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戦場スレpart2

496統久 ◆Tg./UqnJ52:2013/02/10(日) 09:15:58 ID:EHpG8ZtY
>>492
車を走らせながら、通信機に現場で飛び交う軍用無線を傍受させていた統久だったが、
それら通信の内のひとつ、ライトのブラインに対する物言いに引っかかるものを感じ、小型のヘッドセットを左耳にかけた。

「明智大尉、彼への物言いはもう少し丁重にしたらどうだ。
 君が言ったように、我々には今回の件の敵に対する情報を全く持っていない状態だ。
 もしかしたら、重大な危険を伴う相手かも知れないのに、君の言葉はまるで、
 その情報提供者をまるで犯罪者扱いして、出頭するよう命令しているように『聞こえる』ぞ。
 戦闘の影響で精神が高揚しているのはわかるが、だからこそ慎みを忘れるな。
 それが将たる者の義務だ」

言葉だけを見れば、統久はライトの言動を窘めているように聞こえる。
だがその言葉の裏には、『地球の安全保障の問題なのだから、地上の一軍閥ごときが我が物顔をするな』という、
鋭い釘が潜んでいる。
それにライトが気づけるかどうかで、統久の次の行動も変わってくるが、果たして。

>>495
そうしてライトに警告を与えた後で、通信機がマデリーンからの質問を飛ばしてきた。
その問いに統久は首を傾げ、ヘッドセットのスイッチを切り、

「リリー、この女は誰だ」
「……マデリーン・エッシェンバッハ。連邦宇宙軍少佐です。
 私達が月面に居たときに、軌道艦隊のダークマン提督がトップダウンで甲斐へねじ込んできた人間ですよ。
 おそらく、おなじ軌道艦隊に所属していたクーリマン軍曹を組み入れたときの因果が関係していると思うのですが、
 一連の出来事に関わっている河嶋大佐と同様、一体何を考えているのかわからない人です。
 ……ちなみにさっきのエフゼロに乗っていたのは彼女の旦那さんのようです」
「お前の人物評は話半分に聞いておくとしてもだ、連邦宇宙軍だと?
 何故連邦宇宙軍の連中が、地球で起きている何某に首を突っ込む。お前達、連中の体の良い隠れ蓑になってるんじゃないのか?」
「はあ。まあ、同じ因果でやってきた尉官がもう一人いるんですが、その人の行動を見るに、そういう側面もあるんじゃないですかね」
「あるんじゃないですかね、じゃない、まったく。
 今の連邦宇宙軍は元々存在した連邦宇宙軍と、旧コロニー統合軍のチャンポンだ。
 事と次第によってはその連中、不穏分子として片付けにゃならんのだぞ。それがわかっているのか?」
「DC戦争の後片付け、ですか。今回のことといい、地球の安全には敵が多いですね」
「他人事だと思って、こいつめ……」

文句ありありの顔で、統久はヘッドセットのスイッチを入れ、

「エッシェンバッハ少佐だったか? 言いたいことと言うか、疑問しかないぞ、こちらには。
 何故連邦宇宙軍の貴官が地上で起こっている事件に首を突っ込む。そちらの管轄ではないはずだ。
 そんなものの調査は極東支部に任せれば良い。……それとも、『そちらが処理しなければいけない』話なのか?」

「それとも」以降の言葉は、低く、抑えられた声で放たれた。
どう聞いても、疑念を差し向けているとしか捉えられない話し方だ。


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