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戦場スレpart2

705 ◆Tg./UqnJ52:2013/03/27(水) 04:13:54 ID:1FF01gMw
>>701
錐もみ状態で落下する二機は、アンジェを下にして地表に落下することで、その墜落を止めた。
アイゼルネはこれで甲斐の前からアンジェをどかすことに成功したわけではあるが、その代わりのように、
アンジェの両腕の盾、その先端の鋏がアイゼルネの両肩、胴体との接続部をがっちりと掴む。
それと同時に、鋏の根本から太い針が3本ずつ飛び出し、アイゼルネの装甲を叩いた。
電撃兵装シーズサンダー。鋼龍戦隊の機体にも搭載されていた、超高圧電流を流し込む強力な武器である。
自己再生能力のあるアイゼルネを倒すのは非常に手間だが、電撃で機体の電装部品を全てダウンさせれば、簡単に無力化できるはず。

「捕まえましたよ。さあ、これで…………っ、ぁ!?」

この戦闘に幕を引こうとしたリリーの身体を、静電気のような感覚が駆け抜けていって、リリーは身体を抱いて思わずうめき声をあげた。
リリーはこのアンジェを、先の戦闘で搭乗した量産型ヒュッケバインと同じようにシステムの完全ジャックによるマスタースレイブモードで動かしていた。
それはリリーの身体を構成する、彼女のためだけに作られた改良型マシンセル「ビヴロスト・セル」の力であり、
今のアンジェは彼女の身体の延長のようなものであった。
脚部に巻き付いたアイゼルネの左腕と、相手の機体を捉えたシーズサンダー機構。
盾を隔てていた時とは違い、それらの要因によってマシンセルの塊であるアイゼルネと直接接触したために、
アンジェを構成するシステムのマスターであるリリーと、アイゼルネ……いや、その中のレイナとの間に、微弱ながら、
数ラインのバイパスによって互いのセル同士の共鳴現象が起こった。リリーを襲った電流のような感覚は、これに起因する。

「こ、れは…………同じ……? いや、違う……『かみ合ってない』…………そんな、カーマインさん、あなたは……?」

シーズサンダーのトリガーを引くことを忘れ、寒さに耐えるように身体を抱いたまま、リリーはうわごとのような言葉を口にする。
初めて味わう奇妙な感覚と、共鳴により感じ取った、レイナの『歪さ』……その二つによる精神的なショックが、リリーの行動を止めていた。

動きを止めたアンジェ。その上空では、アルプ・トラウムの様子がおかしいことに気付いた甲斐が、敵艦の正面から逃れるべく、回避行動を取り始めていた。


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