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戦場スレpart2

409アカリ&リリー ◆Tg./UqnJ52:2012/11/16(金) 17:13:21 ID:276WmNrY
>>407-408
本人達にとっての真実が、他人にとっての真実となるとは限らない。むしろ、異なることの方が多い。
今回もそのケースとなったようだ。
リリーたちをその場につなぎ止めるかのような巨大なパフェ、「陰謀大佐」などという異名を持つ退役軍人が(おそらく偶然ではあろうが)近くに来たこと、
警備システムのログから確認できるレミー中尉の会談相手等々……それらはリリーに疑念を持たせるには十分な材料だった。
通信ログを改竄し十数個のダミーを噛ませながら、ハッキングの痕跡をきれいに消したリリーは携帯端末をカーディガンのポケットに仕舞い、

「アカリさん、この場を離れましょう。今すぐに」
「え? 今食べ始めたばっかり…………え!? 無くなってる!?」

アカリが驚くのも無理はない。あれほど山盛りになっていたパフェが、少し目を離した隙に無くなっていたのだから。
対するリリーは「なんだそのことか」と言いたそうな顔で、

「ああ、どう考えてもアカリさんのお腹には入りそうも無いので、こちらの分を食べながら、密かにアカリさんの皿から強奪していました。
 しかし状況が少し変わったので、ブーストをかけさせてもらったというわけです」
「にしたって早すぎですよね!?」
「おや、アカリさん、お気づきになっていなかったので? 私、サイボーグなんです。加速装置くらい積んでますよ」
「仮に積んでいたとしてもそれ効果違いますよね、絶対!」
「いいからほら、早く来てください」
「あ、り、リリー、引っ張らないで……!」

そんなやりとりをしつつ、リリーはアカリを強引に引っ張ってその場を離れた。
「タケミカヅチ」というワードが聞こえてきたような気はしたが、アカリもリリーも件の神の一件には関わっていなかったために、
知識としては知っていても、そのワードに引っかかることはなかった。
ともあれ、アカリを伴ってそれなりの距離を離れたリリーは、やや険しい顔で思案する。

(エレミーラ・タイデグリー……何のつもりでしょうか。少なくとも「あの関係」ではなさそうですが、このような場所で、
 非公式にああいった面々と会談するというのはどう考えてもおかしい。
 部隊内部の情報をどこかへ流しているのは確実……しかし、何の情報を?
 例の月での一件がまず挙がりますが、それだけでは無い可能性は濃厚……ともすれば、こちらの身も危うい?)

リリーは無意識に、腰の辺りに手をやっていた。

(むやみやたらに使うな、とは言われましたが、使うなと言われたわけではない。
 ……場合によっては、銃弾による解決もやむなし、でしょうか?)

「リリー? リリー!」

思考が物騒なものになったところに、肩を叩かれる感覚と、強めに呼ばれる自分の名前に、リリーはハッとする。

「どうしたんですか、リリー? さっきのことといい、呼んでも気付かなかったことといい、何だか変ですよ?」
「……そんなに呼んでたんですか?」
「ええ、何度も!」

口をへの字に曲げて怒り顔のアカリに、リリーは「う〜ん」と考え込んでいるようなわざとらしい唸り声を聞かせて、

「いえね、ヒツギさんたちがストロベリらないというのであれば、私達がするしかないな、と思いまして。
 アカリさん、アカリさんさえ良ければ、私の部下になりません?」
「唐突すぎて何もかもわからないですよ!?」

怒ったと思えば今度は困惑し、慌てふためいている。そんなアカリの様子を、リリーは内心、「面白いかも……」と思いながら眺めていた。


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