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戦場スレpart2
611
:
リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/19(火) 04:35:28 ID:f71h2lmc
>>597
戦艦と言えば、火力と防御力に優れ、機動力の低いもの……リリーの砲撃も、そのセオリーに則って行われたものであったが、
アルプ・トラウムの挙動はそのセオリーを完全に超越していた。まさか、あの砲撃群をかすめただけで済ますとは。
だが驚いている暇はない。敵艦から射出された自動攻撃子機がこちらを狙っている。姿形からして、アイゼルネのものをスケールアップしたものだろう。
縦横無尽に動き回るフライヤーに対し、ずんぐりとしたアンジェでは、対処が難しい……。
「……とでも、思いましたか? その幻想をぶち壊します」
外付けされていた大型ブースターを切り離すアンジェ。
固められていた増槽とブースターから開放された背部には、十本の長剣のようなデバイスが装着されており、五対になるように設置されたそれは、天使の羽のように見える。
「ロング・ソードブレイカー、迎撃!」
無論、それは飾りで付いているものではない。ロング・ソードブレイカー。ナイト・フライヤーと同様の、独立攻撃端末。
勢いよく射出されたソードブレイカーはそれぞれに飛び回り、それぞれに迫り来るフライヤーに狙いを定めると、
迷いのない軌道を描き、高速でフライヤーへとその切っ先でもって突撃した。
これによってフライヤーを押し返したソードブレイカーは、さらにその身を縦に割り、内蔵されている砲身を露出させると、
フライヤーの内部機関へゼロ距離射撃を浴びせた。
大型化され、アイゼルネのものよりも強力になっているとはいえ、内部に射撃を食らってはひとたまりもない。
爆砕したフライヤーたちの爆炎の中から、ソードブレイカーたちは悠々と戻ってきて、アンジェの近くに滞空する。
「高速艦と解った以上、隙を見せるのはいけませんね。
甲斐、こちらスノウフェイル。敵艦をスキャンし、テスラ・ドライブを探して下さい。
高速艦と言えど、揚力機関を失えば航行できないはずです。そこを突きます」
『こちら甲斐、了解しました』
甲斐にスキャンを依頼したリリーは、再び両肩の衝撃砲でアルプ・トラウムに向けて2、3度砲撃する。
あの機動を見る限り、この砲だけで艦を無力化することは難しいだろうが、それでも進攻の妨げにはなるはずだ。
そうして砲撃を加え、敵艦を足止めしていたリリーの元に、ライトから返信が届いた。
どうやら遅れたことに対するお叱りは無いようで、少しホッとする。だが、どこか彼女の様子はおかしかった。
レイナと相性が悪い上、エリート部隊であるエンジェルフェザーを隊で送り込んだこの作戦において、
総指揮を勤める彼女が気負うのは無理からぬ事だとは思ったが、それを抜きにしても、あのギラつきっぷりは普通ではない。
姫と同様、リリーもこの戦いに疑問を抱いている一人だったが……ライトの様子がその疑問に拍車をかけたのは言うまでもなかった。
「…………っ、了解、しました」
だが、そんな様子のおかしいライトの指示に、多少救われた者も居る。アカリだ。
ユウセイに迫るミサイルの残りを撃墜した彼女は、そのままビームランチャーの銃口をアイゼルネに向けてはいたが、
指がどうしても動かず、トリガーを引けずにいた。
おかげでユウセイがアイゼルネに捕まって、どこかに投げ捨てられてしまったが、それでもトリガーにかかる指は凍ったように動かない。
次は自分が投げ捨てられるのか? ライトの言うようにこちらに接触してくるのか? 撃つべきか? 撃たざるべきか?
「レイナさん……」
ぐるぐると回る思考が、アカリの精神を加速的に削っていく。
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