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戦場スレpart2

630 ◆h9Hr5c.eFE:2013/03/20(水) 16:25:56 ID:TUI4lK4k
>>628 >>629
「え、ぁ……ひっ…!?」
煙が晴れ、その異様な姿が白日の元に晒されたとき、つばめは喉に息を詰まらせた。
先程まで自分達が対峙していた白色の、ともすれば可愛らしくすらあった機体の影はどこにもなかった。
そこに立っているのは、偽りの人型を捨て去り、禍々しい巨腕を大きく広げた怪物。
その信じがたいまでに醜悪な素顔が現れ、雷姫を視界に捉えるまでの一部始終を、つばめは見た。
見てしまった。
「あ……ぁ……」
静香に呼び掛けようとするも、声が出ない。
過去の激戦からも感じたことのないような恐怖が全身を凍てつかせ、逆さ吊りにされている違和感すらも忘れさせていた。
「う、うあぁ! 痛ぁっ…!!」
無理矢理に両脚を目一杯まで開かれる雷姫。
コクピット内のつばめも同様の姿勢を強要され、股関節をねじ切られるような痛にに苦悶の声を上げた。

>「股から裂こうかと思ったけれど・・・女の子相手にそういうのは良くないよね
> 僕はフェミニストだから君を殺したりしないよ、安心してくれていい」

その言葉通り、つばめはほどなくして苦痛から解放された。
目に涙を滲ませ、荒い呼吸を整えながらも、つばめはようやく反撃を意図する余裕を得る。
(なんとかしなくちゃ…なんとか…!)
雷姫は、自由になっている両腕をインセイオンの狂喜じみた顔へと向ける。
そして、腕部マシンキャノンのトリガーを引こうとした……そのときであった。

>「それに勿体無いじゃないか、見せしめにするのに死んじゃったら」
>「泣いて喚いて叫んでのた打ち回って生きて貰わないと、そうすれば助ける為に人員が割かれて戦列が崩れる
> 何よりその様に怯えて動きが鈍る、見せしめに消せなんて・・・彼女も生易しい事を言うよね」

>ギギャアアアアァァァァァ!!

おぞましい程に暴力的な音色が、つばめをすくませた。
新たに視界に現れたのは、光輪。
単純なリングではなく、凶悪な“刃“を備えた回転ノコギリのようなものが、雷姫に向けられていた。

>「鋸っていうのは刃物とは少し違うんだよ、刀とかの刃物は細胞をほぼ変形させないで切るんだ
> だからそういう切り傷って言うのは縫合で治せる、でもねぇ・・・」
>「鋸は違うよ、肉に刺さった小さな刃がそのまま引き千切る
>> 細胞もグチャグチャで切断面も一定にならない、だから切り落とすしかなくなっちゃうんだよねぇ」

このひとはなにをいっているんだろう。
迫り来る丸鋸を前に、つばめはそんなことを思った。
この青年の云わんとしていることは只一つ。頭ではその恐ろしさを、冷静に理解できている。
しかし、だったら何故彼はこんなにもにこやかなのだろう。
どうして穏やかに、微笑みさえ浮かべていられるのだろう。
凍りついていく思考とは裏腹に、つばめの体はカタカタと力なく震えていた。

>「それじゃ、元気良く宜しく」

「ぁ……ぁ……や、やめっ……」
言葉は破壊的な、あまりに残虐な音色に遮られた。
「ひやあ“ぁぁぁぁぁあああぁぁあっ!!!」
丸鋸は雷姫の下腹部に突き刺さると、肩口へ向かって走りながら、ギャリギャリとその装甲を引き裂いていった。
「ぁふぅぅッ!? ひぃっ、ひ、ひぃぃぃあぁぁぁあッ!!!」
つばめの纏うスーツの該当箇所に激しいスパークが走り、引き裂けるように破れていく。
それは致死レベルのダメージが機体に与えられていることを示す。


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