」
「了解しました」
イサムがいったPT機動・・・つまりヒツギが元々乗っていたバルクレイスはPTの範囲からちょっと外れた性能だということだ
彼自身もその言葉に苦笑せざるを得ない
いつもより若干視野角の狭いコックピットのモニターに武装の一覧が表示される。
ミサイルにフォトンライフル、ブラスターキャノンとブレード・・・確かにデーモンっぽくできている
この機体にはどちらかといえば実弾のほうが相性がいいのだろうが、あえてフォトンライフルなのはプロージョンガンの代用ということだろう
>>164
「いきなりかよ!」
ヒツギが悠長に武装などを確認していた最中、アラートがコックピットに響き渡る。
見ればアルブレードがご丁寧にこちらに突っ込んできていた
「!! 重い」
反射的にその動きに合わせて突っ込もうとするも機体の足が予想以上に遅い。
いつもに比べれば追従性が明らかに劣っている。
ヒツギは突っ込むのは無理だと判断したのか、すばやく機体を引き戻しビルをブーメランとの間に挟みこんだ
話だと確かバリケードにもなると言っていた、となればビルを貫通してくるなんてことはまずない。
「この距離なら届く!」
ビルを壁に使ったその時、切り返すように入ってきた側と反対側から赤い影が飛び出してきた。
それは一直線にユウセイめがけて踏み込んでくる、突破力の要である加速はこの機体でも生きているようだ
「貫け!!」
左腕のブレードがその切っ先を腕の延長線のように、腕部一体ブレードを突き刺すために前方に伸ばした姿
脇を締め腕を振りぬく動きでアルブレードへと白刃が迫った
166
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/13(木) 22:59:59 ID:FBeKpOpI
>>165
「危なっ。」
バク転でギリギリ、の所で回避。
「次は、こう行くか。」
ロシュセイバーを投げ、牽制
「念動集中。」
拳にエネルギーが貯まる
「ナックルだ。」
T-linkナックルが、げしゅの頭に向けて殴りかかる
167
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/13(木) 23:42:45 ID:E2oYcJyQ
>>166
>バク転でギリギリ、の所で回避。
「甘い!!」
真っ直ぐ飛んでくる銃弾に対して真っ直ぐ後ろに下がる奴はいない、射線から抜けるのが常だ。
刃を前に向けたままの突撃であるならば、ユウセイもそう回避すべきだっただろう
>ロシュセイバーを投げ、牽制
相手が下がった分こちらが前に出ればいい
牽制としてのロシュセイバーが装甲を掠めようが関係はない
>T-linkナックルが、げしゅの頭に向けて殴りかかる
「そんでもってそれも甘い!」
T-linkナックルの目の前からゲシュペンストの頭が消える。
正確に言えば消えたわけではない、視界から抜けただけだ
電光石火の動きで肉薄してその勢いを乗せたまま機体を低く。
地面ぎりぎりまで落とされたその動きは懐にもぐりこむ為に体を小さくする技術
これぞまさしくヒツギがもっとも得意とするゴリ押・・・ではなくダメ押し、必殺のカウンター
「貰うぞ!!」
再び襲い来るブレード、ユウセイとは違ってこちらは最初っから胴体・・・コックピット狙い
頭部は的が小さいのでく当てづらく、さらにPTはコックピットが胴体のため砕かれてもメインカメラが落ちる以外のダメージはない
だが胴体ならばそれだけで必殺を狙うこともできるし、的も大きい
頭部同様に防御されても壁になったに部位にダメージを与えられる。
同じ格闘とはいえ、武器ではなく徒手空拳を使うか否かの差が現れたといっていい瞬間だった。
168
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/14(金) 15:14:49 ID:eltwB/Ww
>>再び襲い来るブレード、ユウセイとは違ってこちらは最初っから胴体・・・コックピット狙い
「中央は、ぬかさん!」
全体に念動フィールドを展開。衝撃を受け止める。
「からのぉぉぉ、ゼロ距離射撃ってね。」
一気に、腹を抜けGリボルバーをコックピットにあて乱射、
「これで、終わらないか。模擬戦でも本気なのがヒツギだしね。」
T-linkブーメランの用意をする
169
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/14(金) 16:28:21 ID:17nibDww
>>168
ヒツギが振るった刃はその装甲に触れる前に何かに阻まれる。
接触した部位が発光し、周囲に半球状に広がっているその様は
「くっ、バリアか!」
運動能力はあちらが上、防御力も念動フィールドのおかげでそう差はないだろう
となると機体性能はあちらのほうが1つ頭突き抜けているといったところか
>一気に、腹を抜けGリボルバーをコックピットにあて乱射
「チィ!」
弾かれた左腕を引き戻す間に返すようにユウセイの攻撃
胸部に向けられた銃口を瞬発的に右腕で下に払うが、攻撃を止められたわけではない
模擬弾頭が左足に命中する、衝撃は・・・思ったより軽い
「なるほど・・・デーモンより装甲は厚いのか」
模擬戦と言うのもあるだろうがPTとしてみれば大分装甲に振っているのだろう。
左足に当てられたがレオンやイサム大将が言っていたような機能停止に陥ってはいない
(とと、あんまり近距離戦を仕掛けてても兵装確認にならない)
両足を浮かせてスラスターを吹かし、機体を素早く後退させてゆく
最中、バックパックに装着されている白い塊がユウセイへと向けられた
そのまま打ち出されたこれは大型ミサイルコンテナ、それが展開すると中から弾幕のように大量のミサイルが発射される
「これならそこまで照準を絞らなくていい!」
ゲシュペンストとしてはもっともメジャーな兵装、スプリットミサイルである。
いくらヒツギが射撃が苦手だからといって、拡散ミサイルの照準が合わないなんてことはないだろう
ヒツギが後退した理由はたった一つ、間合いを取るためではなく・・・
最初に盾にした武器コンテナの中身を手に入れるためだった
HP92%
170
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/14(金) 16:47:36 ID:eltwB/Ww
>>169
>>ゲシュペンストとしてはもっともメジャーな兵装、スプリットミサイル
「良いものがきたな。」
後退しながら、コンテナに接近、
コンテナ地点で、
「ブーメランじゃ、裁ききれない。ならば 迅雷」
迅雷の刃を抜き
ミサイルを、斬り払いする。
「実弾か、長距離きますように。」
コンテナの中身を確認する
171
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/14(金) 17:22:31 ID:H4OorH4A
>>169
ゲシュペンストとアルブレードが激しくぶつかり合う
レオン「『実戦形式』でやるには少し早いのでは?」
イサム「いや、調整も兼ねている。急ぐ理由は…いずれ判る」
ミサイルを放ち飛び退くヒツギのゲシュペンスト
ビルのラック内から現れる物は…【ガンレイピア】
対するユウセイは
>>170
レオン「つまらない物を業物で斬るなよな。何のためのブレードトンファーだと…ブーストハンマーか」
ヒツギ機が身を隠すのを契機にユウセイが引いた物は【ブーストハンマー】だ
172
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/14(金) 17:50:34 ID:17nibDww
>>170
>>171
「ミサイルじゃまぁ無理だろうな!!」
元々目潰しくらいにしか考えていなかったものだ、当たらないことは想定内
目的の兵装ビルにたどり着き、そこから引き抜いたのは・・・
「ガンレイピアか、まあ当たりだ!」
それなりに運がいい、ヒツギが使いこなせる射撃武器の1つだ。
貫通能力の極めて高いビームの針を高速連射する、これならば念動フィールドも打ち抜けるだろう。
さらに効果範囲も広い、エネルギーニードルショットガンといったところか
(あっちもコンテナ目的だったか・・・)
ちらりとユウセイの姿を視認するが、どうやらあちらもコンテナの前だ。
「だけどこちらのほうが早い!受け取れ!」
すぐさま振り返り手に持ったレイピアの引き金を引く
青い刃が視界いっぱいに広がり、さしずめ横から殴りつける雨のようにユウセイへと襲い掛かる
173
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/14(金) 18:48:05 ID:3j430cfA
「うわっと、危なっ」
レイピアの雨は、危ないがちゃんと見れば
「おらおらおら」
迅雷で、自分でに降るものをなぎ払う。
だが
「肩に少し被騨か。まぁまだましだろ。さてと回収っと」
手に入れたのは、ブーストハンマー
「OK、なかなか良いんじゃない?」
ブーストハンマーを振り回し始める。
「おらぁぁ!!!滅殺!」
まるで、人が変わったように、ブーストハンマーをげしゅの足にぶつける。
「かわせば、絡めて ほかの奴つかお」
174
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/14(金) 19:58:50 ID:17nibDww
>>173
「嘘だろっ!?」
ヒツギの反応はこれ以上ないくらい当たり前の反応だろう
「あっちはブーストハンマーかよ、そっちのがよかったぜ」
攻撃を言葉通り切り抜けたユウセイが手に持っていたのはブーストハンマー
先ほど説明に出ていた武器の中で当たり2トップの片方だ、あれをまともに食らったらどうなるか分かったもんじゃない
とはいえ攻勢に出れないのはまずい。
この模擬戦はエネルギー・弾数を気にする必要がほぼない、代わりになる武器がいくらでも転がっているからだ。
常に攻撃の手を続けているほうが有利となる
だからといってブーストハンマーをどうにかできるようなものはそうはない。
それこそグルンガストのような特機だったら良かったかもしれないが、元が量産型のこいつには荷が重過ぎる
「こうなりゃ自棄だ!」
だというのに、何を考えているのかヒツギは推進装置にすべて火をつけ突っ込んでたき。
そのまま短く跳躍し、体を思い切り反時計回りへと回転させながら
「必殺ッ!!」
自らを包む勢いを高めに高める、モニターには突如として文字が割り込んでくるではないか
そこにはアルファベットで表記された短い言葉が記されていた
【SHOUT NOW!!】
「ゲシュペンスト・・・」
S/Bにはゲシュペンストキックを基にした必殺モーションが備え付けられている
だが間合い的にアルブレードには絶対に届かない
しかしもう分かるはずだ、見ている誰もが頭を抱えるような取って置きの奇策
「イナズマシュゥゥゥト!!」
モーションを応用(悪用)し、ユウセイへと狙いを定めて脚部を狙ってきたブーストハンマーを思いっきり蹴りつける。
大型ブレードを備え付けたS/Bは重量がある、それを回転による勢いで高めた一撃だ。
蹴りつけられたブーストハンマーはヒツギの言葉通りイナズマのような勢いをその身に受け、持ち主であるユウセイの元へと迫ってきた!
175
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/14(金) 20:21:05 ID:3j430cfA
「えっ?そんなバカな!」
勢いが増し、さらにスピードを高めて戻ってきた。ハンマーをもろに食らった。あとの言葉だった。
「仕方がない、居合いで勝負するか。」
ハンマーを捨て念を集中し、気迫を高める。
すると、こちらも 漢字の、表記が割り込みで出てきた。
【T-link fullcontact 奥義 迅速の型】
勝手にT-linkがコンタクトされ、迅雷に、T-link系のオーラが発生する。
「これは、行ける。ブースト」
テスラドライブを最大出力にし、ゲシュにすごい勢いで突撃する。
「迅雷、その真の切れ味見せてみろ。」
一気に、接近ゲシュペンストの、コックピットと下半身の間に向けて、
「いけぇぇぇぇ!」
その鋭い、刃が、ゲシュペンストを襲う。
残り60パーセント
176
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/14(金) 20:55:27 ID:17nibDww
>>175
「ゴール!!」
見事アルブレードに的中したブーストハンマーを見るな否や
右腕を高く掲げて喜びの声を上げる、大将が見ているというのに割とノリノリである
>「仕方がない、居合いで勝負するか。」
「思ったより硬いな・・・!」
先ほどのシュートはいい感じに当たったと思ったのだが、どうやら撃墜はできなかったらしい。
相手はどうやらブレードを使うつもりらしい、トンファーいらないんじゃないだろうか
居合いの構えを取ったアルブレードはそのままの体勢で急加速。
散らばるビルの破片などその勢いでお構いなしに吹き飛ばし迫ってきた
>「いけぇぇぇぇ!」
振りぬかれた刃に対しヒツギがとった行動は防御、右足と左腕の両方で守るそれはムエタイの構えのようでもあった。
当然この部位で防御したのには訳がある、それはブレードの存在だ。
敵の装甲を切り裂くために作られたこれらは非常に強固、他の部位とは比べ物にならない
であればそれを盾に使うのは当然の選択肢だろう。
ぶつかり合った攻めの刃と守りの刃
守りに入った赤いゲシュペンストはその一撃に押し負け、防御の体制のまま後方へと吹き飛ばされた
わざわざアスファルトで作られた路面が削れ、目の前にアルブレードはいないというのに引きずられて行く。
「ぐぅぅぅ!」
そう簡単に壊せない兵装ビルに衝突してようやく停止できた
ヒツギのブレードはユウセイの刃を防ぎきったように見えたが、モニターに映るダメージ表記は・・・防御に成功したのにこのざまだ
右足と左腕への負荷、特に関節のダメージがすさまじい、さらに背中からビルに激突したためにそのダメージもある。
見ればユウセイが振りぬいた刃によって、その左右のビルが何個か中央から両断されているではないか
「やってくれるじゃねぇか・・・!!」
起き上がるために背にしていた兵装ビルに手をかける
その時偶然ながら、中から格納されていた武装が顔をだした・・・
HP73%
177
:
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/14(金) 21:27:04 ID:H4OorH4A
>>176
ヒツギの手にしたものは…G・インパクトステーク
レオン「さあ、アレを使いこなせるかな?」
178
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/14(金) 21:32:56 ID:3j430cfA
「ちっ、念の力が足りないだと。」
結果に、驚き、悔しがる。
「蹴りを入れて、フィナーレと行きたいが。流石に無理か。しょうがない。 ブレードトンファーセット」
ブレードトンファーを用意しようとするが。
「奴のが、もしステークなら。危険すぎる。なら」
近くの兵器ビル、に向かい
兵器を取り出す
「頼むよ、長距離こい」
179
:
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/14(金) 21:37:22 ID:H4OorH4A
>>178
ユウセイが取り出した物はG・レールガン
レオン「ダブりか…」
180
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/14(金) 21:43:51 ID:btDXUXFQ
>>176
>>178
闘いは激しさを増し、ゲシュペンストS/BとアルブレードCSがお互いの全力のパワーでぶつかっている。
観戦者の誰もが息を飲んでそのファイトを見ている様なのだが、レイナの目には今現実にあるこの光景とは違う妙なヴィジョンが見えていた。
「……ぅ……っ?」
その幻惑のショックなのか、イクリプスぐらいにしか聞き取れないぐらいに本当に小さく呻くレイナ。
突然、網膜を襲ったそれは、ゲシュペンストS/Bが……ヒツギが巨大な怪鳥の様な化け物に喰らい尽くされ、貫かれるヴィジョン。
場所はどこだろうか?靄の様なものがかかってそこまでは視覚出来ない。
(……視覚情報を通り越して、この胸を刺す黒い冷たい痛みのヴィジョン。……ヒツギ。いったいこれは)
模擬戦ではまたもう一度、ゲシュペンストとアルブレードが激しくぶつかる。
盛り上がりも最高にヒートアップしているのが目に見える。
しかし、レイナにはそんな現実の光景を見る事が出来ていない。
皆が盛り上がるのを他所に一人、真っ青な顔をしている。
2機がぶつかる度、装甲が軋みを上げる度に黒い残酷なヴィジョンが代わりに映る。
10回程、そんな幻惑を繰り返した所で認めたく無いがレイナは理解する。
(……ヒツギが逝くんだ)
それは大切な家臣を失ってしまうという最悪のヴィジョン。
レイナの右目が移す未来のヴィジョン。それは現実に起きるもの。
(……そんな馬鹿なことが有ってたまるものか!……やめ……そんなこと)
しかし、否定しようともレイナの赤い呪われた右目は狂った様に死のヴィジョンを連続再生する。
何度も何度も何度も。
何回、死ねば気が済むのだろうか?
レイナは頭がおかしくなりそうだった
「……お嬢様。お嬢様?」
「……ぇ?」
レイナを現実に引き戻したのは彼女の最も信頼する使用人の一声であった。
危うく意識を持っていかれそうになっていたが、レイナも我に帰る。
「御気分が優れない様ですが」
「……ええ最悪よ。……この私の居眠りを邪魔するなんて。……ふぁ〜あ。あんまりちんけな決闘だから思わずね?」
気遣うイクリプスに対して、レイナはというと親友の眠り姫の受け売りで今あった事を何でも無いと誤魔化した。
しかし、レイナの見たヴィジョンは確かに現実になる。これは忘れてはいけない。
181
:
タケミカヅチ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/14(金) 21:53:57 ID:sEU5Kuds
>>180
不意に、イクリプスの懐の通信機にコール。
『娘たちよ、何者かが見ているぞ……』
それだけ。
182
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/14(金) 21:57:35 ID:3j430cfA
「レールガンか。微妙だな。」
どうしようと思い、悩んだ挙げ句。
ステークが、くる前に撃つため、
とりあえず、連射で、撃破しようと、
ゲシュペンストにレールガンを打ちまくる。
そして、後のことも考えている。
>>180
【レイナ嬢から、負の念だといやな予知夢しかもかなりの危険
おそらく、誰かが死ぬ。まさか】
レイナ嬢の近くにいる奴で一番危険な奴を考える。
【ヒツギか。変えないと未来】
こっちも、その事をしっかり記憶した。
183
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/14(金) 22:01:17 ID:17nibDww
>>177
>>178
(こいつは・・・ステーク!!)
偶然にも兵装ビルから顔を出したのは、一見するとアサルトライフルのような装備
だがその先端に付けられたのは銃口ではない
鋭い銀の光を放つ鉄の杭、これこそがG・インパクトステークであった
ヒツギは保持していたフォトンライフルをパージ
左手に握ったガンレイピアを構え、さらに背負ったコンテナミサイルを放った。
青い刃が打ち出され、コンテナから現れた白いミサイルが尾を描きながら拡散する。
その2つが生み出したのは弾の幕という言葉が相応しい光景、レイピアが横殴りの雨だというのならこれはさしずめ嵐か
だがこれもヒツギにしてみればただの目くらましでしかない。
「ここしかない!!」
この瞬間を逃がすまいと、赤いゲシュペンストはステークを右手に構え懐へ踏み込んでくる!
184
:
◆E8ckRIIdug
:2012/09/14(金) 22:02:33 ID:sEU5Kuds
さて、一方その頃……
「……何時まで待たせるのかしらっ」
マデリーンはラウディを連れてイサムを探していた。
「……ドツキ合いですね」
レミーはこの戦いを端的に表現した。
河嶋大佐は各方面への根回しに余念が無かった。
レディ・マーチとユズは新たな機体の調整中だった。
そして……
185
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/14(金) 22:08:49 ID:3j430cfA
>>183
「まじかよ。」
ミサイルの嵐、それをみるアルブレード。
「未来より、今だ。」
ブレードトンファーを構え、自分にくる、ミサイルを切り払う。
「突撃だと、このままじゃ。」
反射的に、赤い ステーク 突撃で、ゲシュをアルトに見間違え始める。
「いっ、イヤだ。俺は、また落とされたくない!」
突撃する、ステークをかわし、
Gレールガンをコックピットに用意する。
「落ちろ」
そのまま連射。
186
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/14(金) 22:18:03 ID:17nibDww
>>180
念能力も、特異な素質もないヒツギにはその現状は分からなかった
レイナが見ているものも、先にあることも
>>185
目の前にいる赤い亡霊は向けられたGレールガンを左手で掴んだ
それを外すわけでもなく、ただコックピットという一点からそらす為だけにだ。
現にその銃口は今だ胴体に向けられている
「こいつで抜けない装甲はないぞ!」
ユウセイが構えるのと同じく、亡霊もステークをアルブレードの胸部へと合わせる
「全弾くれてやる!!」
お互いに引き金を引いたのはまさに同時――――
それはユウセイが見た悪夢をそのままに再現したかのような光景であった
187
:
イサム
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/14(金) 22:19:26 ID:H4OorH4A
イサム「レオンしばらくここを任せる」
レオン「了解」
>>184
マデリーン少佐を待合室に待たせてから10分が経過していた
…少々待たせすぎたかな?
しかし、急ぐ様子はなく待合室の方へと足を向ける
188
:
マデリーン
◆E8ckRIIdug
:2012/09/14(金) 22:27:16 ID:sEU5Kuds
>>187
待合室は無人……五分ほどで戻ってきた。
「はじめまして、閣下。
軌道防衛艦隊所属、マデリーン・ダンディ・エッシェンバッハ少佐であります。
色々ありますが単刀直入にお訊ねします。
閣下の狙いは鋼竜戦隊の再現、そう見てもよろしいですね?」
なお、ラウディは一人、自分の機体の方に向かっていた。
189
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/14(金) 22:28:03 ID:3j430cfA
「イヤだ、俺は、死ぬわけにはいかねぇんだよ!」
周りに、伝わる衝撃波
そのせいで、ステークも止まる。
「その隙は貰う。」
右手で迅雷を抜き、コックピットに突き刺す
190
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/14(金) 22:40:17 ID:H4OorH4A
>>185
>>186
アルブレードの懐深くに踏み込むゲシュペンスト
今までの傍若無人、良く言えば自由に動いけていたユウセイらしからぬ攻撃の読み違い。
ユウセイが回避行動で大袈裟にヒツギはステークを突き出していない
懐に踏み込みブーストを更に溜め、その気迫でユウセイを動かしたと言える…しかし
レオン「…どちらかと言えば…ユウセイはイップスかも知れない」
アルブレードは慌ててレールガンの銃口を向けるが既に遅し
ゲシュペンストの左掌でその銃身を掴み瞬時に引き込みアルブレードの重心を奪う
>「こいつで抜けない装甲はないぞ!」
亡霊もステークをアルブレードの胸部へと合わせる
>「全弾くれてやる!!」
お互いに引き金を引いたのはまさに同時――――
演習終了を告げるサイレンが演習場に響くと同時に
レオン「両者それまで!今回の生存者はヒツギ・ハヤセ少尉!」
191
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/14(金) 22:48:34 ID:3j430cfA
>>「両者そこまで」
「死んだ………助かった。はぁ、はぁ、はぁ、あ」
息を切らし、ヘルメットを脱ぐ。
「気がついたら、アルトは、ゲシュに変わってる。」
「お疲れさま、ヒツギ やっぱ凄いよお前、そして」
「レオン中尉、俺は1等兵の初ですが。」
192
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/14(金) 22:52:10 ID:3j430cfA
「違った。聞き間違えました。」
「失礼しました。ヒツギ少尉」
193
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/14(金) 22:52:50 ID:gSn/Jm.o
装甲の軋みさえこちらに聞こえてきそうな、激しい格闘機同士の模擬戦。
共に格闘戦の専門であるヒツギとユウセイとのぶつかり合い。
アカリとリリーはその戦闘の様子を皆と同じく基地の食堂で見ている……わけではなかった。
「少尉はどう見ます、この戦い?」
「そうですね……胆力と徒手空拳における格闘技術はハヤセさんに軍配が上がると思いますが、
ハヤミ一等兵は正規軍人という訓練を受けている人間ですし、機体の性能もそちらの方が上です。
見たところ、一等兵はその性能を頼みにしてガンガン突撃しているようですが……こういう一対一の戦いで、
性能が勝っているのならば、そういう単純な戦法もそう悪くはないと思うのです」
「確かに、見た感じ、ハヤセさんが押され気味ですね」
「しかし、一瞬の隙で技術の差が出ることもままあるもの。ですから、一概にどちらが優勢、とも言えないんですよね」
彼女ら二人は、なんとビルトラプターのコクピットにてその様子を見ていたのである。
パイロットシートに座るアカリの膝の上にリリーが座るという、どこか姉妹のようにも見える構図で。
どうしてこうなったかと言うと、食堂で起こるであろう喧噪を避けたかったリリーが、ラプターの全天周囲モニターによるひと味違った観戦、
という名目でのコクピット観戦をアカリに提案し、それは面白そうだとアカリがそれに乗ったからだった。
「でもそれだとあんまり面白みがないので、賭けてみますか、クレマチ伍長?
賞品は食堂での一回オゴり、という形で」
「おや、それは気分が乗りそうですね」
「契約成立です。伍長から先にどうぞ」
「え、いいんですか? じゃあお言葉に甘えて……私はハヤセさんにベットします」
「では私はハヤミ一等兵ですね。結果が楽しみです」
そんなことを話しつつ、二人は観戦していたが、レオンハルトの号令で模擬戦が終了。
勝者はヒツギに決まったようだった。
「あらら、負けてしまいましたか。アルブレードの性能ならば、と思っていたんですが……」
「ふふー、リリー少尉、約束ですよー」
「ええ、わかりました。明日の昼に、食堂でお会いしましょう」
194
:
イサム
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/14(金) 23:02:55 ID:H4OorH4A
>>188
待合室にたどり着くも既に空いたティーセットが置かれるのみ
来た道すがらでは、それらしき人物は見かけない
イサム「入れ違いであったか…」
頭を軽く抱えていると待合室の扉が開くと軍服姿の肩まで伸びた金髪の縁なしの眼鏡を掛けた女性が現れた
>「はじめまして、閣下。
> 軌道防衛艦隊所属、マデリーン・ダンディ・エッシェンバッハ少佐でありま>す。
> 色々ありますが単刀直入にお訊ねします。
> 閣下の狙いは鋼竜戦隊の再現、そう見てもよろしいですね?」
イサム「ふむ…その言い方では語弊があるな
だが敢えて言わんとしている事を汲むなら、『そうだ』と言うことになる」
195
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/14(金) 23:06:23 ID:17nibDww
>>190
>>191
>>193
互いに胸へと銃を向け合ったままの体勢で停止している2機のPT
ゲシュペンストも数コンマの遅れでレールガンによるダメージが入っていた。
これが実弾を使わず、機械のよる計測のみの模擬戦であればこそ勝敗は決したが
実践であれば相打ちになっていた可能性もあっただろう
「・・・終わったか」
コックピット内で大きく息を吐き出すヒツギ
相打ちも覚悟して踏み込んだゲシュペンストの一歩がこの勝敗を分けたか
それともユウセイが瞬間的にパニックに陥ったことが要因なのか・・・
196
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/14(金) 23:14:13 ID:17nibDww
続き
「って少尉・・・?」
イサムが口にした少尉という言葉に対し、その頭に疑問符が浮かぶ。
ヒツギ・ハヤセは非正規軍人であったはずだ、連邦内外で階級は持っていない
だが彼が通っていたのはパイロットスクール
いわば未来に連邦のパイロットとなることが半ば確定していたようなものだ。
つまり・・・
「待ってください、少尉って・・・」
197
:
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/14(金) 23:20:14 ID:H4OorH4A
>>196
レオン「今、大将は外している。大将はバルクレイス開発の後ろ盾の一人だぞ?
試作機を預ける以上、相応の資格が要る。
まぁ、それでも定期的に行われる筆記試験はパスする必要があるけどな」
198
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/14(金) 23:24:59 ID:17nibDww
>>197
「う・・・確かに」
一般人が軍の試作機を振り回していますなんざ言える訳がない。
相応しい所属と階級、理由が必要なのだ
相応しい理由とは一般人からヘッドハンティングしてきたというパターンだ。
過去に何人もその例が存在している、ヒツギもそれに漏れずそう処理されたということだろう
この准尉という階級も諸々の事情があってのものなのだ
「げ、試験とかあんの!?」
試験やテスト、いかにもヒツギが苦手そうな話だ
199
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/14(金) 23:38:32 ID:btDXUXFQ
>>181
【『娘たちよ、何者かが見ているぞ……』】
「はてさて?何者かが、ですか。……どちら様でしょうかそれは?」
「…は…なんだ!?」
イクリプスの通信機に宿った武神の魂。
まだ取り付いていたらしい。こうなれば一種の怪奇現象だ。
しかし慌てた様子も無く、普通にかの武雷神と会話をしているイクリプス。
「はぁ?なんだ……と言われましても武雷神様ですよ?あの時の」
レイナは怪訝な表情でそのやり取りを聞いているが、当のイクリプスは何驚いてんだこの人?みたいな当然の様な表情。
「……いや、だからな。それがなんで通信機へ??」
「ああ。実はあれからもたまにお話をさせていただいております」
レイナの知らぬ内にどうやらそんな愉快な事になっていたらしい。
200
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/15(土) 11:47:17 ID:ooaVc0k2
「ヒツギちょっといい?」
話が終わったのを確認して、ヒツギに、聞く
「模擬戦、俺どうだったかな? 格闘とか、ちゃんとできたかな、最後のはともかく。」
ちゃんと、ヒツギは、空手とかを習ってるのだ。
それなりには、いい意見が聞けるかも知れない
201
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/15(土) 11:52:52 ID:GgVhY9Mo
ヒツギとユウセイの激戦に決着が訪れた、ちょうどその頃――
プリニウスからそう遠くないプトレマイオス基地において、ある異変が観測されていた。
「この波形は何だ…?」
モニタリングルームでは、基地司令を中心に、10人ほどのオペレーターが情報の収集と解析に当たっている。
数分前から、基地周辺の磁力波と電磁波に異常な数値が見られているのである。
「このパターンは…先刻報告のあった、ヤクシマでの現象に酷似しています」
「では、件のアンノウンによる干渉だとでも……」
「待ってください! 何か……何か出てきました! 熱源反応多数!」
月上空の空間に幾つもの波紋が揺らぎ、そこから何者かがぬらりと身を乗り出してくる。
太陽光を受け、冷たい白銀色に照り返すそれは、紛れもない機動兵器の装甲。
騎士のような面頬と、長大な突撃槍を持った機体の群れが、空間のひずみから次々と産み落とされ、
瞬く間に数十もの数が基地上にひしめいた。
「き、機影60……70……! まだ増えます!」
「パーソナルトルーパーを出せ! 平行してプリニウス基地にも打診! 応援要請を……」
司令の言葉の終わりを待たず、白い機体郡の火砲が火を吹き、
プトレマイオス基地は炎に包まれた。
202
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/15(土) 18:22:22 ID:MfkUT7II
>>200
「え、俺!?」
まさかユウセイからそんな相談を受けるとは思っていなかったのか、目を丸くして驚いている
「え〜・・・そうだな、俺は武器を持った近接戦は良く分からないんだけど"受け"だな
ダメージを貰うってわけじゃなくて、たとえば逸らしたりとか弾いたりって話だぜ?」
悩むように頭をかきながら、自分が思ったことを何とか言葉として紡いでゆく
やっぱり見た目どおり人に教えるのがあまり得意ではないんだろ。
「『避けるってのは限界がある。当たらず避けるのではなく当てて外す、これは殴るよりも重要な技術だ』って良く俺のじいちゃんが言ってたんだ
パンチが飛んできたらパンチの射線上に腕を置いて内側から外に弾いたりとか、剣がきたら刃物をぶつけて受けたりとか」
「これで相手に隙を作れる、腕は獲物を持ってるから防御に回ってくることは少ないしさ
そういう防御の技術が目に付いた・・・かな?」
どうやら彼自身、思ったよりもちゃんとしたアドバイスができている自分に内心驚いているようだ。
203
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/15(土) 18:29:01 ID:ooaVc0k2
「なるほどな、受け流すみたいなことか。」
意外に説得力のある、説明に驚きながら、理解していた。
「でも、それには、限界がある。腕磨かないと」
はっきり、言ってヒツギの方が上かも知れないと、思っていた。
【ヒツギそれには限界があることをレイナ嬢が証明してくれる。というか、予想か。】
204
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/15(土) 20:29:11 ID:ooaVc0k2
「いや、受け流すよりは、ダメージを受ける覚悟で、そのダメージを如何に減らすか。が正しいのか?」
自分の考えが違うと感じたので修正した。
【どうしよう、レイナ嬢が見たのちゃんと伝えるべきなのかな。それとも】
結局、伝えないことにした。ヒツギなら、ちゃんと生きて戻ってくる。そして
レイナ嬢が動くと思ったから。
205
:
タケミカヅチ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/15(土) 21:22:56 ID:8rMMWijg
>>199
二人とも伝え忘れていたが、“そんな愉快な事”になっているのだ。
……伏線を張り忘れていたのはみんなの秘密と言う事で。
『……何と言うか、こないだの亜空間騒ぎの時と似たような何かを感じての……今度は鹿島と石上と岩国から測量出来たから精度が上げられたが』
岩国、つまりは火流羅の力も借りたようである。
>>201
だが、警告は些か遅かったようだ。
『ふぐぅっ!?
いかん、折角ネットワークに相乗りして構築した監視網がまた寸断される……
……あ、回線使用料やレンタルサーバーの使用料、会員制サイトの会費はお嬢ちゃんにツケておいたから(ぶつっ)』
……辛うじて一番大事な事を伝えてから、通信機は沈黙した。
後からその請求書を確認すると、海軍年鑑(ジェーン)や検索サイト、オンライン百科事典などに混じって新人アイドルのファンクラブ年会費の払い込み証書が混じっていたりするのは……後からデスヨ?
206
:
マデリーン
◆E8ckRIIdug
:2012/09/15(土) 21:44:22 ID:8rMMWijg
>>194
言わんとする事に肯定の回答を得て、口元の笑みを隠しきれなかった。
「無論、そこに至るまでの道筋から編制まで差異はあるでしょう。
しかし、外宇宙からの脅威などの通常の戦力戦術で対処出来ない事態に備える……ここまでは我々軌道防衛艦隊でも研究が進められていました。
ダークマン閣下は、ここ最近極東支部を中心に発生した一連の事件に対処する部隊の編制に協力せよと私に命じました。
更に言うなら、クーリマン軍曹の転属を正式に認可した上で私もその部隊に参加せよ、と言う事です。
それと、今後の状況次第ですが尉官をもう一名かそれ以上」
つまりは、人も出すが口も出す、と。
ちなみに、タイデグリー中尉の上官の中にマデリーンの父親もいる事までは河嶋大佐から聞いている。
勿論、身内同士のパワーゲームをしている場合ではないのだが……
>>201
そして、事態の進行はダークマンやマデリーンらの予想よりも早かったのだ……
207
:
つばめ&静香&マヤ
◆h9Hr5c.eFE
:2012/09/15(土) 22:37:54 ID:lvJsm5oE
>>201
戦火に包まれるプトレマイオス基地。
激しい攻防は、突如として襲来した白い機体たちの優勢のようだった。
基地の常駐戦力であるゲシュペンストらは、猛攻を受けて次々に爆散し、残骸の山を築いていく。
東ブロックの一角に配置された部隊が、数分を待たずに全滅した頃、
「それ」は起こった。
ゲシュペンストの亡骸の山の上に、不意に三条の光が降り注いだのである。
雷光のように瞬いたそれが消え入ると、瓦礫の上には、三機の機動兵器が立ち尽くしていた。
いずれも女性型の美しいフォルムを持ち、それぞれ青、橙、赤のカラーリングが施されている。
「う、うう…?」
「ふ……二人とも、大丈夫?」
「ちょっと、何なのよ、今の!? いきなり眩しくて、目が潰れるかと……」
三体の機動兵器――風姫、雷姫、焔姫――のパイロット達は、一斉に絶句した。
光の弾ける寸前に彼女らがいた世界は、目の前から跡形もなく消えていた。
モニターに映る情報を信じるのならば、ここはかつて、彼女らが決戦のために訪れた、白銀の大地。
「月……!?」
208
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/15(土) 23:05:54 ID:GgVhY9Mo
白騎士達は一気呵成の勢いで、迎撃に出たゲシュペンスト達を撃破していった。
手にした槍状の武器で向かい来る者を貫き、さらにはその先端から放たれるビームによって、遠方の機体をも次々と仕留めていく。
連邦軍の反撃によって、少なからぬ被害を受けながらも、白騎士達の進軍には一切の躊躇がない。
損傷を受けようとも、味方が倒れようとも、まるで御伽噺の不死の軍団のように、ビームと弾丸の雨の中をひたすら前進し、敵機と基地施設を蹂躙していく。
>>207
基地東区画の一角では、防衛に当たったゲシュペンストの部隊が、敢えなく全滅の憂き目を迎えた。
「……」
絶え間ない爆炎の中を、敵兵達の亡骸には目もくれず、更に前進しようとする白騎士達。
その時だった。
突如として、三体の機動兵器が彼らの前に出現した。
美しい女性型ロボット達は、いずれも呆然とした様子で立ちすくんでいる。
劇的に現れた彼女らの存在は、しかし白騎士達にとって、単なる熱源反応に過ぎなかった。
「……」
軍勢の最前列に並んだ三体の白騎士が、手にしたランスを構える。
その穂先から緑色の光線が放たれ、問答無用で彼女らに襲いかかった。
【ファルゼン×10(A~J)出現】
【ABCがそれぞれ風姫、雷姫、焔姫をフォトン・レイで攻撃】
209
:
つばめ&静香&マヤ
◆h9Hr5c.eFE
:2012/09/15(土) 23:30:53 ID:lvJsm5oE
>>208
「……はああああ!? 月って、どーゆうことよ!? あたしらさっきまで伊豆の演習場にいたじゃん!」
焔姫のパイロット、マヤはほとんど反射的に抗議の声を上げた。
地上の連邦軍基地から、突然月面に飛ばされるなどという理不尽な仕打ちを受ければ、無理もない反応である。
「落ち着いてください、マヤ。理由はわかりませんが、確かに私達は今、月面に立っています……」
二人のチームメイトを落ち着かせるべく、つとめて冷静に振舞っているのは風姫に登場する静香だ。
しかし、彼女自身も相当焦っているのは間違いなく、ひっきりなしにコンソールを叩いて情報を確認している
「あ、あの……姉さま、マヤさん?」
自信なさげに、雷姫のパイロットが声を上げる。三人の中で一番年下の妹分格、つばめである。
「これってもしかして、以前私たちがモタビアやキャンベルンに転移したときと、同じ現象なんじゃ……?」
「同じって……」
静香が息を呑む。
「それでは、また……『別の世界』へ移動した可能性があるということ……?」
愕然とする三人であったが、その会話は、突如放たれた攻撃によって遮られた。
「……!? 散開!」
静香の指示を受けて、三機が散り散りに飛び退く。
紙一重のところで、フォトン・レイの光は空を切った。
「あ、あなた達は……!」
「攻撃をやめてください! こちらに敵対の意思はありません! ……通信に応じてください!!」
懸命に呼びかけるも、攻撃を放った張本人である白い機体は、まるで感情を備えていないかのごとく何も答えない。
「無駄なんじゃないのー?」
蓮っ葉な声を上げたのは、マヤだった。
「見なさいよ。こいつら、どうやらここを火の海にしてる張本人みたいよ?」
がしゃん、と音を立てて、焔姫が大剣・ブルーティッシュブレードを構える。
その切っ先は、すでに自身を狙い撃った機体へと向けられている。
「ちょ、ちょっと、マヤさん!」
「わけがわからないことばっかりだけど、とりあえずあんた達が敵だってことはよーーくわかったわ。
いきなり人様に発砲してくるような無礼者は……ブッ飛ばしちゃうしかないわよねっ!!」
ブーストをかけ、ファルゼンCへと突っ込んでいく焔姫。
「おりゃぁぁっ!!」
そのまま踏み込み、ブルーティッシュブレードで胴体を一閃する。
210
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/15(土) 23:49:48 ID:GgVhY9Mo
>>209
「……!!」
突然の突進とその推力に、白騎士は追従できなかった。
巨大な刃が胴体に食い込み、然る後、真っ二つに両断した。
地球の六分の一の重力の中で、ゆっくりと崩れ落ちていく白い機体。
【ファルゼンC撃破】
その一撃を決定的な敵対行為と見なしたのか、悠然と三機のアンノウンを眺めていた後続機達が、一斉に展開する。
ローラーダッシュで各々の配置に付きながら、白騎士――9機のファルゼンは攻撃を開始した。
「……」
ファルゼンA、Bは、ビームの刃を発振した突撃槍、フォトン・ランスを繰り出し、風姫と雷姫に刺突攻撃を試みる。
C、Dは円を描くような軌道を取りつつ、焔姫を包囲。
四角から一気に踏み込み、焔姫の胴を狙ってランスを振るった。
211
:
つばめ&静香&マヤ
◆h9Hr5c.eFE
:2012/09/16(日) 00:12:42 ID:VkyaIM1k
>>210
「ふふん、どーよ!!」
緊張感の欠片もなく、仲間の方向に振り返り、左手でピースサインを作る焔姫。
この人間臭い挙動は、三機の操縦系であるLDMCシステムがなせる業である。
パイロット三名は、いずれもニューロンファイバー製の(妙に扇情的な)ハイレグスーツを着用し、
本人達の取る動作を、直接機体の動作として反映しているのである。
「マ……マヤ……あなたという人は……!」
マヤの行動に、残る二人が唖然とするのも束の間、
9体のファルゼンが、一挙に攻撃に乗り出した。
「ふふっ、そうよ! そーこなくっちゃ!」
嬉々とするマヤとは裏腹に、静香とつばめの顔には絶望の色がよぎっている。
「こ、こうなった以上、やるしかありません……いいわね、つばめ!」
「は、はい! 姉さま!!」
襲い来るファルゼンAのランスを、両者共に横に跳んで回避。
風姫は近接戦闘用の獲物、長大な薙刀を手に取る。
「はあぁっ!」
そして、攻撃後の隙を狙い、薙刀を水平に薙ぎ払う。
一方雷姫は腕部のマシンキャノンを連射し、ファルゼンBを攻撃する。
「挟み撃ちってわけ? いいわよ! まとめてこのブルーティッシュブレードの錆にしてやるわ!」
両サイドの四角からの攻撃。
その一撃目を軽やかなステップでかわし、二撃目を剣で防御する焔姫。
「でぇぇぇ……いっ!!」
そのまま、華奢な体躯に似つかわしくないほどの怪力を生かし、
ファルゼンDのランスを跳ね上げる焔姫。
返す刃を、その首元へと真一文字に打ち下ろした。
212
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/16(日) 00:31:43 ID:wEJU/3DM
>>211
「……」
振り向きざまに風姫の薙刀を受け、
胸部を深々と切り裂かれるファルゼンAは、
そのまま後方に倒れると、動かなくなった。
【ファルゼンA撃破】
ファルゼンBはマシンキャノンを頭部に受け、面頬の奥のカメラアイを砕かれた。
しかし、それでも一切怯む様子がなく、一直線に突撃していく。
その右腕に、バチバチと電撃の白蛇が走り始める。
雷姫を掴み、高圧電流による攻撃を見舞うつもりだ。
【ファルゼンB、HP70%、強制放電で雷姫を攻撃】
ランスによる攻撃を鮮やかにかわされ、カウンターの一撃を喰らったファルゼンDは、
首筋から腰までを一瞬にして断ち切られ、月面に転がった。
「……」
剣を振り抜いた焔姫の後方からは、右腕にスパークを纏ったファルゼンEが躍りかかる。
こちらも、強烈な電撃を焔姫に直接叩き込むまんとしていた
【ファルゼンE、強制放電で焔姫を攻撃】
213
:
つばめ&静香&マヤ
◆h9Hr5c.eFE
:2012/09/16(日) 00:52:38 ID:VkyaIM1k
「っ……!」
マシンキャノンで頭部を損壊しながらも、構わずに突っ込んでくるファルゼンB。
その勢いに飲まれたか、反応の遅れたつばめは、電撃を纏った右手に左腕を掠められてしまう。
「うぁ、きゃぁぁぁぁっ!!」
苦悶する雷姫。コクピット内では、つばめが同様の体勢で、左腕に電流を受けて悲鳴を浴びた。
LDMLスーツは、搭乗者の挙動をきわめて忠実に機体に反映する代償として、
ダメージが電流や衝撃として搭乗者に伝達されてしまうという弱点があるのだ。
雷姫 HP80%
「つばめっ!」
その様子を目にした静香が、すぐさまカバーに入る。
「マイクロ・スラッシュ・リッパー! いきなさい!」
風姫のスカートから、手裏剣状のデバイスが4基飛び出し、高速回転しながらファルゼンBに迫る。
「で、電撃チャクラムっ!」
雷姫もまた、ヨーヨーのような円盤状の武器を両手から放って攻撃する。
対象に巻きつき、高圧電流を流し込む電撃チャクラムだ。
「甘いっ!!」
焔姫は攻撃の際に地面にめり込んだブレードを支えに、後方に向けてキックを繰り出した。
放電攻撃を行おうとしていたファルゼンEの胸部を蹴ってその突進を止めると、
勢いを利用して剣を引き抜き、全力で薙ぎ払う。
「これでトドメだぁっ!!」
214
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/16(日) 01:12:43 ID:wEJU/3DM
>>213
感電している雷姫を仕留めんと迫ったファルゼンBだったが、
電撃を帯びた右腕を、横合いから飛び込んできたスラッシュリッパーに切断される。
そうして生じた隙に、雷姫の電撃チャクラムが絡み付き、逆に放電攻撃に晒される形となった。
「……!!」
前進から火花を散らし、ファルゼンBはその場にくずおれた。
【ファルゼンB撃破】
ファルゼンEは怪力を誇る焔姫の蹴りを胸部に受け、体勢を崩された。
右腕は虚しく空を切り、直後に振るわれたブレードによって両腕ごと銅を叩き斬られ、倒れ伏す。
【ファルゼンE撃破】
「……」
残る5機のファルゼン達は、次々に倒されていく友軍機の姿に、何ら恐怖も憤りも覚えていないようだった。
ただ淡々と槍先からフォトン・レイを放ち、三機を牽制している。
端から見れば、静香らの圧倒的な優勢とも見える構図。
しかし、彼女たちは気付いていなかった。
易々と切り捨てられていくファルゼンが、その白亜の甲冑の下に隠す、恐るべき本性に――
風姫の死角から、不意に何かが飛び出す。
大蛇のように細長く、柔軟な動きを見せるそれは、瞬時にして風姫の左脚に絡み付き、巻き取らんとする。
215
:
つばめ&静香&マヤ
◆h9Hr5c.eFE
:2012/09/16(日) 01:21:46 ID:VkyaIM1k
ファルゼンBは電撃チャクラムによって機能を停止し、
雷姫はすんでの所で危機を脱した。
「す、すみません、静香姉さま……」
「いいのよ。さあ、立てる? 敵はまだ残っているわ」
「そうよ! ま、この程度のやつらなら、あたし一人でも楽勝だけどね!」
三機のファルゼンを一瞬にして仕留めた焔姫が、
フォトン・レイの弾幕をかいくぐりながら、意気揚々と二機のもとへ戻ってくる。
「残りの5機も一気に片付ける! いくわよ二人とも!!」
マヤが高らかに叫び、チームに喝を入れた、その時だった。
シュルッ、と三人の視界の片隅で、何かが蠢いた気がした。
「えっ……?」
静香がそれに気付いたときには、すでに遅かった。
風姫の脚に絡みついた紐状の何某かが、一気に収縮する動きを見せる。
「きゃ、きゃあああっ!?」
「静香っ!?」
転倒する風姫。
つばめも、マヤも、完全にその出来事に気を取られていた。
風姫 HP90%
216
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/16(日) 01:47:06 ID:wEJU/3DM
>>215
風姫の機体を捕らえ、リールのように手繰り寄せていくもの。
それは紛れもなく、機動兵器の内部に用いられる送電ケーブルであった。
そして、尋常でない長さを誇るそれが巻き取られた先にあったものは――
「…………」
切り裂かれた胸部から無数のケーブルを垂らし、ウネウネと波打たせているファルゼンAの異様な姿だった。
「……ゥゥゥ……」
唸り声のような低く不快な音が、ケーブルを介して風姫に伝わる。
一度は倒れ伏したはずのその機体全体が、まるで怒りに震えるかのように、ガタガタと揺れる。
「ゥゥゥゥウウウウッ…!!」
騎士の兜のごときその頭部が、不自然に歪み、軋み、
やがて堰を切ったようにその面宛をぶち抜いて、大量のケーブルが溢れ出し、暴れ狂いはじめた。
「ギギ…ギギギ…」
そして、風姫の脚に絡み付いたケーブルに、猛烈な電撃が流れ込む。
【ファルゼンA復活。強制放電により風姫を攻撃】
風姫の様子に気を取られる風姫と焔姫の背後でも異変が起こっていた。
かく座していたファルゼンBの全身、あらゆる装甲の隙間から夥しい量のケーブルが飛び出し、
雷姫の四肢を捕らえようとする。
【ファルゼンB復活】
そして、更には上空から何者かが、焔姫目掛けて高速で激突してくる。
それは、やはり全身にケーブルをのたくらせる、ファルゼンCの上半身。
「ウゴグ、ギギ……!」
その両腕は信じがたい力を帯びており、焔姫を無理やりに組伏せ、押さえつけようとする。
胴体の断面からは、大量のケーブルが溢れ出し、イソギンチャクのように蠢いていた。
217
:
つばめ&静香&マヤ
◆h9Hr5c.eFE
:2012/09/16(日) 02:02:44 ID:VkyaIM1k
>>215
「きゃあああああああっ!?」
ケーブルに引かれるままに、風姫は月面を引きずられ、やがて逆さ吊りにされてしまった。
「な……いったい、何がっ……」
>>「……ゥゥゥ……」
「!?」
そこにいたのは、胸部を切り裂き、倒したはずのファルゼンの姿だった。
いや、厳密にいえば、少し様子が違う。
胸部の傷口からは何本ものケーブルが垂れ下がり、自分はその内の一本に捕まっている格好となっていた。
その不気味な姿と、コクピットに響く声に、悪寒を覚える静香。
>>「ゥゥゥゥウウウウッ…!!」
「ひ、ひぃっ!?」
思わず、甲高い悲鳴が漏れた。
ファルゼンは静香の目の前で、ケーブルの塊のような禍々しい姿へと変貌していく。
間近で見るには、とてつもなく恐ろしい光景だった。
「あ、あぁ…助、けっ……」
呆気に取られてこちらを見ている二人に救助を乞おうとしたとき、
脚部のケーブルからすさまじい電流が流れ込み、静香を襲った。
「あ、あ”ぁぁぁああああああああーーーっ!!!」
苦悶し、全身をのた打たせる風姫。
風姫 HP60%
「ねえ様ぁっ!!」
「な、何よ……何なのよアレ……!?」
愕然とする二人。
しかし、そんな二人にも、恐怖の一端が襲い掛かる。
「きゃ……ひゃああああっ!?」
「つばめっ!? う、あああっ!?」
雷姫が大量のケーブルに拘束されるのと、焔姫が上空からの影に押しつぶされるのとは、ほとんど同時だった。
変わり果てた敵機の姿に、恐怖を隠せない両者。
「い、いやっ! やぁぁぁっ!!」
「こ、こんのぉ、はなせぇっ!!」
218
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/16(日) 02:15:46 ID:wEJU/3DM
>>217
無慈悲にも風姫への放電攻撃は続く。
そればかりか――
「ギギッ…ギギギギギギ」
ファルゼンAは、顔面から伸びたケーブルの全てに電流を走らせながら、風姫の前進至るところに絡みつかせていく。
そのまま二本、三本、十本と、次々に電撃の責め苦を強めていった。
一方、つばめには最初から最大の責めが与えられる。
「ギギッ…」
雷姫の四肢を高速したケーブルすべてに、一気に電撃を加えるファルゼンB。
その攻撃には一切の慈悲も、容赦もない。
最も大きなしっぺ返しを被ったのはマヤだった。
気が付けば、マヤによって倒されたファルゼンの残骸が、全て彼女のもとに集まっていた。
両断された3機の屍は、地べたを這いずる6体の怪物と化し、
押さえつけられた焔姫へと、次々に電撃ケーブルを打ち込んでいった。
【ファルゼンA~E、強制放電で3機を攻撃】
219
:
つばめ&静香&マヤ
◆h9Hr5c.eFE
:2012/09/16(日) 02:38:51 ID:VkyaIM1k
>>218
「ああ”あぁぁぁぁ!! あっ、ああ”あぁぁぁあああああっ!!」
左脚からの電撃に、全身を引きつらせて懸命に耐えようとする静香。
しかし、彼女の視界に絶望的な光景が映りこんでくる。
ファルゼンの顔面から飛び出した無数のケーブルが次々に帯電を開始する。
もしや、これを全部……そう考えただけで、静香の心は恐怖で満たされていた。
「いやああぁぁっ! やめっ、や……!!!」
そして無慈悲にも、その想像は現実となった。
「あ”ぁぁあぁぁあぁぁあぁぁーーーっ!!」
次々に押し当てられていく電極。
>>二本、
「んあ”っ!! んあ”ああああああっ!?」
>>三本、
「あっひぃぃぃぃィィィィィッ!!!」
>>十本
「ひぃぃぁ”あああああああああ!!! あっ! ああ”ぁう!! ひグゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!?」
ケーブルを一本押し付けられるたびに、静香の纏うLDMLスーツの該当箇所が、
軽快な音を立てて破裂していく。
装着者への致死量ダメージ伝達を避けるための、スーツの自壊現象が起こっているのだ。
そして、同様の現象は雷姫、焔姫のパイロットたちにも起きていた。
「あ”−−−−−っ!!!」
いきなり大電流を流し込まれたつばめは、全身をのけぞらせて悲鳴を上げた。
一瞬にして、彼女のスーツはずたずたになってしまう。
「あ”っ! ァぁっ! ひゃぁぁあああああああああああああああああっ!!!!」
今度は雷姫の小さなボディが、全身から止め処なく火花を吹き散らす番となった。
「な、何する気なのよあんた達……! 離せっ! 離っ、ひっ……!」
焔姫の周りに集っていた残骸たちが、次々にコードを伸張させる。
「ああっ……!? んうぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅ!?」
>>押さえつけられた焔姫へと、次々に電撃ケーブルを打ち込んでいった。
「んうぅぅぅンッ!! ああ”ンッ!! ああンっ!! あぁ”あぁぁぁぁぁぁぁあああああンっ!!!!」
三機ともに、もはや抵抗すら許される状態ではなかった。
恐るべき牙を剥いたファルゼン達によって、三体の姫はひたすらに蹂躙されていく
風姫、焔姫、雷姫 HP40%
220
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/16(日) 04:31:42 ID:Cbxm7dyw
>>205
【『……何と言うか、こないだの亜空間騒ぎの時と似たような何かを感じての……今度は鹿島と石上と岩国から測量出来たから精度が上げられたが』】
「親切に警告をしてくれた訳ね?ありがとう。あなたのおかげで見えてきたわ」
武雷神が気付かせてくれたおかげでレイナの眼にも新たな光景が写し出される様になる。今度のそれは……
「呪いの刻印を刻まれた3人の姫。ぅええ?…で、電撃触手責めだと!?」
「その言い方では卑猥ですよ。お嬢様」
……なんか凄いものを見てしまった様だ。レイナは割と普通な少女っぽく怯んだ。
しかし、レイナの見た予知なのだから今回もあながち間違い無い内容なのだろう。
【ーーだが、警告は些か遅かったようだ。
『ふぐぅっ!?
いかん、折角ネットワークに相乗りして構築した監視網がまた寸断される……
……あ、回線使用料やレンタルサーバーの使用料、会員制サイトの会費はお嬢ちゃんにツケておいたから(ぶつっ)』】
「はっ。かしこまりました武雷神様」
「……なんだ。会員制サイトって?……まぁ良いわよ。
そのかわり今度は私とも話をしなさい」
武雷神。こいつ意外と俗っぽいんだな。とレイナは思った。
ーーー
さて、おふざけはこのぐらいにして、出撃にかからなければならない。
どうせ、ヒツギが出撃するのは止められないのだろう。
ならば、全てを見た自分が死の運命をねじ曲げてやるしかないのだ。
「イサム。プトレマイオスクレーターに敵対者が現れる。出撃許可をおくれ。
今回もイレギュラーな存在が先に敵を凌いでくれている筈だが、電撃しょく……いや長くは持たないわ。
私の持つルーンの瞳はそう鮮明に教えてくれている」
イサム大将へ出撃を懇願する。
いつもの予知を示す右目を押さえる例の決めポーズ。
今度はルーンの瞳だとか言っているがそろそろネタギレ感が出てきた様だ。何か決まった名称が欲しいところだ。
221
:
イサム&レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/17(月) 00:30:20 ID:H/HQX7ho
>>206
マデリーンの話の後、彼女の目を見つめたまま、しばらくの沈黙の後に口を開いた
イサム「…協力の申し出は有り難い。無論、方針についての論議も歓迎しよう
しかし、君の上司の期待に応えきれる確証はない。その点は覚悟の上だろうか?」
マデリーンが返答しようとした矢先騒がしく扉を開けて飛び出す連邦軍の兵士
イサム「静かにしてくれ。もしやハヤミがやらかしたか?」
呼吸と姿勢を整えながら続ける兵士
兵士「ハァ、ハァ…失礼しました!緊急事態です!プトレマイオスクレーター基地より救援要請です!要請の後まもなく通信が遮断され現在確認が取れていません!」
…支援ではなく救援…?あれほどの基地が?
レオンへと指示を出すべく通信機を取り出した直後、何者かからのコールを受ける
>「イサム。プトレマイオスクレーターに敵対者が現れる。出撃許可をおくれ。
今回もイレギュラーな存在が先に敵を凌いでくれている筈だが、電撃しょく……いや長くは持たないわ。
私の持つルーンの瞳はそう鮮明に教えてくれている」
イサム「…その様だ。出撃を要請する、君はヒツギ君とユウセイを頼む。」
一度通信を切りマデリーンに向き直ると
イサム「私も出撃する。すまないが話はこの後で頼む」
待合室を足早に格納庫への通路へと足を向け今一度、通信機を取り出しレオンへと指示を出す
イサム「もう聞いているな?機動部隊を率いて出撃し敵勢力を確認の後、必要とあれば攪乱せよ。」
――――
通信機を切るなり動き出すレオン
>>202
>>203
レオン「ヒツギ、ユウセイ。今直ぐ機体の装備を調えるんだ
今回の演習で使用された武装も実弾で置いてある。敵勢力の規模は不明だがプトレマイオスの状況は不利とされる程度にはデカいそうだ」
基地内の部隊員に召集を掛けながら続ける
レオン「ヒツギ達はレイナの護衛として同基地へ向かってくれ
俺は部隊をまとめた後に駆けつける」
222
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/17(月) 00:48:43 ID:dmF7Ms1g
>>221
「……よし来た。さてさて、じゃあ行くわよ。フォローミーガイズ」
皆を先導する鶴の一声が下される。
一応女の子(アカリ)も居るのだがガイ'S。
しかし細かい事は全く気にせず、レイナはアイゼルネ・ブルートの下へと急ぐ。
既に気合いが入っている様子だ。
(……あんなヴィジョンは私が壊す)
それもそのはず。
例のヒツギの死のヴィジョンを防ぐ為に、人事を尽くすつもりだ。
223
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/17(月) 00:54:18 ID:ClR5usZA
「ん・・・?」
ふと視線をよこすと、奥に見える窓の向こうが騒がしい
今だゲシュペンストのコックピットにいるヒツギにはまったく持って状況が理解できていなかったようだ。
突如としてレッドランプと共に警報音が鳴り響く
>>221
>「ハァ、ハァ…失礼しました!緊急事態です!プトレマイオスクレーター基地より救援要請です!要請の後まもなく通信が遮断され現在確認が取れていません!」
>イサム「もう聞いているな?機動部隊を率いて出撃し敵勢力を確認の後、必要とあれば攪乱せよ。」
「了解!」
大体の状況は分かった、どうやら何者かが付近の基地を攻撃したらしい。
プトレマイオスといえばかなり巨大な基地のはずだが・・・まさか前回取り逃した奴らかもしれない
>レオン「ヒツギ、ユウセイ。今直ぐ機体の装備を調えるんだ
>今回の演習で使用された武装も実弾で置いてある。敵勢力の規模は不明だがプトレマイオスの状況は不利とされる程度にはデカいそうだ」
「オーケー、お言葉に甘えさせてもらって・・・」
さすがに射撃兵装が不安だ、とりあえず何か装備を・・・と周囲を見渡す。
手元にはG・インパクトステークにGレールガンもある、だがそれらではなく足元に落ちていたガンレイピアを手に取った。
リーチを考えればGレールガンにするべきなのだろうが
なんとなしこいつとは相性がいい気がする・・・という理由だけで手に取ったものだ
>レオン「ヒツギ達はレイナの護衛として同基地へ向かってくれ
俺は部隊をまとめた後に駆けつける」
「分かった、このまま出撃準備に入る!」
ガンレイピアを腰にマウントすると力強き、演習場からその姿を消した
ほんの数時間後に起こることも知らずに―――
224
:
マデリーン
◆E8ckRIIdug
:2012/09/17(月) 09:14:30 ID:i/ZYtbrc
>>221
イサムの言葉に何事かを答えようとした矢先、急を告げられる。
目の前で出撃に関わるやり取りが交わされ、そして会話の相手は飛び出した。
「……あなたはそうやって、前線に立っている方がお似合いですわ、閣下」
一人になって、誰に聞かせるでもなく彼女の唇が言葉を紡ぐ。
「ダークマン提督は、自身が後詰めに回る事で支部長閣下が前線に立つよう仕向けたかったのに、黙っていてもそうなりましたね……
それとも、自分が前線に立てるように仕向けたのかしら?」
どうやら、イサムに対してある種の疑念を抱いていたようである。
「……ラウディ、しっかりやりなさい。私も“甲斐”に乗り込んでやるから」
225
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/17(月) 11:27:58 ID:vSrFaQm2
「そういえば、少尉はまだ甲斐に乗っていられるのですか?」
「どうやらそのようです。あんな軽い懲罰で済んだ上、同じ所に戻れるとは私も思っていませんでした。
大将さまさま、というやつですね」
ラプターのコクピットから出ようとするリリーを手助けしつつ、リリーの言葉に苦笑を返していたアカリだったが、
突如鳴り響いた警報音が、二人の間にあった空気を引き裂いた。
『プトレマイオス基地より救援要請! 総員、第一種戦闘配置! 繰り返す、総員、第一種戦闘配置!』
同時に聞こえてきた緊急アナウンスを聞き、リリーとアカリの顔にサッと緊張が走る。
「プトレマイオス……って言ったら、近くにある大きな基地ですよね? そこから救援要請ということは……」
「かなりの大規模戦力が、プトレマイオス基地に乗り込んできているようですね。私は甲斐に戻ります。
伍長はこのまま、ハンガーのリフトを使って基地から直接発進してください。後で合流しましょう」
「了解です!」
リリーがラプターのコクピットハッチを蹴ってハンガーのキャットウォークに向かったのを見送ったアカリは、急いでハッチを閉め、機体の立ち上げにかかる。
全天周囲モニターが本格的に起動し、機体周囲の様子を映し出す。
と、その中に、従者と思しき女性を伴ってハンガーから出て行くレイナの姿を認めた。
「フォローミー」などと言っている彼女の態度は前と変わらないように見えたが、顔がどこか、強ばっているような気がした。
(……ズームかけたわけじゃないし、見間違えでしょうね。あの自信たっぷりの人がそんな顔するはずもないし)
そう判断し、アカリは立ち上げ作業に戻った。
226
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/17(月) 11:29:14 ID:MG/wuDYw
「騒がしいな、クスハ汁でも、のんで、誰か倒れたのかなぁ?」
気を抜いていると。
警告音そして、レットランプ
「施設には、問題なさそう。救援信号か!」
>>221
「プトレマイオスが?嘘だ。」
かなりの大きな基地。押されている?嘘だろ?
「了解。このまま出撃用意に入ります。」
こちらは、Gレールガンを腰にマウンド。
【アルブレードには、近距離しかないしな、これでカバーする。それと】
【レイナ嬢は、なにを見たが知らないが?まぁ迎撃が先だ。】
ヒツギに続いて。演習場を後にする
227
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/17(月) 18:23:09 ID:dmF7Ms1g
【アイゼルネ・ブルート/レイナ到着】
プトレマイオス基地周辺までやって来たレイナ達の部隊はそこで行われている不埒な惨状を目の当たりにする。
「赤、黄、緑。あれらが私の予知した呪いの刻印を刻まれた3人の姫の事ね?」
触手を伸び散らかしている醜悪な半生物の様な機体に襲われているのは、女性型の赤黄緑の3機の機体。
それぞれ、敵のおぞましいまでの触手に四肢を拘束され身動きの取れない無防備なところへ、苦痛を与える電撃のダメージを与え続けられている。
「見てわかると思うけれど、あの触手の機動兵器が基地を襲ったエネミーよ。
あちらの3機の姫は敵の侵攻を抑えてくれていた様だ。
レイナ・カーマインが命じるわ。敵を撃破するのは勿論。あの姫君達を救出するのを忘れないで」
あのまま電撃を浴びせられていたら、機体の方は勿論の事、中の少女達がもう永くは保たない。
アイゼルネ・ブルートは背の悪魔の羽を大きくバサリと広げ、一気呵成に件の姫機体が捕縛されている所へ突撃する。
>>219
【>>押さえつけられた焔姫へと、次々に電撃ケーブルを打ち込んでいった。
「んうぅぅぅンッ!! ああ”ンッ!! ああンっ!! あぁ”あぁぁぁぁぁぁぁあああああンっ!!!!」】
拘束された姫の内、赤い機体は3体ものおぞましいモノに集団で機体を拘束され、弄ばれていた。
真っ先に救出しなければならないのは恐らくこの機体で間違い無い。
そして、赤い姫を拘束し続ける電撃触手。その全てに蝙蝠型の攻撃子機『ナイト・フライヤー』の一群が群がる。
そして、蝙蝠達のその牙、その羽が赤い姫にまとわりついていた恐怖の触手を切除して行く。
「赤いのは私に任せなさい。皆は他の2機を頼んだわ……よ!」
レイナはそれぞれに指示を飛ばす。
そして触手から解放され、宙へと投げ出され、まだ身動きのとれない無防備な赤の姫に向けて
先程の醜悪な触手なんかよりも、もっと長く太い逞しい?モノが赤い姫の華奢な身体へと巻き付こうと迫っていた。
それは、何のことは無い。アイゼルネ・ブルートの右腕である。
姫をホールドして、こちらへ引っ張ろうとしている。
「力の無い者がウロウロするな。……だったかしら?掴まえたから、ひとまずは後方へ下げさせるかな。
やぁ。勝手にやらせてもらったが、意識は有るかね、赤の姫君?」
赤の姫をぎっしりホールドしたアイゼルネは手元まで右腕を引き戻した。
そしてレイナは接触通信でそのパイロットへと呼び掛け、意識の有無を確認する。
228
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/17(月) 19:16:29 ID:dmF7Ms1g
いくつか訂正有ります
>>227
三姫は赤、黄、緑じゃ無かったですね
風姫は青ですよね。緑じゃなくて
どこぞの歯車三兄弟とダブって見てしまったのか
あとマヤちゃんとこのファルゼンは分裂して6体になっちゃったんですか?
これも×3機○6機で脳内変換頼みます
229
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/17(月) 20:36:43 ID:MG/wuDYw
アルブレードカスタムsecond到着。
「うへ、きも。」
それは、触手。に絡まれて、いい感じに侵されている。三人の姫武者がいた。
「じゃあ俺も、レイナ嬢、に遅れないように行きますか。行こうヒツギ少尉。」
ウイングを広げ、アイネルゼに続く。
ユウセイは、黄色の機体に這いつくばっている。機体に接近する。
「そらよ。」
迅雷で、触手を纏めて、切り裂く
「貰った。」
一機には、ロシュセイバーを全部ぶっさし、T-linkブーメランを投げる。
もう一機には、T-linkナックルで応戦する。
「そこの、黄色い機体、無事か?」
オープンチャンネルで問いかける。
230
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/17(月) 22:15:43 ID:ClR5usZA
>レイナ・カーマインが命じるわ。敵を撃破するのは勿論。あの姫君達を救出するのを忘れないで」
「了解!!」
戦場に付くと同じくレイナからの指示が渡される
基地への救援はもちろんだが、モニターに拡大された3機の女性型機動兵器の救出も必要だそうだ。
見たところ完全に捕縛されているらしい、交戦している敵機は・・・今まで見たことはない
あのピエロやシャドウストライカーは今まで量産機を前線に繰り出してきたことはない。
もしかしたらこれらが奴らの使っている量産機なのかもしれない
マジックハンドもとい触手といい趣味はそれっぽそうだ
>「赤いのは私に任せなさい。皆は他の2機を頼んだわ……よ!」
>「そこの、黄色い機体、無事か?」
>>219
赤と黄の対してそれぞれが向かったように、青い機体を絡めとる触手へと上から落ちてくる影があった。
既に左腕のブレードを展開し飛び掛ってくるゲシュペンストの姿だ
>「ひぃぃぁ”あああああああああ!!! あっ! ああ”ぁう!! ひグゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!?」
風姫に絡み付いている触手の数が思ったよりも多い
(片手じゃ厳しいか・・・!!)
風姫とファルゼンの間に上から割り込みながら
触手を同時に切断するために伸ばしたブレードの内側に右手を乗せ、両腕の力によって叩き切る。
そしてブレードの上に乗せていた右手を滑らせ、それをファルゼンへと滑り込ませ掴み取った
右脚をファルゼンの股にもぐりこませ、右手脚を同時に時計回りに動かす。
体が浮いたのを確認すると自由になっていた左腕のブレードをファルゼンへと突き刺した
「フン!!」
そしてそのまま問答無用で回し、薙ぎ払う様に切り裂く!!
ファルゼンの体に月の白い景色が見て取れるくり貫かれた穴とそれに繋がる切断痕が残った
「大丈夫か!?」
すぐに振り返ると風姫の腰当たりに右腕を回して抱き上げた
今だその体に残る触手を振り払いながら、パイロットへと通信をかける
231
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/17(月) 22:19:59 ID:i/ZYtbrc
「……修理装置も追加?ますます前に出られないなぁ」
前回有無を言わせず持たされた上に壊したスナイパーライフルの代わりを申請したら、M13ショットガンはともかくコールドメタルナイフとこれである。
本人に切り払い技能が無いのでナイフは価値半減。
「……出撃します」
とにかく、友軍がピンチなのに助けに行かない法はない。
232
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/17(月) 22:34:36 ID:A1TOoM/Q
>>227
上空から飛来したナイト・フライヤーの群れが、焔姫に巻き付いていたケーブルを次々に切断していく。
焔姫は拘束を解かれ、空中に放り出される格好となった。
【ファルゼンCDE、HP80%】
「ギギギ…」
ファルゼンらはケーブルまみれの面頬を、迫りくるアイゼルネへと向ける。
3機は連携するかのように勢いよく上空へとケーブルを伸ばし、鞭打ち、捕らえんとする。
【3機ともに強制放電による反撃を試みる】
>>229
迅雷の刃が一閃し、雷姫を責め立てていたケーブルがまとめて切断された。
さらにアルブレードCSは、手にしたロシュセイバーとT-LINKブーメランを放ち、ファルゼンの顔面へと突き立てた。
【ファルゼンB、HP60%】
「グゴゴゴ……」
だが、ファルゼンには怯む様子がない。
突き立てられた二種の武器が、あろうことか、ぞろぞろとうねるケーブルの中に呑み込まれていく。
その不気味な様を目にすれば、甲斐に乗艦する誰もが先日のアンノウンとの関連性を想起するだろう。
「ギッ!」
完全に武器を飲み下したファルゼンは、至近距離のアルブレードを包み込むように、全身からドバッとケーブルを溢れさせた。
一瞬でも反応が遅れれば、アルブレードはたちまち簀巻きにされてしまうだろう。
【強制放電による反撃を試みる】
>>230
風姫を襲うケーブルの束もまた、ゲシュペンストS/Bのブレードによって切り落とされた。
「ギギッ…!」
一瞬のうちにブレードで胴を円形に抉り取られるファルゼン。
並の機動兵器ならば致命傷となりうる鮮やかな攻撃であった。
【ファルゼンA HP50%】
しかし、ファルゼンは倒れなかった。
風穴を開けられた腹を上に向け、ブリッジの体勢で月面に降着すると、
表裏の裏がえった四足獣のごとくガシガシと地表を走り、ゲシュペンストへと飛び掛かった。
【格闘による反撃。ゲシュペンストMK-II S/Bを地面に押し倒そうと試みる】
233
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/17(月) 22:40:02 ID:MG/wuDYw
>>232
「きもっ、」
ケーブルを見て最初の発言
ケーブルがおそうが、全く動じもせず。
飄々とかわす。
「背後から、バッサリいくか。」
ファルゼンの背後に飛び
「もらった。」
背後から、バッサリと殻竹割りをくらわせる
234
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/17(月) 23:14:55 ID:dmF7Ms1g
>>232
「……こいつら、まるでゾンビだな」
右腕で巻き付いていた焔姫を自機が盾になれる様に一旦、後方へ投げ飛ばす。
両腕を自由に使える様になったアイゼルネ・ブルートは、ヴァンパイア・クロウで引き裂くつもりの様だ。
そして何の戦術的意味も無いが、両腕に生えるクロウを交差させる決めポーズを忘れなかった。
「さぁて。もっと気持ち悪くかかってくるが良いわ」
三機のゾンビの触手をクロウで弾き、打ち落とし切り進むが、全てを抑えきるにはやはり限界が有る。
レイナのパイロットとしてのステータスは決して天才でも達人の域では無い。
「……っと。しまったわ」
だいたいはいなしたはずだが、ついに右腕を触手に掴まれてしまった。
そして、姫達をいたぶり尽くした電流を流すギミックがレイナとアイゼルネにも襲いかかった。
アイゼルネは先の光景と同じ様にスパークする。
それを受けたレイナはひとたまりも無い筈だが……。
「……っく。…く。ぐぐ。……その程度の拷問か?」
少しは影響は有るだろうか、精神力で耐えている。
一瞬は動けずに居たアイゼルネもぎこちないが動きを再開し、左腕クロウでその触手を切除する。
【アイゼルネ:残りHP80%】
「くっ……ははははは!!その程度の事で……っ!私は止まらないわよ!」
今日のレイナの気迫はこんな程度では決して絶えない。こいつらは前座なのだ。
狂気にも見える笑い声をあげて、背中から大きな悪魔の羽に隠されていた例のハープーンを取り出し、こちらも触手同様に腕を伸ばし、ハープーンの射程を無理矢理拡張する奇妙な刺突をファルゼンの一体。Cに繰り出した。
235
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/17(月) 23:20:16 ID:ClR5usZA
>>232
「何!?」
レーダーに突如として機影が現れる。
抱き上げていた風姫を手元に引き寄せ、素早く踵を反すとそこには・・・
>表裏の裏がえった四足獣のごとくガシガシと地表を走り、ゲシュペンストへと飛び掛かった。
「クッ・・・たった5機で基地を追い込んだカラクリはこれか・・・!!」
風姫をかばう様に上から大地へと押し倒されるゲシュペンスト、こいつには先ほど確かに一撃を加えたはずだ
この3機が押し負けたのもこの特性があったからか
「ブレードじゃ致命打にならないんだったら!!」
左腕で押しつぶそうとするファルゲンAに何とか耐えながら、右手を風姫から離し自らの背中へと回した
手に取ったのは白い物体・・・スプリットミサイルのコンテナだ
幸い先ほど空けた穴は塞がってはいない
ヒツギは圧し掛かるファルゲンを押し返し、膝で無理やり蹴り上げんとする
同時に穴へと狙いをつけてスプリットコンテナのミサイルをぶち込もうと・・・
「レオン!!」
そしてレーダーに見えていた機体の影に対して叫ぶ。
このミサイルコンテナを突き刺すことが成功したのならば、即興でのコンビネーションを疲労できるかもしれない
236
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/17(月) 23:24:43 ID:ClR5usZA
>>235
追記:HP92%
237
:
つばめ&静香&マヤ
◆h9Hr5c.eFE
:2012/09/17(月) 23:26:09 ID:.d80yUKY
>>227
「ンッ……んんっ!?」
突然、全身を襲っていた衝撃が止んだことに気付いたとき、マヤは上空に放り出されていた。
そんな焔姫を抱きとめる赤い機体。
電撃の余韻が残る体を震わせながら、マヤは目をぱちくりさせる。
「はぁ……はぁ……な、何……?」
状況確認。
どうやらこの赤い機体が自分を拘束していたケープルを断ち、救助を図ってくれたようだった。
その蝙蝠のような翼を目にするや、一言。
「うっわ……悪趣味……」
なんともひどい娘である。
>「力の無い者がウロウロするな。……だったかしら?掴まえたから、ひとまずは後方へ下げさせるかな。
やぁ。勝手にやらせてもらったが、意識は有るかね、赤の姫君?」
「……はぁ!?」
素直に礼を言いかけたのも一瞬の話。
その開口一番の言葉に過剰に反応し、マヤは激昂していた。
「力の無い者って何よ!? あそこから華麗に逆転しようと思ってたところを邪魔しておいて!!
このっ、誰が後方になんか下がるもんかっ! 離しなさいよ!!」
そう言って無茶苦茶に暴れ、アイゼルネの腕から逃れようとする。
>>229
「きゃっ!」
コードの拘束が解け、地面に落下する雷姫。
>「そこの、黄色い機体、無事か?」
「え、ええ、何とか…」
ぺたんこ座りのままでそう答えるつばめ。
>>228
目の前で繰り広げられる壮絶な格闘攻撃に、
ケーブルから解放されながらも、静香は言葉を失って見入っていた。
>「大丈夫か!?」
「へ? ……は、はいっ!」
跳ね起きる風姫。取り落とした薙刀を見つけ、いそいそと拾い上げる。
238
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/17(月) 23:54:46 ID:A1TOoM/Q
>>233
素早いステップで背後に回り込み、刃を振るうアルブレード。
一撃のもとにファルゼンの体が両断された。
【ファルゼンB HP10%】
「グググ…」
だが、驚くべきことにまだ活動を続けるファルゼン。
真っ二つになった体のそれぞれがアルブレードの両腕に無理やりしがみつく。
「ギギギギギ…!」
最後の力を振り絞るかのように、それぞれが全身から放電を開始した。
【強制放電による反撃】
>>234
クロウによって切り払われていくケーブル達。
幾つもの切れ端が薄汚く空中に散乱する中で、一本だけがアイゼルネの右腕を捕らえた。
激しい電流がアイゼルネを打ち据える。
しかし、その衝撃はレイナの戦意を砕くには遠かった。
クロウでケーブルを切断し、ギミックアームでハープーンを突き立てるアイゼルネ・プルート。
矛先はファルゼンの胸元を貫き、昆虫標本さながらにその巨体を月面に縫い止めた。
「グギッ!!」
【ファルゼンC、残りHP20%】
バタバタともがくその一機を尻目に、残る二機が反撃に出る。
一方は伸びた腕へとケーブルを伸ばして巻きつけ、電流を流し込まんとする。
もう一方は四つ足で勢いよく飛び上がり、上空からアイゼルネにのし掛かる。
【Dが放電、Eが格闘による反撃を試みる】
>>235
「ゴゴ、グググ…」
押さえ付けたゲシュペンストの首筋に電撃ケーブルをねじ込むファルゼン。
【強制放電による攻撃】
直後に胴体を打つ膝蹴りの一撃。
痛覚も畏れの感情も持たないファルゼンはその程度では怯まないが、
このときばかりはその鈍感さが災いしていた。
腹部にぽっかりと開いた大穴の中には、スプリットミサイルのコンテナがしっかりと打ち込まれていた。
【ファルゼンAの胴体にスプリットミサイルコンテナが埋め込まれる】
239
:
リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/17(月) 23:58:03 ID:vSrFaQm2
一方その頃の甲斐。
先の戦いにおいて損傷した機動兵器ハンガーの修理のためにプリニウス基地の修理ドックに繋がれていた甲斐にも出撃命令が下っていた。
修理作業を受けていた機動兵器ハンガーには艦載機は一機も存在しない。
だが、その修理作業もほぼ終了し、人員と物資の補給を受けた甲斐の状態は万全に近いと言っても良い。
猫の手も借りたいこの状況で、弾薬満載の強大な火力を持つ甲斐を遊ばせておく理由はどこにもない。
しかしながら、この艦にはひとつ、問題があった。艦長の指揮能力の低さである。
先の戦いでも述べたが、甲斐の艦長、武田・姫は元々文官であり、戦闘艦の戦術の「せ」も習っていなかったような人物である。
彼女の来歴からすればそれはむしろ当然の話で、彼女は青天の霹靂のような戦闘母艦の艦長への任命という、
トンデモな人事に翻弄された悲劇の女性である。
彼女も彼女でどうにか艦の指揮を執ろうと日々努力しているようで、出撃を控えた今でさえ、艦長席でうんうん唸りながら戦術教本を読み込んでいる。
とはいえ、任命から一週間も経っていない今、その程度の時間でいきなりベテラン艦長になれるわけもなく、艦長席での彼女の様子は、逆にクルーを不安にさせた。
そんな殺伐とした甲斐のブリッジに少女が!!
「ぴーす」
「あれ!? ス、スノウフェイル少尉!?」
無表情でVサインをしながらブリッジに入ってきたその少女、リリー・スノウフェイルは、姫の驚きの声と、同じく驚く甲斐ブリッジクルーの顔に出迎えられた。
「どうも。無理矢理指揮権を強奪する悪の少女、リリー・スノウフェイルです。よろしく。
……あ、私のファミリーネームは長いので、名前で呼んで下さい」
「あ、どうも………………って、ではなくて! どうしてリリー少尉がここに? まさか直接乗っ取りに……!?」
「どうしてそんなに怯えてるんですか、艦長。違いますよ。
実は私、カイオウ大将から「オマエ、甲斐ノ副長、ヤレ」と天啓を受けまして」
自分の喉を掴んで、イサムのセリフらしきものをだみ声で再現する。
ちっとも似てない上に、どこかの蛮族みたいな口調になってしまっているが。
「大将から……?」
「ええ。何でも、艦長の成長をサポートしてやってくれ、とのことでして。
とりあえず、まだそれほど艦長としての技能も会得していないだろうから、細々とした指示は今回も私がやれ、と。
私もそれほど、戦闘艦の戦術に明るいわけではないのですけども」
「ええっと……それはつまり、そのぉ……」
「はい。ぶっちゃけて言っちゃえば今回も艦長はお飾りです」
「や、やっぱり…………」
自分が情けないのか、目に見えて落ち込む姫。
それを見て取ったリリーは目を瞑って、「とはいえ」と前置きし、
「私も艦の指揮の経験はありませんし、私だけで艦全体を掌握するのは大変です。前回の戦いで身にしみてそれがわかりました。
なので、戦闘関連の指示は私がやりますので、艦長には艦の維持やダメージコントロールなどの指示をお願いしたいのですが」
「え……私がですか?」
「はい。何も難しいことはありません。問題に対して、その問題の専門チームを派遣するだけで、大抵はうまくいきます。
この艦に乗っているクルーは、私や艦長のような未熟者の似非を除けば、皆プロフェッショナルですから」
「え、似非…………でも、確かにそうですよね。わかりました。私、やってみます。何かまずいことがあったら、遠慮無く言って下さいね」
「ええ、最初から無遠慮マックスで行きますから心配ありませんよ。…………では艦長、手始めに発進の指示をお願いします」
無遠慮マックス、の部分に姫は苦笑を返し、その後、せめて形だけは、という意気込みの感じられる引き締まった顔になって、
「甲斐、発進します!」
『了解!!』
甲斐の後部メインブースターから巨大な青白いフレアが吹き出し、甲斐はゆっくりと修理ドックから月面上空へと飛翔した。
240
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/18(火) 00:11:52 ID:/FCj1WrY
>>239
続き
甲斐がプリニウス基地から発進したのと時をほぼ同じくして、リフトで地上に出ていたアカリのビルトラプターが基地から発進した。
基地の上空を飛ぶ甲斐の姿を認めたアカリは、艦の周囲を大きく旋回して、
「甲斐、聞こえますか? クレマチです。これよりそちらの直援にまわります」
『了解です、クレマチ伍長。このまま戦闘空域までエスコートを頼みます』
アカリからの通信に応えたのはリリーだったが、彼女の立っている場所に、アカリは違和感を覚える。
「リリー少尉? そこはブリッジでは?」
『ええ、その通りですクレマチ伍長。実は私、CICの仕事をクビになりまして』
「え?」
大したお咎めは無かったようにリリーが言っていたのを思い出していると、それにかぶせるようにリリーの二の句が続き、
『その代わり、ここで艦長の補佐をしろと命じられたのですよ。いわゆる副長ってポジですね』
「あ、ああ、そういう……」
驚かせる。少しホッとしたのと同時に、このちょっとしたドキドキ感を狙ってああいう言い方をしたのではないか? という疑念も生まれる。
『そういうわけですので、今後ともよろしくお願いします』
そして、おそらくそれは正しい。付き合いは短いが、モニターの向こうで小さく一礼するリリーを見つつ、アカリはそう思った。
241
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/18(火) 00:13:10 ID:iKZiHmos
>>232
レイナ達とは反対の方面からエンデュミオン所属のエフゼロ部隊5個中隊を率いる中隊がプトレマイオス上空より接近を試みるとの事
その中でレオンの小隊のみ先行させたレイナ達の援護へ向かうことになる
通信機から声がするエンデュミオン所属の隊長からだ
レギンレイヴ1「フリスト、ヒルド、スケグル隊は我が隊と共に陽動の間を衝き敵部隊を掃討せよ。ゲル隊は救助へあたれ。ラーズグリーズは…せいぜい墜ちないように幸運を」
通信機からは笑い声が聞こえる
レオン「…まぁ大将が来なかったらただの招かれざる客だからな」
三機のエフゼロを従いレイナ達の方角へと旋回、加速させる
程なくしてプトレマイオスの変わり果てた情景と異形の物体と交戦するレイナ達と謎の三機の姿を遠目に捉える
レオン「こちらラーズグリーズ1これより戦闘に入る」
>>235
ヒツギから最も近い謎の物体は恐らくヒツギによって空けられたであろう穴を晒してひっくり返っていた、が
レオン「なんだと!?」
レギンレイヴ『全機気を付けろ!数も異常だが並の耐久力ではない!』
倒したと思われたファルゼンがいきなりゲシュペンストに組み付いた
アンノウンの保護を優先した為そうなったのだ
>「ブレードじゃ致命打にならないんだったら!!」
ゲシュペンストがファルゼンを蹴り上げ上昇させる
その手にはミサイルコンテナが握られ投擲モーションに移っている
レオン「…なら遠慮無く頂くぜ!」
AMモードへ即座に移ると同時に腰から抜いたモノはガンレイピア
ファルゼンの四肢と破損孔へと神速の光条が伸びる
242
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/18(火) 00:33:36 ID:xBcLOHWo
>>237
>「へ? ……は、はいっ!」
「こんな状況で悪いな・・・!!」
風姫とゲシュペンストはお互いに白い大地に倒れこんでいる
男女で倒れていると考えるとドキドキなシチュエーションだが、上からかかっているのはまさかのゾンビ
これでは心拍数も別の意味で上がるというものだ。
「ちょっと待ってろ、野暮用だけ済ませる!!」
>>238
>>241
>押さえ付けたゲシュペンストの首筋に電撃ケーブルをねじ込むファルゼン。
「ッ・・・!!」
その身に電撃を受けるも歯を思い切り食いしばり声を殺す。
女性の前で声を上げることだけはしたくないということなのだろう、男の子らしい
風姫に攻撃の対象が移るのだけは何とか抑えなければならない
そう考えていたヒツギだったが、視界の端に映ったある光景によってその表情は不適に笑うものに変わる
「ヘッ・・・怨むのはなしで頼むぜ!!」
押し返そうとしていた左腕をフッと引くゲシュペンスト、首に絡みつく触手をブレードで切り裂き、そのまま頭の上に両手を置く
さらに左腕が無くなったことで生まれた隙間へと折りたたんだ両足を潜り込ませた
そのままヘッドスプリングの要領で、ファルゼンの体を今度は上空へと跳ね上げたんとしたのだ
先ほどとは込められた力が違う。
さらにこの一撃はダメージを与えるためではなく相手を跳ね除けるためだけのものだ
上空からはレオンが打ち出したガンレイピア
そしてファルゼンの腹には爆発物の塊が――――
HP84%
243
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/18(火) 00:39:37 ID:kDw1A9/E
>>237
【「力の無い者って何よ!? あそこから華麗に逆転しようと思ってたところを邪魔しておいて!!
このっ、誰が後方になんか下がるもんかっ! 離しなさいよ!!」】
「くっくっく。なんだね?昨今の小娘は礼の言い方も理解出来ないのか。
それはそれは頭が高いというものよ」
相手がイラっとなったのは理解している筈だが、より一層この少女をからかってみせるレイナ。
その理由は赤っぽい機体カラーの被りやら高飛車なところなどなんとなく自分と被ってる様な気がしたからである。深い意味は無い。
「その機体とあなた自身の体の消耗から見させて貰うと、その華麗な逆転劇(笑)とやらは出来そうも無いわ」
上から目線のこの傍若無人な態度。
そう言われても、今にも前に進んで行こうとしているアグレッシブだった赤の姫は黙って聞き入れてはくれないはず。
「ならばフォローミー野蛮な小娘。この偉大なる夜の王レイナ・カーマインが共にリベンジを手伝ってあげる。敵はまだまだ来るわ。さっさと片を付けておくべきよ。
やる気が有るならついて来い」
ならばせめて一緒にこの場を切り抜ける事を提案する。
こんな所で苦戦してやる訳にはいかない
レイナの未来のヴィジョンによればもっと強大な敵が現れるらしいのだ。
>>238
「……が……ぁっ!!」
伸ばした腕が災いして、やはり電撃触手に狙われ拘束されてしまう。
それが流す電流に歯を食い縛りながらまたしても耐えて見せるレイナ。
八重歯のおかげで唇の端から少し血が出てしまった様だ。
「でも……まだまだね。こんなものじゃアイゼルネの再生が上回るわよ」
レイナの標的は依然、月面に釘付けにしたファルゼンC。電流の痺れを振り切り、更にアイゼルネのパワーを引き上げる事で触手を強引に引きちぎり、ファルゼンCへと更にハープーンを深く突き入れる。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP70%。ファルゼンCへとハープーンで反撃】
【「グギッ!!」】
そして、残すもう一体は四つ足で勢いよく飛び上がると、遥か上空からアイゼルネにのし掛かろうとしていた。
こんなものに乗られたらひとたまりも無い。月面に撃ち込まれたハープーンを楔に、何処かのゴムで出来た少年の如く腕の力で身体を引き寄せ、巨体がのし掛かるはずの地点から前方へと緊急回避した。
「野蛮なお嬢ちゃん。彼ら1体ぐらいどうにかしてくれないか?」
避けられたは良いが、中々に危なかった。
ならば今こそD、もしくはEを引き付けてくれと赤の姫こと野蛮なお嬢ちゃんへ申請する
244
:
ラウディ他
◆E8ckRIIdug
:2012/09/18(火) 00:55:38 ID:jo08eAJQ
基地のカタパルトに乗って、今まさに出撃せんとしたタイミングで待てがかかる。
そして、ラダーを伝ってエフゼロのコクピットに現れたのは……
「軍曹、甲斐まで頼む」
「ラウディ、行くわよ」
「ひーっ!?」
>>239-240
そんなわけで、エフゼロは発進直後の甲斐のブリッジ近くに取り付き、相乗りの二人を直接エアロックからブリッジに移乗させた。
一人は前回リリーの乗っ取りを黙認したエレミーラ・タイデグリー中尉。
ブリッジの予備オペレータ席で根回しやら後始末の手配やらの業務を継続して執り行う。
そして、もう一人……
「急な人事でありますが、CIC統括官を拝命したマデリーン・ダンディ・エッシェンバッハ少佐です」
階級的には姫に次ぐのに指揮系統としてリリーの下に着く点は納得の上である。
なお、ラウディは少佐が持ち込んだトランクをコクピットからCICに運んでいた……
245
:
リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/18(火) 01:27:02 ID:/FCj1WrY
>>244
ブリッジ付近のエアロックから直接ブリッジにやって来るという、ちょっとした荒技に姫はびっくりしていたが、
リリーはいつも通りの無表情で二人に向かって敬礼。それに倣って、艦長席から立った姫も二人に対して敬礼した。
そうして少し経ってから、敬礼を解いたリリーが前に出て、
「ようこそ甲斐へおいでくださいました、エッシェンバッハ少佐。タイデグリー中尉も間に合ったようで何よりです。
これより甲斐ブリッジは装甲壁を閉鎖し、戦闘ブリッジへとモードチェンジします。
CICはここの三階下にありますので、そちらへ向かうのでしたら、エレベーターをお使い下さい。
距離が距離ですし、降りてすぐ前がCICですので」
三つも上の階級であるマデリーンに対してすらすらと喋るリリーとは対照的に、姫は戦いを知っているであろうマデリーンにやや気後れしたようで、
口を真一文字に結んだまま一言も発しない。
その間にも、リリーの口上は続く。
「少佐もご存じのように、私も武田中佐も戦闘艦の指揮というものには、あまり経験がありません。
私達の指揮に何か危ういものを感じられましたら、すぐに仰ってください。
今回は少しのミスでも命取りになりかねない、大変厳しい戦いになると思われますので」
246
:
エッシェンバッハ少佐
◆E8ckRIIdug
:2012/09/18(火) 02:05:09 ID:jo08eAJQ
>>245
「了解しました、艦長、副長。
ではこれよりCICに向かいます」
そう返したのは少佐。話しているのはリリーなのに艦長にも返事をしたのは、彼女なりの気遣いである。
「私は部隊編成や運用を多くこなしてきましたので、艦それ自体の指揮はそれほど詳しくありません。
ましてや初めての艦となれば……
そんなわけですので、私に出来るのは戦場を俯瞰した場合の戦術指揮に対する助言だと思って下さい。
その中ではこの艦や個々の兵員を一つの駒として無慈悲かつ無造作に扱う事があります。
艦長も私を一つの駒として扱って構いませんので」
小難しい事を言うようだが、簡単に言えば“広い視野と冷酷なやり方を覚えろ”である。気遣い台無し。
一方中尉は、何食わぬ顔で情報収集を始めていた。
247
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/18(火) 15:21:13 ID:i8Ng.Dfs
>>241
>>242
ゲシュペンストが全身のバネを引き絞り、渾身の両脚蹴りを放った。
月の低重力のもと、為す術もなく跳ね飛ばされるファルゼン。
そして、その背後からガンレイピアの光条が降り注ぎ、腹を貫通するように埋め込まれたミサイルコンテナを正確に撃ち抜いた。
「ガッ…!」
激しい連鎖爆発が巻き起こり、たちまちファルゼンの機体を木っ端微塵に粉砕する。
ゲシュペンストの目前にボトボトと落下した黒焦げの四肢は、しばしの間独立した生き物のように跳ね回りながら無茶苦茶にケーブルを暴れさせていたが、
数秒と待たないうちに静止し、動かなくなった。
【ファルゼンA撃破】
>>243
「ギギギ…!」
更に深々とハープーンを突き込まれるファルゼン。
もはや身動きすることが叶わないと察したのか、全身が破裂したかのような勢いで、大量のケーブルを前面に噴出した。
もはやその有り様は機動兵器などではなく、月面に根付いた巨大なイソギンチャクである。
【ファルゼンC残りHP10%、強制放電による反撃を試みる】
248
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/18(火) 16:14:29 ID:wsi35Ua6
>>238
「なるほどね。これが仕掛けなのか。だけど」
強制放電を、念動フィールドで防ぐ。
「そんでもって、これでendだ。」
T-linkブーメランで胴体を切り裂く。
「また、分裂しないでくれよ。」
【レイナ嬢、何やってんだよあの赤い奴も挑発に乗っちゃって。】
呆れながら、心の中で呟く。
「艦長、ユウセイです。いま、交戦中にみられない。機体を見つけました。このまま甲斐に護送しましょうか?」
甲斐に連絡する。
「黄色い機体大丈夫?動ける?」
249
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/18(火) 16:57:36 ID:kDw1A9/E
>>247
「ぅ……ぁん!」
ハープーンに串刺しにされているもはや死に体となったはずのファルゼンCだが、最後っ屁の如くアイゼルネとレイナに電流を浴びせかける。
凄まじいまでの生命力だ。ここまでやれるのはやはり心無き無人機だと言う訳か
「っ……よくもやってくれたわね!」
凄まじいと言えばレイナの執念ともとれる精神力もそうだ。またしても高圧電流に身体を射たれても耐えて見せる。
ここで皆を従える立場である自分が、甘ったれた女々しい悲鳴など上げようものならヒツギ達の士気に関わると思って、レイナは踏みとどまっていた。
何も特殊訓練で拷問に耐性が有るとかそう言った話では無い。
「異形の者よ。闇へと帰るがいい!!」
そして、気合?を痛い言の葉に乗せ、打ちつけたハープーンを思いさま全力で引き抜き、戻る刃をもってファルゼンCへとどめの一撃を見舞う。
250
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/18(火) 17:00:11 ID:kDw1A9/E
>>249
【アイゼルネ・ブルート:残りHP60%】
251
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/18(火) 18:39:37 ID:iKZiHmos
>>242
>>247
異形の物体が動かなくなるのを確認しつつ続ける
レオン「good job!!そこの…青い人は他のラーズグリーズが甲斐まで運ぶ
それよりレイナの被害がマズい!」
エフゼロ三機が風姫の元へ滑り込み
その内のニ機が風姫の正面付近でホバリングしフックアンカーを両脇に差し込もうとする
エクセリオンは白い尾で弧を描きながらゲシュペンストへと超低空で迫る
レオン「エクセリオンの肩のハンドルを掴んで(ナウシカ風に)バランスを取れ!レイナの元へ一直線だ!」
粉塵を巻き上げながらヒツギのゲシュペンストへ滑り込む
252
:
つばめ&静香&マヤ
◆h9Hr5c.eFE
:2012/09/18(火) 22:36:49 ID:RC78XrF.
>>243
レイナのたしなめに耳を傾けながら、マヤはぐぬぬと、あからさまに不服な表情を作っていた
>「ならばフォローミー野蛮な小娘。この偉大なる夜の王レイナ・カーマインが共にリベンジを手伝ってあげる。敵はまだまだ来るわ。さっさと片を付けておくべきよ。
やる気が有るならついて来い」
「ふんっ! 付いていくも何も、誰がこのまま終わるかってーの!!」
言うや否やアイゼルネの手を離れ、弾丸のようにファルゼンD、Eへと突進していく。
「この死に損ない!! 目にもの見せてやるんだからっ!!」
突撃のさなか、焔姫が携えるやたらと派手な彩色の大剣、その峰に設置されたいくつものスラスターに火が灯り始める。
「ブルーティッシュ・ブレード! フルパワーッ!!」
その合図と共に、一気に火を吹くスラスター。過剰な出力は焔姫を振り回し、
まるで独楽回しのように水平に回転させながら、超スピードでゾンビロボへと突っ込んでいく。
「くたばれぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
B.B.フルパワー。マヤの持てる最大の攻撃が、2機のファルゼンに向けて放たれた。
>>248
「はい! あの、どなたか知りませんが、ありがとうございます」
ぺこりとお辞儀してみせる雷姫。
そしてキョロキョロと周囲を見回し、状況を確かめると……
>>251
「つばめ! あなたもこちらに!」
見れば、風姫が別の機動兵器に庇われるようにして、戦場を離脱しようとしていた。
「は、はい、姉さま!」
走ってそれに続く雷姫。
どうやら、この重戦車のような機体群れは、自分達を救ってくれたのと同じ勢力、即ち友軍と見ていいようだった。
「大丈夫? 怪我は無い?」
「ええ。姉さまもご無事そうでよかった……
そういえば、マヤさんは?」
その瞬間、残存するファルゼンに向けて突っ込んでいく、赤とピンクの独楽のような何かが見えた。
二人が頭を抱えたことは言うまでもない。
253
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/18(火) 22:46:56 ID:wsi35Ua6
「ちょっと待って。」
ユウセイも、後を追うことにする。
だが、
これが、レイナの言う、ビジョンだとは、まだ誰も知らなかったのです。
254
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/18(火) 23:01:54 ID:xBcLOHWo
>>247
「さすがにこうなると再生できないか、ゾンビゲームと一緒だなこりゃ」
爆発物によって木っ端微塵にすると言う作戦は成功したらしい。
胸を穿たれても再生する生命力であったとしても、原型すら残らないこれでは再生できないということか
しかしパイロットがいたとはとてもじゃないが思えない
基地を攻撃したということはある程度統率されていたということだ、となるとこいつらを率いている奴が・・・
>>251
>>252
>レオン「good job!!そこの…青い人は他のラーズグリーズが甲斐まで運ぶ
それよりレイナの被害がマズい!」
「分かった!・・・すぐ近くに俺たちの戦艦がある、急いでそこまで退避してくれ」
レオンの言葉を受けた後、合流したらしい黄色と青の機体に対して伝えた
基地を潰すほどの敵となるとラーズグリーズ部隊でも抑えきれるとは思えない
「って訳で任せたぜ!」
風姫達を連れた別働隊に交信をかけると、ヒツギの後方からエクセリオンの影が迫った
>レオン「エクセリオンの肩のハンドルを掴んで(ナウシカ風に)バランスを取れ!レイナの元へ一直線だ!」
「了解!!」
レオンの呼びかけに答え月面を蹴ってその背に生えたグリップを左手で掴んだ。
機体を水平になるまで横に倒し、そのままエクセリオンの速さに身を任せる
「上をそのまま通過してくれ、飛び降りる!」
255
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/18(火) 23:02:04 ID:K0wFufFM
>>248
念動フィールドが、組み付いた左右の半身を弾き飛ばした。
そこへ水平に投擲されるT-LINKブーメラン。
ファルゼンは綺麗な四つ切りに斬り分けられ、静かにその場に崩れ落ちた。
【ファルゼンB撃破】
>>249
規格外ともいえる胆力で電撃に打ち克ったレイナが、とどめの一撃を放つ。
「グギィッ……!!」
うねり狂うケーブル束の中心へと、再びハープーンを打ち込まれたファルゼンが断末魔の叫びを発した。
やがて全てのケーブルが力なくしなだれ、ほとばしる電流も消えていった。
【ファルゼンC撃破】
>>252
死角からアイゼルネへと飛び掛かろうと、四足に力を込める二機のファルゼン。
だが、その正面から、恐ろしい勢いで何かが突っ込んできた。
「ゴッ……」
高速回転する赤い竜巻は、まず前を行くファルゼンに接触。
一瞬でその機体を真っ二つに斬り潰す。
【ファルゼンD撃破】
そして、その勢いのまま後方のファルゼンへ突撃。長大な刃をその胴部へと食い込ませた。
しかし、一機目を両断したことで、勢いを削がれていたのだろう。
ブレードはファルゼンの胴体半ばで止まってしまった。
「グゥゥッ!」
ブレードを掴む両腕をケーブルが絡めとり、またも大電流が焔姫に襲いかかる。
【ファルゼンE HP50% 強制放電による反撃】
256
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/18(火) 23:43:11 ID:kDw1A9/E
>>252
【「ふんっ! 付いていくも何も、誰がこのまま終わるかってーの!!」
「この死に損ない!! 目にもの見せてやるんだからっ!!」】
「おい待て。勝手に突撃するな。……はぁ。やれやれだわ」
そうとう逆襲したかったのだろう。
赤の姫はレイナの話を最後まで耳にいれた様子も無く残る2体の触手ゾンビへと果敢に突撃している。
レイナは面倒臭そうにタメ息。
それでも仕方ないな。とでも言いたげに突撃娘の後を追う。
【「ブルーティッシュ・ブレード! フルパワーッ!!」
「くたばれぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」】
>>255
【しかし、一機目を両断したことで、勢いを削がれていたのだろう。
ブレードはファルゼンの胴体半ばで止まってしまった。】
「ねぇまだ倒せていないわよ?」
レイナがゾンビのもう一方へのダメージの浅さに気付き、オープンチャンネルで突撃姫に伝えるのだが。
【ブレードを掴む両腕をケーブルが絡めとり、またも大電流が焔姫に襲いかかる。】
だが、そうはさせなかった。
攻撃後の隙を狙われまた触手の餌食となった赤の姫。
そのボディに巻き付き、電流を浴びせるまでの一瞬の合間にアイゼルネ・ブルートはそのおぞましい触手をクロウでズタズタに引き裂いてしまった。
「……くっくっく。また貸しが増えたわね、突撃姫?」
野蛮なお嬢ちゃんから突撃姫にジョブチェンジされた様だ。
ピンチを救ったレイナはさぁ我を称えよと言わんばかりのドヤ顔である。
「あまり良い趣味じゃ無いわね。制裁よ!」
ついでに、触手を発生させたファルゼンEへその伸縮自在の腕で強烈に唸りを上げる乙女の鉄拳をお見舞いする。
【ファルゼンEを攻撃】
「あなた馬鹿なの?死ぬの?……あ。それとも触手と戯れるのが好きなのかしら?」
呆れた様子でまたしても挑発的な言葉を発する夜の女王(自称)
相手も相当に逆上するだろうがそれは目の前の触手ゾンビへ向けてもらいたい
257
:
つばめ&静香&マヤ
◆h9Hr5c.eFE
:2012/09/18(火) 23:54:59 ID:RC78XrF.
>>255
>>256
「えっ? あっ……」
攻撃後の隙を突き、両腕をギチッと捕える触手。
想定外の事態にマヤは声を裏返らせて動じた。が……
アイゼルネ・プルートの介入によって、今回は事なきを得た。
>「ねぇまだ倒せていないわよ?」
「ぐぬぬ……!! い、今やろうと思ってたのよっ!!」
おかあさんに宿題をやれと言われた子供のようなことをのたまいながら、
半端に突き刺さったブレードを引き抜く。
>「あなた馬鹿なの?死ぬの?……あ。それとも触手と戯れるのが好きなのかしら?」
「んなわけあるかぁぁぁぁぁっ!!!」
そして、再び大きく予備動作を取って、今度こそとどめの一撃を振るう。
258
:
リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/19(水) 00:11:06 ID:lUHZcidA
>>246
「了解です、少佐。助かります」
「…………」
「個々の兵員を一つの駒として無慈悲かつ無造作に扱う」というマデリーンの言葉に姫は少し眉根を寄せたが、
リリーは相変わらずの無表情で一礼しつつ、マデリーンに謝した。
レミーが予備のオペレーター席に着き、マデリーンがCICへ向かうためにブリッジを退出するや否や、
姫はガチガチに固まっていた敬礼の体勢を解いて、ため息をついた。
「厳しそうな人でしたね……。人を駒として扱うだなんて」
「反感を覚えますか?」
「いえ、私も以前の職場を考えると、人のことはあんまり言えた立場ではありませんから……。
でもやっぱり、言葉にして言われると……こう、普通にくるものがありますね」
「仕方がないですよ。連邦軍という軍事組織は私達だけでまわっているわけではありませんからね。
戦場という、リアルタイムで状況の進行する場所での、素早い数字のやりとりというものも必要です。
そういう意味では、少佐の助言は勉強になると思いますよ」
「そうですね……できることなら、そんな状況、来ない方が良いんですけど……」
もう一度、さきほどより深いため息をついて艦長席に戻る姫。
その隣に移動しながら、リリーは「やはりこの人は戦艦の艦長には向いてなさそうだ」と思った。
259
:
アカリ&リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/19(水) 00:33:10 ID:lUHZcidA
>>255
そうこうしているうちに、甲斐はレイナ達が戦っている後方、少し離れた場所にまでやってきていた。
甲斐の甲板に設置された艦砲類は未だ、プトレマイオス基地で暴れる敵の軍勢を射程内に捉えてはいなかったが、
ただ一つの例外が、この艦の艦首には装備されていた。
「プトレマイオス基地の状況はどうなっていますか?」
「はい、基地上空から突如現れた敵部隊によって、基地に駐屯していた戦力はほぼ壊滅。基地施設も同様です。
辛うじて生き残った残存兵力が各方面から救援に来た味方部隊の援護を受けつつ離脱していますが、
敵機の耐久力が尋常ではなく、総じて苦戦を強いられている模様です。
また、未確認情報ではありますが、大型の指揮官機らしき機体も目撃されているとのことです」
「わかりました。まずは、勝ち馬に乗っている敵の気勢を削ぎます。
ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノン、砲撃準備」
「了解。艦首バスターキャノンモジュール、展開開始」
それこそ、甲斐の武装のうちで最大の火力を誇る兵器「ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノン」であった。
ゆっくりと両開きになった艦首からせり出してきた、灰色に鈍く輝く巨大なバスターキャノンの口径は4300サンチ。
流麗な曲線を描いていた甲斐の艦首を割って出てきたその脅威の兵器は、生物の腹を破って出てきた寄生生物のような不気味さを発しているようにも見える。
「目標、基地上空の敵軍中央。敵のどでっ腹に大穴を開けます」
「了解。機関停止、取り舵20。トリム角プラス17度」
「軸線まであと3……2……1……重力アンカー作動。軸線固定」
「そのままシークエンスを続行。クレマチ伍長、射線上に友軍は存在していますか?」
こちらのレーダーでは、救援に来ている部隊以外に射線上に存在している友軍は見あたらない。
それでも念を入れて、高々度を飛行しつつ先行していたアカリに目視での確認をとってもらったリリーではあったが、
『いえ……残念ながら、こちらから確認できる友軍は救援部隊以外は目視できません。
まるでピザにたかるハエの群れみたいに、敵部隊が夥しく蠢いているだけです』
アカリから返ってきたのは、絶望的な報告であった。
報告に対して了解の意を伝えたリリーは、次いで全ての友軍に対して通信回線を開くようにオペレーターに指示する。
「タイガー1よりプトレマイオス基地周辺に展開する全友軍へ。これより本艦は艦首ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンを砲撃し、
敵軍の中央を抜きます。三次元レーダーに赤く示された射線には決して入らないよう、お願いします。繰り返します。これより本艦は……」
「タイガー1」は連邦軍における甲斐のコールサインである。
それを示す通信ウィンドウと共に、各機のモニター端にプトレマイオス基地を中心とした三次元レーダーが表示され、
そこにプトレマイオス基地上空を横断するような形で現れた極太の赤い円筒が点滅した。
その中に入っている機体のコクピットではアラートが鳴っていることだろう。
260
:
アカリ&リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/19(水) 00:34:18 ID:lUHZcidA
>>259
続き
「基本維持機能以外の電力を補助電源に切り替えます」
バスターキャノンに電力をまわすために基幹機能を司る部署以外の電力が補助電源に切り替わり、ブリッジも赤く発光する補助照明に切り替わった。
それに姫が微かに悲鳴を上げて驚く。
「光子チューブチャンバー正常稼働。重力加速器、フィールドジェネレーター、共に正常」
「陽電子チャンバー内加圧正常。電磁ライフリング、回転開始」
「エネルギー充填率100%超過。110、111、112、113……」
「全艦、対閃光シェード展開。総員、対衝撃姿勢」
ブリッジの艦橋窓に黒い半透明のシェードが展開され、外の様子があまり見えなくなる。
リリーは副長席に戻ってシートベルトを締め、姫もベルトを締めた上に艦長席のアームレストを強く掴む。
「最終安全装置解除。……艦長、号令は艦長の仕事ですよ」
「えっ? わ……わかりました、少尉。任せて下さい」
まさかこちらに振られるとは思っていなかった姫は、突如降りかかった号令という仕事に面食らったが、すぐに緊張した顔になってそれを了承した。
「充填率、117、118……119…………120%です!」
「発射10秒前。8、7、6、5……」
リリーのカウント読み上げが5に来た時点で、姫は無意識にごくりと喉を鳴らした。
「3、2、1」
「ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノン、てぇーっ!!」
姫の号令と共に、バスターキャノンのトリガーは引かれた。
まず、せり出した砲身の根本から白く煌々と輝く極太の光が放出し、レイナ達が戦っている敵部隊の後方にいた敵機を多数飲み込む。
この光の内部はがらんどうであり、これ自体には特に高い攻撃力は無い。
その正体は高光圧の光で構成された光子チューブであり、中に飲み込まれた機体は脱出しようとしても、その光の内壁に強い反発を受けて中から出ることはできない。
もっとも、そういった行動を咄嗟にとれるほど、時間的に余裕があるわけでは、もちろん無かった。
何故なら、光子チューブの形成からコンマ一秒と経たずにバスターキャノンの砲口から真っ赤な光の奔流が発射され、チューブ内のものを全て飲み込んだからだ。
この赤い光こそバスターキャノンの高い攻撃力を表すもので、その正体は電磁加速により亜光速にまで速度を高めた陽電子ビームである。
重力場の影響を受けたり、発射後の拡散率が高いことで有名な陽電子ビームは兵器としてはあまり有用なものではなかったが、
ビームが物質に衝突する際の対消滅反応に耐えられる装甲は皆無であることから、どうにかしてその攻撃力を活かそうと、多くの研究機関がビームの問題を解決せんとしていた。
そんな中、武田菱の開発したハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンは発射の際にビームの進路をあらかじめ高光圧の光子チューブで囲むことで、
重力場の影響はまだ受けるものの、拡散による減衰の問題をほぼ解決することに成功していた。
この赤い、死の光は、白い光の導き手に連れられて、その道中にある物質を原子レベルで破壊しながら、亜光速で戦場を駆け抜けた。
261
:
ラウディ他
◆E8ckRIIdug
:2012/09/19(水) 06:30:48 ID:VB1Q.bzY
>>258
自分が退出した後の会話が聞こえるはずは無いが、少佐には大体の検討はついていた。
そしてそれは中尉の想定の範囲内だった。
少佐がCICに入ると、事前の指示に沿ってラウディがセットアップの手順を進めていた。
座席のヘッドレストやコンソールのキーボードを交換、月孫衛星軌道上の電子戦艦カックラキンと直通回線を開くと、大量のファイルが流し込まれる。
乗り移るために借りて着ていたパイロットスーツを上半分脱いだ少佐にシートを引き渡すと、ラウディは自機にとって返した。
>>259-260
幾つものソフトウェアを更新或いはインストールしつつ、戦況を確認。
「……ハイパーロングレンジフォトンキャノン、ね……」
呟くと、アップデート作業を一時中断。
目を保護するゴーグルをかけ、ヘッドレストから延びた光ファイバーケーブルをうなじのジャックにつないで没入(ジャックイン)。
クレマチ伍長機やクーリマン軍曹機、カックラキンからのデータを重ねてブリッジに送ると少佐の初仕事は一段落する。
対ショック防御のため復帰(フリップ)すると、わずかに笑みを浮かべた。
262
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/19(水) 18:39:12 ID:Dweys69c
>>254
~257
モニターにはゲシュペンストがバランスを取った事を示したこととグリップを掴む振動を確認した後にグリップを引き更にスロットルを大きく上げるとエクセリオンは上昇しつつ正面にブレイクフィールドを示す障壁が展開される
>「上をそのまま通過してくれ、飛び降りる!」
「任せろ!」
戦場を超音速で駆けるレオンとヒツギ
視界を流れる景色
レイナ達の姿を黙視するにはそう時間は掛からなかった
不意にファルゼンの周囲に複数の砂煙柱が立つ
エクセリオンの機首部分のマシンキャノンが火を噴いていた
「…流石は姫。騎兵隊の到着より先に決していたとは
いや、すまない。もう少し急ぐべきだったな」
【レオン、ヒツギ、レイナ達と合流】
>>260
――――その頃、味方援軍
焼き払われた各施設、人型の機動兵器、その残骸となる筈の物体から蠢く異形…
編隊を組んでファルゼン一機に上空から波状攻撃を仕掛ける機影達の姿
レギンレイヴ1「各機、戦況を報告せよ」
フリスト1「我が隊及びヒルド、スケグル隊は健在。しかし敵の数が思いの外減らない」
ゲル1「こちらゲル1。生存者の確保に成功。戦域を離脱する」
戦況は芳しくないものの救出には成果があった様だ
>「タイガー1よりプトレマイオス基地周辺に展開する全友軍へ。――
レギンレイヴ1「例の新造艦か…まぁいい。お手並み拝見とさせて貰おう」
砲撃通過予測エリアより速やかに、鮮やかに離れる味方援軍
>――てぇーっ!!」
号令の後、一切の間を感じさせずに該当エリアに光の柱が横たわり問答無用で射線上の物体を飲み込んでいく
レギンレイヴ1「…確か日本の軍需企業の開発のはずだろう…まるでEOTではないか…」
263
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/19(水) 19:05:46 ID:Gen2Vhow
>>256
>>262
レイナと焔姫のいるポイントへと合わせ、エクセリオンから手を離し重力に任せての自由落下を行う
月の大地へと着地すると、踏みつけられた白い砂が高く宙に舞った
「レイナ!大丈夫・・・だったみたいだな」
急いで駆けつけてきたはいいが、すでに粗方片付けた後のようだ。
どうやらこちらが助けた黄色と青の機体よりも、赤の機体は戦闘力が高かったらしい
「とりあえず青と黄色は既に回収部隊と合流してる、後は基地のクリアリングだけだ」
チャンネルを開いて現在の作戦状況を口頭で伝える
「ただ気になるんだけど、こんなやつらが基地を集団で攻撃するなんて思えない。
統率の具合からして多分指揮官がいる気がするんだが・・・」
先ほど相手をしたファルゼンからは意思といったものは感じられなかった。
さらに今まではクラウンやシャドウストライカーのような明らかに一線を画す機体が現れていたが、その姿も見えない
となればまだどこかに敵が潜んでいる可能性がある・・・と考えているようだ
>>260
「うおっ!?」
月の白さすら覆ってしまうほどの閃光が上空を走った。
それは甲斐から発射されたバスターキャノンの軌跡、基地が既に壊滅状態ならば躊躇する理由もないということだろう
「こいつは・・・とんでもないな」
焼き払うという言葉が相応しい一撃が大地を飲み込んでゆく
その様をヒツギはカメラ越しに見つめていた
264
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/19(水) 19:23:35 ID:N7v79jn6
>>260
甲斐の主砲ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンの破壊エネルギーにより、密集していた触手ゾンビ達は全て飲み込まれて行く。
こんなものを食らえば確実に再生する為の破片すら残さず消滅させるだろう。
「すごいな。遠目で見てても目がおかしくなりそうな程の光だわ。
しかし、発射シーケンスがかなり気合入っていたけれど、毎回あの緊迫感が保つかしら?簡略化すれば良いのにね」
ハンカチ(律儀)で目をごしごしと拭い、メタ視点的な何とも反応しがたい発言をするレイナであった。
>>262
>>263
【「…流石は姫。騎兵隊の到着より先に決していたとは
いや、すまない。もう少し急ぐべきだったな」】
【「レイナ!大丈夫・・・だったみたいだな」】
二人が駆け付けた時には、もう窮地を脱し腕を組んで偉そうに君臨しているアイゼルネ・ブルートの姿が有った。
「いや、こちらこそ苦労をかけた。あの赤い突撃姫が割と頑張ってくれたから。
それに……っ。アイゼルネもこんな柔な攻撃じゃ何とも無いわ」
アイゼルネのコクピット内。レイナはその指先を側にある奇妙な器機に接続する。
マシンセルを活性化させる装置の様だ。
「さぁアイゼルネ。思い出してごらんなさい。お前は元々どんな姿だったのか?」
電流に焼かれ、触手に破損させられていた筈のアイゼルネ・ブルートの深紅の装甲は、
元有る形に戻ろうとみるみる内に再生してしまった。
……しかし、その際にレイナが浮かべた一瞬の苦悶の表情の意味はまだ誰も知る余地は無かった。
【アイゼルネ・ブルートのHP回復:残りHP100%】
【「とりあえず青と黄色は既に回収部隊と合流してる、後は基地のクリアリングだけだ」「ただ気になるんだけど、こんなやつらが基地を集団で攻撃するなんて思えない。
統率の具合からして多分指揮官がいる気がするんだが・・・」】
その指揮官機こそが……ヒツギを殺す最悪の相手なのだ。どうかその事に気付いてくれ。
とレイナは懇願した。
「…ヒツギ。実はそのゲシュペンストには欠陥が有るのが判明したのだよ。
先程は急だったから仕方が無かったが、後はもう良い。君は甲斐へ戻ってくれ?」
そう淡白に告げるレイナ。
ゲシュペンストの不調を理由に出した。
もちろんゲシュペンストの出来は完璧。非の打ち所など無い。
しかし……そうまでして戦わせたく無い。死なせたく無いのだ。
今回の相手は今までとは訳が違うのだ。
265
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/19(水) 19:54:24 ID:9G.nzZuE
>>260
「おー、すさまじいな。」
その威力に唖然していた。
「あれに、巻き込まれた奴ら乙だな。」
だが、あまり戦況が、よく解らない。
「とりあえず、合流するか。」
足早に、レオンたちと合流する。
【合流完了】
>>262
そこでは、レイナ嬢が、半ば強引な嘘で、ヒツギを返そうとしていた。
まぁ、すこし手伝おうと思い。
「ヒツギ、ここはレイナ嬢の言うこと聞いとけ、ほら赤がまだだろ。」
「逸機だけ、破壊されて、残念というのは、頂けないからな。一緒に回収場所まで行ってこい。」
そう、諭す。
【その隊長機を戻ってくるまでに潰せばいいんだ。】
266
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/19(水) 20:58:55 ID:faCXu6tk
>>257
マヤの怒りや恨みや憤りや、その他諸々を乗せた斬撃が、今度こそ完全にファルゼンの機体を断ち切った。
【ファルゼンE撃破】
>>259
その直後に瞬く、ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンの閃光。
遥か遠方にまで伸長した光子チューブの内を、極大のエネルギーを孕んだ赤い奔流が駆け巡るや、
後方に居並んでいたファルゼンの群れを飲み込み、消し炭の一片すら残さずに蒸発させていった。
【F~Jを含むマップ上のファルゼン全滅】
閃光が消え入ると、辺りはただ瓦礫に埋め尽くされた、静謐とした姿を取り戻した。
陽電子の灼熱が残した、黒々とした轍の左右に広がるのは、敵味方を問わぬ夥しい残骸の山である。
その寂寥とした光景は、さながら戦いの終わりを告げるかのような苦い後味に満ちていた。
しかし、それで終わりではなかった。
甲斐のブリッジは――あるいは、レーダー有効半径の広い機体の搭乗者は、その異変に気付いただろうか。
西方に展開していた救助部隊の識別信号が、外周部から次々に消失していく。
その模様は、何か途哲もない速度を持ったものが、友軍を蹴散らしながら甲斐に迫りつつあることを意味していた。
まだ戦いは終わりではない。
何かが、来る。
267
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/19(水) 21:44:33 ID:Gen2Vhow
>>264
>>265
>「さぁアイゼルネ。思い出してごらんなさい。お前は元々どんな姿だったのか?」
傷ついていた機体が見る見るうちの元の姿を取り戻していく
マシンセルによる回復能力、損傷を受けてもマシンセルが自己増殖するというものだ
>「…ヒツギ。実はそのゲシュペンストには欠陥が有るのが判明したのだよ。
>先程は急だったから仕方が無かったが、後はもう良い。君は甲斐へ戻ってくれ?」
>「ヒツギ、ここはレイナ嬢の言うこと聞いとけ、ほら赤がまだだろ。」
>「逸機だけ、破壊されて、残念というのは、頂けないからな。一緒に回収場所まで行ってこい。」
「何言ってんだよ、こいつはほぼ素のゲシュペンストの上にお手本として本物のSタイプまであるんだぜ?
