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戦場スレpart2
1
:
◆NcltM1gQ/Q
:2012/07/11(水) 20:01:52 ID:Ue7B6b.Y
ロボットの戦闘シチュや、イベントの際にお使い下さい。
259
:
アカリ&リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/19(水) 00:33:10 ID:lUHZcidA
>>255
そうこうしているうちに、甲斐はレイナ達が戦っている後方、少し離れた場所にまでやってきていた。
甲斐の甲板に設置された艦砲類は未だ、プトレマイオス基地で暴れる敵の軍勢を射程内に捉えてはいなかったが、
ただ一つの例外が、この艦の艦首には装備されていた。
「プトレマイオス基地の状況はどうなっていますか?」
「はい、基地上空から突如現れた敵部隊によって、基地に駐屯していた戦力はほぼ壊滅。基地施設も同様です。
辛うじて生き残った残存兵力が各方面から救援に来た味方部隊の援護を受けつつ離脱していますが、
敵機の耐久力が尋常ではなく、総じて苦戦を強いられている模様です。
また、未確認情報ではありますが、大型の指揮官機らしき機体も目撃されているとのことです」
「わかりました。まずは、勝ち馬に乗っている敵の気勢を削ぎます。
ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノン、砲撃準備」
「了解。艦首バスターキャノンモジュール、展開開始」
それこそ、甲斐の武装のうちで最大の火力を誇る兵器「ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノン」であった。
ゆっくりと両開きになった艦首からせり出してきた、灰色に鈍く輝く巨大なバスターキャノンの口径は4300サンチ。
流麗な曲線を描いていた甲斐の艦首を割って出てきたその脅威の兵器は、生物の腹を破って出てきた寄生生物のような不気味さを発しているようにも見える。
「目標、基地上空の敵軍中央。敵のどでっ腹に大穴を開けます」
「了解。機関停止、取り舵20。トリム角プラス17度」
「軸線まであと3……2……1……重力アンカー作動。軸線固定」
「そのままシークエンスを続行。クレマチ伍長、射線上に友軍は存在していますか?」
こちらのレーダーでは、救援に来ている部隊以外に射線上に存在している友軍は見あたらない。
それでも念を入れて、高々度を飛行しつつ先行していたアカリに目視での確認をとってもらったリリーではあったが、
『いえ……残念ながら、こちらから確認できる友軍は救援部隊以外は目視できません。
まるでピザにたかるハエの群れみたいに、敵部隊が夥しく蠢いているだけです』
アカリから返ってきたのは、絶望的な報告であった。
報告に対して了解の意を伝えたリリーは、次いで全ての友軍に対して通信回線を開くようにオペレーターに指示する。
「タイガー1よりプトレマイオス基地周辺に展開する全友軍へ。これより本艦は艦首ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンを砲撃し、
敵軍の中央を抜きます。三次元レーダーに赤く示された射線には決して入らないよう、お願いします。繰り返します。これより本艦は……」
「タイガー1」は連邦軍における甲斐のコールサインである。
それを示す通信ウィンドウと共に、各機のモニター端にプトレマイオス基地を中心とした三次元レーダーが表示され、
そこにプトレマイオス基地上空を横断するような形で現れた極太の赤い円筒が点滅した。
その中に入っている機体のコクピットではアラートが鳴っていることだろう。
260
:
アカリ&リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/19(水) 00:34:18 ID:lUHZcidA
>>259
続き
「基本維持機能以外の電力を補助電源に切り替えます」
バスターキャノンに電力をまわすために基幹機能を司る部署以外の電力が補助電源に切り替わり、ブリッジも赤く発光する補助照明に切り替わった。
それに姫が微かに悲鳴を上げて驚く。
「光子チューブチャンバー正常稼働。重力加速器、フィールドジェネレーター、共に正常」
「陽電子チャンバー内加圧正常。電磁ライフリング、回転開始」
「エネルギー充填率100%超過。110、111、112、113……」
「全艦、対閃光シェード展開。総員、対衝撃姿勢」
ブリッジの艦橋窓に黒い半透明のシェードが展開され、外の様子があまり見えなくなる。
リリーは副長席に戻ってシートベルトを締め、姫もベルトを締めた上に艦長席のアームレストを強く掴む。
「最終安全装置解除。……艦長、号令は艦長の仕事ですよ」
「えっ? わ……わかりました、少尉。任せて下さい」
まさかこちらに振られるとは思っていなかった姫は、突如降りかかった号令という仕事に面食らったが、すぐに緊張した顔になってそれを了承した。
「充填率、117、118……119…………120%です!」
「発射10秒前。8、7、6、5……」
リリーのカウント読み上げが5に来た時点で、姫は無意識にごくりと喉を鳴らした。
「3、2、1」
「ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノン、てぇーっ!!」
姫の号令と共に、バスターキャノンのトリガーは引かれた。
まず、せり出した砲身の根本から白く煌々と輝く極太の光が放出し、レイナ達が戦っている敵部隊の後方にいた敵機を多数飲み込む。
この光の内部はがらんどうであり、これ自体には特に高い攻撃力は無い。
その正体は高光圧の光で構成された光子チューブであり、中に飲み込まれた機体は脱出しようとしても、その光の内壁に強い反発を受けて中から出ることはできない。
もっとも、そういった行動を咄嗟にとれるほど、時間的に余裕があるわけでは、もちろん無かった。
何故なら、光子チューブの形成からコンマ一秒と経たずにバスターキャノンの砲口から真っ赤な光の奔流が発射され、チューブ内のものを全て飲み込んだからだ。
この赤い光こそバスターキャノンの高い攻撃力を表すもので、その正体は電磁加速により亜光速にまで速度を高めた陽電子ビームである。
重力場の影響を受けたり、発射後の拡散率が高いことで有名な陽電子ビームは兵器としてはあまり有用なものではなかったが、
ビームが物質に衝突する際の対消滅反応に耐えられる装甲は皆無であることから、どうにかしてその攻撃力を活かそうと、多くの研究機関がビームの問題を解決せんとしていた。
そんな中、武田菱の開発したハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンは発射の際にビームの進路をあらかじめ高光圧の光子チューブで囲むことで、
重力場の影響はまだ受けるものの、拡散による減衰の問題をほぼ解決することに成功していた。
この赤い、死の光は、白い光の導き手に連れられて、その道中にある物質を原子レベルで破壊しながら、亜光速で戦場を駆け抜けた。
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