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戦場スレpart2

58アカリ&リリー ◆Tg./UqnJ52:2012/08/20(月) 02:12:39 ID:dxWSl7HE
>>57続き
だが、対応しなければならない事は他にもある。空気が良くなったのを見計らうように、別のCIC要員が新たな報告をリリーに伝える。

「少尉、ダイデグリー中尉が甲斐の周囲を隠れつつ旋回している敵機の機動パターンの割り出しに成功したようです。
 ブリッジの中尉からデータリンクが確立されました」
「あれの解析に成功したんですか? わかりました。一番、二番、三番副砲塔へ三式弾を装填。現在、その敵機に当たれそうな味方機は?」
「先ほど撃破した敵機に当たっていたエクセリオンとクレマチ伍長のゲシュペンスト、それとガブリエルですが、
 敵機の現在の位置から一番近いのはゲシュペンストです」
「ではクレマチ伍長へ通信を」
「了解」

すぐさまアカリのゲシュペンストへと、甲斐からの通信が入った。
甲斐から漏れた通信によって甲斐内部の虐殺がアカリにも伝わっているようで、顔面は蒼白であったが、
彼女は気丈にも『はい、こちらクレマチ』と、普段通りの声色と対応を甲斐に返した。

「伍長、甲斐の右舷側の弾幕は見えますね? あの場には甲斐の周囲を旋回していた敵機が居るのですが、
 決めの一手を撃ち込むためには、かの機体に対する楔が足りないのです。
 そこであなたに、甲斐とは別方向からの楔を打ってもらって敵を一定範囲内に釘付けにし、そこへ副砲塔三基による三式弾の同時射撃を仕掛けます。
 幸い、敵機には甲斐から離れるという思考が無いらしいので、今のうちに決着を付けたいのです」
『了解です』

すぐさまアカリのゲシュペンストはスラスターを吹かして反転し、手持ちの武器をM950マシンガンからブーステッド・ライフルに持ち替えた。
リリーがアカリに要請したのは、敵の退路を断つことである。
甲斐の対空砲火はレミーの割り出した機動パターンのデータもあって、シャドウストライカーを近づけず、進路を封鎖することに成功していたが、
ただ一点、甲斐から距離を取るという退路を残したままであった。
その穴を埋めるべくリリーが投入したのが、ゲシュペンストのブーステッド・ライフルによる射撃である。
リリーが言ったように、かの敵機は甲斐から大きく距離を取るという選択をしないままであったが、
細かく距離を稼ぎ、対空砲火の弾幕が荒くなった箇所を通って対空砲火を回避し続けることはやっていた。
が、アカリの射撃によって、その選択は潰されてしまう。
高速で飛び回る攻撃子機をも撃ち落とす、超速度反射能力に裏打ちされた正確かつ柔軟な狙撃が甲斐の対空砲火のキルゾーンへと介入し、
気づけばシャドウストライカーは上下左右前後を弾丸の壁によって阻まれ、一時、弾雨の「箱」の中に閉じこめられてしまった。

「一番から三番副砲、照準。目標、敵ASもどき」
「了解。スラスター起動、敵機との相対角度調整。測距及び照準よろし」
「一番から三番、斉射」

その敵機が「箱」に閉じこめられる一時、それこそ、リリーが望んだものであった。
弾幕によって敵の機動力が完全に殺されたのとほぼ同時に、リリーは艦首側と艦尾側、右舷の三基の副砲塔に射撃を命じる。
三連装副砲塔三基による、三式弾の一斉射。
エクセリオンが先ほど相手をしていた敵機へ放たれたそれの三倍の量という途方もない数のベアリング弾が、
弾幕に閉じこめられたシャドウストライカーへと襲いかかり、敵機は悲鳴を上げる間も許されないまま全身を撃ち抜かれて細かな残骸となった。


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