そこのアルブレードみたいのならまだしも、武器もこのブレードが追加されただけだし模擬戦でも問題なく動作していた」
そう、ヒツギのゲシュペンストはほぼ素のゲシュペンストととなんら変わらない。
Sタイプに変更するためのジェネレーターと武装の追加技術も失敗する可能性は限りなくゼロだ
S/B特有の高周波ブレードの追加に至っては難しい部分は何一つ存在していない・・・
さすがのヒツギでもそれを信じろというのは無理な話である
「いったいどうしたんだよ、突然」
268
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/19(水) 23:51:08 ID:N7v79jn6
>>267
【「何言ってんだよ、こいつはほぼ素のゲシュペンストの上にお手本として本物のSタイプまであるんだぜ?
そこのアルブレードみたいのならまだしも、武器もこのブレードが追加されただけだし模擬戦でも問題なく動作していた」】
「……ぅ。聞き分けが無いわね?私が欠陥が有ると言えば有るのよ」
いつもの様な無茶苦茶な暴論も
今に限ってはただの薄っぺらいワガママにしか聞こえない。
いっそ本当の事を言ってしまおうか?
その上で死を回避する手段を……。
「……言うことを聞きなさい」
いや、無理だ。あのヴィジョンはそんな抵抗を問題にすらしない強固な未来。
小細工。無駄。そんなものは既に何十通りも思案している。
もしや、ヒツギが前線に出る事までも何物にも止められない絶対の未来なのかも知れない。
(……駄目なのよ。行かないで!)
ならレイナが何を言おうが……正義感の塊の様な彼を止められる訳が無い。
心の中で叫ぶ。
【「いったいどうしたんだよ、突然」】
「……っ。五月蝿いのよ!ヒツギ。大人しく私に従いなさい。
…………さもなくば!」
私の心の内も知らないで!と余裕が全く感じられない
いつもとは全然違う苛ついた様子でヒツギの事を怒鳴ってしまう。
そしてそんなレイナが次に紡ぐのは絶対に口にしてはいけない言葉。
「…消えてくれ。君とは契約解除だ。二度と私とは関わるな」
口にしたのは離別或いは拒絶の言葉。
普通の物語のヒロインなら泣きながら震えながらに口に出し、
本当は離別を惜しんでいるのだな。と思わせる展開だが……。
根っからの演技派であるレイナは、そんな女々しい内情を絶対に悟らせない。
いつもの強気な口調に冷淡さをプラスした酷い台詞を残した。
ヒツギはそろそろレイナに怒りをぶつけても許されるだろう。
むしろこんな馬鹿な主を糾弾して欲しいとさえ思っていた
269
:
ラウディ他
◆E8ckRIIdug
:2012/09/20(木) 00:07:00 ID:0VTF0EGE
>>266
「さすがはMAP-W級ね」
『後は、生存者を収容するだけですか』
ブリッジのレミー中尉と直援のラウディ軍曹はもう終わったような口をきく。
だが、上空のカックラキンからの観測データを受け取ったマデリーン少佐が警告を発した。
『各員!九時方向に敵性反応!
次々に友軍が攻撃されている……ラウディ、目視出来るか!?』
『えっ、ちょっと待って下さい、高度をとり……』
>>264-265
『……レイナ嬢?ハヤミ一等兵も無闇に同調しないで……何を言っているの?』
念動力者と予知能力者が何か言っている、その事を少佐は気が付いた……その意味までは分からないが。
>>268
「……ヒツギ君、何やったの?」
いや、そっちじゃないんです、中尉。だから“意地悪なクラス委員長”みたいな口調されても……
270
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/20(木) 00:55:23 ID:JRcHjc9A
>>268
なにやらレイナの様子がおかしい・・・彼女は確かに我侭なところもあるが決して不条理ではない
>「……ぅ。聞き分けが無いわね?私が欠陥が有ると言えば有るのよ」
>「……言うことを聞きなさい」
「機体がどうとか、そんな嘘は戦場でするような事じゃ無いだろ
聞き分けも何もそんなのにどうやって従えって言うんだよ」
機体に不備があるなんて嘘は部隊全体に関わってくる話だ、悪戯で言うようなことではない・・・のはヒツギも分かっている
>「……っ。五月蝿いのよ!ヒツギ。大人しく私に従いなさい。
「はぁ?さっきから言ってることが滅茶苦茶だ!
まるで意味が分からないし、それじゃ従いようが無いじゃないか!」
さっきから何か煮え切らない
今までのレイナだったら敵がさらに現れるというのなら最初からそう伝えてきていたし
誰かを助けろというのならば朧げでもその理由を話したものだ。
だが相手の口調が荒い事もあってか、ついついヒツギの語尾も強くなってしまう
>…………さもなくば!」
>「…消えてくれ。君とは契約解除だ。二度と私とは関わるな」
「なっ・・・!!」
お互いにだんだんとヒートアップしてきていたとは言えまさかそんな言葉が飛び出してくるとは思わなかったはずだ。
契約解除・・・言うなれば絶交、それほどまでのカードを切る理由すらヒツギには分からないだろう
「・・・それでも従えない、俺たちは救援部隊としてここにいるんだ」
苦虫を噛み潰したかのような表情で、内なる感情を殺しながらあくまで冷静に返す
たとえこれだけのことを言う理由があったとしても、助けを求めているものに手を差し伸べないわけにはいかない
ここ
「従えるんだったら、俺は最初から戦場にいない」
そういう性格なのだ、ヒツギ・ハヤセは
271
:
リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/20(木) 11:13:11 ID:waje.t2I
>>266
戦場を横断し、全てを破壊し尽くした死神の如きバスターキャノンは数十秒の蹂躙の後、
白と赤の光の粒子を残して徐々に細くなって消えていった。
「バスターキャノン照射終了。照準内に捉えていた敵機は全て消滅した模様」
「冷却剤注入、放熱板を全て展開。次の掃射に備えて下さい。今の砲撃を見て、敵がこちらに殺到してきますよ」
「了解」
両開きになった艦首装甲の根本から赤熱した長大な放熱板が片側三つずつ、計六本展開し、
続いて円筒形のバスターキャノン砲身から、白い蒸気が勢いよく吹き出す。
「バスターキャノンモジュール冷却中。安全温度までは100セコンドを予定」
「安全温度に到達次第、次の掃射の準備を。索敵システム、敵の様子はどうですか?」
「はい。バスターキャノン第一射を受けて、敵の動きは掃射前と比べて縮小しつつありますが……」
索敵オペレーターの歯切れが悪い。
「が、どうしました?」
「基地西側の友軍の反応が、次々と途絶えていっています。
レーダーの反応によると、それはただ一機の敵機によって引き起こされているようでして……」
「単機で……?」
「ええ。特機並みのスケールを持つ機体のようですが、速度が異常です。
友軍の反応の消え方と、レーダーの反応から、こちらに向かっているのは確実ではないかと」
「どういう立場の敵かは知りませんが、厄介な敵に変わりはなさそうです。
CIWS起動、両舷ミサイルランチャーにティンダロス2を装填。前部主砲にはX−2SAP弾を込めておいて下さい。
対空監視は厳にお願いします。敵はその一機だけではありません。ここからが本番です」
敵に「特機」というカテゴリが存在するかどうかは不明だが、他の敵機のスケール差から言って、特別な機体であることはまず疑いようもない。
それだけの大型機を止められるマシン・スペックを持つであろう機体は、残念ながら今の甲斐の部隊には存在していない。
であれば、密度の濃い弾幕によって敵を足止めし、高火力の艦砲類で仕留めるのがベターなところだろう。
…………最も、艦砲が効く相手かどうかは別問題であるが。
272
:
リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/20(木) 11:14:17 ID:waje.t2I
>>268
,
>>270
迫り来る敵の「特機」に対して臨戦態勢を整えさせたリリーの袖を、艦長席に座っている姫が小さく引っ張った。
声に出さないところを見ると、やや内密な話のようだ。リリーは黙って姫に近づき、耳打ちができる位置につく。
「……すみません、少尉。でもちょっと、様子がおかしくて」
「様子がおかしいとはどういうことですか? 確かに敵の様子は少しおかしいですが」
「いえ、そっちではなくてですね。カーマインさんとハヤセ少尉のことなんですよ」
「あの二人が何か?」
「それがどうも、本気と書いてマジと読むくらいの、険悪な口喧嘩をしているようでして……」
普段のあの二人の様子からして、にわかには信じがたい話ではあるが、ヘッドセットのチューニングを合わせてみると、
姫の言うとおり、このまま仲違いしてしまいそうな勢いの口喧嘩だ。
「これは一体何がどうしてこんなことになったんですか?」
「わかりません。急にカーマインさんがハヤセ少尉に、甲斐への帰投を……その、「本当に命令する」ような形で命じたみたいで……。
それにハヤセ少尉が反発して、こんなことに」
「カーマインさんには、眉唾な話ではありますが、どうも「予知」の力があるようですから、多分それの関係でそんなことを言ったのでしょう。
しかし、それに慣れっこのはずのハヤセ少尉がこんなに反発するということは、大した説明が彼女から為されなかったのでは?」
「その通りです。「いいから黙って言うことを聞け」って感じの、有無を言わせない命令でした」
「なるほど……」
顎に手を当てて、リリーは考え込む。
リリーが「眉唾物」と評したレイナの予知能力が存在していると仮定した上での話だが、
普段は余裕たっぷりのレイナがそのキャラを捨てる勢いで、あそこまで強くヒツギに命じているとなれば、十中八九その予知の内容はヒツギに関係しており、
更に言うのであれば、酷く悪い部類の予知内容だったのだろう。
レイナがただの狼少年で終われば、それは質の悪い冗談で済むが、もしそうでないのなら……?
「………………」
考え込んでいたリリーは何かを決めたような頷きをして、
「艦長、私はお花摘みに行ってきますので、少しここをお願いします」
「えっ?」
はい、とも、いいえ、とも姫が言わないうちにリリーはブリッジから出ていく。
ブリッジを出たリリーは小走りで艦橋を貫く吹き抜けの階段を挟んだ反対側の壁に移動し、きょろきょろと周囲を確認してから、そこに手をつく。
「…………誰にも見られていませんように」
そう呟いてから、リリーはそっと目を閉じる。
直後、甲斐の通信アレイの一部機能が内部からの密かなハッキングを受けて乗っ取られた。
乗っ取られた通信機能はまず、甲斐の上空を飛んでいるアカリのビルトラプターに通信を飛ばした。
秘匿回線に乗せられて送られたその通信波には、数行のテキストメッセージが添付されているのみ。
そして乗っ取られたアレイはもう一通、秘匿回線による通信を飛ばした。
宛先はレイナ。やはり短い電文が、アイゼルネに届いているはずだ。
そこには簡潔に、「上を。クレマチ伍長を保険として送ります。私にできることはこれが精一杯です。リリー」と書いてあるだけ。
電文に従って上を見れば、旋回しながら緩やかに高度を下げているアカリのビルトラプターが見えるはずだ。
「…………よし。あとは……彼女次第です」
目的を達成したリリーは速やかに通信機能を正常に戻し、壁から手を離した。
早足でブリッジに戻ると、怪訝そうな表情の姫がこちらを見ている。まあ無理もない……そう思ったリリーはお腹をさすって、
「すみません、昨夜の無理が祟りました。やはりビールを水と同じ感覚で飲んではいけませんね」
「えっ? 少尉ってまだ……未成年ですよね?」
しまった。このジョークは失敗だった。
273
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/20(木) 11:42:51 ID:Xn7W2fZo
その時、各機のコックピット内にアラートが鳴り響き、新たな敵影の接近を告げた。
始めに視認されたものは、緑色の燐光。
翼のようなV字型に広がったそれが、地平の彼方に煌めいたのも束の間、
直後には各機のモニタ上に、燐光の基部たる巨大な双翼がありありと映っていた。
闇に溶け入るような蒼紫色をした、翼長50mの猛禽の如き巨大戦闘機。
一同を目前に捉えるや、その姿は瞬転。
四肢を備えた人型となって、虚空に静止する。
「……成程。今の砲撃を行ったのは、その艦というわけか」
オープンチャンネルを介して聞こえてくるのは、怜悧な色を帯びた男の声だった。
赤いツインアイが、見る者を射抜くような鋭い光を湛えて、甲斐とその前方に展開する者達を睨み据える。
【敵増援出現】
274
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/20(木) 12:20:56 ID:wPKz9e8I
>>270
【「機体がどうとか、そんな嘘は戦場でするような事じゃ無いだろ
聞き分けも何もそんなのにどうやって従えって言うんだよ」
「はぁ?さっきから言ってることが滅茶苦茶だ!
まるで意味が分からないし、それじゃ従いようが無いじゃないか!」】
ヒツギの言う事はもっともだ。
彼は何もおかしく無い。
悪いのは全てレイナだ。
そうなれば言い返されて当然。と自分自身でもそれは理解している。
だが、何故?心がこんなにもキリキリ痛むのだろうか?
ヒツギに否定される度に何故こんなにも痛くて切ない思いをしなければならない?
何とも今のレイナの心情は説明し難い。
【「・・・それでも従えない、俺たちは救援部隊としてここにいるんだ」】
「!!!……ああ、そうか。そうだな。君ならやはりそう言うと思っていたよ。
……私には見えていたさ」
あれだけ言った以上、プライドの高いレイナはもう後には退けない。
もし……万が一。説得出来るかも知れないとの甘い期待を持っていたが
意地悪く絆を盾にしてでも、彼を止めようとしたが、それでもヒツギはレイナを選ばなかった。
戦って皆を護る道を選んだのだ。
そもそももし正直に彼の死を宣告していたとしても
どの道、勇敢な彼は逃げなかっただろう。
「ここで契約は破棄だ。さらばだヒツギ」
アイゼルネはヒツギやレオン、突撃姫。ついでにユウセイ一等兵にもう一目もくれずに背を向け、その禍々しい悪魔の羽を広げて単機で飛び発った。
……しかし、どうしても割り切る事が出来なかったレイナは
恥を忍んでレオンハルトへのプライベートの回線を繋ぎ、遂に懇願する。
唯一、真実を打ち明けると決心したのはやはり強くて頼り甲斐のあるお兄ちゃんだった様だ。
「お願い……お願い。彼を……ヒツギをたすけて……。
……何度も何度も見えているの。……彼の死のヴィジョンが……
……でも、私は彼を止められ無かった」
それこそ、いきなりの泣きそうになりながらの必死の頼みだった。
そこにいつもの尊大さは全く無い。ただただ等身大の少女の姿が有った。
こんな姿、誰にも見せて良いものでは無い
【アイゼルネ・ブルート:単独行動へ】
>>272
【「上を。クレマチ伍長を保険として送ります。私にできることはこれが精一杯です。リリー」】
その胡散臭いメッセージに従い、視点を上に持って行くと
ビルトラプターが確かにそこに居た。
「アカリ……また手伝ってくれるの?……フフッ。私とは違いお節介好きな娘だな、本当に。
なら突撃ばかりするうちの格闘機達をスナイピングで的確に援護してやってくれ。
私には出来ないからさ」
自身の半身と呼ぶ程に重宝しているアカリの登場に、少しレイナの気負いは減った様な気がする。
しかし、全てを手配したリリー少尉には心の内を見透かされている様でそちらに帰ったら覚えていろよ。と大人げ無い感想を胸に秘めた。
ちなみに、突撃ばかりの馬鹿共とは遠回しにユウセイ一等兵や赤い突撃娘の事を言っているのだろう事は間違い無い。
>>273
「甲斐!あいつの狙いはバスターキャノンでしょ。潰されるわよ!?
その艦首モジュールをパージでもして誘爆による被害を減らしなさい」
敵の狙いを理解したレイナは怒鳴り散らすかの様な声で武田艦長とリリー少尉のブリッジへと回線を繋ぐ。
275
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/20(木) 18:40:54 ID:Xn7W2fZo
「その巨砲……連射の効くような代物かは知らないが、そう何発も撃たれては少々面倒だ」
蒼い甲冑に身を包んだ騎士のような機体の右腕に携えられているのは、束の両端から緑のエネルギー光を錐状に噴出させている、恐らくは双頭のビームランス。
その矛先が、甲斐の艦首にて蒸気を上げているハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンへと、真正面から向けられた。
そして、蒼い機体の前面に、おもむろに光の輪が広がる。
魔法陣のように複雑な幾何学紋様を抱えたその円に向けて、槍を握る右腕が引き絞られた。
「悪いが、ここで潰させてもらう」
勢いよく円陣に突き込まれるエネルギーの刄。
その直後、円陣は荒れ狂う嵐へと姿を変えた。
水平に吹く竜巻の如く、緑色に輝く渦は凄まじい熱と衝撃を巨大な螺旋に巻きながら、
立ち塞ぐもの全てを呑み込み、怒濤の勢いで甲斐の艦首へと迫り行く。
【シュペルター・ストームで甲斐を攻撃】
276
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/20(木) 20:09:48 ID:hmQPANXE
甲斐からの砲撃で粗方は掃討され各種レーダーには敵性の反応はない
(なんだ?この、ざわつくイヤな感じは…)
何故か警戒をやめる気にはなれない
そんな様子を余所に月面ではレイナに対してヒツギが抗弁をするという
ある種の異常事態が起きていた
いや、この場合レイナがユウセイ張りの虚言でもってのたまい、挙げ句、離別を駆け引きに使うと言う。ある意味レイナらしからぬ行動
予知を考慮するならば、それだけ必死になる【なにか】がヒツギに起こり得ると言うこと
口論が更に加熱する。流石に止めるべきか
>>270
「ヒツギちょっと」
そう言いかけた矢先にアイゼルネ・ブルートが飛び出していた
追いかけるべく機首を回す最中にプライベート回線でレイナの通信が飛び込む
>>274
「お願い……お願い。彼を……ヒツギをたすけて……。
……何度も何度も見えているの。……彼の死のヴィジョンが……
……でも、私は彼を止められ無かった」
普段のレイナからは想像だに出来ない姿に正直圧倒されてしまった
しかし、これこそが彼女のメンタルの裏打ちであり、本質であると痛感する
「…任せろ。しかし…!」
>>273
言葉を続けようとした矢先巨大なV字の燐光を目の当たりにする
「……何時の間に!?」
レイナが視たモノと関係があるのは間違いない
飛び出していった方角はズバリだ
しかしレイナで無くとも判る、あれは危険だ
「止めろ!退がるんだ!!」
>>275
そんな叫びを斬り裂くが如く
灼眼尾を引く蒼鬼の衝き出す緑の渦が遮る
その切っ先が向かう先は…甲斐
277
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/20(木) 21:13:24 ID:JRcHjc9A
>>274
>アイゼルネはヒツギやレオン、突撃姫。ついでにユウセイ一等兵にもう一目もくれずに背を向け、その禍々しい悪魔の羽を広げて単機で飛び発った。
「レイナ・・・」
アイゼルネの翼を携えた背中を見送るゲシュペンスト
その手は今にも血がにじみ出そうなほど硬く握りこまれている、それは搭乗者であるヒツギも同様だ
>>276
>「ヒツギちょっと」
「・・・どうした、レオン」
レオンからの通信に対し返答するヒツギ、何の話かはすぐに察しが着いた
憎さや悔しさ、怒りと後悔がその胸中で捩れ合う。
そのどれもが他者ではなく、自分へと向けられたものであった
彼女がそれだけのことを言う理由があったのだろうにも関わらずそれを蹴った自らへの怒り
(クソッ、俺のほうがずっと我侭じゃないか・・・!!)
>>273
>>275
互いに言葉を伝えようとした瞬間、空から光が降りてくる
翼を携えたそれは見る見るうちに四肢を持つ人型へと形を変えたではないか
「しまった!後ろに回られてたのか!!」
そのタイミングの悪さにかみ締める歯に力がこもる
ターゲットは・・・甲斐、先ほどのバスターキャノンの威力を視てそれを脅威として認識したからであろう。
だがバスターキャノン以前に艦を落とされては危険だ
「レオン、話は後だ!今は甲斐の元に向かうべきだ!!」
278
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/20(木) 21:33:03 ID:AgbqJ.LY
>>274
「レイナ嬢。」
なにか、覚悟を持った。感じだった。
>>267
ヒツギに連絡を入れる。
「ヒツギ、ここからは、俺の推測だが。」
「レイナ嬢は、お前の死を阻止しようと、動いたんだと思う。」
「それを、解ってあげ………なんだあれ?」
>>266
それは、暴風、荒れ狂う暴風
「後で、ちゃんと本人から聞いとけ。まずは、甲斐を救う。」
レオンたちに、続く。
279
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/20(木) 21:35:37 ID:AgbqJ.LY
ミス
×
>>266
○
>>265
280
:
ラウディ他
◆E8ckRIIdug
:2012/09/20(木) 22:36:16 ID:0VTF0EGE
>>272
密かに行われた“それ”を、少佐は気が付かずにいた。どちらがよりこの艦を掌握あるいは把握しているかの差である。
>>273
『な……!?』
軍曹が絶句する。
カックラキンより最初の観測データが届く。
>>ヒツギ&レイナ
「はいはいはい、痴話喧嘩はその辺で」
『後、ハヤミ一等兵も無闇にクチバシ突っ込まない』
中尉と少佐で宥めに入った。
281
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/20(木) 22:51:23 ID:AgbqJ.LY
>>280
【だって、分かっちゃうんだもん】
と言うのを、必死でこらえ。
「了解しました。あと、ヒツギ無闇に突っ込んだり、変なことしか言えなくてごめん。」
謝る。しかも結構真剣に。
【ああ、もう。俺はいつもこうだ。アホ突撃癖何とかしないとなぁ……】
異常な後悔。
「つーか、中尉、大丈夫何ですか?そんなに、やんわりと仲裁してて。」
この、最中勝手に動くとまずい。なら
「レオン中尉、俺は、甲斐のサポートに入ろうと思います。指令室行くか、メインエンジン行くか、指示を」
レオン中尉に指示を仰ぐ
282
:
アカリ&リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/20(木) 23:50:05 ID:waje.t2I
>>274
「カーマインさんとハヤセ少尉、そして敵の動向に細心の注意を払い、必要ならば援護行動に入って下さい。
カーマインさんの言動から察するに、ハヤセ少尉にかなり良くないことが起こりそうです。 リリー」
ビルトラプターに高度を落とさせながら、アカリは先ほどリリーから届いた奇妙な電文のことを思い出していた。
リリーはあの年頃の少女としては変わっているが、こんな不吉な電文をいきなり送ってくるような人でもない。
「お願いだから何も起きないでいてよ……!」
確かにレイナの様子はおかしいし、あの口喧嘩は普通ではない。
それが裏付けになるわけではないが、アカリもどこか、胸騒ぎがしていた。
>>273
,
>>275
「敵の特機が戦域に入ります!」
「…………!」
西の空から巨大な光の翼を携えてやってきたそれは、鳥のような形の大型機体。
目視で確認できる距離にまで接近したと思うや否や、何と人型へと変形したではないか。
その姿は中世の騎士のそれに似ており、柄の両端から緑色のエネルギーランスらしきものを出力した武器を手にしている。
「あれは……騎士のロボット?」
「確かに身なりは地球的なデザインですが、今はそんなことは関係ありません。
あれは敵です。主砲しょうじゅ…………!? いけない!
バスターキャノンモジュール非常弁・隔壁全閉鎖! G・ウォールを艦首に集中! 最大展開!」
リリーが敵に主砲の狙いを合わせようとしたのと同時に、敵機の前に青い円陣が生まれる。
バスターキャノンの照射後に現れた敵の特機、投槍のような姿勢と、その前にある意味ありげな円陣。
かなり悪い予感を抱いたリリーは、咄嗟に指示を切り替えた。ブリッジクルーはリリーの様子に何事かと思いながらも、その指示に従う。
直後、槍で貫かれた円陣から緑色の暴竜のような竜巻が生まれて、まっすぐ甲斐へ向かってきた。
「被弾します! 総員、衝撃に備えて下さい!!」
竜の如き竜巻はやはりリリーの危惧したとおり、甲斐の艦首、バスターキャノンモジュールに着弾した。
艦首に集中展開されたG・ウォールは、展開面を通して見る光景がぐちゃぐちゃに歪んで見えるほどの出力で展開されていたが、
竜巻のあまりの勢いに展開面を大きく削られて展開面を割られ、それが守っていたバスターキャノンモジュールに竜巻を通してしまった。
G・ウォールでエネルギーを殺したとはいえ、ウォールを貫通した竜巻のエネルギーはバスターキャノンモジュールを破壊して余りある威力であり、
モジュールの主要機関部と左舷側の光子チューブチャンバー、艦首装甲を吹き飛ばして左舷方向に抜けていった。
「むぐ……!」
甲斐の内部はその衝撃で激しく揺れ、艦長席のコンソールに掴まっていたリリーは揺れによって投げ出され、艦長席に座る姫の太ももに顔から突っ込んでしまった。
バスターキャノン照射から今まで、シートベルトを締めっぱなしにしていた姫は着弾の瞬間に目をぎゅっと閉じ、耳を両手で塞いで着弾の衝撃と轟音に耐えていたが、
自分の膝に突っ込んできたリリーの感触で思わず息を呑むような悲鳴を上げてしまう。
「お……落ち着いてください、艦長。私です、リリーです」
「あ…………ああ、リリー少尉でしたか……大丈夫ですか?」
「ええ……投げ出された先にちょうど、良質なクッションがあったので……」
姫に助け起こされたリリーは、姫の気遣いにいつもの調子で返す。
「うっ」と赤面した姫に「おかげさまで助かりました」と謝したリリーは、コンソールに並ぶダメージ表示に目を通す。
今のでバスターキャノンは致命的な損傷を受けてしまったようだ。
だが、着弾前の精一杯の防御指示が功を奏したのか、内部に誘爆するようなものではなかったのが幸いだ。
283
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/21(金) 19:20:33 ID:b1h0P0.s
>>281
「一等兵。とりあえず、あの騎士風のアンノウンに仕掛けてこい」
284
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/21(金) 20:17:22 ID:S4W/kHOI
>>283
「•••了解、安全のため、少し離れてください。」
近接戦闘は危険すぎる。
「この、強烈すぎる念、何か信念を感じる。」
この念と50メートルは、ある大きさ。
「危険だが、近くまで接近しよう。」
あの槍の範囲外なら、回避できる。
ユウセイは、自分で槍の範囲を予想しそこまで移動する。
「T-linkフルコンタクト、コード迅速の型」
念が刃となり、迅雷に収束する。
「いけっ!」
ヴァイサーガの剣で衝撃を放つ要領で、迅雷から衝撃が放たれる。
285
:
つばめ&静香&マヤ
◆h9Hr5c.eFE
:2012/09/21(金) 21:50:48 ID:PqyHKZSw
>>275
ユウセイ機が念の刃を飛ばすのとほぼ同時に、
騎士のような蒼い機体の側面より、飛び掛っていく影があった。
そう、よりにもよって焔姫だ。
「あんたがあの気色悪い怪物どもの大将ってわけね!
あいつらに受けた仕打ち、万倍にしてあんたに返してやるんだからっ!!」
蒼い機体の更に上空まで跳び上がった焔姫。
そこからブルーティッシュ・ブレードのブースターを一気に噴射し、急降下。
唐竹割りの要領で一刀両断にせんとする。
「でやぁぁぁぁーーっ!!」
286
:
ラウディ他
◆E8ckRIIdug
:2012/09/21(金) 22:56:23 ID:57glVlGY
>>281
「まぁ、ゴシップがあると介入したくなるのは仕方がないけど」
レミー中尉だって分かっていないわけではない。
ただ、ヒツギとレイナの二人に頭を冷やして欲しくて、ユウセイをいじる振りして当事者達に注意しているのだ。
>>282
「うわ……」
上から見ていたラウディが絶句する。甲斐の巨砲とほぼ同格の一撃に見えたのだ。
>>283-285
『あ!救出した機体がっ!?』
『しまった、あの機体は管制下に無いっ!?』
ラウディとマデリーンが焔姫の行為に反応を試みる、が……
287
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/23(日) 19:34:01 ID:VwNXYTDQ
>>282
続け様に前方に光輪を展開させる蒼騎士様のアンノウン。
恐るべきことに、竜巻のような衝撃波は、さほどのインターバルを置かずに連発が可能なようであった。
次の一射で、艦そのものを吹き飛ばす気だ。
だが、再度の攻撃は、後方から迫るいくつかの反応によって遮られた。
>>284
振り返る蒼騎士に向けて、刃の形を成した念が飛びゆく。
アルブレードが放った迅雷・迅速の型の斬撃波だ。
「……」
騎士は事も無げに、上体の僅かな動きだけでそれをかわした。
>>285
そして、同時に上空から奇襲をかける焔姫。
バーニアの加速に乗せ、垂直下に向けて放たれる強烈な一撃。
しかし、ブルーティッシュ・ブレードが標的の蒼い装甲を切り裂くことはなかった。
両機が交錯する瞬間、降り下ろされる焔姫の両腕に、蒼騎士が左手を伸ばし、軽々とその動きを止めていた。
並外れた技量無くしては為し得ない芸当である。
「……この場に居合わせた者全てに告げておく」
メキメキと焔姫の両腕を握り潰しながら、眼下に並ぶ機体達を見据える蒼騎士。
殺気に満ちた赤い眼光は、見る者の心に畏怖の念を喚起する。
「相応の力と覚悟、その双方を持たぬ者は、俺の行く手を阻むな。
さもなくば……」
波紋が開くかのように、虚空に4つの小さな円陣が出現し、焔姫を取り囲む。
「殺す」
そして、その全てから鋭い光条が放たれ、両の腕を囚われたままの焔姫を四方から貫かんとする。
288
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/23(日) 19:50:16 ID:07kGjM2.
「危ない!」
すぐに、迅雷をしまい。ブレードトンファーを構え、
赤い姫に迫る、槍を防ぐ。
「横は、これで、前か。」
念動フィールドを展開するが。
「貫かれた。ちっ。」
若干、コックピットの横を損傷する。
「体制を立て直さないと。」
そういうと、追撃を回避し、赤い姫を後ろに蹴飛ばし、
自身も、それに続き、赤い姫の腰を抱え、全速力で、ヒツギたちの近くに戻る。
「ヒツギ、さっきのにあわせてくれ。ゲシュペンストキックでな。」
「同じ、ブレードなら、旨くいくかもしれない。」
ヒツギに連絡、頼んでみる。
289
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/23(日) 20:17:26 ID:t/QBeAnE
>>287
ヒツギの背を冷たい汗が伝った
それはある種のデジャヴュのような感覚であった
遠い昔彼に信念を植え付けた祖父の姿・・・初めて本気で拳をあわせた時の様な
幼いながらも鍛えられたヒツギには人を傷つけるだけの技術があった。
偶然にもそれを使ってしまったあの時の祖父の瞳
太ももから真っ直ぐに地面に槍を突き立てられたかのように足が動かなくなる程の
腕を出せばそのまま切り離されてしまうような圧倒的な気
「ッ・・・!!」
その体に感じた恐怖心を奥歯をかみ締めて押し殺す
>>288
「・・・分かった!!」
同じブレードなら上手くいくというよく分からない根拠は置いておいて
あの敵機を艦から引き離すことが最優先だ
「レオン、あかりん!援護を頼む!」
ゲシュペンスとは両腕を揃えて大地に向けて振り下ろした後、左腕を前に右腕を下げた構えをとる
落とした両足で白い大地を高く高く跳び上がった
「必殺!!」
空中でその体を半回転させ、その後の動きでさらに半回転させる
その動きは後方二回宙返り一回ひねり、「ムーンサルト」を月面で行ったのだ
さらに機体を小さく丸め高速回転、そのタイミングでコックピット上にはある文字が浮かび上がった
【SHOUT NOW!!】
「ゲシュペンスト!ブレードキィィィック!!」
指示に従い技名を叫ぶと、機体の回転が止まった瞬間右足に備え付けられたブレードが大きく動く
刃がスライドして開く、それは足の延長線上にブレードがあるような姿
機体をもう一度回転させて白刃を突き出し、その勢いのまま突っ込んでくる
290
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/23(日) 20:32:23 ID:q1cqr7pM
>>288
「その突撃娘をこちらへ寄越しなさい。そんなもの抱えてたら足手まといになるわ」
ユウセイ一等兵は焔姫を抱えて敵を凌いでいるのだが、それは良くない。
アルブレードの懐の赤い姫へアイゼルネの腕が絡み付き、手元へ安全圏へと引き離す。
「少しもたせなさい。今、あいつのとろうとする動きを予測してパターン化するわ」
レイナの頭の中では未来から与えられる幾つもの敵の行動パターンを何巡も何巡も繰り返し見て、学習する。
そうして最も確率のある適切な対処法を割り出しているところである。
291
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/23(日) 21:18:16 ID:07kGjM2.
「どうも、ありがとうございます。」
赤い奴を、回収後。
【勘弁してよ、ほうああ言うのは。】
「さてと、行くか。」
ヒツギが、ジャンプをしたのを確認して
「迅雷」
念が、刃に収束する。
「迅速の型!」
念の刃が居合いによって、アンノウンに一直線で放たれる。
292
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/23(日) 21:28:04 ID:4zcW5w7s
赤い機体をアイゼルネが回収し、ユウセイとヒツギが合体攻撃を試みる現状では、ラウディは上空からの観測とデータリンクの支援に徹するしかない。
ともかく敵の騎士タイプを何とか押さえ込めるとなれば、まだ見込みのある機体を修理装置で救出したり出来るのだが。
「……レスボスほどの管制支援機能は無いからなぁ。
着弾観測もままならないや」
293
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/23(日) 22:25:14 ID:k7u8AY2A
>>287
>>288
>>289
赤い機体と共に何とか彼のアンノウンから遠ざかるアルブレード
焔姫をそのギミックアームで引き戻すアイゼルネ。一先ずの問題はクリア。
「ユウセイ!お前…たまには役に立つんだな!後で一杯おごってやる」
しかし、依然として凄まじい圧力を放つ敵アンノウン
通常、あれだけのサイズの物質で目視からの回避など未来が見えなければ不可能
それともユウセイの方をあの位置に攻撃させる様に仕向けた?
どちらにせよ、判断材料が足りない
ここは慎重に、且つ大胆に仕掛ける必要がある
>「レオン、あかりん!援護を頼む!」
そう考えた先に通信が入る
どうやらモーションを視る限りではユウセイとの全力同時突撃
しかし、タイミング的には…まずい
「ああ、任せろ!」
エクセリオンの背部と脚部のミサイルハッチが開かれ自機の後部から八方を山なりにアンノウンへと向かうミサイル群
更にブレイクフィールドを形成し加速、機体を水平にロールしつつガンレイピアを展開
狙うは奴の眼
もしミサイル群を振り切る様な機動力があるとするなら、その機動に食らいつくつもりだ
せめて奴の足さえ止めれば無理矢理同時攻撃を当てる事は出来る筈
しかし、コイツの火砲が奴にとって驚異となり得る次元であるならば、のはなしだが
294
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/23(日) 22:47:05 ID:MrYwGtgQ
>>288
>>289
>>291
焔姫を救助し、アイゼルネへと受け渡したアルブレードが、地上に構えるゲシュペンストと肩を並べた。
その一連の動作が、呼吸を揃えるために存在していることは明らかだった。
やがて、ゲシュペンストが月面を蹴って高々と跳躍。
派手に回転して勢いをつけると、脚部のブレードを展開、蒼騎士に向けて一直線に襲いかかってくる。
その下方からは、アルブレードが手にした刀を鞘に納めたまま突撃してくる。
本来なら待ちの技である居合いの剣を、自ら能動的に踏み込みながら打たんとしているのだ。
そして、激突する三機。
加速を乗せたブレードが、鞘から放たれた念の刃が、蒼騎士を貫き、切り裂いた――かに思われた。
「遅い」
が、蒼騎士の反応速度は両者の技を寄せ付けなかった。
アルブレードの刃は、左腕より現れたエネルギーシールドによって阻まれた。
十字のプレートのようなその盾面は、何らかの力場によって迅雷の刀身を激しく反発させ、跳ね飛ばした。
そして、ゲシュペンストの脚部ブレードに対しては、右腕より槍撃が繰り出された。
迫り来る切っ先に、槍先が真っ向から打ち込まれる。
ゲシュペンストの全身を駆使した一撃に対し、蒼騎士はあろうことか、右腕一本でその突進力を無に帰し、一挙に打ち返してみせた。
更に蒼騎士が動く。
反動に大きく体勢を崩した両機の狭間に、驚異的な加速力で一瞬にして滑り込む。
「ぬぅあっ!!」
そして、手にした光の槍を横一文字に凪ぎ払い、一撃のもとに両機を切り裂かんとする。
295
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/23(日) 23:45:53 ID:t/QBeAnE
>>294
ゲシュペンストの右足を根元から見落としていけば、刃が先端に向かうにつれ細くなりそれに反するように途中から太くなる。
なぜそんなことになっているのか・・・それは互いの切っ先同士が触れ合っているからだ
ゲシュペンストが打ち出した刃は相手の刃によって押さえつけられた
「なんだと!?だが押し合いなら・・・!!」
押し返してやろうとスラスターを全開にするが、目の前の青い騎士を一歩も動かせない
この状態は勢いを殺されたからだけでは説明がつかない、純粋にパワーで抑えられているのだ
互いの刃が弾き合い、ゲシュペンストは跳ね飛ばされた
>そして、手にした光の槍を横一文字に凪ぎ払い、一撃のもとに両機を切り裂かんとする。
「クッ!」
ヒツギはブレードを畳むとすぐさま機体の体勢を空中で整え、くるりと機体をバック転かのように回転させた
それでも着地する地点は振りぬかれた槍の間合い、後方へとさらにステップを踏み紙一重で回避を試みる
――――― 白刃の一閃
ゲシュペンストの赤く美しい装甲に一閃の名の下に大きく線が引かれる。
紙一重どころかその胸部へと生々しい切断痕が残されてしまったのだ
内部のブラスターキャノンの銃口が隙間から垣間見えるほど深く、内部の回路がスパークしている様すら確認できようか
「ぐぅ・・・っ!!」
ただ切り裂かれただけではない。
その一撃の剣圧によってゲシュペンストはよろけた
一太刀を交えただけで感じる力の差・・・なんとか膝を付くまいと持ち直して構えなおす
(コイツを抑えられるか・・・!?)
296
:
リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/24(月) 23:02:42 ID:SNaC7SEM
>>287
続けてもう一撃、例の竜巻を放とうとした騎士だったが、それはさすがに味方に阻まれた。
しばらくは彼らが押さえてくれるだろう、と判断したリリーはスッと立って服装の乱れを直し、ブリッジを見渡す。
ブリッジクルーも衝撃によってコンソールに突っ伏していたり、シートから転げ落ちたりしていたが、
先ほどリリーが艦の損害を確認している間に、全ての人員が所定の位置に戻っていた。
「詳細な損害報告を」
「はい、バスターキャノンモジュールの左舷側を削られました。
二つの艦首装甲板のうち、左舷の装甲板が根本から吹き飛ばされて消失。
光子チューブチャンバーと第5から第11エネルギーラインも同様に酷いダメージを受けていますが、
辛うじてダメージエリアの隔離は間に合ったようです」
艦体そのものへのダメージは思ったよりも少なく済んだようだ。そのことに、リリーは内心、ホッと胸をなで下ろす。
「ただ、攻撃の余波を受けて、第一主砲塔への電力供給に不具合が起こっています。
その影響で現在、第一主砲塔は稼働しない状態にあります」
「えーっと、では、バスターキャノンモジュールへダメージコントロール班を出動させて下さい。
こちらからのデータでは艦体へのダメージは少ないですが、思いがけないダメージがあるかも知れません。チェックは念入りにお願いします。
あと、第一主砲塔へは応急修理班を。あの特機を捉えきれるかは不明ですが、主砲の援護が必要となる場合も考慮します」
今の指示はリリーからのものではない。
そのことにブリッジクルーの面々は一様に驚いた顔をして、近くのクルーと顔を見合わせた後、指示が飛んできた方向を見る。
そこにはコンソールのダメージ表示を切り替えて各部のダメージレベルを確認している姫の姿があった。
復唱が無いことに気づいた姫が顔を上げ、自分に集中する視線に「え? ええ??」と狼狽する。
そんな中、隣のリリーはさすがに冷静なままで、ごほん、と咳払いをし、
「今の艦長の指示が聞こえましたか? 聞こえたのならば復唱を」
「は……はい! バスターキャノンモジュールへのダメージコントロール班、第一主砲塔への応急修理班の出動を指示します!」
弾かれたように慌ただしく動き始めるクルー達。
リリーからの確認があってからのその動きに、姫はやはり自分では……と落ち込んだが、
ポンポンと肩を叩かれ、振り返ると、リリーがグッと力強いサムズアップをしていて(やはり無表情ではあったが)、
「ぐっじょぶです、艦長。その調子で私を元の部署に戻して下さいね」
「え……でも、少尉の言葉が無かったら……」
「いいえ、今のはちょっと面食らっただけです。次からは皆、きちんと指示に応えてくれますよ。
だから自信を持って下さい。何なら、戦闘指示の方もやってみますか? 私としては、その方が楽で良いのですが」
「いえいえいえいえ! それは遠慮します! こっちだけで精一杯です!」
「冗談ですよ。ともかく、今の感じで艦の維持に目を光らせておいてください。それだけでも、こちらはだいぶ楽になりますから」
「……はい!」
良い仕事だった、とリリーに言われ、姫は気分の高揚が隠せなかった。
今まで、自分が座っていて良いのか? と常に疑問に感じていた艦長席の感触が、幾分かマシになった気もする。
リリーに戦闘指揮を受け持ってもらっている分、まだしっくりこない部分のある艦長席だが、今だけはそれも気にならなかった。
297
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/24(月) 23:02:54 ID:z8BJRmOU
>>293
ヒツギとユウセイの攻撃に同期して放たれたマイクロミサイルが、八方から尾を引いて蒼騎士へと迫る。
だがその時、蒼騎士の胸部から四筋の火線が走った。
機銃のように連続的に火を吹くそれは、飛翔するミサイルを次々に撃ち抜き、無為に破裂させていく。
弾幕を潜り抜けたただ一基のミサイルもまた、手にした光槍に切り裂かれ、爆発した。
「……」
そして直後、爆風を押し開くように光輪が宙に開くと共に、その中心から三条の光線が放たれる。
鋭く碧ざめたレーザーは、散り散りに弧を描くような軌道を以て、ガンレイピアの照準を定めんとするエクセリオンへと三方から襲い掛かった。
298
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/25(火) 06:15:36 ID:eTuLBQfw
>>287
,
>>289
,
>>297
甲斐の堅牢なG・ウォールを抜き、バスターキャノンを損壊せしめた敵の力に、アカリは戦慄を覚える。
先ほどの電文に記されていたレイナの予知は、どう考えてもこの機体がもたらすものに違いない。
であれば、どうにかしてこの機体を破壊、もしくは撤退させなくてはならない。でないと……『良くないこと』が起きる。
「…………っ!」
フライヤーモードのビルトラプターから、後方に向かって、強力な加速を表す青白いバーニアのフレアが伸びる。
すでに月面近くにまで降りてきていたラプターの位置は、敵機から見て右方向にあたる。
位置的には敵の側面を突けるが、タイミングを見誤ると、近接戦闘を仕掛けている味方機に被害が及んでしまうだろう。
「だからって……こうやって何もしないままっていうのも……」
敵機は既にメガ・ビームランチャーの射程内。
ロックオンも完了し、モニターにはそれを示す赤に色づいたロックオンサイトが表示されている。後はトリガーを引くだけ。
そのタイミングを計りかねていたアカリの耳に、ヒツギからの援護要請が聞こえてきた。
あの不安にさせて余りあるレイナの態度を受けてなお、戦おうとするらしい。
(まあ、それがフツーの反応よね。でも彼は「そのフツーの反応」をするような段階はとっくに越したはずだけど……。
思ったより意固地なの? レイナさんの言いようは確かに乱暴だったけどさ……)
意外な感じはしたが、今はヒツギの性格について考えている暇はない。
前衛機が援護を要請するということは、敵の動きを阻害しろ、ということだ。
先に援護に入ったレオンハルトの攻撃はミサイル群による牽制弾幕。
だが案の定と言うべきか、それらのミサイル群は胸部のバルカン砲らしき武装と槍で対処されてしまった。
目の前に前衛機複数が迫っている中、そう何度も防御で槍は使えないはずだし、体勢の関係で右方向への盾の使用は難しい。
つまり、こちらからの高出力ビームには対処しづらい状況だということ。
「こちらビルトラプター! 続けて援護行動に入ります!」
ミサイルの爆煙で視界が覆われている今こそがチャンスだ。
狙いは敵の頭部。非装甲部位である可能性が高いし、首から下は味方前衛機が飛び込んでくるかも知れなかったからだ。
照準を調整し、アカリはすぐさまトリガーを引いた。
大型の主翼を備えた戦闘機のシルエットを持つ機体の下部から突き出る、長大なランチャー銃から青白い高出力ビームが三発、続けざまに発射される。
ゲシュペンスト程度のものであれば、容易にPTの前面装甲を抜ける出力のビームだ。いかな特機サイズの機体とて、無視はできまい。
299
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/25(火) 16:33:08 ID:nTjckGzY
「どうしようかなぁ。」
ヒツギのゲシュが抗戦してるしな。
まぁ、レオンさんはまだ全然余裕そうだし。
だが、相手との力の差は歴然。
「っ?、後ろから、敵に向かう殺気か。」
そうそれが、アカリのサポート
「下手したら、ヒツギまで被害に当たる。」
「残りのろしゅせいばーを全部使って。」
ろしゅせいばーを投げ、こちらに警戒させ、
「ヒツギ、アカリごちょうの砲撃だ。一端後退するぞ。」
全速力で、ヒツギの方に行き。後退を支援する。
300
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/25(火) 17:14:55 ID:nTjckGzY
>>299
の前
「全くといって、利いてねぇ。orz」
化け物か、あの機体。
「うーん、次の手は、レオン中尉と、俺と、ヒツギでアザルトコンバットパターンとか。」
いろいろ考えていると。
「反撃か、来る。」
バカでかい、槍での攻撃、だが。
「はい、ざんねん、もっとよく狙いな。」
なんと、急上昇により回避成功。
「舐めんなよ、伊達に、弥生と一緒に入るんじゃないんだから。」
槍の攻撃のスピードは、なかなかの早さ。なぜ回避できたかのは。
弥生の存在である。【つーかコイツのせい。】
弥生は、なかなか強い殺気の持ち主+狂気の殺人者?
そのため、何人か、おそわれている。
ユウセイもその一人。
その為、斬られるのはイヤなので、ユウセイが編み出した技がこれである。
ユウセイは、なんだかんだでのいろんな特訓をした結果、殺気の方向、軸などを見られる用になったのだ。
「おめぇ、見たいな、殺気の強い奴は、よく分かるんだよ。」
301
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/25(火) 18:10:44 ID:qm3/efAw
>>297
最後に切り払われたミサイルの爆風により敵の上半身に煙がまとわりつく
(迎撃能力は並…あれは堅牢な要塞としてでは無く、あくまで本人の戦闘力を反映させる為の鎧…それでもインターフェース系は地球の技術と別次元か)
煙幕から辛うじて見える赤い尾を引く光の元である奴の目に照準が合わさる
>>298
>「こちらビルトラプター! 続けて援護行動に入ります!」
自機の左後方から青白い三つの光の帯が奴の頭部に向かって延びる
その刹那、煙幕の中心から光の輪が押し広がり煙幕が霧散していく
奴の間近を光陣が遮る形となって間も無く三つの矢が俺を取り囲もうとしている
「その誘い、敢えて乗るぜ?」
機体主翼の下部にて右腕と共に固定されるガンレイピアの先端から光が発し瞬時にその光条が延びる
包囲してくる蒼い光条。奴に対し掃射を続けつつ、そのまま加速
衝撃派をその場に残して消えたと思えば三つの蒼い追跡者達は後に残された青白くヒューキャリオスの眼前まで延びる帯を貫いていた
「ミサイルのおかわりだ!」
ビルトラプターの射線に並びヒューキャリオスの首もとをすり抜けるように飛翔していたエクセリオン
今度はヒューキャリオスの背後からすり抜け様に放たれた4基のマイクロミサイルが襲いかかる
302
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/25(火) 19:21:26 ID:NmGKeC22
>>298
>>301
煙幕を貫いて飛ぶ青白いビームの矢。
その先端が蒼騎士の頭部を右側面から射抜くかに思われた瞬間、
黒煙のスクリーンに浮かぶ甲冑のようなシルエットが、不可思議に大きく揺らめいた。
同時に、エクセリオンが放った4基のミサイルが煙幕の奥で炸裂し、爆炎の花が開く。
命中か――。
そう思われた次の瞬間、厚い黒煙を破って現れたのは、この区画に出現した際に見せた、大型戦闘機形態へと変じた蒼騎士の姿だった。
機首両端に据えられた四門の機銃が、ビルトラプターを狙って斉射される。
蒼騎士の操縦者は、煙幕越しにメガ・ビームランチャー発射の予兆を読み取るや、信じ難い反応速度で機体を変形、可変機構を活かして攻撃を避け、急上昇によって迫り来るミサイルをも振り切ったのである。
>>299
>>300
そのまま猛烈な加速でラプターとすれ違い、再度人型へと姿を変えつつ、180度反転する蒼騎士。
投擲されたロシュセイバーは対象を捉えることなく、追尾中であったマイクロミサイルを巻き込んで爆発させ、ロストした。
(
>>232
でファルゼンに飲み込まれたブーメランとロシュセイバーも合わせると、結構な損害といえる……)
そして、必然的に交戦中の全ての機体が、蒼騎士の眼下――攻撃範囲内に収まる形となった。
「悪くない連携……と言いたいが、俺の命を刈り取るにはいささか手緩い」
蒼騎士の前方、即ち月面に向けて、特大の円陣が広がる。
先の光景を目にした者であれば、誰もがその意味する所に戦慄したであろう。
「そろそろ終わりにさせてもらおうか」
円陣を貫く光槍。
眼下に構える全ての機体を飲み込むように、
灼熱と衝撃の嵐が吹き荒れ、月の表面を打ち据えた。
【シュペルター・ストームでアイゼルネを除く全機体を攻撃】
303
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/25(火) 19:55:49 ID:L/yY99QA
>>302
強い・・・次元が違うといっても過言ではない。
ミサイルと遠方からの砲撃という挟撃を敵ながら見事な手腕で切り抜けたのだ
技術と機体のパワーそして鬼気迫る気迫、今のところ敵に一切の隙が伺えない
>そして、必然的に交戦中の全ての機体が、蒼騎士の眼下――攻撃範囲内に収まる形となった。
ヒューキャリオスを目視するために機体を翻す。
(あかりんへと攻撃を行うつもりか?)
機体と共に自身の体も動くヒツギ、刹那モニター横の小さな窓が視界に入り込んだ
それは既視感というべきか、それとも違和感というべきか。
「この状態は・・・まさか!!」
ヒツギは目の前の機体が何をしようと言うのか感づいた、まさに超人的な反応ですぐさまコックピット内で踏み込む
瞬間的にフルスロットルまで跳ね上がった推進器官の出力に任せ、引いていったヒューキャリオスへと翔る
>蒼騎士の前方、即ち月面に向けて、特大の円陣が広がる。
>先の光景を目にした者であれば、誰もがその意味する所に戦慄したであろう。
だが戦慄せぬ者が逆に遠方から向かってくる、むしろ戦慄したからこそ早くに動きを見せたのだろうか
1番最初に切り込んできた、槍でその胸を切り裂かれたゲシュペンストだ
青い騎士へ駆けるのは赤い亡霊、左腕に備え付けられた刃が赤輝を跳ね返す
「間に合ええぇぇぇ!!」
>円陣を貫く光槍。
>眼下に構える全ての機体を飲み込むように、
>灼熱と衝撃の嵐が吹き荒れ、月の表面を打ち据えた。
ヒツギが気づくのが後ほんの数秒早ければ結果は分からなかったかもしれない。
その叫びむなしく、刃は届くことも止めること叶わずに真正面から光に飲み込まれた
304
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/25(火) 21:26:00 ID:nTjckGzY
>>302
「本当に洒落にならなくなってきたよ。」
絶対的存在、その念を感じたのは、過去でイサム大将ただ一人。
「これは、腹を括らなきゃいけなくなるかもな。」
このままだと、確実にやられる。
【迅速の型で、槍を叩き斬る。】
そして、イザ行動に移そうとした瞬間。
イヤな予感が、頭の中をよぎる。
「まさか、甲斐をやったのと同じ技を。」
>>月面に向けて特大の円陣が発生する。
>>灼熱と爆風の嵐が月面をうち据える。
「しまった、遅かったか。」
だが、
>>303
ヒツギが、それを止めようとする。
「ヒツギっ、止めろ、ヒツギィィィィ。」
嘆きは、遅く、またユウセイも、同じく、その嵐の中に飲み込まれる。
305
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/25(火) 23:39:40 ID:qm3/efAw
>>302
先ほどの追尾弾は俺に対する牽制でさえなかった
>機首両端に据えられた四門の機銃が、ビルトラプターを狙って斉射される。
「…こいつッ!」
明らかに何かがおかしい。如何に慣性質量をこちらより克服しているとは言え行動を予測しているとしか思えない
奴の速度はマッハ3程度。エクセリオンでマイクロミサイルを近距離で撃つのは、その旋回性能のせいで時速1000km/h以下に落ち込む為に奴に振り切られるのは必然
問題はガンレイピアの射線を回避した事実
向こうは最大速度を瞬時に出せ、こちらは段階的にとは言え
少なくとも先ほどのガンレイピアでの突撃時は、その二十万倍の速さに達していたのだが…
大型の飛翔体はもっとも高い位置に居た筈のビルトラプターを下から抜けると同時に騎士の姿へと戻り甲斐とその艦載機全てを見下ろせる位置で既に光の陣を形成していた
>「そろそろ終わりにさせてもらおうか」
甲斐のバスターキャノンを穿った例の『槍』が真正面から突撃するヒツギに構わず今度はその全てを凪払わんと繰り出される
イサムとの模擬戦が頭をよぎる
高速で飛び回り翻弄して見せようとしても一太刀で捉えられてしまう
「大将。理屈じゃ無いと言うことですかねぇ」
エクセリオンの正面にテスラドライブを切り返しブレイクフィールドを形成
「俄然、噛みつきたくなってきたな!」
他が見たら気が触れた様に見えるだろうか
巨大な槍と成した光の激流の側面に自ら飛び込むと激流にあわせて、それを越える速さ螺旋を描きながら遡りヒューキャリオスの右腕に打撃を与えるべく肉迫する
306
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/26(水) 00:30:03 ID:bUTclte6
一連の戦闘を、黙って見ているしかなかった。
主戦場を俯瞰し、各機と母艦のデータリンクを維持する仕事。
僚機が次々と打ちのめされている。
「……もう、いいよな……」
敵特機は今、戦闘機形態に戻ってあの一撃を再び放った。
それは、おそらく二度と来ない“隙”である。
上空から一気に高度を落とし、主戦場の、奴の後方に回った。
最大射程ギリギリいっぱいから撃てるだけのロングレンジミサイルを発射する……目標は勿論、“奴”の後背部。
【《狙撃》付きロングレンジミサイルを発射】
307
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/26(水) 08:07:23 ID:OCaNZ0nA
>>302
敵の姿はビームとミサイルが作り出す爆炎の中に消えた――――が、中から大きな鳥類へと姿を変えた敵機が現れた。
当たらなかったのか? という思考をする間もなく、敵機はこちらに進路を取り、機首の四連装バルカンを撃ってくる。
恐るべき対応の速度ではあるが、バルカン砲を使うにしては距離が離れすぎている。回避は容易。
「そんな距離から撃ったって当たるわけないでしょ!」
素早くロールを打って機体を横にスライドさせ、それらの弾幕を回避する。
その横を、凄まじい加速を見せて敵機がすり抜けていく。先ほどの狙いの甘い斉射は、自分をここから退かすのが目的だったようだ。
一体何のためにこのコースを取る必要があったのか……その意味に気づいた時には既に、敵は攻撃の態勢に入ろうとしていた。
まずい、と思った瞬間、半ば反射的にアカリは機体のスロットルを最大にまで上げる。
機体後部のバーニア全てから最大出力の巨大なフレアが噴出し、それに見合った加速をラプターに与える。
果たしてその選択は正解であった。先ほどまでラプターが居た位置を、敵機から放たれた巨大な竜巻の縁が破砕したのだ。
竜巻によってズタズタに引き裂かれ、周囲に飛散する月の岩塊を避けながら離脱していたアカリであったが、
自機の頭上に目を向けたときに、竜巻の外周部を遡りながら敵機に接近しているエクセリオン、
敵の竜巻の直撃を根本付近から受けてしまっているヒツギのゲシュペンストとユウセイのアルブレードの三機の姿がそこにあることに気がついた。
「どうしてあんなところにあの三機が!?
……って、そんなこと考えてる場合じゃない!」
頭上を押さえるように飛んできた岩塊を避けるのと同時に機首を持ち上げ、弧を描いて自機を敵機の居る高度にまで引き上げる。
エクセリオンはともかく、竜巻を受けたゲシュペンストとアルブレードが無事なはずはない。
リリーの言っていた「レイナの危惧」とはこのことか? それともまだ何かあるのか?
レイナのように予知の眼を持たぬアカリにはその判別は付かないが、あそこにいる味方機には援護が必要、というのは間違いなく言えることだ。
308
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/26(水) 08:58:29 ID:D1sNuZ9k
>>303
の続き
轟く閃光がヒツギの視界全てを包み込む、それは彼が見た何よりも眩しく何よりも激しかった
「ク・・・、ソ・・・ッ」
彼が伸ばした腕は届かない
仲間への被害を抑えることはできなかったのだ
雪か羽根か見まごう塵が舞い散る月面に何かが叩き付けられる。
白い地平に沈んだゲシュペンストは前面の装甲が焼け熔け、頭部も辛うじて片方のカメラが生きているだけで原型を留めていない
何よりもその一撃を最も近くで受けた左腕は、手首から先はもちろん装甲よりも強度がある高周波ブレードすら半分が吹き飛び溶解していた
「まだ、だ・・・」
戦闘を行うには致命的なダメージを受けて尚、ヒツギは倒れてはいなかった
機体のダメージは全てがレッド、これがレイナが自分を下げようとしていた理由だろうか
「艦長・・・退・・・するべ・・・だ」
何とか甲斐へと通信をつなぐがそれは途切れ途切れなもの
しかし辛うじて何を伝えたいかは解読できる
(何か武器は・・・)
左腕の高周波ブレードはもう厳しくミサイルは先ほどの攻撃で誘爆
ブラスターキャノンは胸部に受けていた切断痕から入り込んだエネルギーの濁流で半壊
右足のブレードはまだ何とか使えるがそもそもジャンプ中しか使えない。
(ガンレイピアは・・・・・・まだ使える!)
右手にガンレイピアを握りながら、何とか立ち上がろうと試みている。
だが手首から先が無くなった左腕では体を持ち上げられない、腕も姿勢維持ができず照準を合わせることすら難しい
一応を引き金を引くがまず当たる事は無い
309
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/26(水) 15:33:52 ID:7eCE8jiU
「畜生、きつすぎるな。」
ヒツギと若干放れてはいるが、かなりのダメージを受けている
「シールドが、ないだと。」
両肩の、シールドが、熱などで、完全に消滅、そしてだが。
「シールドは、完全に消滅したけど、そのお陰で、腕とメインカメラが守れた。」
竜巻が、発生した瞬間、とっさに、シールドとその下に、
念動フィールドそして、ブレードトンファーでの防御
その三段防御が項をそうした。
「足も、ブーストが使えない。背中のバーニアだけじゃな。」
足は、半壊、付け根が残っているだけである。
「畜生、ヒツギが危ないってのに、っ? あれは、伍長の」
ユウセイが見たのは、ビルトラフター
「クレマチ伍長、乗せてください。ヒツギを回収しに行きましょう。」
俺より、近くで、あれを受けたのだ。このままだと危険だ。
(クレマチ伍長のラフターなら。)
310
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/26(水) 19:35:10 ID:6M38yHOw
>>305
あろうことか、エクセリオンは竜巻の縁を遡るようにして蒼騎士の右腕へと接近する。
離れ業と呼ぶに相応しいその対処法と、それを可能にする技量には目を見張るものがあった。
「なかなかに面白い真似をする……だが!」
蒼騎士は動じることなく、円陣に突き刺さった槍の先端を、更に奥へとひねり込んだ。
その刹那に、竜巻が著しく膨脹し、外周に向けて一気にバーストする。
軌道を反らさねば、エクセリオンはたちまちに肥大化した渦へと飲み込まれるだろう。
>>306
蒼騎士の背後からミサイルが群れをなして襲い掛かる。
それに呼応して、巨大なウィングの基部に浮かび上がる二つの円陣。
そこから放たれた計6条の光軸がミサイルを迎え撃った。
広がる爆風。脱したミサイルは僅かに2基。
それらは蒼騎士の重厚な肩部装甲に後方から衝突し、順に爆ぜた。
【HP90%】
「俺に手傷を負わせるか……」
その一撃は歴然たるダメージにはならなかったが、竜巻による攻撃を切り上げさせる契機となった。
霧散していく緑の光。
猛威が過ぎ去ると、月の表面には深々と小さなクレーターが一穿たれていた 。
「しかし手傷は手傷。このヒューキャリオスに、なまじの攻撃は意味を成さん」
被弾箇所は黒く焼け焦げていたが、その様相が見られたのも一瞬だった。
褐色に荒れた装甲表面が、外周から蒼のインクに侵されるように色彩を回復させていく。
視覚的には些細な変化であったが、それはこの機体が持つ自己修復能力の証明であった。
【HP回復(大)発動。HP100%】
「……一人残らず生き残ったか。そのしぶとさには敬服せざるを得まい」
蒼騎士が腕を一振りすると、5つの円陣が空中に現れ、各々から3条、計15条の光線が乱れ飛んだ。
狙うはそれぞれエフゼロ、ラプター、エクセリオン。
追尾性を持った絡み付くような弾道は、大きく運動しなければ避けられそうにない。
それは明らかな足止めのための弾幕だった。
「ならば、一人ずつ殺していくとしよう。まずは……貴様からだ」
>>308
地表に降下した蒼騎士は、ゲシュペンストへと静かに歩み寄っていく。
両者の間をガンレイピアの火線が幾筋か流れたが、命中したものは一つもなかった。
「……あの技の予兆を見て、真正面から突っ込んできた者は貴様をおいて例がないぞ。
その推力を活かせば、安全圏に逃れることも可能であったろうに」
やがて、蒼騎士はゲシュペンスト間近に立つや、ガンレイピアを握る右腕を思いきり踏みしだいた。
そして、その胴体の中心へと、手にしたランスの先端を突きつける。
「……仲間を守らんとしたが故の行動か。
だが、それを成し遂げるには貴様はあまりに非力だ」
非情な現実を知らしめるように、赤いツインアイが冷酷にヒツギを見下ろしていた。
「呪うのならば、俺と間見えた不運を呪うがいい……さらばだ」
そして、無慈悲にもその右腕がコックピットへと突き下ろされる――。
311
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/26(水) 20:09:09 ID:bUTclte6
>>310
「や、やったか……っ!?」
もちろん、当たったが効いていない。
それどころか自己修復する様を見せつけられるだけだった……
「……火力が足りてない……いや、近接型二機を同時に弾き返す力量の主だ。
同レベルの戦力を、特機を主軸に据えないと……」
そこまで口にした後は、三条の歪曲ビームから逃れるための回避機動に入る。
一気に高度を上げ振り切ろうとして、三発目を振り切れず被弾。外装を大きく抉られた。
【HP残り83%】
「……くっ」
『ラウディ!修理装置はっ?』
「……少佐、それは無事ですが……誰に?」
ヒツギには届かない。
ユウセイのダメージには到底追いつかない。
なら、アカリかレオンか……或いは所属不明機のどれかか……
312
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/26(水) 20:50:51 ID:D1sNuZ9k
>>310
やはりというべきかガンレイピアは当たらない、ヒツギの射撃能力が悪いという以前に全てが限界なのだ
ファルゼンの電撃を受け、さらに思い切り月面に叩きつけられたヒツギも生き絶え絶えだ
>「……あの技の予兆を見て、真正面から突っ込んできた者は貴様をおいて例がないぞ。
>その推力を活かせば、安全圏に逃れることも可能であったろうに」
「命知らずなのが取り柄なんでな。
ただそれじゃあ意味ねぇんだよ、分かってんだろ・・・!!」
奥歯をかみ締め強がって悪態を付いてみせた
『この至近距離ならいくら精度が悪くても当たるはずだ』というヒツギの考えはその時のヒューキャリオスの行動によって封じられる。
下から右腕を蹴り上げられ、握っていたガンレイピアを蹴り飛ばされたのだ
音を立てて月面に転がり落ちる、これで現状ヒューキャリオスに対抗する手段は失われてしまった
体の中心に向けられた鋭い切っ先が、元月面基地から上がった炎によってはためいている
>「……仲間を守らんとしたが故の行動か。
>だが、それを成し遂げるには貴様はあまりに非力だ」
(万事休すか・・・だが)
ただ塵芥かのように見下ろすヒューキャリオスに対し、ヒツギはまだ屈しては居なかった
「俺は『悪魔』だから呪いはしない。
その腕と槍を代償として貰っていくだけだ・・・!」
この状況で助かるなどということはあるまい
相打ちには持ち込めなかったとしても、自身の命と敵の武器(命)を交換はできる筈だ
伸びてくる槍に対し、ヒツギがゲシュペンストの右腕を伸ばしたその時――――
313
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/26(水) 22:35:55 ID:520uEoio
>>312
>>伸びてくる槍に対し、ヒツギがゲシュペンストの右腕を伸ばしたその時――――
「……死ぬな」
短くそれだけを囁くと、レイナとアイゼルネは行動に出た。
まず、青騎士の視界一面を血のごとき赤が覆い尽くした。
アイゼルネ・ブルートの目眩ましブラッド・ディスチャージャーの効果である。
そして、赤霧に紛れて青を貪り尽くさんと蝙蝠型の子機ナイト・フライヤーの大群がワラワラと青騎士へと群がった。
――――
ただ、これですら決定的なダメージにはならないと解っているが
レイナは一瞬の時間を稼ぐだけで充分だった。
「……悪いけれど、この勝負はお預けよ。
ここからは悪魔の王ことこのレイナ・カーマインがお相手させていただこう」
そして本命を遂行する。
玉砕覚悟で特攻隊となったヒツギのゲシュペンストへアイゼルネの伸縮自在のアームが巻き付き、手元へと引き寄せてしまう
そうしてヒツギを救った後に、
「甲斐!!今すぐに全残存戦力を回収して撤退してちょうだい。
プトレマイオス基地は駄目だ。放棄しなさい。このままでは誰も生き残れないわ。
頼むわハリーアップよ。殿はこの私とアイゼルネ・ブルートに任せなさい」
このまま戦い続けては非常に良くない。
レイナはリリー少尉達に撤退を申請。もとい懇願する。
そして、レイナには単機ならばあの強敵を抑えられると言う自信が有った。
314
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/26(水) 22:41:27 ID:tAg3XG.E
>>310
ブレイクフィールドを用い量子光の激流の流れを慎重に縫って騎士に向けて螺旋状に加速する
機体内部もビリビリと振動し続けている。ほんの少しの舵のミスでフィールドで守られる左半分は吹き飛ぶだろう
奴の手元まで半分に差し掛かるのに0.01秒もかかってはいないが
この光の嵐の外側を伝って加速していた事にすら気づいていた
>「なかなかに面白い真似をする……だが!」
不意に機体の振動が大きく加えて間隔も更に短くなっていく!
激流に乗り切れずに大きくうねる乱流の外側に大きく弾き返された
「…ぐぅぅぅぅう!!!」
この激流に更なる別の流れを加える事で効果的に侵入者を排除したのだ
巡航形態から吹き飛ばされ、それを止める為AMへと可変しアポジモーターを瞬時に操作して
全身に架かる衝撃で気を失いそうになりながらもヒューキャリオスへの進行を試ようとスロットルを上げペダルを踏み込むも機体が進もうとしない景色が流れない
「…何故…進まない…!!」
鬼のような形相で歯を食いしばりながらでディスプレイを睨みつける
テスラドライブの緊急停止、及び復旧に架かる時間が示されている
この無茶な綱渡りと衝撃によるもの
「下策は…覚悟だったが…!」
最後に行った衝撃に対するカウンターによりアポジモーターも完全に沈黙している
蒼騎士の召還した光線が迫るが、もはや四肢で以て受ける他ない
「ちっ!うおおおおお!!」
光線は弧を描くものの、ほぼ最短距離でエクセリオンに向かい左腕を喰いちぎり両膝下と、頭部を吹き飛ばした
「…コンチクショウめ……」
胴体に特徴的な両肩と右腕のみを残して極めてゆっくりであるが月面へと落下しつつある(残りHP8%)
315
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/26(水) 22:56:09 ID:bUTclte6
>>314
「ま、間に合った……」
その声とともに落下速度とテスラドライブ復旧までの時間が急激に減少する。
追いついたエフゼロがエクセリオンを捕まえ、修理装置を起動させたのだ。
「……修理は……間に合え……」
とは言え完全に速度を殺す事は出来ず、諸共にハードランディングの可能性も消えてはいない……
316
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/26(水) 23:12:48 ID:D1sNuZ9k
>>313
>「……死ぬな」
覚悟していた衝撃は前からではなく後ろからやってきた、伸ばした腕はなぜか槍から遠ざかる
それもその筈だ
>玉砕覚悟で特攻隊となったヒツギのゲシュペンストへアイゼルネの伸縮自在のアームが巻き付き、手元へと引き寄せてしまう
「レイナ!?」
ゲシュペンストは後ろからアイゼルネに引っ張られていたのだ。
ヒツギは疲労などどこかへ吹き飛んでしまったかのように目を丸くする
レイナとの約束は断たれた、ここで自身を救ったとしても何のメリットもない
「何で・・・ここに・・・」
>「甲斐!!今すぐに全残存戦力を回収して撤退してちょうだい。
>プトレマイオス基地は駄目だ。放棄しなさい。このままでは誰も生き残れないわ。
>頼むわハリーアップよ。殿はこの私とアイゼルネ・ブルートに任せなさい」
「いくらなんでも無茶だ!俺が囮になるからお前も逃げろ!」
ヒューキャリオスの絶対的な力はその身で体感していた
レイナが強かったとしても勝てるかどうかは眉唾物だ
だったら自分がこの場に残ったほうが生存確率は跳ね上がる
レイナから離れようと機体をジタバタと動かすが抜け出すことはできなかった
317
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/26(水) 23:28:47 ID:520uEoio
>>316
【「何で・・・ここに・・・」】
「は……そんなの当たり前でしょ。いちいち言わせないでよ」
皆がボロボロにやられているのを見て面白く無かったのだろうか。
いや、ただそれだけでは無いはず
なのだが、実際に口には出さず事をせずにはぐらかした。
【「いくらなんでも無茶だ!俺が囮になるからお前も逃げろ!」】
「ちょっと黙ってなさい。
……アカリ、我が半身よ。この煩い少年を頼むわ。甲斐へ連れて行ってあげて」
ヒツギが怒鳴るのを完璧に無視し、比較的まだダメージの少ない筈のビルトラプターのアカリへと連絡を取っている。
やはり、何と言われても自分が最後まで残る事を曲げる気は無い。
何としてでも未来を変える。
318
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/27(木) 07:08:18 ID:hzNFt6Yk
>>314
「レオンお兄様!!」
その時、青騎士の前に力尽きて月面に落下して行く大破したエクセリオンの姿を見てしまう。
いつもレオンハルトに掛けるジェネラル呼びを忘れてしまったかの様に、
思わずレイナは素の叫びを上げる。恥ずかしいからと絶対に呼ばなかったのに。
それほどに動揺させられたレオンハルトの敗北。
「く……私のミスだ」
あの時、ヒツギを助けてと泣き言を言ったばかりにこんな事態を引き起こしてしまったのか。
だとしたらレオンハルトは約束を取り違えている。
犠牲にしては意味が無いのだ。
レイナにとってはヒツギと同様にレオンハルトの事も大切に思っているのだから。
>>315
「エフゼロ……か?」
月面へ放り出された満身創痍のエクセリオンを救ったのは、ラウディ軍曹のエフゼロだった。
幸いにも彼のエフゼロは修理装置を搭載していたらしい。
エクセリオンの応急処置が行われている
「助かったわ、軍曹。……あともう一つ、すまないのだがこの人と一緒に甲斐まで撤退して欲しい。すぐに」
丁度良い所に来た良い男へとレオンハルトの事を頼みこむ。
いつもの尊大な命令口調は少し控えめにしてのこれは心からの依頼。
319
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/27(木) 18:30:46 ID:hkviyt3.
>>313
「むっ……」
突如として、蒼騎士――ヒューキャリオスの視界が赤一色に染まった。
足元に捉えていたゲシュペンストの機体は、何者かに引き摺られて深紅の帳の向こうへと消えていく。
変わって機体に纏わりつき、四肢の自由を奪わんとするのは、夥しい数の蝙蝠の大群。
まるで幻惑の魔術に包まれるかのように、騎士は赤々とした霧に覆われていった。
しばしの静寂。
その僅かな間に、ゲシュペンストはアイゼルネ・ブルートの手によって死の淵を脱した。
>>316-317
やがてレイナとヒツギが互いの主張を交わし終えると共に、赤い霧が勢いよく吹き払われた。
旋風の中心を見やれば、右腕の双槍を振り抜いた蒼騎士。
その腕によって巻き起こした、言うなれば剣気によって、群れ成す蝙蝠達を振りほどいたのだ。
【ヒューキャリオス HP90%】
「揃いも揃って、随分と情に篤い悪魔が有ったものだな」
互いを庇い合う両機体の様子に、蒼い機体の操者は冷笑する風でもなく、そう漏らした。
「王を名乗るか……面白い。
ならば娘よ。貴様に王たる器が有るか、この俺の眼で見極めてくれよう」
ヒューキャリオスが右腕を突き出し、視線と平行に、水平に双槍を掲げる。
それは構えか、あるいは礼の所作か。
何れにせよ、能動的な戦意を示す仕種と見てとれた。
「……ゆくぞ」
上体を前傾させ、攻撃動作に移るヒューキャリオス。
その初動が視認された次の瞬間には、もうアイゼルネをその手の槍の間合いに納めていた。
弾丸のような加速による踏み込みから、小手調べとばかりに初撃――左の肩口を狙った突きが放たれる。
320
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/27(木) 20:30:43 ID:I/G1tgUI
>>317
「くっ・・・」
自分がレイナの話を聞かなかったように、レイナもヒツギの言葉に答えない。
そもそもヒツギの言葉は自分を犠牲にして逃げろと言っているのだ、喧嘩をしていなかったとしても頷いてはくれなかっただろう
「……あいつは強い。片手でゲシュペンストを止めちまうパワーもそうだが、パイロットの操縦技術も尋常じゃない
通ったのはミサイルとナイトフライヤーだけ、普通に撃っても往なされるだけだ。
その傷もすぐに回復しちまう。弱点らしい弱点はまだ見えていない・・・アドバイスも出来ない、ごめん」
顔を伏せ、しばし沈黙をすると何か諦めたかのようにぽつぽつと語り始めた
「・・・ありがとう、レイナ」
>>319
ちょうど同じタイミングで視界の端にあった赤が消滅する、どうやらナイトフライヤーの壁からもう抜け出してきたらしい
アカリがくるまで持ってくれればよかったのだがそうは上手くいかなかった
「流石に俺を抱えながら戦うのは無理だ!」
敵の戦闘力を鑑みれば抱えながら戦うのは現実的に不可能だ
ヒツギの様子から手を離しても特攻するなんてことは今のところなさそうだ
321
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/27(木) 21:51:54 ID:SNDs4..s
>>310
五つの円陣から飛び出して、エクセリオンとエフゼロ、そして自分のラプターに向かってくるホーミング・レーザーのような動きの光線。
高速で走りながら牙を剥くそれらの光線を見て取ったアカリは、静かにパイロットスーツのヘルメットを脱ぎ、脇に置いた。
来ている。あの感覚。世界が速度を失い、自分だけが加速している、あの速度領域。
「……毎回、このヘルメット、邪魔になるわね。もうちょっと使いやすいのを陳情しようかな?」
自分を狙っているレーザーは五条。それぞれがバラバラの位置からぐにゃりとその軌道を曲げて、ラプターを貫かんとした。
もう少しで当たる。その瞬間、ラプターのバーニアが凄まじい勢いでフレアを吹き出し、ラプターは急加速。
レーザーはラプターの位置に飛び込んだが、急加速により機体の姿を見失い、あえなく空を切った。
すぐさま軌道を変えて飛んでくるレーザーを横目で確認したアカリは、ロールを打ちながら急旋回する。
「……!」
近くに居た光線のうちのひとつが、ラプターに追いすがるが、ラプターはくるりと機体を回転させながら人型へと変形、脚部バーニアで急制動をかける。
結果、レーザーはラプターの目の前を通り過ぎるだけに終わった。
それに続いて、また別のレーザーが天頂から逆落としにラプターを狙っていたが、
アカリはそれを脚部バーニアの噴射を停止させないことによるバク転によって回避。
「うっとうしいハエは落とさないとね!」
ラプターのツインアイが本格稼働に伴って一瞬だけ青く大きく輝き、ラプターは左腕の盾にマウントしていたランチャー銃を右手に備えた。
その間に、三条目のレーザーがラプターの左後ろから迫り来ていたが、もちろんそれを見逃すアカリではない。
ラプターはそのレーザーに対して盾を突き出し、レーザーを受ける。
足止めのレーザーとはいえ、特機のパワーから繰り出されたその光を受けるには、ラプターの盾は軽い。それを解っていてなお、アカリは盾を使った。
盾はレーザーを真正面から受けるようには構えられておらず、やや斜めに、受け流すように構えられていた。
受け流すとは言っても盾にショック力が掛かるのは同じ。盾を弾かれる程ではないが、強い力が盾を押し戻す。
それこそ、アカリが狙っていたものだった。盾に掛かるショック力を防御するのではなく、あえてそれに流されるように機体を動かす。
レーザーが通過し、盾がそれに引きずられるように弾かれて、機体が急速回転を始める。
その回転がちょうど一回を数えたときに、アカリは機体に制動をかけて回転を止めた。
伸ばされるラプターの右腕。右手に構えられたランチャー銃の銃口は、今し方通り過ぎたばかりのレーザーに向いている。
間髪入れずランチャー銃のトリガーが引かれ、銃口から青白いビームが射出される。
ビームはレーザーに追いすがってその激しいエネルギーフローでレーザーを引き裂き、霧散させた。
「まずひとつ!」
次いで右方向、上下から来る二条を左足のバーニアだけに急速ブーストを吹かせた、早めの斜めバク転で躱す。
レーザーはラプターの方向に少し軌道を変更しつつ、上下からラプターの空けた空間に飛び込み、その軌道を交差させようとした。
その瞬間を狙ってランチャー銃から射出されたビームがレーザーの交差点を薙ぎ払い、一気に二条のレーザーを消滅させた。
「ふたつとみっつ!」
残るは下方向からくる二条。やや左方向から来るひとつにはランチャービームの正面衝突をお見舞いし、
その間に近くまで来ていた、ほぼ真正面からの最後の一つを、右腰から抜きはなった左手のビームソードでぶった斬った。
四散したレーザーの粒子がキラキラと光りながらラプターの装甲にぶつかって、小さく火花を散らしていく。
「……よっつといつつ!」
322
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/27(木) 21:55:01 ID:SNDs4..s
>>317
,
>>319
高速で飛んでくる追尾性のレーザーを五つ墜とす。
前のゲシュペンストでは出来なかったであろうその芸当に、アカリは改めてラプターの性能を思い知らされた。
「……と、浸ってる場合じゃない。急いでレイナさん達の所へ行かないと」
レーザーに対応している間、ユウセイとレイナから援護要請を受けていた。
機体が動けなくなっただけのユウセイはともかく、ヒツギを確保しているらしいレイナの方は敵機に狙われていて、深刻な事態に陥っているようだ。
アカリは急いでラプターの高度を下げつつ、レイナたちの所へ向かう。
戦況モニターで確認はしていたが、ズーム機能を使って見たレイナ達の実際の光景は思った以上にひどい。
それどころか、敵機があの双槍を構えて、レイナを狙おうとしているではないか。
「レイナさん達から離れろ! この化け物め!!」
接近しながら構えられたビームランチャーの銃身部分が展開し、その部分が激しく発光しはじめる。
銃口部分からは放たれるのを今か今かと催促するように青白い光が漏れ始め、銃身部分と銃口の光が次第にその激しさを増していく。
それらが最高潮に達した瞬間、アカリはトリガーを引いた。
一般的なPTを飲み込むほどの太さを持ったビームが銃口から迸り、敵機の左半身を抉る軌道で飛んだ。
323
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/27(木) 22:35:24 ID:hzNFt6Yk
>>320
【「……あいつは強い。片手でゲシュペンストを止めちまうパワーもそうだが、パイロットの操縦技術も尋常じゃない
通ったのはミサイルとナイトフライヤーだけ、普通に撃っても往なされるだけだ。
その傷もすぐに回復しちまう。弱点らしい弱点はまだ見えていない・・・アドバイスも出来ない、ごめん」】
「データは集まった。後は私に任せなさい」
敵を抑える自信は有るらしい。彼女には恐れも迷いも見えない。
と言ったものも、勝つには至らないだろう。あくまで撤退する為の時間稼ぎに過ぎない
【「・・・ありがとう、レイナ」】
「何のことかわからないわね。……ほら、さっさと行きなさい」
またしてもヒツギのストレートな反応をはぐらかすと
アイゼルネは真上にゲシュペンストを放り投げた。
>>322
「頼んだわよ」
ビルトラプターが丁度こちらへやって来ていた。
流石は半身。タイミングはドンピシャだ。丁度上手くゲシュペンストを回収出来るだろう。
レイナは二機を仰ぎ、見送った。
>>319
【「王を名乗るか……面白い。
ならば娘よ。貴様に王たる器が有るか、この俺の眼で見極めてくれよう」】
「そうか。ならば、かかって来るが良い哀れな騎士公」
アイゼルネも青の騎士に対抗する様に戦略的に何の意味も無いが、
大きく悪魔の羽を広げた十字の決めポーズを取っている。
【「……ゆくぞ」】
「!!(……はやいな!?)」
>>上体を前傾させ、攻撃動作に移るヒューキャリオス。
>>その初動が視認された次の瞬間には、もうアイゼルネをその手の槍の間合いに納めていた。
「……でも、そう来ると思っていたわ」
それでもレイナは意味深にまだ余裕を見せる。
敵の踏み込む動作からの、一瞬にして突き出される槍の一撃。
その速さをカメラが捉えられたかどうかすら微妙なその神速の攻撃は
しかし、アイゼルネ・ブルートを僅かに掠める程度に終わった。
――――初手。左肩を貫く確率、80%
皆がボロボロに倒されていた間に、僅かな時間で未来視の力を借りてレイナが組み立てた攻撃予報である。
だが、敵のスピードに圧され、完全回避には至らなかった。
もし、アカリ並の反応速度が有ったなら、無敵の能力だったかも知れない……。
「そしてこれを凌いだ後のアイゼルネの行動……」
右瞳がいつもより深く濁った状態になっているレイナ。多分自分自身でも気付いていないだろう。
周りの音など聞こえていない様な緊張感と集中状態。
無意識にだろうか、ぶつぶつと自分の成すべき次の動きを唱してアイゼルネへと反撃をさせる。
「簡単には倒れてやらないわ」
アイゼルネの2倍はあるだろう敵機体。レイナはその下半身を狙う。
ヴァンパイア・クロウで青巨神の左側の脚部へと一閃。切り抜けて、背後に回り込んだ。
クロウ以外にももっと攻撃を入れてやろうかと頭をよぎるが、これで攻撃は精一杯。
打ち止めである。
敵の行動に隙が無さすぎて、攻撃の機がなかなか巡って来ないのだ。
欲張って攻撃時間を伸ばせば、それは付け入られる隙になる。
攻めいるならば、敵の決め玉を凌いだ時。ダメージを与えるにはそれを虎視眈々と待ち続け、突くしかチャンスは無い。
レイナは意外にも事を慎重に考えていた。
【アイゼルネ:残りHP80%】
324
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/27(木) 22:54:24 ID:ArN3QwZM
警報と警告を告げるアナウンスが鳴り続けるコクピット内
ディスプレイにはサブカメラにより砂嵐混じりの景色と機体からの退避を指示する警告分が大きく表示されていた
>>318
>「レオンお兄様!!」
通信機から警報をもつんざく声の主はレイナ
「レディーは黙って男の帰りを信じて待つもんだぜ?…ちょっとみすぼらしくなったけどな」
>>315
このまま戦域外まで流れるかと思われたがほんの僅かな振動、砂嵐混じりの映像からは良く見慣れた機体の姿、エフゼロだ
「…ラウディ軍曹か。見事な空中キャッチだなぁ。思わず居眠りこける程の静かさだぜ…待ってろよ武器とメイン推進システムは守ってんだ!あの鉄屑を穴だらけにしてやる」
もっとも守れた武器はガンレイピアとマシンキャノン、そして翼を失った為切れ味の低下したソニック・エッジ
ミサイルは脚部そのものと背部に装備されていたウェポンバックのいずれもが敵の光線で吹き飛ばされて喪失している
コンソールとキーボードを弄る軽快なタイプ音が警報と共に響く
テスラドライブはおろか残された全身のアポジモーターは復旧しつつあるものの月の重力に引かれながら両機は高度を下げていく
>「助かったわ、軍曹。……あともう一つ、すまないのだがこの人と一緒に甲斐まで撤退して欲しい。すぐに」
それを聞いて慌ててマイクに近づき発生していた
「まだだ!軍曹のバックアップのお陰で直に飛べる!さっきのがマグレだって証明してみせる!」
端末を弄る速度は更に上げているが
推進系はまだ息を吹き返さない
325
:
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/27(木) 23:27:01 ID:ArN3QwZM
――――プトレマイオス郊外
白い大地を疾駆する巨大な黒い人影。その手には本体以上の全長の巨大な【出刃包丁】を携えて
背部の大型ブースターからは青白い巨大な炎が吹き
白い砂を吹き飛ばしながらプトレマイオスを目指し爆進する
「…戦況は…やはり、そうか…」
搭乗者はそう呟くと同時に黒い影の眼光が一層煌めきブースターの炎は
衝撃波を伴い爆音を発すると共に大きく噴き出し、ほんの僅かに、その足元が浮き上がり機体は更に加速する
「もう直ぐだ。皆、死に急ぐなよ…!」
326
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/28(金) 06:37:57 ID:tGjHKzYU
>>324
【「まだだ!軍曹のバックアップのお陰で直に飛べる!さっきのがマグレだって証明してみせる!」】
「わからず屋ばかり、そんな何人も要らないわ。……ラウディ軍曹、いいから行ってちょうだい」
先程、ヒツギの声をスルーしたのと同様にレオンハルトの強行もまた、絶対に認めてやらない。
早く撤退してくれとラウディ軍曹を急かすばかりだ。
「何も無理はしないわよ。私もあの巨神の隙を突いてから最後に離脱するから」
いつもの飄々とした余裕の有る様子からは想像も出来ない、明らかな無茶をしてまで戦おうとするレオンハルトのその姿。
それをレイナは自分の事を過度に心配してくれているからでは無いかと独自に考察する。
そう読解した上で、何も心配は要らないとレオンハルトに告げるレイナ。
327
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/28(金) 07:28:22 ID:0q/0NDXk
空気のない月面でエアブレーキも無いものだが、低空飛行程度で収まるまではエクセリオンのテスラドライブを復旧させる事に成功したようだ。
>>318
「……お兄様……」
まず、そこだった。忍び笑いが隠せない。
「下がれと言われても……」
彼個人としては、レイナよりマデリーンの指示の方に従うようしつけられており、そちらは……
>>324
「……中尉、提案があります。
二機のブレイクフィールドを同調させて奴にぶつけるんです」
つまりはツープラトンの体当たり。
328
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/10/06(土) 17:49:09 ID:ycB/A4cU
月面での戦闘で殿を務めたレイナは、その役割を果たせず倒れ伏してしまった。
レイナの愛機アイゼルネ・ブルートは凄まじい再生能力により、無傷に等しい状態なのだが、それを操るパイロットの方に問題が起きたのだった。
強敵を相手に一度ボロボロにされたアイゼルネをマシンセルの急速活性で瞬時再生させる為に、コクピットの特殊システムへ左手を直に接続したその時に
突然、レイナを襲った激しい苦痛。
自身で胸を抱きながら、コクピット内で苦痛に耐え震えるレイナ。
熱を帯びた尋常では無い激しい吐息。発熱する身体。激痛。
それこそ歯を食い縛り、目尻に涙すらも浮かべそれを必死に耐えていた。
端から見ていても全く意味が解らないだろうこのレイナの突然の不調。
心配されるのを嫌い、レイナはまともに動かせすらしない震える指先で全ての通信を拒否させた。
―――ここで自分が倒れる訳にはいかない。弱味を見せる訳にはいかない。だからもちこたえてくれ。
その時のレイナの心境であるが、
結局は自身の愛機アイゼルネを動かす事は出来ずに、追撃に来た敵の攻撃を無抵抗に受け続ける。
限界を迎え、レイナが意識を手放したのはそのすぐ先の事であった。
しかしながら完全に意識を失う前に朧気ながら彼女が見た最後のヴィジョンは……。
どういう訳か、例の死のヴィジョンを完全回避したヒツギ・ハヤセの姿だった。
かくしてヒツギの死という災厄の未来は変わったと、レイナは人知れず安堵した。
そしてそのすぐ後に、実際にヒツギのゲシュペンストによりレイナとアイゼルネ・ブルートは救出される事になる。
――――――――――――――――――
……まだ死んでいない。
意識を失い、時折苦しそうにうめきながらも、レイナは必死に生きようとしていた。
レイナ・カーマインはこれまでもずっと抗っていた。
自分の身体があたかも別のモノに染まり侵食されていく様な嫌な感覚に。
その未知への侵食は時に激痛を伴い、レイナの身体の中。臓器方面に内側から負担を掛ける。
これは人在らざる身である事を忘れさせない為の戒め。あるいは呪いの様なものなのかも知れない。
しかしながら、彼女の身体の秘密は一部の人間にしか知られていない。
知られる訳にはいかないのだ。
329
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/10/06(土) 18:22:25 ID:BCOncwyE
>>328
「クソッ!!!」
レイナが伏せる病室の扉の向こう側で隔壁に拳を叩きつける
轟音と共に拳一つ分がめり込み、直径約50cm大のクレーターが形成されていた
「ヒツギは助かった…だが……!」
ぶっきらぼうにベンチへと座り込み天を仰ぐ
…あの時に突撃せず攪乱に徹していればレイナへの追撃は無かった
完全に初手を誤っていた
結局、例の騎士とのダメージにより飛行は出来たが左右のテスラドライブの同期率が安定せず、情けない事に引き返すハメになった
「……レイナは助かるのか?」
天を仰いだまま、イクリプスへと訪ねた
330
:
使用人
◆zv577ZusFQ
:2012/10/06(土) 19:53:02 ID:ycB/A4cU
>>329
【「……レイナは助かるのか?」】
「それは予定通り地球に降下していただけるのでしたらですね。今は抗薬が病魔の進行を塞き止めていられます。
伊豆の屋敷にお嬢様の専門医が在住しておりますので屋敷の設備へと早急に連れて行ければ、最悪の事態は回避できるはずなのですが」
優秀な使用人は、やはり緊急事態でも取り乱したりはしない。
イクリプスは冷静にレイナの状況を少々イラついた様子のレオンハルトへ告げた。
淡泊過ぎるのでは無いかと思われるイクリプスだが、彼女とレイナの間には確固たる信頼が存在する。
我が主レイナが金属細胞の浸食ごときに負ける訳が無いと主の復活を信じている。
「それからもう一つ。
お嬢様から固く禁じられているので、この病に対しての深い説明は出来かねます。
私、使用人への追求はどうかご遠慮願います」
レイナが苦しむ原因は何なのだ?と間違いなく追求されるに違いないので、
それを先読みしてイクリプスは釘を刺す。
主からの直々の口止めなのである。イクリプスは例え何を言われようが、主の許し無しに答える訳にはいかない。
331
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/07(日) 02:52:08 ID:nirygqH.
対しヒツギは顔を下に向けて腰掛けたまま、飲み物を手に落ち着いていた。
落ち着いていたというよりは疲れたといったほうがいいのだろうか、それもその筈ヒツギは既に騒ぎ終えた後だった
その結果何が分かったかといえば、この状況において何もできないということだけだ
「くそ・・・っ!!」
自分を助ける為にこうなったのだから彼女の言葉を聞いていれば変わっていたのだろうか?
自省の念がヒツギの中で渦巻く、手に持っていた紙コップがくしゃりとつぶれた
332
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/07(日) 20:24:19 ID:A944LRys
ユウセイは、ただ静かに、レオンとは違う、ベンチに腰掛け、近くの窓から空を見ていた。
【俺のせいだ、念動力者である俺なら、】
演習の時の、レイナ嬢に真相を聞けてたら、少なくともこの未来には。
【俺と同じ境遇の奴を、クソッ】
ベンチをグーで殴る。
333
:
“タケミカヅチ”
◆E8ckRIIdug
:2012/10/08(月) 22:56:58 ID:zXNwTk96
『ふむぅ、面妖な』
この、自らを神であると称する知性体は、レイナ・カーマインが被った異変を読み取ろうと思えば出来ない事も無かった。
しかし、それをしないのは不得手な領分だからというだけではない。
彼女自身が自分の介入を拒むであろう事が分かる気がするからだ。
代わりに艦内の様子を見る。
自身が収まるハードウェアの持ち主は主の復活を信じている。
三人の男たちはそれぞれのやり方で自らの責任を取る事を考えている、あるいはそのように見える。
格納庫の中では各機体の整備が進められ、ラウディや救出部隊、救出された生き残りたちも作業中。
一方ブリッジは……
『……捕まえた……これが“神様”ね……』
334
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/10/09(火) 22:32:09 ID:xf9iuJEg
>>328-332
「ああ、皆さん。やはりこちらでしたか」
それぞれに意気消沈する三人の青年たちと、立ちふさがるように病室の前に立っている使用人の前に、
パイロットスーツ姿のアカリを伴って、リリーが現れた。
アカリはずーんと沈んだ三人の姿を見て伏し目がちな表情になっていたが、リリーはいつもの無表情のままである。
「そろそろ本艦は大気圏への突入態勢に入ります。
……いえ、本当はもうちょっと後なんですけど、どうも今の皆さんは腰が重そうなので、早めに言っておきたかったのです。
気持ちの見切りが付かないのは仕方がありませんが、ここに居たまま突入を迎えるのはお勧めしません。
大気制動の影響で、結構揺れますからね。自室に戻るなりして、突入に備えていただけますか?」
レイナとの付き合いはほとんど無いリリーだが、かといってレイナの負傷に何も思うところが無いわけではない。
だが、彼女に近しい人間が沈んでいる今、その尻を叩くのにはリリーのような「外側の人間」が適役である。
それをわかっているからこそ、リリーは直接ここに出向いたのであった。
335
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/10(水) 22:02:37 ID:TUCqxvZE
>>334
「ん・・・?」
下を見ていると廊下の色が一瞬にして暗く染まる、暗い部分と明るい部分の境がはっきりと分かるほどだ
それは長く伸びており、その形から何なのかは容易に想像がついた
顔を上げたヒツギは視線を向けると女性が二人、一人はアカリでまだパイロットスーツのままだ
もう一人はリリー、直接こちらに来たということは何か伝えたいことがあるのだろうか
>「そろそろ本艦は大気圏への突入態勢に入ります。
> ……いえ、本当はもうちょっと後なんですけど、どうも今の皆さんは腰が重そうなので、早めに言っておきたかったのです。
> 気持ちの見切りが付かないのは仕方がありませんが、ここに居たまま突入を迎えるのはお勧めしません。
> 大気制動の影響で、結構揺れますからね。自室に戻るなりして、突入に備えていただけますか?」
「大気圏突入・・・もうそこまで来たのか、ずいぶん早いな」
心労を紛らわすように深く息を吐き出すと、両の手を持ち上げた
そのまま平手で自らの顔を両端から強く挟み込んだ。
肌がぶつかる景気のいい音が廊下に響く、かなり古風な気合の入れ方だがヒツギらしい方法だ
「ありがとうリリー少尉、すぐに部屋に戻るよ
そういえばゲシュペンストの確認も忘れてたな・・・左腕を丸ごと犠牲にしちゃったからなぁ、あいつ」
レイナを救出する際、手首がなくなっていた左腕へ槍を無理やり突き刺させてそらした
その際丸ごと持っていかれてしまったのだ
336
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/11(木) 16:15:00 ID:ui3cWmEE
>>234
「むっ?、暗くなった。」
と、同時に此方に接近する二人を感じる。
察するに、アカリ伍長とリリー少尉だろう。
どうやら、此方の気持ちを察して早めに来てくれたんだろう。
「了解です。すみません、リリー少尉」
部屋に戻り、冷蔵庫をあさっているとイサム大将お手製のクスハ汁が有ったが。
「………ちっ。」
取りあえず、ほっとき、お茶を飲むことにした。
【アルブレード、ゴメンよ無茶させちゃって。】
337
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/10/11(木) 16:40:10 ID:jIfFvk.g
>>330
(病気…?)
あの巨大な騎士からの攻撃を受け続ければサバイバリティの高い機体でも搭乗者がタダで済むものでもない
未解明部分の多いアイゼルネのスペックを楽観視したとしてもだ
結局レイナを機体ごと回収したのはヒツギだ
或いは彼女は既にヒツギが察し、俺に伝えたと考えた上での発言にしては珍しい
それ故に彼女が「務めて」冷静で居ることを察するには充分だった
「どうやら頭を切り替える必要があるらしい」
立ち上がり医務室から離れようとした所に見覚えのある二人が大気圏突入の旨を伝える
>>334
「ああ、了解した。俺は格納庫に行ってくる。エフゼロの四肢で修復してるから調整が必要なんでな」
338
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/13(土) 22:24:23 ID:yliATAt6
「そういや俺、宇宙に上がったの初めてだな」
大気圏突入という言葉を引き金に、ふと思い出したかのように口にする。
地球生まれの地球育ちで家族もすべて地球の中で済む職についていたし、月面に旅行に行こうという話もあったがそれも一夜限りのものだった
いざ月面にいたときは病院に戦場にで実感も沸かなかったが、思い返してみればもったいない事をしたような気がする
「・・・悪い、確か大きな窓があるテラスみたいなところあったよな、どこだっけか」
場所が分からないことが少し恥ずかしいのか、照れくさそうに頭をかきながら訪ねる
甲斐の施設に1番詳しいのはリリー少尉、どうやら彼女に場所を教えてもらうことにしたようだ
>>337
イクリプスの言葉に対し疑問符を浮かべているレオンの視界の端でヒツギが微かに首を横に振った。
ヒツギの交渉術などたかが知れている、しかしその性格を考えれば何度も質問したはずだ。
そんな彼が黙っていることを考えれば、病気の一点張りで中二病以外何を患っているのかすら分からなかったと見て間違いないだろう。
339
:
リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/10/16(火) 19:24:23 ID:XtQSFD1w
>>335-338
そこに居あわせた、病室の前のイクリプスを除いた三人がそれぞれに腰を上げたのを確認したリリーは小さく嘆息し、
隣にいたアカリの手を軽く引っ張った。
男三人の雰囲気に呑まれて気分の下がり気味だったアカリは、リリーに手を引っ張られた瞬間はややきょとんとしていたが、
すぐにその意味に気づいてしっかりと頷きを返し、踵を返してもと来た通路を戻っていく。
騎士のような姿をした敵との戦闘の後も未だアカリがパイロットスーツのままなのは、ラプターによる前方哨戒任務に就いているからである。
レイナの状況を鑑みてそう時間をおかずにプリニウス基地を離れたので護衛艦を帯同させることができず、
加えて月面での戦闘で消耗している部隊しか艦載していなかった甲斐にとって、こうした哨戒機の存在は必要不可欠であった。
少し時間を掛ければプリニウス基地に駐屯していたペレグリン級を護衛艦として連れて来られたのかも知れなかったが、
プトレマイオス基地の救援で忙しいプリニウス基地の輸送艦艇を護衛艦として使える可能性は非常に低く、
そもそも帰路を急ぐ甲斐の巡航速度がペレグリン級のそれを上回っているために、護衛艦の有無は始めから勘定に入っていなかった、というのが実情だ。
その前方哨戒任務に就いていたアカリがここに来れていたのは、ラプターの補給のために一時帰艦していたからである。
だがレイナの容態が特に好転していないことがわかり、ラプターの補給もそろそろ完了するとなれば、アカリがここに居る意味はない。
リリーがアカリの手を引っ張ったのは、それに気付かせるためであった。
床を蹴って、無重力特有の浮遊するような移動方法で戻っていくアカリを見届けていたリリーだったが、
そんな彼女に、ふとヒツギが艦の施設について質問してきた。何でも、大きな窓のあるテラスのような場所を求めているらしい。
「大きな窓、ですか。でしたら、艦橋二階、後部にある第一展望デッキなどはいかがですか? 大型のドーム窓を備えた本艦最大の展望デッキですよ。
それとは別に、船体の左舷と右舷に第二、第三展望デッキがそれぞれありますが、あちらはどちらかというと水中展望を目的としたデッキですから、
宇宙空間の遊覧には向きませんね。
あ、それと地球重力圏までもう少しなのでやや急ぎ足になりますが、機動兵器ハンガーから直接、宇宙空間に出てみるという手もあります。
迫力はこちらが一番でしょうね。何しろ、スーツの薄皮一枚隔てた先がもう宇宙空間ですから」
ヒツギが何を求めてそういった場所の位置を訊いたかは不明だが、とりあえず遊覧だろうと判断したリリーは、それに適した場所を提示する。
340
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/17(水) 23:03:38 ID:IZsRMVJY
>>339
「艦橋2階か・・・宇宙遊泳はさすがにいいかな、十分コックピット内で体感したしさ」
確かにぶっ続けで2回も出撃したのだから無重力状態は良い意味でも悪い意味でも十分堪能できただろう。
気合を入れたからか冗談が言えるまでに切り替えられているようだ
「ありがと少尉、、じゃあ早速見に行ってくるよ。アカリンもお疲れさん」
小さくステップを踏むように前へと踏み切った、軽く手を振りながらそれぞれとは別の方向へと水平に流れてゆく
特にその姿や振る舞いはいつもと何も変わらない、だからこそ逆にその背中には違和感が溢れていた
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
いざ第一展望デッキについたヒツギは、椅子に腰掛け黒の世界に浮かぶ数多の点を見上げていた
そのまま視線を降ろしてゆくと見えてくるのは視界いっぱいを包み込む青い星。
降下が近いということもあり地球の姿を眺めるにはタイミング共にぴったりであった
「・・・・・・」
肩から力を抜き、膝に自らの肘を乗せその腕を支えとして頭を乗せた。
無気力と言えるような体勢のまま感傷に浸っていたヒツギであったが、その顔が更に下に向けられる。
今度は自らの影と足元に広がる床だけの視界。
自分の馬鹿さ加減が、弱さが悔しい。
こういう姿を誰にも見せたくないといういかにも男の子らしい考え方だ。
グッと奥歯を噛み締める彼の背中に声をかけられる人間が居ようか?
大気圏突入によって星のドームは壁に包まれてゆく
それに伴い室内が暗闇に飲まれてゆく中でもヒツギはその姿勢を維持したままだった。
341
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/18(木) 08:25:04 ID:PDgHxFYg
大気圏突破後。ユウセイは、適当に艦内を散策していた。
「むっ、アレは?」
ブリッジで見られないものを見たんで
気になって、来てしまった。
「何ですか?これって」
聞こうとした瞬間ケータイに連絡が。
「はい、ユウ」
「もしもし、アストだけどねぇ、あんたの船で、太古のOS手に入れたそうね」
「さぁ、知りませんが」
「とぼけんじゃないわよ、早く私の研究所に持ってきなさい。」
【分かんないんだけどねぇほんとに】
「あっ、それは無理です。いま重傷者がいて」
「ふーん、そうなんだ、分かった。また連絡します。」
そういい、切られた。
「レイナ嬢、のこと伝えなくて良かったかな。」
その事だけをきにしたが。
まぁいいや、で処理した。
だが、この後、ユウセイが泡を食って倒れることは、本人は想像していなかったのです。
342
:
レオンの手記
◆NcltM1gQ/Q
:2012/10/23(火) 20:51:18 ID:7/nMsm0A
――月面に駐留していた連邦軍と共に辛くも敵アンノウンからの追撃を振り切り
ほうほうの体で帰還する甲斐であったが伊豆基地への到達後に更なる衝撃的事実を知る
その最たるものは連邦軍上層部へイサム自らが月面での経緯を報告するも、その返答は
『月面での異常は見受けられない』と言うもの。
この際に出撃していた筈の味方部隊も何故か同じ証言を行っていた『らしい』
それよりも上層部は
『過酷な演習による過度の戦力損耗、現方針から鑑みて大掛かり過ぎる軍備増強への姿勢に対する説明』に対しての説明を強く求めていたとそうだ
――さて俺の機体(の損傷に対する始末書)はさて置き、実際に爪痕の大きいグルンガスト、ゲシュペンスト、アルブレード達に対する傷が『演習に依るもの』で片付けるとは…
思うべき所も多々あるが、まずは離れる羽目になったヒツギの元へ向かうべきか
343
:
エミリー
◆jclrQ5ykSY
:2012/10/23(火) 23:35:57 ID:EckslorA
>>342
「レオン、どう言う事?」
連邦軍上層部に納得していないのはレオン達だけじゃない。
私はエミリーを心配し、アメリカから日本に来たけど・・・
「月面の襲撃・・・私はそいつ等を地球に寄せ付けない為に、呼ばれてきてるのよ。」
事実、アメリカ軍もドローンやテロリストの相手で手一杯だ。
一人でも欠員を出せない状況で、応援に来ているんだ。
「上層部と局長さんのやり取りは私やアメリカ側も知ってる。
あのやり取りについて、向こうが説明を求めてる。」
私達はナイトの様な部隊に襲われたって報告を受けてるんだ。
異常は無かったじゃ、向こうが納得するはずも無い。
どんな事情があるにせよ、その事情を向こうに説明しないといけない・・・
344
:
レイナ&イクリプス
◆zv577ZusFQ
:2012/10/24(水) 07:28:41 ID:dA1bmGNE
月面から命からがら逃れて来た甲斐は、何とか無事に極東支部へと帰還する。
極東支部には既にカーマイン家の手の者だろうか、メイド達何人かと自前のヘリが床に伏せるレイナを待ち構えていた。
「ご苦労様でした。メイド隊。
では皆様。大変申し訳ありませんが、我々はこれで失礼させていただきます」
連邦軍の一同へとまだ意識を取り戻さない主に代わって頭を下げて、謝罪をしていく使用人。
それを終えると速やかにかつスマートに見た目にも明らかに衰弱した様子のレイナを((意識が有れば決して許さなかっただろう)
所謂お姫様抱っこをして艦外へと運び出し、その大きな医療ヘリへ護送した
「ではヘリを飛ばして下さい。もうしばしご辛抱くださいお嬢様。じきにカナメ様の元へ連れて行きますので…」
ヘリを操縦するのはまるで似つかわしく無いが若いメイド。
イクリプスは弱るレイナの身体を優しく抱き寄せ、母性的な介抱を見せる。
そしてヘリはバリバリバリと不愉快な騒音を立てて極東支部を一目散に飛び立ち、だんだんと視角出来ない程に小さくなって行った
345
:
レイナ&カナメ&イクリプス
◆zv577ZusFQ
:2012/10/24(水) 10:00:48 ID:dA1bmGNE
屋敷に戻ったイクリプスはレイナを抱え、すぐにレイナの病への“専門医”の元を訪れた。
「カナメ様。お嬢様をお連れしました。治療をお願いします」
レイナを搬送した先は怪しげなモノが培養液に満たされた水槽やらが存在する
まるで特撮物の悪の怪人を改造手術してしまえそうないかがわしい設備であった。
イクリプスは部屋に充満する科学薬品の混ざりあった危険な芳香に脳内で不快を示しつつも、レイナを寝台に寝かせる。
一般的な医務室と言うにはどうも混沌としたこの部屋に例の専門医とやらは存在している。
「予定より早いわねイクリプス。はやく同化を塞き止めるわよ。とりあえず最初に一本射っとくわね。
暴れ狂わない様にお嬢様をしっかり固定してイクリプス?」
桃色の髪をしたレイナとそれほど年も変わらなそうな少女がそこには居た。
イクリプスへ、治療の補助を命令しているあたり、彼女こそがレイナを治せる専門医と言う事なのだろう。
ゆったりしたネグリジェの上に白衣を羽織るというヘンテコなファッションをしている。
不自然なほど長い前髪の内からは眠そうにトロンと垂れた金色の瞳が伺える。
彼女はカナメ・ライブラ。レイナとは幼少からの幼馴染みであり、だらしない外見からは想像も出来ないが、レイナ一派のブレインである。
「かしこまりました。ではお嬢様、失礼します」
イクリプスの手により、レイナの身体が寝台にがっちりと固定される。
これから行う療法はレイナ以外には想像もしない程の苦痛を伴う。こうするのも決して大袈裟なものでは無い。
手始めの抗薬の注射。
桃色の髪の少女は鈍く光る極太針の注射器を用意していた。
この先を思えば、まだ意識が回復していないのは幸いかも知れない。
「お姉さんなんだから我慢よ。……いくわよ」
レイナの頭を撫でる桃色髪の少女は汗ばむレイナの首元。その血管へと注射器の針は無慈悲にも突き刺した。
「!!!……ぐう!……が……あぁが!?!?」
その痛みの方が勝ったのか、声にならない声を上げ反射的に目を開くレイナ。しかし、しっかりと拘束されているので身体を動かしてもがく事は出来ない。
ただただ痛々しい声が上がるだけである。
その後、吠え猛るレイナを気にかけないかの様なカナメの迷いの無い作業により、合計3本の抗薬を追加で注射した。
「毎度の事ながら恨まないでね。私には今はこれが精一杯なのよ」
「いえ。お嬢様はカナメ様に感謝こそすれ、恨んでなどおられませんよ」
「そうだと良いのだけど……ね?」
体内では抗薬とレイナの体を内から蝕もうとする金属細胞マシンセルが抗争を繰り広げている事だろう。
その体内での戦いが激化する度に、レイナの身体へも断続的に焼けつく様な激痛が加えられてくる。抗薬が憎き金属細胞の浸食を止める際の副作用だ。
「ぅぐっっぁ!!……があ!!あ!!」
抗薬の浸食への浄化はレイナが身体で感じ取れる程に効いているのだ。
プライドも何も捨て去り、のたうち回る今のレイナの姿にはもうカリスマなんてものは見られない。
しかし、今は恥辱にも何でも耐えるしか無い。これ以上、この身体の浸食を起こさせない為に。
「クク……ククク!!私……っ!このレイナ・カーマインがぁぁ!
