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戦場スレpart2

141 ◆zv577ZusFQ:2012/09/10(月) 23:26:49 ID:JmndlBQs
>>137
【「俺も早く会えて嬉しいよ。」】

「ふふん。そうか」

屈託の無い素直な返答を返すヒツギ少年に気を良くするレイナ。
……と、ここまでは上機嫌であった。

【「短い間だったしお見舞いに来てくれた人も居たけれど、さすがに入院は退屈だったし」
「お見舞いといえばあけっちが果物と造花をくれたけど、あれは甲斐に持って帰ればいいのかなぁ」】

「ライトが??……くっくっく。まさか我が家臣をたぶらかそうとは……うっふふふふ」
明智ライトの名を聞いた瞬間に、そこまで割かしにこやかだったレイナは目を据わらせ青筋を立て、肩を震わせていた。
くっくっく。と笑っているが、そこには笑いなんか一切入っていない。
そう。言うなれば単純な怒りの感情。

「……あの薄ペラ天使ぃ、今度遇ったらズタズタにしてカオスにくれてやるわ」

何が薄くてペラペラなのかはこの際、あえて説明は省く。
先日、空港にてなかなか良い別れ方をしたと思っていた矢先にこれだ。
レイナは自分の眷属として血の契約(大袈裟)を交わしたヒツギ少年が、憎き天使に奪われた様な妙な焦りを感じていた。

そのせいで自らが話を振ったユウセイ曹長の事など、ロクに聞いていない。
とりあえず、次に遇ったらまたケンカが始まるのだろう。今回の収賄行為はそれで手打ちとした。

【「そういや看護婦さんが筋肉ムキムキのマッチョマンが何重にも袋に包まれた物体を持ち込んでたってのは聞いたよ」
「なんでも中身を確認したナース長さんが酷い顔をしてトイレに走っていったとか・・・何故か騒ぎにはならなかったみたいだけど」】

「ああ、それイサムよ。なんでもユウセイ曹長にかなり肩入れしてるからね、そっちに行ったのじゃないか?あの漢は」

レイナもこの医療の場でかなり目を引く存在だが、イサムも大概である。
例えるなら世紀末覇者が現代の病院へノコノコやって来たかの様なアンバランスな場違い感。

【「っとそうだった、迎えに来てくれたってことは何か用事でもあるんだろ?」
「もしかして・・・バルクレイスのことか?」】
「当たりよ。イクリプス、彼に説明してあげて」

イクリプスは一礼してから、ヒツギに経過報告書を手渡しする。

「率直に言うとバルクレイスの装甲を形成するゾルオルハリコニウムが足りないので修理が出来ないのです。
マオ・インダストリー社にあたってみたものも、相当量のゾルオルハリコニウムは用意出来ないと仰っていました。
月から地球に帰還する間に敵の攻撃が無いとも限りません。
なので、地球でバルクレイスを修理するまでの代替えにと、こちらでヒツギ様の機体を用意させていただきました」

その経過報告書と一緒に新たな機体の仕様書も同梱されているのが確認出来るはずである。

「ヒツギ、君にはXゲシュペンストに極めて近いPT、ゲシュペンストMk-Ⅱ S/Bを任せる。これまで同様、私に尽くしてくれ」

胸を張ってビシッと指をさすレイナ。
ヒツギ用のゲシュペンストを納期を切り上げて強引に無理を通して用意させたのも、全てはこの年端もいかない少女の一声であった。信じられない話だが。


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