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戦場スレpart2

180 ◆zv577ZusFQ:2012/09/14(金) 21:43:51 ID:btDXUXFQ
>>176>>178
闘いは激しさを増し、ゲシュペンストS/BとアルブレードCSがお互いの全力のパワーでぶつかっている。
観戦者の誰もが息を飲んでそのファイトを見ている様なのだが、レイナの目には今現実にあるこの光景とは違う妙なヴィジョンが見えていた。

「……ぅ……っ?」

その幻惑のショックなのか、イクリプスぐらいにしか聞き取れないぐらいに本当に小さく呻くレイナ。

突然、網膜を襲ったそれは、ゲシュペンストS/Bが……ヒツギが巨大な怪鳥の様な化け物に喰らい尽くされ、貫かれるヴィジョン。
場所はどこだろうか?靄の様なものがかかってそこまでは視覚出来ない。

(……視覚情報を通り越して、この胸を刺す黒い冷たい痛みのヴィジョン。……ヒツギ。いったいこれは)

模擬戦ではまたもう一度、ゲシュペンストとアルブレードが激しくぶつかる。
盛り上がりも最高にヒートアップしているのが目に見える。
しかし、レイナにはそんな現実の光景を見る事が出来ていない。
皆が盛り上がるのを他所に一人、真っ青な顔をしている。
2機がぶつかる度、装甲が軋みを上げる度に黒い残酷なヴィジョンが代わりに映る。

10回程、そんな幻惑を繰り返した所で認めたく無いがレイナは理解する。

(……ヒツギが逝くんだ)

それは大切な家臣を失ってしまうという最悪のヴィジョン。
レイナの右目が移す未来のヴィジョン。それは現実に起きるもの。

(……そんな馬鹿なことが有ってたまるものか!……やめ……そんなこと)

しかし、否定しようともレイナの赤い呪われた右目は狂った様に死のヴィジョンを連続再生する。
何度も何度も何度も。
何回、死ねば気が済むのだろうか?
レイナは頭がおかしくなりそうだった

「……お嬢様。お嬢様?」
「……ぇ?」

レイナを現実に引き戻したのは彼女の最も信頼する使用人の一声であった。
危うく意識を持っていかれそうになっていたが、レイナも我に帰る。

「御気分が優れない様ですが」
「……ええ最悪よ。……この私の居眠りを邪魔するなんて。……ふぁ〜あ。あんまりちんけな決闘だから思わずね?」

気遣うイクリプスに対して、レイナはというと親友の眠り姫の受け売りで今あった事を何でも無いと誤魔化した。
しかし、レイナの見たヴィジョンは確かに現実になる。これは忘れてはいけない。


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