たかが金属細胞ごときになぁ!屈するものかああ!」
しばらく暴れ狂っていた叫ぶだけのレイナだったが、ようやくニンゲンの理解できる言葉を口に出した。
それは心の底からの屈託の無い全力での勝利宣言。
―――――――――
今回も打ち勝った。親友の作り出した抗薬が浸食を完全に塞き止めた。
峠は完全に越えた様だ。勝利宣言の後、スイッチを切られた玩具の様にすやすやと寝息を立て、今度は何の苦しみも無さそうに意識を手離す。
安心したイクリプスは寝台とは別のふかふかベッドへレイナを移す。
「ふわああ。……ああ、ご苦労様ね、イクリプス。もう大丈夫よ。状況をメイド達に教えてあげて」
寝息を立てるレイナにつられたのか、気の抜けた大あくびをするカナメ。
机に突っ伏し、心底眠そうに目蓋をショボショボさせている。これがニュートラル時のカナメ・ライブラである。
「ありがとうございます。ではお嬢様が目を覚ますまで、お願いしますカナメ様」
レイナの監視をカナメに任せ、イクリプスは通常の職務へと戻る。
不気味な悪の秘密結社の実験室の様な部屋にはレイナとカナメ。二人が残された。
「何だか気持ちが良さそうね……私も眠くなっちゃうわ。まだまだ10時間しか寝てないしね」
と、しばらくたった時には二人分の寝息が聞こえて来るのだった。
346
:
ユウセイ&アスト
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/24(水) 17:02:06 ID:oDLCGsUo
レイナ嬢が、マシンセルに打ち勝ったとき、ユウセイは、アルブレードの損傷ぐわいを調べていた。
「やっぱ、あれじゃあな、」
あの、戦闘のことを、ぼやいていると
基地に、helicopterが来た。
誰のだろうって、考えてると、
中から、アスト博士がでてきた。
「あっ、ユウセイくん。居たんだ。大丈夫?」
ユウセイは、とっさに、逃げようとした。
「逃げたら、DCの資料見せてあげないわよ。」
「絶対に、見せてくれるなら、手伝ってもいいです。」
二人は、大国魂のあるところまで、行く。
「これね、太古のOSと言うのは、」
「はぁ、自分はよく知りませんが。?!」
この、感じ、奈良であった。
「どうやら、奈良のと」
「同じのようね。さっ、ちゃっちゃとやるわよ。」
二人で問答無用で、解析を始める
「ところで、重傷者って。」
【ここで、一人になっても困るしな。】
「どうしたのよ、早く教えなさいよ。」
「えっと、レイナ嬢みたいなんです。」
アスト博士の手が止まった。
が、
「そう、なら大丈夫ね。」
「良いんですか?、行かなくて。」
「大丈夫よ、あの子なら。」
叔母の感なのかな?と思いながら手伝っていく。
347
:
マデリーン
◆E8ckRIIdug
:2012/10/25(木) 00:03:18 ID:Vz4rmHU6
>>346
「はじめまして、アスト・カーマイン博士」
そこに加わったのはマデリーン・エッシェンバッハ少佐。
ざっと自己紹介してから、解析作業に参加する。
その横でラウディが手伝わされている。
彼女らがいる甲斐の一室は、もう、何というか、近寄り難くて。
348
:
◆E8ckRIIdug
:2012/10/25(木) 00:11:50 ID:Vz4rmHU6
>>342-343
その不可解な処置を、伊豆にいたのなら説明出来たであろう人物、即ち河嶋大佐は伊豆にいない。
甲斐が戻ってくる前日からジュネーブに召喚され、連絡が付かないのだ。
「それはもう、酷い顔で出ていきましたよ」と言ったのは、物資搬入のため伊豆に来ていたヴィルヘルム・エッシェンバッハ。
マデリーンの夫にして予備役少佐、重工業メーカー・ローランド社の社員である。
なお、夫婦の再会の挨拶は“タケミカヅチ”解析を優先するために省略された。
349
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/25(木) 01:25:26 ID:JDqcDK46
腹の置くまで深く息を吸い込み、ゆっくりとした体の動きに合わせ少しずつ吐き出してゆく。
床はフローリングでも絨毯でもなくイグサを何十にも編まれて作られた畳
極東支部にそんな場所は一箇所しかない、それに合わせてヒツギの服装は胴着になっていた
「フゥ・・・」
突き出した右腕を引き戻し、左腕の肘を曲げてその角度のままに前へ持ち上げてゆく。
左手の指を一本ずつ伸ばす、その体のこなしは戦闘というよりは型を確認しているという方が近い。
精神統一のために行っているとみて間違いない。
ふと視線に入り込んだ道場の窓をヘリが横切るのが見えた、珍しいことに軍用のものではない。
結局極東支部についてもレイナの姿を見ることはできなかった
到着してすぐ、近くの医療施設に搬送されるのかと思ったが屋敷に戻る為の迎えが来るという話だった
キュッとヒツギの口元が強く締められるが、すぐに口を薄く開き同じように一定の長さで息を吐き出し始めた
しかし入り込んだ雑念をどうしても振り払えないのか、ぴたりと動きが止まってしまった
「あ゙あぁぁぁぁ!」
それを追い出さんと、謎の叫び声を上げながら自らの頭に両手を置いて掻き毟る。
両腕をだらりと下げると共に、ため息を吐いて道場に座り込んだ。
「・・・ハァ、少し休憩しよう」
350
:
ユウセイ&アスト
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/25(木) 21:50:02 ID:J7bAB7RM
「っ?だれ?」
「マデリーン少佐です、ほら。」
片手は、化け物のスピードで操作しながら、ipadを取り出す。
「あぁ、どうも。」
ニコニコしながら、喋っているが、常人の10倍以上のスピードでPCを操作している
351
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/10/26(金) 17:05:55 ID:CNCX7O4Q
皆がそれぞれに四半舷休息状態を過ごしている中、アカリとリリーは伊豆基地から離れ、最寄りの駅で電車を待っていた。
パーカーにプリーツ付きのキュロットスカートという動きやすそうな服装のアカリと、
それとは対照的なワンピースにカーディガンという大人しい服装のリリーがホームで並んで立っている様子は、
どこかの姉妹のようであり、二人が軍人であることなど思わせないものであった。
見た目がそうであるならば会話の内容も同様で、手帳に挟んでおいた路線図を眺めるアカリと、
携帯端末で周辺の情報を調べているリリーが今日一日をどう過ごすかを話し合っている。
「どうします、少尉? 基地の人たちは大体、遊びに行くとしたら熱海か、少し足を伸ばして小田原に行くらしいですけど」
「せっかく一日乗車券を買ったんですし、小田原から攻めてみましょう。小田原城を見てみたいですから」
「日本の古城に興味が?」
「ええ。今まで日本に来ることはあっても、そういう歴史的な建造物を見る機会は全くありませんでしたからね。
……そんなことより「アカリさん」、基地の外で「少尉」は止めて下さい」
「えっ? ……ああ、はい。でも何と呼べば?」
「普通に呼び捨てにしてください。そうですね、年の離れた従姉妹、という体で行きましょう」
「従姉妹ですか……じゃあその、ええっと、リリー?」
「はい、それで結構です」
二人は尉官と下士官という階級の大きく離れた関係であるが、それを無視して呼び捨てにしろ、とはまた、言うことが大胆だ。
アカリは少し意外に思ったが、よくよく考えてみると初めに会った頃ならともかく、
上下関係に余り頓着しないダウナーなキャラクターとしての馬脚を現しつつある今となっては、それほど不思議ではないことに気付く。
そんなことを考えていると、リリーがふと、周囲を見回し始めた。アカリもつられて周りを見る。
平日の昼間だからだろうか、ホームには自分たちと同じように電車を待っている客が離れた場所にちらほら立っているだけで、他には特に何もない。
それをアカリと共に確認した形となったリリーは小さく頷いて、
「……それにしても、うちの部隊、少しきな臭くなってきましたね」
「きな臭くなった、とは?」
「今回の件に関するカイオウ大将の強引なやり口、聞いてないんですか?
大将は月面での「あれ」、演習だったなんてゴリ押しているらしいですよ。関係者の口もそういう名目で統一させているらしいです」
「え!? い、いくらなんでもそれは無理がありすぎじゃないですか……?」
「ええ。高い確率で破綻するでしょう。きな臭いと言えば、カーマイン家の方達もそうです。
今回のことで発覚した、レイナ・カーマイン嬢の「持病」もきな臭いと言えばそうなのですが、
この部隊の意志決定には、彼女らが大きく関わっているらしいではないですか。
アカリさんも疑問に思ったことはありませんか? 民間の、一資産家が、連邦軍大将の直属部隊に影響を与えていることに」
「それは……ありますけど、でも、レイナさんたちは悪い人たちじゃないと思うんです」
「ええ、それは私も思います。しかし、それとこれとは話が別なのです。
悪い人でなければ、していることも悪いことではない? いいえ、それは違います」
「………………」
「私は自分の飼い主は連邦軍だと思っていますし、今でもそう思っています。
しかし今回の一件で、私に今、引き金を引かせているのは一体誰なのか、という疑問が生まれました。
……アカリさん、あなたの飼い主は誰なのか、少し考えておいた方が良いかもしれませんよ」
そこまで話してから、アカリの気持ちが沈んできていることに気がついたらしいリリーが、「なーんて」と(やはり無表情で)おどけて見せた。
「そんなこと言ってますけど、上司に言われるがまま引き金を引くのが私達のお仕事ですから、考えたところでどうこうなることでもないとは思いますけどね。
すみません、アカリさん。人と出かけるのなんて何年ぶりかなので、少しテンション上がりすぎてたみたいです。
陰謀論者さんオッスオッスの精神で流して下さると助かります。でないと黒歴史にまたひとつ、項目が増えることになりそうなので」
「……あはは、それなら逆に流さないでおきましょうか? 黒歴史と枕を抱いてばたばたしてもらうというのも、面白そうですから」
「鬼畜キタコレですね」
そうやって会話をいつものものに戻していっている間に、電車がホームへと入ってきて、それを合図とするかのように部隊の話は二人の間から消えた。
だがそれは小さな、しかし確実なしこりとなって、アカリの胸の中に残った。
352
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/27(土) 07:51:14 ID:cBhN.PqI
>>349
【「・・・ハァ、少し休憩しよう」】
「そうですか。なら少し私に付き合ってもらえませんか、ハヤセさん」
突然、ヒツギしか居ない筈の静かなその空間に、ハキハキと透き通った女性の声が乱入する。
ヒツギが息を正すそのタイミングを見計らった様に、道場には一切の穢れも無いしゃきっと正された純白の制服を纏う黒髪ストレートの華奢な少女がやって来た。
明智ライト大尉。乱れを許さない真面目を絵に書いた様な少女である。
月面基地で本来のホーム欧州へと出戻ったはずのライトが、何故またしても極東支部へと訪れたのか?
ただ遊びに来ただけなんて事は彼女に限って絶対に無いだろうが。
「欧州への技術協力とあなたへのスカウトのお話ですよ」
どうやら、欧州支部からのメッセンジャーをさせられている様だ。
欧州支部と言えば軍内でも一握りのエリートだけを揃えた正に一流部隊である。
その待遇は厚く、将来的に見てもそれは大きなステータスとなるだろう。
ヒツギにとってもこの案件はメリットの多いものだろう。
それともう一人。ヒツギ用の資料の他に、あのハヤミ・ユウセイ用の資料もライトは用意しているのだが、上層部は本気なのだろうか?狂言なのか?
などと、ユウセイ曹長(ライトは階級が二等兵になったのを知らない)のふざけた奇行を実際に見てきたライトは困惑気味だ。
353
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/27(土) 14:00:35 ID:YNLU6b4M
>>352
>「そうですか。なら少し私に付き合ってもらえませんか、ハヤセさん」
突如として後ろから投げかけられた声に体を跳ねさせすぐさま後ろへと振り返る。
そこにいたのは何度も話したことのある顔見知り、記憶している限りだと彼女はヨーロッパの方へ向かったと聞いていたのだが
「ビックリした、あけっちか・・・久しぶり」
胸を撫で下ろしながら再会したことに対しての言葉を投げかける。
その表情を見るにまったく気づいていなかったらしい。
後ろに人が立っているのに気がつかないほど集中していたのか、逆に気が散っていたのかのどちらかだ
レイナの情報はライトにも届いているだろう、どちらに転んでもヒツギがそれを気にしていることは明白だった
>「欧州への技術協力とあなたへのスカウトのお話ですよ」
「へ?」
きょとんと目を丸くしてかなり間の抜けた声をこぼすヒツギ。
ルーキーであるヒツギにとって、どこかからスカウトが来るなんてまず思っていなかったことだろう
ぽかんとしていたヒツギだったが、我を取り戻したのかそのことについて聞きなおそうと口を開いた。
が、自分の格好と話している場所のことをすぐに思い出す、見知った相手とはいえ女の子と話すのに汗臭いのは頂けない
・・・それに気分転換もしたいところだった
「話の内容が気になるけど、外の空気が吸いたいからちょっとだけ待ってくんないか?
急いでシャワーを浴びて着替えてくからさ」
この時ライトは思っていなかっただろう。
この「外の空気が吸いたい」という言葉、屋内から外に出たいと言う意味ではなく、基地から外に出たいという意味だったことに
354
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/27(土) 15:07:17 ID:cBhN.PqI
>>353
【「ビックリした、あけっちか・・・久しぶり」】
「だからですね。その、あけっちと呼ぶのはやめて下さいと/////」
いつの間にか名付けられ、しかも周りに浸透していた愛嬌のあるその呼び方へと律儀にツッコむ。
本気で嫌がってはいないのだが……何だか気恥ずかしいのだ。
【「話の内容が気になるけど、外の空気が吸いたいからちょっとだけ待ってくんないか?
急いでシャワーを浴びて着替えてくからさ」】
「ふむ?……ああ、確かにそうでしたね。場所を改めましょう」
ライトとしても男男したこの様な空間で話をするのは、あまり好ましく無い。
ヒツギの提案は二つ返事で承諾する。
施設のカフェにでも行ってと考えた。素直に話を聞いてくれそうで何よりである。
「あとですが。ハヤミ・ユウセイ曹長は呼べますか?この件について、あの人にもご同行願いたいのです」
シャワーを浴びに行こうとするヒツギを僅かに引き止め、ユウセイ二等兵の居場所を聞こうとするライト。
あまり気は進まないが、もう一つの目的を同時にこなしておくつもりだ
355
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/27(土) 18:57:05 ID:YNLU6b4M
>>354
ヒツギからしてみればライトも立派な仲間である。
欧州と極東の仲が悪いことなど彼が知る由も無い、そういうことには疎い・・・というよりはそういう不用意なことは伝えていないのだろう。
>「あとですが。ハヤミ・ユウセイ曹長は呼べますか?この件について、あの人にもご同行願いたいのです」
「ユウセイ?だったらOSがどうとか行ってたし研究棟じゃないかな
多分アスト博士も一緒のはずだから、そっちの居場所調べたほうが早いかもな」
ユウセイも同行というのは非常に珍しい話だが、自分がシャワーを浴びている間に捕まえてくるということか
「分かった、じゃあ1階の受付前で落ち合おう」
研究棟とこっちを行ったりきたりするよりは早いし、出入り口なのだから当たり前だが外に出るにも近い
時間効率が的にもこれがベストな待ち合わせ場所のはずだ。
「そういうわけでよろしく、俺は急いでシャワー浴びてくるよ」
356
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/27(土) 19:26:18 ID:cBhN.PqI
>>355
【「ユウセイ?だったらOSがどうとか行ってたし研究棟じゃないかな
多分アスト博士も一緒のはずだから、そっちの居場所調べたほうが早いかもな」】
「研究棟ですか。ではアナウンスで呼び出して貰います」
ライト自らがユウセイの元へと向かうつもりは、そんなに無いのでむしろこちらへ召喚する形になるだろう。
それに何やら厄介事に巻き込まれてしまいそうな乙女の勘が働いた。
【「分かった、じゃあ1階の受付前で落ち合おう」
「そういうわけでよろしく、俺は急いでシャワー浴びてくるよ」】
「わかりました。速やかにかつ丁寧に身を清めて来て下さい。
では今から私はハヤミ曹長を呼び出しますので」
ライトはその間に係の者に頼んで、研究棟で作業に没頭しているらしいユウセイを呼び出して貰う事にした。
“30分以内に1階フロントへ集合せよ”と
357
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/27(土) 20:04:22 ID:NVxKcMG2
>>356
アナウンスが鳴りユウセイが呼び出される
「ああ、呼び出しか。まだ、0、00045%しか終わってないのに。」
ガックリする、ユウセイ
「後は任せて、素直に応じなさい。」
諭す、博士
「了解、後は任せます。」
自室に戻り、シャワーを浴び、適当な服に着替え
ウィーダーインゼリーを一気飲みする。
「さてと、」
ユウセイは、フロントに向かう。
「お待たせしました。明智大尉、ご用件は。」
ちょうど、30分経った
358
:
マデリーン
◆E8ckRIIdug
:2012/10/27(土) 21:23:13 ID:soLvNY.w
>>350-357
「あら残念」
なかなかに良い速度で打ち込むので少しは使えるかと思い始めた矢先だったので。
タイピング速度で言うならキーボード二つ同時に壊してからが本番とか言う世界と比べちゃいけません。
「まぁ仕方がない、ユーティライネンの力を借りるわ」
もう指揮系統を気にせず独断で軌道防衛艦隊を呼び出す。
ライトあたりが知ったらどうするとか全く気にしない人たちである。
そして、そんなならず者たちに良いように弄ばれるタケミカヅチ。
神様の立場、絶賛大暴落。
359
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/27(土) 21:27:45 ID:YNLU6b4M
>>356
>>357
「ギリギリセーフ!!・・・か?」
30分から1分ほど遅れてヒツギもやってきた、しかしその服装は制服ではない
シャツの上にデニムのライダースを羽織り下はスリムなチノパン・・・と、どう見ても私服である。
服にあまり拘りがなさそうな性格からそのままに、年齢相応といえばその通りの非常にシンプルなものだった
「とりあえず歩きながら・・・」
ここで察しが着くだろう、外の空気が吸いたいという言葉は文字通り敷地の外に出たかったということに。
確かにまだ日は高く外に出るには絶好の時間だろうが・・・
「あ、それともユウセイとの話はここで終わらせたほうがいいのか?」
ユウセイの様子からまだ忙しいということを察したのか、外に連れて行くか否かで立ち止まる
解析作業があるのであれば連れて行くことも無い。
どこかに座って話を進めればいい話だ、その後で外出すれば良い
「とりあえず立ち話も何だからカフェで座りながら話そうぜ」
となれば1番ベターな選択肢は最初からカフェに向かうことだろう。
その趣旨を切り出し、2人尻目に歩き出した。
360
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/27(土) 22:28:03 ID:cBhN.PqI
>>357
>>359
【「お待たせしました。明智大尉、ご用件は。」】
【「ギリギリセーフ!!・・・か?」】
「二人ともアウトです。完全に。常に5分前行動を心掛けて下さい。
私は遅刻なんて一度もした事が有りませんよ?雨の日も風の日もお腹痛くてもそれは何故かといu……ぶつぶつぶつ」
ビシッとフロントの掛け時計を指差す。たったの1分ほど遅れてしまったらしい。
それすらも規律を重んじる彼女は口うるさく注意する。
遅れたヒツギはともかくとして時間ぴったりに来たユウセイにとってはとんだとばっちりだろう。
「あ。ところで、二人は何故私服ですか?」
しかし、長々と続くと思われたお説教も、ヒツギのラフな格好へのツッコミへ移行する形で終わりを迎える。
【「とりあえず歩きながら・・・」】
「えっ?これって……外へ?」
何だか妙な予感が乙女の脳裏を過った。
若い男女が二人っきり(ユウセイも居ます)で外へ。これって俗に言う……。妙な考えを持ち出した。
そんな事を考えたライトは途端に白かった顔色を耳の先まで紅潮させている。
その後にヒツギがユウセイがうんたらとか言っていた気がしたが、完全に聞き逃してしまった様だ。
【「とりあえず立ち話も何だからカフェで座りながら話そうぜ」】
「そそ、外へ出るんですか??」
平常時とは違い言葉をどもらせ、そわそわした様な期待する様などっちともつかない様子で訪ねている。
いったいどうしてしまったのだろうか?
361
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/27(土) 22:36:15 ID:NVxKcMG2
「いえ、軍服で行くと戻ってタイピングすんの大変なんで。」
ユウセイは、黒いシャツに、青の上着というしょぼい格好。
>>「あっ、それともユウセイの話はここで終わらせた方がいいのか?」
「ああ、出来ればな、抜け出せるいい理由が出来たが、おもしろくなってきちゃったし。」
「基地のカフェいきましょうか。」
>>「そそ、外に」
「行きませんよ」
絶対にテンパっている、明智大尉を後目に、
ヒツギに続き、カフェに向かう
362
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/27(土) 22:58:28 ID:YNLU6b4M
>>360
>>361
>「えっ?これって……外へ?」
「だからそう言ったろ?」
ヒツギは道場に朝から居れる程度には暇だったのだ、後に予定が入っているなんて事も無いのだろう
とはいっても気分転換と言っていた様に特に何かがしたいという理由は無かったのだが
>「そそ、外へ出るんですか??」
「まだ外に出ないって。さ、早く行こうぜあけっち!」
ライトがしどろもどろしているのに見かねたのか、彼女の元に引き返すと両肩に軽く手を置いて背中を押し始める
そのままライトの位置に合わせて歩いていくことに決めたようだ。
しかして数分後、施設内にあるカフェにある丸テーブルに3人は座っていた。
今時病院にも大手コーヒーチェーンが店を持つ、こういった場所が施設内にあることも珍しいことではないのだろう
当然ながら人の姿はまばらだ、重要な話であったとしても盗み聞きされるとは考えづらい。
「で、スカウトって何の話?」
テーブルに置かれた三つの飲み物の内1つを片手にヒツギはライトへと尋ねる。
ユウセイにも後の仕事がある、単刀直入に聞いたほうが早いと見たのだろう
363
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/27(土) 23:55:09 ID:cBhN.PqI
>>361
>>362
【「行きませんよ」】
【「まだ外に出ないって。さ、早く行こうぜあけっち!」】
「あ……はい//////」
デリカシーの無い事に定評の有るユウセイにすらライトが狼狽する様は見透かされいたのだろう。
2人に指摘されて我に帰る。
なんの事は無い。基地施設のカフェテリアへまずは向かうと言っているのだ。
そして異色の3人はそこへ到着すると、各々席につく。
ライトの前にテーブルを挟んでユウセイ、ヒツギが並んで掛けている。
【「で、スカウトって何の話?」】
「まだ完全には決定していませんが、これより極東支部は我々、欧州支部との綿密な協力体制を敷いていく事になります。
そこでハヤセさん達の能力を見て高く評価した上層部のご意向により、二人はより恵まれた欧州部隊への正式な配置を勧めておられるのです」
ちなみに、ヒツギに対しては正式な軍人では無いので勧誘と言う立場だが、
ユウセイは職業軍人である。半強制的な異動命令となり、実質拒む事は出来ない。
勧誘における細かな資料をそれぞれ、手渡すと同時に3人分の飲み物がテーブルへともたらされる。
ちなみにライトは温かなロイヤルミルクティを頼んだらしい。甘甘のやつを。
「いきなりで気持ちが落ち着かないでしょうが、一息ついてまずお手元の資料を読んで下さい。今回の案件が詳しく載っています。
……しかし、私が言うのもあれですが、今後ともこんなチャンスは滅多に訪れたりしませんよ」
ミルクポットから真っ白になりそうなぐらいの量ミルクを入れ、砂糖も人並み放り込む。
ちなみにレイナは紅茶へミルクみたいな不純物を入れるとは冒涜ゥゥとキレる。
彼女らはこんな所も気が合わない様だ。
364
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/28(日) 00:31:43 ID:z5upQM9w
>>363
>「まだ完全には決定していませんが、これより極東支部は我々、欧州支部との綿密な協力体制を敷いていく事になります。
>そこでハヤセさん達の能力を見て高く評価した上層部のご意向により、二人はより恵まれた欧州部隊への正式な配置を勧めておられるのです」
「あー、ヘッドハンティングって訳か」
元々は軍人になる予定だったのもあり、今は片足突っ込んでいるようなものだ。
現状「少尉」の前に「特別」や「特殊」が付くヒツギにとっても悪い話ではない
ただそんな彼を止めてしまうものが一つだけあった
「・・・配属ってことはそのまま欧州行きってことだよな」
彼の生まれ育った国である日本
今後甲斐に搭乗していれば世界中を回ることになるのは明白であり、実際の所はこっちに居ようがあっちに居ようがそんな違いは無い。
だが彼の年齢で故郷を捨てろなどとパッと決められる内容ではなかった
そしてもう一つ・・・
(しかし欧州となれば"彼女"の故郷があるはずだ。
でもそれとは逆にこちらに別荘がある、今はこっちに居るわけで・・・)
(甲斐に所属する可能性のほうが高いのか?だったらこのままでも変わらない・・・
待て待て、このまま容態が悪くなったら別荘じゃなくて普通家に帰ることになるだろう)
(いや、そもそも契約そのものが破棄された以上気にするのも今更なのだろうか?)
顎に手を当てたまま何かを考える様子のヒツギだったが
どうやってもまとまらないのか、諦めたように手元にあったコーラのストローに口を付け吸い込む
「もし期限がまだあるんだったらちょっと考えさせてくれないか
ごめん、すぐには決められそうに無いんだ」
氷だけが残ったグラスをテーブルに戻し、渡された資料を足元のメッセンジャーバッグにしまい込んでそういった
365
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/28(日) 01:36:26 ID:oL7ZjXTE
>>364
【「もし期限がまだあるんだったらちょっと考えさせてくれないか
ごめん、すぐには決められそうに無いんだ」】
「ええ……確かに、即答するには話が美味し過ぎて不気味に思いますね。大丈夫です、私も同じ考えですから。
ですから、資料をちゃんと見ての前向きな返答を期待しています。もし私の部下となったら悪い様にはしません。
私の直属の上司もあなた達の資質を素直に賞賛しています」
もちろん時間的猶予は与えるつもりだ。
ただし、必ずや決心をしてくれるはずだとライトは確信にも似た予想をしていた。
正義感の強い彼なら尚更、精鋭部隊での更なる活動を望むはずだと。
そして出来る事なら共に恒久平和の為に戦いたいと心から思っていた。
「今の軍は統制が全く取れていないのですよ。だからDC残党の様な死に体につつかれるんです。
我々、欧州を中心とした強固な団結力が必要なのですよ」
まだ熱いのか慎重にふーふーと冷ましながら紅茶を口にするライト。
ミルクを多く摂取するのは、自分の平坦な乳分を補う為なんかじゃ無いんだからね。と言い訳じみた事を暗示する。
だが実の欧州は既に邪な毒牙にかかっており、ライトの様な真に平和を願う真面目な士官ばかりでは無い。
しかしシルヴィエ・クロイツの思想を盲信している若者達は上層部の腐敗したその実態を知らない。むしろ聞かない。たちが悪い。
366
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/28(日) 08:54:41 ID:/otLOu0U
「急すぎて、驚いています。」
そう言うのは、ユウセイ【オレンジジュースを飲んでいる】
「ヒツギは、兎も角、何で俺までまた念動力者だからですか?」
【あれ?、なんで何回もあるように言ってんだ?おれ】
それは、兎も角。まぁ拒否権はないんだが。
「こちらとしては、問題ないんですが。まだ心残りがあるというか。」
「ある二人に会っておきたいんです。河嶋大佐とイサム大将に、できたら」
あの夢が本当に正しいなら俺は、DCの
【それと。もし、DC残党、と接触できるなら。】
弥生が、救えるチャンスが増えるかもしれない。
「了解しました、正式な通告は。」
ユウセイは、これを承諾したようだ。
367
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/28(日) 10:50:33 ID:oL7ZjXTE
>>366
【「ヒツギは、兎も角、何で俺までまた念動力者だからですか?」】
「それは私の方が聞きたいぐらいです。聞いていますよ、ハヤミ曹長の悪名は。もちろん悪い意味での」
うんざりした様な苦い表情をするライト。ヒツギはバルクレイスの機能を発動出来る希少な人材だとはデータの上で知っていたが、彼。ユウセイはどうだ?
いくら戦闘技術が優れていたとしても、トラブル三昧の問題児をわざわざ引き取る様な意図がわからない。
「ほんと、何ででしょうね」
ぼそっと小声でそんな失礼な事を洩らしてしまった。
ライトが気になってユウセイのデータを調べたところ、公表されている念資質のランクはB-と言ったところであり、Aランク念動力者の数値には結構遠い。
平凡なモノであったのだが。
【「こちらとしては、問題ないんですが。まだ心残りがあるというか。」
「ある二人に会っておきたいんです。河嶋大佐とイサム大将に、できたら」】
「それはどうぞ済ませておいて下さい。後日正式に辞令がいくと思われます」
ライトの思っていた通り、ユウセイはやはり命令系統の関係上、拒む様な事は無かった。
あっさりと従う姿勢を見せてくれた。
368
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/28(日) 19:28:41 ID:z5upQM9w
>>365
>>366
>ですから、資料をちゃんと見ての前向きな返答を期待しています。もし私の部下となったら悪い様にはしません。
「あけっちの部下かぁ。そうだよな、あけっちは欧州の所属だしな」
大切なことを忘れていたが、ライトがこの話を持ってきたということは彼女もあちらの所属なのだ。
だからといってどういう訳でもないが、友人が居るというのは重要なことだ
>私の直属の上司もあなた達の資質を素直に賞賛しています」
「それは素直にありがたいけど俺全然だよ、まだまだ半ちくだ」
月面の件、公式な発表は"過度な演習"ということになっているが、何らかの戦闘があったのは明らかだ。
そして敗戦であったということも分かることだろう
>我々、欧州を中心とした強固な団結力が必要なのですよ」
欧州を中心とした、という部分はさておきとして強固な団結力というのは肯定していた
ピエロや黒いSSが所属する謎の組織のこともある、今後のことを考えれば当然だろう
「ま、それは後でいいや。とりあえずこの話終わったなら早速外に行こうぜ
気分転換するために出てきたわけだしさ」
そういうとテーブルから立ち上がりライトへと顔を向ける。
もちろん行くだろ?という表情だが・・・
「あ、ユウセイはどうする?」
369
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/28(日) 19:50:31 ID:oL7ZjXTE
>>368
【「ま、それは後でいいや。とりあえずこの話終わったなら早速外に行こうぜ
気分転換するために出てきたわけだしさ」】
「わ、わ。外に行こうぜですって!?私の用事はもう済んだのですけど。
……は!ややっぱり、ま、まさかこれって。いや、でもこんなのって。こ、こんなのって」
何やら葛藤があったらしい。小声で意味が解らない事を早口でぶつぶつと繰り返している。
そして何故か頭が沸騰し続けている。
そんな時だった。ぐー。とライトの平らなお腹が空腹を訴える為の警笛を鳴らす。
「……あ。……しし、仕方ないですね。退院祝いを兼ねてお昼をご馳走します/////
はやく何でも良いんで何処へでも連れてってください」
ここで食べていけよ。とはツッコミたくなるだろうが、今のライトにはそんな事も気付けなかった。
370
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/28(日) 19:54:05 ID:/otLOu0U
>>「あ、ユウセイはどうする?」
ヒツギの問いに対し
「あー、解析作業大変なんだよね。本気で抜け出してやろうかな」
少し考え
「止めとく、少佐クラス+博士一人抜け出したら只じゃすまない。」
ふつうじゃない二人だから言えること
「まぁ、いい気晴らしになったよ、じゃあね。ご馳走様でした。」
手荷物をまとめ、出ようとする。
「ああ、それと、これ。」
彼のiphoneに移るものは、明智大尉と、ヒツギがいちゃいちゃしてるように見える写真。
「これ、レオンさんにやってレイナ嬢に見せたらどうなるかな。」
決まっているカオスになるって決まっている。
「送られたくなければ、後で手伝いにきてねじゃあね。」
足早に、研究所へと戻っていく。
「お疲れ、何の話だったの?」
戻ってきて最初に見えたのは、顔が若干黒くなってるアスト博士
「なんで、顔黒くなってるんですか?」
「いや、一機スパコンが爆発して、でも凄いわね、すぐリカバリーできたわ。」
よくみると、さっきまでいなかった人たちが2、30人
「で、進行率ナンパーですか」
「まだまだ、1,56%よ」
予想より進んでるな、そう思いながら、また作業を再開する、ユウセイ
泡を食っている奴らは気にしない。
371
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/28(日) 20:18:07 ID:z5upQM9w
>>369
その面白おかしい様子をみているヒツギ、なんというか女友達と遊びに行くこと自体を気にしていない様子
何をしているんだこいつはという表情をしているだけだが、そんな2人の間に流れていた空気を叩き切るように音が響いた。
自分の音かと思ったが、その様子を見るにライトの物だったらしい
>「……あ。……しし、仕方ないですね。退院祝いを兼ねてお昼をご馳走します/////
>はやく何でも良いんで何処へでも連れてってください」
「ぷっ・・・! あっはっはっは!いやごめんごめん」
取り乱しているライトについ我慢ができなくなったのか、思わず声を上げて笑ってしまった。
デリカシーが無いということは本人でも分かっているようでごめんごめんと謝ってきた
「いやさ、俺も一汗かいてちょうど腹がすいてるんだ。
さすがにサンドイッチとかじゃ物足りないから、まずは外で何か食うか」
つりあがっている口元を手で隠しながら、
一刻も早くここから立ち去りたいであろうライトをつれてテーブルから立ち上がる
「とりあえず出てみて、手近な店に入ろうぜ」
372
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/28(日) 21:06:12 ID:oL7ZjXTE
>>371
【「ぷっ・・・! あっはっはっは!いやごめんごめん」】
「な、笑い過ぎです。上官侮辱ですっ!」
気恥ずかしい所を見られて?聞かれてしまった。
どんどん自分の弱味を握られていく。どうしよう?
【「いやさ、俺も一汗かいてちょうど腹がすいてるんだ。
さすがにサンドイッチとかじゃ物足りないから、まずは外で何か食うか」
「とりあえず出てみて、手近な店に入ろうぜ」】
「……あ。はい(ドキドキ)」
ヒツギは誘ったのだが、ユウセイは忙しくて来れないらしい。
という事は完全にうら若き男女が二人っきり。経験の不足しているライトは変に意識してしまっていた。
故に、エンジェルフェザー隊の純白制服と黒タイツの神聖な格好のまま、流れに流され表に出ていってしまう。
冷静に考えたらこれはかなり周囲の目を惹くコスプレの様な格好であった。
「なな、何でも良いですよ。私はそれなりに高給取りですから」
街へ躍り出た天使さんは常時そわそわしながらヒツギへついて行く。
懐には特に使用目的も無い使いきれない程の資金が残っている。食事をご馳走する程度の、お財布事情は何も気にせず任せてもなんとも無いと主張する。
373
:
ラウディ
◆E8ckRIIdug
:2012/10/28(日) 22:02:33 ID:A1SZCqFM
>>370
「おかえり……」
泡を喰うどころか苦虫噛み潰した顔をした約一名。
色々試行錯誤した結果、エクストラハードな超弾幕系シューティングをノーミスでクリアしろとか言う話になっていたのだ。
「……何この世俗にまみれきった神様。
しかもこれタケミナカタかよ、タケミカヅチの筈なのに」
「何が超対空大社ゲパルトだよ。さらっと混ぜんなよ」
引っ張り込まれた整備兵甲乙が玄人向けな不満を口にしたので、わからない人は無視されるが良いでしょう。
374
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/28(日) 22:34:29 ID:/otLOu0U
>>「おかえり。」
「どうした?」
そこには、『mission、このシューティングゲームをクリアせよ。』
と書かれてあり。
「少しやってみようかな。」
ユウセイは、そのゲームをスタートさせた。
「これは、鬼畜だな。」
ユウセイ無双も好きだが、シューティングもそれなりにはできる
が。
一時間後
「だめだこれ。」
中盤で撃墜。
「鬼畜すぎんだろ、まてよ。」
これなら解析して。
「別のゲームに変えちゃえばいいんじゃん。」
もちろん、変えるのは、
バーニングPTと同じものに
「さて、ボコボコにしちゃうよ。」
これなら、向こうからの介入でも鬼畜な相手程度なので、念動力者である、ユウセイにとっては楽勝である。
30分後
「ふい、おしまい。」
全クリ
「博士あと、よろしく、」
「ユウセイ君!」
さすがに疲れたのか、吐血してから、倒れやがて、泡を食い始めた。
だが、大国魂は、完全にフリーで解析自由になり、解析スピードも40倍以上早くなったのだ
375
:
◆E8ckRIIdug
:2012/10/29(月) 01:14:14 ID:0Mtpi/rI
「深淵を覗き込む者は、自らも深淵に見られていると知れ」
このような言葉を残したのは誰であったか……
>>374
「……大国魂?」
「俺ら、タケミカヅチの解析してたよな……?」
「……サブルーチンとして内包してたようね。
つまり、ハヤミ君がイカサマめいた事までして開いたのはおまけに過ぎなかった……」
「いやいやいや!それはあんまり過ぎます!」
「同じ神様だし、この解析結果は参考に……(警告音)……外部からの介入?」
「た、大変!大国魂が外部とコンタクト取って……」
一方、大国魂の本体を取り込んだリガシン一派のアジト……
「……ユズ、どうなっているの?」
「タケミカヅチとのデータリンクシステムが起動した、ってところかな?
お互いに同じネットワークにアクセス出来るようになって、一度は切れた物がつながって……」
「……こっちの足が掴まれる前に切ろう」
「はい、姉様。向こうはどうせ伊豆基地かそのあたり……先生、お願いします」
『どぉれ』
「……外部との接続、物理的に切断しました」
「まさか、残留していた大国魂が、奪われた本体との結合を求めるとは……」
376
:
◆E8ckRIIdug
:2012/10/29(月) 01:24:20 ID:0Mtpi/rI
>>375
続き
「……それだけじゃないわ」
「少佐?」
「私と同じ、電脳直結の出来るハッカーがそれに相乗りを試みていた」
「ああ、それで線を叩き切れと」
「大国魂が有意のデータをやりとり出来たかはともかく、そいつが悪さした可能性は否定出来ない……」
「まさか……」
「タケミカヅチの解析は一時中止!
スタンドアローン状態でシステムの洗浄にかかります!」
「「「ぎゃーっ!?」」」
そんなわけで、本来の目的の達成率は上がらないまま時間と体力は喰い潰されていくのであった……
377
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/29(月) 15:46:21 ID:seNv3UlY
>>372
ざっと道をまっすぐ進んだだけだが、今日はどこの店も空いている。
いや空いているなんてレベルではない、客が誰一人として居ないといっていい
どんな時間であれ多少は人が居るであろうファミレスすら窓から覗いて見える範囲では客が見えないのだ。
そのくせ人だけは多い、人が多い癖に飲食店に人が居ない理由とはなんぞだ
というヒツギの疑問はすぐに解決した、外灯につけられた広告だ
「"小田原城グルメフェスタ"・・・はーなるほどね、だから飲食店が空いてるわけだ」
近くでこんなお祭りをやっているなんて知らなかった
そういえばアカリンたちが出かけたって言っていたが・・・これなのかもしれない
「これなんてちょうどいいんじゃないか?これだったら軍服で外に居てもおかしくないかも」
その広告を指差してライトへと尋ねる
観光という名目で休憩時間に外へ出てみたなんて事も言えるだろう
378
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/10/29(月) 17:06:07 ID:ousu261M
そんないろいろな理由で外出している一行
すると「プ〜ン」と良いにおいがしてくる
そのにおいのする方向を見てみると一軒のラーメン屋台があった
ご丁重に隣に「ここに止まる許可は取ってあります」と看板が置いてあり
そこにメニューも書いてあった
『ラーメンの種類 味噌・醤油・塩のみ、一杯500円、量は十分な量を保障します ギョウザ6つ300円』
と、もし入ってくるならば中で大きく新聞を目の前に広げる店主の姿があり、顔は見えない
店主も気づいておらず、話かければ気付くだろう
379
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/29(月) 18:37:52 ID:0EZkTERM
>>377
【「"小田原城グルメフェスタ"・・・はーなるほどね、だから飲食店が空いてるわけだ」】
「近頃はそういうの流行ってますよね。経済効果が見込めるんでしょうか?」
ライトは賑やか過ぎる人の波に少々うんざりしている様子。
そして何故か周囲の(特に異性)からの妙な熱い視線を感じたりするのだが、それも全く思い当たる節がない。
と言うか気付いていない。
【「これなんてちょうどいいんじゃないか?これだったら軍服で外に居てもおかしくないかも」】
「え……うっ?……この視線は軍服のせいでしたか。…も、もし…スキャンダルを報道されでもしたら……ぶつぶつぶつ」
やはり純白のこの制服は目立ってしまうのだろう。この事に気付いていたならもっと早く教えてくれれば良かったのに。
と、ライトは恨めしそうにヒツギを見ている。
ひとしきり小声でぶつぶつ言い終えると、どうやら落ち着いた様だ。
この純白潔白の聖なる制服は恥ずかしさ等、微塵も無い栄誉有るものだ。もうなにもこわくない
死亡フラグと言うか一種の開き直りで有る。
「私はお祭りのものでも何でも良いですけれど、せっかくですのにそんなリーズナブルなので良いのですか?」
まさか自分に対して気を遣っているのじゃ無いかと、有らぬ心配をしてみた。
380
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/30(火) 17:09:17 ID:d449zyW.
>>379
>「近頃はそういうの流行ってますよね。経済効果が見込めるんでしょうか?」
「B級グルメとかのブームがあったからな、こういったイベントをすれば普段外食に来ない人も来てくれるんじゃないか?」
こういったイベントは人が多い上に食べているので移動することが殆どない、ライトがウンザリしているのも分かる。
あまり離れすぎると逸れてしまいそうだ、この人の量と配膳に並んでいる列を考えると分断されたら合流するには骨が折れるか
ほれ、とヒツギが何の躊躇もなしに手を差し出している
>「私はお祭りのものでも何でも良いですけれど、せっかくですのにそんなリーズナブルなので良いのですか?」
「いーや、むしろ『せっかく』なんだったら値段とか関係なしにこっちのほうがいいだろ?
外に出たんだし楽しめたほうがいいじゃんか」
値段のことなどヒツギは微塵も考えてはいない。
逆にこういう庶民的なものにつれてきてよかったのかと疑問に思うが、彼が嬉々として語ったように遊ぶならば楽しめるほうがいい
こういった食べ歩きのお祭りは見世物はなくても、出店の雰囲気に当てられてそれなりに楽しめる
「とりあえず近場のから行こうぜ、あそこのラーメンが空いてそうだな」
指差した方向には確かにラーメン屋があった
381
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/10/30(火) 17:20:17 ID:fc4.Ss1k
>>377
,
>>379
「おや、珍しい組み合わせではありませんが、珍しい人が居ますね」
会場内に入ったばかりの二人にそう話しかけるのは、紙袋を抱えた私服姿のリリーである。
軍服を着た美少女として注目を集めているらしいライトに対しても安心と信頼の無表情を向けている彼女は、
右手に包み紙に包まれた、食べかけのコロッケらしきものを持っている。既にこの会場の客になってしまったらしい。
「リリー? ああ、ここに……って」
リリーの後ろから、同じく私服姿のアカリが現れる。
大小のビニール袋を提げている彼女はリリーを探していたらしかったが、リリーの前に居る二人を見て意外そうな顔をした。
無論、その理由はライトにあるだろう。
「あれ、え? どうして……?」
「待ったです、アカリさん。まずはその疑問をグッと飲み込んで、あのはっぴを出して下さい」
「へ? あ、はい!」
何やら大きいビニール袋をがさごそとやりはじめるアカリ。少しして彼女が取り出したのは、黒地に金の縁取りが為されたはっぴ。
背中には金色の刺繍で作られた三つ鱗の北条家家紋、その下には同じく金色の刺繍で大きく「相模の獅子」と書いてある。
「明智「さん」、上着の下はブラウスですか? でしたら、上着を脱いでこれを羽織って下さい。
これだけの人がいる中で、軍装はさすがに悪目立ちしそうな気がしますので。
大丈夫です。この「氏康はっぴ」なら、他にも着ている人がいますから」
リリーの言うように、大勢ではないにしろ、同じはっぴを着ている客がちらほら居る。
問題はライトが制服を脱ぐかどうかと、この派手なはっぴを着る気になるかどうかだが、果たして。
382
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/30(火) 19:01:28 ID:/wYyBTFU
>>380
【ほれ、とヒツギが何の躊躇もなしに手を差し出している】
「……ぇ?……え!?」
仲良くお手てを繋ぎましょうという意味以外の何物でも無い。
これは自分にはまだ難易度が高い。
ライトはワナワナと手を震わせ、ただただ声にならない声をあげて悶えているだけだった。
【「いーや、むしろ『せっかく』なんだったら値段とか関係なしにこっちのほうがいいだろ?
外に出たんだし楽しめたほうがいいじゃんか」】
「ハヤセさんが良いなら……その。私はかまいませんが……」
ここが祭の場ならそういうしきたりに合わせるのがルールであろう。
それならば楽しまなければならない。と自己解釈する。
【「とりあえず近場のから行こうぜ、あそこのラーメンが空いてそうだな」】
「……あ、待ってください////」
祭の雰囲気に順応しようとしたのか、少女は少し積極的になろうと動いた。
こんなところまでは誰も見ていないプライベートな場だ。それにこの人混みにのまれては大変だ。はぐれてしまう。
故に、彼と手を繋ぐぐらいは不可抗力であろう。
一大決心。ライトはそのか細い真白な手を、厚意で差し出された彼の手と絡めようと恐る恐る恐る恐る近付けていく。
その距離もう僅か数センチで指が触れあうといったところで…………
>>381
【「おや、珍しい組み合わせではありませんが、珍しい人が居ますね」】
「ぇ……ああああ!?いや、違うんです。違うんです!」
そのライトの決心を無慈悲にも中断させざるを得ないリリー少尉の横槍。
慌ててライトはその手を引っ込めるが、気付かれていないだろうか?
【「リリー? ああ、ここに……って」】
「く、クレマチ伍長!?……あ。き、奇遇ですね。あなた達も祭にに?
すす、すっかり馴染んでいますね」
二人とも手には袋やらを提げている。露店のものを買い込んだと思われる。祭を満喫してるのだろう。
【「あれ、え? どうして……?」
「待ったです、アカリさん。まずはその疑問をグッと飲み込んで、あのはっぴを出して下さい」
「へ? あ、はい!」】
「もし……どうかしましたか?」
何やら派手で悪趣味なはっぴを取り出しているアカリ達。
これは何だ。と、ライトは怪訝に尋ねるが嫌な予感しかしない。
【「明智「さん」、上着の下はブラウスですか? でしたら、上着を脱いでこれを羽織って下さい。
これだけの人がいる中で、軍装はさすがに悪目立ちしそうな気がしますので。
大丈夫です。この「氏康はっぴ」なら、他にも着ている人がいますから」】
「卿に入れば卿に従えと言うやつですか。確かに……先程。いや最初からずっと背筋がざわつく様な視線を感じていまして」
木を隠すには森の中とも言う。確かに、この氏康はっぴを来ている民衆はそこらにいくらでも居る。
少し躊躇った後で、やはり意を決したのかライトはエンジェルフェザーの上着を脱ぎ去り、皆様の思惑通りに氏康はっぴを羽織り、祭仕様となった。
「もうなにもこわくない」
383
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/31(水) 17:33:36 ID:6tdYVLI.
>>381
>>382
>「明智「さん」、上着の下はブラウスですか? でしたら、上着を脱いでこれを羽織って下さい。
> これだけの人がいる中で、軍装はさすがに悪目立ちしそうな気がしますので。
> 大丈夫です。この「氏康はっぴ」なら、他にも着ている人がいますから」
ライトがヒツギの手を取ろうとしたとき二人に声が投げかけられた、見ればアカリとリリーが居るではないか
彼女らが出かけているとは聞いていたが、まぁこんなお祭りをやっていたら合流することになるのは当然か。
その手にはなにやら派手な模様のはっぴ・・・そういえばイベントのスタッフや飲食をしている一般人も着ているのを見た気がする
なるほど上に羽織れば軍服であったとしても目立つなんてことはそうあるまい
>「卿に入れば卿に従えと言うやつですか。確かに……先程。いや最初からずっと背筋がざわつく様な視線を感じていまして」
「悪い、そこまで気が回ってなかった。最初から俺の上着貸せばよかったな」
ヒツギの着ているライダースはライトにしてみればダボダボだろう、スカートごと隠れるので確かにいいかもしれないが・・・
ダボダボとなると逆に目立ってしまったかもしれない
「アカリンとリリー少尉ありがとう、俺だけだったらここまで対応できなかったろうし・・・
あ、まだそんなに食ってないなら一緒に食べようぜ」
当然ヒツギに悪意はない、悪意はないのだ
384
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/10/31(水) 19:08:56 ID:ByzT6FYE
なるほど確かに、ヒツギの指さす方向にはラーメン屋があった
他と比べて客引きがない、単純に他と比べたら見劣りするせいだろうか?
それはラーメン屋台であった、しかも手で引くタイプの
椅子は6つ、全員には十分の椅子があった
隣に看板が置いてあり、メニューも書いてあった
種| み し し 全| サ| ラ ギ 漬 全
類| そ お ょ 品| イ| イ ョ 物 品
う 五 ド| ス ウ 二
ゆ 百 ザ 百
円 6 円
大 つ
盛
り
八
百
円
値段もちょうどいい
385
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/10/31(水) 19:09:42 ID:ByzT6FYE
なるほど確かに、ヒツギの指さす方向にはラーメン屋があった
他と比べて客引きがない、単純に他と比べたら見劣りするせいだろうか?
それはラーメン屋台であった、しかも手で引くタイプの
椅子は6つ、全員には十分の椅子があった
隣に看板が置いてあり、メニューも書いてあった
種| み し し 全| サ| ラ ギ 漬 全
類| そ お ょ 品| イ| イ ョ 物 品
う 五 ド| ス ウ 二
ゆ 百 ザ 百
円 6 円
大 つ
盛
り
八
百
円
値段もちょうどいい
386
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/11/02(金) 17:33:29 ID:QFcWiB52
>>382-383
まんまとライトに氏康はっぴを着せることに成功したリリーは満足げに頷いた。
「これで見た目の没個性化は完了です。あとは……」
「…………。あ! リリー、ちょっとこっちへ!」
「はい? 何です……ちょ、うわー」
何かに思い至ったらしいアカリに強引に連れ去られ、抑揚のない悲鳴を上げてリリーがフェードアウトする。
ヒツギとライトから少し離れた屋台の裏側にリリーを連れ込んだアカリは、そこで何事かをリリーに吹き込むと、
小走りで戻ってきて、
「お二人ともすみません。私達、小田原城趾観光の途中でここに引っかかっていたのを思い出しまして、ええ!
私達はもう十分食べましたので、お二人はそのままお食事に行って下さい! また後で合流しましょう! でわ!」
そんなことをやや早口にまくしたてたアカリはスチャッと手を挙げてから、戻ってきたとき以上の走りでリリーのもとへ戻っていった。
戻っていった先では、リリーが持っていたコロッケを平らげて、ハンカチで口を拭っていたが、
アカリが戻って来ると、小首を傾げて、
「一体どうしたというのですか、アカリさん。私達もまだ、ちょっとスナックなものを食べたくらいで、
本格的にお昼ご飯は食べていませんよ? もう一度小田原城天守閣を見に行きたかったんですか?」
「いえ、リリー。そういうことではないんです。あの二人……というか明智さんに漂っていた微妙な雰囲気、気付きませんでしたか?」
「………………ああ、なるほど。言われてみれば確かに。私としたことが……とんだ失敗を。
しかし、カーマインさんの事を考えると、明智さんはやや不利ではないですか?」
「そして当のハヤセさんは、それに気付いている風ではない。確かに不利ですが、先日の月でのこともあります。
今のハヤセさんは精神的に不安定気味……そこに明智さんの勝機があるのではないかと」
「明智さんの攻め方次第というわけですね。ふーむ、これは面白いですよ……」
「どう転ぶかはわかりませんけども、今は若い二人に任せておくのが吉でしょう」
「世話焼きの姑みたいなことを。まあでも、確かにそうですね」
二人でうんうん頷き合ったアカリとリリーは、少しの沈黙を経てから、顔を見合わせて、
「……で、監視ポイントの件なんですけど」
「フフフ、アカリ屋、おぬしも好き者よのう」
「いえいえ、お代官様ほどでは……」
アカリがニヤリ笑い、リリーがグッと親指を立てて、二人はヒツギとライトを望める遠方のポイントを捜して暗躍を始めた。
387
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/11/02(金) 19:05:07 ID:cpnptBqM
>>383
「悪い、そこまで気が回ってなかった。最初から俺の上着貸せばよかったな」
「い、いえいえ。気にしないで下さい(…そそそんなの余計恥ずかしいですよ!)」
心の中で声を大にしてツッコミを入れる。もしそんな事をしたら、顔から火が出てきてしまうだろう。
>>386
【「これで見た目の没個性化は完了です。あとは……」
「…………。あ! リリー、ちょっとこっちへ!」
「はい? 何です……ちょ、うわー」】
「どうしたのでしょう……二人とも?」
いきなりリリーを屋台裏に連れ込んで消えたアカリ。何をしているんだろうか?と首を傾げ、呼び止めようとしたのだが
すぐにアカリだけが走って戻って来た。
本当にどうしたんだろう?
【「お二人ともすみません。私達、小田原城趾観光の途中でここに引っかかっていたのを思い出しまして、ええ!
私達はもう十分食べましたので、お二人はそのままお食事に行って下さい! また後で合流しましょう! でわ!」】
「え。あ。ちょっとどうして?」
そしてアカリは凄い勢いの早口でヒツギの誘いを断り、また走り去って行った。
これすらも超反射の力の産物だろうか?アカリに対してこちらからは一切合切の返答も反応も出来なかった。
「……ふむ。もしや私と居ると気を遣うのでしょうか」
自分は彼女達よりも階級が幾つも高い。エリートの自分に対しての要らぬ遠慮や緊張感やらを持ってしまうのだろう。とライトは納得した。
……まぁアカリはともかく、リリーに至ってはそんな物を持ってはいないだろうが。
ライトはアカリの企てた真の目的には今のところは全く気付いていない様子。
>>385
「ハヤセさん。このラーメンの屋台で良いんですか?」
ヒツギの指差す方向には確かに移動式のラーメン屋台が存在していた。
構えるお品書きが見えたのだが、なんともまぁリーズナブルなお値段である。
しかし、周りの屋台の繁盛に比べ、このラーメン屋台は閑古鳥が鳴きそうなほど客の足が伸びていない様だった。
「ここで良いんですか?」
もう一度改めてヒツギに聞いてみた。店は他にいくらでも存在しているのだ。
何かあまりにも人のガラガラな店には入りづらい事が無いだろうか?
388
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/03(土) 02:06:01 ID:Qb8oz0HE
>>386
>>387
>「お二人ともすみません。私達、小田原城趾観光の途中でここに引っかかっていたのを思い出しまして、ええ!
> 私達はもう十分食べましたので、お二人はそのままお食事に行って下さい! また後で合流しましょう! でわ!」
「え、おい!・・・って行っちまった」
一緒に食べないかと誘った途端、アカリがリリーが駆け出していってしまったではないか
なにやら耳打ち合わせをしている様子だったが、もしかしたら彼女たちだけの予定があったのかもしれない。
>「……ふむ。もしや私と居ると気を遣うのでしょうか」
「いや別にそういうわけじゃないだろ、アカリンたちはもう食べたって言ってたし後に予定でもあったんだろう
ああいってた以上仕方ないし、俺たちだけで食おうぜ」
当然といえば当然だが、ヒツギも彼女たちの真意など気づいては居なかった。
それどころか誤魔化しを真に受けているようだ
>>385
>「ここで良いんですか?」
ライトがヒツギに念押ししたのも分かる、他の店と違って疎外感がすごい。
なんというか他の出店は挨拶や客引きで人が寄り易い空気を作っているが、この店はそういったものはまるでない
漂ってくる匂いにつられる客は何人か居るが、大体がその空気とビジュアルから敬遠している感じだ。
「んー・・・でもなぁ」
ヒツギは自分の腹を両手で抱えた、彼もかなり腹が空いている。
午前中の運動もそうだしここまで歩いてきたこともある、ヒツギからしてみたら食べられたらいいという感じは拭えない。
とはいえライトも居る以上そういうわけにも行かないだろう
「こういうイベントだし発泡スチロールで出来たトレー的なものも用意してるんじゃないか?
雰囲気が苦手だったらそれで貰って、設置してあるテーブルで食べようぜ」
彼なりに悩んだ結果、とりあえず店主の様子を見て判断することに決めたようだ。
こういったイベントに出ている以上それなりにまともな人間ではあるだろう、きっと多分
ヒツギはライトを尻目にラーメン屋へと近づいてゆく
「すみませーん」
とりあえずファーストコンタクトとして1番無難な言葉を投げかけてみた。
389
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/03(土) 07:32:02 ID:Dl2wYyzw
暖簾をくぐってみると新聞を手に持っている店主の姿
しかし目の前に大きく広げて顔が見えない
>「すみませーん」
と、いう掛け声を言っても全然反応しない、どういうことだろうか?
「…グゴー、グゴゴゴゴ〜…スー、グガー」
……盛大ないびきをかいて寝ている
もう一回話しかければ起きるだろう
390
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/11/03(土) 08:18:39 ID:7KDjfArs
>>388
>>389
【「こういうイベントだし発泡スチロールで出来たトレー的なものも用意してるんじゃないか?
雰囲気が苦手だったらそれで貰って、設置してあるテーブルで食べようぜ」】
「苦手…という訳では無です。ハヤセさんが良いなら良いんですけれどね?
では、行ってみましょうか」
先程から屋台に近付くにつれ、スープの芳醇な良い匂いが鼻を刺激し、食欲をそそられている。
もうこれ以上迷っていたらまたしても胃袋が警笛を鳴らしそうであった。
それはライトとしても威厳が損なわれるので避けたい事態である。
……微妙にムードが出ないのはこの際仕方がないだろう。
【「すみませーん」】
「……店主さん、寝ていますね?」
ヒツギが屋台へと声をかけるが、待てども応答は無い。
あまりにも暇をもて余してていたのだろう。屋台の主人は深い寝息をたてている。
ライトは呆れた様に深いため息を吐いた。
391
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/04(日) 04:25:14 ID:O7K8fKbI
>>389
>>390
>「苦手…という訳では無です。ハヤセさんが良いなら良いんですけれどね?
>では、行ってみましょうか」
良いかどうかはさておき、屋台で食べ物を買うことは多々あったが
ヒツギはこういった椅子が付いた屋台で食べるという経験そのものがない。
帰り道におでんの屋台を見たことはあったけれど寄る理由もなかった。
当然ながらライトもそんな経験はないだろう
>「…グゴー、グゴゴゴゴ〜…スー、グガー」
>「……店主さん、寝ていますね?」
「・・・みたいだな」
さすがのヒツギも頬を引きつらせた、道理で客が一人も居ないはずだ。
雰囲気が悪いといっても店は店、自分たちがそうという訳でもないが物好きも居るだろうし
空いているのであれば人ごみを避ける人が、他にも出店しているものを全て食べようとする人も居るだろう
それでも居ないのは店主が寝ているのではまず食べること自体が出来ないのだから。
「しゃーない、別のところにするか」
寝ているのなら起こすこともないし、店主が居眠りするような店で食べる理由もない。
食べるものならば見渡せばすぐに見つけることが出来るのだから
「あー、さっきアカリンたちがコロッケ食べてたし俺たちもそれ食うか」
そういえばさっき彼女たちが手にコロッケを持っていたはずだ、ということはその店もあるだろう。
コロッケならば客の回転も速いし並んでもそう時間がかかる事はない
腹の足しにしながら焼きそばの列にでも並べばいいだろう
「しっかしコロッケの立ち食いなんて中学以来だ、揚げたてを味わえる数少ない機会だったなぁ」
392
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/04(日) 09:31:52 ID:MFkdWrIY
「…ん?」
話し声が聞こえたからか、起きたようだ
「お客さんかい?」
バサッと新聞を仕舞って言う
そこでようやく顔が見えた
若めの顔、目は眠そうだが結構眼光は鋭い方だ
393
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/11/07(水) 18:50:29 ID:R67DFoWo
>>391
【「しゃーない、別のところにするか」】
「……うーん。この有り様ですとそれが無難ですね」
どおりで客足が伸びない訳だ。職務を投げ売ってまで居眠りとはなんたる弛みだ?等と真面目な彼女は内心思っていた。
【「あー、さっきアカリンたちがコロッケ食べてたし俺たちもそれ食うか」
「しっかしコロッケの立ち食いなんて中学以来だ、揚げたてを味わえる数少ない機会だったなぁ」】
「それは良いですね。行きますか」
ここに拘る理由も全くもって無い。ラーメンは諦めて屋台を離れようとする。
>>392
「待って……ハヤセさん。店主が目覚めました。どうしますか?」
この屋台の主はようやくお目覚めの様だ。さっきまでは解らなかったがその不真面目な店主はライト達とそう年齢も変わらない若者の様だ。
394
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/08(木) 01:20:22 ID:sq5rbfjM
>>393
「どうしようって言われてもなぁ・・・」
ヒツギの表情を見ればわかると思うが、あまり気乗りはしていないといった様子だ。
とはいえここで帰ってしまっても感じが悪い客ということになってしまう。
そもそも客の前で寝ていた店主のほうが感じが悪いのだが、同列に見られても・・・というところか
しかし自身の空腹の度合いから言えば背中とお腹がくっついてしまうのも近い。
背に腹は変えられないという言葉もあるし、素直に食べてしまったほうが手っ取り早いだろうか
「起きたのならちょうどいいしこのまま食べようぜ」
>>392
「2人です、えーっと・・・」
先ほどまで寝ていた店主へと一応人数を告げると、店に備え付けられた席へと座った。
そして掲げられたメニューへと視線を向ける
「メジャーな三種類は全部あるのか・・・じゃあ俺は塩で」
意外にも醤油や味噌ではなく塩を選択した。
イメージ的にはこってりしたものを好みそうだが、そうでもないらしい
「あけっちはどうする?塩かぶりそうなら俺別の頼むけど」
395
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/11/08(木) 18:37:18 ID:IqrUCwm6
>>394
【「あけっちはどうする?塩かぶりそうなら俺別の頼むけど」】
「では、私も同じく塩にします。被りの面はお気遣い無く」
さっぱりあっさり塩味。イメージ通りといった所だろうか。
逆にヒツギが塩味をチョイスするのは少々意外であるが。
396
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/08(木) 19:18:40 ID:o4CABZ6w
>>393-395
>「メジャーな三種類は全部あるのか・・・じゃあ俺は塩で」
>「あけっちはどうする?塩かぶりそうなら俺別の頼むけど」
>「では、私も同じく塩にします。被りの面はお気遣い無く」
「あいよ!、んじゃ塩二丁ね!」
と、陽気に笑うと店主は二つの容器を出す
「おっといけねぇ聞き忘れてた、…あんちゃん方、ラーメンは大盛りかい?、普通かい?
ネギとかメンマを多めにするかい?」
397
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/09(金) 22:49:35 ID:7lPW9/z2
>>395
「あー、やっぱ被ったか・・・俺も塩が好きなんだ
ただニンニクがキツイ塩は苦手、そういう店のほうが多いんだけどさ
ライトは塩か醤油というイメージを持っていたがどうやらその通りのようだ
「でもあけっちがラーメンとか食べてるイメージが無いな、同じ麺でもどっちかって言うとパスタっぽい」
しかし何を頼むかは想像がついても、どうしてもラーメンを食べるというイメージは浮かばない。
それなら何故ライトを引き連れてラーメン屋に入ったのか、という話になるが
「そういやサイドの餃子とかは・・・いや、周りの出店も寄りたいし腹は空けとくか」
ここまできてラーメンだけ食べて帰るなんてのは正直勿体無い。
どうせならば長く遊びたいし、いろいろな物を摘んでいきたいところだ
>>396
「いえ、全部並みで大丈夫です」
せっかくサイドメニューを頼むのをやめたというのに、ここで本体を大盛りにしたら元も子もなくなってしまう。
ここは並みで十分だろう
398
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/11/10(土) 04:18:56 ID:hWMPKcsM
>>387-396
そうして二人がラーメン屋台の席に着いた頃……そこからやや離れたパラソルテーブルの林立する場所の一角に、
サングラスを掛けた女性が座っていた。
薄茶色の長髪を指で弄びながら、時折サングラスを通してラーメン屋台の前にいたヒツギとライトを盗み見ていたが、
彼らが屋台の席に着くと、おもむろに携帯端末を取り出して、
「ヨウィン1からルミエスト2へ。オーバー」
「こちらルミエスト2。感度良好。どうしましたか? オーバー」
「状況が変わりました。〝紅血は英雄に変わった。〟繰り返します。〝紅血は英雄に変わった。〟以上です」
「な、なんということだ……これが世界の選択だというのか……」
「ええ……そのようです」
「………………………………」
「………………………………」
しばしの沈黙の後、サングラスの女性の隣で、小さなため息が聞こえた。
そこには厳つい男のお面を付けた、小柄な少女が座っている。
「……よりによってラーメン屋台とは。いや、一方では予想通りでしたけど」
「そうですね。腰を落ち着けられる場所に行った、という点では評価は出来るのですけど、あの店舗方式では……」
「ええ。すぐ正面に店主が居るために、存分に明智さんとハヤセさんがストロベリることができません。
そして腹に溜まるラーメンという料理のチョイス……これは厳しい展開ですよ」
「リリー。ひょっとすると私達は……」
「その先は言わぬが花ですよ、アカリさん。明智さんがハヤセさんをスカウトに来たというのなら、まだまだチャンスはあります。
我々のたくら……もとい、気遣いを明智さんが有効活用できないとは、まだ決まったわけではありません」
「しかし、余計な気遣いだったかも知れませんよ。結果によっては、変な期待を持たせた分、気持ちの下降が激しいかも……」
「その時は…………あー、その時は、私達で彼女をフォローしましょう。
それはそれとしてアカリさん。髪を下ろすと印象がガラリと変わりますね」
「え、そうですか? それはあんまり意識したことありませんでしたね……。どういうふうに見えます?」
「両親が作った因縁に起因する貴族間の陰謀によっていつの間にか没落貴族になって苦悩する若い当主を心配すると同時に諦念を感じ、
いつまでも貴族然としていられないことを家の中の誰よりも早く悟って、市井の女としての態度を身に付けかけている当主の妹のような、
そんな印象を受けます」
「そんな具体的な印象与えてるつもりないですよ!?」
「あ、ちなみにこの当主の妹は最後まで貴族としての意識が抜けきれない当主と喧嘩別れした後、
数奇な運命を辿って大きな街の市長となった元パン泥棒兼脱獄犯と出会って共に暮らすようになり、最終的に修道院の院長になって、
足を天頂に突き上げたままベッドの上で修道院のシスターたちに看取られて大往生します」
「うん、古典小説っぽくなってますけど、死に様に難がありますね。というか何の話ですか?」
密かに監視しているようで、こちらはこちらで楽しんでいるようである。
399
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/10(土) 10:15:17 ID:bLWz5k82
>>397
>「いえ、全部並みで大丈夫です」
「あいよ〜」
と、その若い店主は返事をすると普通の容器を二つ取り出す
そして材料を(料理描写は必要ないと思われるので省きます)
〜10分後〜
「へいお待ちどうさん!」
と、二つの塩ラーメンを二人の前に置く
食べてみた場合の味は……、美味しい、かなり美味しいだろう
それこそ屋台にするには惜しいくらいに
>>398
(作ってる最中のこと)
「…」
チラッ、とその店主が二人を見る
「…視線は二つ…そしてあんちゃん達に…か」
と、ヒツギ達には聞こえないが、アカリ達にはなぜか聞こえる
「なるほど、出歯亀か」
と、いう呟きはヒツギ達には届かず…アカリ達にしか聞こえない…
そして料理を作る作業に戻る
400
:
レミー中尉
◆E8ckRIIdug
:2012/11/10(土) 12:03:12 ID:6Z42JX92
>>398
そんな二人の前に、
「あちらのお客様からです」
と、山盛りというか“山”のようなチョコパフェが一つずつ届けられた。
届けたパテシェの指し示す方には、地味なスーツ姿のエレミーラ・タイデグリー中尉がいて、乾杯と言わんばかりにザッハトルテの皿を持ち上げて見せた。
テーブルの上には空になった大皿が三枚、鎮座していた。
ワインボトルが何本か転がっているが、グラスも幾つかあるところを見ると誰かと会っていたらしい……
401
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/11/12(月) 18:56:06 ID:qruoyJQM
>>397
【「あー、やっぱ被ったか・・・俺も塩が好きなんだ
「でもあけっちがラーメンとか食べてるイメージが無いな、同じ麺でもどっちかって言うとパスタっぽい」】
「パスタっぽいですか。でもそんな事は無いですよ。職務が忙しいとカップ麺で済ませますし。
……て、何言わせるんですか!?」
わざわざ聞かれてもいないのにあまりよろしく無いと思われる身の上を語ってしまった。
>>399
【「へいお待ちどうさん」】
「はい、ありがとうございます」
手際良くすぐに熱々の塩ラーメンが二人の席に運ばれて来た。
屋台特有のちんけな物だと勝手に予想していたが、それは予想を裏切り食欲をそそる上質な一品であった。
「いただきましょう。いただきます」
きっちりと律儀に手を合わせ、豊穣の神に感謝の祈りをささげる。
そして、割り箸を歪みが生じない様に慎重かつ丁寧に綺麗に分割し、いざ食事の準備は整った。
れんげを使い、まずはその透き通るスープを一口。
「…………コホン。なんと形容すれば良いものか。優しい味がしますね。ほっとする様な」
等とコメントしているが、素直に美味しかった様だ。間違いなく。
402
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/13(火) 07:57:37 ID:326iEHrA
(なんかさっきから寒気が・・・)
何かを感じ取ったのか、ラーメンが出てくるのを待っていたヒツギがくるりと後ろを振り向いた。
(・・・気のせいか)
その場にいる人間の量を考えれば、ヒツギが気づくことはまず有り得ないだろう
だがそれでも不審がったのは彼の直感が獣じみているとでも言うべきか、それとも気づかないなんてまだまだ未熟というべきか
>>401
>「パスタっぽいですか。でもそんな事は無いですよ。職務が忙しいとカップ麺で済ませますし。
>……て、何言わせるんですか!?」
「え、カップ麺食べるの!?」
その驚きようはまるで子供におたまじゃくしがカエルになると伝えたかのようだ
失礼な話だがヒツギの中のライトはカップ麺を渡しても「体に悪い」という理由で食べないようなイメージだった。
そしてこのイメージを口にして伝えずとも、先ほどの驚き方を見れば何となく想像がついてしまうのではないだろうか
「なんつーか、多少高くついても冷凍食品とか食べると思ってた
いや・・・でもカップ麺食べるとか普通に考えれば普通だよな」
カップ麺を食べたことがないアイドルがいるかと問われたとして、その答えがNOであるように
年齢が近しいライトがカップ麺を食べたことがないなんてことはまず有り得ない。
そもそも彼女も軍人だ、当然長期保存が利く食料を一通り食べたことはあって然るべきだった
「ごめん、俺が変なイメージを持ってただけだったみたいだ
住む場所の高さが一つ違うとか思ってたけど、ホントはずっと身近だったんだな」
さっきから失礼なことばかり言っているからか、なんともバツが悪そうな笑顔を浮かべた
ラーメンが店主に差し出されると、ヒツギは何かに気づいたかのようにバッグをあさり始めた。
取り出したのは青いミニタオル
「一応そのはっぴ借り物だし、下は制服だろうから汚さないようにってな」
気が利く・・・というわけではなく、制服のことに気づかなかった事に対し彼なりにショックを受けた結果だった。
それだったら最初からラーメン屋にくるなよ何てことは気にしてはいけない
>>399
「おーきたきた、いただきまーす」
差し出された割り箸を手に取り、両の手を合わせてから軽く頭を下げる
ライトと比較すればそれこそ性格か育ちの違いがわかると言う仕草。
割り箸を横にしながら裂くと、そのままラーメンに手をつけた
ヒツギが苦手だと言っていたニンニクを大量に使うといった匂いではない。
持ち上げた麺も薄いスープが絡み程よく光を反射している
そしていざその麺を啜ってみると・・・
「うまっ!?なにこれうまっ!!」
麺は彼の想像を軽く凌駕した、その証拠に目を丸くして驚いている。
普段なら食べながら喋るなんてよほどしないだろうが、それを忘れるほどの味だったのだろう
403
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/11/14(水) 07:25:35 ID:Va0SWHEI
>>402
【「え、カップ麺食べるの!?」】
「な。そんな驚きます?タマにですよ!?ほんとに」
どんな温室育ちのお嬢さんだと思われていたのだろうか?
ライトはこれと言って何の不自由も無く育てられて来たが、所詮は小市民の家庭である。
インスタント食品のお世話になる機会もそれなりには有った。
何より、手間要らずで便利である。
【「なんつーか、多少高くついても冷凍食品とか食べると思ってた
いや・・・でもカップ麺食べるとか普通に考えれば普通だよな」
「ごめん、俺が変なイメージを持ってただけだったみたいだ】
「そうでしょう。普通なのですよ。
まさか自分のためだけに一流シェフを独占する様などこかの名門貴族の令嬢じゃあるまいしね」
ライトが頭に思い浮かべたお嬢様の姿はレイナ・カーマインその人だった。確かにレイナの生活レベルは常人とはかけ離れている。カップ麺など食べた事が無いかも知れない。
天敵の姿を思い出した事でライトには煩わしい気分が込み上げて来る。
少々、やけになった様にズズズーと麺を力強くすすっていた。
【「一応そのはっぴ借り物だし、下は制服だろうから汚さないようにってな」】
「あ……こ、これは失敬」
ふと見せるヒツギの紳士な気配りのおかげで、危うく喉を詰まらせるところであった。
404
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/11/14(水) 19:04:02 ID:bNe5FEv6
>>399-403
時折とりとめのない話をしながらラーメンを食べているヒツギとライトを遠くからこっそりと眺めていたアカリとリリーだったが、
そうして少し経った頃、リリーが突然、
「飽きました」
「え?」
唐突な退屈宣言に、アカリが呆気にとられ、彼女がかけていたサングラスがズレた。
それをサッと直しながら、アカリはリリーを問い詰めにかかる。
「リリー、どういうことです? このままあの二人を生暖かく見守るのでは無かったんですか?」
「や、最初はそのつもりでした。でも見て下さいよ、あの様子」
リリーは何事かを話しながら普通に食事をしているヒツギとライトを指し示し、
「ただのメシ風景じゃないですか。私はですね、アカリさん。ヒツギさんの天然ジゴロな言動を受けて、
赤くなってオーバーリアクションする明智さんが見たかったのですよ。それが何です、あのフツーっぷりは」
「はぁ……でも、店が店ですし……」
「いえ、それはわかりますよ? それでもヒツギさんなら……ヒツギさんならきっと何とかしてくれる……そう思っていた時期が、私にもありました。
しかし結果はこの通り。明智さんはオーバーどころか大してリアクションをせず、赤くもならない。ハッキリ言ってつまんないです」
「どうしてそこまで明智さんのリアクションと赤面顔を見たいんですか?」
「愚問ですね。ハイソでエリートな明智さんがそこまで感情を乱すのが萌えるからです!」
グッと握り拳を上げてリリーが力説する。アカリのサングラスが、またズレた。
その途中で出歯亀がどうこう聞こえたような気がしたが、ちょっとした精神的ショックを受けているアカリと、
言い切った達成感に酔っているリリーの耳は、それを右から左へと流してしまっていた。
こうしてアカリとリリーの間に奇妙な膠着状態が出来上がったが、それは長くは続かなかった。
何故なら、二人の目の前にレミー中尉からだという甘味の「山」が届けられたからだ。
「…………………………あー、えーっと、その……リリー? これって、そのー……」
「…………ええ。十中八九嫌がらせですね。異空間騒ぎのときに彼女を無視した因縁が、まだ残っていたみたいです。
アカリさんはそのとばっちりを受けた形になりますかね」
そう言ってから、リリーはおもむろに携帯端末を取り出す。
ガワは市販の物と差異が無いように見えるが、その中身はリリーが独自にカスタムしたハイエンドな一品である。
その端末でメール等の確認をするフリをしながら、端末との接触部分を通し、半機械化されている脳とリンクさせる。
リンクした端末を使い、周辺のNシステムと会場内の警備システムに静かに同時ハックをかけ、レミー中尉の周辺に居るかも知れない軍関係者、
及びリリーの得ている「情報」に照らし合わせた「危険人物」が居ないかどうか、顔認証を始める。
少し時間が掛かる。そう判断したリリーは、接触を絶やさないように右手から左手に携帯端末を持ち替え、スプーンを右手に持ち、
「まあ逆に考えれば奢りのブツですから、遠慮無く頂きましょう。嫌がらせではなく、天然でやっている可能性もありますし」
「にしたってこの量は辛いですよ……」
「食べきれないときは私に任せて下さい。ではいただきます。…………ほむほむほむ! ほむっ!」
「そんなかけ声(?)が出る食べ方がありますか!」
405
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/14(水) 20:55:34 ID:f45WwGRY
>>400-403
>「…………コホン。なんと形容すれば良いものか。優しい味がしますね。ほっとする様な」
>「うまっ!?なにこれうまっ!!」
「あたぼうよ!、俺の唯一知ってる故郷の味だからな!」
故郷…というのは些か気にはなるかもしれない
「…」
>「一応そのはっぴ借り物だし、下は制服だろうから汚さないようにってな」
>「あ……こ、これは失敬」
(『恋』を捨てた俺じゃ分からないが…これが初心といったものか)
と、少しニヤニヤしながら考える
(…そんな俺が恋のキューピットになれるんかね…?、…おっ)
と、その時彼の右腕につけている腕時計から音が出る
見た目は腕時計だがあるいはブレスレットにも見えたかもしれない
「ちょっと用事だわ!、もし俺が来る前に食ヴぇ終わったらお勘定はそこに置いといてくれ!」
と、会計箱を指さす
「んじゃごゆっくり!、…初心さん達」
と、言うとその場から離れる
406
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/15(木) 08:38:03 ID:bmTVDDpI
>>403
>「そうでしょう。普通なのですよ。
>まさか自分のためだけに一流シェフを独占する様などこかの名門貴族の令嬢じゃあるまいしね」
名門の令嬢という言葉で同じ人物を想像したヒツギは思わず噴出しそうになってしまった。
驚いたというよりは面白くてといったほうがいいだろう
「どうだろ、レイナならチキンラーメンとかボリボリ食べてたりとかしてるんじゃないか?」
ライトについて勘違いしていたのも軍人としての姿しか知らなかったからだ。
ヒツギはライトとは違いレイナについての予備知識はほとんど無く、一緒に行動していたあの姿しか知らない
だからこそまったく逆の姿を想像することができたのだろう。
「・・・悪かったな、無理やり連れてきたようなもんだったし」
蓮華で掬ったラーメンの汁を飲み込んだヒツギは、どんぶりから昇る白い湯気をため息で歪めてからそう呟いた。
気づいていないのかと思っていたが、どうやらヒツギ自身も無理やり連れてきたという自覚はあったらしい
「いやさ、ちょっとヤキモキしてたのもあって気分転換をしたいと思ってたんだ。
『一人で外でもぶらつこうか』ってところに来たから、誰かと遊んだほうが切り替えできるかもなってさ」
言葉を濁してはいるが、おそらくライトもここら辺の事情は理解しているだろう。
「誰でもいいみたいな理由で誘ってごめん
でもありがと、お陰で何と無くだけど気が楽になった」
横でラーメンを食べているライトへと顔を向け、この日一番楽しそうに笑った
>>405
「・・・って、店ほっといてどっかいくのかよ!」
時計から音が鳴ったということは何かの予定があったということだろうか
店で寝ていたのもそうだがかなりフリーダムな店主だ。
変わりに店番をする人間も居ないというのに、どうやって回っているのか不安になる
407
:
レミー中尉
◆E8ckRIIdug
:2012/11/15(木) 20:09:07 ID:gcZ/HtdI
>>404
奢った当人は嫌がらせというつもりは無く、単に(この店こんな似非名古屋風よ!)と面白がっての事であり、ヒツギたちに寄越さないだけ自重したのだと解釈して下さい。
もしくは酔っぱらいの悪ノリ。
彼女が先刻まで会っていたのは、軍情報部や査察部及び関係者。非公式な情報交換だが半分は甲斐と関係ないやりとり、最近の月面基地の動向や不在中の伊豆の様子など。
そして、直近の伊豆の動向と引き替えに参謀本部やジュネーブの情報を受け取ったり、情報の対価の精算について話し合ったり。
そんな中に混じって、一人の退役軍人がいた。
通称“タタールから来た陰謀大佐”ウー・グリソム。
今現在、リリーたちのテーブルの隣に一人の少女を引っ張ってきてロシア訛りのフランス語とノルド語とコプト語を適当に混ぜて説教中の、銀髪の四十男である。
説教されている少女は白いパーカーのフードをすっぽり被り、サングラスをしている。実は何時ぞやのビンタ・ドルバコだが、誰一人それを知る者はいない、はず。
おっと、今度は色黒で黒いパーカーを頭から被ってミラーシェードの少年が、マラ=ルーム=バ=ラリン語で説教に加わった。
408
:
レミー中尉
◆E8ckRIIdug
:2012/11/15(木) 20:23:10 ID:gcZ/HtdI
>>407
グリソム退役大佐がレミーと会っていたのは財界関連の情報交換である。
カーマイン関連の情報はみんな欲しいのだ。
しかし、今現在お説教に参加している少年少女に関する情報は何処にもない。
第一に、何でこんな訳の分からない言語を使うのか。
特に少年の言語、そもそも長ったらしいテンポの上、ケニングと言う更に長ったらしくする手法を混ぜ込んでいるので大佐もじれったくて困っている。
とにかく、この三人の周囲には近寄り難い……
……あ、今、少女の口から“タケミカヅチ”と言う固有名詞がこぼれた、気が。
409
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/11/16(金) 17:13:21 ID:276WmNrY
>>407-408
本人達にとっての真実が、他人にとっての真実となるとは限らない。むしろ、異なることの方が多い。
今回もそのケースとなったようだ。
リリーたちをその場につなぎ止めるかのような巨大なパフェ、「陰謀大佐」などという異名を持つ退役軍人が(おそらく偶然ではあろうが)近くに来たこと、
警備システムのログから確認できるレミー中尉の会談相手等々……それらはリリーに疑念を持たせるには十分な材料だった。
通信ログを改竄し十数個のダミーを噛ませながら、ハッキングの痕跡をきれいに消したリリーは携帯端末をカーディガンのポケットに仕舞い、
「アカリさん、この場を離れましょう。今すぐに」
「え? 今食べ始めたばっかり…………え!? 無くなってる!?」
アカリが驚くのも無理はない。あれほど山盛りになっていたパフェが、少し目を離した隙に無くなっていたのだから。
対するリリーは「なんだそのことか」と言いたそうな顔で、
「ああ、どう考えてもアカリさんのお腹には入りそうも無いので、こちらの分を食べながら、密かにアカリさんの皿から強奪していました。
しかし状況が少し変わったので、ブーストをかけさせてもらったというわけです」
「にしたって早すぎですよね!?」
「おや、アカリさん、お気づきになっていなかったので? 私、サイボーグなんです。加速装置くらい積んでますよ」
「仮に積んでいたとしてもそれ効果違いますよね、絶対!」
「いいからほら、早く来てください」
「あ、り、リリー、引っ張らないで……!」
そんなやりとりをしつつ、リリーはアカリを強引に引っ張ってその場を離れた。
「タケミカヅチ」というワードが聞こえてきたような気はしたが、アカリもリリーも件の神の一件には関わっていなかったために、
知識としては知っていても、そのワードに引っかかることはなかった。
ともあれ、アカリを伴ってそれなりの距離を離れたリリーは、やや険しい顔で思案する。
(エレミーラ・タイデグリー……何のつもりでしょうか。少なくとも「あの関係」ではなさそうですが、このような場所で、
非公式にああいった面々と会談するというのはどう考えてもおかしい。
部隊内部の情報をどこかへ流しているのは確実……しかし、何の情報を?
例の月での一件がまず挙がりますが、それだけでは無い可能性は濃厚……ともすれば、こちらの身も危うい?)
リリーは無意識に、腰の辺りに手をやっていた。
(むやみやたらに使うな、とは言われましたが、使うなと言われたわけではない。
……場合によっては、銃弾による解決もやむなし、でしょうか?)
「リリー? リリー!」
思考が物騒なものになったところに、肩を叩かれる感覚と、強めに呼ばれる自分の名前に、リリーはハッとする。
「どうしたんですか、リリー? さっきのことといい、呼んでも気付かなかったことといい、何だか変ですよ?」
「……そんなに呼んでたんですか?」
「ええ、何度も!」
口をへの字に曲げて怒り顔のアカリに、リリーは「う〜ん」と考え込んでいるようなわざとらしい唸り声を聞かせて、
「いえね、ヒツギさんたちがストロベリらないというのであれば、私達がするしかないな、と思いまして。
アカリさん、アカリさんさえ良ければ、私の部下になりません?」
「唐突すぎて何もかもわからないですよ!?」
怒ったと思えば今度は困惑し、慌てふためいている。そんなアカリの様子を、リリーは内心、「面白いかも……」と思いながら眺めていた。
410
:
◆zv577ZusFQ
:2012/11/17(土) 06:53:20 ID:xevKq57s
>>406
【「・・・悪かったな、無理やり連れてきたようなもんだったし」】
「い、いえ。違います無理矢理だなんて……そんなことは。
むしろですね……わわわ割と有意義でしたが!?」
ところがライトの方は案外満更でも無かったらしい。ヒツギの心配は無用である。
【「いやさ、ちょっとヤキモキしてたのもあって気分転換をしたいと思ってたんだ。
『一人で外でもぶらつこうか』ってところに来たから、誰かと遊んだほうが切り替えできるかもなってさ」】
「知ってます。そんな事だろうと思いましたよ」
【「誰でもいいみたいな理由で誘ってごめん
でもありがと、お陰で何と無くだけど気が楽になった」】
「あ…あ…そ、そうですか////////……な、ならよ、よよ良かったです」
その少年の見せた笑顔に思わずドキリとさせられてしまうライト。
見れば彼女の白い肌はほのかに紅潮しており、言葉も噛みに噛みまくりであり、動揺して昂っている様子が明らかである。
「……ご、ごちそうさまでした!!///////」
その後、どうもこの状況下でヒツギと目も合わせる事すら困難になり、まぎらわす様に慌てて塩ラーメンを胃に流し込む。
>>405
「ちょっと待って。……ああ、行ってしまわれましたか」
」
店を放り出して姿を消した屋台の店主。
ライトは呼び止めようと待ったをかけるが、もう聞いていない様だ。
「しかし店をそのまま放置する訳には……困りましたね」
屋台の防犯の面からどうにも席を立とうにも立てず、困惑している。
411
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/21(水) 17:00:33 ID:ejhC2w.Q
【近くの林】
「…、リョウ、なにかあったか?」
ブレスレットに話しかける
大川健二、その正体は「次元犯罪組織ゲルシャドー」を追う「次元刑事ブライン」なのである!!
そして一見腕時計に見えるこれは実は「バトルスーツ・ブライン」を送る為のブレスレットなのである!
そしてそのブレスレットから声が…
【次元警察組織】
ここは、幾多もある次元空間の狭間にある一つの空間
そしてその空間に浮いている船(?)があった
それは次元警察ブライン、大川健二を送り込んだ正義の組織、「次元警察組織」である!
そしてブレスレットからブラインへの情報のようだ…
「あぁ健二、レーダーに反応だ、君の今いる空間の次元が不安定になっている、おそらく「ゲルシャドー」が現れる可能性が高い、注意するんだ」
オペレーターが健二に注意をする
「了解した、通信切る」
と、健二が言うとブツッ、という音が出る
「…、さて、奴らが来るか…」
と、さっきの店主だった時とは大違いの顔をしている
【屋台】
「いや〜すまんすまん、ちょいと用事でね…すまないが店じまいだ」
屋台に戻ったとたんにヒツギとライトに言う
ふと空を見るとなんとなく空に違和感を感じるだろう…まるで空が歪んでいるような…
412
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/22(木) 03:04:21 ID:BpZQly.k
>>410
「ちょ、一気に飲み込んで大丈夫なのかよ!?」
ライトの細い体に一気に流し込まれていくラーメン
汁物であるから詰まる事は少ないだろうが咽てもおかしくはないはずだ
そもそもの話をすれば、ヒツギは何故一気に飲み込んだのかも気づいていないのだが
>>411
「店じまいですか、ごちそうさまでした」
やはり何らかの用事があったらしい、帰ってくるまで時間がかからなかったことを考えると電話か何かだったのろう
「確か一杯500円でしたよね」
バッグから折りたたみ式の財布を取り出しその中から紙を1枚引き抜いた。
2人分で1000円、ぴったりの金額だ
(ん――――?)
突然にして日陰が生まれたことに違和感を感じたのか、空へと視線を持ち上げた。
雲が渦巻いているというのだろうか、いやどちらかといえばこれは・・・
「歪んでる!?」
何度も転移、次元の歪みを目撃し時にはそれに連れ込まれたこともあったヒツギ。
その経験がおそらくは『敵』が現れるであろうことを予見させた
413
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/11/22(木) 07:02:34 ID:nLsKfHGs
>>411
>>412
【「確か一杯500円でしたよね」】
「ち、ちょっと待って下さい。主旨が違って来てます。もともとはハヤセさんの回帰を兼ねて私が食事を御馳走するはずでしたよ。
たいへん安くて恐縮ですけれど、ここは私が払います。払わねばなりません」
ヒツギが速やかにラーメン二杯分の料金を払おうとしたのを制止して、ライトは自らの財布を取り出す。
「……あ/////なんと千円札が無い。小銭も。……ええと、ええと」
どうやら欧州から日本へ来る際に貨幣を用意するのを失念していた様だ。
なんと一銭の日本円も無い。唯一有るのはクレジットカードだけだ。しかし、こんなラーメン屋台ごときではカードを切りようが無いだろう。
これは非常に不味い。これでは偉そうに奢ってやると豪語したライトの面子丸潰れである。
非常に恥ずかしい事態である。
どうやってこの場をやり過ごす?ライトは思考を巡らせる。
そんな最中、世界に異常現象が起き始める。
最初に気付いたのはヒツギの方だ。
ライトもつられて空を仰ぎ見て空が空間がネジ曲がっているのを確かに視認する。
「こ、これは!?あの時の事象と類似した空間の変異……?
ハヤセさん、スクランブルの予感です。伊豆基地へ調査を依頼しますよ」
すっかり戦闘モードとなったライトは羞恥心も何処かに捨て去り、今さっきまで割とノリノリ?で袖を通していた氏康はっぴを脱ぎ、キリッとした白の制服姿へと戻っていた。
そして直ぐ様通信端末を使い、伊豆基地へとこの空間の捻れを報告した。
何かあってからでは遅い。早めに動いた方が良いに決まっている。
414
:
アカリ&リリー&???
◆Tg./UqnJ52
:2012/11/23(金) 22:52:57 ID:05ixbjBk
>>411
「突拍子がなかったことは認めますが、ちょっとばかし大切なお話なのです」
強引に引っ張ってきたときのをそのままに、手を繋いだまま並んで歩くアカリとリリー。
「とりあえず落ち着こう」というリリーの提案にしぶしぶ従ったアカリだったが、
その胸中にはいまだ疑問の嵐が吹き荒れているらしく、先ほどの言の説明をリリーに求めていた。
「この部隊の目的が何なのかはさておき、この編成は一時的なものでしょう。
カイオウ大将に個人的な付き合いがあるシュナイダーさんや、カーマインさんとの繋がりのあるハヤセさんのような例外を抜くと、
この部隊はどこからか引き抜かれてきた人ばかりです。アカリさんも、元は極東支部東北方面軍に所属していたとか」
「まあ、そうですね」
「そしておそらく、ここでの経歴もあって、全てが終わった後、元の部署に戻って以前と同じ生活、同じ仕事……とは、いかないと思います。
ほぼ間違いなく、別の部隊に異動することになるでしょう。ですが、それだけならまだマシな方です」
「その心は?」
「例えばですが、「多少」人道を無視する傾向にある異能力研究機関などに飛ばされたとしたら……どうです?」
「ちょ、それって、その……」
「ええ。アカリ・クレマチという名の哀れなモルモットの出来上がりです。可能性は低いとは思いますが、ありえない話でもない。
そのための保険としてなんです、さっきの話は」
「あの部下にならないか、という?」
「ええ。実は私、ちょっとしたコネを持っていまして。まあ、そのあたりの話は細々としていますし、重要でもありません。
要はあれです。単純なんですよ。その、えーっと……この先も一緒に働かないかと、そういうわけでして」
「リリー……」
滅多に表情を動かさないリリーだったが、流石にこそばゆく、顔を正面に向けて視線をアカリから逸らす。
そうして目線を映した正面には、少し奇妙な人物がいた。
黒色の軍服に黒色の軍装マント、そして長い銀髪が印象的な女性。その姿を見て、リリーの足が止まる。
「リリー?」
リリーが足を止めたのを見て、その原因であろう、リリーの正面に立つ女性にアカリも目を遣る。
すると、それを確認するかのようなタイミングでその女性が、アカリとリリーの背後にある空を指さした。
「!?」
彼女が指し示す場所を、ほぼ同時に見たアカリとリリーは、すぐにその異常に気付いた。
なんと空の一部が、壊れた魚眼レンズに映し出されたかのように、歪んでいるではないか。
似たような現象を、ついこの間体験した二人は、同様の事態が起こることに思い至った。
急いで基地に戻ろうとしたアカリだったが、その手をリリーが離さず、たたらを踏んでしまう。
「リリー、こうしてる場合じゃ……!」
「わかってます。そのためにここに残ってもらうんです」
そう言うとリリーは携帯端末を取り出し、どこかへと連絡を入れた。
415
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/24(土) 00:18:09 ID:tVJo3EsQ
どんどんひびが入ってくる空、気付いた人も数多く
そしてその罅が割れる
「…お出ましか…」
と、健二は呟くと会計をさっさと済ませる
【空】
『内側に』空が割れる、中は何も見えなく、ただ黒いナニカが呻いている
そしてその中から卵のようなものがペッ、と吐き出すように出てくる
青く、脈打っているように見え、さらに体液のようなものが纏わりついており、物凄く気持ち悪い、まるでエイリアンの卵のような…
「青い…ってことは偵察型か…」
その卵のようなものを見ながらつぶやく、もし今の健二の目を見る者がいたなら、その目には明確な憎悪が見えたかもしれない
そしてその卵はある道路の上に落ちると、その卵から蔓のようなものが延び、道路に突き破りその下で蔓が木の根のようになる
さらに瞬く間に空が四か所割れると中から気持ち悪い生物が一か所二体づつドシャリと落ちてくる
「…$(’&$&%&$)&$($)&$)%(’)(’)&’(&$#$’%#$&%!!!」
鳴き声、マトモに聞き取れない、鼓膜を破るような『音』がその怪物から響き渡る
その怪物の近くにあるビルの窓は
その怪物の見えた特徴を箇条書きにすると
・体中から体液を流しており、さらにその体液は道路を溶かすことから溶解液だと考えられる
・四足歩行のようで、顔のような部分はクモのように目が8つ…いや16個は並んでいる
・さらにそのビルを丸のみにできそうなほど大きい口あり、中からは触手のようなものが呻いている
・二種類あり、四足歩行タイプが4体、そもそも足がなく、翼のような腕を持ち空を浮いているタイプが4体
グロ耐性がなければ一瞬で気絶しそうなほど生理的に受け付けない外見だ
「陸タイプと空タイプのゲーリーが4体づつか……あばよ!」
と、二人に言うと猛スピードで屋台をひっぱってゆく…、普通の人間にはありえない、時速70kmくらいありそうな速度で…
【空が内側に割れて青い卵が落ちてくると道路の下に木の根のように張り付く
そらにそれを守るようにグロテスクな怪物が2種類、陸タイプと空タイプが4体づつ現れて卵を囲む】
416
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/24(土) 22:15:01 ID:AlSc3CqI
>>413
>「こ、これは!?あの時の事象と類似した空間の変異……?
>ハヤセさん、スクランブルの予感です。伊豆基地へ調査を依頼しますよ」
「あぁ、基地に戻るのもそうだけど一般人をすぐに退避させないと」
超常現象とも取れる現状に対し、素早く基地へと戻るだけでなくイベントに集まった一般人の退避も提案するヒツギ。
確かにこのままだとイベントに集まった人たちが危険だ、さらにこの場に残られてはいざとなったとき邪魔になってまともに戦うこともできない
今一度裂けてしまった空に視線を戻すと・・・
>>415
裂けた空から落ちてきたのはドロドロとした粘膜に覆われた巨大な球体
青い色をしたそれは命を持っていることを証明するかのように蠢き、大地にその身を縫い付けてゆく
そしてそれに続くように空から新たなものが落ちてくる。
落ちてきたそれは地面に叩き付けられることは無く、粘度の高い不快な音を立てて大地へと着地した。
「うっ・・・!!」
その容姿にさすがのヒツギもうろたえる。
ドロドロとした体表に解読不能な奇怪音、ギョロギョロと周囲を見渡す取ってつけたような複数の丸い眼
生命体として不完全な姿というべきか、精神的にくる不快この上ない姿をしていた。
>「陸タイプと空タイプのゲーリーが4体づつか……あばよ!」
「ゲーリー・・・?ちょ!!・・・はや過ぎるだろう」
417
:
レミー中尉
◆E8ckRIIdug
:2012/11/25(日) 21:07:22 ID:LtkUZNSQ
この異常事態にレミーは立ち上がり、酔いの回った足元がふらついてまた座った。
呑まなきゃやってられねェです。
代わりに電話をかける。
甲斐に確認を取り、出撃準備中、ただし数名は外出中、若干名は医務室送りまで聞き出す。
「……で?
ヴィルヘルム・エッシェンバッハ予備役少佐……あの営業マンね。
彼に現役復帰しろと……妻の尻に敷かれてるわね」
なんでも、クーリマン軍曹のエフゼロのコクピットに押し込まれそうになっているらしい。
「さて、私は……」
あたりを見渡し、慌てず騒がず場所移動をはじめた陰謀大佐の襟を掴んで、
「ヘイ、タクシー!」
「乗ろうとしたタイミングで戻す気か!この酔っぱらいは」
なお、少女(ビンタ)はすでに姿を消し、少年も動くところだった。
418
:
◆zv577ZusFQ
:2012/11/26(月) 13:11:21 ID:9NwC.Hoc
>>415
「奇形の化物……」
空間の裂け目から出現したのは異形の有機生命体が4つ。
見るに忍びないグロテスクさを持つそれらのアンノウンに対して、嫌悪感を顕にするライトの表情。
【「陸タイプと空タイプのゲーリーが4体づつか……あばよ!」】
「は?どういう事ですか!?」
屋台の店主が何やら事情を理解しているかの様な意味深な言葉を残し、目の前から去っていく。
ライトは彼を呼び止めようとしたが、それは叶わなかった。
>>416
【「あぁ、基地に戻るのもそうだけど一般人をすぐに退避させないと」】
「伊豆基地へはたった今、救難要請を出しておきました。
その間に我々はスノウフェイル少尉とクレマチ伍長と連携して速やかにこの周辺の一般の方の避難誘導を行いましょう」
まだ会場へ残っているだろうアカリとリリーに対して協力要請を出し終えると、何やら周辺を見渡し何かを探している様だ。
そして目当ての物を見つけると、ライトはそこへ駆け込んで行った。
「どうぞハヤセさん。これを使って市民を統率しましょう」
ホイッスルやら拡声器やらを祭の本部テントから拝借して来た様だ。
(……ただ。部隊の到着には少なくとも10分以上の時間が要る。それまでの間アンノウンを止める手立ては無い。…アンノウンが攻撃する素振りを見せた場合、どうしても時間がかかりすぎている。
人的被害をゼロには出来ない)
しかし内心ではそんな事を考えていた。
419
:
アカリ&リリー&???
◆Tg./UqnJ52
:2012/11/27(火) 08:48:30 ID:tPhCo9x6
>>415
「ええ、そのように。やや遠回りになりますが、ラプターの推力であれば二分少々で済むでしょう。
他の部隊も出撃の用意をしているのですね? 結構。可及的速やかにお願いします」
携帯端末での伊豆基地との通信を切り、リリーは振り向く。
そこにはニヤついた顔をしている軍装の女性と、何が何だかわからないような顔で女性とリリーを交互に見ているアカリ。
リリーは凄まじいジト目で女性を見た後、ため息をついて、
「あー……アカリさ……クレマチ伍長、裏手の駐車場にあなたのラプターが到着します。
上に量産型ヒュッケバインが乗っていますが、そちらは気にせずに。私も後で向かいますので、先に行っていてください」
「あ、はい……了解です、少尉」
何か引っかかるものを感じるのか、アカリは微妙な顔のまま裏手の駐車場へと走っていった。
それを見届けたリリーは、女性に改めて向き直り、
「で、ここで何をしているのですか?第16特殊作戦群第3大隊「シャドウ・ウルブズ」隊長、尼子統久特尉どの?」
思いっきり疑念の混じった言葉を受けた女性……尼子統久は、しかし肩をすくめて見せただけで、
「そう睨まないでくれ「雪兎」。たまたま伊豆基地に用があって、たまたまここの催し物を聞いて、
たまたまここに居合わせただけだ。本当だよ?」
「胡散臭さ爆発ものですが……まあ今はそれで良しとしましょう。あなたがここに居るということは、部隊も?」
「いや? 「ウルブズ」はちょっと厄介事に当たっていてこの近辺には居ない。
居るのは私と、小田原のホテルで惰眠を貪っている部隊の技術顧問だけだ」
「使えないですね。こういう時のために、あなた方は居るのでは?」
「そうは言っても、完全に不意を突かれた形だからな……仕方のないことさ。……で、だ」
統久は小田原城近くの道路に落着し続けている化け物の群れを、振り向かずに指さし、
「アレは何だ? 話を聞く限り、お前の部隊は「ああいうもの」との経験があるのだろう?」
「……誰から聞いた話かは知りませんけど、「アレ」は初見の存在です。見たことがない」
「ほう、そうか。だが……あの様子からして「そういうこと」なのだろう?」
「ええ……どう見ても「異訪者」ですね。ほぼ間違いなく」
「そうか……」と呟き、統久はマントを翻して化け物たちへ体を向けた。
そうしてから、軍服のポケットから黒革の手袋を取り出して両手に填め、
「ならば、「我々の敵」ということに、なるな?」
そう言って化け物達の方向へ歩みを始める統久の顔には、凶暴な笑みが宿っている。
だが、それから数秒後に、その笑みは空へ向けられることになった。リリーが統久のマントを引っ張り、統久の体がエビ反りになったためだ。
「……どうして邪魔をする?」
「や、「あなた方の敵」であることは承知していますが、ああいう出方をされた以上、「私達の敵」でもあります。
オフェンスは我々が引き受けますので、ディフェンスはあなたが。幸い、その悪趣味な軍装マントで、あなたは目立ちますので」
統久を引き留めるリリーの手には近くのテントに置いてあった拡声器があり、それの持ち手は統久の方に向けられていた。
「私に婦警の真似事をしろと言うのか? いやはやまったく、少佐相当の私に一介の少尉がとる態度ではないな」
「性分なものでして。ご容赦を」
「フン!」と鼻を鳴らして不満を露わにした統久だったが、その手にはリリーから渡された拡声器が握られており、それを口の前に持ってきていた。
『会場の市民の皆様、こちらは地球連邦軍です! まもなく私どもの第一陣が到着いたします!
慌てず、冷静にこちらへ避難して下さい! 繰り返します……!』
拡声器で呼びかける統久を尻目に、リリーは裏手の駐車場へと急いだ。
420
:
次元刑事登場
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/27(火) 19:51:35 ID:zD0.cw3M
>>416
>>417
>>418
>>419
そして全員が予想していたことがついに起こった
「#’#%&!!」
その空タイプの怪物ゲーリーが口内から溶解液を吐きだして周りのビルを溶かしてゆく!
さらに!
「”’$”$(&()%$&$+*&!」
陸タイプのゲーリーが歩き出し、溶けきっていないビルをたたき壊す!
幸いどのビルも中には誰もいなく、住民達にも気付いていないが…このままではこの辺にいる人たちにも被害が及ぶのは時間の問題だ…
〜遠く離れた森〜
そこであのラーメン屋の店主、大川健二はいた
(父よ…母よ…友よ…、俺の世界の皆、ヤツラに滅ぼされた次元の皆!、俺に力を貸してくれ…)
「ブラインより本部へ!
バトルスーツ・ブラインの着装許可を!」
『了解!、着装許可する!、無理はするなよ』
オペレーターの言葉とともに本部への着装許可を得たところで、健二は叫ぶ
「次元転換!」
その瞬間、眩い光が彼を包みこんだ…
場所は戻って怪物たち
避難をしていく住民たち、ついにその怪物がその住民たちに気付いてしまった!
「+*@%$#%&$!」
怪物が近づき、踏みつぶそうとした瞬間!、太陽のほうからエメラルド色の矢のようなレーザーがその怪物に降り注ぎ、軽く吹き飛ばす!
「!!?」
「そこまでだぁ!!」
その方向を怪物たちは見る、同時に住民達も見た
「次元犯罪組織ゲルシャドー!、意識なき怪物を操り、幾多もの次元を破壊!、破滅した悪魔の組織!」
と、憎悪と怒りの含んだ正義の声!
「俺は貴様らに引導を渡すものだ!、次元刑事!、ブライン!」
と、小型の飛行ユニットに乗る人影が言い放つ!
……ハッキリ言おう、『ダサイ』、デザインは『普通にカッコいい』、だが『色』がどうしようもなくカッコ悪い
どんな色かというと、スター○ォーズのEp1の未完成3POの色、つまり黒が多い灰色なのだ
飛行ユニットはめっちゃカッコいいせいでさらにそれが際立つ
なぜか一目で『未完成』というのが分かる、なぜかわかってしまう、見ている人たちは口ぐちに「も少し明る色にした方がいい」とか「色ダサすぎ、銀色にしろよ」とか「なんか弱そう」とか言ってる
こんな状況でこんなのが現れれば「狂ったコスプレマニアか?」という者まで現れるが…
しかし怪物は敵と判断したのか、陸タイプの怪物が口内の触手を吐き出す
「フンッ!」
その吐き出された触手をつかむと、さらに引っ張りあげて怪物を『持ち上げる』
そして空を浮いている怪物が溶解液を吐きだす、しかし…
「ズェアッ!!」
という掛け声とともに、つかんだ陸タイプ怪物を空タイプの怪物に向けて『投げ飛ばした』
そのまま陸タイプの怪物と空タイプの怪物がぶつかり地面に落ちる
怪物が軽いと思いきやそうでもなく、その落ちた怪物の下は深くめり込んでいた
このことからコスプレじゃなく、『本物』だということが一瞬で分かった
「私が相手をしているうちに逃げるんだ!」
と、ブラインと名乗るものが言うと住民達は避難を急ぎ始めた
何者なのかは不明だが今はこの怪物達を引き寄せてくれるため敵ではないだろう
第六話「正義の来訪者! 次元刑事ブライン!」
421
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/28(水) 06:14:14 ID:QQEhwuKM
>「どうぞハヤセさん。これを使って市民を統率しましょう」
「あー俺あんまり支持とか上手くないんだ・・・それはアカリンやあけっちに任せる
俺は警備員のほうに声をかけてくる、体を使うほうが性にあってるしな!」
そのままイベント運営のテントへと走り出してゆくヒツギ。
確かに彼が味方に支持を出しているなんて光景は想像できない。
数分後、パニック状態になっていた運営と話を取り付けることに成功したらしく、ヒツギの代わりに警備員の何人かがライトや統久の元へとやってきた。
当のヒツギはといえば警備員たちと共にそのまま誘導に向かったらしい
>>420
>幸いどのビルも中には誰もいなく、住民達にも気付いていないが…このままではこの辺にいる人たちにも被害が及ぶのは時間の問題だ…
イベントの警備員と協力し避難誘導に当たっていたヒツギだったが、偶然にもその場に居合わせてしまう。
逃げ遅れた人たちに対し急く様に声で煽っていたが、その最中子供が足を縺れさせて転んでしまった
>避難をしていく住民たち、ついにその怪物がその住民たちに気付いてしまった!
「!!」
化け物がこちらに気づいたことを察知したのか、転んでしまった子供の元へ駆け出し
その子を抱きかかえて全速力で走る
>「+*@%$#%&$!」
「クソッ、歩幅が違いすぎる・・・!!」
ヒツギは一般人と比べれば十二分に足が速い、だが相手が悪かった。
どうやったって逃げるのは無理だ、万事急須かと思われたその時・・・
>太陽のほうからエメラルド色の矢のようなレーザーがその怪物に降り注ぎ、軽く吹き飛ばす!
何者かがヒツギと子供の命を救った、連邦軍が間に合ったのかと視線を上に向けた
太陽に影を作っていたのはPTではない、もっと小さい何かだった
その何かから高らかに声が放たれる
>「俺は貴様らに引導を渡すものだ!、次元刑事!、ブライン!」
「じ・・・次元刑事ぃ!?」
422
:
陰謀大佐
◆E8ckRIIdug
:2012/12/03(月) 20:39:53 ID:0oEPp6ME
>>419
「……むぅ、押し付けそこなった」
酔っぱらったタイデグリー中尉に絡まれたウー・グリソムがぼやく。アカリたちに任せて姿を眩ませたかったのだが。
向こうが自分を知っているかはさておき、顔と名前くらいは知っている軍人やそれに類する者たちが集まっていたのは、
「……いや、“私の”特異点では無いな。シュウでもないし、カーマインの小娘とも違う……」
「……大佐、何かを期待するようにボクを見ないで。
ボクはあなたに呼びつけられた……あなたのでもない?だとすると、“どれ”かと言う……それよりボクは帰っていいの?」
何やら他人が聞いても分からない独り言の応酬。
>>420
「……出ちゃったよ……」
「……出てきたか。やっと……」
「……なんで出したのよ……」
「「我々が出したんじゃない」」
三者とも“彼ら”について知っていたようだが、約一名の酔っぱらいが安定して緊張感を抉ってくれた。
「くそ、私はこれを救護室に押し込んで……逆らうなこの酔っぱライダー!」
大佐と中尉、退場。
「……ボクが悪巧みする番かな?大佐は何時死んでもおかしくない人だし」
取り残された色黒の少年は一人、嘯いた……
423
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/12/12(水) 19:53:24 ID:wNULG.cY
>>420
小田原城趾裏手の駐車場。
そこには小田原城趾を迂回しつつ到着していたビルトラプターがファイターモードのまま着陸しており、
その機体の上には片膝を突いた状態で、白色のPT、量産型ヒュッケバインMk−Ⅱが固定されていた。
機体を運んできた整備員たちと簡単に話をした後、アカリはラプターへ、リリーはヒュッケバインへと乗り込んでいる。
無論、パイロットスーツなどに着替えている時間も無いので、私服のままである。
「システムチェック…………。
えっと、良いんですか、少尉? 今からでもハヤセ少尉か明智大尉を呼んできた方が……」
アカリの目下の心配事は、上のヒュッケバインに乗っているリリーの事である。
機体に乗り込んでまもなくに、リリーにPTの操縦経験があるのかと訊いたところ、
『今まで椅子を尻で磨いてきた少女ですので、そんなものはありませんよ』
などと、人を不安のどん底に陥れる言葉が返ってきていたのだ。
その後で「秘策がある」と言っていたが、アカリはどうにも心配でならなかった。
『心配性ですね、アカリ伍長は。たった今、私の秘策は成りました。
システムの完全ジャック及びダイレクトリンケージによる擬似的なマスタースレイブモード。
操縦桿の動かし方はまったく知りませんが、相手が機械の塊である以上、私に動かせない道理はありませんよ』
「?? 何を言ってるんですか?」
『おっと……これは失礼しました。要約すると、この機体は私の手足のように動くということです。「文字通り」にね。
ともかく、フットレストの固定を外して下さい。向こうでは、もう始まっているみたいですから』
ラプターの上に乗っている分、少し視点の高くなっているヒュッケバインから、映像が届く。
酸性と思しき液体をばらまく空の怪物と、建造物を壊しにかかっている陸の怪物の映像。
言われたとおりに固定を外しながら、アカリは「どうしてこんなことが……」と、痛ましいものを見たような表情になった。
『普通の人たちが思っている以上に、この地球には敵が多い、ということです。
上の方達の中には、地球の外から来た者は皆、敵と考えるべきだと言う人たちまで居ますからね。
実際、先ほど会ったマントの女性……尼子統久特尉もそういう考えの人ですし』
「え、でも、中には友好的な人も居るんじゃないんですか?」
『……そういう考えももちろんあります。
しかし、エアロゲイターの暴威を経験した今の地球の人々に、そういった考えがスタンダードとして定着するのは難しいんです。
親しい人がそれらによって被害を被ったりすれば尚更のことですし、地球連邦やその軍も面子をこれ以上ないほど潰された。
「エイリアンどもは滅ぼすべきだ」、そんな言説が連邦という巨大な組織でまかり通るほどに、人々の外来の存在への信用は低いんですよ』
悲しい事実だ、とアカリは思ったが、それも致し方ないのだろう。
あの戦乱がもたらした傷跡が癒えるほど、まだ時間は経っていないのだから。
『さあ、世界情勢の授業は終わりです。次は、地球防衛の実習の時間ですよ』
そう言って、ラプターの上からリリーのヒュッケバインが飛び立った。
バーニアを吹かして一気に件の怪物の場所まで移動したヒュッケバインが、手にしているフォトンライフルを空の怪物に撃ちかける。
それに遅れること少し、アカリのラプターも少し高度をとった後、トルーパーモードへと変形し、
長大なメガ・ビームランチャーの青白いビームを空の怪物に向けて射撃した。
『射撃方向には常に注意を! 地上のは避難誘導が済んでからです!』
「了解!」
それぞれに射撃を開始する二機。と、戦域に到達してすぐ、両機のセンサーが怪物と単身戦う「何者か」の存在を捉える。
「あれは……何でしょうか? 見た目がちょっとアレですが、自分たちの他にも戦闘に出ている者が?」
『いえ、そういった情報は何も。……と言うか何ですか、あの姿は。昭和の香り、というやつでしょうか?
