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戦場スレpart2

491リリー&統久 ◆Tg./UqnJ52:2013/02/09(土) 05:56:50 ID:0KvFR1D.
一方、戦闘の余熱がまだおさまらぬ戦域から少し離れた場所。
ヒュッケバインが爆炎の中に消えたのを確認した統久は、運転席の窓を閉めた。

「……コクピット等の証拠は今の爆発で藻屑に消えた。車のシェードも展開済みだ。
 何か嗅ぎつけたような奴が居れば、即座に「ウルブズ」の人員が口を封じにかかる。
 少し休め。お前は無理をしすぎだ」
「え…………ええ……言われずとも、そう、させていただきますよ……」

先ほどの通信とはうってかわって、ひどく辛そうなリリーの声が、後部座席から聞こえてくる。
そこには、頭から血を流し、左腕と脇腹に傷を負ったしたリリーの姿。
特に左腕の火傷と裂傷がひどく、一部、肉が大きく抉れている箇所もあった。
だが不思議なことに、そうした怪我は少しずつ再生しており、火傷で爛れた皮膚も治ってきている。
「驚異的な自然治癒力」などという言葉では説明しきれないほどの再生スピードだ。

「お前に使われている「ビヴロスト・セル」はお前のためだけに作られた特別製だが、だからと言って万能ではないんだぞ。
 いくら怪我が凄まじい早さで治るとはいえ、セルの統括器官たる脳が死ねば、お前は否応なく死ぬんだ。
 それをわかっているのか?」
「わかって、いますよ……。これは、私向けであると同時に……あなた向けのものでもある、という、ことも。
 私が、「育ての親」と交わした、唯一の契約でもありますから……」
「ふん、「トライアロー」か。まあ確かに、その契約が果たされるのが私にとっては第一だが。
 だが、だからさっきのようなことを言ったわけではないぞ。
 そういう冷えた関係で居るには、私はお前のことを知りすぎている」
「……へえ、そうですか。そんな言葉を頂けるとは……思ってもいませんでしたね。
 何か悪いものでも、拾って食べましたか?」
「こいつめ、口だけは減らないな。
 ……まあともかく、それだけの再生をするんだ、後でとてつもなく腹が減るぞ。覚悟しておくんだな」
「これさえなければ……便利な力なのですけど、ね」

そう言って、比較的無事な右半身を下にして、リリーは後部座席に横たわった。


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