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戦場スレpart2

44リリー ◆Tg./UqnJ52:2012/08/15(水) 05:49:37 ID:59hs.DGo
>>39

エクセリオンから送信されてきた見慣れないサインに、頭上にクエスチョンマークを浮かべてリリーは首を傾げたが、
それを見ていたCIC要員の何人かが、「これって……」などと、その意図に気づいたように囁き始めた。

「今のサインがわかるのですか?」
「ええ、ラングレー基地で使われているサインですね。これをここで見るとは思いませんでした」
「彼は何と?」
「合図を出すから、それと同時にエクセリオンに向かって三式弾を撃って欲しいそうです」
「エクセリオンに……? わかりました。いつ合図が来ても良いように、一番副砲のモーターは温めておいてください」
「了解」

中距離対艦戦や対空迎撃に用いられる副砲塔の挙動は、主砲塔と比べてかなり素早い。
しかし、それでも高速で動き回るエクセリオンに対し、いつ来るかわからない合図と同時に射撃しなければならないとなれば、
エクセリオンに照準を合わせ続ける必要がある。
砲塔を回転させるモーターを最大稼働させて、エクセリオンを狙い続ける副砲塔。
その照準の先、射出したミサイル群を迎撃されて、エクセリオンが爆炎に包まれた直後、レオンハルトからの合図。

「少尉!」
「一番、発射」

合図を受けた甲斐の一番副砲が火を吹く。
撃ち出された三発の三式弾はその勢いのまましばらく直進し、絡み合うエクセリオンとシャドウストライカーの手前で炸裂、
大量のベアリング弾を二機の方向に向かって撒き散らした。
三式弾は艦船や特機の厚い装甲にはあまり効果のあがらない砲弾であるが、高機動を旨とする、比較的装甲の薄いPT等には致命的な威力を発揮する。
うまくいけばシャドウストライカーを仕留めることが可能だろうが、問題は味方機の方であるエクセリオンである。
果たしてかの機体はこの弾雨を切り抜けられるのか……?


>>42

一番副砲を射撃した後、リリーは「そういえば」と前置きして、

「カーマインさんと明智大尉は何処に行っちゃったんですか? お手すきなら甲斐の直援にまわって欲しいのですが……」
「わかりません。情報が錯綜していて……。シャドウストライカーの一機を撃破したのは確認しているのですが」
「とにかく、通信を繋いでください。もしかしたら、私たちが気づいていないだけで、ピンチに陥っている可能性も……っ!?」

指示を出していたリリーが突然、熱くなったヤカンに触ったときのように、手を置いていたコンソールから素早く手を離した。
無論、コンソールがお湯を沸かせるほど熱くなったわけではない。
だがその瞬間は、甲斐の機動兵器ハンガーで、半壊したストライクストームが異常な再生を始めたのと同時であった。

「少尉? どうされました?」
「く……クーリマン軍曹に通信を繋いで下さい。至急です」

声を張り上げたわけではないが、その切羽詰まったようなリリーの表情に尋常ではないものを感じたCIC要員は、
すぐさま甲斐の直援をしているラウディのエフゼロと通信を繋いだ。
それを見て取ったリリーは、震える手でヘッドセットを押さえて、

「クーリマン軍曹、こちら甲斐です。無茶を承知で言います。直ちに甲斐のハンガーからストライクストームを放り出して下さい」
「少尉、ハンガーのストライクストームが……!」

ハンガーからの緊急連絡で、CICは甲斐の内部で起こっている異常事態を知った。
それを予期していたかのようなリリーの通信は続く。

「このままでは本艦は沈みかねません。頼めるのは、あなたしかいないんです、軍曹」


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