もう二百年も昔の古典モノの存在ですよ、アレは』
「次元刑事」の名乗りを聞いていないアカリとリリーは、かの「次元刑事」について好き勝手に評する。
424
:
◆zv577ZusFQ
:2012/12/16(日) 08:59:13 ID:hjHeUHOY
>>420
【「そこまでだぁ!!」】
「え!?」
聞き違えでなければ、何者かが怪物に挑もうとしているらしい。
軍はそんなに早くは来れないはず。
ならばなんだ、それは。
【「次元犯罪組織ゲルシャドー!、意識なき怪物を操り、幾多もの次元を破壊!、破滅した悪魔の組織!」】
(ゲルシャドー……?それがあのアンノウンの正体?)
“憎悪と怒りの含んだ正義の声!”とやらがまるで話の通じなさそうな異形のモンスター達を糾弾している。
【「俺は貴様らに引導を渡すものだ!、次元刑事!、ブライン!」】
【「私が相手をしているうちに逃げるんだ!」】
「……ブライン?……次元刑事?馬鹿な事を言わずにあなたも避難を!!」
何だ。只の痛い奴だとなめてかかったライトは暴徒と化したブラインと名乗るパワードスーツのコスプレイヤーを直ちに避難する様にスピーカーで呼び止めようとするが……
【「フンッ!」】
「……え?え?」
ライトには意味がわからなかった。機動兵器サイズのモンスターをそのブラインと名乗る男は“持ち上げた”
持ち上げたのだ。
【「ズェアッ!!」】
「こんな馬鹿な……ずぇあっ??」
そして、ブラインは飛行型アンノウンへめがけて、掴んだアンノウンを投げつけてまとめて撃退している。
あり得ない光景にライトは目を点にして暫くフリーズしていたが、
「し、市民の皆さん、さあ早く。今のうちにシェルターまで避難してください!」
とりあえず好機が訪れたのだと納得し、避難誘導を速やかに再開した。
>>423
「や……ビルトラプターとヒュッケバインMk-Ⅱ?……対応が早い。クレマチ伍長はもう基地に戻っていたのですか」
アカリのラプターはまだ解るが、いったい誰がヒュッケバインに乗っているのか、想像もつかない。
425
:
ゲーリー
◆Iny/TRXDyU
:2012/12/19(水) 17:06:46 ID:d5ibBMEg
>>421-424
投げ飛ばされた怪物の標的対象は、今現れた次元刑事なるものとアカリ達の機体に向けられた
「…」
青いその卵型の球体は、依然としてその場に植物のように動かず、根を張ったままだった
「グガアァアアアアアアアア!!」
初めて『まだ』聞き取れる唸り声を出す
そして同時に他の怪物たちも共鳴し合う
そして陸型と空型の怪物が二匹ずつアカリ達のラプターとヒュッケバインを囲むように周りに来る
ブラインには一匹ずつ投げ飛ばされた怪物が向かい
残りの一組は青い卵型の球体を守るように囲む
【アカリさんとリリーさんに両タイプ二匹ずつ、ブラインに両タイプ一匹ずつ、謎の青いものに一匹ずつ】
※現時点で住民達の避難は完了、球体に関してはまだ手は出せない
勝利条件:敵の全滅
敗北条件:味方機の撃墜
426
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2012/12/20(木) 21:16:39 ID:0Xn5l6tY
一方そのころ、伊豆基地。
「……ソフトウェアで補正出来る設定は全部補正した、と」
『もっとパワーを、とか言われてもどうにもならないけど、そこは我慢して貰わないと』
ラウディのエフゼロに収まったヴィルヘルムとCICのマデリーンがやりとりしている。
「まぁ、リオン系列がガーリオンだってそれほど使ってたわけで無し。
中距離支援で今回は勘弁して貰うよ。
それより、状況は……何この……空飛ぶ外骨格!?」
『なるほど、その反応ならローランドは関わっていないようね』
「まあね、うちのデザインラインじゃ無い。
正体を秘匿するならそもそも出てこないだろうし、と言うかここまで小型化したテスラ・ドライブは無いだろう」
『どっかのイカレタ個人が作った装甲服サイズの特機かしらね?当座は味方扱い出来そう……』
「それはさておき、甲斐は動ける?」
『それは……』
427
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/12/22(土) 21:57:06 ID:Pf8ESh8c
>>425
「おいおいおいおいっ!嘘だろっ・・・!?」
大きさ・・・というよりは身長と言うべきか。
それ自体は自分たちと大して違わないはずの『次元刑事』が、あろうことかPTと同サイズの生物を持ち上げて投げ飛ばしたではないか
あの生物が紙のように軽い・・・なんてことはないはずだ、先ほどからビルや車を破壊していたのだ。
つまり相応の質量を持っているということになる、ということはあの服装はコスプレではなく本当の・・・
>>424
「あけっち!!」
避難誘導が終わると同タイミングで、ライトの元へとヒツギが駆けつけてくる。
微妙に擦り傷がついていたりと何があったかは分からないが、どうやら彼のほうの誘導も終わったらしい
「ラプターがきたってことはあかりん達がもう出撃したみたいだ!
ってさすがにもう分かってるよな・・・俺たちも早く基地へ戻ろう!」
そしてヒツギは急いで基地へと戻るために、何の躊躇もなくライトの手を引こうとその手を伸ばした
428
:
◆zv577ZusFQ
:2012/12/22(土) 22:27:31 ID:imhfO43s
>>427
【「ラプターがきたってことはあかりん達がもう出撃したみたいだ!
ってさすがにもう分かってるよな・・・俺たちも早く基地へ戻ろう!」】
「そ、そ、そんな急に!?ま、待って!私、そんなに速く走れない〜」
急にこちらへ向かって来たヒツギ少年に引かれ、足がもつれそうになりながらも走るライト。
普段なら異性と手と手が触れあう事すら気にしてしまう生真面目なライトだったが、
この突然の彼の行動力にドキドキなど感じる余地も無い。
429
:
色黒の少年
◆E8ckRIIdug
:2012/12/23(日) 21:53:56 ID:qoabddmE
>>427-248
二人の後ろで、パカランパカランと言った音がする。
「二人とも、急ぐんだよね?」
振り返ると、パーカーのフードを被りサングラスをかけた色黒の少年が、一頭の黒い馬を引いてきた。
「急ぐなら、こいつに乗っていくといいよ。君たちなら乗れるでしょ?」
見れば普通の馬より大きめで、何とか二人乗り出来そうである。
「本当は馬術競技のために連れてきたんだけど……それどころじゃないから」
430
:
アカリ&リリー&統久
:2012/12/26(水) 00:10:54 ID:ZvnsUh9M
>>425
リリーが言うところの「昭和ヒーロー」にばかり気を取られているわけにもいかない。
自分たちは市民を守るために一足早く機体を届けて貰ったわけであるし、こちらを攻撃目標としているらしい動きで、
空と陸の怪物たちがそれぞれ二匹ずつ、こちらを包囲しにかかってもいるからだ。
「少尉!」
『わかっています。ですが、戦線の維持を最優先とします。後方に敵を進攻させぬよう、留意してください。
私達の後ろには多数の連邦市民が居ることを忘れずに』
「わかりました……」
市民達が避難している方向へ敵を行かせぬよう、空の敵に向かっては牽制の射撃、
陸の敵には機体が進行方向を阻害するように機体を移動させる。
場合によっては、機体と特攻を仕掛けてでも、敵の進攻を防がねばならない。そんな悲壮な思考が、アカリとリリーの脳裏によぎる。
『そこの二機、待たせたな! たった今、付近の市民はシェルターへの誘導を完了した!
周辺半径10km圏内の市民も避難を終えつつある! 少しくらいなら暴れても良いぞ!』
と、そんな二人へ、地上に残してきた整備員の通信機を使った統久から、朗報が届いた。
これで、少なくとも人的被害が生じることは考えずに済む。それだけでも、今の二人にとっては十二分にありがたかった。
『了解です、特尉。聞きましたね、クレマチ伍長。味方の増援が来るまで、敵をここに釘付けにしますよ』
「了解!」
敵の前にあえて晒していた機体を飛翔させ、空の敵と同じくらいの高度にまで上げる。
街に攻撃を仕掛け、市民の命を危険に晒した敵をどう料理してやろうかと思うほど、アカリの思考は若干凶暴な色に染まっていた。
431
:
姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/12/26(水) 00:57:46 ID:ZvnsUh9M
>>426
「今回は市街戦ですので、艦は出ませんよ」
やりとりするヴィルヘルムとマデリーンにそんな横槍を入れたのは、甲斐の艦長席に座って戦術モニターを注視していた武田・姫中佐である。
甲斐は現在、伊豆基地の乾ドックにて大がかりな修理が行われている最中ではあったが、
今回の事態が発生したために、一応念のため、甲斐のクルーが艦で戦闘配置についている状態であった。
「その代わり、PTと戦闘機の編隊が現場に向けて既に出撃しました。
量産型ヒュッケバインMk−Ⅱ1個小隊、F32シュヴェールト2個小隊の編成ですね。もうすぐ戦域に到着する頃じゃないでしょうか?」
姫が見ている戦況モニターには、姫の言を裏付けるように、移動中の編隊が表示されている。
「あと、その編隊が出撃したのとだいたい同じくらいの時刻に、ハヤセ少尉と明智大尉の機体を乗せたPTキャリアが二台、出発しています。
それを要請したスノウフェイル少尉によると、現場にはハヤセ少尉と明智大尉も居たとか」
PTキャリアはあまり足は速くないが、現在、伊豆基地周辺には非常事態宣言による特別交通規制がかかっており、
一般車両などには邪魔されずに移動できるために、それほど時間がかからずに現場へと到着できるはずだ。
もし二人が何らかの車両を徴発して移動しているならば、合流もそれだけ早まるだろう。
>>427-428
基地に向かって移動を始めた二人の携帯端末へ、PTキャリアに乗っている整備員から連絡が入る。
『こちらPT輸送車です。ハヤセ少尉と明智大尉ですね?
移動が可能であれば、国道135号を南下してきて下さい。要請により、お二人の機体を乗せて基地から出発していますので』
432
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2012/12/28(金) 17:09:32 ID:T6ad5ywo
>>423
(アレは…)
ブラインはあかり達の乗る機体を一瞬だけ見る
(この世界の地球の防衛隊か…)
と、考えるとすぐに自分に向ってくるゲーリーに気付く
>>425
「来るかっ!
ロケット…ミサーイル!!」
と、謎のポーズと掛け声とともに飛行ユニットからミサイルが8つ連続してゲーリーの空型と陸型に向けて飛んでいく
433
:
ゲーリー
◆Iny/TRXDyU
:2012/12/28(金) 18:46:46 ID:T6ad5ywo
>>430
「…」
空型は二体とも牽制をよける、陸型はそのまま動かない
「グヴォア!」
と、奇怪な『音』とともに空型は二機を挟む形になり
その口と思わしき部分から数多の体液でベトベトの触手を突きさすように出し
陸型は頭部が真っ二つに開いて口のようになり、液体を吐きだす
その液体は上手く飛ばなかったものもあり、それは道路につくと同時にコンクリートを瞬時に溶かした
>>432
そのミサイルは陸型には全弾辺り、空型は1発被弾する
「グワォッ!!」
陸型は悲鳴のようなものをあげる
「ブシュッ!」
空型はその口と思わしき部分から触手を突きさすのように出す
【リリー&アカリに向けての敵】
空型化け物A HP:100% 気力:100
空型化け物B HP:100% 気力:100
陸型化け物A HP:100% 気力:100
陸型化け物B HP:100% 気力:100
【次元刑事ブラインに向けての敵】
空型化け物C HP:93%
陸型化け物C HP:80%
434
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/12/29(土) 16:30:20 ID:NyOkwcnk
>>431
走り始めた二人の元へ、甲高い着信音とともに通信が送られてくる。
緊急通信として送られてきたそれに出てみれば、整備員からの通信だった
>『こちらPT輸送車です。ハヤセ少尉と明智大尉ですね?
> 移動が可能であれば、国道135号を南下してきて下さい。要請により、お二人の機体を乗せて基地から出発していますので』
「南下か、了解!」
短く通信を切ると、地図を開き国道135号をすぐさま確認する。
今走っている大通りからはすぐそこの交差点を曲がっれば、すぐに135号線に合流できそうだ
>>428
>>429
>「そ、そ、そんな急に!?ま、待って!私、そんなに速く走れない〜」
「ゆっくりって訳にも行かないだろ、こればっかりは!」
確かにヒツギの言うとおりなのだが、彼の走る速度と同程度を女性に求めるというのは酷だ
状況を打開しようにも近くに乗り物という乗り物はない、自転車くらいあれば助かったのだが。
「・・・最終手段は抱えるくらいしか」
ぼそりと何やら不穏な言葉を零したのと時を同じく、後方からアスファルトを何かが叩く音が響いてきた
その独特の響きに振り返ってみれば似つかわしくない黒馬が迫ってきたではないか
>「二人とも、急ぐんだよね?」
>「急ぐなら、こいつに乗っていくといいよ。君たちなら乗れるでしょ?」
フードをかぶり、サングラスまでかけた少年が馬上から声をかけてくる
言葉を聴くに馬を貸してくれるとのことらしいが・・・
「その馬を借りたら君の足がなくなっちまう、それに俺は馬なんて・・・」
435
:
色黒の少年
◆E8ckRIIdug
:2012/12/29(土) 23:44:51 ID:gj1Z6g3w
>>434
「ボクよりも君たちの方が急ぐはずだよ?
今まさに倒すべき敵がいるのはボクじゃなくて君たちなんだから……
……とは言え、乗った事が無いってのは拍子抜けだなぁ」
馬から降りて手綱を渡そうとしていた少年が少し困った顔をする。
「まぁ、君もパイロットなんだし、この子は賢いからぶっつけでも何とか?」
>>431
一方その頃、ヴィルヘルム・エッシェンバッハ予備役少佐のエフゼロはカタパルト上にいた。
「了解、それでは自分も出撃します……ダークマン提督から社の方に、予備役から復帰の筋は通してあるんだよね?ならよし」
念のため幾つか確認を取ってから出撃した。
436
:
◆zv577ZusFQ
:2013/01/03(木) 01:11:22 ID:x7KEBpBw
>>431
【『こちらPT輸送車です。ハヤセ少尉と明智大尉ですね?
移動が可能であれば、国道135号を南下してきて下さい。要請により、お二人の機体を乗せて基地から出発していますので』】
「(行動が早い。グッドです)……了解しました。135号線とはあれか。見えます。今すぐに南下します」
リリー少尉辺りが既に手回しをしてくれていたのだろう。ライトの想定以上に隊の手際が良い。
>>434
【「ゆっくりって訳にも行かないだろ、こればっかりは!」
「・・・最終手段は抱えるくらいしか」】
「//////そ、それだけはダメ!」
それはもう即答できっぱり否定した。
そんな事になればきっと恥ずかしくて死んでしまう。
>>429
何やら妙な足音が聞こえてくる。
【「二人とも、急ぐんだよね?」】
「いそぎまう……ひ。う!?馬!?」
フードを被りサングラスをかけた色黒の少年が、一頭の黒い馬を引いてきた。
妙な足音とはその黒馬の蹄の音だった。
すぐ後ろに君臨する場違いなその巨体にライトは腰を抜かす程に驚いた。
【「急ぐなら、こいつに乗っていくといいよ。君たちなら乗れるでしょ?」】
「な。そんな無茶な……」
馬術などそういう趣味に長けた人物と関わり合いが有るが、一朝一夕で乗りこなせる訳など無い事が理解出来る。
運動神経が良かろうがヒツギにだっても無理だろう。
437
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/01/04(金) 02:27:37 ID:aPZNj5io
>>433
人的要素による障害を考えなくてもよくなったのは幸いではあったが、それで勝った気にはなれないのが現状である。
アカリのラプターとリリーのヒュッケバインは同高度で横に並んでいたが、空を飛んでいた怪物が二匹、彼女らを横から挟むように移動してきた。
挟撃するつもりのようだったが、
『もうバレバレですね。もしかしてバカにされてるんでしょうか』
「そもそもバカにするだけの知能があるかどうかも定かじゃありませんけどね」
そんなふうに会話を交わしながら、ラプターとヒュッケバインは散開して敵の触手を回避。
ラプターは前進しつつ右側から来ていた怪物に向けてビームランチャーを発射し、ヒュッケバインは上昇、後退しながら左側の怪物にフォトンライフルを発射した。
と、それとほぼ時を同じくして、伊豆基地から発進したF32シュヴェールト8機の編隊が南側から現れた。
『こちらホワイトホーク。これより対空攻撃に移る。パーティに遅れた分は、きっちり働かせてもらうぜ?』
『こちらスピアウィング。ホワイトホークに続いて対地攻撃に入る。余所様の庭を荒らす奴にはスマート爆弾のお灸が必要だな』
ホワイトホーク小隊4機の後方にスピアウィング小隊4機が続く形で戦域に侵入したシュヴェールトの編隊は、最初のターゲットをアカリとリリーを狙っている怪物4体に決めた。
まず飛行型を空対空ミサイルの射程内に収めたホワイトホーク小隊が2発ずつ飛行型に向けてミサイルを撃った後に2機ずつ左右に散開し、
それに続いてスピアウィング小隊が地上型に向けてレーザー誘導爆弾4発を投下し、アフターバーナーに点火して急上昇していった。
438
:
リリー&統久
◆Tg./UqnJ52
:2013/01/04(金) 02:59:07 ID:aPZNj5io
>>434-436
「ん、あれは……」
飛行型の攻撃を回避し、反撃を終えたリリーのヒュッケバインが、まだ小田原城趾近辺に居るヒツギとライト、
そしてこの騒ぎが始まる前に「陰謀大佐」なる人物と話していた少年の姿を捉えた。
少年の怪しさも問題ではあったが、少年の傍らに黒い馬が一頭いるのも疑問だった。
まさかあれでこの混乱のさなかを移動しようというのだろうか?
「……無茶にもほどがありますね」
リリーはヒュッケバインの通信装置を使い、尼子統久の携帯端末へコールした。
四回目のコールで、『誰だ、このクソ忙しいときに!』と、不機嫌なのを隠そうともしない様子の統久が出た。
「どうも、特尉。私です、リリーです」
『何だお前か……。何用だ? 出るときも言ったが、私はこれから尻尾を巻くので忙しいんだ』
「車ですか?」
『そうだが?』
「ならば丁度良かったです。その車で城門近くに居るハヤセ少尉と明智大尉を拾って国道135号を南下してもらえませんか?
お二人の機体を乗せたPTキャリアが基地から出てますので」
『なあリリー、私を便利屋か何かだと思っていないか?』
「そんなことは露ほども思っていませんが、他に頼れる人もおりませんので。ご容赦を」
『チッ……長生きするな、お前は』
舌打ちと捨て台詞を残して、通話は切れた。
返事はまだ聞いていなかったが、この状況下で断りの一言が無かったということは、信用してもいいということだろう。
そう判断したリリーは、目の前の敵に意識を戻した。
そのリリーと統久のやりとりから一分足らず。
城趾裏手の駐車場から黒塗りのセダンが猛スピードで飛び出し、車一台通っていない道路のど真ん中をヒツギたちの方へ走ってきて、
タイヤを甲高く鳴らしながらヒツギたちの目の前で急停止した。
「ハヤセ少尉と明智大尉だな? お前たちをキャリアの所まで送れと言われてきた。早く乗れ」
開いたままのウィンドウから統久が顔を出して、ヒツギとライトに呼びかけた。
その横に居る色黒の少年と馬には一瞬だけ疑念の視線が飛んだが、それどころではないので、すぐにヒツギとライトに視線が戻っていった。
439
:
色黒の少年
◆E8ckRIIdug
:2013/01/04(金) 23:41:43 ID:.JcdlWZU
>>436-438
「……うーん、余計なお節介だったかな?」
何やら考え込む少年。やがて、ひらりと馬に跨り、
「まぁ、今回はご縁がなかったと思って諦めましょう。
次に出会った時に敵同士になってたとしたら、それはそれで……
……運が良ければギルディリル・ランヴェルスマンの名前は交渉事の役に立ちますよ?」
分かったような分からないような事を言い残し、その場を離れた。
これは戦闘後に判明するのだが、この少年の身分などにつながる記録や痕跡は何処にも無かった……
440
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/01/05(土) 10:00:17 ID:ezs0hhX2
>>438
「……!?今度はセダン??」
黒馬を目の前に立ち往生するライト達の前に乗り付けられたのは黒塗りのセダン。
その勢い余るブレーキの騒音に、ライトは眉を歪める。
【「ハヤセ少尉と明智大尉だな? お前たちをキャリアの所まで送れと言われてきた。早く乗れ」】
「ち、ちょっと待って下さい。急に現れて何者なのですか貴女は?……確かに軍の関係者には違いないようですが」
車から出て来たのは長い銀髪をなびかせる美女。彼女が軍服を着ている事から、少なくとも敵では無いことは理解出来るが……
黒の軍服に黒のマント。ライトのカラーとは正反対なその相手にライトは無意識レベルで気圧されているかも知れない。警戒を厳とした。
441
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/01/05(土) 12:41:04 ID:IUdLoawM
交戦中のラプターへと通信が入る。
「クレマチ伍長、聞こえますか?」
スピーカーから発されたその声を、アカリは覚えているだろうか。
月面で保護された3人組の一応纏め役、九条院静香のものである。
「伊豆基地からの指示により、すぐに稼動できる状態だった我々も市街地の防衛に当たることになりました。
援護をさせていただきます!」
その言葉を裏付けるように、間もなく戦闘中の区画に、3体の女性型ロボットが現れた。
持ち前の柔軟な機動力を活かした立体的な経路により、PTキャリアよりも先に戦場に到着したのだ。
「ほ、報告にあった通り、本当に怪物が相手なんですね…それに、あの人間大のアンノウンは一体…?」
躊躇するような素振りの雷姫を尻目に、焔姫が悠然と前に出る。
「ふん、どんな敵だろうと味方だろうと関係ないわ!
あいつらがこの街をメチャクチャにしようっていうなら、ボコボコにして追い出してやるだけよ!」
【アカリらとは離れた場所に味方増援出現、風姫・雷姫・焔姫】
442
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/01/05(土) 13:07:36 ID:L40nXAHU
>>435
>>436
「・・・あけっちなら乗馬くらいできるかもって思ったけど、さすがに無理か」
彼女の本来の所属を考えれば、もしかしたら馬を扱うことができるかもしれないと考えたのだが
当たり前というべきか、彼女も流石に無理だったらしい
>「まぁ、君もパイロットなんだし、この子は賢いからぶっつけでも何とか?」
ヒツギはほんの数秒だけ考えた、そしてその答えはすぐに口から吐き出される
「ありがとう、でも必要ないぜ
俺たちは急ぐ、そっちも早く避難してくれ」
ここでこうして話している時間、馬を扱った場合のシミュレートから使用しないほうが結果的に早くなりそうだと判断したらしい
もう一度ライトの手を握り、引きながら少年と別れようとしたちょうどその時だった
>>438
>>440
一台の車が猛スピードでヒツギとライトの元へ突っ込んでくるではないか。
それに気づいたヒツギは、ライトを後ろに下げて素早く車の間に割り込むように立ち位置を変える
だが、彼の行動はただの杞憂だった。
車は劈くようなブレーキ音を響かせ、路面にタイヤ跡をつけながら彼らの目の前で停止する。
その行動はハンドルを無理やり切ったような仕草は無く、咄嗟というよりは最初からヒツギたちの前で止まろうとしていたような動きだ
>「ハヤセ少尉と明智大尉だな? お前たちをキャリアの所まで送れと言われてきた。早く乗れ」
窓が下がり運転席から女性が顔を覗かせた
車の窓越しにほんの少しだけ見える服装、そして乗り回してきた明らかな高級車の外見から「こちら側」であることが伺える。
>「ち、ちょっと待って下さい。急に現れて何者なのですか貴女は?……確かに軍の関係者には違いないようですが」
ヒツギもライトと同様のことを考えていた、少なくとも彼女は自分たちの顔見知りではない。
だが相手はこちらの情報を知っていた、階級だけではなく先ほど伝達されたキャリアのことまでだ
つまり彼女の元に自分たちと同じ、もしくは近しい発信源から通信が送られてきたことになる
となれば疑いようがない
「自己紹介なら中でもできる、乗ろうあけっち」
後部座席のドアに手をかけて開くと、握っていたライトの手を引き同じように乗車することを推した
443
:
◆zv577ZusFQ
:2013/01/07(月) 21:35:48 ID:P1OtAK6A
>>442
【「自己紹介なら中でもできる、乗ろうあけっち」】
「いえ……しかし。あ!ちょっと?待って
今日はこんなのばかりだ。
訝しげな表情を見せ、明らかに警戒するライトだったが、間抜けな声と共にヒツギによって無理矢理?車内へと連れ込まれてしまう。
「ああ……もう。ハヤセさんはぁ。
こちらはエンジェルフェザー隊の明智ライト大尉です。貴官の素性……もとい所属はどちらです?」
直情的な少年の行動には振り回されっぱなしである。
愚痴の一つでもこぼしたくなる。
444
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/01/08(火) 20:44:50 ID:TePmDn6A
>>433
「セイッ!」
ユニットを上昇させて触手を避ける
そして何を考えたのかユニットから飛行型怪物に向けて飛び降りる
そのまま右拳を握り振り被る
「てりゃああああっ!!」
そして思い切り殴りつける、普通なら「ペチ」程度で終わるところだが、「バゴォ!」という重い音が響く
「まだまだっ!」
と、言うとさらにそのまま蹴りあげる
「よっと!」
軽い調子で言うと下にちょうど来たユニットに飛び乗る
445
:
ゲーリー
◆Iny/TRXDyU
:2013/01/08(火) 21:24:34 ID:TePmDn6A
>>437
ビームランチャー、フォトンライフルをよけようともせずに着弾する
と、同時に息絶えたのか墜落する
地面にたたきつけられてもピクリとも動かない
さらに上から降り注ぐミサイルとレーザー爆弾
地上型も全くよけようとはせずに着弾する
先ほどまで活発的に動いていたのにまったく動かなくなっていた
>>441
「…」
青い球体の傍にたたずんでいる二匹の怪物
目すら動かない、どういうことだろうか…
>>444
そのまま蹴られて地面にたたきつけられる
が、動かない
すると今まで動きの見せなかった球体が光った
まるで心臓の鼓動のように光が消えたり出たりする
ピシリ、ピシリとその球体の殻の様なものにひびが入る…
※青い球体に攻撃できるようになりました
※怪物たちは動く気配を見せずにずっと球体を見続けています、まるで他のものが見えないように
※怪物たちに攻撃を仕掛けても何もしてきません、1ターンキルOKです
【勝利条件】
青い球体に3ターン以内に15000以上のダメージ
【敗北条件】
3ターン以内に15000以上のダメージを与えられなかった
446
:
統久
◆Tg./UqnJ52
:2013/01/12(土) 21:43:43 ID:CIrw22ng
>>440
,
>>442-443
ヒツギとライトがすぐに車に乗り込んで来なかったのを、統久は疑問に思った。
この緊急時に何を気にしているのかと思いきや、どうやら自分の正体がわからないことに不安を抱いている様子であった。
「ああ、済まんな。これでは確かに、「君のお母さんから迎えに行くように頼まれたんだよ」などと言って幼児を拐かす悪人だな?」
「着ているものもそれらしいしな」と言って、くくくっ、と喉を鳴らすように笑った。
考えれば考えるほど怪しさ爆発であったが、それでも一時の躊躇を挟んだだけで、彼らはすぐに車の中に乗ってきた。
ライトの方は無理矢理連れ込まれたようにも見えたが。
ともあれ、彼らはこちらを信用して車に乗ってきてくれたのだ。それには応えねばなるまい。
グッとアクセルを踏み込むと、激しく回転を始めた後輪からバーンアウトの煙が吹き出し、車は急発進した。
「シートベルトをしろとは言わんが、だいぶ乱暴な運転になるだろうから、その辺にしっかり掴まっておけ。
……ああそうそう、私の所属だったか? 私は地球連邦軍第16特殊作戦群第3大隊長、尼子統久特尉だ。
あの高名なエンジェルフェザー隊と、噂のカイオウ隊の人間に同時に会えるとはまた、奇妙な縁があったものだよ」
ハンドルを切りながら、統久はまた喉を鳴らした。
447
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/01/13(日) 18:22:20 ID:DCiCWRD.
>>443
無理やり車に乗せる形になってしまったのもあり、さすがにライトの表情にも不満が見える
とは言えヒツギ自身は『味方である』とある程度確信を持っていたりするのだが
ライトが乗りこむとヒツギはそれにあわせて隣のシートへと詰めた。
>「ああ……もう。ハヤセさんはぁ。
「悪かったって、でもキャリアーのこと知ってたし大丈夫だ
直接伝えられたか、俺たちの通信を傍受していたかじゃないと知らないはずだしな」
愚痴を零すライトに対して、原因であるヒツギは苦笑いを見せるほかない。
>>446
>「ああ、済まんな。これでは確かに、「君のお母さんから迎えに行くように頼まれたんだよ」などと言って幼児を拐かす悪人だな?」
「大丈夫だと思ってます、多分」
最後の『多分』は後から付けたものだが、ヒツギはこの状況に対して腹を括っているのかそこまで動揺しているようには見えない。
>「シートベルトをしろとは言わんが、だいぶ乱暴な運転になるだろうから、その辺にしっかり掴まっておけ。
> ……ああそうそう、私の所属だったか? 私は地球連邦軍第16特殊作戦群第3大隊長、尼子統久特尉だ。
> あの高名なエンジェルフェザー隊と、噂のカイオウ隊の人間に同時に会えるとはまた、奇妙な縁があったものだよ」
「えーっと・・・ヒツギ・ハヤセ少尉です」
相手の自己紹介を聞き、ヒツギも答えるように自らの身分を話す。
・・・が、所属はどこに割り振られているのか自分でも分かっていなかった、そのため名前と階級だけを伝える結果となる
「この際安全とか気にしてないのでぶっ飛ばしてくれちゃってかまいません」
乱暴な運転という言葉に対し、ヒツギは二つ返事で頷いた
そもそも外に危険を形にしたようなものがいるのだ、安全運転なんて最初から無理な話。
何よりも素早くキャリアーまで辿り着きたいヒツギにしてみれば早ければ早いだけ良いのだろう
448
:
明智ライト@レイナも生きてます
◆zv577ZusFQ
:2013/01/15(火) 15:28:03 ID:payTQOs2
>>446
【「シートベルトをしろとは言わんが、だいぶ乱暴な運転になるだろうから、その辺にしっかり掴まっておけ。」】
ライトは律儀にシートベルトを絞めた様だ。乗ってしまった今となっては反抗する素振りは取り敢えず見せていない。
【「……ああそうそう、私の所属だったか? 私は地球連邦軍第16特殊作戦群第3大隊長、尼子統久特尉だ。
あの高名なエンジェルフェザー隊と、噂のカイオウ隊の人間に同時に会えるとはまた、奇妙な縁があったものだよ」】
「(……第16特殊作戦群。尼子?)エンジェルフェザー隊所属、明智ライト大尉です。
先程は疑ってかかる様な真似をして申し訳ありません」
自己紹介を受け、ようやく先方の素性が明らかになった。
しかしライトの表情は未だに何処か険しいものを残したままだった。
>>447
【「この際安全とか気にしてないのでぶっ飛ばしてくれちゃってかまいません」】
「かまいますよ!」
明らかに危険な発言をするヒツギに嫌な予感がよぎったので、ノータイムでツッコミを入れる。
このままでは映画もびっくりなカーアクションに巻き込まれて、悲惨な目(主に威厳面での)に遭いかねない事が聡い彼女には読めていた。
が、そんな悠長な事も言ってられない
「尼子特尉、極力安静かつ速やかにお願いします」
まあ無茶だろうが。それは
449
:
統久
◆Tg./UqnJ52
:2013/01/16(水) 17:13:51 ID:hRlW3vlM
>>447-448
乱暴でも構わないというヒツギと、極力安静にと頼み込むライトの、二人の対照的な物言いに、統久はほほえましいものを感じた。
だが状況はヒツギの意見を支持しているようだ。
統久のセダンが走る道路の先には先刻陸型の怪物が破壊したビルの残骸が散らばっており、その横には破壊しかかったビルが、
その身をボロボロと少しずつ崩しながら立っている。
「私とて、無理に危険に飛び込もうとは思わないが……こうも散らかっていてはな!」
道路を大きく占拠する瓦礫を避け、そのすぐ先にあった瓦礫を反対にハンドルを切って避ける。
スピードの出ている中で、こんな蛇行運転。当然のことながら、車内は激しく揺さぶられた。
「クソ、こんなカオスな道を走らせやがって……恨むぞ、リリーのやつめ」
愚痴りながらも、瓦礫に衝突することなく瓦礫の散らばったエリアを抜けた統久のセダンは国道135号と交差する交差点にさしかかり、
若干ドリフトしながらカーブし、135号を南下する進路を取った。
車一台走っていない道路を、先ほどの鬱憤を晴らすかのように猛スピードで駆け抜けるセダン。
そうして少ししたところで、道の先に片側2車線分をまるまる使う、PTキャリアの巨体が見えてくる。
「あれか。存外、近くまで来ていたな」
合図をするようにチカチカと2,3回ライトを点滅させると、キャリア側もそれを悟ったのか、同じようにライトを点滅させた。
その巨体ゆえ、急には止まれないキャリアがゆっくりと停止し、その二台の前に、中央線をまたぐように統久のセダンが停止した。
「さあ、着いたぞご両人。行って、勝ってこい。それがお前達二人が今、この街にできる最良だ」
荒れ狂う車に揉まれてへろへろになっているかも知れない後部座席の二人に顔を向け、統久はどこか悪戯っぽい、しかし晴れやかな笑みを見せた。
外では、キャリアに乗っていた作業員が、荷台にかかっていたシートを取り去り、タラップを用意して二人の到着を待っている。
450
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/01/16(水) 18:17:56 ID:IwcTQ.2w
>>448
>「かまいますよ!」
「いやいやいや、絶対無茶してもさっさと言ったほうが安全だって!
それにさっきの急停止を見てもそんな簡単にぶつかるなんてないって、多分」
横から飛んできたはさむようなツッコミに対し、そんなことはないと物申す。
しかし本当に大丈夫か自信がないのか、最後に『多分』とついているが
>>449
>「私とて、無理に危険に飛び込もうとは思わないが……こうも散らかっていてはな!」
>道路を大きく占拠する瓦礫を避け、そのすぐ先にあった瓦礫を反対にハンドルを切って避ける。
>スピードの出ている中で、こんな蛇行運転。当然のことながら、車内は激しく揺さぶられた。
「うおぉぉっ!?」
そんな会話をしていた最中、突如として車両が左右に揺さぶられる。
車ごと傾かせて曲がるその様と、タイヤの悲鳴が聞こえてきそうな運転
後部座席についていたヒツギは、振り回されそうになるのを天井の取っ手で無理やり押さえ込んでいた
>合図をするようにチカチカと2,3回ライトを点滅させると、キャリア側もそれを悟ったのか、同じようにライトを点滅させた。
>その巨体ゆえ、急には止まれないキャリアがゆっくりと停止し、その二台の前に、中央線をまたぐように統久のセダンが停止した。
「ほ・・・ほらっ、なっ、大丈夫だったろ?」
目的の地に無事(?)に辿り着いたのをみて、イチかバチでイチだったと口に出した。
とはいってもヒツギもさすがに冷や汗をかいているのが見て取れる
「車に弱い人とか吐いてたんじゃないか今の・・・」
Gや揺れに強いヒツギでも若干クラクラしている、そのことで最後に何かつぶやいたような気がした
>「さあ、着いたぞご両人。行って、勝ってこい。それがお前達二人が今、この街にできる最良だ」
笑顔を見せる統久に対し、ヒツギは意識をハッキリとする為に自らの頬を軽く叩く。
「ここまでありがとうございます尼子特尉、いってきます!」
シャキッとした表情に切り替わると、そして小さく頭を下げて後部座席のドアから飛び出した。
「急ぐぞあけっち!」
そのままに駆け足でキャリアの元へと向かっていく、シートの中から顔を出していたのは・・・ゲシュペンスト
『デーモン』の修復はまだ済んでいないようだった
451
:
ヴィルヘルム@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2013/01/16(水) 22:49:23 ID:GchN2Axg
両手にビームスナイパーライフルとショットガンを携えたエフゼロが、緩やかに市街地を迂回しながら戦場に到達した。
「……よし、補正はここまで。
後はまぁ、ちまちま削る事にするか」
そう呟いた後に軍用回線とアクセス。
『こちらは本日付けで予備役より復帰したヴィルヘルム・エッシエンバッハ少佐である。
これより戦闘支援に回る。以降の指示を請う』
452
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/01/16(水) 22:50:14 ID:5VlWZOUQ
「ユウセイ君、呉々も、気をつけてね。」
「解ってます。相手は、未確認生命体ですよね。」
「そう、それと、データも取っておいて、妖機人とかの件もあるし」
「解りました。」
アスト博士と、適当な会話をし。
搭乗口に向かうユウセイ
あれから、どうなったかというと
ぶっ倒れた後、30分後気合いで復活し、
未確認生命体の攻撃があり
スクランブル要請
「T-link アクティブ システムオールグリーン アルブレード 出ます」
基地より、飛び立つ。
453
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/01/16(水) 23:05:00 ID:5VlWZOUQ
「えっと?、あれが未確認生命体か。」
現場に着き、ユウセイは、未確認生命体を確認した。
「謎だ。何故あの怪物は、動かない。」
青いものをただ見つめているだけ、ただ。
「気づかれる、前に倒すか?気づいたら勢いよくぶっ飛ばされねぇだろうな。」
「まぁ、良いか。まずは、」
「アカリ伍長に話聞こうかな。」
アカリ伍長に連絡を取り
「伍長、ユウセイです。これより状況に、参加します。ミッション内容の、提示をお願いします。」
「それと、アスト博士より、データ収集の要請を受けています。援助お願いします。」
そういう連絡を、入れ指示を待つ。
454
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/01/17(木) 07:28:52 ID:PBlDO9tc
>>449
【「私とて、無理に危険に飛び込もうとは思わないが……こうも散らかっていてはな!」】
「えぇ!?ちょっと。まさか……!」
【道路を大きく占拠する瓦礫を避け、そのすぐ先にあった瓦礫を反対にハンドルを切って避ける。
スピードの出ている中で、こんな蛇行運転。当然のことながら、車内は激しく揺さぶられた。】
「あ。あ、やああああぁぁ!?……ダメ!止めて!む、む無理!!無理!」
無意識にも隣の少年の腕にしがみつき、悲鳴混じりの必死の形相で訴えるが、聞こえていないのだろう。
仮にもしシートベルトをしていなければ大変な事になっていたかも知れない。
目が回り、更に胃にも奇妙な蠢きが感じられるが、清楚な天使様が人前にてリバースなど許される事では無い。必死に耐える。
……まぁ、流石にそんな情けない事態にはならなかったが。涙目を浮かべるのだった。
【「さあ、着いたぞご両人。行って、勝ってこい。それがお前達二人が今、この街にできる最良だ」】
「…う…う……感謝します、尼子特尉」
キャリアが見えた頃には既にやつれた青ざめた顔が出来上がっていた。
彼女はこんな調子で戦闘は大丈夫なのだろうか?
>>450
【「ほ・・・ほらっ、なっ、大丈夫だったろ?」】
「ハヤセさん……これが、大丈夫に見えますかね?」
じとーっと何か言いたげな視線を向ける。たいそうご立腹の様だ。
【「急ぐぞあけっち!」】
「もちろん。遅れた分は働きで返します」
説教を垂れる間もなく、ヒツギは自身の機体を積んだキャリアへと向かう。
それを追うライトも先程までの情けない醜態を完全に感じさせないきりっとした厳格なスタイルを取り戻していた。
向かう先には精鋭部隊エンジェルフェザーが駆る純白の機械天使。
既に機体には火が入っており、準備万端といったところか
「まずは状況を確認しないと」
戦闘ログを一通り確認する事からスタートである。
【明智ライト/ガブリエル出撃】
>>437
>>451
>>453
「各機体、こちらはエンジェルフェザー、明智ライト大尉。これより私の指揮に従っていただきます」
連邦の機体全てに向けての通信である。
中にはそんな事には従わず暴れまわる様な者も居るが、取り敢えずは全機へ。
「航空部隊は先行してあの青色の球体へ火力を集中させて破壊してください。
まだ確証は持てませんが、セオリー通りならば中から何かが這い出て来る類いかと思われます」
【ホワイトホーク小隊とスピアウィング小隊、更にラプターのアカリ、少佐のエフゼロに速攻で攻撃へと向かわせる様な指示を出す。】
「ハヤミ曹長、ハヤセさん、そしてそこのヒュッケバインには残ったモンスター型の撃破を。
あと例の……次元刑事とやらの事は現状無視しておいて構いません。
私がコンタクトを試みます」
【ユウセイ、ヒツギ、量産型ヒュッケバインのリリーには取り巻きを撃墜しながらの進撃を要請しておく。】
>>444
「こちらは地球連邦軍の明智ライト大尉です。あなたは……次元刑事ブラインさん?でよろしいですか?」
ブラインのもとへ純白の天使の様な機体が接近する。
きりっとハキハキとした少女の良く通る声が機体のスピーカーから聞こえているはず
「あなたはゲルシャドーと言っていましたか?あの異形の怪物達を。
あれらとの面識が有る体であなたに聞きたいのですが、あの球体は?」
堅物かと思われがちなライトだが、100歩譲ってブラインとやらの話を柔軟に聞き入れてみる様だ。
それに彼が只の愉快犯とは違う事は既に認めざるを得ない。
【ライト/ガブリエル:ブラインへと接触】
455
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/01/18(金) 19:19:51 ID:Cf7Sd4bM
>>441
「え……九条院さん!?」
静香からの通信と、彼女の機体を始めとした女性型兵器3体が現れたのを、アカリは意外そうな表情でもって迎えた。
月面での戦闘でどこからか現れた彼女たちは、事情聴取やら何やらで未だ基地に軟禁されていると思っていたからだ。
『この事態に際して、動ける戦力を遊ばせておくのも勿体なかったのでしょう。
彼女らの意志か、それとも誰かの差し金か……いずれにしても助かりますね。
これでPT戦闘に不慣れな私も楽ができるというものです』
アカリの横では、リリーがサボタージュまがいの言葉を発している。相変わらずの様子である。
>>445
,
>>454
アカリとリリー、戦闘機部隊の攻撃で周囲の怪物は殲滅できた。
残るは奇妙な青い球体と、それを守っているかのような怪物が二匹のみ。
援護してくれた戦闘機部隊に感謝の通信を送りつつ、アカリとリリーがそちらへ向かっていると、
レーダーにライトのガブリエルを表す光点が表示され、ライトから自分が指揮を執る旨の通信が入ってきた。
「ああ、明智大尉。その様子だと間に合ったようですね。
私は南から来るヒュッケバインの小隊に合流しつつ護衛の怪物に攻撃を仕掛けます。
指揮のほう、よろしくお願いしますね」
リリーはライトにそう報告を入れると、戦闘機部隊に少し遅れて戦域に現れたヒュッケバインの小隊に合流すべく、
機体をそちらへ向けた。
『こちらヒュッケバイン、ワイルドクーガー小隊だ。どうやらいささか遅れてしまったようだな。
残っているのはあのトイレ芳香剤みたいなオブジェだけか?』
「その通りですが、我々は先に取り巻きのお化けを片付ける必要があります。
エンジェルフェザーの明智大尉からそのように指示がありました」
『その声はスノウフェイル少尉か。任務内容は了解したが、エンジェルフェザーとはどういうことだ?
極東支部の作戦にエンジェルフェザーが介入しているのか?』
「状況が重なった結果です。そのあたりはまあ、戦闘が終わった後の話になりますので」
『……了解した』
リリーと合流したヒュッケバインの小隊はそのまま進軍し、レクタングル・ランチャーの斉射でもって取り巻きの怪物を攻撃した。
一方、青い球体を先行して攻撃することになった戦闘機部隊とアカリのラプターはというと。
『あんな卵みたいなやつ、攻撃しても大丈夫なのか? 中からフェイスハガーみたいな化け物がでてきたりしないのか?』
『俺に訊かれたって知るかよ。攻撃命令が下ったんだ、やるしかないだろう。ビルトラプターのお嬢ちゃんもそれでいいな?』
「はい、そちらに続きます」
『ようし、じゃあやるぜ、野郎共』
ホワイトホーク小隊長が号令し、彼の小隊が空対地ミサイル、スピアウィング小隊がレーザー誘導爆弾で青い球体に対して攻撃を仕掛け、
アカリのラプターがそれにメガ・ビームランチャーの砲撃を加える。
ミサイルの弾幕とスマート爆弾による絨毯爆撃、高出力ビームの三重の攻撃だ。並みのPT程度ならば四散するような火力だが……。
456
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/01/18(金) 19:35:52 ID:vXpo8eb.
>>454
「了解です、大尉。」
連絡を受け、攻撃を開始する。
「下のは、俺がやります。」
下に、降り
「ここら辺は、直線的な道路が多いから、居合いにはベストだけど」
「巻き込んでもイヤだからな。大人しく、トンファーで行きますか。」
「ブレードトンファー アクティブ」
両手に、ブレードトンファーを用意し、突撃する。
「上に上げて、海方向に」
トンファーで、勢いよく殴りとばし
そのまま、ラッシュし、
上空まで上げる。
「これで、どうだ。」
最後に、突き刺し。そのまま半ば強引に引き裂こうとする。
457
:
ヴィルヘルム@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2013/01/18(金) 22:43:16 ID:gCn7l2MQ
>>454
「……了解、っと」
階級は下だが間違った事も言ってないだろうと指示に従う。
>>455
その三重攻撃に更にM13ショットガンを追加する。
ジャマーや対ビームコーティングを警戒しての選択だ、使えそうなら次はミサイルのつもりでいる。
458
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/01/19(土) 03:37:21 ID:elDXdrQM
>>454
「安全じゃないジェットコースターだと思えばほら、な?」
剣幕にさすがのヒツギも気圧されているのが伺える
そのせいか若干滅茶苦茶なことを言っているような気がしなくもない
ゲシュペンストに乗り込んだヒツギは前回の戦闘で負傷した部位の確認に入った。
人間がそうするかのように、左手を握っては開いてを繰り返す。
前回丸ごとなくなった腕は問題なく修復されているらしい、右足も・・・どうやら問題なさそうだ。
時間がなかったが整備班の腕に感謝するしかない
キャリアに積まれていたゲシュペンストの今回の換装武装は・・・
大型の実弾兵器レクタングル・ランチャー、ヒツギの射撃能力でもある程度の火力は期待出来るだろうが
まさかこんな物を積まされるとは思っていなかった
だがあるとないとでは大違い、ありがたく使わせて貰うとしよう
>「まずは状況を確認しないと」
「機体の調子もバッチリだ、このまま即戦闘態勢に入る!
キャリアのパイロットさんも早く範囲外に!」
>>455
>>445
>>456
>リリーと合流したヒュッケバインの小隊はそのまま進軍し、レクタングル・ランチャーの斉射でもって取り巻きの怪物を攻撃した。
「手伝うぞ!」
レクタングル・ランチャーの掃射が始まったとき、別方向からゲーリーへと同型の弾が放たれる。
視線を移すとランチャーを構えたゲシュペンストがワイルドクーガー隊に相乗りするように放っていたのだ
前回の月面で使用していたガンレイピアは戦闘中に紛失、その為現地であまっていたランチャーがそのまま装備された
ぱっと見るに射撃兵器はあれ以外装備されてそうにない、急ごしらえだったのだろう
>『あんな卵みたいなやつ、攻撃しても大丈夫なのか? 中からフェイスハガーみたいな化け物がでてきたりしないのか?』
>『俺に訊かれたって知るかよ。攻撃命令が下ったんだ、やるしかないだろう。ビルトラプターのお嬢ちゃんもそれでいいな?』
>「はい、そちらに続きます」
>『ようし、じゃあやるぜ、野郎共』
先行しているリリー達はどうやら爆撃で吹き飛ばそうと考えているらしい
「市街地でそんなことしていいのか・・・?とりあえず援護はさせて貰うぜ!」
レクダングル・ランチャーの射線を卵へと向き直らせ、そのまま攻撃を再開する。
わざわざランチャーを使っているも何かおかしいが、構える際に大型過ぎるのか若干動きがぎこちなかった
早く使い切ってしまいたいということだろうか?確かにインファイトしたがりなヒツギには重荷なのかもしれない
459
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/01/19(土) 19:42:20 ID:Q9Gw.oUc
>>455
【「ああ、明智大尉。その様子だと間に合ったようですね。
私は南から来るヒュッケバインの小隊に合流しつつ護衛の怪物に攻撃を仕掛けます。
指揮のほう、よろしくお願いしますね」】
「む。あなた……スノウフェイル少尉だったんですか?少尉はPTの操縦も可能と。それは知りませんでした。
戦力として数えさせてもらいます」
リリーがまるで手足の様に自然とヒュッケバインを操る様を見せられ、ライトは不思議な感覚を覚える。
>>441
(……ああ、あの妙に女々しい浮わついた3機は確か報告にあった例の。……表向きはレイナ・カーマインの客将扱いで通してあるみたいだけれども)
月面にてヒツギ達が救出した3機の姫の事情はいまだ公表されていない。
それは直前まで甲斐と行動を共にしていたライトも例外では無く、カーマインの寄越した私兵というかりそめの身分を怪しんでいた。
「では風姫、雷姫は万が一の為にバックアップに回ってください。
それとそちらの焔姫はハヤセさんらと共に“合わせて進軍”を」
同じぐらいの年齢の少女にいきなり偉そうに命令されて三姫は気分を害するかも知れないが、ライトはそんな事は思いもしない。
ただ淡白に指示を出すだけであった。
修理、補給装置を持つ雷姫と風姫は温存する方向で長期戦に備えたかった。
知らぬ知らぬとは言え、それぞれの機体スペック程度は熟知しているつもりだ。
間違った采配では無いはずだ。
460
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/01/20(日) 13:13:49 ID:zVU51eLM
>>459
「あん? 誰よあんた」
通信に対し、当然の如く訝しげな態度を見せたのはマヤである。
「何頭ごなしにいきなり命令してきてるわけ? そういうのは普通名前と所属を名乗って頭を下げてから…」
「了解しました。では、つばめは私と共にバックアップを。マヤさんは前衛の方々合流してください」
「は、はい!」
「ちょっと静香!」
声を荒げるマヤに対し、静香は慣れた様子でにっこり微笑み返してみせる。
「今の我々の立場を考えれば、仕方のないことです。
それに、指揮系統に従って動いた方が、街への被害は少なくて住むはずですよ?」
風姫に促され、街並みを一望する焔姫。
次元刑事ブラインらの活躍により、幸いにも住民の避難こそ完了しているが、
上空の青い球体の挙動によっては、都市そのものに大きな被害が出る可能性は否めない状況である。
「…ったく。わーったわよ」
ボソッと吐き捨てると、マヤは焔姫と共に跳躍し、ビルを飛び越えていく。
「ふふっ」
跳ねっ返りではあるが、人一倍正義感の強い彼女の性分。
長い付き合いの静香は、マヤをコントロールする術をよく心得ているようだった。
461
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/01/20(日) 13:36:55 ID:zVU51eLM
ヒツギ機の隣につけた焔姫は、両足を踏ん張らせつつ、ブレードと共に背負ってきた大型火器を構えた。
「分間4200連発、泣く子も黙る対特機ガトリングガン!
卵だかクス玉だか知らないけど、こいつで粉々にしてやるわ!!」
叫ぶや否や、物騒な大音響と共に、無数の弾丸を青い球体目掛けて叩き込む焔姫。
上空からの攻撃の手筈も整い、身じろぎ一つ見せない球体の破壊は、もはや時間の問題と思われた。
462
:
次元刑事ブライン&敵
◆Iny/TRXDyU
:2013/01/27(日) 18:16:07 ID:q.1IZdbs
>>445
(…これだけの火力が集まれば、『完全孵化』は避けられそうだな)
と、ブラインは球体に集まる弾丸やビームを見て考えるが、不安はつもるそこに…
ビーッ、ビーッとブレスレットから警報の様なものが鳴る
「ッ!、全員避けろ!!」
と、スピーカー音量を最大にして叫ぶ
ヒツギやライトなら間近で聞いたことがある声だ
そして次の瞬間
弾丸やビームの嵐で見えなくなった球体から一筋の光が、それも無数の光が貫いてくる!!
その光はレーザー!、しかも今の最新型の盾ですら貫くほどの!
「…グ、ガァアアアアアアアアア!!!」
その光が止んだ瞬間、獣のような声が上がる
そしてその光を放った存在は…
「…」
四本の足、背中から生える無数の触手、先には目玉の様なものがあり、そこからレーザーは放たれたのだろう
そして頭部は3つあり、3つとも3つの目を持つ、口の様なものがあり、その表情(?)は怒りの表情だった
「…なんとか完全孵化はしなかったか」
と、ブラインは呟く
【勝利条件】
ケルベロスを撃墜
【敗北条件】
味方機の全滅、ブラインの撃墜
463
:
次元刑事ブライン&敵
◆Iny/TRXDyU
:2013/01/27(日) 21:02:03 ID:tcaAZrxM
>>454
天使のような機体こちらに来る
「…美しい…」
と、呟くと
>「こちらは地球連邦軍の明智ライト大尉です。あなたは……次元刑事ブラインさん?でよろしいですか?」
>「あなたはゲルシャドーと言っていましたか?あの異形の怪物達を。
あれらとの面識が有る体であなたに聞きたいのですが、あの球体は?」
こちらにコンタクトをかけているのに気付き、ブレスレットを開く
するとライトの通信機にノイズが走る
「ガガ、ガガガピーッ、ガッ…」
壊れたのだろうか?、するとブツッという音が聞こえてくる
「あー、あー、聞こえているだろうか?」
なんと通信機に繋げてきたのだ!
強制的につなげるなんて並みの技術じゃない
「私の名前は次元刑事ブライン…信じられないだろうがよく聞いてくれ。
私たちは君たちで言うところの異世界人だ」
と、言うと
「私は、ある組織…というべきかどうかわからんがともかくさっき言っての通りゲルシャドーという組織を追っている。
因みに証拠としては…」
と、言うと虚空に手を切るように入れると『空間が裂けた』
中には謎の空間が見える
「これでいいだろうか?、さて、私は次元警察組織、『ジゲンポリス』という組織から派遣された刑事(デカ)だ。
ゲルシャドーとは宇宙、つまり『世界そのもの』を幾多も消滅させた極悪…という意識があるかもわからんがそういった組織だ。
かくいう私も自分の住む世界はもうない、奴らに消滅させられた」
いきなり自分のことを暴露してきた
「あの球体に関しては見ての通り卵、しかもついさっき孵化している。
まぁ完全体じゃないからまだ倒すことは可能だが」
声が渋る
「…奴らは神出鬼没だ、何時現れ、何時行動するかは不明、次元を移動している為、追うのは困難を極めていた。
しかしようやくその足取りは我々は掴むことができた」
と、言うが
「…どうやらヤツが行動を始めたようだ、通信を切るぞ!
いいか、あの背中から生えている目玉に気をつけろ、放たれる光はどんなものを貫く!
しかも全方位もできるから厄介だ!、指図するようですまないが援護を頼む!」
と、忠告するとブツッという音とともにブラインは飛ぶ
その飛んだ方向を見ると孵化した怪物がこちらに進んでくる
明らかに敵視、しかも話す余地は全くない
464
:
ヴィルヘルム@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2013/01/27(日) 21:41:35 ID:P/XU2HAc
>>462
「や、やったか……っ!」
言ってしまった。
「……避けろ……だ、と……!?」
最初の光が迸った瞬間、スラスター全開、スプリットミサイル他換装武器を全て投棄、急転回を同時に実行。
全身ボロボロになりながらも耐え凌いだ。
『な、何が起きたのっ!?』
甲斐からの声が届く。今の攻撃の余波でデータリンクが軒並み吹っ飛んだようだ。
「……卵が、孵化した、ってところか?とんだバイオハザードだ」
>>463
何が起きたのか把握出来ていない、伊豆基地や停泊中の甲斐から幾つも通信が飛んでくる。
色々錯綜しているが、みんな大変なのだ。
????「……やれやれ、あれが次元の秘密か。
もっと芸のあるところを見たかったなぁ」
????「……イヤな生物(ナマモノ)が出てきたな……何時までオーダーを差し止める気だか」
465
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/01/27(日) 22:03:45 ID:2Crzxs4Y
>>452
「終わった、か?」
敵の生存プラグ立ててしまった。
その後、当たり前のように
「逃げろ?………嘘だろ。」
ユウセイが、見たのは殻が割れ、なんか化け物が出てきた。
「うん、キモい。」
エンジンのリミッターを解除し、全快で、逃げ、一息ついた。後の一言だった。
「若干、ジャケットアーマーが、ぶっ壊れた程度か。」
「エネルギーセンサーが真っ
赤っか。これは、どういうことだ。」
データを取り整理、出来たものから随時転送。どこにって
研究所、アストさんの
「不味すぎる。どうすれば。」
466
:
◆zv577ZusFQ
:2013/01/28(月) 03:38:20 ID:RFxkmqTA
>>462
【「ッ!、全員避けろ!!」】
戦域全体に響き渡る音量でそう叫ぶパワードスーツの男の声。
なにやら何処かで聞いたことがある声だったが、今は思い出す暇も無い。
「……は!?全機、球体はまだ!!」
ブラインの意図を理解したライトは、全機にエマージェンシーを出す。
球体に対してこちらの航空部隊の全火力を集中して浴びせ、確実に破壊出来たと断定していたが、それは大きな間違い。
ーーー完全に油断していた。
>>弾丸やビームの嵐で見えなくなった球体から一筋の光が、それも無数の光が貫いてくる!!
その光はレーザー!、しかも今の最新型の盾ですら貫くほどの!
「あ……くっ。航空部隊、退却。被害状況は?」
恐らく、仕留めた。と安堵していた状態でこの光を回避出来た機体はそんなに居ないだろう。
ライト達、地上部隊は間に遮蔽物が有り距離もあった為、被害を受ける事は無いのだが……
>>その光が止んだ瞬間、獣のような声が上がる
そしてその光を放った存在は…
四本の足、背中から生える無数の触手、先には目玉の様なものがあり、そこからレーザーは放たれたのだろう
そして頭部は3つあり、3つとも3つの目を持つ、口の様なものがあり、その表情(?)は怒りの表情だった
「(……なっ。中から化け物がっ)皆さん、あれは未知数です。くれぐれも無謀な突撃は禁じます。
不用意に近づかず離れた場所から火力を集中させてください」
一瞬、カメラに映っている三つ首の獣に対して戦慄してしまうが、悟られてはいないはずだ。
>>463
【「あー、あー、聞こえているだろうか?」
「私の名前は次元刑事ブライン…信じられないだろうがよく聞いてくれ。
私たちは君たちで言うところの異世界人だ」】
それを証明するのを黙って見ている。
次元の裂け目から確かに別の空間みたいなものが確認出来た。
ライトにとってそれは認めたくも無い事実だったが、実際に見せびらかせたのなら疑う気持ちも無くなってしまう。
【「これでいいだろうか?、さて、私は次元警察組織、『ジゲンポリス』という組織から派遣された刑事(デカ)だ。
ゲルシャドーとは宇宙、つまり『世界そのもの』を幾多も消滅させた極悪…という意識があるかもわからんがそういった組織だ。
かくいう私も自分の住む世界はもうない、奴らに消滅させられた」】
「……なんと言えば良いのか。宇宙を消滅とはスケールが大きいのでは?」
壮大で実感が余りにも湧かないが、彼らの故郷はゲルシャドーとやらによって滅ぼされてしまったらしい。
【「…どうやらヤツが行動を始めたようだ、通信を切るぞ!
いいか、あの背中から生えている目玉に気をつけろ、放たれる光はどんなものを貫く!
しかも全方位もできるから厄介だ!、指図するようですまないが援護を頼む!」】
「わかりました。取り敢えず……詳しくはあのエネミーを破壊してからにしましょう」
連邦サイド各機にもブラインとの共闘をする旨を通達する。
これで味方と認識されるはずだ。
「別段、通常兵器が有効な相手です。潰し様は有ります。
それから背から延びる目玉に注意。レーザー攻撃が来るとの事です」
ブラインの行動に合わせて、ガブリエルも遮蔽物を上手く利用しながら向かって来るゲテモノ相手にレーザーライフルでの射撃を浴びせる。
467
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/01/30(水) 23:27:22 ID:wlGfdnhc
>>462
複数のミサイルとスマート爆弾、高出力ビームに大型実弾兵器の弾丸と、集中された大火力により、
敵は粉微塵同様になったと思われた。
だが、敵はその予想を裏切った。着弾煙で覆われたその中心部から、凄まじい数のレーザーが飛び出してきたのだ。
「なっ……く!」
アカリのラプターは咄嗟に射角の下に潜り込む、地表スレスレの機動で回避したが、他はそうもいかなかったようだ。
『こちらウィング2! 被弾した! 被弾した!』
『ウィング3、こっちもダメだ! 脱出する!』
『くそ……油圧系が死んでる! 墜落する!』
『操縦不能! 操縦不能! お、墜ちる……うわあああああああ!!』
『ホーク3! ホーク3! 応答しろ! 応答してくれ……』
レーザーの直撃を受けて空中分解する機や、主翼を失って錐もみ状態で墜落する機など様々だったが、
結果として戦闘機部隊はその数を大きく減らしてし、残存機は半分となってしまった。
『こちらホワイトホーク。ホーク3が被弾、撃墜された……畜生……』
『こちらスピアウィング。どうやら小隊長の俺以外は全機やられたようだ……隊としての戦闘継続は不可能になった』
ライトからの損害報告要請に、各小隊長はそう返信する。
特に、対地爆撃装備で出撃していたスピアウィング小隊の被害が大きいようだ。
また、取り巻きの怪物を斉射で処理したワイルドクーガー小隊にも、その夥しいレーザーは牙を剥いた。
生半の盾では防げないほどの貫通力を持つレーザーは、周囲のビル群を焼き貫き、建造物をバターのように焼き切る。
だが、怪物の大きさゆえか、射角の問題かは判別がつかないが、一定高度以下にはレーザーが来ていない様子であった。
『全機高度を下げろ! 下げるんだ!』
小隊長の必至の指示に従い、ヒュッケバイン各機は緊急ブーストにてその高度を下げる。
リリーの機体を含めた4機のヒュッケバインが射角の下に潜り込むことに成功したが、
『ああくそ、間に合わない……!』
最も高い高度をとっていた一機が安全高度に到達できず、今まさにレーザーの雨を受けんとしていた。
『……やらせませんよ』
が、それに気付いたリリーの機体が近くにあったビルを蹴って急上昇、遅れた機体の所まで来ると、鋭い回し蹴りを放ち、
無理矢理その機体をレーザーの射角の下に落とした。
これにより、ワイルドクーガー隊は全機無事にレーザーを回避できたが……そのために高度をとったリリーの機体が高度を落とす時間は既に無く、
リリーの機体は左半身を中心にレーザーの雨を受けて爆発し、ビル群の中に落ちて盛大に土煙を上げた。
『何てこった……! うちの隊員を庇って、スノウフェイル少尉の機体が被弾、墜落した!
こっちからはよく見えない……3、そっちから少尉の機体が見えるか!?』
『見えることは見えるが、機体の左側が吹き飛んでる以外は煙と炎と建物で確認できない。
だがあれでは……生きていたら奇跡の類だぞ…………』
生存を絶望視する報告が、墜落したリリー機を確認したワイルドクーガー隊員から上がる。
「え……?」
その報告を聞いたアカリは、生まれて初めて、目の前が真っ暗になるという感覚を味わった。
468
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/01/31(木) 00:24:08 ID:GQoxv1xM
>>461
>>462
>>「ッ!、全員避けろ!!」
「何だ!?」
集中砲火を受けた球体付近から、その爆風をなぎ払うように放たれた閃光
距離が離れていたヒツギは手に持っていたレクタングル・ランチャーを投げ捨て横に跳んだ。
その瞬間にもレーザーが迫り、ゲシュペンストを掠め手から離した直後のランチャーを貫いた
目の前で赤く爆発したランチャーの余波を受け止めながら、体勢を立て直す
「まだ弾が残ってたのに、そっちは大丈夫か!」
先ほどまでヒツギが立っていた位置も攻撃されたとなると、自身の横で援護射撃をしていた焔姫もどうなっているか分からない
ランチャーの爆風で視界が悪いのか確認もできない、チャンネルを開き通信で呼びかけた
>>467
>>466
>スノウフェイル少尉の機体が被弾、墜落した!
「ッ・・・!!」
偶然開いていたチャンネルから舞い込んできた達しは、耳を疑うような内容だった。
その時ヒツギが取った行動は【思い切りペダルを踏み込む】というシンプルなもの
連動してゲシュペンスト背面のスラスターが口を開き、炎を放ちながら真っ直ぐに加速を始めた
>「(……なっ。中から化け物がっ)皆さん、あれは未知数です。くれぐれも無謀な突撃は禁じます。
>不用意に近づかず離れた場所から火力を集中させてください」
「悪いあけっち、突撃する!」
確かに敵の戦闘力は未知数だ、だからこそ逆にリリー少尉が危険だと判断したのだろう。
少なくとも球の取り巻きだった奴らは溶解液を使っていた、もし少尉が無事だったとしてもこの状態で溶解液を食らったら・・・
(こいつの装甲もいうほど厚いってわけじゃないが、あのレーザーも多少は耐えられるはず!)
ケルベロスに対して左サイドからの突撃を敢行。
全開で間合いを詰めながら格納状態だった左腕の高周波ブレードの切っ先を前方へと伸ばし臨戦態勢に入る
射線をこちらに移すだけでもいい、溜めるように左腕を引いてから、貫かんとブレードを突き出した。
469
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/01/31(木) 17:14:41 ID:Xc7DNmYU
>>462
「了解。」
手持ち武器から、遠距離ものを出す。
「良いものだな。コイツを使うか。」
マグナビームライフルをセット、ケロベロスにぶつける。
>>768
「あの、バカ。」
明智大尉の話聞いてなかったのか?
だが、向こうに向かせると言うのが、目的なら、
「よく考えてみたら、アルブレードなら、回避できないほどでもない。」
「迅雷、セット、大尉、申し訳ないですけどヒツギの援護に入ります。」
迅雷を用意、ヒツギと同じルートで突撃。
若干、ヒツギから、離れた場所から
ヒツギの攻撃より、若干タイミングを外し
「T-linkフルコンタクト。迅雷」
「迅速の型!」
迅雷より、念の刃がケロベロスに放たれる。
470
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/01/31(木) 19:46:15 ID:xoaG12yI
>>462
各機から放たれた火線が怪球へと吸い込まれ、爆炎を巻き起こす。
「ふん、潰しがいもあったもんじゃないわね」
吐き捨てるように言うマヤ。
しかし次の瞬間、状況は激変した。
放射状に広がる無数の光線。その一本が、焔姫の抱えたガトリングガンの砲身を焼き切った。
「なっ……!?」
煙幕を引き裂いて現れたのは、おぞましい巨体をもつ異形の怪物の姿であった。
その威容に一時茫然となるマヤだったが、すぐさま我に返ると、不適に鼻を鳴らしてみせる。
「……怪獣退治ってわけね。面白くなってきたじゃない!」
ガトリングの残骸を放り捨てると、大剣ブルーティッシュ・ブレードを携え、怪物目掛けて突進。
走りながら左腕のアーム・ファランクスで牽制をかける。
どうやら取り付く気のようである。
「あの3つ並んだ気色の悪い頭! あたしがぶった斬ってやるわ!」
明らかに周囲から突出しつつ焔姫は怪物へと突っ込んでいく。
471
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/02/01(金) 08:08:29 ID:41i5KH1A
>>467
「(ぐうっ。部隊は総崩れですか……。まずい、このままじゃ)……ホワイトホーク、スピアウイング小隊をフォローしつつ退却を。後は我々が……」
各小隊からの報告が上がってくる。
が、この調子では彼らの小隊はもはや戦力にならないだろう。
無駄を避け、ライトは下がる様に命じた。
「しまっ……!ワイルドクーガー5!!高度が高い!それでは!」
レーザーの射角に捉えられたノロマがそこにもう一機残っていた。
ライトは危険を伝えるものも、レーザーが到達する方が明らかに速い。今さら気付いてももう遅い。
【『何てこった……! うちの隊員を庇って、スノウフェイル少尉の機体が被弾、墜落した!
こっちからはよく見えない……3、そっちから少尉の機体が見えるか!?』
『見えることは見えるが、機体の左側が吹き飛んでる以外は煙と炎と建物で確認できない。
だがあれでは……生きていたら奇跡の類だぞ…………』】
「スノウフェイル少尉が……!?」
ワイルドクーガー隊の言葉を聞くに、生存確率はすこぶる低いらしい。
ライトにはあの淡白そうなリリーが我が身を犠牲にしてまでも他人を救い出す様な人物とは思っていなかった。
何故そんな無茶な真似をしたのか?
もはや今となってはそれを確かめる術は無いかも知れない。
ただ無事に生存しているのを祈るだけだ。
今は戦闘に集中する。
そして、リリーの撃墜によって様々な人間の動きに変化が生じた。
「止まっていますよ、クレマチ伍長!今度はあなたが射たれたいのですか!?」
まず、アカリは動揺を隠せないと言った所だろうか?機体が止まっているに等しい。
新米の彼女は実戦で味方が死ぬという事態に馴れていないのだろう。仕方ない事だ。
だが、一切の配慮も無しにライトはやかましいぐらいに傷心の彼女へ冷淡に指摘する。
>>468
>>469
>>470
【「悪いあけっち、突撃する!」
「迅雷、セット、大尉、申し訳ないですけどヒツギの援護に入ります。」
「あの3つ並んだ気色の悪い頭! あたしがぶった斬ってやるわ!」】
「え……は!?わ、私はそんな指示を出していません止まりなさい!」
間抜けな声をついつい出してしまう。
牽制の為に充分に距離を取れと今さきほど命じたはずだが、突撃する馬鹿が3人。
警告を発しても聞いていない。聞く気が無いようだ。
「(なによ。なんで……?全然思い通りに行かない)……バックスの風姫、雷姫は敗走部隊の修理補給を。更にスノウフェイル少尉の機体確認をまかせます」
もやもやとした感情を内に秘めつつ、つばめと静香には新たな指示を出す。
あくまでフォローを徹底させるつもりだ。
472
:
ヴィルヘルム@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2013/02/01(金) 21:55:05 ID:eHKO2TYs
>>471
「いや、やらせろ」
天の声は、別の意味で非情だった。
「少尉の行為に取り乱したのだろうが、短期的には間違ってないな……より有効な戦力を保持する意味で」
ベテランパイロットの目には、リリーの経験が乏しい事がよく視えていた。
とは言え、長期的には優秀かつ延び代のあるブリッジクルーを失うのは痛いのだが。
「……セオリーに無い敵にセオリー通りのやり方が通じるなんて甘い考えは捨てろ。
むしろ、お前の手で新しいセオリーを作るんだ」
分かったような分からないような謎かけを残して、突貫した三機に追随、その後ろから急上昇して注意を引きつける。
インメルマンターンを掛けてミサイルを叩き込み、牽制とした。
473
:
もぶ
◆Tg./UqnJ52
:2013/02/03(日) 00:16:04 ID:8KlnAKrI
>>471
『了解、ホワイトホークに合流し、撤退する』
『ウィング1が合流し次第、こちらも退却する。……頼む、仇は取ってくれ』
大きく旋回しつつ進路を伊豆基地に向けたホワイトホーク小隊が、スピアウィング小隊長機と合流し、ライトの指示通りに退却していく。
これで両隊にこれ以上の被害が出ることは無くなったが、航空戦力はそれだけ減少してしまった。
一方、リリーの捨て身の行動により、一機も損じることなくレーザーの雨から逃れたワイルドクーガー小隊であったが、
ライトからは距離を取って攻撃しろとの指示が出ているにもかかわらず、他の機が次々に突撃していく中、
隊としての戦闘方針を決められずにいた。
『クソ、畜生め……! 俺のせいで、少尉が……!』
『今はそのことを考えるな、戦闘に集中しろ、4。
しかし隊長、ここからどうします? あっちの連中は、ほとんどアレに突撃していきましたが』
『明智大尉から出た指示は距離を取っての射撃だが、この状態で考え無しに弾を撃ち込んでは味方に当たるな』
位置関係としては、ワイルドクーガー隊は突撃していった3機のほぼ真後ろに当たる。
小隊長の言うとおり、このまま先ほどと同じに火線を集中させては、突撃を敢行した味方を誤射する危険があった。
『明智大尉、我々は2機ずつ安全高度を維持しながら敵の左右に展開し、
側面から敵背部のレーザー照射体を攻撃しようと思うのだが、どうだろうか。
すべての照射体を破壊できるとは思っていないが、少なくとも、突撃していった3機を含めた我々の生存率は高まると思う』
触手の可動域がどれほどのものかはわからないが、触手そのものを破壊してしまえばレーザーも撃ちようがないだろう。
その数を減らせば、レーザー弾幕の密度も下がり、より回避しやすくなるという考えだ。
474
:
アカリ&統久
◆Tg./UqnJ52
:2013/02/03(日) 01:07:24 ID:8KlnAKrI
>>471
通信ウィンドウがライトの緊迫した顔を映し、彼女からの鋭い警告をアカリの元に運んでくる。
だがそんな警告を、アカリは半ばぼんやりした頭のまま聞き流していた。
(リリーが……死んだ…………?)
死んだ、という確定情報ではない。でも、生存は絶望的とのこと。それだけでも、彼女の心を黒く塗りつぶすには十分。
ついさっきまで、自分と一緒にいたあの少女が、居なくなる。消えて無くなる。もう戻らない。
リリーの顔が脳裏でフラッシュバックしては、黒い思考がそれを引き裂いていく。
(やめて……消さないで)
手のひらからこぼれ落ちていく砂のように、一気に塗りつぶされていく記憶の痛みに、アカリは喘ぐ。
しかし、彼女にはそれをどうすることもできない。まるで鉄格子の窓から、処刑の様子を見せられているかのようだった。
手を伸ばしても届かない、声を張り上げても止まらない。
だからせめて……断頭斧を振り上げている処刑人を睨み殺さんばかりの視線で見据える。
その処刑人は、三つ首の怪物の姿をしていた。
「お前か…………」
地面スレスレを直進し続けたせいで、ビルに激突しかかっていた機首をグッと引き上げ、ラプターはほぼ垂直に空へと飛び上がる。
途中でバーニアを切り、速度と上昇に伴う減速がほぼ同じになった瞬間、
「お前があああああああアアアアアアアアァァァァッッッッ!!!」
ビルトラプターは人型へとその身を転じ、バーニアを全開にして三つ首の怪物へと突撃を始めた。
右手に構えたメガ・ビームランチャーが絶え間なく、何発も発射する高出力ビームと、稼働を始めた頭部のツインアイ。
その二つの光には、紛れもなく明確な、海を干上がらせるような激烈な殺意の炎が宿っていた。
>>470-471
アカリのビルトラプターが凄まじい勢いで突撃を始めた丁度その頃、ヒツギとライトを送り届けた尼子統久は、
自分の車に寄りかかりながら、戦闘の様子を見ていた。
距離的には戦域からやや離れた位置なのだが、統久の瞳はそれを苦に感じていないようであった。
「ふむ……「セル」の力があるとはいえ、無茶をするものだな、アイツも。
まああの程度でくたばるような星の下に生まれたのなら、もっと前に死んでるはずだが……さて」
身を起こした統久は運転席のドアを開くと、車内に備え付けられている軍用通信機を操作する。
戦域でやりとりされている通信を傍受させていたのだが、こちらから通信しなければならない用事ができたからだ。
「あーあー、聞こえるか、明智大尉。尼子だ。
君が指示したリリーの確認だが、私がやるからその命令は撤回してくれ。
ちなみにこれ、上官命令だから、拒否は無しだ。わかったな?」
ほぼ一方的に、そうライトに言って通信を切った統久は、運転席のドアを閉め、
「やれやれ……手のかかる奴だ、まったく」
ぼやきながら、火の手が上がるヒュッケバインの墜落現場へと、足を向けた。
475
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/03(日) 09:28:17 ID:Zn6GAPNc
>>466-474
(全員突撃状態…だと…!?)
これは予想外であった、まさかあの大きさの兵器で突撃をするとは…だが
(これはある意味好都合かもしれないな)
と、考えると
>>471
「確か指揮官は君だったな」
と、レーザーをかいくぐりながらいきなり通信を繋げる
「後で話をしたい、この戦いが終わったらいいだろうか?」
>>474
さらに突撃する機体を発見
しかし様子から察するに吶喊しているようだ、このままでは
ブラインはアカリ機に通信を無理やり繋げる
「射撃系はやめるんだ!!、やつは熱戦の類の耐性がハンパじゃない!!
接近戦で触手を剣で切るか拳で握りちぎれ!!」
と、聞こえているのか聞こえてないのか分からないが声を出すと
「ブライーン…ソードッ!!」
右腕から何処からともなく実体剣を取り出す
>>466-474
「全員聞け!!、やつの体は熱戦やビームの類の耐性はハンパじゃない!!
実弾系の武器や剣で攻撃するんだ!」
と、大声で言う
476
:
ケルベロス
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/03(日) 10:48:59 ID:Zn6GAPNc
>>466-475
「「「グルルルル」」」
三つの首が同時に声を出す
明らかに怒っている
>>474
アカリが発射するビームランチャーを背中から出る無数の触手で防御する
確かに触手は焼けている、だが焼けた触手は背中から出る触手が交代で防御してその間に数秒間で再生する
そしてライトから発射されるレーザーライフルも
これでは焼け石に水に等しい
「「「…ニタァ」」」
三つの首が同時に口部分の端を釣り上げる
…まるであざ笑うかのように
しかし
>>472
ミサイルが裏側から触手に直撃する
すると触手ははじけ飛ぶが再生しない
ブラインの言っていたことは間違っていなかったようだ
>>469
さらにユウセイから放たれた刃が触手を飛ばす
「「「グィィィィ!!」」」
怪物が怒り狂ったような声を上げると背中から先っぽが目玉ではなく刃がついた触手が現れる
>>468
ガシィッ!、とその刃のついた触手がヒツギのブレードを『受け流して』避ける
すると驚くべきことがおきた
「「「舐めるなよ…このゴミ共がぁ!!」」」
その怪物が、喋った、初めて、意味のわかる、言葉と呼べるものを発した
「たかがまだ自らの星から飛ぶこともできず」
「まだまだ未熟な装備をみにつけ」
「我々に歯向かうなどという愚行」
三つの頭が別々に言葉を繋げるように言う
「「「頭が高いぞゴミ共め!!!」」」
背中から刃、目玉のついた触手がさらに出てくる
477
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/02/03(日) 10:54:17 ID:dE4U7nH.
>>473
【『明智大尉、我々は2機ずつ安全高度を維持しながら敵の左右に展開し、
側面から敵背部のレーザー照射体を攻撃しようと思うのだが、どうだろうか。
すべての照射体を破壊できるとは思っていないが、少なくとも、突撃していった3機を含めた我々の生存率は高まると思う』】
「(……臨機応変に対応して見せろ。と言いたい訳なのね)
わかりました。くれぐれも高度の維持に気をつけてください。
背部の照射装置の可動範囲がどの程度なのかも未知数です。
それに、前例からあの手の相手は再生能力を有している可能性も高いです」
無視できない不安要素ばかりだ。叩けばいくらでも出て来る。
だが、このままでは埒があかない。
ならばやるしかあるまい。
「……なので、私もレーザー照射体の破壊の為に側面からの攻撃へ加わります。
私のガブリエルには異能対策用の特殊弾頭が装備されています。
ああいうものを相手に使用するのは最も有効です」
シルバーバレット弾。とある不良大学院生が気紛れで組み上げた
ナノマシン抑制プロトコルというものが兵器として応用された再生、回復封じの特殊弾頭だ。
専ら通常兵器以外との特異な敵との戦闘を見越しての装備である。
今回の様なケースで使用されるのが最も有効な使いどころでは無かろうか
「ワイルドクーガー隊の左翼は私と共に進み残りは逆方向へと向かいましょう。
いいですか?……では、状況を開始します」
そのライトの一声を合図に、ガブリエルとワイルドクーガー隊は二手に分かれ、それぞれに三つ首の化け物を目指した。
【ライト:ワイルドクーガーと共に左側からの攻撃へと向かう】
>>474
「クレマチ伍長!伍長?」
【「お前か…………」
「お前があああああああアアアアアアアアァァァァッッッッ!!!」】
「な……あ!?クレマチ伍長!高度を上げるなとあれほど!」
鬼神のごとき咆哮を上げるアカリの姿に、ライトは思わずたじろいてしまう。
それにしても凄まじい感情の発露である。
この状態はよろしく無い。こんな血の登った状態では。
「突出し過ぎです!クレマチ伍長、自重しなさい!」
いつもの馬鹿どもはともかくして、まさかのアカリまでもが独断先行。
残念な話だが、もはやライトが指揮下におけているのはつばめと静香ぐらいしか存在しない。
そんな時、急にガブリエルの回線を通して何者かがコンタクトを仕掛けて来る。
【「あーあー、聞こえるか、明智大尉。尼子だ。
君が指示したリリーの確認だが、私がやるからその命令は撤回してくれ。
ちなみにこれ、上官命令だから、拒否は無しだ。わかったな?」】
「尼子特尉でしたか。……あなたが?」
彼女はリリーとの何かしらの面識が有り、その物言いから知り合い以上の関係らしい事は理解した。
ちなみに、ライトはこの尼子特尉の事がどうも苦手な節を隠しきれないでいる。
それは先程のスリリングなドライブのせいだろうか、
はたまたメインカラーの対極からだろうか定かでは無い事だが。
【「ちなみにこれ、上官命令だから、拒否は無しだ。わかったな?」】
「わかりました、必要と判断されたのだとしたらそれを認めます。
ただしスノウフェイル少尉の生存が確認された場合は速やかに私に伝えてください。
頭に血が登っている者が若干居ますので」
若干名と言うか甲斐主力メンバーほぼ全員なのだが。
(ですが……わざわざ上官命令と言い渡す事に疑問を持たざるをえない。
我々に捜索をさせるのに何か不都合でも有るのだとしたら……?)
今は考えても仕方がない。
尼子特尉の申し出を断る理由も無いので、ライトは宛がうつもりだったつばめと静香の二人へリリー捜索の中断を伝えた。
この2人は他と違い従順であり、ライトとしてはそれだけで高評価である。
「エンジェル9から風姫・雷姫。リリー機の捜索を中止。代わりにワイルドクーガーと合流し右側からレーザー照射装置破壊を支援してください」
エンジェル9とはライト自身のコールサインである。と捕捉しておく。
【ライト:つばめ、静香へのリリー捜索命令を取り止め、新たに指示】
478
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/02/03(日) 11:12:22 ID:dE4U7nH.
>>475
【「全員聞け!!、やつの体は熱戦やビームの類の耐性はハンパじゃない!!
実弾系の武器や剣で攻撃するんだ!」】
「わかりました。ではワイルドクーガー隊各機はガブリエルのシルバーバレットと共にレクタングルランチャーでの連続砲撃を行ってください」
ガブリエルはワイルドクーガー隊との挟撃の位置へと陣取った。
その腕に担ぐのは今までの取り回しの良いレーザーライフルでは無く無骨なスナイパーライフルの類いのものであった。
ライトは速やかに、あの厄介なレーザーを放ってくる目の付いた触手の様なおぞましい部位をロックオン
>>476
「言葉を喋った?」
ただし、それだけでは別段、動揺もしなかった。
過去の異星人の前例やこの間の恐怖のユウセイ軍団のおかげだろう
「やはり少々の再生能力を所持している様ですね。ですが必ず殲滅します。
よし……シルバーバレット弾ファイア。各機も今の内に」
1つ。2つ。とスムーズに立て続けに合計6つと撃ち出された神聖なる銀の弾玉があの禍々しい目玉触手を捉える。
当たればシルバーバレット弾の着弾しばらくは崩壊を引き起こさせるばかりで、体を再生する事もままならないはずだ。
【ガブリエル:シルバーバレットでケルベロスを攻撃。Hit時、1ターンの間はHP回復を無効化】
479
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/02/03(日) 13:03:35 ID:nWUT66Wc
自分だけが単機突出したと思いきや、その後に付けてくるように複数の機体が追いかけてくる
ユウセイと……いつかに救出した赤い女性型機体らしい。
そういえばあの時も中々の突撃思考を持っていた、どうやら飛び出してくるところが飛び出してきたと言ったところだろうか
>>474
だがヒツギの上空からケルベロスに対してのレーザー攻撃。
ハッピートリガーと見紛うほどの連射を見て、それが彼女だとすぐには分からなかった
「あかりん!?」
彼女は戦闘時冷静に対応すると思っていた。
自分でも飛び出してきてしまったのだ、リリー少尉と仲のよかった彼女が抑え切れなかったのも仕方がない
>>476
ケルベロスに振るったはずの高周波ブレードが火花を散らして切り払われた。
足で守られたわけでもなく、空中で流されたような感覚に何が起こったのかと確認する。
どうやら刃がついた触手が介入して妨害してきたらしい
>「「「舐めるなよ…このゴミ共がぁ!!」」」
喋った、目の前にいたグロテスクな生物が声を上げたではないか
卵からかえったばかりなのに喋ったということは、事前にある程度の言語機能を持っていることになる
つまり単純な生物ではなく生物兵器の類らしい、あの次元刑事?の言っていることが信憑性を帯びてきたということか
>「「「頭が高いぞゴミ共め!!!」」」
「声がでけぇんだよ!!」
だがヒツギにしてみればそんなこと関係ない、むしろ目の前で絶叫されて耳が痛いことと
敵の触手によってブレードによる攻撃が往なされたのが問題だ。
これがある限り接近しても手数負けする可能性が出てきたが・・・
>>475
>>478
>「全員聞け!!、やつの体は熱戦やビームの類の耐性はハンパじゃない!!
>実弾系の武器や剣で攻撃するんだ!」
その言葉を聴いてヒツギは前線から下がるとう選択肢を取り除いた、ヒツギの接近攻撃は敵に対して十分な脅威として認識されるはず。
そしてこの報告を受けて物理ブレードの類を装備していなかったはずアカリンは
おそらくだがシールドガトリングかロケットポットで攻撃を行うことが想像出来た、もしそれでさらに突っ込むつもりならこの刃のついた触手を分散させるべきだ
>その腕に担ぐのは今までの取り回しの良いレーザーライフルでは無く無骨なスナイパーライフルの類いのものであった。
さらにライトは狙撃を行うつもりらしい、ならばなお更敵の動きや防御を抑制するのは悪い選択ではない
「あけっち、敵をこっちに貼り付けにする」
ヒツギは払われた左腕を素早く引き戻し素早く上体を捻りながら地面ギリギリまで潜り込ませる。
瞬間的にスラスターに火をつけ、ケルベロスへと再び踏み込む
「逃がしたりはさせない!!」
そして下から叩き上げるアッパーの動きで高周波ブレードをケルベロスへと振りぬいた
480
:
ケルベロス
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/03(日) 13:21:27 ID:Zn6GAPNc
>>470
「「「舐めるなよ…小娘がぁっ!!」」」
と、吠えると同時にレーザー触手で迎撃しようとする
>>478
ビシッ、ビシッ、ビシッと弾丸が当たる音が響くと
「「「なにっ!?、おのれぇ、小癪な!!」」」
【全弾ヒット:1ターンのあいだHP回復(大)不可】
481
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/02/03(日) 21:40:50 ID:4tbydrPY
>>475
「了解した。」
この、迅雷なら、念の刃も放てる。
まさに、ケロベロスキラーともいえなくはない物であった。
>>476
しかも、予想は正しく、ケロベロスの触手に効果的なようだ。
だが、
「人語を、喋った。だと」
ユウセイとしては、ただのアンノウンから、知的生命体に変わった。
>>「未だ、自分の星から飛べず。」
「いや、宇宙間なら、多少飛べてるし。」
>>「まだまだ、未熟な装備を持ち」
「触手斬られたくせに、何言ってんだ?」
>>「頭が高いぞ、ゴミどもが。」
「あっ?何言うんだ?調子に乗らないで貰えるか?」
何が、ユウセイの逆鱗に触れたかは知らないが。
ユウセイが静かな口調で殺気を本気で出し始めた。
「教えてやるよ、俺の居合いの力を」
ユウセイは、迅雷と、ブレードトンファー以外の武器を外し。
「行くよ。ケロベロス」
突撃する。
だが、直ぐに、反対側に到着する。
「お前の、ふざけた顔と、触手全部斬ってあげたよ。感謝してね。」
そう言い、迅雷をしまう。
すると、
刃、レーザーが付いた触手が、全て真っ二つになった。
しかも、ユウセイが、停止した方向の顔も、真っ二つになったという証拠である。切れ目が見えた。
「触手が、何度でようと、迅雷で全て切り払う。」
482
:
ヴィルヘルム@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2013/02/03(日) 21:44:56 ID:h1FROLp6
>>475-476
「実弾系、ねぇ……」
理屈は不明だが、ミサイルは有効らしい。おそらくはマシンカノンも。
「……しかしだ、戦闘機乗りに哲学戦闘を要求するなッ!」
『つまり、奴は踏み台ね?』
傍受したマデリーンの、よく分からない突っ込みが入りました。
『そいつを倒して星を渡る術の足しにしましょうよ、それなら装備も既に未熟の域を脱した何よりの証になるし。
後、軍人の五味は伊豆基地には一人しかいないから単数系ね』
なお、話題の五味中尉はPTキャリアのドライバーとしてまだその辺にいるんじゃないかな?
483
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/02/03(日) 21:45:00 ID:M74i9u/g
>>477
「指令の変更、了解しました。ワイルドクーガー右翼と合流次第、攻撃に入ります!」
急な指令変更にも動じず、柔軟な対応を見せる静香とつばめ。
戦闘能力の程度はともかくとして、こういう部分からは戦い馴れしているのが伺える。
間もなく指定の位置についた二機が攻撃に加わった。
風姫は手裏剣状の遠隔操作武器、スラッシュリッパーを、雷姫は両腕のマシンキャノンで、レーザーを放つ触手の駆除を試みる。
「これで前衛の負担を軽減できれば…!」
>>480
異形の頭が喋りはじめたことに驚いたのも束の間、迎撃のレーザーが降り注ぐ。
「だぁれが小娘よ! この触手オバケがっ!」
怯むことなく、飛び込み前宙でレーザーを掻い潜り、更にターゲットに接近する焔姫。
「……まず、一本目ぇぇっ!!」
ブルーティッシュ・ブレードの峰に備わるバーニアが火を吹く。
その加速を利用して跳躍し、一気に首の一つへとブレードを叩きつけんとする。
484
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/02/05(火) 01:02:24 ID:ioiXxK8s
>>475-476
暴れ回る殺意に任せて放ったビームの雨であったが、どうにも効果が薄い。
急に通信網に割り込んできたブラインの話によれば、相手は熱量兵器に対する耐性が高いとのこと。
「チイッ……!」
苛立ちを隠せぬ様子で、アカリは舌打ちをする。
彼女の乗るビルトラプターの武装はその殆どが熱量兵器だ。これでは相手に、自機の持つ最大火力をぶつけることが出来ない。
「だからって、ここで引き下がるわけにはいかないのよ!!」
ビームランチャーを盾にマウントし、アカリはラプターを素早くフライヤーモードへと変形させる。
機首を相手に向けたアカリは、盾に内蔵された2連装シールドガトリング、主翼の根本に装備されている連装ロケットポッド、
更には主翼に懸架されている空対空ミサイルの、3つの武装をオンラインにすると、
「吹き飛べえぇぇっ!!!」
その全てを、弾が尽きるまで発射し続けた。
機体が持つ、全ての実弾兵器を使ったフルバースト。その凄まじい火力が、ケルベロスの背中に集中した。
>>477
,
>>483
『了解。極東支部の意地ってやつを、あの犬畜生に見せてやらんとな』
ライトの指示を受けたワイルドクーガー隊は、脚部バーニアを使ってホバー移動を始め、2機ずつ敵の左右に移動する。
小隊長機を含めた2機が風姫、雷姫と共に右翼につき、残りの2機がライトと共に左翼に展開した。
『いいか、目標はあくまで背中の触手だ。下の連中に当てるなよ。
……射撃始め!』
小隊長の号令が飛び、ワイルドクーガー隊はレクタングル・ランチャーによる斉射を開始した。
485
:
ヴィルヘルム@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2013/02/08(金) 00:36:40 ID:wZi3mlQI
ともあれ、戦争は火力である。
「吹っ飛べコンチクショウ!」
全弾発射を敢行。
486
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/08(金) 17:26:57 ID:kipZnuJY
>>480
「フンッ、セイッ!」
突撃し、途中で切り刻もうとしてくる触手を薙ぎ払い、ケルベロスの真下にくると
「トォッ!!」
そこから飛び降りる、触手は周りが出す弾丸によりもはや動くすべはない
「てやあぁあああああああ!!!」
雄たけびをあげながら、ケルベロスの一つの首にソードを突き出す!!
487
:
ケルベロス
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/08(金) 17:27:43 ID:kipZnuJY
>>477-486
「「「ぐぬぬぅっ!」」」
苦しそうなうめき声をあげる
現に背中から先ほどまでおぞましいほどの触手が出ていたのに今では出てこない
さらに
>>483
>>486
>「てやあぁああああああ!!!」
「グギィイイヤアアアア!!!」
その剣が突き刺さった首は絶叫を上げる、そして
>「……まず、一本目ぇぇっ!!」
そのはなったブレードにより首が吹き飛ぶ
「「おのれぇ、おのれおのれおのれおのれぇ!!」」
怒り狂った声を上げると同時に飛ぶ
「「覚えていろぉ!!、この恨み、何時か晴らしてやるぅううぃいいい!!」」
と、同時に現れた時と同じように空が割れ、その中に飛び込んで逃げる
【ケルベロス撃退
勝利条件:達成】
488
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/02/08(金) 22:16:32 ID:HID.m0vQ
>>487
「逃げたのか・・・?」
付きたてた刃だけがその場に残り、空の亀裂にケルベロスは消えていった。
バルクレイスならば次元の湾曲を感知できただろうが、ゲシュペンストにその機能は無い
だが戦場を急激に包んだ静寂が、戦闘の終了を物語っていた
「そうだ、リリー少尉は!無事なのか!?」
機体を反転させ彼女の安否を問う、確かライトがその場で回収に向かわせていたはずだ
回収が完了しているなら、確認も取れているはず・・・無事であって欲しいとヒツギの腕に力がこもる
489
:
ヴィルヘルム@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2013/02/08(金) 22:54:50 ID:wZi3mlQI
「ふぅ……状況終了、か?」
ぽつり、呟く。しばらくぶりの実戦だが、とりあえずは生き延びる事が出来たようだ。
『……一仕事終わったタイミングで悪い知らせよ』
聞こえてきたのはマデリーンの沈んだ声。
『この戦闘で周辺の戦力や警戒の目がそこに集中した隙を突き、二機の所属不明機が豊川から侵入、天竜川を低空でくぐり抜け、諏訪大社と交戦……交戦?』
「ちょっと待て、諏訪大社ってシントー・テンプルだよな?そこにそんな戦力が?」
『それが、“諏訪大社との弾幕戦の末、撃破”って報告が……とにかく、その不明機は諏訪大社から何か奪ったようだって……画像が……
……なるほど、“撃破”されたのね』
マデリーンの手元には、人型に変形し、胴体部分を叩き斬られた諏訪大社の写真が届いていた……
490
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/02/09(土) 05:21:40 ID:0KvFR1D.
>>487
両サイドからの攻撃と、上空からのラプターの全弾射撃を食らって、敵は爆炎に包まれる。
更に、正面から3機のPTと、人間サイズのアンノウンに近接戦闘を仕掛けられ、それらと併せて少なくないダメージを負ったようだ。
だが、逃げるだけの余裕はまだ残していたようで、出現したときと同じ空間の歪みに逃げ込もうとしている。
「待て! お前だけは……お前だけは、絶対に逃がさない!!」
人型へと変形し、腰からビームソードを抜きはなったラプターは、上昇してくる敵にその刃を突き立てようとするが、
熱量兵器に耐性のあるその装甲を満足に傷つけられず、おめおめと空間の歪みへと逃がしてしまった。
「くそおっ!!!」
アカリはアームレストに思いっきり拳を振り落とす。
やり場の無くなった怒りと胸を抉る情けなさに突き動かされた拳に打たれ、アームレストは痛々しい打撃音を響かせた。
「仇も取れないで……ごめん、リリー……」
無念な心持ちに苛まれながら振り下ろした握り拳を振るわせていると、不意にオープンチャンネルで通信ウィンドウが開く。
バストアップ映像の無い、音声のみの通信だったが、そこから聞こえてきたのは、
『人を勝手に殺さないで下さい。まだ私は生きていますよ』
「…………え? り、リリー……?」
紛れもなくそれは、リリーの声だった。
生存を絶望視されるほどの損傷を彼女の機体は受けていたはずだが、声はそれを感じさせない、いつもの調子。
『ご心配をおかけしました、皆さん。少しばかり擦り傷を負いましたが、私は元気です。
……元気なのですが、私を救出した尼子特尉が精密検査を受けろとうるさいので、私は一足お先です。
特尉、あとは任せました』
『おい、このタイミングでこっちに振るのか。
……あー、こちら尼子だ。そういうわけだから、私はこのじゃじゃ馬を基地の医療施設に送り届ける。
それと、墜落したこいつのヒュッケバインには近づくなよ。
私がこいつを救った時点で、リアクターが誘爆を起こしかけていた。下手をすると巻き込まれるからな。
……こちらからは以上だ』
統久の言葉を最後に、通信は切れた。
「ああ…………良かった、本当に良かった、リリー……」
全ての重圧から解放されたような面持ちで、アカリは長い吐息を吐いた。
安堵の吐息に導かれるように、彼女の閉じた瞳から涙が一筋、こぼれ落ちる。
その涙が頬を伝うと同時に、遠くで、墜落したヒュッケバインが大きな爆炎を上げた。
491
:
リリー&統久
◆Tg./UqnJ52
:2013/02/09(土) 05:56:50 ID:0KvFR1D.
一方、戦闘の余熱がまだおさまらぬ戦域から少し離れた場所。
ヒュッケバインが爆炎の中に消えたのを確認した統久は、運転席の窓を閉めた。
「……コクピット等の証拠は今の爆発で藻屑に消えた。車のシェードも展開済みだ。
何か嗅ぎつけたような奴が居れば、即座に「ウルブズ」の人員が口を封じにかかる。
少し休め。お前は無理をしすぎだ」
「え…………ええ……言われずとも、そう、させていただきますよ……」
先ほどの通信とはうってかわって、ひどく辛そうなリリーの声が、後部座席から聞こえてくる。
そこには、頭から血を流し、左腕と脇腹に傷を負ったしたリリーの姿。
特に左腕の火傷と裂傷がひどく、一部、肉が大きく抉れている箇所もあった。
だが不思議なことに、そうした怪我は少しずつ再生しており、火傷で爛れた皮膚も治ってきている。
「驚異的な自然治癒力」などという言葉では説明しきれないほどの再生スピードだ。
「お前に使われている「ビヴロスト・セル」はお前のためだけに作られた特別製だが、だからと言って万能ではないんだぞ。
いくら怪我が凄まじい早さで治るとはいえ、セルの統括器官たる脳が死ねば、お前は否応なく死ぬんだ。
それをわかっているのか?」
「わかって、いますよ……。これは、私向けであると同時に……あなた向けのものでもある、という、ことも。
私が、「育ての親」と交わした、唯一の契約でもありますから……」
「ふん、「トライアロー」か。まあ確かに、その契約が果たされるのが私にとっては第一だが。
だが、だからさっきのようなことを言ったわけではないぞ。
そういう冷えた関係で居るには、私はお前のことを知りすぎている」
「……へえ、そうですか。そんな言葉を頂けるとは……思ってもいませんでしたね。
何か悪いものでも、拾って食べましたか?」
「こいつめ、口だけは減らないな。
……まあともかく、それだけの再生をするんだ、後でとてつもなく腹が減るぞ。覚悟しておくんだな」
「これさえなければ……便利な力なのですけど、ね」
そう言って、比較的無事な右半身を下にして、リリーは後部座席に横たわった。
492
:
◆zv577ZusFQ
:2013/02/09(土) 09:35:28 ID:ncPmdWRI
>>487
【「「おのれぇ、おのれおのれおのれおのれぇ!!」」
「「覚えていろぉ!!、この恨み、何時か晴らしてやるぅううぃいいい!!」」】
「(……私の命令通りではありませんでしたが、なんとか撃退出来ましたか)敵残機ゼロを確認。各員は御苦労様でした」
勝つには勝てたが何処か不満げな表情のライト。まぁ無理も無い。
戦略など有ったものじゃ無しにただ力でごり押ししただけの事。
全員が命令に従っていればもっと被害は抑えられたはず。そう思い、素直に勝利を喜べない。
「それから当然、ブラインさんの身柄はこちらで預からせてもらいます。
直ちに武装を解除し、我々の誘導に従って下さい。あなたからはもっとちゃんとした情報を引き出さねばなりませんので」
そしてガブリエルの銃口は次にはブラインに向いている。
従わなければ容赦無く撃つとでも言いたいらしい。
しかし人間サイズの相手にレーザーライフルなど物騒な展開となったものだ。
敵の事をよく知る彼を重要参考人として欧州支部へ引き渡すつもりなのだろう。
外敵排除を本願とする彼ら欧州に捕まれば録な事にならないのは目に見えている。
>>490
【『ご心配をおかけしました、皆さん。少しばかり擦り傷を負いましたが、私は元気です。
……元気なのですが、私を救出した尼子特尉が精密検査を受けろとうるさいので、私は一足お先です。
特尉、あとは任せました』】
「……スノウフェイル少尉。あの当たりで…なんとも?…大丈夫なのですか?
…あ…失礼しました。早く精密検査を受けて下さい」
あのヒュッケバインの直撃からして、大怪我を負っていてもおかしくは無いと思っていたが、リリーのいつも通りの台詞回しを聞いて問題は無いのだと判断する。少しおかしいとは思ったが、それは口には出せまい。
493
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/02/09(土) 13:15:36 ID:g9cti/VE
>>487
首を落とされた怪物は、異空間へと逃走していった。
「ふん、おととい来やがれってぇの」
ブレードを背中のマウントへ戻す焔姫。何はともあれ戦闘終了である。
「…ねぇ、リリーとかいったっけ? 撃墜されたヤツは大丈夫なの?」
「ひとまず一命は取り留めたようです。先程医療施設に搬送されたそうですよ」
「機体の方はかなりひどい状態だったみたいですけど…意識を失わないレベルの怪我で済んだのは、奇跡的だそうです」
「ふぅん…それなら別にいいんだけど。まったく人騒がせよね…」
間もなく三人も命令に従い、伊豆基地への帰投を始めた。
494
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/02/09(土) 13:28:15 ID:wGQ5oooQ
>>487
「状況終了。これより撤収します。」
任務を終え、一息つく。
>>490
「嘘だろ、しかも軽傷で済んだのか?」
リリー少尉が救われたのは良いが、軽傷で済むなんて。
信じられなかった。
驚いている、ところに無線が入った。
「ユウセイくん。」
「博士、少しやすませてくださいよ。」
「いや、解析はいったん中止。うちで、後でやるわ。それよりも、」
「あの、アインスト擬きのデータは?」
「大丈夫です、ボス級だけですけど十分取れました。」
「分かったわ。後で提出して。」
「了解です。」
伊豆基地へ戻る。
495
:
ヴィルヘルム@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2013/02/09(土) 22:55:15 ID:nJ3bEeJI
>>490
「……生きてたか。どこのカタヤイネンだよ、それともフナサカか?」
何処ぞの軍神みたいな生還振りに舌を巻く。
『それよりヴィルヘルム、あなたの機体が一番マシな飛行能力を残しているみたいね?
今すぐ西に飛んで、諏訪から引き上げるはずの所属不明機を捕捉しなさい。
そこのPTキャリアに予備のマシンガンが一丁積んであるはずだから』
マデリーンの指示が飛ぶ。
>>492
「聞いての通りだ、大尉。俺はちょっと行ってくる」
キャリアから武器を受け取り、
「すまんが、後の始末は任せた」
『歩兵中隊を寄越すから、片付けとかに使っていいわ』
『了解、せいぜい頑張ります』
甲斐のマデリーンとPTキャリアの五味が受け答えする中をヴィルヘルム機は西に飛び去って行った。
『……明智大尉に尼子特尉、何か言いたい事がありそうね?』
ややあってからマデリーン・エッシェンバッハ少佐が口を開いた。
496
:
統久
◆Tg./UqnJ52
:2013/02/10(日) 09:15:58 ID:EHpG8ZtY
>>492
車を走らせながら、通信機に現場で飛び交う軍用無線を傍受させていた統久だったが、
それら通信の内のひとつ、ライトのブラインに対する物言いに引っかかるものを感じ、小型のヘッドセットを左耳にかけた。
「明智大尉、彼への物言いはもう少し丁重にしたらどうだ。
君が言ったように、我々には今回の件の敵に対する情報を全く持っていない状態だ。
もしかしたら、重大な危険を伴う相手かも知れないのに、君の言葉はまるで、
その情報提供者をまるで犯罪者扱いして、出頭するよう命令しているように『聞こえる』ぞ。
戦闘の影響で精神が高揚しているのはわかるが、だからこそ慎みを忘れるな。
それが将たる者の義務だ」
言葉だけを見れば、統久はライトの言動を窘めているように聞こえる。
だがその言葉の裏には、『地球の安全保障の問題なのだから、地上の一軍閥ごときが我が物顔をするな』という、
鋭い釘が潜んでいる。
それにライトが気づけるかどうかで、統久の次の行動も変わってくるが、果たして。
>>495
そうしてライトに警告を与えた後で、通信機がマデリーンからの質問を飛ばしてきた。
その問いに統久は首を傾げ、ヘッドセットのスイッチを切り、
「リリー、この女は誰だ」
「……マデリーン・エッシェンバッハ。連邦宇宙軍少佐です。
私達が月面に居たときに、軌道艦隊のダークマン提督がトップダウンで甲斐へねじ込んできた人間ですよ。
おそらく、おなじ軌道艦隊に所属していたクーリマン軍曹を組み入れたときの因果が関係していると思うのですが、
一連の出来事に関わっている河嶋大佐と同様、一体何を考えているのかわからない人です。
……ちなみにさっきのエフゼロに乗っていたのは彼女の旦那さんのようです」
「お前の人物評は話半分に聞いておくとしてもだ、連邦宇宙軍だと?
何故連邦宇宙軍の連中が、地球で起きている何某に首を突っ込む。お前達、連中の体の良い隠れ蓑になってるんじゃないのか?」
「はあ。まあ、同じ因果でやってきた尉官がもう一人いるんですが、その人の行動を見るに、そういう側面もあるんじゃないですかね」
「あるんじゃないですかね、じゃない、まったく。
今の連邦宇宙軍は元々存在した連邦宇宙軍と、旧コロニー統合軍のチャンポンだ。
事と次第によってはその連中、不穏分子として片付けにゃならんのだぞ。それがわかっているのか?」
「DC戦争の後片付け、ですか。今回のことといい、地球の安全には敵が多いですね」
「他人事だと思って、こいつめ……」
文句ありありの顔で、統久はヘッドセットのスイッチを入れ、
「エッシェンバッハ少佐だったか? 言いたいことと言うか、疑問しかないぞ、こちらには。
何故連邦宇宙軍の貴官が地上で起こっている事件に首を突っ込む。そちらの管轄ではないはずだ。
そんなものの調査は極東支部に任せれば良い。……それとも、『そちらが処理しなければいけない』話なのか?」
「それとも」以降の言葉は、低く、抑えられた声で放たれた。
どう聞いても、疑念を差し向けているとしか捉えられない話し方だ。
497
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/02/10(日) 21:28:03 ID:2VlSbRHQ
>>490
>『ご心配をおかけしました、皆さん。少しばかり擦り傷を負いましたが、私は元気です。
> ……元気なのですが、私を救出した尼子特尉が精密検査を受けろとうるさいので、私は一足お先です。
> 特尉、あとは任せました』
「少尉!」
通信越しに聞こえてくるのは変わらぬ彼女の声
搭乗していたヒュッケの負ったダメージを考えれば、それは十分に奇跡といえるだろう。
ヒツギか体中から噴出していた汗がすっと引き、また力が抜けるのを感じていた
だからこそ自らの指が震えていたことにようやく気がつくことができた
いつからそうなっていたのか分からない、リリー少尉が撃墜された時かはたまた戦闘が終了してからか
どちらにせよ彼の中で前回の月面での一件が引き金となり、この手のことに過敏になっていたのだろう
『もしも』を想像しダブらせてしまっていたのだ。
(よかった、本当に・・・よかった)
震えていた指をぐっと握り締め、顔を伏せて肺に詰まっていた空気をそのままに吐き出していた
498
:
五味中尉@PTキャリア
◆E8ckRIIdug
:2013/02/10(日) 21:58:27 ID:TtiDMlho
一方その頃……
「ええ、燃えてるうちは近寄れませんからね。
火が消えた頃にクレーンや玉掛けの出来るのを寄越して下さい。まさか、その辺の民間人に手伝わせるわけにもいかないでしょう?」
何も知らない彼は、キャリアでヒュッケバインの残骸を回収するための打ち合わせをしていた。
499
:
マデリーン@甲斐
◆E8ckRIIdug
:2013/02/10(日) 22:17:54 ID:TtiDMlho
>>496
「何故って……今の私は極東支部伊豆基地所属艦“甲斐”のCIC担当士官だからです。
編成や運用の都合上私も口を挟みましたが問題視する意味が?」
そこで一呼吸置き、
「もし、私がこの席に座ってる理由が知りたいのなら、後始末が済んでから一時間ほど体を空けておいて下さい。
……それとも、所属不明機の事ですか?
それはもう、今の伊豆基地からそちらに回せるのが甲斐所属のあのエフゼロだけだからです」
『……というわけで、と言うのもなんだが、エフゼロのヴィルヘルムだ。
所属不明機に追いついた。一機はリオン……Fだな。もう一機は……ガーリオン背負ったゲシュペンストに見える』
不明機を捕捉したとの報告が割り込んできた。
『これから追いかけて……チッ!縦列組んでソニックブレイカーで加速しやがった……どんなチューンしたのやら……』
つまり、逃げられた。
500
:
統久
◆Tg./UqnJ52
:2013/02/11(月) 23:26:21 ID:zcAzuFNo
>>498-499
統久がマデリーンの回答を聞いていると、不意に彼女の胸ポケットに入っていた携帯端末が震えた。
震え方からすると、メールらしい。ポケットから携帯端末を取り出した統久は、それを後部座席のリリーに差し出し、
「リリー、悪いがメールの内容に目を通してくれないか。今、運転と通信で手が離せない」
「こき使ってくれますね。私はもう特尉の部下じゃないんですよ?」
「細かいことだ、気にするな。
…………それに、近いうちにまたそうなるだろうしな」
「?? 意味のわからないことを……えーっと、『稲荷神社に鳶の影』だそうです」
「そうか。わかった」
このメールはヒュッケバインの残骸を回収する人員の中に、「ウルブズ」の人間が潜入したことを知らせるものである。
それはリリーの秘密に繋がる残留物が存在すれば秘密裏に処理する任務を受けた工作員で、
必要であれば人も「秘密裏に処理」する任も帯びている。
統久の命令変更が無い限り、かの工作員はその任務を忠実に実行することだろう。
と、そうこうしているうちに、マデリーンの回答と、それに続いたヴィルヘルムの報告が終わった。
「甲斐のCIC担当士官? 極東支部に転属になったということか?
……にしたっておかしな話だぞ。そのCIC担当士官とやらは、伊豆基地の戦力を動かせる立場なのか?」
「いや、動かしていないでしょう。今回動いたのは甲斐の艦載機です」
「ええい、変な横槍を入れるな、リリー。今少佐が言っただろう、『伊豆基地から』云々と。
それに、『伊豆基地から』云々が単なる言葉の綾で、動いたのが艦載機だけだったとしても、それはそれで怪しさが生まれるぞ。
リリー、少佐が言ったように、今回の件で伊豆基地はその対応能力が皆無になるほどの戦力を出したのか?」
「それはありえません。スペースノア級が停泊できるほどの大型基地である伊豆基地は関東・東海地方の守りの要。
今回出撃した部隊はその戦力の2割にも満たないはずです。
甲斐に居る少佐が得た情報は、基地からのデータリンクによるものでしょうから、
伊豆基地がその所属不明機に気付かなかったわけがない。スクランブルもかかっていたはずです」
「だろうな。……そういうわけだ、少佐。貴官の言う前提条件は崩れ、貴官の独断専行の気配が濃厚になってきた。
これは普通に考えて、「口を挟む」というレベルを超える話だと思うのだが、これでも問題視は意味がないと?」
501
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/11(月) 23:39:11 ID:7nu1dHzQ
>>487
ケルベロスを落とすことはできなかった
でも…
「…勝った…」
呟く、初めて、初めて健二は『勝った』という実感が沸いた
今まで、マトモに戦うこともできず、撃退するにも見逃されたという側面が大きかった
「勝った」
このとき、健二は理解した、奴らに勝ったこと、しかも完全勝利で
「勝ったぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
叫んだ、一応言っておくがこの叫びにスピーカーはつけていない、純粋な声帯から発する心からの叫び
しかしその声はロボット越しでも耳をふさがなければならないほどの、地球を一周どころか三周もしてしまいそうな大声であった
間近で聞いたら鼓膜破れること間違いなしに等しい
同時にその声にうれしさがにじんでいるのにわかるだろう、たとえ耳をふさいでいても
>>492
「…」
おそらく、仮面の中は清々しい顔をしているのだな、と健二は考えた
心が今までよりもかなり晴れやかだった
「…あ、あぁ、すまない、聞き逃してしまった、なにかな?」
と、通信をつないで言う
銃口に関しては、特に警戒はしていないようだった
502
:
マデリーン@甲斐
◆E8ckRIIdug
:2013/02/12(火) 00:57:31 ID:rGWen0JQ
>>500
基地から命令が来たので、五味は回収班に引き継ぐまで待機中。
一方のマデリーンは……
「……私は元々軌道防衛艦隊の電子戦艦勤務ですからね、出撃した全機体のデータリンクを処理するくらいはたやすい事です。
今回は現場にリリーやヒツギ君たちがいたので、必然的にこちらにある程度の主導権があった、それだけの事です」
実は、今この瞬間から、諏訪の事件をもみ消しにかかっている。
と言うのも、不明機の画像からして河嶋弥生が犯人である可能性が高いからだ。
「伊豆基地の近傍で空間擾乱及び複数の未確認勢力が確認された、これが大前提です。
さらに、カイオウ司令も河嶋大佐も武田艦長に副長まで、つまりは指揮系統の不在と言う小前提が加わります。
このグダグダで独断専行だなんだと言っているより動いた方が勝ちです。
それとも欧州では、指揮あるまで動かなかった軍隊を勝者とみなすのですか?」
このあたりは潜水艦乗りの思考に近い。
だがそれ以上に、話題のすり替えをしようと内心で必死である。
503
:
◆zv577ZusFQ
:2013/02/12(火) 02:21:46 ID:/caJDZpY
>>496
【「明智大尉、彼への物言いはもう少し丁重にしたらどうだ。
君が言ったように、我々には今回の件の敵に対する情報を全く持っていない状態だ。
もしかしたら、重大な危険を伴う相手かも知れないのに、君の言葉はまるで、
その情報提供者をまるで犯罪者扱いして、出頭するよう命令しているように『聞こえる』ぞ。
戦闘の影響で精神が高揚しているのはわかるが、だからこそ慎みを忘れるな。
それが将たる者の義務だ」】
「重要な情報を持っているからとはいえ、あれだけの不可解な性能のパワードスーツを身に纏う存在です。
連邦に与している訳でも有りませんし、充分な警戒を持ってして当たるべきでは無いでしょうか?
