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戦場スレpart2

282アカリ&リリー&姫 ◆Tg./UqnJ52:2012/09/20(木) 23:50:05 ID:waje.t2I
>>274
「カーマインさんとハヤセ少尉、そして敵の動向に細心の注意を払い、必要ならば援護行動に入って下さい。
 カーマインさんの言動から察するに、ハヤセ少尉にかなり良くないことが起こりそうです。 リリー」
ビルトラプターに高度を落とさせながら、アカリは先ほどリリーから届いた奇妙な電文のことを思い出していた。
リリーはあの年頃の少女としては変わっているが、こんな不吉な電文をいきなり送ってくるような人でもない。

「お願いだから何も起きないでいてよ……!」

確かにレイナの様子はおかしいし、あの口喧嘩は普通ではない。
それが裏付けになるわけではないが、アカリもどこか、胸騒ぎがしていた。

>>273,>>275
「敵の特機が戦域に入ります!」
「…………!」

西の空から巨大な光の翼を携えてやってきたそれは、鳥のような形の大型機体。
目視で確認できる距離にまで接近したと思うや否や、何と人型へと変形したではないか。
その姿は中世の騎士のそれに似ており、柄の両端から緑色のエネルギーランスらしきものを出力した武器を手にしている。

「あれは……騎士のロボット?」
「確かに身なりは地球的なデザインですが、今はそんなことは関係ありません。
 あれは敵です。主砲しょうじゅ…………!? いけない!
 バスターキャノンモジュール非常弁・隔壁全閉鎖! G・ウォールを艦首に集中! 最大展開!」

リリーが敵に主砲の狙いを合わせようとしたのと同時に、敵機の前に青い円陣が生まれる。
バスターキャノンの照射後に現れた敵の特機、投槍のような姿勢と、その前にある意味ありげな円陣。
かなり悪い予感を抱いたリリーは、咄嗟に指示を切り替えた。ブリッジクルーはリリーの様子に何事かと思いながらも、その指示に従う。
直後、槍で貫かれた円陣から緑色の暴竜のような竜巻が生まれて、まっすぐ甲斐へ向かってきた。

「被弾します! 総員、衝撃に備えて下さい!!」

竜の如き竜巻はやはりリリーの危惧したとおり、甲斐の艦首、バスターキャノンモジュールに着弾した。
艦首に集中展開されたG・ウォールは、展開面を通して見る光景がぐちゃぐちゃに歪んで見えるほどの出力で展開されていたが、
竜巻のあまりの勢いに展開面を大きく削られて展開面を割られ、それが守っていたバスターキャノンモジュールに竜巻を通してしまった。
G・ウォールでエネルギーを殺したとはいえ、ウォールを貫通した竜巻のエネルギーはバスターキャノンモジュールを破壊して余りある威力であり、
モジュールの主要機関部と左舷側の光子チューブチャンバー、艦首装甲を吹き飛ばして左舷方向に抜けていった。

「むぐ……!」

甲斐の内部はその衝撃で激しく揺れ、艦長席のコンソールに掴まっていたリリーは揺れによって投げ出され、艦長席に座る姫の太ももに顔から突っ込んでしまった。
バスターキャノン照射から今まで、シートベルトを締めっぱなしにしていた姫は着弾の瞬間に目をぎゅっと閉じ、耳を両手で塞いで着弾の衝撃と轟音に耐えていたが、
自分の膝に突っ込んできたリリーの感触で思わず息を呑むような悲鳴を上げてしまう。

「お……落ち着いてください、艦長。私です、リリーです」
「あ…………ああ、リリー少尉でしたか……大丈夫ですか?」
「ええ……投げ出された先にちょうど、良質なクッションがあったので……」

姫に助け起こされたリリーは、姫の気遣いにいつもの調子で返す。
「うっ」と赤面した姫に「おかげさまで助かりました」と謝したリリーは、コンソールに並ぶダメージ表示に目を通す。
今のでバスターキャノンは致命的な損傷を受けてしまったようだ。
だが、着弾前の精一杯の防御指示が功を奏したのか、内部に誘爆するようなものではなかったのが幸いだ。


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