ええ。無論、善意の協力者である事が一番望ましいのですが」
……なんて甘い。とライトは思っていた。
上官相手の為にあからさまに表には出さない様にしたつもりだが、少しイラッと来てしまっていた。
「それに。特尉の耳に不快に聞こえてしまうのは我々欧州に対するフィルターがかかっているせいではありませんか?
友好的にと。上はそう願っています」
最大派閥の一角故にそれを気に食わない一部の相手から敵意の様なものを向けられている事も重々承知している。
この女もそういった類の人間だろうと勝手に思う事にした。
>>501
【「…あ、あぁ、すまない、聞き逃してしまった、なにかな?」】
「(……大きな声ね)では、あなたの事と先程のモンスター。ゲルシャドーでしたか?に対する情報を詳しく全て話していただきたいのです。
そのため、ひとまず我々の拠点。極東支部まで同行してください」
尼子特尉に注意を受けたが、ガブリエルの照準はブラインを捉えたまま。
もっとも、今のところブライン本人は気が付いていない為に、あまり牽制の効果は無さそうだ。
彼を撃たざるを得ない状況はなるべく控えたい。やはり素直に協力する姿勢を取ってもらう事が一番だろう。
504
:
統久
◆Tg./UqnJ52
:2013/02/12(火) 16:37:51 ID:lMFOgdr.
>>502
「指揮系統の不在だと……? グダグダと言うよりは無能の集まりだな。
カイオウ大将は極東支部総司令であって、伊豆基地司令は別に居るはずだが、そちらも連絡が付かんのか?
役立たずどもめ、一体何のために軍服を着ているのだ」
司令クラスの不在という説明を受けて、統久が不快感を露わにする。
「……いや、どうして独立戦隊の母艦である甲斐の副長でしかない私にまで問題が飛び火しているのかはわかりませんが、
武田中佐は甲斐で待機しているはずですよ。少佐の言ってることは変です」
リリーの指摘通り、伊豆基地に停泊している甲斐の艦長席には、姫がちゃんと座っていて、
「…………しくしく、私、そんなに影が薄いでしょうか」
マデリーンと統久の間で交わされる通信を聞きながら、ひどく落ち込んでいた。
「また前提に穴が開いたな、少佐。
まあ、このあたりの問題を私がこれ以上突いたところで、結局は極東支部の体質の問題だ。どうにもならん。
だが、参謀本部から直接突き上げを食らうだろうことは覚悟しておけと、上の連中には伝えておくんだな。
……それより、その所属不明機の方に興味があるな。
どういった組織が、何の目的でやってきたのか。後で不明機のデータを貰えるか。
もしかしたら、私の知っている手合いかも知れんしな」
マデリーンが何を腹に隠しているかはわからないが、このまま聞き続けたところで話してくれるとは、統久も到底思っていない。
であれば、別角度からその腹を探るしかない。一方の当事者のガードが堅いなら、もう一方を責める。単純な話だ。
>>503
「欧州かそうでないかなど、この際大した問題ではないのだ。
彼に機嫌を損ねられたら、情報を得る前にそれこそ「不可解に」逃げられてしまう可能性を考えろ、と言っている。
それに、もし仮に彼に我々への害意があったとして、それが何だと言うのだ?
例え獅子だろうが、一匹狼など食い破るのは容易い。それが地球連邦軍という怪物だ。違うか?」
強者ゆえの余裕を持て、と統久は言ったつもりだったのだが、どうやら違った風に捉えられてしまったようだ。
確かに件の次元刑事の力は強く、驚異的だが……「そこ止まり」だ。
結局は一個人。出来ることには限りがある。その力は、地球連邦という集団の前では無力に等しい。統久はそう考えている。
505
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/12(火) 16:59:23 ID:24ubkJDM
>>503
「了解した。ただし条件が二つある」
と、言うと一瞬機体に目を向けた後
「…銃を下ろしてほしい。
正直動いたら撃つという雰囲気がプンプンして動けない雰囲気だ」
雰囲気を気にしているようだ
あくまで撃たれるといったことは思っていないらしい
「あと、…これが一番大事だが。
君たちの拠点についてもこのスーツを着たままで頼む。
正体は『まだ』明かすワケにはいかないのだ」
と、まだ、を強調して少し悲しそうに言う
少なくとも敵意はなく、好意的に接したいようだ
506
:
◆zv577ZusFQ
:2013/02/12(火) 19:08:32 ID:/caJDZpY
>>504
【「欧州かそうでないかなど、この際大した問題ではないのだ。
彼に機嫌を損ねられたら、情報を得る前にそれこそ「不可解に」逃げられてしまう可能性を考えろ、と言っている。
それに、もし仮に彼に我々への害意があったとして、それが何だと言うのだ?
例え獅子だろうが、一匹狼など食い破るのは容易い。それが地球連邦軍という怪物だ。違うか?」】
「確かに……。それはごもっともです」
ようやく打ち負かされたのだろうか、悔しそうに尼子特尉の弁を聞き入れた。
>>505
【「了解した。ただし条件が二つある」
「…銃を下ろしてほしい。
正直動いたら撃つという雰囲気がプンプンして動けない雰囲気だ」】
「はい。わかりました」
ずっとブラインに向けていたレーザーライフルを背後に仕舞いこみ、マニュピュレーターを開いて見せ、手ぶらとなったのをアピールする。
【「あと、…これが一番大事だが。
君たちの拠点についてもこのスーツを着たままで頼む。
正体は『まだ』明かすワケにはいかないのだ」】
(ふむ……何故でしょうか?)
正体を明かせない理由を考える。
少なくともあの外装の中に別の素顔が有ると言う事だけはわかったが。
「わかりました。それを認めます」
少し考えてから結局はブラインの提示する不可解な条件を飲んだ。……とりあえずその場では。
後で情報を吐かせるつもりなら、尋問役がなんとでもやるであろう。
まぁそれが何なのかはライトの預かり知らぬ所だが。
507
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/02/12(火) 19:25:57 ID:QoU4XUrA
>>506
「あけっち、俺はあいつを疑う気にはなれないんだけど」
次元刑事(?)の現在の対応を考えれば敵意があるとはとても思えない
緊急事態とはいえ自分や敵についての情報を無償で渡してくれたりと非常に友好的だ
「ただ人間大であの戦闘力だから、一応パイロット数人は機体で控えさせたほうがいいかもしれない」
あのパワードスーツの戦闘力は未知数だが、巨大な敵を投げていたことを考えればPTと並ぶポテンシャルもあり得る
暴れる可能性は・・・限りなく低そうだが、一応は対応しておいて損はないだろう
(ただこう・・・あの声どっかで聞いたことあんだよなぁ)
何よりヒツギの中ではなんというか既視感を感じるというか
・・・なんとなく敵とするには調子が悪い節があった
508
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/02/12(火) 22:34:31 ID:BfthWuBM
>>507
>>「あけっち、俺は、あいつを疑う気には慣れないんだが。」
「同感です。あのアンノウンと共闘の意志を見せたのは、向こうからですから。」
伊豆に、先に戻っていた。ユウセイは、基地の設備を使い、軍の人たちに、連絡していた。軍用で
「私からも、お願いします。大尉」
続いて、アスト博士がしゃべる。
「彼は、良いサンpもとい、あのアンノウンとの実戦者よ。今後の兵器開発に役立つかもしれない。」
「PTは、量産型ヒュッゲバイン一個小隊用意出来るよう要請しておきます。」
「と言うわけで、宜しくお願いします。」
連絡を切る。
その後、しばらくの、沈黙があり。
「ねぇ、ユウセイ君」
「はい?」
「言いにくいんだけど。」
「はい。」
「貴方の、パートナー、DC残党にいるらしいわよ。」
「へぇ。」
ズコッ
アストさんは、ずっこけた。
「驚かないの?」
「全く。ほら、アスト研究所の時」
「あの時に気づいてたの?」
「ええ。7、8割。」
「そう。」
その後、また重い沈黙が続いた。
509
:
マデリーン@甲斐
◆E8ckRIIdug
:2013/02/12(火) 22:59:52 ID:rGWen0JQ
>>504
「あー、そのあたりは“お察し下さい”とかその辺りの玉虫色?の表現で……」
『……そこまででいいぞ、マデリーン・エッシェンバッハ少佐』
『ふむぅ、君に腹芸は無理だろう?』
ごまかそうとして泥沼化した会話に、突然二人の男性が割り込んできた。
『私は河嶋大佐だが、そちらはウー・グリソム大佐だな?相変わらずわがままを通すな』
『何、昔とったなんとやら。
それより、諏訪大社から奪われた物の話だな』
「え、ちょっ、河嶋大佐、せっかくその」
『もう構わんよ。続けてくれ、ウー』
『ではお言葉に甘えて。
奪われたのは“諏訪法性”、知っての通り“武田信玄”並びに“タケミナカタ”縁の品だ。
諸君等が押さえている“タケミカヅチ”とも関わりが深く、この国の超機人の謎につながる一品だ』
『そして、それを奪ったのがDC残党の手に落ちた私の娘、弥生だ。
現場の写真から分かる太刀筋が何よりそれを物語っているよ。
マデリーン君には以前その辺りのデータを送っていたからな、変に気を回して墓穴を掘ったようだが……参謀本部には私から通しておくよ』
『リガシン・サイドーラか。前回は奈良、今回は諏訪。次は鹿島か平泉か……』
510
:
大佐二人@通信
◆E8ckRIIdug
:2013/02/12(火) 23:18:19 ID:rGWen0JQ
『さて、私も参謀本部やEOT審議会に籍を置く身だ。
色々表沙汰にしたくない事は沢山あるが、これはもう伏せるわけにはいかないだろう。
DC残党のリガシン・サイドーラ。弥生は“スクール”から姿を消した後、おそらく洗脳されてその配下となっている。
そして今回、諏訪に現れたうちのゲシュペンストの方が娘だ』
『まぁ、河嶋が不在だったのは確かだし、他の士官にもみ消しの責めを負わせないよう気を使ったつもりだったのだろうよ。
内ゲバはそのくらいにしたらどうかね?尼子君』
そんな会話を積み重ねながら、二人はそれぞれのコネを通して根回しをしていた。
『ま、少佐は謹慎一週間の減俸三ヶ月、かな?』
『そのくらいでよかろうよ。軍法会議に参加するという不名誉を経歴に残したくないだろう?尼子く(ターン)……(ちょっ、何狙撃されているんですか!?)』
会話は唐突に途切れた。ウー・グリソムの暗殺によって。
511
:
◆zv577ZusFQ
:2013/02/13(水) 13:08:58 ID:nU/zDa4E
>>507
>>508
【「あけっち、俺はあいつを疑う気にはなれないんだけど」
「同感です。あのアンノウンと共闘の意志を見せたのは、向こうからですから。」】
「はぁ?ろくに単純な命令一つも聞き入れられない輩の意見を、私には素直に聞き入れろと言うのですね??
ちゃんちゃらおかしいですよ」
お前らにだけは言われたく無いわ。と真白の肌にくっきり青筋を立てて怒っている。
しかし、ヒツギ。次いでユウセイにまで意見を出されてしまうとは。
どうやら完璧にライトの方がアウェーな状況らしい。少し滅入ってしまう。
「…ぅ。じゃあブラインさんの引率はあなた達にも責任を持って立ち会っていただきます。
命令です。ユウセイ一等兵も直ちに現場に引き返して来てください」
好きにすれば良い。とまでは言わないが彼らの言う通りになるようだ。
しかし、腹いせか何か。そこまで肩入れする二人をブラインの監視及び護送に付き添う様に通達した。
512
:
統久
◆Tg./UqnJ52
:2013/02/13(水) 14:22:55 ID:0d43/01k
>>509-510
マデリーンが狼狽え始めたのを見て、「勝ったか?」と思った統久だったが、その結果は彼女の予想し得ないものになった。
なんと、河嶋大佐本人が通信に割り込んできたのだ。……「陰謀大佐」の奇妙なおまけ付きであったが。
それによると、DC残党のうちのひとつ、リガシン一派に属する河嶋大佐の娘が、諏訪大社に蔵されていた物を持ち去ったらしい。
「ふむ、超機人か! これは面白い話になってきたな。私もその古代の遺物には興味がある」
「しばらく見ないうちに、そんな胡散臭いものを追い求めるようになっていたんですか?」
「ははは、そう言うな、リリー。何せ、私の念動力を受け止められるT−LINKシステムがまだ存在しておらんのだ。
LTR機構の研究によれば、強力な兵器であるそれらは、念動力によって制御されていたとのこと……期待を持つのは自然だろう?」
「はあ、そんなものですかね」
「そういうものだ。そして、その相手がリガシン一派ときた。面白い……面白いぞ、この展開は」
ハンドルを叩いて統久が喜び、それをリリーが変人を見る目で見ている間にも、通信機は二人の男の声を流し続ける。
が、突然マデリーンの処分を話し合っていた一方、「陰謀大佐」の方から銃声が聞こえてきた。どうやら狙撃されたらしいが……。
「…………特尉、いくらあっちのおじさんが「尼子君、尼子君」うるさいからって、狙撃するのはやりすぎじゃないですか?」
「内ゲバやった悪い奴扱いされてイラッときたのは事実だが、流石にそれだけで狙撃はしないよ。
まあ、欲しい情報は手に入れた。あとはあちらの問題だ」
「うわぁ、この人面倒になったみたいですよ」
「うるさいな。……河嶋大佐、もう私から言うことは何もない。だが今回のこと、切っ掛けを作ったのがそちらの問題だということは言っておくぞ。
あと、これはちょっとした忠告なのだが、少し身辺を整理しておくのをお勧めする。
流石にこれを黙殺するほど参謀本部も無能ではないだろうし……何より、すぐに別の問題が噴出するだろうからな」
思わせぶりなことを言って、統久は通信を切った。
「別の問題? そういえばさっきも変なことを言ってましたね、特尉。何かあるんですか?」
「お前も薄々、今の独立戦隊のありように疑問を持っては居たのだろう? その歪さが突かれる事態が、近いうちに訪れるということだ」
「まさか……カイオウ大将の更迭か何かが決まったのですか?」
「それに近いことになるのかもな。いや、もっと大きな鉈が振るわれる可能性も高い。まあ何にせよ、お前も部屋の片付けくらいはやっておけよ」
「大鉈感プンプンじゃないですか。助けてはもらえないので?」
「いや、私が出る必要があるかどうかもわからんし……。
もし仮に大鉈だったとしたら、助けられても、お前と、あと一人くらいがせいぜいではないかと思うんだが」
「微妙に使えない人ですね」
「私を何だと思っているんだ。塗装の剥げた猫型ロボットじゃないんだぞ、私は」
「知ってますよ。そんなに可愛げのあるキャラじゃありませんしね。……ふむ、でも、それでも有り難い話ですよ」
「そうだろう?」と得意げな顔をする統久と、寝転がったまま思案顔のリリー。
そんな二人を乗せた黒いセダンは、伊豆基地の中へと入っていった。
513
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/02/13(水) 19:03:34 ID:Fk65kfdg
>>511
>「はぁ?ろくに単純な命令一つも聞き入れられない輩の意見を、私には素直に聞き入れろと言うのですね??
>ちゃんちゃらおかしいですよ」
「うっ・・・ごめんって!
気づいたら思いっきり踏み込んでて止まらなかったんだよ、いやホントに!」
どうやらお冠のご様子、一番に飛び出してしまったヒツギからしてみたら耳が痛いことこの上無いお話だった
撃退できたからよかったものの、結果論だと言われると正しくそのとおりである
食事をしていた時の空気はどこへやらといったところだ
>「…ぅ。じゃあブラインさんの引率はあなた達にも責任を持って立ち会っていただきます。
>命令です。ユウセイ一等兵も直ちに現場に引き返して来てください」
「え、それでいいのか?・・・あ、あぁ了解だあけっち」
ヒツギ自身は最初から護送や尋問中の待機を買って出ようと考えていたところだった
余力があったからというのもあるし、先ほどからの突っかかりが気になっていたのだ
だから拒否する理由も無くむしろ感謝するような宰領で、二つ返事で了承した
514
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/02/13(水) 21:38:50 ID:0y2hYCI6
>>「ちゃんちゃらおかしいですよ。」
「いや、軍でもない、異次元の人の扱いとしてはヒドいとおもいまして。」
自分の、率直な意見を、述べたそれだけ。
>>「命令です。ユウセイ一等兵も、現場に戻ってください。」
「了解しました。ヒュッゲバインも用意しときます」
「それは、私がするわ。任せて」
二つ返事、でアルブレードに乗り込み、直ぐに向かう。
515
:
河嶋大佐他
◆E8ckRIIdug
:2013/02/13(水) 22:13:47 ID:AiG265BE
>>512
「……そうだな。
私も、何時ウーの二の舞にならんとも限らんからな。
ところでマデリーン、謹慎する前に例の“タケミカヅチ”の解析結果を提出するように」
『……分かりました』
ここまでは特尉たちにも伝わっているはずだ。その提出されたデータを、河嶋はそのまま特尉に渡すつもりである。
『……ウー大佐暗殺現場のタイデグリーです。
肩から上が綺麗に無くなりましたね、たぶんラインメタルの個人携行用レールガンですよ』
『なんてぇデカブツを担いだ狙撃手だよ。狙撃地点は分かるか?』
『SWATか特殊部隊を手配しないと、危なくて突入させられませんね。
かといってPTを寄越すわけにもいかない……』
『そうも言ってられないだろ、俺が行ってみるよ』
そう言ったヴィルヘルムだが、結局はその前に移動を開始していた歩兵部隊が向かい、犯人が既に逃走した事を確認するに留まった。
「しかし……ウーが消されたとなると、奴に頭を抑えられていた連中が動き、奴が後ろ盾をしていた連中が沈黙し……
本当に、引退を考えないとな……当事者性の高い連中の巻き添えを喰らいそうだ」
516
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/14(木) 17:08:36 ID:RnxxwpoU
>>506
>「わかりました。それを認めます」
「ありがとう」
そういうと、通信を切る
しかし…
「カッコいいな…しかし欲しいが作るにも時間がかかりすぎるからな…。
我慢しないと」
少し残念な気持ちになった
>>513
>>514
「君達が案内してくれるのか?」
通信を繋いで聞く。
517
:
◆zv577ZusFQ
:2013/02/14(木) 18:49:37 ID:0oTNo4cM
>>516
「こちらの部隊の者に護衛の指示を与えているので、彼らの誘導へ従って伊豆基地までお願いします」
ライトが言っているのはハヤミ、ハヤセのハヤハヤコンビの事を指す様である。
>>513
>>514
「では、ブラインさんを連れて先に戻っていてください。
私の言葉でもそれぐらいは聞いてくれますよね?」
相当根に持っているのだろう。
518
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/02/14(木) 22:35:48 ID:GA/2tYLg
>>516
「そういうことなんでよろしく頼む、おとなしく誘導に従ってくれよ?」
その言葉は脅迫というよりは砕けた雰囲気を感じさせる物言いだった。
「ただもう一機が基地から到着してないから到着次第に向かう。
その後は支持があるまで待機してもらうことになる」
確かにヒツギの言う通り2人と言っていたが今のところ一機しか居ない
上官達を無視して基地に直帰という信じられない行動をとったユウセイのとんぼ返りがまだなのだ
>>517
「・・・って感じで大丈夫かなあけっち」
こんな感じの対応で大丈夫だろうかという確認と共に、こちらの行動を事前にライトへと伝える
機嫌を損ねているのもあり、ちょっと下手に出ているような対応だが致し方ない
「基地に到着次第連絡するから、それじゃ先に帰投する
今回は大騒ぎになっちまったし、また別の機会に飯食いに行こうぜ」
ユウセイの到着を待って、ヒツギ達はブラインを連れて速やかに基地へと帰投を開始した
519
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/02/14(木) 22:46:50 ID:GD/EvYng
>>518
「呼んだか?ヒツギ」
とっとと、用意して、とんぼ返りをした。
「ブライン殿で、良いですか?誘導どうりに、動いていただければ、何もしないのでご安心ください。」
そう、オープンチャンネルで呼び掛ける。
その後、軍用に切り替え、アスト博士から、連絡がきたので、繋ぐ
「無事に、そっちにいけそうです。」
「了解、ヒュッゲバインの一個小隊の用意も終わった。」
「楽しみねぇ、異次元の兵器には興味あるわ。」
「俺もです。ああ言うのは嫌いじゃないです。」
「思い切って、ホルマリン漬けに」
「めんどくさいから、止めてください。」
そう言い、通信を切る
520
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/15(金) 20:26:46 ID:K3W3H8bg
>>518
>「そういうことなんでよろしく頼む、おとなしく誘導に従ってくれよ?」
>「ただもう一機が基地から到着してないから到着次第に向かう。
その後は支持があるまで待機してもらうことになる」
「了解した、よろしく頼もう」
抵抗する意思どころか話していて友好的な雰囲気を感じさせる
>>519
>「ブライン殿で、良いですか?誘導どうりに、動いていただければ、何もしないのでご安心ください。」
「ブラインで構わないさ、了解した」
と、言うとすんなりと付いてゆく
「ところで私的な質問なんだが、嫌ならば答えなくてもいい、君達の名前を教えてくれないか?」
521
:
ヴィルヘルム@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2013/02/15(金) 22:10:37 ID:I07A.ZCE
『時にヴィルヘルム少佐、今から関空まで来れるかね?』
「今度は何ですか、河嶋大佐」
『この後、諏訪の事で京都大学のマーガレット・ウィルマース博士と落ち合うんでね、迎えに』
『是非ともいや是が非でも迎えに行って首に縄かけて確実にメグをひっ捕らえて下さい』
その名が出た途端、レミーが泣きついた。何という信頼感。
522
:
レミー・タイデグリーもしくは謀略の輩(ともがら)
◆E8ckRIIdug
:2013/02/17(日) 09:29:38 ID:8VK/EyDI
さて、祭りの会場の避難区画、ウー・グリソム大佐の死体の傍ら。
エレミーラ・タイデグリー中尉はやってきた地元警察に死体の始末を託すとその場を離れ、一人になれる場所を探した。
近くの林の中に分け入り、周囲に人影がないのを確認して握りしめていた手のひらを開く。
あの瞬間弾けながらも奇跡的に形をとどめていた、ウーの片目。
それを、彼女は飲み込んだ。
「ふ、ふふふ、見える……観えるぞ……さすがは“遍在する者”だ、よく視える……」
523
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/02/17(日) 22:23:45 ID:ZBe47WeY
【伊豆基地:第一会議室】
戦闘の後始末を伊豆基地の歩兵大隊に任せ、ブラインと名乗る謎の人物を伴って基地に帰還したライトとカイオウ戦隊の面々は、
一時間の小休止を挟んで、基地の会議室で改めてブラインの話を聞くこととなった。
敵組織に関する重要な情報ということで、直接戦闘したライトやカイオウ戦隊の面々はもちろんのこと、
基地の責任者たるカイオウ大将や、その参謀である河嶋大佐にもコールがかかっている。
が、そこから一人、早々と脱落者が出てしまった。アカリだ。
戦闘中、リリーが死んだものと勘違いして大暴れした彼女であったが、
そのときの影響で彼女の身体に何らかの異変が起きたらしく、謎の頭痛に襲われ、現在医務室に居るとのことであった。
「……と、いうわけなので、クレマチ伍長はお休みです。
えー、出席をとっていないので他にも居ない人がいるかもわかりませんが、時間なので始めます」
会議室の一番入り口に近い場所で、額と左手に包帯を巻いた状態のリリーが開始を宣言する。
頭痛に襲われて来られなくなったアカリの代わりのように、会議室の壁に背を預けている統久をチラリと見てから、
リリーは無表情のまま小さくため息をついて、
「皆さんも知っての通り、我々は今回、新たな異世界の敵と遭遇しました。
敵の多い我々地球人にとっては非常にバッドなニュースですが、良いニュースもあります。
なんと、彼らと戦ってくれる協力者が現れ、我々に件の敵の情報を話してくれるというのです。
ですが、先方のたっての要望で、素顔は明かせぬとのことですので、そのあたりはご容赦ください。
……では、彼の話を聞くことにしましょう。ブラインさん、どうぞ、お入り下さい」
ブラインが控えている、会議室の扉の向こうへ、リリーが声をかける。
524
:
レミー中尉他
◆E8ckRIIdug
:2013/02/17(日) 22:36:51 ID:8VK/EyDI
>>523
まあ色々処理を済ませて基地に戻ってきたレミーは、怪しい虚無僧を連れてきていたが、さすがに別室に控えさせている。
マデリーンは後から改めて処分が言い渡されるという事で大人しく座っている。
出張から戻った河嶋大佐はヴィルヘルムやメグと一緒に入室した。
そして、ラウディと五味によってメグは別室に移動させられる。
そして、協力者の入室を待っている。
525
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/02/17(日) 22:56:44 ID:5GxjzVpE
>>520
「では、ハヤミユウセイです。以後宜しくお願いします。ブライン」
あんまりにも、フレンドリーだ、という突っ込む気も失せたので、
せっせと、戻ることにした。
>>543
「失礼します。」
リリー少尉、河嶋大佐などとは、若干遅れて、会議室に入った。ユウセイとアスト
勿論、スクリーンとかの用意をしようとしたためである。
526
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/18(月) 07:37:53 ID:0jJR..xE
>>523
「…失礼します」
会議室の扉を開けて入った人物
その人物は、おそらく皆の不信を煽るであろう奇抜な格好をしていた
簡単に言おう、『一昔前の特撮ヒーロー』であった
色合いも微妙で、見た目に不完全な印象な拭えない
「…私の所属する組織名は次元警察組織、まぁ次元ポリスなど、省略してもかまわない。
もう既に知っていると思われるが、私の名前はブライン、この組織からここに派遣されてきた、『刑事(デカ)』です。
ただ知ってほしいのは、警察とは言っても、皆さんとは少し違うかもしれない、そこは後で言います」
と、言って一礼する、見た目はともかく、動作等は自然だ。
ハッキリとした声で信憑性も高いだろう。
「…、私の言っていることを信じられるかどうか、口で言うよりも見た方が早いでしょう、これを」
右腕のブレスレットらしきものの横にあるねじりを捻ると、ブレスレットが淡い光をだす。
するとそこから大画面のモニターらしきものを出す。
触れることができず、明らかにこちらとは違う技術だというのが分かる。
「…、さて、ではまず、我々の存在についての事を伝えます」
と、言うと、一度深呼吸をする
「我々はいわゆる、出身を失った者、つまり宇宙から放り出された存在です。
私の中身はあなた方のように人型ですが、我々の組織では貴方達が思い描くような…,まぁ人それぞれですが、足が触手、上半身が馬の様な方もいます。
そしてほとんどの組員が、自分の世界を持ってはいません。
私も、あるとき、自分の出身していた宇宙を破壊されてしまいましてね。
…、話を戻したましょう、宇宙の外側には次元があります。
これを見てください」
と、言うと剣を取り出す。
「フゥ〜ッ…、セイッ!」
と、言うと掛け声とともに空中に向けて振る、すると『空間が裂けた』
中からは…、なんともいえない、不安定なナニカが見える。
ブラインは手でその裂け目を広げる。
「見えますか?、これが宇宙の外側です」
と、言うとその裂け目を閉じる。
「次元の中は、どんな生物だろうが生きられます。
息も必要ない、重力も何故かその体に最適な重力を与え、足場もないのに歩くこともできます。
…、まぁ、基本はなにもないですが」
と、少々声を暗くすると
「さて、まず知ってほしいのは我々は『警察』と、名乗っているが実際には貴方がたで言うところの『軍隊』にひとしい。
私の世界では『ここでの』軍隊は、『私の世界では』警察と呼ばれて、逆に『ここでの』警察は『私の世界では』軍隊と呼ばれていました。
…、ここまでに何か質問等はありますか?、わかる範囲なら教えます、次元に関しては我々もまだ知らないことが多いので申し訳ありませんがご控えください」
527
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/02/18(月) 15:29:39 ID:h356m8FY
>>523
「この会談の議事録を採らせていただきますので。どうぞ話を進めてください」
几帳面なライトは率先して記録係を買って出た。後で欧州へ提出するらしい。
彼女に任せれば抜かりは無いだろう。一応、無粋ながらCCDカメラも備えてブラインの入室を待っている。
>>526
「なるほど。そういった科学技術では我々の理解の上を行っているのですね。
そして、それはゲルシャドー側でもポピュラーな戦術の様です」
いきなりブラインが抜刀しだした時は少々びっくりしてしまったが、落ち着いて一応、彼の話を信用した前提で聞いている。
528
:
ヴィルヘルム他
◆E8ckRIIdug
:2013/02/18(月) 21:58:49 ID:zr2kELRg
>>526
その男は、見るからに“戦士”であった。
『少佐、見るからに歴戦だな』
『少佐、テックレベルをどう思いますか?』
初見で左右の大佐と中尉からメモを廻されたが、ヴィルヘルムはとりあえずその紙を握り潰した。
「……宇宙外生命体(Outer Space Ones)か……」
ブラインが裂いた“次元”を見た中尉の呟きの不穏当なのも聞かなかった事に。
「次元の外というか常識の外だな」
「……あれね」
「……あれよ」
大佐の一言で女二人はドローン戦の転送を思い出し、メモに数式など書き連ねてやり取りを始めた。
「ヴィルヘルム・エッシェンバッハ少佐だ。
一つ、今ので気になったんだが、“君の生まれた世界”では“軍隊(army)”と“警察(police)”の用語が逆に使われていたという意味か?」
なんだか意味深に言い添えたので、気になって確認を取る。
529
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/19(火) 17:08:36 ID:XsChR6KQ
>>528
(…どうやら理解はしてくれているみたいだ)
健二は内心、ヒヤヒヤとしていた
一応、こういった司会等を中学校のころ何度かやったことがあるが
こういった司会は初めてなのだ
しかし、よほど心理学等を極めていないと内心は分からないだろう
それほどまでに健二は表側では完璧であった
>「ヴィルヘルム・エッシェンバッハ少佐だ。
一つ、今ので気になったんだが、“君の生まれた世界”では“軍隊(army)”と“警察(police)”の用語が逆に使われていたという意味か?」
(…日本名?、英語名?、どっちだろう…まぁいいや)
「えぇ、そうです、名前こそは”この世界”と同じですが、意味等は正反対です。
…ですがご安心ください、我々は他の世界に踏み込み過ぎる事等はしません。
私のように軍隊が警察と扱われるところもあれば、私の同僚では”この世界”と同じ意味合いのところもあります。
…簡略化すれば”警察と軍隊が混ざり合った組織”と言ったところです。
…続けますね」
と、言うと
「我々は”絶対に”他者の世界に向けての攻撃は致しません。
これだけは約束できます!」
勢いをつけて言う、少なくともその言葉は信じられそうだ。
「…これを偽善ととるかどうかは構いません。
意味は同じでしょう、…私はこれを”正義”と思っています。
…話がそれましたね」
落ち着いて言いはじめる
「我々、次元ポリスのほとんどが出身世界、いや、”出身宇宙”を失った者です。
一部は出身している場所がある人もいますが…。
…我々の話はこれでいいでしょう。
次にゲルシャドーの話をしますが、これまでに質問等はありますか?」
530
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/02/19(火) 18:48:14 ID:g2blGQmI
>>629
「アスト•カーマインです。少し質問。しても宜しいですか?」
「ブラインさんは、この世界に攻撃しない。つまり介入しないと、言うことで良いんですね。それと」
「ゲルシャドー以外のアンノウンはどう対処するのですか?」
ユウセイは、的を射ていると思った。
ブラインって奴は、この世界に干渉しない。つまり
この世界に攻撃しない。
綺麗な言葉に聞こえるが。ようは
おまえ等が、ゲルシャドー以外の、攻撃を受けても、こちらは、手伝いませんよ。
と、言っているみたいなもんだ。
531
:
ヴィルヘルム他
◆E8ckRIIdug
:2013/02/20(水) 00:14:39 ID:0ZowkPtk
>>529
「うん、だいたい分かったよ」
とりあえず、“次元を越える破壊者”に復讐するための組織だと認識した。モラルは高そうだ。
>>530
大佐と少佐が、ほうとかなるほどとか見直した風な相づちを打った。
「アスト・カーマイン、いいところに目を付けたな」
「ゲルシャドーの時だけ来るという事になりそうだな」
もちろん、それでは戦力として考えるわけにいかない。
532
:
◆zv577ZusFQ
:2013/02/20(水) 08:36:31 ID:Nwcbc2.E
てすと
533
:
◆zv577ZusFQ
:2013/02/20(水) 09:45:32 ID:Nwcbc2.E
>>529
>>530
【「ブラインさんは、この世界に攻撃しない。つまり介入しないと、言うことで良いんですね。それと」
「ゲルシャドー以外のアンノウンはどう対処するのですか?」】
「確かにそうですね」
博士の弁はもっともだ。ブラインには悪いが、ライトも賛同する。
……だがしかし。何故この様な子どもがここに!?
などと、あの昭和風次元刑事とやらは思っているかもしれない。
確かに、ブラインへ直球を投げたアスト博士のあの姿は一見して10歳前半ぐらいにしか見えない。
これが初見ならライトも凄く驚いたかも知れないが、既にメディアに露出される程の天才博士の為、彼女に対するそこそこの知識を有していた。
(……しかも。あのカーマインの一族)
聞くだけでもうんざりな名である。
レイナ・カーマインの親族の一人らしい。
534
:
◆ehmeRCjCRw
:2013/02/21(木) 23:14:57 ID:mH.gTu92
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535
:
◆ehmeRCjCRw
:2013/02/21(木) 23:15:37 ID:mH.gTu92
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◆ehmeRCjCRw
:2013/02/21(木) 23:16:08 ID:mH.gTu92
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537
:
◆ehmeRCjCRw
:2013/02/21(木) 23:18:40 ID:mH.gTu92
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538
:
◆ehmeRCjCRw
:2013/02/21(木) 23:20:18 ID:mH.gTu92
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539
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/25(月) 22:09:35 ID:WqG0I.TM
>>530
>「アスト•カーマインです。少し質問。しても宜しいですか?」
(……幼い…いや、こういう風な技術がこの世界にあるのかもしれないな)
「どうぞ」
>「ブラインさんは、この世界に攻撃しない。つまり介入しないと、言うことで良いんですね。それと」
「このさいハッキリ言いましょう。
その通りです」
>「ゲルシャドー以外のアンノウンはどう対処するのですか?」
「…すべての世界には歴史があります。
後世では書きかえられていても、その歴史があった場所を書き換えること自体は不可能です。
…そのアンノウンが、次元を通って出てきた、もしくは、我々がなんらかの原因で出てきた場合。
…我々が駆除しましょう、必ず」
自信を持ってブラインは応える。
「さて、では次は『ゲルシャドー』ですね。
まずこれは言っておきましょう、…我々がゲルシャドーと呼ぶ理由。
それは簡単です…奴らは必ず、必ず、その次元を滅ぼす際に名乗っていくからです。
…なにを、とはこれを見てください、…我々が、救うことができなかった次元の消滅間際の映像です」
と、言うと先ほどブラインが見せたホログラムから、映像が浮かび上がる
そこには割れている空、もはや言うのすら拒まれるほどの死体の数々。
そして見えるあのついさっき戦った怪物の大群、軽くこの星を覆い尽くせるほどの物量。
よく見ると、核兵器らしき跡を幾つもあるのが分かる
そして目の前にいるのは翼をはやした、…人型の怪物。
しかも赤い服らしきものまで着ている。
『私達は次元犯罪組織、ゲルシャドー、私達の目的は単〜純、目に入った次元をかたっぱしから破滅していくこと〜』
物凄く不快な声が耳に入る、だが聞かなければならない。
『今回で200個めね、おめでとう、ちょうどいい数だから〜ん、さっさと壊してあげるわ』
…その怪物の口調、見た目、何もかもが不快に感じる、今すぐにでも殴り殺したいくらいに。
しかもやけに耳に残る。
そして映像が終わる。
「……短いでしょうが、わかったでしょう。
…奴らは、『自ら』そう呼んでいるのですからね…。
…因みにいまの映像で喋っていた奴は、階級があるかどうかわかりませんが、いわゆる幹部…みたいな奴だと我々は思っています」
心理学等を学んだり、それなりの経験者ならわかるだろう。
例え、そういったものがなくとも、雰囲気で分かるものもいるだろう。
…ブラインが、怒っていることに、憎しみを抱いていることに。
それを無理やり抑えているのが、…深い、深い、その辺に転がっている憎しみで動く復讐者達がもっている憎悪も
今ブラインが持っている憎悪の方が数倍上であったことに。
ブラインは、それを我慢していることに。
「…この映像は、私が次元ポリスに入る、本部での時間で、2年前の物…です。
…申し訳ないとは思いますが、なにか壊していいものはないですか?、できればとても硬いものを」
540
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/02/25(月) 22:52:01 ID:r0KERC3k
>>539
その要求に、とりあえず応える事にした。
「……ラウディ、その辺のジャンクヤードから装甲の破片を一つ持ってこさせてくれ。ここに持ち込める、出来るだけ大きいのを」
電話をかけてオーダーする。
「……ところで、君や奴等の言う“次元”はどの程度の範囲を指すのかな?
自分の感覚で“次元”と言われると、最低でもこの宇宙に現存する全ての天体や天体集合体、ひいては全ての時間軸を内包しているように思えるのだが」
541
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/02/25(月) 23:25:54 ID:lKJbJRIE
>>539
「待ってください、ブラインさん」
怒りのやり場を要求してきたブラインに対し、横で聞いていたリリーが「待った」をかけた。
何かを思い出して、ふつふつと怒りを募らせている次元刑事に対しても、物怖じせず相も変わらず無表情のまま、
「件のゲルシャドーやらがハッピーデストロイヤーなのは理解しましたし、その魔の手が我々に向いていることも理解しました。
問題なのはあなた方です。あなたは今、「救えなかった」と仰った。
つまりあなた方は、かの犯罪組織の目的を阻止できるほどの力を、その時点では持っていなかったことになります」
ブラインのトラウマをほじくり返しているような気はしているが、これは大事なことだ。
「今はどうなのですか?
今のあなた方は、ゲルシャドーの脅威を取り除けるほどの力を持っているのですか、それとも持っていないのですか?
意気込みなどの話ではなく、客観的な事実を話して下さい」
持っているのであれば、その筋の専門家であるブラインらに任せておけば良いが、
持っていないのであれば、必然的に矢面に立つのは自分たち地球連邦軍ということになる。
敵の戦闘単位を構成する怪物のスケールに対して差し向けられた、高い性能を持つパワードスーツを着た「個人」、
最後の怪物を撃退した際のブラインの歓喜の様子、映像で示唆された敵の物量、事情聴取に現れないブライン以外の次元刑事。
判断材料は既にいくつか出ていたが……この時点で、リリーは嫌な予感がしていた。
542
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/02/26(火) 18:29:55 ID:EkGyBus.
>>539
>>「この際、はっきりはっきり言いましょう。その通りです」
ブラインの言葉に、ただ頷く。アスト
(アンノウンだけ、使えると思ったけどそうでもないわね。)
(この世界に、介入しない。技術提供も絶望的ね。)
(こちらから、揺らしてみようかな。)
>>541
(無いわね。恐らく)
アストは、確信を得ていた。
あのパワードスーツがまだ試作品で有ること。
そして、リリーに続くように
「必殺技みたいなのは無いの?さっきの戦闘を見ていたけど、貴方一人じゃ、勝てそうになかったわよ?」
「そのパワードスーツ。まだ改良の余地が有るんじゃないの?」
(このまま、揺らして向こうからの協力依頼を受け、なんとしても、あのスーツを調べる!)
変な、野望を持ちながら、アストは、ブラインを問いつめてみた
543
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/02/26(火) 18:52:43 ID:LxMpo4Go
>>539
【「…この映像は、私が次元ポリスに入る、本部での時間で、2年前の物…です。
…申し訳ないとは思いますが、なにか壊していいものはないですか?、できればとても硬いものを」】
「……今、事情聴取中ですよ。物に八つ当たりしたいだけなら控えてください。
まだ聞き出さねばならない事は山ほど有りますよ」
議事録用のメモ書きをさらさらと書き綴りつつ、顔はあちらに向けずにただ淡白に異義だけを申し出る。
今、わざわざ物を壊す事に何の意味が有るのか全く理解出来ないライトは出来るだけスムーズな会議の進行を望んでいた。
リリーの問いに対する彼の返答も実に気になる。
544
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/03/01(金) 19:33:35 ID:osBZFj46
>>540
「時間、生命の終わり等、何もかもごちゃ混ぜにしたもの。
つまり貴方の想像道りです…」
と、少し沈んだ声を言う。
「でも今は、そんな事はどうでもいいんです。今は重要な事じゃないですよ」
…なんとなく霧がかかった気がする。
>>541
>>543
(きたか…)
この質問は、当然考えられたものであった。
これまでのことからそれを察することは当然である。
「…おそらく貴方達のほとんどが察しているでしょう。
…現段階では、まだ持っていません」
ハッキリと、そう宣言した。
>>542
「…必殺技?」
よくわからず、思わず聞き返してしまう。
>「そのパワードスーツ。まだ改良の余地が有るんじゃないの?」
「…鋭いですね。
…その通りです、このスーツは見た目通り、まだ試作品状態です」
正直に白状する。
「…一応、完成品の目処とその量産ももう既に計画しているのですが…
なにぶん、材料と技術は十分なんですが、人手不足なもので時間が足らないんですよ……
あっ!」
と、言った瞬間、口を抑える。
とんでもないことを言ってしまった。
こちら側の内部事情を、思わず口に出してしまったのだ。
545
:
アスト
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/01(金) 19:55:48 ID:OtyYv9oc
>>「…必殺技?」
「うん、そうよ決め技がないのよ貴方には。」
ブラインの弱点を容赦なく突く。
>>「…鋭いですね。そのとうりです。」[以下略]
(やはりね。じゃあ)
「じゃあ、完成の予定h」
と、アストが聞こうとした瞬間
この男、自分から真実を話した。
「ふぅん、人が足りないのね?」
此処まで、来たら後は簡単なはず。
思わず、少し含み笑いをしてしまう。
アストは、唐突に
「じゃあ、取引をしません?」
と、言い始めた
「私が、そのパワードスーツの調整に協力する代わりに、
あの、ゲルシャドー以外のアンノウンと戦って欲しいのよ。」
「そうしたら、そちらも、先頭データが、取れて開発も楽になるとは思うわ。」
「まぁ、プライバシーの観点は、問題ないわ。私、個人の研究所でやるから。」
「その点を、踏まえて、あなたの上の人と相談していただけない?」
アストは、只、ブラインの事が調べたいだけだった。
ただの、研究者としての欲求に従った結果だった。
546
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/02(土) 06:48:37 ID:ZOJm9JC.
>>544
【「…おそらく貴方達のほとんどが察しているでしょう。
…現段階では、まだ持っていません」】
「あなた方だけで対処出来ないのなら我々、軍が動く他ありません。
不干渉などと言わず、全面的に協力してしかるべきなのではありませんか?
敵の力は強大です。両者総力を結集してそれらの脅威に備えなければ」
日和見主義を唄っていないで、そちらの手の内を全て晒せと淡々とストレートに言い放つ少女。
それは次元警察を連邦軍に取り込み、軍事的、技術的にこちら側の完全なコントロール下に置く事を意味する。
そして、もちろんそれらを統べる者は欧州であるべきだと今のライトは一切にぶれる事無くそう思っている。
547
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/03/02(土) 22:53:51 ID:r62C3b.o
(どうやら、手札を切るタイミングは悪くなさそうだな)
何やら考えている。
>>543
「ちょっとした見せ物だ。見逃してくれ」
>>544
「想像通りかよ、と言うかそこはとても重要だよ。
いいかね、時間軸の概念を破壊するという事は、その“次元”即ち存在する可能性を破壊し、“始めから無かった事にする”という事だ。
君たちは、“どうやって”惨劇を認識し、その記憶を保持出来るのだね?
……だから、哲学戦闘をさせるなと」
何やら自分でダメージを受けている。
>>545
『失礼します、言われた通りに持ってきました』
装甲の欠片を抱えてきたラウディは、ブラインのとはまた別のタイプの強化服を着ていた。
「では、紹介しよう。
私が先日まで籍を置いていたローランド社が子会社の一つであるAn.i.e社と共同開発した、Type-401スニーキングスーツだ。
パイロットスーツとしても使えるし、パワーアシストもしてくれる。軍の特殊部隊にも配備が始まっているな」
それは、性能はともかく“完成品”であった。
「どうだね?
そのスーツを“完成させる”ために役立つと思うが」
つまりは、アスト博士と同じ事だ。
548
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/03/05(火) 19:02:45 ID:9gFV9Wik
>>545
>>546
「えと…その…」
言葉に詰まる。
協力関係にしようとした途端にこちらが下側扱いになるような要求を受けてしまったのだ。
こうもなるのは当然である
(俺のバカ…ちくしょう)
>>547
>「では、紹介しよう。
私が先日まで籍を置いていたローランド社が子会社の一つであるAn.i.e社と共同開発した、Type-401スニーキングスーツだ。
パイロットスーツとしても使えるし、パワーアシストもしてくれる。軍の特殊部隊にも配備が始まっているな」
「…!」
これは…、と健二は考える。
性能等は間違いなくこちらに劣るが、しかし、これほどまでに
”完成”されたスーツは作られていない
「…、申し訳ありませんが、それは私の一存では決められません」
と、グッと言いたい言葉を心の中にしまう。
そして装甲を受け取る。
>「想像通りかよ、と言うかそこはとても重要だよ。
いいかね、時間軸の概念を破壊するという事は、その“次元”即ち存在する可能性を破壊し、“始めから無かった事にする”という事だ。
君たちは、“どうやって”惨劇を認識し、その記憶を保持出来るのだね?
……だから、哲学戦闘をさせるなと」
「…」
雰囲気が…変わる。
まるで時間が凍ったような感覚がする
「…私の組織にね、そのように疑問に感じた人がすくなからずいたんです」
”いた”、つまり過去形である
「しかしね…その人たちは、そのことについて疑問を感じて独自にそのことについて研究を始めたんです。
数日後、どうなったと思います?」
白い、白い、この言葉を聞くたびに心が凍るような感覚を受ける。
「…全員、発狂しました。
そのことについて疑問を感じたものは、一人残らず…ね」
「忠告しておきましょう。
これを疑問に思い、答えを見つけようとしてはいけません。
…絶対に、ね。
でないと…”帰ってこられなく”なりますよ…」
低い、今度はドス黒い物が心に覆われたような、そして、とても気分が悪く感じただろう。
「…スゥー」
息を吸いながら右腕を覆うスーツの部分が素肌になる。
肌色で5本指、そして手を握りしめている。
「…せぇいっ!!」
その装甲を空中に放り投げ、その装甲に向けて一発、右腕でせいけん突きを入れる。
パァン!!
という音がして、装甲がはじけ飛んだ
スーツに何か機能があるならわかる、スーツを覆っていればまだ理解はできた。
しかし、”素手”で彼はその装甲を粉みじんに破壊した…それもたった一発で
「…フゥ、装甲、ありがとうございます」
549
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/03/05(火) 22:22:32 ID:qHDMrb1s
>>548
「……その程度で発狂とか、随分とまぁ、脆弱なものね」
レミーがぽつりと呟く。ミラーシェードの下の素顔は伺えない。
「とんだ“観察の法則”だな。
ひょっとして、より上位の組織から禁じられていたり?」
嫌がる割に瞑想しそうなヴィルヘルム。
そして、ブラインは“素手で”装甲を粉砕する。
「……そら、スーツの完成度が上がらないわけだ」
ぼそっと河嶋大佐が口に出した。
「……若?」
ラウディがヴィルヘルムに何やら言いたいが言葉にならない。
そしてヴィルヘルムは……考えるのをイヤになりそうだった。
550
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/05(火) 23:13:34 ID:Jj5cipcU
>>548
【「…スゥー」「…せぇいっ!!」】
「ちょ!?待って!」
まさか今ここで装甲を潰すのか。とライトはツッコミたかった。
だが、もうブラインには届かなかった。
人間の力を超越した様な拳撃により、大きな破砕音の後に装甲材はバラバラに破砕され、飛び散ってしまった。
「……きゃっ!?!?」
不幸な事に座っていたライトの目の前にも小さめな破砕片が散って来た様だ。
びっくりして恥ずかしながら小さい悲鳴をあげてしまったでは無いか。
……まぁ砂利程の形状だったので当たってもそんなに痛くは無かったのだが。
「……っ。やるならせめて誰も居ない所でやってください。
それで気が済みましたよね?では、会談を続けましょう。どうぞ」
ムスッとした表情で件の実行犯の事を見上げている。ちょっと怒っている様だ。
「……あるいは、これ以上になるとそちら側の責任者を呼んだ方がスムーズに事が運ぶとは思いますよ」
所詮末端の一人であるブラインだけでは協力要請などの件では話にならないと今までの流れから少女は見極めた。
それに、彼に答えられない事も上の人間ならば解釈可能かもしれない。
彼は少し直情的過ぎてこう言った事には向いていない様に思える。
551
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/06(水) 02:15:35 ID:G/Z7c93E
>>544
,
>>546
,
>>548
,
>>550
ゲルシャドーと対等に渡り合えるだけの力がない。なのに、その世界の戦乱には介入しない。敵とするのはあくまでかの犯罪組織のみ。
ブラインの返答を聞いているうちにチンプンカンプンな感じになってきたリリーの脳裏は、クエスチョンマークで埋め尽くされた。
次元を破壊するという犯罪組織に対抗すべく、その世界で最も力のある「だろう」組織――すなわち地球連邦軍のことだが――に接触してきたのはわかる。
だが先頃、この地球はエアロゲイターという、より強大な相手に襲われて辛勝した経緯を持つ。
次元そのものを破壊するというのなら、彼らエアロゲイターとて他人事ではないはずだし、地球のどの組織よりも力を持っているはずだ。
ならば我々ではなく、エアロゲイターに接触すれば良いのではないのか……?
「………………」
考えが止まってしまったリリーは、目を閉じて長く細い息を吐いた。
そのあたりは彼ら次元ポリスの技術的な問題によるものなのかも知れないし、エアロゲイターの振る舞いが次元ポリスの哲学に合わなかったのかも知れない。
そう考えてその疑問は放り投げたが、放り投げられない疑問もある。
その世界の問題には介入しない。これが一番の問題だ。
おそらく、そうは思っていないブラインは、ラウディが持ってきた装甲材を粉砕して鬱憤を晴らしている。
細かな破片と破砕の際に生じた小さな衝撃波が、横にいたリリーの髪を揺らしていく。向こうでは、ライトが悲鳴を上げていた。
しかしやっぱり、リリーは無表情のままだった。
「お話はよくわかりました、ブラインさん。
そのお話を聞いた上でのことですが、先ほど、明智大尉があなた方は我々に全面協力すべきだと仰ってましたね? 私もその意見に賛同します。
あなた方の、他の世界には干渉しない、という……「正義」ですか、その理屈はよくわかります。
ですがそれは、あなた方が単体で、ゲルシャドーと対等な力を持っている時に語られる「正義」だと、私は考えます。
確認になりますが、あなた方だけでゲルシャドーに対抗できない以上、我々地球連邦軍がメインでゲルシャドーと戦わなくてはなりません。
ですが我々が敵としているのはゲルシャドーだけではないのです。ドローンと呼ばれるアンノウン、DC残党……それ以外にも居ます。
次元を破壊するなどという犯罪組織には全力で、もしくは全力に近い状態で当たらねばなりませんが、この敵の多い状況ではそれも難しい。
私は、あなた方には我々に全面協力を約束していただき、共にこれら地球上の問題を叩いて欲しいと考えています。
そうすれば、その分我々にも余裕ができ、より力を持った状態でゲルシャドーに当たれます。勝率が上がるのです。
……こう言われてもまだ、あなた方はあなた方の「正義」を持ち続けますか?
あなた方のしたいことは何です? 「正義」を貫き通すことですか? それともゲルシャドーを倒すという本懐を遂げることですか?
二つに一つ、共存は不可能です。そのあたりを、よくあなた方の指揮官と話し合ってください」
彼ら次元ポリスはこの矛盾を抱えながら、これまで戦ってきた。彼らはゲルシャドーを破壊するための組織でありながら、自らに「正義」という枷を填めている。
それゆえに、先ほど見せられた次元崩壊の姿もこの矛盾を解決できていればあるいは、可能性があったのかも知れない……とリリーは考えずにはいられなかった。
リリーの表情はずっと無かったが……今このときばかりは、彼女の瞳にはトゲの含んだ疑念が宿っていた。
552
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/06(水) 08:31:06 ID:UnMY32D2
>>546
(ライトちゃん、そんなんじゃ、話聞いてくれいないって高圧的すぎる)
たかが、小娘に、ここまで、言われると、イラつくのも当たり前だ。
アストが
(あーあ、せっかくの計画が。あの刑事をパイプとした。私の研究所の独占がぁ)
まぁ、こんな感じで、アストの野望は潰えた(笑)
若干、後悔してるらしい。
>>548
「そんなんで、発狂するとか。ないわね」
たかが、研究だけで、発狂とか
逆に、その人間を調べたいわ(笑)
>>「せいっ。」
「壊した。凄い戦闘能力」
アストは、久々にこんなバトルスーツを見た
>>549
それを見たアストはレミーに
「こんど、パワードスーツを作る時は、壊されないようにゾルオリハルコニウム使ったら?」
そんな、メモを、送ってみる。まぁ挑発ではない。
553
:
レミー中尉
◆E8ckRIIdug
:2013/03/08(金) 23:15:02 ID:MV555yAY
>>552
そのメモを読んだレミーは、フッと笑みを浮かべた。
ローランド社にはゾルオリハルコニウムを調達する力は無い、だから軍の力で用意してやれば優位に立てるだろう。
法務局の憲兵達の中にもこのスーツなどで武装する計画はあるが、その辺りも色々と……
だから、幾分の走り書きを添えて河嶋大佐にも見せた。
それはそれとして、次元ポリスの対応から一つの可能性が浮かんだ。
どうやら大佐もそう考えているらしい。
554
:
g
:2013/03/10(日) 20:13:18 ID:mj3LsX5U
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555
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/03/11(月) 18:42:12 ID:8vQQMKC.
>>549
>「とんだ“観察の法則”だな。
ひょっとして、より上位の組織から禁じられていたり?」
「まさか!、そんなのいるわけないじゃないですか」
と、言うと
「…まぁ、そういったことに昔、私も疑問に思って上司に聞いたんです。
そしたら今私の言ったことと同じことを言われましてね、そんでこのことを聞いたらこの話をしろ
って言われたのでね…実際真相はわからないんですよ、その辺はウチの上の人(?)達に聞いてください」
と、言うと無理やりきりあげる
>>550
>「……あるいは、これ以上になるとそちら側の責任者を呼んだ方がスムーズに事が運ぶとは思いますよ」
「えぇ、わかってますよ、私は『この地球の状態』を見る為に来ましたから」
>>551
「…」
長い、長い沈黙が走る…が
「まぁ、その辺もウエの連中と話してください」
と、だけ言う
「ただ、私個人としてはゲルシャドーを倒す事が本望ですよ。
ほとんどの局員はそうだと思いますね」
「…貴方の言ってることは正しいですよ」
>>552
>「そんなんで、発狂するとか。ないわね」
「私もそれを疑問に思いましたよ、本当に」
「さて、ではそろそろ、私は戻ります」
と、言うとまたさっきと同じように空間を開く
そして片足を突っ込むと一同に振り返る
「あぁそうそう…、こちら側に貴方達と協力しないという手段はとれないに等しい。
その辺をよく覚えていてください」
と、去り際に言うと、空間が元に戻る
556
:
河嶋大佐
◆E8ckRIIdug
:2013/03/11(月) 22:06:35 ID:cOnad/DE
>>555
「……あ、連絡方法は!?
屋上からブラインマークをサーチライトで映し出すのか!?」
分かったような分からないような事を言い出すが、ブラインは行ってしまった。
「……行ったな……」「行きましたね」「と言うか、帰った……」「多分次は直接ここに来るわ」
その他四人が口々に愚痴る。
まともな軍人ならブラインを危険視する事も選択肢に入れるような事が起きたのだから。
後、河嶋大佐がチタンブレード(チタン系合金製の日本刀型刀剣)の鯉口を戻したのは見なかった事にしてもよい。
「……とりあえず、新たにゲルシャドーなる敵が現れた、ここまではいいな。
そして、次元ポリスなる組織はゲルシャドーに対してのみ敵対する事を目的としている……
……個人的には、彼らの言う“正義”は我々の“復讐”とほぼ同義では無いかと思うがね。
つまり“復讐”だから、『奴等を倒すのは我々だけだ』と、本当は言いたいのではないかと」
なかなか怖い事を口にする大佐であった。
557
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/12(火) 07:32:53 ID:5K1.wRhU
>>555
【「さて、ではそろそろ、私は戻ります」】
「……は!?な、何を勝手に話を!ちょっと、待ちなさい!まだ」
ライト達の制止も聞かずに、次元の裂け目から立ち去ってしまうブライン。
しかし、まるでそこに誰も居なかったかの様に一瞬の内に彼は姿を消していた。
「なんてこと……」
まだ何もかもが不十分だった会談。
こちらはスケールの大きな話にただ驚くばかりで、彼らの知る敵のデータや対策すら見出だせていない。
これではまるで、
未知の敵が君達の星を狙っている。だけど我々の力では対処出来ない。申し訳ないが滅びてくれ。さらば!HAHAHAHAHA!!
と言ってるみたいなものである。
地球は馬鹿にされているのだろうか?
「なんなのですか彼は?これでは問題点が大量に増えただけです」
そんな事はみんなもわからない。
くっきり青筋を浮かべたライトはブラインの消えて行った点を睨み、苦虫を噛み潰した様な顔をしていた。
「こう言う結果になった以上、ゲルシャドーへの対抗策を緊急に練る必要が有りますね。
もし、自由にピンポイントな次元転移が可能ならば、次の一手を撃たれた時に対応出来ない可能性が有ります」
ただでさえ、反連邦勢力の相手に日夜追われている状況。
万が一、同時多発的に戦力が手薄なところを虚を突かれ強襲されでもしたら、結果は想像したくもない。
(やはり。早急に地球圏を一つの巨大な力として束ねなければ……)
彼女は真っ直ぐ使命感に燃えていた。
そして、そうならば尚更、ここに来たもう一つの重要な目的を必ず果たさなければならないと強く思ったのだった。
558
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/12(火) 08:24:56 ID:6zmwP88.
>>555
正義か勝利か、という問題。
古典モノのヒーロー刑事のような外見と振る舞いのブラインにとって、非常に悩ましい問題であることを理解しながらも、
指摘せざるを得ない事情から、リリーはその問題を突いたのだったが……返ってきたのは、次に来るであろう指揮官と、
「我々が」その問題について話すべきだという…………何とも肩透かし感バリバリの回答だった。
こんな姿をしていても、所詮は組織の末端の人間ということか。リリーはため息をつく。
相手側の事情を考えればごく当然の話ではあるのだが、見た目と言動が、それとは違うのではないか?という考えを、
密かにリリーに思い起こさせていた。肩透かし感があるのはそのためだろう。
そんなふうに考えているうちに、ブラインは空間の向こうへと帰ってしまった。
こちらが何か言う前にそそくさと居なくなってしまったものだから、場には若干の「何だったんだ感」が漂っている。
やれやれ……と思いつつ、リリーはさきほどまでブラインが居た位置に立ち、
「えー……情報提供者が帰ってしまったので、これにて公聴会を終えます。皆さん、お疲れ様でした。
以降の退出などはご自由にどうぞ」
と、少し強引に締めくくった。こうでもしないと、この空気は破れないだろう。
>>557
どことなく傍若無人感のあるブラインの去り際に、真面目なライトなどは怒っているのではないか、と思ったリリーが、
視線を移動させて見たものは、予想通りに柳眉を逆立てた彼女の姿であった。
蛇が居るとわかっている藪を突くようなものだが、議事録を作成していた彼女と話をしないわけにもいかない。
まあ、ライトのことだから、そんなに理不尽な怒り方はしないだろう……という予想をたてながら、リリーはライトの元へ向かった。
「明智大尉もお疲れ様でした。議事録のほうはどうですか?
中々、その……「ユニーク」な内容になっているとは思いますが、全地球的問題に発展しそうな話ですし、
連邦首都のパリにも持ち込まなければならないでしょうから……。
もしお手伝いできることがあるのなら、遠慮無く仰ってください」
今回のことは極東支部の勢力下で起きた事件であるが、ブラインの話の通りであれば、この事件は地球圏全てに影響がある問題となる。
ただ、リリー自身は今回の事件と、この議事録だけでは連邦政府の腰を持ち上げるだけの力は持ち得ないと考えていた。
ともすれば、これは荒唐無稽と切り捨てられても不思議ではない事だ。説得力がまるで足りていない。
559
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/12(火) 09:59:12 ID:5K1.wRhU
>>558
【「明智大尉もお疲れ様でした。議事録のほうはどうですか?
中々、その……「ユニーク」な内容になっているとは思いますが、全地球的問題に発展しそうな話ですし、
連邦首都のパリにも持ち込まなければならないでしょうから……。
もしお手伝いできることがあるのなら、遠慮無く仰ってください」】
「ええ。そちらも進行役お疲れ様でした、リリー少尉。
こんなものを提出したら、私も曹長に格下げされてしまうんじゃ無いかと」
珍しく面白く無い冗談を言っている辺り、実際、本当に困っているのだろう。
ライトの優秀な耳とタイピング速度で議事録は会談と平行した状態で完成していた様だ一応は。
議事録の最後はちなみに今こんな感じとなっている。
・ブライン氏、怒りをぶつける為に装甲板を素手で砕く。
・ブライン氏、上司陣との面会を口約束した後に次元の切れ目を空けて退出。
なぁこの行間に何があったんだ?ちゃんと書いて来いよ。
と、呆れた上層部から失笑されるに違いないだろうが、事実だとしか言い様が無いわけで。
後は録音したものを実際に聴いてもらうしか……。
「エアロゲイターなどの前例も有りますから流石に無視は出来ないとは思いますが、厳しいですねこれでは。
我ら欧州支部はそんな油断は微塵も有りませんが、各セクション動くのが大打撃を受けてからなんて愚かな事になるかも知れませんね」
これ以上議事録に書ける事は何も無いと割り切り、帰り支度を始めるライト。
560
:
アスト
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/12(火) 17:04:09 ID:yvaodNXA
>>559
「ありゃー、これじゃあそう信頼は得られないかなぁ」
ライトの、書類を拝借(勝手に)したアスト
「まぁ、家と、一緒に出せば信頼性は増すでしょ。」
そう、ライトに助け船を出してみる
561
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/12(火) 18:33:05 ID:5K1.wRhU
>>560
【「まぁ、家と、一緒に出せば信頼性は増すでしょ。」】
「いえ……。この件で博士のお力を借りる訳にはいきません」
少し考えた挙げ句、アスト博士の申し出を遠慮した。
これからライトが行おうとしている事を思えば、カーマインの血筋の者に協力してもらうのは気が引けてくるのだ。
それは許されない。
「ですが我々、欧州のフリードリヒ・マクシミリアン様にはこれを理解して頂けると思っています。
そして連邦本部へ発言力を持つあのお方からならば、やはり無視は出来ないかと」
ライトの心酔して止まない欧州のトップの人物の事である。
誇らしげに語るライトの眼はキラキラとしていた。どこか狂信的に。
562
:
k
:2013/03/13(水) 23:42:09 ID:aRUZTGJ.
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563
:
アルバトロス一行
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/14(木) 22:25:14 ID:VVNlkmjY
>>561
ライトは格納庫内のキャリアーへと向かう途中、自身のキャリアーとは別の大型のキャリアーと複数の新型…アシエルの機影も確認出来た
キャリアーの正面では同じ服装の強面の男達が周囲に目を光らせていた
白装束に紅抜きの十字架。その制服は親衛隊員である事を示していた
???「これは、これはエンジェルフェザーの明智大尉では?」
男達の向こう側から声が聞こえる
???「…ええい!気の利かん奴らよ!そこをどけぃ!!」
正面の二人をこじ開けようとする手が見えた時、即座に二手に別れる親衛隊員
「ぬぉ!?貴様等ッ!!おっ!とっ!…ふぅ」
明智ライトの正面までつんのめり衝突寸前の所でなんとか持ちこたえる
その男は上級士官用の外套と襟元には中佐を示す階級章が在る
アルバトロス「わざわざご苦労だったな。俺の警護も、せめてお前のような奴にやらせて貰いたかったがな?」
自身の護衛達を一目見てからライトの方へと視線を移す
アルバトロス「まぁ、そんな事より例の件はどうなっている?」
例の件とはユウセイのことである
マメなライトである定時報告は受けている筈だ
564
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/14(木) 23:19:30 ID:mnwFDFsA
>>563
【???「これは、これはエンジェルフェザーの明智大尉では?」】
「……?」
男達の向こう側から声が聞こえる。
ライトは空耳かと首を傾げている。
【???「…ええい!気の利かん奴らよ!そこをどけぃ!!」】
「ぬぉ!?貴様等ッ!!おっ!とっ!…ふぅ」】
「え……大丈夫ですか?」
ライトの正面に現れたはいいが、不様にも転びそうになっている男。
確かに見覚えがあった。というかよく存じている。正確には彼の父親の事を。
一応、労りの言葉を掛けておく。なにせ、相手の階級は中佐。
まぁ、本当に実力で勝ち取ったかは怪しい地位なのだが。
【アルバトロス「わざわざご苦労だったな。俺の警護も、せめてお前のような奴にやらせて貰いたかったがな?」】
「はっ。マクシミリアン中佐こそ、この様な僻地まで御苦労様です」
ずびしっ!と姿勢正しくお手本の様な敬礼をするライト。
目の前の男はライトの尊敬して止まない欧州支部のトップ。フリードリヒ・マクシミリアン卿。その嫡男である。
流石に無礼な素振りは見せられない。
【アルバトロス「まぁ、そんな事より例の件はどうなっている?」】
「ハヤミ二等兵以下数名の引き抜きの件でしょうか?
異動という形で正式に通達が行われるはずですが、あまり良い感触は得られておりません」
ヒツギ、ユウセイの二人を面接してでの正直な進捗状況を伝える。
考えさせてくれの一点張りであったので、乗り気で無い事は明らかだった。
今にして思えばライトには彼らが渋る理由は全く理解出来ない。
「それに失礼ですが。
確かに彼らの個の実力は評価しますが、
あの協調的で無い自由な振る舞いは我々、欧州の害にしかならないと進言します」
一つ断りを入れてからアルバトロスに意見する。
これまで2回の戦闘を共にしたライトの感想。
特にユウセイ二等兵やヒツギ少尉は扱いにくい駒と言う印象しか無い。
何故、彼らに固執するのかライトには全くわからない。
これでは、他をスカウトする案を強行した方が良い。
565
:
アルバトロス
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/15(金) 00:16:12 ID:nc9E55N6
>>564
【「ハヤミ二等兵以下数名の引き抜きの件でしょうか?
異動という形で正式に通達が行われるはずですが、あまり良い感触は得られておりません」】
「ほう」
【「それに失礼ですが。
確かに彼らの個の実力は評価しますが、
あの協調的で無い自由な振る舞いは我々、欧州の害にしかならないと進言します」】
良い終えるライトに不敵な笑みを浮かべて応える
「なに、お前が案ずるには及ばん。何故ならば…」
手のひらを天に掲げライトの天井を見据えて言い放つ
「彼らも、また選ばれし者達であるからな!フッフッフッ…ふはははははは!!!」
天に翳した手で握り拳を作ると同時に格納庫に響く高笑いを始める。…本当にエリートであろうか?
「ふん。実の所、此処へ来る際に秘策を授けられてな」
蝋で封のされた手紙をライトにちらつかせる
「ユウセイ・ハヤミについては兎も角、ヒツジなんちゃらは確かに疑問ではあるが、もののついでだ。
それから協調性についても何ら問題にはなるまいよ
一流の教育が彼らを変えてくれるであろう」
手紙を仕舞い込み天を仰ぐ
「…俺の様にな!ふはははははは…フッ…俺には及ばんか
まぁ貴様は吉報を待っているが良い」
護衛の者達を引き連れ、その場を去ろうとするアルバトロス一行
566
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/15(金) 04:54:33 ID:atCdAxTY
>>565
【「なに、お前が案ずるには及ばん。何故ならば…」】
「何故ならば?」
【「彼らも、また選ばれし者達であるからな!フッフッフッ…ふはははははは!!!」】
「あの。あまり意味が……」
そう言われても、やはりまるで意味が解らんのだが……。
耳に響くやかましい高笑いが何だか妙にウザったい。
あんまり五月蝿くしているとメガビーム・ランチャーと共に恐ろし罵声を浴びせられやしないか心配になってくる。
【「ふん。実の所、此処へ来る際に秘策を授けられてな」】
「秘策……ですか。もしかしてですが、フリードリヒ様が」
アルバトロス中佐はライトに手紙をちらちら見せびらかしている。
いったい中身は何なのだろうか?
ユウセイ達への正式な異動通知とかなのだろうか?
【「ユウセイ・ハヤミについては兎も角、ヒツジなんちゃらは確かに疑問ではあるが、もののついでだ。
それから協調性についても何ら問題にはなるまいよ
一流の教育が彼らを変えてくれるであろう」】
「ヒツギ・ハヤセ少尉です、中佐。(ハヤセさん……カーマイン邸を抑える際に面倒な事にならなければ良いけれど)」
アルバトロス中佐が言い間違えたのをほぼノータイムで訂正した。
確かにヒツギは尉官とは言え、軍属とは言えないイレギュラーな扱いだ。
彼とバルクレイスの手綱は未だにレイナ・カーマインが握っている状態であり、レイナを通してバルクレイスの専属テストパイロットとして連邦軍に協力しているに過ぎない。
「…俺の様にな!ふはははははは…フッ…俺には及ばんか
まぁ貴様は吉報を待っているが良い」】
「はっ。了解致しました。(…しかし、単なる親の七光りが何を)」
結局、見せびらかしただけで手紙の内容は教えてくれはしなかった様だ。
ライトはきびきびとした敬礼でアルバトロスとその護衛達を見送るも、内心ではとても酷い事を思っていた。
まぁ、秘策を授けられ、有頂天となっている今のあほ(アルバトロス中佐)はそんな事とは気付けもしないだろう。
567
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/15(金) 18:53:53 ID:atCdAxTY
【第七話プロローグ】
〜伊豆基地:尉官宿舎〜
明智ライトは簡素なデスクにつき、上司との文書のやり取りをしていた所だった。
この度、極東方面まではるばるやって来た彼女だったが、彼女に与えられた使命はヒツギやユウセイ達、人材のスカウトの他にもうひとつ重大な任務があった。
(レイナ・カーマイン嬢。兵力の威圧だけで降伏してくれれば楽に済むのだけれど。
まさか、それが通用する様な弱腰な人間じゃ無いか……)
それは伊豆に大屋敷を構えるカーマイン家の令嬢レイナ・カーマインの捕縛及びその全ての保有戦力の強制接収である。
前々からレイナ個人の行きすぎた戦力保有は問題視されており、
更に今回、異星人や月に現れた不振人物との極秘裏の接触疑惑も浮かび上がり、レイナの立場をより危うくする事となった。
それに連邦の手を離れ行方を眩ましているクロガネと独自のパイプを持ち、物資の援助を図っているという情報も諜報部が掴んでおり、
そのつもりならばクロガネと結託し、すぐにでも政府と戦争でも起こし兼ねないイレギュラーとして認識されている。
(戦闘は避けられない)
月での一件から、イサム・カイオウ極東方面司令が半ば失脚した。
レイナの後ろ盾として働いてくれていた大きな邪魔者が消えた事により、欧州支部は一息に強攻策へと売って出る。
欧州の物言いに丸め込まれた政府は、特務隊を差し向けてでもカーマイン邸を完全制圧する事を許可していた。
(……出る杭は打たれるのよ。秩序を乱す歪みは、より良き指導者によって正しく統制されなければならない)
それを先導する者こそが我々欧州の人間。と言いたいらしい。
ライトの思想は、完全に欧州の掲げる思想へと染まってしまっている。
(レイナ・カーマイン、あなたの遊びもこれで終わりなのよ)
今までまがいなりにも連邦側に協力して来た実績が有るはずのレイナを、
大部隊にて大人気なく攻め立てる事にもはや何の躊躇いも無い様子のライトだった。
むしろ、この制圧作戦の指揮を任された時から明智ライトは張り切っていた。
なにせ、初顔合わせからいちいちこちらに突っ掛かって来て、気に入らなく思っていたあの娘を泣かせ、屈服させるまたとない機会なのである。半分は私情。
(……だけれど、あのコントロールの効かない伊豆基地の人達には本当に困ったものね。
これまでの様に私の任務を全う出来ない様なら、もう彼らには頼らない)
極東支部にはライトの思惑通りに動かせない不穏な駒がいくつも存在する。
そんな彼らをアテにし過ぎるのは良くない。二度の彼らとの共闘で嫌と言う程味わった大切な事である。
だから今回は万全過ぎるぐらいに万全を期した。
わざわざ欧州エンジェル・フェザー隊の戦力を自前で用意してきたのである。
欧州へ直々に増援要請を出し、特殊装備のレリエルを積んだ輸送隊を手配していた。
それらは既に先程見送りしたアルバトロス中佐と共に極東入りをしている。
「……そういえば。シルバーバレット隊の他に新型を一機寄越してくれるとのフェイト少佐からの通達が有ったね」
ライトは部隊リストを全て読み通す。
すっかり見落としそうになっていたが、上司からの文書にはインセイオンという新型機体とそのパイロットの少年兵のデータも添付されていた。
完全に現地で実戦テストをするつもり前提での投入だろう。
やはり、上もレイナがおとなしく降伏するとは一切考えには入っていない様だ。
(T-Linkシステムを搭載したインセイオン。そしてパイロット。念動力者のハーゲン・クルーゼ少尉か。
念動力持ち。……ま、まぁ欧州から直々の増援ならば……ハヤミ一等兵の様な心配は無いはずよね??)
一瞬、嫌な予感がその平坦な胸を過る。
ユウセイの影響からかライトの中では念動力者=一種のサイコパスな異常者という印象を植え付けられそうになっていた。
だがしかし、今回は欧州からの配属という事でなけなしの安心感を持ってみる。
これらに加え、さらに過度な期待はしないが斐の戦力を加えるとなると、制圧部隊の規模はもはや過剰。
たかがレイナなどひとたまりも有るまい。
(……甲斐の皆さんが命令に従わなかった場合を想定してでも勝率はそう変わらない。逃がしはしないわ)
ライトは何通りもの勝利をシミュレートするが、やはり負けは考えられない。
頭の中ではレイナと遭遇から捕縛までが綺麗にイメージ出来ていた。
それに満足したのか、余裕そうにホットミルクを飲んで一息つく。
……だが、例え勝率99%だろうと油断してはならない。
ライトには解らないだろうが、皆様方にならよく解っていただける事だろう。
568
:
伊豆基地所属竹富中隊
◆E8ckRIIdug
:2013/03/15(金) 21:48:14 ID:Yf3srLHA
ジョニー・竹富大尉はかつて欧州支部にいた頃のライトの先輩に当たる。
現在は極東支部で中隊長をしているがその思想は欧州中心のままであり、今回のレイナ・カーマイン邸制圧作戦では先鋒を買って出た。
彼の中隊は欧州でも知られた“神聖騎士団”の流れを汲む精鋭揃いであり、優秀な前衛打撃部隊でもある。
強固なダメージ吸収力を持つ第一小隊が前に立ち、長射程大火力の第二第三小隊が弾幕を張るという戦法に彼は自信を持っていた。
「はっはっは、もうすぐ生まれる子供に、いい土産話が出来るぜ」
「今朝のステーキは事の他旨かったな」
「パインサラダもなかなか……」
「しょせん小娘じゃないか」
作戦開始前と言う事で隊員たちの口も軽かったが……
「……!
邸宅敷地内に反応が!?これは……」
試作指揮管制車両を引っ張りだして全体の運用をサポートするよう命じられた五味中尉の警告が飛ぶ、が、その反応は……
「う、うわー!もうダメだァー!?」
かくして、竹富大尉の絶叫を最後に中隊の通信は途絶えた……
569
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/16(土) 13:46:24 ID:vjNOTFPE
>>568
レイナ・カーマインの住まう伊豆の屋敷に夜襲を掛けた欧州と極東のレイナ・カーマイン討伐隊だったが、
瞬く間にその圧倒的有利と思われた甘い認識を考え直す結果になってしまう。
「……愚かな。その程度の物量では、この悪夢の要塞は止まらないわよ」
何やら少女の声が連合軍の耳に聞こえてくる。
そして湖のほとりまで進撃していた討伐隊は、黒い巨大なモノが水中から浮上するのを目撃する。
それはまさしく機動戦艦と呼べる代物。
まず何故こんなものが用意出来たのだろう、話が違う等とそれを目にした者は口々に不平を漏らした。
こんなものはライトのシナリオには存在していなかった。
【反逆者側:旗艦アルプ・トラウム出現】
「お嬢様。主砲のエネルギーチャージが完了しています。撃ちますか?」
そう艦長らしき人物に告げる燕尾服を優美に着こなすブロンドの麗人。
「面倒でしょ?……ここは拡散弾で一網打尽するのが、楽チンで良いわ」
気だるそうにデスクに突っ伏しているやる気の無さそうなピンク髪の少女も居る。夜襲され着替えもせずに出て来たのか、何故かパジャマ姿。
瞼を重そうに擦り、戦闘中であるにも係わらず緊張感が感じられ無い。
「もちろん。ではちょっと可哀想だけれど、その身でとくと味わっていただこうかしらね?
……クックック、天上より降り注ぐ、黒き悪魔の落涙。これが悪魔の断罪よ!ブラッディ・レイン!!」
二人の意見をとり入れ、それを承認するのは無駄に豪華な玉座にふんぞり返る赤のツインテールの少女。
彼女がこの黒船の指揮者である。
何やら少女の痛々しい台詞と共に、黒き戦艦から黒い球状のエネルギーの塊が撃ち出された。
それは形を維持したまま密集陣形を組んで集まっていた機動兵器達の真上まで来て、やっと弾ける。
それは頭上から降り注ぐ黒い豪雨となり、機動兵器群は余すこと無く全身にそれを被ってしまう。
【「う、うわー!もうダメだァー!?」】
密集などしていたからか、その黒い豪雨に潰され、彼らは戦闘を行える者を1機たりとも残さず爽快に全滅していた。
「ふっ……クックック。貴様達が攻め寄せて来る事は既に私には見えていた。
たかが人間風情が何をやってもお見通しなのよ、この私の『邪王真眼』にはねぇ!」
不敵な笑みに不思議なポーズで極めるのは、久々登場のあの少女だ。
モニターにて、不調でリタイアしたとは思えない絶好調?な様子を敵味方問わず見せびらかしている。
それは後詰めで出撃待機していたライト達へも中継されており、部隊は動揺し、ざわつき始める。
「やぁ明智クン。お前ごときが連合部隊総大将とはこのレイナ・カーマインも随分と舐められたモノだわ」
黒船のハッチから赤いゲシュペンストタイプの機体が新たに発進した。
それは悪魔の翼を威嚇する様に目一杯広げたあれはレイナの愛機アイゼルネ・ブルートに間違い無い。
待ちきれず自ら名乗りを上げたが、黒い戦艦にて混乱を引き起こしたのはやはりレイナ・カーマインその人だった。
当然、降伏勧告等には応じず、逆に大きな力による想定外の反撃を初手で連邦軍に与えて来たのだ。
【反逆者側:アイゼルネ・ブルート/レイナ出撃】
「……っ……き!甲斐を出して!必ず、あの黒い艦を沈めて見せます!」
天敵からの手痛いプレゼントにキッと顔を強ばらせる明智ライト。
しかし所詮、今の先発部隊はライトにとっては捨て駒。
戦力の見積もりを計算し直し、次いでは自らが乗り込む甲斐を前線に押しやり、直々に叩き潰す事とする。
「シルバーバレット隊はまだ待機していて下さい。レイナ・カーマインを誘き寄せしますのでそこを狙うとしましょう」
【連邦軍:ガブリエル/ライト出撃】
570
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/16(土) 17:54:00 ID:bv9mkTig
狭い球体の中、中央に置かれたシートの上で空を仰ぐ人の姿があった。
両の腕は対照的に重力に従ってだらりと地面へ垂れ下がっている
寝ていた訳ではない、覚醒状態を維持できる最小限の睡眠で彼にとっては十分だった。
時間と空間から完全に隔離されていたそこを外界へ引き戻すかのように、シートの真正面の壁に四角く窓が映りこむ。
その奥には慌しく動くものと、こちらに向かってしどろもどろになりながら何かを伝えようとするものが見えていた
『少尉!既に戦闘を開始している模様です!』
「知ってる」
映像による光に照らされた人物は余裕あるゆったりとした雰囲気すら感じる言い回しで、しかし間髪いれずに返答する。
この言葉に間抜けな返事をして疑問符を浮かべているのを余所に、落としていた右腕を持ち上げそのまま操縦桿を掴んだ
壁一面に光が灯り、まるで宙に浮いている椅子に腰掛けている様な風景
「耳鳴が鬱陶しかったからね・・・」
黒味が混じった、しかし色素が薄い髪の毛と、そんな物よりももっと薄い肌の色
一見すると女性の手か指と見間違えるような線の細さ。
薄目よりは大きいだろうが開いているとは言いがたい目つき・・・その全てをまとめれば、この少年の印象は『脆い』であろう
「このまま出撃する、これじゃ遅すぎる」
目的地付近で合流する予定だったハーゲンの乗る輸送機は、予定よりも遅れが出ていた
確かに彼の言うとおり輸送機で向かうよりは確実に早く着くだろう。
だがハーゲンはパイロットスーツすら着ていない、スクランブルもいい所だ
『しかし少尉、まだ準備も何も・・・』
「いいから、ぶち抜くよ」
ぶち抜くものは当然貨物室の扉、容姿とは食い違った過激な発言に通信も思わず目を丸くしていた。
冗談の様には見えないはずだ、本当に冗談ではないのだから
黙り込んだまま頷くとそのまま通信が切れ、次の瞬間にはスクランブルを告げるサイレンが響く。
直に扉が開き、室内へ冷たい空気が強風となって入り込んでくる
その様がさぞ滑稽とでも言わんばかりに、ハーゲンは目つきはそのまま口元を歪めた
「フフッ・・・発進」
漏れた笑いとハーゲンの短い言葉だけを残して白い機体が空へと飛び出す
そのまま輸送機を追い越し、彼と使い魔か小天使かの姿をした『インセイオン』は目的地であるカーマイン邸に真直ぐ向かっていった
571
:
アルプ・トラウム艦橋
◆zv577ZusFQ
:2013/03/16(土) 21:29:12 ID:vjNOTFPE
「ではカナメ、この艦の指揮は君に任せるわ。あの甲斐にウチの実力、タップリと見せ付けてやるのよ♪」
自ら前線に押し出たレイナの代わりに艦を指揮する者が必要となってくる。
それはレイナ側のブレインにしてこの艦アルプ・トラウムの製作者である悪友に任される事となった。
「ん。……まぁ、イクリプスが一人居ればこっちは大丈夫でしょ。
レイナも病み上がりなんだし、適当に切り上げた方が良いよ」
やる気の無さそうな返事を返した桃色の寝癖少女。
寝惚けた様なぼけーっとした締まりの無い顔をしているが、レイナとは互いに信頼し合う深い仲である。
それに、この艦の事は誰よりも知り尽くしている。
【反逆者側:アルプ・トラウム操縦者変更/レイナ→カナメ】
「うん……じゃね。メイド隊は退路の確保にほとんど回ってもらうわね」
「「かしこまりました」」
艦長代行のカナメの覇気の無い指示を聞き入れ、艦載機の十数機のゲシュペンストタイプが飛び立って行った。
既にレイナ達は四方を固められており、その一角を抑える為に、こちらもなけなしの数を用意して対抗する様だ。
「そんで。静香、マヤ、つばめはレイナの護衛を頼むわ。
レイナはやる気満々だけれど、三人とも無理しない様に……zz」
次いでカナメは、格納庫でスタンバっている静香達への指示を下す。
月で味方につけた三人組もアルプ・トラウムで待機しているらしく、善意で出番待ちをしてくれている。
しかし、本当に女の子成分の多いかしましい職場である。
572
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/17(日) 00:06:25 ID:Otg.6qCQ
>>567
初めて伊豆基地にやってきてから数日 甲斐の中を見学したり、上官に挨拶したりと忙しい日々を送っていたころ、その作戦は言い渡された
自分の頭の仲で把握した限りでは、軍属出ないにもかかわらず、独自の戦力を持つレオナ・カーマインなる人物が住まう館に進軍、無条件降伏を勧告すること
(勧告に従わない場合は武力による介入も已む無しってか・・・レオナ・カーマイン 一体どれだけの戦力を抱き込んでいるのやら)
ドロワナのコクピット内、パイロットスーツ・・・ではなく、前を大きく開けた軍服の大男、ゼバスチャンは頬杖をつきながらブリーフィングの内容を反芻していた
何せ連邦欧州支部の精鋭を盛り込んだ過剰戦力だ、ひょっとすると出撃はないかもしれない
そう思った矢先だった
>>567-568
突如聞こえてくる聞き覚えのある少女の声、湖から浮上する黒い戦艦?
しかも射撃準備は万端と着たもんだ
「誰かと思ったら・・・ありゃ初めて伊豆基地にやってきた時のバニーちゃんじゃないか!!
てっきり軍関係者だと思ったら・・・!」
その姿に唖然とするばかり、武力介入の相手が顔見知りだったことにも驚きだったが、その相手が何の躊躇いもなく艦砲射撃をかましてきたことにも驚きを隠せていない
だが、やるべき事は決まった
「オーケイ トリガーを引いたってことは、敵対する意思があるってことだな?
上等だ!!ここ最近ぶっ放してないんで鬱憤が溜まってたところだ!!遠慮なく行かせてもらおうか!!」
一つ声を張り上げ、操縦桿を握る
「出撃するぞ!! 道を開けろ!! 邪魔するなら踏み潰しちまうぞ!!」
メカニックがいるかどうかわからないが、中尉を呼びかけてから、重装甲の爆撃機がカタパルトに向かって進む
カタパルトに脚部を固定すると最終確認
「燃料よし 弾薬よし システムオールグリーン ・・・問題なし
ゼバスチャン軍曹!! ラーズアングリフ・ドロワナ!! 出るぞ!!」
その言葉と共にカタパルトが起動 ドロワナを空中に放り出す
【連邦軍:ラーズアングリフ・ドロワナ/ゼバスチャン 出撃】
「イィィィィイイイイイイイイヤッホォォォォォォォォ!!!!!」
すぐさまテスラ・ドライブシステム及びスラスターを起動させ 今ここに継ぎ接ぎの機体が空を舞った
>>連邦軍サイド参加者
「通信回線をオープンにっと・・・こちらゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹!! コールサインは『ボマー3』火力支援が必要な時はいつでも呼んでくれ!!」
念のため今一度自己紹介を行うと、前方 斃すべき敵機を睨む
「然しなんなんだあのゲシュペンスト・・・趣味悪っ」
今日のお前が言うなスレはここです
573
:
エッシェンバッハ一家
◆E8ckRIIdug
:2013/03/17(日) 01:26:11 ID:rfo0g7p6
さて、時間を少々巻き戻そう。
欧州からの増援が到着するのと前後して、伊豆基地に一機の大型輸送機が来ていた。
ローランド社所属のその機体の目的は、五機の新型主戦用PT、“アルゴス”を納品する事だ。
「……では、確かにお引き渡ししました……
皮肉なものですね。最初の予定じゃ先輩がいや少佐が奥様に受け取りを求めていたはずなのに」
「……言うな、アルファ」
軽口一つ残して輸送機が帰ると、ヴィルヘルムは郎党であるラウディと共に、機種転換訓練に取りかかった。
ヴィルヘルムがスカウトタイプ、ラウディはランチャータイプ。この二人の機体以外は伊豆基地配備。
そして当日。
マデリーンの謹慎はまだ明けていない……
574
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 09:58:38 ID:YSz6PHes
>>
「腕の付け換えも何とか終わったし、しばらく、平穏な日々が送れそうだな。」
と、呟いていた矢先、その作戦が言い渡された。
(レイナ嬢……何やってんだあの人)
しかも、相手は欧州支部、しかも確実に戦力の差がある。
(流石に、従うかな?)
そう思ってた。が、作戦当日その予想を直ぐに撤回することになる。
それと、アスト博士
(あの人、大丈夫かな、レイナ嬢のことで心痛めてるだろうな。)
おとなしく、レイナ嬢が従うといいけど、本気でそう思っていた
>>568-569
「余裕で勝てると思ってたら、どこの、宇宙戦艦だよ。」
突然、湖から、巨大な、恐らくスペースノア級
「まさか、とは思ってたけどさ」
しかも、
>>「う、うわー!もうだめだぁー!?」
「殺る気満々だな。しょうがねえ。」
先鋒は、全滅いよいよ、こちらも出るときが来た。
「T-linkシステム異常なし、テスラドライブ正常稼動
システム異常なし アルブレード出る。」
「さてと、状況確認ついでに」
>>572
「アルブレードより、ボマー3左腕の、ゲシュペンストの稼動確認をねがいます。テスト済みですが、念の為」
そう、言っておく。
「さてと………あの三人娘がいるだ、と?」
敵勢の中に、この前助けたあの三人娘がいる
「そういえば、あの人達レイナ嬢の客人扱いを受けてたな。」
「向こうから仕掛けてくるのを待ちますか。」
そう言い、突撃は暫くはしない予定である。
「それと、ヒツギだな。」
この際、裏切るとか無いだろうな。そう思いもしていた。
575
:
レイナ&カナメ
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 12:41:16 ID:H2JE3lCU
>>574
>>572
少しずつ、甲斐の面子が出て来はじめたのが解る。ヴァルキュリアシリーズの改造機みたいなのはともかく、アルブレードを見て確信した。
敵として討たねばならないが、レイナ側はまだ手は出さない。
「……カナメ、ラーゼン隊は何故下がったのよ?これでは彼らを熱烈接待してあげられないのだけれど?」
レイナのアイゼルネ・ブルートに続いて続々と出撃したメイド隊のアイゼルネ・ラーゼンだったが、
彼女らはレイナの君臨する方には寄って来ずに一目散に後方へ飛んで行く。
この事に対して、レイナは艦長代行へ異を唱え出した。
「……ん。そりゃ、まともに全部を相手するのは流石に分が悪いからね。メイド達はアルプ・トラウムの退避経路を作ってくれているのよ。
……それにねぇ。馴染みの彼らを死なせる様な真似は避けたいと言ったのはどこのレイナだっけ……?」
「は!?ばか、ヤメ!」
レイナが狼狽える。
実は裏ではそんな事情が有ったらしい。明らかに好戦的だった先程の欧州の連中はともかくとして、
あちらの部隊には時間を共有していたヒツギやアカリ……ああ。ついでにユウセイさん等々愉快な人も居たっけ。
そんな相手だからこそ、口では厳しく禍々しい言葉をいくら吐いたとしても非情に徹する事は出来ない。
レイナ・カーマインは甘い人間なのだ。
「…こほん。けどね、恩を仇で返す様な不届き者には痛い目、見てもらうわよ。
邪王真眼の力は最強。トラウマ刻んでしまうかもね♪
アルプ・トラウムも、もっとやる気出しなさい。どうせここを突破するには甲斐を無視して通る事は出来ない」
「はいはい……。じゃあイクリプス、アイゼルネ・ブルートに例の武器を。ミサイルコンテナから射出する様に出来てるわ」
面倒臭そうな生返事だが、ちゃんとやる事はやってくれるはずだ。カナメは。
何やら武器なるものを用意している辺り、馬鹿には出来ない。
「かしこまりました。ではお嬢様、例のなんとかデストロイヤーを射出します。
空中で受け取って下さい」
操舵をしている筈の使用人イクリプスだったが、それと平行して火器類の砲撃も担っているらしい。
オーバーワークだろうが、彼女は顔色一つ変える事は無い。
「違うわ。我が吸血鬼専用の魔装具。デアボリック・エクスキューショナーじゃない。一字も合ってないわよ」
イクリプスのコントロールにてアルプ・トラウムから撃ち出された兵装コンテナは苦もなくレイナのアイゼルネ・ブルートの手元に届く。
その中身から抜き取ったのは、穂先に槍と斧を組み合わせた様な刃を持つトマホークランサーといった代物。
「あら、いいじゃない♪あの犬っころから頂いた棒っきれが、こんな感じになるのね」
そのデアボリック・エクスキューショナーの原型は元々、所属不明機から奪い取ったハープーンだ。
後々それを解析して、ただの武器では無くナノマシン抑制プロトコルにて再生を禁ずる特異なものであった事が解る。
そして元々、そのナノマシン抑制プロトコルの理論とはそこで半分寝かけているカナメ・ライブラが産み出したものである。本当だよ?
「まぁね。でもこれを実用化してる連中が居るのは問題ね。(…けど、面倒ぃからそれはまた今度)」
軽く頭の片隅に有ったものを思い出して作り直してみたらしい。
自らの研究成果が悪用されているのはとりあえず考えないでおく。
【アイゼルネ・ブルート:武装追加】
576
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/17(日) 14:26:36 ID:YRm5ckP.
甲斐のカタパルトハッチが開き、発進用の射線の調整が行われる
そしてレールの上、発射装置にその両足を乗せる機体の姿があった
色は暗い赤と黒で塗りつぶされ、そこに白のラインが走る。
右足と左腕に取り付けられたその存在を主張する実体剣―――ゲシュペンストMk-2 S/B
この機体の登場となれば、パイロットなどこの場にいる誰もが語らずとも理解できただろう
大半の人間は彼はこの戦いに参加しないだろうと考えていた
ヒツギとレイナの関係、そして他者の考えるヒツギ像から推測すれば当然の結論といえる。
発進へのカウントダウンが始まる、コックピットに居るヒツギの表情は何時になく険しい
その胸中に抱え込んだ煮え切らないものを押し殺し機体のペダルに足をかける。
「・・・ゲシュペンスト、ハヤセ機出るぞ!!」
射出によるGがヒツギの体を襲い、ゲシュペンストは宙に放たれた。
>>575
「・・・レイナ」
彼女と彼からしてみたら最悪の邂逅だったかもしれない
あの時交わした契約は破棄されたままに、横に並ぶのではなく相対する事となってしまった。
ヒツギの躊躇は目に見て取れる、攻めてくる気配がまるでない
戦うべきか戦わぬべきかヒツギの内で鬩ぎ合い、それを上から押しつぶそうと葛藤しているのだ。
あの時ヒツギが突出したばかりにレイナがそれを庇い倒れた。
その空気をそのまま持ってきたかのような沈黙が両者の間を埋め尽くす
「・・・・・・」
どう声をかければいいのか、むしろ声をかけざるべきなのか。
何時ものヒツギで何時もの関係ならばこの問いに対する回答等すぐに出てきただろう
今はそれも難しい、敵味方と割り切れるほどヒツギは大人ではないのだから
577
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 15:45:57 ID:H2JE3lCU
>>576
「ふん、ヒツギか。そんな所で何をしている?お前の居場所は……」
立ち塞がったゲシュペンストのパイロットへの言葉を続けようとして、そう言えば彼に絶縁を切り出した事を思い出した。
なので、それ以上その言葉は紡がれる事は無い。
「ダメです、ハヤセ少尉。その“反逆者”を逃がさないで!!」
動揺が見てとれるヒツギに檄を飛ばすのは本作戦の指揮官、明智ライトだ。
愛機のガブリエルは、アイゼルネ・ブルートとヒツギのゲシュペンストを割って割く様に、レーザを次々と撃ち込んで行く。
「……くっ、お邪魔虫め」
内心ではヒツギを諦めきれていないのか、唇の端を歯噛みして苛立つレイナ。
飛び退いてガブリエルのレーザー射撃を回避するアイゼルネ・ブルート。
ライトのガブリエルの執拗な射撃はレイナがヒツギへと接触するのを絶対に認めないとする意志が見て取れた。
見る見る内に分断されてしまう。
「他の皆さんも続いてください!のこのこと対して技量も無い癖に自ら前線に出て来た今が絶好のチャンスなのです!」
ユウセイやゼバスチャンにも攻撃に参加してもらう様に、ライトは号令する。
いくら予知能力みたいな超常の力が有ろうが、人間の能力の限界などたかが知れている。
何機もの凄腕パイロット操る機体を相手にそう長く持ちこたえられる筈は無い。と、ライトは判断した。
「くっくっくっ。恐れぬならば、私に挑み倒してみろ」
もう馴れ合いは無しで良いだろう。デアボリック・エクスキューショナーを頭上で振り回し、決めポーズでそれをライト達に突き付け宣戦布告とする。
578
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 16:36:47 ID:YSz6PHes
>>577
「大尉がその気なら、俺も行こうか。」
ユウセイの機体も、突っ込むように、レイナ嬢に向かっていく
「最初から、あのでかい武器は迅雷じゃ受け止められるか解んないし」
「ブレードトンファー、セット」
ブレードトンファーをセットし、突撃する。
(ヒツギの奴、まだ割り切れてねぇな。時間を稼ぎますか。)
アイネルゼに、軽く、トンファーで、肩に連撃を加える。
579
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/17(日) 16:52:57 ID:YZHgpLEg
>>578
アイゼルネに迫るアルブレード。
しかし、両者の間に割って入るようにガトリングの火線が走り抜けた。
「薄情なもんね! 昨日までは仲間同士だったくせにさ!」
地上で巨大な機関砲を構えているのは焔姫だ。
その後方では、雷姫と風姫が臨戦態勢で控えている。
「……いいのですね、マヤさん?」
「ふん……あの女にはムカつくことに、いくつか借りが出来たからね。
借りを借りのまんまにしとくのは、あたしの性分に合わないのよ」
不機嫌そうに答えるマヤ。
その表情はどこか苦々しげだ。
580
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/17(日) 17:41:52 ID:YRm5ckP.
遠方から飛行して接近してくる機影が1つ、識別コードは連邦軍・・・それも欧州のものだ
事前に全員が受け取っていたデータから、それは今作戦に合流予定であった機体のものだと判別できる。
表示されているコールは・・・『ケルビム1』
「どうやら間に合ったらしいね」
ケルビムという名前から想像する姿形といえば幾多の大きな翼を重ねた大天使だろう。
そのコードネームを持つ以上、機体の姿もそれに近しいもの・・・では無かった。
18mというMサイズにしても小型なボディと丸みを帯び段モールドが数多彫られた装甲
全身に取り付けられた半透明の球体は鮮やかなピンク色であり、ボディの白と相まって神々しさよりも可愛らしさが前面に出てしまっている
極めつけは『翼が無い』ということ。
頭部左右から機体全長と同等の長さを持つ翼らしきものは生えているが、どちらかと言えば動物の様な垂れ下がった巨大な耳だろう。
・・・ケルビムというよりはその周囲に居る『小天使』か、肩に乗っていそうな『使い』の方があっていた。
事前に情報を持っていたライトでも肩透かしを食らうだろう。
見た目もそうだが武器もスッキリしている、逆にスッキリしすぎて何も持っている様子は無いのだ。
恐らくは内臓兵器を使用するのだろうが、ゴテゴテと武器を装備しまくるユウセイとは対照的に見目から兵器と判断できる要素は一切無い
「輸送機の遅れから到着に支障が出ると判断し単機で来た
連邦軍欧州支部所属ハーゲン・クルーゲ少尉だ」
通信から聞こえてくる声は若い、いや幼いとすら感じる男性の声。
映像を見るとその線の細さ、髪と肌の色の薄さは希薄さすら感じさせるほどだった
>>578
ハーゲンは波紋のような物をアルブレードから感じ取る。
それが念動力者同士の共鳴であることは一瞬にして判断できた
事前情報からこの部隊に所属している念動力者がただ1人で、感じた念がその情報からハーゲンが持ったイメージそのままだった事で
パイロットがユウセイであることも同時に理解できた。
(へぇ・・・)
瞼も瞳も表情筋すら1mmも動くことの無いまま、言葉は発さず内心でのみそう呟く。
これは関心したから漏れ出した言葉では無く、むしろ蔑みや嘲笑から出たものだった
(イサム・カイオウが入れ込んでいると聞いていたけど・・・ねぇ?)
彼がユウセイに対して押した烙印は『微妙』、溜息すら笑い出して仕舞う肩透かしだ。
当然この思考はユウセイの念で読み取るなど出来る訳が無い、ハーゲンの念はユウセイの軽く上を言っている。
だが塗り潰すのが巧いからこそ、ユウセイはそれを悪寒や不安のような漠然とした何かで感じ取ることが出来たかもしれない
581
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/17(日) 18:07:08 ID:Otg.6qCQ
>>574
「了解アルブレード 動作チェックを行う」
左腕はシールドをもつ重要なアーム、動きませんシールド持てませんじゃ戦闘の継続性に支障が出る
暫し肩をまわしたり、腕を曲げ伸ばししてみる
・・・どうやら異常は起きていない
「動作チェック完了 何処も異常なし、メカニックに感謝 以上通信終り」
簡単な礼を述べて通信を切った
>>577
>>579
「了解だ!! ボマー3!! エンゲージ!!」
その言葉と共に最前線へと到着、交戦に入る
すぐ近くを飛んでいたアルブレードもまた交戦に入ろうとするも
地上からの砲撃により中断を余儀なくされている
「いい仕事をしてくれたメカニックのお手伝いと参ろうかね!! ボマー3よりアルブレード!! これより火力支援に入る!!」
通信を入れると、右腕のリボルバーカノンのシリンダーが回転 発射体制に入る
「これでも・・・喰らえ!!」
トリガーを引を引き、火薬の発火と共に弾頭が連続発射され、焔姫を蜂の巣にしようと、真っ直ぐに飛んでいく
582
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 18:50:37 ID:YSz6PHes
>>579
「あくまでも、遮るか。」
攻撃を、遮った。ガトリングその先には、見覚えのある三人娘
>>「薄情なもんね!昨日までは仲間同士だったくせにさ!」
「黙れ、余所もんが、お前等こそ、この前まで、連邦に協力してただろ。」
「俺だって、こういう事はしたくないが、」
「俺にも、目的がある。邪魔するなら、命は取らないがその機体、破壊する。」
迅雷を抜き、戦闘態勢に入る。
が、
>>580
「!………今の、何だ?」
明らかに、首筋に変な悪寒がした。
「気のせいか、まぁ良い。」
今の事は忘れることにした。
>>581
>>「動作チェック確認完了 何処も異常なし、メカニックに感謝 以上通信終り」
「アルブレード了解。」
何とか、旨くいった。
そして、お礼とばかりに、
>>「これでも…喰らえ!!」
三人娘の、突撃に砲撃が加えられる。
「このチャンス、逃さん!」
残りの、雷姫、風姫が気を取られている隙に
「まず、一人。」
雷姫の、右肩に、迅雷の一撃が走る。
583
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 19:20:44 ID:H2JE3lCU
>>578
>>579
「あなたなら余計な事は考えずに来ると思っていたわ。ユウセイクン」
単純なこの男ならば、遠慮なんか見せずこちらを攻撃してくれるはず。と、期待?の様な物を持っていた。
予想通りにアルブレードはアイゼルネ・ブルートへとトンファーで攻撃する体勢に入っている。
遠慮なんかされたら、こちらも戦いにくくて仕方が無い。ユウセイのおかげでレイナも要らない気を遣わなくて済む。
【「ブレードトンファー、セット」】
ユウセイの気合いのこもった一打が今回は敵となってレイナを襲う。
その踏み込みの鮮やかさや見事。言うだけの実力は有る。
「でも、届かないわね」
しかし、レイナは目を閉じたままアイゼルネ・ブルートは未だに微動だにしない。
このままでは肩をやられてしまうが、何故黙ったままなのだろうか?
【「薄情なもんね! 昨日までは仲間同士だったくせにさ!」】
アルブレードの突撃に備えて、焔姫からの横槍が入った。
当然、レイナにはそれが解っていた訳でユウセイへの先程の対応であった。
「あら、よくやったわね駄メイド。ちゃんとサポート出来るじゃない♪」
その汚名はマヤの事らしい。そりゃあつばめや静香はともかく、マヤが大人しくメイドなんてしているとは思えないが。
「こちらの勝手な事情に付き合わせて悪いけど、ここで奴らに屈する訳にはいかない。
……何だろうとアテにさせてもらうわ」
マヤ達の世界の事。置かれた状況。それを目覚めてからだいたい聞いているレイナは、よその世界の揉め事に彼女らを巻き込んでいる事を謝罪。
それでもレイナ側に協力してくれる三人娘に対して心が熱くなる。……無論、恥ずかしいので口にはしないが。
>>582
「家臣を守るのも王の務めなのよ」
雷姫、風姫までたどり着ける訳が無い。ユウセイは既にレイナのマークの内にいる。
レイナが先に立ち塞がった。
「今度はこちらのターン!……追われるものが余裕を持ち、追う者の心が焦りに縛られる。今の私と君がまさに追う者、追われる者!
そしてユウセイ、これが追われる者の力だ!……アブソリュート・パワーフォース!!」
ガトリングの火線から飛び退いたアルブレードの回避動作にあわせ、手持ちのデアボリック・エクスキューショナーで下半身を削ぎ落とさんばかりに斬りかかる。
何か不可解な攻撃名を叫んでノリノリなレイナだが、このユウセイとのデュエルを前にして絶対にやろうと事前に決めていたらしい。
>>580
【「輸送機の遅れから到着に支障が出ると判断し単機で来た
連邦軍欧州支部所属ハーゲン・クルーゲ少尉だ」】
「欧州支部所属エンジェルフェザーの明智ライト大尉です。ターゲットのレイナ嬢はあのゲシュペンストタイプに乗っています。
生け捕りにします。参加してください」
ライトもその線の細い病弱そうな少年兵へ挨拶を返す。
大丈夫。これならばどっかの誰かと違って制御下におけそうだとライトは安堵。
(……しかし奇妙な機体。ただの丸腰じゃない?……レリエル派生では無いから、余裕なハードポイントが無いの?)
機体の方も何やらシンプル過ぎて一撃で撃ち抜かれやしないかと心配である。
584
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 20:49:55 ID:YSz6PHes
>>583
>>「家臣を守るのも王の務めなのよ」
「ちっ、やっぱあの目は厄介だな。」
すでに、アイゼルネの攻撃範囲に入っていた。
>>「今度はこちらのターン!(中略)アブソリュート・パワーフォース!」
「ふっ、さすがレイナ嬢、隙を遠慮なくついてきますね。だが、」
迅雷で、デアボリック・エクスキューショナーを払いのけてみせる。
勿論、しっかり回避行動をとりながらだ。
「ところで、少し聞きたかったんですけど」
迅雷を構え、突撃しながら
「アスト博士はどうしてます?」
「いや、ただ、単純にアドバイザーを失いたくない。と思っただけで」
そう聞きながら、アイゼルネに切りかかる。
585
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 21:31:15 ID:H2JE3lCU
>>584
【「ところで、少し聞きたかったんですけど」】
「あら、何かな?」
アルブレードの迅雷とこちらの魔槍の激突は両者、押す事が出来ない拮抗状態に陥った。
そんな最中、随分と余裕綽々のユウセイが質問を切り出して来る。
こちらは必死だと言うのに。
【「アスト博士はどうしてます?」
「いや、ただ、単純にアドバイザーを失いたくない。と思っただけで」】
「アスト叔母様は関係無いわ。これは私という個人に対しての当て付けでしょ?
だいたい、連邦のこのやり方。少しでも汚ないとは思わないかしら?」
「……かしらーZZZ」
レイナはユウセイの良心へ問う。ついでにカナメ女史のやる気の無いまったりしたエコーも加わる。
いつしか切り結ぶ最中、レイナには後方のアルプ・トラウムからミサイルの援護射撃が、ユウセイにはレイナを狙うガブリエルがサポートに入る事になり、両者どちらからとも無く武器を引っ込める事になる。
「ハヤミ中尉!反逆者の言葉にたぶらかされ無いでください!!」
メンタルの弱さに定評の有るユウセイの心を持って行かせまいとライトはユウセイへも渇を入れる。
しつこいガブリエルの射撃の幾つかはアイゼルネ・ブルートを確実に捕らえ、その装甲を焼き焦がす。
「あら!?逆にユウセイクンを中尉に上げて飼い慣らしてるのはそっちよ」
レイナも黙ってやられる訳にはいくまい。アイゼルネの蝙蝠型小型ユニットが白く神聖なるガブリエルに群がっている。
「行くのよサーバント達!肉付きは貧しいけれどその天使を食べてしまいなさい」
「う、うるさいですよ!」
ライトは自分の貧相なボディを貶され、挑発に乗せられている。
しかし、この蝙蝠を引き剥がすのには結構、手こずる筈だ。しばらくは五月蝿い事は言ってこれないだろう。
【アイゼルネ・ブルート:レーザーガンが命中/残りHP85%。徐々に回復中】
【ガブリエル:ナイト・フライヤーが命中/残りHP90%】
586
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/17(日) 22:00:33 ID:rfo0g7p6
今回、欧州支部サイドにとっては有利な状況が色々重なっている。
イサムの失脚に加え軌道艦隊から来たマデリーンの暴走で河嶋まで大人しくせざるを得ない。
マデリーンの夫のヴィルヘルムは元々欧州支部に在籍していたため敵対的になる可能性は低い。
かねてより暗躍していた目の上のタンコブであるウー・グリソムは死んだ。
そう言うわけでシルバー・バレット隊が大きな顔をしているが、ヴィルヘルム・エッシェンバッハ少佐は飄々と新型機の習熟に努めていた。
今回のミッションにも口を挟んだりせず、ライトの指揮に従っている。
今日もまた、ここ数日ですっかり見慣れた白いType-315パイロットアーマーでコクピットにいた。
「こちらハンター1、これより出撃する」
『ハンター2、続いて発進準備にかかります』
カタパルト上の“スカウト”も、その近くにいる“ランチャー”も、“葉桜E-2”とM950マシンガン、スプリットミサイルを装備。
加えてスカウトには修理装置、ランチャーには補給装置を振り分けてある。これは、『お前たちは支援に回れ』というシルバーバレット側の意向だろうと何となく察していた。
587
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 22:11:05 ID:YSz6PHes
>>585
>>「アスト叔母様(中略)思わないかしら?」
>>「………かしらーZZZ」
「エコーは、何だかしりませんけど、まぁ少しぐらいは同感ですけど」
そこで、言葉を切り、
「連邦軍の前線部隊を叩いた時点で、貴女たちは敵です。」
後ろに、少し飛び、居合いの状態に入る。
「そういうことを言うなら、清廉潔白の身で、言ってください、な!」
そこから、迅速の型を放つ。
588
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 23:12:21 ID:H2JE3lCU
>>587
【「連邦軍の前線部隊を叩いた時点で、貴女たちは敵です。」】
「ふうん。敵ねぇ私達が」
レイナはさも興味を失ったかのようにユウセイでは無く蝙蝠達と戯れてらっしゃった連邦の軍師殿の姿を見ている。
「ハヤミ中尉、それで良いのです。あの反逆者どもは武装解除を迫る武富大尉の部隊を撃ち落としました。
それはこちらに対する悪意敵意の現れにしか考えようが有りません」
レイナの言葉はユウセイには届かない。
それを良いことに更にライトはユウセイをそそのかす。
(……なんだ、捨て駒の先発部隊も思わぬ所で役に立つものね。武富大尉、あなたもこれで少しは私に先輩面出来た事でしょ)
ライトはここに来てようやくユウセイを上手く制御しつつ有った。
そしたら思わず、勝ち誇った顔をコクピットで浮かべていた。
【「そういうことを言うなら、清廉潔白の身で、言ってください、な!」】
等と話す機会すら与えようとしない連中がよくも言ってくれたものである。
(……その無駄な動作)
やはり後ろに飛び、刀を仕舞い居合いの状態に入る。その後ろに跳びのくその動作こそ命取りである。
「……傀儡が。やれ、カナメ!」
アルブレードがバックステップから着地する瞬間を見据え、レイナはアルプ・トラウムへ冷淡に指示を出した。
「あー……はいはい。アストせんせぇの助手に手を出すのは忍びないけれどね?
……まぁ適当に当たってギブアップしちゃいなさい」
アルプ・トラウム側も寸分違わぬタイミングでレイナの合図に応える。
艦体からホーミングミサイルの連続発射が行われた。
着地の瞬間をドンピシャに狙われたアルブレードは、これで無理な体勢を強いられるに違いない。
そうなれば……!
【アルプ・トラウム:ホーミングミサイルでアルブレードをカウンター攻撃】
589
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/17(日) 23:14:10 ID:usPXYdu.
レイナ邸包囲より某所にて
「始まったか…!!」
此処は過去ある組織がある目的の為に建造し来たるべき時のために秘匿され『連邦』からは忘れられし兵器保管庫
レオンはその保管庫のカタパルトと思しき場所に黒い標準サイズの戦闘機に既に乗り込んでいた
コンソールをせわしなく操作しつつ通信を開く
「…微調整程度なら後で良いだろ?」
その声はやや苛立たしげだ
『そんなに急かさな〜い。あの子のインターフェースは確かにあのシステムと相性は良いけど〜…』
あの子とは、あのアホウドリ部隊から強奪したアシエルの事だ
しかし、変装にも気が付かないとは
(だが、やはり…)
『調整ギリの新型なんかよりエフゼロで〜とか思ってる?ダメよ〜?』
「!」
コンソールをいじる手が止まる
『はいそこサボらない。向こうも反逆者討伐は建て前。その実態は…』
「解っている。取り分け演習の意味合いが強い。新型…あるいは強化兵の投入…』
『エクセちゃんが本調子でも多分…無理。さ、これで戦える』
レオンのコクピット内部にステータスが表示される
…万全では無いが戦闘を行うには支障はない
前進翼に機体左右と下部に取り付けられた三面カナードの黒い戦闘機は脈を打つかのように紅い光が装甲の内側で明滅する
後部に配置されたテスラ・ドライブが解放の刻を待っていた
「じゃあ…行ってくる」
『いってらっしゃい』
続け
590
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/17(日) 23:36:30 ID:0rs51FK6
>>582
>>583
「だぁれが駄メイドよ!! あんまり憎たらしいこと言ってると、あんたも撃ち落とすわよ!」
実際のところ、ここ数日のメイドとしてのマヤの働きは酷いものだったが、それはまた別の話である。
物騒なことを言いつつも、火力支援の手は止めない。
雷姫を目掛けて斬り込もうとしたアルブレードカスタムはレイナが抑えてくれた。
ならば、ここは彼女に負担がかからないよう、近辺から迫る敵に牽制をかけるのが定石だろう。
>>580
「静香、つばめ! 降下してくるあの白いのを迎撃!」
「了解!」
風姫のビームキャノン、雷姫のマシンキャノンによる対空射撃がインセイオンを出迎える。
>>581
そのとき、側面から飛んできた実体弾が焔姫の構えたガトリングを直撃した。
「うあ…!」
咄嗟のバックステップにより、機体に被害は受けなかったものの、
ガトリングは砲身をひしゃげられ、無惨に地に転がった。
「くっ、あのときのムキムキオヤジ! よくもやってくれたわね!!」
只では済まさないとばかりに、両腕を振りかざす焔姫。
アームファランクスが火を吹き、無数の弾丸がドロワナを目掛けて放たれる。
591
:
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/17(日) 23:45:04 ID:usPXYdu.
>>589
よりつづき
>>587
>>586
>>585
>>576
>>579
最前線ではないヴィルヘルムのスカウトのレーダーに僅かながらの反応…しかし、その僅かな反応に気を配れたかは定かでは無いが
ただ、確かなことはセバスチャンの随伴機数機のシグナルが消えていたことだった
そして直後、焔姫の正面の木々と地表が突風により粉々となる
ドロワナから焔姫に向けて放たれていた銃弾は必然的に黒い暴風の球体に向けて吸い込まれると同時に火花と化して銃弾達が姿を消した所で周囲に爆風の如き衝撃を走らせながら、ようやく静止する
その削れた地表の中心には紅い目を光らせた、黒色の人型の姿が見える
背部に刀剣を納めた鞘状のデバイス、肘から肩付近まで延びた紅い稲光が走り続けるブレード状の物質が目を引いた
ディテールこそ大分異なるが、背部の子機格納ユニットがアシエルのものを彷彿とさせる
黒い機体はドロワナを余所にヒツギのゲシュペンストに語り掛ける
「よう。随分と元気がないな?バナナが足りなかったか?」
592
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/18(月) 00:37:22 ID:LVF3Nr/M
>>581
>>584
レイナの事をまるで知らないゼップが攻撃するのは分かる
だがユウセイやライトが容赦無く引き金に指を掛ける、ヒツギにとってこの戦場は異常に見えた。
(何で躊躇無く撃てるんだよ・・・!!)
>>577
>「ふん、ヒツギか。そんな所で何をしている?お前の居場所は……」
「レイナ、俺はお前と・・・」
レイナが何かをヒツギに言いたかったように、ヒツギもまたレイナに対して何か言いたげだった
今回ゲシュペンストはG・リボルヴァーを搭載した完全接近戦仕様
腰のハードポイントに備えられたリボルヴァーを引き抜くと、一瞬戸惑ったかのような動作を見せた後に銃口はレイナへと向けられる。
パイロットであるヒツギは眉を潜ませ、力強く閉じられた口からは歯軋りの音が聞こえてきそうなほどだった
銃口を向けるのがやっとと言った様子で、火を噴く様子はまるで無い。
>「ダメです、ハヤセ少尉。その“反逆者”を逃がさないで!!」
硬直していたレイナとヒツギの間に割って入ってきたのはライト。
その言葉に完全に無意識を持って反応し、その銃口を下げてしまう
("反逆者"だって!?逆だ!この状況じゃまるで・・・!!)
そこから先の言葉はヒツギの理性が押しとどめさせた
いっそどうすればいいかを誰かに尋ねてしまいたい、投げ出してしまいたいとすら思える。
だがこの戦場に出ることを志願したのはヒツギ自身だ
嫌だったのだ、レイナが誰かに落とされるところを無視するのが
自分の手で落としたいと言う訳ではない、ただ納得できる理由も無く『嫌だった』のだ
>>591
連邦側に合流した白い機体に対して、レイナ側に突如として現れた黒い機体。
機体自体のデータバンクにその存在に対しての情報はゼロ、ヒツギ自身アシエルを見たことが無い為どんな兵器であるかも分からない
だがその機体から投げかけられた声にヒツギは驚愕した
>「よう。随分と元気がないな?バナナが足りなかったか?」
「・・・! レオン!」
間違いなくレオンの声、ドロワナの攻撃を防いだということはレイナ側
正規階級を持つ連邦ではなく、レオンは敵であるそちら側に付いたということだ。
苦虫を噛み潰したかのような表情と震える声、それはレオンに向けられたものではない。
むしろヒツギ自身に対して向けられたものだった。
『軍人』では無く、それで居て『一般人』でもないヒツギがこの状況に対して解答を出すことは難しい
どちらにしても仲間に対して撃つ結果になるのだから
「お前もレイナ側に付くのか・・・!!」
593
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/18(月) 00:52:41 ID:vUAXZLck
>>591
「何かっ……来たっ」
背面にマウントした、E-WAC用のV字レードームが反応を拾い、警告するも間に合わない。ベテランの戦闘機乗りである彼をしても追い切れぬ速度で数機の反応が消えた。
「あれは……識別無し、敵かっ!?」
ヴィルヘルムは気付かなかったが、ラウディは声に聞き覚えがあった。
『敵に……回る!?』
594
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/18(月) 01:19:30 ID:LVF3Nr/M
>>583
>ターゲットのレイナ嬢はあのゲシュペンストタイプに乗っています、生け捕りにします。参加してください」
「生け捕りね・・・フフ、なるほど了解した」
虫も殺せぬといった爽やかさすら感じさせる表情と共に笑いを零しライトからの指令を受け取る
どの機体かなんて情報はまったく持って見ていなかった、むしろ見る必要が無かった。
敵対している機体の中で発する念が大きく異なるものが1つだけ存在していた、彼がそれに気づかないわけが無い
「他の機体や戦艦も同一の対応でいいのかい?」
>>590
「おっと!」
ライトとの状況の確認を行っている最中、地上からの攻撃を察知したハーゲンは機体を翻すような動作でその奇襲をかわす。
攻撃してきたのは・・・事前に受け取っていたデータにあった、風姫と雷姫と言う機体らしい
データ上だと保護対象として処理されているが、どうやらレイナ側に加勢しているようだ
「敵なら仕方ない、仕方ないね」
地上に居る風姫・雷姫に対して両手それぞれを向けて広げると、そこに備えられたピンク色の球体に光が走る。
その状態から地上へと真っ直ぐに急降下しつつ、手の平から数多の閃光が放たれた
フェザーバレット、打ち出したエネルギー弾の形状がまるで羽のようであることから名づけられた兵器。
一般的なビーム兵器と同一のようなものらしいが羽と言うだけあって撃ち出しが軽い
またライフルよりはマシンガンとしての性質に近いらしく、集弾性も良くは無い様で広範囲にばら撒くといった感じだ
>>591
(あれは・・・極端に改造されているとは居え間違いない、ベースはアシエルか)
攻撃を行いながら、しかも急降下をしている最中だというのに余裕を持ってレオンが持ってきた機体に視線をよこす。
データには無いがハーゲンの頭の中には類似する機体が該当していた。
アシエル・・・自身も所属するSK指揮官クラスに配備される機体であり、そう易々と行き渡るものではない
レイナが所有していたとは考えづらい、つまりあれはレイナに協力的な
且つSKとある程度近しい距離にある組織からやってきたということ。
ハーゲンは既に察しが着いていた、が周囲の反応を見るに他のパイロットとは顔見知りだったらしく伝えるまでも無いと判断したらしい
595
:
姫&リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/18(月) 02:51:10 ID:l3BVNSVw
>>569
,
>>588
小田原での戦闘があってから数日が経ったことで、甲斐の艦体のダメージは全て回復し、フォトンブラスターも使用可能となっている。
が、復活した甲斐の復帰後の初戦闘は、かつての仲間を討ちにいくという、何とも気分の乗らないものとなった。
名目の上ではレイナ・カーマインを危険分子と判断したことによる強制執行……となってはいるが、
(多分それだけじゃないって思っているのは、私だけではないでしょうね……)
艦長席に座っている武田・姫は、とりあえずの指示を出し終えた後に、そう思案する。
甲斐は現在、艦載機の出撃を終え、味方部隊の後方に控えている状態だ。
艦砲射撃で相手の戦力を減らした後に艦載機を出撃させるのがセオリーだが、今回の事情、及び相手の展開速度から、
早くも戦場はPT同士による白兵戦へと移行していた。
前方は敵味方が入り混じったフィールドとなっており、艦砲射撃が使える状態ではない。姫に思案の時間が出来たのは、だからこその話。
(こんなとき、スノウフェイル少尉だったら何て指示しているんでしょうか……)
ちらりと艦長席の隣を見るが、そこに立っているはずの副長、リリーの姿はそこには無かった。
なんでも、「ちょっとしたサプライズがあるので、後で合流する」とのことだったが……。
「艦長! 敵艦のミサイル発射管が開きました! アルブレードを狙っています!」
と、敵艦に動きがあったようだ。
味方が展開しているのは向こうも同じではあるが、距離関係で言えば、こちらが切り込んでいる状態。
先遣隊を蹴散らしたあの艦砲は使用できずとも、対空ミサイルくらいは使えるということか。
何とかしてやりたいところだが、甲斐の武装ではそれもままならない。ユウセイの近くにいる味方機に期待するしかないか……?
『あれはこちらに任せて下さい』
そう思った矢先、そんな抑揚を欠く声を乗せた通信と共に甲斐の下方向から2条の巨大な青いビームが飛来し、
アルブレードとアイゼルネを分かつような軌道でミサイル群を薙ぎ払った。
それから一呼吸分遅れて、甲斐の後方からフライヤーモードのビルトラプターが凄まじい速度で駆けていって、
『墜ちろぉっ!!』
そのままの速度でPT形態へ変形し、手持ちのランチャーで先ほどのビームが撃ち漏らしたミサイルを撃墜していった。
>>587-588
「おいしいタイミングだったようですね」
PTのものよりもかなり広いコクピット内で、カチューシャ型のヘッドセットを装着したリリーが、いつもの調子でそう言った。
対する姫は驚きを隠せないようで、
『り、リリー少尉ですか? その機体は一体……?』
「ああ、艦長、遅くなって申し訳ありません。ですが、言ったとおりにサプライズだったでしょう?」
姫が驚いているのは、本来甲斐の副長であるリリーが機動兵器に乗っていることももちろんだったが、
その機体のインパクトのほうが、理由として大きかった。
全高60メートル超級の重厚な鈍色の機体と、両腕に装着されたぶ厚い盾。肩から伸びる2門の巨大な砲……インパクトを受けるな、
と言うほうが難しいその機体は、その名をジガンスクード・アンジェという。
鋼龍戦隊で運用されている「巨大な盾」ジガンスクードのデータを元に新造された、もうひとつの「盾」であった。
「まあ、クレマチ伍長と一緒に遅れた分は働きますよ。全体の指揮は明智大尉が執っているんでしたっけ?」
『ええ、そうです。今はガブリエルに乗って、前線に』
「了解です。まずは、少しの間あの艦を黙らせることにしましょう」
緊急展開用の大型ブースターを使ってアルプ・トラウムよりやや低い高度まで上昇したジガンスクードは、
両肩の砲をその黒い艦に向け、先ほどと同じ巨大なビームを続けて2発、発射した。
スペースノア級の主砲となっている連装衝撃砲と同じ力を持つビームだ。さすがに無視はできまい。
「明智大尉、聞こえますか? こちらスノウフェイル、遅れて申し訳ありません。このジガンスクード・アンジェの調整に少し時間がかかりまして。
エスコートのクレマチ伍長共々、これよりそちらの指揮下に入ります。
この機体は文字通りの「盾」であり、Eフィールドジェネレーターも装備しています。上手く活用して下さい」
アルプ・トラウムに衝撃砲を撃ちかけながら、リリーはライトに対してそう通信を入れる。
596
:
レイナ
◆zv577ZusFQ
:2013/03/18(月) 06:35:48 ID:U8jCKvyI
>>591
【「よう。随分と元気がないな?バナナが足りなかったか?」】
「ふっ……やっと来たわね。遅いわよレオンハルト。今まで何処をウロチョロしていたのか、まぁ詳しくは聞きはしないわ」
見たことも無い黒い機体に乗っているが、レイナには彼が味方だと確信していた。
本来、眷属とはこうあるものなのだ。それなのに……。
「そんな。あれ……あれはアシエル?何故反逆者側に?」
ライトには訳が解らなかった。アシエルと言えばシルヴィエ・クロイツの指揮官達が愛用する最新鋭機。
邪悪に黒く塗装されて少しは外観に相違は見られるがライトの眼はそれを見抜く。
>>594
【「他の機体や戦艦も同一の対応でいいのかい?」】
「いや、レイナ・カーマイン以外は生死は問いません。あまり抵抗が激しいなら見せしめにいくつかに消えてもらっても別段、問題はありません」
……何を言っているのだ彼女は。酷く独裁的なこの思想。今までの彼女はそうだっただろうか?
ライトの頭は欧州フリードリヒ・マクシミリアンに与えられた使命を果たそうとする事で一杯となっている。
そんな訳で、敵の生死は問わない等と一番最悪で最低な選択を取る。
そしてそれを告げたのは最も危険な存在。
>>595
「カナメ様、甲斐が出ました。こちらの進路上です」
「……んにゃ。私らの退路の上に。すごく邪魔なんだけれど。一旦、艦を止めて」
イクリプスの一報を受け、心底面倒臭そうに顔をしかめるカナメ艦長代行。
ブリッジクルーのメイド達も甲斐との邂逅にざわざわとしている。
このまま突破するにはあの主砲が邪魔だ。流石にこちらのバリアでも損害必死。
【『墜ちろぉっ!!』】
「……アカリぃっ!」
一方、こちらユウセイを仕留めようとするホーミングミサイル。
それは突如突撃して来たビルトラプターにて到達せず全弾撃ち落とされていた。レイナが与えたあの機体が今はレイナに皮肉にも牙を剥いて来る。
出来れば彼女には敵になって欲しくは無かったのだ。
「速い!?」
しかし居合い抜きを未然に阻止する為に撃ったミサイル。それがユウセイに届かないとなれば、次に迫るのは完璧な状態から繰り出される神速の居合い。
爆風の中を抜け、アルブレードがアイゼルネ・ブルートを一閃。
「やるじゃないかユウセイクン」
レイナの反応では今からでは回避不能として機体のダメージを最小限に止める防御の体勢に入るレイナ。
結果的に胴体を斜めに切りつけられてしまう事になり、何故か血飛沫の様な赤いものが装甲の切り口から飛び散った。
派手にいかれた様だが、ダメージは薄皮一枚といった所で有り、マシンセルならばオートモードで修復可能な範囲だ。
逆に、居合い抜きの後の隙を付き、こちらも万全な状態で反撃出来てしまう。
【アイゼルネ・ブルート:神速の型が命中。残りHP65%。徐々に回復中】
「ユウセイ、私は半身と話が有るんだ、しばらくあっちに行っててくれ」
アイゼルネの右腕が伸びて行き、攻撃後のアルブレードへと巻き付こうと迫る。
この拘束攻撃が成立したならば邪魔にならない様にアルブレードを全力で別方向へと投げ捨ててしまうつもりだ。
レイナが見据える先はアカリ。
【アイゼルネ・ブルート:アルブレードへデモンズ・バインドで攻撃】
597
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/18(月) 06:41:17 ID:U8jCKvyI
【「了解です。まずは、少しの間あの艦を黙らせることにしましょう」】
「……んもう。特機タイプも所持しているなんてぇ」
次々と立ち塞がる大きな壁にため息が出てしまうカナメ。
「気を付けて。あれはドゥロとは違って砲撃特化っぽいわ」
遅れて現れたジガンタイプから砲撃されるアルプ・トラウム。高機動が売りの当艦はイクリプスの絶妙な舵取りにて艦体を反らす事に成功する。
しかし、それでも艦の主砲クラスの強い砲撃はアルプ・トラウムが発生させる赤いバリアを難なく突破し、艦体に砲撃の与波をかすらせる。
それはブリッジにも衝撃を伝え。
「「きゃあぁー!」」
ブリッジのメイド達が悲鳴。
「目が……目が回る〜」
そして、ふしだらな二つの果実を縦横無尽に揺らしながら、艦長のカナメはフラフラになっていた。
「失礼しましたカナメ様。厄介ですね、あの砲台」
アルプ・トラウム側もこのまま撃ち続けさせる訳には行かない。
1人涼しい顔のイクリプスは、慌てずナイト・フライヤーをジガンへと射出する。
アイゼルネ・ブルートのモノと同じ名称の蝙蝠型の自動攻撃子機である。ただ、大きさは艦に搭載する際にそれ相応の大きさとなっており、強力になっている。
ずんぐりした巨体に群がり、その牙、その翼にて切り裂かんとする。
【アルプ・トラウム:残りHP90%。ナイト・フライヤーでジガンスクード・アンジェに反撃を行う】
【「明智大尉、聞こえますか? こちらスノウフェイル、遅れて申し訳ありません。このジガンスクード・アンジェの調整に少し時間がかかりまして。
エスコートのクレマチ伍長共々、これよりそちらの指揮下に入ります。
この機体は文字通りの「盾」であり、Eフィールドジェネレーターも装備しています。上手く活用して下さい」】
「スノウフェイル少尉?……しかしその機体はどこから……いいえ、そんな事はあの反逆者どもに勝利してからで良いか。
あてにさせてもらいますよ。このままあの艦を沈めて下さい」
欧州、極東でも無い別陣営の介入を怪しむが今はそんな事はどうでも良い。
勝たなければ意味が無い。そのライトの目はあたかも何かに取り憑かれたかのようにギラギラとしていた。
「……クレマチ伍長、しばらく後に撃墜された振りをしてレイナ・カーマインをこちらのオープンスペースまで誘導して下さい。
彼女はあなたに拘っている。話を聞く振りでもしていれば、必ず誘き寄せられるはず」
ライトがプライベート回線でアカリへと不思議な指示を出す。
この際、外道な手段などとも言っていられない。レイナを突出させ、こちらの隠し玉のシルバーバレット隊にて袋叩きにしてしまう予定だ。
当初は、ヒツギにこれを頼む予定であったが彼をレイナに近付けるのは予想以上に危険と判断した為の代案。
598
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/18(月) 10:49:04 ID:gft2ET8E
>>588
>>「……まぁ、適当に当たってギブアップしちゃいなさい」
「ほんとに、殺す気か。あの人は」
回避は、不可能に近い、なら、防御を、と思った矢先
>>595
>>「墜ちろぉっ!」
「ビルドラフター、クレマチ伍長か、助かりました。流石は、レイナ嬢の半身」
礼は、言っておく。
「この完全な体勢のまま、放つ。」
神速の居合いは、アイゼルネに当たったが
>>「やるじゃないか、ユウセイクン」
「薄皮一枚か、となると、」
当然、反撃が来た、しかも拘束型の
「恐らく、クレマチ伍長と二人で話がしたいのか。じゃあ大人しく捕まりますか。」
特にといった、抵抗もせず、大人しく捕まる。
599
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/18(月) 11:56:44 ID:U8jCKvyI
>>598
「ヒットよ。じゃあ君はあちらでお友達と仲良く遊んでいるが良いわ」
アイゼルネはその名前に似つかわしく無いもの凄い怪力でホールドしたアルブレードを勢い良く放り投げた。
アルブレードはまるでプラスチック製のオモチャの様にふっ飛んで行き、その投げる先にはレイナがここで最も危惧するべきと読んだあの者の機影が見える。
(……気に入らないわね、このプレッシャーみたいなもの。正直、つばめと静香で何とかなるとは思えないな)
ユウセイがふき飛ばされたのはシルヴィエ・クロイツの念動力者の機体の元。
まるでツインテールの様な妙な頭部をした白い簡素な機体だ。
レイナはこの機体に不気味な違和感を覚え先程からチラチラ気にしていた。
念動力者であるユウセイを利用して、そのツインテールの何らかの反応を見られる物かとの抜擢である。
(……それに。何だかんだ情に厚いユウセイクンが居れば最悪、奴に静香達が殺されてしまう様な事は無いと思うからね)
そこに最低限の保険をかけておいた。
今は敵だがレイナはどうか期待通りに動いておくれよと願っておいた。
600
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/18(月) 18:27:35 ID:gft2ET8E
>>599
「ああ、やっぱ吹っ飛ばされんだ。」
勢いよく、吹っ飛ばされた、
「激突は、避ける。」
ユウセイは、機体をそらし、逆にブーストをかけることで、落ちることを阻止する。
(待てよ、もしかして、)
明智大尉は、ピッドに阻まれている。
ヒツギも、戦意を喪失して、戦えない。
おまけに、レオンバルトもいる。
「多勢に無勢、俺が行っても、背後から彼奴等がくる。」
なら、そう思い、軍用回線を開く
「アルブレードより、ケルビル1へ、エンジェル9明智ライト大尉の援護をして貰っていいですか?、あの二人は俺がやりますから」
そう、連絡を入れる
601
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/18(月) 21:42:47 ID:Wt3wSd0w
>>590
命中を確認 あの物騒な対空砲火を一つ、無残な鉄くずに変えてやった
然し間髪いれず行われたのは、視界一杯に広がるといって差し支えないほどの弾幕
「コイツはいい!! こいつはいいぞ!!」
その中でこの男は、シールドを構えて笑っていた
けたたましい轟音、背筋を凍らせる死の気配、被弾を知らせる無数の警報
その全てが、あの懐かしき最前線、碌に制空権も取れてない中、電話一本でアヴェンジャーを届けた激戦区を思い出させてくれる
ソレを体現しているのは、ただのAM一機だというのだ
「やぁ久しぶりバニーちゃん!! さっきの戦艦にいたのは人違いだったようだな!!
熱烈な歓迎どうもアリガトウ!! これでこそ戦場!! 懐かしき我が家へただいまだ!!」
シールドに小さな穴が幾つも開き、覆い切れない箇所の装甲を容赦なく削り取って行く対空砲火
だが致命傷には程遠い、程遠いなら 反撃は十分に可能なのだ
ウィングに搭載されたロケットランチャー スタンバイ
トリガーを引き、発射される
「今度はイテェじゃすまねぇかもしれねぇぞ!!」
敵機ないし、地表に当たれば炸裂する榴弾が計4発 焔姫に向けて発射された
>>591
そんなご機嫌な戦場で一つの小さな異変が起こる
何のことはない レーダーに映る随伴機体が全て消えうせたのだ
「なんだ? いつもの故障か?」
ステルス性のその機体に気付くことも出来ず、ただ味方のみが消えたとなれば
その原因をレーダーの故障と考えるのも無理はないだろう
なに 何時もの事と拳を振り上げ、レーダーのディスプレイに一撃、壊れた機械はこうやって直す
だが幾多の機械を直してきた鉄拳も、正常なものを直すと言う高等技術は持ち合わせておらず
「なん・・・・攻撃だと!?」
ここで初めて自身が攻撃を受けたことを自覚する 自分の見える範囲全てに視線を向け、やがて発見する数瞬までそこにいなかったはずの黒い機体
型式は・・・不明、見たこともない、その風貌に薄気味悪さすら覚える
武装から近接特化型と判断をつけたその黒い機体は、すぐ近くの自分には目もくれずに、ヒツギへとコンタクトを取っている
いざとなったら援護に移るか? 焔姫とのタイマン中、ソレは中々骨の折れる援護だと、知らずの内に汗で濡れた掌を軍服で乱暴に拭い、今は焔姫への攻撃に専念する
602
:
その頃、諏訪
◆E8ckRIIdug
:2013/03/18(月) 21:54:14 ID:vUAXZLck
「レ、レイナが襲われている……何という事を!」
「はぁ、欧州の派閥が何やら。色々とガタガタしているようで」
諏訪大社。
激烈な弾幕戦の末に破れて“諏訪法性(の一つ。複数が現存している)”を奪われた、その当事者を調査中、マーガレット・ウィリアム=ウィルマース博士は……
「何とかしてレイナに救援を……法師、今こそ」
「ひょっとして、開祖普化の超機人とか期待してません?拙僧はそんな話聞いた事無いでござる」
虚無僧とは禅宗の一種“普化宗”に属する特殊な行脚僧だが、開祖である普化には色々胡散臭い話がある。
メグがつい期待するのも無理からぬ事だが、そうそう出てくる訳がない。
「しゅーん……」
「ああもう仕方がないでござるなっ!
気休め程度ならやってみるでござるよ」
>>592
ヒツギの脳裏に、声が聞こえる。
数日前に出会った、あの少女の声だ。
『レイナのそばにいてあげて……』
『よろしくお願いします……』
「……あの少年が、どれだけあなたの言葉を思い出せるか、為すべき事を為せるかまでは、分からないでござるよ……」
603
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/18(月) 22:16:28 ID:6mwQhHz6
>>590
>>592
>>601
黒い機体の腰部と肩部に備えられた計四つのマルチポッドからそれぞれ円筒状の物体が射出、一定距離を飛来すると灰色の煙を発し破裂
煙は忽ち焔姫達三機を覆い隠す。マヤ達に対して念の為、状況と相手の情報を伝える
「その煙幕には赤燐の成分が含まれている。赤外線も遮断するから相手の主兵装の威力は半減したと言って良い…まぁ煙幕内は漏れなく見えなくなるのが難点だが…少しの間は凌げるはずだ」
【「お前もレイナ側に付くのか・・・!!」 】
ヒツギのゲシュペンストの挙動は明らかに迷いを孕んでいた
無理もない
言ってしまえばヒツギがあんな機動兵器を駆るハメになったのは成り行きだ
如何にレイナを守る事を誓ったとして、それは極個人的な事情だ
そして頭にクソが付くほどの真面目さからの行動に対する責任、望まれるべく使命とで雁字搦めになる事は少し考えてみれば当然であった
「…まず、俺はお前を先に解放すべきだったかも知れない…が」
煙幕内で前傾、脚部が地表を踏みしめると脚部を中心に紅い稲光が発せられると同時に、そこには蹴りだした際に穿たれたであろう窪みを残すのみ
その姿はドロワナから射出されたロケットの上、射出された先から瞬時にその上を飛び移ると後に残された弾頭は時間差で破裂
その勢いを更に加速させドロワナの脇を抜ける
セバスちゃんの目に映ったその機体の足底部からはブレードが延びていた
ドロワナの後方の地表に着地すると同時に衝撃波と共に姿を消す
ヒツギの駆るゲシュペンストの目の前にムラマサの右腕部からの斬撃が迫る
その斬撃が衝突するかの刹那
衝撃波と僅かに削れた大地がその道なりを示していた
604
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/18(月) 22:43:31 ID:NgQeLKcs
>>594
フェザー・バレットが軽快な発射音と共に降り注ぐ。
風姫と雷姫は素早く左右に散開してそれを回避した。
「…エクリプスさん達が退路を確保するまで、あの機体は私達が抑えましょう!」
「はい、姉さま!」
インセイオンが降下してくるポイントに向けて駆け出す両者。
「スラッシュリッパー、発射!」
風姫のスカートアーマーから、四基の手裏剣状の攻撃端末が撃ち出され、
四方からインセイオンに襲いかかる。
>>601
「何が我が家よ! ニヤニヤしてんじゃないわよ、この戦闘狂!!」
状況が状況だけに、ゼハスチャンの朗らかな態度はマヤの気に障った。
苛立ちながらもドロワナの様子を見やれば、やはりアームファランクスでは大した被害を与えられていなかった。
(…このまま遠距離戦を続けるのは不味い…だったら!)
こういうときに決断を迷わないことこそがマヤの長所であり、強みである。
すぐさま焔姫のブーストを最大にし、向かい来る弾頭を掻い潜るようにしてドロワナへと真っ直ぐに接近していく。
ロケット弾のうち一発が、焔姫の胴へと直撃するかに思われた瞬間、マヤは背に負ったブルーティッシュ・ブレードを勢いよく抜刀した。
「せぇっ!!」
そしてその切っ先を、なんと地面目掛けて突き刺し、自身は高々と跳躍した。
さながら棒高跳びの要領。ロケット弾は焔姫の足元をすり抜け、遥か後方へと飛んでいった。
その勢いのまま剣を引き抜き、前方のドロワナへと突撃する焔姫。
「もらったぁぁ!!」
ブレードの峰に並んだスラスターが点火するや、その機体は一気に加速。
踏み込みと共に、横薙ぎの斬撃を浴びせにかかる。
605
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/18(月) 22:44:22 ID:vUAXZLck
>>603
「ちっ、弱いところをっ」
明らかに精彩を欠くヒツギを狙っている。
ラウディやレミーが事前に話すのを聞くと、ヒツギとレイナがカップル未満だとか何とか。そこに迷いがあるのだから、生粋の軍人であるレオンが突かずにいられないのは分からないでもない。
「やっぱり前に出るんだった……」
このくらいになるとその急な加速に対処して当てるのは簡単だ。だが、有効打になるかは別だ。
辛うじてラウディのアルゴス・ランチャーの長射程ミサイルが届くが……今度は命中の可否が別問題だ。
606
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/18(月) 22:55:22 ID:NgQeLKcs
>>603
「その声、レオンハルトさんですね!」
スモーク・ディスチャージャーという奴だろうか。
煙幕が立ち込め、辺りを覆い隠していく。
「援護ありがとうございます! これなら持ちこたえられそうです…!」
物理的な保護効果はもとより、視界を遮る煙は、自動追尾武器のスラッシュリッパーを主力とする風姫にとって追い風となり得る。
事態は好転している。静香にはそう感じられた。
607
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/18(月) 23:30:28 ID:Wt3wSd0w
>>604
「俺はトリガーハッピーだ!! 戦闘狂と一緒にするな!!」
そこは妙なこだわりがあるようで、マヤに叫び返す
だがそのタイマンにケチをつける機影あり
先ほどまでヒツギにコンタクトを取っていた黒い正体不明機
発射したロケットランチャーを踏み台にこちらへと向かってくる
脚部パーツに取り付けられたブレードを見れば、確かにアノ機体は近接特化型なのだろう
問題はすでにこちらの射程圏内の内側に入り込んでいること
「クソッタレがぁぁぁああああああ!!!!」
何とかドロワナと敵機の間にシールドを滑り込ませ 蹴り脚をブロック
シールドの表面に深く長い切り傷が刻まれる
>>604
一難は去った、確かに通り過ぎた
だがあと一難が舞っていたことに このときまだ気付いてなかった
ロケットランチャーの爆風の中 飛び立つ機影が一機
別の機体が接近中であるアラームが鳴り響く
「誰だ!? ・・・あのバニーちゃん!!?」
見た限りあの機体は地上用として作られた機体であった
それゆえに空中から砲撃と言うアドバンテージを持って無力化しようというシナリオだった
何をどうしたか分からないが、黒い機体の一撃に対処した結果、焔姫に背を向けてしまうと言う愚を冒してしまった
スラスターによる姿勢の制御、精一杯の悪あがき、長刀が煌き通り過ぎた
「ウィング一部欠損!! テスラドライブシステム異常!! ロケットランチャー片方ロスト!! マトリクスミサイルも一部失ったか!!」
背負ったウィングを両断され、ソレによる姿勢制御に異常、成すすべなく地上へ落下して行く、致し方ない 緊急着陸へと移行する
>>603-604
「ボマー3より各機!! 近接特化2機に張り付かれて劣勢!! 誰か救援を頼む!! 援護する側が救援を呼ぶか・・・!!」
通信をオープン、援護を要請 劣勢が続けば嬲り殺しにされるのは明白
「せめて着陸ぐらいは自力で頑張りますかね!!」
墜落するのは初めてではない、スラスターを駆使して姿勢を制御するが、敵が指を咥えてみているはずもない
「マトリクスミサイル!! ファイア!!」
黒い敵機に向けて大型のミサイルを射出、一定の飛行の後にガワが外れ、中の小型ミサイルが黒い正体不明機に向けて飛んでいく
そして焔姫に対しては右腕のリボルバーカノンを起動 弾幕を張って牽制を行う
608
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/19(火) 00:03:08 ID:NQVK3JuM
>>603
>「…まず、俺はお前を先に解放すべきだったかも知れない…が」
>ドロワナの後方の地表に着地すると同時に衝撃波と共に姿を消す
>ヒツギの駆るゲシュペンストの目の前にムラマサの右腕部からの斬撃が迫る
「!!」
瞬時に放たれた斬撃を察知し左腕のブレードを斜に構えて受け、腕を広げる動作と共に後方へ流す
ヒツギからして見たら本気で攻撃してくるなど夢にも思っていなかったはずだ。
瞬時に体が反応し、攻撃に対して防御体勢をとったのだろう
(やっぱり撃ってきたか・・・!)
だが切っ先を向けられることに対処は出来ても、逆にヒツギが切っ先を向けられるかは別の問題だ
しかしながらヒツギはレオンがそんな甘っちょろいことを言って居られる様な相手ではなく
ましてや言わせてくれるような人物でないことも知っている。
少なくとも現状のように防御に徹していては削られるのが目に見えている
「・・・クソッ!!」
横方向に動き間合いを取りながらGリボルヴァーの銃口がムラマサへと向けられると
一瞬の迷いの末に引き金が引かれシリンダーの回転と共に撃鉄が動く。
発砲による反動で軽く右腕が跳ね上がり、銃口からは薄く煙があがる
(今ほど自分の射撃の才能の無さを嬉しく思ったことは無ぇよ!)
ヒツギの射撃能力を考えれば、いくらリボルヴァーが比較的高火力と言えども命中精度は高が知れていた
さらに何時ものヒツギならば引き金を引きながら前に出たところだろう・・・が、今は横に逃げた
下がる訳でもなく前に出る訳でもない、ヒツギの心理状況をそのままに写し取ったものだと言えよう
609
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/19(火) 01:09:12 ID:Lj.Md1m6
>>606
>>607
>>608
【「その声、レオンハルトさんですね!」】
レイナはさておき、機体がここまで違っていても知るもの達には完全に特定されるとは、口角が思わず上がってしまう
先ほど脇を抜けた敵機ドロワナが思惑通りにこちらを向いて追撃
わざわざ無駄になるかも知れない砲撃を行う必要はないからだ
ミサイルコンテナから小弾頭達が解放される直前
こちらの攻撃に対して一瞬間が開いてからの横飛び、そして銃撃
ヒツギにとってもっとも適性の高いクロスレンジでの反撃の選択にしては余りにも
「中途半端な…」
ムラマサの上体を反らせる
ゲシュペンストから放たれる弾丸を避ける為ではない
弾丸は完全に飛び退いた方向へと逸れていたからだ
小型ミサイルの群が一斉にこちらに向けて迫る
反らした体制から倒立、脚部のブレードを展開し体を捻りつつ弧を描きながら飛び退くと切断された弾頭がムラマサとゲシュペンストとの間まで飛来
ムラマサの着地と同時に破裂した
立ち込める煙からムラマサのカメラアイの光だけが見える
「そんな半端な心構えじゃ…死ぬぞ?」
レイナを守って行くにせよ、実質連邦政府の人質である家族の為にせよ
ヒツギがこのままならば生き残ることさえ難しいだろう
そのいずれを選ぶにしても生き延びる事を考えさせる必要がある
ヒツギが仕掛けてこないならこの煙に乗じて敵部隊を攪乱、あわよくば数を減らすまでだ
610
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/19(火) 01:59:14 ID:NQVK3JuM
>>596
>「いや、レイナ・カーマイン以外は生死は問いません。あまり抵抗が激しいなら見せしめにいくつかに消えてもらっても別段、問題はありません」
この時ハーゲンは珍しく少しだけ驚いたような表情をしていた。
データ上だけで判断した明智ライトの口からは絶対に出てこないであろう過激な発言だと感じたからだ。
あの姫3機は所属不明な上に身元不明、利用する方法などいくらでも思いつく。
現に保護及び観察目的で手元に置かれていた程だ、一緒に戦っていたライトがそれを知らなかった訳ではあるまい
どちらかといえば穏健派の官僚タイプ・・・そう判断していたのだが。
もしかしたら正常常な思考状態ではなのかも知れない
「そう、そういうことならそれも良いね
それじゃあお言葉に甘えさせてもらうよ」
ハーゲンはその目を細め、口を三日月形に吊り上げて笑みを浮かべる。
どちらにせよ結果が変わるだけでハーゲンが行おうとしていた工程そのものに違いは殆ど無い
むしろ楽になったというものだ
>>599
>>600
「邪魔」
飛ばされてきたユウセイの動向を確認することも無く
ましてや援護を求めることも無い、完全に介入してきただけの邪魔な存在としてのぞんざいな扱い。
戦闘真っ最中に突然やってくれば当然の対応ともいえるが、ハーゲンはそれとは少し違っているように感じた。
言うなれば邪魔ものとしての扱い以前に、その範疇にすら入っていないとでも言うべきなのだろうか
おそらくユウセイがこの場で帰艦したとしても引きとめもしない・・・そんな風な
>>603
>「その煙幕には赤燐の成分が含まれている。赤外線も遮断するから相手の主兵装の威力は半減したと言って良い…
>まぁ煙幕内は漏れなく見えなくなるのが難点だが…少しの間は凌げるはずだ」
「余計なことを・・・」
相手の放ったスモークがただのスモークで無いこと等瞬時に看破していた。
しかしながらビームの減衰を促す効果をあえて選択したようだが、相手がインセイオンのデータを持っているたは考えづらい
この機体の武装及びシステムは同じSK所属の人間ですら一部を除いて知らないのだから
となると見た目から実弾兵器は所有していないと瞬時に判断したということか
(流石はレオンハルト・シュナイダー・・・と言えばいいのかい?)
>>604
>>606
>風姫のスカートアーマーから、四基の手裏剣状の攻撃端末が撃ち出され、
>四方からインセイオンに襲いかかる。
インセイオンの掌にある球体、先ほどフェザーバレットを放ったそれが再び発光する
その輝きは一律ではなく、まるで脈打つように躍動し、発光を強めるとそれは輪となって両の手に齎された。
形状は天使が頭にでも乗せていそうな、光で出来た輪としか言いようが無い代物
両腕を翻せば掌に吸い付いているかのように追従すし、風切り音を響かせる。
その保持方法と見目から判断して、『チャクラムシューター』ではなく実在する円月輪『チャクラム』に程近い性質であろうか
持っていたスライサーをマニピュレーターの人差し指と中指で挟み、新たにもう2枚のスライサーを生み出して今度は中指と薬指で挟み込む
これで風姫の放ったリッパーと同じ4枚、こちらは機械による誘導ではなく念動力による遠隔操作
先ほどのチャクラムと言う例えが適切であれば、この兵装は・・・
「オービタルスライサー・・・誘導兵器対決なら受けたってあげるよ!」
両腕を振りかぶり、その勢いのまま4枚のスライサーが放たれる。
スモーク化では風姫に対しての有効打にはならずとも、リッパーを迎撃する程度の火力は持ち合わせているはずだ。
その通りに襲い掛かるリッパーと正面から衝突する形でスライサーが激突し4つの爆炎が上がる
「折角のプレゼントだから僕も使わせて貰おうじゃないか」
赤く照らされたインセイオンは、その機動力のままにスモークの中に突っ込んでくる。
あえて視界が悪い中に突っ込んでくるなど正気の沙汰とは思えないかもしれないが、ハーゲンの能力を考えれば無謀な選択肢ではない
念動力者としての素質を持つ彼はスモーク化でも気配を感じることが可能
先ほどスライサーでリッパーを打ち落とせた理由もこれだ、迎撃しようにもリッパーの位置を把握しなければ意味が無い
しかしリッパーの気配を感じることが出来ればある程度の予測が出来る・・・出来たと言うべきか
だがこの状況、実は未だ顔を出していない雷姫の存在があった
611
:
リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/19(火) 04:35:28 ID:f71h2lmc
>>597
戦艦と言えば、火力と防御力に優れ、機動力の低いもの……リリーの砲撃も、そのセオリーに則って行われたものであったが、
アルプ・トラウムの挙動はそのセオリーを完全に超越していた。まさか、あの砲撃群をかすめただけで済ますとは。
だが驚いている暇はない。敵艦から射出された自動攻撃子機がこちらを狙っている。姿形からして、アイゼルネのものをスケールアップしたものだろう。
縦横無尽に動き回るフライヤーに対し、ずんぐりとしたアンジェでは、対処が難しい……。
「……とでも、思いましたか? その幻想をぶち壊します」
外付けされていた大型ブースターを切り離すアンジェ。
固められていた増槽とブースターから開放された背部には、十本の長剣のようなデバイスが装着されており、五対になるように設置されたそれは、天使の羽のように見える。
「ロング・ソードブレイカー、迎撃!」
無論、それは飾りで付いているものではない。ロング・ソードブレイカー。ナイト・フライヤーと同様の、独立攻撃端末。
勢いよく射出されたソードブレイカーはそれぞれに飛び回り、それぞれに迫り来るフライヤーに狙いを定めると、
迷いのない軌道を描き、高速でフライヤーへとその切っ先でもって突撃した。
これによってフライヤーを押し返したソードブレイカーは、さらにその身を縦に割り、内蔵されている砲身を露出させると、
フライヤーの内部機関へゼロ距離射撃を浴びせた。
大型化され、アイゼルネのものよりも強力になっているとはいえ、内部に射撃を食らってはひとたまりもない。
爆砕したフライヤーたちの爆炎の中から、ソードブレイカーたちは悠々と戻ってきて、アンジェの近くに滞空する。
「高速艦と解った以上、隙を見せるのはいけませんね。
甲斐、こちらスノウフェイル。敵艦をスキャンし、テスラ・ドライブを探して下さい。
高速艦と言えど、揚力機関を失えば航行できないはずです。そこを突きます」
『こちら甲斐、了解しました』
甲斐にスキャンを依頼したリリーは、再び両肩の衝撃砲でアルプ・トラウムに向けて2、3度砲撃する。
あの機動を見る限り、この砲だけで艦を無力化することは難しいだろうが、それでも進攻の妨げにはなるはずだ。
そうして砲撃を加え、敵艦を足止めしていたリリーの元に、ライトから返信が届いた。
どうやら遅れたことに対するお叱りは無いようで、少しホッとする。だが、どこか彼女の様子はおかしかった。
レイナと相性が悪い上、エリート部隊であるエンジェルフェザーを隊で送り込んだこの作戦において、
総指揮を勤める彼女が気負うのは無理からぬ事だとは思ったが、それを抜きにしても、あのギラつきっぷりは普通ではない。
姫と同様、リリーもこの戦いに疑問を抱いている一人だったが……ライトの様子がその疑問に拍車をかけたのは言うまでもなかった。
「…………っ、了解、しました」
だが、そんな様子のおかしいライトの指示に、多少救われた者も居る。アカリだ。
ユウセイに迫るミサイルの残りを撃墜した彼女は、そのままビームランチャーの銃口をアイゼルネに向けてはいたが、
指がどうしても動かず、トリガーを引けずにいた。
おかげでユウセイがアイゼルネに捕まって、どこかに投げ捨てられてしまったが、それでもトリガーにかかる指は凍ったように動かない。
次は自分が投げ捨てられるのか? ライトの言うようにこちらに接触してくるのか? 撃つべきか? 撃たざるべきか?
「レイナさん……」
ぐるぐると回る思考が、アカリの精神を加速的に削っていく。
612
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/19(火) 04:36:33 ID:f71h2lmc
>>605
,
>>607
「む、救援要請ですか……」
ドロワナからの救援要請と、戦況モニター確認したリリーは、アンジェの近くに滞空していた五基のソードブレイカーに指示を与えた。
長剣の姿をした独立攻撃端末たちはそう時間をかけずにトップスピードにまで加速し、手負いのドロワナを追撃しにかかるであろう焔姫を横から急襲した。
鋭い実体剣の切れ味を持つソードブレイカーだ、回避するか、何か防御手段を講じない限り、狩る側と狩られる側が逆転するのは必至。
「リューデル軍曹、そのまま焔姫に射撃を加えつつ、後方へ退避してください。すぐに援護機をまわします」
ソードブレイカーが焔姫に有効打を与えるか、それとも防御されるかはさておき、これで行動は阻害されるはず。
そう判断したリリーは、次にヴィルヘルムとラウディに通信を繋ぎ、
「ヴィルヘルム少佐、あなたの機体には修理装置が搭載されていましたね? 中破したラーズアングリフを後方に下げますので、応急修理をお願いします。
クーリマン軍曹、後方に下がるラーズアングリフの援護にまわってください。焔姫は突破力に優れた機体ですが、火力に優れたガトリングは既に破壊されています。
弾幕を展開しつつ、ラーズアングリフと共に後退してください。それだけで、かなり焔姫の進攻を阻害できるはずです。
こちらからも、ソードブレイカーによる妨害を行います」
二人の機体は新型のようだが、修理装置と補給装置を積んでいるのはこの状況では素直にありがたい。
上手くドロワナを援護し、応急修理を行えば、ドロワナを甲斐に帰艦させて、本格的な修理・補給を行うことができるだろう。
613
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/19(火) 06:43:12 ID:NQVK3JuM
>>609
>反らした体制から倒立、脚部のブレードを展開し体を捻りつつ弧を描きながら飛び退くと切断された弾頭がムラマサとゲシュペンストとの間まで飛来
>ムラマサの着地と同時に破裂した
ゲシュペンストとムラマサの間を激しい熱と光、音が分かつ。
ヒツギは切断されたミサイルを当たらないと踏んでいたらしく、怯んだ様子は無かった
>「そんな半端な心構えじゃ…死ぬぞ?」
「んな事は分かってんだよ!!」
半端な心構え、揺らいだ意志では自分の身を守るどころか誰かが犠牲になってしまう。
理解しているどころか既に経験済みだ、むしろこの経験が今のヒツギの立場を生んだといえる
そんな事が脳裏によぎったヒツギは目を丸くしてハッと何かに気づく。
『変わっていない』という事実に
この身動きが取れない絡め取られたかのような状況が、あの戦いの延長線上に存在しているならば
それはつまり何も変わっていない、何も払拭出来ていないという事に他ならない。
先ほどヒツギは分かっていると言った、むしろ分かっている気になっていた
自分は変わった、変わろうとしていたと。
守るために強くなるために努力をしていたと。
だが本当の意味で分かったのはたった今、こんな取り返しが付かない状況に陥って初めてだ
「俺はッ・・・!如何すれば良い・・・!!」
血を吐くような言葉はレオンへ問いかけたようにも聞こえて、自問自答にも取れた。
レイナとレオンと・・・ヒツギが彼らに出会ってから
初めて曝け出したであろう『弱さ』を具現にした言葉だった。
614
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/19(火) 07:08:11 ID:05M2PD0s
実のところ、一発も撃たずに話を終わらせるのがヴィルヘルムたちの理想だったがもう無理。
>>612
「了解(アイアイ、マム)、リューデル機を下げる……下げられるのかね?」
まだ不慣れだが、ビームコートやジャマー、シールド装備のこの機体なら多少の弾幕は凌げると思いたい。後はカウンターで撃ち返す。
『了解しました、焔姫を牽制します』
ラウディ機の背中のハードポイントに取り付けられたミサイルポッドから、合計20発のミサイルが放たれた。
【ヴィルヘルム、《集中》を使用してからゼバスチャンに隣接、修理装置を使用】
【ラウディ、《狙撃》を使用してから5連長射程ミサイル×4で焔姫を攻撃】
615
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/19(火) 09:19:30 ID:.k4n23yk
>>600
【「アルブレードより、ケルビル1へ、エンジェル9明智ライト大尉の援護をして貰っていいですか?、あの二人は俺がやりますから」】
「いいえ。ケルビム1はこのまま雷姫、風姫を殲滅してください。
こちらは気にしないで良いですよ」
ガブリエルに追従して来た鬱陶しい蝙蝠達は、今しがた振り払った。
ユウセイの様に突出した能力は無いが、ライトもぺーぺーと言う訳では無かった。
一応、パイロット面でもちゃんとしたゼネラリストである。
(……それに。ハヤミ中尉の甘さが命取りになるかも知れないしね。気心の知れないハーゲン少尉が機械的に仕留めた方が良いに決まっている)
最新鋭の部隊と人材。それが揃いも揃って攻めあぐねている現状。士気の面でも頭数をすぐにでも減らしたい。
これ以上レイナ一行を調子に乗せてたまるものか。ならば愚かな仲間の死を持ってしてこの流れを断ち切ろうと試みた。
>>606
「静香、つばめ。あのツインテの機体には必要以上に気を付けなさい。まだ詳しくは説明不可能だけれどこの邪王真眼が危険と判断しているわ」
上手く立ち回っているつばめと静香に主からの未来のお告げが下される。
まだインセイオンのプレッシャーの根拠は見えていないので、レイナもアドバイスをしてやりにくい。
「でも命を張る必要は無いし許さない。危なくなったらレオンハルトを呼びなさい。回収に向かわせる。
悪いけど、私の方はそれどころでは無くなるから」
こちらに加勢してくれる貴重な存在が勝手に死なれては困るし、彼女らもこんな他所の世界で終わるのは嫌なはずだ。
そして蛇足な感じで自分に降りかかる災厄も見えているかの様な事を言い残した。
>>611
「…あら。意外と芸達者な。もー……老骨のジガンのくせに」
ジガンタイプに遠隔操作されるソード・ブレイカーの鋭利な刃にこちらの蝙蝠の群れは凪払われてしまった。それもまたあっさり。
カナメは相手機体を好き勝手に貶しつつもメカニズム的に見て理に叶った見事な仕上がりだと実は称賛していた。
「ふむ……これじゃあ甲斐を突破するにはまだ無理っぽいか。レイナ達も手一杯みたいだしね。長居は嫌なんだけれど」
甲斐のスキャンにより、アルプ・トラウムが調べられているのを察知。まぁ甲斐の事はこちら側も知り尽くしているのでようやくおあいこと言ったところか。
「それでいてこちらはあのジガンタイプに有効的な手が殆どありませんから。こう張り付かれては厄介ですね、実際。
こちらをよく理解してらっしゃる」
敵の手並みに苦笑いするイクリプス。
ジガンタイプの衝撃砲での妨害を艦船離れした機動にて何とか直撃せずに凌いでいるが、流石にイクリプスの手を持ってしてもこれではいずれ無茶が出る。
こちらも対空迎撃用のホーミングレーザーをジガンスクードへ照射するが、あの盾には焼け石に水かも知れない。
【アルプ・トラウム:残りHP80%】
>>611
【「レイナさん……」】
「アカリ。それで私を撃たないのか?反逆者を倒す絶好のチャンスなのだがね」
すでにビルトラプターにビーム砲を向けられているが、物怖じせず堂々とした口調をもってして会話に突入する。
この様子ならアカリは連邦のやり方に迷いや疑いを持っているのだろうか?
もしそうならば、出来れば彼女を我が物としたい。
「半身と認めたあなたとは銃を向けずにちゃんと話がしたかったわ。今でもそれは変わらないけれど、どうしよう?
私は、あなたが欲しいわ。……あなたとなら災厄の未来を変える事だって」
まるで告白でもするかの様な紛らわしい台詞に、通信を傍受していたライトの方が一瞬ドキリとする。
しかし、この展開はライトにとって正に望ましい展開。
ライトの思惑通りにレイナはアカリを勧誘しにかかったのだ。
『グッド……。では一芝居打ちましょう。内通疑惑により、あなたのビルトラプターを撃ち落とすといった陳腐な物です。
クレマチ伍長の反応速度なら見せかけのトリックが可能でしょう。
後は仕上げにレイナ・カーマインの気を引くような台詞を残し、森林地帯に誘導願います。大丈夫必ず彼女は釣られます』
そしてライトは今後のレイナとアカリの信頼という物を完全に壊し、引き裂くような醜悪な三文芝居を引き起こそうとしている。
いったい、小田原フェスタに参加していた時の様な誠実で何処か委員長っぽい彼女はどこに行ってしまったのか?
616
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/19(火) 20:46:19 ID:X2HUs0Bc
>>607
ダメージを負い、地表に降りるドロワナの姿に目を光らせるマヤ。
「チャンス! このまま一気にっ…!!」
リボルバーカノンの弾丸は剣の腹で受け止める。
うち一発が肩をかすめて火花を上げたが、マヤは怯まない。
【HP85%】
>>612
しかし、事はそう上手くは運ばなかった。
「……なっ!?」
死角から飛び出してきたのは、ブルーティッシュ・ブレードをも上回るサイズの巨大な剣。
ソードブレイカーによる援護攻撃は、完全にマヤの間隙をつく形で焔姫に命中した。
「うあぁぁっ!」
反射的に急所は外したものの、大きく吹き飛ばされる焔姫。
砂煙を巻き上げながら、どうにか2本の足で着地する。
結果的にドロワナとの距離は一気に開いてしまっていた。
【HP70%】
「くぅっ、逃げられた!!」
>>614
次の瞬間には、また別の機体から放たれた四基のミサイルが迫り来る。
「ちょっと、なんであたしばっか狙ってくるのよ!?」
駄々っ子のように叫びながらも、即座にファランクスを連射。
ミサイルは一基残らず叩き落とされ、進路半ばで爆散した。
「あーもう……レイナ! こっちに援護とか回せないワケ!」
そう口にした瞬間、マヤは少し後悔した。
これではまるであの高慢ちきな邪気眼女に助けを求めているようで、不本意極まりないではないか。
>>610
「くっ…!」
スラッシュリッパーはチャクラムに弾かれ、すごすごとスカートアーマーに戻ってきた。
敵側もまた誘導兵器を持っている。
これでは、スラッシュリッパーはさしたるアドバンテージとも言えない。
しかし敵機が無謀にも煙幕の中に突入したことを察知したことに、静香は勝機を見た。
「つばめ! 今よ!」
「はいっ!」
インセイオンの後方から、黒煙を破って飛び出したのは雷姫。
「チャクラム・シューター!!」
「はあっ!!」
正面に待ち構える風姫を交え、鮮やかな挟撃が放たれる。
薙刀と電撃チャクラムが、一寸違わぬタイミングでインセイオンを討たんと迫る。
>>615
「はい。ですが、何とか抑えて見せます! レイナさんは引き続き甲斐の相手を!」
慢心があるわけでも、油断があるわけでもない。
しかし、静香達はまだ気付いていなかった。
目の前の敵が秘めた恐るべき力に……
617
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/19(火) 21:41:00 ID:UalR53dY
>>610
>>「邪魔」
(邪魔言うなよ。)
その、言葉を必死に押さえながら、
ほっとくことにした。
あの二人の反撃からして、十分な対抗は出来る。
そう、ユウセイが判断してしまったのが、彼女達の運の尽きだった。
>>615
>>「こちらは、気にしなくても良いですよ」
(明智大尉め、意外と、しぶとい。)
味方なのに、そんな酷い事を考えてしまうユウセイ。
(T-linkで、バレッド隊の情報を使えないかな。)
全ては、彼奴等を、生き残らせるために、
必死に策を考えている。ユウセイ
>>516
「まずは、彼奴から行くか。T-link」
念を収束させ、刀の形へ形成させていく。
「突撃娘、先ずは、お前からだ。」
(あの大剣を潰せれば、殆ど彼奴の武装はない。)
左肩を狙いほむら姫に、迅速の型の、衝撃波を放つ
618
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/19(火) 22:55:23 ID:aRhznTnw
>>612
>>614
>>616
姿勢制御 着地
高度からの強制着陸にハンパない振動がコクピットを揺らす
牽制の弾幕をものともせず突っ込んでくる焔姫、進退窮まったかと冷や汗が吹き出る
だがありがたいことに援護の手、何処からか飛んできた長剣がドロワナと焔姫を引き離す
見れば空にそびえる鉄の城・・・というわけではないが、見るものを圧倒する巨体
宇宙では忌まわしき存在と称されるジガンスクード
それが遠隔操作で長剣を放ったのだ
弾き飛ばされた焔姫を待ち受けていたのは、これまた援護の手 アレは量産機か何かだろうか?
20発のミサイルを放った後、近接して修理を行おうとする
「こちらボマー3!! 助かった 後で一杯奢らせてくれ
あと修理は手すらドライブ・ユニットを復活させて欲しい!!」
マズは礼を言うのが礼儀 その後に修理に入る量産機へと要請を出す
「了解だ量産機、一端後方に下がる だがあのバニーちゃんにはお返しをしてやらねばな!!」
弾き飛ばされた焔姫を睨み、不敵な笑みを浮かべる 背中にマウントされたガトリング砲が回転すると共にドロワナの頭部が同体内へと収納されていく
「ボマー3より各機へ!! これより敵アーマード・モジュールに対し スーパーアヴェンジャーによる集中砲火を仕掛ける
付近の味方機は、射線上からの退避をお勧めする!! 警告はしたぞ、後での文句は一切聞かん!!」
無線で中尉を呼びかける、回転したガトリング砲は収納された頭部の上に装着、恐ろしく巨大な七砲身が焔姫に向けられる
「機首と・・・」
その砲身が円を描く、敵を討ち滅ぼさんとする下準備
「同軸ッ!!」
轟音を持って紡がれる歌は滅びへの賛歌、今ここに物理的な消滅を
「アヴェンジャアアアァァァァァアアアアアアアア!!!!!!」
その瞬間 放たれた弾頭は死を呼ぶ彗星
右腕に括りつけられたリボルバーカノンとは比較にするのも馬鹿らしい
ラーズアングリフ・ドロワナが持つ最強の兵器が、焔姫へ炎を吹き上げた
619
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/19(火) 23:05:19 ID:aRhznTnw
>>618
修正
>手すらドライブ・ユニット ×
テスラドライブ・ユニット ○
ついでに追加を
>>609
こちらが発射したマトリクスミサイルをこともなげに対処してなお、ヒツギへとコンタクトを取る正体不明機
「クソッタレ・・・ナニモンなんだアイツは」
なにやら行動を開始しようとしているらしいが、今は焔姫への攻撃を優先
警戒を怠らぬようちゅういしながら、焔姫への攻撃を続行する
620
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/20(水) 00:59:06 ID:JCr4r.06
>>610
『一般的な機動兵器にとっての完全な暗闇』に敢えて突き進む趣味的とも言える不気味なフォルムのソレの行動から
奴には熱光学、赤外線及び電磁波に依らない感知システムと対応した攻撃システムが存在するという根拠にしておくには充分過ぎていた
(しかし、俺の身も一つ。ここはしばらく二人に任せる他はないか)
>>613
【「んな事は分かってんだよ!!」】
…この余裕のない反応を見る限り、どうやらライト…いやSKの闇とでも言うべきか
『かつて』のチョロい彼女を扱うが如く、簡単に出し抜ける状況では無い事を告げている
ならば、『こちらも』カードを切るべき時だ
【「俺はッ・・・!如何すれば良い・・・!!」】
ミサイルによる煙幕は衝撃波と共に霧散したと同時に、その向こう側に居たはずのムラマサは背部にマウントされていた小太刀、ムラマサブレードを抜き放つと瞬時にゲシュペンストの真正面から激突
辺りに響く衝突音と共にゲシュペンストの胸部、コクピットの真上を刃先が紅く煌めく黒い刀身の小太刀が貫いていた
「聞こえるかヒツギ。今ナノマシンを介して、お前の機体に有線で通信している」
ヒツギ側のディスプレイに表示されるステータスは致命傷を負っていることを告げており、この状況は甲斐の方にも既に行き渡る情報である
しかし、それは偽報だ
ムラマサに使用された特殊なナノマシン
これは通常、切断の再に刀身に触れている部位に浸食し攻撃、また刀身に付着した物質を分解する事でムラマサのエネルギーとするものだが
通常の機械や一般的な機動兵器に向けて使われた場合
コンピューターを破壊せずに回路に接触することで有線接続を行うことが出来
またダミーサーバを作成し内蔵電池の許す限り各種電子的な妨害を行うことをも可能としていた
実のところヒツギのゲシュペンストにはダメージは無いも同前と言える
「お前のじーさんな。顔が広くてな。ある理由でお前は後ろを心配する必要は無い。後は…解るな?」
もう少し話しておくべきなのだが、状況が許してはくれない
接続を解除し、ゲシュペンストから刀を抜き、背を向けつつ振り払ってから切っ先を鞘へ滑り込ませ、セーフティーの動作を確認
621
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/20(水) 00:59:41 ID:JCr4r.06
>>620
続き
鞘にセーフティーが赤から青へと切り替わり完全に刀が収まった事を知らせると同時にゲシュペンストが仰向けに崩れ落ちる
>>616
ほぼ同じ戦場に居る筈の焔姫に攻撃が集中している!
こちらのステルス性能と高速格闘による自衛力が返って彼女に負担を掛けるているという事か
「数が足りていない状況なら使わざるを得ない」
ムラマサの右腕を左肩の後方まで持っていき何かを掴むように握りしめ引き抜くような動作と共に背部から短剣状の物体が8基、等間隔で数珠繋ぎのように現れるとムラマサを取り囲む様に展開浮遊する
>>612
ジガンタイプの攻撃子機の迎撃をプログラムするとムラマサの周囲の子機達は周囲にとけ込み見えなくなる
>>617
ヒツギとは打って変わっての殺る気のオーラがダダ漏れしているのは念動力者でない俺でも判った
「まったく…これこそが奴らが欲する理由だからな」
ヒツギとの接触の為に来た道を同じ様に引き返す
アルブレードがその刀を抜き放つと焔姫にその狂気が接触せんとした。そのとき
「うおおおおおおおおおおおお!!!」
爆音と共に衝撃波が伴い黒い機影を中心に地殻を削り、周囲の木々は木っ端微塵に爆ぜる
焔姫とアルブレードの衝撃波の間にはムラマサが立ちふさがっていたのだ
衝撃波に対して、その妖刀で防ぎ支える。尚も喰いちぎらんとするその狂気とシノギを削る
カメラアイが一層、光を増すと全身の装甲の隙間から紅い光がこぼれ出す
「ぬぅおおおおお!!!波ぁ!!!!!」
ムラマサブレードの輝きが最高潮に達したであろう、その時、衝撃波を押し切りその刀身が振り抜かれると斬り裂かれた衝撃波と振り下ろされたムラマサブレードにより大きく大地が隆起し津波の様な体を示す
「まただ!!」
隆起した大地を高速で駆け上がり、その先端に到達するや否や姿を消すと
ムラマサはアルブレードの脚を掴み空中ブランコの様に回転
「墜ちろぉぉ!!!」
>>619
ドロワナの射線を遮る様にアルブレードを投げつける!
622
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 04:09:09 ID:mGUEQ9JA
>>616
>「つばめ! 今よ!」
>「はいっ!」
「しまった、後ろに・・・」
前から迫る風姫の薙刀、後方からは伏兵としての雷姫のチャクラム
虚を付かれただけではない、その武装の大半が光学兵器であろうツインテールの機体は
このスモークの中では満足に攻撃もできまい、流石の状況にハーゲンは狼狽えた
>正面に待ち構える風姫を交え、鮮やかな挟撃が放たれる。
>薙刀と電撃チャクラムが、一寸違わぬタイミングでインセイオンを討たんと迫る。
「・・・って言って上げたいんだけどねぇ!」
薙刀を手に迫る風姫の右側面からスモークが巻き上がる、何らかの物体が下から掬い上げるようにスモークを掻き分けている。
空気どころか地面ごと削り飛ばしながら迫ってきているそれには、視線を移して見えるのは壁、白い壁にピンク色の刃が1、2・・・5つ
それぞれの基部にどこかで見たような半球対があり、壁の中心にはそれらを一回り大きくしたかのようなものが備えられ合わせて6つ。
「所がそんなに上手くいかないんだよねぇ!!」
この壁の正体は後方から迫る雷姫ならば用意に理解できたはずだ、なぜならその全貌が丸々見えているのだから。
真正面から激突し火花を散らす電撃チャクラムなど意にも介さず、雷姫の元へ一直線に伸びてくるそれ
『腕』だ、それも雷姫を鷲掴みにできる程に巨大な・・・特機ですら搭載しないような狂った大きさの。
その腕が繋がっているのは目の前の白い機体の後頭部。
そう特徴でもあった『ツインテール』がそのまま腕に切り替わったのである
最初から擬態させていたのだ、その大きすぎる腕を、インセイオンの持つメインウェポンを
斬艦刀等に称される超巨大兵器に対して素手によって対抗するという馬鹿げた代物。
それらに正面から打ち合えるように、強度と出力に極限まで特化させた結果として
斬艦刀に渡り合う為に斬艦刀クラスの大きさまで巨大化してしまった『化け物の腕』である。
「ククッ・・・アッハハハハハ!」
その狂気の一振りで風姫を横殴りにして吹っ飛ばそうと、雷姫はその人外の豪腕で足を掴み取ろうというのだ
623
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 07:36:42 ID:j8atmGe.
>>616
【「あーもう……レイナ! こっちに援護とか回せないワケ!」】
「このウツケモノめ。君は戦闘ぐらいでしか役に立たないんだから情け無い事言わないの。もっと粘りなさい。ね?」
つばめや静香に対しての態度とはまた違い、このマヤに対しては何かと神経を逆撫でする様な口調になりがちなレイナ。
でも、あえてこのぐらい言った方がこのマヤ・ランベリーという娘は燃え上がるかも知れない。
実際、出撃可能な余剰な戦力は無い。
戦闘可能なアイゼルネ・ラーゼン隊の面々は左右と背後の敵の軍勢を抑えている。
彼女らが防衛線を張っていなければ今頃、うじゃうじゃ敵の増援がこの場に押し寄せて来ていただろう。それは理解して欲しい。
>>620
ライトの見ているガブリエルのモニターでも確認出来るが、ヒツギのゲシュペンストからは危険を意味するレッドシグナルが発生していた。
「ハヤセ少尉が討たれた!?」
肉眼で確認すればすぐに解るちんけなペテンだが、その場とはかけ離れているライトはレオンハルトの思惑通りにその偽の情報に乗せられてしまった。
「ハヤミ中尉、黒いアシエルを破壊してください!縦横無尽で大変危険です!」
ゲシュペンストをやったアシエルもどきをライトはすぐに掃討する指示を出す。
丁度、暇そうにサボっていたユウセイを見かけ、レオンハルトへぶつける。
>>621
アシエルもどきことムラマサとの交戦開始後アルブレードはまたしてもプラスチック製玩具の様に他所に投げつけられた。
しかも今度は味方ラーズ・アングリフの一斉射撃の最中へ射線内へと入れられ邪魔をしてしまうのだった。
「……何をしてるんですか?」
ユウセイにはしれっと冷たいライトの呆れた様な失望した様な声が聞こえるだろう。ちょっと怖い。
624
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 09:14:24 ID:mGUEQ9JA
>>620
>ミサイルによる煙幕は衝撃波と共に霧散したと同時に、その向こう側に居たはずのムラマサは
>背部にマウントされていた小太刀、ムラマサブレードを抜き放つと瞬時にゲシュペンストの真正面から激突
「!」
ヒツギの体が自然に反応する、どれだけ追い詰められていたとしても経験から導き出される反射は絶対の物だ。
相手に対して逆に踏み込み、真正面からの突きを下から上に払い上げるように弾く。
通常の刀だったならこれで至近距離に入り込み、刃渡りが邪魔をして刀を振るうことが困難になる
だがムラマサの武器は小太刀。
この技術は相手が一般的な刃渡り以上の長さを持つ刀を使っていることを前提とする
それは至近距離で扱うことを前提に作られた刀剣の場合、逆手持ちという手法によって容易く看破されるからだ
「しまった!!」
小太刀だと最初から気づいていれば対応もまた違っただろう、だがそれはもう遅い
弾き上げたはずのムラマサの刃は瞬時に下向きに変わり、打ち下ろすようにゲシュペンストのコックピット上を貫く。
瞬間的なレオンの切り返しを受け、死んだとヒツギは確信していた・・・居たが・・・
「・・・あれ?」
コックピット内の機器からは警報が鳴り響いてはいるが、実際付近に致命打を受けたはずのコックピットは爆発もショートも破損も起こっていない。
切断されたであろう回路を考えればメインカメラの機能に支障があっても可笑しくない筈だが、きちんと写っている
(刺さってるっていうより・・・くっ付いてる?)
>「聞こえるかヒツギ。今ナノマシンを介して、お前の機体に有線で通信している」
「レオン!?有線ってことはまさかその刀を通して・・・」
有線での会話ということは秘密通信を用いなければならなかったと言う事
つまりヒツギ以外の人間には聞かせなくないということに他ならない。
本当に壊れたのか機体の動作確認をしようと考えていたのだが、欺く必要があると判断した為にそれを取りやめる。
敵同士という立場でワイヤーをつないで会話するのは不可能、そこで特殊な武器を突き刺して送り込んでいるということか
「なんて滅茶苦茶を・・・」
>「お前のじーさんな。顔が広くてな。ある理由でお前は後ろを心配する必要は無い。後は…解るな?」
「!! じーちゃんが・・・って待て、おい!!」
ヒツギの祖父であるコウゼン・ハヤセの存在を何故かレオンの口から受ける
その内容からして祖父の身、いや家族の身柄に関係しているのだろうが事の詳しい内容を聞く前にレオンはゲシュペンストから離脱してしまう。
小太刀が引き抜かれると同時にゲシュペンストの足が崩れ、そのまま大地に膝を尽いてしまった。
だが機能が停止した訳ではなさそうだ。
一応システムが再起動しているがかなりの負荷を受けたらしく処理が重く、また偽装する為に中身もしっちゃかめっちゃかにされてしまったらしい
再起動中に画面を見ているだけでも、機体の固定識別信号どころか開放している通信チャンネルに至るまでご丁寧に全部書き換えられている。
連邦からしてみたら一切の連絡や確認が取れない、つまり『死んでいるようなもの』で
つまり今のゲシュペンストは文字通り亡霊、もし今歩いたら死んだのに動くゾンビか何かの様なものとなるだろう
625
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/20(水) 11:52:52 ID:z/IW14OY
>>618
「やばっ、あれって」
アヴェンジャーだっけ?
発射態勢に入ってる。
ほむら姫が、撃破 いや、最悪、死ぬ。
しかし、生憎こちらも迅速の型を放った後
体勢を立て直すには、時、既に遅し
>>621
「へっ?衝撃波を、叩き落とした?」
「それと、」
あの、黒い機体は、一気にこちらに突撃する。
「まずっ、」
そのまま、投げ飛ばされた。
「邪魔してごめん、ゼバスチャンさん。」
>>524
>>「…何をしてるんですか?」
「あー、その、投げ飛ばされた。としか説明が付きません。」
説明を、するにはこれしかないが、説明になってない。
「まぁ、ほむら姫に攻撃はしたんですけどね。効果あるか分かんないですけど」
投げ飛ばされた時に、ほむら姫にロシュセイバーを投げたのだ。
その証拠に、ほむら姫の両肩と、頭に、刺さってるものがある。
「それと、ヒツギは、まだ。生きてます。ロストしてますけど、亡霊とか言わないであげてくださいよ。」
>>624
「ヒツギ、生きてるよな。おい」
通信が、繋がらない。プライベート通信も
「システムを、書き換えられたか。」
あらと、あらゆるシステムを、書き換えている途中、
恐らく、今は再起動のスタンバイ、
「何をするか解んないな。」
とりあえず、ヒツギの動向にも最新の警戒を払うことにした。
626
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 12:46:19 ID:iEdYsKyo
>>617
「くっ!」
衝撃波を素早く跳躍してかわす。
太刀筋さえ見えるなら、ダイレクトモーションリンクの機体には難しくない芸当だった。
「なんなのよもうっ!! あたしに斬られたい奴は一列に並べっ!!」
>>618
などと無茶苦茶を言っていると、視界の片隅に遠ざかっていたドロワナが、何やら大仰な動作を図っていることに気付いた。
注視すれば、背負っていた特大のガトリング砲を前方へと展開し、焔姫に向けて狙いをつけているではないか!
「ちょ、ちょっ…! 仕返しにしたってそれはやり過ぎでしょ!?」
視覚情報に頼る限りでも、その口径は焔姫の対特機ガトリングを大幅に凌いでおり、威力の程は優に想像がついた。
集中攻撃を受けて身動きの取れないこの体勢では、どうしたって直撃は免れないだろう。
>>623
「あんたに期待したあたしがバカだったよーっ!」
ほとんど涙声で叫び返すマヤであった。
>>625
あわやスーパーアヴェンジャーの火力が焔姫を蜂の巣にするかと思われたそのとき、
両者の間を遮るように、突然何かが
吹っ飛んできた。
「はっ!?」
アルブレードだ。
どういう理由かはわからないが、何か尋常ではないパワーで射線上に放り込まれてきたらしい。
苦しい体勢から無理矢理ロシュセイバーを投げて攻撃してきたが、反射的に切り払うことができた。
「な、何だか知らないけど、とりあえずラッキー!」
結果的に難を逃れたマヤは、踵を返して後退する。
これで複数機に囲まれている状況だけは何とか打開できるだろう。
627
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 12:58:45 ID:iEdYsKyo
>>622
連携のタイミングは完璧だった。
前後から放たれた攻撃はインセイオンの四肢を破壊し、戦闘能力を奪うことができる……はずだった。
「…!?」
つばめは目を疑った。
斬り込む風姫の側面から、煙を引き裂くように、何か巨大な物体が迫っている。
それが“腕“だと認識するのとほとんど同時に、つばめは叫んでいた。
「…姉さま、避け…!」
「えっ…?」
だが、遅かった。
目の前の機体のサイズからはおよそ想像できないような巨大な腕が、風姫に激突し、吹き飛ばしたのだ。
「あああああぁぁっ!?」
煙幕の外へと、勢いよく飛び出していく風姫。
「姉さま…! あ、ああっ!?」
そして、それに樹を取られたが最後。
雷姫は片足を、異形の腕にガッチリと掴まれていた。
628
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 14:49:18 ID:mGUEQ9JA
>>627
「緑の子はそこで休んでいるといいよ」
弾き飛ばした風姫に声を投げかけると、スモークの色が周囲の空気と混ざり段々と薄く広がってゆく
インセイオンの巨大な腕が空気を丸ごとかき混ぜたのだ、未だ濁った空気の中に複雑に浮かび上がるピンク色に発光したライン
そしてインセイオンの姿が、その事実が日の下へと晒された
丸みを帯び細身に見えていた体つきはどこに消えたのか
段モールドに見えたそれらは全て装甲の継ぎ目、スライドし位置を変えたのであろう装甲は盛り上がり一回り太く大きく見える。
それによって露出した内部のフレームは体中に付けられた球体を繋ぐ様に全身を走り
念動力が垣間見せる緑とはまったく違う、生々しい肉かと思わせるようなピンク色に発光していた
そして頭から生えた巨大な腕・・・それは装甲のスライドによって一回り大きくなったはずのインセイオンの全長22mを遥かに超える大きさで
巨大な掌は勿論、前腕の半分まで引き摺るという表現すらできそうな程に大きく余らせていた。
爪は一本一本が起動兵器の腕一本に匹敵するのではないかと思わせる巨大さ
スラスターの排出口に見えた部分が丸ごと折りたたまれた爪だったのである。
側面にある噴出口は擬態している際はサブスラスターに思われたが
この巨大すぎる腕を高速で制御するためのサイドスラスターの仮の姿だったようだ。
手の甲や前腕に当たる部位は複数のピンク色の球体が見え、またハンマーを思わせるような分厚い装甲に覆われていた。
こんな馬鹿げたものを武装ではないと何故判断したのか疑問にすら感じるような変貌、
化け物の左腕に片足を絡め取られた雷姫を、タロットの吊るされた男を髣髴とさせるままに宙吊りにして自らの眼前へと持ってくる。
「クックッ・・・後ろからの攻撃なんて僕には無意味だよねぇ」
上下が反転した雷姫の頭部に自らの頭部を近づけ、まるで嘲笑うかの様に指を傾ける
直後そのインセイオンの頭に中央から縦一文字に亀裂が走る、それは左右に割れてフードでも脱ぐかのように後ろへと降ろされた
なんと顔であると思っていたものは実際は頭部を多い囲っていただけの代物、ヘルムのようなものだった
バックパックについていた左右のユニットが開き、腕の基部となっているそれが接続されると
まるでパズルのピースでもはめた様に、顔に見えていた面影など一瞬にして消滅した
その本当の顔といえば・・・球、もっというならば半球型、人型兵器の頭部とは思えない非常にシンプルな姿。
だが三日月型にくり貫かれ内部のピンクフレームが露出している部位は
長方形の格子状に線が走っている事もあり、ニヤニヤと大きく開いて歯を露出させた口にしか見えない
そして球体の上部には小さな六角形の集合体が広がっていた。
六角形の集合体に視線を合わせていると、それぞれの中心にある小さな点が動いたように見えた。
いや確かに動いている、それぞれが前後左右バラバラに、無作為に、ギョロギョロと、グチャグチャと
そしてそれらの動きがピタリと止まったかと思うと、一斉に雷姫の方へと向けられる
虫の複眼を思わせるような大量の眼、100は優に超えているであろう数。
後ろからの攻撃が効かないと言ったのも頷ける、上も後ろも横も死角になぞなる筈が無い
その異形の姿は人型兵器の範疇を超えていた、小天使等では、ましてや智天使ですらない。
インセイオンの名の通り、狂気が塊となって生み出されたかのような存在だ
ぶら下けられた雷姫のもう片足を化け物の右腕が掴んだかと思えば
足るんだ糸でも伸ばすかのように、そのまま左右に思い切り引っ張り開かれた
「股から裂こうかと思ったけれど・・・女の子相手にそういうのは良くないよね
僕はフェミニストだから君を殺したりしないよ、安心してくれていい」
この異常な状況を感じさせない、天使のような笑顔をつばめへと向けた
//まだまだ続くんだよねェ!
629
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 15:25:43 ID:mGUEQ9JA
>>628
の続き
「それに勿体無いじゃないか、見せしめにするのに死んじゃったら」
「泣いて喚いて叫んでのた打ち回って生きて貰わないと、そうすれば助ける為に人員が割かれて戦列が崩れる
何よりその様に怯えて動きが鈍る、見せしめに消せなんて・・・彼女も生易しい事を言うよね」
この男が笑顔で吐き出す言葉は狂っているようにも聞こえるが、戦場に置いて導き出された正しい理論に基づく内容だった。
古来よりわざと生かさず殺さずで斬り捨て、苦痛に跳ね回る様を見せる事で敵の士気を殺ぎ
また危険な兵器といわれる対人用地雷も、調整された威力によって体の一部だけを吹き飛ばし同様の効果を与える
過去幾度も実用されてきた術なのである
インセイオン本体の右手、オービタルリッパーを生成して見せたあの球体が輝き再び光の輪が形成される。
だがそれは輪というには太く大きすぎる、そして刃物というには形状が乱雑すぎた
チャクラムだったら刃になるであろう外周が一切整えられていなかったのだ
そんなものは尻目に光の輪を備えた手首をスナップを効かせ回す様に振ると・・・
ギギャアアアアァァァァァ!!
戦場に劈くような音が木霊する、輪が高速回転を始めたのだ
回転が空気を巻き込んで引き裂き、歪だった形状が真円に見えるほどの速さ。
光で形作られたこの物体、誰しもが一度見たことがあるはずだ
・・・鋸、中でも丸鋸と呼ばれるそれを彷彿とさせた
だとすれば、あの不均一な形状もノコギリの刃としての役割を持たせるためのものだと納得がいく
「鋸っていうのは刃物とは少し違うんだよ、刀とかの刃物は細胞をほぼ変形させないで切るんだ
だからそういう切り傷って言うのは縫合で治せる、でもねぇ・・・」
丸鋸を自身の化け物の右腕装甲にほんの少しだけ接触させる
すると耳を塞ぎたくなる様な音と共に鮮やかな火花が咲いてみせる。
その行動は切れ味を確かめているかのように見えた
「鋸は違うよ、肉に刺さった小さな刃がそのまま引き千切る
細胞もグチャグチャで切断面も一定にならない、だから切り落とすしかなくなっちゃうんだよねぇ」
口元に笑みを浮かべながら喜々としてハーゲンは語る、つばめの恐怖を煽る為だけに
インセイオンは右腕を高く掲げ、すると刃は月の光すら切り裂いて乱反射させた
想像できるはずだ、この後インセイオンが取るであろう行動の全てが
「それじゃ、元気良く宜しく」
身動きが取れない逆さになった雷姫に向かって、何の躊躇もなく光の鋸が真っ直ぐに振り下ろされた
コックピットに命中せず且つ機体が大破しないギリギリの深さに
つまりハーゲンが先ほど話した通り、死なない殺さないに『手加減』をしているという事だ
だが鋸である以上そこには傷跡が残るだろうか?
例えるならそれは、上から下へ装甲ごとグチャグチャに引き裂かれたような・・・
630
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 16:25:56 ID:TUI4lK4k
>>628
>>629
「え、ぁ……ひっ…!?」
煙が晴れ、その異様な姿が白日の元に晒されたとき、つばめは喉に息を詰まらせた。
先程まで自分達が対峙していた白色の、ともすれば可愛らしくすらあった機体の影はどこにもなかった。
そこに立っているのは、偽りの人型を捨て去り、禍々しい巨腕を大きく広げた怪物。
その信じがたいまでに醜悪な素顔が現れ、雷姫を視界に捉えるまでの一部始終を、つばめは見た。
見てしまった。
「あ……ぁ……」
静香に呼び掛けようとするも、声が出ない。
過去の激戦からも感じたことのないような恐怖が全身を凍てつかせ、逆さ吊りにされている違和感すらも忘れさせていた。
「う、うあぁ! 痛ぁっ…!!」
無理矢理に両脚を目一杯まで開かれる雷姫。
コクピット内のつばめも同様の姿勢を強要され、股関節をねじ切られるような痛にに苦悶の声を上げた。
>「股から裂こうかと思ったけれど・・・女の子相手にそういうのは良くないよね
> 僕はフェミニストだから君を殺したりしないよ、安心してくれていい」
その言葉通り、つばめはほどなくして苦痛から解放された。
目に涙を滲ませ、荒い呼吸を整えながらも、つばめはようやく反撃を意図する余裕を得る。
(なんとかしなくちゃ…なんとか…!)
雷姫は、自由になっている両腕をインセイオンの狂喜じみた顔へと向ける。
そして、腕部マシンキャノンのトリガーを引こうとした……そのときであった。
>「それに勿体無いじゃないか、見せしめにするのに死んじゃったら」
>「泣いて喚いて叫んでのた打ち回って生きて貰わないと、そうすれば助ける為に人員が割かれて戦列が崩れる
> 何よりその様に怯えて動きが鈍る、見せしめに消せなんて・・・彼女も生易しい事を言うよね」
>ギギャアアアアァァァァァ!!
おぞましい程に暴力的な音色が、つばめをすくませた。
新たに視界に現れたのは、光輪。
単純なリングではなく、凶悪な“刃“を備えた回転ノコギリのようなものが、雷姫に向けられていた。
>「鋸っていうのは刃物とは少し違うんだよ、刀とかの刃物は細胞をほぼ変形させないで切るんだ
> だからそういう切り傷って言うのは縫合で治せる、でもねぇ・・・」
>「鋸は違うよ、肉に刺さった小さな刃がそのまま引き千切る
>> 細胞もグチャグチャで切断面も一定にならない、だから切り落とすしかなくなっちゃうんだよねぇ」
このひとはなにをいっているんだろう。
迫り来る丸鋸を前に、つばめはそんなことを思った。
この青年の云わんとしていることは只一つ。頭ではその恐ろしさを、冷静に理解できている。
しかし、だったら何故彼はこんなにもにこやかなのだろう。
どうして穏やかに、微笑みさえ浮かべていられるのだろう。
凍りついていく思考とは裏腹に、つばめの体はカタカタと力なく震えていた。
>「それじゃ、元気良く宜しく」
「ぁ……ぁ……や、やめっ……」
言葉は破壊的な、あまりに残虐な音色に遮られた。
「ひやあ“ぁぁぁぁぁあああぁぁあっ!!!」
丸鋸は雷姫の下腹部に突き刺さると、肩口へ向かって走りながら、ギャリギャリとその装甲を引き裂いていった。
「ぁふぅぅッ!? ひぃっ、ひ、ひぃぃぃあぁぁぁあッ!!!」
つばめの纏うスーツの該当箇所に激しいスパークが走り、引き裂けるように破れていく。
それは致死レベルのダメージが機体に与えられていることを示す。
631
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 16:31:16 ID:j8atmGe.
>>628
>>629
>>630
「随分と……好き勝手に触ってくれるじゃないか」
インセイオンの風姫、雷姫への狂気じみた行為をレイナは目撃してしまう。
レイナの右目は感情の高ぶりを現す様にいつもより一層禍々しく光っており、普通では無い事が良く解る。
自分の所有物をあれ程痛め付け、晒し者にし、嘲笑っているあいつが憎い憎い憎い。
憎いが、無策にもあのインセイオンに立ち向かう事はしなかった。代わりに
「……もう戦いが長引くのは不味いか。ここはこの主自ら、あの薄っぺらな天使の首を取って来て皆を鼓舞してやらねば」
ユウセイ、アカリ、ヒツギと三回の勧誘を失敗してしまったレイナはいよいよ自分のカリスマ性を疑い始めた。
交渉が上手く行かないのなら、この戦場に長居は無用。指揮系統を混乱に陥れ、すぐに甲斐を正面突破する事を決める。
それには総大将であるライトをまず叩き、次いでアルプ・トラウムを抑えるジガンスクードを撃退。
ジガンのパイロットの正体は解らないが、ゲームメイクの絶妙さや多方面への援護等、ライト同様に戦術指揮官の才を有するパイロットだと断定した。
アイゼルネ・ブルートはライトの駆るガブリエルを探し出す。
すると、呑気に後方の安全圏で指揮に専念している姿を確認。
護衛は三機も侍らせており、何とも卑怯な奴だとレイナは不満を訴える。
「随分と偉くなったもんだ。あんな頭のおかしいゲスを配置し、自身は高見の見物とはな……明智ライト!」
ライトの本陣を強襲したアイゼルネ・ブルートは、いきなりその手の魔槍の邪悪な一撃で護衛のレリエルを一機両断。
更に他の二機が反応するよりも速く、胸部のハウリング・スマッシャーにて二機をもろともに破壊。
そして、ビシッとすぐ前方にて孤立するガブリエルへとその魔槍を向ける。
この時、既にレイナの目はこの先の危険を訴えていたが、早く仲間達を救おうと焦るレイナは今回はそれを払拭し、ならば一息で勝負を決しようとガブリエルへと突撃した。
632
:
レイナ&ライト&時々カナメ
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 16:33:01 ID:j8atmGe.
「くっくっく。チェックme」
「王手をかけさせてもらうわよ!シルバーバレット隊は降下を!」
レイナがチェックメイトを掛けるつもりだったが、それはライトが意気揚々と発した王手により遮られる事になる。
レイナはまんまとライトの用意した罠にかかってしまったのだ。
「……ぁ……え?」
何とも情けない言葉を紡ぐのはレイナ。まだ状況をよく理解していないらしい。
「戦力の乏しいレイナ・カーマインの軍勢は、まず真っ先に指揮官を狙いにかかるのは最初から解ってたわ。
しかも演出に拘る馬鹿なあなたは、それを自らの手で執行しなければ気が済まない。これも当たりだった」
意気揚々と律儀にレイナの疑問を答えてやるライトは勝ち誇った顔をしている。
実は予知能力でこちらを看破して来る可能性も考えられたが、心配して損をした。
そしてライトは決め付けた。彼女の今の予知能力は万能には程遠いと。
「終わりよ、レイナ・カーマイン。強制連行の前にあなたには我らエンジェルフェザーの裁きを下す」
遥か上空。ステルスを施した輸送機から特殊装備仕様のレリエルが12機レイナの地点目掛けて降下して来る。
それらは、アイゼルネ・ブルートの周りを完全に包囲し尽くす。
【連邦軍増援:レリエルSB/エンジェルフェザー隊員×12機】
「見事……なんて言わないわ。たかがレリエルごときでこのアイゼルネを何とか出来るはずも無い。無駄だよ」
確かに罠にかかって悔しいが、ライトが寄越したのはたかがレリエル。
自在に傷の再生が可能なアイゼルネ・ブルートを倒すには役不足極まりない。
だが、ライトはまだ余裕の表情を変える事は無い。
いままでのパターンと違い、逆にレイナの方がライトの掌の上に居た。レイナにとってそれは不気味で仕方がない。
「私達の部隊はその様なバケモノを潰すのに特化されている。すぐにわかるわ。
シルバーバレット隊、どうぞ!」
ライトのガブリエルは狙撃銃の様な物を、その他の12機は肩に担いでいる大砲をアイゼルネ・ブルートへと合わせる。
『レイナ、それはナノマシン抑制プロトコルの兵器よ。1発当たれば、アイゼルネはその不死身の能力を失ってしまうわ』
レイナにアルプ・トラウムのカナメから通信が入る。のんびりしているカナメだが、今回は柄にも無く早口で声を大にしてレイナに危険を伝えている。
「もう遅い!シルバーバレット一斉砲火」
13発の聖なる銀の銃弾が吸血鬼アイゼルネ・ブルートを浄化するべく、天使達から発射される。
「が……それでも、邪王真眼は最強よ。なめるなよ、この私を!!」
レイナの集中力もこの瀬戸際にて極限まで研ぎ澄まされていた。
予知の眼が見せるヴィジョンも鮮明。……だが、それでもまだ足りない。
技術が。反応速度が圧倒的に!
(……駄目だ。格好悪いな……私は)
回避を維持出来なくなったアイゼルネ・ブルートは足に掠り、肩を貫通し、脇腹へ傷を残し、背を射抜かれと袋叩き。
次々と高価な銀の銃弾を再装鎮し、一方的な惨たらしい殺戮が引き起こされていた。
次第に体勢を崩し、立つ足がもつれ、地にひれ伏した今のこの王の姿のどこにカリスマなどが残っているだろう。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP??%。再生封印】
「っふ……随分と粘りましたが、ここまでです。最後にその醜い四肢をバラバラにしてあなたへの裁きを終えましょう」
実際、レイナはライト達の想像以上に足掻いてみせた。
各機がそれぞれ4発の銃弾を持ち、全機ともそれらを最終的に撃ち切らした模様。
だが、それでも健闘を称えるなんて事は無慈悲な天使の少女には有りもしない。
もう一種の魔女狩り武装である聖騎士のランスの様な塊が13。右腕の複合型兵装から射出されて行く。
(……駄目だ。……ごめん、ユナ)
命まで取られる事は無いらしいが、もしかしたらまた過去の様に実験で身体を壊されるかも知れない。
だが、アイゼルネはもう動かない。
最後に何者かの名前を呟いて謝罪した
633
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 16:34:48 ID:TUI4lK4k
>>629
「う、くっ……」
吹き飛ばされて地を転がった風姫は、ふらつきながらも体勢を立て直した。
そして煙幕の中から現れたものを目にし、静香もまた絶句した。
異形の怪物が雷姫を吊し上げ、恐ろしい凶器で責め苦を与えている。
あまりの光景に一瞬頭が真っ白になり、体がわなわなと痙攣する。
しかし今は、目の前でつばめが痛め付けられていることへの憤りが恐怖に勝った。
「つ……つばめを離しなさい! 下朗っ!!」
課税は薙刀を手に、つばめを吊しているアームへと斬りつける。
634
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 17:10:32 ID:mGUEQ9JA
>>630
>「ぁ……ぁ……や、やめっ……」
>「ぁふぅぅッ!? ひぃっ、ひ、ひぃぃぃあぁぁぁあッ!!!」
「あれ・・・? まさか本当に死んでないよね?」
サーキュラーソーによるショーが終わった時、つばめの苦しみ方に不安でも覚えたのかハーゲンはその為の確認手段を取ろうとする。
化け物の左手を足から離し、右足だけで吊るされた雷姫を高く持ち上げると
100を超える瞳が一斉に、その状態を確認する為に舐る様に凝視する
「ま、確かめてみればいいか」
ハーゲンは口元に笑みを浮かべて不穏な言葉を零す。
>>633
>「つ……つばめを離しなさい! 下朗っ!!」
化け物の右腕に向かって踏み込んできた風姫の薙刀は、自由になった化け物の左腕が受け止めた
憤慨し怒りを露にしている静香に対して張本人であるハーゲンは飄々と、むしろその表情に淀みすら見受けられない。
「大丈夫大丈夫、そんなに焦らなくても生きてるのを確認したら返してあげるから」
そのまま棒か布か人形でも扱うかのように、地面へと真っ直ぐ振り下ろしたではないか
それも静香の目の前で、ハーゲンは戦闘中の2機の動向・コンビネーションから知人友人である事を見抜いていた。
また戦場で甲斐甲斐しく戦っている赤い機体もこの2機と同じ、友人である可能性が高い
そして見抜いていたのはそれだけではない・・・
つばめが『生きている』事も分かっていたのだ。
念動力者であるハーゲンが、ましてブースターを起動し接触状態なのだから分からないわけが無い
つまり分かっているのに地面に叩き付けんと言うのだ、死に掛けに鞭打ちどころの騒ぎではない
サディスティックで済む話でもない、この状況を間違いなくこの男は楽しんでいた
635
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 17:30:57 ID:TUI4lK4k
>>634
装甲をズタズタにされた雷姫は、だらしなく両腕を垂らし、ピクピクと痙攣するばかりであった。
「あっ…あぁっ…ひぁぁぁぁ……」
「つばめ、しっかりして! つばめ!」
懸命に呼び掛ける静香の目の前で、インセイオンは更なる凶行に及んだ。
布切れでも振り回すかのようにして、雷姫を思いきり地面に叩き付けたのだ。
「っあ、あはぁぁぅっ!!」
「……~っ!!!」
声にならない声を上げる静香。
その一撃のもと、雷姫の総身は土埃にまみれ、頭部から伸びるツインテールが無惨にも根本から歪められていた。
「や……やめて! もうやめてください!
後生ですから! 私が代わりになりますから、どうか……!!」
一方的な暴力の行使を前に、もはや静香の胸中には戦意も何もあったものではなかった。
自身を捉える左腕にすがり付き、悲痛な声で訴える。
果たしてこのパイロットがそんな懇願を聞き入れるだろうか?
636
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 17:52:15 ID:mGUEQ9JA
>>632
レイナが突っ込んでいく映像が見える、そして距離があるからこそレイナを待ち受ける結果も見抜くことが出来た。
レーダーに映りこまないステルス状態で、既にシルバーバレット隊が待機している
シルバーバレットにはマシンセルの能力を強制停止させる作用がある
つまりは――――――
ゲシュペンストのシステムが再起動に成功した瞬間、その足が跳ねるように飛び上がり背からは炎が噴出した
真っ白になった頭の中で、ヒツギの体は勝手に動いていた。
先ほどまで身動きが出来ないほど絡みつき悩んでいたのはどこへ消えてしまったのか
鎖など最初から無かったかのように、重さ等勘違いだったかのように手足が軽く動く
「うぉぉぉおおおお!!」
その速さはゲシュペンストが出せる限界速度を軽く超えている、それでも尚加速を続ける
衝撃波が大地を巻き上げ、ゲシュペンストの周囲に薄いリング状の雲が生み出される。
これはベイパーコーンを例に持つ、周囲の空気が加速に伴い高温化し
しかし音速に到達した時点で温度が急低下する際、露点を下回った場合それらが雲になるという現象から起こった。
高速戦闘機体ではないゲシュペンストのコックピットに居るヒツギにかかるGは・・・考えるだけでおぞましい程だ
>もう一種の魔女狩り武装である聖騎士のランスの様な塊が13。右腕の複合型兵装から射出されて行く。
>(……駄目だ。……ごめん、ユナ)
レイナに迫る銀の閃光は、光は途絶える。
それは死によって視界がブラックアウトしたからではない
目の前には腕に、足に、胴に、頭に・・・串刺しになっている姿がそこにあった
それはこうならなければレイナがなっていたであろう光景、レイナへとシルバーバレットは掠りもしなかった。
赤いゲシュペンストが盾となって全てを受け止めたのだ、死んだと思われていたヒツギ機が
「借り、嫌いなんだ・・・これで、フェアってことでどうよ・・・?」
こんな状況で、こんな状態で、オープン回線で聞こえてくるヒツギの言葉。
初めて出会ったときと同じ事を、悪態を付くかのように茶化した声色が伝えてくる
コックピットの機器がバチバチとスパークを起こし、黒煙と共に火を噴く。
真正面から受け止め、それで居てヒツギは無事だった事を考えると奇跡に近い
だが機体のダメージは限界を超えていた、盾になった状態のままゲシュペンストはその活動を停止する。
ゲシュペンストS/B HP0% 撃墜
637
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 18:08:15 ID:mGUEQ9JA
>>635
>「っあ、あはぁぁぅっ!!」
「あぁ良かった、ちゃんと生きてて」
ハーゲンは胸を撫で下ろす、それはつばめの命を心配してのことではない
自身が取った『殺さない』という行動が、きちんと成功していたことに対する物だ。
>「や……やめて! もうやめてください!
>後生ですから! 私が代わりになりますから、どうか……!!」
目の前で行われた凶行に完全に戦意を喪失し、縋る様に声をかける静香をインセイオンはその100を超えた眼でギョロリと一斉に見下ろす。
口のように見える頭部の露出したフレームが、さらに釣り上がりにやけ笑っているかのようにすら見えた。
「何を言ってるんだい、身代わりなんて」
ハーゲンの声からは呆れが感じ取れた、まるで的外れな事を言っていると言う風な。
静香を身代わりにする提案など受けるわけが無い、そう予想するものも居た筈だ
だが彼がそう言った様に『上手くはいかない』のだ、彼女が想像しているよりも酷な言葉がその口から放たれる
「ハァ・・・自分がまるで当事者じゃないように
僕は君を休ませる気しか無かったからね、見逃すなんて一言も言っちゃぁいないんだよねぇ・・!」
それは頼まれずとも最初から静香も同様の状態に至らしめるつもりだった事を意味する。
つまり交渉という土俵に上がる以前の問題だったのだ、ハーゲンにとっては
右手に持っていたものを軽く後方に払い捨てると同時に
薙刀と受け止めていた左腕が素早く風姫の腕を握り潰す・・・否、掴みかからんと動いた
638
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 18:24:41 ID:SUVi/UuU
>>637
「え……?」
静香はつばめの身を案じるあまり、自らの立場を半ば忘れていた。
彼はなにも、つばめだけを痛め付けることを目的としていたわけではない。
「あ、ああっ!?」
その事実を思い知らせるように、インセイオンの巨大な掌が風姫の右腕を捕らえた。
その雷姫を軽々と吊り上げたその圧倒的なパワーが、今度は風姫の腕部を締め付ける。
「う、くぅぅぅ! くぁ……!」
たちまちに薙刀を取り落としてしまう風姫。
一方、インセイオンは逆の手から雷姫を投げ捨てた。
土煙を上げて地に落ちた雷姫。アイカメラを砕かれ、腹部の傷からは白濁したリンゲル液を垂れ流している。もはや戦闘を継続できる状態ではない。
「ね……ねえ、さま……」
しかし、それでも身を引きずるようにして風姫の元へ向かおうとする雷姫。
苛烈な責め苦の只中に在っても、二人の絆は強く結び付いていた。
639
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/20(水) 18:24:50 ID:z/IW14OY
>>629
(おいおい、やり過ぎだろ。)
そう、思うしかない、それほどの、惨殺
「シルヴェ・クロイツって、予想以上に、エグいグループなのかな。」
そう、判断せざるを得なかった。
>>635
「生きてるよ。」
静香が、慌てふためいている中言い放つ。
(あの男は、恐らく、生かさず、殺さず、苦しまさせることを目的としている。)
「まぁ、戦場内では、効果のある戦術の一つだがな。」
だが、この勝利がほぼ確定しているなかで、この戦術を使用する、この男
恐ろしいぐらいに、戦闘を楽しんでいる。
そう感じたのが、ユウセイの印象だった。
>>632
「チェックメイト。これでおしまいか。」
(まぁ、損害は、無く、これで終わりだな。)
そう思ってたら
>>636
「ヒツギ、止めろ。」
システムの暴走、いや違う。完全なる意志の行為。
「対Gが、相当、致死量に近いぞ。」
この距離からは、止めることは不可能。
そして、ユウセイは、ヒツギがなにをやりたいか。一瞬で察しがついた。
「最悪だ。まさかの最後で、ヒツギが」
本当に、亡霊になった。
そして、ゲシュペンストは、活動を停止する。
「明智大尉!」
直ぐに、無線を入れ
「ヒツギ少尉の、回収を、死にますよ。いやっ、もう死んでるかも。」
ユウセイは、最悪の場合を考えていた。
640
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 18:52:10 ID:mGUEQ9JA
>>638
>「ね……ねえ、さま……」
この状況になって尚、未だ静香のことを思うつばめの態度にハーゲンは震えるものを覚えた
恐怖ではない、歓喜に打ち震えていたのだ
そのしぶとさ、献身・・・ハーゲンの嗜虐心が満たされる。
だがこの男は満足などするはずが無かった、むしろその行動が更なる渇望を呼ぶ
「そういえば、これはまだ見せていなかったね」
インセイオンの各所に付けられた桃色の球体、それらが輝いたかと思うと突如として何本もの鋭い棘が飛び出してくる。
念によって生成されたスパイク、生々しい光を放ちギラつくそれが手を伸ばそうとしてた雷姫を行く手を塞いだ
そしてもう1つ、この事がある事実を連想させる・・・あの半球体はある箇所にも付けられている
それは――――
「ククッ、僕の念は自分の機体を傷つけたりはしないんだよねぇ・・・!」
あの時風姫を弾き飛ばした掌・・・そこにも同じ球体は取り付けられていた
6つ、それも中央の1つは最も大きかったはずだ。
想像していたであろう事が起こる、風姫の腕を掴んでいる手が発光を始めたのだ
次の瞬間にはその腕に念の棘が突き刺さっているであろう。
完全に密閉された状態での串刺し、それは拷問器具『鉄の乙女』を連想させる―――
>>639
T-Linkを全開放している今のインセイオンから伝わってくるはずだ。
一点の曇りも歪みも無い、飲み込んでそのまま咀嚼でも起こしそうな狂気の念
無理やり生み出されているものとは違う、純粋なままの生きた念が。
強化された訳でもなく、操作されたわけでもない。
ハーゲン・クルーゲが振りかざす念は最初から狂気によって形作られたものなのだ
641
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 19:14:46 ID:SUVi/UuU
>>640
見せ付けるように、全身の半球から鋭利な刺を隆起させるインセイオン。
まさか、と静香が息を飲んだその瞬間、いくつもの刺が風姫の右腕を指し貫いていた。
「うあああああああぁ……ッ!!」
上体を仰け反らせ、苦悶を顕にする風姫。
「姉さま!!」
やっとの思いで立ち上がった雷姫が、風姫に駆け寄ろうとする。
しかし、風姫は左腕を振り上げてそれを制した。
「だ、大丈夫……大丈夫よ……
私がこの機体を引き付けていられるうちに、早く、逃げなさい……ッ!」
静香は苦痛と恐怖に身を震わせながらも、どうにか持ちこたえている。
時間を稼ぐつもりでいるのだ。
「こ……こんなもので終わりですか?
この程度…この程度は苦痛のうちに入りません…!」
敵パイロットへ向けて、敢えて挑発するような言葉をぶつける。
全ては、敵の注意を雷姫から逸らすために……。
642
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 20:00:22 ID:mGUEQ9JA
>>641
>「こ……こんなもので終わりですか?
>この程度…この程度は苦痛のうちに入りません…!」
「ふぅん・・・そうか」
その風姫の態度に突如としてハーゲンの反応が鈍いものに変わった。
彼の思考も態度も急激に冷めていくのが分かる、倦怠感すら感じさせるほどだ
全身から伸びていた棘が消えると、片腕を掴んだまま左手は低い位置を下ろされる。
「そうだね、もう飽きたし・・・じゃあ鳴いてくれたら何処にでも行けばいいよ
動物みたいにさ、這い蹲って・・・ね」
口元を歪めるが先ほどのように大きくは釣り上がらない
腕を下げたのはそのポーズが取れるようにと言う事だろう
643
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 20:27:42 ID:j8atmGe.
>>636
迫り来る聖なる槍。それら13本は一本たりとも逃さず突き刺さり、赤いゲシュペンストタイプを針ネズミの様な刺々したフォルムへと変えた。
【「借り、嫌いなんだ・・・これで、フェアってことでどうよ・・・?」】
確かに赤いゲシュペンストタイプを串刺しにしたが、それは悪魔の羽を持つアイゼルネ・ブルートの姿では無い。
もう一機の赤い亡霊。ヒツギの操るゲシュペンストMkーⅡのSタイプであった。
レイナ、それにライトの両人も第三者の乱入に言葉を失う。
「いいわよ……ヒツギ。ついでに先程の格好悪く情けない私の姿は忘れなさい。
こんなのは、全然わたしらしく無い。お前達の指針でなければならないからね」
感謝しなければいけないのだろうが、今更そんな事は態度に出してやらない。
ヒツギと再び心を通わせられた様で、気分は正にレイナちゃん大勝利!
と言うべき喜ばしい物だが、未だに動けない筈のアイゼルネ・ブルートである。
動揺と魔女狩り武装の使い切りにより、多少の間は与えられるだろうが、大ピンチには何も変わらない。
だが、レイナは全く諦めていなかった。
「ハヤセ少尉!!何故、何故、敵を庇うんですか!?意味わからない……!なんであなたが穴だらけなんですか!?」
そしてライトはヒツギを持って行かせまいと、何度も呼び掛けているが聞こえているだろうか?
ここで裏切れば反逆者の烙印を押され、ずっと追われ続けなければならない。それだけのリスクを背負うものが、彼女には有るのか?有ってたまるものか。
ライトはヒツギに弁解する間を与える。返答次第ではあの優しい彼を敵として撃たなければならない。
>>639
【「ヒツギ少尉の、回収を、死にますよ。いやっ、もう死んでるかも。」】
「し……し、死んで。死んでたぁ。死んでたのに!なな、何で、何で死に体になってまで、違反を犯してんの!?
それで……そして何故、敵を助けたの!?……わけがわからないよ」
そんな間に状況に気付いたユウセイがライトに通信をかけてくる。
だが気が動転しているのか、ライトは意味不明な供述をぶつぶつ言うばかりだ。
ヒツギを自らが串刺しにしてしまった事とヒツギがレイナ側に寝返った事のショックから来る軽い錯乱状態に何らかの要因が重なったが為の症状だろう。
644
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/20(水) 20:42:14 ID:b3LjzZjY
>>615
高い機動力で衝撃砲のビームを紙一重で回避し続けているアルプ・トラウムから、大量のレーザーがこちらに向かって飛んでくる。
回避行動で砲の照準もままならず、ソードブレイカーが健在の間はナイト・フライヤーも無意味と悟っての行動なのだろうが、
こちらの展開する高強度Eフィールドの前にはあまりにも無力。レーザー達はフィールド境界面に反応の黄色い光を残しただけで霧散していった。
(……他の戦線は膠着気味ですが、母艦を墜とせばそれも終わる。
カーマインさん、それがあなたの運命の限界なのですか……?)
リリーは出撃する前に統久と交わした会話を思い出す。
元々このジガンスクード・アンジェは統久が率いる特殊部隊に納品されるために、一時伊豆基地預かりになっていたものであったが、
今回の戦闘が発生するに際し、統久がリリーに対し、これに乗っていけと言ってきたのだった。
その理由を問うと、統久は髪の一房を指で弄びながら、
「上手くは言えないのだが、あのレイナ・カーマインはこのようなことで終わるような娘には見えんのだ。
運命の加護を得ている、とでも言えば良いのかもわからん。ともかく、そんな予感がするのだよ」
「尼子特尉にしては随分と曖昧な言葉ですね。念動力者ゆえの感覚、と捉えたらよろしいので?」
「まあ、そうだな。今回の戦い、そのあたりを占う一戦となろう。
もし仮にあの娘が、私の感じるように運命の加護を得ているのなら……こんな「盾」一枚、どうという影響も受けんだろう」
「分厚い誤差もあったものですね」
「フフ、そうだな。このジガンスクードのコクピットは世界で……あー、50番目くらいに安全な場所だ。
そこからレイナ・カーマインの行く末を見定めるのも一興だと思うが?」
「その興でこんな分厚いのを障害とせねばならないカーマインさんには、さすがに同情を禁じ得ませんよ」
レイナの運命を見定める。そのために出撃したこのジガンスクード・アンジェであるが……このままの状態が続けば、いずれ遠からず、
この機体の砲はアルプ・トラウムを沈めるだろう。
(誤差では済まなかったようですよ、特尉)
趨勢は決しつつある。となれば、これ以上双方の被害が増える前に、一気に決めてしまうのも慈悲か。
「甲斐、こちらスノウフェイル。敵艦のスキャンはどうなっていますか?」
『こちら甲斐。敵艦テスラ・ドライブの位置は未だ不明のままですが、あの機動性能から言って、相当高出力のドライブを搭載している可能性が濃厚です。
となると、動力のスムーズな供給のため、リアクターからあまり離れた場所には設置されていない、と推察されます』
「ふむ……わかりました。これより、敵の機動を大きく乱します。全ミサイル発射管にカルナック3を装填し、こちらの攻撃と同時に敵艦に向けて発射してください」
『了解しました』
甲斐との通信を終えたリリーは、護衛のために周囲に滞空していたソードブレイカーをラッチに戻した。
それとほぼ同時に、アンジェの胸部が四つに割れて展開し、装甲の裏側に存在していた巨砲を露出させる。
エネルギーがチャージされていくにつれ、内部から漏れる光を強くしていくそれは、ギガ・ワイドブラスター。元となった機体にも装備されている超大型熱線砲である。
だが、エネルギーが蓄積されていっているのはブラスターだけではなく、両肩の衝撃砲も同じであった。
それらエネルギーチャージが限界まで蓄えられ、あとは開放を待つのみとなり、
「三位一体砲。これで終わりにしましょう。……トリニティ・ブラスト!」
トリガーが引かれ、三つの砲は、その全てのエネルギーを開放した。
ギガ・ワイドブラスターの放った大きな白い光に衝撃砲の青い光が混ざり、光達はその身を肥大化させ、超極太のビームと化す。
直径100メートル超過の広大な面制圧力を持ったビームは、アルプ・トラウムの艦首方向を薙ぎ払う。
もちろん、そのままの進路であればこの巨大なビームに飲み込まれるが、おそらくは回避される。
だが、これだけの面制圧力を持ったビームを回避するとなれば、大きく回避せねばならない。そうなれば、流石の高速艦とて、その体勢を立て直すのはすぐには難しい。
そこに飛び込んでくるのが、甲斐の全ミサイル発射管から発射された、夥しい量のカルナック3中型対艦ミサイルの雨である。
(さあ……この二つの攻撃、どういなしますか?)
645
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 20:58:42 ID:SUVi/UuU
>>642
「……?」
あまりにもあっさりと解放された。
遅い来る苦痛を覚悟していた分、呆気に取られた静香だったが、
様子を伺うようにそろそろと後退すると、雷姫の腕を肩に回して支える。
「……いきましょう。アルプ・トラウムまで下がらないと」
「は、はい……」
敵パイロットの考えが計り知れない点は不気味だが、ここで反抗したところでどうにもならない。
風姫のスラスターによって地表を跳点々と跳びながら、二体の姫はインセイオンから遠ざかっていく。
つばめはぼんやりと、「お礼を言った方が良かったのかな」などと考えていた。
646
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/20(水) 21:13:50 ID:z/IW14OY
>>643
「落ち着いてください、まず深呼吸してください。」
テンパってる大尉でも、解るように言葉を選びながら、
「さっきの、ロストは、死亡ではなく、只のフェイク。恐らく目を欺くため。」
「また、先ほどのゲシュペンストの再起不能は、再起動、そうしむけたのは恐らく、あの黒い機体」
「そして、奇跡的に再起動ができ、後は機体を見るかヒツギに聞かないと」
「ともかく、ヒツギは、まだ生きているかもしれないんです。早く、生死確認を!」
647
:
リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/20(水) 21:33:15 ID:b3LjzZjY
>>614
,
>>618
,
>>621
ソードブレイカーと2機のアルゴスの援護によって、ドロワナは窮地を脱したようだった。
「リューデル軍曹、テスラ・ドライブの修理が終わったら、そこに居るクーリマン軍曹から新しい武装の補給を受けるか、
一度甲斐に戻って本格的な修理・補給を受けてください。どちらにするかは、あなたの判断に任せます。
ヴィルヘルム少佐、クーリマン軍曹、そのまま攻撃を続けて焔姫を撃破してください」
援護にやっていたソードブレイカーを引き戻し、リリーは各機に指示を出す。
焔姫は3姫の中でも一番攻撃性能の高い機体であるが、複数機体に囲まれてはその性能を活かせるはずもない。
ましてや、焔姫と対しているのはどれも射撃戦を得意とする機体。濃密な弾幕を展開すれば、近づく前に蜂の巣にできるだろう。
あちらはあれで大丈夫か。そう思った矢先、アンジェの戦況モニターが信じがたい報告をしてきた。
なんと、先ほど介入してきた黒い機体が、ヒツギのゲシュペンストを撃破したとのことだった。
ヒツギの安否が気遣われるが、それとは別に、あの戦域での連続介入を許せば、焔姫に対応しているあの3機が横から襲われるのは火を見るよりも明らかだ。
>>615
ビームランチャーの銃口を向けられても、いつもの調子でこちらに話しかけてくるレイナに、アカリは少なくない驚きを得た。
旗の色は明らかに敵であるのにもかかわらずに、だ。
「私だって、こんなことになる前に、きちんと話をしてもらいたかった……!
どうしてっ……どうしてこんな形に私達は分かれて……!」
いつもと同じ話し方で、いつもと同じ余裕を感じる態度で、レイナはこちらを説得してきている。
作戦が発動する前、レイナたちがどういう罪状でこんな扱いを受けるのかの説明は受けた。だが、それを鵜呑みにすることは、アカリにはどうしてもできなかった。
その疑念が、レイナの普段通りの調子を受けて、頭の中を加速し始める。
ああ、やはりレイナは敵ではなかった。何かの陰謀でこうなっただけで、本当は私達の味方――――。
あと一言二言、レイナから言葉をかけられていれば、そういう思考に傾き、アカリはレイナの側についたかも知れない。だが運命はそれを良しとしなかった。
『クレマチ伍長、急いであの黒いアシエルタイプの迎撃に向かって下さい。ハヤセ少尉が……撃墜されました』
「え!?」
レイナに銃口を向けたまま逡巡するアカリの耳に、リリーからの迎撃要請が飛び込んできた。それも、ヒツギ機の撃墜という、信じられない事実を携えて。
「え……あ……?」
どういうことだ。レイナはヒツギと深い縁で繋がれていたのではなかったのか。
それが撃墜された? こうして自分が迷っている間に?
「…………くっそぉ!!」
アカリはその場でラプターを変形させると、スロットルを全開にし、ムラマサの迎撃に向かった。
置き去りにしたレイナに後ろ髪を引かれる思いは感じるが……ひとまずそれは脇に追いやった。
『黒い機体はそのままリューデル軍曹たちを襲うものと考えられます。急いで!』
「了解……!!」
弄ばれている。機首を戦域に向け、加速を続ける中、アカリはそう感じた。
何か大きな意志のようなものに、自分は弄ばれている。わからない。何もわからない。エンジェルフェザー。明智ライト。レイナ・カーマイン。
真実は誰が握っているのだ? 誰が? 誰が?
アカリの思考は混濁し、そこに小さな痛みを感じる。だからアカリは、目の前で起こっている現実にのみ、目を向けることにした。
648
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/20(水) 21:50:40 ID:25inMKCg
>>621
>>625
これから至高のトリガーハッピータイムへと移るはずだった
この世で一番素晴らしい時を思い切り堪能するつもりだった
「アヴェンジャアアアァァァァァアアアアアアアア!!!!!!」
言葉と共に引き金を引いたその直後
「あ?」
コクピットに一つの警報音 その音は、味方機接近を知らせる音
レーダーには迷うことなく一直線に射線へと突っ込んでくる味方識別反応
ディスプレイに移ったのは、アルブレード
「ワァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
先ほどとはまったく違う雄叫び 後での文句は一切聞かないとは言ったものの
本当に味方機を撃墜するわけには行かず、薄いカバーに覆われた非常停止スイッチを渾身の力で叩く
スイッチが起動し緊急ストッパーが回転する砲身を無理やり停止させる
過負荷に砲身が悲鳴を上げ、ガトリング砲に異常を示す警告文がディスプレイを埋める
「・・・・・・・・」
ゼーハーと荒い息をつきながら呆然と前方を見やる
どうやら済んでの所でフレンドリーファイアを避けることが出来たようだ
「・・・・・・ッ バカヤロォォォ!!! 死にてぇのか!!!?」
最高の時を邪魔されたのと、とんでもない非常事態を引き起こしたユウセイに
腹の底から怒鳴るゼバスチャンであった
>>626
そんなこんなで焔姫へとい行われた砲撃は、予定の1割にも満たない極少数に留まり
しかも非常停止した砲身をすぐに動かすことも出来ず
結果として焔姫を逃す結果となった
「チッ・・・発射機関がイカレてないだろうな?」
逃してしまったのは仕方がない、とりあえずシステムチェックを始めた
>>627-635
システムチェック完了、流石に緊急停止のダメージは大きく、無理の利かない状態であることが判明した
「無傷とはいかなかったか・・・クソッタレ、ユウセイには新品同様になるまでメンテしてもらうとsッ!! なんだ!?」
ガトリングを背部にマウントし 頭部が胴体からせり出したとき、通信機器から響く尋常じゃない悲鳴
画面に出てきたのは、戦闘ではない 一方的な 虐殺だった
「こちらボマー3 ブリーフィングの限りじゃ、目的は敵基地の征圧!! 殲滅とは聞いてねぇぞ!! 戦闘の中断を要請する」
通信をオープンに そして味方機全員に向けて叫ぶ
>>636
一方的な虐殺が行われる現場 そこに飛び込んだゲシュペンスト
アレはヒツギの乗る機体ではなかったか?
「アイツ・・・動け・・・動けってんだこのポンコツ!!」
未だエラー残るテスラドライブシステムに鉄拳を見舞い 強制起動
片方のウィングを失ったまま離陸し、全速力で現場へと向かう
【精神コマンド:加速 使用】
649
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 21:53:02 ID:j8atmGe.
>>644
ギガワイドブラスターに左右の砲のエネルギーも重ね合わせた三重の広範囲攻撃。トリニティブラストとやらがアルプ・トラウムの正面の空間を呑み込んで行く。
「敵、ジガンタイプの範囲兵器来ます!」
「甲斐より更にミサイル来ますけど!」
「あわわわ!そんなぁ〜!」
ブリッジクルーのメイド達は口々に状況をご丁寧に知らせてくれる。
まだまだ教育が足りていない様だ。取り乱す者もその中には居る。
「(レイナの帰って来る場所をやらせるわけには行かない。後で面倒くさいし)
イクリプス、あの極太ビームは通しちゃ駄目よ絶対。ミサイルの迎撃はホーミング・レーザーで何とかするわ。CIWSに定評が有るのは何も甲斐ばっかりじゃ無いし」
「かしこまりました。少々、荒っぽくなりますが御容赦を」
リリーの思惑通りに、アルプ・トラウムは破壊の光を掠めながらトリニティブラストの下方へと潜り抜けた。どうやら艦首は破壊されていない。これは後々、甲斐を沈黙させるのに重要だ。やらせはしなかった。
しかしこれで、予想通りにアルプ・トラウムの自慢の足に無理が祟った。
【アルプ・トラウム:残りHP65%】
「レーザー撃って迎撃ね。……で、お次はいよいよ主砲を使うわ。圧縮型の単体攻撃に適したモードをね。
ジガンタイプの次の砲撃には間に合わせるわよ」
広域バリアのダークネス・オーラとレーザーのミサイル迎撃を合わせた防御能力で甲斐から降り注ぐ雨の様なミサイル攻撃を何とかやり過ごす。
そして、やる気無さそうなカナメもいつまでも黙ってばかりは要られない。
恐らく相手にはこの主砲が乱戦で使えない御飾りに見えている事だろう。
「お返しするわ。目標はあのずんぐり君よ。適当に喰らって落ちちゃいなさいな」
非常に締まらない発射シーケンスとなったが、威力には関係の無いこと。
沈黙していたアルプ・トラウムの砲に赤黒い光が集まりに集まり、スパークを帯びた球状の塊を勢い良く吐き出す。
先程、先遣隊を壊滅させた時のものとは特性が異なり、まず弾速は大幅に速く、それでいて今回の弾はエネルギーを圧縮した威力重視の弾け飛ばない仕様。
レイナが名付けたのはデアボリック・フレア。珠の形そのままに火の玉、あるいは火山弾の様なものが、ジガンスクード・アンジェに迫る。
【アルプ・トラウム:ジガンスクード・アンジェに煉獄のデアボリック・フレアを放つ】
>>647
お互いの悲しい行き違いにより、今回はわかりあえずに、奇妙な別れとなってしまった。
アカリとレイナは別々の方向へ飛び立って行った。
でもいつか、先の告白の答えを聞かせて欲しいなとレイナは思う。
650
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 22:12:36 ID:j8atmGe.
>>646
「……でも、でも、見てこれ!?わわ、グサッと!槍が!123456789101112、13本も!!死んでる!絶対死んでる……ねぇ私の槍、解ります!?胸部貫いてるぅぅ!」
そう。ライトのランスは何ともラッキーなことか、胴体をグッサリと貫いていた。
こんな時に命中精度をアピールしてどうなる?笑ってしまいそうだ。
味方殺しなど、有ってはならないエリートである者にあってはならない汚点。
「無理無駄無茶無謀!さっきから答えてくれません!絶〜対、死んでる!!私が討ち取った……」
明智ライトの豹変ぶりに、シルバーバレット隊の面々も気味悪がって誰も彼女の相手を出来ずにいた。ユウセイはこの頭がおかしい女の相手をしてくれる辺り、やはり優しいようだ。
これでもし仮にレイナを逃がしたとか言うならライトは誰かさんの様に大降格間違い無しだ。
651
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/20(水) 22:16:28 ID:nRhJdVQw
>>643
「明智大尉!指揮官が取り乱すな!
戦場では常に最悪を想定し、最善を尽くすものだよ」
とは言え、ヒツギがレイナをかばうまでは考えていたがここまで劇的にとまで分かるものか。
>>647
「……いや、焔姫とやらは俺一人で充分だ」
なんか言い出した。
「ラウディ、お前はリューデル軍曹のフォローに回れ。
若しくは、あれだ、軌道艦隊式海兵戦術」
『無理ですっ!?』
ラウディが即座に拒否した“軌道艦隊式海兵戦術”とは、修理装置や補給装置を係留索代わりにして敵艦に切り込むというものだ。
複数の意味で出来る気がしないのでゼバスチャンの援護に回る。
一方のヴィルヘルム。
右手にスナイパーライフル、左手にマシンガン装備だが、内心では遅延戦闘を仕掛けるつもりだったりする。
(……全てを連中の思い通りにされてたまるか。引き延ばしてる間に逃げてくれよ?)
652
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/20(水) 22:18:14 ID:JCr4r.06
>>618
>>648
衝撃波の余波をかわす焔姫
そこを狙う巨大なガトリング砲と化したドロワナから放たれる夥しい程の銃弾、否、もはや砲弾と言うべき彗星達はその獲物を喰い尽くすべく、大型の薬莢をばらまきマズルファイアとの鋼の咆哮と同時に吐き出される
ドロワナの砲弾達は焔姫に向かう途上の木々と大地とを容赦なく貪りながらいよいよ本命の獲物にありつく…ハズだった
砲弾達は焔姫に割り込む形で飛び込んだ(投げ込まれた)アルブレードにその牙を向ける
>>635
ヒツギのゲシュペンストの熱源反応が急速に下がっていく
直ぐ側のレイナの反応と周囲の敵性反応から考えれば……
「……」
ヒツギに対して戦士として敬礼を行うのも束の間
状況は更に悪化していた
>>644
>>649
直援がほぼ無力となった母艦に波状攻撃が仕掛けられる
「間に合えよ!」
アルブレードを放り投げて間も無く航空機形態へと姿を変えてアルプトラウムとの合流を試みる…が
>>644
敵ジガンタイプの砲撃がアルプトラウムに照射されてしまう
「せめてミサイルを!」
その時に警告音が響く敵からの照準用レーザーを受けていたのだ
(俺もまだまだだな)
レーザー照射元を確認した先は…アカリのビルト・ラプターだった
653
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/20(水) 22:36:49 ID:z/IW14OY
>>648
渾身の一斉射を邪魔された、ゼバスチャンは、お怒りのようで
「ごめん、本当にごめん。」
潔く、謝る。
でも、ちょっと
(幸せを、邪魔されたから、キレたんだろうな、)
とか、思ってたりもする。
「でも、いったいな。こっちもそれなりのダメージを受けたな。」
勢いよく、邪魔して、緊急停止したものの、
アヴェンジャーは、途中で止まり
こちらも、ジャケットアーマーが、中破している。
(残り、79%)
>>650
「だから、解んないったら、何度言ったら解るんですか!」
ついに、ユウセイが吼えた。
まぁ、ここまで、来たんだ。少しぐらい吼えたって良いじゃんそう思った故の判断だ。
「そんなに、生きてる可能性を否定するなら、見てみますか。」
アイゼルネは、行動不能
あの黒いのも、クレマチさんが押さえてくれる。
654
:
リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/20(水) 23:14:01 ID:b3LjzZjY
>>649
トリニティ・ブラストとミサイルの雨……アルプ・トラウムはこの二つの攻撃に対し、強引な機動と対空防御システムでもって対応した。
改めて敵艦の性能にリリーは舌を巻くような心持ちだったが、やはりこれまで蓄積されてきたダメージは艦の足回りを蝕んでいたようで、
メインエンジン付近に不調が見られるようになった。
(終わりましたか。あの機動力さえ低下すれば、あとは衝撃砲だけでも仕留められるはずです)
火力は混戦で封じられ、その驚異的な機動力にも傷が付いた。対するこちらは無傷の戦艦とジガンスクード。どう見ても、敵に勝ちの目は無さそうだった。
……が、敵艦はここで予想していなかった行動に出た。目の前に飛び出してくる、赤黒いエネルギー球。主砲を使ったのだ。
この状況で、と思ったが、レイナがどこかへ行ってしまったので、この戦域だけで言えば、両者の間に邪魔になる味方機は存在していない。
読みが一手遅かったか。
「受け止める……!」
エネルギー球は明らかにこちらを狙っていたが、ここで避けては後ろにいる甲斐に被害が及ぶ。
こちらは「盾」を称する機体だ。ならばその名前の通りに、あの球体を受け止めてやろうではないか。
前に出張っていた衝撃砲のバレルを背部に畳み、Eフィールドを前方集中展開、両腕の盾を前方に突き出し、アンジェは防御態勢に入る。
そこへ、赤黒い球体が激突する。エネルギーを圧縮して形成された球体は易々とEフィールドを突破し、突き出された盾諸共、アンジェの装甲を灼く。
だがアンジェの盾と装甲も伊達ではなかったようで、球体はそれらに阻まれてその身を引き裂かれ、赤黒い塵となって周囲に消えていった。
新型の装甲材を用いた盾は何事もなかったかのようにその威容を保ち、盾で守りきれなかった部位の装甲は熱を持ち、白い煙を上げていたが、
目立った外傷はどこにも見あたらない。「盾」の面目躍如といったところだ。
【ジガンスクード・アンジェ:残りHP90%】
しかし、見た目無傷だからといって、内部までそうとは限らない。
アンジェの機体自体は分厚い装甲に守られ無事だったが、背部に露出したままの衝撃砲の回路が、今の熱でオーバーロードを起こしていた。
「く……どうにかなったようですけど、衝撃砲がおかしくなってしまいましたか。砲の耐久性に難あり、ですね」
『少尉、大丈夫ですか?』
「ええ。ですが背部衝撃砲にダメージを負いました。回路のバイパス作業が完了するまで100セコンド程度、といったところです。
敵艦の攻撃はこちらで受け止めますので、甲斐は主砲とミサイルで、攻撃を受け持って下さい」
『了解。主砲1番2番装填。発射管にカルナック3を装填します』
アンジェの主武装である衝撃砲は少しの間使えなくなったが、後方には無傷の甲斐が控えている。
アルプ・トラウムが主砲を使えるということは、甲斐も使えるのと同義である。
アンジェに守られながら、甲斐の前部主砲とミサイル発射管が、アルプ・トラウムを攻撃し始めた。
>>652
黒い機体がゼバスチャンたちを襲わずに、アルプ・トラウムを追い詰めているアンジェに向かってきていたのは、リリーにとって予想外であった。
だが、どちらにしてもこちらからの対応は変わらない。そう、アカリのビルトラプターによる迎撃である。
「誰よあんた、好き勝手暴れてくれてさぁ!!」
レーザー照準を黒い機体にあわせたアカリは、機体の下部に懸架されたメガ・ビームランチャーを連射した。
3発の青いビームが、黒い機体目がけて飛んでいくが……。
655
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/21(木) 01:47:45 ID:ZHdKhqkk
>>643
>>647
>>646
>>648
>>652
「に・・・よ―――人を勝手に殺すんじゃねぇよ」
ノイズ混じりの通信から、確かに声が聞こえてくる
コックピットのハッチが開・・・かない、中途半端な位置で停止してしまう。
が、何者かの足がそれを内側から蹴り付けて無理やりに開いた
思い切り亀裂の入ってしまったヘルメットを放り出し、ヒツギは自力で這い出てきたのだ
この脱出はまさに奇跡による産物だった。
ムラマサがコックピット上部を貫いていたという点・・・何のダメージも無いといったが実際は違った。
そこにはブラスターキャノンが格納されている、ムラマサの一撃がブラスターキャノンを切断していたのだ
そしてこの穴があったからこそ、バレットが刺さって変形する際に最初から穴が開いていた胸部側が先に変形した・・・つまりコックピットは無事だったのである
2つ目に突き刺さったシルバーバレット
ジェネレーターを寸分の狂いもなく打ち抜いていた。
さらにミサイルコンテナにも命中せず、むしろ誘爆の可能性があったコンテナを機体から取り落としてくれたほどだ
ヒツギは緊急降下用のワイヤーをスーツに引っ掛け、そのまま飛び降りる。
短い間だったが、デーモンの代わりに戦ってくれていたヒツギのパートナーであった事に違いは無い。
もう動かなくなってしまった戦友をヒツギは見上げると、その心中で敬意と礼を述べていた
「悪い皆、俺やっぱりこういう敵味方とか『ダメ』だ」
死にかけたとは思えないあっけらかんとすっきりとした様子で、笑いすらその表情に浮かんでいるほどだ。
何故レイナを助けたのかに対する回答なのだろうが
その言葉は謝罪でもあり、また離反を意味する内容でもあった。
とはいえヒツギの機体はもう無い、これ以上戦闘に参加するのは不可能に思えたが―――
656
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/21(木) 06:32:46 ID:ClPZAMAw
>>655
【「に・・・よ―――人を勝手に殺すんじゃねぇよ」】
「死んでる訳無いじゃない。それが信じられなかった時点でお前は駄目駄目よ」
レイナはヒツギが死んだ等と微塵も思っていなかった。信じて疑わなかった。
こんなもの、眼を使うまでも無い。
倒れ伏したアイゼルネの中でいて、余裕の表情をしていた。
「ハヤセ少尉が……生きてる」
流石に本人の姿を目の前にしてこれは幽霊だ!等とは言い出さなかった。
そしてようやくニュートラルに“近い”状態に落ち着いたライト。
これで何の心配も無くレイナを拘束出来るな。と安堵した。
安堵した故に次のヒツギの言葉はまともな精神状態で聴かされる羽目になる。
【「悪い皆、俺やっぱりこういう敵味方とか『ダメ』だ」】
「だからと言って……意味が解りませんよ。じゃあどうするんですか……?何が出来るのですか……?」
未練がましくヒツギを非難するライト。
だが、もう彼がこちらの命令を聞く事は無いという拒絶が認めたくも無いが明らか。
「善とか悪とかくだらないのよ。この坊やをそんな小さな枠に当てはめるな」
だが、まだヒツギはレイナと共に行動して行くとは一言も言っていない。
契約を破棄したのも彼女からだ。
このまま待っていても彼の口からは決して出て来ないだろう。
これだけは、レイナが自分から切り出さねばならない。そして意を決した。
「ヒツギ、私と再契約して。今度は絶対に私が死ぬまで未来永劫私の眷属として……。
そして。もし私が契約を裏切る様な事が有れば罪を背負う。……この右目の邪王真眼を抉り抜いて、君に差し出そう」
恥ずかしげも無い厨二病患者の台詞は時としてとても頼もしい武器になる。
「ずっと私の側にいて」なんてまともにはむず痒くてとても言えた物じゃ無い。
そのせいで、より悪魔的な契約らしくなって来た。
>>654
「悔しいけど、逃げ出す準備が出来るまで今は我慢の子よね。(……レイナ、何をやってるの?)」
ミサイルはレーザーで迎撃を続け、衝撃砲はこの際、甘んじて受ける。ジガンスクードが機能不全に陥っているのが幸いだった。
こちらもデアボリック・フレアで甲斐を狙うが、前には盾が立ち塞がっている。
【アルプ・トラウム:残りHP55%】
『やぁカナメ、ちゃんと艦長してる?
まぁそれより、格納庫に残ったアレに火を入れておいてくれ。彼には必要だから』
そんな最中、レイナの方からアルプ・トラウムに連絡が来た。
レイナは、まだピンチのままだが、決して自らを助けろ等とは言わなかった。
「う〜ん。一応準備だけはしておく。……面倒臭くて仕方ないわ。
それよりもそっちはどうなの?アイゼルネは離脱できそうなの?」
『いや、まだ一歩も動けない。でも私は臣下の期待に答えなければならない。
……カナメとの約束破って悪いけど、あの忌まわしい力を使わせて貰うわ』
「駄目……やめなさい。あなたの身体はもうあんな物を受け付けられない。良く解っているはずよ?」
『解らないわね。私を信じられない親友の心が。なに、絶対に大丈夫よ、私はまた死ねなくなったからね♪』
カナメとレイナの間で何やら物騒なやり取りが行われているが、イクリプス以外のメイド達には何の事やらである。
カナメの否定的な発言から、何かしらレイナが大きなリスクを背負うものだとは予想出来る。
「レイナ……」
しかしカナメの意見を無視し、レイナは一方的に通信を終える。
言っても聞かないのだ、昔から。
657
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/21(木) 09:01:31 ID:ZHdKhqkk
>>656
>「だからと言って……意味が解りませんよ。じゃあどうするんですか……?何が出来るのですか……?」
「何が出来るかどうかなんて分からない、実は今も迷ってるよ」
ライトの問いかけにヒツギは自分の心中をそのまま言葉として伝え始めた。
今も迷っている、結局どちらかに立っても敵と味方に割れるのは決まっているのだ
その証拠に先ほどまでヒツギは二者択一に悩まされまともに戦う事も出来ない状況だった。
だが、今こうして立っているという事はその答えを出したという事を物語っている。
「・・・『仲間』とは戦いたくない、でも『仲間』を守るためなら戦える」
一見すれば矛盾している様でいてその心理を読み解けば矛盾している訳ではない言葉
ヒツギが出した答えがこれだった
彼が取ったのは善悪という立場ではなく、それを超越した仲間という繋がりだったのだ
>「ヒツギ、私と再契約して。今度は絶対に私が死ぬまで未来永劫私の眷属として……。
>そして。もし私が契約を裏切る様な事が有れば罪を背負う。……この右目の邪王真眼を抉り抜いて、君に差し出そう」
「その契約は成立しない、釣り合わないからだ」
ヒツギが意外にも出した否定的な言葉に肝が冷えたが、その後に続く言葉が負を全て吹き飛ばした
「その内容なら見返りもその眼も必要ない・・・そういうもんだろ?」
対価が釣り合わないのはレイナ側ではなくヒツギ側の話。
たったそれだけの為に受け取る事なんて出来ない、対価など得られずとも当然の事なのだから
とんだ正直者の悪魔が居たのもである
『明智少尉、何をちんたらと・・・
君は少なくともこの戦場では指揮官なんだよ、離反者にご高説を聴いてどうするつもりなんだい?』
ライトの機体に通信がかかる、それはこの戦場に居る智天使からのものだった。
この状況で動きを止めてしまったライトを見かねたらしい
いや、煽り立てていると言った方が正しいか・・・その目的こそ不明だが
658
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/21(木) 09:38:30 ID:ClPZAMAw
>>657
【「何が出来るかどうかなんて分からない、実は今も迷ってるよ」
「・・・『仲間』とは戦いたくない、でも『仲間』を守るためなら戦える」】
「それはおかしい。矛盾してます!」
今のライトには何を言っているのかまるで理解していない。仲間など単なる駒だ。
それが解らない以上、完全にライトが入り込める余地は無いか。
【「その契約は成立しない、釣り合わないからだ」】
(やっぱり……駄目か?)
レイナは珍しくただの少女の様にしゅんと落ち込んだ。何が足りない?
【「その内容なら見返りもその眼も必要ない・・・そういうもんだろ?」】
「そう……ああ。びっくりしたじゃないか。本当にね」
だが、断られたかと思ったのはどうやら勘違いだった様だ。
対価が釣り合わないのはレイナ側ではなくヒツギ側だと言う話。
【『明智少尉、何をちんたらと・・・
君は少なくともこの戦場では指揮官なんだよ、離反者にご高説を聴いてどうするつもりなんだい?』】
「……く。解っていますよ。待ってなさい、すぐに戦いを終わらせて見せますから。反逆者を始末してですね」
こんな気味の悪い機体がどうして欧州から?と割とまともに戻った今更ながら思いもしたが、今は気にしない。
目の前では、奴らが再び結託し、再契約とやらをしてしまったらしい。
「ヒツギ、ここは私が何とかする。して見せる。まだ戦う元気が有るなら、君も何とかして私達のアルプ・トラウムへ行け。
我が盟友が悪魔を甦らせたぞ」
ヒツギやレオンハルト、つばめに静香にあとついでにマヤ。これらの命を預かった以上、主人はその家臣達を護らなければならない。
その為ならもう何も恐れる事は無い。皆の。それに最愛の妹の未来を切り開く為に、固唾を飲んでレイナはコクピット内の管の束と繋がったアームカバーみたいな機材へ、その白く細い指先を通していった。
これはレイナに苦痛を刻む特殊な装置。だが、この機能により死に体のアイゼルネ・ブルートに何かが起きる。
「そんなの絶対に許しません!シルバーバレット隊は予定を変えずレイナ・カーマインの拘束をただちに!」
そんなものを目の前で共通の回線で流された側として認める訳にはいかない。
ライトはレイナに負けたく無いのだ。特にあの少年の関わる事なら尚更に。
ライトはシルバーバレット隊へと再び、命令を出す。
動かぬ的となったアイゼルネ・ブルートを拘束すると言う簡単な作業。
しかし、いつまでたっても誰一人として動こうとする者が居なかった。一体、何故なのだろうか?
「……」
659
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/21(木) 09:46:32 ID:ClPZAMAw
「な、な、な!?何だ、今確かに!?」
今、一瞬。動けないはずのアイゼルネ・ブルートがビクリと動いた。
それに気付いたエンジェルフェザーの新米隊員己の眼を疑った。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP5%】
「お、おい!こいつ、動くぞ!」
今度はまたしても微妙な変化。立ち上がろうと膝を曲げている。
目が?それともカメラがおかしいのか?と機械を疑ってかかる
【アイゼルネ・ブルート:残りHP15%】
「ぇぇい!まだ!死してなお、君臨するのか!?」
三人目はアイゼルネがだらーんとした体勢にて、ゾンビの様に立ち上がっている傷だらけの姿を見た。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP45%】
「そ、それどころか!穴!穴が!銃弾でついた穴が!治って無いか!?」
醜い程にズタズタのボコボコに痛め付けられた筈のアイゼルネ・ブルートのボディが徐々に元の綺麗な状態に戻って行くのを四人目は目撃してしまう。
「あ、ああ、悪魔の所業やぁ〜!!」
アイゼルネは穴だらけにされた筈の大きな悪魔の翼をばさーっと大きく広げ、禍々しくも美しい威嚇する。当然、穴は何も空いていない。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP75%】
「馬鹿な。シルバーバレットのリミットはまだ有効な筈よ!……それに、あんなみるみる内に再生が追い付く訳が」
ようやくライトも気付いたらしく、だがどうしてアイゼルネ・ブルートが治って行くのかがまるで解らない。さっきは確かにシルバーバレット弾は有効な結果を出した筈だ
そして、数秒前まで死に体だった筈のアイゼルネ・ブルートは何の枷も無いかの様に飛翔し、月を背に十字のポーズを取っている。
【アイゼルネ・ブルート:HP100%】
660
:
BGM変更
◆zv577ZusFQ
:2013/03/21(木) 09:47:45 ID:ClPZAMAw
「ぅ……に……ゃっ……ぁ…ぁん」
アイゼルネのコクピット内では何が起きているのだろうか今の段階で誰にも知る事は出来ない。
しかし、機体の修復と反比例するかの様にレイナ自身には激しい動悸と熱っぽい吐息。汗にまみれる身体、そして誰にも見せないが目には涙すらうっすらと見られる。
のたうち回ってそのまま倒れてしまえれば楽になるのに。
だが、レイナは必死に唇を噛み締め、声を圧し殺しその痛みと苦しみを誰にも見せない。知らせない。
そして、いつもの様に高らかに、相対する者達を見据えて偉そうに笑ってみせる。
「くっくっく。……明智ライト、お前は本当に私を怒らせた。この代償は、今すぐその身体で払って貰うからな」
その十字のポーズのまま、胸部のハウリング・スマッシャーでの全体を襲う攻撃により、逃げ遅れた愚かなガラクタを排除。
やはり良い装備を付け、多少の性能は上がったものも、所詮はレリエル。
バケモノを前にし、戦意を欠いている者達になど耐えられるはずも無い。
シルバーバレット隊は皆殺しとは行かないまでも総崩れとなる。
そして、勢いの付いたレイナとアイゼルネは、月をバックにガブリエルを強襲。
「や、やらせると思うか!?あなたみたいな者に!落ちなさい!」
ホーリーランスを再装鎮し、迫るアイゼルネに対してこちらから撃って出る。
だが、その突きは単調。ヒツギの事や先程の臨死復活からの動揺を見抜かれ、呆気なくライトの攻撃は空を切る。
と、直後に激しい衝撃。後ろから機体ががっちりと固定されていた。
気付いた時にはガブリエルはもの凄い力でアイゼルネの手元へ手繰り寄せられていた。
「は、はなしなさい!」
ライトは機体を無理矢理にでも動かそうとするがアイゼルネの拘束は外れない。
そして、聡い彼女はこの状況に背筋がぞくっとする嫌な感覚を覚える。
「ふむ……やっぱり美味しくなさそうねぇ。その貧相な肢体は。でも、まぁたまにはこう言うスキモノも有りかもね」
レイナは何を言っているのだろう。
何をアイゼルネにやらせるつもりだろう。
アイゼルネ・ブルートのマスクだった部分が外れ、中からはおぞましい程の魔性の犬歯を揃えた裂ける様な邪悪な口が姿を現した。
それはさながら本当の吸血鬼の様であり
「その実、アイゼルネ。彼女も興奮しているみたい。よく解らないけど?
じゃ。お前のはじめてを……貰うわ」
本当にアイゼルネはガブリエルの首筋にかじり付いた。一心不乱に。
かじり付いた直後に、ガブリエル側に見てとれる様な異常が発生する。
ビリビリとガクガクとボディが勝手に震え始め、電撃が暴れまわる。
これはガブリエル自身の電力。アイゼルネからの干渉により、強制的に放電が行われている。
「ぁ……あひぃ!!?ぐぅぁ!んががぁァァァ!?ああああああ!?!?」
突然、ライトが狭いコクピット内で暴れ出した。本人にとっても最初、意味がよく解らなかった。身体がおかしくなった。
(いやあぁぁ!……かかか!感電!感電してりゅうぅぅ!?!?)
だが、すぐに理解する。その電撃はコクピット内で守られている筈のライト自身にも浸透し、その身体に脳が焼き付く程の直接的ダメージを与えていたのだ。
(こんなの、はじめての体験!頭が……身体がぐちゃぐちゃになるぅぅ!!)
少女の忍耐には限界があった。もう何も考えられない。恐い痛い熱い暗い眩しいそして何より悔しい何だかの屈辱感。
もはや言葉になっては出てこないが。
「なんて情けない。……つばめと静香が受けた苦痛に比べれば、命令を下したお前にはこんなもんじゃ生温い。
少し、頭を冷やしてよく考えてみなさい。あんなものが軍のやる事なのか」
レイナは静かに。だが確かに怒っていた。
アイゼルネはこの吸血鬼攻撃により、ガブリエルの全エネルギーを奪い取る事が可能。
電撃が次第にガブリエルの機能をショートさせ、爆発させ、パイロットを追い詰める。
ライトは飛び上がりそうになるほど、身体を弓なりに浮かせて苦痛を受ける。
「……ひゅ……ひゅぅ……が……ぁあ」
そして、ついに目の前が真っ暗になり、ぐったりと身体を弛緩させ糸が切れたパペットの様に失神してしまった。
失神。しかも大勢の味方が見ている前で上司の期待に応えられず、ライトはこんな辱しめを受けた。もう終わりだ。何もかも。
【ガブリエル:HP0/EN0】
そして、アイゼルネ・ブルートは最後に機能停止したガブリエルの頭をヴァンパイア・クロウで切断した。
「敵将!討ち取った……!」
それを誰の目にも耳にもライトの敗走が解る様に天高く掲げ上げ高らかに宣言した。
661
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/21(木) 10:35:14 ID:uPcLb5xo
>>655
>>「に•••よ___人を勝手に殺すんじゃねぇよ。」
「はぁ、無茶しやがって、馬鹿か。お前は」
>>「悪い皆、俺やっぱりこういう敵味方とか『ダメ』だ。」
「どういう事だ?」
>>657
>>「『仲間』とは、戦えない。でも『仲間』を守るためなら戦える。」
「それは、お前、俺たちを傷つけるつもりか。
お前は、茨の道を進む覚悟があるのか?」
そう、言うしか無かった。
ヒツギに、話せる言葉がそれしか、出てこなかった。
>>659
「まっ、まさか、マシンセルによる再っ生」
ここから見ると、ただの悪鬼にしか見えなかった。
にしても、スピードが早すぎる、しかも魔女殺しを食らってもなお
回復した。
「危険だ。明智大尉今すぐ、撤退を」
だが、レイナの攻撃の方が早かった。
>>660
アイゼルネから、放たれる砲撃
ユウセイは、念動フィールドを、展開+シールドで防げたが
>>「じゃ、お前の初めてをもらうわ。」
「えっと、何だあれ?」
マスクがはずれ、なんか犬歯が出てくる。
「あれは、吸血?、いやまさか放電」
ユウセイは、それを強制放電とみた。
>>「敵将!討ち取った……!」
「マジで、やられちゃったよ。」
ガブリエルが、人形みたいにぐにゃりとなっている。
「リリー少尉、その船への攻撃を中断して甲斐に一任できますか。
もしできるようでしたら、直ぐに、アイゼルネを止めてください。
ジガンなら、止められるかもしれない。代わりに俺がいきます。ジガンよりは、脆いですけど、それなりには、堅いですよ」
「それと、ケルビル1次は、恐らく貴方が狙われるかもしれませんよ?予告は一様しときましたからね。」
これ以上の、損害は許されない。
そう思い、迅雷を構え、あの黒い戦艦に向かう
662
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/21(木) 21:14:48 ID:sAfTe19E
>>654
【「誰よあんた、好き勝手暴れてくれてさぁ!!」】
軸を友軍のジガンに合わせぬよう上手くこちらを狙い撃っている
放たれた光の柱を翼が自然に逃げていく様な形でロールし初撃を回避。光学センサーから機体右翼上部から先端すれすれを通り抜けていく
続く二射目には下降しつつ急旋回して対応、こちらは大きく外れる
機首をラプターの方向へ向けつつ
「大気圏内での空力特性の差…というか制空戦で対艦砲は大胆だな」
そう言った矢先、モニターが光に覆われる
三撃目はこちらの機動を見越してのもの、しかしこの短い時間で正確に補正するには並大抵なら誘い込んで予めヤマを張って撃つ
だがアカリであればインターフェースさえ良い物を使えば高速で動く相手に砲撃を当てる離れ業も比較的現実的になる
「なんとぉ!」
迫る三射目、光の柱の下に潜り込むようにギリギリを飛翔
更にバレルロールしてこの光の柱に張り付くように螺旋を描きそのままラプターの真上を逆さまに通り抜け
「残念だったな。でお前はこの戦いで何が得られる?何を求めてる?」
アカリの攻撃には躊躇がみえない。だが恐らくは今尚俺が向かっているジガンタイプだろう。まだ距離はある
「あれを守る事がお前の理由か?」
>>661
そんな折りアルプトラウムを狙うアルブレードの姿が見える
(あいつは何故戦えるんだ?)
ちょっとした悪巧みが頭をよぎる
663
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/21(木) 22:17:34 ID:UZ2tjdac
>>558-560
「やれやれ、今日の明智大尉はどうもな……結局痴話喧嘩になって……痴話喧嘩?」
嗚呼、もしもマデリーンがいたなら、即座に回線を強制的に切断した上でお説教なのだが。
「なるほど、明智君、君はハヤセ君に惚れてたのか」
嗚呼、言っちゃった。
>>661
「……よし、この場は俺が、ヴィルヘルム・フォン・エッシェンバッハ少佐が預かろう!」
しばらく軍から離れていたので遠慮していたのだが……
「ハヤミ君、レイナ嬢ちゃんは任せた。
分かってるだろうが生け捕りにしたい。それから喰われない程度に頑張ればいいぞ」
まだ、その真意は……
>>657
「ハーゲン!聞いた通りだ、敵艦に向かえ!
ラウディ、そっちの援護に回れ。
後は……ふむぅ、目の前の敵に向かえばいい」
ライトが倒された穴を埋めようとしている。と言うか、指揮権を乗っ取ろうと。
>>662
「……伍長に任せるか」
ぼそっと呟いた。
664
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/21(木) 22:45:27 ID:0zb5NNu6
>>663
>>「なるほど、明智君、君はハヤセ君に惚れていたのか。」
(大尉は仕事しかできない、ダメ女だと思ってたけど、恋とかするんだ。)
クソ無礼な事を思ってた、ユウセイ。その見返りとばかりに、
>>「ハヤミ君、レイナ嬢ちゃんは任せた。
分かっているだろうが生け捕りにしたい。それから喰われないように頑張ればいいぞ。」
(無茶言うなぁぁぁ!!!!)
ユウセイは、心の中で絶叫した。
でも、上司の命令は絶対だ
「了解、でも死にたくないんで、保険でリリー少尉もらっていきますよ。」
貰うという表現に特に意味はない。
そして、リリーに通信を入れ
「少尉、予定変更します、俺が、前から牽制しますから、挟撃の体制に入ってください。」
そう連絡を入れる
「あっ、これって、」
たまたま、近くの死骸から、
「残ってて良かった♪」
その手に、シルバーバレッドを手に取り、
「宝の持ち腐れかもしれないけど、無いよりは増しだ。」
それを、腰にマウンドする。
「止めにいくか、死ぬ気で」
迅雷を構え、アイゼルネに向かっていく
665
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/22(金) 02:42:01 ID:C4o9g0Oc
>>658
>「ヒツギ、ここは私が何とかする。して見せる。まだ戦う元気が有るなら、君も何とかして私達のアルプ・トラウムへ行け。
>我が盟友が悪魔を甦らせたぞ」
「蘇らせた・・・アルプ・トラウムってあの戦艦だろ?あんなとこにどうやっていけって・・・」
見上げると夜空には絶賛戦闘中の戦艦が見える、戦闘による爆発か宛ら花火の様だ
機体が破壊されたヒツギにあそこまで向かう手段は無い
>ようやくライトも気付いたらしく、だがどうしてアイゼルネ・ブルートが治って行くのかがまるで解らない。さっきは確かにシルバーバレット弾は有効な結果を出した筈だ
>そして、数秒前まで死に体だった筈のアイゼルネ・ブルートは何の枷も無いかの様に飛翔し、月を背に十字のポーズを取っている。
「傷が・・・再生してる」
今までアイゼルネは幾度と無く戦闘中に回復していた、それはヒツギも知るところだ
だが破壊された状態から瞬時に復活するとなると・・・あの時みた以来、2連続だ
>その十字のポーズのまま、胸部のハウリング・スマッシャーでの全体を襲う攻撃により、逃げ遅れた愚かなガラクタを排除。
「うぉおい!!」
下に居たヒツギの元にも炎をまとったレリエルの残骸が降り注ぐ、流石に戦闘中真っ只中に生身で居るのは危険すぎたらしい。
ダッシュで走るヒツギの前に、ダメージを受け姿勢維持を出来なくなったレリエルがそのまま落ちてくる
「これは・・・使えるかも」
カメラアイにはまだ光が宿っている、武装は先ほどの攻撃で破壊されたらしいが・・・駆動系動力系はそのまま生きているようだ
コックピットハッチが開き、中からパイロットが出てくる。
「悪い」
その瞬間に横から延びてきた手がヘルメットのしたの隙間に滑り込み、そのまま前方へと引っ張られる
ヘルメットに指が滑り込んだ事で首の部分に隙間が出来る倒れこませるのと同時にその部位へと拳槌による横一線がめり込んだ
悶絶しているパイロットを尻目に、レリエルに乗り込むと機体状況を確認
右腕と・・・スタビライザーかウィングが片方やられているらしい、落ちてきた理由はこれだ
多少無茶な飛行になるが、アルプ・トラウムまではギリギリたどり着けるだろう、無理でも向かうしかないのだが
「頼むぜ・・・!」
レリエルは左手を支えに立ち上がると、そのままアルプ・トラウムへと一直線に高く飛び上がっていった
片側に傾いてフラフラとしているが無事に飛行できている。
後はアルプ・トラウム周囲での戦闘を気合で突っ切れば・・・!!
666
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/22(金) 16:12:21 ID:C4o9g0Oc
>>660
「チッ・・・」
ああいうが、ハーゲンの行動も強ち無意味だった訳ではない
あれが無ければ単機で突撃をすることは無かっただろう
アカリやリリーが相手の動きを止め、ハーゲンの行動が激情を煽り、ライトは目標を沈黙させるまで至った
途中までの経過を見ればレリエルもどきの登場というアクシデントを含めてもまさに狙い通り、追い風だったはずだ。
ところがヒツギ・ハヤセが裏切った事で完全に崩壊した、ライトが動揺しそれが相手に付け入る隙となった
ハーゲンはライトを無能とまでは言わない、だが見通しやツメの甘さで評価が割れる
彼女がどうなるかは分からないが、個別機関に近いエンジェルフェザーの問題は彼ら自身の裁量で決まることだ
そんなことよりもハーゲンが興味をそそられたのはレイナ・カーマイン。
派手な吸血攻撃・・・ではなく、その前に行っていた瞬間的な超回復能力
説明を受けていた限りではマシンセルによるものであることは間違いない、だがそれを抑制するはずの銀の銃弾を受けて尚回復した
そもそもこの戦闘の動機も怪しいものだ、嫌うのは良いがわざわざ敵対し戦闘までする理由は薄い
つまり連邦の配下に入りたくない説明出来ない理由があるのだ
この事がハーゲンにある事実を予感させた。
あれ程の回復速度、前例もある『特殊な管理システム』の直接影響下でも無ければ不可能。
つまりは・・・
しかしハーゲンはそれに興味をそそられなかった、むしろ『逆』だ
「ふぅん・・・」
>>663
(状況から言えばもっとも階級が高い武田中佐が取るべきなのだろうが・・・)
機体は一切動かず、頭部の目の一部が甲斐に視線を移す。
置物としての扱いが強い彼女が指揮権を持ったとしても、最終的な配置を決めるのはリリー・スノウフェイルかこの女かだろう
ハーゲン自身も指揮を取れない訳ではないが、甲斐に元々所属していたメンバーが言うことを聞いてくれる等と考えていない
>「ハーゲン!聞いた通りだ、敵艦に向かえ!
> ラウディ、そっちの援護に回れ。
> 後は……ふむぅ、目の前の敵に向かえばいい」
「了解した」
ここで従わなかったら瓦解した前線がさらに崩れる、大局を判断できない程無能ではない
レイナ・カーマインを直接捕獲するのが不可能ならば、在り来たりだが身動きを取れなくするべきだ。
こんな状況では特殊な作戦や奇策よりもシンプルな方が統率しやすく、また落ち着けやすい
「残ったシルバーバレット隊は再編成、ツーマンセル
この数でレイナ・カーマインに構うな、敵戦艦を狙え、負傷者および機体の回収も許可しない
足さえ無ければ持久力で押しつぶせるだろうしねェ・・・」
「おや・・・?」
破損したシルバーバレット隊のレリエルが先行して敵戦艦に向かっている
指示を送ったタイミングを考えても早すぎる、何よりも欧州連邦の兵にしては無謀すぎる。
「ククッ・・・なるほどねェ!!」
インセイオンがその巨大すぎる両手を高く掲げ、大地へと振り下ろす
地に隆起を起こしながら亀裂が走り、インセイオンはと言えば高く飛ぶのではなく跳び上がっていた。
アームのパワーを利用してその反動で跳躍したのだ、その速度を維持し両腕を後方へと垂れ下げ全身のブースターを唸らせながら飛ぶ
あのレリエルのパイロットは連邦の兵士ではない、おそらくはこの状況の引き金を引いてくれたヒツギ・ハヤセだ
敵戦艦と合流するつもりらしいが・・・
「遅すぎるよねぇ!流石にさァ!!」
『!! しまった!』
一見すればフレンドリーファイアにすら見えるこの行動
レリエルをまるで羽虫か何かとして、叩き潰すかのように後方から振るわれた巨腕は・・・
667
:
リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/22(金) 17:52:25 ID:qm5xMPuE
>>656
,
>>660
,
>>661
,
>>663-665
アルプ・トラウムからまたあの赤い球体が飛んでくるが、今度は甲斐を狙っているようだ。
「盾」を駆る以上、それを通すわけにはいかない。先ほどと同じ防御態勢で、球体を受け止める。盾も装甲もまだまだ健在だが、
(あともう3、4撃食らったら、装甲が融解を始めますね、これは。フィールドが機能していれば違ったのですが……)
そんな折、突然ガブリエルのシグナルがロストした。戦況モニターを見れば、アイゼルネを包囲していたエンジェルフェザー隊も半壊状態だ。
一体何が起こったのだ、この一瞬で。想定外過ぎる事態にリリーは驚きを隠せなかった。
それだけならまだ良い。ガブリエルが撃墜されたということは、総指揮を執っている者が居なくなったということ。戦場の混乱は必至。
何故かこちらを引き込んでアイゼルネを叩こうとしてるユウセイ……は元々無軌道だから良いとしても、
どういうわけかヴィルヘルムが指揮権の乗っ取りを始めた。彼はこの状態で戦闘を続けようとしているが……。
「ヴィルヘルム少佐、この状況での戦闘続行は無謀です!
エンジェルフェザーは私達とは別系統の指揮で動いており、その指揮を出していた明智大尉が撃墜された以上、敵方の部隊を抑えていた味方の動きは硬直する!
すぐに味方が崩れて、ここに敵の部隊がなだれ込んできますよ! これ以上はただの掃討戦になる! それも敵側の!
今ならまだ余力があります! 被害を受けた部隊を援護しつつ、後退しなければ!」
アルプ・トラウムを損傷させ続けているとはいえ、敵艦は未だ健在。
ここで一気に攻勢をかけて敵艦を墜とし、戦況を逆転させることを考えるよりも、味方の被害を最小限に抑えたい。リリーはそういう傾向の考え方をする士官だった。
そのためには、「盾」である自分が抑えに回らなければならない。
回路切り替えの済んだ衝撃砲を構え、アルプ・トラウムを再び防戦一方に追い込もうと思った矢先、敵艦に近づく一機のレリエルに気がついた。
ふらふらと危なっかしい飛び方で、今にも墜ちそうだ。あのままこの戦域に介入するつもりなのだろうか。正気の沙汰ではない。
「そこのレリエル! 何をしているのですか!? そんな状態では砲撃戦に巻き込まれるだけですよ! 後退して下さい!」
味方が居ては砲を撃つことはできない。この状況で出てくるなど、どんなパイロットだ。
>>662
こちらの放ったランチャーによる射撃は、全て回避されてしまった。
元々敵の進攻を遮るための射撃であるので、回避されるのは別に構わなかったのだが、その回避パターンに、アカリは引っかかるものを感じた。
(この感じ、どこかで……)
こちらの上をすれ違っていった黒い機体を追撃するために、逆噴射で速度を落とし、人型形態へ変形。
盾にマウントされていたビームランチャーを掴み、その銃口を黒い機体に向ける。そして引き金を引こうとしたその時、敵機からの通信が入る。
……道理で引っかかると思った。覚えのあるその声で語られる言葉を聞いて、アカリは驚きと納得と悲しみと……小さくない反感を抱いた。
「……レオンさん、でしたか。なるほど…………と、言うしかありませんね、これは。
得るもの、求めるもの、ですか。何となくですけど、あなたらしい質問だって、思いました」
アカリはパイロットスーツのヘルメットを取った。纏めていた髪がばらけ、アカリの肩に落ちる。
「それ」が来るときに、いつも邪魔になるヘルメットをシートの脇に引っかけて、細く長い深呼吸をする。
「…………じゃあ答えるわ。そんなものは「こんな戦い」に有りはしないわよ!」
レイナに銃口を向けていた時に凍っていた指が、何の問題もなく動き、再び2度3度、トリガーを引いた。
以前に乗っていた機体よりも速い機体のようではあるが……「そんなことは知ったことか」と、アカリの中の特別な回路が、静かに吠えた。
超速度反射能力。こんなに静かな感じの発動は、初めてだった。
黒い機体を後ろから追いかける形になったラプターのランチャー銃から、青白いビームが飛ぶ。
後方に居るからこそ出来る、バーニアの挙動を見た上での偏差射撃。反射能力が有るが故の曲芸じみた射撃である。
668
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/22(金) 18:47:16 ID:t4uACBjE
>>667
「……となれば次はお前なのだよ!」
レイナはアルプ・トラウムへと戻る最中、艦に大打撃を与えている原因であるジガンタイプの特機と遭遇する。
「まだやるなら、ここからは私が相手をするよ。明智クンの同僚か何かは知らないけれど、主人の留守中をよくも狙ってくれたわね?」
手に持ってて邪魔だったガブリエルの頭をジガンタイプへ投げつけ、宣戦布告。
ヒツギのレリエルがフラフラしているせいで相手側からの砲撃が来なくなったのを良い事に、
有無を言わさずアイゼルネ・ブルートはジガンスクードへと飛び掛かる。
相手は特機、ましてやあの取り回しの難しそうな図体である。レイナはそこを容赦無く狙って行く。
「死と絶望こそが我が刃!渦巻け、シャドウ・イロージョン!」
また訳の解らない言葉を喋り出した。
両手持ちにして力を籠めたデアボリック・エクスキューショナーを突き出す。その槍の部分でジガンの強大な盾を突き破ろうとするが。
【アイゼルネ・ブルート:射程1〜2の近距離からジガン・アンジェにデアボリック・エクスキューショナーで攻撃】
「待たせたわね、カナメ。イクリプスもメイドの諸君もご苦労様。さぁさ、ここから逆転するわよ♪」
どうやら、まだ勝つつもりで、ここから生きて生還する気で居るらしい。
ようやく合流を果たした皆の主は今まで艦を持たせたクルー達の功を労った。
「ご無事で何よりでございます」
「やったね♪これで勝つる♪」
アルプ・トラウムのクルー達はレイナの無事を知り、皆一様にざわざわとお喋りを始め、ハイタッチ等を決めて歓喜している。
こちらは士気高揚しているらしい。
「ご無事で、お嬢様。恥ずかしながら私めの操舵の不手際で艦のテスラ・ドライブが不調を起こしております。
現在、対応しておりますが、完全に機能が回復するのにもう暫くお時間を下さいませ」
レイナ一番の従者イクリプスはレイナ達の会話が良い感じに終わるのを待ち構え、艦の被害報告を上げる。
カナメの指摘により、回復の兆しは既に見えた様であり、現場では指示を受けたメカニックメイド達が作業に取り組んでいる。
「いいや、ご苦労。じゃあ、また時間をかせいでやるとするか」
もう一頑張り。当然の如くレイナは前線で艦を護ろうとする。
「あほ……レイナ。止めたのに何故、瞬間再生を使ったのよ。これでは……またあなたの時間は」
ただ、ピンピンしているアイゼルネの凱旋に対し、頬を膨らませて(おとなげ無い)イマイチ嬉しく無さそうな者が若干名。
カナメは自分の忠告を無下にしてまたしても勝手に無茶をした事に対して拗ねていた。
結果的に明智ライト達の包囲を打ち破る事が出来たが、どうも手放しで喜べた物じゃないらしい。
「ストップよ。……心配をかけさせて、悪かったわね、カナメ。でも私の心には後悔なんて微塵も無い。
この埋め合わせはちゃんとするから、そう睨みなさるな?」
これ以上余計な事は言わせまいとカナメの言葉を遮った。
当のレイナは一切後悔していない。必要な事だからやったまでだと。
それに、そもそも身体には何もリスクなど及んでいないとさえ見える程に今のレイナは好調そうだ。
少なくとも素人目にはそう見えるだろう
>>666
【一見すればフレンドリーファイアにすら見えるこの行動
レリエルをまるで羽虫か何かとして、叩き潰すかのように後方から振るわれた巨腕は・・・】
「ふふん。無粋にも程が有るな。“今はまだ”引っ込んでなさい」
だが、その巨腕は何も掴む事も出来ずに、空振りした。
アイゼルネ・ブルートが召喚した闇の使い魔ナイト・フライヤーの大群がその半壊状態のレリエルを奪い去って行ったからだ。
「ヒツギ、君にはいつも闇が憑いている。安心しなさい」
ただ、サポート出来るのはこのぐらいだ。
669
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/22(金) 19:37:30 ID:qm5xMPuE
>>668
普段とは違って余裕のない表情で後退を説くリリーの耳に、アンジェの装甲が何かを弾く音が飛び込んできた。
何かと思ってみてみると、装甲に跳ね返って回転しながら落ちていくガブリエルの頭部だった。その後ろには、その首の主を撃破した黒い吸血鬼の姿。
エンジェルフェザー隊を半壊させたアイゼルネが、今度はこちらに牙を剥いてきたのを見て、リリーは苦々しい表情で呻いた。
「次はこちらの番ということですか……! 当然ではありますが!」
両手で構えたトマホークランサー、その切っ先でもって突撃してくるアイゼルネ。
「ここで墜ちたら、「盾」の意味がありません! この子の「神盾」を舐めないでくださいよ……!」
後退をするにしても、このまま攻勢をかけるにしても、拠点となる甲斐を守るこのアンジェが墜ちては話にならない。
突き出される穂先の前に、アンジェの右腕の盾が立ち塞がる。
デアボリック・エクスキューショナーと呼ばれるそのトマホークランサーも強力な武器ではあったのだが、「神盾」を破るにはまだ力不足。
ランサーの穂先を表面でがっちり受け止め、そのまま押し返した。
「やれやれですね! 指揮官が墜ちて総崩れなんですから、外様のこっちくらい見逃してくれたって良いでしょうに!
……ソードブレイカー! 追い払いなさい!」
背部ラックに戻って充電を完了していた十基のロング・ソードブレイカー、そのうちの二基が射出され、
押し返されて体勢が崩れたであろうアイゼルネを両側から刃の突撃で襲う。
670
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/22(金) 20:00:49 ID:C4o9g0Oc
>>667
>>668
>「ふふん。無粋にも程が有るな。“今はまだ”引っ込んでなさい」
「助かったぜ、レイナ!」
インセイオンの腕からすり抜ける様に消えてしまうレリエル
レイナの撃ち出したナイト・フライヤーがレリエルを守るように蠢き、そのまま押し出してくれたのだ
『チッ・・・!!』
ハーゲンの舌打ちが聞こえてくる、レリエルを追おうとするも戦艦からの砲撃が完全に道を塞いでしまった。
この状況からレリエルに対して警告を送っていたリリーにも誰が乗っていたか理解できただろう
しかしながらハーゲンのように躊躇無く撃てと言うのが無理な話だ。
アルプ・トラウムのハンガーにヘッドスライディング宛らで入ってきたレリエル。
いくらナイト・フライヤーが優しく運んでくれたとしても武器は武器、ダメージを受けたのは仕方が無い
コックピットをこじ開けてヒツギが飛び降りる、今回のヒツギはこんなことばかりだ
(レイナの言葉を信じるなら・・・・・・!)
それはそれとして、ヒツギはレイナの語っていたモノを探し始めた
彼女の言葉通りならここにはいる筈なのだ。
そう――――デーモンが
671
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/22(金) 20:44:43 ID:C4o9g0Oc
>>667
>すぐに味方が崩れて、ここに敵の部隊がなだれ込んできますよ! これ以上はただの掃討戦になる! それも敵側の!
>今ならまだ余力があります! 被害を受けた部隊を援護しつつ、後退しなければ!」
(ま、言ってることは理解できるんだけどねぇ・・・)
心配を煽るような言葉である為に一般兵には聞こえていないだろう通信に対し、ハーゲンは珍しく頭を抑えていた
『この戦い』に置いてはもう勝敗などという言葉はない、そもそも勝敗はアイゼルネがシルバーバレットの効果を超越した時点で終わっていた。
だが『これを含めた戦い』を見れば意味が変わってくる。
新造戦艦に最新鋭機やカスタム機、さらには複数の部隊というこれだけの戦力・設備を投資しているという事は
レイナ・カーマインの確保に本気になっている、レイナ・カーマインの持つ戦力を危険視しているという証拠だ。
それに『この戦い』が長期化すれば分はこちらにあるとハーゲンは判断していた、敵は最終的に『逃げる』必要がある
ここでこちらを倒したとしても逃げることが、そして補給までの戦いを乗り切ることが可能なだけの戦力が無ければ意味が無いからだ。
こんな敵地ど真ん中の施設で立て篭もるとはとても思えない、故に長期化が予想された段階で敵が逃走を考える可能性が高い
つまり『この戦い』は負けようが『この次に行われる戦い』を無傷で成功させられる算段がつく
であれば十分な価値を持っていると考える事が可能、それが実際に銃を持つか舌戦になるかはハーゲン達の知るところではない
戦いは『敵の戦力を可能な限り削る』という方向にシフトしているのだ
・・・が、先ほども言ったがリリーが言っていることも十分理解できる。
損失を抑えるべきだという意見はハーゲンも同意するところだ、つまり・・・
>>668
インセイオンの頭部にある瞳がグリグリと周囲すべてを確認した
敵のラーゼン隊の位置は大体確認できた。
機体の性能もパイロットの錬度も悪くは無い、軍人顔負けといってもおかしくないだろう
「さて・・・と、まぁ全部は無理だろうねェ・・・」
インセイオンの全身に走る露出したフレーム・・・回路に光が眩しいほどに発光する。
それらは瞬時に同じく全身いたるところに取り付けられたオーブへと収束を始めた
集められたエネルギーがまるで脈打つかのように点滅し、視界が歪むほどの念が纏まって行く
「フフ・・・アッハッハッハッハ! 誼みとして尻拭いくらいはしてあげようじゃないか!」
目が痛くなるような閃光を迸らせると、黒い空をキャンパスにでも見立てたかのように無数の桃色の線が走りだした
その全てはインセイオンのオーブから太い柱のように放たれ、広範囲に広がったかと思うと―――
信じられないような急角度で屈折する、それぞれが完全にバラバラの方向へと
機械的な追尾機能ではない、生き物のように不規則且つ無意味な屈折を挟みながら。
よく見るとそのビームの先端は牙を従え、大きく口を開いた獣のように見える
それぞれが標的としたラーゼン隊へと迫り、蛇のような不規則な動きと鮫のような獰猛さを持って襲い掛かるではないか。
672
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/22(金) 22:28:39 ID:/kCxaP5w
>>664
,667
「リリー君、“その程度”でこの部隊は崩壊するのか?」
謎を一つ、かける。
「何、ハヤミ君にも言ったが“死なない程度”に頑張ればいいから」
まさか、“落とさなくてもいい”とは口には出来ないから。
>>665-666
,670-671
「……あの機体……ハヤセかっ!?あのジジイの孫だけあるっ!」
知ってるらしい。
「まぁ、彼が生きてるなら……ハーゲン?」
どこかで裏目音が鳴る。
艦を攻撃させていれば随伴を無視してどうにかとの判断が裏目に出てしまった。今更何も言えないので、一撃で落ちない事を、魔手に捕まらない事を祈る。内心で。
「さて、こうなると俺も仕事をしないとな……」
目の前の焔姫をかいくぐり、何とか隙をついて敵艦に乗り込もうと試みる。
673
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/23(土) 00:28:39 ID:452vUXKY
>>667
【「…………じゃあ答えるわ。そんなものは「こんな戦い」に有りはしないわよ!」】
アカリの答えに思わず口角があがる
実戦も経歴も全然なのに言うことは一端の戦士のもの
言葉にひっかかりを感じはしたもののアカリの様な時期の者にここまで言わしめるのは異常だ
「ハハッ!そうだな!そして戦いでさえもない。その答えが一過性のものである事を祈るよ」
エルロンロールを行いつつも僅かに右へ傾けるビーム光が先ほどよりも更に際どい所を掠めていく
矢継ぎ早に延びる二射目に対し先ほどとは逆回転にロールするとこちらは大きく外れる…
(さぁ勝負だ!)
前回より更に精度を増した三射目が機体の後部を掠めると、その部位がオレンジ色に染まった後、煙が登り高度が下がっていく(HP90%)
「その位置から追いつけるかい?」
失速したと思われたムラマサの推進部から登ってみえるのは煙幕だった
空力を得て更にアンジェに向けて加速する
>>669
【……ソードブレイカー! 追い払いなさい!」】
二機のソードブレイカーが射出されたその影から、それよりも小さなソードブレイカーがそれぞれ4基ずつ取り囲んでいた
ずっとアンジェの周囲を見張っていたムラマサの攻撃子機である
ロング・ソードブレイカーに対しレーザーと突撃による波状攻撃を仕掛ける
そしてトマホークランサーを耐えたアンジェに加速して全身が紅い刃と化したムラマサがその上を斬り裂くべく、接近その脇を抜けつつ急上昇
アンジェの頭上高くを奪うと人型へと姿を変え背中の妖刀を抜き放つ
「その盾、叩き割らせてもらう!」
太陽を背にした状態から急降下からの兜割りを狙う
674
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/23(土) 09:03:10 ID:m0ZIETOI
>>669
【「ここで墜ちたら、「盾」の意味がありません! この子の「神盾」を舐めないでくださいよ……!」】
「これを止められたのか……硬い!」
その神盾にぶつかり、あまりにもの硬度に逆に攻撃した側が崩される。
勢い余って弾き飛ばされるアイゼルネ・ブルート。そのやられっぷりは無防備。
【「やれやれですね! 指揮官が墜ちて総崩れなんですから、外様のこっちくらい見逃してくれたって良いでしょうに!
……ソードブレイカー! 追い払いなさい!」】
「あ……あ!!あーあ、その楽しく無さそうな喋り方。お前はあの時、甲斐の指揮権をジャックしたCICのちびっ子だな?」
リリーの声が聞けた事でようやくパイロットの正体を看破。あの異空間での戦闘の時、彼女はいずれ大物になるなと覚えておいたが、彼女ならばレイナも納得だ。
「成程な。どおりでこの勇猛なる闇の軍団が圧勝出来ないわけだ。
だが、こちらもお嬢ちゃんの噛ませ犬になるつもりは無い。ここは退いて貰うわよ」
ちなみに、今、ジガンの攻撃子機が両サイドから迫り、アイゼルネを狙って突撃をしようとしている様だが、レイナは吹き飛ばされながら一切の防御手段を取っていなかった。
決してなめてかかっている訳では無い。
だが、その余裕は何を意味するのか?
>>673
【二機のソードブレイカーが射出されたその影から、それよりも小さなソードブレイカーがそれぞれ4基ずつ取り囲んでいた】
「私には優秀な家臣達が居るからね。信じていたさ」
よってアイゼルネ・ブルートの装甲にはソード・ブレイカーが届かない。
リリーに対して、自慢気にご高説する。
ありがたい何者かのサポートはレイナには後ろを見ずとも解っていた。
【「その盾、叩き割らせてもらう!」
アイゼルネの背を抜け、頭上高くからレオンハルトのムラマサが機体の名称通りの妖刀でジガン・スクードの神盾を打つ。
「まだよ、私も合わせる!断罪のブラッディ・クロス!」
また謎の必殺技名を叫んでいる。
ムラマサの縦一文字に重ねて、アイゼルネはデアボリック・エクスキューショナーの斧部分の刃で横一文字に神盾を凪ぐ。
二機の斬撃は赤い十文字の様である。
「でも、アカリを無視して無理に動くのは失策だね。
なめてると落とされるのは、どっちか解らないわよ」
お礼はやっぱり言わないった。お兄様ありがとー(はぁと)なんて言わない、絶対。
礼の代わりに一つ忠告する。テクニックでは彼が上回っているかも知れないが、
アカリのあの超常能力は底知れない。レオンハルト程の手練れならそれを肌で感じ取っているはずだ。
675
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/23(土) 09:03:55 ID:m0ZIETOI
>>670
ハンガーに侵入したヒツギの真正面には懐かしき悪魔の姿が有った。
不足していたゾルオルハルコニウム合金も入手し、完璧に改修されている模様。
「はぁ……はぁ。……ひゅ?あー!!あなたがヒツギ様ですね?お嬢様から話は聞いてますよ!
ああ!良かった〜この機体の修復が無駄にならなくて!」
ハンガーのヒツギの元にやかましいメイドが一人駆け寄って来た。
来るとも解らぬパイロットの為に律儀にバルクレイスの準備をしてくれていた様だ。なので既に灯は入っている。すぐにでも飛び立つ事が可能だ。
「あ、でもちょっと待って下さいネ!カナメ様が何か言う事が有るとか!今、お呼びしますので!」
急ぎたいヒツギをちょいと引き止め、タブレット端末の画面をヒツギに向けた。
『……やぁ、はじめましてかな。私はレイナの幼なじみのカナメ・ライブラ。バルクレイスの製作に関わった者の一人よ?
あなたがバルクレイスのヒツギ君よね…え〜とね……ふわぁっと……ああ、ごめん』
タブレットの画面には癖が付きハネハネの桃色の髪をした少女の姿が映し出された。
伸びきった前髪の端からは眠そうに垂れた金色の目が微かに見える。
わざわざヒツギを引き止めたと言うのに開口早々にマイペースにあくびするそのとぼけっぷりは急ぐヒツギを焦らせる。
『えーとね……SCI。分かる?あれが何故あなたに動かせるのか、ちょいと色々調べたいの。逐一バイタルとか脳波を勝手にチェックさせてもらうけど、気にしないでね』
未だにロジックがよく解らないらしいシンクロ・コード・インターフェイスの解明にメスを入れようと提案する。
もちろん、コクピットに器機は積んでしまったので拒否権は最初から無いのだが。
『だから、撤退の準備が整うまで全力で暴れて来て良いよ。レイナの出番がもう無いくらいにね。……え〜と。ぶち殺れ〜』
それを言うと端末の映像が切れた。
この変な女なりにエールを送ったつもりであるが、気力が逆に下がり兼ねない。
「機体は準備オッケーです!いつでもどうぞ〜!」
代わりに名も無き元気メイドがヒツギをちゃんと送り出す。
>>671
【「フフ・・・アッハッハッハッハ! 誼みとして尻拭いくらいはしてあげようじゃないか!」】
「敵のレーザー攻撃により、アイゼルネ・ラーゼンの4割が被弾しました」
「後方の敵勢力、抑えきれません!」
「左右も徐々に押されつつあります」
インセイオンが放った全周囲攻撃により、左右後方で敵の増援と悶着している味方部隊がかなりの被害を受けた。
たった一撃で動かなかった均衡が少しずつ崩れ始めている。
「まぁ彼女達は皆、揃って丈夫でしぶといですから無事に脱出しているはずですが、このままですと」
メイド達の教育担当のイクリプスのお墨付きなので、間違いないだろう。
その内にひょっこり帰って来るはず。
「も〜、もう少し待ってってば。もうあとちょっとなんだから〜」
メイドに修復を指揮するカナメは締め切りに追われた作家の様に、見苦しい言い訳をする。
やはり戦いが長引けば負ける様だ。カナメ達は一刻も早くテスラ・ドライブを復旧させなければいけなくなった。
676
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/23(土) 11:03:44 ID:iketT3Ew
>>673
>>674
「後ろから、失礼。迅雷」
迅速の型をまず一発レオンに放つ。
「そして、レイナ嬢には。」
そのまま、背後から急接近し
「外からの一撃が、無理なら中まで刺して、マシンセルの制御機関を潰してやれば、」
(とわいえ、迅雷が、折れたら失敗なんだけどね。)
アイゼルネの首元にに、迅雷を突き刺しにかかる
677
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/23(土) 13:14:46 ID:LA3/GkeA
>>675
>ハンガーに侵入したヒツギの真正面には懐かしき悪魔の姿が有った。
>不足していたゾルオルハルコニウム合金も入手し、完璧に改修されている模様。
「・・・『デーモン』」
赤黒い巨人が自身を見下ろしている、期間にしてみれば離れていたのは限りなく短い。
だが久しくその姿を見ていなかったような懐かしさすら感じる
>「はぁ……はぁ。……ひゅ?あー!!あなたがヒツギ様ですね?お嬢様から話は聞いてますよ!
>ああ!良かった〜この機体の修復が無駄にならなくて!」
「あんたがセッティングしてくれたのか! ありがとう、おかげで直ぐにでも・・・」
その言葉にヒツギの顔に笑みが浮かぶ、この機体の修復費は馬鹿にならないはずだ。
各種の作りや接続は共有部分があったとしても、フレームは元より間接系は特機タイプを改修したものでほぼ専用なはず
それでも尚ここに完全な形であるということを考えると、レイナの思いが伝わってくるようった
>「あ、でもちょっと待って下さいネ!カナメ様が何か言う事が有るとか!今、お呼びしますので!」
自らの愛機の元へと近寄って乗り込もうと手を伸ばしたその時
出迎えてくれた女の子(?)がどこからかタブレット端末を取り出すと、モニターでも持つかのようにこちらにそれを示してきた。
そして画面の中に、一人の女性の顔が現れる
>『……やぁ、はじめましてかな。私はレイナの幼なじみのカナメ・ライブラ。バルクレイスの製作に関わった者の一人よ?
>あなたがバルクレイスのヒツギ君よね…え〜とね……ふわぁっと……ああ、ごめん』
写る全体的にふわふわした女性は軽い自己紹介をヒツギへとすませた。
戦闘中の、しかも現在進行形で攻撃されている戦艦のクルーとは思えない落ち着きようもそうだが
何よりもデーモンの開発関係者だということがヒツギを驚愕させた。
彼の脳内で、こんなものを作るのは世界征服を考えるような卓球が趣味の科学者か
孫に神にも悪魔にもなれるよ!なんて無茶苦茶なプレゼントを贈るような人間くらいだと考えていた
>『えーとね……SCI。分かる?あれが何故あなたに動かせるのか、ちょいと色々調べたいの。
>逐一バイタルとか脳波を勝手にチェックさせてもらうけど、気にしないでね』
「え、あぁ別に構いません、いつものことだし」
S.C.I関係でそういった機器を取り付けられていることはバルクレイスに乗ってから何度もあった。
そもそもヒツギはここに入ってから特殊な機器を付けた記憶は無いのだから、コックピットに直接付けられているのだろう
断る理由も無ければ断ることも出来ない
>『だから、撤退の準備が整うまで全力で暴れて来て良いよ。レイナの出番がもう無いくらいにね。……え〜と。ぶち殺れ〜』
>「機体は準備オッケーです!いつでもどうぞ〜!」
随分と間の伸びた応援ではあったが、ニッと口元を歪ませると親指を立ててそれに答えた
「さぁ・・・行くぞデーモン!!」
//長いので続く
678
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/23(土) 13:15:18 ID:LA3/GkeA
>>677
の続き
アルプ・トラウムが動く、ほんの少しだけだったが。
回避行動を取ったようには見えない、むしろそれは射線を確保するかのようなそれ
次の瞬間――――
>>676
アルプ・トラウムから赤い砲弾が打ち出される、それはユウセイの元へと真っ直ぐに
だがユウセイとの接触直前にして砲弾は突如としてホップする。
いやホップするという言葉では生温い、なぜならば90度近い角度でそれは跳ね上がったからだ
その様はツバメが身を切り返す様を髣髴とさせるような、瞬きすら許さない動き
すれ違い様、その砲弾は下方から巻き上げるようにユウセイへと刃を向けていた、まるでツバメの名を冠した剣技の如く。
砲弾ではない、そもそもそれを発射したであろう砲身はカタパルトなのだ
上空まで紅の閃光として尾を引きながら一直線に駆け上がっていくそれ。
纏っていた衣でも脱ぎ捨てるかのようにその身を回転させる、闇夜の月に重なるように弾け赫々とした色が月光の輝きを上から塗り潰す。
久しく動かしていなかった四肢がギチギチと唸る
待ちに待っていた抑え込まれていた力を解放できる瞬間に喚起したかのように、全身に付けられたブースターが爆発でも起こしたかのように炎を吐き出す
それらは獣の雄たけびの如く戦場に木霊した
長く隆々とした両の腕を唸らせる
鋭い爪を従えたかのような足先に力を込める
4つ並んだ眼を穿つ様に滾らせる
その体を包む数多の刃が血の流れの如く赤く脈動する
巨大な2つの角を天高くへと掲げる月下に移りこむ影は、世に描かれる『悪魔』そのもの
己が半身の帰還によって戦場に舞い戻ってきたバルクレイスの、デーモンの姿だった
「・・・全員そろい踏みって訳だ、これでな!」
カナメのモニタリング画面に映し出されているグラフ
機体の動作直後は一般的なPTと同様であった機体側の操作受付からラグが、S.C.Iの起動を確認した段階から急激に短縮されていた。
その追従速度たるや機械よりも生き物と比較するべきだと思ってしまうほどだ
なんらかの機構が与えられた命令をその場で別のシグナルに変換しているとしか考えられない
それとも通常の操縦による操作の受付とは別の処理を平行して行っているのだろうか?
ヒツギ・ハヤセ側が何か特別なことをやった様子は無い
機体のOS立ち上がりの際に確認がスキップされた箇所も気になる、内容はバルクレイス側の許容量不足
試作機という観点から見ればテストベットとして詰まれていてもおかしくは無いのだろう
だが問題はS.C.Iのブラックボックス内にこの『テストベット』が丸々入ってることだ、現状では解析しきれない
679
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/23(土) 14:53:04 ID:LA3/GkeA
>>675
(チッ・・・流石に維持したまま連射するのは無理か・・・)
インセイオンの桃色の光に揺らぎが見られる
出力の問題もそうだがテレキネシス・シンクロ・ブースターを維持したまま長時間の戦闘の方にも問題がある
ハーゲンは自他共に認める天才だ、性格に問題はあってもその実力自体は指折り尽き。
だがシステムは名の通りに同調し増幅させているこれは、パイロット側の繊細で精密な操作と高い能力が必要になる
ハーゲンといえどこれの長時間維持は必要以上の負荷がかかる
その瞬間、インセイオンを通してハーゲンへと走る感覚。
眼がその赤い姿を追う、どうやらやっとお出ましになったらしい
所在がつかめないと思ったらレイナ・カーマインが持っていたとは・・・
成程、『本気』になる理由の1つはこれか
「フフッ・・・Xゲシュペンスト!」
680
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/23(土) 21:58:50 ID:7q0LMDPc
>>653
「!!!!!!!!」
妙にクールな謝罪をするハヤミに怒りが収まらないのか、通信機からふじこふじこしているゼバスの声が聞こえますが
シナリオの進行上一切関係がないので全カット
―――しばらくお待ちください
「ふぅ すっきりした こんなことをしている場合じゃないか」
改めて現場へと急ぐ
>>655
そのとき、聞き取りづらいながらも確かに聞こえてきたのは 蜂の巣になったはずのヒツギからの通信
「よぅ大将 機体と同じく幽霊にでもなっちまったかと思ったよ
この世のものだったら回収部隊でも回してやろうか?」
どうやら命に関わる大事には至ってないようだ、少し安堵したような表情で通信を返す
「俺にはよく分からんが、戦えないのならそこに座ってろ 後は俺ら、軍人の仕事だ」
>>659-660
やっとこさ現場に到着 そこで待っていたのは
「・・・・・・・・・・・オイオイ この戦場は何時からこんなにメルヘンチックになっちまったんだ?」
呆然とした表情で呟く
針の筵になった敵機が噂に聞く超機人とやらのように再生し
こちらの指揮官に喰らい着いたかと思えば、その機体を再起不能にしてしまった
「敵将討ち取ったって・・・どうすんだこりゃ・・・!!」
見たところ敵の損害は、丸鋸でスプラッタされた一機
こちらはヒツギと指揮官の明智の二機がやられてしまった
「何が過剰戦力だ、敵さん互角以上に張り合っていやがる」
認識を改めた、確かに軍以上の戦力を持つこいつらは危険だ
>>661-679
戦局は混迷を極めたといっていい
指揮系統は崩壊し、敵味方入り乱れての乱戦、しかも戦局は敵側に傾いている
「落ち着け・・・考えろ 今すべきことはなんだ・・・?」
味方劣勢の状況 必要なことは 損害が出すぎる前に撤退し 損害を最小限にとどめること
それには戦艦が生き残っていることが絶対条件、帰る家を失えば、前線の味方は殲滅される
目をつけたのは、甲斐を守るジガン(
>>669
)と その盾を叩き割ろうとするヴァンパイアもどき(
>>673
)と不気味な黒い機体(
>>674
)だった
「よし・・・行くぞ!!」
己に活を入れ、ブースターが火をつき 全力で後退する
【精神コマンド:加速・突撃】
俊敏性に欠ける機体を精一杯飛ばし 射程内に敵機が入る
すぐに地面へ着陸、素早くマウントした機関砲を展開
>>669
「ボマー3より・・・え〜っとジガン!! これより敵機に対し、スーパーアヴェンジャーを使って火力支援を行う!!」
短い通信を入れると、砲身を回転 慈悲なき七砲身パンチ、炸裂
「く た ば り やがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
>>673-674
に対し、死を呼ぶ彗星が放たれ、先ほどの集中砲火とは異なる、濃密な弾幕が展開された
【スーパーアヴェンジャー 掃射】
681
:
ラウディ@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/23(土) 22:28:30 ID:5gKAOmvA
>>679
「……自分、援護の必要無いですかね?」
その斜め後ろにつけて。
>>678
「バ、バルクレイス……」
そもそも自身がこの部隊に来る少し前からの僚機、その力はだいたい分かっている。
「だからって、やらないわけにもいかないか」
背中のポッドが、5×4=20発の長射程ミサイルを悪魔めがけて吐き出し、納豆のような煙をひいていく。
682
:
そして、諏訪
◆E8ckRIIdug
:2013/03/23(土) 22:41:33 ID:5gKAOmvA
「どうやら、ヒツギ殿は無事にレイナ殿と合流された模様」
「……そう。ありがとう」
メグは、安堵していた。
その異能のあるが故に世間から白眼視される友人が、半身と呼びうる異性と出会えた、そして分かたれた絆が結ばれようとしている事に。
「ところで法師、いえ、かの“陰謀大佐”ウー・グリソムが懐剣、“三眼法師”百鬼丸さん。
あなたは何故、私と?」
「いや、単にタイデグリー中尉に依頼されたからなので、陰謀大佐みたいな目でこちらを見るのは……その……」
683
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/24(日) 00:39:03 ID:YJ6Ed0RM
>>676
「……君もこんな所で命令に振り回され、無駄な事ばかりに力を使ってる状況では無いと思うのだが、どう思っている?何を考えているの?
何でも良いけど私達は何としても先に進ませて貰うぞ」
改めてユウセイの未来を憂いて助言を下すが、聞く耳は持ってくれるだろうか?
>>678
【アルプ・トラウムから赤い砲弾が打ち出される、それはユウセイの元へと真っ直ぐに
だがユウセイとの接触直前にして砲弾は突如としてホップする。】
「フッ。ようやく来たか」
【いやホップするという言葉では生温い、なぜならば90度近い角度でそれは跳ね上がったからだ
その様はツバメが身を切り返す様を髣髴とさせるような、瞬きすら許さない動き
すれ違い様、その砲弾は下方から巻き上げるようにユウセイへと刃を向けていた、まるでツバメの名を冠した剣技の如く。】
「ユウセイ、今の私達、闇の軍勢を止められると思うなよ。退け……!」
バルクレイスがカットに入って来たが為に、レイナの首を取ろうとしたアルブレードの強襲は断念せざるを得ない。
レイナはせめてもの慈悲にと、ユウセイに退却する事を勧める。
【カナメのモニタリング画面に映し出されているグラフ】
「んにゃ……。レスポンスが速いのは解ってたけどこれって。……え〜っと。まるで本当に機械と一体化したみたいな敏感肌。
どうやって信号を送ってるんだろ」
カナメが実際に生のデータを見たのはこれが初回だったが、やはり機体と一体化した様な追従性を生むらしい。
それも、考えていた以上に異常に。
研究者の共通性癖なのだろうか、この無気力女であってもメグやアストと同じように目をキラキラさせていた。
「ヒツギ君自体がSCIに適合する何かを持っているのかも知れないわね……本当は」
すぐに解る事は殆んど無かったが、乙女の勘はそんな投げ槍な仮定に至った。
>>680
【「く た ば り やがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」】
「王は家臣を護らなければならない。護る事は攻める事よりも難しい。しかし、それを成し遂げてこそ王」
それがレイナの選択。見るからに脆そうなムラマサの盾となる為に、アイゼルネ・ブルートが前面に出ていく。
「全部受け止めてあげる。残さず吐き出しなさい」
集束され、狂った様に弾を吐き出すガトリング砲をアイゼルネ・ブルートは我が身を盾にして小細工一切無しで受け続ける。
尋常じゃ無い無数の銃弾が機体を貫いて行くが、怯む素振りは更々無い様だ。
実際は、掠めさせたり爆発を起こさない様に微妙に着弾点を反らしていたりと極力攻撃を受け流す工夫が成されていた。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP65%。徐々に再生中】
684
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/24(日) 12:28:40 ID:gs2sxvu2
>>680
「あー、解った解った。本当にすみませんでした。」
様々な、罵声を浴びせられ、本気で気をつけよ。と思った。
>>683
「んな、事知ってるっつーの。」
レイナの問いにそう答える。
「でも、連邦には色々、世話になった人がいる。」
「まず、それが裏切れない理由の一つ、そして」
「俺は、ある奴を潰したい。その時どうしても、連邦軍が必要になる。あと、一つ」
「俺は、余計な敵は、作らない主義です。」
(もう、作っちゃったけどな)
そう、心の中で、セルフツッコミをし、
「だから、レイナ嬢、貴女の所へは、いけません。でも、」
「ヒツギの事は、羨ましいです。ああいう風に、仲間のために純粋に戦える。彼奴が」
その、言葉を言った瞬間
>>678
横から、急速に接近する未確認の砲撃?のようなものが来た
(これが、狙いか、レイナ嬢、卑怯な)
とっさに、防御しようとするが、玉の方から、避けてくれた。
かと、思いきや
「化け物みたいな動きを、するな。あの機体は」
それは、正しくバルグレイグスだった。
後ろから、しっかりと刃を付きつけられている。
>>「ユウセイ、今の私達、闇の軍勢を止められると思うなよ。退け……!」
「生憎、一人で、逃げるほど臆病じゃないんで拒否します。」
「逃げさせたいなら、武田中佐にでも言ったらどうですか?」
レイナ嬢との、通信を強制的に切り
こんどは、ヒツギに繋げる。
「ヒツギ、後悔は無いか?お前、名実ともに、連邦の敵になったんだぞ」
「下手したら、欧州以外の敵も出てくるかもしれないぞ。その茨の道を通る覚悟はあるのか?」
再確認程度に、もう一度聞いてみる。
迅雷は、しまいある用意をする。
685
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/24(日) 14:34:29 ID:YJ6Ed0RM
【「生憎、一人で、逃げるほど臆病じゃないんで拒否します。」】
「そう言わずにさっさと帰りなさいよ。こっちは君達には用が無いんだ。それにね」
撃たせるな傷付けさせるな。などと加えたかったが、それは相手に対する甘さを悟られる事となる為に、口には決して出さない。
味方をしてくれる者達にもそんな事では示しがつかない。
……とは言え。こちらの都合も状況もろくに考えず、欧州の快楽主義者と同乗して暴れに暴れ、挙げ句に生意気な口をたたき、自身に反論して来たこの目の前の分からず屋を殴るぐらいはしても良いんじゃ無いだろうか?
【「逃げさせたいなら、武田中佐にでも言ったらどうですか?」】
「それもそうね。じゃあヒメに言っといて。君達の敗北は既に私には見えているわよ……ってね。
時間的に言えばあと……そうね。5分と言った所かしら?」
赤の右目が一層に怪しく光る。
これが狂言で無ければ、あと5分でこの場を収めてみせると宣言したのだ。もちろん、連邦側の敗北という形で。
あえてご親切にそれを伝えたのは、手遅れになる前にこの辺で本当に引き返して欲しかったからだが、どうせ理解しないんだろう。レイナは呆れていた。
【勝利条件変更】
・5ターンの経過
・甲斐の撃墜
【敗北条件変更】
・アルプ・トラウムの撃墜
・アイゼルネ・ブルートの撃墜
686
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/24(日) 16:20:52 ID:OIaGipF2
>>683
月下に赤く輝く機体、天に在る赤星ですらその力強さを体現することはできない
その姿はまるでアメリカンコミックから抜け出してきたダークヒーローかのような
ドロワナのデータベースにも機体情報が入っているはずだ、特徴はヒツギが語っていた試作機と合致している
つまりあの機体こそヒツギの本当の乗機、そしてそのパイロットも――――
>>681
>背中のポッドが、5×4=20発の長射程ミサイルを悪魔めがけて吐き出し、納豆のような煙をひいていく。
放たれたミサイルは空中に白い線を引きながら迫る。
その数は2、4、8・・・20、数が少し数が多いがヒツギにはこの機体ならば可能だと直感していた
バルクレイスは全身に付けられた赤く沸騰した刃を怒髪が如く逆立てる
そして来る魚影に対し体を捻ると、接触寸前にその力を解放する。
力を全身に浸透させたことで、それは片足を中心軸とした『回転』となった
回転に飲み込まれるかのように入り込むミサイルは爆炎も黒煙も上げることはなく、一瞬だけ火花を散らしデーモンの後方へと流れた
1、2、3回転
気づけばバルクレイスの前にあったミサイルはすべて後ろに流れていた
その数を『倍』に増やして
>>684
>「ヒツギ、後悔は無いか?お前、名実ともに、連邦の敵になったんだぞ」
>「下手したら、欧州以外の敵も出てくるかもしれないぞ。その茨の道を通る覚悟はあるのか?」
「プッ・・・あっはっはっ!!」
まるで達観したかのようなユウセイの言葉に対し、ヒツギは答えるより先に笑い声を上げていた
何が可笑しいというのか、ヒツギは気を落ち着かせると言葉を返した
「後悔しない生き方とか、我が生涯に一片の悔い無しとか・・・そんなの俺にできると思ってねぇよ」
自分の性格はある程度分かっているつもりだ、その上で行動の結果を悔いるなというのは無理な話
ヒツギだって自分が命を狙われるような未来は怖いし怯えてしまいそうだ
だがそれが、『後悔』の二文字が・・・行動しない理由とイコールではない、ただそれだけなのだ
「そういう小難しいことなんて、いざ走ってみたら小さいもんなんだよ・・・多分な」
687
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/24(日) 16:54:03 ID:gs2sxvu2
>>685
>>「そう言わずにさっさと帰りなさいよ。こっちは君達に用は無いんだ。それにね」
「それにね?何です?」
その先が、聞けなかった。
(レイナ嬢、もしかして明智大尉はともかく、俺たちを潰したくなんじゃ?)
(まぁ、意見求めるだけ無駄かもしれないけど。)
「タイガー1、応答願う。艦長に繋いでくれ。」
武田中佐だけじゃ、正確な指示がだしにくく、リリーさんも呼びたいが、忙しそうなので、しょうがない
「レイナ・カーマインより、メッセージです。内容は五分以内に我々の敗北です。」
「わざわざ、向こうから予告をするって事は、こちらに、慈悲をかける
つまり、撤退を求めているようです。」
「如何致しましょう。中佐」
指示を仰ぐ。穏和な性格な中佐なら、なんとかなるかもしれない。
>>686
「何が、おかしい?」
こっちは、真剣なのに、笑われて腹が立つ。
>>「後悔しない生き方とか、我が生涯に一遍の悔い無しとか・・・そんなの俺にできると思ってねぇよ。」
「そうか。それなら良ぃいが!」
迅速の型をさっき、バルクレイスの返した。ミサイルの群に横からぶつけ、
返した、ミサイル味方に当たらないようにする。
>>「そういう小難しいことなんて、いざ走ってみたら小さいもんなんだよ・・・多分な」
「ふっ、お前らしい。それだけは言える。」
「なぁ、甲斐のみんなをどう思っている。そしてヒツギお前は、かつての仲間を傷つける覚悟はあるのか。」
そう、言う。武田中佐が、指示を出すまで、しばらくこれが続く予定だ。
688
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/24(日) 21:41:01 ID:xFZwNH4Y
>>686
(なるほどな。ラウディじゃ無理か)
心の中で呟くと、次の手を模索する。
「ラウディ、対艦戦だ」
>>679
「ハーゲン、雑魚の相手はもういい、アルプ・トラウムに全力を注げ」
改めて、指図する。
>>687
(ほぅ、引き延ばしにかかったか)
バルクレイスは機会があれば戦ってみたい相手であった。
だがユウセイは、まだその時では無いと言わんばかりの態度だ。あまつさえ、中佐に指示を仰いだ。
(参ったな、彼女が主導権争いに加わるとか)
だが、こうなってはいかんともし難い。
「ハヤミ、そいつは任せた」
それだけ言ってレイナの方にスナイパーライフルの銃口を向けた。
689
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/24(日) 22:14:27 ID:Y9UyPN0o
>>673-674
こちらに取り付いたアイゼルネを追い払うべく、ソードブレイカーによる迎撃を行おうとしたリリーであったが、
それは予想外の方向から妨害されてしまった。
レオンハルトの乗る黒い機体、ムラマサが放った小型の攻撃端末が、アンジェのソードブレイカーの軌道を逸らしたのだ。
その隙を突いてムラマサがアンジェの盾に斬りかかり、追い払えなかったアイゼルネがそれに斬撃を重ねる。
勢いの乗った2撃ではあったが……アンジェの盾に刻まれたのはひっかき傷のような浅い傷だった。
十字の斬撃の交差点は他の場所よりも深い傷だろうと予測され、実際にその通りではあったものの、盾の表層をやや削るに留まっている。
「この盾を侮ってもらっては困りますね。
耐久実験においてフルパワーの零式斬艦刀と打ち合い、ポッキリと斬艦刀を折った……「エイジス」の名は伊達ではないのですよ。
それはそうと、カーマインさん。お久しぶりですね。まさか場末の12歳児でしかない私を覚えていてくださったとは思いませんで。
私はリリー・スノウフェイルといいます。まあ適当にお見知りおきを。
エンジェルフェザーの総大将がやられた今、もう戦闘の意味はあんまり無いと思うので、私も帰りたいのですが……。
甲斐の副長ではあっても、私は所詮一介の少尉。あなた方を倒そうとがんばってる皆さんには付き合わなければならないのです」
状況は不利どころではない。ライトが墜ち、味方だったヒツギが敵に寝返り、戦線を張っていた味方も総崩れ。
撤退したいというのはリリーの偽らざる本心であった。だが、それを許さないものがこの場には多かった。
であれば、せめて味方が、仲間が帰る甲斐だけは守らなくてはならない。リリーとアンジェという盾に課せられたのは、そういう義務であった。
>>673
ビームランチャーの三射目がムラマサの後部をかすめる。
かすめた箇所から煙が上がり、アカリは「足を殺したか」と思い、追撃に入ろうとした。
すると、その次の瞬間、煙を突き破ってムラマサが飛び出し、あろうことかリリーの乗るアンジェに向かっていくではないか。
「ブラフ!? ……っく、リリーはやらせない!」
その場でフライヤーモードに転じたラプターは、メインブースターから大きなフレアを吹き出し、一気に加速する。
ムラマサは背中にマウントされていた刀で、アンジェの盾に一撃を加えたようだったが……盾もアンジェも健在。
そのことにホッとするのも束の間、アカリはアンジェの下方向に抜けたムラマサに追いすがり、
「このぉ!」
主翼に懸架されていた空対空ミサイルを2発、ムラマサに向かって放った。
おそらく迎撃されるか回避されるかのどちらかであろうが、少なくともこれでアンジェへの追撃は無くなるはずだ。
690
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/24(日) 23:10:33 ID:KJb2id0Q
>>674
【「でも、アカリを無視して無理に動くのは失策だね。
なめてると落とされるのは、どっちか解らないわよ」】
「だろうな。と言っても数が足りてない上に実は向こうのチェック・メイトだったけど」
アンジェに赤い十字が刻まれるも、その橋から元の色へと戻っていく
(まだ『開く』ことが出来ない…か。ま、稼働時間からすれば上々かな)
アンジェのデータは知っている。故に『盾に』切り込んだのだ
そう。零式程度なら越える算段があった…が結果はこの通り
しかし正直な所、通らなくて正解だったと思う自分が居る。詰まるところ迷っていたのが原因だ
>>676
【「後ろから、失礼。迅雷」】
アンジェの間近で張り付いたまま、その斬撃を僅かに身を反らせてやり過ごす
>>687
バルクレイスに向けてオープンチャンネルで
「殺すなよ?」
>>680
茶化すのも束の間、ドロワナから例のガトリング弾が飛来する
「く た ば り やがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
流星群の中を両腕のブレードをアクティブに
機体をリズミカルに高速で転身、あるいは空中で跳躍しその弾雨を片っ端から斬り飛ばす
>>689
流星群の中を舞う中でレイナに向けて挨拶をするリリー
内容は撤退の申し出と取れるものだ
攻撃の手も止まぬ、その最中
【「このぉ!」】
ラプターから放たれた二機のミサイルが接近する
右足からブレードを突き出しながら、その場で宙返りすると紅い三日月が生じ、ミサイルの内の一基が両断、破砕する
僅かな爆風と共に消えるムラマサ
「その盾、次はぶった斬るぜ?またな」
その姿は残ったミサイルの上に在る
ヒツギ機に対して行った要領で操作しているのだ
ドロワナの射程外まで回遊した後にユウセイに向けて、そのミサイルを蹴り込んだ
691
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/24(日) 23:11:45 ID:YJ6Ed0RM
>>688
(だから……見えているってのよ)
ライフルの銃口に気付いたので、神の盾に弾かれる最中、ごく自然にジガン・スクードをブラインドにする様に立ち位置を調え直していた。
>>689
【「この盾を侮ってもらっては困りますね。
耐久実験においてフルパワーの零式斬艦刀と打ち合い、ポッキリと斬艦刀を折った……「エイジス」の名は伊達ではないのですよ。】
「確かに盾をほざくだけの事はある」
レオンハルトとの連繋であっても神の盾に傷を付ける事以上の事は出来なかった。
無理が祟ってデアボリック・エクスキューショナーを失うのも格好がつかない。盾を叩き割るのは厳しいと判断。考え無しに三撃目に移るのは控える。
【「それはそうと、カーマインさん。お久しぶりですね。まさか場末の12歳児でしかない私を覚えていてくださったとは思いませんで。
私はリリー・スノウフェイルといいます。まあ適当にお見知りおきを。
エンジェルフェザーの総大将がやられた今、もう戦闘の意味はあんまり無いと思うので、私も帰りたいのですが……。
甲斐の副長ではあっても、私は所詮一介の少尉。あなた方を倒そうとがんばってる皆さんには付き合わなければならないのです」】
「ではリリーとやら。甲斐に取り次いでヒメにこの場から即座に帰れと伝えなさい。
もうユウセイ君にも仄めかしてあるが、既にこちらの艦のテスラ・ドライブは治っているわ。沈みたく無かったら……ぅ?……っ!」
もうこれ以上自主的に戦う気は無いとの言葉を聞き、ようやくそれを聞いて安心する。
なら後はあの弱気な武田姫をレイナが舌で圧すれば良いだけだ。それでもうこんな最悪な戦闘は終わるのだ。
だが、まだリリーへ言葉を投げ掛けている途中だが、急にうめき声を洩らすレイナ。
これを奴等に悟られまいとまず通信機能をすぐに切った。
コクピット内では独り胸をかき抱いて震えている姿が痛々しい。
これは先程にカナメが忠告していたリスクとやらなのだろうか?
「ああ……いや、失礼した。急に謎の組織から妨害電波が入った様だ。で、沈みたく無かったら早くヒメに言った方が良いよ」
一瞬後に、訳の解らない言い訳をしつつ、何事も無かったかの様に再びリリーに声を返した。返答はいかがだろうか。
『レイナ、下がるのはあなたの方よ。これ以上は私が許さない。もしこれを聞いてくれないなら、お姉さん怒るよ?』
「…………」
カナメからレイナに秘匿通信が入った。ドクターストップだ。レイナの身体の事情は本人以上に把握出来ている。
レイナはこんな壊れた自分の身体の不甲斐なさが悔しくて、無言で唇を噛みしめる。
【先程の宣告から1分が経過した】
692
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/25(月) 00:05:33 ID:B5SPwlo.
>>690
の修正
攻撃の手も止まぬ、その最中
【「このぉ!」】
ラプターから放たれた二機のミサイルが接近する
「!むぅ!」
ミサイルがドロワナの段幕に巻き込まれた為に弾筋を見失う
爆風は決して大きな物ではなかったが弾丸の姿を消すには充分であろうか
初速はさておき、その僅かの間で実質的に近距離で撃たれるのと体感的には変わらない流星群が煙から顔を出す
「チッ!保てよ相棒!」
やむを得ず機関部と先ほどと打って変わりブレードを保護すべく、その弾雨に受けて立ち…アンジェ達の居た位置から自らが彗星となって墜落
砂埃を勢いよく上げ木々を弾き飛ばしながらも、その大地を大きく吹き飛ばした所で妖刀を突き立てて膝を付く黒い機体。肩と背中の攻撃子機用の充電システムがひしゃげている
「即興にしては…良い連携だな」
紅い眼を光らせて向こう側のドロワナを睨みつける
693
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/25(月) 01:07:02 ID:i9aby6zo
>>683
「・・・・・・・・・・・・・・・ッ!!」
一度非常停止を行ったとはいえ、威力は決して衰えてはいなかった
今までどれほどの敵機を消滅してきただろう?
どれほどの基地を蜂の巣にしてきただろう?
己が最も頼りにする、古より受け継がれてきたアヴェンジャーの名を冠するガトリング砲は
この戦場において、ただの敵機1つすら屠れずにいた
大質量の弾丸は、確かにアイゼルネの機体を捕らえていた 途中から弾幕ではなく、一点集中させながら
捕らえてなお、再生する 削ったその瞬間から修正されていく
ディスプレイにはアヴェンジャーの弾数が残り少ないことを指し示している
残り20% 10% 8% 4% そして・・・
なおも異音を放ちつつ回転する巨大なガトリング その先端から放たれ続ける炎が・・・消えた
銃身の回転はそのままに、吐き出される彗星が姿を消した
「クソッタレ!!」
屈辱に震える拳をコクピットに叩きつける
【スーパーアヴェンジャー 残弾数0】
斃せなかった 渾身の打撃を与えて 斃せなかった
弾無しの銃身を背部にマウントし 頭部がせり出してくる
「まだだ・・・!! 与えられた任務は、足止めだ!!」
バーニアを蒸かし アイゼルネに接近 リボルバーカノンとロケットランチャーを発射し アイゼルネの装甲を削らんとする
>>690
スーパーアヴェンジャーを打ちつくし、なおも足止めを行おうとするドロワナが アイゼルネへと接近していく
>>686
軽口を叩いた相手 ヒツギはその瞬間連邦の敵となった
「・・・・・・・・・・・・。」
ユウセイの問いに笑うヒツギを身ながら 一抹の寂しさを感じる
伊豆基地に来たとき、最初に対応してくれたのはヒツギだった
愛称で呼んでくれたのもまた同じく
そんな彼を命令次第では撃たねばならない、ソレは悲しいものであった
だがそんな寂しさ哀しさに浸っている暇はない 今は戦艦甲斐を護るために戦うのみであった
694
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/25(月) 15:24:27 ID:KsvyH9Dk
(S.C.Iが起動しているって言うのは本当みたいだねぇ・・・
こちらが一切解析しきれなかった起動コードをどうやって・・・)
Xゲシュペンスト・・・バルクレイスの動きから見てS.C.Iが起動しているのは間違いない
製作段階において何人かが起動できるかのテストに選出され、アレに搭乗した。
当然欧州からも選出された人物がいる、それはハーゲンとは別人なのだが
その起動コードが生体認証であることは中途段階で発覚したものの
性別・年齢・出生・血液型・人種・・・バラバラの人材を揃えただが誰も起動まで至っていなかった
(特別な能力の問題か、ヒツギ・ハヤセを最初からパイロットに設定してあったのか
あるいは何かテストしきれなかった別の起動方法があったのか・・・)
だが起動できるモノがいたことは大きい、S.C.Iの中身には彼も・・・いや彼らも興味が尽きないのだ
(本当に入っているんだろうかねェ、『ティターン・プロジェクト』の雛形が・・・さ)
>>688
(チッ・・・)
バルクレイスと一戦交えたいと思っていたところにこれである
確かに今手が空いている中で敵戦艦にもっとも近いのは自分だ
しかしレイナ・カーマインが言う5分で決着がつくというその言葉、真に受けるなら5分以内で倒せというのは無茶が過ぎる
相手側もそう、5分でこちらを全て破壊する大量破壊兵器を発動する・・・とは考えづらい。
そうだとするならば敵戦艦はすでに脱出に取り掛かっているはず
仮にその大量破壊兵器が特定の機体だけを破壊する物・・・というのも考えづらい。
あのアシエルもどき、レオンハルト・シュナイダーはレイナ・カーマイン側から見ても突然の来訪者
この時点でホワイトリスト制はありえない、ブラックリスト制もインセイオンとジガンスクード・アンジェはデータにない機体の筈
だとすれば5分でこちらが全滅するということか?
いやそれもない、少なくとも『ハーゲン自身』は5分以上持つ自信がある・・・
>>691
アルプ・トラウムに対し、ラーゼンを襲ったのと同じ桃色の閃光が襲い掛かる。
暗い空を縦横無尽に駆け抜けるそれだったが、出力が先ほどに比べて低下している
それどころかダークネス・オーラが強い部位に狙いが絞られてしまっているらしい
ハーゲンの運が悪いのか、オーラの展開が上手かったのかは定かではないが・・・
695
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/25(月) 16:00:20 ID:KsvyH9Dk
>>687
>>693
>「なぁ、甲斐のみんなをどう思っている。そしてヒツギお前は、かつての仲間を傷つける覚悟はあるのか。」
「はぁ・・・」
ヒツギは鬱陶しそうにため息を吐いた、それも当然のことだったのだ。
『仲間と戦いたくはない』というヒツギの既望、しかし『仲間を守る為なら、それば別の仲間であったとしても戦える』という覚悟
ユウセイが聞いてきたことについて、ヒツギは当に・・・というよりは最初に答えていたのだから
バルクレイスの巨大なバックパックが開く、それは恰も獣が顎門を開けるような動きで
中から顔を出したのは山ほどの推進機関とPTに搭載するにはオーバースペック過ぎるであろう大きさのテスラ・ドライブ
それらが火を噴けば、夜空に一直線の赤い線を描き赤いデーモンは加速した。
アルブレードの・・・横を華麗に通り過ぎてドロワナの元に向かってくる紅の閃光
一般的な高機動機体がレーシングカーの類だとするならば、これは直線のみを競うゼロヨンマシン
曲がるという言葉を知らないかのように安定性などというものを度外視し、加速力と最高速のみを追求したもの
その直線の速さは、地鳴りの如きブースターの咆哮に混ざって聞こえる爆発するような音からも確認できた
これは所謂ソニックブーム・・・その速さが生み出した破裂音だ
「ゼップ・・・悪いが!!」
ゼバスチャンが覚悟を決めているように、ヒツギもその覚悟を決めている
その流星の如き勢いのままに、悪魔は足を蹴り出してきた。
ステークを用いらない純粋な飛び蹴り、だがその速度を計算に入れれば威力と衝撃は馬鹿にならない
そしてヒツギにはステークを使わない明確な理由があった
バルクレイスの胸部左右に取り付けられたほぼ半円に近い円錐状のユニット
そこに走るラインへと真っ赤な光が迸り、周囲の星々の輝きを食ってしまったのではないかと勘違いするほどに発光していた。
圧縮されたエネルギーはその開放の瞬間を待ち、稲光を周囲に従えている
ドロワナを蹴り付けると同時に機体を急停止させて、その衝撃と威力だけをドロワナに送り付けんとする。
且つその反動を利用して悪魔は、上体から反り返りながらも圧縮された赤い濁流『オーバースマッシャー』を放った
それは例えるならば突如として闇夜に現れた真っ赤な光の柱
根元であるバルクレイスの動作に追随して動き、その柱は入り込む全てをなぎ払いながら上から振り下ろされる。
その直線状には先ほど通り過ぎたはずのアルブレード
なんとドロワナに対しては自身の速さと重さを最大限に活かした飛び蹴りを
アルブレードに対しては後から放ち上から落ちてくるオーバースマッシャーという非常にトリッキーな同時攻撃を仕掛けたのだ
696
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/25(月) 22:06:48 ID:uqQIgQYA
>>687
,
>>691
「帰れ、ですか。そうですね……あの武田中佐ならばもう撤退を考えていても良いとは思うのですが……」
学習の機会に恵まれていなかっただけで、姫自体は決して無能な左官ではない。
彼我の戦力を見比べ、当然撤退も視野に入れているとは思うが、
「まずそもそもの前提として、このジガンスクード・アンジェでさえ満足に傷つけられていないのに、
五分で我々を敗北させるとはどういうことですか? どう贔屓目に見ても大言壮語の範囲を出ないのですけれど……」
この場での連邦側の完全勝利は無くなった。それは確かだ。だがそれは、連邦側の敗北を即座に意味しない。
先ほどリリーが言ったようにほぼ無傷のアンジェやまったく無傷な甲斐を始めとする余力があり、、
民間の組織としては巨大な戦力を持つ、といった程度でしかないレイナ一派に、引き分けならばまだしも、
負ける、などというのはあまりに幻想が過ぎる。
「この状況を見て、私はてっきりそちらが撤退してくれると思っていたんですが。
であれば、戦力の疲弊から言って追撃はかなり難しいと思いますよ?」
勝てないことは認める。だが少なくとも、勝利を与えることを考える状況ではない。
抑えであるアンジェと甲斐が存在している限り、味方は潰走を免れるし、相手はそれを追撃できない上に、勝利を掴めない。
戦場は混乱しており、味方は押すも退くも決めかねている状態だが、どちらにするにせよ、ここでのアンジェと甲斐の撤退はありえないだろう。
それがリリーの考えであり、ユウセイに対する姫の回答でもあった。
アンジェが墜ちるか行動不能になるのであれば、また話は違ってくるのだろうが……。
>>692
空対空ミサイルとスーパーアヴェンジャーの偶然の連携で、ムラマサは少なくないダメージを負った様子だった。
だが、この縦横無尽に暴れ回るレオンの機体を大人しくさせるには、まだまだ攻撃が足りない。
それがわかっているからこそ、アカリはスロットルを緩めはしなかったし、攻撃の手を休めることもしなかった。
再び人型形態へと変形したラプターは、地面に片膝を突くムラマサに対してランチャー銃を向け、
「何をするにしても足を潰さないと……!」
ムラマサの背部ブースターを狙い、引き金を引いた。
敵は機動力で撹乱するタイプのようだが、それは逆に言えば、機動力が死ねばその力は6割以上死ぬということだ。
697
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/25(月) 22:33:15 ID:aj2/dWqY
>>691
「ちっ……」
狙いを定める事も出来ず封じられる。
「ランチャーをこちらに回して曲射だったか……」
撃った後の誘導をリリーに任せるとか、後からならどうとでも言える。
「とすると……」
長物は引っ込め、こちらもレイナから見えないような角度でジガンに取り付くと“お肌の触れ合い通信”を試みる。
>>696
「少尉、彼女らについては君の方が詳しいはずだ。
押すにしろ引くにしろどのタイミングが一番良いか分かるか?」
リリーにだけ伝わるように話しかける。
「けしかけたハーゲンが手傷を負えば良し、ラウディに回収させる。
落とせるならそれで良し。
さもなくば、彼女をとっつかまえて、だな」
まだ、考えがまとまらないうちの頭の中を小出しにする。
まだ、“本気で”仕掛けるには早いだろうし。
698
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/25(月) 23:11:19 ID:Dw0v.OzM
>>696
「了解です。」
どうやら、願いは聞いてくれない。
「まぁ、流石にそうか。」
と、ぼやいていると
>>695
「あっ、待て」
行ってしまった。猛スピードで、
「上から、攻撃。まさか、」
確かに、ドロアナに攻撃はけしかけている。
が、直ぐに、正体は知れ。直ぐに回避行動もとれた。が、
「ったく、念動フィールドを叩き割る。ってどんな威力だよ。」
念動フィールドを叩き割られたが、フィールドを張ったことにより、ギリギリ直撃は免れた。
(彼奴の、スピードに追い付くには。)
ユウセイは、あるボタンに手をかける。
「テスラ・ドライブリミット解除。」
リミットが、外れたことを知らす。表示がでる。
「良し、迅雷」
迅雷を用意し、バルクレイスに突撃する。
流石に、バルクレイスほどのスピードは、出せないが、リミットを外した。アルブレードカスタムを更にそれを改造したもの
「バルクレイスの突撃スピードもなかなかだけど、こいつも、馬鹿にできないよ」
一気に、バルクレイスの懐に、飛び込み。
迅速の型を放つ
699
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/25(月) 23:23:02 ID:iSPXn56U
>>693
【「まだだ・・・!! 与えられた任務は、足止めだ!!」】
「ふん…っ。何発でもどうぞ」
アイゼルネ・ブルートを攻撃するのに甲斐メンバーで唯一と言って言い程、何の躊躇も無く任務をこなすラーズ・アングリフ。
景気の良い事を返すが、先程の弾の嵐による傷がまだあまり塞がってはいない。
その無骨な継ぎ接ぎ機体はガトリング砲を撃ち尽くした後にも、続け様に消耗するレイナに追撃をかけて来る。
(……この忌まわしい身体。まだ皆の前では強くいさせてよっ!)
更には瞬間再生のリスクとやらのせいで身体的にもかなりガタが来ている。
でも戦いを終わらせる為にはそんな不調を悟られる訳には行かない。
背から射出した蝙蝠型の自動攻撃子機に命じ、迫るロケット弾の方を切り裂き、もろともに爆ぜた。
「良いよ。肉などくれてやる……!」
更に別の追撃。すれすれのリボルバー・カノンが上体を捻るアイゼルネの肩装甲の上部を貫いて行く。
あえて避けなかった風を装った。だが、単純に判断が遅れ避けられなかったのだ。悔しいかぎりだが。
しかもこちらは大した反撃は出来ず、目眩ましを兼ねたブラッド・ディスチャージャーを苦し紛れに発射するだけに終わった。
弾が炸裂するとたちまちドロワナとの視界は赤い霧の様なものに遮られる。
これで僅かながら時は稼げるかも知れない。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP55%。徐々に再生中】
>>694
「ジャイアント・ハンドから先程のレーザー来ます!」
取り敢えず敵の名称を付けた様だ。そのまんまで捻りは一切無い。
敵の攻撃は先程、メイド隊を半壊に追いやったロングレンジ攻撃。それが今度は艦体に迫る。避けれはしない。
「う〜!?あれ……あれれ?ダークネス・オーラが効いてますよ?」
着弾。だが、ダークネス・オーラで無事に防げるレベルだとは思っていなかった。
オペレーターのメイドは不思議で仕方ないと言った困った顔をしていた。
「……あーあ、残念でした。そう簡単に連続使用は出来ないよね〜?前の攻撃より出力が落ちてるもの」
カナメは一人納得していたが、つまりそういう事なのだろう。
艦には全くと言ってダメージは無し。バリアを貫けてもいなかった。
【アルプ・トラウム:バリアで無効化。残りHP変わらず65%】
>>696
【「帰れ、ですか。そうですね……あの武田中佐ならばもう撤退を考えていても良いとは思うのですが……」】
「もちろんそうだろう。物分かりが良くて助かる」
【「まずそもそもの前提として、このジガンスクード・アンジェでさえ満足に傷つけられていないのに、
五分で我々を敗北させるとはどういうことですか? どう贔屓目に見ても大言壮語の範囲を出ないのですけれど……」】
「目に見える形で分かると思うよ。何もお前達を全滅させるとは言ってない」
【「この状況を見て、私はてっきりそちらが撤退してくれると思っていたんですが。
であれば、戦力の疲弊から言って追撃はかなり難しいと思いますよ?」】
「そうか。別にそっちでも良いけど。でも……その逃がしてやったぞ?みたいな上から見た対応は気に入らないのよ。まずはこちらに詫びを入れて貰う」
せっかくの相手の譲歩案を断り、疲弊して満身創痍の身体にムチを打ち、またアンジェと名の付いたジガンへ向かって行く。
しかし次は盾が突破出来ないと理解した為に別の手を練る必要が有る。
今回は性懲りも無く神の盾に槍をぶつけるフェイントを入れ、本命は左腕での拘束。アイゼルネの蛇の様な伸縮自在の腕がジガンの脚へと迫る。
特機相手に掴み合いになっても負けない程のパワーで脚部に腕を巻き付けたなら、そのままもろともに甲斐から引き離すつもりだ。
【デーモンズ・バインドでジガン・アンジェを攻撃】
700
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/26(火) 16:06:23 ID:mUi9lEFg
>>697
アイゼルネと取っ組み合っている最中に、ヴィルヘルムのアルゴスがアンジェに取り付いてきた。
「少佐、邪魔です。あっち行って下さい」
格闘型の機体ではないとはいえ、PTとの戦闘中に取り付かれてしまっては邪魔なことこの上ない。
ヴィルヘルムはどうやらタイミングを聞くためにこんなことをしたようだが、別に普通の通信で良かったのではないのか。
「タイミングなんてわかりませんよ。私はカーマインさん達とそれほど親交があったわけではありませんし、
彼女ら一派の全ての力を見たわけでもありませんから。
そういうのに精通している人は、みんなあちら側についてしまいましたし、こちら側から切れるカードも限られている。
そのあたりの判断は少佐がやって下さい。それを織り込んでたからこそ、前線の指揮を引き継いだのでしょう?
あと、クルーゲ少尉をけしかけて手傷を負えば良い、とはどういうことです。
わけのわからないこと言っていないで、彼の援護でもしてください。アイゼルネ一機ならば、こちらは大丈夫ですから」
ヴィルヘルムの真意がいまひとつわからない。
押すことも考えていると思いきや、味方をあえて疲弊させるようなことも言っている。
彼はマデリーンの夫だという話だが、なるほど、このわけのわからなさは彼女とどっこいだ。
>>699
撤退すれば少なくともこの戦闘はここで終わる、とリリーは言ったつもりで、それは正しくレイナに伝わったようだったが、
それが彼女のプライドを傷つけたらしい。
別に上からものを言ったわけではないのだが、彼女の貴種然とした性格が、「撤退」を勧められたことをどうやら侮辱と取ったようだった。
「難儀な性格の人ですね、まったく!」
攻撃モーションに入るアイゼルネ。
あの斧槍がこちらの盾に振るわれようとしているのを見たリリーは、またか、と思いつつも防御行動に入る。
だが、それは敵のフェイントだったようだ。鞭のようにしなってアイゼルネの左腕が伸び、こちらの脚部をがっちりと捕まえる。
「!? しまった……!」
アイゼルネはサイズからしてみればあり得ないほどのパワーを誇る機体だ。
グルンガストタイプの機体よりも重いアンジェが、ギリギリと引きずられていく。
「ならば、こうするまでです!」
敵が何を思ってこちらを拘束したかはわからないが、それは逆に言えば、相手の動きが止まり、攻撃しやすくなったということでもある。
アンジェの両腕の盾、その先端が鋏のように展開し、こちらを拘束しているアイゼルネを掴みにかかる。
701
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/26(火) 18:45:56 ID:9U5MwjKI
『このまま盾を甲斐から引き離すわ。あいつが邪魔だったんでしょ?』
レイナがジガン・アンジェを引き離したのは甲斐に対して何か仕掛ける算段が有った為であった。
「レイナ、そんなことより。早く戻りなさい。あなたの身体は……!」
『まだよ。まだやれるわ……!それより折角、邪魔者をどけてやったんだ。じゃあ、いつ仕掛けるの?』
特機とタイマンを張れる様な状態じゃない事を指摘するも、全くカナメの心配など受け入れず何やら振ってきた。
「いつ仕掛けるのか……今でしょ?」
もはや反射的にそう返してしまった。
レイナの身を案じるなら、もはや最速で仕掛ける他無い。
カナメはクルー達を見渡す。
「「「イエス・ユア・マジェスティ!!」」」
イクリプスをはじめ、クルー達は皆、一様に賛同した。
「これより、甲斐に仕掛けるわ。テスラ・ドライブ再始動、んで艦橋、ミサイルコンテナを順次格納」
>>700
【「難儀な性格の人ですね、まったく!」】
「良く言われる。私は面倒臭い女よ」
自分でもそれは自覚している。
屈折しまくった挙げ句、こんな妙な性格になってしまったらしい。
【「!? しまった……!」】
「ちょっとは良い声が出てきたじゃないか!このまま付き合ってもらうぞ!?」
ガッチリとホールドしたジガン・アンジェ諸とも、錐もみ回転しながら地表へとダイブする。
【「ならば、こうするまでです!」】
「んん!?」
あの神の盾の先端部分が鋏の形状となり、それにアイゼルネ・ブルートは拘束され返してしまう。
そして感じるイヤな予感。レイナは先程電撃処刑した明智ライトの間抜けな様を思い出していた。
702
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/26(火) 20:48:32 ID:YQxlUrg.
>>699
「エンジェルフェザー隊、指定するポイントを攻撃しろ
ただしランサーは使うな、シルバーバレットかレーザーでのみ攻撃を許可する・・・いいね?」
アルプを攻撃しているエンジェルフェザー隊のレリエルに対し、ハーゲンが送った指示がこれ。
指定したポイントというのは先ほどハーゲンが攻撃し、オーラで弾かれたポイントだ
おそらくレリエル隊が攻撃しても弾かれてしまう算段が高い
ランサーを使えば簡単に突破できるはずだと考える隊員もいるだろう
きっとハーゲンはそれらに対して「意味がわからないなら頷いてればいいんだよ、君たちは」と答える
そう・・・意味があるのだ、この状況では
むやみやたらに攻撃させるよりはこの方が『効く』はずだ
>>701
レリエル達に支持を送っていたハーゲンは状況が動き始めたのを察知
つまりタイムリミットが迫ってきているということ、ハーゲンはここにきて打って出てくる。
インセイオンが桃色に強く輝くと、その光を線として従えながらアルプ・トラウムのブリッジへと突っ込んでくる
その巨大な掌にもっと巨大な光輪を携えて。
あれは雷姫を切断した兵器と同等のものであろう、だがその規模がまるで違う
思えばあれは『人の手』から生み出していたものだ、『化け物の手』から生み出せば大きさも出力も上がることは想像がつく
そしてその性質から考えてバリアの類を文字通り切り裂いてくるに違いない
だが、そんなことは杞憂で終わった。
インセイオンの軌道上を赤い濁流が遮ってしまったからだ
「チッ・・・! Xゲシュペンストォ!!」
バルクレイスのそれは2体同時攻撃ではなく、なんと3体同時攻撃。
ハーゲンの突撃もうやむやにされてしまった
おそらく何度同じような行動をとろうとも、止めにくる敵が変わるだけでただ無駄に時間を浪費することになりかねない。
やはり先ほどの作戦の方が『可能性』がある
インセイオンは走らせていたエネルギーを球体に集めると、再びチェイサーブラストを放ってくる。
だが結果は同じ、レリエルと同じくダークネス・オーラに弾かれるだけだろう
703
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/26(火) 21:42:03 ID:PjdHvASs
>>696
【「何をするにしても足を潰さないと……!」】
吹き飛ばされた先のムラマサに即座に追撃を図るラプター
左腕のシールドに備えられたガトリング砲が唸りをあげる
その間にも湖上を滑るような美しい弧を描くような軌道で背後を狙いつつも右腕の長物の準備を進める
「熱烈だねぇ俺にもやっとモテ期とやらが来たのかな…っと」
ガトリング弾の着弾を示す噴煙がムラマサに迫り、これを側転して避ける
側転し直地の直前を狙い澄ましたラプターの銃口から光が零れる
狙いは背部推進システム…か。
「もう少し空で遊びたかったけどな」
ラプターからムラマサの間近に真っ直ぐ延びる雷光
ムラマサの背部、既に機能を失った充電システムとメインスラスターを光の柱に喰い破られ前のめりに吹っ飛ばされるも地面を掌底で突き、その宙返りして着地する。そんな矢先にレイナ達のやり取りが聞こえる
>>700
【「難儀な性格の人ですね、まったく!」】
からかう様に
「そうかもな。でも可愛いだろ?」
(…ラプターもそうだがランド・グリーズを上手く抑えるには…)
704
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/26(火) 23:54:28 ID:pyNxFoOk
>>695
>>699
ゼバスチャンは戦艦甲斐のメンバーの中で唯一と言っていいほど、レイナの眷属とは交流が少ないメンバーである
ソレがいいことか悪いことかはさておき、リボルバーカノンとロケットランチャーの弾幕を浴びせ続ける
そんな中、一つの警報、敵接近のお知らせ
やってきたのはヒツギの乗るバルクレイス、その圧倒的な加速力で急接近、とび蹴りを放ってきた
「なんのこれしk」
受け止めようと大盾を構える が戦闘中酷使してきた大盾は その威力を受け止めきれず、レオンの機体につけられた傷からぱっくりと2つに割れ
衝撃をその中の本体に加える
「おとっとぉ!!?」
威力に押され、一歩二歩と後退する そこに現れたブラッド・ディスチャージャーが炸裂、視界を赤く染め上げる
「ととっ・・・と!!!」
その衝撃も手伝って、バランスを崩し 機体がしりもちを着く
「くそったれが!!」
リボルバーカノンによる弾幕を放つが 視界も利かない中の砲撃ゆえに あたり一面にばら撒くように放った銃弾に密度はないに等しかった
705
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/27(水) 04:13:54 ID:1FF01gMw
>>701
錐もみ状態で落下する二機は、アンジェを下にして地表に落下することで、その墜落を止めた。
アイゼルネはこれで甲斐の前からアンジェをどかすことに成功したわけではあるが、その代わりのように、
アンジェの両腕の盾、その先端の鋏がアイゼルネの両肩、胴体との接続部をがっちりと掴む。
それと同時に、鋏の根本から太い針が3本ずつ飛び出し、アイゼルネの装甲を叩いた。
電撃兵装シーズサンダー。鋼龍戦隊の機体にも搭載されていた、超高圧電流を流し込む強力な武器である。
自己再生能力のあるアイゼルネを倒すのは非常に手間だが、電撃で機体の電装部品を全てダウンさせれば、簡単に無力化できるはず。
「捕まえましたよ。さあ、これで…………っ、ぁ!?」
この戦闘に幕を引こうとしたリリーの身体を、静電気のような感覚が駆け抜けていって、リリーは身体を抱いて思わずうめき声をあげた。
リリーはこのアンジェを、先の戦闘で搭乗した量産型ヒュッケバインと同じようにシステムの完全ジャックによるマスタースレイブモードで動かしていた。
それはリリーの身体を構成する、彼女のためだけに作られた改良型マシンセル「ビヴロスト・セル」の力であり、
今のアンジェは彼女の身体の延長のようなものであった。
脚部に巻き付いたアイゼルネの左腕と、相手の機体を捉えたシーズサンダー機構。
盾を隔てていた時とは違い、それらの要因によってマシンセルの塊であるアイゼルネと直接接触したために、
アンジェを構成するシステムのマスターであるリリーと、アイゼルネ……いや、その中のレイナとの間に、微弱ながら、
数ラインのバイパスによって互いのセル同士の共鳴現象が起こった。リリーを襲った電流のような感覚は、これに起因する。
「こ、れは…………同じ……? いや、違う……『かみ合ってない』…………そんな、カーマインさん、あなたは……?」
シーズサンダーのトリガーを引くことを忘れ、寒さに耐えるように身体を抱いたまま、リリーはうわごとのような言葉を口にする。
初めて味わう奇妙な感覚と、共鳴により感じ取った、レイナの『歪さ』……その二つによる精神的なショックが、リリーの行動を止めていた。
動きを止めたアンジェ。その上空では、アルプ・トラウムの様子がおかしいことに気付いた甲斐が、敵艦の正面から逃れるべく、回避行動を取り始めていた。
706
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/27(水) 08:51:41 ID:71sq9CFM
>>702
「更にレリエルのレーザー攻撃来ます。でもこんなのは……」
「バリアが有効です。突破される事は有りませんよ?」
「苦し紛れ……なんですかネぇ?」
メイド達が言うようにアルプ・トラウムはレリエル部隊のレーザー・ガンなど問題にしていない。同じ所を何度も何度も狙ってはバリアに阻まれを繰り返すばかりだ。
「……いや。流石に妙よね。EN切れを狙ってるのか、何か。ともかく……今はバリアに任せて迎撃はしない。敵艦が動く前にこのまま仕掛けるわ」
確かに嫌な予感はしたが、迷いを払拭し、奇襲攻撃を成功させる事に専念する。
【レリエル達に指示を送っていたハーゲンは状況が動き始めたのを察知
つまりタイムリミットが迫ってきているということ、ハーゲンはここにきて打って出てくる。】
「あ!?ぶ、ブリッジ前にジャイアント・ハンド!取り付かれました!」
巨大な光輪を具現化させ、あれでブリッジを真っ二つとするつもりだろう。
奇襲への準備の為にブリッジを収納状態へと移行していた最中であった。本当に運が悪かった。今すぐに切り刻むつもりなら到底間に合いそうも無い。
「イクリプス〜切り払いは?」
「申し訳ございませんが今、操舵中の身ですので表には出られません……」
流石のとんでも人間にも不可能らしい。匙を投げられる。
「……まずー。……ねぇ、艦橋はまだ収納出来ないの?駄目駄目ね。誰よこれ造ったやつ」
(((全部カナメ様じゃないですか〜!)))
しかし、冗談を言っている場合では無い。流石にあの凶器ならダークネス・オーラごとあっさりと破られてしまうだろう。
アルプ・トラウム万事休すか……
【「チッ・・・! Xゲシュペンストォ!!」】
「ふえ……バルクレイス?」
泣きべそを書いていたメイドが、何者かの乱入に気付き、顔を上げる。
「「「バルクレイスだ〜!」」」
メイド達が皆一斉にそれの名を呼ぶ。
バルクレイスがジャイアント・ハンドを吹き飛ばしたおかげで、艦は間一髪で無事に守られた。それからすぐ後にアルプ・トラウムの艦橋は内部に収納される。
「……ないすだよ、ヒツギ君。みんな死に体にならなくて済んだわ」
ぐっど。と親指を立てて勝算するカナメ艦長代理であった。
レイナが聞いていたら恐ろしいが、本人そんな暇は無かった。
その後に繰り出された苦し紛れの攻撃も何の苦も無く弾ききり、アルプ・トラウムは甲斐に艦首を向ける。
「カナメ様。よろしいですか?」
さぁ、準備は整った。後は……
【アルプ・トラウム:変わらず残りHP65%】
>>703
【「そうかもな。でも可愛いだろ?」】
「ちょっと!何でそうなる!?」
デビルイヤーはそれを聞き逃さない。
悪い気持ちでは無いが、こう言われてしまうと拍子抜けしてしまうではないか。
>>704
【「くそったれが!!」】
ゼバスチャンの視界が晴れた頃には、そこにアイゼルネ・ブルートの姿は既に無く、今はリリーのジガンスクードと仲良く地面にダイブしていた所であった。
【アイゼルネ・ブルート:リボルバー・カノンを回避。徐々に再生中。残りHP65%】
707
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/27(水) 08:52:08 ID:71sq9CFM
>>705
「抱き締めたいなぁ、お嬢ちゃん!」
いつの間にかアイゼルネのフェイス・マスクがオープンされ、凶悪な牙を光らせている。
ライトを失神させたあの攻撃を仕掛けるつもりだ。リリーみたいな小娘相手に。
心無しか背徳感でテンションが上がっている辺り、レイナは特殊な趣味が有ると疑われるかも知れない。
だが、中身は確かに幼女だが取り抑えたジガン・スクードはとてつもも無く、男らしく硬くて大きかったりする。
そして油断していたら
【アンジェの両腕の盾、その先端の鋏がアイゼルネの両肩、胴体との接続部をがっちりと掴む。
それと同時に、鋏の根本から太い針が3本ずつ飛び出し、アイゼルネの装甲を叩いた】
「やってみろ。その前にお前のも吸わせて貰うがね!」
どうやら、この疲弊しきった身体で我慢比べをするつもりだ。
普通の幼女相手と対等に張り合うぐらいの体力と精神力も残っているかすら怪しい。
アイゼルネも強引に自らの腕が引き千切れんばかりに力任せに動き、ジガンの肩を捉え、牙を一刺し。
【「捕まえましたよ。さあ、これで…………っ、ぁ!?」】
「あああっ!……はっ…な、なに……なんなの、これぇっ。……ぁぁ!?」
お互いが同時に接触し電流が身体を伝う瞬間、途端に身体が動かなくなる。
甲高い声と共にレイナは胸を抑えてうずくまる。呼気も先程超速度の再生を行った時の様に酷く荒く、珠の様な汗が身体から滴り落ちていた。
しかし身体の不調以上にこの戸惑う様に不可解な、まるで何者かに身体を精神を覗き見られた様な不愉快な感覚。
そしてリリー側にもこちらと同じ事が起きているはず。同じ様にリリーという少女を覗き見てしまったレイナにはそれが解る。
【「こ、れは…………同じ……? いや、違う……『かみ合ってない』…………そんな、カーマインさん、あなたは……?」】
「嫌だ嫌だ……もう、いい。……やめて……そんな目で私を見ないで。知らないで……」
レイナはその心から闘志が萎えてしまい、目の前の幼女に有ろう事か怯えていた。
自分の心に入って来た雪妖精。彼女はレイナと似て異なる物という事が分かる。
何かに例えるならばリリーを純粋な商品とするなら、それに対してレイナは不良品。ゴミに棄てられ行くもの。
レイナはリリーから逃げ出そうとした。虚勢された情けない牙を引き抜き、ジガンの鋏から這い出ようと胴体を蹴る蹴る蹴る。
【レイナ・カーマイン:気力50に低下】
708
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/27(水) 09:56:30 ID:mb1eVimE
>>698
>「テスラ・ドライブリミット解除。」
「・・・オペレーションシフト、モードTH起動・・・リミット解除!!」
ユウセイがその呪文を唱えたとき、ヒツギも呪文を唱えていた。
デーモンの背にあるパンドラの箱が動く
パンドラに格納された災厄・・・背負ったユニットはどれだけの加速を見せようが通常の段階ではリミッターがかかっている。
そもそも一般的なPTサイズであるバルクレイス
その用途から逆算してみても、1回り・・・いや2回りは大きい、PTの胴体を背負っているのとほぼ同一の大きさだ
今までの動きが制御できる範囲に留められている物としても不思議ではない
リミッターの解除を受け、ユニットの側面装甲がせめてもの姿勢維持にと短いウィングとして横一文字に広がる
全体のロックが順次開放されて行き、もっとも大きな拘束具であった下部フィルターが外れる
パンドラの箱は横に割れ、満を持して開かれた
内蔵された目まぐるしい程の量の推進装置が全て露出する、その中心に備わった大きすぎるテスラドライブがブーストドライブを使用するためにうねりを上げる
それは強烈な閃光となり白い尾として伸びる、彼方まで伸びる
対照的にバルクレイス本体は赤星が地上に落ちたのかと見間違うほど真紅に輝いていた
全身の高周波ブレードをウィング代わりにする為に、全てにエネルギーが伝達されているのだ。
負荷限界ギリギリまで高められた刃はその周囲をエネルギーによって歪ませる
しかし歪みの原因は恐らくそれだけではない、S.C.Iを通してヒツギの覇気や闘気が間違いなく具現化しているのだ
燃え上がるヒツギとは対照的に、周囲の温度と光度は何故か落ちていく
デーモンに張り付いた結露は次第に氷へと変わる、暗く冷たい灰色の世界でただ赤い悪魔だけが輝く
悪魔が周囲から、世界から熱と光を奪っているのだ
その証拠に両腕はデーモンのどこよりも強く、大きく光を放っていた
>迅雷を用意し、バルクレイスに突撃する。
「コード・・・ タイラントハート!!」
同時にデーモンもアルブレードに向かって突撃する
その速度による余波はデーモンの表面についた氷の幕など全て吹き飛ばし、周囲を嵐の如き烈風が吹き荒れる
バルクレイスもまた触れるものが風であれ雲であれ薙ぎ払い、白い尾を真っ直ぐに引いていた
直線状の全てを塵芥へと返す『弾丸』に変わっていたのだ
>一気に、バルクレイスの懐に、飛び込み。
>迅速の型を放つ
ユウセイが振るった刀とヒツギが振るった右拳が正面から激突する。
相対するエネルギーが赤と緑の光を放って周囲へと放出される、この状態互いに一歩も譲らないであろう
だが――――ヒツギには、悪魔にはまだ左腕が残っている
「この一撃で・・・ッ!」
左腕に集まった全エネルギーをブレードに送り込む、維持しきれないエネルギーが溢れだし伸びる
それに伴い剥離式多層高周波ブレードが特有の反応を起こす、表面が言葉通り剥離をはじめたのだ
エネルギーの中を金属片が跳ね回り踊り回る、その結果生み出されたのは実体でもエネルギーでもない巨大な刃
「決まりだぁぁぁぁぁあああ!!」
直進方向を無理やり上方へと切り替える
それと同時に全身を思い切り捻り、左腕を下から捲り上げるかのように振り上げる
刃がアルブレードを襲いながらも赤い悪魔は天へと昇る、そしてその天をも切り裂くだろう
709
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/27(水) 10:17:08 ID:mb1eVimE
>>706
(バリアを展開した状態を維持している・・・射撃兵器じゃないって事かい!)
射撃系実弾兵器でないことはすでに分かっていた、実弾ならば5分なんてもったいぶったことを言う必要はない。
斜線上からジガンが消えた段階で撃てばいい、だがそうでなかったという事と指定された時間・・・これはチャージに要する時間だと判断した。
となると可能性としてはエネルギーを利用する射撃兵器か――――格闘兵器かのどちらかだ
実はハーゲン、出力をかなり調整していた。
バリアであればギリギリ守れる程度にだ、そうでなければ横からカットが入る可能性も、敵艦が回避行動に移る可能性もあったからだ
先ほどあげた2種の兵器、どちらにしてもエネルギーを食う
つまりハーゲンはバリアの展開によるエネルギー切れを狙っていなかった訳ではない。
だがそれ以上に、仮に『射撃兵器』であればバリアの展開を一時的に解除する可能性があると考えていたからだ
全体を解除する必要がなかったとしても、斜線上に遮蔽物があるということは変わらない
例えば一部に穴を開ける為の前兆も起こりえるはず、それらを即座に確認するためには攻撃の手を緩めるわけには行かない
既に撃沈させることは不可能だと判断していた、だが――――
>>705
「今すぐ切れるだけ舵を切れ!!早くだ!!」
甲斐に対して緊急回線で割り込んでくるハーゲン
間に合いは・・・しない、そんな予感が既に彼の中にあった
710
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/27(水) 14:17:36 ID:71sq9CFM
>>705
「カナメ様。よろしいですか?」
イクリプスは念の為、艦長の確認を取る。
彼女はいつもの如くとても涼しげでごく自然体と言った風である。
「うん。よろしいわよ、さくっとやってさっさと終わらせる。わたしもみんなも疲れてるでしょ。
あ。……んで。くれぐれも前方確認は怠らない様に。VIPを轢き逃げなんてしたら笑えないからね?
目標、甲斐の艦首バスターモジュール。ブーストの解放と同時に徐々にダークネス・オーラを前面に向けてずらして。あの掌君はそれを狙う気みたいだけど……もうおそいっ」
けたたましい騒音を上げて、アルプ・トラウムは躍り出た。一気に前方の甲斐に目掛けて突撃。
主砲で何か打開策を練る物だと判断されていたかも知れないが、こちらの本命は対艦体格闘戦を仕掛ける事。
艦橋やミサイルコンテナを衝突から護る為に全てを内側に収納し、突撃に適したシャープな形が出来上がる。
「え〜と、今よりそちらさんのテスラ・ドライブとあとバスターモジュールをぶち壊しに行きます。
当たれば大変面倒臭いので、あと20秒ぐらいまでに艦首モジュールとか可能なの全部、切り離しておいてね。お姉さんと約束よ」
今から艦をぶつけようとする甲斐の武田姫やクルー達に向かい、脱力感たらたらのボイスで呼び掛けるアルプ・トラウム艦長。
この勧告はレイナ予ての希望で行われたものであり、言ってしまえば甘え。
ぶつけると言う事実は変わらず、所詮只の気休めにしかならない。
「目標、クロスレンジ!」
甲斐の雨霰の様な対空弾幕に一切たりとも怯まずに近寄り、最高速となったアルプ・トラウムはその飛び出た左右の艦首にフィールドの密度を集約して行く。
「艦首ツインブレイド、甲斐の艦首モジュールにぐちゃりとエンゲージします!」
やや上方からフォークボールの感じで落ちる様に降り注いで来たアルプ・トラウムは、その赤く黒いオーラに包まれた艦首の大型剣にて甲斐のバスターモジュールに接触。
今回は良心からか撃たずにいてくれた甲斐のあの凶悪な破壊の力。フォトンブラスターを撃たせない様にする。
破壊を確認するなど悠長な事はせず、バスターモジュールを切り抜け、勢いのまま甲斐の艦底に潜り込む。
「まだよ。イクリプス、そのまま艦首を90度傾けて今度はテスラ・ドライブを止めるのよ」
「至極簡単に言いますよねカナメ様は」
主に負けない人使いの雑さに悪態をつきながらも、ハイスペック使用人はリクエストにお答えしてスピードそのままに艦を上向きに持って来る。
そこから今度は艦首ブレイドが天を突くような勢いで甲斐の艦底からテスラ・ドライブを狙って切り抜けようとしている。
【アルプ・トラウム:天地開闢レイナ(中略)プレッシャーで甲斐を攻撃する】
「あんがと…。今まで私の友達が本当にお世話になったわ。あなた達、強いから次は敵じゃない事を願うわ。ばいばい」
カナメは甲斐の連中に本当に感謝してるのか良く解りにくい淡白な口調でそう言い残す
甲斐の下方から抜け出し、完全に甲斐のマークから逃れたアルプ・トラウムはそのままの勢いでそそくさと撤退を始める。
「アイゼルネ・ラーゼン隊、包囲を脱して順次帰還しています。撃破された子達もお互いフォローしあって帰って来ます」
目眩ましの煙幕を散布しながらハーゲンの魔の手から逃げ延びたアイゼルネ・ラーゼンの残りが甲斐をすり抜け、アルプ・トラウムへと合流して行く。
「じゃ、静香達を呼び戻して。ヒツギ君とあとレイナの叔父さんも来るでしょ?」
信号弾を上げて、静香、マヤ、つばめ、ヒツギ、レオンハルト、レイナに撤退の合図を送る。
空を飛べない風姫、焔姫。更にもう殆ど動けない雷姫には手透きのアイゼルネ・ラーゼン部隊が飛行サポートに入る。
「レイナ……何やってるのよあの子。ヒツギ君、レイナの叔父さん。悪いけれどアイゼルネをこっちに一緒に連れ帰って。もう駄目だわあの子」
そして、未だジガン・スクードと組み合ったままアクションを起こさないレイナの身の危険を案じ、過保護にもヒツギとレオンハルトの2名までをも差し向ける。
本当はせめてもっと早くレイナを戦場から退かせるつもりだった。
それを出来なかったカナメは責任を感じている。
711
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/27(水) 18:30:21 ID:HPFgr3sI
>>705
機動力を奪ったと確信しているのかこっちへの追撃の気配を見せないラプター
…まぁ、潰し合う意味が無いこと等、お互いに判ってはいたことだが
>>710
【「レイナ……何やってるのよあの子。ヒツギ君、レイナの叔父さん。悪いけれどアイゼルネをこっちに一緒に連れ帰って。もう駄目だわあの子」】
「…そう、らしいな。」
レイナの愛機はジガンタイプと組み合ったまま不気味に沈黙している
心なしか意識が無い
…そう感じるや否や、その姿はアンジェ達の直ぐ間近に在った
背部を撃ち抜かれても、妖刀は鞘もろとも歪みも削れもしていない
サポートアームベルトが、その刀の柄を右肩へと運び、それを右手で掴むと
紅い眼がより一層煌めくや同時に青眼に構えていた
抜き放たれた黒の刀身は艶を増し刃先に至ってはムラマサの挙動と共に炎がゆらめいているようにさえ映る
その抜刀からの一連の動作はアカリでもってしても、その切っ先がアンジェの鋏部分を通り過ぎた事を確認出来ただろうか…
火花を散らしながら落ちる鋏とアイゼルネ
アイゼルネを受け止め抱きかかえると接近してきた時と同じように影となり細い紅い光が尾を引いたところを僅かに残して姿を消すと
ラプター抗戦地域から続く衝撃波の嵐がアンジェの姿を飲み込むも切断された箇所以外は何事もなかったかのように佇んでいた
712
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/27(水) 20:54:18 ID:qMrXCq1s
>>708
>>「コード・・・タイラントハート」
「まじかよ、向こうからも突撃を」
予想外の展開
>>「この一撃で・・・ッ!」
「クッ・・・」
慌てて、シールドと、念動フィールドを展開するが
>>「決まりだぁぁぁぁぁあああ!!」
「しまった。」
バルクレイスの一撃が、アルブレードを引き裂く
「落ちるっ、でも、何も動かねぇから、なんにもできねぇや。」
そのまま、地に落ちる。
「アルブレードより、タイガー1 戦闘続行不可能回収頼む。」
「状況を、簡単に言うとテスラ・ドライブが動かん。破損はされてない。」
言葉足らずなので、正確に言うと、アルブレードの正面が、下から、ヘッドまで、真っ二つになってる。
「あと、気をつけろあの船の狙いは、テスラ・ドライブd………」
そう、言った後、通信は途切れた。
713
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/27(水) 21:42:05 ID:q1Ow89Yg
>>700
「ふむ、なれ合ってるわけでは無いようだな」
なんと、そんな事を危惧していたようだ。
その後はラウディ共々ハーゲン達の対艦攻撃を援護していたが……
>>705
,707
「……しまった!こっちの援護だったか!?」
外からでは分からないが、初期不良の類かもしれない。すぐそばにいれば修理装置を使えたかもしれないが裏目っぱなし。
>>710-712
「ハヤミっ!
ええいっ……」
もはや躊躇っている場合ではなかった。
その銃口を黒い機体に向け、これまでに無いまでの冷酷さが解き放たれる。
それは、傷ついた少女を荷物として抱え、羽ばたきの鈍る怪鳥を射抜くための一矢である。
【《集中》《熱血》《狙撃》を使用】
【BSR“葉桜E-2”でレオンを攻撃】
714
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/27(水) 22:52:22 ID:1FF01gMw
>>707
身体を抱いてうずくまるリリーの耳に、アンジェの装甲を何度も何度も蹴りつける音が飛び込んでくる。
特別な機構も無ければ勢いもないその蹴りで、アンジェの分厚い装甲がどうこうなることはなかったが、その必死さに、明確な拒絶を感じる。
どうやらリリーを襲ったあの感覚は、向こうにも影響しているようだ。
アイゼルネの必殺攻撃らしい吸血攻撃を、途中までやってから止めたのは、それが関係しているのだろう。もっとも、こちらも身体が震えて戦闘どころではないが……。
「……っく…………ぅ」
震える手でコクピットのコンソールに手を伸ばしたリリーは、アンジェのシステムを強制シャットダウンしにかかる。
「なる、ほど……っ……そういう、事情、でしたか……。あの人、こうなるの、わかってたんじゃないでしょう、か……。
だから、あんな…………」
リリーがアンジェを受け取る際に、尼子統久が言ったことがもう一つあった。
『もし仮に、レイナ・カーマインの一派がお前達を撃退するようなことがあれば、可能であれば彼女らに私の情報を渡せ。
それだけの力があるのなら、少し取引がしたい』
あくまでついで、といった体で話された言葉だったが……強力な念動力者である統久が何らかの予感を得ていたとしても不思議ではない。
事ここに至って、リリーは余計にそう感じた。
アンジェのシステムを落とす前に、リリーはアイゼルネとの間に接触回線を開き、
「カーマイン、さん……。我々を打ち破った、あなた方と……っぅ……取引、したいという人が、居ます……。
今は、詳しくは話せません、が……『桃饅頭』と、『蛇の牙』……この二つの、キーワードを覚えておいて、ください。
あと、出来ることなら、明日の夜、だけ……バルクレイスの通信機能を、開いておいてください」
それだけを伝えると、リリーはシステムの強制シャットダウンを行った。アンジェのコクピットが真っ暗になり、リリーとシステムとのリンクが絶たれる。
それに伴ってセルの共鳴現象も収まり、アンジェの機体から力が抜ける。今ならアイゼルネのパワーでもってすれば、簡単に鋏から逃れられるはずだ。
「ふぅ……」
コクピットシートにぐったりと身を預けたリリーは、いつの間にか額に浮かんでいた脂汗を拭うと、大きく息をついた。
レイナとの共鳴で感じた、彼女の身体の、あの歪な感じ。どう考えても、彼女が自分で望んだとは言い難い。
自分はマシンセル技術で命を救われたが……同時にあのようなケースもあることを思い知らされる。
「まったく……業が深いというか、なんというか……ですね」
強い疲労感をにじませたリリーの声が、暗闇に溶けていった。
715
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/27(水) 23:25:02 ID:mb1eVimE
>>712
>「落ちるっ、でも、何も動かねぇから、なんにもできねぇや。」
沸騰していたバルクレイスの血潮が冷め始め、その輝きが落ち着きを取り戻してきたのが分かる
一撃を打ち付けてきたユウセイに対し、ヒツギの攻撃は言わばそれを読んだ二撃
しかしユウセイの一撃はバルクレイスの右拳を中央までパックリと割る深い傷を残していた
あの瞬間の攻防、少しでも遅かったら右拳からそのまま両断されていた可能性もあった、ということ
「・・・悪いな、ユウセイ」
ヒツギの仲間を守るために仲間を討つ覚悟、その答えをユウセイは受け取っただろう
当然気分がいいものではない、ヒツギ自身を最初から分かっていたつもりだ。
そしてそれを口に出してはならないという事もヒツギには分かっていた・・・
>>710
>>714
>「レイナ……何やってるのよあの子。ヒツギ君、レイナの叔父さん。悪いけれどアイゼルネをこっちに一緒に連れ帰って。もう駄目だわあの子」
「分かった」
ユウセイを討った直後、アルプからの通信を受けるヒツギ
元よりレイナを守るためにこちら側についたのだ、二つ返事で頷くとすぐさま地上へと切り替えした。
見ればジガンとアイゼルネが組み合ったまま動こうとしない。
いや違う、よく見ればアイゼルネの方は動いているもがいている様にも見えるが・・・
>「嫌だ嫌だ……もう、いい。……やめて……そんな目で私を見ないで。知らないで……」
「・・・泣いてるのか?」
その様子を見たヒツギはコックピットの中で1人静かに溢した、誰にも聞こえぬ呟きを
当然レイナの呟きなどヒツギには聞こえていない、ただ直感的にそう感じただけなのだ
脱出しようと蹴っているのならばそれは攻撃だ、だがこの行動はそれとは逆―――何かを守るために行っているように見えた
何かを否定しているようにも見えた・・・見えたが、ヒツギはそこに触れない
「リリー少尉、レイナは返して貰うぜ・・・」
既に戦う様子の無い2機の間に割り込むと
バルクレイスはジガンのツメを掴み握りつぶさんばかりに力を込めてこじ開ける
滑り落ちるアイゼルネを左腕で上半身を受け止め、右腕で足を持ち上げる形で抱きかかえた。
「・・・ありがとう、レイナ」
本当はもっと言いたい言葉があった、何故泣いているのかを聞きたいとも思った
だがレイナがヒツギに言った言葉を思い出す、そして今のレイナは恐らく『格好悪く情けない私』なのだろう
だから触れない、その輪郭にどれだけ指を伸ばしたいと思ったとしても、ヒツギは触れられない
レイナが見せてくれない痛みを理解したいと、感じたいと彼が望んでいたとしても・・・だ
「・・・レイナを回収した、すぐに帰艦する」
716
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/27(水) 23:58:22 ID:1FF01gMw
>>710
五分で決着を付ける。その言葉のヒントは、変形を始めたアルプ・トラウムが握っている。
こちらが装備するバスターキャノンと同じ、戦略級の特装砲が飛んでくる可能性が高い。
姫はそう判断し、甲斐に回避行動を取らせたのだが……敵艦の予想外の攻撃方法が、その対処の上を行った。
艦体にエネルギーフィールドを纏い、艦そのものを超大型ブレードと化して、こちらに突撃してきたのだ。
敵艦が艦首に接触する前に、警告のような通信が来ていたが、20秒程度では大したことは出来ない。
「G・ウォール、艦首に最大展開! 全艦、衝撃に備えて!!」
辛うじてG・ウォールを展開させたものの、やはり、それは焼け石に水といった程度の効果しかもたらさなかった。
艦同士が衝突する激しい振動と、艦体が上げる悲鳴のような破砕音がブリッジを支配し、そのあまりの衝撃に、姫は艦長席から身を投げ出される。
姫を始めとしたクルー全員が悲鳴を上げ、衝撃に翻弄されている間に敵艦は甲斐の艦首から艦底に抜け、
あろうことかその状態から艦首を上げて、今度は艦尾を破砕しにかかった。
こちらのテスラ・ドライブを沈黙させるのが目的だったらしいが、戦艦並みの大きさのブレードが突撃してきては、
テスラ・ドライブどころかそれを含むメインエンジン・モジュールを斬り砕かれるのは自明の理であり、実際にそうなった。
横から見て、鈍角のV字型に艦体を抉られた甲斐は、その巨大すぎる傷口から大きな爆炎を上げて、高度を落とし始める。
艦首側、艦尾側を問わず艦体から誘爆を連続させながら、真っ黒な煙に後ろ半分を包まれ、滅茶苦茶になった艦首を下に向けて墜落し続ける。
下が海だったのは幸か不幸か。旧世紀の戦艦の形をした戦闘母艦は、艦の全高をも超える巨大な波しぶきを周囲に撒き散らし、無様な着水を果たした。
「…………ったたた……ひ……被害、被害は……?」
ブレードによる攻撃と墜落に伴う衝撃であっちこっちを打ちつけた姫は、腕を庇いながらよろよろと立ち上がり、艦長席のコンソールに向かう。
艦橋の外は黒い煙で何も見えない。艦の状態を見る唯一の方法はコンソールモニターだけに限られていたが、そのダメージ表示を見て、姫は青ざめた。
「か……艦長、ご無事、ですか…………」
艦長席に比較的近いオペレーター席の陰から、弱々しい足取りでオペレーターの一人が現れる。
頭を強く打ちつけたらしく、頭から血を流している彼女に姫は小走りで近づき、肩を貸してやる。
「すみません……艦は、どうなりました?」
「良くない、ですね。リアクターの制御は、ここから行えますか?」
「可能です。ただ、私ではどうすることもできません。ファーストエンジニアの無事を確かめないことには……」
「わかりました。あなたはここで、少し休んでいて下さい」
オペレーターコンソールに負傷したオペレーターの身を預けさせた姫は、微妙に斜めに傾いた艦橋のロウアーフロアに駆け下り、ファーストエンジニア席に駆け寄る。
エンジニアはコンソールに突っ伏したまま気を失っていたが、姫が数回、呼びかけながら揺さぶると、うめき声と共に覚醒した。
「くそ……頭がふらふらする……。艦長ですか? 俺らはまだ、生きてるんですよね?」
「ええ、間違いなく生きています。ですが今は、そんな悠長なことを論じている場合ではありません。
大至急、リアクターを緊急停止させてください。このままだと、艦を中心にして半径数㎞が吹き飛びます」
「そりゃいけませんね……つつ、回路が生きているのを祈るばかりですよ」
ややノイズの走るモニターに流れる情報を目で追いながら、エンジニアがコンソールを叩いていく。
そう時間を置かずに、リアクターを示すアイコンに×印が付いた。
「リアクターにスクラムをかけました。これで、少なくともリアクターの爆発で俺たちが死ぬことはありません。ですが、こりゃあ……」
「ええ。甲斐はもう、お終いでしょう。全艦に退艦命令を出します。周りのクルーの確認をお願いできますか?」
「はいよ……っと」
エンジニアが席から立つのを確認した姫は小走りで艦長席に戻り、コンソールを操作して全艦に退艦命令を発令した。
けたたましいサイレンと共に、退艦命令が発令されたことをアナウンスする機会音声が、艦内に響き渡った。
717
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/28(木) 00:16:50 ID:bkvfyjzM
>>706
>>714
視界が赤い 満遍なく赤い
どうやら至近距離でスモークを炊かれたようだ、とりあえず出弾幕を形成しているが、ソレが功を奏しているかもわからず
視界が開けてきた、すぐに敵機を確認 するとジガンと敵大将が組み合っているではないか
何故かジガンを敵大将がけりつけているが、分厚い装甲が邪魔をしてダメージらしいダメージを与えていない様子
「ジガン!! おい返事をしろ!! ジガン応答しろ!!」
だが敵大将8にスモークを炊かれている間に何かが起こったのか、ジガンからの応答はない
>>712
>>714
及び連邦サイド全員
この戦いの勝敗は確定した、そう断定しても過言ではない
敵側の戦力に欠損なく、むしろヒツギという新戦力を抱きかかえて増強している
大して連邦軍は対象が討ち取られ、ジガンは通信不可能、アルブレードもスモークが炊かれている間にやられてしまった
語蹴るのは自分を含め数えるほど、その自分も最大威力のスーパーアヴェンジャーは弾切れ、マトリクスミサイルが一発とリボルバーカノン・ロケットランチャーが残弾僅か
これでは戦うことも難しい、とりあえず割かし近くにいたアルブレードを回収しようとするだろう そして回線で
「ボマー3より各機!! 作戦は失敗だ!! 各自撤退を開始せよ!! 繰り返す!! 作戦は失敗だ!! 各自撤退を開始せよ!!」
これ以上の戦闘は、無駄な犠牲を増やすだけそう判断し 周りの味方機に告げる
「回収部隊!! ジガンを甲斐に押し込めろ!! ドロワナじゃパワーが足りない!! 明智ってぇ御大将の救助は!?
これ以上の戦闘はムダだ!! 人命救助を最優先しろ!! 敵戦艦は攻撃を防御しつつ可能な限り無視しろ!!」
軍曹と言う下士官の発言ではないだろう、だが味方を殺さないためにも 身の丈に合わない指示をあちこちに飛ばしている
718
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/28(木) 01:16:26 ID:HjaAOo4s
>>710
>>716
>>717
『……ちら…ゲン…こちらハーゲン、明智ライトを回収した』
ノイズ交じりの通信が甲斐へと送られてくる
確認するとどうやらインセイオンがライトの乗ったガブリエルを肩に担いでくれているらしい
『回収についてはもう基地に要請しておいた、その船を捨てるならジガンの方へ集合してくれるのがありがたいよ
アレを動かすのは不可能じゃあないけど・・・少し骨が折れるからさ』
船が残っているならインセイオンのパワーを以て無理やり荷担しただろうが、退艦命令が出ている以上そういう訳ではなさそうだ
となると逆にジガンを動かすのではなく、ジガンの元に集めるというのは中々効率的だ
『後は艦の損傷箇所の情報と消火用ユニット・・・それと医療キットを持ってきてくれ
全員が退艦次第、外部から切り離し処理を行う、発火するのはやだしね』
この男からは敗戦の余韻を感じない、敗戦に慣れている・・・という様子は無い
どちらかといえば敗戦であろうと気にしていないというのが正しいのかもしれない
しかし何故医療キットまで所望したのか、それには当然理由があった
(まぁ・・・貴重なんだよねぇ、念動力者はさ)
ユウセイから感じる微弱な念が、怪我をしていることをハーゲンに伝えていたのだ。
念動力は才能だ、ひと一人を覆すアイゼンティティと言っていい
パイロットの性能は度外視しても『念動力者』というだけで、それがどんな方向性であろうと価値があるのだ
719
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/28(木) 08:25:17 ID:njPSfYWM
>>713
>>715
アイゼルネを抱えながら音速を超えて尚も障害物を軽快に飛び越しながらアルプトラウムを目指すムラマサ
アルブレードを下し駆けつけるバルクレイスが視界の端に映った
そのとき抱えていた筈のアイゼルネが脚部側からずり落ちそうになる
「…たく。そんなに点数が欲しいかよ」
アルゴスの放つ一筋の閃光がムラマサの左肩を通り抜け、その先は失われ鮮血のような内溶液が吹き出していた
回避を兼ねるこの機動…とは言え向かう先さえ判ってしまえば確かに命中させる事もできるだろう
「ヒツギ!」
残った右腕でアイゼルネの胴体をしっかり抱えた上で加速を殺さぬよう大地を踏み込み、全体を大きく捻りながらアイゼルネ・ブルートをバルクレイスに向けて放り投げる
「じゃあな」
バランスは崩れたままアイゼルネを投げた為、そのまましばらく地面を転がった後、取り残される形となる
720
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/28(木) 13:18:16 ID:CLgZrR92
>>714
【「カーマイン、さん……。我々を打ち破った、あなた方と……っぅ……取引、したいという人が、居ます……。
今は、詳しくは話せません、が……『桃饅頭』と、『蛇の牙』……この二つの、キーワードを覚えておいて、ください。
あと、出来ることなら、明日の夜、だけ……バルクレイスの通信機能を、開いておいてください」】
「っ……モモマンジュウ?……蛇の牙?
何のつもりよ。まるで……意味がわからない。…ぁ…っ……!お前は私達をみすみす見逃す上に、塩を贈るって言ってるの?」
リリーの示した謎の単語。これらが何を意味しているのかは今の所全く頭に浮かんで来ない。
先程の不愉快な接触も有り、子供相手に真剣に凄む程にレイナの余裕の無さが顕著となっている。
「それよりもだ……!お前を弄ったのはいったい何処の誰だ!?言え!!答えろ!!」
レイナの激昂した問いかけも虚しく、リリーとの肉を超越した様な互いの繋がりは既に途切れてしまっていた。
恐らくは向こう側が引き起こしたシステムカットが原因だろう。
それに、レイナの方も自身の秘密を幾つかさらけ出してしまった。これ以上悪趣味に繋がり合うのは避けたかったに違いない。
「……リリー・スノウフェイル」
>>711
>>715
カナメからレイナの回収を依頼されたレオンハルトとヒツギの二人は待ち合わせたかの様に二体同時にレイナの元へ駆け付けた。
レイナの眷属二人はそれぞれアイゼルネ・ブルートの両肩を捕縛していたジガン・スクードのハサミを抉じ開け、拘束状態から引きずり出した。
【「・・・泣いてるのか?」】
「いや……見くびってくれるなよ」
流石に感情むき出しに泣きはしなかった。残されたプライドがそれを許さなかった。
平静を装っていつもの様に強気に返す。
【「・・・ありがとう、レイナ」】
「ふむ?……礼はいらないさ。」
そしてアイゼルネはひょいとムラマサに担がれて、ジガン・スクード・アンジェの目前から連れ戻されて行く。
一瞬、二機の救いを受け入る事を拒んだ様に見えたが気のせいでは無かろう。
今のリリーとの間に起きた一連の出来事は彼らには絶対に知って欲しくない。
この醜い本質を知られてしまえば……こういった良好な関係は崩壊してしまうから。
【「・・・レイナを回収した、すぐに帰艦する」】
『ありがとう。それじゃ帰還を待っているわねお二人さん』
カナメはレイナが置き去りにならず、ひとまず安堵。いつも気を抜いてばかりいた気もするが一層、安堵した。
>>719
が、それを邪魔する者がまだ居た。
射撃音が聞こえると同時に担がれていたアイゼルネもぐらりと体勢が崩れる。
【「ヒツギ!」】
「う……あ!?」
必死の思いでアイゼルネを追従するバルクレイスへと託したムラマサ。
だが、無理にアイゼルネを救おうとしたが為にムラマサは体勢を崩した。
【「じゃあな」】
「よせ!もういいから!」
動きを止めたムラマサはその場に取り残されてしまった。このままでは連邦軍の追撃が迫って来てしまう。
レイナは諦めずに呼び掛ける。
>718
(……負けた。……私の部隊が。エンジェルフェザーが……あんな素人に)
中盤からみっともなく失神していたライトも、今先程意識を取り戻した。
だが、余程甲斐の撃沈までの光景がショックだったのだろうか生気は失せ去り、何もしようとしない。ていうか吸血攻撃のエネルギー吸収機能によりあらゆる物を根刮ぎ奪われてしまったため、もはや脱出装置すら作動せずハッチも壊れ開かない。当然コクピットの灯りも点かず、ライトは狭い箱の中に取り残されていた。
721
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/28(木) 19:48:25 ID:HjaAOo4s
>>720
>「いや……見くびってくれるなよ」
アイゼルネから、恨み言のような言葉が返ってくる
完全に独り言で呟いたつもりだったので反応がくるとは思っていなかったらしく
この時のヒツギの心中はといえば「やっべ聞かれてたのか」と意味も無くあせっていた
「いやなんというかそんな感じがしただけっていうか俺が勝手に思っただけというか・・・!!
ってそうじゃなくて・・・」
>「ふむ?……礼はいらないさ。」
ヒツギが述べた『ありがとう』という言葉に対し、疑問符を浮かべるレイナ
このありがとうには2つの意味が込められていた
「いやさ、デーモンの修復をしてくれたこと・・・お陰でこうして言った事を嘘にしないで済んだ」
バルクレイスの修理を指示したのはレイナだと聞いている
結果としてこうなったが、もしかしたらヒツギがレイナ側につかなかった可能性だってある。
彼女の予知能力を持ってすればそれすら分かっていたのかもしれないが・・・それで片付けてしまうのは野暮というものだ
「でも言った事を嘘にしないで済んだってのも
まぁホントは適当にカッコつけただけで実際は体が勝手に動いただけなんだけどさ。
・・・でもお陰で踏ん切りがついたし、あれが自分の本心だって気づけた」
「ってよく考えたらピンチになってありがとうっておかしいよな、悪い悪い」
2つ目の意味は今の自分の立ち場を決めた理由となってくれたこと
こちらが『ありがとう』の内容を大半を占めているといっても過言ではない。
レイナからしてみればこちらについては何もしていないと思ってもおかしくは無いだろう
だがヒツギからしてみれば後押しをしてくれたのは間違いないのだ
>>719
>「ヒツギ!」
「うぉっとと!?」
レオンからレイナを受け取るも、それはPT一機分の重量が加算されるの同義だ
一瞬空中で右にバランスを崩すも、機体をそのまま右に1回転させ迎えに行くような形でバランスを取り直す
受け取りが成功したことを伝えるためにバルクレイスが小さく頷いた
「ん・・・レオン!?」
・・・がレーダー上のレオン機の影が動こうとしない
その異変に気づくも切り替えしが間に合わず、追い越してしまったヒツギは急いで振り返る
>「じゃあな」
「じゃあなって、まさかお前!」
レイナが気づいているかは怪しいが、実はヒツギは有効な射撃武器が無い
アイゼルネを抱きかかえたままでは当然スマッシャーは打てない、ではプロージョンガンはどうか?
実はこれももう撃てないのだ、その両手でレイナを抱えて居るように見えるが実際は違った。
掌が動いているのは左だけ、右は先ほどアルブレードに中央までバッサリ切り込まれいる
故に背中を支えているのは左で足を持ち上げているのが右、この形にも意味があったのである
右手の指は既に保持する能力を殆ど有していなかったのだ。
「だからってお前の機体も右腕が・・・!!」
ヒツギもレオンもかなりの速度を出していたはずだ、その中で損傷を見抜いたということ
その上で右腕を失った自らの機体と、右手が動かないバルクレイスどちらが安定してレイナを運べるかを天秤にかけ―――
722
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/28(木) 22:52:04 ID:f0SBxH0A
>>719
着弾を確認。
そしてヴィルヘルムは止めていた息を大きく吐き出す。
今のはもう一度やれと言われても出来るものでは無い。
「……追撃は止そう、機体はともかく俺がガス欠だ」
一つ呟くと自機をジガンの近くまで飛ばした。うかつに近寄ってカウンターで斬られる事を警戒しての判断だ。
>>718
,720
「……ラウディ、補給装置でガブリエルの様子をみてやってくれ。俺はジガンに修理装置を使う」
『……了解しました』
通信機の向こうで不満そうな声がする。
何が何だか分からないままにかつての仲間が敵に回ったのだ、不満というか何というか。
クーリマン軍曹のアルゴスがインセイオンの方に向かうのを横目で確認しつつ、自分はジガンの正面へ。
723
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/28(木) 22:58:01 ID:bkvfyjzM
>>716
体感命令を出した彼には、状況があまり見えてなかったのかもしれない
気付いたときには敵戦艦が甲斐へと特攻を仕掛け、衝角によって甲斐を一刀両断
誰の目でも分かるほどの致命傷を受けて轟沈した
「・・・・・・・・・・・・」
ここまで徹底的に潰されてはまともに声も出ない
民間人相手に壊滅的損害を出した、これは歴史に残る大敗になるだろう
「・・・ドチクショウ」
己の無力さを噛み締め ただ一言漏らした
>>712
>>718
「了解ハーゲン ジガンを旗印に集合する」
応答にちっとも反応しないアルブレードを担ぎ上げて ジガンの元に集まる
「医療キットは割り増しで頼む こっちにも怪我人が居やがる」
今日はもう疲れた、これ以上敵さんが突っかかってこないことを祈るだけだ
724
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/30(土) 10:21:15 ID:yLSGSISA
>>716
「うわっ、えぐっ……。ちょっとやりすぎだったのかもしれません」
「Vの字斬りみたいに綺麗にかつ豪快にいったッスからねぇ。こっちは逆に全く持って何とも無いんだからびっくりっすよ」
「どどどど、どうしよう」
「ていうか下手したら……みんな死んでるんじゃ……筆頭もカナメ様もやり過ぎ」
「「「しーっっ!!」」」
メイド達がガヤガヤ騒ぎ立てる。話題はどうやら先程の突撃の事についてだ。
当初、予想していた以上に向こう側に被害を与えてしまったので敵対していながら甲斐の乗組員の無事を考えてしまう。
「……ん?全くいい身分ねあなた達。ちょっと間違っていたら、今頃撃沈して泣きわめいてたのはこっちの方だったのよ?」
敵サイドがアルプ・トラウムの特性を全く知らなかったからこそすんなり成功しただけであって次からは同じ手は通用しない。
「んにゃ……まだ敵が背にいるんだから、真面目に仕事しなきゃ駄目じゃない。状況はどーなってるの?」
ふしだらに弛めたパジャマ姿でまったり隙だらけの人間にだけはメイド達も言われたく無いだろう。
「焔姫、風姫、あと雷姫は特に酷くやられてしまってますが既に帰還してます。操者のつばめさんの方もああ見えて心身ともにえらく頑丈な様でして、あんな事された後なのにピンピンしていますよ。
むしろ、損傷機体の修理を手伝うと張り切っていまして。念の為、安静にする様に言っておきます」
何故か戦闘中はあんなに恐怖し、痛そうな声をあげていたのにも関わらず、いざ終わって見れば割と平気だったらしい。これはカナメでもロジックがわからない。
(頼むわ……早くあの子に薬を与えないといけないのよ)
アルプ・トラウムはいつでも離脱可能な位置にまで到達した。カナメは後のブリッジの指揮をイクリプスにぱっぱと引き継ぎ、老婆の様な丸い猫背の姿勢でブリッジから颯爽と退出した。
後はレイナ、ヒツギ、レオンハルトの帰還を待つばかりだ。
>>721
【「いやさ、デーモンの修復をしてくれたこと・・・お陰でこうして言った事を嘘にしないで済んだ」】
「べつに……ただのキマグレだ。たまたま自分の所有物を治しただけだし、変な詮索は無しよ」
なんて事は無いんだからねと、ぶっきらぼうに言い放った。
ただ真意はそれだけでは無いのは簡単に解るだろう。
【「でも言った事を嘘にしないで済んだってのも
まぁホントは適当にカッコつけただけで実際は体が勝手に動いただけなんだけどさ。
・・・でもお陰で踏ん切りがついたし、あれが自分の本心だって気づけた」】
「その覚悟は受け取った。我々はもう後戻りは出来ない運命だ。なので……私が死ぬまでは、あなたの事を縛り付ける」
ここで勝利してしまった以上、これからは反連邦勢力として完全に追われる身となる。
此度の連邦の完敗さえも都合良く改竄された上で、利用される事だろう。
レイナ達は今後、どれだけ世間から反逆者として迫害を受けるのかわからない。それはとても悲しい事だ。
だが、彼らとなら……
【「ってよく考えたらピンチになってありがとうっておかしいよな、悪い悪い」】
「己のピンチすら華麗に演出し、鮮やかな逆転にて不利を返し、皆のカタルシスを掴む。これが王の戦術よ」
大見得を切っているが、今回は本当にレイナの眼の力を越える展開の数々であった。
少なくとも、レイナの身と精神にはダメージが強く有りすぎた一戦となった。
それはコクピットでヒツギ相手に執念で余裕を“演じる”レイナから見て明らかか。
だが、ここで止まる事は出来ない。未来を切り開いてみせなければならない。
725
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/31(日) 04:33:47 ID:LGk/DTbk
>>720
システムが切断され、通信が切れる間際に届いたレイナからの問い。
いつもと違って余裕のない口調で放たれたその問いに、リリーは答えられる回答を持っていない。
「私を「こういう形」で救ったその人は……残念ながらカーマインさん、私も知らないのですよ。
トライアローという名前も記号でしかありえませんし……」
腕で瞼を覆い、独りごちるリリー。
トライアロー。今でも文通のようなやりとりのある人物。しかしながら、リリーはその正体の一片すら掴めていない。
男なのか、女なのか。老人なのか、若者なのか。それすらわかっていない。
ただ、手がかりが全くないというわけではない。まずマシンセル技術の総本山、アースクレイドルとの繋がりがある、ということは明白。
リリーに対する連邦軍内での便宜があったことから、連邦軍、もしくはそれに関係する人物で、それなりの地位があるだろうことも予想が付く。
「そしてあの『契約』からして、義姉さんと関係があるのも間違いないでしょう……。
……ふう、あの様子だと、次に会ったら執拗にそのあたりを訊かれそうですね。
お互い不幸なことになりそうですし、もう会わない方が良いのでしょうが……」
そうして思考を巡らせていると、突然、何か大きなもの同士が激突したような轟音が響き、続けて大きな水音が聞こえた。
「……っと、何事でしょうか?」
その音によって現実に引き戻されたリリーは、コクピットのコンソールを操作し、アンジェのシステムに再起動をかけた。
強制シャットダウンで何か異常が起きていないかを確認していることを示す文字列がモニター上を流れていき、
それらが流れていった後少しして、アンジェのシステムが再起動、モニターと計器に明かりが灯った。
光を取り戻したモニターに映っていたのは、炎と黒煙を盛大に上げて海の上に骸を晒している甲斐の姿だった。
「五分の意味はこれでしたか。しかし、何が起きたのでしょう……?」
とりあえずアンジェを立ち上がらせる。
自分の方に向かって味方の識別信号が集まりつつあるのも疑問と言えば疑問だ。誰か状況を説明して欲しいところだが……。
726
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/31(日) 04:34:24 ID:LGk/DTbk
>>718
,
>>723
「艦長、エンジェルフェザーのクルーゲ少尉とリューデル軍曹が、共に医療班の出動を要請しています。
何でも、前線の味方にも負傷者が出ているとか」
退艦命令を発令し、残ったブリッジクルーの安否を確認していた姫の元に、
脱出の準備が整うまでの間に通信を傍受していたオペレーターからの報告が入る。
「わかりました。ただ、こちらも艦の損傷による負傷者が多数で、手一杯ですので、出動は一班が限度でしょう。
そう伝えて下さい。他には何か?」
「はい。クルーゲ少尉から墜落したスノウフェイル少尉のジガンスクードを旗印に集結することを提案されています。
それと、消火用の機材と艦の損傷箇所の情報も求められています」
「このような大規模火災に発展した以上、艦に備え付けのものでは焼け石に水ですし、何より脱出の荷物になります。
持ち出す努力はしますが、量は期待しないようにと。艦の損傷箇所については、ありのままを伝えて下さい。
スノウフェイル少尉のジガンスクードについてですが、少尉から連絡は?」
「ありました。機を再起動し、こちらにコールをかけています。応答を?」
「はい、繋いで下さい。艦長席で取ります」
艦長席に戻った姫は、席のアームレストに備え付けてある受話器を取る。
「武田です。スノウフェイル少尉?」
『はい、こちらスノウフェイル。ずいぶんと派手にやられましたね。艦はもう放棄されるのですか?』
「ええ、この損傷具合ではやむを得ないでしょう……」
オペレーターからハーゲンにも伝えられていることだが、艦はまさに致命傷と呼べる損傷を負っている。
艦首バスターキャノンモジュールと艦尾メインエンジン区画が全壊、PTハンガーもほぼ全壊し、リアクタールームにも大規模な変形が見られていた。
リアクターは先ほどスクラムをかけたが、損傷箇所からは大きな火の手が上がり、既にPTハンガーの弾薬庫に引火、艦首側で連鎖的な爆発が起こっている。
燃料庫や艦砲用の弾薬庫にはまだ火の手が及んでいないようだが、引火するのも時間の問題。それらに引火したが最後、甲斐は断末魔の炎を上げて海の藻屑となるだろう。
『……なるほど、状況は理解しました。艦長達はこれから、艦橋の緊急脱出用ランチで脱出を?』
「そうなりますね。少尉の機体は大きく、旗印として最適ですので、その場を動かないで下さい。信号弾は装備されていますか?」
『2発だけ、装備しています』
「ではそれを撃って、味方の集結を助けて下さい。私達も、すぐにそちらに向かいますので」
『了解、お待ちしていますよ』
その通信からすぐに、アンジェから上空に向けて信号弾が放たれた。ピンク色の炎の玉がゆっくりと下降しながら、燃えさかってその存在を誇示する。
煙で前方が遮られている甲斐の艦橋からは見えないが、おそらくリリーはやってくれただろう、という予測を立て、
姫たちも負傷したクルーを助けながら艦橋裏手にある脱出用ランチに急ぐ。
727
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/31(日) 13:57:35 ID:U3Io9Vd.
>>720
>>722
「明智ライトは・・・思ってたよりは丈夫みたいだよ」
ラウディとヴィルヘルムの会話にあわせ、ライトの無事を確認しはじめた
とは言え主な観測方法はハーゲン自身の直感だが・・・外れはしないだろう
ジガンの側まで運び終えるとそのまま地面に置き、ラウディに譲渡する
>>723
>>726
>「このような大規模火災に発展した以上、艦に備え付けのものでは焼け石に水ですし、何より脱出の荷物になります。
>持ち出す努力はしますが、量は期待しないようにと。艦の損傷箇所については、ありのままを伝えて下さい。
「量については期待していないよ、火を止めるんじゃなくて起こさない様に必要なだけだからね」
火の手を止める事は実際不可能と割り切っているが、誘爆については話は別だ
外部からのブロック切り離しを行い誘爆の危険を未然に排除する、所謂破壊消火に近い
だがダメージを受けた箇所を切り離す際、損傷の関係から無茶な切り離し方をする必要も出てくるだろう
そういった場合に発火しないよう並行して使用するつもりなのだ
「リリー・スノウフェイル少尉には悪いけど、処理が終わるまで脱出艇の盾になって貰うから」
実のところ集合場所にジガンを選んだ主な理由はこれだったりする。
万が一・・・いや億が一に致命的な爆発が起こった際、損傷している機体や脱出艇を庇う盾が必要だ
その役割はジガンが受け持つのがもっとも効率的、適材適所だ
逆にインセイオンは巨大な質量を持ち上げるだけのパワーと念動力によるダイレクトなフェードバックがあり
さらに念動フィールドと緊急時の特殊な機動システムもある。
パワーが無ければ切り離し処理を行ったとしても退かす事が出来ないし、精密性が無ければそもそも切り離し処理そのものが難しい。
装甲と機動力は億が一の時に必要になってくる
離脱・装甲・パワー・精密性とこの場のどの機体を見ても処理を行うに適した能力だ
「まぁ・・・何とか形は残るように努力はするけどね
怨まないでよ、失敗してもさァ?」
728
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/31(日) 17:17:29 ID:0AhphCVc
PTでも霞んで見える程、遠巻きにジガンタイプを見据える
直援からの追撃の気配は感じない
オープンチャンネルで無線を開く
「またな。連邦の兄弟」
刀を鞘に滑らせつつ、アルプトラウムへときびすを返して駆け抜ける
回線を切り替え
「アルプトラウムへ。着艦許可を貰いたい」
729
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/31(日) 18:09:31 ID:U3Io9Vd.
>>724
>「べつに……ただのキマグレだ。たまたま自分の所有物を治しただけだし、変な詮索は無しよ」
「照れんなって、よし・・・ついたぞ」
アイゼルネを抱えた状態のままアルプの甲板へと着地する
そのまますぐにアイゼルネを降ろし横たわらせた
>「己のピンチすら華麗に演出し、鮮やかな逆転にて不利を返し、皆のカタルシスを掴む。これが王の戦術よ」
「カタルシス・・・ね、まぁ俺はこんなんじゃ満足できないけどな」
茶化すようなヒツギの言葉だが、本心を言えばこうして立っている事に心底安心していた
観客がいればピンチからの硬直、そして逆転と面白いように演出された戦いだっただろう。
「ほんと・・・よかった」
実際にレイナの言うような演出だったとしてもヒツギ自身の中では戦いは生き物だ、そういった考え方は無い
つまりこうして立っていられるのは1人1人の力と意思が起こした結果・・・だと信じたい
バルクレイスは立ち上がり戦場を見据える、夜明けか何かでも待つかのように
>>728
こちらに攻撃が飛んでこなかったことを考えると、敵が追撃を諦めたかレオンが止めていてくれたかのどちらかだ
後方を確認すると甲斐の部隊からの追撃は無い、あの被害から戦闘続行は不可能だと判断したのだろう
もう1つ、視界の中にこちらに接近してくる影がある
「レオン!!」
こちらへ真っ直ぐ向かってくるムラマサへ目掛け、広げた自身の左腕を伸ばした
730
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/31(日) 19:32:02 ID:0AhphCVc
>>729
アルプトラウムのカタパルトはどうやら着艦体制にあったようだ
その先端には見慣れた赤い悪魔の姿がそこで左腕を伸ばしていた
【「レオン!!」】
ムラマサの地面を蹴り出す速度が徐々に増しアルプトラウムとの距離を縮め
「とぅっ!」
瞬時に身を屈め両足で大地を踏み込み一気に解放
バルクレイスめがけてクルクルとムーンサルトからヒツギから見て機体を真横からのボディアタックで飛びかかる
「どうやら吹っ切れたらしいな!」
731
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/31(日) 22:04:40 ID:69.XRehk
>>723
『……こちらは五味、竹富中隊は負傷者多数なれど全員無事。
これから仮設診療所を設営する予定だが、なんならジガンタイプの近くまで移動して?』
そんな声が聞こえてきた。どうにか生きていたらしい。
>>725
「どうやら、生きてたな。
修理装置を使うから自己診断のデータを回してくれ……機密に引っかかるかな?」
少佐からの通信が飛ぶ。やっぱり何を考えたか読みにくい。
>>727
「では、確かに預かりました……預かるというのは表現としてどうなんでしょうね?」
そんな事を言いつつ、補給装置で機体を再起動させようと試みる。
732
:
◆zv577ZusFQ
:2013/04/01(月) 07:59:53 ID:Zd3NDhYc
>>727
【「明智ライトは・・・思ってたよりは丈夫みたいだよ」】
(……こんなの。……こんなの全然わたしのシナリオ通りじゃない)
しかし、ライトのその瞳はまるで生気を無くしたかの様な虚ろなものとなっていた。涙の跡もある。
レイナより自信に満ち溢れた彼女のエリート心は、ガラス細工の様に容易く折られてしまっていた。
>>728
>>729
【「アルプトラウムへ。着艦許可を貰いたい」】
【「照れんなって、よし・・・ついたぞ」】
「お嬢様方、三機無事に帰還しました!」
「お疲れ様でした皆様。アルプ・トラウムは直ちにステルス・シェードを張りつつこの場を離脱します。海上へ出ましょう」
これで全機体を収用したはずだ。
アルプ・トラウムはハッチを締め切る。そして鮮やかに速やかに離脱していった。
しばらくは屋敷に戻る事は出来ない。いつか戻るべく何か手を打たないといけないが、今は諦めるしか無い。
【アルプ・トラウム撤退につき戦闘終了】
733
:
◆zv577ZusFQ
:2013/04/01(月) 08:58:02 ID:Zd3NDhYc
着艦したレイナは、よろよろとアイゼルネ・ブルートのコクピットから何とか自力で這い出る事が出来た。
そして、ヒツギやレオンハルト達の目に付かない様にメイドに肩を借り、こそこそと艦内の医務室を目指した。
その室内の更に奥には隠し扉があり、レイナは命からがらそこに入っていった。
「……あほレイナ。無理に肉体を酷使し過ぎよ。この状態は不味いよ。すぐに注射を打って侵食を防がないと」
中ではカナメが待ち構えていた。手には怪しげな注射器を持っている。
「……はぁ……はあ。たのむ……っ」
注射器を目にしたレイナは一瞬とても嫌そうなげんなりした顔をした。が、いよいよ覚悟を決める。
レイナは用意された寝台に倒れ伏した。ヒツギ達の前では気を張っていたが、限界なのだろう。
「行くわよ……耐えてね」
カナメは馴れた手つきでレイナの首へと注射針を刺し入れる。
それの与える苦痛や如何なものか
「ひ!……ぐっぐ!!っ……ああぁぁぁん!!ふ!ふああ!!ァァァ!?ひうっ!」
その薬剤の接種は呆れる程の苦痛を伴う。レイナはベッドが壊れふすのじゃないかと思われる程に苦痛にのたうち回った。
「可哀想な……レイナ。生きるのよ……ううん。あなたは私が生かす絶対に」
カナメは苦痛に暴れ回るレイナを母の様に優しく抱き止め、頭を撫でる。レイナが侵食に負けぬ様にと正気を保たせている。
「あァアァアっっ!!……ユナ……ユナァァァ!?」
カナメにみっともなくすがる様に抱き付き必死に耐える。脳内を駆け巡るのは最愛の……レイナの生き甲斐である者の姿。無意識にそれの名前を呼ぶ。叫ぶ。
これは皆が知らないレイナの裏の顔。晒してはならない脆弱さ。
この壊れた身体は本当なら戦わせて良い状態では無かったのだ。無理を通してそれでもマシンセルの力を行使し、成さねばならない事がレイナには会った。
734
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/04/01(月) 20:24:48 ID:4jy09NmQ
>>730
>瞬時に身を屈め両足で大地を踏み込み一気に解放
>バルクレイスめがけてクルクルとムーンサルトからヒツギから見て機体を真横からのボディアタックで飛びかかる
「うおぉい!?」
不意打ちのボディアタックに見事やられてバランスを崩し、片足でピョンピョンと跳ねながら甲板の上から横に流される
その先はまさかの外――――
「セー・・・フ!」
の寸前で見事に止まり、野球の審判かの様に両腕を水平に広げた
>「どうやら吹っ切れたらしいな!」
「あっぶねぇなおい! ・・・まぁ、な」
食って掛かろうと勇み足で近づいてきたが、その言葉に毒気を抜かれてしまった
心の枷が1つ取れたからだろうか、寂しさはあるものの何となく心地よい
だからだろうか、ヒツギは思わず笑っていた
>>732
>>733
>「お疲れ様でした皆様。アルプ・トラウムは直ちにステルス・シェードを張りつつこの場を離脱します。海上へ出ましょう」
「分かった、今後のことは落ち着いてから話しあうことにしよう」
戦いが終わったばかりだが、こちらの立場を考えたらすぐに今後の予定を考えるべきかもしれない
・・・が、正直この艦のクルーも含め大人数が奔走していたはずだ、少しくらい心身を落ち着けても良いだろう
>そして、ヒツギやレオンハルト達の目に付かない様にメイドに肩を借り、こそこそと艦内の医務室を目指した。
コックピットから降りてきたヒツギはキョロキョロと周囲を見渡す
(レイナは・・・居ないか)
ぱっと見た限りではレイナの特有の影は見当たらない
アイゼルネを見ればコックピットが既に開いており、何人かのメイドが整備を始めようというところだ
(疲れてたみたいだし休んでるのかもな)
レイナは今回の戦い特にハードだった、疲れが溜まっているのだろう
自室か医務室で体を休ませているに違いない。
そう思うヒツギも心労から暖かい飲み物でも飲んで休みたいと思っていたところだったのだが
735
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/04/03(水) 23:31:25 ID:pzcbDVtA
>>731
「あの攻撃を受けて全員無事か・・・運がいいやつらもいたもんだ
今ユウセイを連れてジガンの元に向かっている」
ぼろ屑となったアルブレードを抱えたドロワナがジガンの元に向かう
「診療所にはユウセイをぶち込んでおくから、俺の期待に弾薬を詰め込んでくれ
やれDCやらアンノウンだかに攻め込まれても困る 今は戦える駒が少ないから
ドロワナはこのまま待機する この程度の被弾なんざ良くあることさ」
そうこうしているうちに ジガンの巨体の元にたどり着いた
アルブレードを下ろし 宣言どおりコクピット内で待機する模様
736
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/04/06(土) 19:49:15 ID:oCzIaJzo
【地球連邦軍極東支部 牡鹿基地】
レイナ・カーマインとその一派の引き起こした衝撃的な逃亡劇、書類の上で「伊豆事変」と呼ばれているこの事件から三日。
レイナと結託していたイサム・カイオウ大将が編成した伊豆の独立戦隊、所謂「カイオウ戦隊」も大将の失脚により解散され、
伊豆事変後、その隊員のうち、連邦軍に残留した人員は連邦に対し叛意が無いかどうかを判断されるまで軟禁されることとなった。
とはいえ、カイオウ大将の影響下にありながら連邦側についた彼らに対する軍上層部の目はそこまで厳しいものではなく、
どちらかと言うと「巻き込まれた」感の強いものとして、その処分は多少、同情的なものとなった。
連邦側についた人員の軟禁先が、懲罰的なそれではない、同じ極東、日本の牡鹿基地となったのもその「同情的な処分」の一環である。
今回の事件を知った、旧カイオウ戦隊の隊員のうちの一人、アカリ・クレマチ伍長の元上官であるところの深堂鏡子少佐と、
少佐の所属している牡鹿基地司令である桜川重三中将の二人が提言したこの処分が、
極力この事件に関する欧州の介入を防ぎたい極東支部の思惑と合致したという事情もあるにはあるのだが、それを踏まえても寛大なそれと言えるだろう。
「……と、いうわけじゃ。君らにも思うところはあると思うが、事情が事情じゃ。現状、君らにしてやれるのはこちらとしてもこれが精一杯。
基本的に基地の外には出られなくなる等、色々な不自由を強いると思うが、まあわかってくれい」
旧カイオウ戦隊の面々は、髪はもちろんのこと、眉も、長く伸びた髭までもが白い、
どう見てもおじいちゃんな桜川中将からそうした説明を受けた後、解散の流れとなった。
牡鹿基地は伊豆基地と比べて小さい基地である。
牡鹿半島、石巻湾に面する狐崎浜一帯を整備し、埋め立て地による土地の拡張を経て完成したこの基地は、東北地方太平洋側を守る基地のうちのひとつであるが、
この基地の役割はどちらかというと新人PTパイロットの教練が主であり、PT教育連隊が設置されている。
それ故に、現在、量産機の主流となっている量産型ヒュッケバインや、世代遅れながらもTC−OS周りが充実している量産型ゲシュペンスト、
AM系統の基本となるリオンなどの姿があちこちで見られ、それらに乗って訓練を受けているであろう年若いパイロットも多く見られた。
「……なんというかこう、若い汗と言いますか、キャピっとしてると言いますか、とりあえず若いオーラの感じる場所ですねぇ」
牡鹿に着くまで伊豆からの移動の準備やら何やらで忙しく、昼食を逃していたという理由で、午後2時頃を指す時計を尻目に、
旧カイオウ戦隊の面々は食堂にて遅い昼食を取っていた。上の発言は、大盛りチャーシュー麺をすすっている、リリーの感想である。
「まあそういう場所ですから、この基地は。つい数ヶ月前まで、私もあの中にいましたし……」
こちらはリリーの隣でコロッケ定食の味噌汁に息を吹きかけているアカリである。
「自分は若いというアピールですか。いやですねぇ、アカリ伍長は」
「そんなこと言ってません!」
アカリのツッコミに、「はいはい」といった感じでリリーはひらひらと手を振った。
737
:
エッシェンバッハ夫妻
◆E8ckRIIdug
:2013/04/06(土) 22:25:44 ID:aozPdHtc
喫煙室。
エッシェンバッハ夫妻は並んで紫煙をくゆらせていた。
「……悪いのは、私たち?」
ピースの空箱を握り潰す妻と、
「……俺は何もしてないぞ」
MoroMoroの吸い差しを灰皿に押しつけた夫。
今は、我慢の時である。
738
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/04/06(土) 23:31:01 ID:zPjGEVxM
>>736
「まぁ、落ち着いたと言っちゃあ、落ち着いたのでしょうか。」
上の発言は、リリー少尉の向かい側の席に座り大盛りチャーハンを食べながらのユウセイの発言。
>>「……なんというかこう、若い汗と言いますか、キャピっとしていると言いますか、とりあえず若いオーラの感じる場所ですねぇ」
「ですねぇ。ここにはPT教育連隊があるそうですし、まぁ、若いパイロットも多そうですし……………少尉がそんな事言うとはつーか、未成年の俺より若い、少尉が言うのもなんだと思うのだが」
危うく、変なことに、気づくのを忘れていた。
>>「まあそういう場所ですから、この基地は。つい数ヶ月前まで、私もあの中にいましたし……」
「クレマチ伍長は、ここの出身なんですね。」
適当に、相づちを打つ。
「というか、少尉、結局俺たちは、どうなったんでしょう。
ほら、明智大尉は、行っちゃいましたし、
このまま、新たな部隊として活動するのでしょうか。」
エンジェルフェザーの軍の指揮、
甲斐の部隊の敗北
総責任は、あの明智大尉にある。
相当な、責任を問われることになるであろう。
そして、ユウセイが心の中で疑問に思っていることがあった。
それは、
アスト研が、何の被害も受けていない事だ。
アジエルの類似機体の事の責任を問われることになったが
特に何も、無かったらしい。
アスト博士に、
アイゼルネの技
マシンセルとレイナ嬢の関係
あの、アジエルの類似
しかし、すべての質問に、ノーコメント
それが、アスト博士の答えだった。
739
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/04/07(日) 05:39:00 ID:MXPK2yY6
>>738
「ここの出身……そうですね。実家は秋田の方にあるんですけど、東北の新人PT乗りは、大体ここに送られてきますから」
テーブル備え付けのサウザンドレッシングのボトルを振りながら、アカリが答える。
一方、発言の違和感を指摘されたリリーは、レンゲでスープを啜っている。
「ふーむ、三陸沖の漁場が近くにあるだけあって、魚介のダシが利いてますね。
……で、何の話でしたっけ。私がロリババアっぽいという話でしたか?」
「いや、そんな話はしてませんけど」
「おや、そうでしたか。でもまあ良いじゃないですか。このところのドタバタを振り返れば、少しくらい老け込んだところで。
ここでゆっくりしつつ若いオーラを吸収してもとの若さを取り戻せば良い話ですよ。幸か不幸か、しばらくこの基地から外には出られないんですし」
いつもの無表情よりは若干ゆったりしたような(本当に若干程度ではあったが)表情で放たれたリリーの言葉は、
ユウセイの二つ目の質問にもかかっている。
「ハヤミ中尉、桜川中将の話、聞いてました?
式典の校長挨拶みたいな眠気を誘う話ではありましたけど、私達は軍人なんですから、ちゃんと聞かなくては。
今の私達は隊としての編成、活動を許されていない状態です。
カーマインさんとの繋がりが途絶え、カイオウ大将のように連邦に対して後ろ暗いことを持っていないことが解るまで、
私達はこの基地でのんびりすることを…………することを、強いられているんだ!」
「急にネタが浮かんだからって、強引にねじ込むのやめましょうよ、リリー少尉」
「……おほん。まあそういうわけなので、私達はこの基地に閉じこめられたまま、強制的な休暇を与えられている、と解釈すればOKです。
読書をして過ごすなり、身体を鍛えるなり……好きにこの「休暇」を楽しんでみてはいかがですか?
アカリ伍長、何か、この基地なりの余暇の楽しみ方はありますか?」
リリーの質問に、アカリは目を閉じてこめかみに人差し指を当て、記憶を探る。
「そうですねぇ……。まず、こういう海に面してる基地ですから、釣りなんかをする人は多かったですね。夏は泳いだりしました。
日本三景の松島が近くにありますし、買い物や観光に出ることもありましたが……あー、それは今できないんでしたっけ。
それじゃ……うーん、ああ、アレがありましたね、バーニングPTの筐体。PT教練の助けになるんで、普通に置いてますよ。
もちろんタダでプレイできますし、ネットのを含めた対戦も出来ます。
あとは……何したっけなぁ…………とりあえず、そんなところでしょうか?」
740
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/04/07(日) 23:05:37 ID:ib1jqDDU
>>737
「悪いのは俺らだろ? 上官の不始末は部下の不始末だ」
隣で赤マルを取り出し、咥える
鏡のように磨き上げられたジッポーが開く澄んだ音が喫煙室に響いた
「幸いなことに上層部が同情的らしいじゃねぇか ニッポンを観光できねぇのはちと残念だが
基地の設備も中々のもんだぜ? 休暇だと思ってゆっくりしていこうじゃねぇの」
タバコに火をつけ、ジッポーをテーブルに置く
暫しの間、紫煙をくゆらせ
「さぁ〜て飯だ こっちに来てからってぇものの 飯が上手くて楽しみにしてるんだよな〜
酒がないのが実に残念だ」
灰皿にタバコを押し付け、火をもみ消すと 食堂へと向かっていった
だがジッポーのことをすっかり忘れ テーブルに置いたまんまである
>>738-739
「いよぅ諸君 相席構わんかね?」
山盛りのラーメンをテーブルに置き、イスに座る 返答? 知ったことではありません
「上官殿は今頃尻拭いに躍起になってんじゃねぇの? 何せ非戦闘員にここまで記録的な損害を出しているんだ
前例のない損害に右往左往してるんじゃね?」
木の棒(割り箸)を手に取り、辺りを見回して この珍妙奇天烈な食器をどうやって使うのか確認中
どうやら切れ込みが入っていて、二つに割るらしい
「然しニッポンのラーメンとやらを食うのは初めてなんだ ダチが随分と絶賛していたんだガ・・・これどうやって食うんだ?」
そしてズルズルと音を立てて麺を啜っている所を見てビックリ
恐る恐る割り箸に麺を持ち上げ(ちゃんとした持ち方ではく、鷲掴みにした棒に麺を引っ掛ける形)
「ズルル・・・ブッ!! ゲホッゲホッ!!」
意を決して麺を啜るも、案の定気管に入れて思い切りむせる
「こいつぁ・・・なんていうか・・・よくみんな咽ないんだな」
ひとしきり咽た後 平気な顔で食べてる周りを見ながら言った
741
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/04/08(月) 22:05:43 ID:1HIv5MQo
>>740
急に大盛りのラーメンを持って席に着いたかと思ったら、間違った箸の使い方で麺をかきこみ、結果むせ始めるゼバスチャン。
箸が使えないのはまあ良いとしても、ああいったヌードル系の料理を食べたことの無いような感じなのは珍しい。
「あー、大丈夫ですか? 箸に慣れてないのなら、コレ使って下さい、リューデル軍曹」
苦しそうにしているゼバスチャンにアカリが渡したのは、何のことはない、ただのフォークであった。
「ラーメンの食べ方に明確な作法なんてありませんから、自分の食べやすいようにした方が良いですよ。
ただ、あんまり時間をかけてると伸びて風味が落ちますけど」
初めての料理を大盛りとは中々チャレンジャーだ。無謀と紙一重、とも思うが。
隣では、リリーがうんうんと頷いている。いつの間にか、その丼は半分以上が無くなっていた。
「伸びたラーメンは不味いですからね。
それはそれとして軍曹、今回、非戦闘員に被害は出てませんよ。戦艦一隻墜ちて多数のクルーが亡くなったのは事実ですけど、彼らはみんな軍人ですから。
……まあ、軍人としては無駄な命の使い方をされましたが」
「そうですよね……軍に居る以上、命令に従って戦って、死ぬことは当たり前に起きることですけど……その、今回のことは……」
「はっきり言って内輪もめですからね。
何かの意図が有るのが明白な欧州、十分な説明無しに姿を消したカイオウ元大将とカーマインさん達……なんだかなぁって感じです。
実際、旧戦隊の人達の中には、それを恨みに思っている人も少なくないようですよ」
「リリー……少尉は、どうなんです?」
「さぁて、真相もわからずに結論を出すのもどうかって感じもしますが……」
コップに入った水を飲み干すリリー。変わらない無表情にも見えたが、先ほどまでの穏やかさが抜け落ちていた。
「これで反感を覚えない聖人を、私は見たことがありませんね。皆さんに、心当たりあります?」
「………………」
リリーの質問に、アカリは押し黙った。
742
:
エッシェンバッハ夫妻
◆E8ckRIIdug
:2013/04/09(火) 00:18:30 ID:s3y/U3Zk
>>740
「……言い切ったな」
眉をしかめた夫。
数年軍の外で暮らした彼は、“上司の仕事は部下の責任を取る事”という考え方もある事を知っている。
少なくとも、今回自分のした事に問題があったなら下に押しつける気は無い。
「言い切ったわね。でも、それを受け入れる気はあるのかしら?」
妻は妻で、軍の考え方が絶対でないのは知っている。
その上で、専業主婦まで選択肢に含んではいる。
「……一つ言えるのは、今のアイツの趣味は悪くない、って事か」
忘れ物のジッポを手にとり、ヴィルヘルムは腰を上げた。
743
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/04/10(水) 22:49:06 ID:TM3h4Sko
時間は多少前後する
>>742
「言い切ったさ、だってソレが軍の『真理』 違うか?」
確かに軍の外には上司が部下の責任を取る、そのような概念もあるだろう
しかしここは軍隊であり、我らは軍人 上官への服従は絶対条件である
「そしてこれは個人の感情の外にある事柄だ、まぁあえて個人の感情を入れるのなら
『嫌に決まってんだろボケ』こんなところだな」
と言った後で
>「さぁ〜て飯だ・・・・・
の件に続くだろう もちろんジッポーは喫煙室に忘れたまま
そしてその後、食堂でラーメン相手に咽るゼバスチャンであった
>>741
ヌードル系云々の字の分を実際に口に出したとしたら、迷うことなくこう応えただろう
人間肉とジャガイモ 多少のキャベツと多量のビールがあれば生きていける と
「いや結構・・・魔だ負けてはいない・・・!!」
フォークを差し出すアカリ、だがこの男はソレを受け取らなかった というか食事に勝ち負けがあるのだろうか?
「このまま引き下がれん!! 男の維持を見よ!! ズルz(ry」
―――しばらくお待ちください
「ゴメン やっぱり貸して」
あっさり負けを認めた男 おとなしくフォークでラーメンを食べる図
啜るのも諦めて口いっぱいに頬張り、そのまま咀嚼する戦法を取った模様
「モグモグ・・・うん こいつぁいけるな、このラーメンとやらを紹介してくれたダチには感謝の意を伝えておこう」
とここで話しは重たい方向へ とりあえず食事を一端中断する
「・・・そういえばあいつらは、俺が始めて伊豆基地に来たときも格納庫に居たなぁ
カイオウ戦隊のメンバーであるリリーやアカリ、それに寝返ったヒツギ きっとみんなあの子らと仲がいいんだろう」
「これはあの子たちと出会ってから日が浅い、あの子たちのことを殆ど何も知らない1人の軍人としての意見だ
俺は今回の作戦 決して理解できないものではないと考えている」
きっとこの子達の反感を買うだろう、だがここは言わせてもらう
「確かにあの子たちは軍人ではない、だが一般人にカテゴリーするには戦力を持ちすぎている
あの吸血鬼AMを見たか? 別にスーパーアヴェンジャーで仕留められなかった相手は初めてじゃない」
「だがスーパーアヴェンジャーの餌食にならなかったヤツってのは、捕らえきれないほどのスピードで逃げ回ったり
分厚い装甲や強力なバリアを持っていたりした だがあの機体は、あんな華奢なのに、真正面からぶつかって、しかも再生して見せた
あの機体は脅威以外の何者でもないよ」
「軍隊としてはこれほど面白くないヤツもいないだろう、もしも一国の軍隊並の力を持つ者達が自分たちに反旗を翻したら?
もしそうなったら、この国は内乱状態に陥る そうなる前に潰しておきたいと考えるのは極自然なことだ」
メンマをフォークで突き刺し、口に運んで咀嚼する
「実際はもっと違う、どす黒い思想の元行われたのかもしれんがね そういう考えもあったってのは知ってほしいかな?ってところだ
気を悪くさせたのなら申し訳ないね」
744
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/04/11(木) 21:48:12 ID:dmZCi6oQ
>>743
「限りなく黒に近い灰色ではあるんだがな」
食堂の入り口に立って、壁にもたれ掛かって、そんな声をかける。
「財界人の端くれとしてもレイナ・カーマインが何故敵視されるようになったのかの発端について知りたいし、イサム・カイオウが本気で“鋼龍戦隊の再現”に取り組んでいたのか、も。
後、超機人関連のアクションもあるな。
マーガレット・ウィリアム=ウィルマースが捕まらないとの情報は届いているか?
レイナと親しくウィルマース財団の中枢に近い彼女の動向も不安だ」
そんな事を言いつつちかより、
「それはそれとして、忘れ物だ」
リューデルの前にジッポを置いた。
745
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/04/12(金) 18:26:49 ID:PrDiKf9A
>>741
「つまり、暗い陰が払拭されるまで、のんびりしなければ、生き残れないと。・・・まぁ、どうのんびりすれば良いんだろうな。」
こちらも、ネタを入れてみた。反省はしてない。
話を聞いていて、クレマチさんが、アイデアを色々だしてくれた。
「バーニングPTか。久しぶりにやってみようかな。
あっ、なんか、面白いPTとかあるか。それは興味ある。」
そんなこととかを話していると
>>740
>>743
ゼバスチャンさんが、来て同席を求めているらしい。
「どうぞ。」
にこやかな笑顔で、そう言う。
どうやら、ラーメンを箸で食べてみるらしい。
そして、
(蒸せたな。まぁそりゃそうか。)
だって、正式な食べ方じゃないもん。
クレマチさんたちが、フォークで、食べろと、言うが全く応じず。
>>「このまま引き下がれれん!! 男の意地を見よ!! (ry」
(ひでぇ、)
まぁ、大人しくフォークで、食べるらしい。本当に良かった。
まだ挑戦したら、スープがえらいことに
「軍曹の言うことは確かです。」
ゼバスチャンの言うことは確かに、
私的に、軍を持っているしかもかなりの
「ですが、これまでにも、俺達に力を貸してくれました。その事実は変わりません。
欧州は、連邦軍を、何か一つにまとめようとしている。」
「目障りな存在は、速めに消したいか。または別の問題か。」
「まぁ、いずれにせよ、今、俺達が、動けないという事実には、変わらないんだけどね。」
そう言い、またチャーハンを一口口に入れる。
746
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/04/14(日) 23:50:48 ID:O0/Dvnss
>>743
「さあて、それはどうですかね」
丼を持ち上げてスープを空にしたリリーが、口の周りをハンカチで拭きながらゼバスチャンの言葉に反応した。
「確かにアイゼルネや敵に回ったバルクレイス、どこからか現れたアシエルタイプなどの機動兵器や、
カーマインさんの所有していたあの黒い母艦は通常の物より高い性能を有しているとは思いますが、それ自体はそんなに脅威じゃないと、私は考えています。
だってそうでしょう? いくら性能が高かろうが、彼女らは所詮、「集団」の域を出ない。
連邦軍という「巨大な組織」の前に現れたところで、圧殺されるだけなのは目に見えてます。
彼女らも馬鹿じゃないのでその辺はわかっていると思いますから、あなたの言う内乱の心配も皆無でしょう。
そもそも彼女らが利用できるだけの、内乱の火種がありませんけど」
口を拭いたハンカチを畳みながら、リリーは淡々と言う。
「少し性能の高い兵器を有する「集団」でしかない彼女らが、あの場で降伏せず我々を突破した。
問題になってくるのはその真相でしょう。単なる悪の一団の悪あがきなのか、なにがしかの陰謀から身を隠すためのものなのか。
……ま、ハヤミさんの言うとおり、どちらにせよ謹慎を食らっている我々が関与できる余地はまったくありませんね」
リリーの物言いは冷たい、と言うよりは興味がないと言った方が正しいトーンで放たれている。
今回逃亡を図った面子とは余り交流の無かった、どちらかと言うとゼバスチャンの立場に近い彼女だからこその言いようであった。
>>745
「面白いPTですか? うーん、アシュセイヴァーとラーズアングリフのデータが導入されたのは知ってますけど、それ以来触ってませんからねぇ……。
自作のカスタムデータなんかも読み込めるので、それがあればデフォルトのラインナップに機体を追加できますよ。
ハヤミ中尉はT−LINKの関係者なので、SRX計画系の機体のデータ、持ってるんじゃないんですか?」
牡鹿基地の筐体はあくまでPT教練の一環として設置されているものなので、
一般に出回っているそれとは機体のラインナップが違い、軍用PTやAMのデータが登録されている。
元々、自分でカスタムしたPTを戦わせるゲームであるバーニングPT本来のスタイルとは違うが、自作のデータを使えないほど狭量な場所でもないのだ。
747
:
整備兵甲乙
◆E8ckRIIdug
:2013/04/16(火) 21:30:43 ID:9KM.EsMo
そんな中、入ってきたのは甲斐から部隊に付いてきた整備兵コンビ。
便宜上、のっぽを甲、小太りを乙とする。
「そういや、見たか?あの胡散臭い虚無僧」
「あ?ひょっとして伊豆基地にタイデグリー中尉が連れて来たという?」
「なんか、この基地の周辺で虚無僧がうろついてたって目撃談が」
「聞いた聞いた。
警備の人たちが追いかけたけど捕まえられなかったって」
「そろそろ射殺命令が出たりしてな」
「さすがにそれは無いだろう」
何やら噂話が。
748
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/04/18(木) 00:55:17 ID:NpzD8eHE
>>744
「おや? そういえば忘れてたっけ?」
テーブルに置かれたジッポーは間違いなく自分のもの、手に取りポケットに収めた
「鋼龍戦隊ねぇ・・・話には聞いてるけど」
カスタム・ワンオフが結集したトンデモ部隊
1戦隊で戦局すら代えかねない力を持った集団
「ソレが俺らだって言うのかね? 確かに見た感じワンオフも多いけど・・・」
果たして彼らの代わりを自分が勤められるのだろうか?
>>744-746
とまぁ自分なりの解釈を述べてみる
多少の反論も有るが、いえることは一つ
「結局、俺らに出来ることは憶測だけ
本当に脅威だったのか、そうでなかったか 真理は一帯どこにあるのやら?ってか」
スープをゴクゴクと飲み干し 箸を置く
>>747
食事が終了したところで なにやら整備士の話が聞こえてくる
「コムソウ・・・? コムソウ・・・って なんだ?」
嗚呼ジェネレーションギャップ ゲルマンにはコムソウが分かりませんでした
「なぁ お前らコムソウって知ってるのか?」
辺りに居る
>>744-746
に話題を振る
749
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/04/18(木) 23:29:26 ID:Q43jQxzU
>>748
「別にワンオフ集めりゃいいってものでもあるまいに」
イサムの考えはさておいても彼の運用思想は、
「機体がどうこうじゃなく、中の人間の問題だろう。
均一化された、つまり同じような人間を集めたらある局面で同じようなトラブルに同じような失敗が積み重なる。
だから、違ったタイプを復層的に配置する事で運用に厚みや幅を持たせるってわけ。
鋼龍戦隊はたまたま個性を活かすための機材にもヴァリエーションを持たせる事が出来たのさ」
まぁ、この論法だと彼自身も変人のはしくれに聞こえるのだが。
「それはそれとして、虚無僧……ああ、あの、籠を被ったブッディストか。
レミーが連れてきたからにはある程度のクリアランスを持っているはずだから……彼女はどうしたんだ」
そう、エレミーラ・タイデグリー中尉もまた、姿を消していた。
甲「あれっきり?」
乙「伊豆事変の前の日は中尉もいましたよね?」
「……親父の部下の割に胡散臭いなぁ……」
750
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/04/26(金) 00:07:54 ID:uIr8f7Fs
>>749
「つまり俺らは『個性的』って言いたいわけか、なるほど否定は出来んな」
理解したうえで否定をしない、つまり自分が変人であることを認めているということだ
「籠をかぶったってぇ・・・あぁアレか」
そういえば伊豆基地に到着したときに籠をかぶった変人が居たなぁと、記憶を掘り起こしてみる
「アイツのことはよく分からんが、射殺命令ってのは拙くないか? オイどうなんだ?」
拙いのなら命令を中止するよう要請せねばならないだろうが、自分はあの籠人間と仲がいいわけでない
ここはヴィルヘルムの判断を聞いて判断しよう
751
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/04/26(金) 00:38:20 ID:UWBsbGHA
>>750
「だろ?」
ユウセイやリリーは特に個性的であり。
そして甲乙は(自分達を除く)と言いたげにしていたり。
「別に、俺が命じる訳じゃ無いが……警備兵に捕まえられないと言う事はそれなりの訓練を積んでいるという事だな。
タイデグリー中尉の部下で俺達の様子を密かに見に来たって言うならいいんだが、目立つ姿の意味が分からない。
分からないと言う事はそれ単体で十分撃ってしまう理由になるだろうよ」
「いや、軽口で言った自分が軽率でした」
甲が発言を撤回した。
752
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/04/27(土) 13:58:07 ID:HHZDKgS6
>>745
「アジュセイヴァーか。それは良いな。」
アジュセイヴァーと、ラーズアングリフが納入してると聞いて驚いた。
(軍に入ってから、親しく触ってないからな。)
そう、完全にバーニングPTをやると決めたユウセイ
「あと、クレマチ伍長、念動力者だからといって、SRX計画に参加しているとは、限らないぞ。
まぁ、ART-1のテストには参加して、バーニングPT用のデータも頂いたが。」
素で、そんなことを言う。
「ああ、それも、気になってけど俺が気になるのは現実のPTな。」
現実のPTも、見てみたいそれが、ユウセイ
期待を込めた眼差しで、クレマチを見つめる。
>>749
「俺達が、異端ね。まぁ、そうだけどさ」
念動力者+ブースデットな君が言うなって言う突っ込みは無しな。
753
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/04/27(土) 23:54:09 ID:NI5btEmg
>>747-752
「盛り上がっとるとこ、すまんなぁ。ちょっとええか?」
アカリがユウセイに応えかけ、腹の膨れたリリーがあくびを噛み殺そうとしたその時、一人の女性士官が皆に呼びかけてきた。
ブルーのロングヘアにベレー帽を乗せた、若干ツリ目の女性だ。襟章は少佐であることを示している。
皆にとっては初見の人物であるが……一人だけ、椅子を蹴るようにして立ち上がった者が居た。アカリだ。
「きょっ、きょ、教官! お久しぶりです!」
「ああ、紅町か。そこまで長く会っとらんわけじゃないんやし、お久しぶり、はおかしないか?」
「うえ!? あー……えーっと…………すいません?」
「ダアホ、謝るとこでもないやろ。慌てん坊やなぁ」
腰に手を当て、呆れたような視線をアカリに向ける女性士官。
と、横にいたリリーが小さくなっていたアカリの袖を引っ張って、
「旧交を温めているところ申し訳ないのですが、そろそろ私達に彼女を紹介して下さいませんか?」
「あ、はい。
……えっと、ご紹介します。彼女はこの牡鹿基地でPT教育連隊の隊長を務めている深堂鏡子少佐です」
アカリに紹介された女性士官、鏡子は背筋を伸ばして、ピッとしっかりした敬礼をし、
「地球連邦軍極東支部牡鹿基地所属、深堂鏡子。階級は少佐や。
今、そこの紅町がウチをPT教育連隊の隊長って言うたけど、今はもう、その任からは解かれとる」
「え? じゃあ今は何を?」
「君らの面倒を見るように言われて来た。
第4特別編成小隊……つまり、君らのことやけど、この部隊の隊長になるよう言われた。
この小隊名、字面は真面目やけど、ぶっちゃけこれ扱いは懲罰部隊と何にも変わらへん」
「懲罰部隊……そんな……」
アカリはショックを受けた様子ではあったが、頭の中では解っていた。
あえて考えないようにしていたが、桜川中将の説明の時点で、自分たちがそういう扱いになっていることは明白であった。
754
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/04/28(日) 14:25:54 ID:PyV.v30w
>>752
「仕方が無いよなァ。一番マトモなのがうちのラウディか?」
次点であかりん。
>>753
「自分は、ヴィルヘルム・エッシェンバッハ少佐であります。
色々とお手数をおかけします……小隊?」
※自分
※ユウセイ
※あかりん
※ラウディ
※ゼバスチャン
「……中隊には足りないか」
人数を数えて。
755
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/04/29(月) 15:38:17 ID:ky2Co.JM
>>751
>>754
「だがこの場で一番の常識人の座は譲る気は無いぞ!!」
どうやら自分が常識人だといいたいらしい、だがラウディなる人物に会った事がないようなので本当のところはどうなのやら?
さぁ、この常識人対決はどっちに軍配が上がるだろうか?
「とりあえず相手側の目的も分からんし、警備隊に任せるか」
>>753
「自分はゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹であります
懲罰部隊の隊長への異動、大変ご苦労様であります」
ショックを受けるアカリに対し 調子を変えることなく敬礼してみせる
実際のところ前いた場所はその劣悪な環境から、懲罰部隊と大して変わらない環境だった為だ
「そいで? 好みが綺麗に刷るまで最前線で消耗兵ごっこしていればいいのですかな少佐どの?
ここへは只のご挨拶? それとも早速この基地から出る機会を持ってきてくださったとか?」
この基地から出る切欠 つまり打って出る前線へ放り込まれるか? ということだ
756
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/05/01(水) 22:35:46 ID:TtXxccHE
>>「話してるところに、すまんなぁ。ちょっとええか?」
「どうぞ、って、クレマチ伍長?」
ユウセイとアカリが、話しているところに、一人の女性士官が来た。
それを、見たアカリは急に、立った。
「伍長、この方は?」
>>「あ、はい。
……えっと、ご紹介します。彼女はこの壮鹿基地でPT教育連隊の隊長を務めている新堂鏡子少佐です。」
少佐と言うことで、ユウセイは、慌てて立ち、
「自分は、ハヤミ・ユウセイ中尉であります。」
と、敬礼してみせる。
新堂少佐の話を聞くと、どうやら、懲罰部隊となるらしい。
「懲罰部隊、ですか。」
(確かに、戦艦一隻落としてしまったからな。)
納得しようとしたが、
(そもそも、明智大尉が、指揮とってたし、責任は欧州の方にあるんじゃ?)
そんな事を、考えるが今は
「しばらくの間、宜しくお願いします。」
深々と、頭を下げた。
757
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/05/10(金) 00:23:19 ID:zWjiy6AU
>>754-756
三者三様、それぞれの個性を持った返答に、鏡子は二、三度深く頷いて、
「うん、元気があるのはええことや。
……で、ウチがここに来たのは顔合わせのためでもあるんやけど、
そこのおっきいゼバスチャンが言うたように、「懲罰部隊としての仕事」があることを伝えに来たっちゅうんが、一番やな。
とりあえず、こいつを見てくれへんか」
そう言って鏡子がテーブルの上に置いたのは、二次元ホログラムを表示する端末であった。
鏡子が端末を操作すると、端末から映像が浮かび上がる。
それは牡鹿基地周辺を表示した地図情報で、基地から北へ数十㎞行った部分に赤い光点が表示される。
「今日、この基地に到着予定の輸送機が一機、「ゲシュペンストの部隊に襲われとる」言うて、救援要請を出してきた。
敵は輸送機からの情報を信じるんならただの量産型ゲシュペンストなんやけど、
輸送機が山地の上を逃げ回ったにも関わらず、そいつらはただのゲシュペンストらしからぬ山地踏破性能を発揮したようなんや。
DCの残党か何かが、そういう機能をこいつらに追加したんやと思う。無論、それだけやないと思うけど、普通と違うんでハッキリしとるんはこれだけやな。
輸送機の飛行速度、ルートからして、今から出れば、おそらく南三陸町付近で接敵することになる。
数は12機。数の上やとあっちの圧倒的勝利やけど、こっちの機体はまあ、性能がええからなぁ。
ま、五分以下の戦いにはならんやろ」
最初に表示された赤い光点から、輸送機のアイコンと、それを追う青い12個のアイコンが動き、鏡子の説明を補足する。
それらのアイコンはしばらく動いた後、現時点での座標で停止し、輸送機のアイコンから十何㎞か南へ行った場所に大きな赤い丸が表示された。
鏡子の言った、接敵予想地点だろう。
「懲罰部隊とは言うたけど、君らは別に連邦に叛意があったわけやないしな。
ゼバスチャンが言うたみたいに、ひとつ間違えたら死ぬ、みたいな、そんなガチの懲罰任務はまわって来んようになっとる。
やから、そう心配せんと、気楽に構えとき。と、ここまでで何や、質問はあるか? 無いなら、即出撃やで」
758
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/05/10(金) 21:56:18 ID:VyyW0VOw
>>755
「まあそれはそれとして」
それとして。
>>757
「……数は不安だが、そのあたりは仕方がないか」
なお、整備兵二人はすでに格納庫に急いでいます。
「さて、大事な質問です。
輸送機の積み荷は何ですか?この重要度で敵の練度や対応を推測出来ると思いますが」
759
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/05/10(金) 23:24:12 ID:spuuzHhw
>>757
「ゲシュペンストねぇ・・・」
ゲシュペンストはいい機体だ、自分も一時期乗っていたことがある
ハロウィン・プランで延命措置を施されたのにも納得が行く、ただゴキゲンな実弾武器が揃ってないのだけが(個人的に)不満箇所でもアル
「機体のカラーリングは? 目立つエンブレムの有無は? 目立ったカスタマイズはされているか?
山地踏破・・・となると、空を飛んでない? ならば飛行の出来ない量産Mk-Ⅱか? プラズマ・ステークの形状で判断できるはずだが」
もしもハロウィン・プランによって蘇ったMk-Ⅱ改ならばテスラ・ドライブによる飛行が出来るはずである
量産Mk-Ⅱなら着脱の出来ないステークであり 改ならば着脱可能なバックラーになっているはずである
「性能がいいって言ったって、相手の機体にも寄るんだガなぁ・・・何はともあれ仕事だ 軍人はギャースカ騒がず出撃するのみってか?」
質問は以上である 返答を聞いたら機体に乗り込むだろう
760
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/05/11(土) 19:12:01 ID:kpSU1hns
>>757
「………ゲシュペンスト」
ゼバスチャンが、性能を、思い浮かべている。間
ユウセイは、アスト研での事件を思い出していた。
(まさかな。あいつじゃ)
超人機のコアを回収していったリガシン等、
(最近、活発に活動してると言うし、警戒は怠らないようにしないと。)
「性能差は、何とかなると思います。兎も角、行きましょう。」
質問は、特にないので、返答を聞き次第出撃である。
761
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/05/14(火) 19:06:09 ID:aV4xwWFM
>>758
「輸送機の積荷? たしか、こん基地でトライアルする予定の試作機って話らしいで。
無論、その話はウチの基地と送り主の間にしか交わされてへんのやけど、それを傍受かなんかして追ってきたにしては、
連中、段取りがお粗末やで?
試作機、新型機乗っけた輸送機の襲撃をこの東北方面軍の庭先でやらかそうっていうんに、戦力はゲシュペンスト12機だけ。
当然、奪取も考えられるけども、奪取した機材を運ぶための母艦らしき影も見つからん。
正直何したいんかわからん連中や。けど、こないな迂闊な行動に出とる時点で、練度なんぞ考えるだけ無駄やと思うで、ウチは。
練度の高い反連邦政府がヤケんなって玉砕覚悟で出てきたっちゅう乱暴な意見もあるにはあるけど、そんなん鼻で笑う話や。
故に言うたんや、「五分以下にはならん」てな」
>>759
ヴィルヘルムにそんなふうに話していると、横からゼバスチャンが口を出してきた。
どうやら敵の情報をもっと詳しく知りたいらしいが……。
「ゼバスチャン、二言目のお前の台詞、ブーメランなっとるで……。
……まあええ。敵の機体の情報やな? しかし、言うてもさっき話したこと以上のことはわかっとらんで?
敵は改型でも何でもない、ただの量産型ゲシュペンスト、ただし山地踏破性能に向上が見られる。
所属を示すようなカラーリングも、目立った改造も無い、まっさらブルーのゲシュペンストや。
……わかっとることを過不足無く伝えたつもりやけど、前の職場じゃ情報も満足に得られんかったんか?」
762
:
ヴィルヘルム@scof
:2013/05/14(火) 22:24:48 ID:77/2bwic
>>761
「想定しうる最悪のパターンだと、実は運んできたのは爆弾で、基地に着いたらドカン!か。
その次くらいに来るのが、試作機の中に敵パイロットが入り込んでて、“我々”相手の性能テスト?」
往々にして、最悪の斜め下は良くあるのだが。
「とは言え、誘いだとしても乗らないわけにはいかないな。
マデリーン!」
「軌道艦隊のユーティライネンがデータリンク支援の要請に応じてくれたわ。
あ、はじめまして。私はマデリーン・ダンディ・エッシェンバッハ少佐です。よろしくお願いします、新堂少佐」
何時の間にか来てたマデリーンが報告と挨拶。
「……速いな……とにかく、出撃か」
763
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/05/15(水) 02:34:56 ID:GymBBVk2
>>761
「情報も碌に得られなかったかって? まったくもってその通りであります隊長殿
基本的に何処其処を爆撃して来いでしたんでね、何か聞き漏らしてないか躍起だった癖が抜け切っておりません」
実はそれほど深く作戦内容を聞いてなかったとは言えないので、適当に理由をでっち上げてみた
「これ以上の情報はなし 了解であります、これより出撃準備に入りマスであります」
そういって敬礼一つ ラーメンの器を返してハンガーに向かう
764
:
ラウディ
◆6EgzPvYAOI
:2013/07/03(水) 00:22:52 ID:o01AfIRg
一方その頃、ハンガーにて。
「……まぁ、色々ありましてスプリットミサイルはアーマーブレイカーに差し替えます。
後は目立った変更点はありませんね」
ラウディはアルファ主任から、アルゴスの仕様変更に関するレクチャーを受けていた。
「そもそも短射程ミサイルと長射程ミサイルを両方装備とか中距離ががら空きだ」
「上もそう考えたから、今回の始末でしょうよ」
765
:
◆zv577ZusFQ
:2015/02/18(水) 11:05:54 ID:vuMjMuBM
何者かの悪意有る策略にハマり、地球連邦軍から付け狙われる立場となってしまったとある資産家の令嬢レイナ・カーマインとその同士達一向は、連邦の追撃を逃れ隠れ潜む日々を強いられていたのだった。
そんな最中、突然のレイナ自身の強い要望により一同はオーストラリア大陸へと進路を取っていた。
メルボルンのはずれにはカーマイン家当主の怒りを買ったあまり、故郷を追放され、身を隠す父と妹が生活している。
今回のイザコザで彼らの身柄を万が一にでも連邦軍に抑えられ人質として利用されてしまう事を恐れたレイナは、高速艦アルプ・トラウムをすぐさま向かわせた。
しかし、生憎にもレイナ達が到着するよりも遥か前にメルボルンの住居にはいずこから情報を得たのだろう連邦軍の特種工作部隊の強襲により、応戦した父と従者共は滅ぼし尽くされた。
「おねえ……ちゃん、ごめんなさい」
更には一人残された小さな妹ユナ・カーマインまでもが兵士に取り押されられ無理矢理に連れ去られてしまう。
「……ユナさま非力な私を……許してくだ……さい」
連れ去られてゆくユナの恐怖とそれと同等の自責の念を深く感じ取った死に体となり果てたメイド隊最後の一人は、ムダで有ろうとも連れて行かせまいと最後まで主君であるユナへと手を伸ばし続けた。
766
:
◆zv577ZusFQ
:2015/02/18(水) 11:22:50 ID:vuMjMuBM
そして、ようやくオーストラリア大陸が見えてきたレイナ達の前に厚い防衛線を張り巡らせていた連邦軍欧州支部所属エンジェルフェザー隊が襲いかかって来る。
まさか手遅れだったのか?と嫌な予感を拭いきれぬまま出撃する同士達。
繰り出される練度の高いPT部隊を指揮する三つ首を持つヒリュウ型戦艦とそこから出撃する神々しさを放つ大天使級特機と呼ばれる強大な敵を相手に苦戦を強いられる一行。
各機が奮戦するも全ては事なきこと。ユナ・カーマインを抑えられている段階でこの戦いに勝機など初めから無かった。なんとも無駄な足掻きである。
こんな見るに忍びない戦いを終わらせようと隊長格と思われる大天使級特機がレイナ達へトドメの一撃を加えようと右腕で十字を切るモーションをとった。
「レイナ・カーマイン嬢。無駄な争いはそろそろ終わりにしよう。これで悔い改めると良い」
レイナ達一行に向け、ある種の憂いの表情を浮かべるブロンドの貴公子然のその男。
彼の操る大天使級特機の掌から放たれた天を穿つ青い浄化の光の一閃がアルプ・トラウムの展開する紅い禍々しい障壁を突破し、艦尾テスラ・ドライブを的確に撃ち抜いた。
航行不能になり、瞬く間に着水を余儀無くされるアルプ・トラウム。
その内部クルー達にも少なくない衝撃が襲いかかって来る。
どん臭い何人かのメイドは床を転がった
「……無駄な争いだと?……き、貴様ら、まさかもう既にユナを!?」
玉座から立ち上がり、紅いツインテールの少女レイナはきつく大天使級特機を睨む。
どうやら察しの良い彼女は妹がもはや無事では無い事を理解した。
「なんとか言いなさい!」
彼女は瞳を怒りで燃え上がらせる。が敵の大天使は答えない。
『あららそんなに知りたいですか?それではリンスロット少佐に代わりまして今すぐ映像を中継してあげますよー』
代わりに聴こえて来たのは謎の回線への割り込み。底無しに明るくこの場に似つかわしく無い女性の声。
「えっ?な、なんなの!回線が無理矢理乗っ取られて!?モニタも?なんで?」
「ハッキングじゃないの?なんとかブロックしないと」
「そんな。じゃあカナメ様は?……ああさっきの揺れで延びてるし」
全てのモニターが制御不能で砂嵐になり、メイド達が軽くパニックになっている。
『エンジェルフェザー隊のマスコットにして旗艦バハムートの指揮中枢装置。電子の妖精のラファールです。デフォルメ姿ですが失礼しますよ』
モニターにはにこにことイタズラに笑うデフォルメアニメチックな2.5頭身程の銀髪美少女の姿が写し出されていた
あまりに突然の出来事に唖然となるアルプ・トラウムクルー達
767
:
◆zv577ZusFQ
:2015/02/18(水) 11:28:45 ID:vuMjMuBM
『くふふふふ。あー良い反応ですねーみなさん。おっとと、レイナさんはダメですねー、そう怖い顔で睨まないで下さいよ?』
「そういうのはいいからはやく妹を出しなさい!!」
疑似人格ラファールのふざけた態度に目に見えてイラつくレイナ。だが、艦を止められ何も出来ないのが歯がゆい。
『そうでしたそうでした。……ではでは悪魔の反逆徒レイナ姫様とその罪深い妹ユナ様との感動の再開劇場のはじまりはじまり』
舌をペロッと出してパチパチと一人拍手をすると画面が暗転する。
そして次に画面に写し出されていたのは
どこかの屋敷の一室だろうか?ソファーには一人、小柄な少女がしゅんとした表情を浮かべ腰掛けていた。
「ユナ!!ユナ!?」
レイナは画面に向かって吠えた。駆け出し画面にすがりつきたい気分だった。
だって目の前に居るのは最愛の
768
:
◆zv577ZusFQ
:2015/02/18(水) 11:30:44 ID:vuMjMuBM
色素の薄い青色に緩いウェーブのかかったショートヘア。服装の方はホットパンツにへそ出しTシャツとラフな物で身を包む実に健康的な子供らしい少女。ただし左目には眼帯が当てられており、子供っぽさとのアンバランスさが見てとれる。
そんな彼女こそがレイナの最愛の妹ユナ・カーマインであった。
『ムダですよ聴こえてません。あちらの監視カメラの映像を拾って来ただけですので妹君は気付いていませんよ』
「ねえ……だからユナをどこにやったのか言えってば!」
『いやいやーわたしなどには知りもしない場所ですので、残念ながら。ただまあ五体満足で元気そうだから良いじゃないですか。生きてりゃきっといいことありますって♪』
もはや血の気の退いてしまったレイナに対してデフォルメされたゲス顔でどこまでも煽っていくスタンスの疑似人格。
「ユナに手を出すのはやめて!あの子は関係ないわ!」
『いやーこちらとしてはあくまで少女を保護したに過ぎませんので出来るなら穏便に済ませたいですよ。ただまあ……妹さんのこと。全てはあなたの身の振り方次第じゃないかなぁと。……間違えちゃうと、哀れで情けなく愚かなあなた達のお父様の後を追う形になるかなぁなんて……テヘペロ』
「貴様、待ってろ!アイゼルネで今すぐ叩き斬ってやる!」
父がユナを守り、討たれたのには薄々気付いていたが、いざはっきり告げられるとこみ上げて来るものもある。
『あのー立場解ってますか?……そう高圧的なのやめた方がいいと思います。あなたの妹さんだけならず、この場のお仲間さん全員の命をあなたは背負っているのですから。
……んーですから、まずは態度で示してもらうというか……ええと全国のお茶の間の皆さんに向けて土下座でもします?あは!泣きながら謝罪会見なんかも』
「……っ」
もはやプログラムされたデータの枠を越えたかの様な悪趣味な台詞の数々。
エンジェルフェザーなどとよくも名乗れたモノだ。
そして背負うものの大きさを改めて思い知らされたレイナは思わず押し黙る。
いったいどうすれば……
『で、あなたはどうするんですかこの状況?どう切り抜けるのか見せてくださいよ』
「…………さい」
ラファールに煽られるのをしばし黙って聴いていただけのレイナだったが、ついに行動を起こす。
「……ご……さい」
屈辱に肩をワナワナと震わせ、力無くぼそりと蚊の鳴くような声でレイナが何やらはき捨てたようだ。
『ふむ……?なんか言いましたか?』
耳が遠い老婆の様に耳に手を当てる仕草をするラファール。本当は聴こえていたが。
「だからごめんなさいっ!!なんでもわたしが代わりになんでもしますからユナを!妹を返してください……っ!!」
本当に画面の前のちゃちなデフォルメキャラ相手に地に頭をこすりつけて土下座してしまうレイナ。
自らを慕ってくれるメイド達の目の前だと言うのに今まで造り上げて来た唯我独尊なキャラを捨てて情けなく泣きすがった。
この場を誰も死なずに切り抜けるにはこうするしか思い付かなかった
769
:
◆zv577ZusFQ
:2015/02/18(水) 11:41:46 ID:vuMjMuBM
『これにて悪魔のお嬢様の物語は終わり。悪は聖なる光によって滅びたのでした。めでたしめでたし♪』
無様なレイナの姿を見て満足したのかラファールは可愛らしくウィンクをしてみせ、そのすぐあとにモニターの映像は消え去り通常の映像に戻った。
レイナ直々の敗北宣言を受けて、残った味方機もそれぞれ抵抗をやめ武装解除をするもの、レイナに失望し上手く逃げ延びたもの、あるいは撃墜され散って行ったもの。様々だったが、もはや誰が今どうなっているのか実のところ定かでは無い。
少なくともアルプ・トラウムに乗り合わせていたレイナ・カーマイン、カナメ・ライブラ、イクリプスら及びそのメイド達は連邦軍に大人しく連行されて行った。
そして数ヵ月後には連邦軍の優秀な手駒に成り下がり権力に尻尾を振っていようとはレイナ・カーマインを知る者達にはどうしても考えられ無かった。
770
:
名無しさん
:2021/06/08(火) 08:28:24 ID:IHVjary6
数の暴力で世界を制す。
『独裁国家』第7章開幕。
Steam(PC)戦争略奪
マルチプレイサバイバルゲーム
『ラスト』シーズン7:第2話
『RUST Part7 #2(衛門参加)
手加減無しで加藤純一王国を作る。初日』
(22:12〜1:03放送)
htts://www.youtube.com/watch?v=629XMXwA-fM
Max/79154人視聴
htts://i.imgur.com/FLERSF0.png
771
:
名無しさん
:2021/06/12(土) 22:12:07 ID:Emua1EI6
加藤純一(うんこちゃん)
Youtubelive
Steam(PC)架空戦争略奪
マルチサバイバルゲーム
『ラスト』シーズン7・第4話
"ヨーロッパ制圧編"
『RUST. #24
手加減無しで加藤純一王国を作る。本当の一日目』
(21:36〜放送開始)
htts://www.youtube.com/watch?v=aEQn1hxROVc
772
:
名無しさん
:2021/06/13(日) 21:11:47 ID:r7V6Ab3Y
『RUST. #25
手加減無しで加藤純一王国を作る。本当の二日目』
(20:32〜放送開始)
htps://youtu.be/rZgAGsYh6tQ
773
:
名無しさん
:2021/06/15(火) 16:18:40 ID:VEdmms12
Steam(PC)架空戦争
マルチサバイバルゲーム
『RUST(ラスト)』
シーズン7/ファイナル(第6話)
『RUST#26(視聴者参加)決戦。dcN』
(21:20〜7:05放送)
htt://www.youtube.com/watch?v=9FB_tadjEKs
hts://i.imgur.com/zYmk7HH.png
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